【安価&コンマ】亡国の姫と従者の逃亡記録─第2幕─ (771)


敵国からの急襲により国を抜け出し、追われる身となった姫君が放浪の旅をすることになります。
選択、安価、コンマの力で姫を導いてください。

前スレ
【安価&コンマ】亡国の姫と従者の逃亡記録 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1626516005/)


世界観

 剣や魔法が存在する世界ですが西側の帝国は古代文明の遺産を手に入れた事で文明武器(銃や大砲)なども存在します、それ以外は話が進む毎に付け足していく感じになります。


注意事項

 故意に何度も同じ展開に持っていこうとしたり、荒らしに該当する行為や安価があった場合は無効として再安価などをとる場合があります。
 またシステムやルールは途中で手を加えたり、>>1の独断でキャラにいきなり設定が生えたりもます。
 エロは純愛、敗北陵辱(NTRなども有り)などが基本になりますが話の進行上強制的にえっちシーンが展開される事もあります。
 その他にエロ以外にグロシーンやキャラクターの死亡描写などが多々出てきますのでご注意ください。


その他追加事項とかも出てくると思いますがその都度追加していきます。


戦闘ルールについて


 戦闘イベントでは相手の行動に対してより強い行動を取れた方が勝者になります。

 戦闘行動にはそれぞれじゃんけんのような三竦みの相性が有り、相手より優位の取れる行動を取れるかが鍵です。
 先にこちらの行動を指定し、次に敵の行動をコンマで決めます。決められた判定回数のうち勝ち越すことが出来れば戦闘に勝利になりますがゾロ目による逆転負け(勝利)になることも。

 また物語の進行にて戦闘を有利に進める(または不利に陥る)バトルスキルを獲得する事もあります。

 また規定の判定内で勝負がつかなかった場合はコンマによるサドンデス勝負で決着を決めます。
 戦闘に敗北したときは敗北凌辱シーンに移ります。(ただし、無い場合もある)


えっちシーンについて

 当スレのエロシーンは>>1がその場の展開に応じて書いていくスタイルになります。安価で募集することは基本的には無いのでご注意ください。
 陵辱シーンは主に戦闘安価での敗北やストーリーの展開で強制的に挿入される場合もあります。
 純愛えっちは自由行動時に各キャラクターのフラグを集めることで発生させる事ができます。


メインキャラクター紹介

フローリア【主人公1】 女性 17歳(1スレ目>4)
 ミクトラム王家のお姫様。ラジル帝国に故郷を追われ、逃亡の旅を続ける慈愛に満ち溢れる王族の少女。
 旅の中で己の非力や無知を知り強くなりたいと願う。一方で国に戻る誓いを秘めながらも方法が分からず逃げ回るだけの自分を恨んでおり無理や無茶をする事が増えてきた。
 周りから大事に育てられてきた為、性知識に関しては乏しく赤ちゃんは男と女が仲良くしていれば神様が授けてくれるものだと信じていた。しかし旅の中で2度も犯される中で自分の信じていた赤ちゃんの授かり方が間違いだと知り精神的に大きなショックを受けている。(後述の時戻りの力で肉体は処女のまま)


クロウス【主人公2】 男性 35歳(1スレ目>7)
 大振りの剣を構えるフローリアの護衛騎士。
幼き頃からミクトラム王家に仕えており、フローリアが産まれてからずっと側で守り続けている。
 国を占領するラジル帝国に憎しみを持ちながらも姫を護ることを第一とし、物事にあまり私情を挟まない真面目な性格をしているが状況によっては柔軟に対応する頭の軟らかさも持ち合わせている。


ルル 女性 16歳(1スレ目>79)
 ナール魔導学院の主席にして魔法使いの天才少女。明るくお転婆な性格で旅のムードメーカー的な存在だが、真剣な場面や戦いの中では冷静になれる一面もある。
 学院生の中でもきっての天才肌で、二種の魔法をほぼ同時に発動したり詠唱の高速化、覚えられる魔法の多さなど頭ひとつ抜けた天賦の才を秘めている。
 祖国から逃げ出す羽目になっても明るい姿を見せ続けているが、尊敬していたディアナの裏切りを目にした彼女の心がやすらぐ事は無いだろう。


ジェニファー 女性 17歳(1スレ目>96)
 ルルの親友兼自称ライバルを名乗る学院生。自信に溢れる言動や強気の態度で誤解されがちだが、他者をいたわったり、強い人には敬意を表したりと心優しく強い精神性の持ち主。
 魔法使いとしての才能は平凡でルルやディアナといった優秀な才能の持ち主に対して劣等感を感じることもある。
親友の隣に並び立てるよう、力不足を感じつつも新たに進むべき道を模索しつつある。


リトア 女性 16歳(1スレ目>524)
 シルヴェロギアに向かう途中で出会ったキャラバン商隊の会計担当の少女。落ち着いていて穏やかな印象を受けるがお金には厳しく、初対面の人が相手でも物怖じしない芯の太さも伺える。
 戦闘をこなすことはできないが、商売の経験や色んな事に興味を持ち知りたがる性格が故に豊富な知識や雑学を知っており、フローリアが病に伏せてしまった時は一行を助ける大きな一因となった。


レビュオス 男性 35歳(1スレ目>588)
 銀竜礼拝の地、シルヴェロギア国の兵士長。陽気で気さくな性格だが公務中は真面目と公私の切り替えをキッチリとこなすナイスガイ。
 歴代の兵士長から受け継がれる弓へと可変可能な双剣を武器とし、距離に関係なく対応できる戦闘スタイルが持ち味。
 かつては妻子持ちだっただったが娘を病で亡くし、流れるように妻も家を出ていったため今は一人で生活している。娘を助けられなかったことに強い後悔を抱いていたがフローリアを救ったことでトラウマから脱却する。


アンリエッタ 女性 19歳(1スレ目>613)
 シルヴェロギアの象徴とも言える銀竜に仕えし竜巫女の少女。子供のような見た目とは裏腹に落ち着きがあり丁寧な物腰を崩さないがオフの日は見た目相応にころころ表情を変える愛嬌を見せる。
 幼き頃は同年代に先祖返りとして生えてしまった角と翼のせいでイジメられていたがレビュオスの歳の差を感じさせない公平な態度に好感を持ち、以後は巫女として彼を従えながらも胸を張れる自分になれるよう見習っていく事にした。

テンプレのデータが一部ふっ飛んでしまったので他のキャラクター紹介や国家案内は別日に追加していきます、バックアップって大事ですね(蒼白)

前スレはまだ使うの?

>>5
次の更新からはこっちのスレを使います。なので前のスレはもう使わないので埋めてしまっても大丈夫です。

それではテンプレの復旧とフロアンリの陵辱書き貯めに入るので今日は終わります。
おやすみなさいませー。


敵対勢力


アマティアス 男性 23(1スレ目442)
 ラジル帝国の第一皇子にして時期皇帝筆頭候補。ミクトラム王国への侵略を指揮したりナール魔導帝国侵攻作戦を指示をするなどラジル帝国における最重要人物。
 若くして指揮官としての才能を発揮するだけでなく武芸や魔法においても高い実力を持っている。カリスマ性にも溢れ、我の強すぎる【四獅星】と呼ばれる直属の部下を従え覇道を突き進んでいく。
 しかしどうにも今と昔で性格が違っているらしく、彼に何があったのかは未だに誰も知らないようだ。


セヴェル 男性 33歳(1スレ目450)
 アマティアス直属の部下【四獅星】の一人。痩せ細った長身の体格に薄気味悪い笑いが特徴の魔法使い。
 その外観に違わず狂気的な人体実験を何度も繰り返し、行き場を失った所をアマティアスに拾われる形で四獅星入りすることになった。魔物と魔物、もしくは人間を合わせた合成魔獣を産み出したりと【狂乱】の二つ名の如く、何をしでかすか分からない危険な思想と思考の持ち主。


ネルミェス 女性 33歳(1スレ目451)
 アマティアス直属の部下【四獅星】の一人。妖艶な雰囲気を醸し出す大人の女性。
 禁呪に手を出した結果、髪が触手の様にうねうねと独立した生き物のようになってしまっている。それ以外はわりと常識人のようだがレズっ気が強く、かわいい女の子を惚けさせるのが趣味の様子。二つ名の【惑業】を背負うがその意味は本人のみぞ知る。


アムヌグ 男性 45歳(1スレ目456)
 アマティアス直属の部下【四獅星】の一人。2mを越える慎重に鎧のように盛り上がった筋肉を備えた巨漢の男。
 帝国出身の傭兵の一人だったが余りある戦闘力が認められ現皇帝の代から帝国に仕えることになった。武人気質の堅物かと思われていたがアマティアスに四獅星としてスカウトされて以降は無尽蔵に湧き出る闘争への渇望を抑えなくなり【紅血】の二つ名に相応しい鬼神のごとき奮迅を見せる。


レナード 男性 23歳(1スレ目459)
 アマティアス直属の部下【四獅星】の一人。フランクな態度と笑みを絶やさない優男。
 飄々とした態度で何を考えているか分からない事も多いが帝国軍には昔から属していた為、他の四獅星メンバーよりは帝国兵達にも信頼されているらしくアマティアスとは年齢も近いので旧知の仲らしい。【残影】の二つ名は戦場における情報伝達力と戦闘能力の高さから付けられた。


ディアナ 女性 16歳(1スレ目95)
 ナール魔導学院において優秀な成績を修めていた才女。お淑やかで周りからの人望も厚く、貴族だが身分の差を気になどしない器量の大きさもある正に完璧な女性といえる

 学生でありながら国属の魔導師として働いており氷の魔法を得意としている。学年首席のルルとは共に切磋琢磨し腕を磨き会う仲だと思われていた。実際ルルが貴族生徒に苛められている所を助けたりと彼女には尊敬の眼差しを向けられている。
 しかしナールとラジルの戦争にて主君であるモルガンヌを裏切り、帝国から受け取った【知識喰らいの書物庫】によってモルガンヌから魔力と魔法を奪い取る。その目的はただ一つ、常に自分より上を行くルルを蹴落とす事であり今はラジル帝国より管理を任されたナールにてルルを待ち構えている。


緣を壊されし者

モルガンヌ 女性 28歳(1スレ目103)
 魔導帝国ナールの現女帝。千年に一人と言っても過言ではない魔法の才能の持ち主であり政治に関しても一流と若くして頭角を表した実力派。
 幼き頃にその魔法の才能を反貴族派の人間に見出され半ば拷問とも言える教育を施される。血の滲むような努力の末いまの力を手にした。代わりに辛い思いを封じ込めた結果、感情が希薄になり無表情で冷徹な一面が際立つようになってしまった。
 ミクトラム王国との盟約に従いフローリア達を保護したがラジル帝国との戦争で国属の魔法使いであるディアナの裏切りにより魔力と会得していた魔法を奪われる。敗戦した彼女は魔導帝国と共にラジル帝国の手に墜ち、帝国兵達に慰み者として蹂躙された。


国家紹介
 

【名前】ミクトラム王国
【特徴】一年を通じて気候が安定しており、友好国も多く穏やかな風土の国。精霊信仰や魔法技術など他国の特徴や文化を受け入れることにも寛容的で国民は豊かな生活を生きている。
 主人公達の祖国だが現在はラジル帝国に占領されてしまい、帝国兵士達の無秩序ぶりに国内の情勢は悪化の一途を辿っている。

【名前】ラジル帝国
【特徴】険しい山岳や雪山を背にした荒れ果てた地に存在する国家。武力による統治を進めた結果、大陸内でも頭ひとつ抜けた戦力を保有している。
 現在は古代文明の遺跡から発掘される大砲や火器による部隊編成や【四獅星】と呼ばれる第一皇子直属の部下による圧倒的な力で近隣諸国からは恐れられている。王国との和平条約を裏切り益々勢力を高めているみたいだが…?


【名前】ナール魔導帝国
【特徴】魔法使いが人口の9割を占める国。日常において魔法は当然のように存在しているものであり、教育の場も整備されている。女王はこの世界最強の魔法士と名高い人物。
 魔導女帝モルガンヌによる統治により魔法技術の発展が目覚ましく安定した国力を保持していたがラジル帝国からの侵略を止める事ができず敗戦、以後はミクトラム王国との同じような扱いを受けている。


【名前】シルヴェロギア
【特徴】外交をほとんどしていない小国。国民の殆どが不自由のない生活を送れている。『銀竜信仰』という独特な宗教文化が根付いている。
 国と呼ぶには小規模だが暖かい国民性と竜巫女という象徴の存在でとても平和な国となっている。


現在未登場の国

【名前】マーラ国
【特徴】一見平和そうに見えるが夜は国民全員が獣のように盛り合う。国の中心部にあるおおきな鐘に秘密があるようだ。

【名前】聖河教連
【特徴】宗教で纏まった、聖なる大河周辺の国家連合。豊かな大国で、宗教の力が強い。


えっちシーン目録(★付きはストーリー上強制イベント)


ハラマセカエル戦・敗北陵辱(1スレ目59~)
対象:フローリア カエル魔物にレイプ後、媚薬効果によりオタマジャクシを産卵しながら絶頂。
 
★魔導帝国の陥落(1スレ目417~)
対象:モルガンヌ 魔力と魔法を奪われ、身動きが取れないところを帝国兵達に輪姦。
 
マッドスキュラ戦・敗北凌辱(1スレ目558~)
対象:フローリア、ジェニファー マッドスキュラの巣に連れ去られ、錯乱した男達とスキュラの触手による二穴攻め

ルル純愛えっち①(1スレ目831~)
対象:クロウス、ルル 疲れていて寝ていたクロウスの疲れマラを労いフェラチオ

ひとまず更新の目処がたったので明日の夕方ぐらいにはフローリア&アンリエッタの陵辱シーン投下します。

それと今回のえっちシーンなのですが……薄々感づいている人もいましたがかなりハードな描写もありまして、エロ描写よりもグロの方が強めかもしれませんので注意報告しておきます。

それではまた明日!

お待たせしました、それではアンリエッタとフローリアの陵辱シーン投下致します。


敵は大技を出し切っていて隙だらけであった。
上から降り注ぐ酸の雨はアンリエッタのドラゴンブレスにて焼き払われている。

今が好機とクロウスは剣を振りかぶりながら合成魔獣へと突進していく。

実際クロウスの判断は間違ってはいないだろう。戦場において隙を曝した相手に素早くトドメを刺しに行くのは戦士として間違ってはいない。


しかしそれは……あくまで相手が普通の魔物だった時の場合である。


ドラゴンイーター「ぐ、ぐ、…………グラララ、グラララッッッ!!!」

クロウス「………なっ!!?」


奇妙な雄叫びと共に合成魔獣は身体を震わす。
ボコボコと音を立て、偉業の肉体は泡立つように隆起していく。

死闘の末、合成魔獣は今まで食らってきた魔物の遺伝子を糧に進化の道を選んだのだ。



ドラゴンイーター「………ばぁ♪」



肉体の、あり得ない部分から頭が生えた。

クロウスは咄嗟に後退しようとするが間に合わず、生えてきたもう一つの頭からの酸の唾液を全身に被ってしまった。


クロウス「がっ………!!!!!、ーーーーーっッッッァ!!!」


ジュウジュウとクロウスの全身から嫌な音が発せられる。
肉片が溶けていき、全身が焼けつくような痛みに襲われ声を発することも許さぬまま地面に倒れ転がっていく。


アンリエッタ「あ……あぁ……!!!」ガタガタ

フローリア「い、いや………クロウスーーー!!!!」


少女達の絶望が木霊する。二人の嘆きに呼応するかのように山が、地面が震えていく。
この最悪のタイミングで山崩れが起きようとしていた。



その後の三人の姿を見たものは誰もいないという………。



アンリエッタ「い、いやぁ……やめてください…!!」ブルブル

フローリア「り、竜巫女さま…っ!」

ドラゴンイーター「ぐりゅりゅ…」


フローリアとアンリエッタは薄暗い洞窟に連れ去られていた。
山頂から転がり落ちてくる岩に巻き込まれる前に合成魔獣により助けられていた……いや、この場合は助けられるなんて美しい言葉は相応しくない。

合成魔獣は危機的状況から選んだのだ、この極上の馳走をみすみす見逃すわけにはいかないと。


落ち着いた場所でゆっくりと喰らう事に決めたのだ。


ドラゴンイーター「ぐらら……がぱぁッ」

アンリエッタ「ひィっ!?」ビクッ

フローリア(わ、私たち……食べられる!?)

ドラゴンイーター「がぁ………ぐ?ぐりゅ……ぐぐぐっ!?」

フローリア「………え?」

アンリエッタ「く、苦しんでいるの…?」



餌を目の前にして合成魔獣は突然苦しみ出していた。

フローリア達には知るよしも無いがこの人為的に作られた魔物は喰らった生物の遺伝子を体に取り込み進化するように創造されている。

この魔獣は主に竜種を喰らうことを好んでいた。そしてクロウス達と出会うまで人知れずこの山に住まうワイバーンを捕食していた。



アンリエッタ達にとっての悲劇はその中に発情期を迎えたワイバーンもいた事だろう。


合成魔獣の遺伝子に刻まれた雄の発情期のワイバーンの本能が、目の前のか弱く怯える竜の血を引く娘に呼応した。


ドラゴンイーター「グルァアアア!!!」ビリビリ

アンリエッタ「や、いやあぁっ!!」


銀を基調とした見事な竜模様が彫られた巫女装束が無惨にも引き裂かれていく。
アンリエッタの肉体は19歳という年齢に比例しない未成熟な体つきだがそんな事など気にも止めていないようだ。

ただ雄の竜の本能が目の前の雌の竜の遺伝子を強く求めている。

半裸に等しい姿に剥かれた少女はただこれから先に待ち受ける暴虐の限りを受け入れる以外の道はない。


アンリエッタ「あっ…!!いやっ……なにをするつもりなんですか…!!」

ドラゴンイーター「ぐりゅ、りゅりゅりゅ!!!」ビキビキ

アンリエッタ「ひっ!?」

アンリエッタ(嘘……アレって…お、おちんちん!? ま、まさかこの魔物……私に欲情して…!?)ゾッ


巨立する合成魔獣の肉棒は生娘に見せるには余りにもグロテスクで卒倒してしまいたくなる程の大きさも備えていた。

抵抗するアンリエッタなど意にも介さず魔獣は肉棒をアンリエッタの股に押し付け、ヘコヘコと腰を動かし擦り付ける。


アンリエッタ「や、やぁ…!やめて…ください……っ、そんなにしたら…ホントにはいっちゃ…!!」

フローリア「あっ……あぁ…!!」カタカタ

フローリア(な、なんとかしなきゃ……竜巫女さまを助けないと…で、でも…!!)


これから行われるおぞましき行為に何とかしようと考えるも恐怖で体が竦み上がり動かない。

そして………。


ドラゴンイーター「グロロァアアアッッッ!!!」



ブチブチィッ!!!


アンリエッタ「い"ッ!?いぎゃあアアアァァァっっっ!!!!」


少女の秘奥に隠された純潔の証は容赦なく散らされた。




アンリエッタ「あ"っ……かはっ……ァ…!!」

アンリエッタ(い、痛い痛い痛い!!!わたしの初めて……こんな化け物に奪われちゃった…!!)

アンリエッタ(レビュオスに………初めては…好きな人に…あげたかったのに…)

ドラゴンイーター「ガッ!ガッ!ぐりゅりゅガァっ!!!」



ズンッ ズンッ ズンッ ズンッ
 ズチャッ ズチャッ ズチャッ ズチャッ!



アンリエッタ「ギッ!?ひぐっ!!あ"っ!いだいっ!!あ"っ!!あ"ぁ!!う、うごさないでぇっ!!やめでぇっ!!!」


涙を流しながら思い人の顔を浮かべるが、それも合成魔獣の激しい律動の前に霧散していく。

四つん這いの姿勢で後ろから突かれている姿はまるで犬の交尾の様でもがいても逃げることはできない。

アンリエッタの秘裂からは破瓜の血が飛び散るだけでなく、掘削するかのような激しい前後運動が逸物を受け入れたことの無い膣道を抉っていく。


フローリア「り、りゅうみこ様…!!」

ドラゴンイーター「ぐりゅ?」チラッ

フローリア「………っ!!」ビクッ


座り込んでいたフローリアは合成魔獣に睨みを効かされて動けずにいる。

そんなフローリアを見て合成魔獣はニタリと笑みを浮かべると背中から触手らしき物体を生やす。触手の先端にはちろちろと蛇の舌のようなモノが飛び出ていてゆったりとした動きでフローリアに近づいた。

やがて触手の舌はフローリアの下着の上からちろちろと舐めていく。


フローリア「くうぅッ!?」ビクッ

フローリア(あっ……そこは、おしっこが出るとこなのに…!!)

フローリア(また…あんな事をされるの…!?)ゾワゾワ


以前にジェニファーと供に触手に犯された時のおぞましい記憶を思い出しフローリアは震え上がる。

触手の舌使いは激しいものではないが、それがムズムズとした刺激になり変な気持ちになってくる。



ズチャッ!ズチャッ!ズチャッ!
 ズンッ!ズンッ!ズチッ!!ズチィッ!!



アンリエッタ「はぐぅっ、ひ、ぎぃ!!あっ、か、はぁ…!!あ"っあ"っあ"っ!!」



チロ…チロ… ぬりゅ…
 チロチロ…ぺちゃ、ぺちゃ…



フローリア「ふっ…!ん!んんっ…!!ん、んん!……あっ!」


膣道を抉られる度に激痛が走る、奥に突き刺さる度にお腹の奥から空気が強制的に吐き出されるみたいで息苦しい。

秘裂を舐めあげられる度にぞわぞわとした悪寒が身体を走り抜ける、筋を上からなぞられる毎に体の奥から何かが沸き上がる感覚がする。

意気込んでサポートすると言いながらも前に出てくれた護衛の騎士を助けられずにいた己が恥ずかしい。

恥ずかしい部分を舐められながら、無理やり犯されている女の子を眺めることしかできない自分が恨めしい。


それぞれが自らの弱さに悔しさを感じながらも、二人は涙を流して耐えることしか出来ずにいた。


フローリア「あっ!?や、下着ずらしちゃ、やっ……あっ!は、あぁあっ!?///」ビクンッ


触手の舌がフローリアの下着を器用に剥ぎ取り、秘裂を直に舐める。
下着越しから舐められるよりもぬめりとした感触が伝わってきて声が飛び上がってしまう。 


フローリア「ふっ……ん!んん!!あ、あ、やっ、はぁぁ…///」

フローリア(だ、だめぇ……こんな事…竜巫女様が……痛みに耐えているのに……で、でも…声が出ちゃう…!!///)




ズンッ! ズンッ! ズンッ! ズチィッ!


アンリエッタ「あ"ンっ!!ん、ぐうう!!ご、めんな…ざい……ふろーりあさん…!!わたしが…ふがいないばかりにィ…!!」


ズチャッ!! ズニュッ! ズニュッ! ズチュンッ!!


アンリエッタ「おぎゅっ!?おっ!お"ひゅっ!?お、おながッ"、やぶれちゃ…っ!!あひっ、ひ!ひぎぃっ!!!」


ズパンッ! ズパンッ! ズパンッ! ズパァンッ!!


アンリエッタ「ぐひっ!?い、い"い"ッ!!?い"やぁっ!!もうやだぁ!!!たすげでッ、れびゅおすっ、れびゅおすぅぅぅ!!!」

ドラゴンイーター「グリュラララッ!!!グルァアアア!!!!」


合成魔獣の本気のピストンに遂にアンリエッタは狂ったように泣きじゃくり思い人に助けを求め始めた。
それが目障りに思ったのか合成魔獣はアンリエッタの細い腕を爪を立てながら掴み、骨が折れそうになるのもお構いなしに握り締める。 



バツンッ!!! バツンッ!!! バツンッ!!! バツンッ!!!
 ぶぢゅっ!! ぶぢゅっ!!! ぶぢゅっ!!! ぶぢゅっ!!!


ごちゅんっ!!! ごちゅんっ!!! ごちゅんっ!!! ごちゅんっ!!!

 

アンリエッタ「お"っ!?かひゅっ!う"っ!!が、はあァー!!あ"あ"あ"ーーーッ!!!!」

ドラゴンイーター「グルァアアアaaaaaーーーー!!!!」
 


ドビュッ! ドプッ!! ドプドビュッ!!!
 ビュグッ!!ビュクビュプッ!!ビュプドポォッ!!!

 

アンリエッタ「かっ!?ぁア"ッ…~~~~~ーーーーーッ!!!!?///」びくびくっびくんっ!!!


フローリア(い、イヤぁぁぁぁぁーーー!!!)ゾクゾクゾクンッ


ぶしっ!!……ちょろ、しょわわわぁー………


アンリエッタ「あ"………か、っ……」カクン


どぷっ……ぶりゅ、びゅぷっ♥


フローリア「はひ……はっ……あぁぁ///」


胎内にありえない量の精液が注ぎ込まれる。焼け尽くような熱さがアンリエッタのお腹を襲い、入りきらない分が秘裂と肉棒の隙間から下品な音を立てながら漏れ出ていく。

そして恐怖と何度か経験したことのある快楽信号がフローリアの意思に関係なく身体中を走り、フローリアは勢いよくお漏らしをしてしまった。

流れ出るおしっこの一部はアンリエッタに降り注いでしまったがお腹が破裂するような感覚に耐えきれずアンリエッタは気絶してしまったようだ。



フローリア「あっ……わ、わたし……りゅうみこさまに……あんな、はしたない事を…」ガタガタ

ドラゴンイーター「ぐらら、がぱぁ…!」

フローリア(………ぁ)


合成魔獣は気絶したアンリエッタの顔を掴み上げる。
大きく口を開き、その長い舌をアンリエッタの口に差し込む。


肉をも溶かす、強い酸にまみれたその舌を。



ぐじゅうっ!!!!!


アンリエッタ「ンゴォッ!!!??ん"ん"ん"ーーーーーーッッッ!!!?!?!?ん"ん"ごぶゥゥゥーーーーーーーーッッッッ!!?!?!!んぐゥゥ!!ぎゅぐぐゥーーーーーーーッッッッッ!!?!!!」


じゅわじゅわと肉が溶ける強い音を響かせながら、合成魔獣はアンリエッタの口内を味見していく。

気絶していたアンリエッタも想像を絶する痛みに一気に覚醒したが、痛みにジタバタと暴れてもその巨体から逃れることはできない。

ビクビクと痙攣しながらも抵抗をやめないアンリエッタに合成魔獣は遂にその大きな口をアンリエッタの頭蓋ごと………。












バリッ! ごりっぐちゅっ!!

 ぐちっ!もぐっ!!ぱきぃっ!!

じゅる……バキッ、…ごきゅんっ



フローリア「……はっ、はぁ…!!ぁ………はぁ…はぁ…っ!!!」


目の前で人が食べられる瞬間を初めて見てしまった。
肉片から目玉が、骨の破片が、ぶりゅんとした内蔵がはみ出てる。

美しかった銀髪が、流れ吹き出る血飛沫で真っ赤に染め上がる。大人しくも可愛らしい愛嬌のある顔をしていた少女が無惨な肉塊に変えられていく。


次は自分がああなる番だと自覚したフローリアに、もはや逃げるという行動すら取れぬ程の恐怖が染み渡っていく。


フローリア「ご、ごめんなさい…ごめんなさい…!!許してください…!!お願いします…お願いします…!!」ガタガタ


必死の命乞いも魔獣相手に通用なんてする訳もなく、合成魔獣は次なるご馳走に食指を向ける。

しかし、魔獣の手を遮るように一振りの剣閃が払われた。






フローリア「……く、クロウス?」

クロウス「………無事、でしたか……姫様…」


寸でのところで助けてくれたのはクロウスであった。
しかし再開の喜びの声を上げることなどできなかった。

何故なら彼には片腕が無かった。
全身は酸を浴びてしまったせいで焼け爛れていて容姿も殆ど判別がつかない。
足も片方が奇妙な方向に折り曲がっていて引きずっている。

誰がどうみても満身創痍の虫の息にしか見えない。


フローリア「そ、そんな……そんな身体で…!!私を…助けに来てくれたというの…!?」


クロウス「言ったでしょ…? 必ず護ってみせると…まぁ、怖い思いもさせたし、竜巫女殿は助けられずに終いと……このていたらくですが……」


ドラゴンイーター「グリュラララッ!!!」ズシンッ

フローリア「あっ…に、逃げてクロウス!!私なら大丈夫だから!!」

クロウス「姫様………俺は守りたい人ひとり護れない弱い男です……ですが、盾ぐらいにならなれるつもりです…」

クロウス「次になにかあった時は遠慮なく囮なりなんなりとお使いください……向こうの俺も、きっとそれで納得すると思いますので………」

ドラゴンイーター「ガリュラァッッッ!!!」ブォンッ

フローリア「やめてお願い!!逃げて!!!」

クロウス「だから………何がなんでも生き延びてくれ、フローリア…!!」




ぶしゅりっ!!!


血の雨が降り注ぐ前に光の雨が視界に降り注ぐ。


もう三回目だ、慣れた光景に視界が明滅する。


きっとこの先も私は何度も挫折する。


その度にきっとこの言葉を思い出す……。




フローリア「生き、のびる……なにが、なんでも………」


少し離れます、早ければ10時近くに再開します。

短いですが再開していきます、安価は無いので軽いお気持ちで読んでください。



クロウス「おおおっ!!!」


クロウスはこれで終わらせるつもりで剣を振りかぶっていた。
アンリエッタのサポートもあり相手の懐に潜り込むことができた、後は相手の首を叩き斬るだけ。


ぐにぃっ!!


クロウス「っ、うおっ…!?」


しかしその瞬間にクロウスの足元が急に沈みこんだ。
急激に足元が不安定になったクロウスはその場に膝をつくように体勢を崩す。


クロウス(こ、これは……姫様の軟化魔法……なぜいま)

ドラゴンイーター「グララッ……オボォアアアッ!!!」


突っ込んでくるクロウスに対して合成魔獣の取った行動は、新たに首を生やして酸の唾液によるカウンター行動だった。

しかし唾液の軌道はしゃがみこんでいたクロウスにギリギリ当たらず、クロウスは冷や汗をかいた。


クロウス(……っ、いま、屈んでいなかったら俺はアレをまともにくらっていた)

クロウス(そしてあんな初見殺しを回避するなど予知でもしなければ絶対に無理だ……………ということは…!!)


フローリア「はぁ……!はぁ……!!」

アンリエッタ「ふ、フローリアさん…!?いったい何を…!!」


フローリアは地面に魔力を走らせ、クロウスの足元のみを軟らかくしていた。

遠隔発動する魔法は基本的に距離が伸びれば伸びるほど消費魔力も上がっていく。離れたところから見守っていたフローリアの位置からクロウスまではだいぶ遠く一気に魔力を使ったことによりフローリアは激しく息切れしている。


しかしそんな事は気にもせずフローリアはアンリエッタの手を掴みクロウスの方へと走り始めた。


クロウス「ひ、姫様…!?こちらは危険です!!」

フローリア「はぁ…!はぁ…!走ってクロウス…!!もうじきこの広場は……山崩れで岩に埋もれますっ!!」

アンリエッタ「えっ…!?ど、どういうこと…!?」

クロウス「っ!!了解ッ!!」

ドラゴンイーター「ぐりゅりゅりゅ!!!」

クロウス「邪魔だ退け!!」ザシュッ


クロウスは立ちふさがる合成魔獣の首元を斬りつける。
怯んだ合成魔獣の脇を三人は一心不乱に駆け抜ける、ゴゴゴという音と供に岩肌を無数の岩石が転がり落ちてきた。


そして広場に轟音が鳴り響いた。






クロウス「ぐっ……二人とも、ご無事ですか…!!」

アンリエッタ「は、はい……私はなんとか…!」

フローリア「ぜーっ……はぁーっ……!!だ、だいじょうぶです…っ!!」


クロウス「………姫様、俺は…また……っ」


突然のフローリアの妨害がクロウスの命を救ったうえに広場が山崩れに襲われることも言い当てた。

名にも知らないアンリエッタはともかく、温泉で言っていた時間が巻き戻る現象を知らされていたクロウスはすべてを察した。


しかしそんなクロウスをフローリアは責めることもせず、ただ優しく慰める。


フローリア「気にしないで…クロウス、貴方は私をちゃんと守ってくれました。それが向こうでの…私の事実ですから」ニコ…

クロウス「くっ、…しかし」

フローリア「それよりも……あの魔物は、これで倒せたのでしょうか…?」


クロウス達は岩に埋もれた広場を階段の上から見下ろした。
合成魔獣がいた位置は完全に岩に埋もれてしまっていて生死の判別がつかない。


クロウス「……生きてるにせよ死んでるにせよ、今すぐこの場を離れた方が良いのは確かですね」

アンリエッタ「私もそう思います、とにかく階段を上がって銀竜様に報告しなくちゃ…」


意思が固まった所で踵を返すように階段を上がっていく三人、しかし…。


ドゴオオオォォォッ!!!


ドラゴンイーター「グルァララララッ!!!」

フローリア「そ、そんな……!?」

クロウス「くっ……しぶとすぎるだろ!?」


合成魔獣は岩の山から勢いよく飛び出てきた。

手傷は負ったものの依然として闘争心は衰えておらず、三人を喰らおうと敵意を剥き出しにしている。

クロウスは女性二人を庇うように前に出る。
しかしその瞬間、大空から複数の影がこの場にいる全員を覆った。


ワイバーンa「ギシャーッ!!」

ワイバーンb「グルルル…」

ワイバーンc「ギャオーーーーッ!!!」


クロウス「なっ……ワイバーンの群れ!?」

フローリア「さ、三匹……いえ、もっと多くいます!」

アンリエッタ「これは……殺された仲間の仇討ち……銀竜様からの応援です!」

ドラゴンイーター「グララララァッ!!!」


合成魔獣は目の前に現れた獲物を前に食欲に従い襲いかかる。
しかしワイバーン達は合成魔獣の攻撃を見切っており高空からの炎ブレスによる炙り攻めをしていた。

合成魔獣も唾液を飛ばしたり舌を伸ばして攻撃しようとしてきるがワイバーン達は華麗に空を舞い避けていく。

余りにも統率が取れた魔物の連携とは思えない見事な攻撃にクロウスは思わず見入る。


クロウス「………凄いな、まるでベテランの騎士同士の連携を見せつけられてるみたいだ」

アンリエッタ「ふつうは竜種の魔物は群れでいる事はあまり無いのですがこの山の子たちはみんな仲間意識が強いんです、家族を殺されて……きっとみんな怒ってるんです」

クロウス「銀竜の庇護の元に集いし番人……なるほど、こりゃ確かに強力な助っ人だ」


遠距離がジワジワといたぶられ、さすがの合成魔獣も削られていった。
ブレスの合間に爪や牙による攻撃も増えていき、遂に合成魔獣は数の暴力に屈することになる。


ドラゴンイーター「がっ……ぐりゅ………」ドシンッ


クロウス「………ようやく死んだか」

アンリエッタ「恐ろしい相手でした……まるで自分以外の全てが捕食対象だと認識しているような……あっ…」ブルッ


アンリエッタは今になって自分が本当はずっと恐怖に震えていた事に気がつく。

そんなアンリエッタをフローリアは優しく抱きしめ落ち着かせようとする。


フローリア「落ち着いて……竜巫女様」

アンリエッタ「あ……ふろー、りあさん?」

フローリア「怖いことはもう終わりました、だから安心してください……」

アンリエッタ「あ、はわぁ………」ヘナッ


緊張の糸が途切れた瞬間、アンリエッタは涙を浮かべてフローリアを抱きしめ返す。


アンリエッタ「こ、怖かった……!うええ、ほんとうに、無事で良かったぁ…!!」グスッ


きっと子どものように泣きじゃくる姿が本当のアンリエッタなのだろう。
自らの立場を理解している賢い子だからこそ、常に気を張って強がっているのがあの聡明で淑やかな彼女の建前の姿だ。


クロウス(脅威は去った……しかし考えるべきことは色々と多い)


あの魔物はいったいなんだったのか、自分がフローリアを護れなかったという事実、この山に来てくれと言ってきた銀竜の意図……。


頭を抱えたくなるような問題が山積みであったが、アンリエッタの持つ杖が神秘なる光を放ったため考えることを一旦中断した。


クロウス「り、竜巫女殿…?なにやら杖が光って…」

アンリエッタ「えっ……?」グスッグスンッ


??『災難じゃったな、アンリエッタよ…』


アンリエッタ「あっ、えっ……お婆ちゃん!?」

クロウス「お、おばぁ…?」

フローリア「ちゃん…?」


??『これこれ、人前の時はかしこまった言い方にすると決めたのは自分ではなかったのか?』


アンリエッタ「ご、ごめんなさい……銀竜様」


アンリエッタがなにやら杖に向かって独り言を喋っていた。
どうやら前に言っていた【竜杖】の力のようで、銀竜と直接話をしているらしい。


銀竜『ふむ…こんな所で立ち話も辛いじゃろう、早く社のところまで上がってくるといい』




銀竜『そこにいる懐かしき【神器】を持つ娘とも話してみたいからのう』


明日が早いので今日はこれでおわりです、次の更新の時には銀黎祭までいけたらなと思ってます。

ちなみに……今回の陵辱シーン大丈夫でしたかね?今までよりもだいぶゴアな表現がありましたが良ければご意見お待ちしております。

それではまた。

年末が近づいてお仕事もドッタンバッタン大騒ぎ☆
……そんな感じで連日体力もモチベも死んでました、ごめんね。

安価に絡まないストーリーの部分が長くなりすぎてとりあえず一旦途中まで投下致します。

投稿ありがてえ
無理しないでくださーい!


石階段を上り、山頂近くの社まで登ってきたクロウスとフローリアはまずその社の大きさに驚いた。

まるでちょっとした神殿のような大きさになっていて二人が想像していた社とはスケールが違っていた。


アンリエッタ「竜が住まう所ですから、これぐらいの広さはあって当然ですよ」

クロウス「いや、俺はさっきのワイバーンぐらいのサイズを想像してたからな……」

フローリア「これは王国にあった礼拝堂と同じぐらいは」ありますよ…」

クロウス「ああ……、あれも立派でしたね…」

アンリエッタ「ひとまず中に入りましょう……お二方なら大丈夫だと思いますが、くれぐれも失礼のないようお願いしますね?」


三人が社の中に入ると明らかに空気が変わったのが分かる。

奥に進む度に神秘的な雰囲気が強くなっていき、竜の住処にたどり着くとそこには先ほどの合成魔獣もワイバーンですらも霞むほどの巨竜が佇んでいた。


銀竜「よくぞ来られたな竜巫女アンリエッタよ。そして異国から来られた姫とその従者よ、我が名は銀竜……このシルヴェロギアの地を守護する者なり」

クロウス(これが銀竜、シルヴェロギアの竜を統べる者か……!!)


単なる体の大きさだけでは計れない、長として……いや、の生命体としての格の違いというものが身に纏うオーラで感じ取れる。


銀竜「そう緊張しなくとも良い、人の子よ。別にお主たちを取って喰ろうたりはしない」

銀竜「ここまで足を運んでくれてご苦労じゃったな」

フローリア「い、いえ!むしろ助けていただいたようで……ありがとうございました!」

銀竜「………ふむ? お主、我が普通に喋っていることに驚きはしないのだな」

フローリア「あ、いえ…全く驚いてない訳では無いんですけど……こうやってドラゴンとお話ができるのって小説の世界みたいで素敵だなぁ、と…」

銀竜「…………」

フローリア「す、すみません!お気に障られたのであれば失礼しました!!」

銀竜「……ふ、くく」プルプル

フローリア「あ、あの……銀竜様?」

銀竜「ふははははは!!これは失礼!一国の姫と聞いていたのでどんな傲慢な人間が来るかと思っていたが、よもやこんなにも純粋な心を持つ者が来るとは!」


高らかに竜の笑い声が社の中に響く。

ドラゴンも笑うんだなとクロウスはどこかズレた感想を浮かべながらもひとまずは向こうに敵意が無いことが分かって少しホッとした。


銀竜「気に入ったぞ、お主たち名前は?」

フローリア「フローリアと申します、ミクトラム王国から来ました」

クロウス「その従者であり騎士を務めるクロウスです」

銀竜「フローリアとクロウスか、うむ…良い名であるな」

アンリエッタ「銀竜様、お二方がこんな山頂までお越しに来てくださったのですから早く用件をお伝えした方が…」

銀竜「なんじゃアンリよ……今は民衆がいるわけでもあるまい、もっと砕けた態度でも構わんのじゃぞ?いつもみたいにおばあちゃんって言ってみい?」

アンリエッタ「お、おばあちゃーん!!!///」プンスコ

フローリア(からかわれてる…)

クロウス(おちょくられている…)

アンリエッタ「もぉ……すぐにからかうんだから…」

銀竜「ふはは…まぁそうじゃな、客人にずっと立ち話をさせるのも無礼というもの」スッ

銀竜「フローリアよ、お主をここに呼び寄せたのはお主が持つ【時戻しの神器】についての話じゃ」

フローリア「…!!」ビクッ

アンリエッタ「……時? 神器?」


自分達しか知らない時を戻す力を持つペンダントの話を切り込まれ固くなる二人。
名にも知らないアンリエッタはただ首をかしげるしかなかった。


銀竜「恐らくその様子だと力の事は知ってるが詳しくは分からないといったところか……どれ、まずは【神器】について少し説明をしよう」



───神器とは。


かつての古代文明が栄えていた時代よりも遥か昔……魔法という技術はかつて化学と呼ばれ人々はその力により様々な恩恵を受けていた。


しかし人は強い力を持つと往々にして争いを起こしたがる生物………強い化学力をもつ国は銃や大砲、火器を積んだ乗り物を開発し己の利益のために戦争を起こした。


戦いは泥沼と化し、争っていた国々もやがて疲弊していき、大地は汚れ、海は濁り、空は淀んでいく一方。
人間という生物も環境の悪化には勝てず絶滅の一途を辿っていった。


ある時、化学とは違う不思議な力を操る男が民衆の前に現れた。
その男の力は傷ついた生命を癒したり、壊れてしまった建物を修復したり……時には枯れ果てた森を一晩にして復活戦させたりとまさに神が如き力を有していた。

男は民衆を先導し、朽ち果てる寸前だったヒトという系譜を生き長らえさせることに成功した。

男はやがて人々から神と崇められ、男もまた救いを求めに来た人々を受け入れることで唯一神としての存在を確率していったのだ。


やがて人々が過去の過ちから化学を捨て、平穏に生きられるようになった頃……男は世界から姿を消した。

不思議な宿した遺物を残して……。


銀竜「これが古代文明よりも更に前、今となっては忘れ去られた時代の話じゃ…そしてこの話に出てきた遺物というのが【神器】……魔法や化学をも超越した神なる力を宿した道具じゃよ」

クロウス「…………………」


クロウス(……正直頭がついていかなかった)

クロウス(古代文明よりも更に前にヒトの時代があったという話すら聞いたことが無かったのに神様とやらが実在してただって?どこから信じれば良いんだその話は…)

銀竜「神器は神が有していた無数の力の断片……その力は所有者を選び、特にエネルギーなど必要もなく不思議な力を発揮する」

銀竜「ちなみにこの神器の力を解析しようとした昔の研究の副産物が今の魔法に繋がっておるのよ」

フローリア「魔法が……元々は神器の力の副産物…」

アンリエッタ「わ、私……そんな事初めて聞いた…!」


銀竜「ちなみにアンリよ……お主の持っているその【竜杖】も実は神器の一つなのじゃぞ」


アンリエッタ「えっ………ええええええええ!!?」

アンリエッタ「ちょっ、おばあちゃん!?なんでそんな大事なこと私に話してくれなかったの!?」

銀竜「言ったところで何が変わるわけでもなかろうし言う必要もなかったからの」

アンリエッタ「ああ……頭がクラクラしてきた」キャパオーバー

クロウス「……とにかく神器が不思議な力を持つ存在というのは分かりましたが、しかしそれを言うためだけにここに来させたのでは無いのでしょう?」

銀竜「察しが良いな」


銀竜は一息つくとここからが本題とばかりに真剣な面持ちになる。


銀竜「数ヶ月前……強大な神器の目覚めを感じとったのじゃ」

フローリア「神器の……目覚め?」

銀竜「うむ、その神器の目覚めを皮切りに他の眠っていた神器も幾つか覚醒しておる……フローリア、お主の神器もその一つじゃな」

銀竜「お主のその【時戻しの神器】はかつて起きた古代文明時代の戦争で使われていたとされる神器の中でも更に特別な代物じゃ」

フローリア「このペンダントが……そんなにスゴい物だったなんて…」

銀竜「近頃は近隣の国々も慌ただしく蠢いていると聞く。帝国とやらがお主の国を襲撃した事も、先の魔物が我の領地を無断でうろついていたのも……我はなにか一つの大きな因果で繋がっていると予測しているよ」

クロウス「あの魔物が帝国からの刺客と…?」

銀竜「今の段階では予測の域に過ぎん、じゃが我の勘は結構当たるぞ…?」

クロウス「………」


今までラジル帝国がミクトラムを襲ったのは単に王国の豊かな土地を狙っていたからに過ぎないと思っていた。

だがもし、帝国の本当の狙いがこの神器だとしたら…?


