【安価&コンマ】亡国の姫と従者の逃亡記録 (999)


敵国からの急襲により国を抜け出し、追われる身となった姫君が放浪の旅をすることになります
選択、安価、コンマの力で姫を導いてください

世界観
剣や魔法が存在する世界ですが西側の帝国は古代文明の遺産を手に入れた事で文明武器(銃や大砲)なども存在します、それ以外は話が進む毎に付け足していく感じになります

注意事項
本作は回数制限付のコンティニュー制度を設けていますが故意に何度も同じ展開に持っていこうとしたり荒らしに該当する行為や安価があった場合は無効として再安価などをとる場合があります

またシステムやルールは途中で手を加えたり変更をする可能性もあります

エロはNTR、陵辱などが基本になりますが純愛展開に持っていくこともできます(百合はどうするか未定)



その他追加事項とかも出てくると思いますがその都度追加していきます


それはあっという間の出来事であった。

長年もの間、ミクトラム王国と敵対していたラジル帝国との和平調停を結び、平和の礎を築こうとした時である。


王国を囲うように四方からの帝国軍の急襲、それにより抵抗していた王国軍は統率が取れず壊滅的な被害を受けることとなった。

ラジル帝国は王国の王、ミクトラム王11世に降伏命令を出し王国側はこれを受け入れる。
これは事実上、王族の人間を処刑して王の血を根絶やしにすることで帝国による完全征服を目的とした死刑宣告でもあった。


しかし、王国はギリギリの所で国王と女王の間に出来た王女姉妹とその従者を帝国に気づかれる事なく王国から脱出させることに成功させる……そして、



従者「……め、…さま…ひめ、さま…!」

姉姫「う、ううん…」

従者「お目覚めですか、姫様?」


逃げ出してきた主人公、姉姫のプロフィール
↓1から↓3の間で>>1で募集

【名前】
【性別】女性で固定
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足などがあれば

姫さま
【名前】フローリア
【性別】女性で固定
【年齢】17
【見た目】幼さの残る顔立ち、透けるような長い金髪に白い肌、美乳体型
【性格】清楚で世間知らず、この世の汚いものなど見たことがないかのような無垢な心の持ち主 家臣たちにはとても優しかった
【その他】本を読んだり歌を歌うのが好き 赤ちゃんは神さまが授けてくれるものだと思っている


>>4でいかせて頂きます


「はい…、少しだけ眠っていたようですね…」

ドレスに付いた土煙を払い立ち上がる。

その動作だけでも気品に満ち溢れており、その姿を見ただけで高貴な身分の人間という事が分かるだろう。


彼女の名前はフローリア・ミクトラム。
11代続いたミクトラム王国における姫の一人である。


フローリア「すみません、あなたにも迷惑をおかけしたみたい…」


フローリア(姉姫)の護衛として付いている従者
↓1から↓3の間で募集

【名前】
【性別】
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足や生い立ちなどがあれば

【名前】クロウス
【性別】男
【年齢】35
【見た目】大柄で屈強な偉丈夫。燃えるような赤髪
【性格】真面目で実直だが、頑固ではない
【その他】実力と人格を兼ね備え、国王に深く信頼された騎士。フローリアと幼いころから交流が有り、信頼されてきた。未婚。

凌辱する側も女って可能?


>>7でいきます、女性従者は妹姫ルートがやれたら固定でやります

>>13 状況にもよるけど有りにするかも



クロウス「とんでもございません!むしろ姫様をこのような所で休憩せざる終えない私の責任でございます!」

フローリア「いいえクロウス、この様な状況なのにすぐに疲れてしまう私が駄目なの…クロウスはよくやってくれてるわ」


フローリアの側にいる男はクロウス。

フローリアが産まれる前から王国の騎士として仕えており、今はフローリアの護衛として彼女を護ることが彼の使命であった。


フローリア「それに今は公の場ではないわ、いつも通り名前で呼んでくれて構わないのよ?」

クロウス「フローリア様…」


あの日、帝国の急襲から一日が経った。妹姫ともう一人の従者と共に馬に乗って国を脱出したが道中の追っ手を撒くために二手に別れてしまった。


仲の良かったメイドや美味しい食事を作ってくれていた城の執事や使用人や優しい家臣達。

住み慣れた城、可愛がっていた妹との別れ、国王である父や母は生死不明。

そして今は追っ手に終われぬよう慣れぬ森の中で隠れ潜みながらの行進、精神が蝕まれてもおかしくない状況なのに笑顔を絶やさず他人の心配をしている。


クロウス(何としてでも姫様だけはお守りせねば…!!でなければ国王に会わせる顔がない!)


フローリア「ところでクロウス、これから先……私たちはどうすれば良いのでしょう?」

クロウス「そう、ですね…」

クロウス「このまま国内をうろつくのは危険が伴います、なのでまずは最短ルートで隣国へと亡命するべきです」

フローリア「亡命……帝国に追われている私たちを拾い上げてくれる国があるのでしょうか」

クロウス「少なくとも同盟を結んでいる国なら我々を受け入れてくれるでしょう」

フローリア「クロウス、そこはどんな所なの?」


亡命先としての目的地
↓1から↓3まで募集(選ばれない国も存在してる体になります)


以下、一例
【名前】ミクトラム王国
【特徴】一年を通じて気候が安定しており、友好国も多く穏やかな風土の国。精霊信仰や魔法技術など他国の特徴や文化を受け入れることにも寛容的で国民は豊かな生活を生きている。

【名前】ナール魔導帝国
【特徴】魔法使いが人口の9割を占める国。日常において魔法は当然のように存在しているものであり、教育の場も整備されている。女王はこの世界最強の魔法士と名高い人物


>>17でいきます


クロウス「この地より南にあるナール魔導帝国に向かいましょう」

フローリア「ナールって魔法が栄えているっていう所ね?」

クロウス「はい、国民が日常的に魔法を使う環境に有り魔法を修練するためのアカデミーも存在しております」

クロウス「戦力的にも帝国は迂闊に手を出しにくいでしょうし、今後の事を考えるならナールへ行くのが理想かと…」

フローリア「分かりました、妹もそちらに向かう可能性はありそうでしょうしナールへと行きましょう」

フローリア(お父様…お母様……、二人を置いて国を去ることをお許しください)

フローリア(しかし必ず、妹と二人でまた王国の地へと戻ります…!)




国土から離れるため、姫と騎士は馬を走らせる。

整理されていない道を通るためスピードは出せないが、敵に見つかるのを避けるには回り道をせざるせざる終えなかった。

それでもフローリアは肩に風を切る感覚に新鮮な気分になり、これからの旅路に思いを馳せていく。


フローリア「ねぇクロウス、ナールにはどうやって行くのでしょうか?私はこうして外に出るのすら初めてだからよく分からないわ」

クロウス「本来ならば正規のルートを通り街を越え、関所を通るべきなのですが…おそらくそちらは帝国軍に警戒されているはず」

フローリア「既に私たちが居ないことに帝国の兵士さんも気づいているのでしょうか」

クロウス「ええ、間違いなく」

クロウス「なので道中は厳しいのですが迂回して回り道をしなくてはいけません、幾つかのルートはあるのですが…」


ナールへと行くための迂回路
↓1から先に2票入ったルートを通ります

①蛮族が住まうとされる峡谷 デッドウォール
②俗世を捨てた獣人族の楽園 隔離された森林
③魔物のすみかとされる洞窟 蒼湖の岩洞


③蒼湖の岩洞ルート


クロウス(少し危険だが洞窟を通って行く方が近道か、あそこは魔物が出るが隊が通れるほどの広さはない)

クロウス(帝国兵に見つからずに進んでいくには一番良いのかもしれない)

クロウス「ここから道を外れると人目につかない所に洞窟があります、そちらを通って山を抜けていくルートが近道になります……しかし魔物が出る故に少々危険が伴う可能性もあります」

フローリア「洞窟…」

クロウス「もしご不満がありましたら別のルートもありますが…」

フローリア「いえ構わないわ、今の私たちは何処にいても危険と隣り合わせなのでしょう?」

フローリア「他のみんなが身を呈して脱出の手助けをしてくれたのに私が我が儘を言っている場合ではないわ」

フローリア「それに……もし危ない目に合っても、きっとクロウスが助けてくれるわ」ギュッ

クロウス「ふ、フローリア様…!」



赤子の時から護り続けてきた姫からの全幅の信頼。

それが枷となるか、剣となるか。いずれにせよ一人の騎士として、フローリア姫を護りきる覚悟を固めるのであった。


やがて二人は洞窟の入り口へと辿り着く。

少しの湿気とひんやりとした冷たい風が入り口から吹き出ている。

松明に火を灯し、中にはいる準備を整える。


クロウス「ここから先は徒歩で進みます、足場が悪いので私の側から離れぬようお願い致します」

フローリア「ええ、分かったわ…」


一寸先は闇と言わんばかりの地に足を踏み入れることにフローリアは恐怖を感じる。

進む度に後戻りのできない恐怖が身体を侵食していくようで思わず首にかけていたペンダントに手をかける。


クロウス「フローリア様、そのペンダントは…?」

フローリア「これは脱出の際にお母様から頂いたの、お守り代わりにって」

クロウス「王妃様から…」

フローリア「はい、不思議なんです……このペンダントに触れてると、なんだか暖かい気持ちになって」

クロウス「きっと王妃様の思いが込められているのですよ、フローリア様を遠くの地からも見守ってくださっているのです」

フローリア「そうね、ふふ…」

クロウス「い、いかがなされましたか?」

フローリア「ごめんなさい、クロウスみたいな真面目な人がそんなロマンチックな事を言うなんて思わなかったの」

クロウス「う…!そ、そうでしょうか?」

フローリア「笑ってごめんなさい…!でも私、そういうお話は大好きなの」

フローリア「ありがとうクロウス、少し不安だったけどお陰で元気がでたかも」クスッ


何気なくかけた言葉だったが、フローリアに柔らかな笑顔が戻り少しだけ恐怖が和らいだようであった。


洞窟を進んでいくと大きな空間へと出る。

そこには先ほどの暗闇など、どこかへ消えたかのように蒼く光っておりその光は大きな地底湖から漏れ出ているようだった。

光は洞窟内を反射しているようで淡く蒼く光輝くその光景は、蒼の湖と呼ばれるに相応しいものであった。


フローリア「すごい……とても綺麗…」

クロウス「この洞窟が【蒼湖の岩洞】と呼ばれる由縁ですね、なぜ湖が蒼く光っているのかは未だに解明されてませんが…確かにこの光景は凄いな」

クロウス(ここまで来れば出口はそろそろか……む?)


ふとクロウスが地底湖に目を向けていると、底から何か泡のようなものが浮かび上がっている。

やがてその中心から水柱が立ち、中から異形の魔物が飛び出てきた。


地底湖から飛び出してきた魔物
↓1から↓3の間で募集

【名前】
【生態】
【攻撃方法】
【弱点】

【名前】ハラマセカエル
【生態】洞窟の中に潜む醜い巨大ガマガエル メスと見れば種を問わずのしかかり犯してしまう 受精すると僅か数分で子宮内でオタマジャクシに孵り媚薬体液を分泌しながら膣外へと這い出してくる
【攻撃方法】長い舌をムチのように使う また体液には普通のガマガエル同様の毒が含まれており対象を動けなくしてしまう。
【弱点】火に弱い 鈍重


>>31で行きます


フローリア「クロウス!?」

クロウス「フローリア様!お下がりください!」


咄嗟にフローリアを下がらせたのは好判断だった。

水しぶきの中から飛び出てきたソイツは先ほどまでにフローリアの居た位置に長い舌を叩きつけてきたのだ。

ガマガエルを何倍も大きくしたその魔物は眼に血を走らせているようで人目で興奮状態に陥ってるのが分かる。

その視線は剣を構えるクロウス……では無く後ろにいるフローリアに向けられているようだった。



ハラマセカエル「ケロロロ…」

フローリア「く、クロウス…恐いわ」

クロウス「フローリア様は岩影に!」


クロウス(カエル型の魔物は何度か見たことはあるがこの魔物は見たことが無い、しかもこちらは姫をお守りしながらの戦い…気を引き締めねば)


※戦闘に移ります、負けた場合はフローリアの敗北凌辱です。

────戦闘チュートリアル────


戦闘イベントでは相手の行動に対してより主導権の取れる行動を取れた方が勝者になります。

戦闘行動にはそれぞれじゃんけんのような三竦みの相性が有り、相手より優位の取れる行動を取れるかが鍵になります。

先にこちらの行動を指定し、次に敵の行動をコンマで決めていく流れになります。最大3回の内、2回判定に勝利すればPLサイドの勝ちです。

また3回のうち勝ち、負け、引き分けと勝負がつかなかった場合はコンマによるサドンデス勝負で決着を決めます。

戦闘に敗北したときは敗北凌辱シーンに移ります。(無い場合もある)


────戦闘開始────

【Act.1】


クロウス(この重量だ、おそらく相手の動きは鈍いだろう…)

クロウスの行動選択
①突撃して先制攻撃(チャージ系◯、テクニック系×)
②回避してカウンター狙い(テクニック系◯、アタック系×)
③ガードを固めて様子見(アタック系◯、チャージ系×)



ハラマセカエルの行動パターン

01~20 溜めてのしかかり(チャージ系)
21~50 毒液(テクニック系)
51~80 舌伸ばし(アタック系)
81~98 無抵抗(無条件で攻撃が通る)
奇数ゾロ目 結果に関係なくクロウスの勝ち
偶数ゾロ目 結果に関係なく敵の勝ち


↓1でクロウスの行動選択
↓3のコンマで敵の行動が決まります


クロウス(先ほどの舌の攻撃は強烈だ、アレをまともにくらうのは鎧が在っても上からダメージをくらう)

クロウス(まずはガードを固めて様子を見……?)

ハラマセカエル「ゲロロ…グパァァ!!!」


ブシュル! びちゃびちゃ!! びしゃあっ!!!


クロウス「ぐっ!?」ダッ


どっしりと盾を構え様子見に徹していたのが好を奏したのか、或いは好機を捉え損なったか。

カエルの魔物はクロウス目掛け体液の塊を吐き出してきた。

間一髪で回避したクロウスだが、体液が飛び散った先にある苔のような植物が音を立てながら変色していく様を目撃した。


クロウス(このゲロみたいなヤツは毒か…!!まともに被りたくはないな…!)


───引き分け───
     1 2 3
クロウス ー
 カエル ー

【Act.2】


クロウス(距離が縮まらない、この状態はリーチの差で俺が不利だな…)

クロウスの行動選択
①突撃して先制攻撃(チャージ系◯、テクニック系×)
②回避してカウンター狙い(テクニック系◯、アタック系×)
③ガードを固めて様子見(アタック系◯、チャージ系×)



ハラマセカエルの行動パターン

01~20 溜めてのしかかり(チャージ系)
21~50 毒液(テクニック系)
51~80 舌伸ばし(アタック系)
81~98 無抵抗(無条件で攻撃が通る)
奇数ゾロ目 結果に関係なくクロウスの勝ち
偶数ゾロ目 結果に関係なく敵の勝ち


↓1でクロウスの行動選択
↓3のコンマで敵の行動が決まります

よく考えたら戦闘のシステム敵に引き分け、引き分け、勝ちでも勝利になるからチュートリアルの説明文は後で変更しなくては…


クロウス(このままではジリ貧か、ならば臆せず攻める!)ダッ

クロウス「むんっ!」ザシュッ


意を決したクロウスはカエルの魔物に突撃し、前足の部分から斬りつけていく。

カエルは鈍重な動きながらもクロウスの動きに着いていくように身体を動かすが明らかにクロウスの速さにはついては来れずにいる。


クロウス(俺の身のこなしもそこまで早いわけではないが、コイツの鈍い動きに助けられているな)

クロウス(むしろ近距離こそ安全圏!このままなます切りにしてくれる!!)





フローリア「……クロウス」


遠くからクロウスの戦い振りを見守るフローリアはどこか胸騒ぎを覚えていた。

このままでは済まないような、謎の焦燥感に駆られるように自分でも気づかない内に戦場へと近づいて行った。


───引き分け───
     1 2 3
クロウス ー ◯
 カエル ー  ✕  ※敵の行動パターンが変わった!

【Act.3】


クロウス「悪いがこのまま押し通らせてもらうぞ!!」

クロウスの行動選択
①駆け上がり脳天を突き刺す(チャージ系◯、テクニック系×)
②回避してカウンター狙い(テクニック系◯、アタック系×)
③ガードを固めて様子見(アタック系◯、チャージ系×)



ハラマセカエルの行動パターン

01~60 溜めてのしかかり(チャージ系)
61~80 毒液(テクニック系)
81~90 舌伸ばし(アタック系)
91~98 無抵抗(無条件で攻撃が通る)
奇数ゾロ目 結果に関係なくクロウスの勝ち
偶数ゾロ目 結果に関係なく敵の勝ち


↓1でクロウスの行動選択
↓3のコンマで敵の行動が決まります

下3だとレス来るまでに時間かからない?

初っぱな敗北エロだけど内容は安価募集かな?
あと何回エロが入ったら完堕ちとかある?

勝ったら普通に進行、負けたらエロイベ後に再戦闘のオムニバス形式でもいいんじゃない


ちょっとレス返と返答タイム

>>49
そこは次回から直しますねー

>>52
エロシーンの内容は敵の説明文から>>1が想像して作ります、無茶苦茶な内容来て捌ききれないのが一番怖いので…
エロシーン(陵辱系)が入るとそのキャラに淫欲値という者が加算されます、淫欲値が100に達すると完堕ちって形になります(淫欲値を下げる手段も入れる予定)

>>53
もしくは再戦闘だけスキップとかはちょっと考えてますね

あとちょっとネタバレになるんですが、陵辱シーンが終わると強制コンティニューになりますがフローリア姫の淫欲値は引き継ぎになる感じになります
なんでそうなるかは話の続きを見ていただければと思います

エロシーンは夜中までお待ちを…




コンマ偶数ゾロ目につき、強制敗北




戦いというものはいつ何が起きるか分からない。

たとえ先ほどまでに優勢に立っていた者が一瞬で窮地に陥る事などざらにある事だ。

クロウスには油断も慢心も無かった、彼の判断は的確でおおよそ正解と言える行動を取っていた。

しかし……。



フローリア「クロウス!」

クロウス「な、姫様!?前に出てはなりません!!」


一瞬の油断。外的な要因によるものは彼自身にはどうしようもなく、その後にカエルの動きに気づくのに僅かながらに遅れを取ってしまう。

一瞬の跳躍、それはクロウスの視界から消えるには十分の高さを跳び彼はその事に気づけていない。


クロウス「な…っ!しまっ」






ドシィイイイン!!!

メキッ! メギメギィッ!!



クロウスの何倍もある、カエルの全体重が彼の降り落ちる………。


クロウス「ごっ、ばぁ…がぁぁああッッッ!!!!!」

クロウス「が…はぁっ………、………………」


鎧は余りの圧にひしゃげ、身体ごと変形されていた。

圧迫された肉体からは肉片と骨の砕けたものが飛び散り、内蔵が血の海に浮かぶかのような凄惨な光景へとなり果てていた。


フローリア「え……………、……あ……………………?」



クロウス「」



フローリア「くろ……うす………?」

フローリア「…あ、…あぁ…!!」



フローリア「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーッ!!!!」


幼き頃から、自分を護ってくれていた親しき人物の惨たらしい死に様。

しかもそれが自分の軽率な行動のせいで起きたという理解の範疇を越えた出来事に絶叫が木霊する。

だが絶望は休むこと無く、彼女へと降り注ぐのだった…。


ハラマセカエル「ゲコココ、ゲコッ!ゲコッ!」

フローリア「あっ!?ひいぃっ!!?」


カエルは長い舌をムチのように伸ばすとフローリアの足首を掴み、地面を引き摺りながら己の元に手繰り寄せていく。

恐怖で錯乱しながらも地面の岩を掴んで耐えようとしたが力の差は歴然で、フローリアはあっさりとカエルに組み敷かれてしまった。


フローリア「い、いや!!やめて!!放してください…!!!」


フローリア(あっ……クロウス…!わたしも、クロウスみたいに、潰されてしまうのでしょうか…)

フローリア(ごめんなさい……クロウス………私のせいで、ごめんなさい…!ごめんなさい…!!)

フローリア(私も……いま後を追います………父上、母上…不出来な私をお許しください…)


ゆっくりと圧をかけていくカエル、そして目の前の血溜まりに伏してピクリとも動かないクロウスを前にフローリアは自分も潰されて肉塊になるのだろうと想像していた。

しかし現実は、彼女が描いていた絶望の方がまだ優しかったのかもしれない……。


フローリア(あ、れ……?潰されない……?)

フローリア「ど、どうして……ひうぅっ!?」びくっ


カエルは舌を器用に操り、タイツの上からフローリアの卑裂を舐め上げていく。

ぐりぐりと押し付けるかのように思えばタイツごとショーツを力ずくで引き摺り降ろしいった。


フローリア「ひぃっ!や、やめてください…!!そんな、私の汚いところを…!!あっ、ひゃんっ!!」

フローリア(な、なんなのこれ…!!こんな事に、なんの意味があるの!?)


清らかで無垢な心を持っているフローリアは周りに大事にされて育てられてきた。

そんな周囲の優しさが、彼女に性知識をいつ教えるべきなのかを躊躇させていた。故に彼女は今から至る行為がどのような意味を成すのかは知らない。

なんの前触れも無く、ただ本能に従うままに。


フローリア「はぁ…!はっ……あぐっ!?」

フローリア「ひぎぃっ!?い、いだっ!!や、やめ、あ"っひぐぃいいい"い"い"ーーーっ!!?!?」


ハラマセカエルは巨大な生殖器を彼女の穢れを知らない卑裂に突き刺した。


フローリア(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!な、なにこれ!!!!わたしのおしっこ出るとこに!!何か入っ…てるーーー!?)

ハラマセカエル「ゲゴッ!!ケロロッ!!!」



ぱんっ!!  ぱんっ!!  ぱんっ!!  ぱんっ!!
ずぢゅっ! ずぢゅっ! ずぢゅっ! ずぢゅっ!



フローリア「い"ぎっ!!ひっ!!!ひぐぅ!!?あっ!あ"っ!!!」

フローリア「い"だいっ!!あぐっ!いぎ、できなっ!!あ"っ!!やめで!!もうやめ"てぇえ!!!」


必死の懇願も雌の胎内に自らの遺伝子を遺すことしか考えない畜生に言葉など通用せず、イボ付いた陰茎で血にまみれた膣内を掘削するかの如く激しく抜き差ししていく。



ずぢゅん!! ずぢゅん!! ずぢゅん!!
どちゅっ! どちゅっ! どちゅっ! どちゅっ!

 

フローリア「ほっ!!おぐっ!?あっ、まっ!な、待って!!!なんか、なかで、おおきくなって……ぐひっ!!ひぃぃ!?」



どぷっ!!!  どぴゅっ!!!  どぴゅっ!!!
びゅくっ!びゅっ!! びゅぶびゅぷっ!!

フローリア「あっ!!あっ!!!あ"っ!!!あぎいぃぃぃいいいいいい~~!!?!?!!!!」


やがて行為は終盤に近づき、カエルはフローリアの胎内に溢れんばかりの精子を吐き出した。


フローリア「ひっ!?あっ、な、なに…これぇ!!?」

フローリア(わ、わたしのお腹、どうなっちゃったの!!?まるで自分以外のなにかが蠢いて…)
 

ドクンッ


フローリア「あ"っ♥」びくんっ

フローリア「あっ、やっ、らめっ♥ あ"うっ、んんっ、あ"っ♥」


フローリアは知らなかった。

この魔物は自身の子孫を残すために、雌の種類を問わずに性行を行うことを。

受精した卵子は急速に成長し始め、オタマジャクシへと姿を変え始めることを。

そしてその際に雌瑞からが母体になるように誘導するために、膣外から這い出る際に媚薬成分の混じった体液を放出しながら出てくることに。


フローリア「お"ひぃっ!?や、りゃめぇえっ♥ にゃかでっ♥ あばれないりぇ、あぁ♥♥」

フローリア「あ"っ♥ い"っ、いいっ♥ しゅごっ、あうんっ♥ あっ♥ こわれる♥ あたまも♥ おなかも♥ こわれひゃううううううう♥♥」

フローリア「らめっ♥ らめらめぇぇぇえええ♥♥♥」


ずりゅ……ずりゅずりゅずりゅ!!!!
びちゃびちゃっ! びちゃ! びちゃびちゃっ!!!


フローリア「あ"ぎっ!ひいいいぃいいいいい~~~~~~~~♥♥♥」


フローリアは潮を噴きながら、その秘裂から大量のオタマジャクシを産み落としてしまうのだった。


淫欲値の上昇度
下1のコンマ一桁目(0は10扱い)


フローリアの淫欲値 8/100



全てのオタマジャクシが胎内から出てくる頃にはフローリアの精神は壊れかけていた。

大股を開いて倒れ伏す姿は皮肉にもひっくり返した蛙のような姿になっていた。

そこには気品と清楚に溢れた彼女の姿はもうどこにもない。

そしてハラマセカエルはそんな彼女の上に再びのしかかり、二度目の交尾を始めようとしている。

しかし媚薬体液を膣から吸収しているフローリアにもはや抵抗は無く、むしろ受け入れるのを喜んでいるようにも見えた。


フローリア「あ、はへぁ…♥ やめ、へぇ♥ ころひてぇ…♥」


フローリア(もう、頭の中もぐちゃぐちゃ…これがクロウスを殺した私への報いなのかな…)


フローリア(私が強ければ……クロウスに心配をかけないぐらいに強ければ…)



フローリア(父も、母も、国も、クロウスも、何も奪わせないのに…!!) 


恐怖と快楽に漏れた涙は、やがて後悔と強くなる事への誓いの涙に変わっていく。

頬から伝った涙がペンダントに落ちた気がした。


ーーーーーーキィンッ


フローリア「………………あ、れ?」


あまりにも突然の瞬間だった。

首にかけていたペンダントが強く光輝き、暖かな風に包まれたと思いきや、先程までに自分にのしかかっていたカエルの姿は無く。

汚れてしまったドレスや身体が何もなかったかのように元通りになっている。

そして何よりフローリアを驚かせたのは………。



クロウス「悪いがこのまま押し通らせてもらうぞ!!」

フローリア「……クロウス…!?」


先ほど自分の死なせてしまったはずのクロウスが剣を構えカエルの魔物と再び戦っている光景であった。

今夜はもう更新しません

あと蛙ってホントはオスでも陰茎生えてないらしいんですけどそこはファンタジーってことで許して


>>16-19の国にも行く予定ですか?

>>67
今後の展開次第ですね、つまり予定は未定(存在はするけど諸事情で採用しづらいところもあるかも)


まるで時間が巻き戻ったような状況に理解が追い付かない。

しかし確かに死んでしまったはずのクロウスが目の前にいる事に喜びの気持ちを隠しきれなかった。


フローリア「クロウス!」

クロウス「な、姫様!?前に出てはなりません!!」


フローリア(……あっ)


そこでフローリアは気づいてしまう。
この行為は先ほど自らが犯した愚行と同じ展開になるということに。

そしてカエルの魔物は跳躍の姿勢を取ろうとしていた。


フローリア(だ、だめ…!!ここままじゃ、また…私のせいでクロウスが…!!)





先ほどの自分はカエルの行動に反射できていなかった。
しかし、今はカエルがどのような行動を取るのか何故か知っている。

フローリアは駆け寄りながらも少し前まで自分たちを闇から照らしてくれていた松明を広い上げ…。


フローリア「え、ええーい!!!」


カエルの跳躍の天辺辺りに松明を投げた。


ボゥッ!

ハラマセカエル「ゲャロロロッ!?」


フローリアの投げた松明は空中にいるカエルに見事に的中した。

松明の炎はカエルの表皮を焦がす程度だったが、想像以上に嫌がっている。


クロウス「くっ…うおお!?」


空中で姿勢が逸れたのもあるが、なによりクロウスがカエルの行動に前よりも早めに気づけたのも大きい。

カエルの着地地点はクロウスの居る所より僅かにズレ、避けたクロウスはすかさず地面を転がるカエルの脳天に剣を突き刺した。


クロウス「これで終わりだ!!」ドスッ ドスッ

ハラマセカエル「ゲコッ……、………」


2度、3度、剣を突き立て……びくびくと痙攣した後、カエルの魔物は完全に沈黙した。


クロウス「はぁーっ、はぁーっ」

フローリア「クロウス!?大丈夫!?怪我はしてない?」

クロウス「姫…さま…!!なぜ前に出てきたのですか!?」

フローリア「ふぇっ!?」

クロウス「戦いの場に出る事が危険なのがお分かりではないのですか!?今の軽率な行為が国王や王妃、家臣達の頑張りを無に帰すことになったのかもしれないのですよ!?」

フローリア「……ぁ」


クロウスの怒りは最もだ。

現に自分が出しゃばったりしなければ、クロウスならカエルの跳躍にも気づいていただろうしもっと楽に倒していたのだろう。

なによりクロウスの言う通り、自分はみんなの思いを裏切ってしまうところだったのだ。


フローリア「ご、めんなさい………ごめんなさい、ごめんなさい…」

クロウス「……お怪我は無いですか?」

フローリア「はい…」

クロウス「そうですか………姫様!」バッ

クロウス「このクロウス、火急の事態だったとはいえ王族の姫様にご無礼を働いたことをお許しください!!!」

クロウス「罰はなんなりとお受けします、申し訳ございませんでした!!」

フローリア「く、クロウス!?そんな、むしろ私が悪いに、頭を上げて…!!」


決して頭が固いわけでは無いがクロウスほど王国の中で真面目な漢は居なかっただろう。

そんなクロウスが生きてくれていて、こんな状況で不謹慎かもしれないが。

それでもやはり、この人が生きてくれていて良かったとフローリアは心の底から安堵した。





フローリア(けれど……先ほどのアレはなんだったの?)

フローリア(夢……だったのかしら、それにしては妙に…)


感触が、痛みが、熱が、感じたことの無い快楽の嵐がリアルに残っているようで……。


フローリア(ううん…きっとあれは夢だったのよ、今は身体も何ともないし…)


クロウス「……むっ」

フローリア「あっ、クロウス…」

クロウス「ええ、姫様……囲まれております」


先ほどの戦闘音が洞窟内に響いてたのだろう、どうやら気づかぬ間に洞窟の魔物たちを呼び寄せてしまったらしい。

スライムや魚型、コウモリの魔物など一匹一匹は大した事の無い魔物だが群れをなすと話は変わってくる。


クロウス「私が道を切り開きます、姫様は洞窟の外まで走ってお逃げください!」

フローリア「そんな!クロウスを置いてはいけないわ!」

クロウス「お分かりください姫様!この状況だと貴女を守りきれるかどうか…!!」


徐々に迫ってくる敵の包囲網に、選択の時間が刻一刻と迫っていく。

しかし、運命は彼らに選択の余地など与えないようで…。


???「ちょっと待った!」

フローリア「え!?」


声のする方を見ると誰かが居る。

その人影は何かを投げつけるとそこから煙が出てきて視界は白い煙幕で見えづらくなる。

その煙を吸い込んだ魔物はどこか嫌がるように暴れまわっているようだ。


???「出口はこっち、早く!」

クロウス「……今は信用するしかないか、姫様!はぐれぬよう着いてきてください!!」

フローリア「は、はい…!!」


クロウスの号令と共に出口の方へと走っていく。

フローリアは先導してくれている謎の人物の方を見る。


フローリア達を助けてくれた人はどんな人か
↓1から先に2票入ったルート(後で選択した職業でキャラ作成アリ)

①ナール魔導帝国の魔導士(ナールに直行)
②通りすがりの冒険者(ナールに直行)
③洞窟近くの村に住む狩人(ナール前に寄り道)


フローリアたちを助けてくれたナール魔導帝国の魔導士(国属でもフリーでもどっちでも可)
↓1から↓3の間で募集

【名前】
【性別】
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足や生い立ちなどがあれば

【名前】ルル
【性別】女
【年齢】16
【見た目】赤茶髪ボブでくりくりした目が特徴的なロリっ子。胸は少しある
【性格】お転婆でトラブルメーカーだが意外と冷静な一面もあり引くべき一線は弁えている
【その他】ナール魔導学院主席の少女。生まれつきの天才気質で、思いつきで新魔法を作り出してぶっつけ本番で実践投入するというとんでもない戦い方をする。平民出身の為か学院の一部のグループからはよく思われていない

更新速度に関してはごめんなさい、基本的に2日に1回の速度になってしまいそうです(余裕があれば連日でやる)
もう少し余裕ができればいいんですけどね…


>>79でいきます


息を切らし、必死に洞窟を走り抜けていくとやがて光が視界に差し込んだ。

外に出た頃にはもうこれ以上動けないくらいにフローリアは疲弊しきっていた。



??「ふぃー!なんとかなったねー」

クロウス「ああ、お陰で助かった」

フローリア(す、凄いなぁ……二人とも…っ、クロウスなんて鎧も着てるのに…!!)ゼーハー


クロウス「……さて、助けて貰っておいてアレだが…君は何者だ?なぜ俺たちを助けた」

??「わわ!待って待って!取って食うつもりなんて全然無いんだからー!!」


クロウスは剣の持ち手に然り気無く手をかけ、警戒を解かないでいる。


フローリア「お、おやめなさい…!!クロウス…!」ゼーハー

フローリア「その方は私たちの命の恩人です…!無礼を働くことは断じて許しません!」

クロウス「姫様……失礼しました」スッ

??「はぁー、びっくりした…」

フローリア「申し訳ありませんでした、私はフローリアと申します…こちらは私の護衛を務めているクロウスと言います」

??「フローリアさんとクロウスさんね、私はルルって言うの!」

ルル「なにを隠そう、ナールの魔導学院の完璧無敵!今期の首席学院生とは私のことなのだ!」エッヘン

フローリア「はわぁ…なんだかとても凄そうなんですね」

ルル「えへへー、そうでしょそうでしょ♪」

クロウス「それで、その首席学院生がなんであんなとこに居たんだ?」

ルル「それに関してはまぁ深い訳がありまして…というか二人こそなんであんな魔物がうじゃうじゃいる湿っぽいとこにいたの?」

ルル「それにその身なり……なんだか普通の冒険者とは違う気もするし」

クロウス「……そこを突かれるのは痛いな」


二人は自己紹介も兼ねてルルにこれまでの経緯を説明する。

王国が帝国軍により陥落した事は知らなかったようでルルは驚きを隠せなかった。
 

ルル「うーん、まさかミクトラム王国がそんな事になってたなんて…というかまさかフローリアが王国のお姫様だって事もびっくりした……しました」

フローリア「言葉使いなんて気にしなくても良いんですよ?今はただの流浪の身の女に過ぎませんから…」

ルル「いやいや、流石にお姫さまって分かったからにはそうはいかないですよー!」

クロウス「まぁ、そういう事だ。今は同盟国でもあるナール魔導帝国に姫様の身の安全を確保してもらいたい、すまないが道案内を頼んでも良いだろうか?」

クロウス(少なくともこの娘に害意は無いだろう、姫様にはもう少しだけ我慢してもらう事にはなるが…)

ルル「道案内? それはいいけど、そんな事しなくても直で行けますよ?」

クロウス「……は?」

クロウス「いや、まだナールには距離があるだろう?」

ルル「ふふーん!このルル様を舐めてもらっては困りますよ!!ここで取り出したるは私が作り出したポケットワープくん!!」ジャジャーン

フローリア「ぽけっと……ワープくん?」

ルル「魔法石に魔力を込めて術式を刻んで……まぁ百聞は一見に如かずということで、さっそく飛んじゃいましょうか!!」

フローリア「へ? ひゃわ!?」

クロウス「むおっ!?」


ルルがポケットワープくん(という名のキモカワイイ人形)を天に掲げると地面から魔方陣が展開され、三人を白い障壁で包み込む。

そして数秒もしない内に視界が開けると、そこは洞窟を抜けた先の平野…ではなく王国とはまた変わった街並みの風景になっていた。


ルル「ようこそナール魔導帝国へ!」

フローリア「わぁ…!凄い、凄いですルル!!私、わーぷなんてしたの産まれて初めてです!」

ルル「い、いやだなぁそんなに褒めないでくださいよぉ!モットイッテ、モットイッテ」

クロウス「転移魔法…!!しかもこんな短時間で…!」


通常、転移魔法は転移したい魔方陣同士に魔力を刻みこむ事で遠く離れた地を往き来する事を可能にする魔法である。

しかし基本的には一度きりの使いきり、もしくは持続させるのに定期的に魔方陣を調整しなくてはいけないうえに、準備するだけでも相当の魔力と時間を要するに高度な魔法技術だ。

それをルルは自分の魔力を込めておいた人形を媒介に魔方陣を展開し、範囲内の自身の眼でマーキングした地点への瞬間移動を一瞬で可能にした神がかり的な事をやってのけたのだ。


クロウス(なるほど、首席と自分で言うことはあるんだな)


クロウスが感心していると一人、こちらに駆け寄ってくる人物がいた。

服装からしてどうやら魔導帝国からの使者のようだ。


ナール魔導帝国からの使者(兼ルルのお知り合い)
↓1から3の間で募集

【名前】
【性別】
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足や生い立ちなどがあれば

【名前】ディアナ
【性別】女
【年齢】16
【見た目】銀髪碧眼のスレンダー美人
【性格】表面上はお淑やかキャラで通しているが本性は腹黒い
【その他】学院の貴族階級グループのリーダー的存在。身分の違いを気にせず誰とでも分け隔てなく接する人の良さやルルに次ぐ魔法力から教師や他生徒、果ては国からの信頼も厚く、学院生ながらもナール国族の魔導士としても働いている。内心では目の上のたんこぶであるルルを蹴落としたいと思っている

【名前】ジェニファー
【性別】女
【年齢】17
【見た目】金髪ふわふわロング、胸と尻は豊満 強気そうな目つき
【性格】高慢な性格だが性根は心優しく実力のある者には敬意を払う 
【その他】自称ルルのライバルで彼女の天才ぶりを誰より認めている…のだが、トラブルメーカーな彼女に振り回されがちでいつのまにかお目付け役のような立場になってしまった。またルルのことをよく思っていない一部のグループから陰ながら庇っていたりする。ルルからは大切な友達だと思われている。


>>96でいきます
(あと>>95のキャラ作成してくれた方、このキャラ別の場面で使っても良いですかね?)




??????「お待たせしました、ミクトラム王国のフローリア姫とその護衛の騎士クロウス様ですね?」


こちらに話しかけてきた女性はルルと似たような服装をしている為、同じ学院の人間だと思われる。

ややちんちくりん気味なルルと比べて体つきは成熟を迎えつつあり、丁寧な態度でこちらに挨拶をする。


クロウス「いかにもそうだが、あなたは?」

ジェニファー「私はジェニファーと申します、この国を治める女帝様の名の元にお二方をお迎えに上がりま…」

ルル「あっ、ジェニー!!奇遇だね、どうしたのこんなどこで!?」


ジェニファーと名乗る人物の挨拶を遮り、友達に話しかけるかのように気軽に割り込んでくるルル。

するとジェニファーは先ほどの淑女ぶりは一転、わなわなと震えた後にルルに詰め寄った。


ジェニファー「…ええい!どうしたもこうしたもありませんわ!あなたが朝っぱらから学院を飛び出してどっかに行ってたからこの私が探し回る羽目になったのよ!!」

ジェニファー「そしたら女帝様の付き人に王国からの亡命者が来るから連れてこいといきなり言われますしなぜか貴あなたもひっ付いてきますし!!…………あっ」



フローリア「………」きょとーん

クロウス「……ふっ」


なるほど、どうやら猫を被っていたらしい。
こっちの強気な一面の方が彼女の素顔のようだ。


ルル「紹介するね!彼女はジェニファーって言って私の学院での友達なんだ、ちなみに私は勝手にジェニーって呼んでます!」

ジェニファー「その呼び方許した覚えはありません!……くっ、折角高貴な振る舞いでお二方をお出迎えしたかったのにぃ!!」

フローリア「あの、あまりお気になさらずに…」

ジェニファー「あーもう、またルルに出し抜かれた気分ですわ…!」


二人は親しい間柄のようでその遠慮の無いやり取りにどこか微笑ましさを感じてしまい気分が緩んでしまう。


クロウス「そういえば女帝から俺たちの迎えで来たと言っていたな、なぜ女帝は俺たちが来ることを知っているんだ?それにタイミングもやけに合っている」

ジェニファー「簡単なことです、女帝様は視覚魔法の最上位、千里眼魔法を扱える歴代の魔法帝の中でも飛び抜けて凄い魔法使いですのよ」

ジェニファー「ラジル帝国がミクトラムに攻め行った時点でこうなることは既に予測済みでしたの」

フローリア(魔法……私にも扱えるのでしょうか)


帝国の追手や魔物から逃げることしかできなかったことに、自分が今まで守られることしかできなかった事。

それを当たり前のように受け入れてきたことに不甲斐なさを感じたのか、それとも王族としての責任感なのか…フローリアは魔法の存在に関して興味をそそられていた。


ジェニファー「ではそろそろ学院へ行きましょう、ルル!貴女も来ますこと、女帝にたっぷり搾って貰いますわよ!!」

ルル「うげっ!」

クロウス「待ってくれ、女帝の元に行くのなら城だろう?なぜ学院に行くんだ」

ジェニファー「あら、意外と無知なのですね。あちらの大きな建物は見えまして?」

ジェニファー「あれこそが、ナール魔導帝国の城にして魔法研究所の総本山……ナール魔導学院ですわ」


ナール魔導帝国の中心となる女帝
↓1~3までで募集(これで暫くはキャラ作成は落ち着く予定)


【名前】
【性別】女性で固定
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足や生い立ちなどがあれば

【名前】 モルガンヌ
【性別】女性
【年齢】 28
【見た目】長い白髪に雪のように白い肌。つり目の美人で常に無表情の目にハイライトがない。
【性格】 何に関しても無関心の冷徹。
【その他】幼い頃に魔導の才能に目覚め、強制的に教育された。自由を奪われ感情などを犠牲にした代わりに魔導や政治は超一流。

>>99
いいですよー

>>107
ありがとうございますー
今後もふとした拍子に追加でキャラを拾わせてもらうことがあるかもしれませんので、なにとぞお願いします


>>103でいきます


学院と呼ばれる建物の内部は首を上げてると痛くなるほど高く、そして広大な広さを有していた。

周りを見ると魔法を学ぶ学舎に相応しく、制服を着た学院生が多く見受けられる。
それと同じく学院を護るための警備の兵士も配属されていて学舎であり、城でもあるというジェニファーの言葉に間違いは無かった。

やがて学院の上層階に到着し、巨大な扉の前に到着する。


ジェニファー「こちらですわ…色々思うところはあるでしょうがくれぐれも粗相の無いようにお願い致します」

フローリア「?」

ジェニファー「失礼します女帝閣下、ミクトラム王国からのお客人を連れてきました」

?????「良い、入るがいい」


扉の中から声が聞こえ、中に入る。
そこは帝の居座る謁見の間……のはずなのだが、そこは本の山に溢れ、玉座には一人の女性の姿があった。

白の長髪に淡雪の如き白い柔肌、それは神秘的とさえ思わせる程で一国の頂点に立つに相応しき雰囲気を漂わせている。


?????「よくぞ来られた、友好国ミクトラムの姫とその従者」

?????「我が名はモルガンヌ、ナール魔導帝国の女帝である」


モルガンヌ「ラジルによるミクトラム王国占領の件は聞いている、ここではそなた達の城と同じ様に楽にしていて良い」

フローリア「お初お目にかかります、私はフローリア・ミクトラムと申します。こちらは護衛騎士のクロウスです」

フローリア「火急の事態とはいえ、追われている身の私たちを受け入れてくださってありがとうございます」

モルガンヌ「気にしなくてもいい、ミクトラム王国はナールと古くから友好関係を築いている……私は私の責務の元、貴女たちを迎え入れたに過ぎない」



クロウス(……ふむ)


女帝は逃げ仰せてきたフローリア達を快く迎え入れてくれるようであった。

しかしクロウスは眉ひとつ動かさずに淡々と告げる彼女の言葉に妙な感覚を覚える。


クロウス(どこか他人事だな……もちろんその通りではあるが、口では心配してるが俺たちに興味がないような素振りだ)

クロウス(ただそういう約束だからやっている、そういう風に感じられるのは気のせいだろうか)


モルガンヌ「貴女たちの為に部屋を用意してあります、まずはそこで旅の疲れを取ると良い」

モルガンヌ「そこの貴女、客室に案内を」

ジェニファー「かしこまりました、ところで女帝様……そこのおっちょこちょいの無断外出はどうしてくれましょうか?」

ルル(うげっ!折角空気になって溶け込もうと思ったのに!?)


ジェニファー「学院生の許可のない外出は禁止されているのです、部屋の片付けでも雑巾がけでも好きなことをさせてくださいませ」

ルル(じぇ、ジェニー~!!?)

モルガンヌ「必要ない」

ジェニファー「……は?」

ジェニファー「……そのような些事には興味がないの、分かったのならば下がりなさい」

ジェニファー「も、申し訳ございませんでした…!」

ルル「ほっ…」





謁見の間から出て、客室に案内をされる。

他国の人間とはいえ、王族としての敬意は払われているのかそれなりに上等な部屋が宛がわれているようだ。


ジェニファー「むぐぐ…!悔しいですわね、私が勝手に外に出たときには一日中図書館の整理を手伝わされたのに……納得いきませんわ!」

クロウス(……オマエもやってたのか)

ルル「私も見逃されるとは思わなかったよー、えへへ」

フローリア「あの方がナールの女帝……お父様やお母様とはまた別種の王としての気品を感じられました」

クロウス(確かに、まぁ我が王は王族にしては庶民派過ぎる気もするが)

フローリア「クロウス、ここまでの護衛ありがとうございました……ナールにいる間は少なくとも安全そうですし、貴方もゆっくり休んでてください」

クロウス「しかし自分は…」

フローリア「今後のこと、少し一人で考えていたいの…」

クロウス「……承知しました、姫様もお疲れのご様子。今は御身体をお休めください」

ルル「もし学院や街を見て回りたかったら案内してあげてもいいよ…ですよ!」ヒョコッ

ジェニファー「おばか!ゆっくり休むと言ったばかりでしょう!」



フローリア(なんとか安全な場所までは来れたけど、お母様やお父様は無事なのでしょうか…)

クロウス(休めとは言われたが気になることが幾つかある、情報収集に街を回ってみても良いのかもな)


フローリアとクロウス、先にどちらの視点で進めるか。
選ばれた方から自由行動が始まり、各2回の行動の後に物語が進みます。

それでは↓1でお願いします

①フローリア視点
②クロウス視点


───クロウス視点───


クロウス(……ふぅ)


重苦しい鎧を脱ぎ、用意された服に身を通す。

学院の人間に頼み町に出ても溶け込みやすそうな私服を用意してもらったのだ。


クロウス(これなら街を回っても、少しガタイのある一般市民にしか見えないはずだ)

クロウス(王国がどうなったのか、なにか情報が集まる場所はあるだろうか?)