銀竜「フローリア、そしてクロウスよ……その神器は今はまだ目覚めたばかりで本来の能力を出し切れていないようじゃ」

銀竜「しかし……その力は悪意のある者に渡しては絶対にならぬ!!神器の力は古来より人の生活を豊かにしてきた、故にその力を巡って争いが起こり続けてきたのもまた事実!」

銀竜「かつての戦争のように今は動乱の時代なのかもしれぬ…心苦しい願いやも知れぬがその神器は護らねばならぬモノなのだ」


フローリア(……お父様もお母様も、この事を知っていたのでしょう。だからこそあの非常事態にも関わらず私にこのペンダントを託したのね…)

フローリア(正直、私みたいな何も知らなかったか弱い女にそんな大層な使命を果たせられるなんて思えない……けれど)

フローリア「……………分かり、ました」ギュッ

アンリエッタ「フローリアさん…」

フローリア「ミクトラム王家の名に誓って、この神器は必ず護り抜くと誓います」

クロウス「姫様……」


クロウスは見逃さなかった。

宣言の前の不安に満ちたフローリアの顔色も、握り締めていた手の震えも。

出来る出来ないのではなく、やらなければいけないのだ。
この優しすぎる少女はまたしても重たい荷物を背負わなくてはいけなくなってしまった。

一番不安なのは本人なのだろうに、それを必死に隠して女王様や銀竜の願いに答えようとしている。


クロウス(……俺に支えることなんて出来るのだろうか?護衛の身でありながら姫様に助けられ続けているこの俺が…)

銀竜「お主たち、時にこの先はどうするつもりであったのじゃ?」

クロウス「元々友好国の伝を使って姫様を保護してもらうのが目的でした……しかしその国も今は帝国の手に落ちています」

クロウス「この地に流れ着いたのも友好国から逃げ延びた結果に過ぎません、ですのでこの先どうするかは今はまだ…」


銀竜「ふむ……なれば神器について学びに行くというのはどうじゃろうか?」

銀竜「ここよりずっと東の方に聖なる大河と呼ばれる巨大な河が流れている、そこにある国ならば神器に関しての文献が豊富に取り扱われている筈じゃろう…」

アンリエッタ「東の……それって【聖河教連】のことかな?」

クロウス「………あの宗教連合国か」

銀竜「うむ、あわよくば帝国を打倒する手がかりもあるかもしれぬぞ」

クロウス(確かにあそこなら受け入れてくれさえすれば帝国もそう簡単には手を出せないだろう、あくまで受け入れてくれたらの話だが…)

フローリア「そうですね……あまりシルヴェロギアに居すぎるのもご迷惑をおかけすると思いますし、準備が整い次第出立しようと思います」

アンリエッタ「えっ…?」

銀竜「んん?どうしたアンリよ?」

アンリエッタ「い、いえ……何でもないです」

銀竜「ほほーう……さてはお主、フローリア達とお別れするのが惜しくなっておるか?」

アンリエッタ「ち、違うよ!あ、いや…フローリアさん達の事がどうでもいいとかそういうことじゃなくてですね…!」アタフタ

アンリエッタ「その、……折角仲良くなれそうだったのに会えなくなっちゃうのは寂しいなって……ゴニョゴニョ」

銀竜(それを惜しむと言うのじゃがな……やれやれ)

銀竜「お主たちもそう急がなくとも良いじゃろう、折角の旅も準備が疎かだと上手くもいかぬしな……。ひとまず今宵はおめでたい祭りの日じゃ、まずは今日という日をゆっくり楽しんでから考えるといい」

フローリア「はい……寛大なお心遣い、感謝致します」ペコリッ

銀竜「さて……ここからは我とアンリで祭りの打ち合わせをしなくてはならぬのでな、客人の二人はすまないが少し席を外してはくれないか?」

アンリエッタ「別に私は居ても良いと思うんだけど…」

銀竜「こういうのは、さぷらいず…というものが肝心なのじゃよ」

フローリア「あはは……それじゃあ私たちはお外で待っていますね?」

クロウス「それでは失礼します」



……………。


レビュオス「しっ!!!」ザシュッ

合成魔獣「ぐるぅッ!?」ドサッ


同時刻、シルヴェロギアより少し離れた森林。
レビュオスは数人のシルヴェロギアの兵士を引き連れて魔物の討伐に来ていた。

近頃のシルヴェロギアでは見かけない魔物が目撃される事が増えていたため、祭り中に万が一魔物が入り込まないようにする為に周辺の調査を行っていた。

そして目撃情報を元に探索しているとそこには見慣れぬ魔物が動植物を食い荒らしているのが確認された。

明らかに生態系を破壊するような行いにレビュオス達は魔物の討伐を行ったが付近の魔物と比べても段違いに強く、苦戦しながらもなんとか片付けたところだった。


兵士a「や…やりましたね兵士長!!」

兵士b「兵士長はシルヴェロギア一の戦士だぞ、これぐらい当たり前だろ?」

レビュオス「いや、みんなのフォローがあってこそだったよ……正直数を揃えてなければもっと手間取っていたはずだ」

レビュオス(それにこちらの被害もゼロという訳ではないからな……)

兵士c「レビュオス様!負傷した兵士の応急処置は完了致しました、みな自分の足で歩けるようです」

レビュオス「そうか…!それは良かった」

兵士a「しかしなんだったんだろうなこの魔物…」

兵士b「ああ……薄気味悪いというか、なんか色んな生き物の特徴が取り入れられてて気持ち悪い造形だな」

兵士c「これ腕とかどこから生えてるんだ……?目玉も四つぐらいあるぞ…」

レビュオス(確かに……まるで自然に産まれてきたというよりは作られたような不自然さを感じる)


長年この地に住んでいた者の勘として、何か良からぬ気配が近づいているのではないか。

確信の持てない不安がレビュオスの胸中をよぎった。


レビュオス(なんだ……?このシルヴェロギアの地で何が起きようとしてるんだ…?)


……………。


セヴェル「……むむっ」ピキーンッ


また同時刻、シルヴェロギアから離れたどこかの地にて。
一人の男が魔力が途切れる感覚に遠い地平線へと眼を向けた。


【狂乱】のセヴェル。


アマティアス第一皇子殿下の直属の部下【四獅星】の一人にして危険な思想を秘めた魔導師だ。


セヴェル(……野に放っていたワタシのカワイイカワイイペットの魔力反応が消えた?)

セヴェル(まぁ野垂れ死ぬ個体も少なくないですから特段珍しいことではありませんが……短い感覚で2体、それもじわじわと消えるわけでもなくブツッと消えてなくなりましたねぇ…)

セヴェル(何者かに処分されたか……いずれにせよ気性の荒い個体を倒すとは中々の実力者と見た、これはもしや……)

セヴェル「………ヒヒ、ペットどもを酷使して行けば行けなくもないですねぇ…!」




セヴェル「ヒヒ…!ヒィーッヒッヒ…!!」ニタニタァァァ

一旦打ち止め、続きは夜になります。

>>60
ありがとうございます……なんとか年が越える前にシルヴェロギア編を終わらせます。

続き初めていきます。


………数時間後。


フローリア達は再びシルヴェロギアの街まで戻ってこれていた。

また歩いて下山するかと思っていた二人だったが話し合いから戻ってきたアンリエッタからの進めでなんとワイバーンに乗って下山する事になった。

ワイバーン『ぎゃお…』

アンリエッタ『よしよし…三人も乗っちゃってごめんね?』ナデナデ

ワイバーン『ぎゃおー』

フローリア『まさかドラゴンの背中に乗って空を飛ぶ日が来るなんて…!』ドキドキ

アンリエッタ『本当なら下山も自分の足で行うのが習わしなんですが今回は空を飛んで降りて楽して行けとおば…銀竜様が…』

アンリエッタ(私たちを襲ってきた魔物の一件もあったから気を使ってくれたんだろうなぁ、ありがとうおばあちゃん…)

フローリア『ふふ…なんだかワクワクしちゃいますね?クロウス?』

クロウス『…………』

フローリア『………クロウス?』

クロウス『……あっ、申し訳ございません。少し…考え事を…』

フローリア『……そっか』





フローリア(……竜巫女様と銀竜様の打ち合わせの間、クロウスと二人で山頂からの景色を眺めてたけどずっとよそよそしい感じになってた)

フローリア(……たぶん気にしてるのね、私がまた時を越えて戻ってきたことに…)


フローリア自身、辱しめを受けた事実を完全に受け入れたわけではない。
思い出しただけでも胸の奥はざわつくし、唇は震え、瞼の裏にはあの凄惨な光景がフラッシュバックする。

それでもこうして時が戻るという神器の力でみんなが無事でいれるならと心を奮い立たせているのだ。

しかし傷つくのは何も自分だけではない。
あの指名に忠実かつ実直で心優しい騎士はフローリアが時を越えて戻ってくる度に後悔の渦に飲まれるのだろう。

結局街まで戻ってきた後、クロウスはフローリアをルルとジェニファーに任せてどこかへ行ってしまった。


ルル「リア?大丈夫?」

フローリア「……えっ?」

ジェニファー「顔色が優れないようですが……やはり病み上がりで山に登るなんて無茶をし過ぎたのでは…?」

フローリア「い、いえ…!体調の方はもう大丈夫です、少し考え事をしてただけ…!」

ルル「ほんとにぃ~?リアってお姫さまだけど割りと無茶したりするからなぁ」

ジェニファー「フローリアも貴女にだけは言われたくないと思いですわよ?」

ルル「な、なにおぅー!?」ムキーッ


リトア「あっ、ここに居たのね三人とも」

フローリア「あっ……リトアさん」

ジェニファー「もうお店の準備の方はよろしくて?」

リトア「ええお陰さまで、二人が手伝ってくれたから思っていたよりも早く終わったわ……それよりも広場に集まらなくていいの?もうそろそろ銀黎祭が始まるわよ?」

ルル「あっ!リッちゃんの舞いが始まる!」

ジェニファー「あ、貴女…せめて本人の前でだけはお止めなさいよ…?」

フローリア(そっか……もうそろそろ銀黎の舞の時間なのね)


アンリエッタからは『楽しみにしていてくださいね!』と念を押されたので観に行かないわけにはいかない。

四人は大勢の人が集まる広場へ向かうことにした。



広場は既に多くの人だかりが出来ていた。
祭りの開始はまだかと言わんばかりに人々はざわめき立っていた。


ルル「おおー、なんか凄いことになってる!」

ジェニファー「こうも人が多いとさすがにクラクラしてきますわね…」

リトア「でもまだこれぐらいならまだマシな方よ……大きい国ならこんなもんじゃ済まない時もあるから」

レビュオス「おっ、四人とも巫女様の晴れ舞台を観に来てくれたのか?」

フローリア「レビュオスさん、こんばんは」

ルル「見回りお疲れー!」

レビュオス「今ごろは巫女様も腹を括った頃だろうから期待して観ていてくれよ!」

ジェニファー「ええ、心から楽しみにしていますわ」

レビュオス「……そうだ、クロウスはいないのか?てっきり一緒にいるもんだと思っていたが」

リトア「クロウスさんなら街の中にはいると思うけど…」

ルル「私たちにリアを任せてどこか行っちゃったもんね」

レビュオス「…そうか、竜巫女様の護衛の件でお礼を言いたかったんだが…」

フローリア「それなら私からクロウスにお伝えしておきますね」

レビュオス「はは、助かります。…おっと、そろそろ始まるか?」


レビュオスの言葉にフローリア達は広場に設けられた祭壇の方を観る。

初めは真っ暗な暗闇が拡がってるだけだったが、祭壇の上に円上に広がっていた松明に銀色に輝く炎が灯る。

その中心に竜巫女アンリエッタは立っていた。

お団子に纏めていた髪はほどいてあり、竜の血の証である角と翼も隠していなかった。

衣装も普段の巫女としての衣装とはまた異なり、少し薄手になっていて肩や胸元が露出しているが質素過ぎず、美しい模様ほ刺繍が施されており舞をするのに動きやすい装束となっている。


手に携えている竜杖を振りながらアンリエッタは舞台で舞い踊る。

杖から発せられる銀色の光がつぶてのように舞い散り、光の残滓が軌跡として描かれる。

この世のものとは思えぬ幻想的な光景を前に銀黎の舞を楽しみにしていた住民たちも思わず息を飲み、ただ少女の一挙手一投足に魅入られていた。


フローリア「すごい………!」

ジェニファー「こんなにも可憐で綺麗な舞踊は……ナールの貴族にもできる者はいませんわね…」


竜巫女の動きはやがて激しさを増していく。
汗が飛び、髪が乱れ舞うのも気にせずに一心不乱に舞うその姿こそ……竜に全てを捧げ、竜は世の安寧を約束する。

銀黎の舞いとはシルヴェロギアを護る銀竜に恵みを捧げる事で銀竜は人を護るという契約の儀式である。

今ではカタチを変え契約という概念こそ薄れつつあるが、このシルヴェロギアの民と竜の変わらぬ絆を象徴するための習わしになっていた。


やがてアンリエッタの舞いは徐々に静かに、そして小さくなっていく。

そして最後は片膝を着きながら祈るように竜杖を地面に立てる。
同時に天空から神々しい光を放ちながら銀竜が姿を現した。これには民衆も歓喜の声をあげ、シルヴェロギアの民一同でこの地を守護する竜を迎え入れる。



ルル「わ、わ!すごっ!あれが銀竜!?リアってあれと喋ってたの!?ねぇっ!?」クイックイッ

フローリア「う、うん…」

リトア「私…ドラゴンなんて初めて見たわ………竜の鱗って儲かったりするかな?」キラーン

レビュオス「こらこら、冗談でもそういう事は言うんじゃないぞー?」




アンリエッタ「我らシルヴェロギアの民、銀竜様に豊穣の恵みを捧げ永遠なる忠誠を捧げます」

銀竜「うむ……古き誓いの盟約に従い、この地に住まう民を護ると誓おう」

アンリエッタ「ありがとうございます……皆さま!我らシルヴェロギアの民は此度も銀竜様からの加護を授かります!」

銀竜「日々の祈りも、感謝も……そして宴の楽しみも!今宵は銀竜様と共に分かち合いましょう!」


アンリエッタの宣言と共に銀竜は咆哮と共に空に銀の焔を打ち上げる。

やがて空中で炸裂した焔はきらびやかな光となりシルヴェロギアの空へと降り注いだ。


銀黎祭はこうして始まりを告げたのだった。


「さぁさぁみてらっしゃいー!東方直伝の炒めそばだよー!」

「ねぇねぇお母さん!くじ引きしてもいい!?くじ引き!!」

「さぁどうだい?この弓矢で射抜くことができたら景品を上げるよ!」

「酒だ酒だー!!今日は無礼講だからなぁー!!」


ルル「うわぁ…!!盛り上がってるなぁー!!」

フローリア「そうですね……皆さん活気に溢れてて、今日という日を本当に楽しみにしてたみたい!」


人々は祭りの空気を思い切り楽しんでいるようで、この日のために立てられた露店には色んな物が並ばれている。

東方の島国をモチーフとしている祭りはこの大陸にしては珍しい形式になっておりフローリア達は……というか主にルルが目を光輝かせながら興奮していた。


リトア「さて……と、それじゃあ私はバザールの方に戻らなきゃ、今ごろお父さんたちも大忙しだと思うし」

レビュオス「俺もそろそろ仕事に戻らなくちゃな、銀竜様の警護にも行かなきゃいけないしな」

ジェニファー「ふふ、後でお店の方にも顔を出しますわ!」

リトア「ええ、知り合い割引……はさすがに不公平に思われるからできるか分からないけど待っているわ」

ルル「それじゃあ二人とも、またね!」






クロウス「………はぁ」


クロウスは一人、広場のベンチで座りながら祭りの喧騒を眺めている。
銀黎の舞も離れた所で観ていたがやはりどこか心あらずな状態だった。


クロウス(今ごろはフローリア様もルル達と祭りを楽しんでいられるだろう……それがいい)

クロウス(少なくとも今の俺に姫様の傍にいる価値など無いだろうな……姫様が良くても、俺が俺を許せない)


やはり生真面目なクロウスは護るとフローリアに誓ったのにまたしても時を戻す力を使わせてしまった事に負い目を感じていた。

周囲の雰囲気とは真逆に頭を垂れ意気消沈していたクロウスだったがふと、誰かが自分の前にいる気配を感じて頭を上げてみた。


落ち込んでるクロウスを見つけたキャラは?
↓1~3の間でコンマの高いキャラ(フローリア、ルル、ジェニファー、リトア、レビュオス、アンリエッタの内誰かひとり)

フローリアの持ってる神器って巻き戻る本人以外には何もメリットなくない? 要はバッドエンドの世界を見捨てて自分だけ逃げてるって事だよな?

>>87
装備者以外はそれを知り得ないし、装備者は擬似的に未来を知れるし選択をやり直せる。極論自分のやりたい様に動いてから無かったことにできるわけで
装備者には紛れもない神器だと思うが


寝オチを失礼しました…。
1レスだけ時限式の安価があるので投下しておきます。

久しぶりの返答タイム


>>87
そこに気づきましたか…はい、その通りです。フローリアが飛んだ後にも世界は続いており一部の敗北陵辱ではその後の世界線での話とかも構想を考えてます。

>>88
時戻しの神器は本来ならある程度の時間操作を任意で行える数ある神器の中でもかなり上位のものなのですが……諸々事情があり今はピンチの時や心がへし折れそうになった時しか発動できていない状態ですね。


ルル「あれ?クロウスさん何してるの?」


頭を上げた先に居たのはルルだった。
心配そうに身を屈め視線を合わせている。


クロウス「……ルルか、お前姫様はどうしたんだ?」

ルル「えへへ……屋台の美味しそうな食べ物を見てたらはぐれちゃった!!」ドヤッ

クロウス「それは胸を張って言えることなのか?」


ルルのおっちょこちょいっぷりにクロウスは気が抜けたのか思わず乾いた笑いが出てしまった。

そんなクロウスの横にルルはちょこんと座る。


ルル「リアも心配してたけど、また何かへこんじゃった感じ?」

クロウス「まぁ、そういうことだな…」

ルル「……それって私にも言えないのかな?」

クロウス「……まだ俺の中で整理がついていないからな」

ルル「そっか……なら、いま考えてても仕方がないって事だよね!よいしょっ!!」ぴょんっ


ルル「それじゃあ行こっか!クロウスさん!」

クロウス「行くって…どこにだ?」

ルル「そりゃあ祭りの出店を制覇しにだよ!こんなに楽しそうな出店がたくさん並んでるのにこんな所で腐ってるのはもったいないって!」


今にも走り出さんとばかりにルルのテンションは上がっていた、まるで散歩を楽しみにして尻尾をぶんぶん振り回している犬のようだ。


クロウス「俺はそんな気分では無いんだが」

ルル「駄目だよクロウスさん!今日のお祭りはみんなが楽しむ為に頑張ってきたんだよ!こういうのは楽しまなきゃむしろもっと酷いバチが当たるんだから!」

クロウス「そ、そうなのか?」

ルル「そうに決まってる!……だから一緒にお祭り回ろうよ?」

ルル「一緒に遊びまくって悩みとか全部パーっと忘れて楽しも!」


クロウスとルルの銀黎祭(基本的には日本のお祭りのイメージ)のデート内容
本日21時から↓1~3まで募集して組み合わせます。

長々とお待たせしてすみません。

今日の夜に更新再開させて頂きます、あと最近の更新頻度に関して最後の方に色々とご報告もあるのでよろしくお願い致します。
簡単にですが一旦失礼しました、夜にまた。

おまたせしましたー、それでは再開していきます、



竜遇宮へと続くメインストリートは色んな出店が並んでおり、普段は人と人がぶつかる事などないこの場所も今は人が溢れかえっているほどの盛況を見せていた。


ルル「うわぁ…!なんか面白そうな出店もいっぱいあるよ!」

クロウス「おいそんなにはしゃぐな、子どもでもあるま……いや、まだ子どもか」

ルル「こういう場所では歳なんて関係ないの!ほらほら、クロウスさんも童心に帰っていっぱい遊べばいいんだって!」

クロウス「………まったく、子守りは必要か」

クロウス「わかったわかった、ただしはぐれると面倒だからあまりあちこち走り回るなよ」

ルル「えへへ~…やった!」


少し強引気味ではあったがクロウスを誘うことに成功したルルは小さくガッツポーズを見せた。



───金魚すくい


ルル「へぇ~なんか小さな魚がたくさんいるよ」

クロウス「そうだな、食用の小魚にしても小さすぎるみたいだが…」

金魚屋「君たちひょっとして金魚を見たことないのかい?これは観賞用の魚で食べたりするようなものじゃないよ」

金魚屋「こうやってお椀に水をいれてポイと呼ばれる紙を張ったもので金魚をすくって入れる遊びさ、もちろんすくった金魚は持って帰って飼っても良いんだよ」

ルル「面白そう!やってみようよクロウスさん!」

クロウス「おいおい、俺たちは旅をしてる身だぞ……すくった所でこいつらを連れてく事はできないぞ」

ルル「うう~……ならすくうだけ!キャッチ&リリースなら良いでしょ!ねっ?」

金魚屋「うちとしてはそれでも構わないけど…」

クロウス「……仕方ないな、親父さん二人分やらせてくれ」

金魚屋「はい、まいど!!」





ぽちゃんっ!


クロウス「おい!?すくったと思ったらすぐに破れるぞ!インチキじゃないのかこれ!?」

ルル「そりゃあっさりすくえたら商売にならないでしょ?……そいやー!」シャッ!

金魚屋「おっ、お嬢ちゃん中々上手いね!」

ルル「いやぁそれほどでも!」

クロウス「ぐぬぬ…親父、もう一回だ!」


───カタヌキ


クロウス「これはなんだ?お菓子に溝が彫られているが」

ルル「んーとね、細い針を使ってお菓子を割らずにキレイに型を抜く遊びみたいだよ」

クロウス「ふむ……集中力を研く鍛練に使えそうだな」

ルル「それじゃあやってみる?こう見えても手先は器用なんだよわたし!」

クロウス「ほう…なら勝負といくか」

型抜き屋「ふたりぶんかい…?針はそこにあるのを使っとくれ…」プルプル

ルル「へへーどれど……れ?」

ルル(えっ、やばっ…なんか竜の型なんだろうけど……精巧すぎて爪とか牙とか鱗のギザギザまで再現してるんですけど)

ルル「ねぇクロウスさん?やるなら別の型抜きに…」

クロウス「…………」カリカリカリカリカリ…

ルル(うわっ、なんかめっちゃ集中してるし……これは今さら退けない感じじゃん!?)




カリカリカリカリカリ…パキッ

クロウス「…………っよし!どうだ親父!?」

型抜き屋「お?……おお~、おまえさん中々やるもんじゃのう」プルプル

クロウス「ふはは!どうだルル!!このキレイに抜けたこの銀竜の型を!!」ビシッ

ルル「」ゴチャグチャー

クロウス「お、おお……何回チャレンジしたんだお前…?」

ルル「モウカタヌキミタクナイ………」ブシュー


─────射的


射的屋「やぁそこの兄ちゃん、冒険者のような身なりだが弓の腕前に自身はあるかい?」

クロウス「ん?……まぁ確かに経験はあるが…」

射的屋「ならうちで遊んでいきなよ、この玩具の弓矢で遠くの景品を倒すことができたら景品をあげるよ!」

ルル「景品だって!クロウスさんやってみれば?」

クロウス「訓練で扱った事があるだけで得意では無いけどな、物は試しにやってみるか」

射的屋「はい毎度!チャンスは5本だよ!」

クロウス「さて……」ギュッ

クロウス(さすがに本物の弓と比べると本当に玩具みたいな耐久性だな、本物みたいに引きすぎると壊れそうだな)キリリリ…

クロウス「ふっ!」ビシュッ


ひゅーん……


クロウス「むっ、意外とぶれるもんだな…」

ルル「まだまだ!あと4回チャンスあるよ!」

射的屋「そうだぞ、娘さんに良いとこ見せてやらなくちゃあな!」

ルル「…んん?」モヤッ

クロウス「ああ、こんなんで外してたら実戦では使い物にならんからな…!」





ヒュッ……ストンっ!!


射的屋「お、おお!?おめでとうさん!!まさか一番大きいぬいぐるみを持ってかれるとは思わんかったよ!」

クロウス「ふぅ、なんとか面目躍如ってところか?」

射的屋「はいよ、銀竜様のぬいぐるみだ!受け取りな!」

クロウス「ううむ……ルル、いるか?」

ルル「え?……いいの?」

クロウス「こんなの俺が持ってても仕方ないしな、まぁ邪魔になるというのなら他の誰かにあげるしかないが…」

ルル「い、いるいる!むしろ欲しかったぐらいだし…!!」

クロウス「そうか、なら大事にしろよ?遊びとはいえ金をかけて取ったものだしな」

ルル「う、うん…」ギュッ

ルル(ぬいぐるみなんて子供っぽいものとっくの昔に卒業してるけど…クロウスさんがくれたんだもん、仕方ないもんね?)

ルル「……へへ♪」ニヤニヤ


───おみくじ


クロウス「……ん、ここは?」

ルル「おみ……くじ?」

おみくじ屋「こちらではおみくじを引くことができます、おみくじとはこれからの人生の吉凶を占う東方の島国に伝わる占術的な行いの一種です」

おみくじ屋「とは言ってもこの木箱の中から運勢が書いてある紙を引くだけなんですけどね」

ルル「そんなのでこれから先の一生の未来が分かるの?」

クロウス「あくまで気休めみたいなものだろう?それだけで人生が決まるわけがないだろ」

おみくじ屋「おっしゃる通りです、ですが己の運勢を省みる事で今後の生活で改善すべきところや伸ばしていきたい所などが見えてくるかもしれませんよ?」

クロウス「………ふむ」

クロウス(冷静に振り返ってみると俺たちの運勢ってもうメチャクチャなような気がするが……これも何かの縁という事なのかもしれないな)

クロウス「そうだな、一回ぐらい試してみるか」

ルル「なら私も引いちゃおっと!」

おみくじ屋「ありがとうございます、それではここからお一人1枚引いてみてください」


クロウスとルルの運勢は如何に……?
↓1のコンマでクロウス、↓2のコンマでルルのおみくじの結果

00~10 大吉(後でボーナス有り)
11~30 中吉
31~60 小吉
61~70 末吉
71~89 凶
90~99 大凶(後で悪いボーナス有り)


また、↓3で二人のそれぞれのおみくじの内容があれば(待ち人、恋愛、探し物、勉学…etc.)



クロウス「よし、俺はこれだ」

ルル「私はこれだね」

クロウス「俺のくじは……おっ、大吉って出たぞ?」

ルル「私は……小吉?」

おみくじ屋「大吉は一番良い結果で小吉は上から数えて三番目に良い結果となっています」

ルル「ふーん…てことは真ん中ぐらいってとこかな?」

クロウス「大吉ねぇ…」

クロウス(どちらかというと不運な目にしか合ってないような気もするんだが……うん?くじの下に何か書いているな)カサッ


恋愛運 幸多し


クロウス(………ふっ、馬鹿馬鹿しい。こんな追われる身の俺に女運などあるわけが無いだろうに)

ルル(あっ、くじの下にまだ書いてる?)


恋愛運 逃げよ


ルル(いや何からッ!?)

ルル(情報量が少なすぎて分からないって……だいたい恋愛ってわたしの身近にそんな男の人なんて…)チラッ

クロウス「うん?どうかしたか?」

ルル「………」ジーッ

クロウス「な、なんだ…?なんか怖いぞルル…?」

ルル「な、なんでもないよ…!」

ルル(あのおみくじ……クロウスさんの事を言ってたのかな、だとしたら………うぅ~ん…?)モヤモヤ


クロウスの大吉ボーナスを↓1で以下の中から一つ選んでください

①次の戦闘で一度だけ負け判定を無しにしてやり直す。(この効果は他の戦闘スキルと重複できる)
②ルルとのラッキースケベイベント(内容は後で安価で決める)
③このデートイベントで手に入るルルとのフラグを増やす。

この後のクロウスとルルのラキスケイベントの内容安価(本番は無し。ラキスケに至るまでの流れとかもあれば、無くても良いです)
↓1から↓3の中から一つ選びます。

棒状の飴のお菓子を咥えながは舐めているルルを見て例の一件を思い出すクロウス。ルルもクロウスの反応から何を考えていたのか察して気まずい雰囲気になる

ここで今回は終わりにします。

最近の更新が凄く遅れてた理由ですが忙しかったのもあるんですが、リアルの事情でモチベが下がったまま充電する事もできず会話文を書くのも億劫になってしまってました。
今はある程度回復してきて、仕事の方も目処が立ちつつあるのでちょっとずつペース戻していきます。
長々と言い訳のような報告でしたがこれからも長い目で見守って頂ければと思いますのでよろしくお願い致します。

それではまた。

ラキスケイベントは>>136にしました。
ラッキースケベとは?みたいな感じになってしまいましたが気づいたら書き上げてしまったので投下致します。


ルル「はぁ~堪能したぁ♪」

クロウス「まったく……菓子とか買いすぎだ、余したらどうする気なんだおまえは…」

ルル「その時はジェニーとリアの三人で食べまくれば良いんだよ!」

クロウス「しれっと姫様達を巻き込むなよ…」


クロウス達は最初に遭遇した広場のベンチに戻ってきていた。

歩き疲れたのもあるがここに居ればそのうちフローリア達と会えるかもしれないので二人はベンチに座って休むことに決めた。


その際にルルが(クロウスの財布から出した金)買ったお菓子もたくさんあり、ルルはその中からスティック型の飴を手に取り咥えている。


ルル「はむっ、…じゅる」

クロウス「おい、はしたないぞ……普通に舐めて食え」

ルル「もぉ、クロウスさんはうるさいなぁ~……ぺろ、れろっ」

ルル「んっ、ちゅる…ぺろ、けっこーおっきぃ…れろっ」

ルル「ぺちゃっ、れろっ、れろっ……はふぅっ、ん、じゅるっ」


甘味を味わうべく丹誠に舐めあげていくルル。
溶けた飴と唾液の混じりあった甘露がしたたり落ちそうになるのも見逃さず真剣に飴をしゃぶっていく。

しかしクロウスはその姿を見ている内に以前ルルに突然自らのいちもつをしゃぶりあげられた時の記憶が甦っていく。


ルル『ん、ぺろ…ちゅるっ!じゅぷっ、んぷっ!ぷは…///はっ…んじゅ!くちゅ、ちゅる!んちゅるっ///』

ルル『じゅぽ!じゅぽっ、ちゅっじゅぴっ♥ ちゅっ、ちゅっ…ん、んぷ…はむっ…♥』


クロウス(……くそっ、忘れるって言ったのは俺なのになんであの時の事を思い出すんだ…!)


ルル「ちゅっ、ぺろ……ん?どうしたのクロウスさん?」

クロウス「な、なんでもない…気にするな!」

ルル「そんな露骨に顔を背けられたら気になるって………あっ」


ルル自身も気づいてしまったのか頬を赤らめながらベンチの上で膝を抱える。


ルル「わ、忘れるって言ったのはクロウスさんじゃん…!///」

クロウス「す、すまん……今度こそ記憶から抹消するから許してくれ」

ルル「………そんなに忘れたいぐらいに嫌だった?」

クロウス「嫌とかそういう問題じゃない……恋仲でもない男と女がすることじゃない上に俺とお前じゃ歳の差が有りすぎる」

クロウス「お前だってこんなアラサーを越えた男のあれを……勢いとはいえ…黒歴史になるだろう?」

ルル「………う~ん」


ルルにとってクロウスという存在は新しくできた友人の付き添い程度にしか捉えていなかった。

しかし遺跡やラジルとの戦場でピンチを救われたり、一緒に過ごしていく内に彼女の中でその存在が大きく膨れ上がっていった。


ルル(………あっ、そっか)

ルル(なんであの時モヤモヤしてたのか……その時は分かんなかったけど、そういう事だったんだ)




ルル(私ってクロウスさんのこと、いつの間にかすっごい好きになってたんだなぁ)


頭の中では漠然と白馬の王子さまのような感じの人を好きになるんだろうなと思っていたのでまさかのアラサーのおじさんを好きになるとは出会う前の自分は欠片も思ってもいなかっただろう。

しかしルルという少女の行動力は凄まじいの一言に尽きる。


クロウス「とにかく今後は落ち着きをもって節度のある行動をだな」

ルル「忘れさせないから」

クロウス「………はっ?」


頭の中で少し逡巡した、今の自分を取り巻く環境やフローリアの気持ちなど考えるべきことは幾らでもある。

しかし、それでも即断即決の判断を下せるのがルルの強い所だ。

思い立ったが吉日、一度気持ちを自覚したのならばそれを止める事など誰にもできはしない。


ルル「それどころかどんどんクロウスさんにあーんな事やこーんな事をいっぱいやって一生忘れさせたりしないからね」

クロウス「い、いや……いったいお前は何を言ってるんだ…!?」

ルル「………ふふ」チロッ



ルル「なーーんだろうね♪」


膝を抱えたままクスりと小さく、祭りの喧騒に紛れるかのようにルルは微笑みをクロウスに向けた。

いったん止め、続きは夜に!

僅かながら再開していきます。


ジェニファー「まったく、ルルはいったい何処に行ったのかしら!」

ジェニファー「本当に落ち着きのない子なんだから……もぉ」

フローリア「ふふ、ジェニーはいつもルルの心配をしてますね」

ジェニファー「はっ!?普段からあの子の面倒ばかりみてるからついいつもの癖が…!」


フローリアとジェニファーははぐれたルルを探しながら祭りを回っていた。

一通り見て回ったはずだが見かけることは無かったので最初にはぐれた辺りに戻っているのかもしれないと考え歩いていた。


リトア「二人とも!こっちこっち!」

フローリア「あっ、リトアさん」

ジェニファー「ここでお店を開いてましたのね」

リトア「ええ、普段シルヴェロギアでは扱わないアクセサリーや織物なんかが売れててね。お父さん達もほくほく顔よ」

ジェニファー「あら、嬉しい悲鳴というやつですわね!」

リトア「ええそうよ……そういえばルルとクロウスさんはいないのね」

ジェニファー「ルルはあっちこっち飛び回った結果迷子になりましてよ…」

フローリア「クロウスは……たぶん祭りを回ってはいるはずですが…」

リトア「ふーん、まぁ私も見かけたら二人が探し回っていた事を伝えておくわ」


ジェニファー「そういえば……そのブローチ、中々変わった鉱石を使っておりますわね」


ジェニファーの指差した売り物を見てみると確かに色とりどりの鉱石を使ったアクセサリーがずらりと並んでいた。


リトア「お目が高いわね、その鉱石は大陸の外から仕入れてた鉱石を使ったものなのよ」

リトア「確か華国と呼ばれていた国だったかしら……向こうでは馴染みのあるお守りみたいなものらしいけどこっちだとそういうのも珍しいから結構売れるのよ?」

フローリア「はわぁ、そうなんですねぇ…」

リトア「……良かったらどれか一つ好きなの持っていっても良いわよ?」

フローリア「えっ!?そんな、いけません!大事な売り物なのにそんな…」

リトア「担当の私が良いって言ってるから良いのよ、それにこれは先行投資みたいなものだから」

フローリア「と、投資……ですか?」

リトア「ええ、貴女がいつか国を取り戻したらそこで私たちが商売しやすくなるようにっていう先行投資ってこと」

フローリア「………あ」

リトア「それに……こういうお守りってなんだか効き目ありそうじゃない?もちろん気休めにしかならないかもしれないけど無いよりマシでしょ?」

ジェニファー「そ、そういうものなのかしら…?」


フローリアはリトアが気を使って勇気づけてくれているのだと察した。

もちろんそんな事しなくてもリトアのキャラバン商隊なら問題なくミクトラムでも商いをしていけるだろうが…フローリアはリトアの心遣いを嬉しく思った。


フローリア「えっと……それじゃあ」

フローリア(でも種類がいっぱいあるなぁ……どれにしよう?)


フローリアはどのお守りを選んだ?(選んだ鉱石によって次回の自由行動で一部のキャラにフラグボーナスが付きます)
↓1から↓3の間で選んでコンマの一番高い選択肢

①真っ赤で情熱的な深紅の鉱石
②琥珀色の明るく煌めく鉱石
③活力が漲る金色の鉱石
④堅実さを感じる浅茶色の鉱石
⑤蒼銀の鋭く光る鉱石
⑥華麗な装飾の白銀の鉱石


③活力が漲る金色の鉱石


フローリア「この金色の鉱石のブローチを頂きますね」

ジェニファー「あら…私もそれが良さそうだと思ってましたわ!」

フローリア「ふふ、なんだかジェニーの髪色と瓜二つのような気がしてつい選んじゃいました」

ジェニファー「んな…っ///」ボッ


何気なく放っただけの言葉が思ってたよりもハートに突き刺さったようでジェニファーはつい頬を赤く染めて照れてしまう。


ジェニファー「も、もう…フローリアったらお上手なんですから…!!」

フローリア「あっ、ひょっとしてジェニーもこっちの方が良かったですか?それなら私は別のにしますが…!」

ジェニファー「大丈夫、それは貴女が持っていた方が良くてよ…というかそんな風に言われたらむしろ持って頂きたいというのが本音ですが……ゴニョゴニョ」

フローリア「?」

リトア「はいはい、イチャイチャしないの…というか他にもお客さんはいるんだからジェニファーも早く選びなさいよー」



銀竜「ふはは、今宵の祭りも良き盛り上がりじゃ」


銀竜は街の外れにて祭りの賑わいを離れたところから見ていた。
周りには国民からの捧げ物として果物や肉魚野菜など食料がたんまりと置いてある。

そしてその側にはアンリエッタとレビュオスの姿も在った。


アンリエッタ「今日という日のために頑張っていましたから…みんな銀竜様に会いたくて仕方なかったんですよ」

銀竜「ふふ、守護竜として国民に崇め慕われるのは本懐じゃな」

レビュオス「はっはっは、頑張ったかいがあったというものです」

銀竜「……本当はこういう供物なんかも無くても良いのじゃがな」

銀竜「永くこの国を見守ってきたが皆は本当によくやってくれていた。時が過ぎ、人が移ろい行く中で人も国も大きく変わっていくものじゃ」

銀竜「しかしこの地だけは……人の暖かさも土地の恵みも変わらぬ、それはお主たち竜巫女を始めとした人の努力あってこそじゃ」

銀竜「この変わらぬ景観を……彼にも、金竜殿にも見てもらいたかったものじゃ…」

アンリエッタ「………お婆ちゃん」

レビュオス「…きっと見守っていますよ、天の上から」

レビュオス(……見守ってくれているかな、俺の娘も)

銀竜「……だと良いんじゃがのう」



ルル「あっ!!ようやく見つけたよー!」

ジェニファー「それはこっちのセリフでしてよ!!しかも結局クロウスさんに迷惑かけてるじゃない!なにその荷物量!?」

クロウス「ん……まぁ、ほぼほぼコイツが買った菓子だな」

ルル「えへへ……つい我慢できなくて」

フローリア「クロウス」

クロウス「姫様……すみません、護衛の騎士でありながらこの度は勝手を致しました」

フローリア「ふふ、いいのよ……クロウスもお祭りを楽しんでいたようでなによりです」

クロウス「そ、そう……ですね」チラッ

ルル「……!にしし…」フリフリ

クロウス「……~~~!」

フローリア「………クロウス、大丈夫ですか?頭が痛いの?」

クロウス「そ、そうですね…羽目を外しすぎたのですかね、はは…」

フローリア(………)


祭りを楽しむ、誰かを想い、過去に思いを馳せ未来に平穏を願う……人の数だけの想いが祭りを照らす灯りのように暖かく包み込む。

やがて夜も更け、人影も少なくなり……銀黎祭は静かに終わりを迎えていった。


ルルとのフラグ(クロウス)を手に入れた。

次のフローリアの自由行動でジェニファーとの交流でボーナスが発生します。


………………


…………


……





────翌日


門番A「あ"ー……飲み過ぎた、まだ二日酔いが治まらん」

門番B「頼むから仕事中にゲロったりするなよ…というか次の日朝勤なのにそんなに飲むな」

門番A「祭りの夜に酒を飲まないヤツぁ男じゃないだろ?」

門番B「全く……銀竜様も呆れるぞ」

門番A「そういや銀竜様はもう山に戻られたんだったか?」

門番B「ああ、早朝に供物を乗せて竜巫女様と兵士長がお見送りしたそうだ」

門番A「次に会えるときは俺の頭に白髪の一本でも生えているぐらいかな………ぬぁー!次の銀黎祭が待ち遠しい!」

門番B(それはお前が飲みたいだけなのでは……ん?)

門番B「誰か来るな」

門番A「数は一人か…?冒険者かなにかだろうか?」


ザッ…ザッ…ザッ…


門番B「すまないがそこで止まってくれ、名前と身分の証明ができるものはあるか?」


ザッ…ザッ…ザッ…


門番A「おい、止まれといっているだろう!」


ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…!!


門番B「警告を無視するな、捕らえられたいのか!」

門番A「近づくんじゃあない!!そこで止まれ!!!」


時は遡り………一日前(>>71)のどこかの地にて



セヴェル(……野に放っていたワタシのカワイイカワイイペットの魔力反応が消えた?)

セヴェル(まぁ野垂れ死ぬ個体も少なくないですから特段珍しいことではありませんが……短い感覚で2体、それもじわじわと消えるわけでもなくブツッと消えてなくなりましたねぇ…)

セヴェル(何者かに処分されたか……いずれにせよ気性の荒い個体を倒すとは中々の実力者と見た、これはもしや……)

セヴェル「………ヒヒ、ペットどもを酷使して行けば行けなくもないですねぇ…!」


セヴェル「ヒヒ…!ヒィーッヒッヒ…!!」ニタニタァァァ











セヴェル「まっ!それは後回しにしましょ!」ニコッ☆


セヴェル(確かに気にはなりますが……今のワタシにはとってもとても大事な用がありますからネ!!)

セヴェル(魔導女帝モルガンヌ……聞くところによると彼女の魔力と魔法はアマティアス様の持っている神器によって回収されたとのこと)

セヴェル(そしてその神器を受け取ったのはナール魔導帝国の協力者、ディアナとかいう女ではありませんか!)