クロウス(それにここは魔導の本場、剣や盾も普通の物とは異なるものを扱っているかもしれない…今後のためにも武具店を回って見ても良いかもしれない)

クロウス(……姫様はゆっくり休まれているだろうか?それとあの女帝も少し気になる)


様々な考えが頭に浮かぶが、ひとまずクロウスは行動あるのみと客室の外へと向かった。



クロウス自由行動1回目
↓2でクロウスの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く
 (フローリア>>4、ルル>>79、ジェニファー>>96、モルガンヌ>>103から一人)


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


ナール魔導帝国SPOT
【魔導図書館】【学院の空中バルコニー】【訓練所】【学院の中庭】【魔導商店】【酒場】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。


クロウス(……ん?)


ルル「よいっしょ、おっしょいと!」


クロウスが学院内を歩き回っていると、なにやら本を大量に抱えているルルを見かけた。

見てるだけでも重たそうでおぼつかない足取りでふらふらと進んでいる。


クロウス「やれやれ…」

ルル「うわわ、っと…? あれ、クロウスさん?」

クロウス「危なっかし過ぎて見てられなかったぞ、どこに運ぶんだ?付き合うぞ」

ルル「いやいや!私の仕事だから別に良いですって!」

クロウス「遠慮はするな、こっちは君に救われた借りがある。せめて少しは返させてくれ」

ルル「ふむむ、確かに一理ありますね!分かりました、そこの教室まで付き合って貰えませんか!?」

クロウス「任せろ」グッ


人を殴り殺せそうなぶ厚さの本の山を教壇の上に置き、一息つく。

これはさすがに背丈も腕力も低い女子にやらせるのは酷というものだろう。


ルル「ふぅ、助かったよー!クロウスさんって意外と親切なんですね!」

クロウス「どういたしまして、しかし意外とは余計だ」

ルル「けど休んでたんじゃなかったの?それとも私に用とかあったのかな?」



ルルとの交流内容(クロウスに言わせたい事やルルに聞きたい事、一緒にやりたい事の内容など)
↓1から↓3で募集して組み込める内容を拾ってきます(流れ的に無理がある場合は拾わない可能性あり)


話のタネ※こちらはあくまで参考です、思い付かない場合に活用してください

【ルル自身について】【フローリア姫について】【ジェニファーについて】【女帝について】【なぜあの岩洞にいたのか】【学院について】【ナールの街について】


クロウス「用というほどでも無いんだが、魔導帝国について色々と知りたくてな」

ルル「お? ふふーん、そこで私に聞いてくるのはセンスがあるね!」

クロウス(たまたま近くにいたから聞いただけなんだがな…)

ルル「それでそれで!何を聞きたいのかな!?私で答えられる事ならなんだって答えるよー!」


元気が有り余っているのか、尻尾をぶんぶん振ってる犬のように目を輝かせている。


クロウス「そうだな、この学院についてなんだが…」

ルル「なら色々と案内してあげるよ!ついて来て!」

クロウス「おい、いきなり引っ張るな……おい!!」



───────

………。

それからルルに連れ回され学院の色んな所を案内された。

よく休憩するのに使う中庭だの、ご飯が美味い学食だの、魔法を研究するための実験室や魔導書がいっぱい詰まっている図書館など…。


クロウス(いや、後者ふたつは明らかに部外者に見せては駄目だろ……)

クロウス「そういえばローブを着込んでいるヤツらは衛兵か何かか?」

ルル「あれ、分かるんだ?外から人には分からないと思ってたよ」

クロウス「あれだけ分厚いローブを着込んでいるのに動きに無駄がない、それと何か仕込み武器があるんだろ?」

ルル「さすが騎士様、見るとこが違うねぇー」

クロウス「お前は何目線で言ってるんだ…」

ルル「ああやって研究者を装って外から来た人にバレないようにしてるんだよ、油断させて悪事を働かないか見るためだね」

クロウス「なるほどな」

ルル「まぁ腕利きの魔法使いが揃ってる学院じゃそんな悪さする人は今まで全然いないんだけどね」

クロウス「女帝を含めてか」

ルル「うん、あの人は本当にすごいよ」

ルル「ほぼ全ての魔法を網羅し会得しているだけじゃなく、膨大な魔力量で帝国の結界を維持し続けているんだよ…加えて政治面でも完璧とナール史上でも歴史に名を残す程の実力者だね」

クロウス「そうだな、あの立ち振舞いと威圧感…隙が全く無かった」

ルル「まぁ……反面何を考えてるのか全く分からないって言う人も多いけどね。なんていうかこう、役割を全うしているだけみたいな?」

ルル「あっ!今の誰にも言わないでね!?」アタフタ

クロウス「分かってる、お前の言うことも分からなくは無いからな」

クロウス(実際、あの女帝は俺たちの事をどう思っているんだろうな…)

クロウス「そういえばずっと気になってたんだが…」

ルル「んんーなになに?」

クロウス「お前は、結局なんであの岩洞にいたんだ?」

ルル「…っ」どきっ

クロウス「普通はあんな外れにある魔物だらけの洞窟なんて俺たちみたいな訳アリぐらいしか通らないだろうし、なんの用事があったのか気になってな」

ルル「う、うう~それはですねぇ…」


何気なくぶつけた質問だったが、その問いにルルは即答せず。
むしろ先程の勢いは何処かにしどろもどろになっていった。

なぜか元気が無くなっていったルルになんて声をかける?
↓1から↓3で募集


クロウス(言うのが恥ずかしいことでもしてたのか?……まぁいい)

クロウス「いずれにせよあんたは姫と、俺の命の恩人だ。…そうだな、俺はなにか甘いものが食べたい気分だ」

ルル「え?」

クロウス「いい店知ってるか?姫様への土産も欲しいし案内してくれないか」

ルル「う、うん…別にいいけど……聞かないんだ?」

クロウス「さてなんの事だか、糖分がないと頭が働かない口でな」

ルル(ひよっとして無理やり聞かなかったことにしてくれてる?)

ルル「えへへ、クロウスさんって意外と気が利く人ですね!分かりました、なら私が一推ししてるスイーツのお店があるんで連れてってあげましょう!」

クロウス「ああ、助かる」

クロウス(本当は甘いものはそこまで好きでは無いんだがな…だがこれで借りが返せるなら安いもんだ)


ルルとのフラグ①を獲得しました。
※フラグはキャラとの交流に成功すると1本獲得できます。フラグが3本集まると純愛系のエロシーンに突入できるようになります。

引き続きルルと交流をしますか?(残り行動回数1/2)
↓1で続けるかどうか、続けない場合は再びクロウスの行動選択

すみません、ここからまたルルを除いた行動の選択になります

クロウス自由行動2回目
↓2でクロウスの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く
 (フローリア>>4、ジェニファー>>96、モルガンヌ>>103から一人)


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


ナール魔導帝国SPOT
【魔導図書館】【学院の空中バルコニー】【訓練所】【学院の中庭】【魔導商店】【酒場】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。


ルルにデザートを奢り別れた後、学院に戻り中庭のところで少し休憩を取ることにした。


クロウス「うっぷ……さすがに俺には甘過ぎたな」

クロウス(今の若い娘はあんなクリームまみれのスイーツを平然とたいらげるのか、それとも俺の胃か弱くなっただけか…)


ルルは喜んでスイーツを食べまくっていたが、三十過ぎたおっさんのクロウスには少々重たかったようだ。

姫への土産を傍らに置き、ベンチに座り物思いにふける。


クロウス(なんとか安全地帯まで姫を送り届けたは良いが……この後はどうする?)

クロウス(そもそも帝国の目的は何だったんだ?確かに我々と帝国の中は昔から良くは無かったが、和平交渉を不意にしてまで襲撃してきて何がしたかったんだ?)

クロウス(王国の領地が欲しかったからなのか、いずれにせよ…今の俺にできる事はナールの庇護の元で姫様をお守りすることだけか…?)

クロウス(国王陛下……いち兵士でしか無かった俺に目をかけてくれ、まるで息子同然のように扱ってくれていた)

クロウス(いや、王族含め城の皆や国民を家族のように扱ってくれ…民からも慕われていた紛れもない名主なのに……そんな人を置いて俺は逃げることしかできなかった!)ギリッ

クロウス(国は……あの人たちはどうなったんだ?妹姫さま達は無事なのだろうか?)


身体を動かさずにジっとしているだけで、波のように考え事が押し寄せてくる。

己の為すべき事と自身の感情の狭間でクロウスは静かに苦悩していた。

やがて顔を上げたクロウスは自分の感情に一つの答えを見出だしていた。


クロウスの出した答えとは…?
↓1のコンマで内容が決まる

00~20 何も考えるな、俺は俺の使命を全うするだけだ
    (フローリアとのフラグ①を入手する)

21~40 王国がどうなっているかを調べたい
    (次回モルガンヌと交流する時に確率でフラグを多く入手する)

41~60 もっと強くならねば…何も守れはしない
    (次回ジェニファーと交流する時に確率でフラグを多く入手する)

61~80 買ってきたケーキにかぶり付く
    (ルルとのフラグ②を入手する)

81~99 帝国のヤツらを許せない…!!
    (帝国兵との戦闘時+補正、今後ラジル帝国の女性兵と闘いに勝利した時にエロシーンが発生)


クロウス(国がどうなっているのか…なんとか調べるすべはないだろうか?)

クロウス(情報屋を探すか? しかしこの街のどこにいるかは分からない……あっ)


帝国に攻め落とされた王国がどうなっているか、たとえどんなに悲劇的な結果だろうと騎士としてそれは知らなくてはいけないことだ。

何もせずとも何かしらの報告はナールから貰えるだろうがじっと待つよりも何か出来ることがあれば自分からも動くべきだと判断した。

そこでクロウスの中で一人、とある人物が浮かんだ。


クロウス(ナールの女帝……俺たちの動向を察知したあの人の魔法ならミクトラムがどうなっているか分かるんじゃないか?いや、既に知っている可能性もある…!)


クロウスはナール魔導帝国の女帝、モルガンヌなら王国の情勢を知っていると思い、機会があれば伺えないかと思い始めた。


※次回の自由行動時、モルガンヌとのフラグを多く得られるチャンスが発生します。


───フローリア視点───


クロウス「では、私は失礼します」

フローリア「ええ、ありがとうクロウス」


パタンと扉が閉まり、部屋には再びの静寂。

クロウスから受け取った箱の中には自分好みなケーキが入っていて自分を気遣ってくれたのだろう。

王国の情勢、妹の無事、父と母の安否、そして岩洞内で起きた不思議な出来事。

考えなければいけないことが山のようにあるが、今の自分にはそれら全てが解決できる事がなく……ただ自分の非力を痛感させられるだけでしかなった。


フローリア(私……このままで良いのでしょうか?)

フローリア(ただ守られて、逃げて…それから何をすべきか今の私にはまったく分からないというのに……)

フローリア(何か自分にも……出来ることがあるのではないでしょうか?)


フローリアはクローゼットから、一着のドレスを選び袖を通した。
ナール製のそのドレスは今まで来ていた豪華なドレスよりは動きやすく、外で行動するには前よりずっと適している。



フローリア自由行動1回目
↓2でフローリアの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く
 (クロウス>>7、ルル>>79、ジェニファー>>96、モルガンヌ>>103から一人)


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


ナール魔導帝国SPOT
【魔導図書館】【学院の空中バルコニー】【訓練所】【学院の中庭】【魔導商店】【酒場】【居住区】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

モルガンヌのフラグチャンスだったのに

クロウスの次の行動時って事では?

>>141>>142
はい、モルガンヌのフラグチャンスはクロウスの自由行動で発動になります
クロウスの自由行動ターンは後に来るのでその時にアナウンスもいれます


フローリアは学院内にある食堂に来ていた。

ここは学院内の人間しか使用はしていないらしく一般市民の姿などは見受けられない。

殆どが制服を着た学院生、もしくは魔導帝国の兵士か教員しかいなかった。

故に国際情勢に関してはこの魔導帝国において最も情報が集まるのではないかとフローリアは考えたのだ。

もっとも…情報屋といった裏の世界の住人も存在するのだが今のフローリアにとっては知る由もないだろう。


フローリア(凄いなぁ…みんな私と近い歳ばかりなのに、みんな魔法を勉強してるんだ)

フローリア(私も魔法を使えたらクロウスの手助けができるのかな……)


そこまで考えたところで自分がここに来た目的を思い出し、フローリアは食堂の喧騒に静かに耳を傾ける。



食堂でフローリアが聞いた噂話について
↓1のコンマで内容が決まる

00~20 ラジル帝国に関しての情報が飛び交っている
    

21~40 なぜか男子学院生に声をかけられた
    (セクハライベント)

41~60 ある女学生の噂が目立っている
    

61~80 なぜか男子学院生に声をかけられた
    (セクハライベント)

81~99 ミクトラム王国の現状に対しての噂を聴く

これセクハライベントは何度も踏むとセクハラがエスカレートしていって最終的に堕とされる……とかある?

>>146
セクハライベントは淫欲値を増加されるぷちイベントな感じです。
低いうちはお触りされるだけだったりするのですが淫欲値が高くなって行くに連れてセクハライベントもエスカレートしていきます。

ただしセクハライベントで上がる淫欲値は敗北による陵辱イベントと比べると低めになっています。


静かに耳を澄ませていると兵士たちの雑談が聞こえてくる…。

どうやらラジル帝国に関して話をしているようだ。



兵士a「聞いたか?隣国のミクトラムに攻め行った帝国の部隊」

兵士b「ああ、城にいた約3000人の王国兵をわずか300名の部隊で壊滅させたって話だろ? 奇襲とはいえ10倍の戦力差を埋めるってちょっと信じられないよな」


兵士a「それがよ……どうやらその奇襲には【四獅星】も参加していたらしいぞ」

兵士b「は? 嘘だろ!? ラジル帝国の第一皇子直属の護衛兵たちだろ!? なんでそんなヤツらが戦場に出てるんだよ!?」

兵士a「どうやらその奇襲作戦を率いてたのが第一皇子だったって噂だぜ…」

兵士a「四獅星っていやぁ第一皇子が直々に集めた一騎当千の猛者供らしいからな、今回の奇襲が成功したのも納得いくだろ」

兵士b「け、けど…そんなヤツらが今は隣国に陣を張ってるってことだろ?俺たちは大丈夫なのかよ…?」

兵士a「はっはっは、心配するな!俺たちには歴代のナールの帝様達が築き上げた結界魔法があるからな!ラジル帝国のヤツらもそう簡単には手は出せんだろ!!」

兵士b「そ、そうだよなー!びびらせるなよまったく!!」



フローリア(……王国がどうなってるかは誰も話してなさそうです…)

フローリア(それにしても……ラジルの事はよく分かりませんが、なにかとてつもなく凄い人たちが帝国にはいらっしゃるのですね…)

フローリア(そんな人たちが王国を占拠しているなんて、私たちは本当に国に帰れるのでしょうか……)


ナールの兵士たちの会話で帝国には圧倒的な戦力がいる事を知り、不安を募らせるだけの結果となってしまった。

これ以上の収穫は無いと悟ったフローリアは静かに食堂を後にした。



フローリア自由行動2回目
↓2でフローリアの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く
 (クロウス>>7、ルル>>79、ジェニファー>>96、モルガンヌ>>103から一人)


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


ナール魔導帝国SPOT
【魔導図書館】【学院の空中バルコニー】【訓練所】【学院の中庭】【魔導商店】【酒場】【居住区】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

交流対象1人に限定されてるけど、ルル&ジェニファーみたいに複数と交流はダメなん?


フローリア「ふぅ…」


結局目ぼしい情報を得ることはできず、フローリアは落胆を隠せなかった。

家族や国民の安否に加え、自身の無力を思い知った彼女は次第に焦燥感を募らせていく。


ルル「おりょ?お姫様?」

フローリア「あっ…ルルさん」


聞いたことのある声に顔をあげるとそこにはルルがいた。


ルル「どうした……んですか?こんなとこで、何か…フローリアさま元気無さそうですね」

フローリア「そうですか…?そう見えてしまいますか…」

ルル「フローリアさま、私で良かったらお話聞きますよ?一人で思い詰めてもどうにもならない事だってありますし!」

フローリア「ルルさん…ありがとうございます」


落ち込んでる自分を心配してくれているルルの優しさが心に染み、フローリアはルルの言葉に甘えてみることにした。



ルルとの交流内容(フローリアに言わせたい事やルルに聞きたい事、一緒にやりたい事の内容など)
↓1から↓3で募集して組み込める内容を拾ってきます(流れ的に無理がある場合は拾わない可能性あり)


ルル「そうだ、私の部屋に来ませんか!?」

フローリア「ルルのお部屋にですか?」

ルル「うんうん!お茶でも入れるんでゆっくり話を……あ"っ、でも部屋とか散らかってるだろうしフローリアさまに失礼か…」

フローリア「そんなことありません!むしろルルさんのお部屋見てみたいです!同年代の人のお部屋がどうなってるか気になります!」

ルル「そ、そうなの?それならしかたないですなー!」


王族として大切に育てられてきたフローリアにとって同年代の女の子がどのように生活しているのか気になるらしく、好奇心に駆られるようにルルのお部屋にお邪魔することになった。


ルル「ささ!どうぞ上がってくださいな!」

フローリア「し、失礼します…!」

ルル「ちょーっと散らかってるんですけど、まぁあまり気にしないでください!あっはは!」


ルルの言うとおり、部屋の中は読みかけの本や書類が散乱していたり。
見たことのないアイテムが床に転がっていたりと中々に酷い状況であった。

途中転びそうになったがかろうじで足の踏み場はあるので何とか来客用のテーブルセットまでたどり着くことができた。


ルル「その……誘った分際であれなんですけどー……本当にごめんなさい!!こんな事なら掃除しておけば良かったですよね!?」

フローリア「いえいえ!私は気にしていませんので…」

ルル「いや、でも…」

フローリア「逆にこういうのが、生活感がある…というのでしょうか? むしろ私の周りでは無いこの感じ、新鮮で楽しいです♪」

ルル「……あはは、とりあえず元気が出てきたみたいでなにより、かな?」


王族らしからぬ親しみがあるというべきか。

この時ルルはこのお姫様の前ではなぜか気を張り詰めてもつい緩んでしまうなと感じた。


フローリア「その、ルルさんに聞きたいことがあるのですが…」

ルル「何ですか?私で答えられることならぜひどうぞ!!」

フローリア「その、魔法というのは……誰でも扱えるようなものでしょうか?」

ルル「フローリアさまは魔法が使いたいの?」

フローリア「その、はい……」


フローリア「お恥ずかしながら、私は今まで周りに甘やかされて育てられてきました」


フローリア「剣の稽古なども習いましたが、私はどうやらそっち方面はからっきしのようでして……父上や母上にも無理に覚えなくても良い、健やかに育ってくれればそれでいいと言われてきました」


フローリア「だから私は一国の姫として、礼儀作法や政治に関しての勉学に努めていたのですが……此度の件では、そういったものは何の役にも立ちませんでした」


フローリア「私は……父上と母上を見捨てて、国から逃げる事しかできなかったのです…!!」



堰を切ったように、フローリア今まで抑えていたものを吐き出していった。

今までの生活では無縁であった怒り、悲しみ、悔しさという感情が無垢な彼女にとってどれだけの重石となっていたのだろうか。

フローリアの話に耳を傾けていたルルが珍しく冷静な声色で口を開いた。


ルル「それでフローリアさまは、魔法を習って帝国に復讐したくなったの?」

フローリア「そんな大それた事ではありませんよ……何もできない無力な自分のままで居たくないだけかもしれません」

フローリア「それに、私が少しでも強くなれれば……クロウスの負担を軽くできるのかなって」

ルル「……はは、フローリアさまって…やっぱりお姫様っぽくないよね」

フローリア「そ、そうでしょうか…」シュン

ルル「悪い意味で言った訳じゃないですよ!?でも護衛の騎士の負担を気にするお姫様って聞いたことが無いってうか…」

フローリア「や、やっぱり変でしょうか…?クロウスには昔から護って頂いているのでどうしても心配になるといいますか…!」

ルル「そんなことはないですよー!むしろ私的には好感しか持てません!」

ルル「クロウスさんっていい人ですからねー」

フローリア「そ、そうなんですよ…!真面目で頼りがいがある人なのです!」

ルル「そりゃお姫様が好きになるのも分かりますよ、うんうん」

フローリア「すっ!? え、あ、いや///そういうお話では無くてですね…!! も、もうルルさん…!///」


今まで経験したことのないガールズトークに花を咲かせ、フローリアの心には少しだけゆとりが戻ってきた。

なお、話題に持ち上げられた当の本人は今どこかでくしゃみの一つでもしているようである。


ルル「あはは、ごめんなさい!それよりも、魔法のお話ですよねー」

ルル「結論から言うと、魔法は誰でも使えることができます」

フローリア「……!本当ですか!?」

ルル「ただし、直ぐに実戦レベルとなるとそれなりの才能とセンスが必要になっていきます!」

フローリア「さ、才能…センス…!」ゴクリッ

ルル「そもそも魔法というのは、練り上げた魔力を魔方陣や詠唱といった術式に通して発動する技術なのですが」

ルル「どんな魔法を扱えるかは完全に才能次第になります。攻撃魔法が得意でも結界や回復がとことんダメだったり、逆に広く浅く使える人だったり……後付けで覚えることも一応可能ですが多くの時間がかかったりもします」

ルル「なので自分が望んだ魔法が扱えるかどうかは完全に運否天賦に近いとこがあります」

フローリア「そ、そうなんですね…」

ルル「逆に魔力を練り上げたり術式に魔力を通すスピードを上げたり詠唱や魔方陣をしこたま勉強して理解するのはその人のセンスが問われます……ここら辺は継続して努力することで磨くことができる部分と言えます」

ルル「……まぁ要するに、魔法は楽して強くなれる近道のように見えて実は努力の積み重ねが大事だよという事です!」

ルル「まぁ私は天才だからわりと何でもできちゃうんですけどね!!」ドドーン!!!


ちなみに天才肌であるルルでさえ日頃から魔法の研究に関しては怠ってはいないので、本人にその気が無くとも今の首席という立場は努力の賜物とも言えるだろう。


フローリア「ま、魔法って奥が深いんですね……私に覚えられるかなぁ…!!」

ルル「まぁ最初のうちは自分の中にある魔力の流れを掴む練習ですね、ある程度感覚が分かれば後はどんな魔法が自分に合ってるか試してみるだけですね…なのでこれを差し上げます」ゴソゴソ

フローリア「これは……教科書ですか?」

ルル「そう、魔力の流れを掴むコツや初級の魔法何かが載ってるのでこれから始める初心者にはオススメです!ワタシハホボツカッテナイデスガ」

ルル「まずはそれを見ながらゆっくりと感覚を覚えていきましょ!私も付き合いますから!」

フローリア「る、ルル……ぐすん、ありがとうございます…!」ニッコリ

ルル「あ、わわ!?お姫様泣かしちゃった!?不敬罪!?ねぇこれって不敬罪!?」



ルルとのフラグ①(フローリア)を手に入れた。
※フローリアとクロウスのフラグは別管理となります。また、フローリア側で女性キャラとのフラグを3本集めると百合系のエロシーンを見ることができます。

更に↓1のコンマが50以上で姫と従者のフラグ①が追加入手可能。
※クロウス×フローリアのフラグに限り、両者の間で共有のフラグとなります。

ルルのフラグと主従フラグを回収したとこで自由行動はおわりです。
次回からまたメインのお話に戻っていきます。

>>151
複数人との交流はできる時とできない時がある感じです、次の交流では一部解禁しようかなとも思っております。







また少し次の更新空きそうなので、モチベの灯を絶やさぬように書いていた>>1のフローリア姫のイメージ画像置いておきます
※個々のイメージもあると思うので閲覧は自己責任でお願い致します

https://i.imgur.com/GWf5nsF.jpg

ところでヒロインとのフラグ取得って2以降も交流しただけで手に入っちゃうの?

https://i.imgur.com/YW3xEZX.jpg
問題児とその見張り役みたいな関係性良いよね……

少し返答とレス返タイムです

>>164
はい、フラグは基本的に交流しただけで手に入れられるようになっています。
しかし複数人と交流する場合はコンマで数人分取れるかどうか判定を行います。(それでも最低でも1つは確定入手になるようにします)

>>170
突然の支援絵にめちゃくちゃビックリしています!ありがとうございます!
ルルかわいい、ジェニファーかわいい!暖かみのある絵柄で二人の間柄をしっかり現してくれていて素晴らしいぃ。

その他、自分のフローリアイメージにも反応して頂きありがとうございます。
モチベ維持の為に張り付けましたがまさか直後に支援絵を貰えるとは思いませんでした、本当にありがたい限りです…



ひじょーに亀更新で申し訳ない限りですが今後も見ていただければ幸いです、本編に戻ります。


クロウス達がナールに到着してから数日が経った。

あれから王国に関しての情報を待ちつつフローリアはルルから貰った本による魔力コントロールの練習を、クロウスは自身の鍛練を行いながら女帝への接触の機会を伺っていた。


フローリア「すみません、こちらの本をお借りしても良いですか?」

司書(男)「大丈夫ですよ、ではこちらの貸し出し記録簿にご記入をお願いします」

フローリア「はい」サラサラ

司書「では確認させていただ……えっ!?」

司書「失礼致しました!ミクトラム王国の王女様でしたのですね!至急お部屋に運ばせますので少々お待ちを!!」

フローリア「いえそんな、お気になさらないでください……今の私はナールに居させてもらっているただの客人に過ぎませんから」

司書「で、ですが…」

フローリア「あなたのお気持ちはとても心嬉しく思います、ですが私は皆さまが送っているこういう何気ない日常に触れてみたいと思っていたのです」

フローリア「ですのでここに居る間はまた借りに来ると思うので、またよろしくお願いしますね」


そう優しく微笑むとフローリアは図書館から借りた本を抱え扉から出ていく。

フローリアを見送った司書の男性は開いた口が塞がらないまま呟いた。


司書「……か、可憐だ…」


クロウス「姫様、また図書館から本をお借りしていたのですか?お持ち致します」

フローリア「これぐらいは平気よ? それよりクロウスは何をしていたの?」

クロウス「私は訓練所を使わせて頂いておりました、剣は毎日振らないと勘が鈍るものでして」


クロウスの身体には確かに訓練の後と思われる汗がじんわりと滲み出ていた。

汗臭いのがフローリアに移るのを気にしてか普段よりも2、3歩ほど下がってついて来ている。

そんなに気にしなくても良いのにな。とフローリアは思いつつも彼の生真面目さからくる心遣いにくすりと笑みを浮かべた。


しかしある教室の前を通りすぎた時、聞き覚えのある話し声が耳に入り二人は思わず脚を止めた。

フローリア「この声……ルル?」


教師「何度言えば分かるのですかルル!もう提出の期間はとうに過ぎているのですよ!?」

ルル「はうっ…ごめんなさい」

教師「天然の魔力を帯びた素材に人力で魔力を流す実験のレポートを提出していないのはもう貴女だけですよ!」

教師「貴女の魔法使いとしての実力は確かに認めています、しかし幾ら実技が優秀だからといって提示された課題をこなす事のできない者を周りがどう見るのでしょう?」

教師「ただでさえ貴女は突拍子もなく訳のわからない魔法を使ったり…!」クドクド

生徒A「先生、ルルさんは自分の実験の方が忙しくて手が回らないのですよー」

生徒B「そうですねぇ、平民でありながら首席の座に座る天才様は学院の課題よりも優先するべき事があるので仕方がないですわ、うふふ!」

ルル「そ、そんなことは無いよ!!ただ素材を集めに行っても…、その…!!」


どうやらルルは学院からの課題の件でなにやら怒られているようであったが、周りを取り囲む生徒は託つけるようにルルに対して嫌みのような言葉を浴びせていた。


クロウス「なんだアイツら、寄って集ってこれ見よがしに…」

フローリア「ルル…」




ジェニファー「ちょっと貴女たち、いい加減になされたらどうですの? 怒られているのはルルですが貴女たちは関係無いでしょう!」

生徒A「あらやだ、没落貴族の娘が何かおっしゃってますわね?」

生徒B「仕方ありませんわ、学院首席の天才様の金魚の糞ですからねぇ……本体が悪く言われて庇うのも無理はありませんわぁ」

ジェニファー「その金魚の糞以下の成績の貴女達に何を言われてもピンと来ませんわね……私が糞なら、さしずめ貴女達はクソに群がる微生物と言ったところかしら?」

生徒A「んなっ!?没落貴族が汚ならしい言葉を…!」

ルル「じ、ジェニー!?私なら大丈夫だから落ち着いて…!」


正に一触即発といった状況であったが、一人の女学生が席を立ち静かに声を上げた。


????「お止めなさい、二人とも」

生徒B「し、しかしですねディアナ様…!この没落貴族はワタクシたちを…!!」

ディアナ「没落していようがしていまいが彼女は貴女達と同じ貴族階級の人間……友人のために立ち上がる彼女の誇り高き振る舞いには敬意を表するわ」

ディアナ「むしろ貴女達のような振る舞いこそが貴族の品位を陥れているということを理解しなさい、ひいてはそれが我が魔導帝国の品位に繋がるのです」


ディアナの発言と視線の鋭さにルルとジェニファーを貶めていた貴族生徒たちは気圧され、顔を青ざめさせた。


生徒A「ひっ…!?」ビクッ

生徒B「す、すみませんでした…!!」



ディアナ「分かればよろしいのです……さて、先生」

教師「何かしらディアナ?」

ディアナ「ルルは確かにたまに滅茶苦茶な事をしでかしたりします、しかし魔法というナールの根幹をなす技術に真摯に取り組んでいるということを私は知っております」

ディアナ「ですのでここはルルに今一度のチャンスを与えては頂けないでしょうか?」


ルル「ディアナ…!」

ルルの表情がぱぁっと明るくなるのが遠目からでも分かる。

どうやらルルも彼女には信頼を寄せているようで、聡明かつ淑やかな雰囲気を漂わせるディアナという女生徒は学院生徒にとって中核とも呼べる存在のようだ。


教師「ふむ…ならばルルよ、こちら側が出した条件を呑むのであればレポートの期限を先伸ばしにしても構いませんよ」

ルル「ほ、ほんとに!?」

ディアナ「落ち着いてルル、まずは条件の確認をすべきよ」

教師「何も複雑な条件ではないわ、ただ素材採取の場所をこちらから指定させてもらうだけよ…しかしハッキリ言って難易度は高めな所を指定させて貰うわ」


そう言うと学院の教師は空中に魔力で作った地図のようなものを広げ、あるポイントを指し示した。


ルルが指定された素材採取の地
↓1から先に2票入ったダンジョンに向かいます

①オークの住む自然の迷路 無網の谷
②魔導ゴーレムの墓場   腕(かいな)の遺跡
③亡霊のさまよう古城   血霧の古城


②腕(かいな)の遺跡ルート


教師「貴女には腕の遺跡にて実験の素材を採取してもらいましょう」


教師が言い終えると教室が内ざわつき始めていた。
どうやらその腕の遺跡とやらは相当危険な場所のようでジェニファーは思わず抗議を申し立てた。


ジェニファー「ちょっと待ってください!腕の遺跡って…あそこは100年前から野良ゴーレムがうろついている場所ですわ!そんなとこに行かせるのは危険ではなくて!?」

教師「もちろん普通の生徒になら私も止めていたでしょう、しかし彼女の実力なら問題は無いはずです」

教師「確かにあの遺跡は危険ですが、裏を返せば貴重な素材が多く眠っている土地でもあります…おそらく貴重な結果が得られるはずでしょう」

ジェニファー「だ、だったら私も同行させてください!幾らなんでも一人ではさすがに…」

教師「それでは彼女の罰にならないでしょう、この件に関しては他の学院生の助力を得ることは禁止とします!」

ジェニファー「ぐぬぬ…!」

ルル「ダイジョーブだよジェニー!これぐらいはへっちゃらだって!!」

ディアナ「本当にいいのね? あそこは腕利きの魔法使いでも数人で探索に当たるのが基本の場所よ?」

ルル「もち!わかってるよ、けど何とかディアナが掬ってくれたチャンスだよ?これを棒に振るわけにはいかないよね!」

ジェニファー「…はぁ、私のライバルながらとんだ能天気ですわね……ちゃんと無事に帰ってきなさいよ?」

ルル「へへ、任せてよ!」


グッとガッツポーズをしながら笑うルルであったが、周りの反応から察するに相当厳しい試練を与えられた事が分かる。

中にはルルを憐れんだり嘲笑する者もいたが意にも介さず彼女は準備を進めるために教室を後にした。


そして時間は少し経ち……クロウスとフローリアはルルの部屋を訪ねていた。

コンコン


ルル「はいはいごめんねー、ちょっと今出発の準備で忙しいからさ…また後で来て欲しいなー」

フローリア「あの、私です…フローリアです…」

クロウス「ついでに俺もいるぞ」

ルル「えっ!?お姫さま!?ちょ、ちょっと待ってね、今開けますから!」




ルル「いやはやまたしても汚い部屋に上げてしまって申し訳ないです…!」

フローリア「いえ…もう慣れたので平気ですよ?」

ルル「ところで今日はどういった用事で?いま少し忙しくて魔法のアドバイスに関してはまた今度に…」

フローリア「あの、ごめんなさい……実はルルが怒られていた時のお話を聞いてしまっていて、それで気になって…」

ルル「あ、あー…ひょっとしてアレ、聞かれてました?」

クロウス「まぁ、な……おまえさんがあの岩洞にいたのは実験のための素材集めだと思ってな」

クロウス「だとすれば俺たちにも責任がある、と姫様がおっしゃっているわけだ」

フローリア「私達を助けたからルルの目的が達成されてなかったのですよね…?本当に申し訳ございません…!」

ルル「いやいや、お姫さまが謝ることはないですよ!あんなの見たら助けたくなりますし、何よりレポートが遅れてるのは私が悪いだけですから…!」


クロウス「それにしてもやけにイビられていたな、あんな露骨なイジメが許容されるほど学院は腐っているのか?」

ルル「うーん、それはある意味仕方の無い事というか…そもそもナールって昔から貴族階級が幅を効かせていた国だから、平民出身の私はどうにも気にくわないらしいんですよね」

ルル「あの先生も貴族出身だから余計当たりが強いというか……でも全員が全員そうではないよ!? ディアナは貴族だけど贔屓はしないしジェニーは親友だもん!」

ルル「それに今の女帝になってからはマシになってる方だよ?平民出身の私でも、力さえ示せば首席の位置にいられるぐらいにはね」

クロウス「……まぁ、あの女帝なら階級など気にするようなタマではなさそうだな」

フローリア「それでルルさんはどうするのですか?  危ないところに行くんですよね?」

ルル「んー、もちろん行きますよ? 明日の早朝には出ようかと思ってる……って、ひょっとして心配して来てくれたんですか?」

フローリア「当たり前です!ルルさんは私たちの恩人ですし…」

ルル「そっか、へへ! ありがとうございますお姫さま! でも私は平気ですよ!! 危ない橋なんて既に二本も三本も歩いてるんでどうってことないです!」

フローリア「ルルさん…」

クロウス「………」

ルル「ささ、私は準備を進めますんで!! お二人はもう帰ってください!!もうじき日も落ちますので!」


ルルに催促されて部屋から出る二人。
見送りをしてくれたルルの表情は最後まで笑顔を絶やすことは無かった。


フローリア「クロウス…ルルは大丈夫なんでしょうか?」

クロウス「見たところ緊張や強ばりといったモノは感じられませんでした、おそらく彼女なりに勝算は有るのでしょう」

フローリア「そうですか、ルルはお強いんですね」

クロウス(……とはいえ、あの能天気そうなヤツがあそこまで下準備を進めているんだ。 そう簡単にはいかない作業になりそうだが)

フローリア「……その、クロウス…」

クロウス「なんでしょう、フローリア様?」


フローリアは何かを言い悩んでいるようだが…。
↓1から先に2票入ったルートに進みます

①私たちにできる事はあるのでしょうか?
 (ルルの課題にクロウスが同行、戦闘で有利を取れるが負けた場合はルルが取り返しのつかない事態になります)

②……ううん、何でもないの
 (ルルの課題にフローリアが同行、戦闘に負けても強制コンティニューで話が進みます)

>>1です、今さらながら酉を付けて戻ってきました
やはり更新報告はあった方が良いんですかね…?もし予定通りにできなかったら申し訳なさすぎて濁してたんですが生存報告とかぐらいはした方が良かったのかも

ひとまず今から再開していきます、戦闘の終わりまでは突き進んでいきたいな


フローリア「……ううん、何でもないの」

クロウス「…そうですか」


フローリアは喉から出かけた言葉を飲み込んだ。
きっとクロウスに相談すれば彼はちゃんと話を聞いてくれるだろう。

しかし彼女はその言葉を口にはしなかった。
変わりにフローリアの瞳にはある種の覚悟のようなモノが宿っていた。


フローリア「ここまでで良いわ、ありがとうクロウス」

クロウス「いえ、姫様もお早めにお眠りください」

フローリア「分かったわ……そうだクロウス、明日はゆっくりしていたいから朝起こしに来るのは少し遅くして欲しいの」

クロウス「畏まりました、それではおやすみなさいませ…姫様」




フローリア「……ごめんなさい、クロウス」


早朝、ルルは支度を終えて遺跡周辺の辺りまで転移できる転移魔方陣の前に居た。

昨日から行っていた準備は転移魔法で遺跡までのショートカットを創るためであった。



ルル(遺跡の前までは行ったことがあるけど最後に行ったのだいぶ前だったし準備にわりと時間かかっちゃったかな?)

ルル(まぁサクッと行って終わらせてすぐ帰るのがベストかなー、あまり長居するような場所ではない……し?)



フローリア「あの……おはようございます」


部屋を出るとそこにはフローリアの姿があった。
なぜか学院の制服を着ていてどこか緊張した面持ちをしている。


ルル「あれ?姫さまどうしたんですか、こんな朝早くに…」

ルル「あっ、さては見送りに来てくれたんですか!わざわざありがとうございますー!…あれ?クロウスさんは居ないんですか?ひょっとしてお寝坊とかなんですかね!あっはっは…」

フローリア「クロウスは来ません、ここには個人的な事情で来てしまいました」


緊張をほぐすように一息ついた後、フローリアはここに来た意図を高らかに伝えた。


フローリア「ルルさん、私を一緒に連れて行ってください!!」

ルル「……へ?」






クロウス「おはようございます姫様、朝のお時間です。お迎えに上がりました」コンコン



シーン…


クロウス「…? 姫様?」コンコン

フローリア?「ご、ごめんなさいクロウス……今日は体調が優れなくて、また後で出直してくださる?」

クロウス「そうですか、畏まりました」

フローリア?「……ほっ」



クロウス「……なんて言うと思ってたか!!」

ジェニファー「びゃっ!?は、入ってこないでと言ったじゃないですか!?」

クロウス「俺が何年姫様の護衛をしていると思っている、似せた所で声でバレバレだ!姫様はどこだ!!」

ジェニファー「な、なんのコトデスカネ。ワタクシさっぱりデスワ…」


腕(かいな)の遺跡 初層


ルル「ぷふふ!てことはその制服ジェニーから借りたんだ!!」

フローリア「はい、少しでも衛兵に怪しまれないように済むには学院生に成り済ますのが一番かと思いましてご協力をお願いしちゃいました」

ルル「それにしても姫さまも結構ワルだねぇ、ひょっとして前科持ち?」ニヤニヤ

フローリア「そ、そんなことないですよ!こんな事はこれが初めてです…!衛兵さんと擦れ違う度に心臓がバクバクしてたんですよ…!!」


ルルとフローリアは遺跡の入り口辺りまで足を進めていた。

あの後、一応止めはしたもののフローリアのどこか必死な態度にルルは押されてしまい了承してしまったらしい。



フローリア「あの教師の人は学院生の助力は禁止してましたけど、私のような部外者の助力は禁止していませんでしたので……」

ルル「あー、確かに言ってなかった!」

ルル「けどそれなら姫さまが直接出向くよりクロウスさんに頼んだ方が良かったんじゃない? 足手まといとは思わないけどそこそこ危ない場所だとは思うよ?」

フローリア「それは…そうだったんですけど………私は今まで何も知らなすぎたなって最近そう考えるようになって…」

フローリア「今まで危険な事からは遠ざけられて生きていて、その結果今の何もできない自分が凄く嫌になっているんです…」

フローリア「ルルさんの助けになりたかったというのも有るんですけど、半分は私のエゴみたいなものなんです」


ルル「ふんふんなるほどね、つまり姫さまは今の自分よりもっと強くなりたいわけなんだね」

フローリア「はい、魔法を習いたかったのもそのつもりで……あの、結果的にルルさんに迷惑をかけてしまいましたよね…? ほんとにごめんなさい…」

ルル「謝らないでくださいよ、私だってこんな陰鬱な所になんて一人で行きたくは無かったんですもん! まぁ後でクロウスさんにはしこたま怒られそうだけど…姫さまの気持ちは私もよぉ~~~っく分かるんで!!」


オーバーなリアクションをとったかに思えばどこかばつの悪そうな表情を見せるルル。

宙を眺めながら彼女は寂しげに語りだす。


ルル「私も、さ……子供の頃は平民だのなんだので色々苛められてて。悔しくて強くなって見返してやるー!!っていうのが魔法使いを志すようになった動機なんだ」

ルル「まぁ強くなった今でも見返せてるかどうかは怪しいんだけどね、採ってきた素材はどっかに隠されるわ荒らされるわで大忙しだよ」

フローリア「……ルルさん、それは…」

ルル「まっ!今回はさすがに手を出したりはしてこないでしょ!場所も場所だし今回は見つけ次第、即現地で即実験する予定だからね!」

ルル「だから姫さまも気にしないで元気出しなよ、少なくとも私は姫さまの事は応援してるから……さぁあああっっっ!?」

フローリア「ど、どうしましたルルさん!?何か見つかったんですか!?」

ルル「ごごごめんなさーい!調子に乗って姫さまにタメ口使っちゃった!?ゆ、許してください何でもしますからァ!?」


普段は明るくお転婆で元気な女の子だが変なところで線引きをしっかりしようとするルルにフローリアは思わず呆気にとられてしまった。


フローリア(そんな事気にしなくてもいいのに……あ、そうだ)

フローリア「ルルさん、今何でもって言いましたよね?」

ルル「は、はい…私にできることなら…!」

フローリア「それなら、もう堅苦しい敬語とかは全部抜きにしませんか?」

フローリア「その……私も、ルルとはお友達に、なりたいですし…」モジモジ

フローリア「お、お城の中で暮らしてるとどうしてもそういう友達ができなくて…ルルとジェニファーさんの関係は見ていてずっと憧れてたんです…だからルルがよろしければで良いんですけど…///」

ルル「わ、私は良いんだけど…むしろ私なんかで良いの?」

フローリア「はい!ぜひルルとお友達になりたいです!」

ルル「はは…!私も正直同じぐらいの歳の人に敬語使うの息が詰まりそうだったし、フローリアとも普通にお喋りしたかったんだ!」

ルル「うん決まり!今日から私たちは友達だね♪」

フローリア「友達………ふふ♪」


腕(かいな)の遺跡 中層


遺跡の内部は少し湿気った空気と今は動かなくなったゴーレムの残骸、そしてなにやら腕を象った石像が多く立ち並んでいた。

なぜこのように奇妙な空間になっているのか、多くの研究者が真相の解明に挑んでいたが古代文明の遺産でもある守衛ゴーレムの妨害もあり思うように調査が進んでいないのが現状である。

今となっては魔導帝国が正式な手続きを行った者以外の立ち入りを禁止している程であり、今もゴーレムが遺跡内部をさ迷っているようだ。


フローリア「そういえばこんな所で素材採取って…いったい何を採取するつもりなんですか?」

ルル「ゴーレムのコアの部分だよ、魔導ゴーレムには核の部分に魔力を貯める鉱石を使っていてそれを狙ってるんだけど…」

ルル「正直そこら辺をうろついているゴーレムはもうコアが壊れかかっているものばかりで使えそうには無いんだー」

ルル「だからなるべくなら保存状態の良いゴーレムを狙いたいとこなんだけど……あれ?」

フローリア「どうかしましたか?」

ルル「いや、なんかこっちの方から風が吹いたような…」


ルルは壁の方へ向かうとぺたぺたとあちこちを探り回す。

するとルルが触れた部分が光り始め、壁が消え道が出てきた。


フローリア「か、隠し通路…?」

ルル「うーん、どうやら魔力に反応する仕掛けだったみたい……上手くカモフラージュしてあったみたいだけど、経年劣化からは逃れられなかったみたいだね」

ルル「それよりも!私は今からワクワクが止まらないよー!!ねぇねぇ、早く行こうよ!!ひょっとしたらお宝が隠されてるかもしれないよ!!」キラキラ

フローリア「……ルル、課題忘れてませんよね?」


隠し通路を奥に進んでいくと小ホールぐらいの大きさの広間へと繋がっていた。

室内は相変わらず不気味なオブジェが配置されているが、それよりも中央の台座に鎮座している正方形の箱のようなものに目が行ってしまう。


ルル「んー…と、ひょっとしてハズレ?」

フローリア「行き止まりみたいですしそうかもしれませんね」

ルル「ええ~結構歩いたのにぃ」


そうルルが肩を落とした瞬間、突然部屋全体が振動し通ってきた通路が障壁により閉じられてしまった。

やがて中央の台座に奉られている箱がゆっくりと開き、中にいる物体が静かに動き出した。



箱の中に封印されていた魔物or魔導ゴーレム
↓1から↓3の間で募集

【名前】
【生態】
【攻撃方法】
【弱点】

【名前】アシュラー
【生態】複数の腕を持つ人型ゴーレム 股間からは立派なイチモツの形状をした物体が生えている
【攻撃方法】素早い動きと複数の腕を生かしたパンチや関節技
【弱点】頭を破壊されると動きが止まる


>>226でいきます


アシュラー「………」ズシン、ズシン…


箱から出てきたのは人のカタチをしたゴーレムだった。
縦の長さは2メートルを優に越えており両肩から三本ずつ腕が生えていた。


フローリア「あ、あれも……ゴーレムなんですか?」

ルル「下がってフローリア」


ルルはフローリアを自身の後ろに下がらせる。
そこら辺の野良ゴーレムならフローリアを連れていても余裕で倒せる自信があった。

しかし彼女の本能がいま目の前に相対している敵の厄介さを悟らせ、普段のハイテンションが鳴りを潜ませる。


ルル(これはフローリアを守りながらはちょっとしんどいかなぁ、けどコイツを倒さなきゃここから脱出できそうにないみたいだね)

アシュラー「………」ギギギ

ルル「仕方ないかぁ…ちょっとばかし頑張りますか!」


────戦闘開始────

【Act.1】


ルル(リーチの差は魔法で埋められるから問題無いとして、相手のスピード次第ってとこかな…どうしようか)

ルルの行動選択
①風魔法で宙に浮き、雷撃魔法を叩き込む(チャージ系◯、テクニック系×)
②遠距離から炎魔法乱れ撃ち(テクニック系◯、アタック系×)
③投影魔法による幻影から岩魔法のカウンター(アタック系◯、チャージ系×)



アシュラーの行動パターン

01~30 6本の腕を叩きつけ衝撃波(チャージ系)
31~60 腕を鞭のように振るってくる(テクニック系)
61~98 素早い動きで横撃を叩き込む(アタック系)

奇数ゾロ目 結果に関係なくルルの勝ち
偶数ゾロ目 結果に関係なく敵の勝ち


↓1でルルの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


ジリジリと付かず離れずの距離をキープする両者。

しかし口火を切ったのはゴーレムの方であった。
両膝を曲げた瞬間に前傾姿勢から一気にルルの方へダッシュしてきた。

そのスピードは一瞬でルルとの距離を詰め、ルルは迎撃の準備を整えている真っ最中であった。


ルル「はやっ…!?」

アシュラー「……!」ダッダッダッダ……タンッ!!


ルルが魔力で陣を描き終えると同時にルルの目の前でゴーレムはステップを踏み、ルルの真横から拳を叩きつけようとする。


フローリア「…る、ルル!!」

アシュラー「……#5$\##%6@!!」


ゴーレムの拳がルルの身体を粉砕……することは無かった。

拳がルルを捉えた瞬間、蜃気楼のようにルルの姿は消え……代わりにゴーレムのみぞおちに岩の柱が何本も叩き込まれていた。


アシュラー「……!?!?」ズシン…!

ルル「こっち(投影魔法)の準備は出来てたんだよねー、引っ掛かったでしょ?」


してやったりな表情を浮かべ、ルルはゴーレムの背後を悠々と取っていた。

ルルはほんの僅かな時間の間に二つの魔法の詠唱を終えていた。
それは彼女の努力による発動までの高速化、異なる魔法のほぼ同時発動という離れ業である。



───ルルの勝ち───
     1 2 3
ルル   ◯
ゴーレム ー


【Act.2】


ルル(やっぱりスピードで押してくるタイプかぁ…こういうのとはまともにやり合いたくは無いなー)

ルルの行動選択
①風魔法で宙に浮き、雷撃魔法を叩き込む(チャージ系◯、テクニック系×)
②遠距離から炎魔法乱れ撃ち(テクニック系◯、アタック系×)
③投影魔法による幻影から岩魔法のカウンター(アタック系◯、チャージ系×)



アシュラーの行動パターン

01~30 6本の腕を叩きつけ衝撃波(チャージ系)
31~60 腕を鞭のように振るってくる(テクニック系)
61~98 素早い動きで横撃を叩き込む(アタック系)

奇数ゾロ目 結果に関係なくルルの勝ち
偶数ゾロ目 結果に関係なく敵の勝ち


↓1でルルの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


ゴーレムは何度もその素早さを活かした動きでルルを攻撃しようとするがルルの幻影を捉えきれないままであった。

何本もの石柱をくらい、強固な装甲を纏っているゴーレムの体にも段々とヒビが入ってきている。


ルル「よいしょっと!」

フローリア(すごい……あんなに大きい相手を圧倒している…!)

ルル「大体パターン読めてきたよ、次はこっちでしょ!?」

アシュラー「……##@2☆9><%#…」バチバチ…


息もつかせぬ怒濤の攻撃にゴーレムから火花が散り始める。
戦いのクライマックスは近いようだ。


───ルルの勝ち───
     1 2 3
ルル   ◯ ◯
ゴーレム  ×  ×

下1のコンマが偶数ゾロ目以外でルルの勝利

ルルがアシュラーを圧殺した所で一旦寝ます
一応この後は自由行動を挟んだ後、メインストーリー(重大な選択肢あり)を進めてナール編終了予定になります

たぶん夕方から夜あたりに再開します


ルル「これでおわり!」

アシュラー「#€2……」


ルルの怒濤の攻撃によりボロボロとなった装甲に石柱が突き刺さる。

そのままゴーレムは静かに沈黙し、終わってみればルルの圧勝という結果になった。


ルル「ふー、終わった終わった」

フローリア「凄いですルル!あんなに怖そうな敵を一人で…!!」

ルル「あっはは!今のはちょっと出来すぎだけどね、まぁこれで師匠としての面目躍如はできたかなー…」



アシュラー「……ggggg…!」

ルル「えっ!?わっひゃあ!?」


しかしルルがゴーレムに背を向けた時であった。

ゴーレムは串刺しのまま腕を伸ばしルルの足首を掴み上げてしまった。


ルル「あわわわわ!こ、これはさすがにマズイって…!? あっ、ひうぅっ!?」

フローリア「る、ルル!?」



そこからは一瞬だった



  ゴーレムがルルを振り回し   


 壁に叩き付けようとして



        ルル「フローリア!逃げて…!!!」



フローリア(あ、れ…なんだろ、なんか前も同じような事があった気がする)

フローリア(あの時わたしはクロウスが死ぬのを目の前で見ていて…)

フローリア(今回も、また…今度はルルが死ぬの……?)

フローリア(だめ……ダメ!そんなの絶対にダメだよ!!!)


フローリアがルルを救うために目覚めた魔法の種類
↓1から↓3の間で募集

【名前】(炎魔法、浮遊魔法、結界魔法、強化魔法…といった感じの名前)
【効果】(強すぎる効果はフローリアがまだ未熟な為、書いてもナーフされる可能性があります)



【名前】軟化魔法
【効果】硬いものを柔らかくする


>>251で行かせていただきます


フローリアが地面に魔方陣を描くと同時に部屋全体に魔力の波が走る。

ルルは勢いよく壁に叩きつけられ……ることは無く、まるで柔らかい何かに衝撃を吸収されるように感じ、思いっきり身体ごと跳ね返った。


ルル「お、よよよ!?わたし…生きてるゥーー…っべし!!!」ズザーッ

フローリア「る、ルル…!ご無事ですか…!!」ハァハァ

ルル「じ、地面に頭擦ったけどダイジョーブ……けど今のは、ひょっとしてフローリアの魔法?」

フローリア「は、はい……無我夢中でやったので何をしたのか自分でも分からなかったですけど…!」ハァハァ

ルル「壁を柔らかくしたから私の身体が無事だったんだね、フローリアは軟化魔法に素養があるみたいだね!」

フローリア(軟化魔法………私にも、誰かを助けることが出来たんだ…!)

アシュラー「5j@86€*#k#}!!!!」


二人が魔法の顕現に喜んでいる間にゴーレムはボロボロになりながらも石柱から抜け出している。

そして二人にたいしてしつこく攻撃を再開しようとしていた、しかしそこに思わぬ乱入者が訪れる。


クロウス「まったく…探しましたよ、姫様」ザッ

フローリア「クロウス…!?」

クロウス「お説教はまた後で、今はひとまず……このデカブツを仕留めれば良いんですね?」


クロウスは剣を抜き勢いよくゴーレムに向かっていく。

ゴーレムはボロボロになった6本の腕を振り回すが既にダメージの入った状態で速度も精細も欠いている攻撃はクロウスに当たるはずも無く、意図も容易く懐に潜り込まれる。

そのままクロウスは頭部に剣を横に一閃し、ゴーレムはようやく完全に機能を停止した。


ルル「おおお…お見事」

クロウス「あれだけダメージの入ってる手負いの獣ごとき一撃で仕留められない訳には行かないのでな……そ、れ、よ、り、もだ!!!」

ルル「や、やっぱりそうなる!?」ヒエーッ


クロウスは般若のごとき様相でルルに詰め寄る、ルルはただあわあわとしっぱなしだったがフローリアがルルを庇うように前に出る。


フローリア「違うのクロウス、私のが我が儘を言ってルルに無理やり付いて来たの!叱るのならば私だけを叱ってください!!」

クロウス「むっ、姫様…」

ルル「あのー……私も何だかんだでフローリアには助けられちゃったんで、私はともかくフローリアにはできれば温情をかけていただければなーって思いまして…」

クロウス「…………はぁ、まったく」



ポンッ


クロウス「俺がいない間によく姫様を守ってくれた、感謝するぞ……ルル」

ルル「えっ……へへ♪」


言いたい事は山ほどあったが、それはこの場には似つかわしくないと判断してクロウスはルルの頭をくしゃっと撫でて感謝の意を示し、ルルは少し照れ臭そうに笑ってみせた。


ルル「さてさて~、危険も無くなった所でさっそくコアの部分をいただきましょーっと!」

フローリア「あの…そういえばクロウス、私たちこの部屋から出られなかったんですが今は大丈夫なんでしょうか?」

クロウス「恐らく問題は無いかと、隠し通路の外でジェニファーを待機させてますので何かあればそちらからも開けることができる筈です」

フローリア「そう、ですか……結局、またクロウスに助けられてしまいましたね」

クロウス「私は今回は何もしておりませんよ、頑張ったのはルルのやつですから……それに何があったのかは分かりませんがフローリア様も頑張りになられたのでしょう」

クロウス「今はゆっくりお休みになられてください」

フローリア「あっ…」


緊張の糸が切れたのと余力無しの全力で魔法を行使した為、フローリアは力無くクロウスの方に身体を預ける。

クロウスはそんなフローリアを支えつつも、眼を輝かせながらゴーレムからコアを抜き取っているルルを見守っていた。


後日……

あのゴーレムは宗教のシンボルとして奉られていたモノらしく大変貴重な魔力鉱石を使用していたようで、それらを用いたルルの実験結果は上々だったらしい。


結果を纏めたレポートは魔導技術に革命をもたらす程の発見が成され、ルルの学院首席としての地位はさらに磐石のモノになったようだ。


フローリアは一気に魔力を使い切った消耗で寝込んでしまったが3日後には回復し、ルル共々無事にクロウスのお説教を半日もくらった。


ジェニファーはジェニファーで今回の騒動の証拠隠滅に奔走していたがその手際の良さに普段どれだけルルに苦労を掛けさせられているかがよく分かった。(それでも本人は愚痴りながらも活き活きとしてるように見える)



そして……。








????「ご苦労様、今回の報酬は予定通りいつもの場所に…」

教師「ありがとうございます、しかし残念な結果に終わりましたね」

????「仕方ないわ、イレギュラーもあったとはいえ彼女の実力ならこうなる事も予測はできていたわ」

教師「かの遺跡からほぼ無傷で帰ってくるとは、上手いこと排除できていたらあなた様の地位も…」

????「滅多なことは言わないで、誰が聞いてるか分からないもの」

教師「失礼しました、では私はこれで…」


????「……地位、ね」

????「問題ないわ、全てが予定通りなら……地位も、名声も、力も、全てが手に入る」

????「……ふふ、うふふ」


───クロウス視点───



クロウス(……あれから数日が経った)

クロウス(フローリア様は完全に回復なされ、今は魔法の訓練に勤しんでおられる)

クロウス(あれだけ何かに打ち込めるフローリア様は始めて見るかもな…)


クロウス「俺も待つのは止めて、そろそろ動くべきだろう」


クロウス自由行動1回目
↓2でクロウスの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く(二人まで、ただしモルガンヌのみ単独)
 フローリア>>4、ルル>>79、ジェニファー>>96、★モルガンヌ>>103(ボーナス発生中)


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


ナール魔導帝国SPOT
【魔導図書館】【学院の空中バルコニー】【訓練所】【学院の中庭】【魔導商店】【酒場】【居住区】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

手持ちのフラグ(クロウス)
ルル×1



学院は国としての城の役割も果たしている為、とても広く広大な作りになっている。

その中でも生徒たちに最も人気があるのがこの空中バルコニーに違いない。

ここから見える景色は壮観な景色は学院生にとって憩いの場であることは間違いないだろう。

最も、授業中の今はあまり人の寄り付かない時間帯ではあるのだが…。


クロウス(考え事がしたくなる時はこの時間、ここが一番落ち着くからな……ん?)


クロウスはここ最近はこの人気の少ない時間を縫ってここで考え事をするのが一つの日課になりつつあった。

遠くの故郷、王国の事に想いを馳せるのにここが一番適していたのだろう。

しかし、今日のところは思わぬ先客が居たようで…。


モルガンヌ「…………」

クロウス「……なっ」

クロウス(女帝……モルガンヌ!? なぜこんな所に…!?)


まるで雪のように白い髪を風に靡かせる女性はこの国を治める魔導女帝、モルガンヌであった。
国のトップであろう存在がなぜこんな所にいるのか、クロウスは驚くも目の前の光景に思わず目を奪われてしまった。

見た目も美人ではあるが、彼女のどこか儚げに学院の外を見下ろす風貌は幻想的な空気すら感じさせてしまう。

女っ気の薄いクロウスでさえ、思わず見惚れてしまっていた。


クロウス(………綺麗だな、しかし…)

クロウス(どこか、寂しくも見えるのは何故なんだ…)


モルガンヌ「……? 貴方は…?」

クロウス「し、失礼致しました…!まさか女帝殿が居るとは思わず、ついジロジロと…!!」

モルガンヌ「……貴方はミクトラムの騎士…構いません、貴方もワタシも……ここに用があっているに過ぎませんから」

クロウス「用……差し支えが無ければ、どのような後用事でここに居るのでしょうか、聞かせてもらっても構いませんか?」


そう言うと表情の変化の薄いモルガンヌは珍しく目を丸くしてこちらの方を見てきた……ような気がした。


モルガンヌ「……休暇、かしら」

クロウス「休暇、ですか」

モルガンヌ「そう、休暇……」


そう言うとモルガンヌはまたナールの街の風景に視線を戻していった。

以前にお目にかかった時は王として、威風堂々とした佇まいをしていたが今は口数も少なく…しかし威圧的な空気などどこにも感じさせない。

どこか感情の薄い女性としか感じられなく、クロウスはその二面性にどこか興味をそそられた。


モルガンヌとの対話、どんな事を話し、どんな事を聞く?またはモルガンヌにしたい事など。
↓1から↓3で募集

出番の少なかったモルガンヌさんの魅力をここで出さねば……と四苦八苦してたら遅くなりました。

21時ぐらいから再開しますね。


クロウス(護衛の影は無し、か……むしろ彼女には護衛の存在すら不要なのか)


己の城とはいえ護衛ひとり付けず院内を歩き回っているのは複雑な事情があるのか、それとも彼女の実力を考えればそもそも護衛はいらないのか。

クロウス(いずれにせよ、頼み事をするのには好都合か?)


クロウス「女帝殿、無礼は承知の上なのですが…ご一緒にお茶でもいかがでしょうか?」

モルガンヌ「……」

クロウス(……さすがに厳しいか?)

モルガンヌ「……貴方は変わった人ね、一国の帝にそんなに気安く誘いをかける騎士なんて初めて見たわ」

クロウス「失礼致しました、しかし一人の騎士として貴女の事をもっと詳しくなりたくなったのです」

モルガンヌ「そう、なら構わないわ」

クロウス「…!」

モルガンヌ「積もる話もあるのでしょう、ワタシの私室でよろしければ付き合いましょう」

クロウス「…ありがとうございます!」



魔導女帝モルガンヌ。


10年前に帝の座に着いたばかりの若き君主ではあるが、その電撃的采配は他国にも轟く程有名であった。

貴族階級の人間に支配されていた旧ナール魔導帝国をたった一人の学院生が変えてしまったのだ。

貴族出身である魔導帝王を魔法を扱った決闘にて圧勝、さらに半貴族派の後ろ楯も在りあっという間に帝王の座を奪い取ってしまうという伝説を残している。


その他にも反発する貴族階級の人間を押さえ付けようとせずに自身の派閥として取り込み、魔導研究の促進と一般市民に対しての魔法使用の普及政策に取り組む。
更にミクトラムを始めとした諸外国との友好関係を継続していく等、臣民からの信頼も厚いナール歴代の中でもきっての名君になりつつあった。

その反面、自身に逆らい続ける人間には慈悲も無い冷徹な一面を持ち合わせており、それが彼女のカリスマ性を高めている一因にもなっている。


クロウス(そんな女帝殿とこうして一対一で茶を飲み交わしている男など世界で俺だけなのかもしれないな…)


日の光が差し込む穏やかでとても静かな空間。

女帝モルガンヌの私室に誘われ挙げ句に茶を飲んでいる男は比喩でも何でもなく、クロウスが初めてであった。


モルガンヌ「貴方から誘っておいて何故そんなにそわそわしてるのかしら…」

クロウス「いえ、年頃の女性のお部屋など今まで縁もありませんでしたので…」

モルガンヌ「そう……貴方からすれば、何もなくてつまらない部屋なのかもしれないわね」

クロウス「そんな事は無いです、良く言えば機能的な空間になっていてゴチャゴチャしてるよりはとても落ち着きます」


実際モルガンヌの部屋は帝の一室とは思えないほどに簡素なものになっていた。

部屋の中にはシンプルな一人用ベッドに客人用のテーブルセット、後は装飾も何もない木製の本棚にクローゼットと必要最低限の物だけが集められた内装になっている。


クロウス「その、何を憂いておられたのですか?」

モルガンヌ「えっ…?」

クロウス「先ほどバルコニーに居られた際に、何かも物鬱気にされていたようなので…」

モルガンヌ「……別に、ワタシは何も憂いてなどおりません」

クロウス「そうでしたか、いや失礼しました」


何となくだがクロウスはこのモルガンヌの発言を嘘だと思った。
しかし当の本人が何も語りたくなさそうであったので今はこれ以上の詮索は止めることにした。


モルガンヌ「……それで、結局貴方の用件は何かしら」

クロウス「それは、貴女の事を知りたくて」

モルガンヌ「……貴方は嘘が下手、それだけが理由でワタシをお茶に誘うなんてありえない」

モルガンヌ「無駄話は嫌いなの、単刀直入に用件を言いなさい」ピリッ


クロウス(……この威圧感、先程までとは別人のようだな。これはもう素直に言った方が良さそうだ)
 

クロウス「…女帝殿、貴女様の千里眼魔法にて今、王国がどのようになっているか視ては頂けませんか!」

クロウス「我が姫は必死にここまで逃げてきた故に御自身の国がどうなっているのか未だに知ることが出来ておりません!」

クロウス「恐らくは心中で休まることも無く、祖国をご心配なされていると思います……どうか女帝殿のお力でミクトラムの現状を視ていただけませんか」


クロウスはテーブルに頭を着け、必死に懇願する。
一国の王に他国の騎士が頼み事など無礼も承知であったが今のクロウスにはこのようにする他無かったのだ。


モルガンヌ「そう、それが貴方の用件だったのね……」

モルガンヌ「千里眼魔法は使用するのに多大な魔力を消費する。ワタシとて容易く使用することはできぬというのを…………知ってのことか?」


クロウス「…!!」ゾワッ


そう言い終えティーカップをテーブルに置いた途端、クロウスは言い様の無い殺意の感触に襲われる。

モルガンヌから発せられる魔力の圧によるものか、貴様など茶を飲みながらでも余裕で殺せるのだぞというメッセージとクロウスは受け取った。 

しかしクロウスにも引けぬ事情がある。


クロウス「お気に障られたのであれば非礼を御詫びします、しかし私にも引けぬ意地があるのです」

クロウス「私ひとりの命で替えられるのであればそれで構いません、姫様さえ無事ならば……国はまた立て直せれます。私が居なくなった後に姫様にお伝えしていただければ…」

モルガンヌ「…………」

モルガンヌ「……やはり貴方は変わったお方です、普通こうしてれば大概の人間は青冷めて引くか命乞いの二択しかしなかったのですが…」


モルガンヌ「楽にしなさい異国の騎士よ、少し貴方を試しただけです」

クロウス「試す……とは?」

モルガンヌ「実のところ、私は数日前から既に千里眼にてミクトラムの現状を把握しているのです」

クロウス「…!? ならばなぜ直ぐに私たちに…」

モルガンヌ「……伝えればこの国を飛び出して行くのではないかと思っていたのです」

モルガンヌ「いまみだりにナールの国外に出るのは危険を伴います、ワタシには貴方たちが事実を知っても冷静な判断を下せる人どうか確認しなくてはいけなかった」

クロウス「……私は、そのお眼鏡にかなったと?」

モルガンヌ「………話しましょう、私が観た事の全てを」


そこからモルガンヌは己が魔法で垣間見た事を淡々と告げた。

まずミクトラム城、及び城下町の全てはラジル帝国軍が掌握しており帝国兵が常駐していること。

帝国は王国の一般市民への暴力行為などを禁止しているが、一部の兵などは隠れて暴行、脅迫、果ては強姦などの犯罪行為とも云える行いをして好き勝手しているヤツらが多いという。

そして………王家の血筋に繋がる者や帝国のやり方に反発する者は親類縁者問わず、処刑されてしまってるらしい。

僅かに生き残った兵士や臣下、メイド達もほぼ奴隷のような扱いをされているようで惨憺たる有り様を描いている。


……救いな話は二つ、一つは一緒に逃げた妹姫はまだ捕まっている様子は無さそうだという事。

そして真っ先に処刑対象にされる筈の国王、及び王妃様の処刑が何故か行われておらず殺されてはいない事であった。


クロウス「国王陛下が……ご無事であるのですか…!」

クロウス(喜ばしい!喜ばしい事だが………王国の象徴たる国王陛下をなぜ生かしたままにしているんだ?)


モルガンヌ「……ワタシが観たものはこれで全てです、後はどうするかは貴方たちに任せましょう」

モルガンヌ「ワタシは執務に戻ります、それを飲んだら出ていきなさい」

クロウス「…女帝殿!!」ザッ

クロウス「此度はこのような不躾な願いをお聞きくださり感謝致します!!この恩は必ず、いつか返させて頂きます!!」

モルガンヌ「………そう、それと一つ」

モルガンヌ「無闇に自分の命を差し出そうとするなどお辞めなさい、貴方には守るべき主君がいるのでしょう」


そう言い残すとモルガンヌは自室の扉から出ていった。
クロウスは目の前に置かれた茶を飲み干し、深く息を吐いた。


クロウス(………恐ろしいプレッシャーだった)

クロウス(国の騎士やこれまで相対してきた強者たちとは別格の存在感!まさにこの国の最強の魔法使いに相応しい貫禄…!!)

クロウス(しかし……何に関しても無関心の冷徹な女帝、俺が聞いていたのはそんな人となりだったんだがな)

クロウス(俺の眼には……言いたいことをずっと我慢している幼子のように見えてしまうのは気のせい、なのだろうか)




モルガンヌ(…………)

モルガンヌ(……あの人、今まで周りにはいなかった)

モルガンヌ(折れず曲がらず、けれどひたすらに自分ではなく他人の心配ばかりしていた)


モルガンヌ(………もし、もっと早くあんな人がワタシの傍にいてくれてたのなら…)


その後、モルガンヌとすれ違った兵士は「女帝様が口角を少し上に上げておられたぞ!?!?」と目を白黒させていたのは別のお話。


モルガンヌとのフラグ①、②を手に入れました。(コンマで2本手に入れれるか決めるつもりでしたが今後もボーナス中は確定2本で取れるようにします)


クロウス自由行動2回目
↓2でクロウスの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く(二人まで選べる)
 フローリア>>4、ルル>>79、ジェニファー>>96


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


ナール魔導帝国SPOT
【魔導図書館】【学院の空中バルコニー】【訓練所】【学院の中庭】【魔導商店】【酒場】【居住区】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

手持ちのフラグ(クロウス)
ルル×1
モルガンヌ×2


クロウスはミクトラム王国の状態についてフローリアに説明すべく学院内を探し回っていた。

自室には居なかった為、図書館か訓練所のどちらかに居るのではないかと予想し訓練所を訪れてみた。


フローリア「すぅーはぁー……」

ルル「そうそう、そうやって落ち着いて魔力を練ってから…魔方陣に魔力を流し込むの」

フローリア「こ、こうですか…!?」

ルル「もうちょっとスピーディーに!魔力が霧散しちゃって陣が崩壊しちゃうよー!」

フローリア「あわ、わわわ!?」

クロウス「…魔法の訓練ですか、精が出ていますね」

フローリア「あっ、クロウス…!」

ルル「クロウスさん、どもども~♪」


予測通り訓練所で魔法の特訓をしていたが、そこにはルルの姿もあった。
どうやらフローリアの魔法の特訓に付き合っているみたいだ。


クロウス「ルル、姫様にあまり無礼な態度は…」

ルル「むむ!しかしクロウスさんこれはお姫さま公認の接し方なんだよ、私とリアはあの一件以降マブダチになったも同然なのだ!」ビシッ

クロウス「なんだその言い方……しかもリアって…」

フローリア「私が許しました……あだ名で呼ばれるって、とても新鮮で嬉しいです…!」

ルル「でしょでしょ!今度ジェニーに会ったらリアもジェニーって呼んでみなよ!」

クロウス(それは多分真面目なジェニファーなら卒倒すると思うぞ……しかし)

クロウス(フローリア様は楽しそうだ……今、王国の件を話すのは野暮なのかもしれないが)


フローリア、ルルとの交流内容(聞きたい事、話したい事、一緒にやりたい事など内容)
下1から下3の間で募集


フローリア「ルル、魔方陣って地面や壁に刻むのと魔力で宙に描くのって何か違いがあるの?」

ルル「んーとね、基本的には物質に刻んだ方が強い効力を発揮する事のほうが多いんだ。魔力を流し込む解きに安定するからね」

ルル「逆に宙に描くのは魔力コントロールが難しい反面、詠唱とかも要らないし慣れれば慣れるほど魔法を発動するスピードが早くなるんだ」

フローリア「一長一短なんですね…」

ルル「私は断然魔力で描く派だけどね、やっぱり前みたいな戦闘になるとどれだけ素早く発動準備を終わらせるかって所あるからさ」

フローリア「けどこの岩魔法とか私の軟化魔法とかは物質に干渉する分、物質に陣を刻んだ方が更に効力が強くなるのでは?」

ルル「リア冴えてるね!確かに元からある物質を変化させるタイプの魔法は~~~………」ウンタラカンタラ


クロウスはベンチに座りながら二人の会話を眺めていた。

そもそも根が真面目なフローリアと魔法の事に関しては真剣なルルが揃うとやはり話は魔法関連の話し合いになってくるようだ。


クロウス(正直俺は聞いててさっぱりだが、あれから姫様も元気になられているし良いことだ……しかし)


フローリアとルルは普段着ているドレスと制服を脱いでいて、学院が用意している運動用の薄手のシャツを纏っていた。

身体のラインが普段着よりもハッキリと分かるのでクロウスはなんとなく目のやり場に困ってしまう。

フローリアの整ったスタイルからの美乳も、ルルのロリ体型ながらも意外とある膨らみも……。


クロウス(……いや、俺はロリコンではないぞ…断じて違うからな)


ルル「もしもーし、クロウスさん大丈夫?」

クロウス「ん、ああ…何でもない、どうかしたのか?」

ルル「いやクロウスさんがじーっとこっち方を見てたからさ、さすがに気になっちゃうよ」

クロウス「……そんなに見ていたか?」

ルル「そりゃあもう……はっ!?まさか私たちの事をえっちな目で見てた!!?」ササッ

クロウス「無い。少なくともお前みたいなちんちくりんには断じてあり得ない」スパッ

ルル「ぐはーっ!!言った!今決して言ってはいけないことを言いましたよこの人ー!!!」

フローリア(わ、私の事は……ギリギリセーフなのかな…///)ドキドキ

ルル「リア、もうこの人解雇して私を騎士にしちゃいなよ。このナチュラルセクハラナイトより私の方がいいよ」

クロウス「むっ…それは聞き捨てならんな、俺は姫様が産まれた頃から守り続けてきたのだ。そう易々と騎士の座を明け渡すわけにはいかないぞ」

ルル「だったら手合わせしようよ、私が勝ったら今日から私がリアのナイトだよ!」

フローリア「て、手合わせって……危ないですよルル」

クロウス「そうだな、訓練用の木剣を使っても怪我をさせてしまうかもしれんしな」

ルル「だったら…この風の魔法が込められた風船をお互いの腰にくくり付けて、どっちが先に相手の風船を割れるかならどう?」

クロウス「まぁ、それならお互い怪我をすることもないか…?」

ルル「それじゃあ準備をして……あっ、勿論私は魔法を使うからね」

クロウス「うん……うん?」

クロウス「ちょっと待て、こっちは剣でそっちは魔法有りならリーチの差が有りすぎだろ!?」

ルル「問答無用!!人を貧乳呼ばわりした報いを受けるがいいー!!!」

クロウス「誰もそこまで言ってないわ!!!」


なぜか始まったクロウスとルルの風船デスマッチの行方
↓2のコンマでどちらが勝つか(ゾロ目は強制的に61~98の結果かつラッキースケベ展開に)

01~30 ルルの勝ち(ルルのフラグを入手)
31~60 クロウスの勝ち(フローリアのフラグを入手)
61~98 クロウスの勝ち(ルルとフローリアのフラグを入手)


ルル「くらえ炎弾!!からの氷塊よ!」

クロウス「うおっ!? くっ…!!」


ルルが放ったのは初級の炎魔法と氷魔法、しかし二種の魔法を時間差で撃ってきた。

クロウスは風船に当たらぬように腰を屈めながら躱していくが絶妙に踏み込みたいところに魔法を撃ち込んでいくので中々近づけない。


クロウス(しかしこのままジリ貧というのもしてやられた感があって気分が悪いな…ならば!)ダッ


クロウスは真っ直ぐ突っ込んで行った。
多少の被弾はお構い無しという姿勢、無論手加減している魔法なので当たってもちょっぴり痛いか熱い程度のものなのだが…。


ルル(それでも風船に当たれば1発アウトだよ?ほら、このもう当たりそう…)


ルルの魔法が風船に当たる瞬間、クロウスは故紙にくけり付けた風船の紐を引っ張り位置をずらした。

魔法は風船に当たらずクロウスはそのままルルの風船を狙っていく。


ルル(けど残念♪それは投影魔法で映した私の分身だよ!)


ルルはアシュラー戦の時と同様、投影魔法による撹乱によりクロウスの背後を取るつもりであった。

しかしクロウスは剣を振る直前に体の向きをぐるっと180度回転させ、ルルを追うように動いていた。


ルル「えっ!?嘘、なんで!?」

クロウス(影で動きが丸分かりだぞ)


ルルは咄嗟に岩魔法で壁を作り距離を取ろうとするが、それすらもクロウスは見切っており逆に自分の足場にして一気に自身の攻撃圏内にルルの風船を引き入れた。


ルル(やばっ!?)

クロウス(獲った!!)ヒュンッ



パンっ!!!


クロウスの剣はルルの風船を捉えた………しかし、それよりも早くなぜかクロウスの風船の方が先に割れてしまっていた。


フローリア「えっ?」
ルル「あっ」
クロウス「いや……それは無理」


風刃魔法。
指定の位置に風の刃を発生させる風の中級魔法が勝負の決め手であった。


クロウス「申し訳ありません姫様……このような痴態を晒す羽目になるとは腹を切っても切り足りませぬ」ズーン

フローリア「お、落ち込まないでくださいクロウス…!元気を出して…!!」

ルル「そ、そうそう!!こんなの遊びだし!私も本気で騎士になるつもりなんて全然無いし!」

ルル(やっばー…負けそうになったからつい禁じ手使っちゃったよ、実質これ私の負けなんだけどなー…)


実はこの勝負、学院生の中で嗜まれるゲームの一つでそもそも魔法を前提としたルールが組まれたものなのである。

その中に位置をサーチして攻撃するタイプの魔法は強すぎる為、反則負けになるルールがとられていた。

無論クロウスはそんなことは知らないが。


ルル(けど…魔法有りの正式ルールでここまで追い込まれたのはディアナ以来だったな)

ルル(しかもクロウスさんは魔法無しの接近戦のみ……ゴーレムを一刀両断してた時から思ってたけど、本当に強いんだなぁこの人)

ルル(えへへ、なんかワクワクしちゃってくるね!)


クロウス「俺は騎士を辞めてセミになる…」ショボーン

フローリア「クロウス、ああ!丸くならないで!」


ルルとのフラグ②を手に入れました。


───フローリア視点───


フローリア「………」


あの騒ぎの後、なんとか気を持ち直したクロウスから王国の話を聞かされたフローリアは部屋の窓の外を眺めていた。


フローリア(お父様たちは無事……妹も捕まってはいない)

フローリア(けれど家に帰れるわけではない、私はこの先どうすれば良いのでしょう)

フローリア(前までの自分より強くなりたくて魔法を覚えても、この力で私は国のためになにができるの?)


フローリア「……」ギュッ


母である王妃から託されたペンダントを握り締め、心を落ち着かせた。



フローリア自由行動1回目
↓2でフローリアの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く(二人まで、ただしモルガンヌのみ単独)
 クロウス>>7、ルル>>79、ジェニファー>>96、モルガンヌ>>103


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


ナール魔導帝国SPOT
【魔導図書館】【学院の空中バルコニー】【訓練所】【学院の中庭】【魔導商店】【酒場】【居住区】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

手持ちのフラグ(フローリア)
クロウス×1
ルル×1
(クロウス×フローリア間はフラグ数共有なので、クロウス側にもフローリア×1でした)


フローリアはモルガンヌに会いに謁見の間に来ていた。

クロウスから聞かされていた話だとミクトラムの現状を把握するのに使用した千里眼魔法は魔力をかなり消耗するものらしい。

わざわざ自国のために力を割いてくれていた事を知ったフローリアはモルガンヌに感謝の意を伝えに来たようだ。


フローリア「女帝様、此度は私たちの為にお力を添えて頂き誠にありがとうございました」

モルガンヌ「構わぬ、我はナールの未来のために動いただけだ」

フローリア「それでも、感謝の言葉を伝えずにはいられませんでした」

モルガンヌ「ナールとミクトラムは古くからの友好関係にあった、我はその盟約に従ったに過ぎぬ…そうだな」

モルガンヌ「もし貴女が我に対して謝意があるのならば、貴女の話を聞かせては貰えぬか」

フローリア「わ、私の話ですか…?」

モルガンヌ「そうだ、聞きたいことがあれば一つだけ答えてやっても良いぞ」

フローリア(え、話って言っても…私は殆ど城の中でしか過ごしたこと無かったし……女帝様を退屈させてしまうんじゃ……)

フローリア(それに聞きたいことって……そんなの、山ほどあるのに…)


モルガンヌとの対話、質問や話の内容など
↓1から↓3まで今回は1つだけ採用になります


ふと、フローリアは蒼湖の岩洞にて自分が体験した不思議な現象について思い出した。

あの時ほ状況が状況だった上に夢かなにかと深くは考えていなかったが、魔法を極めたこの人なら何か分かるかもしれない。


フローリア「あの、女帝様……時を戻す魔法、というのは存在するのでしょうか?」

モルガンヌ「時を戻す…?」

フローリア「あの、実は……」









モルガンヌ「………なるほど、それは奇妙な話だ」

モルガンヌ「死んでいたはずの人間が、いきなり死ぬ前と同じ状況で生きていた……それは確かに時が戻ったと感じるのは無理もない」


フローリアは岩洞で起きたことをモルガンヌに説明した。
フローリアにとって…話しにくい部分は省いてしまったが嘘偽りなく詳細に答えた。


モルガンヌ「だが……時間を戻す魔法は過去に存在していた大魔法、故に我にも扱うことはできぬ。貴女のようなここに来る前まで魔法に触れたこともない人間がそんな大層な真似をできるとは思えないが……」

フローリア(……やっぱり、あれは夢だったのかな)

モルガンヌ「だが可能性が無いとも言い切れない……そうだな」

モルガンヌ「そのペンダント、少し見せては貰えぬだろうか?」

フローリア「え、は、はい…」


フローリアは恐る恐るペンダントをモルガンヌに渡した。

モルガンヌはまじまじとペンダントを観察していたが一通り見終わるとフローリアにペンダントを返した。


モルガンヌ「そのペンダントには感じたことのない不思議な力が込められている気がする…」

フローリア「不思議な……それって魔力とは違うのですか?」

モルガンヌ「例えどんなに微かな魔力でも纏っているモノなら最初から気づける、だがそのペンダントに宿っている力の流れはここまで近づいてようやく分かるもの」

モルガンヌ「少なくともワタシはそのペンダントに宿っているものを魔力だとは思えない…」

フローリア(魔法じゃない、女帝様でも分からないなんて……お母様、このペンダントはいったい…)

モルガンヌ「未知の力か……あながち時を戻す力があるというのも偽りではないかもしれないな」

モルガンヌ「その件に関しては部下の者に調べさせてみよう、ここの蔵書量をもってすれば手がかりの一つはあるかもしれない」

フローリア「あ、ありがとうございます…」




フローリア(……もし、本当に時を戻すような力があるというのなら……あの日の襲撃も無かったことになるのかしら…)

フローリア(あの日の……)



フローリア『い"だいっ!!あぐっ!いぎ、できなっ!!あ"っ!!やめで!!もうやめ"てぇえ!!!』

フローリア『あ"っ♥ い"っ、いいっ♥ しゅごっ、あうんっ♥ あっ♥ こわれる♥ あたまも♥ おなかも♥ こわれひゃううううううう♥♥』



フローリア「ひっ…!!」

フローリア(何を考えてるの私…!!そんなことあるわけないじゃない…!)

フローリア(だって、もし本当に時が戻っていたら……それを覚えてる私は…!!)ゾクゾク


フローリアの淫欲値が上昇するかどうか
↓1のコンマ十の位が偶数、一の位の数値分上昇(十の位が奇数の場合は変化ナシ)


モルガンヌ「どうした、顔色が悪いように見えるが…?」

フローリア「はっ…!?い、いえ…なんでもありません…」

フローリア(……大丈夫、きっと私が考えすぎてるだけよね?)


淫欲値の変動無し

モルガンヌとのフラグ①(フローリア)を手に入れた。


フローリア自由行動2回目
↓2でフローリアの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く(二人まで選べる)
 クロウス>>7、ルル>>79、ジェニファー>>96


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


ナール魔導帝国SPOT
【魔導図書館】【学院の空中バルコニー】【訓練所】【学院の中庭】【魔導商店】【酒場】【居住区】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。


手持ちのフラグ(フローリア)
クロウス×1
ルル×1
モルガンヌ×1


フローリアが学院を歩いていると前からもう見慣れた二人が歩いてきた。


フローリア「ルル、ジェニファーさん」

ジェニファー「ご機嫌ようフローリア様」ペコリッ

ルル「あっ、リアだ!」

ジェニファー「り、リア…っ!?」

フローリア「ふふ…こんにちは、ルル」

ジェニファー「ちょ、待ちなさいルル!!一国の姫になんて失礼な…!?」

フローリア「いいんです、私は気にしてないですし」

ルル「私とリアは友達だもんねー?」

ジェニファー「なななな…!!」ガーン


ジェニファー(な、なんと…!?私がわたくしがルルにあだ名で呼ばれるまでどれ程の苦労をしたというのに!?)ガーンガーンガーン…

ジェニファー「……ってすき好んで呼ばれたいわけじゃありませんわ!!!」

フローリア「あの…私なにかジェニファーさんを怒らせるようなことしてしまったのでしょうか…?」

ルル「いや、あれがジェニーの平常運転だよ」

ジェニファー「ぐぬぬ…」

ルル「そうだ!折角だから三人でご飯でも食べようよー、丁度お昼だし!お腹減ったし!学食のご飯美味しいし!」

フローリア「えっ?私も良いんですか…?」

ルル「当たり前でしょ!ジェニーも良いよね?」

ジェニファー「し、仕方ありませんわね…フローリア様に庶民のお味が合うと良いのですが」


ルル、ジェニファーとの交流内容(聞きたい事、話したい事、一緒にやりたい事など内容)
下1から下3の間で募集

フローリア基準でやべぇもん食ってるルルジェニ
文化の違いを思い知る形に

>>321
これはフローリアが庶民の味にカルチャーショック受けてるって事でいいんですかね?

>>1におまかせします

>>326
ありがとうございます


学院内の食堂は実は意外とご飯が美味しいことで市民には有名である。

働いてる料理人は一般市民の出身だが、貴族御用達のレストランで働いていたこともあり様々なメニューにも精通している。
中でも異国のメニューをぶち込んでくる事もある日替わりランチは色んな意味で度胸を試される事もあるのだとか…。


ルル「いただきまーす!」

ジェニファー「今日も料理人の腕は変わらず良好みたいですわね」


フローリアは鶏肉のソテーに色彩豊かなサラダ。ジェニファーは卵とチーズによる風味が豊かなパスタを頼んでいる。

一方のルルはというと…。


フローリア「あの、ルル…?」

ルル「はふはふ…うん?なになに?」モッチャモッチャ

フローリア「ルルが食べているその茶色くて丸いものはなんですか…?」

ルル「これ?これはたこ焼きだよー」モッチャモッチャ

フローリア「た、たこ焼き…!?」

ジェニファー「こらルル、食べながら喋るのは行儀がよろしく無いですわよ」

ルル「んぐっ!……ごっくん!! あはは、日替わりランチ頼んだらこれとご飯が出てきたよ!」

フローリア「え、えっと……いったいどういう食べ物何でしょうか?」

ルル「えっとね、小麦粉で作った生地にぶつ切りにした蛸の足を入れて丸く焼いた食べ物みたいだよ?」

ジェニファー「東の島国で作られた料理みたいですわね、庶民にも慕われる味みたいですが…私は到底食べる気にはなりませんわね」

ルル「ええ~、意外と美味しいよ?リアもジェニーも食べてみたらいいよ!いっぱいあるし!」

ジェニファー「遠慮しますわ、私は自分の料理がありますので」

フローリア「……えっと、でしたら一個貰ってみても良いですか?」

ジェニファー「ちょっ!フローリア様、正気ですの!?」

フローリア「はい、異国の料理は食べたことが無いので興味があります」

ルル「えへへ、そしたら……はい、あーん!」

フローリア「あ、あーん……もぐっ」

フローリア「っ!!はふっ!あひゅっ!!」

ジェニファー「こ、こら!熱々のまま渡したりしないの!!大丈夫ですの!?フローリア様!!」

フローリア「へ、へいひでひゅ…ん、もぐっ、ごくんっ」

ルル「どう?感想は?」ワクワク

フローリア「い、今まで食べたことのない食感でした……けど、とても美味しかったです!」

ジェニファー「え!?ほ、本当ですか?」

フローリア「はい!特に蛸のこりこり感は今まで味わったことのない食感でした……このような味わいが存在していたなんて…」

ルル「気に入ってくれて何よりだよー、今度はハッシュドポテトとか用意してあげよっか!」

フローリア「はい、ぜひ!」

ジェニファー「うぬぬ…わ、わたくしも……いや、しかしあまり食べ過ぎると太りそう…!」


ルル「はぁ、食べた食べた」

ジェニファー「ルル、口元にソースが付いてますわよ」フキフキ

ルル「えへへ~、ありがとジェニー」

フローリア「ふふ、やはりお二人は仲が良いんですね」

ルル「うん!ジェニーは私の親友だもん!」

ジェニファー「私は貴女を友だなんて……しいて言うなら私とルルは良きライバル関係と言ったとこですわ!」

ジェニファー「扱える魔法の数では……そりゃ、劣りますけど…!座学や実技、魔法実験などの成績では負けませんもの!!」

ルル「でもジェニー……この前のテストで私に負けてデザート奢ってもらった記憶が」

ジェニファー「しっ!お黙りなさい!」


仲睦まじい二人の姿にほんわかした気分になるフローリアであったがここで一つの疑問が浮かんだ。


フローリア「そういえばお二人はどんな魔法を使えるのですか?ルルのは何個か見たことあるんですけど」

ルル「んー、私は結構いっぱいあるんだよね。炎に岩、風、雷……それに補助的なもので言ったら投影魔法なんかもあるし、とりあえず10個ぐらいはあるんじゃないかな」

フローリア「そんなにあるんですか!?」

ルル「まぁ実戦で使えないものとかも結構あるんだけどね」

ジェニファー「ルルは考えナシに思い付きで覚えすぎですのよ」

フローリア「じゃあジェニファーさんもそれぐらいえるんですか?」

ジェニファー「私はルルのように大雑把ではないので、覚える魔法はしっかり吟味しておりますの」

ルル「今で3個だったっけ?ジェニーの魔法って」

ジェニファー「ま、まぁその通りですわね…」


ジェニファーが習得している魔法(ジェニファーの魔法は一つは水魔法で固定)
↓1から↓4の間で2個募集

【名前】(炎魔法、浮遊魔法、結界魔法、強化魔法…といった感じの名前)
【効果】

重力魔法

敵味方、自分を軽くしたり重くしたりする

【名前】分身魔法
【効果】実体のない分身を作る。実体はないが魔翌力は本体と分身とで半々に分かれるので使い所は見極める必要がある


>>329>>331でいきます


ジェニファー「私が使えるのは主に水魔法と重力魔法、そして分身魔法ですわ」

ジェニファー「水魔法は攻撃はもちろん色々と融通が効きますし、重力や分身魔法も色々と便利ですのよ」

フローリア「分身!そんな魔法もあるんですか!?」

ジェニファー「とは言っても、実体が無いうえに分身魔法は燃費が悪いので使い時は見極めないといけないのが欠点ですが」

ルル「私は投影魔法があるからな~、こっちは魔力消費も少ないからガンガン使ってけるしリアもどう?」

ジェニファー「馬鹿おっしゃい、貴女のそれは魔力で作った残像をその場に残すだけでしょう。その点分身魔法はこちらで操作することも可能ですわよ」

ルル「戦いで咄嗟に使うならこっちのが便利なんだもん!前の遺跡での戦いでも大活躍だったし!」

ルル(まぁクロウスさんにはあっさり見抜かれてたけど…)


ルル「それにディアナだって分身より投影魔法の方を使ってるからねぇ~♪」


ルルの口から出たディアナという名前に聞き覚えがあり、フローリアはルルに聞いてみた。


フローリア「ディアナさんって前にルルを庇っていた方でしょうか?」

ルル「あれ?なんで知って…ってそっか、あの時聞いてたんだもんね」

ジェニファー「ディアナは魔導帝国の貴族の中でも有数の家柄出身の才女ですわ、学院生でありながら既に国属の魔導士として認められている方ですね」

ルル「まさにエリートって感じだよね~。でも身分で人を差別したりしないし私とも仲良くしてくれるから良い人だよ!」

フローリア「あの人…やっぱり凄い人だったんですね」

ルル「うん、座学とかも完璧で分け隔てなく優しいからみんなの人気も高いんだ。正直なんでディアナが首席じゃないんだろって自分でも思うときがあるし……」

フローリア「ルル…」


ルルはディアナの事を本気で尊敬しているようで、今の自分の座は本当はディアナの方が相応しいのでは無いかと思っている。

周囲の人間に慕われているディアナと自分を比較して落ち込んでいるみたいだ。

フローリアがなんて声をかけようか迷っているとジェニファーがテーブルから身を乗り出しルルに指を指しながら大きな声で話しかける。


ジェニファー「全く、私のライバルがそんか元気の無いこと言わないの!」

ジェニファー「座学だの何だのは別として、貴女は実技ではぶっちぎりのトップでしょう!それを見込まれて女帝様から首席の座を与えられたのですから堂々と胸を張るべきですわ!」ビシッ

ルル「ジェニー………あはは、確かにそうかも。珍しくらしくない事ぼやいちゃったかな!」

ジェニファー「全く…貴女にしょげられたら私の立場がありませんもの」


ジェニファー「まぁそんな無い胸張ったところでワタクシには勝てませんけど!!おほほほ!!」ポインッ

ルル「言ったなー!!これでも少しはあるし!ていうかジェニーは私より一つ上なだけなのに大きすぎだし!!!」ムキーッ


フローリア(……ジェニファーさん凄いなぁ、ルルの事を本当によく分かってるんだ)


すっかり元気を取り戻したルルであったが、フローリアはルルとジェニファーの間に結ばれている硬い絆の強さに少し寂しさを覚えるが同時に羨ましくも感じたようだ。


フローリア(……こういう時は臆せず自分から、だよね)

フローリア「あの、ジェニファーさん!今度から私もジェニーって呼んでも良いですか!?」

ジェニファー「ぶふっ!?えっ!!ふ、フローリアさまっ!?それはいったいどういう…!?」

フローリア「私もジェニファーさんとお友達になりたくて……駄目、ですか?」

ジェニファー「え、いや、駄目だとかでは無いですが、むしろ光栄なことなんですが、さすがに心の準備がと言いますか…!!!」アタフタ


他国のとはいえ王族であるフローリアの突然の提案にジェニファーは慌てふためく。

それを見てルルは可笑しそうに笑っていた。


ルル「ぷっ!あはははは!ジェニーがそんなにキョドってるところ初めて見たかも!!」

ジェニファー「笑ってる場合ですか!なんでそんなに可笑しそうにしているのですか!!」

ルル「だってさ…こうやって一緒にご飯を食べたり、危機を乗り越えてきたんだもん」


ルル「もう私たち三人とも友達みたいなものじゃん!」


ルルの一声にフローリアとジェニファーは目を合わせる。

すると二人も可笑しそうに笑っていき、三人の間に和やかな空気が訪れた。


ジェニファー「全くこの子ったら……ん、こほん」

ジェニファー「その、私でよろしければ……お友達になってくださいまし。フローリア様…!」

フローリア「ふふ…様も要らないですよ、お友達ですもんね?」

ジェニファー「そ、そうですか…?それでは……ふ、フローリア…?」

フローリア「はい!ジェニー!」

ルル「えへへ♪」


三人の少女は共に笑い合いながら友情を結んでいく。

フローリアにとって、この思い出は先の見えない不安を照らす希望の光になるのだろうか。


ルルとジェニファーのフラグ判定(ゾロ目は61~98の判定になります)
↓2のコンマのフラグを入手

01~30 ジェニファーのフラグ①
31~60 ルルのフラグ②
61~98 両方同時ゲット


ルルとのフラグ②(フローリア)を手に入れた。


……………。

………。

…。


明け方…。

その日は朝の静けさと共に鳥の鳴き声が唄う心地よい朝であった。


モルガンヌ「………ふぅ」

モルガンヌ(少し早く起きすぎた……)

モルガンヌ(起きてる人も少ないでしょう、しかし……これぐらいの静寂が、ワタシにとって最も心地のよい時間なのかもしれません)


ふと、朝焼けの空を眺めているとなぜか彼女の脳裏に一人の男性の姿が浮かんだ。

なぜあの赤髪の騎士のことが出てきたのか、その理由は分からないが不思議と嫌な気分では無いことは確かだった。


モルガンヌ(……もし、ミクトラムのより詳細な情勢が分かれば…あの騎士は喜んでくれるのでしょうか?)