セヴェル「………あぁ……羨まじいッ!!!」ドンッ

セヴェル(女帝の魔力の芳しいかほり……!!一度だけ嗅いだことのあるあの魔力の臭いが忘れられマセン!!)

セヴェル(あ"っ…ヤバッ♪思い出しただけでもうエクスタシーがぁ……!!)ムクムクムクッ




セヴェル「止まりません!!!!!」クワッ

セヴェル「ヒーーーヒッヒッヒッ!!!目指すは元!魔導帝国ナール!!キリキリ働けぇ我がペットよ!!!」ピューン


セヴェル「ヒィィィーーーーヒッヒィッヒィーーー~~~…………」


そして時は再び現代に戻る……。


門番B「警告を無視するな、捕らえられたいのか!」

門番A「近づくんじゃあない!!そこで止まれ!!!」








アムヌグ「我が名はラジル帝国の【四獅星】が一人……アムヌグ」

アムヌグ「押し通らせてもらおう」ブンッ


その後に書かれたシルヴェロギアの歴史書にはこう書かれていたという。

鮮血を被った黒い鬼が襲来して来た───と。

寝オチ失礼しました、次の更新で初の四獅星戦になります。
戦闘もほんの少し内容が変わったりするのでその時にまた説明します。

それではまた。

日本人はカス民族。世界で尊敬される日本人は大嘘。

日本人は正体がバレないのを良い事にネット上で好き放題書く卑怯な民族。
日本人の職場はパワハラやセクハラ大好き。 学校はイジメが大好き。
日本人は同じ日本人には厳しく白人には甘い情け無い民族。
日本人は中国人や朝鮮人に対する差別を正当化する。差別を正義だと思ってる。
日本人は絶対的な正義で弱者や個人を叩く。日本人は集団イジメも正当化する。 (暴力団や半グレは強者で怖いのでスルー)
日本人は人を応援するニュースより徹底的に個人を叩くニュースのが伸びる いじめっ子民族。

日本のテレビは差別を煽る。視聴者もそれですぐ差別を始める単純馬鹿民族。
日本の芸能人は人の悪口で笑いを取る。視聴者もそれでゲラゲラ笑う民族性。
日本のユーチューバーは差別を煽る。個人を馬鹿にする。そしてそれが人気の出る民族性。
日本人は「私はこんなに苦労したんだからお前も苦労しろ!」と自分の苦労を押し付ける民族。

日本人ネット右翼は韓国中国と戦争したがるが戦場に行くのは自衛隊の方々なので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人馬鹿右翼の中年老人は徴兵制度を望むが戦場に行くのは若者で自分らは何もしないで済むので気楽に言えるだけの卑怯者。
日本人の多くは精神科医でも無いただの素人なのに知ったかぶり知識で精神障害の人を甘えだと批判する(根性論) 日本人の多くは自称専門家の知ったかぶり馬鹿。
日本人は犯罪者の死刑拷問大好き。でもネットに書くだけで実行は他人任せ前提。 拷問を実行する人の事を何も考えていない。 日本人は己の手は汚さない。
というかグロ画像ひとつ見ただけで震える癖に拷問だの妄想するのは滑稽でしか無い。
日本人は鯨やイルカを殺戮して何が悪いと開き直るが猫や犬には虐待する事すら許さない動物差別主義的民族。

日本人は「外国も同じだ」と言い訳するが文化依存症候群の日本人限定の対人恐怖症が有るので日本人だけカスな民族性なのは明らか。
世界中で日本語表記のHikikomori(引きこもり)Karoshi(過労死)Taijin kyofushoは日本人による陰湿な日本社会ならでは。
世界で日本人だけ異様に海外の反応が大好き。日本人より上と見る外国人(特に白人)の顔色を伺い媚びへつらう気持ち悪い民族。
世界幸福度ランキング先進国の中で日本だけダントツ最下位。他の欧米諸国は上位。
もう一度言う「外国も一緒」は通用しない。日本人だけがカス。カス民族なのは日本人だけ。

陰湿な同級生、陰湿な身内、陰湿な同僚、陰湿な政治家、陰湿なネットユーザー、扇動するテレビ出演者、他者を見下すのが生き甲斐の国民達。

冷静に考えてみてほしい。こんなカス揃いの国に愛国心を持つ価値などあるだろうか。 今まで会った日本人達は皆、心の優しい人達だっただろうか。 学校や職場の日本人は陰湿な人が多かったんじゃないだろうか。
日本の芸能人や政治家も皆、性格が良いと思えるだろうか。人間の本性であるネットの日本人達の書き込みを見て素晴らしい民族だと思えるだろうか。こんな陰湿な国が落ちぶれようと滅びようと何の問題があるのだろうか?

少し時間ができたので戦闘開始前までの部分を投下します。


轟音と地鳴りがシルヴェロギアの街中を駆け抜ける。
その余波は門から発せられていたが遠く離れていたクロウス達の泊まっているホテルにまで届いていた。


フローリア「な、なに!?地震!?」

クロウス「いや……正門の方で何かがあったようですが…」

行商人A「お、おお…!!クロウスくん、大変なことになったぞ!!」


ドタドタと音を立てながらリトア達商隊の面々が駆け寄って来る。

余程重大な事が起きたのか汗を拭う間もないまま何が起きたか説明を始めた。


行商人A「正門側から逃げてきた人によると先程一人の男が突然シルヴェロギアを襲撃してきたらしい!」

クロウス「一人…?ただ酔っぱらいが喧嘩を吹っ掛けてきただけとかじゃないんですか?」

行商人B「そ、それが……逃げてきた人の証言によると、身の丈程もある巨大な剣を振るって門番の人達を斬殺したらしくて…!!」

フローリア「こ、殺したのですか……門番の人達を!?」


ただ事ではない事態になっている事を察した二人はラジル帝国からの追っ手が来たのでは?と同じことを考える。

幾らシルヴェロギアが小国とはいえ単身で兵士を斬り捨てるなどといった常軌を逸した行動を取れる者は数少ない。


リトア「今レビュオスさん達が兵を率いて鎮圧に向かっているらしいわ、あの人なら大丈夫だと思うのだけれど…」

クロウス「ああ、しかし……」

クロウス(くっ…何故かは分からないが、何か胸騒ぎがする…!悪い予感は当たってほしくないものだが…!!)

クロウス「すまない商長さん、暫く姫様を見ていただけないだろうか」

フローリア「クロウス…!?」

クロウス「姫様、自分は戦場の方を見てきます。レビュオスなら問題ないと思うのですが……なにか嫌な予感がします」

フローリア「……分かりました、どうかお気をつけてください」

行商人A「うむ、我々も念のため竜遇宮の避難所に向かうのでな。彼女の身は任せてもらおう!」

クロウス「すみません、助かります…!!」

ルル「クロウスさん!」


剣を取り、ホテルから出ようとした所をルルとジェニファーに出会う。
二人とも事情はすでに知っているようでクロウスに協力を申し出る。


ルル「話は聞いてたよ、私も行かせてよ!」

ジェニファー「避難のお手伝いなど何かお役に立てる事があるかもしれませんわよ」

クロウス「……駄目だ、着いて来るな」

ルル「なんでさ!!今までだって魔物との戦いでは協力し合ってたじゃん!」

クロウス「………ルル、場合によっては殺し合いになるかもしれない」

クロウス「人間と人間の殺し合いは魔物との戦いとはまるで違う、お前たちは来るんじゃない」

ルル「だけど…!!」

クロウス「だが国民の避難誘導は良い案だ、頼めるかジェニファー?」

ジェニファー「……!ええ!私に任せてくださいまし!」

ルル「………むぅ」


クロウスは焦りを抑えながらも急ぎ足で正門の方へと向かって行った。








アムヌグ「……噴ッ、もの足りぬわ」


正門の状況は凄惨たる状況であった。
外壁や家屋は粉砕されており斬り捨てられ、叩き伏せられた兵士の死体がそこら中に転がっている。

血の滴る深紅の大剣を払いながらアムヌグは退屈そうに顎髭を弄っていた。

そのアムヌグのこめかみを目掛けて矢が飛んでくる。

しかしその一閃をアムヌグは首を振ることで難なく回避した。


レビュオス「おいおい……随分な真似をしてくださってるじゃねぇか」


レビュオスは辺りを見渡す。
少なくとも斬り伏せられた兵士の死体は十以上はある、中にはレビュオスと同期の兵士の姿もあった。


レビュオス「……ひっでぇ有り様だな」

レビュオス「お前さん、いったいどう落とし前をつけてくれるんだ?」


接合されている柄頭を切り離し、弓は双刃へと姿を変える。
瞬間、憤怒の表情を隠しもせずレビュオスは一気に距離を詰めるとアムヌグに斬りかかった。

一方のアムヌグは眉一つ動かさずレビュオスの連撃を大剣一つで防いでいく。


アムヌグ「ほう、先程の蝿共と比べると悪くない」

レビュオス「テメェの目的はなんだ!?なぜこんな小さな国を襲う!?」

アムヌグ「ふむ…別に貴殿に言うことでも無いのだが、敢えて言うなら人探しといったところか」

レビュオス「人探しだと…?」

アムヌグ「金髪の姫君を探していてな、おそらく側には赤髪の騎士がいる筈だが…」

レビュオス(っ!! 狙いはフローリア姫、てことはコイツは帝国からの刺客!だとしても……)


レビュオスの口調が荒くなっていくが本人の頭の中は冷静を保っているつもりだ。
斬り結びながらも荒ぶる心を抑えつけ情報を聞き出していく。


レビュオス「分からねぇな、人探しが目的ならなんで兵を殺した…!口頭で聞きゃあすぐ終わる話だろうが!!」

アムヌグ「勘違いはするな、それはあくまでついでの目的に過ぎずワレの主目的は他にある」


お互いに一度距離を開けるとアムヌグは両腕を広げ高らかに言い放った。


アムヌグ「ワレの目的は………闘争!」

アムヌグ「強者との血湧き肉踊る闘いの宴!!それこそがワレの生きる意味なのだ!!!」

アムヌグ「しかし戦場にのさばるは有象無象の弱者ばかり……これではワレの渇きは満たされぬ、そこに転がる虫けら共は心底退屈極まり無かったぞ」


その言葉に遂にキレたレビュオスは一瞬で双剣を弓の形態に戻し矢を3発も放つ。

軽々と剣を振りアムヌグは矢を払い除ける、しかし視界に捉えていた筈のレビュオスの姿は形もなく消えていた。


アムヌグ(消えた!? ………否!!)

アムヌグ「下か!」


レビュオスは姿勢を低くし瞬時に相手の懐に接近している、これにはアムヌグも反応が遅れ眼下にいたレビュオスに対し剣で反撃することは不可能だ。


レビュオス(デカイ図体が災いしたな、これなら殺れる!)

レビュオス(覚悟する間も無くその首ぶった切ってやる!!)


防衛本能のようにアムヌグは空いている手の甲を払おうとする。
相討ちも視野に入れていたレビュオスは己の刃の方が先に届くと、足の爪先から足腰かけて力を入れた。

切っ先がアムヌグの首を捉える………。




そしてレビュオスの視界は空をぐるりと回った。




レビュオス「…………はっ?」


肺の空気が全て叩き出されたような息苦しさと腹から聞こえてはいけないミシミシとした音が聞こえた。
少しして背中に強い衝撃が走る、家屋の壁に叩きつけられたようだ。

その強い痛みによりレビュオスは自分があの蚊を追い払うような柔らかい振り払いにより宙を舞い、遠くの先まで叩き飛ばされた事を理解した。


レビュオス「ぐっ…はっ…!!」ガクッ

レビュオス(嘘だろ……今のだけであばら骨何本イかれた……っ、馬鹿力なんて範疇を越えすぎてるだろ…!!!)メキッ


胃の中の物を全て吐き出したくなるような気持ち悪さと激痛がレビュオスの体を動かなくした。

周りの兵士たちもレビュオスの勝利を確信していただけに一同に動揺が走る。


アムヌグ「中々素早かったな……だが、ワレは貴様よりもっと疾い男を知ってる」


手負いのレビュオスにアムヌグが近づこうとする。
兵士たちはレビュオスを庇うべく一斉に前に出るが力の差は絶望的だった。


レビュオス「や、めろ…ぐっ!…みんな…下がれ…!!」


兵士の一人が胴体を真っ二つに裂かれる、彼は数日前に一緒に酒を飲んだ仲であった。

兵士の一人が顔面を地面に叩きつけられて血だまりに沈む、一ヶ月前に奥さんが出産して子どもが産まれたばかりだと聞いていた。

兵士の一人が殴られ首があらぬ方向へと捻り曲がった、病床に伏せてた母が快方へと向かっていた事を嬉しそうに自分に報告していた。

兵士の一人が…………。


レビュオス「やめろぉぉぉ!!!クソヤロウがアアアァァァァァァァッ!!!!!」


ヒュンッ

アムヌグ「……むぅん?」


倒壊した家屋の木片がアムヌグに迫る、兵士に振るおうとした刃を止めて木片を斬り捌く。

木片が飛んできた方向には投擲の体勢から剣を構える男が一人、燃えるような赤い髪色をしている。


クロウス「はぁ…!はぁ…!」

アムヌグ「赤い髪の……ほう、どうやらワレは運が良いらしい」

クロウス(ここまで酷い事になっているとはな……!!それにコイツは間違いなく…!!)

クロウス「帝国の四獅星……!!」

アムヌグ「貴様はミクトラムの騎士だな、さすれば神器とやらを持つ姫君もこの国にいるな」

クロウス(やはり姫様を狙っているのか…!!)

レビュオス「ごほっ、気を付けろクロウス……この男の腕力は完全に人間の能力を越えている…!!」

クロウス「あぁ……しかしここで退くわけにはいかない」

アムヌグ「ふむ、ミクトラムの兵たちはここの塵芥と比べれば少しはマシだった……貴様が強き者だとワレは嬉しいぞ」ニィッ




──────[運命の血戰]──────



クロウスとアムヌグ、二人の闘いの結末によりシルヴェロギアの命運が大きく左右されます。


また、クロウスが敗北してしまうとレビュオス、リトア、アンリエッタの運命は大きく狂うことになるでしょう。


また、今回の判定は全5回となり内3回判定で勝つか引き分ける事で勝利扱いとなります。

一旦止め、アムヌグ戦は夜に始めます。

遅くなりましたが始めていきます。


────戦闘開始────

【Act.1】


アムヌグ「ワレは四獅星が一人アムヌグ!ミクトラムの騎士よ、貴様の力を魅せてみろ!」

クロウス(あの巨大な剣を軽々と振るうぐらいだ、相当な怪力の持ち主に違いない……どうする)


クロウスの行動選択
①主に敵の武器を持つ手を狙っていく(チャージ系◯、テクニック系×)
②フェイントを体勢から交えながら攻撃(テクニック系◯、アタック系×)
③鎧の隙間を狙い斬りつける(アタック系◯、チャージ系×)
スキル【不撓不屈の剣】(1度だけ判定に負けてもこちらの行動選択時コンマが相手より高ければ勝利扱いにする、シルヴェロギア編終了まで有効)


アムヌグの行動パターン

00~30 剛剣を振るい風圧を生じさせる(チャージ系)
31~40 震脚からの腹パン(テクニック系)
41~99 地面に叩きつける勢いの剣撃(アタック系)
スキル【紅血】(自身が判定に負ける度に攻撃パターンが強化される)

↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


アムヌグ「ぬんっ!!!」グォッ


アムヌグは深紅の大剣を片手で軽々と扱っていく。
相当の重量がある筈だが汗一つかく様子すら見せず涼しい顔で荒々しい猛攻を見せる。


クロウス「くっ…!!」

クロウス(雑に振り回しているだけに見えるが隙は見せない…!)

クロウス(ガチガチに鎧を着込んでいて剣が通る箇所が少ない、頭や首辺りの急所はしっかりと警戒している……しかし)

アムヌグ「ぬぇりゃっ!!」ブゥンッ

クロウス(っ!…ココ!!)


クロウスはアムヌグの縦に割るような重撃の一瞬の隙を見逃さなかった。
攻撃に合わせ身体を横にずらし……アムヌグの間接の部分、肩口の鎧の隙間に剣を突き通す。


アムヌグ「ぐっ」ブシュッ

クロウス「っし…!」

クロウス(一切の隙を見せないという訳では無いようだな……後の先を意識し続け剣も振るえぬまで削っていけば)


アムヌグ「………くく」



───クロウスの勝ち───
    1 2 3 4 5

クロウス◯ 
アムヌグ × 

※アムヌグの攻撃パターンが変化しました。


【Act.2】


アムヌグ「ワレに傷をつけるか、面白い」ペロッ

クロウス(……なんだコイツ?斬られたってのに嬉しそうな顔をするな)


クロウスの行動選択

①主に敵の武器を持つ手を狙っていく(チャージ系◯、テクニック系×)
②フェイントを体勢から交えながら攻撃(テクニック系◯、アタック系×)
③鎧の隙間を狙い斬りつける(アタック系◯、チャージ系×)
スキル【不撓不屈の剣】(1度だけ判定に負けてもこちらの行動選択時コンマが相手より高ければ勝利扱いにする、シルヴェロギア編終了まで有効)


アムヌグの行動パターン

00~30 剛剣を振るい風圧を生じさせる(チャージ系)
31~40 震脚からの腹パン(テクニック系)
41~71 一瞬で距離を詰め蹴り飛ばす(強制的にアムヌグの勝利判定)
70~99 地面に叩きつける勢いの剣撃(アタック系)
スキル【紅血】(自身が判定に負ける度に攻撃パターンが強化される)

↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


アムヌグ「いいぞ騎士よ、もっとワレを楽しませろ!!」ダンッ!!

クロウス「っ!?」ゾクッ


アムヌグが僅かに前屈みになったかと思いきや、クロウスとの距離を一瞬で詰め寄った。



クロウス(は、……やっ!? ヤバい、避けるのが間にあわな…!!)

アムヌグ「噴ぅッ!!!」


アムヌグの蹴りがクロウスの脇腹に突き刺さる………と、同時にクロウスの剣もアムヌグの股に斬撃を食らわせた。



アムヌグ「ぐっ!?」ブシッ

クロウス「ぐあっ!!」ズシャァァァ

アムヌグ(このわっぱ……避けれぬと判った瞬間に相討ち狙いで我の脚に剣を合わせるか!!)

クロウス「い"っ……てぇなぁ……!」


クロウスは数メートルほど蹴り飛ばされてしまうが、痛みを堪え立ち上がる。

足への斬りつけにより一瞬怯んだようで、骨が砕かれる程のダメージは受けなかったみたいだ。


クロウス(……っ、代わりにヒビは入ったかもしれないな…動けるだけまだマシだが)

クロウス(今コイツをこの先に通したらまた姫様が辛い思いをしてしまうかもしれない……!!俺はもう…姫様に、傷ついて欲しくない!!)


息を吐く度に脇腹に痛みが走る、しかし弱音を口に出すことなくクロウスは剣を構え直す。

その表情は怯えを見せるわけでもなく、ただ真摯に目の前の敵を見据えている。


アムヌグ「……くく、はーっはっはっは!!!」


その姿を見たアムヌグは大きく笑い声を上げた。



───スキルの効果によりクロウスの勝ち───
    1 2 3 4 5
クロウス◯ ◯
アムヌグ ×  ×

※スキル【不撓不屈の剣】の効果が消失しました。
※アムヌグの攻撃パターンが最大まで強化されました。


【Act.2】


アムヌグ「いいぞクロウス!!その気迫!敵ながらあっぱれ!!」ブシュッ

クロウス「なっ!?」


アムヌグは自らの傷口を己の手で抉り、自ら出血を酷くする。
普通なら自殺行為に等しいがこれはアムヌグにとって戦闘へのボルテージを最大限にまで上げる儀式のようなものだった。


クロウス(な、なんだコイツ…!?自分で傷口を広げている……なのにも関わらず…!)

アムヌグ「ぐっ…!!さぁ……存分に闘争を続けよう、クロウスよ!」

クロウス(コイツのプレッシャーが……どんどん増していく…!?)


クロウスの行動選択

①主に敵の武器を持つ手を狙っていく(チャージ系◯、テクニック系×)
②フェイントを体勢から交えながら攻撃(テクニック系◯、アタック系×)
③鎧の隙間を狙い斬りつける(アタック系◯、チャージ系×)


アムヌグの行動パターン

00~10 剛剣を振るい風圧を生じさせる(チャージ系)
11~50 剛力を解放し、強烈な一撃を叩き込む(強制的にアムヌグの勝利判定)
51~60 震脚からの腹パン(テクニック)
61~80 剛力を解放し、強烈な一撃を叩き込む(強制的にアムヌグの勝利判定)
81~99 地面に叩きつける勢いの剣撃(アタック系)
スキル【紅血】(自身が判定に負ける度に攻撃パターンが強化される)

↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


クロウス(びびるな!!やることは変わらない……相手の攻撃の僅かな隙を突くだけだ!!)

アムヌグ「こおお……!!!」


アムヌグは両手で剣を握り込み、大きく横に切り払う動作を見せる。

クロウス(来た…この攻撃に合わせ……!?)



………剛ッ!!!!



クロウスの身体がふわりと宙に浮く、ただ剣を横に薙ぎ払っただけ……ただそれだけの魔法もトリックもない純粋な力のみで起きた剛風が周囲の障害物を全て吹き飛ばす。


クロウス(なんだこの膂力は……もはや人間の……いや、オーガやトロルと比較しても桁違い過ぎる…)


受け身を取ることすらも忘れクロウスは地面に叩きつけられる。
目の前の男のパワーは人という枠組みを外れ、もはや神がかり的なものを彷彿とさせる程だった。


───アムヌグの勝ち───
    1 2 3 4 5

クロウス◯ ◯  ×
アムヌグ ×  × ◯


【Act.4】


どんなに追い詰められても、常に勝つため一手を張り巡らせるのがクロウスという男の思考回路だ。

そんな彼が闘いの中で経験する初めてのノイズ。


クロウス(…………俺は勝てるのか? この筋肉の化け物に…)


クロウスの行動選択

①主に敵の武器を持つ手を狙っていく(チャージ系◯、テクニック系×)
②フェイントを体勢から交えながら攻撃(テクニック系◯、アタック系×)
③鎧の隙間を狙い斬りつける(アタック系◯、チャージ系×)


アムヌグの行動パターン

00~10 剛剣を振るい風圧を生じさせる(チャージ系)
11~50 剛力を解放し、強烈な一撃を叩き込む(強制的にアムヌグの勝利判定)
51~60 震脚からの腹パン(テクニック)
61~80 剛力を解放し、強烈な一撃を叩き込む(強制的にアムヌグの勝利判定)
81~99 地面に叩きつける勢いの剣撃(アタック系)
スキル【紅血】(自身が判定に負ける度に攻撃パターンが強化される)

↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


アムヌグ「噴ッ!!せいやッ!!!」ブンッ!ブォンッ!!

クロウス「くっ、ふっ!!」キィン!カキィンッ!!


アムヌグの剣撃を巧みに流すクロウスであったが実際は流すのが精一杯であった。

ガードに回れば一撃で守りの上から粉砕されるのは目に見えて明らか、しかしアムヌグの攻撃はどんどん苛烈さを増していくばかり。
反撃の隙はどんどん無くなっていき、打つ手を見失いかけていた。


アムヌグ「耐えられるか…良いぞ!ならもっと強く!速く打ち込もう!!」

クロウス(…!?まだペースが上がるだと!?)


アムヌグの剣の切り返しが益々速くなっていく、もはやこの攻撃に反撃するのは竜巻の中に身を投げにいくようなものだ。

そしてクロウスの流しが追い付かなくなっていき……剣を持つ手が弾かれる。


クロウス「しまった…!!」

アムヌグ「ぬぉおおん!!!」


もはや流しきるのは不可能、クロウスは咄嗟に身体を回し剣の直撃は避けるが余りにも強大な剣圧に再び身体が投げ飛ばされる。

致命傷こそ避けているがクロウスの肉体へのダメージはそろそろ限界に近づこうとしていた。


───アムヌグの勝ち───
    1 2 3 4 5

クロウス◯ ◯  ×  ×
アムヌグ ×  × ◯ ◯

※アムヌグは油断していく……攻撃パターンが少し緩和された。


【Act.5】


クロウス「ぐぅ…がは……!」

アムヌグ「悲しきかな悲しきかな……どうやら闘争の宴も終わりが近いようだ」

アムヌグ「貴様はここ最近の相手では一番楽しめた方だぞ……クロウスよ」スゥッ

クロウス「ちくしょうが…!!」

クロウス(負けるわけにはいかないのに……何のために俺は自らを鍛えて、騎士になったんだ…!!)

クロウス(絶対に……あきらめない…!!この、命が尽きるまで、……最後まで抗ってやる…!)


クロウスの行動選択

①主に敵の武器を持つ手を狙っていく(チャージ系◯、テクニック系×)
②フェイントを体勢から交えながら攻撃(テクニック系◯、アタック系×)
③鎧の隙間を狙い斬りつける(アタック系◯、チャージ系×)


アムヌグの行動パターン

00~20 剛剣を振るい風圧を生じさせる(チャージ系)
21~40 剛力を解放し、強烈な一撃を叩き込む(強制的にアムヌグの勝利判定)
41~50 震脚からの腹パン(テクニック)
51~70 剛力を解放し、強烈な一撃を叩き込む(強制的にアムヌグの勝利判定)
71~99 地面に叩きつける勢いの剣撃(アタック系)
スキル【紅血】(自身が判定に負ける度に攻撃パターンが強化される)

↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


クロウスとアムヌグ、両者共に血にまみれているというのにお互いの表情には天と地ほどの差があった。 

鬼気迫る表情のクロウスと楽しそうな笑みを浮かべるアムヌグ、二人の死合いに決着の時が迫る。


クロウス「うおおおおっ!!!」ダッ

アムヌグ「玉砕覚悟の特攻か?その意気や良し!だが…」






アムヌグ「………最後の最後でつまらん手を選んだな、クロウスよ」


互いの剣と剣がぶつかり合い、そして……………。

語るまでもなく、勝者は立ち……敗者は地面に背を打ち付けた。






クロウス「…ぐっ……!」

クロウス(血を流しすぎた……ちっ…視界がぼやける…)

アムヌグ「久方ぶりに楽しめたぞ…身体を暖めるのには十分な相手だった」


アムヌグが剣を肩に担ぎ近付いてくる、クロウスにトドメを刺すつもりである。

しかし、そこに別の乱入者が現れた。


ルル「クロウスさん!!」



クロウス「る、るる……」

クロウス(ばかやろう……来るなって言ったのに…)

ルル「っ…!!あなたがクロウスさんをこんなに痛めつけたんだ…!」

アムヌグ「……?ここは戦場だ、貴様のような虫けらが来るような所ではない」

ルル「黙れ!!」

ルルの魔力が大きく膨れ上がる、今までに込めたことの無い魔力量を注ぎ込もうとしている。

ルルが魔方陣を展開し、十八番とも呼べる雷撃魔法を放つ。


だが………。


アムヌグ「………ふんっ」グイッ

兵士「ひっ!? う、うわあああっ!?」


雷鳴が轟き、雷の閃光が走る。
しかしその雷光がアムヌグに届くことは無かった。

アムヌグは近くにいたシルヴェロギア兵を避雷針の代わりに頭上に放り投げた。
そして代わりに全力を込めた雷撃魔法を喰らったシルヴェロギアの兵士はブスブスと煙を上げながら黒焦げになって降り落ちた。



ルル「…………………え…………あ……?」


アムヌグ「ふむ……雑魚は雑魚なりに傘代わりにはなるか…」

クロウス「る、ルル……!逃げろ…!!はやく!!」


クロウスは必死にルルに叫ぶがルルは炭のように黒焦げた兵士の死体を凝視したまま動かなかった。


ルル「あ……ち、ちがっ……わたし、そんなつもりじゃ……!?」ガクガクッ

ジェニファー「ルル!!早く逃げなさい!!ルルッ!!」


ルルを探しに追いついて来たジェニファーもルルに呼び掛ける。
しかし気が動転しているルルには何も声が届かない。


アムヌグ「……人を殺すのは初めてか、おなごよ」ザッ


ルル「…………ひっ…!」ビクッ


アムヌグ「貴様のような殺し、殺される覚悟を持たない虫が戦場を闊歩するのは闘争にたいしての冒涜だ」スッ


クロウス「やめろっ!!!逃げてくれルル!!!」


ジェニファー「い、いや!!お願いだからやめてくださいまし!!!」


アムヌグ「害虫駆除だ」



アムヌグの大剣が、無情にも振り下ろされた。



………………………。


………………。


………。



















レビュオス「………っ…は…」

ルル「………ぁ、あああ…!!!?」


アムヌグの袈裟斬りが、レビュオスの肩から腰の辺りまで深く……深く切り裂いていた。





クロウス「れ、レビュオス…?」


ルルに対して振り下ろされるはずだった剣が、レビュオスの肉体に深く食い込んでいる。

刃が振り下ろされる刹那、割って入ったレビュオスのお陰でルルに凶刃が届くことは無かったが……。


アムヌグ「まだ動けてたとはな……貴様も惜しい男であったな」

レビュオス「ぐっ……はぁ"……ごぼぉあっ…!!」ビシャビシャ


アムヌグが剣を引くとレビュオスの傷口から滝のように血が滴り落ちていく。

近くにいたルルに血の雨がびゅーびゅーと降り注ぐ。


アムヌグ「せめてもの手向けだ……苦しまぬよう、その素首を落として…………むむっ!?」


アムヌグが何かの気配を察して上空を見上げると蒼白い焔がアムヌグに降り注いでいく。

思わずアムヌグが飛び退くと焔が消えた後には誰の姿も無くなっていた。


アムヌグ「煙幕か……やってくれるわ」


レビュオス「……ぅ……ぐっ…」

リトア「レビュオスさん!!レビュオスさん、しっかりしてください…!!」

アンリエッタ「やだ!お願いレビュオス!!目を覚まして!!」


クロウス達はアンリエッタの竜の息吹による撹乱から兵士達に連れられて撤退をする事に成功した。

ダメージを負ったクロウスとレビュオスは医者に診られ治療を受けたがレビュオスの受けた傷は余りにも深く、もはや手の施しようのない程の致命傷だった。


クロウス「姫様………すみません、俺は……」

フローリア「ぐすっ……良いんですクロウス、命が無事ならそれで」


ジェニファー「………ルル、クロウスさんの方は何とか大丈夫そうでしてよ」

ルル「……わたしが、わたしのせいで……レビュオスさんが……あの兵士さんも……わたしが…」ブツブツ

ジェニファー「……ルル!しっかりしなさい!五体満足な私たちが動かずしてどうすると言うのです!!」

ルル「じぇにー………だけど、わたし…」


アンリエッタ「レビュオス!レビュオス!!」


竜遇宮の一角からアンリエッタの悲鳴にも近い叫び声が聞こえてくる。
フローリアはよろよろ立ち上がるクロウスを支えながらレビュオスの元へと歩いていった。


レビュオス「り、竜巫女さま……もうしわけありません……使命半ばで……俺はここまでのようです……」

アンリエッタ「やだ!そんなこと言わないでよ!!わたし……まだレビュオスがいなかったら自信が持てないんだもん!!」

アンリエッタ「あなたが居なかったら……わたしは自分の使命に押し潰されていた!!あなたがいたからわたし、巫女としての責務を頑張れたんだよ!!」

アンリエッタ「お願いだから……他になにも要らないから………生きて、生きてよ……れびゅおす…!!!」

レビュオス「………ったく、大人になったかと思ってたけど……やっぱりまだまだ子供だな…アンリは…」


アンリエッタの涙を弱々しい手つきで拭う。
レビュオスはクロウスとフローリアの姿を確認すると手招きして何かを伝えようとする。


フローリア「レビュオス……さん…!」

クロウス「すまないレビュオス……俺は…!」

レビュオス「気にするなよ……俺がこうなった事はアンタ達がここに来たこととは関係ない…。アイツはアンタらがここに来なくともいずれこの地にやって来て同じことをしていた…」


クロウス「それでも俺は…俺が勝てていればアンタは…!!」

レビュオス「こうなることはきっと運命か何かだったんだよ……だが、少しでも贖罪の気持ちがあるなら俺の頼みを聞いてくれないか…ごほっ!ごほっ!!」

クロウス「な、なんだ……?」

レビュオス「ここは帝国の連中に目をつけられるだろう……ここの兵力ではラジルとの戦争になれば負けるのは目に見えている」

レビュオス「だから頼む……竜巫女さまを連れてこの地から逃げてくれ…!」

アンリエッタ「れ、レビュオス…!?な、なぜそんな事を…!!」

レビュオス「ぎんりゅう様は……今は少しでもシルヴェロギアの民を避難させようよ動いてくださっているらしい……しかし帝国の魔の手が避難先の山奥まで伸びないとも限らない…」

レビュオス「ならばお前が巫女さまを連れて……帝国の警戒が落ち着くまで巫女さまを匿ってくれ……げほっ!ぐほっ…!!」

クロウス「もう喋るな…!!竜巫女殿には俺じゃなくアンタが必要なんだ!!だから…!」

レビュオス「わりぃ…………もう……限界みたいだわ………あ、ルー坊にも気にすんなって伝えておいてくれ…」

リトア「………レビュオスさん…!」

アンリエッタ「やだ……やだよ……レビュオス、わたしをおいてかないで……!!」



レビュオス(………心残りは……無いと言ったら嘘にはなるか……)

レビュオス(……だけど、生きてるうちに娘にかっこいい所は見せられたから良しとするか、そんじゃあ………)




レビュオス(申し訳ないけど、俺は娘と一緒に……雲の上で見守ってます)






リトア「………レビュオスさん?」

ルル「………」

ジェニファー「うそ………そんな…」


アンリエッタ「……………ぁ」






部屋中に、アンリエッタの絶叫が響き渡る。


目を見開き、涙や涎が落ちるのも厭わずひたすらに泣き叫んだ。


この日、シルヴェロギアは一人の勇敢な男を喪った。




フローリア「………」フラッ

クロウス「……姫様?」


みながレビュオスの死を悲しむ中、フローリアは部屋の机の上に置いてあった果物ナイフを手に取る。

そしてナイフを握りしめ…………自身の左手に思いっきり突き刺した。


フローリア「……ッッッ!!!ああ!!」ドスッ

クロウス「なっ!?お止めください姫様!!!」

フローリア「ッッ……この…!このぉ…!!!」ドスッ ドスッ

ジェニファー「止めなさいフローリア!?一体なにをして…!!」ガシッ

フローリア「なんで……なんで戻らないの!!!」

フローリア「今まで!!たくさん酷い目に合ったらいつも巻き戻ってたじゃない!!!なんで今は戻らないの!?」


ジェニファーに抑えられながらもフローリアは自傷行為をしようとするのを止めない。

神器である時戻しの力を使えばこの悲劇をひっくり返せたかもしれないのに、肝心なところで神はその力を行使するのを許さなかった。

己の無力を噛み締め、フローリアは膝から崩れ落ちる。


フローリア「お願いだから戻ってよ……!わたしには………これしかできない、これしか無いのに…!!」ポロッ…ポロッ

クロウス「……フローリア様…」



兵士「伝言です!!先ほどの黒い鎧の大男がこちらに向かっています!」

兵士「それと……遠方の方からラジル帝国と思わしき一団も近づいているとの事です」



リトア「嘘…幾らなんでも早すぎじゃない…!?」

行商人A「ううむ……我々も荷物を纏めて早々に逃げた方が良さそうだな」

行商人妻「ええ…最悪の場合商品は置いて行った方が良さそうね…」

フローリア「うっ…うっ……」グスッ

アンリエッタ「………フローリア姫、どうか顔を上げてください」スッ


いつの間にかに泣き止んでいたアンリエッタがフローリアと目線を合わせようとしゃがみこむ。

アンリエッタ「竜遇宮の裏手にある竜車を使ってどうかシルヴェロギアから脱出してください、帝国の包囲網が完成するよりも早くに」

アンリエッタ「竜車のスピードは馬車のそれを上回ります、おそらく直ぐに出れば帝国兵達も易々とは追いつけないはずです」

クロウス「……姫様、ここは竜巫女殿の言う通りにしましょう」

フローリア「………わかり、ました…」フラッ

クロウス「竜巫女殿も行きましょう……もうすぐここにもヤツが来ます、急いで出発した方が…」

アンリエッタ「………申し訳ありません、お二方……私は銀竜様に仕える身…この地を離れるわけには行きません」

フローリア「けど……それじゃあレビュオスさんの思いが無駄に………ひっ!」ビクッ


フローリアが顔を上げアンリエッタと目を合わせる。
しかしその双眸に宿っていた強い意思の光は無くなっていた。




アンリエッタ「この地に仇をなす不届き者は、竜巫女たるこの私が……決して許しません」


行商人A「おい!積み荷は積んだな!?」

行商人B「は、はい…!!スピードが出せるよう最低限の物だけにしています」

行商人A「よし……リトアも用意は出来ているか?」

リトア「え、ええ……大丈夫よ、でも…」チラッ


クロウス達はレビュオスの言っていた場所へと向かった。
2本足で立ち上がっている竜に翼は生えていなかったが代わりに荷馬車が紐で繋がっていた。


騎竜「ぎゅるる……」

ジェニファー「これが竜車ですわね…」

クロウス「ああ、確かにこれなら馬よりもスピードが出せるだろうな…」

ジェニファー「ルル、早く乗りなさい…」

ルル「……………」フラッ


自分たちに優しくしてくれたシルヴェロギアの民を殺してしまい、そして自分のせいでレビュオスを死なせてしまった恐怖と混乱によりルルは完全に憔悴しきっていた。

いつもの元気で明るい姿は影も形も無く、こんな姿はジェニファーでさえ見たことがなかった。


ジェニファー「………ルル」

クロウス「…………ジェニファー、なるべくでいい…ルルの側にいてあげてくれ」

ジェニファー「……言われるまでもないですわ」

ジェニファー「………クロウス様も、無理はなさらないでくださいね」


振り返らず、ジェニファーはルルを追って荷台に乗り込む。
まだ完全に回復していなく、身体がキシキシと痛むがそんな事は言ってはいられなかった。

馬ではなく竜に乗るのは初めてだがやるしかない。


クロウス「姫様も早くお乗りください、直ぐに出発をします」

フローリア「………ねぇクロウス、私たち…本当にこれで良かったのですか」

フローリア「このままこの地を去ってしまうのは…レビュオスさんに託された願いを無下にしてしまうんじゃ…」

クロウス「………俺たちには時間がありません、リトア達の身の安全も確保しながら逃げなければいけません。それに竜巫女殿が残ると言っている以上…俺たちに出来ることは……」

フローリア「だけど…」


フローリアも分かってはいた。このままぐだぐだとしていたら時間と共に逃げ切れる確率はどんどん少なくなっていく。

だがこの状況は、以前ナールで経験したあの状況に近い。


何かとても重大なものを天秤にかけられているような、そんなざわつく感覚をフローリアは感じていた。





──────[明暗分かれし選択]──────



フローリアはアンリエッタを説得に行くかどうかで迷いが生じているようです。


説得に行った場合、無理やりアンリエッタを竜車に乗せて出発しますがリトア達の馬車はクロウス達を待たずに出発してしまいます。


説得に行かなかった場合はクロウス達とリトア達キャラバン商隊は無事にシルヴェロギアを脱出することができます。


そしてどちらを選ぶかにより………アンリエッタとリトアのどちらかは確定で陵辱イベントが入り、長い間登場することが無くなります。



フローリアの決断を決めます。
本日の21時から15分間の間に説得に行くか、行かないかを選んで頂きます。
どちらかの選択肢を書いていただいて多い方のルートへと進みます。

それではよくお考え頂くよう、お願い致します。
(なお、本日の更新はこの選択が決定しだい終了に致します。)


今年の更新はこれでおしまいです。年末にこんな殺伐とした展開書いちゃってるの多分このスレぐらいなのでは…?

次回更新はシルヴェロギア脱出シーンやリトアの陵辱シーンになります。

年末の忙しさを甘く見てしまい年内にギリギリシルヴェロギア編が終わらなかったのは計画性の無さが露呈してしまいましたね、申し訳ありませんでした。

そしてこんなエロそっちのけでダークな展開や亀更新しまくりなSSを支えていただけてる皆様には感謝しております。

風邪やコロナなどに気を付けながら来年も皆さまのご健康をお祈りしております、今年は本当にお世話になりました。



それでは皆さまよいお年を…!

明けましておめでとうございます。

次回の更新ですが明後日ぐらいになるかと思いますのでご報告させていただきます。

これは年賀状代わりの餅ーリアさんになります。(例によってそれぞれのイメージがあると思いますのでご注意ください)
https://i.imgur.com/DwDKTZT.jpg

予定の報告だけですがそれでは。

もうちょいしたら再開していきます。

アンリエッタ説得、アムヌグの胸中、リトア陵辱シーン、脱出後のクロウス達……シルヴェロギア遍終了まで纏めてやっていきます。

投下していきます、安価等は無いのでゆるりとお付き合いくださいませ。


もうあまり時間は無い、ここで無闇に時間を使いすぎたら帝国兵達に囲まれてしまうかもしれない。

しかし、それでも………。


フローリア「……ごめんなさいクロウス!やっぱり少しだけ時間をちょうだい!」タッ

クロウス「なっ…ひ、姫様!?」

フローリア「駄目だったらすぐに戻ってきますから!!」


フローリアは一目散に走り出していく。
クロウスにはフローリアがアンリエッタの元に向かったのだろうと察し、後を追いかけようとする。

しかし、キャラバン隊の馬車から商長が声をかけてきた。


行商人A「お、おいクロウスくん!早く出なければここも危ないぞ!」

クロウス「商長さん……!」


クロウス(ここで出発がぐだってしまったらどんどん脱出の芽が消えていくのは分かっている……ルル達を危険な目に合わせてしまうかもしれない、だが俺は…!!)


クロウス「……すみません!先に行ってください!!俺たちは姫様を乗せてから行きます!!」

行商人A「なっ…無茶だ!危険だぞ!?」

クロウス「……申し訳ありません、俺は姫様の護衛騎士です」

クロウス「姫様が選んだ選択ならば、たとえ地獄であろうとも付き合うのが従者の務め!俺たちに構わず先に逃げてください!」

行商人A「し、しかしだね……!」

行商人妻「あなた…!もうこれ以上は…!!」

行商人A「くっ…!致し方ないか…!!」


キャラバン商隊の馬車が出発する。
その瞬間、荷台にのっていたリトアと目が合った。


リトア「………あの!フローリアさんに一言!伝言を!!」

リトア「またいつか!どこかで会いましょうって!!」


クロウスはリトア達を見送った後、すぐにフローリアの後を追おうとした。

しかし先ほどの激戦の傷跡が癒えてはおらず、身体中に痛みが走り思うように動けない。
そもそもさっきまでフローリアとジェニファーに支えられながら移動していたのだ、いかにクロウスが頑丈と言えどアドレナリンの抜けきったその身体では足を動かすのも辛い状態だ。


クロウス(……っ、これは追い付くのに時間がかかるか!くそ…フローリア様、無事でいてください!)