モルガンヌは両手をかざすと魔方陣を形成する。

それは眼の紋様を施してあり、込められている魔力量も相当なものだった。


千里眼魔法。

それは彼女が産まれ持った比類なき天賦の才能。

文字通り山を抜け、谷も通り越し俯仰天地全てを視抜くと言われている彼女だけのオリジナル。


精神を研ぎ澄まし、周囲に陣を展開し、彼女が開眼した時。

千里眼はモルガンヌの瞳に全てを映した。


モルガンヌ(………………………)

モルガンヌ(…………っ?)



モルガンヌ(……これは…)



モルガンヌ「……」カツカツ

兵士「おはようございます!!女帝様!!」

兵士「このような早いお時間にお目覚めは珍しいですね、何か御用でしたでしょうか」

モルガンヌ「…伝令に全ての兵及び学院生、一般市民に伝達せねばないない事がある」

兵士「はっ…はぁ?いったい何を…?」

モルガンヌ「数刻後に……」


モルガンヌ「戦が始まる」






同時刻……ナール魔導帝国から少し離れた監視塔


兵士a「おつかれ、交代の時間だ」

兵士b「やっとかぁ、夜勤の見張りは退屈すぎて眠くなっちまうよ……ふわぁ…」

兵士a「明日は休みだろ、家に帰る前に仮眠でも取ったらどうだ?」

兵士b「やだよ、仮眠室の固いベッドより嫁が待ってる家で寝た方が疲れとれるしな!」

兵士a「ったく惚気かよ、このこの!」

兵士b「へへへ!それじゃあ後は任せ………あっ?」

兵士a「どうかしたか?」

兵士b「ちょっと待て…何か見えないか…?」

兵士a「ん…?どれどれ……っておい!?」

兵士b「やべぇなおい、すぐに女帝様に伝えろ!!」

兵士b「ラジル帝国からの侵攻あり!至急各部隊に通達しろ!!」



帝国隊長「諸君、我々はこれからナール魔導帝国へと侵攻する!」

帝国隊長「知っての通り、敵国は魔法防壁によって囲まれており見た目以上に堅牢な守りを誇っている」

帝国隊長「それを踏まえた上で、皇帝閣下から降された勅命はただ一つだ、心して聞け!」




帝国隊長「帝は一人でよい!!以上だ!!!」

帝国兵「「「うおおおおおおお!!!!!!」」」

更新の報告です。
本日13時からナール動乱編前編を投下します。
安価のない長い話になってしまいましたがお付き合いして頂ければ幸いです。

選択安価込みの後編は今日の夜に投下予定です。

ちょっと早いけど始めます


学院に監視塔からラジル帝国の侵攻通告が届いてから2時間後…


フローリア「クロウス!」

クロウス「姫様!!」

フローリア「ラジル帝国がナールに攻めてきたというのは本当なの…?」

クロウス「ええ、間違いなく」

フローリア「そんな…ひょっとして、私たちが来たから…?」

クロウス「それは分かりません、しかし何の目的もなく戦争を始めるわけもないでしょう………何かしらの目的はあるはずです」

フローリア「それで戦況は?今はどのような状況なんですか?」

クロウス「……………率直に申し上げますと」





クロウス「ナール側の方が優勢です」


クロウス「ラジル帝国の発明した大砲は驚異なのですが、魔導帝国の魔法結界は越えられないようです」

クロウス「ラジルは白兵戦に持ち込もうとしていますが結界内部からの遠距離魔法や遠隔攻撃の圧でペースが取れていない状況です」

クロウス「このまま耐久戦が続けば、先に弾切れになるのは向こうの方かと…」

フローリア「良かった…それなら安心ですね」


クロウスからの報告にフローリアは安堵の表情を見せるが、クロウスは何やら解せぬといった顔をしている。


クロウス(しかし……ラジル帝国も砲撃戦では勝ち目が無いということは最初から分かっているだろうに、なぜこんな勝ち目の薄い戦いを仕掛けた?)

クロウス(ヤツらにも、何か作戦があるというのか…?)



ディアナ「障壁部隊!そのまま維持し続けよ!!前線を突破させるな!!」

ディアナ「炎撃、雷撃部隊は各隊交互に放て!!休ませる暇を与えず攻め立てろ!」

炎撃隊員「オーライ!!」

雷撃隊員「魔力が切れそうなヤツは後続の兵隊と交代しろよ!!」

障壁隊員「こちら障壁部隊、前線の維持は任せろ!!」

ディアナ「街の方には結界がある!!敵の砲撃は気にせず敵を押し返せ!!」


戦況は明らかにナール側に傾いていた。

ラジルの兵士達は障壁部隊の魔法防壁を突破するのに手を焼いており、その隙に炎と雷の魔法が空から降り注ぐ。

シンプルだが防御に絶対の自信がある魔導帝国ならではの堅牢っぷりだ。

故にナールの魔導兵たちの戦いには迷いがない。




帝国兵「隊長!前線部隊に被害が拡がりつつあります、このまま攻め続けても良いのでしょうか…?」

帝国隊長「うろたえるな、ここまでは全て予定通りだ」

帝国隊長「今はヤツらに気持ちよぉ~く撃たせ続けろ、それにそろそろ…」



障壁隊員a「いいぞ、敵軍はこちらの守りを崩しきれていない!このまま凌ぎきるんだ!」

障壁隊員b「はい!…………えっ?」

障壁隊員a「よそ見するな!今は目の前の敵に集中しろ!」

障壁隊員b「し、しかし…あ、あれは」

障壁隊員a「なん……だ…っ!?」


一人の魔導兵が何かに注意を取られていた。
もう一人の兵が叱りつけるが茫然とした反応に思わず振り向いてしまう。


やがて魔導兵たちの視界には、ナールの街や学院を守る結界が溶け消えゆく光景を目にするのであった。


ディアナ「け、結界が………」

障壁隊員a「そ…そんな馬鹿な!?なぜ結界が消える!!!」



帝国隊長「ここだ!!!前線は守りが緩んだとこから一気に攻め崩し白兵戦に持ち込め!砲撃隊、打ち方よーい!!」

障壁隊員a「ぐっ…しまっ!!?」

帝国兵「うっしゃあぁぁ!!!」

障壁隊員b「きゃああっ!!」パリィン


障壁隊員a(こ、こいつら…!?さっきと攻め方を変えてきた!!さっきまでのは手を抜いていたとでも言うのか!?)

ディアナ「障壁部隊、なるべく持ちこたえろ!白兵戦の用意!!」


国を守る結界の消失、次々と街に撃ち込まれる砲撃、上がる火の手の数々に動揺を隠し切れずにいる魔導兵たち。

その混乱の隙を突くようにラジル帝国軍は攻めの手をより激化させ、前線の突破には時間がかからぬ状況になってきた。




ドオオォンン…!!!


フローリア「きゃあっ!?」

クロウス「ぐぅっ!この揺れは…!」

クロウス(結界が消えている……街に砲撃が撃ち込まれた衝撃か!!)

フローリア「そんな…!どうして結界が無くなったの…!!」

ルル「お願いします…!私も連れていってください!!」

クロウス「……? この声はルルか?」


院内の曲がり角の先はホールになっておりそこにはルルとジェニファー、そして女帝モルガンヌの姿もあった。


ジェニファー「お、落ち着きなさいルル!私たちが行ったところでどうにもならないでしょう!!」

ルル「あそこではディアナも戦ってるんだ!私たちも一緒に戦うべきだよ!」

モルガンヌ「なりません、彼女は国属の魔導士として認められた人間。既に戦場に立つ準備と覚悟を備えております」

モルガンヌ「しかし貴女はいかに首席の立場にいれど、まだ正式に国属ではありません。貴女たちには一般市民の避難の手伝いを…これは命令です。」

ジェニファー「ほ、ほら!!女帝様の手を煩わせないの!早く行きますわよ…!!」

ルル「け、けど…!」

モルガンヌ「結界が破られた以上は戦場には混沌が渦巻いているでしょう……我が出陣しよう。この戦いを終結してくれる」


ルルはモルガンヌに共に戦場に連れていってくれないかと懇願していたようだが、モルガンヌはそれを断る。

確かにルルは戦場に立つには腕も申し分はないがまだ子どもだ。苛烈な戦場の様を見るのにはまだ早すぎる気がするのには同意である。


クロウス「ならば自分が戦場にお供いたしましょうか」

モルガンヌ「貴方は…」

ルル「クロウスさん…?」

クロウス「女帝様には返しきれぬ恩義があります、今ここでそれを返させてはくれませんか?」


クロウスはモルガンヌに同行を申し出た。
自分たちを匿わせてくれ、頼んでもいなかったのに王国の様子を魔法で調べてくれていた恩を返したくての申し入れであった。

しかしそれでもモルガンヌは首を縦には振らなかった。


モルガンヌ「必要ありません、ワタシが出れば……この戦争はすぐに終わります」

モルガンヌ「それに貴方は………そこのフローリア姫の護衛でしょう、貴方は貴方の使命を果たすべきです」

クロウス「むっ…」

フローリア「クロウス…」ギュッ

ジェニファー「ほらお三方…!早く行きますわよ!」

ルル「ぐぬぬぬぬ…!!」


女帝は一瞥することなく、転移魔法を発動して戦場へと赴いていった。


ジェニファー「今から避難所に案内します!フローリアも一緒に来てください!!」

フローリア「ジェニー!私にも、何かできることはありますか!」

ジェニファー「……避難所には怪我をした一般市民も来るかもしれませんわ、その人たちの介抱をお願いしていただいてもいいですか?」

フローリア「はい!!頑張ります!」

クロウス「…行くぞルル」

ルル「うん…」



戦場はナール優勢から一転、ラジル帝国が一気に押せ押せの状況になっていた。
障壁部隊は陣を崩され、勝負は白兵戦へともつれ込んでいく。

しかしラジルは文明武器を手に入れる以前から武力国家として知られていた国。

白兵戦に於いての兵の練度は高く、ナールの兵達も魔法を駆使していて弱くは無いのだがそれでも圧倒されていた。


魔導兵「ぐあっ…!」

帝国兵「へへへ、そらよっと!」

ディアナ「氷刃よ!!」キィンッ

帝国兵「うぐぅっ!?」

魔導兵「た、助かりました……ディアナ様!」

ディアナ「もう少し……もう少し耐えるのよ!いま女帝様がこちらに向かっている!それまで耐え」



モルガンヌ「もう来ています」

ディアナ「えっ…!?」


転移魔法により直接戦場に到着したモルガンヌにどよめく兵たち。

そしてモルガンヌは暫し精神を集中させた後に、一気に三種類の魔方陣を展開し始める。


モルガンヌ「前に出ている兵は退きなさい、加減はしません」


モルガンヌが詠唱を終える。
それは戦場において地獄を与えるに等しき行いであった。


───竜巻魔法。

戦場の両サイドから巨大な台風が前線の兵士たちを天高くへと蹴散らし始める。


───氷河魔法。

地面を走る氷が氷山の様に鋭く大きく、地面を隆起しながら戦場をこじ開けていく。


───炎獄魔法。

空から複数の灼熱の竜が敵軍目掛けて降り注いでいく。逃げ惑うラジル帝国兵たちを更に蹂躙していった。


先程までの劣勢を一気に覆していくその様は味方からは勝利の女神、敵からすれば地獄からの使いの様にも見えるだろう。


モルガンヌ「次は相手の砲撃を沈めましょう、貴方達に強化魔法をかけます…少し時間をください」

ディアナ「高等魔法の魔方陣を三つ同時に……しかも詠唱を破棄しての高速発動…!!」


ディアナ(しかも既に次の魔法の準備も終えている、そんな事はルルにだってできない…!)

ディアナ「やはりこの御方はモノが違い過ぎますね…女帝様の守りを固めよ!!決してこちら側に敵兵を入れさせるな!」


モルガンヌは敵の砲撃隊を壊滅させるための魔法を発動するために、魔導兵に強化魔法をかけていく。

無尽蔵とも言える魔力量だからこそできる芸当であり、決して他の魔法使いにはできない事だ。

ナール軍はこれにより息を吹き替えし、一気にラジル帝国軍を抑えにかかった。


帝国隊長「やはり出陣したか……ここが正念場だ!!臆せず前に出続けろ!!」



────学院内の避難所


クロウス「………」

フローリア「クロウス…怖い顔をしているわ」

クロウス「あ…すみません、少々考え事を…」

クロウス(……やはりおかしい)

クロウス(なぜ魔導帝国の結界が消えた……? 結界の魔方陣は魔導帝国内にそれぞれバラバラの場所に厳重に隠されてたはず)

クロウス(帝国の斥候が侵入していたとしても全てを把握するのは難しいはず……)

フローリア「……ねぇクロウス、私に構わず行ってきてください」

クロウス「ひ、姫様…?なにを仰っているのですか。私は姫様の護衛騎士ですよ!」

フローリア「でもクロウスは戦場に行きたいのでしょう?兵士さんたちも居ますし私の方は大丈夫だから…」


本音を言うと、先ほどクロウスがモルガンヌに言っていた事は本当でもあるが建前でもあった。

クロウスは王国から逃げる際に、王に自分も戦場に出ることを申し出ていたのだが王には断られていた。

フローリアを守るためとはいえ、自らの安息の地ともいえる国を見捨てて出ていく事を繰り返したくなかったクロウスにとって咄嗟に出てきた言葉だったのだろう。


長年の付き合いが成せた事なのだろうか、フローリアはそんなクロウスの考えを察していたようだ。


クロウス「……すみません姫様、必ず戻ってきます」

フローリア「はい、どうかご武運を」




───魔導帝国の市街地


ジェニファーたち学院生は砲撃を受けた地域に出向き、一般市民の避難誘導を行っていた。

この非常事態にさすがに平民とルルを罵っていた貴族の学院生たちも協力し合っており、想定よりもスムーズに事が進んでいた。


ジェニファー「……これでこの辺りの避難は終わりましたわね」

ジェニファー「ルル!!次に向かいますわよ……ってあら!?」


ジェニファーが振り替えるとルルの姿が無かった。

またしても独断行動をとったルルにジェニファーは頭を抱えそうになるが今は彼女を探すよりも自分の使命を優先した。


ジェニファー「あの子ったら……後でお説教ですわ!!」





ルル「はぁ…!はぁ…!!はぁ…!!!」タッタッタ

ルル(なんで……どうして…!!)

ルル(あの魔力の痕跡は…!)

先出しの強キャラはそれ自体が負けフラグみたいなところあるねんな……


帝国兵「でぇりやあああ!」ガッ

魔導兵「くっ、この…!」キィンッ


ナール側は先のモルガンヌの援護魔法によりだいぶ余裕を取り戻しつつあった。

時おり飛んでくる女帝および後続部隊の援護射撃により前線の膠着状態はだいぶ解かれつつある。


しかし帝国兵たちも開き直ったかのように前に出続けている。
被害は決して少なくないはずだがそれでも攻めの姿勢を崩さないのはある種の凶器のようにも思えた。


やがて一人の帝国兵が前線を抜け出して来て、女帝の前までたどり着いた。


帝国兵「ようやく辿りつけた……!敵将討ち取ったりぃぃぃ!!!」

ディアナ「させぬ!!!」


しかし立ちはだかるディアナの氷魔法により、帝国兵は串刺しとなりその刃はモルガンヌに届くことは無かった。


帝国兵「ごふっ!!…ら、ラジル帝国に、栄光あれ…!!」ガクッ

ディアナ「ご無事ですか!女帝様!?」ザッ

モルガンヌ「ええ、よくやりました」

ディアナ「女帝様を御守りするのが私の役目です、今は魔法の発動に集中を」

モルガンヌ「ええ、ですが心配は無用です」

モルガンヌ「全ての準備が整いました、これにてこの戦いの幕を引きましょう」バチバチバチバチ


大気が震え上がる。
モルガンヌは今から放つ魔法にてこの戦争に終止符を打とうとした。


ディアナ「そうですね、では…」




ドスッ!!!




モルガンヌ「………っ、かは…!?」


それは完全に意識の外であった。
斜め後ろからの魔力を帯びた短剣による刺突。

それはモルガンヌの脇腹に深く刺し込まれ、異様な魔力が灯っている。

そして短剣の持ち主は静かにモルガンヌに告げた。



ディアナ「幕を引きましょうか、ラジルの勝利にて…」

ディアナ「ふふ…♪」

後編に続きます。
続きは19時以降になりそうです。

まぁバレバレでしたがそういうことです、はい。
ディアナさんが今章のヒール役です。

>>361
物語を綺麗に進ませる為の様式美みたいなとこありますね。

再開いたします


それは余りにも予想を越えた出来事であった。

ディアナという少女は幼い頃から魔法の才に溢れるだけでなく、温和勤勉でナール魔導帝国に忠誠を誓っていた人物であった。

故に誰しもが想像したことが無かった。

そんな彼女が、女帝モルガンヌを裏切ることなどと。


ディアナ「貴女の敗因は……周りの部下に対して余りにも関心が無かったことかしら?」

モルガンヌ「ぐっ…!!」

魔導兵「そ、そんな……ディアナ様!?なぜこのような真似を!!」

ディアナ「……邪魔ですね、今は女帝様とお喋りしたい気分なの」

魔導兵「ぐあっ……じょ、女帝さま…!!」


ディアナは周囲に氷魔法と結界魔法を合わせた二重結界を張り周囲の兵士達を吹き飛ばしていった。

出来上がった氷のドーム内にはモルガンヌとディアナの二人だけが残されていた。


モルガンヌ「貴女が謀反するとは……正直思いませんでした……、はぁ…しかし…!この程度で我を止められるとでも思っているのか…!!」


いくら不意の一撃を喰らわせたとはいえモルガンヌとディアナ、両者の間に存在する圧倒的な実力差はそう容易く埋められるものでは無い。

しかしディアナは余裕の表情を崩すことなく、気にせずモルガンヌに語り続けた。


ディアナ「ええその通りです。この程度で貴女は止められるのですよ」

モルガンヌ「なにを…ぐっ、うああああああああっっっ!!!?」


ディアナが短剣の束をなぞると、周囲には強大な力が溢れ出る魔方陣が展開された。

そして刺された箇所……モルガンヌの身体から夥しい量の魔力と文字列のようなモノが放出され続け、その全てを魔方陣が呑み込んでいった。


ディアナ「【知識喰らいの書物庫】、かつて古代文明において対魔法使い用の武器として使われていた暗黒の遺物」

ディアナ「その効果は刺した魔法使いの魔力と魔法そのものを奪い取るというものです」

ディアナ「見えますか……?貴女様の叡知の結晶、そして血反吐を吐いた上で無理やり手に入れさせられた力の塊が…」

ディアナ「その全てが!今や私の手中に収まろうとしている様を!!」

モルガンヌ「うあああああああああっ!!!!!」



ルル「何をやってるのさディアナ!!!」


結界の外からルルが声をかける。
ディアナはまるで来ると思っていたかのようにルルに冷静に声をかけた。


ディアナ「ルル…案外早いお着きね」

ルル「……避難誘導ついでに、結界の魔方陣を見てきたんだよ…場所は、幾つかのは知ってたから」

ルル「そこには時間差で魔方陣が壊れるように魔法で巧妙に細工してあったよ、けどそこに残ってる魔力の残滓はディアナのものだったよ」

ルル「ディアナどうして!?なんでナールを裏切っちゃったのさ!!」ドンッドンッ

ディアナ「……それを貴女に聞かれるなんてね。答えてあげてもいいけど今は女帝様の全てを頂く……?」

モルガンヌ「はぁ…!!はぁ…ぐっ!!」

モルガンヌ「言った……はずだ……この程度で…我を……ワタシを、止められるとでも…!!はぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」


モルガンヌは逆に自ら魔力を放出し始めた。

すると吸収するスピードよりも早く魔力が出始めたことにより結界内が魔力の圧によりヒビが入り、更に魔方陣にも亀裂が入り始めた。


ディアナ(マズい……いま遺物が壊れるのだけは避けたい!!)


ディアナは知識喰らいの書物庫をモルガンヌの身体から抜き、魔力と魔法の剥奪を中止する。

その余波でディアナの氷の結界は破壊された。


ルル「女帝さま!」

モルガンヌ「はぁ……はぁ…!っは…はぁ……!」

ルル(これは…傷が深いというよりも前のリアと一緒だ、一気に魔力を失って体力を消耗しているんだ!)

ディアナ「残念です、まだそんな力が残っていたなんて…」

ルル「…っ!」キッ

ディアナ「強がりを見せてる場合? 周りの状況をよく見てみたら?」

モルガンヌ「……っ」


モルガンヌがディアナの結界を破る前に、周囲の状況は一変していた。

モルガンヌの支援を失った魔導兵たちは、帝国兵たちの圧力に飲まれ前線は崩壊。

そして今、モルガンヌとルルの回りには帝国の兵士達が集結しようとしていた。


ディアナ「大丈夫ですよ女帝様、貴女から受け継いだ力はとても有効に扱わせていただきますので」ニッコリ

ルル「こっのぉ…!!」


今にも迫り来る帝国の兵士たち。

しかしそこにディアナでさえ予想していなかった者が飛び出てくる。


クロウス「どけどけどけぇぇぇ!!!」パカラッパカラッ

ディアナ「なにっ!?……くっ!!」ズザッ

ルル「く、クロウスさん!?」

モルガンヌ「貴方は…」

クロウス「乗れ!!今すぐこの場を離脱するぞ!!」


馬に乗り、戦場に突っ込んできたクロウスはディアナ目掛けて斬りかかっていく。

なんとか避けることしかできなかったディアナを尻目にクロウス達は馬に乗って一気に学院の方へと駆け抜けていった。


クロウス「何とか間に合ったか…!?」

ルル「クロウスさんどうしてここに…!」

クロウス「話は後だ、喋るな舌を噛むぞ!」

モルガンヌ「はぁ…はぁ……ま、待ってください……」

モルガンヌ「行くのなら…学院の地下へと行ってください……!」

クロウス「学院の地下…?」

モルガンヌ「ええ……そこに行けば…少なくとも、貴方たちは逃がせる事が、できるかも…はぁ…!!」

クロウス(酷く衰弱している…いったいモルガンヌ殿にいったいなにが…)

ルル「よく分かんないけど、ポケットワープくんを使えば学院までならショートカットできるよ!!」

クロウス「助かる!姫様と合流して学院の地下を目指すぞ!!」



───学院前



心配して外に出ていたフローリアとルルを探していたジェニファーが合流を果たしていた。


ジェニファー「そう…避難所にもルルは来てませんのね」

フローリア「はい……ルル、大丈夫なんでしょうか?」

ルル「よっし到着ぅー!!」シュパッ


二人がルルの心配をしていると当の本人が馬ごと瞬間転移してきて二人とも驚きの表情を浮かべた。


ジェニファー「ルル!!貴方いったいどこに……えっ!?じょ、女帝様!?」

フローリア「クロウス!!無事だったんですね…!」

クロウス「はい、ですが女帝殿が酷く衰弱しています…!ですが余り時間に猶予はありません!事の経緯は歩きながら説明します!」


学院の階段をゆっくりと下の方に降っていく。
そこから先はまるで遺跡のようになっており、普段から学院生もこの先への立ち入りは禁止されていた。

衰弱しているモルガンヌを気づかい、肩を貸しているがその様子は弱々しく……威厳に満ちたあの女帝の姿は見る影も無くなっていた。


モルガンヌ「はぁ…はぁ、この先です……この扉の先に…今は使われなくなった転移魔方陣があります…」

モルガンヌ「かつてナールがまだ建国されたばかりの頃、数少なかった友好国との行き来をするために……使われていたと、聞いております……はぁ…っ」

モルガンヌ「今となってはその友好国がどこなのか…そもそもまだ存在してるかも分かりませんが……魔力さえ流し込めれば、まだ起動するはずです……」

クロウス「それを使って逃げろと…!?」


モルガンヌ「ええ……ですが、逃げるのは貴方たちだけです…」

フローリア「え……女帝様…?」

モルガンヌ「この戦争は……ナールとラジルの間での問題です、貴方たちを巻き込む理由など無いのです…っ」

モルガンヌ「ルルとジェニファー……といったかしら?」

ジェニファー「は、はい!」ビクッ

ルル「なんでしょう女帝さま!?」

モルガンヌ「貴女達は魔方陣に魔力供給後は供に転移してお逃げなさい……できる限り、この二人を助けてあげるのです…」





モルガンヌ「ワタシは………ここで追っ手を食い止めましょう」



ジェニファー「じ、女帝様!?なぜそんな事を貴女様が!?」

モルガンヌ「裏切ったナールの魔導士は学院を熟知している者です……ここの存在にも気づいているはずです。追っ手と供に既に学院に転移して来ていてもおかしくありません…」

モルガンヌ「ワタシは………魔力を抜かれ過ぎました……魔法も…ほんの僅かにしか使えません…しかし足止め程度ならまだできる筈です……」

モルガンヌ「女帝として……未来あるナールの若者を、少しでも守るのが……魔導帝国の頭たるワタシの…責務なのです、わかってください……ごほっ!ごほっ!!」

ルル「そんな……そんなことって…!!」


足音が聞こえ始める。

何人かが階段を降っているようだ、その速度は明らかに自分たちに追い付こうとしているようだ。


モルガンヌ「さぁ……いきなさい………! ミクトラムの騎士よ…!!」

クロウス「は、はっ…!!」

モルガンヌ「二人を……………任せました」ニコッ



扉の先の魔方陣は確かに古こけていてぼろぼろであったが、魔力を流し込めば使えるというのは本当であった。

行く先はギャンブルだが……今はこれにすがるしか道はなかった。


フローリア「女帝さま……こんなことって…」

クロウス「帝としての責務……」

クロウス(だとしても……なんであんな安らかな笑顔を浮かべられるんだ…国王も、モルガンヌ殿も…)


ルル「……復旧作業を始めるね!」

ジェニファー「ええ、ルル!時間差で魔方陣を壊せるようにしとくのですよ!!」

ルル「もちだよジェニー!!追われてきたらなんの意味も無いからね!」

ジェニファー「フローリアも手伝ってくださいまし!今は人手が欲しいのです!!」

フローリア「は、はい!」


クロウス(本当にこれでいいのか? あの人を見捨てることが正しいことなのか…?)

ジェニファー「……クロウス様、少しお話が…」コソッ

クロウス「…?どうしたんだ、ジェニファー…?」

ジェニファー「……私は、やはり女帝様を見捨てる事などできません…あの人はナールの象徴なのです」

ジェニファー「私たちが生き延びた所で、あの方が生きてくださらなければ魔導帝国の再興は厳しいものになります」

クロウス「ああ、しかし……既に追手は迫ってきている。悔しいが女帝殿の言うことの方が合理的だろう」

ジェニファー「それは私もわかっています……ですから、これは提案ですわ」





ジェニファー「わたくしが………代わりに追っ手の注意を引き付けます」


ジェニファーの発言に思わずクロウスは感情が昂るところだった。

済んでの所で抑えたクロウスは低い声色ながらもジェニファーに冷静に問いただす


クロウス「……自分が何を言ってるのかわかってるのか」

ジェニファー「分かっていますわよ、その結果がどうなるのかも全部…」

クロウス「ふざけんな…!そんな事をさせるぐらいなら俺が!」

ジェニファー「駄目です!!貴方まで居なくなったら……フローリアが壊れてしまいますわ」


クロウスにとって、それはあまりにも卑怯な飛び道具であった。
それを言われては何も言い返せなくなるとわかっていてジェニファーは言ったのだ。


ジェニファー「悔しいですけど……ルルは本当に天才ですの。魔導帝国の将来を背負って立つことができるほどの逸材だと確信しています」

ジェニファー(私のような凡人と違って…)

ジェニファー「ルルには言わないでください…あの子が知ったら全力で止められますでしょうし……自分がーとか言い出しかねませんし」

ジェニファー「この先ルルの力は絶対に役に立つでしょう。だからクロウス様…お願いします、私が出た後に女帝様を連れ戻してくださいまし…!」



ジェニファーの覚悟と決意は本物であった。

それは瞳の光を見れば一目瞭然だ、だからと言って本当にジェニファーの提案を飲んでいいのか?

それは女帝の覚悟を踏みにじるのでは?

ジェニファーが居なくなればルルは悲しむ、その事をジェニファー自身が分かっていないはずがない。

しかしジェニファーの言うことにも一理あるのだ。

女帝さえ無事ならば、帝国さえ取り戻せば再興事態は難しくは無くなるだろう。

何より今さっきまで、モルガンヌが犠牲になることに疑問を抱いている自分がいたのだ。


クロウス(くそ…くそ!クソ!!!なんだよこの二択!!ふざけんな!俺に二人の女の未来を選択しろと!?片方を奈落へと突き落とせと言うのか!!!)






──────[非情なる決断]──────



クロウスはジェニファーとモルガンヌ、二人のどちらかの思いしか汲むことができません。


選ばれなかった方は旅に同行せず、長い期間の間登場することは無くなるでしょう。


そして………選ばれなかった方には確定で陵辱イベントが発生することになります。





どちらを犠牲にするか、クロウスの決断を決めます。
今から15分間の間にモルガンヌとジェニファー、囮になってもらう方を選んで頂きます。
どちらか片方の名前を書いていただいて多い方に犠牲になって頂きます。

それではよくお考え頂くよう、お願い致します。


まるで永遠とでも言えるかのような永い時間を過ごしたような。

それほどクロウスにとって悩みに悩んで、彼が出した答えは……。


クロウス「……分かった、頼めるかジェニファー」

ジェニファー「ええ…後はお願いいたします…!」

クロウス「ああ、それじゃあ……後免っ!」シュトンッ

ジェニファー「はぐっ!?」ドサッ


クロウスはジェニファーが背を向けた瞬間に首筋に手刀を叩き込んだ。

無防備な状態で喰らった為ジェニファーは綺麗に昏倒したようであった。


ルル「えっ!?クロウスさん、ジェニーに何してるの!?」

クロウス「コイツが自分が囮になるとか言い出したから実力行使で止めさせてもらった」

ルル「嘘…ジェニーがそんな事を……?」

フローリア「ジェニー……そんなの、ルルが悲しむだけなのに…!」

クロウス「ああ、それよりもルル。転移の準備は出来たのか?」

ルル「う、うん!時間差で魔方陣をがぶっ壊れるようにもしたから大丈夫なはず!」

クロウス「よし、時間がない……すぐに移動しよう!!」

フローリア「……ごめんなさい、ナールの皆さん………ごめんなさい……女帝様…!!」


魔方陣の内部を光が包み込む。

やがて光の粒子に飲まれていく四人の姿が溶け消えようとしていった。


フローリア(ああ……またです、また…私は……)

クロウス(あの日と一緒だ……また俺は…)



((背を向けて逃げなければいけないんだ))

今日はもう更新しません。
モルガンヌさんの陵辱シーンをこれから書いていくのでまた少し投稿感覚空くと思います。

短い期間でしたがモルガンヌとジェニファー、二人のどちらかで悩めるほど二人を魅力的に書けたでしょうか?
ひとまず一旦終わります…。

お待たせしました、それでは再開します。


ナール魔導帝国はラジル帝国に制圧された。

市街地に残っていた魔導兵たちの奮戦も虚しく、学院を含めた全ての場所を帝国兵たちが占領するようになった。


障壁隊員b「きゃああっ!!」ビリビリィ

帝国兵「へっへっへ、魔導兵士って言うもんだからどんなゴツいヤツかと思ったら案外いい女じゃねぇの!!」

障壁隊員a「や、やめろー!!俺の部下に手を出すな!!」

帝国兵「うっせぇな、良いとこなんだから黙っとけ!」ザシュッ

障壁隊員a「ごふっ…!」ドサッ

障壁隊員b「せ、先輩…!?いやぁぁぁ!!」


敗者は人としての尊厳を奪われ、そして勝者は勝利の馳走を味わう。



女子生徒a「うっ…いやぁ!痛いっ!やめて…許してよぉ…!」ぱんっぱんっ

帝国兵a「うひょ~、やっぱ若い女のマンコは締まりが最高だな!」

女子生徒b「うう、れろ、じゅぽっ、んぐっ!んんっ!」モゴモゴ

帝国兵b「そうだ、死にたくなかったらもっと上手くしゃぶれ」

帝国兵a「そういや聞いたか?隊長たちお気に入りのヤツら連れてって奥の部屋で上物とお楽しみ中らしいぜ?」

帝国兵b「マジかよ!?俺もそっち混ざりてぇ~」

帝国兵a「だよな、向こうが落ち着いたら俺たちにも恵んでもらえるか頼んでみよーぜ」


室内には二人の女性と五人の男性がいた。

女性の方は服を切り刻まれ、ボロボロになって横たわっているモルガンヌと五体満足で笑みを浮かべるディアナ。

男性五人は帝国部隊を率いていた帝国隊長と側近の帝国兵四人だ。


帝国隊長「もうやることは済ませたのか?」

ディアナ「ええ、残りカスだった魔力も魔法も……全て吸収を終えました」

モルガンヌ「う………くっ……」

帝国隊長「思わぬ抵抗をくらっちまったが、敵将であるこのバケモノみてーな女を無力化しちまったんだ」

帝国隊長「あんたの協力に感謝するぜ嬢ちゃん」

ディアナ「ええこちらこそ、これで私の目的も半分は達成することができました」

帝国隊長「しかしアンタみてーな将来有望なべっぴんさんが何で国を裏切ったりしたんだい?」

ディアナ「…………」

帝国隊長「答えるつもりは無いってか……まぁいい!この女は好きにしちまって構わないんだろ?」

ディアナ「ええ…ですが一応の使い道は考えてあるので、なるべく壊さないようにお願いしますよ?」


冷徹な笑みを浮かべ、倒れているモルガンヌを見降ろした後にディアナは部屋から去っていった。


帝国兵1「いやぁ今の女もめちゃくちゃ美人でしたねぇ、あの女は犯しちゃ駄目なんですかい?」

帝国隊長「馬鹿を言うな、皇子殿下直々の取引相手なんだぞ? 何かあったら俺らの首がブッ飛びかねないからな…!?」

帝国兵2「マジかこえぇ~……でもこっちの女は好きにしちゃっても良いんですよね?」ニヤリ

帝国兵3「傷だらけとはいえこんな美人を犯したい放題なんて俺らぁラッキーだぜ!」

帝国兵4「隊長……オレらもう我慢できませんって!!」

帝国隊長「慌てるな、最初の1発は俺のものだ」

モルガンヌ「はぁ…はぁ……っ!」


モルガンヌの身体は魔力を根こそぎ奪われた障害により動かせなくなっていた。
それでも抵抗の意思を示そうと眼で威嚇するがそれすらもこの屈強な男たちにはスパイスのようなモノにしかならなかった。

衣服や下着を引きちぎられ、傷だらけの肢体を晒すモルガンヌ。
帝国隊長は動けない彼女の両足を開き、彼女の秘裂を丸裸にする。

雪のように白く美しい恥丘に男たちは思わず唾を飲み込む。


帝国隊長「ごくっ……すげぇ…」

モルガンヌ「…………っ…」

帝国隊長「へへ、見えるかい女帝さまよぉ……今から俺のちんぽをあんたのここにぶち込んでやるよ!」ズリッ


帝国隊長はズボンから自慢のイチモツを取り出し、まだ濡れてもいないモルガンヌの秘裂に勢いよく挿入した。


ズブッ…ぐにゅっ!ずりゅっ…ぐぐぐっ!!


モルガンヌ「ぐっ!?ああっ…!!はああ、ああああっ…!!?」

帝国兵2「隊長うらやましー!ひょっとして女帝さま処女まんこだったんじゃないんですか?」

帝国隊長「締め付けはそのものだな…!!だが肝心の破瓜の血が流れちゃいねーな」

帝国兵3「なんだ中古だったのか?まぁ美人さんだからいいけど」

モルガンヌ「………ぐっ…!!」


実のところ、これがモルガンヌの初めてであるのは間違い無い。
幼き頃、反貴族派の切り札として育てられてきたモルガンヌであったが、過去に受けてきた拷問とも言えるような過酷な訓練や実験の最中で彼女の処女膜は失われてしまっていた。

それゆえに男性経験が今まで全く無かったのだが、この男たちにそれを気づかれなかったのだけが唯一の心の救いであった。


帝国隊長「そぉら…!!動くぞ!!」



ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!
 ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!


モルガンヌ「かっ…!!はぁっ!……う、うう!!」

モルガンヌ(これが……戦争に負けた代償か…っ、こんな下衆共の慰みものになることが……)


濡れていないモルガンヌの膣内を容赦なく突き立てる帝国隊長。
それは最早男女の営みなどでは無く、ただの性欲処理の為の道具のような扱いであった。


帝国隊長「ぐはは、喜べ女帝!!俺が中に射精してやるぞ!!」

モルガンヌ「くっ…!う、うあ…!あ"っあっ………!!」


ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!
 ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!


…びゅるっ!!びゅくっ!びゅくっ!!びゅるっ!



モルガンヌ「あ"っ…か、はぁ……ふぅ、うっ…!」


モルガンヌの抵抗も虚しく、帝国隊長はモルガンヌの膣内に容赦なく中出し射精をした。


モルガンヌ(なに……これ………きもちわるい…これが、せっくす……というものなの…?)

モルガンヌ(汚らわしい……けど、身体が動かない…)


卑裂から隊長の陰茎が引き抜かれた、どろりとした白濁液が垂れてくる感触が股から伝わってくる。


帝国隊長「ふう、久しぶりに女を抱いちまったから直ぐに出しちまった…!」ズリュンッ

帝国兵3「隊長なかだしズルいっすよ!」

帝国隊長「俺が出さんくてもオメーらが出しちまうだろうが!!こういうのは出したもん勝ちだ!!」

帝国兵1「なら次は俺が行かせてもらいますよっと」
 
モルガンヌ「……っ………好きにすればいい…」


今度は帝国兵の一人がモルガンヌの卑裂に陰茎を突き立てる。

どうせ身体は全く動かない、なら大人しく犯されるのに耐え続ければ飽きて早く終わるかもしれない方にモルガンヌは望みを賭けた。


帝国兵1「おおおっ、キッツ……!!こりゃ確かに処女マンみてぇな締め付けだわ…!」ズププッ

モルガンヌ「ふうぅ……うっ、ぐっ…!!」



ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!
 ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!



帝国兵1「はっ!はっ…!ちょっとずつ濡れてきたか…?ちんこの出し入れがスムーズになってきたな」

モルガンヌ(何とでも言えばいい……これは身体の防衛反応に過ぎない…)

モルガンヌ(大丈夫………痛みには慣れてる…これぐらい、昔のあの大人たちの教育に比べれば…っ)


帝国兵1「へへっ、隊長が膣出しなら…俺はあんたの真っ白いお腹にぶっかけてやるよ…!うっ!」ズリュンッ

モルガンヌ「ふぅっ!んっ!……ん!んぐっ…!?」



…びゅるっ!!びゅくっ!びゅくっ!!びゅるっ!



帝国兵の男はモルガンヌの白い柔肌の上に少し黄ばんだ精液をぶちまける。

腹の上から感じる熱い液体の奔流に不快感を感じる。


モルガンヌ(あっ……つい…!お腹が焼けそう……!!)


帝国兵2「休ませねぇぞ?さぁ次のちんぽだ!!」ズププッ

モルガンヌ「うあ…っ……くっ…ぅ…!」


歯を食い縛り、男たちの乱暴なピストンに耐え続けるモルガンヌ。
その精神力と忍耐力は普通の女性とは一線を画すほどに見事なものだが、それが帝国兵たちの不満を掻き立てる。


帝国兵4「なぁ、コイツちょっとマグロ過ぎねぇ?」

帝国兵1「確かに、幾ら顔や身体が良くてもこうも反応が鈍いとつまんねぇな」

帝国兵3「ならオレ、良いもん持ってるぜ」キュルキュル


兵士の一人がおもむろに懐から桃色の液体が入った瓶を取り出す。
そして蓋を開けると中の液体をモルガンヌの全身に少しずつ振りかけていった。


モルガンヌ(……っ? 冷たい……いったいなにを……)


じゅくんっ♥


モルガンヌ「っあぁ!?!?」ビクンッ

モルガンヌ(う、うそ……!?これ、なに…?今まで、感じたことのない感覚が……あっ、はぁ…!?)キュンキュンッ

帝国兵2「う、おおっ!?いきなり締め付けが…絡み付くように…!?」

帝国隊長「お前それ何を使ったんだ?」

帝国兵3「マーラ国製の媚薬ですよぉ、今回の獲物に使おうと取り寄せてたんでさぁ」

帝国兵1「あの色狂いのヤリチンやヤリマンしかいねぇアングラかよ、てことはそれだいぶヤベェ薬なんじゃねぇの?」

帝国兵3「大丈夫だよ、水で少し薄めてるし……簡単に壊れられても面白くないからな」

帝国兵2「お、おおお!や、べぇ…!腰が止まらねぇ!!」



ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!

ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!
 ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!

ぶちゅ…!じゅぷっ!
 じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぷっ!!



モルガンヌ「お"っ!?ひ、ひぐっ!?やっ!あっ♥ はぁっ!?あ、あっあんっ♥ あひっ!!ひ、ひぃ…!?」びくんっびくんっ


媚薬が垂らされたところから熱が拡がり、モルガンヌ自身にも止めようの無い初めての快楽に気が狂いそうになる。

もはや自身の口から漏れ出てしまっている喘ぎ声にすら気づかぬぐらいにモルガンヌは乱れていた。


モルガンヌ「あっ!あぁ♥ はっ、はぁあ♥ これ、だめぇっ…!!! これ、頭の中、まっしろに…ひぁぁああっ!?」

帝国兵2「う、おおおおおおお!!!!」


どぷっ!!!どぷっ、どぷぅっ!!!
 びゅるっ!!びゅくっ!びゅくっ!!びゅるるっ!!



モルガンヌ「アアアアアッッッ♥♥♥」



膣内に吐き出された精液の衝撃がそのまま快楽信号に置き換わる。
初めて味わう快楽、その先の絶頂をモルガンヌはただ流されるがままに膣からダイレクトに味わっていった。


モルガンヌ「はぁ…はぁ…あ、うぁ…♥」ドロォ…

帝国兵2「コイツやべぇ……最初は気づかなかったけど、中の方もすげぇ名器だわ」

帝国兵4「~~っあー!もう我慢できねぇ!!」ズブプッ!

モルガンヌ「あひぃ♥ う、うぐぅぅぅうっ!??」


帝国兵の一人がもはや待てぬと言わんばかりにモルガンヌの卑裂に陰茎をぶちこんでいく。

始めの時と違いモルガンヌの膣内は精液以外にも既に愛液でとろとろに解されていて、男の陰茎をなんの抵抗もなく受け入れていった。


帝国兵3「あっずりぃ!!次は俺の番だったのに!」

帝国兵4「入れたもん勝ちだって隊長も言ってたろ!お前は大人しく手コキで我慢してろって!」

帝国兵1「俺も…その白くて細い指でシコシコよろしく頼むわ」

帝国兵2「俺はお掃除フェラでもお願いしようかな!隊長はどうします?」

帝国隊長「若ぇもんは元気が良いな……俺は髪コキでも嗜むとするかぁ」

「「「「ひゅー!マニアック!!」」」」



ぱんっ!!ぱんっ!!ぱんっ!!ぱんっ!!