竜遇宮の一室……レビュオスの遺体が眠るその部屋にアンリエッタは佇んでいた。

部屋の中には護衛の兵士やクロウスの傷や竜鱗炎に置かされたフローリアを診てくれた医者の老人もいた。

しかしアンリエッタはそんな周りの人達には目もくれず、冷たくなったレビュオスの手に己の手を重ね続けていた。


フローリア「………っ、竜巫女さま…」

アンリエッタ「……まだ居たのですか?もうじきここは戦場となります、フローリア姫は早くお逃げください」


泣き叫び過ぎたせいなのか瞼は腫れあがり、声は少ししゃがれてるように聞こえる。
しかしそれでもアンリエッタの態度は毅然としたものであった……いや、この場いる者全員が本当は分かっている。

それがただの虚勢でしかないことは。


フローリア「………やはり私はレビュオスさんの意思を無駄にしたくはありません、貴女をここから連れ出します」

アンリエッタ「さっきの言葉が聞こえなかったのですか? 私は私自身の意思でここに残ると言ったのですよ、それを妨げる資格は貴女にはありませ…」

フローリア「資格ならあります!!」

アンリエッタ「…っ!」ビクッ

フローリア「私たちは託されたんです!!貴女を無事にここから逃がすように!レビュオスさんから!!」

フローリア「今の貴女は大切な人を失って自暴自棄になっているだけです…!!少なくとも今の戦力では帝国相手には勝ちの目はありません!」

フローリア「今はここから逃げて勝機を伺い……っ」


何とかアンリエッタを説得するために必死に言葉を紡ぐフローリアだったが、わなわなと震えるアンリエッタの様子に気づき言葉に詰まってしまう。


アンリエッタ「逃げて……それから、いったい何をするつもりなんですか…?」

アンリエッタ「国を滅ぼされて………それでも必死に逃げて逃げて…貴女はいったい何を成したと言うのです…!!」

アンリエッタ「明確なプランも無いのに国に戻るだなんて理想を掲げて、結局貴女は何も出来ていないじゃない!!!」ダンッ

フローリア「…!!!」

アンリエッタ「分かってるよ……!私が言えた事なんかじゃないことは…自分のやろうとしてる事が玉砕覚悟の自殺行為に等しいなんて!」

アンリエッタ「だけど……なにも出来ないぐらいなら…!せめて、せめてあの人の敵討ちぐらいさせてよ!!!」


心のどこかで思っていた、しかし目を背けていた現実を叩きつけられたような気分だった。

ガツンと頭を殴られたような衝撃がフローリアの心に重く響き渡る。

そうだ……結局自分もこの優しくしてくれた国や友を救いたくとも、自力では何もできない無力な人間なのだ。




そんな自分が強い悲しみに暮れるこの女の子を救おうだなんて、傲慢でおこがましい事なんだと…。


フローリア「わ、わたしは………それでも、私は…」

アンリエッタ「退いてくださいフローリア姫、そこを退かないと言うのであれば………私が貴女を…!!」


復讐の焔に燃えた竜がフローリアに迫る、自棄の涙を流しながらも竜杖を握りしめ今にもフローリアに襲いかからんとする程の気迫だった。


しかし、そんなアンリエッタの不意を突くように後ろから誰かがアンリエッタを抑えるように抱き締め、口と鼻を塞いだ。

鼻孔を抑えているその手には布のような物も持っていた。


アンリエッタ「むぐっ!?んー!!ん、んぅー!!!」

アンリエッタ「んむぅっ!ん、…!!ふ……っ、んん………」


ジタバタと暴れるアンリエッタだったが、必死で押さえつけようとするその男の力には敵わなかったのか……少しずつ身体から力が抜けていくようにアンリエッタは意識を失った。

アンリエッタを抑えつけていたのは……フローリアの看病もしてくれていたあの医者の先生であった。


医者「それ以上はいけません、竜巫女様…」

フローリア「あ、貴方は……どうして?」

医者「……少し強めの薬品を嗅がせました、暫くは眠ったままになるでしょう」


眠るアンリエッタを椅子に座らせ、医者のお爺さんはフローリアの前で片膝を着き両手を合わせ懇願するように口を開く。


医者「私からもお願いします、フローリア様……どうか竜巫女様を安全な所までお逃がしください」

医者「この娘は……私たちシルヴェロギアの民にとって象徴では有りますが、それ以上に私のような年寄りからすれば孫娘のようなものなのです」

医者「このまま死地に赴けば……どのような目に合うのかは想像に難くないでしょう、何より貴女の仰るとおり……レビュオスくんの最後の願いは私も無駄にしたくはありません」

フローリア「……お医者さん…」

兵士A「私が竜車まで巫女様を運びます!どうか巫女様をお願い致します!」

兵士B「こんなちっちゃい娘が最後まで気張ろうとしてたんだ!俺たちも気合いいれて民を守るぞ!」

兵士C「ああ、兵士長を殺したラジルのくそゴリラに絶対一矢報いてやるぜ!!」


部屋の中にいた兵士達の士気が高まっていくのを感じる。
この人たちもアンリエッタやレビュオスの事を慕っていたのだ、そんな人たちの最後の思いや傷ついてまで前に進もうとする姿を見て彼らも思うところがあったのだろう。


フローリア(………私たちは圧倒的な力の前には無力な存在なのかもしれない)

フローリア(それでも竜巫女さま……私たちは託される側の人間なの、その人たちの気持ちを裏切ってしまうわけにはいかない…)

医者「フローリア様…!巫女様を……どうかよろしくお願い致します…!!」

フローリア「………はい!」






そこから先は滝のような怒濤の勢いで物事が進んでいった。

必死で追い付こうとしていたクロウスと合流し、アンリエッタを竜車に乗せた後は全速力でシルヴェロギアの地を駆け抜けた。

時には樹木や岩影を利用したり、帝国兵の通らなさそうなルートを確認しながら国内の平野や森林を突き進んでいく。

後ろ手にあるシルヴェロギアの街から火の手が上がったような気がした。
しかし振り向くことはしない、この悪夢のような時間が早く過ぎ去ってくれれば良いと耳を塞ぎながらフローリアは竜車の揺れだけを感じ取っていた。



アムヌグ「…………ふぅ」

????「おやおや、これはまた派手にやりましたね」


荒れ果てた市街地、脇に積まれた死体の数々。
瓦礫の上で【紅血】アムヌグは一息ついていた。

そこに一人の男が声をかける。


アムヌグ「……【残影】か、先の兵は貴様の差し金だな」

レナード「嫌だなぁ旦那、そんな二つ名じゃなくて普通にレナードって呼んでくださいよ」


男の名はレナード……ラジル帝国のアマティアス第1皇子直属の部下【四獅星】の一人である。

この鬼神の如き殺戮を行ったばかりの男に近づくなど常人には到底できないだろう。
しかしレナードはお構い無しと言わんばかりにアムヌグの隣に並んだ。


レナード「事後処理も立派な務めなのでね、旦那は特に派手だからなにか動きがあれば報告するよう言っておいてあるんですよ」

アムヌグ「ふん、そうか…」

レナード「………あれ?」


レナードはアムヌグの態度に違和感を感じた、普段なら横槍を入れる行為などすれば烈火のように怒り散らすのだが今日は少し違ったみたいだ。


レナード「珍しいですね、旦那がそこまで機嫌が良いなんて」

アムヌグ「……うむ、久しぶりに見込みのある相手と死合えたからな」

レナード「へぇ…旦那をそこまで楽しませる相手なんて想像つきませんが」

アムヌグ「あやつはまだまだワレの足元には及ばぬ、しかし最後の最後まで折れずに立ち向かってきた者は幾年ぶりだっただろうか…」

アムヌグ「取り逃がしてしまったが、最終的には良かったかもしれないな……まだまだ強くなるやもしれぬ」ニィッ

レナード(それはそれで面倒な相手って事なんじゃ……俺からすれば喜ばしいことではないですぜ)

アムヌグ「それよりもレナードよ、この地に居たようだぞ…ミクトラムの姫君が」

レナード「…!へぇ、姉の方ですか?それとも妹の方?」

アムヌグ「どちらかは分からぬ、神器を所有してるかも確認してなかったしな」

レナード「だ、旦那ぁ……さては楽しみすぎて忘れてたでしょ!?」

アムヌグ「はっはっは!細かいことは気にするな!!」


闘う事以外に関しては大雑把なアムヌグにレナードは呆れ半分慣れ半分といった様子である。


アムヌグ「この地の守護竜とやらも取り逃がしてしまったからな、暫くはワレはここに留まろう……おおそうだ。向こうで兵たちが戦利品を漁っていたぞ、貴様は行かぬのか」

レナード「生憎と他人が手をつけた者にはあまり興味が湧かないのでね………それに」ニッ

レナード「俺これからこの前知り合ったばかりの子とデートなんですよ♪そっちの方が楽しみじゃあないですか!」


ニコニコとした顔で場にそぐわぬ事を言い出すレナードにアムヌグは呆れ半分慣れ半分、お互い同じようなことを考えている事に当然当人たちは気づいてなかった。


アムヌグ「……ワレには理解できぬが……ならとっとと行く方が良いのではないか?」

レナード「それもそうですね、では旦那……また今度」


アムヌグがちらりと横を観る…………そこには既にレナードの姿は影も形も居なくなっていた。


アムヌグ「………くく、相変わらず疾い男よ」


アムヌグは笑いをこぼしながら、再び心地の良い闘争の余韻に浸るのだった。


シルヴェロギアの街、その一角にラジル帝国兵達がテントを建てている。

シルヴェロギアから帝国本土までは距離があるので、兵達は遠出の任務の際は中継地点として寝床などを作っていた。


そのテントの一つから明かりが漏れている。くぐもる様な声が漏れている。
兵士達はここで、今回の戦利品をじっくりと味わおうとしていた。





リトア「ふっ…!んんっ…!!」ビクッ…ビクンッ

帝国兵a「おいおいまさかもうイッちゃわないよなぁリトアちゃんよぉ?」

帝国兵b「まだ3分ぐらいだぜ、はい我慢我慢ぅ~」

リトア(このぉ……!!こんな下衆な奴らに、こんなこと…っ///)


リトア達キャラバン商隊は帝国兵達に捕まってしまった。

包囲網が完成する前に運悪く見つかってしまった彼らはなす術も無く再びシルヴェロギアの帝国軍の拠点へと連行されてしまう。

帝国兵達の魔の手が両親たちに差し掛かる前に、リトアが帝国兵の前に立ちはだかりこう告げた。


リトア『私なら……何をされても構わない、だから皆には手を出さないでください…!!お願いします…!』

行商人妻『そんな……駄目よリトア!!』

行商人A『そ、そうだ…頼む!娘や妻には手を出さないでくれ!!たの……ぐぁっ!』バキッ

リトア『お、お父さん…!』


土下座するリトアを商隊の面々が庇おうとするが、帝国兵達の暴力を前に何も言えなくなっていた。

そんな空気の中、一人の帝国兵が下卑た笑いを浮かべながらリトアにある取引を持ちかけた。


帝国兵a『ならよぉリトアちゃんとやら……俺たちと一つ、ゲームをしようや』


帝国兵が持ちかけたゲーム………それは裸に剥かれ、両手足と首を器具で固定された状態で三十分間に三回イくのを我慢する事。

もし耐え抜くことができたら荷物やリトア自身も全て含め、商隊の面々を解放するというものだった。

あまりにも酷すぎる内容にリトアは一瞬躊躇するが、それでも……大切な仲間達を秤にかけるまでも無いことはリトアの中で既に決まっていた。


リトア『っ………みんなの前でだけはやめて、それなら…』



くちゅ、ちゅく、ぢゅ、ちゅくっ


リトア「ん、はぁ…あ、んん…///」ピクンッ


帝国兵の一人が動けないリトアの秘裂を指で弄る。
自分以外の誰かに弄られた経験などないリトアは羞恥で顔を紅く染め上げている。

股からは異物の侵入に対しての防衛本能からか、愛液が少しずつ滴っていた。
 

リトア「あンっ…!はぁ…!あっ、あぁっ」ビクッ

帝国兵a「だらしねぇなぁ…あれだけ啖呵切っといてもうこのザマかよ」

帝国兵c「元から感じやすい体質なんじゃねーの?それはそれで面白そうだけどな」

リトア「ふ、ふざけないで…こんな……ち、乳首に…こんなものを付けておいて……あっ!」ビクンッ


責め苦を受けているリトアの乳首に何かが貼り付いている。

小さく丸っこい形状をしたそれは微細な振動を繰り返しながらリトアの乳首に常に刺激を与え続けていた。


帝国兵b「マーラ国で再生された古代文明の遺産らしいが……こうやって女の感じる部分に対して使うってのが正しい使い方みたいなんだぜ」

帝国兵a「ほんとあそこの国は色事には狂ってるぐらい情熱を注ぐからなぁ……」クチュッ

リトア「あっ!ふぁ、ん!んぅう!!」ビクッビクッ

リトア(だ、だめ……こんなの予想してなかった…!!耐えられないっ!!だめっ、だめぇっ!!)


乳首から送られる予想を超えた快楽に頭がショートしそうになっていく。
やがて男の指による注挿も激しくなっていき、とどめと言わんばかりにリトアのクリトリスを優しく刺激する。


くちゅ じゅぷっ じゅぷっ じゅぷっ
 ずにゅりゅ じゅぷっ ずりゅっ ずりゅりゅっ


リトア「んんっ!あ、あん///も、もぉ…!!だ、ダメッダメッ!ん、んんぅぅぅ!!///」ビクッビクンッ



帝国兵c「はい一回目ぇ~、何だかんだで結構粘ったんじゃない?」

リトア「はぁ…はぁ…///」

帝国兵b「へへ、お次はこっちの棒を入れてやるぜ…」ボロンッ

リトア(………あっ///)


リトアは帝国兵のズボンから顔を出した肉棒を見て思わずジッと見てしまう。

帝国兵はそれに気を良くしたのかニヤニヤとしながらリトアの秘裂に肉棒を宛がう。


リトア(……大丈夫、覚悟はしていたじゃない……それにここからが私の本当の勝負…!!)ゴクッ

帝国兵b「そら……よっと!!」ズププッ

リトア「い"ッ!!あ"っ!ぁあああっ!!!」プツリ

帝国兵b「へ、へへ……あっ?マジかコイツ!?この女、処女かよ!?」

リトア「い"っ……だぁ…い…!ふっ…ぐすっ…!!」


これこそがリトアの狙いでもあった。
処女膜が破れ、破瓜の激痛がリトアの体を支配していく。

お陰で熱に浮かされそうになった思考が徐々に輪郭を帯びていき、意識がハッキリとしてくる。


リトア(痛い痛い痛い!!滅茶苦茶痛いじゃない…初めてってこんなに痛かったのね…!!)

リトア(だけどこれで……)

帝国兵b「へへ、それじゃあ初物おまんこ味わせてもらいますか!」



ずぷっ ぐちゅっ ぐちゅっ ぐちゅっ
 ずんっ ずんっ ずんっ ずんっ ずんっ



リトア「ひぎっ!?ん"ッ!んぎっ!?か、はぁ…!!」


帝国兵は容赦なくピストンを始める、抜き差しされる肉棒からは血と愛液が混ざったエキスが飛び散っていく。

しかしリトアは苦悶の表情を浮かべて耐えていく。

しかしこれこそがリトアの狙い、初めての痛みに支配されることで快楽から逃れる作戦だったのだ。


リトア「ンっ…はぁ!!ひぐっ!?ど、どうしたの…?こんなの、んぎっ!!ぜんっ…ぜん、きもちよくないわよ…へたくそね…っ」

帝国兵b「なっ…このアマぁ!」


挿入している帝国兵がリトアを殴ろうとする、しかし仲間の兵士がそれを止める。


帝国兵a「やめとけ、これはコイツを気持ちよくさせるゲームだろうが?殴ったら余計にその女の思う壺だ…それにお前がヘタクソなのは全会一致で同意件だ」

帝国兵b「お前まで言うのかよ、くそっ!!」

帝国兵a「しかしリトアちゃんよぉ……お前さん一つ勘違いをしているぜ」

リトア「な、なにをよ…?」




帝国兵a「それはな……お前さんは自分が思ってる以上にドスケベで淫乱な女だって事だ」


リトア「はっ…?何をふざけたことを……んぐっ!?」ビクッ


帝国兵の一人がリトアにキスをする。
それは付き合いたての恋人達がするような優しいキスではなく、舌を無理やり入れ込み口内を蹂躙するねっとりとした大人のキス。

じゅるじゅるといやらしい音を響かせながらリトアの口内で舌と舌を絡ませていく。


リトア「んじゅるっ!じゅる、れろ、んちゅ、ぢゅっぷは…!やら、やめてっ…///ん、んぐっ!んちゅ、ちゅっちゅるっじゅるじゅる!ん、ふぅう!!///」

リトア(い、いやぁ……わたし、ファーストキスまで奪われ…!!)


涙を浮かべ絶望するリトアだったが、やがて自分の体にある変化が起こった事を理解する。

お腹の奥がきゅんっ、と響く感じがした。


リトア(な、なに…?今の感覚……分かりたくないけど…知りたくなってしまうこの感じは…!?)ゾクッ

帝国兵b「……おっ?なんか膣圧が緩んできたぞ…?」

帝国兵a「ちゅっ、じゅるっ……今だな、ゆっくりと奥を小突くようにしてみろよ」

帝国兵b「お、おう…分かった」


アドバイスされた通りにリトアに挿入している兵士がゆっくりとリトアの膣内に肉棒を押し進めていく。

そして亀頭の先端がリトアの膣の奥に触れた瞬間、リトアに電流のような快楽が走った。


リトア「あ"っ♥」ビクンッ

リトア(な、なに……今の、さっきみたいに無理やりイかされたのとは違う感覚は…!?)ゾワゾワ

帝国兵b「へ、へへ…こなれて来やがったぞコイツ…!」

帝国兵a 「そのまま早すぎない程度に小突いてやれ、お前は乳首を頼むわ」

帝国兵c「おお、任せろ」


リトア「や、やめて……これ以上何をっ……ふっ、んむぅううう!?」


べりべりっと乳首に貼り付けられた振動する器具を剥がされたと思えば男の一人がリトアの発育の良い胸についている乳首を舌と手で弄くり回していく。

そして指示を出した男は再びリトアとのディープキスに戻り、リトアは快楽の奔流に飲まれていった。


たんっ! たんっ! たんっ! たんっ!
 ずぷっ じゅぷっ じゅぷっ じゅぷっ!


リトア「じゅるじゅるっ ちゅぱっ れろっ じゅぷ!!///ぷあっ、ひぃっ!?も、もうやめ…!ンじゅるっ!?じゅぴっれろれろ……ちゅっ…ちゅっ♥ じゅるるっ♥」

リトア(も、もうわけがわからない……なんで…?痛みはどこにいったの…?なんで私は、こんなにきもちよくなってるの…?)

帝国兵a「ぶはっ…!言ったろ?感じやすいからもしやと思っていたが…お前はドスケベな淫乱な女だってな」

帝国兵a「俺たちは特別なことなんざしちゃあいない、ただキッカケを与えただけだ……そしてお前が感じまくってるだけなんだよ!」

リトア「やらぁ!ちがう…そんなわけない!そんなわけ…あっ!あんっ!あんっ!!///」ビクッビクッ




とんっ とんっ とんっ とんっ
じゅぷっ! じゅぷっ! じゅぷっ! じゅぷっ!


奥を突かれる度にお腹がキュンキュンと疼く。まるで子宮が待ちわびてるかのように震えているような感覚に陥っていく。

そしてリトアに二度目の限界の時が訪れた。


帝国兵b「くぉ……で、射精るっ!!」



びゅくっ! びゅるっ!びゅるるるっ!!


リトア「あっ…!!あっ!もうやらっ♥だめなのっ♥なんかくる♥きちゃうから……!あっ、あああァァァっ!!!」ビクッビクッビクンッ


二度、三度……リトアの肢体が跳ねる。
そして肉棒が抜かれていき、秘裂からドロリとした白濁の液体が垂れていった。

そしてリトアと口付けを交わした男がリトアに告げる。


帝国兵a「残り十分だ…十分耐えればお前さん達は解放されるぞ」

リトア(じゅっ……ぷん?まだじゅっぷんも残ってるの……?無理だよ…そんなの、もう耐えられないよ…)


最後の策も破られた以上、後はじっくりと時間をかけられてまたイかされるのがオチだ。
リトアは心の中で両親達に謝りながら絶望の淵に立たされる。

しかしここで男の口から思いもよらぬ提案を出される。


帝国兵a「しかし俺たちも鬼では無いからな、俺が言った通りの事を口に出せば残り時間を三分にしてやらんでもない」


リトア「えっ…………ほんとに…?」

リトア(三分……三分ならまだ耐えられるかもしれない…ううん、耐えなくちゃ…じゃないとみんながどんな目に合うか分からないもの…!)

帝国兵a「ああ、言ってもらうセリフだが…」スッ


男が希望の光を灯したリトアに小さく耳打ちする。
するとリトアは目を見開き、真っ赤になりながら狼狽する。


リトア「そ、そんな事言えるわけ無いじゃない…!///」

帝国兵a「ダメならこのまま続行だ、もう一度これを使っても良いんだぞ?」

男の手の内で震える小さな器具を見せつけられる、あんな物をまた付けられなぶられたら今度こそどうなるか分からない。


リトア「ーーー~~~っ///」

リトアは俯いた顔をあげ、テントの中にいる帝国兵に歪な笑顔を向けて言った。







リトア「て、帝国兵の皆さま……り、リトアは………リトアは、帝国兵のみなさまの、に、肉便器になります…!」

リトア「ど、どうかリトアを使って……て、帝国兵のみなさまのおちんぽ汁をいっぱいぶっかけてください…♥」

リトア「肉便器のおまんこで…♥? ぷりぷりのせーえきをいっぱい射精て、きもちよくなってくださぁい…♥」






男の指示通りに笑みを見せながら口に出したその言葉がリトアの心を染め上げていく。

人間としての尊厳を自分で壊してしまったような……しかしリトアに去来したのは背徳感であった。


帝国兵a「いいだろう……残り時間を三分にしてやろう」クチュッ

リトア(ああ……やった、これて後は耐えるだっ………!!?)



ずぷっ! ずりゅっ! ずりゅっ!!………ずんっ!!!



リトア「~~~ーーーあ"ァァっ!?♥♥」ビクンッ


男の肉棒は先程の男のものと比べると長さがあった。
リトアの子宮口と亀頭がキスを交わす、そしてその衝撃は今までの快楽の中で一番と言って良いほどのものだった。



ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!

ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!
 ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!

ぶちゅ…!じゅぷっ!
 じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぷっ!!



リトア「お"ひゅっ♥ ひ、ひぎぃいい♥お"、おぐっ…きぼぢいいッ♥きもちい"い"ぃぃっ♥」

帝国兵a「ほら見ろ!!固く澄ましてるような外面とっ払ったまえば知らねぇ男のちんぽでよがり狂うスケベ女じゃねぇか!!」

リトア「す、すけべじゃないっ♥すけべなんかじゃないもんっ♥あ、あンっ♥あンっ♥こ、これが、このちんぽがしゅごすぎるだけなのぉ♥」



どちゅっ!どちゅっ!どちゅっ!どちゅっ!

じゅぷんっ!じゅぷんっ!じゅぷんっ!じゅぷんっ!
 ずちゅんっ!ずちゅんっ!ずちゅんっ!ずりゅぢゅっ!



帝国兵a「すけべじゃないなら言ってみろ!おまえはいったい何なのか!目の前のヤツらにもう一度!」

リトア「はへっ♥ひ、ひぃ……あっ?」


リトアの眼前に先程まで自分を弄り回していた男達がにやにやと肉棒をしごいていた。

その銃口の先はリトアに向けられていて、遂にリトア期待を隠そうともせずに哀願する。


リトア「に、にくべんきっ♥あ"んっ♥リトアはみなさまのにくべんきですっ♥だから♥はぁっ♥あひっ♥リトアに…♥リトアにおちんぽ汁ぶちまけてぇええ♥♥♥」

帝国兵a「射精すぞ!!便器らしくちんぽ汁受け止めろッ!!!」

リトア「ひぁああ♥ぐ、くるぅう"♥イぐっ♥い"っぢゃうううう♥♥♥」




どびゅっ!びゅぐびゅぐんっ!!びゅるるるっ!!
どくんっ!どくんっ!びゅるっ!びゅーっ!びゅーっ!



リトア「イ…ぐっ♥♥いぐイぐイぐぅうウウウウウウウゥゥゥッッッ♥♥♥」ビクンッビクンッビクンッ!


男たちの精液を全身に受け止めたその姿は正しく便器と呼ぶに相応しい姿なのかもしれない。

結局リトアは三分も経たぬ内にリミットである三回目の絶頂を迎えたのだった。


帝国兵d「なぁ、もう終わったのか?」

帝国兵a「おお、すっかり調教完了だぜ」

帝国兵d「もう待ちくたびれてるヤツらも多いからな…日が沈む前に全員終わるかこれ?」

帝国兵a「そしたらあの人妻にも手伝わせりゃいいだろ……おっ、気づいたみたいだな」

リトア「はへ…♥………あ…」

帝国兵a「おい喜べ肉便器、お前さんを求めて大行列だぜ?」パサッ

リトア「…………ぁあ…!?」


男がテントの入り口を開けるとそこには帝国兵達がずらりと列を作って並んでいた。
ニ、三十人はいるのだろうか、その余りの多さに快楽に溶けていたリトアにもこれから先に起きる出来事が容易に想像ついた。

帝国兵a「そんじゃあ俺らは行くから、後はお勤めしっかりするんだぜ?リトアちゃんよぉ」


リトア「い、嫌ぁ……………!!!」

リトア「いやぁあぁぁぁぁぁぁぁアアアアアッッッ!!!!!」



その後……リトアがキャラバン隊の面々、父や母がどうなったのかを知るのはだいぶ先のことであった。


……夜も更けていく頃にはどうやら包囲網を抜けだし、比較的安全な所まではたどり着けたようだ。

勿論野生の動物や魔物に襲われる危険性もあるが、帝国兵に囲まれるよりはマシな状況になった。


クロウス「今日はここで野宿にします…私が見張りをしますので姫様はお眠りください」

フローリア「………ううん、私も起きてる」

クロウス「しかし…」

フローリア「眠れないの、だから隣に居させて…」


フローリアはクロウスの隣に座り、焚き火の炎をジッと見つめている。
クロウスはそれ以上は何も言わずにフローリアに寄り添う事した。


フローリア「……クロウス、これからどうしよっか?」

クロウス「そうですね……銀竜殿の言っていた聖河教連に行ってみようと思います、とは言ってもあそこは豊かな大国ですが他国の人間には閉鎖的な所みたいですが…」

クロウス「神器という未知なる力が我々に残された最後の逆転の鍵になるかもしれないのなら、手がかりはそこに行くしか有りません」

フローリア「うん、そうだね…………ねぇクロウス」

クロウス「何でしょう?」

フローリア「私たちは……いつまで逃げ回れば良いのでしょうか?」

フローリア「逃げて逃げて……逃げた先に迷惑をかけて………その先にいったい何が待ってるのかな」

クロウス「…………」


クロウスは答えられなかった、結局のところ己の力の無さが知り合ったばかりの友人を死なせてしまった。

四獅星の一人に敵わず、それどころか遊ばれていたような程に実力差が有りすぎた。

この先に何が待ち受けているのか、そこで次はどのような目に合うのだろうか。


ルルは荷台で何かに魘されるようにうずくまるように寝ている。

アンリエッタも目を醒まさぬまま、レビュオスの名を呼びながら小さく泣いている。

そしてジェニファーは何か覚悟を決めたように夜空を一人で見上げていた。

誰もこの先の旅路の行方を知る者はいない。



だが彼らが、このまま真っ直ぐ聖河教連に辿り着くことは無かった。

彼らは聖河教連に辿り着く前にとある国に寄らざる負えなくなってしまうのだが……そこで巻き起こる闘いのうねりが彼らにとっての大きな転機となるのだった。


シルヴェロギア編終了になります。

アムヌグの闘いに勝っていた場合、レビュオスが確定同行とアンリエッタとリトア、お好きな方を旅に連れてく選択となってました。(なお、選ばなかった方も後に付いてくる予定でした)

次は新国……の前に妹姫視点(クロウス達がナール魔導帝国に着いた辺りの時間軸)で進めていこうと思います。


ご質問などあればお答えできるものは返答しますのでお気軽にどうぞー。

それではお疲れさまでした、おやすみなさいませ。

乙です
妹姫と従者の案はいつ頃募集するのかな


鬱勃起がとまらん……ゥ

おつ
新しく国の安価とかあります?

ちょっとリトアちゃんの列に並んでくる


妹姫はメインキャラだし募集時間の予告とか欲しい
あと可能なら多めの募集にして後から>>1が判定コンマを出して採用、もしくは>>1が好きなのを選ぶみたいな方式がいいな
(最大コンマとかだと募集枠多く取っても高いのが出た時に後続の案が出にくくなる)

キャラ作るにあたり固定して欲しい設定とか

キャラ募集前に隙間時間を使ってレス返タイム


>>283
今日の仕事おわり次第、募集時間の告知に来ます。(たぶん20時は過ぎると予想)

>>286
妹姫編では立ち寄る国は決まってますので作成はしないです。再びフローリア達の話に戻るときには国安価やります。

>>288
募集範囲は1から5レス内想定していますが前のキャラ作りから時間が空いているので果たしてどれだけ来るのか…。
キャラ選びに関してはこれまで通り話進められやすそうだったりピンと来たものを選ばせて頂きます。(選ばれなかった案の人はごめんね)

>>291
しいて言うなら妹姫の年齢は16歳以下13歳以上。
あと妹姫も従者も世界観の都合上、無茶苦茶強い魔法が使えるとか神器を持っているみたいな設定は選ばれにくくなるとだけお伝えしておきます。(ある程度なら大丈夫)

>>285>>287
エロシーンは毎回首をひねりながら書いているのでこういう感想はありがたや。(もちろん普通にストーリーやキャラに対しての感想もありがたや)


それでは仕事がおわり次第また。

妹姫はメインキャラで人数多くなるかもだし範囲指定じゃなくて時間指定で募集時間をめっちゃ絞るとかどう?(○○時から募集開始と告知→○○時から一分間みたいに投稿可能時間を制限する)
そうすればみんなあらかじめ考えたのを投げやすい+募集時間自体が短くなるから過度に多くならないと思うんだけど

妹姫に関して多少自衛手段があるのかそれとも完全に無力なのか、どちら寄りの案を>>1が求めてるのかぶっちゃけで教えてほしい

頼まれ事をされて遅くなりました。
レス返をしながら時間と久しぶりのキャラシを載せます。

お試しで妹姫のキャラ安価の範囲を>>295さんの案でやってみたいと思います。

>>298
どちらかと言えば妹姫は姉のフローリアよりは自衛手段はある方ですかね。



それでは以下が募集範囲とキャラシになります。よろしくお願い致します。


本日22時30分から1分以内までで募集

【名前】
【性別】女性で固定
【年齢】13~16歳以内
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足や生い立ち、クロウスやフローリアをどう思ってるかなど

従者の方の年齢ってどれくらい想定?(姫の方の設定にも少し関係しそう)

>>300
従者の方は特に年齢の指定は無いですよー。

【名前】ミリア
【性別】女性
【年齢】15
【見た目】フローリアと同じ金髪のツインテールでフローリアよりも健康的な肌色 背はフローリアよりやや低いが胸はフローリアよりもかなり大きめ
【性格】無邪気で活発、姉よりも幾分か行動派。一人称は『私(わたし)』
【その他】家臣と共に姉とは別方面に逃げ延びた妹姫。幼い頃から王城や城下町を元気いっぱいに駆け回っていたためか姉と比べて身体能力に秀でている。
フローリアとはとても仲の良い姉妹でいつも身を案じている。またクロウスや自分の従者には自分達を守ってくれる者として全幅の信頼を置いている。
フローリアと同じく元々性知識は全く無く子供はコウノトリが連れてくると思っている。

色々悩みましたが>>306さんの案で行きたいと思います。


次いでミリアの従者の募集に移りたいと思います。
今回はいつも通りの範囲でやらせていただきます。

本日11時30分から下1から下5までのレスで募集

【名前】
【性別】女性で固定
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足や生い立ち、クロウスやフローリアをどう思ってるかなど

【名前】ウルスラ
【性別】女性
【年齢】17
【見た目】
黒髪ポニーテールに黒い瞳。凛とした雰囲気がある端正な顔立ち。職業柄騎士服や鎧を纏うことが多く、私服も動きやすさや実用性を重視した結果色気のない男物に片寄っている。
長身で一見すらっとした体格に見えるが普段は胸をサラシできつく縛っており、脱ぐと豊かな胸やくびれたウェスト、引き締まった下半身など色っぽい体つきをしている。
【性格】生真面目で融通がきかない。性知識はあるが自身に向けられる性欲については鈍感であり、自分が「そういう対象」として見られているとは思いもしていない。
【その他】
ミクトラム王国に代々仕えてきた騎士の家系の出身で男装の少女剣士。
同性で姫と歳が近いため、より近くで護衛できる人員として抜擢された。
若いながらも姫の護衛に選ばれるだけあって腕は立ち礼儀作法も行き届いているが若さゆえ駆け引きには疎い面がある。
クロウスは上司兼師匠にあたり憧れとともに恋心を抱いている反面、表には出さないが彼が命懸けで尽くしているフローリアに忠誠と共に一抹の嫉妬を抱いている。
普段は真面目だがむっつりすけべなところがあり、妄想の相手は大体クロウス。


「普段男装しているけど脱ぐと作中屈指のエロい体つきの騎士」というイメージ


ミリアの従者は>>313さんのウルスラでいかせて頂きます。
今日はキャラ作成のみで終わりますが遅くても3日以内には再開していきます。

それではまた次の更新で。

おつ
見える……見えるぞ……おっぱい揉みくちゃにされながらアヘる二人の姿が

今一度見返してきたけど今のところのエロシーンが
・ハラマセカエルによる産卵(フローリア)
・捕虜にされて輪姦(モルガンヌ)
・マッドスキュラに膜引き裂かれてから狂乱した男達による種付け+性知識ラーニング(フローリア&ジェニファー)
・ルルがクロウスにフェラ&ごっくん(純愛)
・ドラゴンイーターに種付けされた後に頭からぱっくんちょ(アンリエッタ)
・帝国兵達に肉便器宣言させられたりで輪姦(リトア)
と来てるけどイッチ的にミリア側で書きたいシーンとか何かあるかな

アンリエッタも神器の所有者だしフローリアほどではないにしろ帝国(というよりアマティアス個人?)から狙われそう。先祖に力を与えたらしい龍神なる存在が存命なのかも気になる

まあ分岐によっては陵辱されてあっさり捨てられてた訳だから物語の本筋とは殆ど関係ないのかもだけど

そういえば以前、そろそろミクトラムの王妃のエロシーンも入れるかもって言ってなかったっけ?
あと個人的に一番エロが見たいキャラはディアナだったりする

サイド帝国とかエピソードゼロ:ディアナとルルとか、色々見てみたいわね




─幕間─




ナール魔導帝国、かつてこの大陸の魔法技術の粋を独占していたミクトラム王国、ラジル帝国に並ぶ国家として知れ渡っていた。

過去形なのは今はラジルとの戦争で敗戦し、女帝であるモルガンヌが捕虜として捕らえられてその権力が崩壊してしまったからだ。

今は帝国の監視下の元、捕虜となった研究員や学生を使って魔導帝国の魔法技術の吸出しが行われている。


それでもナールの現状はミクトラム王国と比べるとまだマシな方であった。

最初こそ帝国兵による憂さ晴らしや性欲の発散など、暴力や性交位の強要なども多かったが少なくとも今ではその頻度は大幅に落ち着いていた。

全ては今のナールを管理している一人の女性の働きによるものらしいが…。



セヴェル「ヒッヒッヒ……久しぶりに古きよき学び舎に戻りましたが、思っていたよりは荒れ果ててはいないようですねぇ」


四獅星の一人【狂乱】のセヴェルはかつて追い出された故郷でもある魔導帝国の学院の中を歩いていた。

理由はただ一つ、魔導帝国を裏切った者が管理している女帝モルガンヌの魔力がどういう風になっているのか知りたくなったからだ。

かつて非道な魔法実験を繰り返し起こしていたセヴェルはナールを追い出される前にモルガンヌによる制裁を受けそうになったことがある。

命からがら逃げ出したセヴェルだったがその時に嗅いだモルガンヌの魔力の香りが忘れられなかったのだ。


セヴェル(ああ……女帝の魔力の匂いが蘇る…!あの甘く濃厚でそれでいていつまでも嗅いでいたくなるバニラのような香り…♥?)スンスン


セヴェルには他人の魔力に匂いの感想を付ける癖がある。
もちろん魔力に匂いなどあるわけ無いのだが……これはセヴェルの妄想のようなモノの一つでセヴェルにしか分からないものである。


セヴェル(そんな宝物を独り占めするなんて悪い子ですねぇ……いったい協力者とはどんな人間なのでしょうか?)


セヴェルは女帝の玉座が置かれている謁見の間の前まで来ていた。

高鳴る好奇心を胸にセヴェルはゆっくりと扉を開けていく。



玉座には一人の女性が鎮座していた。

しっかりと規律を守り、模範的な着こなしだった制服は漆黒のローブとスリット入りのスカートに変わっている。

キチンと留められていた前髪は垂れ下がっており、美しい銀髪の隙間から見える碧眼には冷たい光が宿っている。


彼女の名はディアナ。


凍てついた氷のような雰囲気は以前までの優等生めいた彼女のイメージを大きく変えていた。


ディアナ「貴方は……確か四獅星のお方ですよね?」

セヴェル「ヒッヒッヒ…お初目お目にかかります、ワタシの名はセヴェル。かつてナール魔導帝国にて魔法を習っていた者になります」

ディアナ「初めまして……私はディアナ、今はアマティアス様の命で元ナール魔導帝国の管理をさせて頂いております」スッ

セヴェル「ヒッヒッ…これはご丁寧にどうも」ペコリッ

ディアナ「セヴェルさん……聞き覚えがあります。確か生物と生物を融合させる魔法理論を提唱したお方ですよね?」

セヴェル「ヒヒ……その通りでございます、此度は我が古巣が陥落したとお聞き……そのご助力をして頂いた貴女の顔を是非見たくてお伺い致しました」

セヴェル(ふむむ…なんというか普通ですねえ、まぁ容姿は美人の方に入るのでしょうが…)

ディアナ「ふふ、ありがとうございます。こちらこそ帝国の方々のお力添えのお陰です」ニコッ

ディアナ「ですが申し訳ありません、私はこれから学院内の巡回に向かわなくてはいけないのです」

セヴェル「ふむ?巡回ですか?」


ディアナ「ええ、少し目を話すと捕虜の学院生に悪戯をする兵士さんがいるので……今は少しでもラジル帝国の魔法技術の発展のために滞りなく研究をさせたいのです」

セヴェル「ヒッヒッヒ、それはなるほど!一理あります!」

セヴェル「心理の探求に邪魔が入るのは我々魔法使いにとって最も無粋なこと!!頑張っている者の邪魔するのはいけない事ですからねぇ」

ディアナ「ええ、話が分かる方で助かります。ですので申し訳ないのですが私はこれで…」スッ


ディアナはセヴェルの横を通りすぎる。
セヴェルはいぶかしむ様にディアナの後ろ姿を見つめた。


セヴェル(にわかには信じられませんねぇ、幾ら皇子殿下から神器を授かったとはいえ……あの小娘が女帝モルガンヌから魔力と魔法を奪い取ったとは)


銀髪の間から白いうなじが垣間見える。
それはか細くて少しでも手をかければポッキリと折れてしまいそうとさえ思えてしまう程だ。


セヴェル(……そうだ今ここで殺してしまって神器を奪い取ってしまえば良いじゃないですか♪)

セヴェル(そうすれば女帝の魔力はワタシのモノ……ヒッヒッヒ!)


手のひらをディアナの背中に向けてかざす。バレないように少しずつ魔力を練り上げていき最低限の魔法で心臓を貫こうとする。









その瞬間、セヴェルの手首から先が音もなく切り落とされた。



セヴェル「ーーーーーッヒィ!?」ビクッ


烈風が肉体を切り刻み、茨が足腰に巻きつき食い込む、炎の槍が肉を焼き裂きながら貫き。

そして死神の鎌のような凍てついた氷刃がセヴェルの首を刈り取った……………。




セヴェル「っ!?!!?」バッ

セヴェル(く、首!?体も…!!な、なんともない…?)ペタペタ


脂汗がドッと滝のように流れる。
まるで自分の死に様がイメージ映像として脳裏に流れたような体験したみたいだった。

肉体が五体満足なのを確認しているセヴェルにディアナ背中を向けたままゆっくりと問いかける。


ディアナ「そういえば……四獅星の皆様にはアマティアス様から直々にミクトラム王女姉妹捜索の命が降されているそうですね」

ディアナ「それを貴方はいったいこんな所で……なにを道草を食べていらっしゃるのでしょうか」


ディアナの問いと共に圧も増していく。
少し身を翻し、セヴェルに向けて静かに、ゆっくりと口を開く。




ディアナ「貴方の今の立場があるのはアマティアス様のお陰。あまりあの方のお手を煩わせるな、下衆が」




主のいなくなった謁見の間にセヴェルは一人取り残されていた、ディアナが去ってからも体の震えが止まらないでいる。


セヴェル(……恐らく純粋な魔力の量や技術ではワタシの方が上でしょう、しかし……あの女、既に女帝の魔力の片鱗を掴み始めている…!!)

セヴェル(他人の魔力をコントロールするのは本来雲を掴む程の神業と言っても良いレベル…神器のサポートがあるとはいえ容易では無い筈…!!)


新たな女帝としての貫禄が備わりつつあるディアナの冷たい視線に恐怖を感じたセヴェル、しかし彼の胸中には恐怖以外の感情が去来する。


セヴェル(し、しかし……一瞬感じたあの女の本来の魔力…)クンクン

セヴェル(まるで鼻腔から脳天にまで突き抜けるような冷たさ…!!一種の刺激さえ感じる危うさ…!!まるでミントのようだ!!)スーハースーハー

セヴェル(あぁ……なんて……なんて……!!!)プルプル








セヴェル(なんて冷たくて清涼感のある香りなんだァーーー~~~~♥?♥?♥?)うっとり



セヴェルはナールの地を合成魔獣に乗って全速力で駆け抜けていく。
以前自信の作り上げた実験体の生命反応が途切れた地点を目指していくようだ。


セヴェル(今のワタシでは彼女を御し切れない可能性が出てきた!それに皇子殿下にバレても何かと面倒ですからねぇ…!!)

セヴェル(しかし……実力がワタシの方が上なら、同じ土俵に上がればワタシに勝算は上がる!)

セヴェル(女帝モルガンヌの魔法と魔力!!そして神器を二つ手にすることができれば最早帝国すら恐れるに足らず!!)


狙うのはミクトラム王国の秘宝、時戻しの神器。
その力を分析し扱いこなす事ができればと考えを巡らせる。

しかし、そんな冷静な思考はすぐに何処かに飛んでしまいセヴェルの脳内はもう煩悩でいっぱいだった。


セヴェル(ヒッヒッヒッヒ!味わいたいぃ!女帝の甘美な魔力も!!あの女のすっきりとした魔力の臭いも!!!………おおぅっふ!!)ビクンッ


既に何度もディアナとモルガンヌの魔力の匂いを思い出しながら一人絶頂するセヴェル。
ローブの下に張られたテントを隠そうともせず、ぐちゃぐちゃになったパンツの感触すら心地よくなっている。


セヴェル「ヒッーーヒッヒッヒッ!!」


セヴェルの笑い声が高らかに空に響く。
クロウス達がセヴェルと接触する日もそう遠くは無いのかもしれない…。

突然のゲリラ投下失礼しました。
書き途中で止めていた現在のナールのシーン忘れてたな、と思いセヴェル視点も絡ませてお送り致しました。

ディアナの衣装も
襟止めもスカート丈もピッチリなTHE優等生→黒がメインのローブとドレス(スカートはスリット入りで胸元も少し露出してたり)と大幅にジョブチェンジです。

以下はちょっぴり濃いめの返答タイム


>>327
エロシーンはその場の流れで書いてるようなとこがあるので明確にコレが書きたいってのはその時になってみないと分からないですね。
……でもアムヌグ戦の敗北陵辱はちょっと例外でわりと早い段階で陵辱対象に肉便器宣言させるって決めてました。(ちなみにアンリエッタの場合は帝国兵相手ではなく、昔アンリエッタを苛めてた男とシルヴェロギアの男性国民達に犯される予定でした)


>>333
一応龍神自体はご存命なのですが今は外の大陸にいるという設定で話に絡ませるつもりも現状無いつもりです。


>>334
ごめんなさい、ミクトラム王妃のシーンはまだまだ先になります。でも回想とかに登場させたいからキャラだけ先に作っておくのは有りかな…?とはいえ交流できるキャラとは違って凄く簡易的にはなりそうですが。
ディアナのえっちシーンは…これも珍しく構成も構想も出来上がってて書き起こしてタイミング待つだけになります。


>>337
まさかのセヴェル視点。ディアナの現状とセヴェルがこれだけキモくてド変態なクソ野郎ですよってのを書きたかっただけでした、お目汚し失礼。


ミリア視点はもう少しだけお待ちください(先にミクトラム王妃のキャラ安価やるかも)、それでは失礼しました。

今夜ミクトラム王妃のキャラ安価とミリア編のさわりの部分を投下します。
暫くはまたちょびちょび更新になりそうです。

お待たせしました、それでは先にミクトラム王国王妃(フローリア達の母親)の安価をしていきます。
今回は仲間入りの可能性も無いし回想メインでの登場なのでさくっと決めていきます。


0時から下1から下3までのレスで募集


【名前】
【性別】女性で固定
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足や生い立ち

【名前】フィオナ
【性別】女性
【年齢】35
【見た目】白い陶磁器のような肌に金のストレートロング。背は高くスタイルも良いわがままボディ。
【性格】穏やかで心優しいが芯は強い
【その他】ミクトラム王妃であり二人の姫の母。
ミクトラム国王とは大恋愛の末に結ばれており経験は当然国王相手のみ。
モルガンヌほどでは無いが魔導の才に優れており、モルガンヌやディアナとはまた違う魔翌力の持ち主でもありその肢体も含めて帝国兵達から狙われている。
性知識に関しては経産婦なので娘ほど疎くはないが、それでもアブノーマルな方面の知識は全く無い

迷いに迷って>>371のフィオナさんにしました。
事前に簡易的に行うと言ったり出番少なめと仄めかしたので案が少なめなのは予想してたので大丈夫。

キャラ安価に関してはそもそも作成機会が少ない(&亀更新で遅い)のもあるので気にしないで投下しても大丈夫ですよ。むしろ案が増える分にはありがたいと思ってます。
ディアナやセヴェルの合成魔獣の時もそうですが安価範囲内なら別に採用する可能性もあるので…。


ひとまずはミリア編のプロローグを投下していきます。


クロウス「すぅ……ふんっ!」


森林にパキィンと乾いた音が綺麗に鳴り響く。
腰を入れながら剣を振り下ろし夜営のための薪を作っていく。


クロウス「……っ!!」ズキンッ

クロウス(さすがにまだ本調子という訳にはいかないか…)


聖河教連を目指す道中は遠く、少しでも追っ手を撒きたいクロウス達は遠回りをしながら見つかりにくいルートを通っていた。

薪と水の入ったバケツを抱え歩いていると目の前からフローリアが走ってきた。


フローリア「クロウス、まだ怪我が治ってないのに無理をしないでください…!お水なら私が持つから、ね?」

クロウス「しかし姫様にお手を煩わせるなわけには…」

フローリア「駄目です、今は非常事態なのですから満足に動ける人がやるべきです」

クロウス「し、しかしですね…」


あくまで従者として自分がやらねばという姿勢を崩さないクロウスに対してフローリアは仕方がないと奥の手を繰り出す。


フローリア「……ふぅ、騎士クロウスよ。ミクトラム王国王女フローリアが命ずる、今すぐそのバケツを私に渡すのです」

クロウス「うぐっ!?それは卑怯ですよ姫様……」

フローリア「ふふ、どうもありがとう」


こんな些細なやり取りでも真面目なクロウスは簡単には退かないが、フローリアの命令には逆らえないのだ。

フローリアは誰かに命令するといった行為はあまり好きではないためよっぽどクロウスが意地を張った時に使われたりする。

日暮れも近づいてくる中、森林の中を二人はみんなの待つ野営所に向けて歩く。


クロウス「姫様、ルルと竜巫女殿の様子はどうですか?」

フローリア「ルルは少しずつですけど元気になってきてます、けど寝てる時にうなされてたり飛び起きたりする事があるようで…」

フローリア「竜巫女様は………すみません、どうにも私は避けられているみたいなので…」

クロウス「……そう、ですか…」

フローリア「それにリトアさん達も…無事に逃げ切れたと良いのですが…」


ルルは故意ではないとはいえ自らの手で人を殺した事に酷いショックを受けている。

アンリエッタは目覚めた時は酷く錯乱してたが今は落ち着いてる、しかしそれは表面上のものだという事は全員が理解しており俺たちへの態度はどこかよそよそしいモノになっていた。

そしてリトア達のキャラバン商隊は進めど姿は見えず、定帝国から逃げ切れた確証は持てなかった。


必然的にパーティー内の空気は暗く、今はジェニファーの頑張りがクロウス達を繋ぎ止めている現状である。


クロウス(ジェニファーには感謝だな……俺たちだけもっと雰囲気が重くなっていたかもしれん、騎竜の面倒も見てくれているし後で礼を言っておかなくちゃな)


頭の中でジェニファーへの感謝をしていたら少し後方でフローリアが立ち止まっていた。


クロウス「姫様?やはりお水が重かったのでは…?今からでも俺が持ちましょうか?」

フローリア「ねぇクロウス、ミリアとウルスラは無事なのでしょうか…?」

クロウス「……!!」


フローリアが口にしたのは最愛の妹でもありミクトラム王国のもう一人の姫でもあるミリア。
そしてその従者でもある女騎士ウルスラの名前であった。

王国を脱出する直前までは四人で行動していたのだが、その際に運悪く二人とはぐれてしまったのだ。

クロウスとフローリアも二人の事は片時も忘れたことはなく話題にした事もあったが、どこか心の底でこの話をすることを恐れている節もあった。


クロウス「……ウルスラは歳は若いですが優秀な騎士です、妹様の身の安全を最優先に無事でいる筈です」

フローリア「ええ、それにミリアも私と比べて強い子ですしきっと大丈夫ですよね?」

クロウス(そうだ、きっと二人とも無事な筈だ……そうに決まっている)


そう願わずにはいられなかった。

しかし未だに二人の情報は手に入れられてなかった。

当初はミリア達もナール魔導帝国を目指す筈だと行動していたが、結果は二人が到着する前にナールはラジル帝国の魔の手に落ちてしまう。

転移により飛ばされてしまった先のシルヴェロギアでも空いた時間で二人の情報を集めようとしたが手がかりを掴む事は出来ずに終わった。


もし二人とも帝国兵たちに捕まってしまっていたら……そう考えると夜も眠れなくなる。


フローリア(ミリア、ウルスラ……それにお父様とお母様も……みんな無事でいて…!)


???『おかあさま、おかあさま!一緒にブランコで遊ぼう!遊ぼうよ!!』

フィオナ『あらあら…ミリアは元気ねぇ、でもちょっと待っててね。今日はフローリアに絵本を読んであげる約束なの』

ミリア『ええ~!ブランコのほうが楽しいよぉ、おねえさまもそう思うでしょ!?』

フローリア『わたしはミリアと違って運動が得意じゃないから…お歌と本の方が好きかなぁ?』

ミリア『ちぇーっ、それならくろうすに読んでもらえば良いじゃない!』

フローリア『く、クロウスはいま忙しそうだもん!それにそんな事クロウスには頼めないよ…///』

フィオナ『ふふ、まぁまぁ二人とも落ち着きなさい。三人で絵本を読んだ後にブランコで遊べば全部解決でしょう?』

フィオナ『お母さんはふたりが仲良くしてくれたらずっと一緒に居てあげるから…ね?』

ミリア『うん!わかったー!』

フローリア『わたしも……ミリアとお母さま、三人がいい!』

国王『おいおい、私は仲間外れか?』

ミリア『あっ!おとうさまだー!』

フローリア『おつかれさまです、お父さま!』

フィオナ『ふふ、あなた…お疲れさま』ちゅっ

国王『ああ、フィオナも子守りをありがとう』ちゅっ

国王『しかし召し使いに頼んで子守りを頼んでも良かったんだぞ?キミも自分の時間が欲しかったんじゃないのかい?』

フィオナ『だって……この娘たちに笑顔で迫られちゃったら親として応えてあげたくなっちゃうじゃない?』

国王『はは!それは言えている!なにせ私たちの娘は天使のように可愛いからな!!』

ミリア『おお~、おとうさまとおかあさまラブラブだぁ~!』

フローリア『はわわ…///』ボッ

国王『さて…会議も落ち着いたし、私も久しぶりに娘たちと遊ぶとするか』

ミリア『わーい!!やったぁー!!』

フィオナ『ふふ、ならお茶とお菓子も用意しなきゃいけませんね♪』

フローリア『ほんとに!?わたしが紅茶をいれるね!』

ミリア『おねえさま、くろうすあいてにれんしゅーしてたもんね!』

フローリア『み、ミリア!!///それは黙っててって言ってたでしょ!』

フィオナ『あらあら、クロウスくんったらすっかりフローリアの心を掴んでるわね』

国王『うむ……彼も真面目な好青年に育ったからなぁ、しかし娘をやるかどうかとは別問題だからな!!』クワッ

ミリア『おとうさまが親ばかをだしてるー』

国王『そうだ!俺は親バカだ!!娘はどこの馬の骨ともしれんヤツには絶対渡さないぞ!!』

フィオナ『あら?ならよく知ってるクロウスくんなら良いってことかしら?』

国王『うっ…いや、そういう訳でもなくてな……う、ううむ…!!』

ミリア『あはは!おとうさま変なかおしてるー!』


あはははは………

ははは……


はは…


…………。



………時は遡り、クロウス達がナール魔導帝国に到着して数日が経ったある日。



ウルスラ「……みりあ様、ミリア様!」

ミリア「う、う~ん……あ、ごめんウルスラ…私、少し寝ちゃってたかな…」

ウルスラ「無理もありません、ここの所落ち着く間も無く野宿が続いてましたから…」

ミリア「夢を見てた気がする……なんだかとても懐かしい夢だった」

ウルスラ「ミリア様、もう少し横になっていられては…」

ミリア「私のことは気にしないで!こんな時に私だけ甘えている訳にはいかないものね」パッパッ


雑にスカートの裾についた埃を払う仕草には一国の姫と呼ぶには高貴な雰囲気など感じさせなかった。

彼女の名前はミリア。ミクトラム王家の次女にしてミクトラム王国の王女、フローリアの妹である。

フローリアと同じ黄金のような絹を彷彿とさせる金髪をツインテールで結んであり、肉付きもフローリアよりもしっかりしている。

一目で見て明朗快活な娘だという認識が先に来るので何も知らない者が見ると言わなければ彼女が姫という身分には誰も気づかないだろう。


ミリア「それにウルスラももう何日も寝ずの番を続けているでしょう、あなたの方が私は心配だわ」

ウルスラ「私は姫様の騎士として当然の事をしているまでです、それにこれぐらいならば訓練で受けてきたことなので私はまだ平気ですよ」


そして彼女の傍にいる黒髪のポニーテールの少女の名はウルスラ。

ミクトラム王家第二王女でもあるミリアの護衛騎士を若干17歳にして命じられた若き才媛である。
その剣の才能は同じ護衛騎士の先輩であるクロウスにも一目置かれている。

容姿端麗で非の打ち所が無さそうだが真面目過ぎる所が少しキズだ。


ミリア「それでどうだったの?魔導帝国方面への偵察は?」

ウルスラ「はい…どうやら王国から一個師団、帝国の部隊がナールへと向けて出立しているようです」

ミリア「そんな…!フローリア姉様やクロウスはナールに向かっていた筈だよね…!?」

ウルスラ「恐らくは…私達も別ルートでナールへと向かう予定でしたが、今あちらの方へ向かうと帝国兵たちと鉢合わせする可能性が高いでしょう」


ミリアとウルスラもクロウス達と考えを同じくしていたようで友好国であるナール魔導帝国へと向かう算段を立てていた。

しかしナールには今現在帝国の部隊が進軍しているようで今あちらに向かうのは極めてに危険な状態になってしまったようだ。

ミリアの不安そうな表情にウルスラはこの先どうすべきか思案する。


ウルスラ(どうする…?今ナール魔導帝国へ行った所で無事に辿り着ける気がしない……しかしそこ以外にクロウス先輩達が向かったとも思える気がしない)

ウルスラ(くっ……情報が足りなさすぎる、このまま国内に潜伏していてもいずれ私たちも見つかってしまうが目に見えている!)

ウルスラ(………こういう時、先輩ならどういう判断を下す…? 先輩なら…)


ウルスラは敬愛すべきクロウスならどうするかと思考を重ねていく。
やがてウルスラは地図を広げていき一つの国を指差した。


ウルスラ(いま一番近い国はここか……小国だが人の入りは悪くない場所だ、ここでなら帝国の動きや先輩達の動向など情報が手に入るかもしれない…)


ウルスラ(だが、この国は噂では確か……こんな怪しげな国にミリア様をお連れしても本当に良いのか?身を隠すにはうってつけとも言えるが…)

ミリア「ウルスラ……もし私の身の安全の事で悩んでるなら本当に気にしないで」

ミリア「私だって少しぐらいなら戦えるし、何より今は行動しなくちゃ何も始まらないもん!」

ミリア「どんな困難が来ても私たちならきっと乗り越えられる、だから私はウルスラの判断を信じるよ!」

ウルスラ「ミリア様…っ」


ウルスラへの全幅の信頼を伝えるミリア。そのミリアの真摯な言葉は余計にミリアを迷わせるが最終的には後押しされる形でウルスラは一つの案を切り出した。


ウルスラ「……ここから少し離れた先の小国へと向かいます、その地なら身を隠すのには最適かと思われますし情報も集めやすいでしょう」

ミリア「オッケー!ならその国に行きましょう」

ウルスラ「しかしミリア様……そこの国はなんと言いますか……その、ミリア様が足を踏み入れるのには少し穢れている地と言いましょうか……帝国とは別種の危険が潜んでいる可能性も十分に考えられます」

ウルスラ「ですので国内に入られましたら私の言うことは全て聞いて頂くようにお願い致します!」

ミリア「うんうん!ならささっと行きましょう!善は急げってやつよね!」


希望の灯が見えたと言わんばかりに明るさを取り戻すミリア。
それとは裏腹に自分の判断が本当に正しいのか疑心暗鬼になるウルスラ。

それでも己が使える主人は絶対に守り抜くと、ウルスラは心の中で固く誓った。











目指す場所は夜光と欲望が光差す色欲の地……マーラ国。

そこでミリアは避けられぬ選択を迫られる事を今はまだ知る由もなかった。


今回はここでおわりです。
初期の安価で存在自体は言及されていてなぜか大人の玩具生産工場みたいになってるマーラ国がようやく登場です。(色々と改編が入ると思うけど)

ミリア編はあまり長くする予定もなく安価の流れも今までと比べると少し変わったものになる予定になります。


それでは今回はこの辺で、おやすみなさいませ。

明日辺りに更新します。
ホントは今日にしようかとも思いましたが用事が出来てしまったので断念。


そういえばリトアのイメージ、ラフだけ書いて放置して勿体なかったので投下、絵心が欲しい…。

https://i.imgur.com/78zx6TW.jpg
※個々のイメージもあると思うので閲覧は自己責任でお願い致します。

遅くなってしまいましたが初めていきます。



───マーラ国。


昼間は少し感惨としているが基本的には平凡とした小国の一つに過ぎない存在だ。
円錐状の小さな山を中心に段々と街並みが広がっており、山の頂上付近には鐘塔が併設されている大きな館が建てられている。

しかしそれは仮の姿に過ぎない……。

この国の本質は夜の街にこそあるのだから。


ミリア「はぁ~♪久しぶりのベッドだぁー!城の物よりは固いけど嬉しい!!」ボフッ

ウルスラ「すみません、こんな安宿でしか休めなくて…」

ミリア「いいのいいの!路銀は節約しないといけないし、なにより身を隠すのならこういう所の方が都合が良いものね!」


ウルスラがミリアに仕えてからまだそこまでの年月は経っていないが初めはこの王族らしからぬアクティブっぷりには驚いたものだ。

聞けば城を抜け出しお忍びで城下町を歩き回っていたりという事は昔からよくやっていたみたいでフローリアよりは世間離れしている訳ではないようだ。

しかし過保護な父親に育てられたのは姉妹変わりなく、姉同様性知識の概念は全く無いらしい。


ウルスラ「それでは姫様、私は街で情報を集めに行きます」

ミリア「うん」

ウルスラ「姫様はここでお待ちください、決して朝になるまで宿の部屋から出てはいけませんよ」

ミリア「うん!………ってええっ!?」

ウルスラ「ここは王国のように治安の整備がされていません、いつもの感覚でいられると思わぬトラブルに出くわすかもしれません」

ミリア「なら二人でいた方がもっと安全じゃ…!」

ウルスラ「いえ、私は姫様の護衛騎士なのです。姫様に危険の及ぶような行為は絶対に避けなくてはならないのです」

ウルスラ(おそらく、クロウス先輩も同じことを言う筈ですよね…)

ウルスラ「お願い致しますミリア様、今日のところはお休みくださいませ…!」

ミリア「……ウルスラは平気なの?貴女だって夜通し見張りばっかりしてたのに」

ウルスラ「ご心配して頂き感謝します、私も戻り次第仮眠を取らせて頂きますので大丈夫ですよ」ニコッ

ミリア「……うん、ならいいんだけど」

ウルスラ「ありがとうございます、では私は行きます」ガチャッ

ウルスラ「くれぐれも!しっかりとお休みくださいね?」

ミリア「わ、分かってるよ!もう…」




ウルスラ(……はぁ、なんとか説得できてよかった)

ウルスラ(ミリア様にはあれぐらいしつこく言わないと言うことを聞いてはくれませんものね……)


ウルスラはフード付きのローブを被ると顔や剣を隠し、夜も更けてくる街並みを見上げる。


ウルスラ(……この街は汚れている、ミリア様には………毒だ)


だからこそ、自分が何とかするしかないのだと言い聞かせ……ウルスラは夜の帳へと足を踏み入れる。

別名、色情街。この国は男と女の欲望にまみれている。


ウルスラ(なんとかフローリア姫とクロウス先輩の情報を手に入れないと…)


ゴォーーン……ゴォーーン……


街に鐘楼の音が鳴り響く。ここからは夜の時間だと警告しているように…。


ウルスラ(……とはいえ、私もこの国は初めてですし……地理にも詳しくは無いんですよね)

ウルスラ(定石で行くのならやはり酒場だろうか…?そこで誰かに色々と聞いてみるとするか…)


ウルスラが酒場の戸を開けると活気の良い声が室内に飛び交っている。
酒を飲んでいたり隅でギャンブルに興じる者、食事をしていたりステージで踊っていたりと酒場の客たちは皆が思い思いに過ごしていた。


ウルスラ(ふむ?思っていたよりも健全……なのか?)


ウルスラは一直線にカウンターの席に向かう。
店主と思わしき男がウルスラに注文を訪ねる。


店主「……いらっしゃい、何にするんだい」

ウルスラ「ノンアルコールのドリンクがあると助かるのですが…」

店主「うちは酒以外は扱ってなくてね、悪いがその注文は承れないな」

ウルスラ「そうですか」

ウルスラ(人の集まる場所に来たのは良いのですがどうやって情報を集めましょうか……詳しくなさそうな人に聞いても意味は無さそうですし)

ウルスラ(それにどんな情報を集めるか……この街について聞けばもっと情報の集まる場所が分かるかもしれませんし、情報屋の存在について聞いてみるのも良いかもしれません)

ウルスラ(それに帝国の動向やナールの状況……知りたいことは山ほどありますね)


マーラの酒場にてウルスラが情報を集めます。
↓1~3の間にて酒場にいるモブ客や店員に聞きたいことなどをお願いします。(ただしコンマが70以上の質問にはえっちな見返りを要求される事があります)

例)
【ターゲット】忙しそうな店員、酔っぱらってる男…など
【聞きたい情報】この国について、ミクトラム王国陥落について…など


ウルスラ「すみません、一つ尋ねても良いでしょうか?」

呑んだくれ兵士「ういっ…?おお、なんだ~?」

ウルスラ(酒くさ……相当飲んでいるなこの男、大丈夫なのか?)

ウルスラ「私はこの国に来たばかりでして…マーラについて色々と教えて欲しいのですが…」

呑んだくれ兵士「ひっく…!おお、おお~嬢ちゃん俺に目ぇ付けるとは中々のもんだぜぇ~、俺ぁこの国の兵士でよぉ…酌をしてくれたら何でも答えてやるよー」

ウルスラ「ふふ、それでは失礼します」


ウルスラは男のジョッキにお酒を注いでいく。
内心では目の前の男がクロウス先輩だったら良かったのにと思っていたが顔には出さなかった。


呑んだくれ兵士「ゴクッゴクッ……ぷはぁー!やっぱ美人の注いだ酒はうめぇなぁ!!」

ウルスラ「それは良かったですね、ところでこのマーラという国は何やら変わった地形をしておりますが…」

呑んだくれ兵士「そうだなぁ~ここは山の上に造られた街だからなぁ~、上にいけば行くほど売春宿もたくさんあるんだぜぇ、ぐっへへ」

ウルスラ(ちっ…やはりそういう所ですか、この国は)


噂には聞いていたが改めて聞いても吐き気がする気分だとウルスラは思った。
この国は公的に女の春を売ることを認められている。

むしろそれがこの国の主な収入源と行っても過言ではなかった。

比較的建国されてまだ日の浅い国ではあるが、周辺諸国と比べても明らかにこのマーラという国は異質な存在なのである。


呑んだくれ兵士「それもこれも全て【オーナー】様のお陰ってもんだぜ」

ウルスラ「……オーナー?」ピクッ

呑んだくれ兵士「知らねぇのかい?オーナー様は簡単に言えばこの国における王様とかそういう地位の人の事だよ…あの天辺の鐘が吊るされている建物があるだろ?」

呑んだくれ兵士「あそこがオーナー様の住まいでよ、別名花散館って呼ばれているこの国一番の売春宿だぜぇ」

ウルスラ「なるほど……それは興味深いですね」


ウルスラ(この国を牛耳るオーナー……か)


呑んだくれ兵士「それよりも姉ちゃんよぉ……おめーさん中々いい顔してるじゃねーの…げっぷ!もっとこっちに近寄ってくれよぉ」ググッ

ウルスラ(うう…!汚ならしいっ!ここが酒場じゃなかったら斬って捨ててるかもしれません…!!)

呑んだくれ兵士「ふがっ…むにゃ、むにゃ……」


酔っぱらっていた兵士はテーブルから身を乗り出してウルスラに近づこうとするがウルスラが手を出す前に眠気に負けたのかテーブルに突っ伏してしまった。


ウルスラ(た、助かった…)ホッ


本当なら他国の情勢なども聞きたかったのだがあの男からこれ以上の情報を聞き出すのは難しいだろう。
ウルスラは席を経って次はキチンと話が通じる相手にしようと決めた。



踊り子「……ん?なんだいあんた…あたいに何か用かい?」


次にウルスラは先ほどまでステージで踊っていた踊り子の女性に声をかけた。


ウルスラ「すみません休憩中に…私は旅の者なのですが貴女に聞きたいことがありまして」

踊り子「あたいに聞きたいこと?……悪いけどあたいは最近この街に連れて来られたばかりだからあんたの期待には答えられないよ」

ウルスラ「いえ、そんなにお話しではないのですが……この辺りで安全な国ってあるのかなって思いまして」

踊り子「あんた旅の人間なのにそんな事も知らないのかい?命知らずというかなんというか…」

踊り子「ただあたいも暫く他国に行ったことが無いからね……とにかく安全な所といえばやっぱ聖河教連なんじゃない?」

踊り子「最近帝国が色々と騒がしくしてるみたいらしいけど、あそこは帝国も手を出しづらい場所だからね……この大陸ならそこが安全でしょうね」

ウルスラ「なるほど…」

踊り子「けどあそこは他国の人間にわりと厳しいからね、紹介状が無いと入国するのも難しかったはずだよ」

ウルスラ「ありがとうございます、色々と教えてくださりまして助かりまし……た?」


踊り子の女性が一通り喋り終えると彼女はウルスラの顔をジッと見つめている。


踊り子「……あんた、悪いことは言わないから早めにこの街を出ていった方がいいよ」

ウルスラ「……え?」

踊り子「あんたみたいな顔の良い女はこの国では目につく、最悪拉致られて……無理やり売らされるかもしれないから…」ブルッ


そう言い終えると踊り子の女性は何かを思い出したかのように顔を青冷めさせてお店の裏の方へと下がっていった。


ウルスラ(……どうやらこの国、想像以上に闇が深そうね)

ウルスラ(それに聖河教連か……確か紹介状が必要だとか言っていたけど、それもどうにかしないといけなさそうか)


イケメン兵士「やぁお嬢さん、こんな夜更けの酒場に一人でいるだなんて危ないですよ」キラッ

ウルスラ「はは…ご心配頂きありがとうございます、ですが身を守るぐらいの術は心得ていますので大丈夫ですよ」

イケメン兵士「そうはいきません、下層はまだ比較的安全ですが徒党を組んで貴女を狙うとも限らない……どうでしょう?貴女がよろしければ宿まで送りましょうか?」

ウルスラ(グイグイ来ますね……こういう人苦手です)


次に話しかけたのは歳の若く、酒を飲まずに食事をしていた兵士だったが話しかけて失敗だったなと後悔した。

爽やかな顔で話しかけてくるが腰やお尻の辺りをチラチラ見ているのがウルスラにはバレバレであり下心丸見えである。


ウルスラ「あ、あの!貴で……貴方はこの国の兵士と見受けられますが、最近のラジル帝国の動きについてなにか知っていますか?」

イケメン兵士「うん?そのような事をなぜ僕に聞くのですか?」

ウルスラ「私は旅の身でして……最近は帝国の動きが激しいと風の噂で聞きました、なので旅の途中で出くわすと面倒ごとになるのではないかと心配で…」

イケメン兵士「なるほど!確かに野蛮な帝国兵の魔の手に貴女が堕ちる姿は想像したくはないですね」サラッ…

イケメン兵士「しかし安心してください、今のところ帝国がこちらの方へ来ることは無いでしょう!なにせミクトラムから出向した舞台が真っ直ぐナールの方へと向かったとの情報が入っていますからね」



ウルスラ(……!やはりラジルはナール魔導帝国の方へ向かったか…!!)


悪い予想というものは当たるもので、いよいよもってウルスラはナールへ向かうことを諦めるしかないと判断する。


イケメン兵士「ただ今のところはこれぐらいの情報しかありませんし……これ以上の事は【流れの情報屋】に聞いてみるしか無さそうですね」

ウルスラ「流れの情報屋…?」

イケメン兵士「最近外の国からマーラに流れ着いたらしいんですが、周辺諸国を回っているらしくて様々な情報に精通しているだとか…」

ウルスラ(情報屋か……国々を回っているのであれば、兵士や一般市民に聞き込み回るより効率が良いかもしれませんね)

ウルスラ「その情報屋というのは今はどこに…」

イケメン兵士「それよりもお嬢さん、どうでしょうか?そろそろお店を変えて一緒にもう一杯?」グイッ

ウルスラ「いえ、結構です」スパッ

ウルスラ(そもそも私を宿に送るって最初に言っていましたよね…)


もう下心を隠しもしない兵士に手刀を一発喰らわせて寝かしつけた後、ウルスラは酒場を後にして宿へと戻るのであった。



翌日、ウルスラはミリアに前夜にて集めた情報を整理しながら説明をする。
無論、売春などといったそっち関係の話は濁しながら説明をした。


ミリア「ふんふん、つまり次に目指すのなら聖河教連へと向かった方が良さそうなのね」

ウルスラ「ええ、ですがそのまま真っ直ぐ向かっても恐らくは門前払いになるでしょう…どうにかして聖河へと入国するための術を知らなければいけませんね」

ミリア「……って事はまだ直ぐには出発は出来なさそうってことね」

ウルスラ「ええ、動くのなら帝国の部隊がナール方面へと行った後の方が安全でしょう………っ」フラッ

ミリア「う、ウルスラ!?大丈夫!?」

ウルスラ「…問題ありません、すこし目眩がしただけですので」

ミリア「やっぱり連日の徹夜が祟ってるんだよ、少し眠った方が良いって絶対!」


ウルスラ自身は否定したかったがさすがに寝ずの番をやり続けたツケが回ってきたらしい。
過労と眠気が一辺に襲ってきてしまい一瞬意識を失いかけたようだ。

さすがにこの体調で帝国の兵士に襲われでもしたら不覚をとってしまうかもしれない。

そう判断したウルスラは悔しながらもミリアの提案を受け入れた。


ウルスラ「……そう、ですね。さすがにこのままですと逆にミリア様に迷惑をかけてしまうかもしれません」

ウルスラ「申し訳ありませんが少し睡眠を取らせて頂きます……すみませんが夜になったら起こしてくれませんか?」

ミリア「勿論!」

ウルスラ「くれぐれも、私が寝ているからといって遠出などはしないでくださいね…!」

ミリア「わ、わわ…分かってるよぉ…!!」アタフタ


ミリアはベッドで横になるウルスラを静かに見守る。

やがてスゥ…スゥ…と規則正しい寝息が聴こえてきた所でミリアは静かに部屋の扉を開けて出ていった。



ミリア(……ウルスラには悪いけど、やっぱり私だけ護られてばかりで何もしないなんて事はできない!)

ミリア(夜は危ないって聞いたけど昼間なら多分大丈夫だよね?)


ミリアはマーラの街を上へと上がっていく。
やがて中層まで来た辺りでミリアは周りの雰囲気が変わっている事に気づく。


ミリア「………あれ?」

ミリア(下層の街はまだ普通にみんな生活しているようだったけど……なんか、上に上がって行くにつれてどんどん人が居なくなってるような…)

ミリア(それに……周りに人は居ないはずなのに誰かに視られてるような気がする)ゾワッ


ミリアは薄気味悪さを覚えながらもこれでは情報収集にならないなと悲嘆に暮れる。

しかし、そんなミリアの周りを数人の男たちが取り囲んでいる事に彼女はまだ気づいていなかった。

いったん止めます。
仕事が終わって夜になったらまた再開します。

ちょっと安価範囲設けないでみなさんに聞いてみたいのですがミリアが護身術を会得していた場合。武術、剣術、槍術のうちどれがしっくり来るか教えて頂ければと思います。

それでは寝落ちするまえにおやすみなさいませー。

お知らせです、本当は夜に更新する予定だったのですが…

・今後の展開で見直したい部分があった。
・同時に書き溜め部分の誤字脱字の直しもしたくなった。
・久しぶりに仕事でメンタルブレイクした。(たぶんこれが一番デカい)

ということもあり申し訳ありませんが更新はしないで後日にします、ごめんなさい。

本日夜に更新致します、メンタルは無事回復しました。
少しながら安価もあったりするのでよろしければお願いします。

ゆっくり再開していきます。



悪漢a「……ひゃはっ!」ガバッ

ミリア「な、なに……うぐっ!?」


悪漢の一人がミリアの背後を取る、気づくのが遅れたミリアは反応できずに男に羽交い締めにされる。


悪漢a「良い獲物がかかったぜぇ!面も身体もかなりの上物だぁ!」

ミリア「くぅっ…離せ!!」

悪漢b「駄目だぜ嬢ちゃん、ここは女の子が一人でうろつくような場所じゃないんだからなぁ」ニヤニヤ


悪漢達は捕らえたミリアの身体を舐め回すように見る。

価値の高そうな衣服、可憐な容姿、何よりもその実り豊かな肉体に悪漢達は興奮していた。


ミリア(この人たち……いったい何なの!?いや!なんか視線がきもちわるい!!)

悪漢c「まだまだ小便臭そうなガキだがいいおっぱいしてるじゃねぇか……へへ、こりゃあオーナー様への良い貢ぎ物になるぜ」

悪漢b「バッカおめぇそんな事よりも大事なのは処女かどうかだろうが!」

悪漢a「オーナーのとこの花散館は処女専門で謳ってるからなぁ、万が一ハズレだったら俺らが酷い目に合わされるぜ…!」

ミリア(オーナー…?しょじょ…?なにを言っているのか全然わからないけど…!!)ググッ


とにかくこのままでは録な目に合わないだろうと予想したミリアは表情から不安を隠し悪漢たちを睨み付ける。


ミリア「あなた達…早く離さないと痛い目を見るわよ…!」

悪漢a「はぁ?状況をよく考えろよ、むしろ痛い目に遭うのは嬢ちゃんのほう…」



ドスリッ


悪漢a「はっ…?……イ"ッッてぇぇぇええ"え"ッ!!?」

ミリア「ふんっ!」ブンッ

悪漢a「は、はうぅっ!?」キー☆ーン


ミリアは隠し持っていた短剣を悪漢の太ももに容赦なく突き刺す。
そして怯んだ悪漢の隙を見逃さず踵で股間を蹴り上げ、ついでにみぞおちに肘鉄も食らわせる。


悪漢c「て、てめぇ!!」ザッ

ミリア「せいっ!やぁっ!」シュッ…キィンッ

悪漢b「ぐっ!!こ、こいつ……なにか剣術をやってやがる!?」


ナイフを取り出し襲いかかってくる悪漢達の攻撃をミリアは短剣で華麗に流していく。
そして相手の体勢が崩れた所を素早い身のこなしでいなしていき見事に包囲網を脱していく。


ミクトラム王家の人間には十二歳ぐらいになると万が一の為にと護身術を学ぶ習わしがある。
とはいえガチガチの文系インドア派であったフローリアは早々に己に武の才が無いことを自覚し、最低限の履修だけに留めていた。


しかしそんな姉とは真逆の体育系アウトドアタイプのミリアは護身術に対して興味を示し、それだけに止まらずクロウスや他の騎士達の剣術をこっそり真似して独学で騎士団流の短剣術を会得していた。

無論キチンとした師に従事したものでは無い為、まだまだ粗削りではあるが己の身を守る程度の力は身に付けていた。


ミリア「言ったでしょ?離さないと 痛い目を見るってね!」

悪漢c「こ、このガキゃ…!!」

悪漢b「どうするよ…?他の奴ら呼んでくるか?」


悪漢達が増援を呼ぶか考えている所を見てミリアは内心よろしくないなと考える。


ミリア(うーん……これ以上数が増えたら流石にキツイよねぇ…早いとこトンズラしないと不利になるだけだね)




???「お嬢さん、目を閉じて息を止めてろ」





ミリア「えっ?」


ジリジリと滲み寄ってくる悪漢達をどうやって撒こうか考えるミリア。

そこに建物の上から声が降ってくる……と、同時に何かが地面に落ちてくると同時に煙のようなものが辺り一帯を覆い尽くした。


悪漢a「ふがっ……な、なんだぁ!?な、なんか涙が止まらねぇぞぉ!?」

悪漢b「て、てかこれ辛ぇ!!なんか喉がヒリヒリする!?」

悪漢c「ま、前が見えねぇ~!!!」


???「こっちだ!着いてきな!」

ミリア(な、なに!?何が起きてるのよー!?)


目を閉じたままミリアは何者かの誘導に従いひたすらに走った。
少しして目を開けると下層の街まで戻ってこれたようで悪漢達は追って来ては無さそうだ。

そして目の前には一人の青年がいた。


???「全く……女の子が一人であんな危ない所に一人でいるなんて危機感が足りなさ過ぎだ」

???「この街は昼間は普通そうに見えるけど実際は人拐い何かが普通にうろついてるんですよ?」

ミリア「うっ……ご、ごめんなさい。それと助けてくれてありがとうございます!」

???「気にしなくて良いですよ、あっしもこの街には最近来たばかりですし…見て見ぬふりというのも気分が悪いですからね」

ミリア「ですけど……うぅ、流石に勝手に路銀を使うのはウルスラに怒られるかなぁ…」


ミリアは青年に助けてくれた御礼を渡したかったが今のミリア達にとっても旅の資金は貴重なものなので迷ってしまう。

そんなミリアを尻目に青年はスタスタと歩いていきとある建物の前で立ち止まる。
そこはミリアとウルスラが宿泊しているボロボロの宿屋であった。


???「はい、着きましたよ」

ミリア「へ…? ここ、確かに私たちが泊まっている宿屋だけど……な、なんでここに宿泊してるって知っているの!?」

???「そりゃあこんな小さな新興国なら外から来た旅人の情報なんてすぐ入ってきますからね」

ミリア「じょ、情報って……」

ミリア(そういえば、さっきウルスラが言ってたような……もしかして)

ミリア「あなたが……噂の情報屋さん?」




ウルスラ「申し訳ございません、先ほどは"お嬢様"がご迷惑をお掛けしていたようで…」

情報屋「いえいえ、困ったときはお互い様ということですから。それにわざわざお昼の食事まで奢ってもらえるなんて思いませんでしたよ」ニコニコ

ウルスラ「お嬢様をお助け頂いたのです、本来ならこれでも足りないくらいなんですけどね…」チラッ

ミリア「あうう……ま、まだ足が痺れる…」シビビビ


あの後、宿に戻るや否やミリアが居なくなった事に気づいたウルスラと鉢合わせしてしまい結局ミリアはウルスラに正座でお説教をくらわせられた。

その際に件の情報屋に助けられたことをミリアが自白してその御礼にと三人は街角の食事処でお昼を食べることになった。

ちなみにウルスラとミリアは事前に身分を紹介することになったら、【外の大陸の貴族のお嬢様とその従者】という設定で話す事に決めていた。


ウルスラ「それに私たちとしてお食事の為だけに貴方様をお誘いした訳ではありません」

情報屋「ほう…情報屋のあっしに交渉とは、いったいどんな情報をご所望で?」


情報屋の男が眼を細めてこちらを品定めするような瞳で見てくる。
ここから先は商談の話という事もあり二人の間に若干張り詰めた空気が流れる、しかしそんな事もお構い無しにミリアはその場に削ぐ和ぬ和やかなトーンで話しかける。


ミリア「そういえばさ、情報屋さんって名前はなんなの?」

情報屋「あっしの名前ですか?」

ミリア「うん、わざわざ情報屋さんって何度も呼ぶのも変な感じがするし……」

ウルスラ「それは確かにそうですね…」

情報屋「ふむ、街中で連呼されて目立つのもあれですし……しかしどうしたものですかね。情報屋のあっしにとっては自分の名前も商売道具の一つあまり人には教えたくないのですが………あぁそうだ」ポンッ

情報屋「なんなら貴女たちの好きなように読んでもらって構いませんよ、それをあっしの仮の名前にしましょう」

ミリア「えっ、そんなのでいいの?」

情報屋「あっしは一向に構いませんよ」ニコ-

ミリア「……変な名前にしても怒らない?」ゴクリッ

情報屋「変な名前にするつもりがあるんですかい」


ミリアと情報屋のやりとりに今度はとぼけた空気が流れ始め、ウルスラは頭を抱えながらため息をついた。



情報屋のことを何て名前で呼ぶか。
↓1~3で一番コンマの高い名前。


ミリア「ボナペティ…ならあなたの事はボナペティって呼ぶことにするわ!」

ウルスラ「ぼ、ボナ…?お嬢様……それは本当に人名なのですか?」

ミリア「さぁ?とりあえず思い付いたのを言ってみただけなんだけど…」

情報屋「ぷっ……あはは!お嬢さんは面白い娘だねぇ!」

ウルスラ「も、申し訳ありません…!気を悪くさせたのなら謝りますのでご勘弁を…!!」ハラハラ

情報屋→ボナペティ「いいよ、面白い子は好きなんだ。ひとまず俺の事はボナペティと呼んでくれ!」

ミリア「うん!よろしくね、ボナペティ!」

ウルスラ「……ほっ」


ボナペティ「……さて、それじゃあそろそろ本題に移りますか」

ボナペティ「貴女方はいったい何の情報をあっしにお求め何ですかい?頂く報酬はその時その場その情報次第で変わりますので先に聞きますよ」

ウルスラ「……私たちはこれから聖河教連に向かうつもりでした、しかし調べてみると入国するのには紹介状が必要だと聞いたのですがどうすれば手に入るのでしょうか?」

ボナペティ「ふむふむ、聖河教連ですか……確かにあそこは他国の介入をやたらと嫌う国ですからねぇ。まぁ外の大陸の【神聖国】のお膝元ですから分からなくもないですが…」

ボナペティ「確かにあそこへ行くのなら紹介状、正式には入国許可証が必要ですね。そしてそれは聖河教連に認められた極一部の人間にしか発行されていないと聞きます」

ボナペティ「しかも今はラジル帝国が派手にドンパチしてる最中です、正直に言って正規のルートでの入手は限りなく難しいでしょうね」

ミリア「って事は聖河教連に入国することはとても難しいってことなの…?」

ボナペティ「不法入国なんてしようものなら最悪、処刑もありえますね」


ミリアは盛大に肩を落とすが情報屋は気にせず話を続ける。


ボナペティ「しかし裏を返せば入国許可証さえあればすんなりと入国できる筈ですよ」

ウルスラ「しかし正規ルートでの入手は厳しいのでは?」



ボナペティ「……実はこの街に、たった一人だけ聖河教連への入国許可証を所持している人がいます」



ウルスラ「このような街に……あの宗教国家に入れる者がいるのですか!?」

ウルスラ(王国の人間でさえ聖河教連へ入国できる者はいないというのに…)


ミリア「つまりその人から許可証を譲ってもらうか、借りれば良いってことね」

ボナペティ「もしくはくすねたり強奪したりするかですね」

ウルスラ「その方法は……あまり取りたくありませんね…」


ウルスラ(流石に力ずくで取り上げるとなると悪目立ちが過ぎますし、出来れば穏便な手段で許可証を手に入れられると良いのですが)

ウルスラ「して…その人物とはいったいどなたなのでしょうか?」



ボナペティ「この国を牛耳る王様【オーナー】と呼ばれる男だよ」


マーラ国の王、オーナーと呼ばれる男(悪役)
↓1から↓3の間で募集

【名前】
【性別】男性で固定
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足や生い立ち

【名前】ダーンコ
【性別】男性
【年齢】43
【見た目】恰幅の良い、常に人の良さそうな笑顔を絶やさない中年男性。頭はやや禿げかかっており常に身なりの良いスーツ姿
【性格】礼儀正しく物腰柔らかだが、その実は女を牝奴隷や孕み袋、商品としか思っていない外道
【その他】マーラ国を治めるオーナー。国のありとあらゆる店に網を張り巡らせている。
常に部下達に良い女の情報を集めさせており、狙った獲物はじわじわと追い詰めて確実に堕とす。
規格外の巨根と絶倫の精力、そして女を堕とすあらゆる術をマスターしている
しかし彼の調教を受けた女はそのほとんどが耐えられずに壊れて孕み袋になってしまうために普段は調教を部下に任せている
だが余程気に入った女はそのリスクを度外視してでも自らの手で調教し手元に置こうとする

間が開いてしまってすみません。
敵役の安価は>>439でいかせて頂きます。

それと今日は15~16時の間ぐらいから再開致します。



????「ふむ、それでアナタ達はみすみす上玉の商品を逃してしまったという訳ですか」

悪漢a「す、すみません……ダーンコ様、思わぬ邪魔が入りまして…」


屋敷の広間にてミリアを誘拐しようとした男達が跪いている。男達の前には物腰の柔らかそうなスーツの男性がいた。


彼の名はダーンコ。
このマーラ国の王とも呼べる存在、通称【オーナー】と呼ばれる男だ。


ダーンコ「まぁ元よりアナタ達にはそこまで期待はしてないですがねぇ。しかし契約を守れないようなら……今なら穴を欲しがってるお客様もいますし、そちらに回してもワタシは構いませんがねぇ」

悪漢b「ひっ…!!そ、それだけはご勘弁を!!」

ダーンコ「なら分かりますよね?処女というものは貴重なものでしてねぇ、"使い回し"は出来なくもないですがやはりお客様は新鮮なものを常にご所望しているわけですよ」

ダーンコ「その上玉2名がこの国を出る前にとっとと連れてくるのです。分かりましたね…?」

悪漢c「は、はいぃぃぃ!!失礼しました!!」


昼間にミリアを襲った悪漢達は何故かお尻を抑えながら逃げるように屋敷から出ていく。

残った恰幅の良い男は廊下の隅にある花瓶の裏……そこにある小さな穴から部屋を覗き見る。



部屋の中には大きなベッドが二つほど並べられており、燭台の微かな光がお香の煙を怪しく照し映していた。

そしてベッドの上にはそれぞれ二組の男女がいる。

年端も行かない未成熟な体つきの女の子は男に組み敷かれており、もう片方は逆に成熟した大人の女性で肉体の火照りが収まらぬ様相であった。


少女『い、いやぁ!!やめて…やめてください!!』

男1『ぐへへ…そうはいかんよ嬢ちゃん、君にはたかーいお金を払っているからね、ほぉら……これが君の初めてを奪うちんぽですよぉー?』

少女『ヒッ!!?い、いや…お願いします!!それだけは…それ以外なら何でもしますから!!許してくださ…あ"っ』ビクッ

男1『それじゃあ……若い生娘の初物まんこ、頂き……ますッ!!!』ズンッ


ぶちぃッ


少女『あがっ!!?ぎ、ひぃいいいいッ!!い"ッいたい!!お股、おまた裂けちゃうゥゥゥ!?!!!』

男1『おほぉ!やはり処女は悲鳴を聞きながら散らすのが良いね良いねぇ!!』グチャッグチャッ




男2『やれやれ、品のない方達だ…貴女はあんな獣達とは違いますよね?』

女性『はい……私めのご準備は出来ておられます、どうか…貴方様のおちんちんで、私の処女を散らしてください…♥』クパァ

男2『ふふ、では行きますよ…!!』ググッ


ぐにゅ……ぶつんっ


女性『い"ッ…!?…ふ、ぅううううんんんッ♥』ビクビクンッ

男2『はは……素晴らしい!!この膜を破る感覚!処女なのは確かなのにこの乱れ様!花散館の調教は最高だ!!これでは財布のヒモも緩むというものだよ…!!』ズンッズンッ

女性『は、はいぃぃ…!私は、処女膜を破られて感じる変態なんですぅ♥だ、だからお願い…もっと、もっと突いてぇ~!!!』


二つのベッドのシーツの上にぱたぱたと破瓜の鮮血が滴り落ちていく。
苦痛と快楽の二重奏が部屋中に奏でられていき、彼女らの声の音色が止むのにはまだまだ時間がかかりそうであった。


ダーンコ(ふむ、彼女は念入りに調教したからねぇ。破瓜の痛みをも快楽にすり代わっているみたいだ……彼女は長持ちするだろう)

ダーンコ(そしてあちらの少女はあえて軽めの調教しかさせていないのが功を奏したみたいだ、お客様も大変喜ばれておられる。しかし……おそらく数度使い回したら壊れるでしょうねぇ、残念残念)


部屋の様子を伺った後、ダーンコは覗き穴から離れて今後のビジネスについて思索にふける。


ダーンコ(最近は処女の流通も少ないので何とか変化を付けたいですねぇ、彼らがキチンと仕事をしてくれるのであれば助かるのですが…)

ダーンコ(人は欲に流されやすい生き物だ…それが一生に一度しか手に入らないものとなると目の色を変えて食いついてくる……くくっ)

ダーンコ(とはいえ"処女の使い回し"は商品の寿命を短くしてしまう……帝国の戦争が終わればまた流通ルートが開拓できるだろう)


ダーンコ(とりあえずは目先の商品……金髪の二つ結びの少女、黒髪のポニーテールの女。どちらかは仕入れておかないといけませんねぇ)ニタリッ


目先の利益に思わずダーンコは人の良さそうな笑みを崩し、欲にまみれた邪悪な笑みを浮かべるのだった。




ミリア「……はぁ」

ウルスラ「大丈夫ですか、ミリア様?」

ミリア「うん平気、でも参ったなぁ。肝心のオーナー……ダーンコさんだっけ?会える方法が無さそうなのは困ったね」

ウルスラ「そう、ですね…」


ミリア達はボナペティとの昼食を終えた後、部屋に戻っていた。
ボナペティからこの国の【オーナー】ダーンコについて教えてもらった、しかし多忙を極める彼は人前には滅多に姿を現す事は滅多に無いらしい。

そしてウルスラはミリアには内緒でボナペティにダーンコ自身についても情報を聞いていた。
そこには口に出すのもおぞましき彼の悪行を聞かされたのだった。


ウルスラ(奴隷商からの買い取りだけでなく、自らも女性の旅行者や冒険者を拉致して娼館にして労働させるだと…?)