モルガンヌ「や、やめて…!んあっ♥ ん、んぐぅっ!?」

モルガンヌ(く……っさいぃ…っ、でも…なんで…こんなに、からだが、身体が熱いのぉ♥)キュンッ


膣内は男の陰茎が激しく動き、両手は汚ならしいモノを握らされ、口の中は先ほど自分を蹂躙したソレを口内にねじ込まれる。

激しい動きにモルガンヌも無意識に腰を動かし始める。
大きめで形の整った乳房もだらしなく前後に揺れていく。

そして女性ならば見る者を羨む美しい白髪でさえ欲望のネタにしかされておらず、激しい男たちの攻め口にとうとうモルガンヌは拒絶の言葉を口に出していた。


モルガンヌ「んぐっ♥ じゅぽっ♥ んんっ♥ もごっ♥ じゅっぽ♥ じゅっぽ♥ んぐふううううっ♥」


そんな事など知らぬと言わんばかりに男たちの腰の動きが激しくなっていき、モルガンヌの意識が薄れていく……。









ふと、一人の騎士の姿が脳裏に浮かんだ。

ほんの僅かの間しか喋ったことは無かったが、それはモルガンヌの人生において出会ったことが無いほどの真っ直ぐな人だった。

永らく動くことの無かった氷のような感情をほんの僅かだが溶かしてくれたような……そんな不思議な暖かさを感じさせてくれた、ただ一人の男。

もし、彼らに付いて行っていたら……ワタシは。


モルガンヌ(…………あっ)


ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!
 ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!

じゅぷっ!!じゅぷっ!!じゅぷっ!!じゅぷっ!!
 しゅこっ、しゅこっ!しゅこっ!しゅこっ!

ぐぽっ!!ずぽっ!!じゅぷっ!!じゅぷんっ!!!
 ずちゅっ!じゅるっじゅぷ!!じゅぷぷっ!!


モルガンヌ「ん、んんん!?んぐっ!!はむっうっ!!んんぐぅんんん~ッッッ!!!」

帝国兵4「おおおおっ!女帝マンコに生ハメ膣出しだぁぁぁ!!!」

帝国隊長「っしゃ!おめーらは同時にぶっかけてやれ!!」


モルガンヌ「んん!?んぐっ!!ぷは…!!やら…っ!ん、んん♥ んごっ!ぶりゅ!んんんん♥ ふうぅううううっっ♥」


どびゅっ!!どびゅっ!!びゅーっ!!
   びゅるるっ!びゅくっびゅぐんっ!!

びゅっ!びゅるっ!びゅくんっ!!
 どぷっ!!どぷどぷっ!!びゅる、びゅー!

ぶびゅるっ!!びゅるるるるっ!!びゅるるるるっ!!!



モルガンヌ「んぐふぅううぅぅぅぅぅぅーーーーーーッッッ♥♥♥」びくっびくんっ!びくんっ!


身体の中も外も、蒸せかえるような雄の濃厚な精液を全身に浴び、モルガンヌは心も身体も快楽に屈していった。

その瞳はもはや何を写しているのかさえ分からぬほど深い澱みに濁り果てている。


帝国兵たちが快感の余韻に浸っていると、扉から新たな帝国兵たちがぞろぞろと入ってきた。


帝国隊長「なんだお前ら、そっちは終わったのか?」

帝国兵a「へい!あっちの学生どもは直ぐにへばっちまったんで…」

帝国兵b「俺らにもお恵みを分けて頂けたらなーと思いまして…」

帝国隊長「仕方のねぇヤツらだな、まぁ俺らはキリが良いから死なねぇ程度にしろよ?」

帝国兵a「ありがとごさいやーす!!」

帝国兵b「俺たち一生隊長に着いて行きます!!」


モルガンヌ「う……ぁ……」

モルガンヌ(そうだ……ワタシは、逃げたかったんだ……)

モルガンヌ(背負わされた責任からも、ワタシを縛る………全てから)


女帝モルガンヌはこの日、二つの強烈な体験をした。
一つは心身が壊れかねない程の強烈な快楽を叩きつけられた事。



そしてもう一つは……………後悔。

自分が捨てた、有りもしない未来を夢見た先の絶望だった。



ディアナ「………」フーッ


ディアナは謁見の間の玉座に座って一息ついていた。

玉座に身体を預け、天を見上げながら何やら思案していたディアナの背後から誰かが近づいていった。


帝国間者「お疲れさまでございます、此度は作戦の成功おめでとうございます」

ディアナ「どういたしまして、とは言っても……私の目的は結局半分しか達成できなかったわね」

帝国間者「半分ですか……国一つ手に入れて半分とは中々に強欲ですな」

ディアナ「冗談言わないで、この国は貴方たちラジル帝国のもの……私はその管理を任されるだけに過ぎないわ」

ディアナ「それと……用件があるなら早く伝えて欲しいものね」

帝国間者「失礼しました、第一皇子殿下からのメッセージでございます」

帝国間者「今しばらくはナールの管理を任せる、時が来ればミクトラムに出向いて貰う事になるだろうと」

ディアナ「皇子殿下が……分かりました」


帝国の間者は伝言を言い終えると静かにその場を去っていった。


ディアナ(そう、まだ私は道半ば……女帝の力を自分の物にすることも目的達成の為のタスクの一つに過ぎない)

ディアナ「私は……」



ルル『なんでナールを裏切っちゃったのさ!!』


あの時のルルの言葉が反響する。

ここまで自分を育ててきてくれた親や教師、周りの友人……そして国そのものを裏切ってまでしなければいけなかったディアナの目的、それは……。






ディアナ「私自身の手で……ルル、貴女が私の前に這いつくばる姿が見てみたいの♥」ゾクゾク

ディアナ(私は待っているわ、貴女はきっと……全てを取り戻しにここに戻ってくるでしょう?)

一旦離れます。
再開できるかはちょっと分からないですが22時頃にまた戻ってきます。

アマティアスさん容姿の欄が抜けてるけどこれは案を出した人に確認取った方がいいのかそれともここだけ安価で決めるのか

【名前】セヴェル
【性別】男
【年齢】33
【見た目】緑のウェーブがかったロングヘアー(分かりやすく言えばワカメ)、眼鏡をかけていて不健康そうな顔色と痩せ細ったひょろ長い体格
【性格】陰湿で根暗な狂人。狂気的なほどに実験をしたがる。一人称は『ワタシ』で口癖は『ヒヒヒ……』
【その他】
【四獅星】の一人。元々は投獄されていたが乱心ひたアマティアスによって解放された。
その見た目に反して戦闘力は非常に高く、ありとあらゆる魔法を使いこなす。
魔法の実験に生き甲斐を感じており、非道な人体実験も全く厭わない(投獄の原因)。
今は捕虜で様々な実験を行っており、異種族の魔物を魔法でかけあわせる・その仔を捕虜の女に孕ませ産ませるといった非道な実験も行っている。
なお現在最も興味を惹いているのはディアナが奪ったモルガンヌの魔法と魔力らしい。

【名前】ネルミェス
【性別】女
【年齢】33
【見た目】紫の触手髪(ロング)。豊満なボディを薄いローブで包んでいる。
【性格】かわいい女の子を自身の触手髪でトロトロに惚けさせるのが趣味の危ないおば…お姉さん。
【その他】こんなんでも人間。髪は禁呪に手を出した代償だがむしろ本人は喜んでいる。戦闘は触手を肥大化&硬化させてこなす

【名前】アムヌグ
【性別】男
【年齢】45
【見た目】顎髭を生やしたいかつい大男。漆黒の鎧と身の丈程もある巨大な真紅の大剣を装備している
【性格】武人気質と見せかけたただの戦闘狂
【その他】小細工を一切使わず圧倒的なパワーだけで敵を伏せる脳筋マッチョマン。常識人と思われていたがアマティアスの豹変に伴い本性が顕になる形に

【名前】レナード
【性別】男
【年齢】23
【見た目】切れ目のキツネ顔、青黒い髪に黄色のメッシュ、ベストを着こんでいる
【性格】常に飄々とした態度を崩さない優男だが冷徹な一面もある
【その他】ナイフと銃を愛用しており、身軽な動きで戦場を制圧していく。アマティアスの命令で情報収集なども行っており元諜報部所属でもある

あれ?そういえばフローリアが覚えられる魔法の数は未判明なままになるのか?ナール滅んじゃったけど

お待たせしました。
ひとまず帝国パート(兼四獅星紹介パート)を投下します、安価は無いです。

安価有りの姫&従者パートは今日の夜辺りに投下します。



ここはミクトラム王国の地下牢の一室。
牢屋の中には一人の男性が鎖で繋ぎ止められていた。

名をセブロ・レアン・ミクトラム。
ミクトラム王国の現国王……だった男である。


帝国に王国を陥落された彼は大々的に処刑などをされる事もなく何故か生かされていた。

既に牢屋に監禁されてから何日も経っているため、服も髪もボロボロになっており、身体には拷問の痕が刻まれている。

しかしその精神力で彼は正気を失うことなく、王としての気高き心までは落ちてはいなかった。


国王(……娘たちは逃げられているだろうか、妻は無事なのか?)

国王(拷問で聞かれるのは娘達の行方ばかり……王国を我がものにしたいのならワシを殺せば良いだけだろう)


国王が娘のフローリア達の安否を気にしていると牢の扉から一人の男性が入ってきた。


男の名はアマティアス。


ラジル帝国の第一皇子、いま時期皇帝の座に最も近い男とされている。


アマティアス「ご機嫌ようミクトラム王、調子の程は如何かな?」

国王「……これが絶好調に見えるなら余程頭のネジが吹き飛んでると見受けるが?」

アマティアス「いいね、まだ元気たっぷりそうで何よりだ……今日は貴方に聞きたいことがある」

国王「……娘達の居場所か?そんなもの拷問官にでも吐かせれば良いだろう」

アマティアス「貴方はそんな事では吐いたりしないだろう?そもそも僕が聞きたいのはそんな事じゃあない」スッ



アマティアス「【時戻しの神器】……いったい何処に在るのか教えてもらえないかな?」

国王「!?」

国王(馬鹿な……なぜこやつが神器を欲しがるのだ?)

国王「……なんの事だか分からんな」

アマティアス「とぼけるんだ? まぁいいや、おおかた二人の姫のどちらかには渡してるだろうし」

国王「本当に知らん、神器だのなんだの……第一皇子殿はお伽噺か何かでも信じているのか?」


吐き捨てるようにセブロはシラを切った。


【時戻しの神器】


それはミクトラム王家に代々受け継がれし秘宝であり、歴代の王女に継承されていくものである。

しかし時戻しとは名ばかりで、その実態はただの水晶の飾りが付いたペンダントとされている。
しかし時を戻すという神器の力は本当に実在し、歴代の王家の人間にも一部しか知られておらずフローリア達はまだ知らされてはいなかった。


とにもかくにも、外部の人間からすれば神器の話は眉唾の噂程度のもので国王は帝国の皇子ともあろう人間がそんな話を信じているとは思っていなかった。

しかし……。


アマティアス「ええ……勿論、信じておりますよ」ニコッ

国王「なに…?」

アマティアス「時を戻す古代時代の遺物……とてもロマンがあって素敵じゃないですか」

国王「正気か貴様…?あんなものにいったい何の価値があるというのだ」

アマティアス「あぁ……勘違いしないでもらいたい。あくまで僕の本当の目的は神器そのものじゃあない、それはあくまで目的を達するための手段でしかない」

国王「手段? 話が見えないな……貴様達の目的はいったい何だというのだ」


その時、アマティアスはとても冷徹な笑みを浮かべていた。
そして国王の眼前までしゃがみこみ、耳元で己の目的を静かに語る。







アマティアス「僕の目的はね………………かつての【カミ】の復活ですよ、ミクトラム国王」



国王「……カミ…だと…?」

国王(カミ……神のことか? コイツ…いったい何の事を言って…)

国王「……………っ!!?」

国王「き、キサマ……!?いったい何処でアレの事を知った!!!?」ギチィッ

アマティアス「……くくっ、あからさまに狼狽えるじゃあないか。その様子だと神器の事も、カミの事も知っているみたいだね」

アマティアス「今日はその反応が見たかっただけさ……ああ、それと君たちの娘だけどね」スッ

アマティアス「片割れはナールの方に居たとの報告が入ったよ。直ぐに逃げられたから今の所在は不明だけど、もう片方は上手いこと隠れているようだ……けどそれも時間の問題か」

国王「ぐぐっ…!!」

アマティアス「それじゃあねミクトラム王、次に会うときはもっと面白い余興を用意しよう」キィッ

国王「ま、待て…!!」


バタンッ



アマティアス「そこの君、彼が僕に口答えした数の倍の分の鞭を打っといて」

拷問官「はっ!」

アマティアス「それと女王婦人の方はどうなっている?」

拷問官「そちらは調教師の者がじっくりと事を進めているようで…」

アマティアス「舌を噛まれて殺させるようなヘマだけはするなと伝えろ」

帝国間者「皇子殿、ナールの一件…確かに伝えました」

アマティアス「ご苦労、オモチャ(知識喰らいの書物庫)を貸し与えたとはいえ彼女はよくやってくれた……いつか褒美をあげないとね」


帝国間者「はい、それと四獅星の方々は既に広間へと…」

アマティアス「全員いるかい?」

帝国間者「ええ、四人全員確かに」

アマティアス「そうか、好き勝手に動くヤツらが多いから集結させるのも一苦労だ」

アマティアス「君ももう行っていいよ、自分の仕事をしてくるといい」

帝国間者「はい、失礼します」

アマティアス「………さて」


ギィッ…

アマティアス「待たせたかな、四獅星のみんな?」


扉を開くと四人の男女がそこには居た。

全員がただ者では無い佇まいをしており、一端の戦士なら一目で強者と分かるほどだ。


セヴェル「ヒヒヒ……待ってなどございませんよ、時の流れに身を任せるのも真理に近づくひとつの手段…ヒヒ!」


───【狂乱】セヴェル>>450

かつてナール魔導帝国で大罪を犯し、国を追われその先の帝国でも危険視され続けていた魔法使い。


ネルミェス「また訳の分からない事をボソボソと、可愛くないを通り越してキモいわねこの男」


───【惑業】ネルミェス>>451

禁呪に手を出した結果、自身の髪の毛が異形の生物と化してしまった異端の魔女。


アムヌグ「ワレは闘争さえ楽しめれば何でもよい…次の戦はまだか?」


───【紅血】アムヌグ>>456

漆黒の鎧を身に纏い、身の丈ほどあろう真紅の大剣を振り回し戦場に鮮血の雨を降らせる凶戦士。


レナード「まぁまぁ皆さん落ち着いて、まずは大将の話を聞きましょうや」


───【残影】レナード>>459

優れた戦闘技術と諜報能力を合わせ持ち、自身の居た痕跡を一切残さない影の者。



彼らは【四獅星】と呼ばれており、アマティアス第一皇子により集められた精鋭である。

それぞれ出自も集められた経緯も違うが全員が戦場の局面を変える切り札とも言える存在である。


アマティアス「まずは再確認しよう、僕らの目的はミクトラム王国に秘匿されていた時戻しの神器を手に入れることだが……今は二人の姫君のどちらかが持ち逃げしている状態だ」


アマティアス「ナールの協力者から片割れが魔導帝国に居たことは分かっているが転移魔法で高跳びされてまた行方が分からなくなっている」


アマティアス「君たちの任務は二手に別れた姫君達を見つけ、神器を奪い取ってくることだ」


ネルミェス「でも皇子様ぁ~? それぐらいは軍隊を動してしらみ潰しに探せば良いんじゃないの?」

アマティアス「今はミクトラム王国とナール魔導帝国、この二つの国の管理をしている上に本国の守りを手薄にするわけにもいかない……こう見えて今は隊を動かせるギリギリの人数なんだ」

アムヌグ「いま自由に動けるのは我々ぐらいということか」

アマティアス「ああ、正直ナールとミクトラム以外は正直どうでもいい国ばかりだ……たとえ姫君が他国に逃げ込んでようとも構わない、やり方は君たちに任せる」


レナード「ならせめて何人か兵士を借りても良いですか?情報を集めるにはやはり人手は必要なものでしてね」

ネルミェス「あー!?ずるいわレナードちゃん!むさ苦しいのは勘弁だけど私も手下は欲しいわぁ!」

アマティアス「ふっ…いいだろう、必要な人材なら持っていけ」

レナード「いやぁ助かりました、さすがに国を跨いでとなると色々大変なので」

ネルミェス「そこのガリガリとムキムキは要らないの? それともコミュ障拗らせて人と接するのが怖いたいぷぅ?」

セヴェル「ヒッヒッヒッ…お気持ちはありがたいですがワタシには優秀なペット達が沢山おりますので……」
 
レナード「アムヌグの旦那は…」

アムヌグ「いらぬ、有象無象など……吹けば飛ぶような塵芥はワレには必要ない」

レナード「まぁそう言うと思ってましたよ」


アマティアス「では頼むぞ、僕の優秀な剣達よ。全てはラジル帝国の繁栄のために」

四獅星「「「「はっ!」」」」


四獅星たちはそれぞれの思惑を抱えて広間から出ていく。

アマティアスはそれを見送るとその端正な顔立ちからは想像も付かぬほどの邪悪な笑みを浮かべていた。


アマティアス「……くくっ。帝国の繁栄、ね…」

アマティアス「本心ではそうとも思わぬ愚脳供め…だからこそ扱いやすくもあるがな」

アマティアス「くっくっく……!!あっはっは!!……ぐぅっ!?」ビクンッ


高笑いを上げていたアマティアスであったが、突然胸や頭を抑え始めた。

何かにもがき苦しむような素振りであったが汗を滴しながらも静かに呼吸を整える。



アマティアス「はぁ…!はぁ……くくっ、存外中々折れないではないか…っ!」

アマティアス「キサマが私に屈服する日が楽しみだよ……………第一皇子殿」

レス返等も込みで夜に続きます。

勢い余って付ける予定でも無かったのに二つ名付けてしまった…こういうのは本当はキャラシと一緒に募集すべきでしたね、反省。

セヴェルの案出したけど、ピッタリな二つ名だし良いと思ったよ
ところでこのぶんだと女王の設定募集やエロシーンも進行に応じて入る感じかな?

寝オチしましたぁーーー!!!
本当にごめんなさい、今日のお昼頃からちまちまと再開いたします…。

以下、レス返答タイム

>>449
特に追加で指定とかも無かったので各自の想像でお願いするかたちになりますね、でもたぶんイケメンなのは間違いなさそう。

>>461
スロット数を調べる方法は魔方陣を使用した本格的な儀式と魔力コントロールに長けた人間による触診の二つがあります。
フローリアのスロットはルルに調べてもらうつもりですが今は新しい魔法を覚える余裕なども無いので次の国に落ち着いたら挿入する予定です。

>>479
そうですね、ミクトラム王女(フローリアの母親)のキャラクター作りはいずれ別の機会で行う予定です。
エロシーンは……たぶん当面先です。

お待たせしました、続きをはじめていきます。




───とある地にて、城壁の跡地


焚き火の炎がぱちぱちと音を立てて燃え盛っている。

周りは既に夜の暗闇に包まれていて、炎と星空だけが彼らを照らしていた。


ジェニファー「ぷくーーーっ」

クロウス「おいおい、まだ腹を立ててるのか……いい加減機嫌を直してくれ」

ジェニファー「腹なんて立ってません、ええ立ってませんとも!」

クロウス(いや露骨に怒ってるだろ)


あの後、クロウス達が転移した先は放棄されてから何百年も経っている城の残骸が残されている場所だった。

かつてのナールの友好国は既にその場には無く、四人は仕方なくその場でキャンプを張り周囲の状況確認を行っていた。


ルル「ジェニーもそれぐらいにしときなよ、というか怒ってるのは私も同じなんだからね!相談もなしに自分が囮になろうなんて許さないんだから」

ジェニファー「貴女に言ったら真っ先に否定されるでしょうが!だからこっそりクロウス様に相談したのに…むぐぐ」

フローリア「あの……ごめんなさい、さすがに私もルル達と同意見です」

フローリア「もしジェニーが居なくなって、帝国の方たちに捕まったりしていたら……きっと凄く悲しくなると思うんです」

クロウス「女帝殿は俺たちのために身体を張ってくれたんだ、いつまでもウジウジ引っ張るのはその覚悟を踏みにじる行為に等しいぞ」

ジェニファー「……そんなの分かってますわよ」


ルル「クロウスさんの言い方はキツいけど、託され私たちにできる事はできるだけフローリアを安全なとこに連れてく事だよ」

ジェニファー「けれどここはいったいどの辺りになるのでしょうか?少なくともナールよりずっと離れたとこなのは分かりますけど…」

フローリア「そもそも昔の友好国って…もう滅んでしまっているのではないですか?」

ルル「まぁこんな廃墟みたいな場所に飛ばされたらね…」

クロウス「いや…まだ滅んでいると言うには早いかもしれない」


先の見通しの無い状況に暗い雰囲気になりかける一同であったが、クロウスの一言に女性陣は顔を上げる。


クロウス「明るいうちに周辺を見てきたが少し離れた先に街道のような道を見つけてきた。国の場所自体が今はズレているだけかもしれない」

ルル「そうでなくても人里に辿り着ける可能性は全然有るってことだね?」

クロウス「ああ、ただ馬を置いてきたからな……どれだけ歩けば人里に着けるかは何とも言えないな」

ジェニファー「であれば夜が明けたら出発いたしましょう!こんなとこに長く止まっていたら青カビがはえてきそうですわ!」

ルル「なんで青カビ限定?」

クロウス「姫様もそれでよろしいでしょうか?」

フローリア「ええ、クロウスにお任せします」


ぐーー~っ………


フローリア「あ、あう…///」


とりあえずの目標が決まったところでフローリアのお腹の虫が鳴き声を上げる。
当の本人は熟したトマトのように真っ赤になり両手を顔で隠した。


フローリア「うう……はしたなくてごめんなさぃ…///」

クロウス「無理もありません、今朝から何も食べてませんでしたし…」

ルル「ふっふふーん、ならここは私が獲ってきた魚でも焼いて食べよっか!」

クロウス「おお……お前いつの間に」


ジェニファー(……………)


それぞれが明日の旅路に想いを馳せながら、夜は少しずつ更けていった。


フローリア(……みんな少しずつ元気が出てきたみたい)

フローリア(どうしよう、話しかけてみようかな?)


フローリア視点にて誰か一人と話すことができます。
↓2にて誰と話すか決めてください。(クロウス、ルル、ジェニファー)


ルル「ふぅ、食べた食べた…」

フローリア「ルル」

ルル「ん?どうしたの、リア」

フローリア「いえ……ルルと少しお話がしたくなりまして」

ルル「ん……そだね、色々あったから私でよければ話し相手になるよ」


ルルとどんな事について話す?
↓2の内容について話し合います


フローリア「ルルって料理できたんですね…」

ルル「いやいやリア……こんなのただの焼き魚だよ?そりゃちょっと内臓とかは取ったけど、こんなのただのサバイバル飯だよ」

フローリア「でも、私……思い返せば自分で料理とかしたこと無かったなと思いまして…」

ルル「まぁお姫様だから環境がそうはさせてくれないだろうからね」

ルル(そもそもクロウスさんもリアの親御さんもかなり過保護説が私の中で出てるし……こりゃ普通の家庭に産まれてても包丁すら持たせなさそうだよねぇ)チラッ


クロウス「ん……なんだ?」

ルル「いや別に!何でもないよ!!」ブンブン

ルル「ならさ、今度また落ち着いて暮らせるようになったら一緒に料理しようよ……クロウスさんに見つからないようにこっそりと」ヒソヒソ

フローリア「ホントですか!?あっ…でも何でクロウスには内緒なんです?」

ルル「そりゃ……クロウスさんにサプライズで私たちの料理を食べて審査してもらうためだよ!」

フローリア「な、なるほど…!!分かりました、私もその時が来たら一生懸命頑張ります!」

ルル「えへへ、約束だよリア!」


夜が明け、一同は廃墟を後にして街道がある方へと歩を進める。

四人は慣れぬ道をひたすらに歩いていくがやはり野外の行動に慣れている者とそうでない者では亜美の差が出始めていた


クロウス「ふむ、天気のも良し…視界が開けているから誰かが付けて来てもすぐに分かるな」

ルル「そうだねー、できればこのまま晴れたままでいてほしいとこだよ」


フローリア「ふぅ…ふぅ…!」

ジェニファー「はぁ…全く……いつまで歩けば良いのかしら…!!」


クロウス(……少しペースを落とした方が良いな)

クロウス「ルル、あそこの木陰で少し休憩するぞ」

ルル「ん?……あー、分かったよ」

ジェニファー「な、なにおう…まだまだ行けますわよ!急がないと日が暮れる前に休めそうな場所までいけないかもしれませんわ!」

フローリア「そうですよ、私たちの事はあまり気にしないでください…!」

クロウス「そうもいきません、それにいざという時に体力が無くなっていてはそちらの方が危ないです」

ルル「そうそう、優れた冒険者はペース管理を怠らないものだって何かで読んだ気がするよ!」

ジェニファー「むむむ…!」

フローリア「ジェニー……ここは二人の意見を受け入れましょう…」

ジェニファー「ですがフローリア…!」

フローリア「確かにここで急いで私たちが怪我でもしたら逆にもっと進むペースが落ちるかもしれませんし……ちょっと悔しいですけどね」


四人は街道沿いに生えている木の根元で少し休むことにした。
天気事態は悪くないが逆に照り指す日射しが体力をじわじわと奪い取ってくる訳でもある。

幸いにも追っ手が差し迫るような兆候は見られないので焦らずじっくり進んでいく方が正解なのかもしれない。


クロウス(それでもどれぐらい歩くかは分からないんだ……メンタル管理も含めて気をつけていかないとな)


クロウス視点にて誰かと話すことができます。
↓2にて誰と話すか決めてください。(フローリア、ルル、ジェニファー)


クロウス「大丈夫か、ジェニファー」

ジェニファー「私は全ッ然平気です!むしろこれからマラソンしたっていいぐらいですわよ!」

クロウス「そうか、強がりを叩けるぐらいには元気そうで良かったよ」

ジェニファー「むぐぐ…!」

クロウス「……悪かったな、あの時お前の意見を尊重しなくて」

ジェニファー「…別に、いいですわよ。もう今さらですし…その事に関してはもうそんなに怒ってませんし」

クロウス「そ、そうか…」


ジェニファーとどんな事について話す?
↓2の内容について話します


クロウス「……俺は帝国と、逃げることしか出来なかった自分が憎い」

ジェニファー「え?」

クロウス「姫様を護るのが俺の役目だが、だからといって国や王を見棄てて逃げたことには変わりは無い」

クロウス「あの日からずっと………自分の弱さを恨み続けているんだ、俺は」

ジェニファー「クロウス様…」

クロウス「だから……なんというか、お前の気持ちは何となくだが分かるよ」

クロウス「だがなジェニファー、己の弱さを恨み続けて努力の方向を見失うな。それはひょっとしたら間違った道へと続いているかもしれないからな」

ジェニファー「………努力の方向…」

クロウス「無理や無茶は時に必要だが、必ずしもお前を成長させてくれるかは分からないということだ」


ジェニファー「……全く、まさか貴方に説教される日が来るとは思いませんでしたわよ」フッ

クロウス「いや前にもしてただろ、俺は姫様の無茶に荷担してた事は忘れてないからな」シレッ

ジェニファー「貴方こそめちゃくちゃ引きずってるじゃありませんの!?」




ルル「ふふ、ちょっと元気出てきたみたいじゃんジェニー」

フローリア「ええ、そうみたいですね…」

ルル(親友を立ち直らせるのは私の役目だと思ってたけど……やるじゃんクロウスさん♪)


クロウス「……ん?」

フローリア「クロウス!あれは人ではありません!?」

クロウス「ええ、どうやら行商のキャラバンのようですね」


クロウス達が歩みを再開してから一時間が経った。

目の前には積み荷を運んでいる馬車と数人の行商人と思わしき人たちが困ったように何かを話し込んでいた。


行商人A「ううむ、まいったな…」

行商人B「ええ、これでは街に到着する予定が大幅に遅れそうですね」

クロウス「話しの途中にすまない、ちょっと聞きたいことがあるんだが…」

行商人A「うん?君たちはいったい…」

フローリア「ええっと…私たちは……」

ルル「冒険者!!私たち冒険者をやってるんですよ!」

行商人B「ぼ、冒険者ぁ…!?君たちが…?」ジーッ


行商人の一人が奇異の目でフローリア達を見る。
クロウスは分からなくもないが後の女性三人はどう見ても未成年の、しかも到底冒険に向いているような服装をしていなかった。


行商人B「冒険者っていうより奴隷娼婦の商人とかじゃ……あいた!?」ボカッ

行商人A「やめんか!見ず知らずの人に失礼だぞ!」

行商人B「す、すみませんでした…」

クロウス「いや、構わない……それよりもこんな所で立ち止まっていてどうしたんですか?」

行商人A「実は……この先の街に商売の予定で移動していたんですが、この先の橋がどうやら壊れてしまったようでして先に進めなくなってしまったのです…」

ルル「は、橋が壊れた…って」

ジェニファー「それじゃあ先に進めないじゃありませんの!?」

クロウス(裏を返せば……この先に大きめの街がある事は確定か)

クロウス「ちなみにだが……この辺りはどこの国になっているか分かりますか?」

行商人A「ん?君たちも知っててこの先に進もうとしてたのでは無いのかね?」

クロウス「それは…」

クロウス(参ったな…ここでスムーズに答えなきゃ怪しまれそうだ、どう答えるべきか)

フローリア「すみません……私たち、冒険者としては駆け出しの者でして」

フローリア「右も左も分からないまま田舎から飛び出てきたんですが地図も無しに出てきてしまった為にここがどこか分からない状態なんです…」

行商人B「ほ、ほんとうに……ちょっと怪しいんだけど…う、うわ!?」

フローリア「お願いです…信じてください…!」ウルウル


フローリアは涙を浮かべ行商人の手を掴みながら上目使いに視線を合わせる。

計算してやっている訳では無いのだがどうしても泣き落とししている様にしか見えてないが、フローリアの懸命な態度に行商人も信じざるおえなくなってくる。

行商人B「い、いや…ごめんなさい、信じますよ。ええ…!///」


クロウス(姫様ナイスです…!ナイスですが近すぎですぞ!!)
ルル(うわ……天然小悪魔)
ジェニファー(純粋過ぎるのも時には毒ですわね…)


キャラバン隊が向かおうとしていた国名や街の特徴
↓1から↓3まで募集


以下、一例
【名前】ミクトラム王国
【特徴】一年を通じて気候が安定しており、友好国も多く穏やかな風土の国。精霊信仰や魔法技術など他国の特徴や文化を受け入れることにも寛容的で国民は豊かな生活を生きている。

【名前】シルヴェロギア
【特徴】外交をほとんどしていない小国。国民の殆どが不自由のない生活を送れている。『銀竜信仰』という独特な宗教文化が根付いている

>>509で行きます。


行商人A「シルヴェロギアと呼ばれている小国だよ、よその国とはあまり外交してないみたいだから儲けるチャンスかなって思ってたんだ」

クロウス「シルヴェロギア…!」

ルル「あー…本で読んだことあるかも、確か【銀竜信仰】っていう文化があるとこだっけ」

ジェニファー「位置的にはナールともだいぶ離れてますわね……そこがかつての友好国なのでしょうか?」

クロウス(……現状だと何もわからないな、とりあえずそこを目指すのが良さそうだが)

クロウス「しかしこの先が通れないのは困るな……修理にはどれぐらいかかるんだ?」

行商人B「対岸の修理工いわく3日はかかるらしいですよ」

フローリア「さすがに三日間も野宿はつらそうですね…」


ジェニファー「他に道とかはありませんの?」

行商人B「有るには有るんですが……そっちは魔物や盗賊が潜んでいたりで危険なんですよ」

行商人A「うむ、行けなくも無いんだが俺たちだけだと少々不安でな…」

ルル「なら私たちがおじさん達の護衛をしてあげれば良いんじゃないかな?」

ジェニファー「ちょっとルル…貴女また勝手に」

クロウス「……いや、俺も同じことを考えてた」

クロウス「俺達があなた方の護衛をして、貴方たちはシルヴェロギアまでの道案内をする……こういうのはどうだろうか?」

行商人A「ううむ……それはありがたい申し出だが、しかしあなた達に払う報酬が…」

フローリア「報酬なんて要りませんよ、困ったときはお互い様ですし……私たちはシルヴェロギアにさえ到着できればそれで良いんです」ニコッ

行商人B「て、天使かこの人は…///」ボーッ

行商人A「うむ、ではお願いしても良いだろうか?」

クロウス「助かる、それで…迂回の道はどういう所なんだ?」


シルヴェロギアまでの迂回路
↓1から先に2票入ったルートに進みます。


①盗賊達の縄張り 廃棄された巡礼路
②水棲生物の住処 霧雨の湿原
③戦慄く大森林  蠱惑の森 

またハラマセカエルが出てきそうですね……


>>517
カエルさんは岩洞がマイホームなのでもう出てくる予定は無いですね…

②霧雨の湿原ルート


行商人B「霧雨の湿原と呼ばれる湿地帯です、川沿いを降って行った先にあります」

行商人A「あそこはスライムだのサハギンだの厄介な魔物が多いからな……本当に大丈夫なのかい?」

クロウス「魚相手なら俺が三枚におろしてやる」

ルル「スライムとかなら私が魔法で燃やしちゃうよ!」

行商人A「君たち魔法が使えるのか……ん、そういえばその制服…」

ジェニファー「あまり詮索はしないで欲しいですわ、今はとりあえずお互いにシルヴェロギアに着ければそれで良いでしょう?」

行商人A「それもそうか…、とりあえず他の商人たちにも君たちを紹介するよ」


クロウス達はキャラバン隊の面々に挨拶に回る。

やはり多少の警戒はされるが元々気のいい人間ばかりなのとルルやフローリアの人徳のお陰かすんなりと周りに馴染んでいった。


行商人A「こちらは私の妻だ、一緒に各地を旅しながら商売をやっているんだ」

行商人妻「こんにちは、うちの人がお世話になります」ペコリッ

クロウス「いえいえ、こちらこそお世話にならせて頂きます」ペコリッ

フローリア「夫婦で旅をしながらご商売ですか……本に書いてあるようなシチュエーションで素敵ですね」

行商人妻「ふふっ、どうもありがとう」


クロウス達が行商人夫妻と話に華を咲かせていると、荷台の上から誰かが降りてきた。


???「お父さん?その人たちは?」

行商人A「ああちょうどいい。こちらは私たちの娘です、名前は…」


行商人夫妻の娘(戦闘が出来ても出来なくても可)
13時から↓1~3までで募集


【名前】
【性別】女性で固定
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足や生い立ちなどがあれば

【名前】リトア
【性別】女性で固定
【年齢】16
【見た目】夫妻の同じ茶色髪を三つ編みでまとめている。身長は小柄だが大変発育がよろしい
【性格】色々な事に興味を持ち何でも知りたがる。穏やかそうな印象だが初対面の相手にも物怖じしない
【その他】行商グループの会計担当。お金には厳しめ


>>524で行きます。


リトア「リトアと申します、父と母の商隊で会計を担当しています」

クロウス「俺はクロウスだ、シルヴェロギアに到着するまであなた方のキャラバンの護衛をすることになった」

リトア「護衛…? まさかお父さん、湿原を抜けるつもりなの?」

行商人A「渡りに船だと思ってね、先も急がねばならんしお言葉に甘えようかと」

リトア「はー…少しは私に相談してほしかったんだけど……それで、幾らでこの人たちを雇ったの?」

行商人「いやぁそれがなんとタダで良いと言ってくれたんだ」

リトア「た、タダ…?」

クロウス「まぁそういうことだ、金の事に関しては心配しないでくれ」

リトア「……貴方たち、何が目的で私たちに近づいたの?まさか人気の少ないところで強盗しようって算段じゃ…」

クロウス「そんなつもりならとっくに襲ってる……というか俺たちは純粋にシルヴェロギアに行きたいだけだ」

行商人B「まぁまぁリトアちゃん、悪い人では無さそうだから!ここはお父さんの顔をたてるつもりでね?」

リトア「分かっています……すみません、旅の冒険者を装ってキャラバンに近づく強盗も多いので警戒してました」

クロウス「いや、君の言うことも最もだ。だが俺たちは決して君たちに危害を加えるつもりで近づいたわけでは無いんだ……そこだけは信じて欲しい」

リトア「ええ、失礼をしました。少しの間ですがよろしくお願いします」



───霧雨の湿原


そこは年中止むこと無く霧のような小雨が降り注ぎ続けている不思議な湿原である。

一種の説によればその地に流れる魔力の流れが乱れている結果らしいが、真相は未だに明らかにされていない。

分かる事といえば止まない雨のせいで視界が悪い、ぬかるみが酷いせいで馬の足がとられやすいということぐらいか。


フローリア「それじゃあリトアさんは子どもの時からずっと両親のお手伝いをしていたんですね」

リトア「ええそうよ、子どもの頃からずっと街から街への移動しながらの暮らしだったから他にやることが無かったの」

ルル「うっわー偉いなぁ、私なんてちっちゃい頃なんて親の手伝いなんかしないで遊びまくってたのに…」

ジェニファー「ルルはもう少し落ち着きを持った方が良いですわ、いつも振り回される身にもなりましてよ」

リトア「ふふ、そういうあなた方も色んな経験を積んできてるんじゃないかしら?」

ルル「おっ?分かっちゃう?いやーそういうオーラが出ちゃってるかぁ~!私ってばもう!!」

ジェニファー「何をおっしゃっているのやらこの子は…」

リトア「ぷ、ふふっ…あなた達やっぱり興味深いわ、もっとあなた達の旅の話を聞かせてくれない?」

フローリア「あ、はは……それはえーっと」

行商人妻「全くこの子ったら、一度興味を示すとすぐにこれなんだから」

フローリア「あっ…お騒がせしているみたいですみませんでした…!」

行商人妻「いいのよ、あの子が同年代の子達と楽しそうにお喋りしてるなんて久しぶりなんだから」

行商人妻「あの子には私たちのせいで色々と苦労かけさせっぱなしだったから……良ければもっとあの子の話し相手になってくれないかしら?」

フローリア「はい、私でよければぜひ!」


女性人が馬車の中で話に華を咲かせている頃、クロウスは馬車を引いている行商人達と周囲の警戒をしながら前進していく。


クロウス「どうどう……落ち着け、落ち着け…」

行商人A「ふむ、クロウスくんは馬の扱いにも長けているようだね」

クロウス「ええ、一応馬術をかじっていた時もありまして…」

行商人A「うむ、ここはぬかるみも酷いがたまに地面に深い穴簿のような凹凸があってな…転んだりしないように気を付けねばならんからなぁ」

行商人B「っとと、どわっ!?」ズルッ

行商人A「……こうならんように注意せねばならんな、はっはっは」

クロウス「肝に命じておきます」

行商人B「笑い事じゃないですよー!」

クロウス「はは……むっ?」ピリッ


こちらもこちらでのんびりとした空気になりつつあったが、クロウスだけは騎士としての勘が戦闘前のひりつく気配を察していた。


クロウス「……ご主人、どうやら囲まれているようです」

行商人A「なに…?しかし私にはさっぱり分からんが…」

クロウス「来ます!戦闘用意!!」

行商人B「お、おう!!」


そうクロウスが叫ぶと湿地の水溜まりから魚型の魔物やスライムなどが飛び出てきた。

何人かのキャラバンの商人たちは戦えるよう槍などの武器を持っていて応戦する。

魔物自体は小柄なものが多く一匹の力は弱かったがいかんせん数が多かった。


クロウス「むんっ!!せいっ!!」ブンッ

魚魔物「ギシャーッ!?」ザシュッ

行商人A「むむっ、言うだけあってあの男かなりやりおる!!皆のもの負けるなよ!商人の意地を見せるのだ!」


この中で一番戦闘になれているクロウスは誰よりも多くの魔物を切り伏せているがそれでも数が一向に減らない。

まるで徒党を組んでるかのような動きにクロウスもやりにくさを感じている。


クロウス「ちっ…魚群はともかくスライムが厄介だ、剣が通りにくい」

ルル「なら私の出番じゃない?」

クロウス「ルル!?」


ルルは魔方陣を展開すると即座に風と雷撃の魔法による狙い撃ちで物理が効きにくいスライムを沈めていく。


ルル「こっちは任せてよ、クロウスさんは魚をよろしく!」

クロウス「まったく……頼もしいもんだな!!」


クロウスは魚型の魔物に集中することにし、二人の活躍で少しずつ巻き返していった。



リトア「すごい…あの子本当に戦えたんだ」

ジェニファー「こうしてはいられませんわ!私も出ますわね!!」バッ

フローリア「ま、待ってくださいジェニー!」

リトア「あっ…二人とも!?」



ジェニファー「ルルにだけ活躍させてたまるもんですか!そこの魚肉ソーセージ、覚悟しなさいまし!!」

ジェニファー「水弾魔法!!」ドパーンッ!!

ルル「ジェニー…!?」


テントから飛び出たジェニファーは魚型の群れに向かって得意の水魔法を浴びせるが、効果は薄いようだった。


魚魔物「キッシャー!!」


逆に文字通り水を得た魚のように勢いをつけて突進してくる魔物の攻撃を避けきれずにジェニファーは吹き飛ばされる。


ジェニファー「んぎっ!?しまった…!!」

ジェニファー(冷静に考えたら魚に水はまずかった…!)

ルル「ジェニー!?危ないっ!」

フローリア「ま、任せてください…!!」


続いて迫る敵の突進はフローリアの軟化魔法により柔らかくなった木片の防御により直撃は避けることはできたが、勢いを殺しきれずに二人ともより霧雨の濃い方へと飛ばされていった。

フローリア「きゃあっ!?」
ジェニファー「くうっ!!」



クロウス「姫様っ!? くっそどけぇっ!!!」

行商人A「クロウスくん!前も来てるぞ!!」

クロウス「くっ…ルル、この場は任せた!!」

ルル「うえっ!?この数一人で捌けって!?」

クロウス「他の商人もいるだろ、何とかしろ!!」


クロウス(霧が濃い…!どっちに二人は飛ばされた!?)

クロウス(フローリア様、ジェニファー……無事でいてくれ!)


ジェニファー「うっ…」

フローリア「あっ、ジェニー!大丈夫ですか!?」

ジェニファー「え、ええ……わたくしは平気ですわ…」

フローリア「はぁ~…良かった、ジェニーを守ることが出来て…」ヘナヘナ

ジェニファー「……その、ごめんなさい……フローリアに守っていただくなんて…!」

フローリア「き、気にしないでください!私も体が勝手に動いてしまったのでつい…!」

ジェニファー(……最悪ですわ、本当ならわたくしがフローリアを守るべき立場なのに…)

ジェニファー(ルルへのライバル心を先走らせて、少し考えれば分かる判断を間違えて凡ミスして……!!)グググッ


ジェニファーは先ほどクロウスに言われていた事を今更ながらに理解した。

先ほどの自分は努力の方向を完全に間違えていた、その事を理解していれば自分の不得意なシチュエーションでの戦闘になんて踏み切らなかったのに。


ジェニファー(悔しい…!なんでわたくしは弱いままなんですの!!)

ジェニファー(こんなんじゃ、ライバルとして…ルルの隣に立っている資格なんて……わたくしには…)

フローリア「あの…ジェニー、何かおかしくありませんか?」

ジェニファー「え……何がですの?」

フローリア「私たち、少し飛ばされただけな筈なのに……もう周りに誰もいませんよ?」

フローリア「それどころか、なんか……これって霧雨って言うより…もう霧深くなりすぎて視界が全く…」


フローリアの言う通りであった。

先ほどまでは少し先の景色ぐらいなら見通せていた雨だったのに、今となっては周りは殆ど霧で囲まれているようで自分達以外の人影はまったく見えない状態である。


ジェニファー「……嫌な予感、しますわね」


そう呟くと霧のカーテンの中から黒い影のようなものが近づいてくる。

それは明らかに人の姿をしていなくて……。


霧の中から出てきた魔物
↓1から↓3の間で募集

【名前】
【生態】
【攻撃方法】
【弱点】

【名前】マッドスキュラ
【生態】
上半身は人間の女性だが、粘液に包まれた無数の触手で構成された下半身をもつ湿原の魔物。
粘液には人の精神を狂わせる作用があり媚薬や麻薬になりうる。
片言ながら人の言葉を解し人質などをとることもある。
基本的にメスしかいない種族で男性を繁殖のため巣に持ち帰ることもある。
【攻撃方法】
粘液を気化させてRPGでいうところの混乱状態にしてくる(乱交に発展することも)。まれに水と土の魔法を使う個体も存在する。
【弱点】
熱や乾燥に弱く、また物理的な防御力は人間と大差無い。


戦う魔物は>>536で行きたいと思います。
今日は用事ができてしまったのでここで打ち止めにします。
次回は戦闘シーンからになります。



以下、ちょっとした小話

>>233のアシュラー戦で負けた場合。
4本の腕でルルが両手足を拘束され、後ろから持ち上げられるように犯され処女喪失&謎の体液を膣出しされてました。

クロウスが同行していた場合は行為後になんとか助け出す事に成功してそのまま物語は進行。(代わりにナール編終了までルルとの交流不可に)

フローリアが同行していた場合はフローリアも首を捕まれながらアシュラーの巨大な指マンで再び処女喪失。
その後、行為後に四肢をもがれて絶命するルルの姿にショックを受けて時戻しが発動し強制コンティニュー。

……といった流れになってました。
今となってはお蔵なのでここで紹介させて頂きました。
今後もお流れになった敗北えっちはこんな感じのシチュ紹介はするかもしれません。

もう少ししたら戦闘安価を初めていこうと思います。
今回は戦う…というよりは相手の凌ぎ切る感じの内容になってきます。

>>542相手の"攻撃を"凌ぎ切る、が正しかったですね。
抜け落ちてました、失礼。


霧の中から出てきたのは上半身こそ女性のものだったが、腰から下の下半身は粘液にまみれた触手が無数に生えていた。

その目付きは人のそれではなく、血を走らせて獲物を狙う魔物の眼。
スキュラと呼ばれる魔物は妖しい笑い声を上げながらフローリア達に近づいていく。


マッドスキュラ「ウフ、ウフフフ、フフフ…」

フローリア「ひっ…!? あ、あれは人……なんですか?」

ジェニファー「そんなわけありませんわ……、恐らくはスキュラの上位種…!!」

ジェニファー(こいつがこの辺り一帯の魔物の親玉だとしたら先ほどの魔物の襲撃もこいつが…!?)

マッドスキュラ「フフフ、モチ…カエル……ウフフフフ」

ジェニファー(……っ!!気後れしない!!) 

ジェニファー「フローリアは下がりなさい!今度は……私が貴女を守る番です!!」


────戦闘開始────

【Act.1】


ジェニファー(落ち着いて…!!落ち着きますのよわたくし!こんなピンチ…切りぬけられないようじゃルルの側になんていてられませんわ!)

ジェニファーの行動選択
①分身魔法による陽動(チャージ系◯、テクニック系×)
②相手の攻撃に水魔法を合わせる(テクニック系◯、アタック系×)
③重力魔法による対象の行動制限(アタック系◯、チャージ系×)



マッドスキュラの行動パターン

01~20 土魔法による泥弾(チャージ系)
21~30 高笑いをしている…(無条件で攻撃が通る)
31~50 水魔法による粘液混じりの雨を降らす(テクニック系)
51~60 高笑いをしている…(無条件で攻撃が通る)
61~98 触手によるぶん回し(アタック系)

奇数ゾロ目 結果に関係なくジェニファーの勝ち
偶数ゾロ目 結果に関係なく敵の勝ち


↓1でジェニファーの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります

ジェニファーさん……
書き溜めしてきます。

設定的にお持ち帰りされるのはクロウスみたいだけどジェニファーはどんな目に遭うのやら

>>555
残念ながらクロウスはこの場にいないので逆レはまたの機会で!

11時からジェニファーとフローリアの敗北陵辱投下します。


ジェニファーは相手の出方を伺おうとしたが、その判断が間違いだった事に気づけなかった。

マッドスキュラは触手で地面を叩き、水飛沫をジェニファー達の方へと飛ばす。


フローリア「ひゃあっ!?」

ジェニファー「な、何をしてますの…!?水遊び…?」


マッドスキュラが飛ばしてきた水を二人は直に被ってしまった。

二人は高笑いを止めない目の前の魔物に不気味なものを感じていく。


フローリア「じぇ、ジェニー……あの魔物はなにがしたいの…?」

ジェニファー「分かりませんがどうせろくな事では……っ!?」


ドクンッと心臓が跳ねる音がする。
目の前がゆらゆらと揺れていき視界もぼやけてくる。

加えて身体から沸き上がってくる熱のようなモノのせいでフローリアとジェニファーは身体の力が抜けていき崩れ落ちていった。


フローリア「あっ……なにこれ…頭が…くらくらします…」

ジェニファー「くっ…!いま飛ばしてきた水に……おそらく何かが混じっていて…ぐぅっ!?」

フローリア「ジェニー…!? ん、んぐぅっ!!?」


マッドスキュラはジェニファー達の首を触手で絞め上げ、触手の一本を彼女らの口の中にねじ込んでいく。

当然息が苦しくなっていく二人はやがて抵抗する力を失う。


「姫様!!姫様ぁー!!」

「ジェニー!!どこ、どこに行ったの!?」


やがてお互いが聞きなれた声を最後に聞いたところで、二人は意識は闇に落ちた。


マッドスキュラ「モチカエル……ウフ、タクサン、アソブ……ウフフフフ」
 


ジェニファー(ん……ここ、は…)

フローリア「ん、ジェニー……?」

ジェニファー「フローリア……ここはいったい…」


暗闇の中から意識が少しずつ戻っていく。

マッドスキュラに気絶させられてどのくらいたったのだろう、二人は洞窟のような場所で両手を蔓のようなもので縛られて動き回る事ができないような状況だった。

どうやらここはマッドスキュラの巣のようで、二人は連れ去られてしまったようである。

二人がお互いの状況を把握すると、すぐ近くからつん裂くような悲鳴が上がった。


「ぐ、ぐあああああっ!!!」

フローリア「なっ!?なに…!?」

ジェニファー「……っ!?ふ、フローリア…見てはいけません!!」






じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぷっ!
 じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぷっ!
 

マッドスキュラ「ウフフ♥ コダネ、モット、ダス♥ ウフフフフフッ♥」

男a「も、もうやめてくれ…っ!!うがぁっ!?」ビクンビクンッ

二人の視線が悲鳴の方へと向かう。

その先には先ほど自分達を気絶させ連れ去っていったマッドスキュラが見知らぬ男の肉棒を膣穴で咥え込み激しいピストン運動をしていた。


スキュラという魔物には基本的にメスしか存在しておらず種の存続のために異種族の、特に人間の男性との交尾により仔を成している事が多い。

巣に持ち帰られた男性はスキュラの為の子種袋として死ぬまで飼われ、女性は遊び道具として玩ばれるケースもあったりする。


どびゅっ!びゅくっ、びゅくっ…!


男性a「がぁっ…!か、はー…っ…はーっ!」

マッドスキュラ「アウッ♥ …フフ、コダネ…コダネ♥」


ジェニファー「み、見ては………あ…っ」

フローリア「はっ……ぁ……なに、あれ…」


スキュラの搾り取ろうとする膣の流動に男は耐えきれずに荒い息を吐き出しながら今日何度目かも分からない精液をマッドスキュラの膣中に放流する。

あまりにも醜悪な光景なのだがジェニファーもフローリアもなぜか眼を逸らす事が出来なかった。むしろ二人ともこのあまりにも現実離れした行為に眼を離す事もできずに身体は妙な火照りを感じ始める。

マッドスキュラの触手から分泌される粘液には一種の興奮を促す成分が含まれており、その中毒性の強さからある国では媚薬、或いは麻薬の原材料として扱われている危険なものであった。

先ほど気絶させられる前に二人は粘液が混じった水飛沫を浴びせられ、口内に触手を突っ込まれる際に少量だが粘液を飲み込んでしまっている。

だめ押しに精液と魔物の体液が混じった饐えた匂いと共に粘液が気化された空気を吸ってしまっており、二人の肉体や脳内は既に媚薬成分による汚染が始まっていた。


フローリア(なんで、なんであんな事をしてるんだろ…///おそこはおしっこをする穴なのに……なんで…)

ジェニファー(う、嘘……わたくし……魔物の交尾を見て…濡れてきて…っ/// )


マッドスキュラ「ウフフ……フフ、ツギ……アソブ…アソブ…!」ズルッ

男性a「お"っ…!!ぅう…」グタッ

男性b「うー……ぁ…ーーあっ」シコシコ


ジェニファー(よく見たら他にも何人か男の人が捕まえられてますわね……きっと冒険者とか何かでしょうけど、助けだすのは難しいですわ…)

フローリア「……ひっ!?」

マッドスキュラ「ウフフ、イッショニ、アソボ…?」


マッドスキュラは二人に近づき、妖艶な笑みを浮かべると足の触手を器用に扱いフローリア達のドレスや制服を破り捨てていく。

そしてお尻や乳が露出する程度に破くと二人の美しい肢体に触手を絡めていった。


フローリア「はわっ…!?や、やめてください……く、くすぐったい…んんっ!?」

ジェニファー「あ、ン……こ、このぉ…わたくし達の服を…高くつきますわよ…!!」


フローリアの大き過ぎず小さ過ぎず、美しく整えられた小ぶりな美乳がぴんと弾ける。
ジェニファーの豊満な果実が、触手の動きにより柔らかく形を変えていく。

二人は抵抗しようと身体を捻ったりして動かすが端から見れば扇情的な動きにしか見えず、二人の股からは愛液が滴りつつあった。


マッドスキュラ「アソボ…?ウフフフフ、タクサン、イッショニ…!!」


じゅぶぷぷっプツン…!!


ジェニファー「……っ!?ちょっ!待ってくださいまし!?わたくしまだ殿方にも捧げて……あ"っ!?いっ、だい"い"い"ーーーっ!!!!?」

フローリア「や……いやっ!そんなの入るわけなっ……あ、ああ…いっ!うっ!!ひぎぃいいいいっ!!!?」


人間の拒否の言葉など魔物の耳には届かず、フローリアとジェニファーは二人同時に触手で処女を引き裂かれた。


フローリア(ああ…なんだろ、これ……前にも同じような事があった気がする…?)

ジェニファー「うっ…うう……」


股から伝う血の滴が激痛と共に二人の初めてを奪う証となる。

フローリアだけはどこか違和感も一緒に感じていたが触手の抽挿のせいでその考えはすぐに何処かへ消え去ってしまう。


マッドスキュラ「ウフフ、ウフフ…」


ずりゅっ、ずりゅっ、ずりゅっ
 じゅぷ…じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぴっ!!


ジェニファー「あ"っぐぅあ!?な、ながで…動いて…ひ、ひぃいいい!?」

フローリア「うっ…!!かはっ…い、いやぁ…!!こんなの、あっ、あ"ぁっ!?」


じゅぷ、じゅぷ、ずりゅ…ずりゅずりゅりゅ!


ジェニファー「あっ、あっ……ふ、フローリア…見ないでくださいまし……はうっ!?あ"っあ"っあっ!」

フローリア「じ、ジェニー…耐えてぇ……きっと、クロウスとルルが…助けに……ぃい!?」


入れられた直後は苦痛から出る悲鳴が止まなかったが、次第に粘液から分泌される媚薬成分により二人の声はだんだんと喘ぎ声に似たようなものになってくる。

膣の律動が侵入する異物を拒む動きから無意識にだが触手の動きに合わせて絡めとるような動きへと変化していく。


ジェニファー「あ"ひっ!ひぃっ!?な、なんれしゅのこれぇ…?なんか、わたくひ……あたまが、頭が真っ白になって、あっ、は、はひぃい…♥」

フローリア「じ、じぇにー……!だめ、そんな、そんなとろけた顔見せられたら…わ、わたしも…もぉ…♥」

男a「う、うう……」モゾッ


ふと、先ほどマッドスキュラに犯されていた男が立ち上がったのをフローリアは視界の端に捉える。


フローリア「お、お願いします…!たすけて……たすけてください!!」

男a「くっ……うぁ……もっと…」

男b「はぁ…あぁー……あな…あな…」


フローリアは反射で男に助けを求めるが男の様子が明らかに変だ。
先程まで雄叫びを上げてた様子とは異なり、目は虚ろで半開きの口からよだれが垂れてきている事も気にしていないようだ。

そしてもう一人、意識朦朧と自分の肉棒をシゴいていた男も近寄ってくる。


マッドスキュラ「ウフフ……ミンナデ、アソボ…アソボ♥」

男b「……に、にぐぁな"…づっこみでぇぇ!」ガシッ

ジェニファー「ふへ……っ!?そ、そんな!?やめてくださいまし!!そこは…!!!」


男たちはフローリアの叫びに耳も貸さず、二人の柔らかな尻肉を掴み欲望を滾らせた肉棒を二人にあてがう。

そして…、


男a「もっと……モット…!!!」グググッ

フローリア「や、やだぁ……!?おちんちん、そんなとこに…だ、だめだめだめぇ!!」



ず、ぢゅぢゅっ…!!!ずにゅるるるるるっ!!!


ジェニファー「お、おひりいぃぃぃィィィィ~~~っ!!!?」

フローリア「かひっ!、あ、ぎひぃいいいィィィィイイイ!!?!?」


フローリアとジェニファーはお尻の穴に肉棒を同時に捩じ込まれた。


マッドスキュラ「タノシイ、タノシイ…ウフフ♥」



ずりゅっ、ずりゅっ、ずりゅっ
 じゅぷ…じゅぷっ!じゅぷっ!じゅぴっ!!

ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!
 ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!ずちゅっ!


ジェニファー「お"っ!!ほぉっ!?あ"、あづいの♥ にほんもはいっで♥ あはっ、ははっ♥ ひぎっ♥ いひぃぃ♥」

フローリア「じぇ、じぇにぃい…!!ら、らめぇ♥ もうわらひも♥ あ"っ♥ らめっ♥ うんちあなっ♥ ずぽずぽしゅごいぃぃ♥」


前の穴はマッドスキュラの触手でほぐされ、後ろの穴は正気を失った男たちの剛直で激しく突かされる。

もはやフローリアもジェニファーも痛みや快楽が全てごちゃ混ぜになってしまっているようで、無理やり裂かれた尻の穴からは血が出ているもそれさえ二人には甘美の味へと変換されてきた。


ジェニファー「はぁん♥ はっ♥ あ"ひっ♥ わ、わらくひぃ♥ だめっだめぇ♥ おひりにもぉ♥ おまんこにもぉ♥ もっと…もっときてぇえええ♥」

フローリア「はへっ♥ あっ♥ あ"ーっ♥ りゃめぇ♥ はひ、ひぃい♥ たしゅけてぇ♥ たしゅけてぇ、くりょうすぅううう♥」

マッドスキュラ「ウフフ!ウフフフフ!!アハハハハ!!」



マッドスキュラは四人の絶頂の高まりを感じたのか、触手の動きを早め全員がスパートをかけていく。

その激しさに二人の思考も視界も明滅していく。



ずりゅっ、ずりゅっ、…ずぷぷぷっ!!
 ずりゅっ、ずりゅっ、ずりゅっ、ずりゅっ!!

ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!
 ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!ぱんっ!!



男a「がぁぁぁ、きもぢいい……ぎもぢいい!!!」

フローリア「あーっ♥ ぁあ"ーーーっ♥♥」

男b「にぐあな"でる!でる、でるでるぅぅぅ!!!」

ジェニファー「はへっ♥ んひっ、んひぃぃぃ♥♥」

マッドスキュラ「タノシイ♥ タノシイ♥ タノシイ♥」



どびゅっ!!びゅるるるっ!びゅるるるっ!!
 びゅぐんっ!びゅるっ!!どびゅぷぷぷっ!!!

どぷっ!!!どびゅぴゅっ!!びゅるっ!!
 びゅるびゅぐんっ!びゅぷっ!!どぷぷぷっ!!!


ジェニファー「ぉ、おひりぃ!!しゅごぃッ…ぎひいぃィィィーーーッ♥♥♥」びくっびくっびくんっ!!

フローリア「あへぇあぁぁ♥ はぁ♥ あ"ぐっ、んぎいいぃぃーーーッ♥♥♥」びくんっびくんっ!!


男たちはフローリアたちの尻穴に熱く迸る精を吐き出していった。


ジェニファー「は、へぇ…♥」

フローリア「あ"っ、はぁ…♥」

マッドスキュラ「ウフフ…」


マッドスキュラは二人の膣穴から触手を引き抜く、次いで男達もフローリア達のお尻から肉棒を引き抜いた。

お尻の穴からはどろりと精液が溢れ落ち、太ももを伝って綺麗なお御足を汚していく。

フローリアもジェニファーももはや脱出や助けが来るのを待つといった事は考えられなかった。
男たちと同じく粘液による混乱効果と快楽中毒の症状によりただ己の火照りを満たすことしか考えられずにいた。


男b「ふーっ!!ふーっ!!」ピトッ

ジェニファー「あっ……♥」


男はまだ射精し足りないと言わんばかりに、先程まで触手が入っていたジェニファーの膣穴に肉棒を挿入していく。

ジェニファーはもう気持ちよくなることしか求めず、男の汚ならしい肉棒を淫らに受け入れていく。


男b「はぁ…!!もっとだす…!!モットモット…!!」パンパンッ

ジェニファー「あぁん♥ きてぇ♥ きもちいいの、もっと♥」

フローリア「じぇにー……あっ…」

男a「はぁ…!はぁ…!!」

フローリア「あぁ…♥」


やがてフローリアにも先ほど自分のお尻を汚した男が前に立つ。
ジェニファーを羨望の目で見ていたフローリアも慈愛の眼差しを男の肉棒に向けた。

男は肉棒をフローリアの卑裂にあてがう。
また気持ちよくなれる、今度はもっと凄いかもしれない。

フローリアの期待は高まった。


マッドスキュラ「コダネ♥ ソソグ♥ イッショニコドモ、ソダテル♥」


その一言が、フローリア酷く冷静にさせた。



思えばあの時もそうであった。


かつて、自分のミスでクロウスを死なせ。
カエルに自らの身体を蹂躙された時。

あの時も、自分の身体から得体の知れない生物が自分から出てきていた。

あの時と同じことが繰り返されるのか?
そもそもこの行為にはなんの意味がある…?


コドモ………?


あの時、私は魔物子どもを宿し……孕まされた。
そしてそれは夢なんかでは無かったのだ。






そして今度は名前も知らないこの男の子どもを………産まされる……?


フローリア「……あっ、やだ!やだ!!いやだ!!それだけは本当に嫌ァァァ!!」


性知識の乏しいフローリアだが嫌でも勘づいてしまった。

自分が正しいと信じていた知識は間違っていたと。
赤ちゃんは愛する男と女が供にいれば神様から授かうものだと信じていた。

現実はこうも汚く、蠱惑的なものだった。

目の前の名も知らぬ男の子を孕み、育てる、この魔物の巣窟で下手すれば一生だ。





どうせ……どうせ……子を産むというのなら、あの人の…。


フローリア(クロウス……クロウス!クロウス!!)

フローリア「私を……助けにきて…」


彼女の涙がペンダントにこぼれ落ち、いつか体験したことのある光にフローリアは包み込まれていった。


フローリアの淫欲値の上昇度
下1のコンマ一桁目(0は10扱い)

※現在のフローリアの淫欲値 8/100


フローリアの淫欲値 14/100


再び時が巻き戻る所で今回はおわりです。

地味にフローリアが2回陵辱されるというのは物語的に重要な部分でもあるので早めに書けて良かったです。(ペンダントの効果を知る、自分の性知識が間違っていた事を自覚する、自分が二度も処女を破られ犯されていた)

それでは今夜はこの辺で失礼します、少なくとも明日は更新できなさそうです。

20時半ぐらいに続きを投下していきたいと思います。
久しぶりの野郎(味方)安価入ります。


フローリア「………はっ!?」


気がつくとフローリアは魔物の巣ではなく、再び霧の中でマッドスキュラと対峙していた。

先ほどまで自分たちを弄んでいた魔物も、隣にいる友人も何事も無かったかのようにお互いに睨み合っていた。


フローリア(あぁ……そっか、私はまた戻ってきたんだ…!)


いつかのカエルの魔物に犯された時もそうだった、あの時も夢などではなく本当に時間が戻っていたのだと今は気づいている。

フローリアは迷うことなく、どう戦うか考えているジェニファーの手を無理やり引っ張った。


ジェニファー「なっ!?フローリア!?」

フローリア「逃げましょうジェニー!! わたし達だけではこの魔物には勝てません!!」

ジェニファー「なにを…!?逃げ場なんてどこにも…!」

フローリア「ならせめてクロウス達が来るまで凌ぐの!足を止めないで!」

マッドスキュラ「ウフフ…アハハハハ!」


マッドスキュラは触手で地面を叩き、水飛沫をジェニファー達の方へ飛ばす。

当然既に知っている攻撃なのでフローリアは水を被ることなく避けていく。


フローリア「あの触手の粘液にはこちらを惑わす効能があるようです…!とにかく避けて時間を稼ぐの!!」

ジェニファー「ふ、フローリア……貴女いったい何が視えていますの?」

マッドスキュラ「アハハハハッ」ブンッブンッ

ジェニファー「くっ…!重力魔法…!!」


ジェニファーは魔法による重力操作をマッドスキュラの周りにかける、範囲内に入ったターゲットの動きを制限するこの魔法はスキュラの触手の攻撃を著しく遅くさせる。

ジェニファーの腕前では重くする方は大雑把に場所を指定することしかできないが、回避に徹するのであれば十二分に効果を発揮できている。

問題はジェニファーの魔力量に対して消費が激しいのであまり長い持久戦には向いていないというとこだが…。



マッドスキュラ「ウフフフフ!!」ブンッ

ジェニファー「さ、さすがにこのペースが続くと魔力が持ちませんわ…!」

フローリア「もう少し…!!もう少しだけ耐えきれば…!」

マッドスキュラ「ウフフ……アハッ!!」カッ

ジェニファー「魔法っ!?」

ジェニファー(ヤバいっ、軽くする方……間に合わないっ!?)


スキュラには魔法を使用する種も存在し、湿った大地を裂くように岩の隆起がジェニファー達を襲う。


しかし、その魔法が二人に届く前に別の土魔法がスキュラの岩波を打ち砕いた。


クロウス「おおおおお!」

フローリア「クロウス…!!」

クロウス「でぇえい!!」ザンッ

マッドスキュラ「ギャアアアッ」


岩影に隠れて接近していたクロウスがスキュラの触手を斬り刻む、そして体勢が崩れた所にルルが怒りの形相でバチバチしたと魔力を解き放つ。


クロウス「ルル!!」

ルル「人の親友に何してくれるんだあぁァァァ!!!」バチバチッ

マッドスキュラ「ギヒィッ!?」


怒りの雷撃が敵の脳天を撃ち抜き、マッドスキュラは黒焦げになりながら地面に倒れた。


ルル「ジェニー、リア!!良かった…無事!?」

ジェニファー「え、ええ……わたくしは何とも」

フローリア「私も……うん」

クロウス「全く……生きた心地がしなかったですよ」

フローリア「ごめんなさいクロウス……わたし、また」

クロウス「……いえ、あの時に姫様が助けに入っていなかったらジェニファーが危なかったのは分かっています」

ジェニファー「そ、そうよクロウス様!私が……わたくしが、足を引っ張って…」

クロウス「そんなにしょげるな、元々俺たちが雑魚相手に苦戦していたのが悪い」

ジェニファー「ですが私は!クロウス様の言っていた事を……ちゃんと理解していませんでした」

クロウス「そうか、……悔しいか?」

ジェニファー「……ええ、とても」

クロウス「ならお前はちゃんと強くなれる」

ジェニファー「…え?」

クロウス「そこで弱い自分と向き合えるなら、今回の経験はきっと糧になる」

ジェニファー「クロウス様……」

ルル「ぶーぶー、華麗にトドメ刺した私には誉め言葉の一つも無いの?」

クロウス「あー、ルルも助かった。キャラバンに被害が行かなかったのはお前のお陰だ」

ルル「にしし!ありがとありがと!」



フローリア(良かった……みんな、無事で…)


フローリアは一人離れた所でみんなを見つめている。
望んでいた通りにクロウスが助けてくれたのに、みんなの元に行くことが躊躇われた。

故に、みんなが勝利に酔いしれている時に一人だけ、マッドスキュラが動き出している事に気づけたのはフローリアだけだった。


フローリア「っあ……あぶない!」

クロウス「むっ!?」

マッドスキュラ「アソ、ボ……アソ…!」


マッドスキュラは残りの触手をクロウス達の方へ振るった。


???「竜弓隊、射てぇーい!!!」


どこからともなく聞こえてくる号令と共にマッドスキュラに霧雨ではなく矢の雨が降り注ぐ。

クロウス達には届かない絶妙な距離感で放たれた矢は満身創痍のマッドスキュラにトドメを刺すには十分であった。


マッドスキュラ「サ、ビシイ…ノ…ヤ…」ズシーンッ


ルル「え、ええ……まだ生きてたのこいつ」

クロウス「だがこの矢は何処から…」

???「間に合ったか」


霧雨の中から数名の弓を携えた兵士を連れた男が現れる。

その胸には竜を司るエンブレムが付けられており、クロウス達は後から知るがそれはシルヴェロギアの国の紋章であった。


クロウス達を助けたシルヴェロギアの兵士長(味方サイドのキャラになります)
↓1から↓3までの間で募集


【名前】
【性別】男性で固定
【年齢】
【見た目】顔つきや身長、体つきなど
【性格】
【その他】キャラクターについて補足など

【名前】レビュオス
【性別】男性で固定
【年齢】35
【見た目】明るい銀髪のストレートヘア。竜の意匠が拵えられた白銀のフルアーマー装備。武器はこれまた銀の双剣で、二つ合わせる事で魔翌力の弦が生成され弓としても機能する
【性格】任務にあたる時はクソ真面目、それ以外の時は気さくなムードメーカー
【その他】シルヴェロギアの兵士長。剣術と弓術に秀でる。妻との間に娘を授かっていたが既に個人であり、それ故か小さな子供を守ろうという思いは人一倍強い


>>588で行きます。


銀の髪に白銀の鎧を纏った男はクロウス達の無事を確認するとほっと胸を降ろしたような顔を見せる。


クロウス「貴方はいったい…」

レビュオス「これは失礼、自分はレビュオスという者だ。シルヴェロギアにて兵士長を務めさせている」

ルル「シルヴェロギアの兵士さん……が、なんでこんな所にいるの?」

レビュオス「橋の修理をしていた職人から君たちが湿原を越えて行こうとしているのを聞いてね、私たちも湿原を荒らし回っている魔物の親玉を討伐しに向かう所だったのさ」

レビュオス「だから急いで駆けつけて来たみたものの……ふっ、どうやら君たちはただ者では無かったみたいだな」


レビュオスは倒れ付しているマッドスキュラの死骸を見て、クロウス達の戦いの腕前に感心しているようだった。


レビュオス「俺たちに代わり魔物を倒そうとしてくれた事に礼を言う、本当にありがとう!」スッ

クロウス「いや、礼を言うのはこちらの方だ…危ないところを助かった」ガシッ


二人の戦士は互いに握手を交わし合う、どうやら二人は何となくだが波長の合う相手だと思ったようだ。


ジェニファー「……あっ、そういえばいつの間に霧が晴れてますわね」

ルル「本当だ、雨は相変わらずだけど…そういえばリアは怪我とかは大丈夫なの?」

フローリア「え、ええ……わたしは、………へいき、です」フラッ

ルル「…リア?なんか顔が真っ赤だけど……」スッ


ルルがフローリアの額に手を当てた。
するとルルは驚いたように手を引き、フローリアに問い詰める。


ルル「り、リア!?凄い熱だけど大丈夫!?」

フローリア「だ、大丈夫……わたしは……っ」フラ…





パシャンッ



ジェニファー「っ!?フローリア!?しっかりしなさい!!」

ルル「クロウスさん!!フローリアが!凄い熱で…」

クロウス「なっ…!姫様…だいじょうぶですか………」

レビュオス「これはいかん……しきゅう…ばしゃに乗せてあげるん………」




フローリア(わたしは……だいじょうぶ…だって、そう思わなきゃ……わたしは……………)


酷く淀んだ瞳を瞼の裏に隠し……フローリアの意識はそこで飛んだ。


次に目を覚ました時は見知らぬ天井が眼に映った。

そして横には少し前に知り合ったばかりの少女が一人。


リトア「あっ、起きたみたいね…はぁ、良かった…!」

フローリア「…あれ、ここは……」


むくりと起き上がろうとするが、身体が重く感じ起き上がるのすらつらかった。


フローリア「リトアさん、私はいったい…それにここは……」

リトア「ここはシルヴェロギアのホテルよ、私たちキャラバンが暫くの間滞在する間に使わせてもらってる部屋よ」ギューッ

リトア「あなたは熱を出して倒れたのよ、お医者さんはたぶん疲労からくる風邪だって言ってたわね……はい、頭のタオル代えるわよ」

フローリア「あ、ごめんなさい……わたし、リトアさんたちにも迷惑をかけて…」

リトア「謝らなくてもいいわ、むしろあなた達のお蔭で予定通りにシルヴェロギアに到着できたもの…礼を言うのはこっち」

リトア「あなたは体力が回復するまでまだ寝てなさい、いいわね?」


熱と頭痛でまだ頭がボーっとするが、それでもまだ聞かなければならない事があった。


フローリア「あ、あの……クロウスは……他のみんなはどこにいるんですか?」

リトア「彼らはシルヴェロギアの竜遇宮に呼ばれたわ」

フローリア「竜遇宮……?」



リトア「ええ、シルヴェロギアの銀竜信仰の象徴ともいえる存在……【竜巫女】様への謁見に向かったわ」

あまり進まなくてすみませんが今日は眠気がMAXなのでここで一旦止めます。

次は明日のお昼頃にキャラ安価【竜巫女】の案内と夜に募集になる思います。

それではおやすみなさいませ…。

【名前】アンリエッタ
【性別】女性
【年齢】19
【見た目】
白銀の長髪でお団子(角を隠している)。背中に小さい翼が生えている。背丈は中学生の平均身長くらい。瞳は濃いオレンジ色
普段は竜巫女としての正装(銀を基調とした十二単っぽいイメージ)、私服は白メインの質素な服
【性格】
落ち着いた性格。公私で振る舞いを切り替えるタイプ(レビュオスを見習って育ったところが大きい)
【その他】
シルヴェロギアの竜巫女。銀竜様との関係は良好で孫のように思われている
部分的に竜としての性質を持って生まれた先祖返りのような存在(竜人に非ず)で、魔法適性は持たないが杖を使って竜の力を行使できる(ドラゴンブレスなど)
銀竜様の祝福を受けし者として幼い頃から巫女になるための教育を受けて育った。
竜巫女と兵士長という関係性を抜きにしても自身を案じて何かと側にいることの多かったレビュオスは彼女にとっての精神的な支柱となっている。恋愛感情に近い想いを抱いているもののそれが横恋慕でしかない事に苦悩したり、いつまでも子供としてしか扱われていない事に不満を感じたり中々複雑な内面
本人には自覚が無いがかなり嫉妬深いタイプ


たいへんおまたせ致しました。
ぼちぼち続きを始めていきたいと思います。

その前に純愛えっちイベントへの発展方法とクロウス以外の男性キャラについて改めて説明をします。




・純愛えっちについて

純愛えっちは各キャラのフラグを3本集めた上で次回の自由行動を消費する事で展開されます。
また、話の進行上えっちシーンに突入できない自由行動時間もあります。(今回の自由行動がそれに該当します)


・他の男性キャラについて


クロウス以外の男性キャラは自由行動時に他の女性キャラと一緒に選択する事でそのキャラとフラグを建てる事が可能になっています。クロウスやフローリアと同様にフラグを3本集めるとそのキャラとの関係が発展していきます。

ただし、クロウスとえっち済みのキャラとは基本的にはフラグは立たなくなります。逆にクロウスも他の男キャラがフラグを集めて関係が成立したキャラとのフラグは入手することができなくなります。(自由行動での交流自体は可能でその場合はコンマ判定で色々とボーナスが貰えるようになります)

また、クロウスと男性キャラが交流した場合はフラグの入手などはありませんが次の交流や戦闘でボーナスが付くイベント等を起こすことができます。


その他追加事項などが出てくればその都度ご報告しますね。



フローリアが起きるほんの少し前…。


クロウス達は周辺を騒がせていた魔物を討伐したことにより、シルヴェロギアのまとめ役でもある竜巫女から御礼を申し上げたいと言われ竜遇宮と呼ばれる社に来ていた。

東の方にあるという島国に近い異国風情に三人は緊張の面持ちで座っている。


ルル「うわぁ~…ナールとは全然雰囲気が違うなぁ」キョロキョロ

ジェニファー「ルル…!あまりキョロキョロしないでくださいまし!私たちの品位が落ちましてよ…!」ヒソヒソ

クロウス「いやお前ら二人とも落ち着け…」

クロウス(キャラバン隊の方達が姫様を看病してくれているとはいえ…やはり容態が気になる、一刻も早く馳せ参じたい……!)ソワソワ


レビュオス「はは、そんなに忙しくしなくとも巫女様は直ぐに来るさ。気持ちは分からなくもないがな」

クロウス「しかし……俺たちの様な根無し草の旅人にわざわざ礼を言いに来るなど良いのか?竜巫女というのはこの国の領主みたいなものなんだろ?」

レビュオス「そんなに気にしなくともうちの巫女様は庶民派なんでね……おっと、巫女様のご準備が整ったみたいだ」


ガラガラと立派な竜の紋様が入った襖が開かれる、襖の奥から一人の少女が現れた。

背丈等はルルとそう変わらなさそうに見えるがその落ち着いた振る舞いは見た目とは裏腹に精神的な年齢の高さを思わせる。


アンリエッタ「お待たせ致しました、異国からの来訪者の皆さん」

アンリエッタ「私の名はアンリエッタ(>>613)と申します、このシルヴェロギアで竜巫女を勤めさせてもらっています。此度は私達の領土で騒ぎを起こしていた魔物を討伐してくださいまして本当にありがとうございます」ペコリ


静穏な振る舞いで部屋に入ってきた少女はクロウス達に深くお辞儀をした。


クロウス「い…いえ、トドメはそこの兵士長殿が率いてくれていた隊が刺してましたので…むしろ俺たちの方が助けられたようなものですよ」

アンリエッタ「だとしても、隠れるのが上手いあの魔物の発見をご助力してくださっていたのは変わりませんし……それにレビュオスが駆けつけた時には魔物は瀕死の状態だったと聞いております」

レビュオス「ええ、その通りです…腕の良い騎士と魔法使いが居たので俺たちは美味しいとこだけ持ってっただけですよ」

ルル「いやぁ~それほどでも」ニコニコ

ジェニファー「すぐ調子に乗る…」


クロウス(…ん?)

クロウス「待ってくれ、俺は自分の事を騎士だなんて一言も言ってないぞ?」

レビュオス「ありゃ?そうでしたかい……でもまぁ、あの時にあの少女の事を姫様って呼んでたじゃないですか?」

クロウス(うっ…)

レビュオス「それとあのキャラバン隊には冒険者だって嘘吹いてたみたいだし……そういや少し前にどこかの国が陥落したって噂も聞く」

レビュオス「そう確か……ミクトラム王国、だったかな?」


レビュオスのこちらを見る目が鋭くなっていく。
身分を偽って入国してきた者に対して警戒しているのだろう。

こちらとしては穏便にこの国を通過したくて吐いた嘘ではあったのだが……。


アンリエッタ「ふぅ…おやめなさいレビュオス、少し意地悪が過ぎますよ?」

レビュオス「……はは、すみません巫女様。クロウス殿も悪かったね、探るような真似をして」

クロウス「いや、そもそも最初に説明しなかった俺が悪いんだ……謝るのはこちらの方だ」

レビュオス「なら今度はちゃんと説明してくれるだろ? この国には何が目的で来たんだ?」


クロウスはルルとジェニファーに目配せする。
ルルはお好きにどうぞという風に、ジェニファーはクロウスの事を信頼していると視線に込めてに頷いた。


クロウス「……話せば長くなるが、どこから説明したものか」


クロウスはこれまでの経緯を全て話した。
レビュオスは驚きを隠せない様子でアンリエッタは何かを考え込むように俯く。


レビュオス「おいおい……ミクトラムの事は知ってたがナールもラジル帝国の手に落ちたなんて聞いてないぞ」

アンリエッタ「確かにナール魔導帝国は大昔にシルヴェロギアと友好関係であったと聞いてます……何が原因で別たれたかは私も分かりませんが、転移魔方陣があった場所は確かに昔のシルヴェロギアがあった場所と一致しています」

レビュオス「それにしてもラジルの奴ら動きが派手すぎるな、このご時世に天下統一でも狙っているのか?」

クロウス「それは分からないが、少なくともこのまま大人しくするような奴らでは無い事は確かだな」

レビュオス「このシルヴェロギアを狙ってくる理由など無いとは思うが…」

アンリエッタ「……ともあれここまでの長旅はお疲れでしたでしょう、お連れの姫君も熱を出しているようですし……今しばらくはこのシルヴェロギアにご滞在ください。ホテルの料金はこちらで受け持ちましょう」

クロウス「本当に良いのですか?俺たちのようなよそ者にそんなご待遇を…」

レビュオス「気にしなさんな、少なくとも俺はあんた達の事は悪いヤツだとは思ってないし…あんた達には仮があるからな」

アンリエッタ「レビュオスの言う通りです、それにこう見えて人を見る目だけには自信がありますから安心してください」

クロウス「何から何まで本当にかたじけない…」


ルル「良かったー…!これでリアもゆっくり休めれそうだね!」

ジェニファー「ええ、早く治ると良いのですが…」

アンリエッタ「時間を取らせてしまって申し訳ありません、もし良ければ街の中なども自由に歩き回っても構いませんので……あっ、もちろん立ち入り禁止の場所などもありますが」

レビュオス「修練場なんかも好きに使っても良いし、なんだったら俺が美味い飯が食えるところを紹介してやるよ」

アンリエッタ「ふふ…レビュオス、これが終わったら勤務終了とはいえまだお仕事中ですよ?」

レビュオス「おっと…こいつは失礼しました」


その後……クロウス達はホテルに戻りフローリアの体調を確認し、それぞれが自由行動を取ることになった。




───クロウス視点───


クロウス(巫女殿が手配してくれた医者が看てくれるのはありがたい、早く元気になってくれれば良いのだが)

クロウス(……くそ、こういう時に何もできない自分が腹立たしいな…!!)


クロウス自由行動1回目(残り2回)
↓2でクロウスの行動を選んでください

①誰かと交流しに行く(二人まで、ただしフローリアのみ単独)
 フローリア>>4、ルル>>79、ジェニファー>>96、リトア>>524、レビュオス>>588


②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


シルヴェロギアSPOT
【竜遇宮・庭園】【修練場】【武具防具店】【飲み屋街】【竜泉境(温泉)】【キャラバン商店】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

手持ちのフラグ(クロウス)
フローリア×1
ルル×2

質問、今回の自由行動ではえっちシーンに突入できないとのことだったけど、それってつまり次の2回目の行動でルルを選んでも3つ目のフラグを取得できないってことでよろしい?


また続きを初めていきます。

>>655
フラグの入手自体は可能です。えっち展開はフローリア復帰後の自由行動で選択できるようになります。


手持ち無沙汰で街を歩いてくと丁度広場のような場所へと着いた。

風景や賑やかさに差はあれど和やかな空気が街の中を包んでおり、クロウスに王国の市街を思い出させる。


クロウス(ミクトラムもこんな感じで平和な国だった、あれからそんなに時間は経ってないのになぜだろうな……少し懐かしい気分になる)

クロウス「ん?」


クロウスの目にある像が目に留まる。
それは竜を象っていて、雄々しく翼を広げたその像だけがどこか厳かな雰囲気を醸し出していた。


クロウス(うーむ…恐らくこれがこの国が信仰しているという銀竜というやつなのだろう)

クロウス(竜なんて今となっては出くわすのも難しい存在だが、本当に存在などしているのか?)

お婆「そこの旅のお方、どうやら銀竜様に興味がお有りのようですな?」


突然声をかけられ、クロウスが振り向くとにこやかな表情をしたお婆さんがクロウスの後ろに立っていた。


クロウス「むっ? ああ……俺が外から来た人間だと分かりましたね」

お婆「もちろん……シルヴェロギアは国と呼ぶには小さな街ですから、わたしのような歳寄りなら街の人間の顔は大体覚えているのじゃよ」

クロウス「そうだったのですね…」


お婆さんはクロウスの横に移動すると、まるで孫に語りかけるような優しい口調で説明し始めた。


お婆さん「銀竜さまはこの国をずー…っと守護している守り神のようなものでな、普段は滅多に人前に姿を現すことは無いのじゃよ」

お婆さん「3年に一度……銀黎祭にて巫女さまが行う銀黎の舞、そこで銀竜さまへの祈りと感謝を捧げ、わたしたちは銀竜さまからの祝福と加護を授かるのです」

クロウス「…という事は銀竜様を見ることが出来るのはその祭の期間だけなのか」

お婆さん「ええ、じゃがお主は運に恵まれておるようじゃよ……次の銀黎祭は十日後には開催されるのじゃからのう」

クロウス「十日後ですか…」

お婆さん「銀黎祭では屋台や出店などを出して街中のみなが盛り上がる祭りじゃ……良かったらお連れの方々ともども楽しんでいくとええ」

クロウス「ええ、ありがとうございます」

クロウス(十日後…それまでに姫様も元気になってくれれば良いのだが…)


お婆さん「そうじゃのう…お主もここに来るのは初めてのようじゃし、シルヴェロギアのことで何か聞きたいことがあれば力になれるじゃろう」

クロウス「聞きたいこと……か」


地元に詳しいお婆さんに何か尋ねてみる?
↓1のコンマで内容決定
↓2で他に何か聞きたいことがあれば何か(特に無いならスルーでも良し)


00~20 本屋や図書館などは無いか聞く
 (次のフローリアとの交流でフラグが多く手に入る)

21~40 落ち着ける場所ついて聞く
 (次のルルとの交流でフラグが多く手に入る)

41~60 鍛治屋について聞く
 (次のジェニファーとの交流でフラグが多く手に入る)

61~80 公益が盛んな場所について聞く
 (次のリトアとの交流でフラグが多く手に入る)

81~99 レビュオスについて聞く
 (次のレビュオスとの交流で多めにボーナスが貰える)


クロウス「竜巫女とはどういった人なんだ? この街のまとめ役だと聞いたんだが…」

お婆さん「あぁ…あの娘かい、あの娘はとても良い娘じゃよ。まだ19歳なのに小さい体でとても頑張ってくれてねぇ…」

クロウス(じ、じゅうきゅう…姫様より歳上だったのか…)

お婆さん「若くして竜巫女に選ばれて辛いことや大変なこともあるだろうに、それをおくびにも出さないんじゃ」

お婆さん「じゃからみんな、竜巫女さまには感謝しておるしいっぱい可愛がっておるよ」

クロウス「ふむ…臣民に慕われる良き人なのは分かりました」

クロウス(ナールはモルガンヌ殿の強大な力で民を引っ張っていくスタイルだったが……シルヴェロギアは竜巫女という存在を民が支えていく感じなのだろうか)

クロウス「そうだ、ここら辺で交易が盛んな場所ってどこにありますか?」

お婆さん「それならあっちの道を真っ直ぐ行った先に市場があるよ、確か荷物をたくさん積んだ馬車が向こうの方に行っていったねぇ」

クロウス(恐らくリトア達のキャラバン隊だな……)

クロウス「ありがとうございます、お陰で色々と助かりました」

お婆さん「ほっほっほ、どういたしまして…あんたも今どき礼儀正しい真面目な男だねぇ」


※次回の自由行動時、リトアとのフラグを多く得られます。(複数交流の場合はリトアの確定フラグ入手が優先され、残りのキャラの方のみコンマ判定が入ります)


クロウス自由行動2回目(残り1回)
↓2でクロウスの行動を選んでください


①誰かと交流しに行く(二人まで、ただしフローリアのみ単独)
 フローリア>>4、ルル>>79、ジェニファー>>96、★リトア>>524(ボーナス発生中)、レビュオス>>588

②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


シルヴェロギアSPOT
【竜遇宮・庭園】【修練場】【武具防具店】【飲み屋街】【竜泉境(温泉)】【キャラバン商店】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

手持ちのフラグ(クロウス)
フローリア×1
ルル×2

空き時間を使ってちまちまと投下してましたがスローペースに成りすぎましたね…
そろそろどこかで一気に進めれるような時間を取りたいところ

続き始めます


もうそろそろ日も落ちてくる頃、クロウスは前方から顔見知りになったばかりの男が歩いてくるのを知る。


レビュオス「クロウスの旦那じゃないですか、さっきはどうも」

クロウス「レビュオス殿、仕事は終わったようだな」

レビュオス「レビュオスでいいよ、お互い歳も近いだろうし。その代わり俺のことも呼び捨てで呼んでくれて構わないよ」

クロウス「そうかなら遠慮なくそうさせてもらうとするか」

レビュオス「おお…そうだ、この後は時間はあるか?」

クロウス「あぁ、宿に戻るつもりだったんだがどうかしたか?」

レビュオス「すこし付き合ってくれないか、あんたとは一度腹を割って話してみたくてな」

クロウス「…ふむ」

クロウス(レビュオスには借りもある、早く姫様の所へ戻るつもりだったが…)

クロウス「分かった、俺も貴方には聞きたいこともある」

レビュオス「はは、決まりだな!」


レビュオスとの交流内容(クロウスやレビュオスに言わせたい事や聞きたい事、一緒にやりたい事の内容など)
↓1から↓3で募集して組み込める内容を拾ってきます(流れ的に無理がある場合は拾わない可能性あり)


二人はレビュオスのおすすめする居酒屋という場所にやってきた。

レビュオス曰く、東方の国の文化を取り入れている酒場らしくこちらの大陸だとシルヴェロギアぐらいしか無いだろうと太鼓判を押している。

実際出てくる料理も酒もレベルが高い上に料金も安めだという事もあって二人の酒もどんどん進んでいった。


レビュオス「ぷはーっ、いやぁ~仕事の後の酒は美味いもんだ!はっはっは」

クロウス「よく飲むな……まっ、こんだけ美味い酒が出れば分からなくもないが」

レビュオス「そう言うわりにはクロウスは酒が強いみたいだな?」

クロウス「まぁこれぐらいのアルコールならばもう少しは行けるが……それでも結構飲んだ方だぞ」

レビュオス「それもそうか……ははっ」

レビュオス「……悪かったな、さっきは尋問のような真似をしてしまったな」


レビュオスはグラスを置くと真剣な表情で先ほどの竜遇宮での一件について非礼を詫びてきた。
クロウスにとっては何も言わないでいた自分たちに非があると思っていたのでレビュオスの謝罪を軽く受け止めた。


クロウス「気にしないでくれ、さっきも言ったが何も言わなかったこっちにも責があるんだ。だから……」

レビュオス「そうか!?そう言ってくれると助かるぜ!」ケロッ

クロウス「おまっ…意外と仕事外では自由なやつなんだな」

レビュオス「これでも公私の切り替えはしっかりとしている方なんだがな、まぁ普段真面目ぶっている反動だと思ってくれたまえ」

レビュオス「というかクロウスはもうちっと羽目を外しても良いんじゃないか~、状況が状況とはいえ諸国を巡ってるわけだしな」

クロウス「これが俺の性根なんだ、悪いな」



レビュオス「でも旦那、あんなに可愛い娘3人と旅をしてて何とも思わないんですかい?」

クロウス「仕えている姫様に欲情するなど護衛騎士失格だろ……それに残り二人も成り行きで同伴しているに過ぎん」

レビュオス「かぁーっ!つまらない返答だねぇ、だったら女の好みとかは!?胸派か!?尻か!?それとも太ももとかうなじ派か!?」

クロウス「さては結構酔ってるなレビュオス…!そんなもの俺は別に…」

レビュオス「まぁまぁ、下手に溜め込むよりここで吐いちゃえば楽になるって!俺にだけで良いからちょこっと教えてくれよ!」

クロウス「………はぁ、俺だけ教えるのはアンフェアだ。お前も教えてくれれば俺も言う、それでどうだ」

レビュオス「へへっ、そうこなくちゃな!」


↓1でクロウスの好きな女性のタイプ
↓2でレビュオスの女性のタイプ

さすがにレスが近すぎたということでレビュオスの好みだけやり直しますね
改めて↓2でレビュオスの女性のタイプ



クロウス「そうだな……やはり真面目な人が俺はいいな、一緒に居て苦労することも無さそうだしな」

レビュオス「ほうほう、んで?身体の好みはどうだ、胸の大きさぐらいはあるだろ?」

クロウス「……別に大きくても小さくても構わん、強いて言うなら自分で育てる方が好みと言えば好みだからほどほどにある方がいいな」

クロウス(全く……やはり俺も酔っているな、なんでこうも口が軽くなるんだか)

レビュオス「ほほーう、なるほどねぇ…」

クロウス「というかお前はどうなんだ、俺に喋らせるだけ喋らせて逃げるなんてことは許さないからな」

レビュオス「分かってるって……そうだな、俺は普段はキリッとしてるのに俺と二人きりの時だけはデレデレになってくれるような娘が好みだなぁ」

クロウス「二面性があるのがタイプってことか?良く分からんな…」

レビュオス「はは、まぁ理想はあくまで理想ってことで…もう選り好みできる歳でもないからな、それに…」

クロウス「レビュオス?」


ふと一瞬だけ見せたレビュオスの悲しげな表情をクロウスは見逃さなかったが、追求するよりも早くレビュオスはバッと顔を上げて普段の調子に戻る。

https://i.imgur.com/8N9Zzdr.jpg

アンリエッタちゃん描いてみた

>>701
こんな社畜の亀更新スレに2度目の支援絵なんて…本当にありがとうございます…!元気が出る…!
アンリエッタちゃんに関してはストーリーが進んでからの自由行動で交流可になりますのでもう少々お待ちくだされ…!