ウルスラ(外道が…!!!)ギリッ

ミリア「けどボナペティさんが色々とオーナーと接触する方法を調べてくれるみたいで助かったね」


あの後、ミリア達はボナペティに情報料として城から持ち出した僅かな金品を差し出そうとしたがボナペティは断ったようだ。



ボナペティ『初回はサービスという事で今日のお昼ご飯代だけで結構ですよ、ただし次からは情報に応じた報酬を頂きますがね』

ボナペティ『一応こちらでもダーンコ氏と接触できないか調べてみますんで、その時はよろしくお願いしますよ?』



ウルスラ「ええ、何か進展があればこちらに来てくれるみたいですね…」

ウルスラ(しかし私たちの事情にあまり他者を介入させるのは望ましいことではないですよね……やはり待っているだけでなく私も調べてみた方が良いのだろうか?)


もうじき夜の帳が降り、この国が活発になる時間がやって来る。
先日は下層の方で情報を集めていたがより上の階層で調べた方が良いのかもしれない。

しかしミリアを置いて外出するのはまたミリアが独断行動に移る可能性もあるという懸念もある。


この後のウルスラの行動を決めます。
↓1から先に3票入ったルートに入ります。

① 中層に行きダーンコの情報を集めに行く(ウルスラ捕縛ルート)
② 大人しく宿屋でボナペティを待つ(ミリア捕縛ルート)

20時ぐらいに再開します。

今回の更新でまた重要な二択を選んで頂く事になりますのでご了承ください。(あと前回のルート選択で385で言っていた選択を迫られるのがミリアの予定からウルスラに変更になりました)

再開していきますー。


ウルスラが迷っているとミリアから提案が出る。


ミリア「ねぇウルスラ、今日はあまり外に出ない方が良いんじゃないかな?」

ウルスラ「え?」

ミリア「上の階層に行くつもりなんだよね?でもさっきは私が襲われたからあそこは夜になったらきっともっと危ない所になるんでしょ?」

ミリア「そんな所にウルスラを一人で行かせるのはやっぱり駄目!ウルスラがそれでも行くっていうなら私も付き合うからね!……それが嫌なら今日のところは大人しくボナペティさんを待とう?」

ウルスラ「……ミリア様」


人の上に立つ身であられながら気がつけば臣下の心配や気遣いをしたり。
つくづくこのお姫様は王族らしくないと、いけないと思いつつもそう思う他無かった。

騎士としては失格なのかもしれない、それでもウルスラはミリアの優しさに触れられるを嬉しく思った。


ウルスラ「……そうですね、少しは息抜きをしないと普段通りの動きができないぞ!ってクロウス先輩も言ってました」


ミリア「ウルスラがにやけてる!クロウスの話になるとウルスラは分かりやすいわねー」

ウルスラ「ふぇっ!?ち、違いますよ!?///私はただ先輩の言っていた通りだなって考えてただけで……!」

ミリア「またまたぁ~、ウルスラって自分では気づいてないと思うけどクロウスと喋るときはいっつも目ぇキラキラしてるし頬っぺたも赤くなってよー?」ニヤニヤ

ウルスラ「あぁもう!からかわないでくださいミリア様!!///」

ミリア「えっへへーごめんごめん!」


きっとミリア自身も本当は不安で一杯なのだろう。
それでもそんな不安を表に出さないで明るく勤めようとするこのお姫様の側にいて護ることがウルスラにとって騎士としての誓いなのだ。


ウルスラ(そんな事も忘れかけていたなんて……やっぱり私はまだまだ未熟者ですね)

ミリア「……あっ、そういえばここにもう少しだけ滞在したいって事を宿の人に伝えなきゃいけないね」

ウルスラ「そうですね……ならば私から今伝えにいきましょう。後でまとめて宿泊費を払うことも言わなくてはいけませんね」

ミリア「うん、よろしくね!」


ウルスラは宿屋の主人に宿泊の期間を少し延長するように伝えに行った。

部屋に残されたミリアはおんぼろのベッドに横たわりながら家族や臣下達はどうしているのかと考えていく。


ミリア(お父様やお母様は無事なのかな……それにお姉さまは今は何処にいるんだろう…?)

ミリア(お姉さまにはクロウスが付いているからきっと大丈夫だよね…?城のメイドや大臣達もきっと無事だよね?)


一人になった途端不安がぐるぐると頭の中でループしていく、純粋で活発なミリアと言えども一人の女の子に過ぎない。

本来なら両親やフローリアにべったり甘えている彼女も王族としての義務感から無理やり自分を奮い立たせているだけだ。




ガラッ


ミリア(大丈夫……大丈夫よ、きっと聖河にいけば、お姉さまもきっと居る…)

 
そしてミリアは気がつかなかった。


悪漢a「………へへへ」


目を閉じて考え事をしている間に窓から入ってきた侵入者の存在に………。




ウルスラ(ふぅ、すぐに終わると思ってましたが中々解放されませんでした…)


ウルスラは宿屋の主人に宿泊の延長を申し出たのだが、宿屋の主人は他の客の予約がどうだの本当に払えるのかだと難癖をつけてきて思わぬ時間を食ってしまった。

結局金さえ払ってもらえるのならと承諾し、ウルスラは自分達の部屋に戻る。

そして宿泊部屋のドアを開けると部屋には先程まで笑いながら語り合った守るべき存在、ミリアの姿はどこにもいなかった。


ウルスラ「なっ!?み、ミリア様!?何処に居られるのですか!?ミリア様!!」


部屋の中の荷物などは無くなっておらず、部屋の中も特に荒れた様子はなかった。

しかしミリアが寝転がっていたシーツが少ししわくちゃになっていた事。
先程まで開いていなかった窓が開いておりカーテンが風で揺らめいてる事。

そして昼間にミリアが悪漢達に襲われていた事。

これらの要因からウルスラは昼間ミリアを襲った男たちがミリアを誘拐したのではと判断した。


ウルスラ(くそっ!しくじりました…!ついさっき側にて護る事を決めたばかりなのに…!!)

ウルスラ(それにしても私が下に降りてから上がってくるまでの間に連れ去ったのなら余りにも手際が良すぎる!!私たちの居場所を知っているのもおかしい…)


ウルスラはまた考え込みそうになったが今はそれどころじゃないと、剣とローブを装備して宿の外へと出る。

街には夜の時間がやってきたぞと鐘楼の音が響いた。


ウルスラ(賊がどれだけの人数居るのかは知りませんがそこまで遠くへは行ってはいないはず……直ぐに見つけ出さなければ…!!!)

ボナペティ「おっと……!?どうなされたんですか、そんなに急いで」

ウルスラ「……っ、ボナペティ殿…!」


ウルスラ(そういえばボナペティ殿は私たちの宿泊場所を知っている……もしや!!)


ウルスラは即座に剣を抜きボナペティの首に刃を当てる。
少しでも動けばボナペティの頸動脈から血飛沫が飛ぶだろう。


ボナペティ「わわっ、ホントにどうしたんですか!?」

ウルスラ「単刀直入に聞く!!昼間の悪漢に私たちの宿泊場所の情報を売ったのは貴殿か!?」

ボナペティ「昼間の……?」


ボナペティは何かを察したのか少し考えたのちに口を開いた。


ボナペティ「それはあっしじゃありませんよ、無論証拠はありませんから信じてくれとしか言えませんが…」

ウルスラ「……そうか、すまない。焦りすぎてたみたいだ…」

ボナペティ「その感じだとお嬢様の方に何かあったようですが何が起きたんですか?」

ウルスラ「……実は」


剣を納めたウルスラは一人だと探しきれないと判断し、ボナペティに先程までの経緯を話した。

するとボナペティは顎に口を当てながら何故ウルスラ達の場所が漏れたのか答えを言う。


ボナペティ「おそらく貴女方の居場所を漏らしたのは宿屋の主人でしょうね」

ウルスラ「なっ…!?」

ボナペティ「この街は一見して殆どの店がバラバラに営業しているように見えて裏ではオーナー主導の元に外から来た人間の情報を掴むために網が張り巡らされているのでしょう」

ボナペティ「金品か女かは知りませんが…それと引き換えに宿屋の主人は貴女たちの情報を売ったのでしょうね」

ウルスラ「……まさか、不必要に私に絡んで来てたのも誘拐までの時間を稼ぐため…?」


ウルスラは自分達が知らぬ間に蜘蛛の糸で絡め捕られていた事実に戦慄が走る。

認識が甘かったのだ。国の当主だけでなく、このマーラ国の国民の殆どが犯罪を容認しているグルだという事にようやく気がついた。

青冷めた表情を浮かべながらウルスラは覚束無い足取りで動き出す。


ウルスラ「は、早く……早く姫様を見つけなければ…!!」フラッ

ボナペティ「まぁ待ってください、闇雲に探した所で無駄に時間を浪費するだけですぜ」

ウルスラ「しかし一刻も早く見つけ出さなければ何をさせられるか…!!」

ボナペティ「あっしならアイツらが何処に行ったか分かりますよ」


ウルスラ「……!本当ですか!?」

ボナペティ「ええ、あの悪漢達がどこの誰に雇われているかは分かってますんで大体の目星は付きましたよ」

ウルスラ「ならその場所を…!!」

ボナペティ「ここでクエスチョン、あっしは情報を売ることを生業としている男です」

ボナペティ「そして貴女は今あっしの持っている情報を欲しがっています……ここまで言えば分かりますね?」


ボナペティは維持の悪そうな笑みを浮かべてウルスラに詰め寄る。
ウルスラもボナペティの意図に気付き、悔しそうな表情をした。


ウルスラ「……この状況で商談ですか、貴方は意外と卑怯な人だったのですね」

ボナペティ「何も不思議な話では無いでしょう?ビジネスと言うのはすべき時にしなければ直ぐに流れてしまうものですから」フッ

ウルスラ(……正直言ってこの先の事を考えるとお金が無くなるのは手痛いですが、ミリア様を救うためならば幾どのような犠牲でも構わない!!)ギュッ

ウルスラ「分かりました、いったい幾ら払えば良いのですか?」

ボナペティ「いえ、対価は金品じゃなくて結構ですよ……それ以外に欲しいものがございまして」

ウルスラ「お金意外に…?」

ボナペティ「ええ、あっしが貴方に求めるものはただ一つです……」スッ


身体と身体がくっつくぐらいの距離まで近づく、ウルスラからは見えなかったがその時のボナペティの表情は獲物を狙う鷹のように鋭い目付きであった。

ゆっくりとウルスラの耳にかかる髪をかき上げ、小さな声で囁く。








ボナペティ「貴女を抱かせてください…………ウルスラ様」



ウルスラ「ッ!!?!?」ザッ!!!


一瞬で距離を離し、一度は納めた剣に再び手をかける。
恐怖と動揺でウルスラの息は荒く手つきは震えている。


ウルスラ(馬鹿な…ッ!!この男はいったい何を言って……いや!そもそも私たちはこの男に本名は名乗っていない筈だ!?)


ボナペティ「若干17歳にしてミクトラム王国の姉妹姫の片割れ、ミリア姫の護衛騎士を務めることになった異例の天才剣士。その凛とした雰囲気と立ち振舞いに憧れる人は男女問わず多くいるとか…」

ウルスラ「貴方は……初めから知っていたのですね!私たちがミクトラムから逃げてきた姫と騎士だということに…!!」

ボナペティ「つい最近、ミクトラム王国がラジル帝国に敗れて占領された事は既に周辺諸国の耳に届いていますからねぇ。それと王族の情報なんかは目立つ分結構広く知れ渡っています」

ボナペティ「それらの判断材料があれば貴女方がミクトラムからの亡命者だという事は簡単に推理できるのですよ」

ウルスラ「……っ!だ、だとしても……!!情報の対価がなぜこの私をだっ、抱くという事になるのですか…!!///ふざけないでください!」

ボナペティ「言ったでしょう?貴女に憧れる人は多くいると、かく言う私もウルスラ様の事は気に入っておられましてね」ニコッ

ウルスラ「んなっ…!///」


ボナペティ「それにふざけてなんかもいませんよ、今貴女は大切な護るべき存在を見失っている状態です。このままですと貴女はミリア姫を見失ってしまい探すのも時間がかかるでしょうね」

ボナペティ「もし貴女が私の情報を買うのならばミリア姫を拉致した者の居場所。そこに到るまでの近道なんかも教えて上げますし、なんなら今後貴女がたに関する情報を誰にも売らない…というサービスも付けましょうか」

ボナペティ「さぁ決めてください、時間はあまり有りませんよ…?」

ウルスラ「…………っ!!!」


目の前の男の言うことに吐き気を感じる。
結局のところ人の弱味を握って自分の有利に進めようとしている所はこの街のクズな人間たちと変わりはない。

しかし言っている事は残酷なまでに真実だ。
適当に探し回っても今夜中に見つけられるほど小さな街ではない。

そして自分の第六感がこの誘いを断ればミリアがおぞましい目に会うだろうということを必死に伝えてくる。


………しかし、そんな彼女を迷わせる要素が一つだけあった。


ウルスラ(………クロウス、先輩…!)


仄かに抱き続けてきた恋心。凛として騎士になるための鍛練を続けてきた彼女を支えてくれた尊敬すべき上司兼師匠の存在。

時に厳しい訓練の前に折れそうになった事もある、しかしそんな彼女を勇気付けてくれた暖かい手のひらの熱を思い出す度に頑張ろう、褒められたい、側に居たいという気持ちも湧いてくる。

初めては好きな人に捧げたいという乙女チックな事も考えていた。


ウルスラ「わ、わたしは……」

そんな恋慕の情がここにきて大切な人を護るのに大きな足枷となってしまった。





──────[二度と戻らない分かれ道]──────


ウルスラはミリアを救い出す為に一人でマーラの街中を駆け回り探し出すか、ボナペティから情報を買って最短ルートでミリアを見つけるかの二択を迫られています。


情報を買わない場合、ミリアを見つけ出すのに朝まで時間が経ってしまい手遅れになってしまいます。見つけ出すあ間にミリアはダーンコの魔の手にかかり陵辱され処女を失ってしまいます。(陵辱えっち)


情報を買う場合はボナペティの宿泊先にてウルスラはボナペティに自らを売って処女を捧げてしまいますが、代わりにミリアの救出には間に合います。(NTRえっち)


そしてえっちシーンを見る方に選ばれてしまったキャラは今後、クロウス達と合流してもクロウスとのフラグが成立しなくなってしまいます。



ウルスラの決断を決めます。
本日の23時から15分間の間に自らを売るか、それとも単独で探すかを選んで頂きます。
どちらかの選択肢を書いていただいて多い方のルートへと進みます。

どちらを選ぶにせよ、ご協力して頂ければ幸いです。

今回は情報を買う2票、情報を買わない4票でダーンコによるミリアのわからせ陵辱調教(処女喪失)でいきたいと思います。


余談ですがフローリアとミリアは姉妹で仲も良いですが色々と逆なイメージで書いていて、繊細そうで精神面が意外と強いのがフローリア。
元気で明るいがそこまで実はメンタルが強くないのがミリアな感じにするつもりです。

要するにミリアのえっちシーンはこれから頑張って書きますので今回はここまでです。
それではまた。

お待たせしました。本日の18時頃にミリアの陵辱えっちシーンを投下します。

書きたいことを書いていたら過去最長の長さになってしまいました…申し訳ないです。

再開していきます。陵辱シーン投下後は少し間を開けるかもしれません。


ウルスラ「………っ、馬鹿に…しないでください…!!」


ウルスラは踵を返してボナペティに背を向ける。
それが商談には乗らないという彼女の答えであった。


ボナペティ「ありゃ……本当に良いんですか? どうなっても知りませんよ?」

ウルスラ「………貴方には関係ありません、姫様は必ず私が見つけ出します」


そのまま剣を握り、ウルスラはマーラの夜の闇へと消えていった。

震える声色だけで表情は伺えなかったが、彼女が内心では怒りと迷いの中で必死に絞り出した答えなのだけは理解した。


ボナペティ「……やれやれ、フラれてしまいましたか」

ボナペティ「どうなっても知りませんよ………本当に、どうなっても、ね」



ミリア「………んっ、く………」

ミリア(なに……ここ? 私は……さっきまで宿屋に居た筈じゃ…)

ミリア(………いや、違う…!そうだ、部屋で考え事をしていたらさっきの男たちが部屋に忍び込んで来て…何かを嗅がれたんだけど急に眠くなって…!)


目が覚めたミリアは周囲を見渡す。
石ブロックで出来た部屋の内壁に微かな燭台の灯りが部屋の中を照らしている。
出入口の扉と天井から垂らされているロープ以外は何も見当たらない。

そして自分が座り込んでる所は先程までの自分が寝転がっていた安宿のぼろベッドとは雲泥の差とも言えるほどの高級なダブルベッドの上であった。

そして灯りの奥の薄暗い闇の中から一人の男が現れる。


ダーンコ「おやおや、予想よりもお早いお目覚めでしたねぇ」

ミリア「あ、あなたはいったい誰……ふぅっ!?」ビクッ


ベッドから起きあがろうとしたミリアであったが全身に痺れるような感覚が走り思うように身体が動かなかった。


ダーンコ「無理はなさらない方が良い、貴女に嗅がせた睡眠薬には身体を麻痺させる効能も含まれているのです」

ダーンコ「申し遅れました、ワタシの名はダーンコ。このマーラ国でオーナーと呼ばれている者です」ペコリ

ミリア「あなたが…この国のオーナー…?」



まさかどうやって会うべきか悩んでいた男が目の前に現れるとは思ってもいなかった。
しかしこの状況からしてミリアはまともな話し合いができる様な状況では無さそうだという事には気づいている。

一見紳士的な笑いを浮かべているこのハゲかかっている男が近づいてくる。


ダーンコ「噂はかねがね聞いていたのですよ。この国に麗しい美女がお二人も来ていたという……ふっふっふ、実に美しい髪と身体をお持ちだ、これは期待できる」


ダーンコはベッドに上がってきてウルスラの髪をさらりと手のひらで愛でていく。
その姿にミリアはぞわりと生理的に悪寒が走り動かない身体で抵抗する。


ミリア「い、や…!近づかないで……!!」

ダーンコ「ふぅーむ、見た感じ15、6歳程度ながら健康的でとても良い肉付きをしておられる」

ミリア「や、やめて…気持ち悪いから!!離して…」


スパァンッ!!


ミリア「…ッあぁ!?」バタリ


突然頬をひっ叩かれ、なす統べなく再びベッドに倒れ込む。突然の出来事に何がなんだか分からずミリアは震えるしかなかった。
そしてダーンコは相変わらず優しげな笑みを崩さないまま叩いた手をハンカチで拭く。


ダーンコ「いけませんねぇ、これから商品になるものが口答えなんてね」

ミリア「しょ、しょうひん……?」

ダーンコ「そうです。ここはマーラの頂点にある花散館の鐘楼塔にある調教部屋……私の職場と言った所でしょうか」

ダーンコ「貴女はこれから私の娼館の娼婦としての訓練を受けるのです」

ミリア「ちょ、調教?…娼婦?」

ダーンコ「ふふ、ですがその前にまずは検品作業をしなくてはいけませんね?」

ミリア「い、いや!何をするの!?やめて!!」


ダーンコはミリアの衣服を無理やり脱がしにかかる。
当然ミリアは抵抗するが麻痺した身体ではぐねぐねと身体を捩る程度のことしかできなかった。

やがてダーンコは下着をも取り去りミリアの下半身がダーンコの目の前に露出される。


ミリア「やぁっ……///は、恥ずかしい…!!///」

ダーンコ「ふふ、売り場に出す前にまずは処女膜の確認をしなくてはいけませんからねぇ」


ダーンコはミリアの汚れ一つ無い秘裂に人差し指をかける。
しかしぴっちりと閉じられた入り口は侵入者を拒むように入りづらくなっている。仕方なくダーンコは秘裂をなぞるようにして刺激を与えるがミリアはくすぐったそうな声を上げる。


ダーンコ(ふぅーむ……この感じは…?)

ミリア「はひっ…ひゃ!う、うう~…こんなことをして何になるって言うのよ…///」

ダーンコ「……一つお尋ねしますが、貴女はここを一人で弄った経験はお有りですか?」

ミリア「な、なんでおしっこの出る所を弄らなくちゃいけないのよ…!そりゃお風呂に入った時とかは洗ってるけど…」

ダーンコ(……こ、この小娘、もしや……)ごくりっ


脳裏によぎった可能性にダーンコは思わず生唾を飲み込む。


ダーンコ「もしやお嬢さん……性交をご存知では無いのですか?」

ミリア「せ、成功…?な、何がなんだか分かんないけど離しなさいよー!///」

ダーンコ(や、やはり…!?こやつ既に初潮を終えていても可笑しくない年頃なのに、性知識というものを何も知らないのか!?)


ミリアもまたフローリア同様、王に過保護なまでに大切に育てられてきた。

そしてその弊害として彼女もまた性行為及びそれらにおける性知識というものを全く備えておらず、実際いまこうしてダーンコに行われている愛撫さえその意味や意図が全く解らないでいる。


ダーンコ(これは何という僥倖……!!この娘を上手く調教すれば今までで最高額の売値に……いや、違う…)

ダーンコ(このような激レア中の激レアの生娘……ワタシ自身で教育したい…!!この娘の初めてをワタシ自身の手で散らしたくなってきおったわ!!)スゥッ

ミリア(……っ?やめて、くれた…?)


ダーンコはミリアから退くと部屋の一角に垂らされているロープに手をかける。
そして掴んだロープを勢いよく引いた。

その瞬間、部屋の中に夜の合図を知らせるこの街の鐘の音が響く。







きゅんッ♥

ミリア「ーー~~~ふぁっ♥!?」ビクンッ


鐘の音を聞いた瞬間、ミリアの下腹部に感じたことの無い疼きが走った。



ミリア(な、なに今の……っ、お腹の奥が……切なくなるような…)

ダーンコ「この部屋は鐘楼塔の鐘が吊り下げられてる場所の丁度真下に造られておりましてね、この引き綱は引っ張ると塔の天辺にある鐘が鳴るようになっているのですよ」クイッ


ゴオォーーーンッ…


ミリア「ひっ…!あ、は、あぁ?!あっ♥」ビクッ

ミリア(な、なんで…?ただ鐘の音を聞いただけなのに……身体が…熱いよ…!///)

ダーンコ「この鐘楼には不思議な力が込められていましてね……この鐘の音を聞いた者は己の意思とは関係なく性欲による発情を促されるのです、まぁ貴女は理解できないでしょうが」




────神器【魔淫の鐘楼】


その鐘の音を聞いた者は強制的に性欲を増幅させられる。
非常にシンプルな効果だが、至近距離で聴いてしまうと脳から発せられる強烈な快楽信号によりどんなに強靭な精神力を持つ者でもその場で身悶えてしまうといわれる。

ダーンコはこの鐘の力を利用してなるべく音が広く届く山の上にこの鐘楼を設置し、誰に気づかれる事もなく街全体に淫らになる呪いをかけ続けていた。

そうすることでマーラという国全体が売春や娼館といった商いを国全体に行き届かせていったのだ。


しかし、ダーンコ自身はこの鐘自体が【神器】という非常に希少な物体である事は理解していない…。


ダーンコ「とはいえ効果範囲はあまり広くはなくてね。街の下に行けば行くほど効力は落ちていきますが、この調教部屋は最も鐘に近い場所ゆえに最高の効力を得られるのです」クチュッ

ミリア「あっ…!///や、っ……こ、これ……私、お漏らし、しちゃってるの…?///」ビクッ


ダーンコの指先が再びミリアの秘裂をなぞる。すると先程まではぴっちりと閉じられていたヴァギナへの入り口が緩んでいき、少しずつ愛液が滲み出てくる。

性知識の乏しいミリアにはその潤滑液の正体が分からずおしっこをお漏らしをしてしまったと勘違いをする。

羞恥心で真っ赤に染まったミリアにダーンコは興奮を半ば隠しながらミリアの秘裂にぼこぼことした指をゆっくりと出し入れしていく。


ちゅぷっ ぬぷっ にゅぷっ…
 にゅるっ ちゅぷっ くちゅっ


ダーンコ「何も恥ずかしがることはありません、これはおしっこなどでは無く肉体の防衛反応の一種です」

ミリア「あ、うう…ひうっ!そ、そう……なの…?あっ、やっ、はぁ…///」

ダーンコ「ええ、そうですとも。少しでも濡らしておかないと大変なことになりますからねぇ、はむっ」

ミリア「ひぃっ!?や、やだ汚い!!やめてぇ!!」

ダーンコ「ふふふ、何とも掴み応えのある大きな乳房でしょう…こちらでもそうとう楽しめそうですね、れろっレロレロッ、ちゅっちゅぱちゅぱっ!」


イボついたダーンコの両手がミリアの豊かな乳房を揉みし抱く、年齢の割りに発育が良く、揉み心地のあるミリアの大きな双丘は弄ばれながら形を変えていく。

そしてぷっくりと自己主張を始めた乳首はダーンコの舌先で転がされ、加えられ、時に甘噛みをしたりとすき放題に蹂躙されていく。



しかし拒絶の言葉とは裏腹にミリアの肢体は徐々に熱を帯びていき、秘裂から滲み出ていた愛液は今や股からお尻にかけてびしょびしょに濡れそぼっていた。


ミリア「ぐすっ…!あうっ…!やっ、だめっ……あんっ!こ、これ……変だよぉ///なんで…なんでこんなに……!あっ、ちくびっ…すごっ…♥あ、はぁあっ!///」ビクッビクンッ

ダーンコ「ちゅるぢゅるっちゅぱっ!れろれろ、じゅるるるッ……ふふふ、どうやらこちらも準備万端……といった所でしょう」クチュッ

ミリア「あっ…はぁ、はぁ…!」

ダーンコ「本来であれば商品として貴女の処女はとっておく予定でしたが…興に乗りました。貴女の処女はこのワタシが貰いましょうか」ヌギッ

ミリア「……ひっ!?」ゾッ


ダーンコのペニスは巨根であった。それを見たミリアは思わず後退りをしようとするが身体の麻痺はまだ抜けていなかった。

ミリアからすればペニスなどただ男性のくっ付いていて老体内の老廃物を排出する器官という認識しかなく、困惑と未知の恐怖に目を背けた。

しかしそんなミリアの髪を鷲掴み、ダーンコはミリアの顔の前に臭うペニスを見せつける。


ダーンコ「よく見なさい!!これが今から貴方の処女を奪うペニスです!!」ブルンッ

ミリア「ひゃうっ!?そ、そんなこと言われても…それに、私の処女を奪うって…私そんなもの持ってない…!」

ダーンコ「ふっふっふ、なら私が教えてあげましょう…」


ダーンコはミリアを押し倒し、身体を足と足の間に入れる。
そして露出したペニスをミリアの秘裂にあてがい……。


ダーンコ「これが処女を奪うという事です!!」グッ



ずにゅにゅ、にゅぶぷっ………ブチィッ!!




ミリア「…イ"っ!?ひ、ひぎィィイイイイっ!!?!?」


ミリアは何も知らぬまま、人生で一度きりのヴァージンを中年のハゲかかった男に散らされてしまった。


ミリア(痛い!!痛い痛い痛い!!!なんで!?なんでおちんちんを私の中に入れたの!?こ、これ……凄く痛いよぉおおお!?)

ダーンコ「ぐひっ!ふふふっ……何も知らぬ乙女の処女を散らすのはかくも快感ですねぇ…!!ワタシの巨根を喰いちぎらんとばかりに締め付けて来ますよ!!」

ミリア「なんで……こんな事に…なんでぇ……」グスッ


いままで感じたことの無い苦痛に顔をしかめながら泣きじゃくるミリアにダーンコは顔を寄せる。


ダーンコ「そろそろ教えて差し上げましょうか……これはセックスというものですよ」

ミリア「せっ………くすぅ…?」

ダーンコ「男のちんこを女のまんこに入れて出し入れする行為ですよ、そうやってお互いに昂り合い快楽を得ることができる素晴らしい行いなのです」

ミリア「こ、こんな痛いの…素晴らしくも何ともないわよぉ…!!」

ダーンコ「それは仕方ありませんよ、初めてのセックスというものは女性側にとっては非常に痛みを伴いますからね……ふんっ!」ズンッ

ミリア「ひぎっ!?ひ、ひぎゃあぁぁ!!」


ダーンコは痛がるミリアを尻目に容赦なく抽挿を始めていく。
あまりの激痛にミリア目を見開き、舌を突き出す。呼吸をするのも困難な激しい前後運動を受け息も絶え絶えの様子であった。

そんなミリアを嘲笑うかのように、ダーンコは脂ぎった唇と舌で初めての口づけすらも奪っていく。


ミリア「んぢゅっ!!?///らめっ!んにゅ!!じゅっちゅぷっ!れろちゅる!ぷはっ!あっ!!だめっ///んちゅっちゅっちゅっ、じゅるっ!」

ダーンコ「れろれろっ、ぐちゅるっ、ちゅっ!ぢゅっ…!!ぐふふ…!!素晴らしい……この舌も、乳房も…まんこの具合もとても良い…!!」

ミリア「ぢゅるぢゅちゅっ!ちゅぱっ!はぁ…!!///いや、キス…いやぁ!あかちゃん、赤ちゃんきちゃうからぁ…!!///」

ダーンコ「ぐふふ…もしや貴女、キスをすれば赤ん坊が出来るだなんて思ってないでしょうねぇ?」


ミリア「はぁ…はぁ……えっ?だ、だって……男の人と女の人が口づけをすると、コウノトリが連れてきてくれるって…」

ダーンコ「ふふ、ふははははは!!!」



ずんっ!! ぐちゃっ! ぐちゃっ!!
 じゅぷっ! じゅぷっ! じゅぷっ! じゅぷっ!



ミリア「いぎゃいいっ!?や、やめれぇえ!おくっ、つかないれぇぇえ!?」

 
激しい前後運動にミリアは悲鳴をあげる。
そして息を荒げながらもダーンコは高笑いをやめず、ミリアの胎内に灼熱の奔流を注ぐ。



びゅるっ!! びゅぷびゅくっ!!
 びゅるっ! びゅぷぷっ!! びゅるるっ!!



ミリア「ひ、ひぃ…熱っ!?あ"っ…な、中…なにか…ドクドクって出されてる…」


ずにゅりとミリアの秘裂からダーンコのペニスが抜かれていく。
どろりとした白濁液が破瓜の血と共に流れ出ており、茫然としたまま見つめる他なかった。




ミリア「う、うう~……!なんで、こんなことに…っ…ぐすっ」

ダーンコ「ご心配なさらずとも、キスをした程度では子どもなんて出来ませんよ」

ミリア「ぐすっ……え、ほ…ほんとに…?」

ダーンコ「勿論、そして無知なる貴女にはワタシが正しい性教育というものをしてあげますよ」クイッ


ゴォーーーンッ…

ミリア「あっ"!? へあっ♥」ビクッ


ゴォーーーーンッ…


ミリア「あっ、あっ♥ひぐっ♥も、もう…それ、やめてぇ…♥」ビクッビクンッ


ゴォーーーンッ
ゴォーーーーーンッ…


ミリア「かはっ♥ あ"っ♥い"っ♥ふぁあああァァァッ♥♥///」ビクビクッビクンッ


リズミカルに響く鐘楼の音と共にミリアの肢体も二度、三度と跳ねていく。
やがて一際大きな声と共に身体が跳ね上がると秘裂からぶしっと潮を吹きながら絶頂してしまう。


ミリア「あ、へ……はぁー…はぁー…♥」

ダーンコ「その感覚がイクという事ですよ、女性が赤ちゃんを作る為にはその感覚が重要なのです」

ミリア「い、イ…く……?わたし……イっちゃった……てこと…?」

ダーンコ「ええ……そして」


ずぷっ……じゅぷっにゅりゅっ!


ミリア「ん"ひぃーッ♥!?ま、また…おちんちんっ、入って…♥」


ダーンコはミリアの桃尻を掴むと後ろから再びペニスを挿入する、そして遠慮の無い激しいピストン運動でミリアの身体を容赦なく突き上げていく。



じゅぷっ! ずぷっ! ずぷっ! ずぷっ!
 ぱんっ!! ぱんっ!! ぱんっ!! ぱんっ!!


ミリア「お"ひっ!?///あ"っ♥あ"っ♥ い"っ!!にゃ、にゃんでぇ…?おちんちん、突かれて…さっきは、凄く痛かったのにぃ…///」



ぱんっ!!!



ミリア「あ "あ"あ"っ♥す、すご……これ、おちんちん♥すごいぃぃぃいいいっ♥」ギシッギシッ


鐘の力により性への目覚めを促され、激しさの中にも的確に女体の弱点を突くダーンコのペニスはミリアをどんどん快楽の渦へと堕としていった。


ダーンコ「赤子を作るのにはもう一つ必要なものがありましてね…!それは男の精液が必要になるのです!!」パンッパンッ

ミリア「い"ひっ♥あっ♥う"ぁっ♥せ、せー…えきぃ?///」ハァハァ

ダーンコ「男のおちんちんから出る白い体液ですよ、それを貴方のおまんこに注ぎ込む事で赤ん坊が出来るのです。まぁ既に貴方のおまんこにはたっぷりと注がせて貰いましたがね…」ニタァッ

ミリア「しろい……♥たい、えき……………………え?」


ここに来て初めて、ミリアは己がされてきた行為が赤ちゃんを作るための行為である事を知った。

そして先ほど、自分の身体の中に注がれた白い液体を思い出す。





取り返しのつかない行為をしてしまったと、ミリアは絶望の中で自覚した。



ミリア「い…イヤぁッ!!!抜いて!!おちんちん抜いてぇぇぇぇ!!!」ブンブン

ダーンコ「……ふんっ!」


ずちゅっ!!ずちゅんっ!!ずちゅっ!!ずちゅんっ!!
ぱぁんッ! ぱぁんッ! ぱぁんッ! ぱぁんッ!


ミリア「ひ、ぎゅうううぅッ♥!?にゃ、にゃんで……なんで、ぎもちいいのぉ♥」ヒクヒクッ


何度目かも分からない自問も直ぐに訪れる快楽の嵐に呑み込まれる。
最早ミリアの肉体はダーンコから与えられる快楽の虜になっていた。

そしてダーンコはミリアの二つ結びの綺麗な金のツインテールを掴み上体を無理やり上側へと起こさせる。

髪を引っ張られる痛みも、口から垂れるよだれすらも気にならなくなるほどの気持ち良さがミリアを支配していく。


ミリア「あぐっ!?いっ♥ぎひっ♥ぃぎ、ぃい♥」

ダーンコ「それは女体が子を孕む用に設計されているからです!!おなごはちんぽを挿入られると子どもを産みたくて仕方なくなるのです!!!」パンッパンッ!

ミリア「ひっ♥いぃッ♥ちがっ…!!わらひ…産みたくない♥おじさんの赤ちゃんッ♥欲しくないもん♥」

ダーンコ「そういう悪い口を言う娘にはお仕置きが必要ですねぇ!!」



ぱぢゅんっ!! ぱぢゅんっ!! ぱぢゅんっ!!
 ぐっぢゅっ ぐっぢゅっ ぐっぢゅっ ぐっぢゅっ!
 

じゅぽっ!じゅぽっ!じゅぽっ!じゅぽっ!
 ずちゅっ!ぐちゅっ!!ずちゅっ!ぐちゅっ!!


ミリア「あ"へぁァァァ♥♥ やだ、やらぁ♥おちんちんっ♥ぱんぱんしないれぇええ♥おしっこのあなに突かないれぇえええッ♥」ビクンッビクンッ

ダーンコ「おしっこの穴だなんて情緒の無い事は言わない!!ここはさっき、ワタシは何と言いましたか!?」

ミリア「は♥へぁ♥あっあ"っ♥…お、おまんこっ♥おまんこだめっ♥おちんちんからせーえき、おまんこに出さないでぇ♥」ビクビクッ

ダーンコ「ふふっ!ぐふふッ!!最高だ!何も知らぬ無知な少女に教え込むこの快感はたまりませんねぇ!まんこの締め付けも素晴らしい!!」パンッパンッ


淫らな言葉を言わされながら秘裂を突かれ続け、既に絶頂の波は何度も来ている。しかし激しさを増すペニスの抽挿に大きな波が押し寄せて来る事を感じていく。

ミリアにはもう快楽に狂う以外の道は存在していなかった。


ダーンコ「はぁ…!はぁ…!さぁイきますよッ!!思いっきりイってしまいなさいっ!!」



ぱぢゅんっ!! ぱぢゅんっ!! ぱぢゅんっ!!
 ぐっぢゅっ ぐっぢゅっ ぐっぢゅっ ぐっぢゅっ!
 

じゅぽっ!じゅぽっ!じゅぽっ!じゅぽっ!
 ずちゅっ!ぐちゅっ!!ずちゅっ!ぐちゅっ!!



ミリア「イっ♥あ"ンっ♥も、もうらめっ♥イグッ♥おまんこでイ"っちゃうッ♥♥だめっ♥しぬっ♥♥死んじゃうゥゥゥ♥♥♥」ビクビクッ


ミリア(助け…て……おとうさま、おかあ、さま…うるすら……くろうす…)

ミリア(ふろーりあ…お、ねぇ………ちゃん…♥)









どぷっ!!!ドピュびゅぴゅっ!!!どぷ…ドクンッ!!
びゅりびゅぷっ♥ びゅっ♥ びゅくっ♥ びゅぐんっ♥びゅぐんッ♥♥
ビューーーッ♥ びゅくんっ♥ ビューーーッ♥ビューーーッ♥♥♥


ミリア「お"ォっ♥♥お"ひぃイイイ♥♥///いぎゅッ♥♥おまんこッイぎゅウウウゥゥゥ~~~~~っっ♥♥♥♥」ビクビクッビクンッ!ビクンッビクンッ!!