レビュオス「そんなことよりもだ!クロウス、あのルルって子はなんであんなに強いんだ?」

クロウス「ルルか?どうしたんだいきなり…」

レビュオス「守ることを生業とする者にとってはどうしても気になるんだよ、魔法を扱えるとはいえなんであんな小さな娘があんなに戦闘慣れしてるのかだ」

クロウス「ふむ……一度本人に聞いたことがあったんだが、ナールの魔導学院は許可なしに学外の外に出る事は許されない場所だったんだが…」

クロウス「あいつはそういう規則を無視して好き勝手に外に出ては魔法の実験のために魔物の巣窟に一人で突っ込みに行く事が多々あったそうだぞ」

レビュオス「お、おお…中々にクレイジーな娘だな」

クロウス「だから魔物相手の実戦経験は他の学院生と比べても頭一つ抜けていたようだ、戦闘のセンスもある。アイツはきっとまだまだ強くなるよ」

レビュオス「そうだったのか、しかしあんな小さい子が戦い慣れしているなんて複雑だな……」

クロウス「全くだ………それに…」グイッ

レビュオス「それに?」


クロウス「幾ら魔物との戦闘経験が豊富とはいえ、人間同士の殺し合いは経験してないはずだ」

クロウス「そうなった時にアイツが平常心でいられるのか……それが俺には心配だ」

レビュオス「……そうだな、できる限りなら平和に暮らせる場所を見つけて戦いとは無縁の生活を送ってほしいもんだよ、ルルとジェニファーって娘には」

クロウス「そうするのが俺の仕事だと思ってるよ」

クロウス(でなければモルガンヌ殿に申し訳が立たない……)

レビュオス「まぁ……なんだ、少なくともここに居る間ぐらいは困ったことがあれば頼ってくれよな?」

クロウス「…機会があればそうさせて貰う」



レビュオスとの交流で得るボーナスを選択してください。
以下から二つ選び、↓2から↓4のコンマが高いレスのボーナス二つを獲得


①次回の自由行動でフローリアとの交流で多くフラグを得る(※リトアのボーナスを解除、②との重複は不可)

②次回の自由行動でルルとの交流で多くフラグを得る(※リトアのボーナスを解除、①との重複は不可)

③次回の自由行動でレビュオスと??????を一緒に交流するとボーナスが発生する。

④次回の戦闘安価にて特殊スキルが発動する。(【亡き娘への誓い】戦闘に敗北しそうになった時、1度だけ判定をやり直す事ができる)

⑤フローリアとのフラグ②を手に入れる

ルルとのフラグってあと1つで合計3つになるけど多くもらうとなんか特典あったりするんです?

書き方が悪かったんですがこれ一人2つまでボーナスを組み合わせて、3レスの中からコンマの高いものを選ぶつもりでした。(①と③、④と⑤みたいな)

ほぼ結果は変わらないとは思うのですが一応再安価しますね。
5分後の↓1から↓3までの間でコンマが高かったボーナス二つを獲得。

振り直しって任意のタイミングで使えるのかな
例えば1回目&2回目共に不利引いた後のゾロ目判定では望み薄だから敢えて温存するみたいな

>>714
溢れたフラグ分は次に持ち越される形になります。(1本余した後は2本集めればまた次のえっちイベに繋げれます)

>>718
2回目の不利判定引いた後に引き直しを考えていました。ちなみに今後は戦闘シーンにおけるゾロ目の扱いを微妙に変更する予定です。


今回のボーナスは②のルルのフラグボーナスと④の1度限りの戦闘における根性付与になります。


翌日の朝……、

酒を飲んで帰ったことでクロウスは一部の女性陣からは冷ややかな視線を浴びたが、今後もこの国に居させてもらう上での重要な会合だった(もちろん言い訳)と説明しなんとか事なきを得てた。

クロウス自身、仕える主君が風邪を引いてるのにお酒を飲んだことに引け目もあったが当のフローリアは怒るどころか笑顔でクロウスに許しを与えた。


フローリア『クロウスは今まで頑張り過ぎなぐらいでした、それぐらいで怒ったりはしません』

フローリア『むしろクロウスも人並みにお酒を楽しむような休息を得られてて私はとても嬉しいですよ?』


クロウス(あの人は……我が仕える姫ながら人が良すぎる、叱ってくれた方がまだ良かったぐらいだ)


良心の呵責に苛まれながらも、だからこそあの方に尽くしていこうと思える。

小さく笑みをこぼし、フローリアに朝の挨拶をしようと部屋の扉を開けようとした時だった。
ドアノブに手をかけるよりも早く扉が開いた。



ルル「く、クロウスさん!!大変!大変だよ!!」

クロウス「なんだ…?朝からうるさいな、どうかしたのか?」

ルル「り、リアが!!リアが凄い熱が出始めて…!!」




クロウス「…………は?」



フローリアが療養している部屋に入るとそこにはジェニファーや診察をしてくれていたお医者さんにキャラバン隊の面々もいた。


クロウス「姫様!!」

フローリア「あ………くろうす…」


一目で見てフローリアの状態が酷いことが分かった、昨日までは普通に話をするぐらいには回復していたのだが今は顔が真っ赤になるほどに紅潮しており、意識も朦朧としているみたいだ。

ただの風邪にしては酷い熱のうなされ様にクロウスは思わず医者に詰め寄ってしまう。


クロウス「おい…!姫様はただの風邪じゃなかったのか!?」

医者「き、昨日までは本当に普通の風邪の症状だったんですよ!?それが今朝がたになってから急に容態が悪化して…!」

ジェニファー「ちょっと!病人の前で騒がないでくださいまし!」

リトア「そうよ、それにまだお医者さんの診断の結果を聞いてないわ」

クロウス「……っ、すまない…」


クロウスは逸る気持ちを抑え冷静でいようとするが焦燥を隠しきれてはいなかった。

医者は冷や汗をかきながらもフローリアの病状について説明をする。


医者「…高熱と視界の霞みを確認しています、息苦しさもあり呼吸もしづらそうですが……一番の問題点はこれです」

クロウス「なっ…!?」

ルル「うそ……なにこれ…!」



医者がフローリアの寝巻をそっとずらして肩を露出させると、肩口から二の腕辺りまでの皮膚が赤くささくれているような状態になっていた。

それはまるで鱗のような状態で汗が皮膚の上を滴る度にフローリアは苦しそうな声を上げている。


医者「昨日までは全く正常だった皮膚が熱を持って硬くなっています……恐らくこれは」



アンリエッタ「竜鱗炎……ですね」

医者「り、竜巫女さま…!?」


声の方を見ると部屋の外からアンリエッタとレビュオスが部屋に入ってきていた。

思わぬ来客に一同は驚くがすかさずレビュオスが状況説明をする。


レビュオス「騒ぎを聞いて駆けつけてきたんだ、巫女様の護衛も兼ねてな」

ルル「そ、それよりも!その竜鱗炎ってなに!?どんな病気なの…!!」

アンリエッタ「………竜鱗炎はかつてシルヴェロギアで流行った病の一つです、蚊のような小さな虫を媒介にして発病して高熱と皮膚に走る激痛でじわじわと人を死に至らしめる病気でございます」

アンリエッタ「今ではあまりかかる者も居なくなっていましたが、この病は皮膚の異常が発生するまで普通の風邪となんら症状が変わり無いのが特徴で…このまま放置すればフローリアさんは…」

ジェニファー「ち、治療法は…!?勿論あるのでしょう!?」

医者「……あるにはあります、しかし…」


レビュオス「この病気を治すには問題点が三つあるんだ」

クロウス「なんだ、その問題点というのは…!!」


レビュオス「一つはこの病を治すには火無き草という植物が必要なんだが、その植物が生えている場所は魔物の巣窟になってるんだ」

レビュオス「栽培の難しい植物でな……何度も人工栽培を試してみてるんだが成功した試しが無いんだ」


医者「二つ目は鮮度ですな、過去の例を見ると竜鱗炎の治療に成功した殆どが採取してから五時間以内の火無き草を使用しているようです」

クロウス「なら手早く持って帰ってくれば良いだけだろ…!?」

レビュオス「最後の問題点、火無き草の回りには同じ様な見た目をした火回り草という植物がうじゃうじゃ生えているんだ」

レビュオス「ハッキリ言って素人目だとどれが目当ての火無き草なのかが全然分からんぞ……、医者せんせーなら分かるかもしれんがもう歳だし、そんな危ないとこには連れて行きにくいだろうな…」

クロウス(……くそ、俺は悪夢でも見てるのか…)

クロウス(護ると決めたのに……フローリア様はこんなにも苦しんで…!!)ギリッ

クロウス(………所詮俺なんかじゃ…誰か一人を護ることすらできないのか…?)


奥歯が潰れても可笑しくない程に悔しさで思わず歯を食い縛る。





しかし……そこに予想外の所から声が上がってきた。


リトア「あ、あの……火無き草って葉の先端に行くにつれて朱色になってる草ですよね?」

リトア「私、たぶん分かります…!図鑑で何度も見たこともあるし、商隊で取り扱った事もあるわ!」

医者「確かにそうだが、しかし…火無き草だけ分かってても火回り草が分からなければ…」

リトア「火回り草は葉の淵がうっすらギザギザしていて、火無き草は丸みを帯びてた筈!細かく言えば葉の裏の筋がしっかりと出ているのも火無き草の特徴ですよね!?」

医者「う、うむ…その通りだ」

ルル「はいはい!あのさ!時間の問題なら行きはともかく、帰りは私のポケットワープくん使えば一気に短縮できると思うよ!!」

クロウス「二人とも…!」

ルル「友達が大変なのに何も出来ないだなんて…そんなのできっこないよ!」

リトア「私はあなた達には恩があるし…戦いはできないけど護衛さえ居てくれればきっと力になれるわ」

クロウス「ああ、恩に着る!後は場所さえ分かれば俺が…!!」


僅かながら光明が見え、クロウスは今すぐにでも治療薬の材料を取りに行こうと席を立つ。

しかしレビュオスはそんなクロウスに待ったをかける。


レビュオス「いや、クロウスはここに残っていた方が良い」

クロウス「な、何でだ!!姫様の火急だぞ!!護衛の騎士である俺が行くのが筋だろ!?」

レビュオス「………」スッ


レビュオスが無言で指した方を見る。

そこには熱と痛みにうなされながらもクロウスの服の端を掴んで離さないフローリアの姿があった。


フローリア「くろうす……ごめんなさい…ごめんなさい……」

クロウス「………っ!!」

フローリア「わたし……めいわくをかけて……ごめんなさい…!」


レビュオス「そんな状態の姫様を放置して行くのは本当に貴殿の筋なのかクロウス殿?」


フローリア「こわいよ……くろうす…」

クロウス「……ひめ、さま……俺は…!」

ジェニファー「け、けど……ルルとリトアだけではさすがに危ないのでは」

レビュオス「土地勘のある人間が案内した方が事は早く済む、だろ?」


レビュオスはアンリエッタに目配せをするとアンリエッタは小さな笑みを浮かべる。


アンリエッタ「……貴方ならそう言うと思っていました」

レビュオス「…ありがとうございます」





レビュオス「俺が君たちの護衛を引き受ける、道中の道案内は任せてくれ」


ルルとリトア、そしてレビュオスの三人は火無き草採取の準備をしていた。

ジェニファーやキャラバン隊の人たちは代わり代わりでフローリアの看病をしてくれる事になった。

そしてクロウスは……。


レビュオス「すまないな、結果的にあんたのやる気を挫くような真似をしてしまったな…」

クロウス「……いや、いい。今はもう納得している」

レビュオス「……姫様は?」

クロウス「今は少し落ち着いて眠っていらっしゃる……こんな頼りない俺の手を、ずっと握っているんだ」

フローリア「すー…すー…」ギュッ

レビュオス「……手前勝手な意見だが、こういう弱っている時こそ親しい人間が側にいることが病人にとって何よりも力になる時がある。お前はフローリアちゃんの側にいてやれ」

クロウス「…………レビュオス」

レビュオス「なんだ?」

クロウス「昨日の今日で悪いが……頼らせて貰うぞ」

レビュオス「ああ、直ぐに届けてやるから待っていろ」


レビュオス(これは俺にとっても……譲れない大事なことだからな)


レビュオス「すまない、待たせたな!」

ルル「おっそーい!リアが大変なのに油売ってる場合じゃないよ!」

リトア「こちらの準備は万端です、そちらは大丈夫なんですか?」

レビュオス「ああ、いま場所を教える」


火無き草の採取地
↓1から先に2票入ったダンジョンに向かいます。

①熱波の吹き荒ぶ地  アグロ火山の麓
②砂塵が吹く断崖   流砂の谷
③薬と毒の宝物庫   夜光の森 

ここで一旦止めにします。(久しぶりの終了宣言、体力の余裕があるって素晴らしい…)

薄々感づいている人もいるかと思いますが、フローリアのいない戦闘では巻き戻しによる強制コンティニューは発生しません。つまり負けてしまえば敗北陵辱を受けたままストーリーが進行してします、その点はお気をつけください。

それではおやすみなさいませー。

>>1含め、現時点で既にお気に入りのキャラとかいたりする?自分はルルジェニの二人が好きなんだけど

>>746
個人的にはなんだかんだでフローリアとクロウスの主人公二人ですかね…何だかんだで愛着が沸きますし、これからドンドン辛い目に合っても乗り越えていってもらいたいものです。

15時からちょこちょこ再開していきます。


シルヴェロギアより東の方角、アグロ火山と呼ばれる火山地帯が存在している。

そこには炎龍と呼ばれる魔物がいると噂されているが険しい地形と常人では耐えきれない灼熱の暑さが襲う為、確認した者は誰もいないという。

レビュオス達はそんな危険地帯の麓まで来ていた。
フローリアを救うための火無き草はシルヴェロギア周辺だとこの辺りにしか生息していないからだ。


ルル「うー……あっつい…」

リトア「火山そのものからはまだ離れているとはいえ、もうここまで熱気が伝わってくるわね……」

レビュオス「ここは炎の魔力が自然と発生していてな、そのせいもあって暑さに適応した生物や植物も多いんだ」

リトア「それは魔物もってことですか?」

レビュオス「そうだ、火の魔力を宿したスライムやコウモリなんかもそうだし、天然のゴーレムやリザードマン…泥や枯れ草に擬態した魔物なんかもいるんだ」

リトア「あまり相対したくは無いですね…」

レビュオス「ああ、そもそも俺たちの目的は戦うことでもないしな……ルー坊、準備はできたか?」

ルル「うん、街からここまで簡易のワープを繋げる事はできたよ……ってルー坊ってなに!?うら若き乙女に付けるあだ名それ!?」

レビュオス「こりゃ失礼、そんじゃあサクッと終わらせに行きますか!」

ルル「こらー!あっさりと流すな!」


三人は魔物に足止めされるのを避けるため、見つからないように岩肌を渡り歩いていく。

レビュオスはともかくリトアも意外と体力があるようで足元が安定しない道でも難なく進めて行っていた。


ルル「あっついぃー……二人ともよく平然としていられるよね」

リトア「まぁ私はもっと暑いとこに居たこともあったから……それになにも暑くない訳ではないわよ」

レビュオス「意識していれば余計暑くなるだけだからな、まぁここら辺は慣れもあるだろ」

ルル「うーん…」


ふとルルは気になる事があったのを思い出し、思いきってレビュオスに聞いてみることにした。


ルル「そういえばさ……なんでレビュオスさんってここまで私たちに気をかけてくれるの?」

レビュオス「何でと言われてもな…困っている人間がいれば助けるのは兵士としての義務だろ?」

ルル「だったとしてもこれって兵士の職務の中に入ってるとは思えないよ、巫女さんの護衛ほったらかして私たちを助ける理由って他にもあるんじゃないの?」


レビュオスはルルが思っていたよりも聡い人間だと言う事に今更ながら気づく。
何となく空気が重くなっていくのを嫌ってか、観念したかのようにレビュオスは口を開く。


レビュオス「…………娘がいたんだ」

ルル「……えっ、レビュオスさんって既婚者だったの?」

レビュオス「昔はな、今は離婚して独り身ではあるんだけど…俺が20の時に産まれた子だから生きてりゃ今頃は13歳ぐらいか…」

リトア「生きてればって……そんな…」

レビュオス「別に生まれつき持病を持っているわけでもない元気な子だったよ、けどある日風邪かと思って寝かせていたら急に容態が悪化してな……気づいたときにはもう手遅れに近い状態だったよ」

ルル「……っ」


ルルは自分の好奇心を初めて恨む。

レビュオスの娘に降りかかった病状はフローリアの病状と酷似している事に気づいた。

今こうして背中越しに語り続けている男の顔はどのようなことになっているのだろう。ルルとリトアは黙って聞くことしか出来なかった。


レビュオス「そんときはシルヴェロギアにも嵐が来ててな、みんなに止められながらもここに来て薬の材料を採って、やっとの事で戻ってきた時にはもう間に合わなかった」

レビュオス「だからこれは俺の自己満足なんだ、あの日…出来なかった事を成し遂げるために俺は今日ここに来たんだ」

レビュオス「あっ、クロウスには言うなよ? あれこれ言って来たけど結局は俺の超個人的な理由だしな!」

ルル「……安心してよ、誰にも言わないしリアは絶対私たちで助けるんだから!」

リトア「ふふ、これは尚更急いで探さないとね」


レビュオスは振り替えると、とぼけたような顔をしてシーっと口の前に立てる。

二人に気を使ったその行動にルルとリトアは俄然やる気が湧いてきたみたいだった。



そして二人はレビュオスに案内され、火無き草が生えていたという崖まで到達したのだが…。


リトア「えっと…ここに火無き草があったんですか?」

レビュオス「あ、ああ……確かにここにあった…だが」

ルル「全然無いじゃん…本当にここで合ってるの!?」


レビュオスは記憶を頼りにかつて娘のために訪れた地に着いたのだが、土石流に飲み込まれてしまったのか…かつて枯れ草混じりに生えていた火回り草や火無き草は全て岩の下敷きになってしまったようだ。


レビュオス(くそ…ここが駄目となるともう少し上か…?しかしこれ以上進むのは女性二人を連れては危険過ぎる気もする…!)

ルル「んあーもう!どうしよう……このままじゃあリアは…!」

リトア「落ち着いてルル…ひとまず周りを見て他に生えてそうな場所を見つけ…」


リトアがルルを宥めようとした時、グラグラと地面が揺れ始める。
三人は噴火を警戒したのだが次の瞬間、リトアが何かに足を取られるかのように地面に引きずり込まれてしまう。


リトア「えっ…!? ひゃっ!?」

レビュオス「リトア嬢!?」







リトア「痛ったた……この下って洞窟になってたのね」


リトアは自分が落ちた場所の上を見るとぽっかりと穴が空いていて、レビュオスとルルが覗き込んでるのを確認した。
わりと深く落ちてしまったようだが声でのやり取りができるぐらいは出来るようだ。


ルル「リトアー!!だいじょーぶーー!?」

リトア「ええ…問題ないわ!」

レビュオス「待っていろ、今ロープで引き上げてやる…!」

リトア「…ん? ちょっと待って…!」


リトアは洞窟の先を目を凝らして見てみる。

僅かながらに日が差しているところに目的の火無き草らしき草が生えているのが分かった。


しかし火無き草が生えているところには、魔物が住み着いていたようで……。


火無き草が生えている洞窟を縄張りにしていた魔物
↓1から↓3の間で募集

【名前】
【生態】
【攻撃方法】
【弱点】



アカゲサライザルa「ウキャキャキャッ」

アカゲサライザルb「ケキャキャ?」

アカゲサライザルc「ウキィー!!キャッキャッ!」

リトア「さ、猿…!?」


リトアの目の前には3匹の猿……いや、猿型の魔物がいた。
3匹は獲物の来訪を待ちわびていたと言わんばかりに興奮を隠してはいなかった。


アカゲサライザルa「キャキャッ!キャキャッ!」

リトア(コイツら……本で見た事あるかも、サライザルの亜種だったはず)

リトア(繁殖期になると哺乳類のメスを拐って……ってまさかコイツら!?)

アカゲサライザルb「ウキィーキッキッ!!」

アカゲサライザルc「ウキウキ!ケキャケキャ!!」

リトア「や、やめなさい…!近づかないで!!」

アカゲサライザルa「ウキッキィーーー!!!」バッ


一匹の猿がリトアに飛びかかってくる。

しかしその瞬間、一筋の矢が猿の肩に突き刺さりじめんに転がり倒れていった。


アカゲサライザルa「イギャッ!?」

レビュオス「よっと…無事かい、リトア嬢」ザッ

リトア「あ…ありがとうございます」

ルル「レビュオスさん、私も助太刀するよー!」

レビュオス「いや…こんな狭いとこで嬢ちゃんが魔法で暴れたら崩落する危険があるだろ、それに上に誰かいなかったら脱出の時に手間がかかる」

ルル「むー…でも」

レビュオス「ここは俺に任せてくれよ、さて…」キンッ


弓の弦が淡く発光しながら消えていく。
そしてレビュオスの武器が一張の弓から二振りの剣へと姿を変える。


アカゲサライザル雌「キキキ…」

レビュオス「そこのボス猿、お前が尻に敷いてるその草は俺たちにとって必要な薬草なんだ」



レビュオス「その汚いケツをどいてもらうぞ」


────戦闘開始────

【Act.1】


レビュオス「リトア嬢もいるし…さて、どうするか」

レビュオスの行動選択
①双剣による華麗な捌き(チャージ系◯、テクニック系×)
②バックステップで下がり弓矢の連射(テクニック系◯、アタック系×)
③双剣と弓のコンビネーション(アタック系◯、チャージ系×)
スキル【亡き娘への誓い】(2回目の負け判定を無かったことにして判定をやり直す、この戦闘のみ有効)


アカゲサライザル達の行動パターン

00~20 雌の号令で三匹同時に襲い掛かる(チャージ系)
21~30 撹乱からの雌の奇襲攻撃(無条件で攻撃を食らう)
31~50 火回り草を食べ、炎を吹いてくる(テクニック系)
51~90 それぞれが順番に攻撃してくる(アタック系)
91~99 引け腰になっている(無条件で攻撃が通る)


↓1でレビュオスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


先に動いたのは猿たちの方だった。

三匹同時にレビュオスの周りをぐるぐると回りながら攻撃を仕掛けてくる。

レビュオスは双剣を巧みに操り猿たちを寄せ付けないが、闇に紛れて一匹……猿の親玉が気配を消してレビュオスに迫った。


アカゲサライザル雌「ウキキッ」グルグル

レビュオス「うおっ!?」ドンッ


雌猿のローリングアタックにレビュオスはよろめくが直ぐに反撃の体勢に入る。

しかし雌猿はまた直ぐに後ろの方へと引っ込んでしまった。


レビュオス「そーいう事してくるのね……魔物が連携とか生意気だな」



───サライザルの勝ち───
     1 2 3
レビュオス ✕
サライザル◯



────戦闘開始────

【Act.2】


レビュオス「ちっ…面倒くさいことになるか?」

レビュオスの行動選択
①(チャージ系◯、テクニック系×)
②(テクニック系◯、アタック系×)
③(アタック系◯、チャージ系×)
スキル【亡き娘への誓い】(2回目の負け判定を無かったことにして判定をやり直す、この戦闘のみ有効)


アカゲサライザル達の行動パターン

00~20 雌の号令で三匹同時に襲い掛かる(チャージ系)
21~30 撹乱からの雌の奇襲攻撃(無条件で攻撃を食らう)
31~50 火回り草を食べ、炎を吹いてくる(テクニック系)
51~90 それぞれが順番に攻撃してくる(アタック系)
91~99 引け腰になっている(無条件で攻撃が通る)


↓1でレビュオスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


レビュオスは想定以上の苦戦を強いられていた。
彼自身も腕の立つ戦士ではあるが一対四の数の不利を押し付けられ、好機を見出だせずにいる状態だった。


レビュオス「はぁ…はぁ…」

アカゲサライザル雌「ウキッウキッウキッ!!!」

リトア「レビュオスさん…!」



ルル「もう…こうなったら私も下に降りるしか…!」

アカゲサライザルd「ウキキッ」ガササッ

ルル「えっ?」

アカゲサライザルe「キィーッ、ウキッキ」

アカゲサライザルf「ウキウキィー!」

アカゲサライザルg「キッキッキ!」

ルル「……ひょっとしてこっちもヤバい感じ?」


レビュオス(くそ……こんな所で負けてられるかよ)

レビュオス(もう同じことは繰り返させない……!!死んじまった娘にカッコ悪いところは見せないって決めたんだ…!!)

レビュオス「天国にいるあいつに…これ以上醜態は見せたくねぇな…!!」グググッ


スキル【亡き娘への誓い】によりこの判定をやり直します。



レビュオスの行動選択
①(チャージ系◯、テクニック系×)
②(テクニック系◯、アタック系×)
③(アタック系◯、チャージ系×)


アカゲサライザル達の行動パターン

00~20 雌の号令で三匹同時に襲い掛かる(チャージ系)
21~30 撹乱からの雌の奇襲攻撃(無条件で攻撃を食らう)
31~50 火回り草を食べ、炎を吹いてくる(テクニック系)
51~90 それぞれが順番に攻撃してくる(アタック系)
91~99 引け腰になっている(無条件で攻撃が通る)


↓1でレビュオスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


アカゲサライザルa「ウキキッ!」ブンッ

レビュオス「ふっ!」キンッ

アカゲサライザルb「キィーッ」グルンッ

レビュオス「くっ…せい!!」キンッ…ブンッ

アカゲサライザルb「ウギッ!!」

アカゲサライザルc「ウキャキャッ!!」グオンッ

レビュオス「よっ…はぁ!!」ドカッ、ビシュッ

アカゲサライザルc「キィーッ!?」ドスッ


一匹目の攻撃を片手で払い、二匹目の攻撃をもう片方で受け止め空いた剣で切り裂く。

三匹目は蹴っ飛ばして距離を開けた後に双剣を合体し、即座に射撃による追撃を放つ。


アカゲサライザル雌「ウキ…!」ジリッ

レビュオス「おい、動くなアホ」ビシュッ

アカゲサライザル雌「ウキキッ!?」ヒョイッ


雌猿の動きにも警戒を解かず、動き出しに常に牽制を入れている為雌も姿を消しづらくなっていた。



───レビュオスの勝ち───
     1 2 3
レビュオス ✕ ◯
サライザル◯ ✕


【Act.3】

火山地帯ということもあり、洞窟内の温度は決して涼しいわけではない。

鎧を着ているレビュオスにとってはスタミナを奪われる一因にもなっている。

レビュオス(長期戦は俺に不利だ、短期決戦!ここで仕留める!)


レビュオスの行動選択
①双剣による華麗な捌き(チャージ系◯、テクニック系×)
②バックステップで下がり弓矢の連射(テクニック系◯、アタック系×)
③双剣と弓のコンビネーション(アタック系◯、チャージ系×)


アカゲサライザル達の行動パターン

00~20 雌の号令で三匹同時に襲い掛かる(チャージ系)
21~30 撹乱からの雌の奇襲攻撃(無条件で攻撃を食らう)
31~50 火回り草を食べ、炎を吹いてくる(テクニック系)
51~90 それぞれが順番に攻撃してくる(アタック系)
91~99 引け腰になっている(無条件で攻撃が通る)


↓1でレビュオスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


レビュオス「はっ!!そらっ!!」

アカゲサライザルa「ウキッ…ギィッ!?」

アカゲサライザルb「キャウッ!?」


本来のペースを取り戻したレビュオスは双剣による連撃で巧みに相手を追い詰めていく。

焦れた雌猿は三度、奇襲を狙っていこうと天井まで登り飛び降りた。

しかしレビュオスはその行動を既に読んでいた。


レビュオス「三回も同じ攻撃を喰らうかよ…」


レビュオスは即座に弓に戻し魔力で形成された弦を引く、狙いは雌猿の脳天。

アカゲサライザル雌「アギッ!?」ドスッ

空中にいる雌猿は身動きが取れなかった。
頭を魔力の矢が貫き、雌猿は即座に息絶えた。


アカゲサライザル雌「」ドサッ

アカゲサライザルb「ウキッ!?キ、キィー…!!」ビクビク

アカゲサライザルc「キャウ……ウキウキィ!!」ダッ


ボス猿が殺られた事により先ほどまで強気だった他の猿たちは直ぐに怯えた態度を見せ、一目散に洞窟の奥へと逃げ去っていった。


レビュオス「はぁ…はぁ……あー、少し実戦から離れすぎてたのかな」ヘトッ

リトア「レビュオスさん…!?」

レビュオス「苦戦したぁ…!!」ゴロン


しかしどこかやりきった表情のレビュオスは大の字になって地面に寝転んだ。

今回はここまでで。

腐る可能性もあるかなーと思ってた戦闘スキルがまさかの活躍をするとは…。
次はなるべく早めに更新でけるように頑張ります。

おつ

ルルの時はフローリアの魔法獲得というボーナスがあった(?)けど今回は何があるんだろう

リトア×レビュオスでフラグ発生する?

この後はまた自由行動かな?

昼前ぐらいからまた再開していきます。
その前に少しレス返タイムと報告を。


>>791
今回は特に何もボーナスは予定してませんでしたがそれぐらいなら有りかな…?

>>793
この後の予定としましては通常通りクロウスとフローリアの自由行動→ストーリー進行→銀黎祭(ちょっとしたデートイベ)→ストーリー進行(シルヴェロギア編終了)
その後は妹姫編を挟んでからまた新国といった流れを予定しております。(我ながら先が長い)


それと魔導帝国編ではフラグの数で仲間入りするキャラがある程度決まりましたが今回はフラグの数で決まる形式にはなりませんので好きなキャラと交流をして大丈夫です。

ただし別の形で重要なルート分岐はありますが…それはその時になってから説明入れます。


それでは皆さまおやすみなさい…。

それではゆったーりと始めていきます。


リトア「レビュオスさん大丈夫ですか!?」

レビュオス「ああ、何とかな」

リトア「ごめんなさい……私がアイツらの巣に引きずり込まれたからこんな事に…!」

レビュオス「君が気にすることではないよ、それに君が無事で本当に良かった」

リトア(こんな傷だらけになってまで……ちょっとだけカッコよかったかも…)

レビュオス「それにそのお陰で目的のブツが見つかったんだからな」

リトア「あ…そうだ、あの猿の魔物……食い荒らしてたりしてなきゃいいんだけど」

レビュオス「俺のことはいいから、君は火無き草の採取を頼む」

リトア「分かりました!………レビュオスさん、ありがとうございます」ペコリッ


リトアはレビュオスにお辞儀をすると直ぐに火無き草の採取に取りかかった。

苦戦を強いられたレビュオスは一息つきながら天井の外で待機しているルルに声をかける。


レビュオス「終わったぞルー坊、リュックにロープが有るから引っ掻けて垂らしてくれー」




レビュオス「………ルル?」


返ってこぬ返事にレビュオスは一つの不安を抱いた。

それは自分達が戦っている間にルルもまた魔物に襲われたのではないかと…。


レビュオス(くそしまった…自分の事だけに集中し過ぎたか!?)

レビュオス「ルル、返事をしろ!!ルル!!」

ルル「もぉー…そんなに大声出さなくても分かるって」ヒョコッ

レビュオス「……って、へ?」

ルル「ごめんごめん、ちょっとこっちの方でも色々あってさ……今ロープ降ろすから待ってて!」

レビュオス「お、驚かせないでくれ……おっちゃんの心臓もたんから…」ヘナヘナ

ルル「へへへー」


ルルが垂らしたロープを伝い、なんとか洞窟から出てきた二人だったがそこで色んな意味で意外な光景を目の当たりすることになる。


アカゲサライザルd「う、うきぃ~…」ビクビク

アカゲサライザルe「ウキ…」オドオド

リトア「な、なにこれ…」


外に出るとそこには先ほどまで戦っていた猿型の魔物たちが怯えていたり正座してたり、土下座してる者までいた。


レビュオス「おい……何したんだルー坊」

ルル「あはは……まぁちょっと、弱肉強食の順位を教え込ませたというか」

アカゲサライザルf「ウキーーーッ!?」ビクビク

アカゲサライザルg「うきき、うき…!!」オドオド


如何に数で有利をとろうと遮蔽物の少ない地形で親玉による統率の無い烏合……いや、猿合の衆では広範囲をカバーできるルルの敵では無かったようだ。

クロウスの言う通り、彼女には天性の戦闘センスが有るのだろう……。

しかし、


ルル「ほら二人とも!火無き草が見つかったんならとっとと街に戻ろう!!」

アカゲサライザル達「ウキキッ!!」ザッ


ルルが通ろうとする道の脇に猿達は素早く整列した。
もはや猿達に戦意など無くむしろルルに対して畏敬の念を抱いているようにも見えた。


リトア(さ、さっきの雌猿よりよっぽど親玉してるわ)

レビュオス(まさに猿山の大将…)


わりと失礼な事を考えながらも二人は決して口には出さず、猿の魔物に見送られながら静かに下山していった。


レビュオスとリトアにフラグ①が建ちました。


フローリア「はぁ…はぁ…」

クロウス「姫様…お気を確かに」

ジェニファー「クロウス様…タオルを取り替えに来ましたわ」

クロウス「すまない、助かる…」


あれからクロウスはずっとフローリアの側にいた。
熱と痛みに浮かされていたが彼女はずっとクロウスの手を握り続けていて離さないでいる。

クロウスもまたそんな彼女を勇気づけるように握り返していて手のひらが汗ばむのも気にせずに献身的に声をかけ続けている。


クロウス「きっとルル達が薬の材料を採ってきてくれる、だから姫様も負けないでください…」ギュッ

フローリア「はぁ…はぁ……ごめんなさい…くろうす、たくさん迷惑かけて…」

クロウス「謝らないでください、そんな事は気にしてませんしむしろ何もできない俺が…」


フローリア「ごめんなさい…いっぱいくろうすが守ってくれてるのに……汚されちゃって…ごめんなさい……!」

クロウス「……? フローリア様…?」


熱のせいで悪夢でも見ているのだろうと思いたかったが、なぜかフローリアの発したその譫言は気になってしまった。

だがその懸念は待ちわびた吉報によりすぐに頭から消えることになった。


リトア「お待たせしました…!!」ガチャッ

ルル「ただいま!!」

クロウス「っ!! リトアさん、ルル…!それに……!」

レビュオス「よっ…友人。約束、ちゃんと果たしたぞ」

クロウス「はは…!かたじけない!」

レビュオス「喜ぶのはまだ早いぞ、すぐに医者先生に薬を調合して貰わなくちゃいけないしな」

ジェニファー「そうですわね!なら早くお医者様をお呼びしなくては!」

クロウス「ああ!そうだな!!」



部屋に活気が戻り皆がそれぞれ動き出していく中、レビュオスだけがなぜか部屋の隅の方をジッと見ていた。


リトア「……? レビュオスさん、どうかしたんですか?」

レビュオス「えっ……あぁ、何でもない」


どこか唖然としていたレビュオスだったがそそくさと部屋を出ていった、その横顔はどこか嬉しそうな表情をしていた。

その真意を知る者はきっと本人だけだろう。


そして1週間後………。


フローリア「この度は本当に申し訳ございませんでした…!」


体調が回復したフローリアは竜遇宮にてアンリエッタとレビュオスに会いに来ていた。

理由は公務中であったレビュオスがわざわざ自分の治療のために動いてくれていた事に対しての謝罪だった。


アンリエッタ「そんなにかしこまらないでください、私たちは自分に出来ることをしようとしただけですから…」

レビュオス「そうそう、それに祭りの前に湿っぽくなるのはごめんだしな。だから姫さんもあまり気にしなさんな」

フローリア「うう…ですが」

レビュオス「それに…病み上がりのお姫様を責め立てるような事をしちゃあそこの騎士様に怒られちまう」

クロウス「姫様…大丈夫ですか?お体に障られますしもうそろそろお部屋に戻られては…!」オロオロ

フローリア「もう平気よクロウス……ごめんなさい、なんだか体調が戻ってからずっとこの調子で…」

アンリエッタ「ふふ、愛されてる証拠じゃないですか♪」

レビュオス「はは、違いない!」

フローリア「あ、あい…///…こほんっ」

フローリア「しかし……私たちの事はもう知っていると聞きました、帝国から逃げている身の私たちがこのままここに居てはやはりマズイのでは」


アンリエッタ「ふむ…どう思いますかレビュオス」

レビュオス「そうですね……とりあえず祭りが終わるまではここに居て良いんじゃないですか?その後の事は後で考えましょう」

アンリエッタ「そうですね、私もそう思ってました」

フローリア「え……そんなあっさりと…!」

アンリエッタ「迷える恩人を放っておくなど銀竜様の名に恥じる行為はできません」

レビュオス「右に同じく、だからとりあえず明後日の銀黎祭を楽しみにしておいてくれよ!」

クロウス「姫様、ここは竜巫女様と兵士長殿の言う通りにしましょう」

フローリア「クロウスまで……分かりました、ではまた暫くご厚意に甘えさせて頂きます」ペコリッ


───クロウス視点───


クロウス「はぁ……」

クロウス(フローリア様が元気になられたのは良いことだが…まさかあんな事を言われるとは)


フローリア『ごめんなさいクロウス……今は一人で考えたい事があるの…』


クロウス(今思えば熱に浮かされていたと思っていたが……それ以前にフローリア様の様子は少しおかしかった)

クロウス(従者として側に居て気づくのが遅すぎだ……しかしどうする?いったいどこまで踏み込めば良いんだろうか?)モヤモヤ

クロウス(……駄目だ!一人で考えてても答えが見つからん!!)

クロウス「……他のみんなは祭りの手伝いやらなんやらをしてるみたいだな、どうしたもんかな…」



クロウス自由行動1回目(残り3回)
↓2でクロウスの行動を選んでください


①誰かと交流しに行く(二人まで、場所の指定も可)
 フローリア>>4、★ルル>>79(ボーナスハッセイチュウ)、ジェニファー>>96、リトア>>524、レビュオス>>588、アンリエッタ>>613

②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


シルヴェロギアSPOT
【竜遇宮・庭園】【修練場】【武具防具店】【飲み屋街】【竜泉境(温泉)】【キャラバン商店】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

手持ちのフラグ(クロウス)
フローリア×1
ルル×2

他キャラ同士のフラグ
レビュオスとリトア×1
レビュオスとアンリエッタ×1(二人の関係を踏まえ、初期から1本持ってる事にします)


クロウス「はぁ~…」


クロウスは悩んでいた。

最近のフローリアの様子のおかしさや己の不甲斐なさに胸の内のモヤモヤが全然晴れない事に。

無論フローリアの事に関しては本人に直接聞けば済む話なのだが……真面目なクロウスは姫が自分に隠している以上は聞かない方が良いのかという考えも有りどうしたもんかと手を込まねいていた。


そこに見知った顔が一人、クロウスに近づいていた。


ルル「あれ?どうしたのクロウスさん、こんなとこで」

クロウス「ルルか……いや特に何をしてるわけでも無いんだが…」

ルル「なんか辛気くさい顔してるねー、また何か悩みでも抱えちゃってるの?なんなら私が聞いてあげよっか!!」

クロウス「俺は何も…!」

クロウス「……いや、一人で悩んでるよりはマシか」

ルル「ふふーん、そういう事!クロウスさんはもっと周りを頼った方がいいよ!」


ルルとの交流内容(聞きたい事、話したい事、一緒にやりたい事など内容)
下1から下3の間で募集


クロウス「なら聞きたいんだが……お前から見て最近姫様に変わったことは無かったか?」

ルル「え、リアに変わったこと?」

ルル「うーん……特には無いと思うけど、まぁ元気は無さそうだしまだ病み上がりで疲れてるだけだと思うんだけどなぁ」

クロウス「そうか……」

ルル「なんだ、深刻そうな顔してたけどリアの事で悩んでたのかぁ…いつものクロウスさんで何よりだよ」

クロウス「姫様のことになれば深刻にもなるだろ…俺は従者であり護衛の騎士だ、姫様に何かあれば心配するのは当然だろ」

ルル「うーん……でもクロウスさんって結構過保護なとこあるからなぁ、意外とリアにうざがられてたりして…」

クロウス「う、うざっ!?」ガーン

ルル「リアだって思春期の女の子なんだから、四六時中付きまとわれるのを嫌がってる可能性だってあるかもよー?」ニヤニヤ

ルル(まぁリアに関してはそんな事は無さそうだけどねー、本人もクロウスさんを一番慕ってそうだ、し……?)


クロウス「そ、そうか……俺は姫様にウザいと思われてたのか……」ズーン

ルル「ちょっ!?クロウスさん、今のはちょっとした冗談だから!リアがクロウスさんを嫌うなんてこと無いでしょたぶん!!」

クロウス「そ、そうか…?いやしかし…」

ルル「もぉ……戦ってるときはカッコいいのに、変なところで打たれ弱いんだから…」ボソッ


口に出してから自分の言ったことを自覚したのか、ルルはぶんぶんと頭を振り自分よりも二回りも大きい男を慰めにかかる。


ルル「と、とにかく!そんなに気になるならやっぱりリアに直接聞いた方がいいよ、ひょっとしたら私たちにも話せない悩みを抱えてるかもしれないし……それを聞き出せるのはクロウスさんしかいないと思うんだ」

クロウス「ルル……」

ルル「元気だしてよ、クロウスさんがそんな調子だとこっちも調子狂っちゃうよ!」

クロウス「……まったく、我ながら女々しすぎて泣けてくるな」

クロウス「すまない…少しだけだか吹っ切れた。ありがとうな、ルル」ナデナデ


感謝の言葉を述べ、クロウスはルルの頭を撫でた。

前に遺跡の時にも撫でた事はあったがルルは頭を撫でられるのが好きなようで大人しくクロウスの豆が潰れて堅くなった手のひらを受け入れていった。


ルル「ん…!」

クロウス「それと、姫様を助けるのにも協力してくれてありがとう。本当に助かったぞ」

ルル「リアは私の友達だもん、友達を助けるのは当然だよ」

クロウス「しかし俺からすれば幾ら礼を言っても足りんぐらいだ」

ルル「そう…? なら少しだけお願いがあるんだけど…」

クロウス「なんだ?」

ルル「……もう少しだけ、なでなでしてもらいたいなぁ~…なんて///」

クロウス「……あぁ、そんな事なら幾らでもしてやるさ」ナデナデ

ルル「にしし…♪ ありがと、クロウスさん」


ルルとのフラグ③、④を手に入れました。


クロウス自由行動2回目(残り2回)
↓2でクロウスの行動を選んでください


①誰かと交流しに行く(二人まで、場所の指定も可)
 フローリア>>4、ルル>>79、ジェニファー>>96、リトア>>524、レビュオス>>588、アンリエッタ>>613

②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)

③フラグを消費してえっちシーンを見る
 ルル【興味と本音と建前と】


シルヴェロギアSPOT
【竜遇宮・庭園】【修練場】【武具防具店】【飲み屋街】【竜泉境(温泉)】【キャラバン商店】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。

手持ちのフラグ(クロウス)
フローリア×1
ルル×4

他キャラ同士のフラグ
レビュオスとリトア×1
レビュオスとアンリエッタ×1(二人の関係を踏まえ、初期から1本持ってる事にします)

ひとまず今回はここまで。

スレ立てて3ヶ月目でようやく純愛(?)えっちシーンです。
いやほんと毎度毎度時間かかってすみません…、それでは次の更新で。


21時半ぐらいから投下いたします。

今日はたぶん自由行動の選択まで進めて終わりになりそう。


クロウス「はぁ…」ギシッ


クロウスはホテルの自分の部屋に戻っていた。

フローリアの事、祭りの事、帝国の事、今後の事……今の考えをまとめる為だ。

彼の部屋は旅の中で唯一の男性と言うこともあって一人部屋を宛がわれている為、落ち着いて考えるには丁度良かった。


だがクロウス自身も心労が祟っているようで、ベットに腰かけて考えていると睡魔が襲ってくる。


クロウス(くぁ……眠いな…)

クロウス(ここのところ姫様の看病やら何やらで忙しかったからな……)

クロウス(…たまには昼寝というのも悪くはないか?)


腰かけたままクロウスは背中を倒してベットシーツの上に柔らかに沈んでいく。

窓から差し込む暖かな光がクロウスの眠気を余計に掻き立てる。


クロウス(少しだけ仮眠を取る、か………)





コンコン

  …ガチャッ

ルル「クロウスさんいるー?」


クロウスの部屋に入ってきたのはルルだった。

先の一件で話そびれていた事があってそれを伝えるためにクロウスを探していたらしい。

しかし当のクロウス本人は睡眠を取っていて丁度深めの眠りに入ってしまっているみたいだ。


ルル「ありゃ、タイミング悪かったかなー」

ルル(クロウスさんも最近は……というかナールから逃げてからずっと忙しかったし、仕方ないよね)

ルル(まぁ私は優しいし!無理に起こすような真似はしないもんね!話は後でも出来るし今はゆっくり寝かせ………えっ?)


改めてルルがクロウスを見るとある違和感に気づく。




なんとクロウスのズボン……もっと言うと男性の局部のある部分に立派なテントが張られていたのだ。



ルル(ぇ、え、うえええええぇぇぇーーーーーっ!!?)


ルル(ちょっ、何してるのクロウスさんっ!?こ、ここここれって…!!ぼ、ぼぼっ勃起ってやつじゃない!?///)


過保護に育てられ、ろくに性知識を教えられてこなかったフローリアと違いルルは普通(?)の女の子だ。

人体と魔力の関係性を知るために人体の構造を書した本などを読み漁っていた時期があり、その過程で男性の生理現象なども知っていたらしい。

しかし実際に見たことなどは勿論無く、ただただルルは狼狽している。


ルル(く、く、クロウスさんそれは最低だよ!///乙女の前でお、おちんちん勃たせるなんて…!!)

クロウス「う、うーん…」

ルル「っ!?」ビクッ

クロウス「…………すー…すー…」zzZ

ルル「あっ……そうだ、寝てるんだった…!」

ルル(そういえば男の人って…本当に疲れてる時とか寝てる時でもぼ、勃起しちゃう事があるって書いてあったっけ…)

ルル「………」ジッ


ルルはクロウスの下半身をジッと見ている。

クロウスはちょっとやそっとの事では起きそうには無い。




ゴクリ、と…生唾を飲む音が部屋に響く。


ルルはクロウスのズボンのベルトをカチャカチャと外していく。

耳まで真っ赤になりながらも手を止めるつもりは更々無いようだ。


ルル(こ、これは学術的なこーき心ってやつだよ…!男性の勃起時と魔力の因果関係を確かめるための貴重な実験って訳で…!!)

ルル(わ、私が変態って訳じゃないんだからね…!!そこんとこ誤解してもらっちゃあ困るよ!!///)


いったい誰に対して向けてるのかも分からない言い訳を心の中でぶちまけながらばれない程度にゆっくりとズボンを降ろす。

後は薄布一枚……下着を捲れば目的の物は目の前である。


ルル(あ、後はこれを脱がせば……え、えーい!!!)ガバッ


ルルは勢いに任せてクロウスの下着を脱がす。

ブルンッとクロウスの雄々しく反り立ったイチモツが外気に晒される。


ルル「あっ……」

ルル(で、でっかーーーっ!?昔お風呂で見たお父さんのとは比較にならないんだけど!?)


無論、ルルが見た父親のイチモツは勃起などしてなかったので大きさに関しては比較にはならないだろう。

むしろ男の本性を現したような、グロテスクな見た目をした肉棒を初めて見たことによるショックの方がルルにとっては大きかった。

しかしそんな事で止まるような性格では無いのも確かであり、ルルの中で徐々に好奇心の方が恐怖を勝っていった。


ルル「えっと…長さと横幅はこれぐらいで…か、硬さは…うわ、血行が巡ってるから熱い…!わっ!わっ…!ぴくんって動いてる!!」ツンツン

ルル(それに……うぅ、なんかすっぱい臭いがする…!)

ルル(けどなんだろ……そんなに嫌じゃない感じもする…、これってクロウスさんのおちんちんだから、かな…?)


顔を肉棒に近づけ、すんすんと匂いを確かめる。
どこか臭い気もするが何故だか頭がくらくらするような気もしてもっと確かめたくなる。

ルルの吐息が熱を帯びて漏れていく、今の彼女の脳内に『ここで止める』の文字など無かった。


ルル(あ、味も見ておかないと……ね?)

ルル(これは魔法の進歩に必要な事だよ…!だから大丈夫、大丈夫…!!)ドキドキ


ルル「い、いただきま~す…///」




クロウス「……ん」


下半身が寒く感じる。

しかし一部だけ熱く感じる部分もあった。

生暖かく粘液を纏った何かが身体を這っている感覚にクロウスの意識は少しずつ覚醒していく……。




ルル「ん///ちゅぷ、れろ…んじゅ///」

クロウス「は…? なっ!?」

ルル「あ…クロウスさんおはよー……れろ、れろ///んちゅ…んはぁ…!」

クロウス「る、ルル!? 待て! お前はいったい何を……うおっ!?」ビクンッ


目を開けて最初に見た光景が、父と娘のように年の離れた仲間が自分のイチモツにしゃぶりついている姿という衝撃に一気に目が覚める。


ルル「んちゅ、ちゅ…クロウスさんがいけないんだよ?」

ルル「部屋に入ったらおちんちん、ぼっきしてるし……物凄く溜まってたんだよね…?」

ルル「こんなに性欲溜め込んでたら、いつかジェニーやリアを襲っちゃうかもしれないじゃん……だから///」アーン

クロウス「そんなことする訳ないだろ…!!というか止め…くおっ!?」


女性にフェラチオをされるのは初めてでは無かった。

クロウスとて男なので当然性欲などは日々の生活のなかで溜まっていく。

だが普段から仕事命なクロウスにとって性欲の発散などは常日頃からやっている訳ではなく、溜まったら自慰で抜くか、我慢できない時は王国にあった夜のお店で吐き出したりしていた。

クロウスにとって性欲の発散は健康管理のような感覚で意識して女性で抜くような事は意外と少なかったのだ。

しかし年端も行かない女の子にいちもつを舐め回され、口に含まれるなどクロウスにとっては未曾有の経験であった。


ルル「んちゅ、ちゅぱ…はむっ、ちゅっ…ぺろっ……だからわらひが処理しないとね…///じゅる、ちゅっ///」


娼婦の手馴れたフェラチオテクニックとは違い、どこかたどたどしく竿を舐めたり亀頭を含んでみたり、時には歯が当たりそうになることもあったがそれら全て含めてクロウスのいちもつに刺激を与えていく。

王国を抜け出してから性処理を怠っていた為、不馴れなルルの舌使いでも今のクロウスにとっては充分であった。


クロウス「は…!本当にやめろ……!これ以上は本当に怒るぞ…!」

ルル「ちゅぱっ、ぷはっ…だったら力ずくで止めればいいじゃん…!本当はクロウスさんも気持ちいいんでしょ…?」

クロウス「それ、は…」


気持ちよくないわけがない、しかし嘘をついて否定するほどクロウスは器用ではなく実直な性格が否定をするのを躊躇ってしまう。


無言は肯定と捉えたルルはその幼い顔立ちに似合わない妖しげな笑みを浮かべるとクロウスに囁いた。


ルル「だいじょーぶだよ…誰にも言ったりしないから……これは頑張ってるクロウスさんへのご褒美だから」

ルル「だからここで……一回すっきりしよ?」ニコッ

クロウス「る、ルル……!」

ルル「ん、ぺろ…ちゅるっ!じゅぷっ、んぷっ!ぷは…///はっ…んじゅ!くちゅ、ちゅる!んちゅるっ///」

ルル(あああ……どうしよう…!本当はここまでするつもりなんて全然無かったのに!!)

ルル(これじゃあ私が本当に淫乱みたいに見られるじゃん………うう、でも…!)チラッ

クロウス「くぅ…はぁ…!ルル…!」


ルル(クロウスさんの気持ち良さそうな顔を見てたら……もっと気持ちよくしてあげたくなってくる…!///)


ルルも最早ブレーキの効くような状態ではなかった。
目の前の男に奉仕することに興奮を覚え本能のままに雄の精子を吐き出す肉棒にしゃぶりつく。


ルル「じゅぽ!じゅぽっ、ちゅっじゅぴっ♥ ちゅっ、ちゅっ…ん、んぷ…はむっ…♥」

クロウス「はぁ!駄目だルル…口を離せ……もう限界だ…!!」

ルル「じゅるじゅぷっ♥ んはぁ…/// いいよ…くろうすさん…受け止めるから…いっぱいわたしのお口にちょーらい…?」

ルル「んじゅ、ちゅぱっ♥ れろ、じゅるる♥ はぁ、らひて、いっぱいすっきりして♥ じゅぱっちゅぱっ♥」

クロウス「ぐ、うう……ルル!出る!!」



びゅくっびゅぐっ!!びゅるる!!
 びゅぷっ!びゅる、びゅーっ!びゅくんっ!!


ルル「んぶぷぅっ!?ん"っ!んぐっ…!!ん、んふぅうう…!」


クロウスは溜め込んでいた精液をルルの口腔内に射精してしまった。
ルルも射精の勢いに驚いてしまうがいちもつからは口を離さず、一滴も残さずクロウスの精液を受け止めた。


ルル「ん、んく…ん……ぷはっ…///」

クロウス「はぁ…!!くそ…言わんこっちゃない…!!ルル…汚いからとっとと吐き出せ…!!」

ルル「ん…、…ごくんっ♥」


クロウス「お、おい馬鹿!なに飲んでんだ!?」

ルル「…………に、にっがぁ……」オエッ

クロウス「だから言っただろ!?ああほら、顔を向けろ…!口元から垂れてるぞ!!」


情欲の熱が灯った空間はあっさりと日常の空気に戻ろうとしていた。

そして……。




クロウス「………それで?何か申し開きはあるか」ゴゴゴゴ

ルル「え、えっと……好奇心に負けて、ついおちんちん見たくなってヤっちゃいました………スンマセン」


ルルは清々しいまでの土下座を自発的に披露していた。

クロウス自身は自分が力ずくでもルルを退かせれば良かったものを性欲に負けてされるがままだったのでそこまで怒る気は無かったのだが。


クロウス「はぁ……顔をあげろ、俺も悪いし怒ってはいない」

クロウス「だがな、お前みたいな大人になってない女の子が興味本意だけでこういう事に手を出すなよ……俺以外の男だったらこれだけじゃ済まなくなるかもしれないんだぞ?」

ルル「……ていうかクロウスさん以外とこんな事なんてしないもん」ボソッ


クロウス「なんか言ったか?」

ルル「いやいや!何も!!」

クロウス「というかお前、俺になにか用事があって来たんじゃないのか?」

ルル「え?……ああ!そうだった!!」

ルル「えっと…あの後ジェニーにもリアの事で気になったことはないか聞いてみたんだけどさ、なんか顔を合わせた瞬間に一瞬だけ目を剃らされたって言ってた」

クロウス「ジェニファーを見て……?」

ルル「うん、その後はごめんって謝られてその後は普通みたいだったけど…」

クロウス「そうか……」

ルル「と、とりあえず私はもう行くね!!変なことしちゃってほんとごめんなさい!」

クロウス「もう気にするな、俺も……忘れるようにはする」

ルル「あはは!そうして!それじゃあね!!」ガチャッ


バタンッ

クロウス「………本当に何がしたかったんだ、アイツは…」




ルル「………はぁ」

ルル「………別に私は忘れてほしくは無いんだけどなー………なんて、言えないよね…そんなの」


ルル・純愛えっちしーん① おわり


クロウス自由行動3回目(残り1回)
↓2でクロウスの行動を選んでください


①誰かと交流しに行く(二人まで、場所の指定も可)
 フローリア>>4、ジェニファー>>96、リトア>>524、レビュオス>>588、アンリエッタ>>613

②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


シルヴェロギアSPOT
【竜遇宮・庭園】【修練場】【武具防具店】【飲み屋街】【竜泉境(温泉)】【キャラバン商店】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。


手持ちのフラグ(クロウス)
フローリア×1
ルル×1

他男性キャラのフラグ
レビュオスとリトア×1
レビュオスとアンリエッタ×1


クロウス「……ああ、なんか余計に疲れた気がする」ゲッソリ


体の疲れを取るための仮眠だったのにルルの来訪のお陰で更に疲れが溜まってしまう。

そこにまたしても別の客人が来ることになる。


レビュオス「いよっ、なんかゲッソリしてないか親友!」

クロウス「レビュオス…仕事しなくて大丈夫なのか」

レビュオス「今日は嬉しいことに午前上がりなのさ、それよりも…あんたを良いところに連れていきたくてな。どうだ、この後時間は?」

クロウス「とくに問題はないが……いったいどこに連れてく気だ?」

レビュオス「それは着いてからのお楽しみだ、さぁ行こうか!」


レビュオスに連れられるがままに暫く山を登っていくとどこか風情のある木造の建屋に着いた。

周りにはちらほらと住民の姿も見られるので立ち入りが厳しい所といったわけではなさそうだ。

看板には竜泉境と書かれている。


クロウス「ここは……何の施設なんだ?」

レビュオス「んー、疲れが取れる所ってとこかな……それよりも」キョロキョロ



アンリエッタ「あっ!ようやく来たぁ…!」




クロウス「え…?り、竜巫女殿…?」


こちらに駆け寄ってくる影を見ればそれは数時間前に竜遇宮にて謁見していた竜巫女アンリエッタであった。

最も、今の彼女は竜巫女としての正装はしておらず白がメインの質素な服を着ていた。


レビュオス「お待たせ巫女様、待たせてしまってすみませんね」

アンリエッタ「あ…誘いたかった人ってクロウスさんだったんですね…!」

クロウス「ちょ、ちょ…!ちょっと待ってくれレビュオス!!なんで竜巫女殿がいるんだ…?そもそもこれから何をしようって言うんだ…!!」

アンリエッタ「レビュオス…クロウスさんに道中説明していなかったんですか?」

レビュオス「サプライズにしておこうかなっと思ってね……まぁなにも言わずに連れてきたのは謝るよ」

クロウス「なら教えてくれ…ここでいったい何をするつもりなんだ」

レビュオス「風呂」

クロウス「……は?」

レビュオス「だから風呂だよ風呂、温泉って言った方が良いか?」

クロウス「いやそれは分かるが…なぜいきなり」

レビュオス「いいから行くぞ!ほれ!」グイッ

クロウス「ぬおっ!?」



かぽォーー~ん…


クロウス「………はぁーー…」クテーン


湯気の立った温泉に肩までゆっくり浸かっていると体の芯から疲れが溶けて無くなっていくような感覚になっていく。

王国にも風呂屋は存在していたが、源泉かけ流しの露天風呂はさすがに無いので外で入る風呂というのも新鮮な気分になる。


レビュオス「はは、どうだ?中々悪くは無いだろう?」ザブーン

クロウス「ああ…!これは良いものだな……姫様にも教えたいものだ」

レビュオス「是非そうしてくれ、シルヴェロギアに来て露天風呂に入らないのは損ってもんだからな」

レビュオス「巫女さまー!湯加減どうですかー!!」


アンリエッタ『とても心地よいですよー、はぁー……わたしも疲れが取れちゃいます…♪』

レビュオス「はっは、そいつは重畳だな」


竹で出来た策の奥からアンリエッタの声が聞こえてくる。
とてもリラックスしているようか声色で、クロウス達と謁見していた竜巫女の時とは振る舞いも変えているらしい。


クロウス「竜巫女様は普段はああいう感じなのか…?」

レビュオス「ああ、オフの時はあんなもんだよ。年相応に子供っぽくて笑えるだろ?」

アンリエッタ『聞こえてますよレビュオス?それに私はもう19歳です、もう子ども扱いは止めて欲しいかな』

レビュオス「おっとそいつは失礼!」

クロウス(……公私で振る舞いを切り替えるのはお前を見習ったからじゃないのか?)


レビュオスとアンリエッタのやり取りを聞いている内に内心そう思ってしまったクロウスであったが言わないでおくことにした。



レビュオスとの交流内容(クロウスやレビュオスに言わせたい事や聞きたい事、一緒にやりたい事の内容など)
↓1と↓2で募集して組み込める内容を拾ってきます(流れ的に無理がある場合は拾わない可能性あり)


レビュオス「そういえばホテルで話してたときやけにゲッソリしてたけど何かあったのか?」

クロウス「……ベツニナニモナイガ?」

レビュオス「なんでそんなに固くなってんだ…?」

レビュオス「しかし姫様は勿論ルー坊やジェニファーちゃん、リトア嬢も連れてくれば良かったかな」

レビュオス「その方が巫女様も同年代の友人との会話を楽しめただろうし…」

クロウス「」ザッパンッ!!

レビュオス「うわっ、どうした!?」


ルルの名前が出た途端、あの時の光景が思い出されてクロウスは顔を思い切り温泉の水面に叩きつけた。


クロウス(あれは忘れろあれは忘れろあれは忘れろ…)ブクブクブク

レビュオス「おいおい大丈夫か…?」

クロウス「……大丈夫だ」ザバッ

レビュオス「お、おう…なら良いんだが」


その後、キンキンに冷たい水風呂で頭と股間を冷やしたクロウスであった。



レビュオス「いやぁ、良いお湯だったな…うん!」

アンリエッタ「うん、私も久しぶりにすっきりしたかも!」

レビュオス「巫女様は普段から頑張ってますからねぇ、ご褒美にふるぅつ牛乳を買ってあげますよ」

アンリエッタ「もう…すぐにそうやって子ども扱いして」

レビュオス「なら要らない?」

アンリエッタ「う………ほ、ほしいです…」モジモジ

レビュオス「なら今買ってくるんでクロウスと待っててくださいよ」

アンリエッタ「うん!」



クロウス「……」ボケーッ

アンリエッタ「クロウスさん、クロウスさん」ユサユサ

クロウス「……はっ!?な、何でしょうか竜巫女殿…!」

アンリエッタ「あそこの東屋でレビュオスを待ちましょう!」

クロウス「わ、分かりました…」


クロウスはアンリエッタと外にある休憩所で椅子に腰かけてレビュオスを待つことにした。

今のアンリエッタはお風呂上がりという事もあり、普段のお団子ヘアを解いていて頭には竜の角らしきものが生えているようだ。


クロウス(髪飾り……という訳ではないよな)

アンリエッタ「あっ……これ、気になりますか?」

クロウス「すみません、ジロジロと見るような真似をして…」

アンリエッタ「いえいえ、外の人から見れば珍しいと思うのは間違いでは無いので…」

アンリエッタ「私たち竜巫女の一族は遥か昔に龍神と契りを交わし、偉大なる竜の力を受け継いだと伝えられています」

アンリエッタ「私はどうやら古き一族の血が強く出た見たいで先祖返りが起きたんです」

クロウス「そうだったのですか…」

クロウス(……これを機に竜巫女殿と色々お話してみるか?)



アンリエッタとの交流内容(クロウスやアンリエッタに言わせたい事や聞きたい事、一緒にやりたい事の内容など)
↓1から↓2で募集して組み込める内容を拾ってきます(流れ的に無理がある場合は拾わない可能性あり)


クロウス「レビュオスとの付き合いはどれぐらいになるんですか?」

アンリエッタ「レビュオスですか…?んー……私が7歳の時からレビュオスが兵士になったので大体12年前ぐらいですね…」

クロウス(12年前……俺はもうとっくに騎士になっていて姫様をお守りしていたぐらいか)

アンリエッタ「当時の私はこの角や翼が理由で周りの同年代の人たちから苛められていたんです、だけどレビュオスは…」






クソガキa「おまえ、父ちゃんも母ちゃんも人間なのになんで角とか翼生えてるんだよー」

クソガキb「きもちわるっ!うつったりしたら嫌だから来るなよ!」

アンリエッタ(7歳)「うぅ……ひぐっ、ぐすんっ」

子供の母親「こらアンタ達!!巫女様になんて口の聞き方をしてるんだい!!!」

クソガキa「だって母ちゃん!こいつヒトなのに角生えてるんだよ!」

クソガキc「それにコイツばっかりいつも贔屓されててムカつくし!」

子供の母親「アンタらねぇ…!!」イライラ

アンリエッタ(7歳)「あっ……ぐしぐし…い、良いんです!わたし、気にしてたりはしてませんから…!!」ニコーッ

子供の母親「ですけど巫女様…」

クソガキb「トカゲ女がまた大人にごますりしてるー」

アンリエッタ(7歳)(そんなつもりじゃないもん……わたしは…わたしは……!)プルプル




レビュオス(21歳)「くぉら!!クソガキども!!巫女様になに不敬を働いてんだ!!!」


ゴンッ!! バキッ!! ドガッ!!


クソガキa「いってぇーーー!!!」

子供の母親「ちょっ、ちょっとアンタ!幾らなんでも子どもを殴るのはやりすぎでしょうが!!」

レビュオス(21歳)「やかましい!!親なら親で子供の躾ぐらいちゃんとしろ!!」

アンリエッタ(7歳)「へ、へいしさん……ケンカはダメですよぉ!」

クソガキa「またコイツばっかり贔屓されんのかよ!!」

クソガキb「くっそー、しんぺー(新兵)の癖に生意気だぞぉ!!」

クソガキc「そ、そうだそうだー!市民への暴力は兵士がすることじゃないだろ!」

レビュオス(21歳)「ほぉ…まだほざくかクソガキ…」パキッポキッ

クソガキa「うっ…!」

レビュオス(21歳)「ちなみにだが……仮に巫女様がオマエらに全く同じことをしようもんなら、俺は容赦なく同じ様に巫女様にゲンコツをかますからな」

アンリエッタ(7歳)(えっ…!)ゾワッ

レビュオス(21歳)「それでも贔屓だのなんだの言うならもう一度説教してやるからそこに正座するんだな…!」

クソガキa「ち、ちくしょー!覚えてやがれ!!」タッタッタ

子供の母親「あんたねぇ…もう父親になってるんだからもうちょっと大人になりなさいよ!」

レビュオス(21歳)「大人だから叱ってやったんだろ、アンタの代わりにな」

子供の母親「まったく、どっちが子どもなんだい…」ブツブツ



レビュオス(21歳)「……ようやくいったか…さて」クルッ

アンリエッタ(7歳)「あっ……あ…!」ガタガタ

レビュオス(21歳)「ここ、腫れてるじゃないですか…俺のハンカチで良ければ巻いてください」スッ

アンリエッタ(7歳)「え…?」

レビュオス(21歳)「あのクソガキどもめ…好きな子苛めも大概にしろってんだ」

アンリエッタ(7歳)「あ、あの…兵士さん……わたしのつのって、変じゃありませんか…?」ビクビクッ

レビュオス(21歳)「角?俺はむしろカッケェって思ってるぐらいですけど」

アンリエッタ(7歳)「かっ…カッコいい…って///」

レビュオス(21歳)「こんなの新兵の俺が言うことでも無いと思うんですけど…巫女様はもっと自信を持って行動した方が良いと思います!」

レビュオス(21歳)「そうしたらきっとアイツらの方から仲良くしてくださいって言ってくるに違いないですよ!」ニィッ




アンリエッタ「それから私はレビュオスの様に堂々とする様に心がけるようになったんです」

アンリエッタ「この角も今ではそんなに嫌じゃなくて……でも小さい時にレビュオスが『そんなに気になるなら自信が出るまで隠しておけばいい』って言って今のお団子ヘアーしてくれたんですけどそっちも気に入ってて…♪」ニコニコ

アンリエッタ「知ってますか、昔のレビュオスって今よりもずっとヤンチャで…」

あっ、なぜか33歳と勘違いしていた…失礼しました。
すみませんが各自で脳内補完しておいてください…。



クロウス「はは、レビュオスもそんな一面があったんですね」

クロウス(なるほど…竜巫女殿が慕うわけだな)

レビュオス「お待ちどー、ん…どうかしたのか二人とも?」

アンリエッタ「ふふふ、別になんでもないですよー?」

クロウス「そうだな……竜巫女殿、レビュオスも」

アンリエッタ「何ですか?」

クロウス「……シルヴェロギアっていいとこだな」

レビュオス「…何をいまさら」ニッ

アンリエッタ「ええ、自慢の故郷です!」



レビュオスとアンリエッタの間にフラグ②が立ちました。


レビュオス、アンリエッタとの交流で手に入れるボーナスを↓2でひとつ選んでください。

①混浴イベントの解禁(交流場所が竜泉境にて任意で発生させる事が可能になる)

②アンリエッタのフラグ①を入手する。

③次回の戦闘安価にて特殊スキルが発動する。(【竜の加護】次の戦闘時、勝利判定までのコンマの誤差+-10以内なら勝利扱いにする)


───フローリア視点───



フローリア『い"だいっ!!あぐっ!いぎ、できなっ!!あ"っ!!やめで!!もうやめ"てぇえ!!!』



フローリア『はへっ♥ あっ♥ あ"ーっ♥ りゃめぇ♥ はひ、ひぃい♥ たしゅけてぇ♥ たしゅけてぇ、くりょうすぅううう♥』






フローリア「いやあぁっ!!!」ガバッ


目を覚ますと寝汗にまみれて寝巻が肌に張りつく感覚が気持ち悪かった。

やがて呼吸が整っていくと同時に悪夢にうなされていた事に気づく。


フローリア「あっ……はぁ…はぁ……また、同じ夢…」

フローリア(違う……夢なんかじゃない、あれは本当にあった出来事…)

フローリア(だけどみんなは知らない…私しか、私しか覚えていない……!!)クシャッ


竜鱗炎による症状は既にだいぶ治まっていたが、心に刻まれた傷痕は時間が経つ毎により深まっていく。

人知れず深まっていく闇にフローリアはやりどころの無い恐怖に身が竦み上がっていた。



フローリア自由行動1回目(残り3回)
↓2でフローリアの行動を選んでください
 ※現在、フローリアの一部の行動に制限がかかっています。


①誰かと交流しに行く(二人まで、場所の指定も可)
 クロウス>>7、ジェニファー>>96、リトア>>524、レビュオス>>588、アンリエッタ>>613

②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


シルヴェロギアSPOT
【竜遇宮・庭園】【修練場】【武具防具店】【飲み屋街】【竜泉境(温泉)】【キャラバン商店】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。


手持ちのフラグ(フローリア)
クロウス×1
ルル×2

他男性キャラのフラグ
レビュオスとリトア×1
レビュオスとアンリエッタ×2



フローリア(………はぁ)


街は祭りも目前で賑やかになっていた…。
しかしフローリアの表情は暗く沈んでいる。

少女一人で背負うには余りにも辛い現実、しかし到底人に話せるような無いようでは無く抱え込むしかない。

せめて人前では普段通りの自分らしくいようと気持ちを無理やり切り替えていく。最近はそういった行動を取るのが半ば日課になりつつあった。


フローリア「…………よしっ」

クロウス「姫様?」

フローリア「あっ…クロウス」


意気込んで部屋を出ると、そこにはいつも自分の傍らに居てくれる護衛の騎士の姿があった。

何故だか目を合わせづらく、フローリアは目線を反らしながらクロウスに話しかける。


フローリア「ど、どうしたの…クロウス?こんなところで…」

クロウス「自分は姫様の護衛ですよ、何もなければ姫様の側にいるのは当然です」

フローリア「うん、そうよね……でもごめんなさいクロウス、今日も自由にしてくれていいのよ?」

クロウス「……それは命令ですか?」

フローリア「……ええ、そうよ」

クロウス「そうですか……なら」


クロウスは何かを考え込んでいたが、フローリアの前に跪くと手を取り優しく語りかけてくる。


クロウス「少しだけフローリア様のお時間を頂いてもよろしいですか?」スッ

フローリア「え…?」

クロウス「今はただ、久しぶりにフローリア様の側に居たいのです、それが俺の望む自由です……駄目ですか?」

フローリア「そ、そんなことはないわ…!!」


久しぶりに名前で呼ばれた事もありなぜか心がドキドキして落ち着かなかった。

本当は人気の無いところで一人で居ようとしていたのだが反射的にクロウスの誘いに答えてしまった。



クロウスとの交流内容(フローリアやクロウスに言わせたい事や聞きたい事、一緒にやりたい事の内容など)
19時30分から↓1から↓3で募集して組み込める内容を拾ってきます(流れ的に無理がある場合は拾わない可能性あり)

※内容次第ではフローリアの心の闇が取り除かれます。

一人になろうとしてたっぽいし逆に皆で集まってお食事とか。姫様は一人じゃないから心配するな的な

温泉に誘う


今日はちょっと更新できそうにないので終わりにします。

たぶん>>878>>880どっちかの展開に絞ると思います。どっちにするかはまだ悩み中。
それでは次の更新で。

同じ壁に背中をくっつけてお話みたいなの雰囲気出て好きだけど混浴望む人の方が多そう

今夜の21時ぐらいから再開していきます。

混浴イベはわりとどちらでも良いみたいな反応なのでこのレスのコンマが偶数なら混浴、奇数なら>>890みたいなシチュで話を書き進めていきます。
それではまた。



かぽォーー~ん……


フローリア「はわぁ…」ザプン


クロウスに連れられるがままに来たのは前日にクロウスがレビュオスとアンリエッタの三人で来た温泉だった。

クロウス同様、外での入浴などした事の無かったフローリアは温泉の気持ちよさに少しだけ気分が良くなっていく。


フローリア(凄いです……身も心も溶けてしまいそうな………これが露天風呂、というものなんですね)

クロウス『フローリア様、ご気分はどうでしょうか?』

フローリア「へぇっ!?く、く、くろうす!?ど、どこにいるんですか!?」ザバッ

クロウス『ここは竹の策を隔てて男の湯もあるんです、俺はこちらの湯に入らせてもらってます』

フローリア「え、あ……そ、そうでしたか…///」チャプンッ

クロウス『実は昨日レビュオスから教えてもらいまして……気に入ってしまったのでフローリア様にも体験して貰いたかったのです』

フローリア「そうだったのですね、でも確かに……クロウスが気に入るのも分かります。外で入る温泉って……とても心地の良いものなんですね」

クロウス『はは、フローリア様にも気に入って貰えて何よりです』

フローリア「はい、私もとても気に入りました…!」


柵に隔たれど、心に隔たりは無いように……二人はかつての城で過ごしていたように飾らない言葉と心を交わしていく。

しかしやがて言葉も少なくなり、口火はクロウスの方から切られることになる。


クロウス『……フローリア様、何か俺に隠していることはありませんか』

フローリア「……っ!」

クロウス『最近のフローリア様は抱えきれないような何かを背負い込んでる様にしか見えません、だからこのような機会を設けさせてもらいました』

フローリア「わ、私はなにも隠してなんか…」

クロウス『……俺にとってはフローリア様は護るべき大切な御方です』

クロウス『ですが護るべきはその御身だけでなく、出来うることなら貴女の心も御守りしたいのです…』

クロウス『俺が頼りないのなら言わなくても構いません、ですがせめて俺じゃなくルルやジェニファー、竜巫女殿やレビュオス、リトアでもいい……貴女一人で抱え込まないでください』


フローリア(……クロウス)ウルッ


クロウスの自分を大切に想ってくれている言葉にフローリアの目頭が熱くなる。

しかし、どこまでも誠実な彼にいったいどこまで説明すれば良いのだろう。

ひょっとしたら責任感の強い彼に更なる重荷を背負わせてしまうのでは無いのか。

しかし……フローリア自身もまた、心に限界を迎えつつあるのも事実であった。

出来ることならこの苦しみを今すぐにでも吐き出したい、それは嘘偽りの無いフローリアの本心でもある。


フローリア(わたしは……わたしは…!)


時戻しの事実をクロウスに伝えますか?
↓1から↓5でクロウスに教えるかどうか

①全てを打ち明ける
 (フローリアの心の闇が取り除かれる。代わりにコンマ判定でクロウスが…)
②大切だからこそ……答えられない
 (フローリアの心の闇はそのまま。純愛えっちが封印され、放置してると恐ろしいことに…)

夜中の報告で失礼します、明日は一日完全に用事無いので昼前ぐらいから更新していきます。
待たせてしまって申し訳ないです…。

少し遅くなりましたが再開していきますー。


フローリア「………あの、ね……信じてくれなくてもいいの……私自身も信じられないような事だから…」


フローリアはゆっくりと……クロウスに自分が体験した出来事を話す。

蒼湖の岩洞で言いつけを守らず、自分が飛び出したせいでクロウスを死なせてしまい自身はカエルの魔物に凌辱されオタマジャクシを産まされてしまったこと。

ジェニファーと共に霧雨の湿原ではぐれた際にマッドスキュラの巣に連れ去られ、同じく捕らえられていた男とスキュラに膣穴とお尻の両方を犯されたこと。


そしてその窮地をペンダントに秘められた不思議な力………時を戻すという魔法とは別種の力によって自身の体験した記憶以外の全てが直前のところまで戻るという普通では到底信じられない出来事だった。

全てを話し終えるまでフローリアの声はずっと震えたままだった。

時折漏れる嗚咽を必死に隠そうとしたが、途中からは止められなくなった。


フローリア「ごめんなさい…私はもう、二度も辱しめを受けてしまったの……」

フローリア「クロウスが必死に守ってくれてたのに……!私は…私が勝手な真似をしちゃったから…!!」グスッ
 
フローリア「ごめんなさい………ひっく、ほんとうにごめんなさぃ……!!」ポロッ…ポロッ…


クロウス(………そうか)

クロウス(それはそんな事、誰かに話す事なんて出来るわけが無い…!)


泣きじゃくる主の懺悔を聞き、クロウスは…。

↓2でクロウスがフローリアにかける言葉
↓3のコンマでクロウスの精神状態


一の桁が奇数
 己の弱さを悔いつつも今よりも強くなりたいと願うようになる(次回の戦闘安価にてバフ系のスキルが発動するようになる)

一の桁が偶数 
 フローリアを護れていなかった事実に己の不甲斐なさを呪うようになる(次回の戦闘安価にてデバフ系のスキルが発動してしまう)


クロウス(情けない……情けないぞクロウス)

クロウス(俺が弱いせいでフローリア様が傷ついておられる……それを受け止めずしてなにが騎士だ…!!)


クロウス「フローリア様、辛いのにお話して頂きありがとうございます…!!」

クロウス「そして俺が不甲斐ないばかりに姫様をお護りできなくてすみませんでした…!」

フローリア「ち、違うの…クロウスのせいじゃない……わたしが…」

クロウス「今後は姫様に時を巻き戻させる様な事態には陥れません……俺が必ず姫様を護り抜きます!」

クロウス「だから泣かないでください……俺も国王様たちも皆、フローリア様の笑顔が好きなのですから」

フローリア「……っ、くろ、うす…!」


正直なところ、嫌忌されたり気味悪がられたりするのでは無いかと思っていた。

しかしこの男は否定したりもせず、信じて受け止めてくれた。フローリアはどこかずっと傍で支えてくれていた騎士さえも信じられなくなりかけていた自分を恥じていく。


フローリア(ああ……そうだ、クロウスはこういう人だったよね)

フローリア(いつでも私の事を考えてくれて……わたしは、なんでこの人の事まで信じられなくなっていたんだろう)

クロウス「ふ、フローリア様……大丈夫ですか?のぼせてたりしないですか…?」

フローリア「大丈夫よクロウス……ごめんなさい、少しだけ時間をちょうだい…」チャプ…

フローリア(この人は私に勇気を……暖かさをくれる、だから信じよう)

フローリア(過去は変えられなくても未来は変えられる、だからたとえ何が起きても大丈夫だと信じるの…!)


お風呂から上がり、二人は休憩所にて顔を会わせる。

泣きじゃくった痕こそあれど、フローリアはどこかスッキリとした面持ちでクロウスを迎えた。


フローリア「温泉、暖かかったですね…クロウス!」

クロウス「ええ、そうですね…」

フローリア「こんなに気持ちがよかったなんて思わなかったわ……また来てみてみたくなっちゃった」

クロウス「はは、そこまで気に入っていただけるとレビュオスも竜巫女殿も喜ばれますよ」

フローリア「……クロウス、私もっと強くなるね」

フローリア「どんな目に遭っても貴方なら助けてくれる……だけどそれだけじゃなく、貴方を助けられるぐらいに私も強くなるから」

クロウス「姫様……」


フローリアはそっとクロウスの肩に頭を預ける、幼い頃から辛くなったときはいつもこうやってクロウスに寄っ掛かって慰めてもらっていたからだ。

クロウスはフローリアの頭をそっと撫で、心の内で更なる決心を固める。


クロウス(もうこの人に悲しい思いや、怖い思いをさせたくない…)

クロウス(もっと強く………今の自分の強さに満足するな!誰よりも俺が姫様を護れるように強くあらねば…!!)


クロウスとのフラグ②を手に入れた。
スキル【不撓不屈の剣】(1度だけ判定に負けてもこちらの行動選択時コンマが相手より高ければ勝利扱いにする)


フローリア自由行動2回目(残り2回)
↓2でフローリアの行動を選んでください


①誰かと交流しに行く(二人まで、場所の指定も可(竜仙境は選択不可))
 ジェニファー>>96、リトア>>524、レビュオス>>588、アンリエッタ>>613

②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


シルヴェロギアSPOT
【竜遇宮・庭園】【修練場】【武具防具店】【飲み屋街】【竜泉境(温泉)】【キャラバン商店】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。


手持ちのフラグ(フローリア)
クロウス×2
ルル×2

他男性キャラのフラグ
レビュオスとリトア×1
レビュオスとアンリエッタ×2

不撓不屈の剣って各戦闘毎に使用できるのかな?

>>922
ひとまずシルヴェロギア編終了までは継続可能です。
ですが他のバトルスキルを手にいれる場合、そのスキルとの入れ替えになる予定です。


クロウスと別れたフローリアは街の中を出歩いてみることにした。

気持ちの切り替えは出来たのか、改めて見歩いていくとミクトラムともナールとも違う異国情緒に溢れたシルヴェロギアの景観はフローリアの好奇心を刺激していった。


フローリア(東方の国々の街並みは本で見たことがありますけど…それに近い文化なのですね)

フローリア(今までこんな事にさえ気づけなかったなんて……私は凄く勿体ない事をしてましたね…)


幾ばくか心の余裕ができたフローリアはシルヴェロギアの街並みを楽しむことにした、するとそこに…。


アンリエッタ「あ……フローリアさん!」

レビュオス「やっ、お姫様お元気ですかい」

フローリア「あ……竜巫女様、それと兵士長様」

レビュオス「俺の事はレビュオスで良いですよ、肩書きで呼ばれるのはどうにも苦手なんでね」

アンリエッタ「私もアンリエッタで良いですよ、同じ国の上に立つもの同士仲良くしましょう」

フローリア「えっと……ありがとうございます、アンリエッタ様、レビュオスさん」

アンリエッタ「んー……様付けも無くても良いんですが」

レビュオス「はは、そこは公務中ですし我慢しときましょ。幾ら俺たちが庶民派だからといって他国の人間に呼び捨てで呼ばれるのを嫌う人も中には居ますでしょうからね?」

フローリア「お二人は今日はお仕事なんですね、なら私があまりお邪魔する訳には…」

レビュオス「まぁそう言わずに、街の様子を視察するだけなんでそんな大したことでは無いですし」

アンリエッタ「そうですよ、それに私は…」


ぐぅーーー~……


アンリエッタ「あ、あう……///」

レビュオス「ぷっ、はっはっは!うちのお姫様の腹太鼓は盛大な音がするな!」

アンリエッタ「も、もぉ!レビュオス!調子に乗りすぎです!!」プンスコ



フローリア「あはは…」


アンリエッタとレビュオスの主従の差など関係ないようなやり取りに自分とクロウスを重ね、思わず笑みが出る。


レビュオス「折角ですしそこの団子屋で菓子でもつまんで行きますか、巫女様好きでしょお団子?」

アンリエッタ「確かに好きですけど今は公務中………いや、お腹が減っては戦ができぬと言いますし…ううん」

フローリア「あの、お二人が良ければ私も同席してもよろしいでしょうか?」

アンリエッタ「フローリアさんまで……な、なら仕方ないですよね?間食ですが必要なエネルギーですし、うん!」



アンリエッタ、レビュオスとの交流内容(フローリアやレアンリエッタ、レビュオスに言わせたい事や聞きたい事、一緒にやりたい事の内容など)
↓1と↓3で募集して組み込める内容を拾ってきます(流れ的に無理がある場合は拾わない可能性あり)

ワンチャン無くてすみません…。

本日もちょびちょび再開していきます、フローリアの自由行動終わらせられるかなぁ?


レビュオス「おばちゃん、みたらしとゴマ餡と三色!それぞれ一本ずつ三皿よろしく!」

団子店主「はいはい、まったくせっかちなのは昔から変わらないねぇ…」

アンリエッタ「すみません、急にお邪魔しちゃいまして」

フローリア「お、お邪魔します!」

団子店主「あら……あんた巫女さまだけじゃなくこんなべっぴんさんまで引っかけたのかい!?」

レビュオス「いや言い方よ!?別にこの娘はそんなんじゃないからな!?」

アンリエッタ「むむむ…」

フローリア「ど、どうしましたかアンリエッタ様…!?」

アンリエッタ「いえ、何でもないです…」


フローリアはお盆の上に乗っけられたお団子をまじまじと見る、ミクトラム王国には無い変わったお菓子だ。


フローリア「はむっ……んぐっ、もふっ」モグモグ

レビュオス「ほらお茶ですよ、よく噛んで飲まないと喉詰まらせちゃいますからね」

フローリア「ごくん…あ、ありがとうございます…!凄く美味しいです、このお団子!」

アンリエッタ「お気に召して頂いて何よりです♪」


フローリアは初めて食べるお団子の味……何よりもっちりとした食感にとても感銘を受けた。

城に居た頃では味わえなかった食感だろうと思い夢中で頬張っていく。


レビュオス「ここいらの子どもはだいたいここの団子を食べて育つからなぁ」ナデナデ

フローリア「んふぇ!?」ビクッ

アンリエッタ「れれれレビュオス!?何してるんですか!?」

レビュオス「ん、ああすまない…!つい昔を思い出してな」パッ

アンリエッタ「仮にも一国のお姫様に何をしてるんですか……!!もう…!」

フローリア「あ、いや、私は平気ですよ?撫でられるのは慣れてるというか、ついさっきも撫でられたと言うか…」

レビュオス「ほほう?やるなクロウスくんは…」

フローリア「だ、誰もクロウスとは言ってませんよ!?」

アンリエッタ「うう…羨ましい…」シュン




レビュオス「そういえばフローリア嬢は魔法を使えるようじゃないですかい、どんな魔法を使えるんですか?」

フローリア「えっと…私のは軟化魔法と言って対象を柔らかくする魔法です、主に防御にしか使えませんが…」

アンリエッタ「羨ましいです、私は先祖の血が邪魔して魔法を扱えない体質なので…」

レビュオス「俺は小難しい事は嫌いだから覚えようとも思わなかったな…」

アンリエッタ「それにしても軟化魔法ですか…硬化は聞きますが柔らかくする魔法はあまり聞いたことが無いです」

レビュオス「この団子に魔法をかけたらもっとモッチモチになるかもな」


何気なくレビュオスが言った言葉にフローリアはハッと電流が走ったかのような反応を見せる。


フローリア「料理に魔法…!それは考えたことも無かったです…!」

レビュオス「いやぁ流石に冗談ですよ、お姫様にそんな事で魔法を使わせるわけには」

アンリエッタ「もちもち団子……美味しそう…!!」ジュルリ

レビュオス「って巫女様は案外乗り気ですかい!?」


フローリアは自分の三色団子に軟化魔法をかけてみた。

見た目の変化などは見受けられなかったが、もちもちした団子にふわっとした食感が加わり新しい味わいが生まれていた。


アンリエッタ「ん、んん~~!おいひぃー♪」

レビュオス「お、コイツは中々…」モグモグ

団子店主「あれま……この道何十年とやってたけどこれは新食感だねぇ!」

フローリア「ほっ、加減を間違えちゃうと逆にふにゃふにゃになっちゃうんですけど成功して良かったです…」

団子店主「アンタうちで働かない?綺麗だしうちの看板娘になれると思うんだけどねぇ」

フローリア「え、ええ!?」


団子屋さんにまさかのスカウトをされるものの旅の途中ということで丁重にお断りしたフローリアであったが、お店の制服は和の優雅さもあってちょっと良いな思った。

こうして久しぶりの和やかな時間は過ぎていく…。


レビュオスとアンリエッタのフラグ判定(ゾロ目は61~98の判定になります)
↓1のコンマのフラグを入手

01~30 レビュオスのフラグ①
31~60 アンリエッタのフラグ①
61~98 両方同時ゲット


レビュオスとのフラグ①を手に入れた。
レビュオスとアンリエッタの間にフラグ③が立ちました。(えっちイベントの解放はまだ先になります)



フローリア自由行動3回目(残り1回)
↓2でフローリアの行動を選んでください


①誰かと交流しに行く(二人まで、場所の指定も可(竜仙境は選択不可))
 ルル>>79、ジェニファー>>96、リトア>>524

②一人で行動する
 (どこで何をするか、自由安価)


シルヴェロギアSPOT
【竜遇宮・庭園】【修練場】【武具防具店】【飲み屋街】【竜泉境(温泉)】【キャラバン商店】etc…
※あくまで参考です、こんな場所あれば良いんじゃない?というのがあれば安価に書き込んでください。


手持ちのフラグ(フローリア)
クロウス×2
ルル×2

他男性キャラのフラグ
レビュオスとリトア×1
レビュオスとアンリエッタ×3


フローリアはアンリエッタ達と別れそろそろ泊まり先のホテルへ戻ろうとしていた。

すると視界の端にルルの姿を捉え、そちらの方を振り替える。


フローリア「あ……ルル!」

ルル「……」スタスタ

フローリア(あれ、気づいてないのかな…?それにちょっと様子が変…?)


普段から活発な姿を見せるルルであったが、少なくとも今は雰囲気が少し違ってるように見える。

気になったフローリアはルルの後をこっそりと追いかけることにした。


フローリア「あ、あれ…?こっちに行ったと思ったのに…」


ルルを追いかけると彼女は人気の少ない森の方へとどんどん進んでいき、フローリアはルルを見失っていた。

しかし諦めずに周りを見渡していると、そこには立ちながら瞑想をしているルルを見つける。

フローリアは声をかけようとするが集中してるルルの邪魔をするのも悪いと思い木陰から様子を見守った。


フローリア(凄い集中力……魔力を練る練習だよね)

ルル「………」


両手で輪を作り、その中で魔力を循環させるこの修練は魔力の流れを掴むための練習法としてナールでは広く知られている方法だ。

ルルの魔力の流れに淀みは無く彼女の魔力コントロールの質の高さが伺える、しかし……。


ルル「………っ」バチンッ

フローリア「ひゃっ!?」

ルル「えっ…り、リア!?いつからそこにいたの!?」


綺麗に流れていた魔力が突然乱れ、弾けるような音にびっくりしてフローリアは思わず声を上げてしまった。


フローリア「ここに着いたのはついさっきで……街で声をかけても気づかなかったので着いて来ちゃったの」

ルル「そっかぁ……いやぁ、お恥ずかしい所を見られちゃったかも!あはは!」


いつもの調子に戻るルルであったがフローリアは何となく違和感を感じたままこの後どうしようかと考える。


ルルとの交流内容(フローリアやルルに言わせたい事や聞きたい事、一緒にやりたい事の内容など)
↓1から↓3で募集して組み込める内容を拾ってきます(流れ的に無理がある場合は拾わない可能性あり)

もしかしてルルとの百合えっちって魔法適性の触診だったりする?

銀竜ってキャラメイクするのかな
もしするなら準備しておきたい

この後ストーリー進むみたいだから書き溜めタイムかな

妹姫の従者は女性でもいいんだっけ

こんばんはー、更新前に少しレス返タイムです。(なお今回はほぼ会話更新のみです、寝オチしたらごめんなさい)


>>944
その予定です、えっちイベついでにフローリアのスロットコンマも取る予定です。

>>945
銀竜はアンリエッタのキャラ安価から構想を得てしまったので作成はしないです。

>>946
モロバレ、遅筆で申し訳ないです。

>>947
妹姫の従者は女性固定ですね、クロウスやフローリアとの関係性なども募る予定ですー。


フローリア「ルル、ひょっとして何か困っていたりするの?」

ルル「え……やだなぁ、私に限ってそんな…!」

フローリア「でもルル……なんだか集中しきれて無かったような気がして、いつものルルならたぶんあんな風に魔力が弾けるようなミスはしないと思ったので…」

ルル「あー…………やっぱりそう見える?」

フローリア「はい…」

ルル「はぁ、だから人気の無いとこで修行したかったんだけどなぁ…」

フローリア「ご、ごめんなさい…」シュン

ルル「気にしなくたって大丈夫!これは私自身の問題だし………あんまり楽しい話じゃあないけど聞く?」

フローリア「うん、私で良かったらルルの悩みを聞かせて?」

ルル「………」


ルルは暗い顔をしたまま、倒木して転がっている木の上にちょこんと座る。

フローリアもルルの隣に座り彼女が喋るまでジっと待つことにした。


ルル「……魔導帝国に裏切り者が居たってことはもう聞いてるよね? あれって実は学院の生徒だったんだよね」

ルル「私その人のこと結構尊敬しててさ、私と比べて人には好かれてるし貴族だからといって差別をするような人でも無かったんだ」


フローリア「……だからその人がナールを裏切ってラジルについた事がショックだった?」

ルル「うん………だけどね、それ以上に私がショックだったのは、なんでナールを裏切ったのか聞いたとき」



ディアナ『それを貴女に聞かれるなんてね』



ルル(あんなゾッとするような冷たい視線をディアナに向けられるのは初めてだった…)

ルル(あれ以来、時々あの光景が脳裏に過ると魔力が乱れることがある……今のとこ戦ってる時