秘裂とペニスの隙間から入りきらない精液が溢れ出てくる。
それほどの量を胎内に注がれたミリアはガクガクとお尻を跳ねながら連続で絶頂してしまう。


ダーンコ「ぐっ…!……ふぅ!」ビュルッビュッビュッ


十分に膣内射精を堪能したダーンコはペニスを引き抜くと余った精液を呆けたままのミリアの身体にぶっかけていく。


ミリア「あつ"っ…♥♥や、らぁ……せーえき、やらぁ…♥♥あかちゃんも…らめぇ…♥」ビクンッ…ビクンッ

ダーンコ「ぐふふ……気に入りましたよ貴女、このまま商品として出すのには惜しいですね」


ダーンコはベッドの下からケースを取り出していく。
中には様々な調教道具が入っており、どれから使おうかと色々と手に取っていく。


ダーンコ「決めました。貴女は暫くワタシの性奴隷になって頂きましょう」

ダーンコ「心配する必要はありません、子を孕んでしまったら産んで育てるぐらいは許可してあげますよ」

ダーンコ(まぁ飽きたら店に出せば良いだけの話です。処女膜も専門の回復魔術師に頼めば治せますしね……いや、待てよ。いっそ孕んだ後に膜を治して処女懐胎品として出品するのもありですねぇ…!!)

ミリア「あ……ふぁ……ぁ…♥」


下劣なことを考えながら調教道具を手に取りミリアの身体を起こしていく。
肉体の麻痺は幾分か治りかけていたが度重なる絶頂と快楽の支配により体を動かす体力は残されていなかった。

なによりもうミリアにはもうこの男に抗うほどの気力も精神力も無く、ただ自分の下腹部から流れ出ている精液を茫然と見つめながらずるずると引き摺られていく。


やがて次の調教が始まってしまうことを感じたミリアは、快楽を感じる以外の感情をシャットダウンする事にした。

次に目覚めた時に、誰かが助けに来てくれている事を信じて…。


ウルスラ「はぁ……!はぁ…!!」


螺旋状に渦巻く石階段を駆け上がっていく。
立ちはだかって来た兵士は全て斬り捨ててきた。

見通しが甘かったのだ。
片っ端から目撃していそうな人に話を聞いてみても誰もが邪険にしてしたり知らないの一点張りであった。

厄介事にはかかわり合いはしない、ましてやそれが【オーナー】主導の元であれば当然であった。
刃向かえば店ごと潰されたり、報復されるのを恐れているのだ。


結局うろついていた兵士を力尽くで脅してようやく居場所は突き止めたのだが、花散館に乗り込んでからも兵士との連戦に次ぐ連戦を切り抜けてきてようやくここまで来れた。


もう陽が昇るまで後わずかだ、余りにも……余りにもここまで辿り着くのに遅すぎた。


ウルスラ(あぁ…くそっ!くそぉ!こんな所で情報を集めようとした自分が愚かしい!!)

ウルスラ(ミリア様…!!ミリア様!!どうか!どうかご無事でいてください…!!!)


遂に塔の最上階へと到着する、重たい鉄の扉を力を入れてこじ開けていく。


ギイイィィィ…


ウルスラ「ミリアさ…!!!」

ダーンコ「むっ、むぅ…!?何奴じゃ…!?」

ウルスラ「…………ぁ、あああ…」


部屋の中に突撃したウルスラが目にしたのは………。










ミリア「かへ…♥ あ、へぇ……はぁ…♥あ…きもちいいの……きもちいいの…もっとぉ…♥」


全身を痛め付けられ、壁に張り付けられたまま股から大量の精液を滴り落としていき、壊れたように男のペニスをねだる主の姿であった。



ウルスラ(…………わたしの、せいだ。わたしがあの時にここに潜伏するって決めたカラ…)

ウルスラ(わたしが……あの時、あの男に抱かれていたら…もっと早くここまでコレタ…)

ウルスラ(わたしが………わたしが…全部……………)







ウルスラ「う"アアアアアアアアアアアアァァァァッッッッッ!!!!!!」ダッ


それは怒りの咆哮か、自己嫌悪からの悲鳴か。

石の床を蹴り砕く勢いで駆けていく、そして握り締めた剣を一切の迷い無くダーンコの腹を一太刀の元に切り裂いていった。


ダーンコ「グッヒギィッッッ!!?」ブシュッ

ウルスラ「ミリア様!!ミリア様!!!ミリアさまっ!!!!」ガチャガチャ


手足の拘束具を外すとミリアは力無くウルスラへとしなだれかかる。
依然として虚ろな表情を浮かべるミリアだったがウルスラの必死の呼び掛けに反応を見せる。


ミリア「は………ぇへ…♥うる……すらぁ…?」

ウルスラ「申し訳ありません!申し訳ありませんミリア様!!助けに来られずに…ごめんなさい!ごめんなさい!!」ダキッ

ミリア「えへへ………いいよぉ、そんなに謝らなくても……ちゃんと来てくれもん…」

ミリア「でも…………ごめんね、わたし…こんなにいっぱい………汚されちゃったぁ……♥」トローン

ウルスラ「っ!!!」ジワッ


主を助けられなかった悲しみと己のプライドのせいで救出が遅れてしまった悔しさにウルスラも涙ぐんでしまった。

しかし悲しみは時を止めてはくれない、一刻も早くこの国から出るべくウルスラはミリアに肩を貸して外へと出ようとする。


その背後に立ち上がろうとするダーンコの姿があった。


ダーンコ(ぐふぅ…よくもやってくれたなあの女剣士め……だがしかし、最後に笑うのはこのワタシなのだよ…!!)ユラッ


ダーンコは二人に気づかれぬように鐘楼の引き綱を掴もうとする。


ダーンコ(鐘さえ鳴らせば……あの女どもを纏めて快楽地獄に引きずり降ろしてやれる、この腹の傷の分は高く付きますよ…ぐふふふ!)

ダーンコ(チンコをぶち込むだけでは許しません!穴という穴を犯し尽くして5P、6P専用メニューに入れてくれるわ馬鹿が!)

ダーンコ(さぁ………おしまいです!!!)グイッ


ダーンコは力強く、引き綱を引っ張った。

…………しかし、鐘の音が響くことは無かった。



ダーンコ(…………は?)


何度も引き綱を引っ張るが音が鳴ることは無く、むしろいつも感じる重たいものを引っ張る手応えすら感じなかった。

混乱するダーンコだったがそうこうする間に二人は部屋から出ていってしまった。


ダーンコ「ば……馬鹿な…ありえん、ありえんぞこんな事は…!!!」フラッ


足取りもおぼつかぬまま二人の後を追おうとする。
しかし彼が部屋の外に出る前に、扉が開いていき誰かが入ってくる。

それは一人ではなく複数人であり、今まで彼の命令で捉えられていた商品……花散館で働かされていた娼婦達だった。


ダーンコ「お、お前たち…!?なぜ牢から出ているんだ…!?兵士は…兵士はどうした!?」

娼婦1「……兵士の方々は皆斬り倒されていましたよ、あの女の騎士様が全て薙ぎ払っておりました」

娼婦2「ついでにあたし達はなんかうさんくさそうな男が牢の鍵を開け放ってくれたのさ」

ダーンコ「き、斬りたお…!?」

ダーンコ(ま、まさかあの女剣士…あの数の兵士を一人で殺ったというのかっ!?)ブルッ

娼婦3「ええ、お陰でこうしてようやく貴方の所にようやく来れたわ…」ギロッ


ダーンコは周りを娼婦の女性に取り囲まれる。その目付きは快楽に溺れ男を誘うような色気のあるものではなく明らかに殺気が込められている視線であった。

そして娼婦達は一様にナイフやら棍棒に加え兵士から奪った槍や剣なども携えていた。


ダーンコ「ま、待て…!!お前たち!!いったい誰のお陰でこの国で生活できていたと思っているんだ!?」

娼婦1「この国で……生活?」ピクッ

娼婦2「きたねー男のチンコを毎日咥えて腰振って股から血ぃ流すのが生活だって言うのか!?」ダンッ

娼婦3「私やこの娘なんて……他の国から拉致されて連れて来られたのよ!?好きでこんな所に来たわけじゃない!!」

少女「……ぐすっ…」オドオド


ダーンコ(あ、ありえない…!ありえない!!あの方から、【あの方】から鐘と!この女を征服させる事のできる精力を授かったというのに…!!なんだこの状況はっ!?)ガタガタ

ダーンコ「ま、待て……話せば分かる…そ、そうだ!!もっと良い部屋も…飯も用意する!!金だって幾らでも出してやる!!だからワタシに近づくな!近づくでない!!!誰か!?助け………」











グワアァァァァァァァァァーーーー…!!!!!!!






ミリアとウルスラが館の外に出るとボナペティがひらひらと手を振って待っていた。


ボナペティ「やっ、何とか無事に救出できたみたいですね」

ウルスラ「………無事?どこがだッ!!」グイッ

ボナペティ「おっとっと…あっしのせいにしないでくださいよ!……あの時に商談に乗らなかったからこうなったんですからさ…」ボソッ

ウルスラ「……!」ビクッ


胸ぐらを掴みにかかったウルスラに対してボナペティはミリアに聞こえぬように小さな声で囁く。

主に聞かれたくはないだろう、とまるで圧をかけに行くように。


ウルスラ「…ッ………」パッ

ミリア「ねぇ…ウルスラ……どうかしたの…?」オドッ

ウルスラ「……なんでも、ありません…っ…」

ボナペティ「ところで……お二方にはコレが必要なんじゃないんですか?」ポンッ


ボナペティはウルスラの額に何かを当てる。
それは聖河教連への入国許可証であった。


ウルスラ「……っ!!これは…!?」

ボナペティ「先ほど娼館に入ったときにちょいとくすねて来ましてね、これがあれば聖河に入ることが出来るでしょう」

ウルスラ「……どういうつもりですか、まさかこの後に及んでまだ何かするつもりですか…!」

ボナペティ「お察しの通り、コイツを渡すのには条件があります」


あんな無茶苦茶な条件を出してくる相手だ、どんな事を言い出すか分かったもんじゃない。
せめてミリアにこれ以上の害が無いようにと後ろに下がらせ警戒する。


ボナペティ「そんなに身構える事じゃないですよ、聖河教連への道すがらあっしも一緒に連れていってくださいな」


ウルスラ「なっ…それが、条件ですか?」

ボナペティ「ええ、聖河にはまだあっしも踏み入れた事が無いんでね。この機会に行ってみたくなったんです」

ボナペティ「もし断ったら……この入国許可証は燃やすしかないのかもしれませんね、どの道力ずくで奪われそうですし…」


ボナペティは目の前で見せびらかすように入国許可証を掲げる。
どう答えればいいか悩むウルスラにミリアが声をかける。


ミリア「私は良いと思うよ?」

ウルスラ「なっ、ミリア様…!」

ミリア「ボナペティさんのお陰で道が拓けそうなんだよね…?だったら迷うことなんてないよ、それに……私たちだけじゃ、きっとこの先限界が来るよ…」


ミリアの言う通りであった、世間を知らぬ無知なお姫様と経験の乏しい未熟な若い騎士ではこの混沌とした世界を渡り歩くには世知辛いにも程がある。

現に今こうして姫を護るという騎士としての務めを果たすことができない体たらくを見せてしまった。


ウルスラ「………分かりました、その条件を…のみます」

ボナペティ「ありがとうございます!お話が分かる方で良かったですよ、姫様もありがとうございやす!」

ミリア「えっ…?あの、そういえば何で私の事を姫って知って…」

ボナペティ「それについては後で説明しますよ、街の下層部にあっしの名義で馬車を用意してます。それに乗って今はこの国を出ましょうか」

ウルスラ「……行きましょう、姫様」

ミリア「う、うん……」

ボナペティ「あっしはちょいと遅れて行きますんで先に行ってくだせぇ」


下層の街へと降りていく二人を見届ける。
やがて見えなくなった事を確認したボナペティは一つ大きなため息をついた。


ボナペティ「………で、状況はどうなってる?」

???「はっ、ご命令通り……塔の鐘は外に運び込んであります」

ボナペティ「鳴らさないようにすれよ、仲間同士で盛り合いたくなかったら…ね?」


ボナペティの雰囲気が一変する。先ほどまでのおどけた感じのテンションとは真逆の鋭く隙のない雰囲気を纏っていた。


???「全てご用意の方は整っております」










???「……レナード様」


ボナペティ→レナード「お務めご苦労さん」クシャッ


後ろに上げていた前髪を降ろした男の真の名はレナード。
ラジル帝国の四獅星【残影】の名をもつ男であった。


帝国間者「それで……ミリア姫はどうなされますか、今なら外にいる兵で囲めば捕らえる事はできますが…」

レナード「………うん、そうだな」

レナード「一先ずは………放置で良いんじゃないかな」

帝国間者「はっ!…………は?」キョトン


レナードの思いもよらぬ発言に部下は間の抜けた声をあげてしまった。


帝国間者「し、失礼ですがレナード様!アマティアス皇子殿下からはミクトラムの姉妹姫を捕らえる任務が出ておられますが…」

レナード「それはあくまで【神器】を持つ方でしょ?彼女はおそらく持っていない、なら泳がせておいた方が姉姫と合流するかもしれない」

帝国間者「それは……まぁ、確かに…」フムフム

レナード「だから早く行った行った、他の兵達にも彼女たちを見かけても捕らえないでおくように言うように!」

帝国間者「はっ…!!」ビシッ


レナードの部下は素早くその場を去っていった。
一人になったレナードは頭を掻きながら今後の事を考える。


レナード(……さて、ミリア姫は今後泳がせていくとして………アマティアス、あんたは何を考えているんだ)

レナード(一度ダーンコに与えた神器をまた回収してこいだなんて……意味が分からない、ミクトラムやナールとの戦争で忙しい時にするべき事なのか?)


アマティアスからレナードに降された命令、それは【一度他人に渡した神器の回収】というよく分からないものであった。

レナードは実は四獅星の中では一番の古株で、アマティアス第一皇子殿下とも昔からよく知っている仲であった。

それ故にここ最近のアマティアスの様子や言動がおかしい事に気づいているのも彼だけであった。


レナード(……アイツは実直で使命感の強い男だ、帝国をより良くする為によく夢を語り合ったよ)

レナード(………アマティアス、今の現状はあの時あんたが描いてた理想では無いはずだろ…)クルッ


レナードは神速の速さで街を駆け抜けていった。
忠誠を誓った男の真意を探るべく、彼は今のこの状況を最大限に利用していく。


レナード(……確かめさせてもらうからな皇子殿下。俺とあんたの理想が今も続いているかどうか…!)



………………………


……………


………







奴隷商A「おい、知ってるか?マーラ国のオーナーが死亡したってニュース」

奴隷商B「マジかよ…!クーデターでもあったのか?」

奴隷商A「まぁ似たようなもんだよ、牢に閉じ込めてた娼婦たちに脱走された挙げ句リンチにされて血祭りに上げられたんだとよ」

奴隷商B「こ、こえ~!どんだけヤバい生活させてたんだよ…!」ブルッ

奴隷商A「まぁあそこは処女膜を無理やり再生させて何度も何度も働かさせてるヤベーとこだったからな…」

奴隷商A「今は花散館で働かされていた一部の娼婦達と反オーナー派の店舗が組合会を結成して運営してるんだとよ、お陰でこっちの商売は上がったりだぜ!くそが!」

奴隷商B「じゃあ……さっき仕入れた女はマーラには連れてかないのかよぉ?」

奴隷商A「あぁ、だがむしろ条件次第では次の売り先はマーラよりも悪くないかもしれないぜ……何てったって天下の帝国さまの属国だからな!」

奴隷商B「おぉーなるほど!そんじゃあ……」パサッ





フローリア「………っ!」ビクッ

ルル「んんー!!ふがもがもが!んんぅー!」ジタバタ 

ジェニファー「んん!むふぅんーー!!」ゴロンゴロン

アンリエッタ「………」ジトーッ


奴隷商B「この女達はその国への商売道具って事になるわけだ、へっへっへ!」



ミリア&ウルスラ視点は一旦終了。

次回からはまたフローリアとクロウスの物語に戻ります。
ホントはダーンコとの戦闘安価も考えてましたが、更新延び延びでテンポも悪くなってしまったのでカット致しました。(あとダーンコをどうやって戦わせるかも悩んでた)


また新しい国や新キャラ安価なんかもやっていきます。たぶん次の更新で国だけ先に安価とるかも…。

最後に毎回更新までに時間をかけてしまってるのに見て頂いてる皆さま、いつも本当にありがとうございます。
広げた風呂敷は畳めるように頑張っていきますので何卒今後もよろしくお願い致します。


それではまた…。


遅すぎたおまけ【もしこの世界にバレンタインがあったらという想像】



フローリア→あまり料理ができない(させてもらえない)のでちょっぴり不器用な感じのチョコが出来上がる。

ルル→レシピも手順も把握してるのになぜかオリジナリティーを出そうとして失敗する。(当人は成功してると思ってる)

ジェニファー→百点満点の出来上がり、味も見た目もパーフェクト。強いて言うならラッピングが無駄に豪華すぎる。

アンリエッタ→世話人や街の人に教えて貰ってるので実は一番無難に作れる娘。

モルガンヌ→圧 倒 的 貰 う 側

リトア→自分では作らず既製品を買うタイプ、義理チョコと本命の落差が凄まじい。

ミリア→フローリアよりは上手に出来るが調理後のキッチンが凄く汚い。味もわりと独特。

ウルスラ→チョコに髪の毛とか血を混ぜれば両思いになれるというオカルト話をマジで信じてぶち込もうとする。


ディアナ→こっそりと鞄の中や机の中に忍ばせておくタイプ、味も見た目も悪くないしメッセージカードなんかも入れちゃったりする。

本日の夜辺りに国安価の方を出していきたいと思います、例によって時間式です。

一応今回は自分から少し指定がありまして…。
前回のラストでも少し言及していた《既に帝国の支配下にある国》という設定有りで募集していきたいと思います。
なので今回はいつもの国テンプレに書く欄が増えた物を置いておきます。

すみませんがよろしくお願い致します。


以下、今回のテンプレ

【名前】
【属国前の特徴】
【属国後の国内情勢】

お待たせしました。
それでは次に訪れることになる国を決めていきます。

フローリア達が奴隷商に連れていかれそうになっている国名や街の特徴。
11時からの10分間までで募集。

テンプレは>>519を参照ください。

【名前】
ウェルドール国
【属国前の特徴】
魔法を扱えない者達の国であり、王族や騎士団、民まで自身の肉体や武術を鍛え抜いている武闘派な国
過酷な環境下であり食糧や土地の少なさなど裕福とはいえない国だったが、誰も挫けることなく誇り高く生き抜いてきた
食糧難の影響か他国では食べないものも食べる為に調理方法など食文化も密やかに発展している
【属国後の国内情勢】
帝国の策略により魔法や良質な食材が流通することも出てきた
これにより以前よりも生活が向上した者は堕落しかつての国のありかたを忘れ、帝国に属することに疑問を感じなくなってしまった
帝国に仇なす敵は必要以上に痛めつけさらに帝国に取り入ろうとするなど、元の国の武闘派な面が悪い方向に増長してもいる
全体的な治安悪化により、略奪に裏取引、違法薬物やら強姦などスラムのような堕ちっぷりでかつての面影は消え去っている
しかし水面化では誇りを失わなかった者達が叛逆の機会を狙っているという

お待たせいたしました、今日の夕方以降にまた再開していきます。

おそらく今日、明日、明後日は連続で更新できそうなので戦闘や新キャラまで行けたらなと思ってます。

遅れてしまって申し訳ありません、再開していきます。


数時間前


ジェニファー「よしよし、良い子良い子ですわねぇー」ナデナデ

騎竜「ぎゅー…」モグモグ

ルル「おぉ~……!さすがジェニー!私が餌を上げようとすると嫌がるのに!!」

ジェニファー「ルルは勢いが良すぎるのよ、こうやって誘うようにして待っていればあちらから食べに来ますわ」

アンリエッタ「この娘は人に怖がったりしませんから、ルルさんもいずれ出来るようになりますよ」

ルル「むむ、待ち……待ちかぁ」

クロウス「はは、その竜もモテモテだな」

フローリア「お待たせしました」


クロウス達は聖河教連へ向けて旅路を進んでいた。
道中休むのに適した廃屋を見つけ、日も暮れてきたので夜営の準備を進めている。

フローリアが薪をくべていきルルが魔法で火をつける。
その間にクロウスは先ほど川で釣ってきた魚の下処理をしていく。

竜車には備蓄の食料も積んであったが節約することに越したことは無い、聖河教連に到着するまでに3日はかかる計算だ。


……あの日、シルヴェロギアから逃げ延びてから既に三日が経過していた。



アンリエッタ『申し訳ありません、助けて頂き感謝致しますフローリア姫、クロウス殿』ペコッ

クロウス『い、いや……俺たちはむしろ貴方を無理やり連れ出したようなものだ。俺達が礼を言われる筋合いは無いつもりですが…』

アンリエッタ『……正直に言えば、今すぐにでも国に戻って仇を討ちたい気持ちは変わりません』

アンリエッタ『ですが冷静になって、頭に血が上っていては勝てる相手では無いという事だけは分かってきました。もし私が死んでしまったら……私のために命を張ってくれた方々の覚悟を無駄にしてしまいます』ギュッ

アンリエッタ『シルヴェロギアの為にも、今は貴方がたに着いて行き打倒帝国の為の道を模索していくつもりです』

フローリア『……竜巫女さま』

クロウス『……分かりました、俺たちも全力を尽くして貴女を護りぬきます』

ルル『うんうん!私たちもリッちゃんをサポートしていくように頑張るね!』

アンリエッタ『り…リッちゃん……ですか?』キョトン

ジェニファー『あぁもう…!この子はまた…』

アンリエッタ『………そうですね、今となっては竜巫女としての肩書きはむしろ知れ渡ると厄介事を呼び寄せるかもしれませんね…』

アンリエッタ『ではこれからは私の事は名前で呼んでください、その方が私としても楽ですから。敬語とかも無しで大丈夫ですよ』

ルル『へへ~決まりだね!』グッ

クロウス『……そういうことなら、改めてよろしく頼む。アンリエッタ』


こうしてアンリエッタも落ち着きを取り戻し、聖河教連への旅路は順調であった。

あくまで表面上では………だが。


フローリア「私にもできるかな……」ボソッ

アンリエッタ「きっとできますよ、フロー………あっ」ピタッ

フローリア「アンリエッタ…さん?」

アンリエッタ「………すみませんフローリア姫、私少し周りの様子を見て来ますね…」タッ

フローリア「………アンリエッタさん…」


クロウス(…………やはりまだ…)

ジェニファー「避けてますわね、フローリアの事を…」

クロウス「ああ、姫様からは俺からは何も言うなとは言われてるが……」

ジェニファー「こればっかりは当人同士で何とかするしかないですわね…」

クロウス「………ルルの方はどうなんだ?」

ジェニファー「から元気…ってとこですわね、夜になると相変わらずうなされてるようですわ…」

クロウス「……そうか」


あれから時間は経っているもののルルに植え付いたトラウマは想像以上に根深いモノであり夜も眠れぬようであった。
元気そうに跳ねている今も目元にはうっすらと隈が浮かんでいて見ていて心配になる。

そしてアンリエッタは……フローリアと話をしようとすると急にぎこちなくなったり素っ気なく離れるようになっていた。

あの時当人達で何があったのかは未だに知らないが、端から見ても二人の間に溝が出来ている事は明らかだ。

しかしフローリアからは手を出さないでほしいと命令されたのでクロウスもまたもどかしい気持ちを抱えていた。


そして何より………あの時にアンリエッタが落ち着きを取り戻した時の話に、レビュオスの名前が出てこなかった事が一番の問題なのかもしれない。


クロウス(………今も彼女の中では憎しみの炎が渦巻いているんだろう)


気持ちの整理など着いてないに決まっている、何故なら彼女は最愛の人を失ったばかりなのだから。


クロウス「引き続き二人のケアを頼む」

ジェニファー「ええ、それと……クロウス様、その…」モジッ

クロウス「ん?どうした?」

ジェニファー「え、えっと……な、何でもないですわ!///」ダッ

クロウス「お、おいジェニファー!?」


何かを言いかけたジェニファーだったが直ぐにその場を立ち去っていく。

頼むからお前まで変にならないでくれよと、クロウスは心の中で祈りまくった。




夜も更けてきて冷たい風が夜営所の回りを吹いていた。

女性陣はみな竜車の中で休眠を取っている。クロウスだけは外で火の番をしながら周囲への警戒を怠らないでいた。


クロウス「……さて」


剣を握り軽く素振りをしてみる、しかし直ぐに脇腹や胸部に走る痛みに顔をしかめ中断する。

クロウス(つっ~……! まだ本調子には程遠いか…!!)


痛みにうなだれる彼の肩にそっと薄手のシーツが肩にかけられる。
どうやら竜車から誰かが起きて来たようだった。


竜車から起きて来たキャラを選びます。
↓1から3でコンマが一番高いキャラ。(フローリア、ルル、ジェニファー、アンリエッタ)


ルル「こんな寒いのに風邪引いちゃうよ?」

クロウス「……年寄り扱いするな、少なくともお前よりは鍛えているから……な"ッ!?」ビキィッ

ルル「つんつん~にししっ!」


脇腹を突っつかれて悶えるクロウスを見てルルは意地悪そうに笑う。
そのままクロウスの隣に座ると二人でたき火を見ながら並んで暖を取る。


ルル「キズはまだ痛むんだね」

クロウス「ああ、骨もまだヒビが入ってるみたいだしな。完全に治すのなら安静にしてるのが一番良いのは分かってるんだが…」

ルル「…ごめんね、食料やら薪集めもだけど見張りなんかも任せっきりだもんね」

クロウス「こういうのは大人の役目なんだよ、むしろお前みたいな成長期のガキは食って寝て元気に育ってもらわんと困る」

ルル「うん…」


普段のルルなら子供扱いされただけで怒ったりするのだが素振りは見せず、落ち込んでいるのがよく分かる。

あまりにもしおらしい態度を見せるルルにクロウスは調子が狂ってしまう。


クロウス「…まだ気にしてるのか、あれは故意に起こした事ではない事は俺もみんなも分かっている」

ルル「分かってるよ、私自身もあれはアイツのせいだってのは理解してる……だけどさ」

ルル「夢に出ちゃうんだよね……!自分が殺した人の顔が……割りきれると思ってたのに、あの時の光景が目に焼き付いて…」

ルル「しかもあの時に私が無茶をしたからレビュオスさんが死んじゃったんだよ、気にするなって言う方が無理だよ…!!」ブルッ

クロウス「………」


こうなる事を危惧していたから彼女を戦場に出したくはなかったのだ。
感受性が強く、死という概念を考えたこともなさそうな少女が自らの手で人を殺してしまった時にどうなってしまうか分からなかった。

結果としてルルの心には根深いトラウマが植えついてしまっている。
いつも明るく旅路を明るく照らしてくれていた彼女の苦しむ姿を見て自分に何ができる事は無いか考えた。


クロウスがルルにかけるセリフやしたい行動など。
↓1から3の間で募集。



クロウス「……まったく、世話がかかる奴だな」

ルル「わ、わわっ!?///」


クロウスは落ち込むルルを後ろから抱き締める。
思わぬ出来事にルルは頬を赤らめて狼狽える。


ルル「く、クロウスさん…?///これは人によってはセクハラと捉えられてもおかしくないのデハ?///」ドキドキ

クロウス「まぁそうだな、でもお前なら嫌がったりはしないだろ。なんせ俺にあんな事をしてたからな」

ルル「うぐっ…!否定できない…」


本番は致してないとはいえ情交をした上に銀黎祭では告白に等しいことも言っている。
さすがのクロウスにもルルの気持ちは分かっていた、多少の気恥ずかしさはあったが今の彼女には人のぬくもりが必要なのだと悟ったのだ。


クロウス「……お前は自分のせいで人が死んだことばかり責めているが、お前に助けられた命だってあるんだぞ」

ルル「そんなこと無いもん……私があの時に誰を助けたっていうのさ…」

クロウス「俺がいる」

ルル「えっ?」

クロウス「あの時にお前が来てくれなかったら俺はあの四獅星の男にトドメを刺されてただろう?お前に救われた命はちゃんとここにある……感謝してるよ、ルル」

クロウス「過ぎてしまったことは変えられないかもしれない、だけど俺に出来ることで苦しみを和らげれるなら何かしてあげたいんだ」

ルル「……クロウスさん…っ」


クロウスの優しさに触れてルルは泣きそうになるぐらいに嬉しく思った。
そして少し考えた後にゆっくりと言葉を紡ぐ。


ルル「じゃ…じゃあさ……私の願い事、1つだけ叶えてくれる…?」

クロウス「俺にできることならな」

ルル「………なら、さ……抱いてほしい、かな…?」

クロウス「…?今も抱き締めてるだろ?」

ルル「そういう意味じゃなくて!……だから………その…///」








ルル「………えっちな意味で………私を…抱いて…?///」


クロウス「っ…!!お前なぁ…またそんな事を…」

ルル「分かってるよ、今はそんな事をしてる状況じゃないって」クルッ

ルル「だけど気づいちゃったんだ…死ぬって事を間近で体感して、死んでしまったらこの気持ちも何も伝えることも出来なくなるんだって…!!」


ルルはクロウスの腕の中で身体を回転させて向かい合う。
その瞳は涙に濡れていたが確かな決意と彼に対しての想いで溢れていた。


ルル「ひょっとしたら明日にでも死んでしまうかもしれない、なら何もしないまま…何も残せないまま死にたくはないよ…!!」ギュッ

クロウス「……る、ルル…」

ルル「クロウスさん……好き、クロウスさんが私を好きじゃなくてもいい。だからお願い……一度だけでもいいから…!!」


互いに抱き締め会う形でルルは自分の気持ちを伝えきった。
クロウスもまた腕に力を込めてより強くルルを抱き締め返す。


クロウス「……本当に変わり者だな、お前は…。普通こんな三十越えたおっさんを好きになんてならないぞ?」

クロウス「クロウスさんこそ忘れてない?私はナール一の変わり者だよ?」

クロウス「………そうか、そうだったな…」クイッ

ルル「あっ…///」


ルルの顎下に手を添えて顔を上げさせる。
お互いに見つめ合う形になり熱の籠った視線を交わし合う。


クロウス「……お前の気持ちに答えられるかはまだ分からない、それでもいいのか?」

ルル「うん……来て、クロウスさん…」



二人の唇が触れ合いそうな距離まで近づく……………。




──────その時だった。


騎竜「ピギュ~…?」ピンッ


最初に周囲の変化に気づいたのはここまで荷車を引っ張ってくれていた竜の子であった。

竜の嗅覚は人間の機能より数十倍鋭いと言われている。
それゆえに人間には気づけないレベルの微かな匂いの変化に気づけた。

しかし裏を返せばそれはクロウス達には気づけない程の微細な変化であるということ。


クロウス「……っ?」クラッ

クロウス(……なんだ?急に眠くなってき…)

ルル「うっ………うぅ、ん……」クラッ

クロウス「なっ、ルル!?」


異変はすぐに起きた。
クロウスの腕の中でルルがいきなり意識を失っていたのだ。

ルルを起こそうとするがクロウス自身もまた意識が保てなくなるほど朦朧としていった。

クロウス(これは…単に眠気が襲ってきたとかそういうのでは無い……っ……これは……)

クロウス「くそ…!まさか……てき、か…」ガクンッ

騎竜「ぎゅ~………zZZ」






奴隷商A「………眠ったか?」ガサッ

奴隷商B「みたいだな」

奴隷商A「へへ、さっき見かけたときは強そうな剣士が乗ってたから様子見してたが……こうなっちまえば怖くねぇな」ゲシッ

クロウス「ぐっ…」

奴隷商B「おいあんまり刺激すんなよ、この休眠香も万能じゃねぇんだ…とっとと仕事してずらかるぞ」


草葉の陰から現れた男たちは奴隷商だった。
彼らは顔の下半分をマスクのようなモノで覆い隠しており、手には薄紫色の煙が漂う香炉があった。

休眠香と呼ばれるお香は人間の睡眠を増進させる植物から精製され、文字通り眠気を誘う為に作られたものである。

本来なら不眠症の人などに然るべき薬師が作り処方されるものなのだが彼らの休眠香は濃度を10倍まで高めた違法品であり風に乗せてクロウス達の夜営所に少しずつ流していったのだ。


奴隷商B「うわっ、見ろよドラゴンだぜドラゴン!コイツら馬じゃなくてドラゴンに引っ張って貰ってたのか!」

奴隷商A「静かにしろバカ…!起きたら暴れられるかもしれないだろ…それに見てみろよ」

奴隷商A「極上の容姿を持つお嬢様にスタイル抜群の金髪娘、それに竜人族の女だなんて俺たちゃツいてるぜ…!!」

奴隷商B「へへ、こっちのロリっ娘もその手の奴には高く売れそうだしな…!」

奴隷商A「よっしゃ、まずはコイツらを拘束してうちらの馬車に積むぞ。それから竜車内の物資を頂いていこうか」

奴隷商B「男の方はどうする?」

奴隷商A「ひとまず武器だけ取り上げておけ、後はそのまま放置だ……ほっときゃそのまま魔物に喰われてるさ」

奴隷商B「了解了解っと」


そして時は現在に戻り……。


ルル「もがー!!!モガモガ!!ふんがーっ!!!」プンスコジタバタ

奴隷商B「うおっ、このロリっ娘イキが良すぎやしないか?」

奴隷商A「手をつけるなよ、上玉だらけだからって傷物になっちまったら値が下がっちまうからな」

奴隷商B「分かってるよ」

フローリア「もが……ぷはっ!貴方がたは何者なんですか!?私たちはどこに連れてかれるんですか!!」

奴隷商B「さぁてな、これから奴隷として売られるってのに行き先なんて気にしてたって無駄だろ」

フローリア「ど、奴隷…!?」

ジェニファー(……このゲス供、さては奴隷商ですわね…!!)

アンリエッタ(不覚を取りました…!!竜杖を取り戻さないと私は力を行使できない…!!)

奴隷商B「そうさ、俺たちはアンタらみたいなべっぴんさんをお金持ちに売り付けるコワーイおじさんさ」

フローリア「……だとしても、クロウスが…クロウスが絶対に助けに来てくれます…!」

奴隷商B「クロウス?あぁ…あの男の剣士か?」

奴隷商B「どうだかなぁ、武器もないのに夜の森に放り出したんだ。今ごろは魔物の餌……ひょっとしたら腹を空かしたあのドラゴンに喰われてるかもしれないぜぇ!?」

フローリア「そんな世迷い言は信じません!私はあの人を信じています!だから……」

奴隷商B「ぴぃーぴぃー……うるせぇなぁ!!」パチンッ

フローリア「きゃうっ!?」

ルル(リア…!!このっ……!!)


頬を叩かれ倒れるフローリアを見て激昂したルルは奴隷商の男に向けて魔法を放とうとする。

だが陣を描こうとした直後、突然ルルの視界がブレ始め、息が詰まるような感覚に陥った。


ルル(あ、あれ………なんで…?)ハァハァ

奴隷商A「おい、手を出すなって言ったろ!」

奴隷商B「こういうアマには一度躾ってもんを教えてやらないといけねーんだよ…!お貴族さまに売り付けるときに暴れられても迷惑だからな」グイッ

フローリア「あう…!!」

ルル(リアが傷ついてる……友達が襲われてるのに………なんで、なんで魔法が出せない…!?)


頭がガンガンと痛み、ゆっくりと吐き気が込み上げてくる。
友達を助けなきゃと思う反面、心と身体はあの時の光景を思い出し呪縛のようにルルを縛り上げていく。


ルル(助けなきゃ…助けなきゃ…!じゃないと私は……ただの人殺しで終わっちゃう…!!)


ルルが玉砕覚悟で男に体当たりでも仕掛けようとしたその時……。


奴隷商A「なっ……おい!!スピードを上げるぞ!!何かに捕まってろ!!」

奴隷商B「はっ…?どうし…ぅおお!?」グラッ


突然馬の操縦をしていた男が声を上げた瞬間、馬車が激しく揺れ動いた。
突然のスピードアップに馬車の中の五人は何が起きたのか分からなかった。


男たちはあの時に二つのミスを犯した、それは至極シンプルな理由。

一つは返り討ちに合うのを恐れて騎竜には手を出さずに放置していた事。

そしてもう一つは………。


騎竜「ギャオオオオッ!!!」ドドドドド
クロウス「待ちやがれこの人拐いがァーーーー!!!!」ドドドドド


クロウスの実力を見くびり、殺さずにいた事である。


奴隷商B「あ、あの男生きていやがったのかぁ!?」

フローリア「クロウス…!!」パァ

クロウス「姫様を返しやがれ!!この盗人どもが!!」ドドドドド


奴隷商達の目論みは一応当たっていた。
起きたときには既に周りは魔物に囲まれていたのだ、しかしいち早く目覚めていた騎竜がクロウスを守ってくれていた。

そのまま騎竜と協力して魔物を片付けたクロウスは全速力で奴隷商たちを追いかけて来たのだ。


奴隷商B「くそっ!!おい、もっとスピードを上げろよ!!」

奴隷商A「やってるわ!!けど思ったよりも速くならない…つーかなんかいつもより馬がへばるのが早すぎる気が…!!」


どんどんクロウスに距離を詰められていく奴隷商の馬車。

地を駆けることに特化した竜と馬では身体能力の差がある事も確かだが別の要因も速度を上げる邪魔をしていた、それは……。


ジェニファー(重力魔法…馬と荷馬車全体に重力をかけ続ける!!)


ジェニファーの重力魔法により、彼らを乗せて走っている馬には重力の負荷をかけ続けていたのだ。

その影響で普段よりもスタミナを多く消費し続けられていき、どんどんスピードを落としていった。

そして横並びになった瞬間、クロウスは奴隷商達の馬車に跳び移った。


クロウス「ようやく追い付いたぞ…!!無事かみんな!?」

フローリア「クロウス!」

奴隷商B「くっそ…!」

奴隷商A「慌てるな!所詮手ぶらの男一人だ…!!」

奴隷商B「分かってるつうの……」


男は槍を持ち出しクロウスに対して突きつける。

しかしクロウスは怯みもせずに怒りの形相のまま奴隷商たちを睨む。


クロウス「姫様を……ルル達を拐おうとしたその罪…万死に価する…!!」パキ…ポキ…

ここから先は戦闘安価になるため一旦止めにします、仕事が終わり次第、再開していきます。

ちなみに今回は夜営所での安価でクロウスに話しかけにいったキャラが陵辱対象となります。(つまり今回はルル)

あと挿入し忘れてましたが夜営所で選ばれたキャラには戦闘後にフラグが入手されるようにします。

それではおやすみなさいませー。

そういえばスキルの入れ替えとか今の所起きてないけどクロウスのあのスキルってまだ残ってる?

おまたせしましたー、ちまちまと再開していきます。

>>565
【不撓不屈の剣】はシルヴェロギア編終了に伴い消失しました。また新しいスキルを考えてますのでどこかのタイミングで手にはいる手段を入れたいですね。



────戦闘開始────

【Act.1】


奴隷商B「けっ!かかってきやがれ!!」

クロウス(向こうは槍……こっちは素手、リーチの差は明確だがやりようは幾らでもある…!)


クロウスの行動選択
①その辺にある積み荷を投げつける(チャージ系◯、テクニック系×)
②素早く踏み込み鳩尾にカウンター(テクニック系◯、アタック系×)
③息が切れた所を狙い殴りにいく(アタック系◯、チャージ系×)

※ゾロ目が出た場合、クロウスが武器を取り戻し強化される。


奴隷商Bの行動パターン

00~20 大きく槍を振り払う(チャージ系)
21~60 鋭い突きの一閃を放つ(テクニック系) 
61~99 滅茶苦茶に槍を振り回し続ける(アタック系)
槍が引っ掛かり無防備になる(無条件で攻撃をくらう)
スキル【狭所で長物は…】コンマがクロウスの行動選択時のコンマより低かった場合、無条件で攻撃をくらう。(この効果は二回発動後消滅する)


↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


狭い馬車の中で奴隷商の男は槍で貫こうとしてくる。

しかしその槍さばきは素人同然のもので騎士としての経験を積んだクロウスから見れば隙だらけであった。


奴隷商B「そりゃそりゃ!!」シュッシュッ

クロウス「……」ヒョイッ


闇雲に放つ突きなど当然見切っており一向に攻撃が当たらないことに男は段々と腹を立てる。

段々と攻撃が雑になっていき大振りになっていく、そして。


ガヅンッッ!!


奴隷商B「あっ、やば…」

クロウス「フンッ!!」バキッ

奴隷商B「ぐべらっ!?」


振り回した槍が馬車の壁に引っ掛かり、奴隷商の顔面にクロウスの綺麗な右ストレートが入った。



───スキルの効果によりクロウスの勝ち───
    1 2 3
クロウス◯
奴隷商B ×


【Act.2】


奴隷商B「こ…この野郎がァ!!」

クロウス「もう少し腰を入れて攻撃するんだな…軌道がブレブレだぞ」

奴隷商B「うるせぇ!知るかそんなこと!!」


クロウスの行動選択
①その辺にある積み荷を投げつける(チャージ系◯、テクニック系×)
②素早く踏み込み鳩尾にカウンター(テクニック系◯、アタック系×)
③息が切れた所を狙い殴りにいく(アタック系◯、チャージ系×)

※ゾロ目が出た場合、クロウスが武器を取り戻し強化される。


奴隷商Bの行動パターン

00~20 大きく槍を振り払う(チャージ系)
21~60 鋭い突きの一閃を放つ(テクニック系) 
61~99 滅茶苦茶に槍を振り回し続ける(アタック系)
槍が引っ掛かり無防備になる(無条件で攻撃をくらう)
スキル【狭所で長物は…】コンマがクロウスの行動選択時のコンマより低かった場合、無条件で攻撃をくらう。(この効果は二回発動後消滅する)


↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


奴隷商B「テメェみてぇなおっさんがよぉ!!」ブンブン

フローリア「きゃっ!!」
リア「あ、あぶな…!」

奴隷商B「こんな美少女をはべらせてんのが俺は一番気に食わねぇんだよォォォ!!!」

クロウス「…!?なんだコイツ…」


何とも嫉妬丸出しな理由で襲いかかってくる男に少し面を食らったが男は先ほどの失敗を気にもせずに槍を振り回し続ける。

フローリア達は当たらないように隅に避難しているが危ない目にあっているのは変わらない。

奴隷商B「オラオラどうしたかかってこいよ!!」

クロウス「……」タッ

クロウスは冷静に槍の軌道を見切ると最小の動作で回避していく。
やがて男は疲れが来たのか槍の動きが少しずつ鈍っていく、その隙をクロウスは見逃さない。


クロウス「しっ!!」ドカッ

奴隷商B「ぐっ!?」


槍の嵐を掻い潜り、クロウスは男のどてっ腹に肘鉄を打ち込んだ。



───クロウスの勝ち───
    1 2 3
クロウス◯ ◯
奴隷商B ×  ×



下1のコンマがゾロ目以外でクロウスの勝利。

(相手が悪いのもあったにはあったが仮にも姫の護衛として初勝利とは素直に喜べねぇw)

陵辱シーンに辿り着けないとは敵キャラの恥さらしよ
くそっ!

でぇじょうぶだ、このままイチャラブの純度を高めていけばきっと最後にディアナがドカンと決めて全部かっさらって行ってくれる

ルルは本当運が良いな
他の人達は皆1回は陵辱されてんのに

もうちょいしたら再開していきます。
ちょっと今後どれくらいのキャラ安価必要になるのか改めて考えてたら敵味方込みで5、6回ぐらいは必要だと判明しました。
過去最多じゃあ…。


以下久しぶりのレス返タイム

>>590
今回相手が相手なので敵側は意図的に弱めにしてました。しかし心の中ではどうぜゾロ目出るだろとも思ってました。(感覚狂ってきてる)

>>591
アシュラー「全くだ」
アカゲサル「せやな」
奴隷商B(なにこいつら怖い)

>>592
ディアナのハードルがどんどん上がっていく…!

>>598
実はわりと濃いめの陵辱NTR用意してましたがこればかりはコンマ次第ですね、ラッキールル。





クロウス「りゃッ!」

奴隷商B「ぐへぁっ!!」

体勢を崩した相手に対して右のアッパーカットを顎に決めていく、頭にお星さまが回った男はそのままノックアウトした。


奴隷商A「お、おい!?マジかよっ!?お前が伸びてんじゃねぇーよ!!」

クロウス「おい、馬車を止めろ。さもなくばどうなるか分かってるだろうな」ズイッ

奴隷商A「ひっ!!」ビクッ


男がクロウスの圧に押され、馬を止めようとした時だった。
走り続けていた馬車はちょうどカーブになっている崖の辺りを走っており、よそ見をしていた奴隷商はそのことに気づかずに馬を無理やり止めようとする。


クロウス「って…前見ろ!!前!!」

奴隷商A「へっ…?う、うわぁぁぁ!!?」グラッ


当然勢いのついたまま止まれば馬車への振動も大きくなり足場の弱い崖道でバランスを崩した馬車は崖下へと転落しようとしていた。


クロウス(くそっ!!間に合わない!)ダッ


クロウスは剣を取り戻すとフローリア達を縛っていた縄を切り裂いていく。
隅に避けていたフローリア達は何がなんだか分からないといった様子だ。


ガタタタッガタッ!!!


フローリア「く、クロウス!いったい何が起きてるの!?」


クロウス「馬車が転落します!!早く何かに掴まっていてください!!」


ジェニファー「それって滅茶苦茶一大事じゃありませんの!?私たち助かるのですか!?」


アンリエッタ「キャアぁぁ!?」グラッ


ルル「うわっ、たっ!?あ、危なっ!?」


奴隷商A「も、もう駄目だァァァ!!?うわァァァーーー…!!!!」


馬を操っていた男は振り落とされ、吸い込まれるように崖の下へと落ちていった。
クロウス達も外に投げ出されないように掴まっていたが、衝撃とともに身体が宙へと浮いてしまう。


クロウス「ここまでか…!?」

フローリア「………っ!!!」


そして一瞬の空白の後に……激しい衝撃音が丘陵中に響き渡った。



ルルとのフラグ③(クロウス)を手に入れた。


………………。


………。


…。



クロウス「………ん………っう…?」

ジェニファー「あっ…起きましたわよ!ルル!」

ルル「あ…!」

クロウス「ここは……どこだっぷぇっ!!?」

ルル「よ、よがっだァァァ~!クロウスさんが生きてて良かっだよぉぉぉ!!!」ガバッ

クロウス「ちょっ、離れろルル…あ"っ!!痛いッ!!ヒビの入ってる骨がッ!!やめっ!やめろアホ!!あだだだッ!!?」ビキビキ

ジェニファー「こ、こらぁー!!怪我人になんて事を!?はーなーれーなぁーさぁーーーい!!!」グイーッ





目が覚めるとそこは医療所の様であった。

しかしベットは傷が目立っていてシーツも薄汚れてる、その他の医療器具も年季が入っておりさながら野戦病院といった感じである。
 

クロウス「みんな無事だったのか…良かった……つぅ」ズキズキ

ルル「クロウスさんが一番無事じゃなかったんだよ…!本当に心配したんだから…!!」グスッ

ジェニファー「フローリアとアンリエッタも無事ですわ、私たちはフローリアの魔法に助けられましたのよ」

クロウス「姫様の……そうか、軟化魔法か」

ジェニファー「ええ、着地の瞬間に馬車を柔らかくして衝撃をやわらげたらしいのですが完全に上手くはいかなかったらしくて…」

ルル「クロウスさんはリアが飛び出されそうになったのを庇って馬車の外に投げ出されたんだよ」

クロウス「そう言われれば…そうだったな、それで姫様とアンリエッタはどこにいるんだ?」

ルル「それは…」


ガチャッ


フローリア「……!クロウス!」

アンリエッタ「良かった、目が覚めたのですね…!」

クロウス「姫様、アンリエッタ……よくご無事で……!?」


起きているクロウスを見た瞬間、フローリアは思わずクロウスに駆け寄り彼を抱き締めていた。

とはいえ怪我をしているクロウスに配慮してかルルのように思い切り抱きつくようにはせず柔らかな抱擁であった。


フローリア「ごめんなさいクロウス…!私を庇って…貴方だけ助けられなくて…!」

クロウス「……いえ、気にしないでください。それが従者の務めですから」ナデナデ

フローリア「ぐすっ、だけど…!」

クロウス「俺は姫様が無事なら何よりも嬉しいんです、だから泣かないでください…」

フローリア「んぐっ……はい…」

ルル「む、むぅー…何かまた私の時と反応が違うなぁ…!」

ジェニファー「ルルは怪我人に対しての接し方というものを覚えた方がよろしくてよ」

ルル「そりゃ…さっきはちょっと勢い強すぎたなーって反省してるけど…!」

クロウス「しかし……ここはいったい何処なんですか?まさかここが聖河教連というわけでも無いんだろ」

????「それは私から説明致しましょう」


フローリア達が入ってきた扉から一人の老人が入ってくる。

その身なりはキチンと整えられており、すらりとした黒の燕尾服が似合う紳士といった装いだ。


????「お初目お目にかかりますクロウス殿、私の名はサイモンと申します。勝手ながら崖から転落した貴殿方を私達の街まで運ばせて頂いた次第であります」ペコリ

クロウス「あぁ……これはどうもご丁寧に」ペコリ

サイモン「そして貴殿方がいるこの地ですが……名はウェルドール国でございます」

クロウス「ウェルドール…………ウェル、ドールだと…ッ!!?」ガタッ


その国の名を聞いた瞬間、クロウスの表情は一変する。
身体が軋むのにも関わらず飛び起きようとするクロウスをフローリアとルルが抑えようとする。


ルル「ちょ、ちょっとクロウスさん…!!そんないきなり体動かしたら傷が開いちゃうって!!」

フローリア「そ、そうですよ…!落ち着いてくださいクロウス!」

クロウス「落ち着けるのものか……最悪だ…!ウェルドールと言ったら一年前に帝国に服従した属国じゃないか…!!」




───ウェルドール国。

大陸の中でも帝国に近い位置にある国家であり、かつては帝国と並ぶ二大武闘派国家と呼ばれていた。

しかし近年では作物も育ちにくい過酷な環境が災いして食糧難や財政難に見舞われ、ラジル帝国への服属を余儀なくされており一年前に帝国の元に降った国家である。


つまりウェルドール国はミクトラム王国にとっては敵国であり本来避けなければいけない所でもあったのだ。

そして目が覚めてみれば敵国のド真ん中と考えればクロウスが狼狽するのも分からなくはなかった。


アンリエッタ「クロウス殿、お気持ちは察しますがまずは彼の話をお聞きください」

フローリア「私からもお願いします、少なくとも彼は私たちの敵ではありません」

クロウス「敵では無い……とは…?」

サイモン「……貴殿方の素性はフローリア姫からお聞き致しました。確かに貴殿方から見れば私たちは忌むべき敵に見えるかもしれません」

サイモン「確かに私達は誇り高きウェルドールの人間です。しかしそれは……帝国に降った今のウェルドール国では無いのです」


サイモンがカーテンを開くと、窓の外の景色が見える。
しかし外の景色は皆が思っているような街並みでは無く、まるでスラム街のような光景が広まっていたのだ。


サイモン「私達の組織の名は………ウェルドール解放戦線」

サイモン「今は無きウェルドール民の誇りを、ラジル帝国から取り戻すために集まった者の集まりなのです」



サイモンの話によるとかつてのウェルドールは厳しい環境ながらも武術に励む者や挫けずに前を向いて生きる者が多く、その事に国民全体が誇りを抱いて生きていたという。

しかし帝国に降ってからは魔法技術や食糧の供給などによりウェルドールが抱えていた多くの問題が解決されつつあった。

しかしその恩恵を受けていたのはあくまで帝国に懇意にしていた一部の上位階級のみであり、一部の国民にはその恩恵は届かず貧富の格差が生まれてしまったのだ。

更に誇り高く生きてきた戦士達の中にも帝国の理念に賛同する者も現れ始め、帝国に反抗する者なら元の仲間でさえも痛めつけるようになったのだ。



その結果、国の中央では豊かな街並みが広がるようになったのだが外側では略奪や裏取引、強姦などといった犯罪行為も増えてしまうという悲惨な結果となっていたのだ。


サイモン「私の主はその現状に耐えきれずにこの解放戦線を結成しました、と言っても見つかれば国軍に潰されるのは明白なのでこうやって潜伏しながらですけどね…」

クロウス「そう、だったのですね……どうやら俺は早とちりをしてしまったみたいだな…」

フローリア「サイモンさんは私達を受け入れてくださるみたいなのです、その代わり…」

クロウス「自分たちの活動にも協力しろ……って事ですね?」

サイモン「………実は私の主、ウェルドール解放戦線のリーダーは…帝国兵に囚われてしまったのです」

サイモン「貴殿方には来るリーダー救出作戦のお手伝いをして頂きたいのです」

フローリア「そういう事なのですが……クロウス、どうすれば良いのでしょうか…」

クロウス(……正直言って、他国のゴタゴタに手を焼いてる程の余裕は俺たちには無い)

クロウス(しかしこの先どうすれば良いのか迷っているのも事実だ……どうする?)


クロウスとフローリアが悩んでいるとジェニファーが前に出てきてクロウスへ意見を言う。


ジェニファー「……僭越ながら、私から意見を述べても良いでしょうか?」

ルル「ジェニー?」

ジェニファー「フローリア、クロウス様。このご提案、私は受けるべきだと思いますわ」

クロウス「一応聞くがどうしてだ?」

ジェニファー「先ほどの闘いで私たちは騎竜以外の物資を無くしてしまいましたわ、このままの状態では聖河教連へ辿り着くのは困難だと思いますの」

ジェニファー「そして何よりも、私たちに足りないのは後ろ楯……帝国に対抗するための兵力が圧倒的に足りてません」

ジェニファー「このままでは仮に聖河で帝国への対抗手段が見つかったとしても、数の暴力で圧倒されるのは目に見えてますわ…」

クロウス「つまりこう言いたいのか?彼らに協力し、ウェルドールを帝国から解放した後は俺たちに協力してもらうと?」

ジェニファー「現状だとそれがベストだと思いますの…」

アンリエッタ「その事でサイモンさんともお話し合いはしたのですが…リーダーの返事次第ですが、自分の主ならば恐らくは大丈夫と言うだろう、と」

クロウス「そうか…」

クロウス(確実性は無いが、今は四の五の言ってられる状況ではないか)

クロウス「分かった、サイモンさん…アンタ達に協力させてほしい」

サイモン「それは良かった……私たちも、ウェルドールを取り戻した後には他国との繋がりが欲しかったのです」


クロウス達とサイモンの交渉がちょうど終わった瞬間、医療室の扉からノックの音がした。


安価無いですが次はキャラ安価にしたいのでキャラシだけ置いて今回は終わりにします。
募集安価は明日の夜にかけようと思います。

今回の国は>>524のウェルドール国にしました。こういう抵抗戦力に加わるみたいな展開は個人的には好きなので選ばさせて頂きました。

今回の国ではキャラ安価多めになりますのでよろしければお願い致します。

それでは今回のここまで、おやすみなさいませー。(以下、次回のキャラシート)



部屋に入ってきた解放戦線の戦士。

【名前】
【性別】
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足など


解放戦線に協力している母と娘(非戦闘員)
※この安価のみ母と娘二人分記載してください。

【名前】○○&△△
【性別】二人とも女性で固定
【年齢】○○ ~歳、△△
【見た目】それぞれの顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足など





おつん。出来れば23~0時らへんの遅めの時間だと助かる

安価には関係ない質問なんだけどコンマによる運要素を排除した時においてアンリエッタってどれくらいの強さなの?(勿論神器込みで)

これって妻はいる前提で考えたほうがいいの?(死別や離婚の可能性について)

隙間時間にご返答のレス返タイム

>>619
本日お仕事が激務になってしまいそうなので自然と10時越えぐらいになってしまいそうです。

>>620
アンリエッタはルルより下、ジェニファーとどっこいぐらいですね…本人がサポート寄りの立ち回りを得意としてるのであくまで己の身を守れる程度の強さしか持ってません。
しかしアンリエッタはまだ神器の力を10%程しか引き出せていないので伸び代はまだまだあります。

>>621
前者の解放戦線の戦士の事ならいない方で考えても大丈夫ですし成人してなくてもOKです。ウェルドール国の特徴にある程度沿っていれば大丈夫ですね。

お待たせしました、それでは新キャラ募集の安価を落としていきます。
なお今回はキャラ決めだけの更新になります。
それぞれ時間を空けての募集と致します。


部屋に入ってきた解放戦線の戦士。
23時から5分間の間で募集。

【名前】
【性別】
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足など


解放戦線に協力している母と娘(非戦闘員)
※この安価のみ母と娘二人分記載してください。
23時30分から5分間の間で募集。


【名前】○○&△△
【性別】二人とも女性で固定
【年齢】○○ ~歳、△△
【見た目】それぞれの顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足など

【名前】リンシア
【性別】女
【年齢】19
【見た目】翠のロングヘアに金の瞳。身体は細身で胸はかなり控えめ
【性格】心を許した者には献身を。敵には無慈悲を
【その他】かつてはウェルドールの上流階級の主人に仕えていた使用人
国が変わり果てていく中で仕えていた主人が親帝国派の者に殺害されてしまい、強い無念と怒りを胸に解放戦線に加わった
基本は鍛えた徒手空拳で戦うが、その時周りにあるものをなんでも瞬時に武器として扱える器用さと観察眼も持ち味としている
この使えるものは全部使う精神は料理にも反映され、食糧を無駄にしたり感謝の念を持たない者には烈火の如く怒る

【名前】アンナ&リコッタ
【性別】女性
【年齢】アンナ:29歳、リコッタ:13歳
【見た目】
アンナ:身長は平均的、胸もお尻も大きい安産体型。亜麻色の髪を一本の三つ編みにして下ろしている。ややタレ目
リコッタ:身長は低めだが発育は程々。亜麻色の髪を二つ結びにしている。ジト目
【性格】
アンナ:穏やかで優しい。目的の為なら自己犠牲を厭わない
リコッタ:冷たく刺々しい。武闘派を嫌う。以前は母と同様に心の優しい性格だった
【その他】
未亡人とその娘の母子。主に炊事や掃除、洗濯、その他雑用を行っている。かつて解放戦線に所属していた父を手伝う為に参加したが、その父は数ヶ月前に帝国兵に殺されている
アンナは夫を失った絶望を解放戦線への過剰な献身で紛らわそうとしており、資金調達や情報収集の為に帝国兵に体を売るなどかなり危ういこともしている。そのことを知るサイモンや他の団員は心を痛めているが、アンナが得る資金や情報に助けられている面もあり、強く止めることはできていない
一方リコッタはかなり消極的。ウェルドールの誇りなどという自己陶酔(とリコッタは思っている)や、そんなものを標榜して希望を煽る解放戦線の存在が、父のような犠牲を生んでいるのではないかと懐疑の念を抱いている。しかし父を失い壊れそうになっている母が心配な為、渋々ではあるが解放戦線の手伝いを続けている

様々な募集を頂きありがとうございます。
今回の安価は>>629のリンシアと>>633のアンナさんリコッタちゃん親子を採用させて頂きます。

それじゃあこれから書き進めていきますので今夜はここまで、それではまた。

大変おまたせ致しました、今日の夜に再開致します…。

キャラの選ばれ方の偏りなど様々な意見、感想、議論などがありましたが今日の更新終わりに自分の考えや方針も述べていくつもりです。

それでは夜にまた。

再開していきます!


????「失礼します、サイモン様」


部屋に入ってきたのは翠色の髪色が特徴的なロングヘアーの女性だった。入室後に一礼をしたりと礼儀正しさを感じられる。


サイモン「リンシアですか、丁度良い……貴女に紹介したい人たちがいます」

サイモン「彼らは他国からの客人であり、我々の同士となる方々です」






リンシア「成る程、ミクトラムの王女と騎士、ナールの学生、シルヴェロギアの巫女ですか…」

フローリア「いきなりで信じては貰えないとお思いですが…」

リンシア「いえ、疑っているわけではありません。むしろ、私たちも戦力が増えるのは喜ばしい事ですから」

リンシア「申し遅れました、私はリンシア。解放戦線において炊事兼戦闘員を兼ねさせて頂いております。以後、お見知りおきを」

フローリア「は、はい…よろしくお願いします」

リンシア「何かウェルドールの事で分からないことなどがあれば是非私にお聞きください」

クロウス「ああ、こちらこそよろしく頼む……っ」グッ


クロウスは起き上がってリンシアと握手しようとするが激痛が体を遅い満足に起き上がれなくなっていた。


ジェニファー「ダメですわクロウス様、貴方は安静にしてないと!」

アンリエッタ「そうですよ、医者の見立てですと全治2ヶ月なんですから」

クロウス「……えっ?」ピクッ


アンリエッタの発言にクロウスの顔面が真っ青になる。
いや嘘だろ信じないぞと思い切り表情に出ていた。


クロウス「い、いや……まて、聞こえなかった!もう一度、もう一度聞いても良いか!?」

アンリエッタ「え、えっと……右のあばら骨のヒビ割れと左大腿骨、右上腕骨の骨折、その他諸々の損傷で全治2ヶ月って」

クロウス「」チーン


後にその時のクロウスを見た全員が「真っ白に燃え尽きたように見えた」と語っていた。



ルル「リア~、こっちは全部終わったよー」

フローリア「ありがとうルル、私もいま洗濯物を全部干し終わりました」


フローリア達がウェルドール解放戦線に拾われてから三日が経過した。

クロウスの怪我が治るまでは雑務などのお手伝いをすることになった。
今現在彼らのリーダーが捕らえられている詳細な場所が分かっていないので解放戦線も動きようが無いのだ。


フローリア「ジェニーとアンリエッタは?」

ルル「いまは騎竜のお世話をしに行ってるね、あの竜も無事でホント良かったよねー」

フローリア「うん、サイモンさんに聞いてみたら発見したときに気絶していた私たちを守るようにしてたんだって」

ルル「うっはぁーお利口!!そんじょそこらの動物より全然頭良いんだね!竜って!!」

フローリア「うん、後で私たちも会いに行こうよ……あっ」ピタッ


????「……」ジーッ


フローリアとルルがクロウスの寝ている医療室の前を通りかかると一人の女の子が扉の隙間から中を覗いていた。


ルル「ねぇ君、そこで何やってるのかなー?」

????「…っ!!」ビクッ

フローリア「ごめんね、私たちもその部屋に用事があるの…だから」

????「しーっ……」クイクイッ

ルル「ん?中を見てみろって?」


麻色の髪を二つ結びにしてる女の子が人差し指立てて口に当てながらフローリア達の服の裾を引っ張る。

何となく女の子の意図を理解した二人は音を立てずに扉の隙間から様子を伺った。


???「ふふ、ほら…あーんして?口を開けてくれないとご飯が食べられないですよ?」

クロウス「い、いえ…!!自分は一人で食べられますから…そこまでしなくても…!!///」

???「でも片腕が折れてるんでしょう?だったら食べづらいでしょうし、無理はなさらない方が良いですよ?」グイッ

クロウス「し、しかしですね…その、少し近すぎるような気がするのだが…!!」ワタワタ

???「そうかしら、怪我人の介抱ならこれぐらい距離を詰めないと色々できないでしょう?」ぽにゅんっ

クロウス「おぅっふ…」


一人の女性がクロウスに食事を食べさせようとしている。椅子に座りながら身を寄せて食べさせようとするのだが照れ隠しで食べないクロウスに密着するぐらいに近づいていた。

たわわに実った乳房がクロウスの二の腕やら胸板を圧迫し、その豊穣とも呼ぶべき柔らかに乳圧を味わう度にクロウスは真っ赤になりながら慌てふためいていた。


そんな姿を見られているなど露にも思わず、扉の隙間から黒いオーラを放っている二人の存在に気づきもしなかった。


フローリア(クロウス…あんなにデレデレしてるとこ初めて見ました……なんで、なんでこんなに胸の奥がモヤモヤするんだろう…)

ルル「ぐぬぬぬぬぅ…乳か!!結局乳なのか…ッ!!あんな緩みきった顔私にはしないくせに…!!」ゴゴゴゴ



????「………ママ」ボソッ

フローリア「え?」


クロウス「……ん?そこにいるのは誰だ!?」


女の子の呟いた言葉に反応すると、視線を察知したクロウスに気づかれてしまい三人は三者三様に渋い顔をしながら入ってくる。


クロウス「……ってなんだ、姫様じゃないですか。それにルルも居たのか」

???「あらリコッタ、あなたもいたのね」

リコッタ「……うん」トテテッ


リコッタと呼ばれた少女は名前を呼ばれるとそそくさと女性の後ろへと隠れてしまった。


アンナ「申し遅れました、私はアンナと申します。こちらは娘のリコッタです」

リコッタ「………こんにちわ」ジトーッ

アンナ「解放戦線で炊事洗濯掃除、みんなの生活のお世話をさせてもらってます。よろしくね」

フローリア「こちらこそよろしくお願い致します、私はフローリアです」

ルル「私はルルだよ、よろしくね」

クロウス「しかしなんで外から覗き見してたんだ、普通に入ってくれば良かったじゃないか」

ルル「アッ、ハナノシタ=ノビウスさんは黙って貰ってもいいデスカ?」ジロッ

クロウス「誰だそれは!?」



アンナ「怪我人がいると聞いて覗きに行ってみたらこの人片手でご飯食べようとしてたの、食べ辛そうでしたしそんなの見たら助けてあげないとって思ってねぇ?」

フローリア「そんな、言ってくれれば私が食べさせてあげたのに…!」

ルル「そうだよ!もっと私たちを頼っても良いんだからね!?」

クロウス「い、いや…!護衛騎士たる者がそこまで姫様たちのお世話になるわけには…」

アンナ「あらあら、騎士様はモテモテですのね~。これは本当に余計なことをしたのかしら?」

リコッタ「お母さん……そろそろ行こ…?」チョンチョン

アンナ「あらもうそんな時間? ごめんなさいね、私も次のお仕事があるからもう行きますね」

クロウス「あ、はい。ありがとうございました…?」ペコッ

アンナ「ふふっ、続きはそこの可愛い子ちゃんたちに任せましょうか」

クロウス「へ?」

フローリア「はい!クロウス、今ふーふーして冷ましますから…!!///」

ルル「ほらほら!お口開けて!はいアーン!!///」

クロウス「い、いや、だから自分で食べられるってはもガッ!!?」ガボッ!

  
───フローリア視点───



フローリア(クロウス……元気そうで良かったけど、何であの時胸の奥がモヤモヤしたんだろう…?)

フローリア(アンナさんは善意で看ていてくれてたのに、私なんてむしろ何も出来ていない)

フローリア(……あの人のために、私にできる事ってあるのかな…)



フローリア自由行動1回目(残り2回)
↓2でフローリアの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く(二人まで、ただしクロウスのみ単独)
 クロウス、ルル、★ジェニファー(ボーナス発生中)、アンリエッタ>>3、リンシア>>629


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)

③フラグを消費してえっちシーンを見る
 ルル【あくまで検査だよ検査】


ウェルドールSPOT
【解放戦線アジト】【修練施設】【荒れている酒場】【鍛冶屋】【馬小屋】【繁華街】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

手持ちのフラグ(フローリア)
クロウス×2
ルル×3

えちちシーンの前にフローリアのスロット判定やります。

↓1のコンマの下一桁がフローリアのスロット数になります。(なお、0が出た場合は10の扱いにします)


ルル「……新しい魔法を会得したい?」

フローリア「はい、前々から考えていた事なのですが扱える魔法が一つだけですとやはり不足の事態にも対応し切れないんじゃないかなと思って…」

ルル「この前のクロウスさんの件を気にしてるの…?」

フローリア「……はい」

ルル「あの一瞬の状況でリアはよくやったよ!むしろあれが無かったらみんな死んでたかもしれないんだし…!」

ルル(私なんてあの時、何もできなかったし…)

フローリア「それでも…何かが起きてからじゃ遅いんだって思い知らされてるから…」

ルル「あ…」


レビュオスが死んだあの時、時戻しが起きなかった事をフローリアは今でも悔やんでいた。
あの力にも絶対は存在しないと知り、少しでも自分にできる事を増やしていこうと考えていた。

ルルもその事を察したのか少し考えてから考えを述べた。


ルル「新しい魔法を会得する事なら多分リアなら出来ると思う、でもその為には知らなくちゃいけない事があるの」

ルル「それは魔法を持てる数、生まれ持ったスロットの数を確認しなくちゃいけないんだ……って勤勉なフローリアならもう知ってるか」


この世界において魔法の才能を裏付ける要素は大まかに二つある、それは潜在的な魔力量の多さと覚えた魔法を保持するためのストックと呼ばれる格納庫みたいな物だ。

ストックは自前の魔力で生成される枠組みのような存在でストックの数が多いほど魔法が会得できる数が多くなる。

逆に言えばこのスロットが少なければ生涯に覚えられる魔法の数は限られ、スロットは生まれた時点で個人毎に数が決められていて基本的に後天的に増えることは無いとされる。

加えてスロットに余裕が無い状態での無理な魔法習得は既に覚えている魔法が予想できないモノへと上書きされたり、下手をすると魔法自体が一生使えなくなる恐れがあるのだ。


ルル「肉体に存在するスロットは目視では確認できないんだ、普通なら魔方陣を使用する儀式で調べたりするんだけど…」

フローリア「今は儀式に必要な物が揃えられないから出来ないという事でしょうか?」

ルル「ふふふ……普通ならね?」


フローリアは久しぶりにルルの何かを企んでいる笑いを見たような気がした。
得意分野の話になって少し元気が出てきたのかほんの少しだけ安心する。


ルル「実は魔力の感知に長けた人間ならなんと触る事で調べることが出来るんだ!」

フローリア「そんな方法があるんですか?」

ルル「うんうん!私ならリアのスロットの数を調べることができちゃうんだよ!」エッヘン

フローリア「…!なら是非お願いしたいです!」

ルル「えへへー、ならどこか別の部屋に行こっか。あまり人に見られる訳にもいかないからね」



フローリアとルルは人気のない部屋にやってきた。

ルル曰く、触診のようなものなので肌を晒す必要があるらしい。
なので人の目(特に男性)がある所ではやらないようだ。


ルル「はーい、それじゃあ服を脱いでね」

フローリア「うう…本当にそうしなくちゃいけないの?」

ルル「服の上より直に胸元を触った方が確実なんだもん、それに女の子同士なんだからそんなに恥ずかしがること無いと思うけど…」

フローリア「それは……そうなんですが…」


言い淀むフローリアであったが観念するかのように白状する。


フローリア「はうぅ…じ、実はわたし……自分のスタイルに自信が無くて…」

ルル「えっ、そうなの?」

フローリア「はい……私の妹もお母様も凄くスタイルが良くて、私だけなぜか育ちが良くないのがずっと気になってまして…」シュン

ルル「そ、そぉーお?私から見たらむしろリアぐらいが普通だと思うんだけどな…」

フローリア「侍女の皆さんもそう励ましてくれてたんですけど……やっぱり私の考え過ぎなのでしょうか…?」

ルル「そうだよ!世の中乳のデカさで全てが決まってたまるものか!!私はリアを応援し続けるからね!!」ガシッ

フローリア「あ、ありがとう……ルル…!!」パァァ


なぜか魔法の話から胸の大きさの話へと脱線してしまったがルルのよく分からない声援に少しだけ勇気が出てくる。


ルル「覚悟は決まったね……それじゃあガバッと脱いじゃお!ガバッと!!」

フローリア「そ、そうですね!それでは……がばっと!」ヌギッ

ルル「そうそう!その勢い……で…」



フローリアは勢いよくドレスを脱ぎ捨てる、そして露になった裸体を見てルルは思わず息を飲んだ。

確かに本人の言う通り、フローリアの胸のサイズは彼女の家族やジェニファーと比べると慎ましやかなものだろう。

しかしその肌のハリやきめ細やかさはとても美しくあり、片手で愛でるのには丁度良いサイズ感は非常にバランスが整っていて正に"美"乳と形容するに相応しいものである。

更に肩からくびれ、更にお尻から爪先までのラインまで均衡の取れた美しいプロポーションを保っていた。そこに本人の容姿の良さも相まってルルから見ても美しくまるで天使のようだと錯覚してしまうようだった。


ルル(うわ~……前々から思ってたけどリアの可愛さってなんかこう、別次元の存在みたいな感じだなぁ…)ポーッ

フローリア「あ、あの……ルル、そんなに見つめられると恥ずかしいのですが…」

ルル「えっ、ああ!ごめんごめん、リアの可愛らしさに見惚れちまってたぜ☆」キラッ

フローリア「か、カワッ…!?///」ボッ


紛らわしのつもりで冗談を言ったのだが、親しい人以外で容姿を誉められたことの無いフローリアには思いの外刺さったようで顔が真っ赤になる。

そんなフローリアの姿を見てルルもさっき言った言葉が恥ずかしくなっていった。


ルル「え、えーっと……とりあえず始めよっか…?///」

フローリア「は、はい…よろしくお願いします…///」


ルルはフローリアの胸部に手を添えて魔力手のひらに集中させる。
じんわりと広がっていく人の体温とも異なる暖かさが触れた先から拡がっていく感覚をフローリアは覚える。 

暖かな感覚が血流に乗って体内を巡るような体験を眼を閉じて少しずつ受け入れていった。


フローリア(これが他の人の魔力の波長…くすぐったいような……それでもなぜか安心するのはきっとルルの魔力だからかな…?)

ルル(…うん、魔力の操作自体は問題なさそう、あの時咄嗟に魔法が放てなかったのは……多分私の心の問題だったんだよね…)

ルル(しっかりしなくちゃ……そうじゃなかったら私は…!)グッ


フローリアが奴隷商に傷つけられた時に助けられなかったことを思い出し、思わず魔力を込めた手に力が入る。

その時に起きた魔力のブレが一瞬だけフローリアの乳首の先端を撫ぜだ。


フローリア「ひんっ!?///」ビクンッ

ルル「あっ、ごめんリア!?大丈夫?」

フローリア「へ、平気です…!!ちょっと驚いただけで…!そ、それよりもまだ終わらなさそうな感じですか?」

ルル「ええっと、それは…」


正直に言うとスロットの検査自体は既に終わっている。

しかしルルの好奇心は別のベクトルへと沸き上がっていて、己の知的好奇心と言う名の欲求に染まりつつあった。


ルル(リアでも、あんな声を出すんだ…///)ドキドキ

ルル「……ごめん、もう少しだけかかるかな。ちょっと探る場所を変えてみるね?」

フローリア「はい、分かりまし……ひゃあっ!?///」ビクッ


ルルは魔力を込めた両手をフローリアの双丘に沿わせていく、突然乳房を触られたフローリアは驚きのあまり一際高い声をあげた。


フローリア「る、ルル…そんなに触らないでくださ、あっ…!///」ピクンッ

ルル「リア、これは検査の一環なんだよ…必要な事だから我慢しなくちゃいけないの…!」モミモミ

フローリア「そ、そうなんですか…?んっ!///あ、はぁ…でも…ルルに触られてる所が、じんわり熱くて…///」

ルル「それに、こうやって揉んだりしてると胸が大きくなるって言うし……ね?」

フローリア「うっ………うん…///」ピクッ…ビクッ


両の手のひらでルルはフローリアの美乳をゆっくりと揉んでいく。
撫で回すように動かしていったり、上に優しく持ちあげたり寄せてみたり、乳輪の周りをなぞるように指を動かしたりもした。

指先から流れる魔力の感覚が刺激となり、ルルの愛撫を受けたフローリアは頬を紅く染めながらもピリピリとした快感を徐々に受け入れていく。


そしてその行為に興奮を覚えていったのはフローリアだけでなく、ルルもまたこの場の官能的な雰囲気に飲まれつつあった。

元々クロウスとの逢瀬の時に奴隷商たちの横槍が入ってしまった為おあずけをくらっているのだ。

収まっていた欲情が顔を出し始めてしまいルル自身にも収集がつかなくなってきていた。


ルル(あっ……リア、乳首が勃っちゃってる…)

ルル「あは…♪かわいいね、リア」ペロッ

フローリア「ふぁっ!///はわ、あっ…!ルル…!それ、舐めちゃ、やっ……ああっ!!///」


双丘の中心に桜色の膨らみが可愛らしく自己主張を始めた。
まるで甘い蜜の香りに誘われるようにルルはフローリアの乳首をちろりと舐めていく。

乳首を舐め上げる度に形の良いフローリアの乳房はふるりと震えていく。

涙を浮かべて止めてくれと懇願しても、身体は甘美な快 楽の電流に身を任すだけであった。

やがて乳首を舐めるだけでなく、指でつまんでみたり甘噛みをしたりとしていく内にフローリアに限界が近づいていき…。


フローリア「はっ…あっ、やめっ…///この感覚…だめ…だめなのぉ…っ///」ビクッ ビクッ

ルル「ぺろ、ちゅっ、はぁ…///リアぁ…もう我慢しなくてもいいんだよ?」

ルル「おっぱいで…気持ちよくなっちゃお…ね…?///れろっ、ちゅっ、ちゅるっ、ちゅっ♥」

フローリア「はぁ…!あっ、る、るる…///もう、むり…!まっしろいの…キちゃ…あっ、あっ!あぁっ!///」ビクビクッ








フローリア「ーーーーー~~っ♥ ああっ♥♥」ビクビクッビクンッビクンッ



天を仰ぎながら快楽に震え、やがて糸が切れた人形のように床に寝転がっていった。


フローリア(………あっ、はぁ…はぁ…)

フローリア(あ…下着………汚れちゃった…///)



ルル「………そのぉ、ごめんね?いたずらのつもりだったんだけどちょっとヒートアップし過ぎちゃったかも」

フローリア「むぅー、やっぱり関係無かったじゃないですか…」


どこかの騎士が見れば思わずデジャブを覚えるような土下座から、ルルは先程の行為はスロットの検査にはまったく関係がないことを白状した。

さすがのフローリアもこれには少しだけご立腹だったのかルルは必死に謝罪をしている。


ルル「あ、ははは………本当にごめん!!リアの反応してる姿が見たくてつい…」

フローリア「……もういいですよ、実はそんなに怒ってる訳ではないですし…ただ…」

フローリア「………く、癖になってしまいそうだったのが……少し怖かっただけ…///」

ルル「そっ、そっかぁ…ご、ごめんね、もういきなりは絶対やらないから…!///」


フローリア「そ、それよりも…!本題の方に移りましょう!」

ルル「はっ!?そうだね、そっちの方もバッチリだよ!」




フローリア「九つ……ですか?」

ルル「うん、三つ四つぐらいが普通だからリアはまだまだたくさんの魔法を学べれるよ!」

フローリア「そうなんですね……良かった…」

フローリア(まだ私には…強くなれる可能性はある……神器に頼らなくてもみんなを助けられる可能性が…!)


ホッと胸を撫で下ろすように一息つく、そして心の内で自らの限界はまだまだ先にあることを確認した事で心にも希望の明かりが見えてきたようだ。

フローリア「ありがとうございました、ルル!私これからも頑張りますね!」

ルル「えっへへ~、お役に立てたようで何よりだよ!」


フローリア「それじゃあ私は行きますね……ルルはどうします?」

ルル「私? ……あー、私はここで少し休んでいこうかな。何気にスロットの感知って魔力も集中力も使うから少し疲れちゃって…」

フローリア「分かりました、それじゃあまた後で」

ルル「うん、いってらっしゃーい」


ルルは手を振りながら笑顔でフローリアを見送る。
扉が閉まり、足音が遠ざかるのを確認するとルルは壁にもたれかかり崩れ落ちるように床にへたり込んだ。


ルル「はぁ……はぁ……んっ///」


悩ましげな吐息と共に、彼女の指先は下着越しの秘裂へと伸びていた。
可愛らしい柄物のパンツは愛液の染みが出来ていて、その中心をゆっくりと擦り付けるように指でなぞっていく。


ルル「ふぁ…っ…あっ、あ…♥」クチュ…クチュ

ルル(だめ……リアのあんな姿見ちゃったら……わたしも、興奮してきゃって…///)

ルル「ん、ふ…♥ ゆび……止まらな…あっ♥ はぁん…!///」ビクッビクッ


溜め込んでいた欲求を発散しようと、指先の律動がどんどん早くなっていく。



ルル(も、もう……だ、だめぇえ…!///)クチュ クチュ クチュッ♥

ルル「あっ!ふぅっ///んッ♥んふぅうう…ーー♥///」ビクッビクッビクンッ


制服の一部を噛み、声を圧し殺しながらルルはイき果てる。

湿り気を帯びた指を眺めながら糸を引くように伸びる愛液を眺めながら罪悪感に落ちていた。


ルル(はぁ……ごめんリア……ごめんクロウスさん……わたし……自分が思ってた以上に……えっちな女の子だ…)


フローリアは解放戦線に宛がわれた部屋に戻り予備の下着に脱ぎ換えると再び出掛けることにした。

今はジッとしてる事すら彼女にとっては惜しいことなのだろう。


フローリア(……他にやれる事などはないかしら…?)



フローリア自由行動2回目(残り1回)
↓2でフローリアの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く(二人まで、ただしクロウスのみ単独)
 クロウス、★ジェニファー(ボーナス発生中)、アンリエッタ>>3、リンシア>>629

②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


ウェルドールSPOT
【解放戦線アジト】【修練施設】【荒れている酒場】【鍛冶屋】【馬小屋】【繁華街】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

手持ちのフラグ(フローリア)
クロウス×2

今回はここまでにします。
何気に百合えっちは生涯で初めて書いた気がします、新しい扉が開けたかどうかはまだ分かりません。



あまり長々と語るのも見辛いと思うので結論だけ言うとキャラ安価に関しては今のやり方を変えるつもりは無いです。


正直に言うと似たような感性の人の安価に偏る危険性は最初から考えてはいたのですが…それ以上にエタらせる事の方がずっと駄目な事だな、と思ってます。

扱い辛そうだったり、キャラが動く姿を想像できなさそうだったり、モチベ落として更新されなくなったSSとかもよく見かけてたのでだったら自分でSSやるならいっそ開き直ってキャラは自分で選ぶ方針にしようと決めて始めたので、ご不満がある方もいると思いますが今後もこのやり方で行かさせていきます。


今夜はもう遅いので、その他の意見やご質問に関しての返答は次の更新終わりにてさせて頂きます、ちょっと全てに答えられるかは分かりませんがなるべく返答できるようにしていきます。

…結局長くなってしまいましたが久しぶりの更新にお付き合いくださいましてありがとうございました、今日はまた来る予定です。
それではおやすみなさいませ。

今日は少しだけですが再開していきます。



ウェルドール解放戦線のアジト……廃れた酒場の地下空間にはウェルドール国の兵士に見つからないように広い空洞が拡がっていた。

このアジトで解放戦線の戦士達は作戦会議を行ったり、武具の手入れ、各物資の補充のための作戦行動を行うためのアクセスとして利用していた。

中でも修練施設は前線に出る前の戦士達が己の腕を錆びつかせぬよう日々鍛練を行うための場所として重宝されている。

もっとも洞窟に無理やり設営された為、設備はボロボロで年季の入ったものになっている。

そこでフローリアは思いもよらぬ人物を見かけた。


フローリア(……あれ、あそこに居るのって)

ジェニファー「………はぁ」ジーッ


ジェニファーが修練施設に置かれている武具を眺めていた、そして何故かため息をつきながら何か悩んでいる様子である。


フローリア「ジェニー……どうかしたんですか?」

ジェニファー「…あ、あら?フローリア、どうしましたのこんな所で?」

フローリア「魔法の訓練ができる場所は無いかなって思って……ここを教えてもらったの」

ジェニファー「そうだったのですね、鍛練を欠かさないのはとても良いことだと思いますわ!」

フローリア「ふふ、という事はジェニーも魔法の訓練に来てたんですね」


そう言うとジェニファーは何故かばつの悪そうな表情を浮かべる。

それが気になったフローリアはジェニファーに何か悩みがあるのではないかと気になった。


フローリア「……ジェニー、何か悩んでるんですか?」

ジェニファー「うっ…!なぜ分かるんですの…!?」ドキッ

フローリア「先ほどため息をついていたのを見たので…私で良かったらお話を聞きますよ?」

ジェニファー「……むむ」


ジェニファーは少し悩んだがフローリアを信じたのかいつもより声のトーンを落として喋り始めた。


ジェニファー「……その、フローリアは武芸の心得などはありますでしょうか?」

フローリア「ぶ、武芸ですか…?護身術とかなら習ったことはありますが……あまり上手には出来なくて…」

ジェニファー「そうなのですね…」

フローリア「武芸は妹のミリアの方が才能があったので先生もミリアにかかりきりでしたから…けど、どうしてそんな事を聞くんですか?」

ジェニファー「……前にクロウス様に言われたことがあるのです、努力の方向を見失うと間違いを犯すことがあると」

ジェニファー「わたくしは魔法の勉強や訓練を怠った事はありません、しかし……世の中にはその程度では到底追い付くことができない才能の壁がありますわ…」


どんなに頑張っても……悉く上を行く親友や優秀なクラスメートの姿を思い浮かべる。
その度に負けじと食らいついて行ったが、やはり天賦の才を持つ者には普通にやってては追い付けないと実感していた。


ジェニファー「分かっていますの、今このパーティーの中で一番足を引っ張ってるのはわたくしですわ……!」

フローリア「そんな事…!ジェニーは常に私たちの様子を気にかけていてフォローに回ってくれているのを私は知っています!決して足なんて引っ張ってませんよ…!!」

ジェニファー「優しい貴女ならそう言ってくれると思ってましたわ……だけど、わたくし自身が納得できないのです」

ジェニファー「だから私は武芸を習ってみようと思ったのです、普通にやってて天才達に追い付けないなら普通じゃない事をやって強くなろうと決めたのです!」

フローリア「ジェニー…」


ジェニファーの瞳の奥の光に固い決心を感じられた。

そうだ、彼女はどんな逆境に追いやられようとも常に前を向いていける精神の持ち主だ。
彼女は自分の弱さを卑下にしてるが、恐らくこうして旅をしている女性陣の中では精神的に最も強いのは彼女なのかもしれないとフローリアは思った。




ジェニファー「……そう、思ってたのですが」シュン

ジェニファー「実際に剣とか槍とか弓術で戦っていくにせよ、独学ではさすがに限界がありまして…」シュンシュン

ジェニファー「クロウス様に師事しようにもどうにもタイミングが悪くて声もかけられなくて…」シュンシュンシュン

ジェニファー「どうしたものかと悩んでいたとこなのです……」ズーン

フローリア「あ、はは…」


思えば彼女は周りのフォローに徹する内に自分のやりたいに手を付けられていなかった事に、自分達がいかに気づかれないところで彼女に助けられていたのだと今更ながら気づいてしまった。



ジェニファーとの交流内容(フローリアやジェニファーに言わせたい事や聞きたい事、一緒にやりたい事の内容など)
↓1と↓3で募集して組み込める内容を拾ってきます(流れ的に無理がある場合は拾わない可能性あり)

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月19日 (火) 22:34:42   ID: S:YwIOVq

今夜セックスしたいですか?ここに私を書いてください: https://ujeb.se/KehtPl

2 :  MilitaryGirl   2022年04月20日 (水) 01:34:41   ID: S:-zEorP

今夜セックスしたいですか?ここに私を書いてください: https://ujeb.se/KehtPl

3 :  MilitaryGirl   2022年04月21日 (木) 07:07:47   ID: S:3CXugX

今夜セックスしたいですか?ここに私を書いてください: https://ujeb.se/KehtPl

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom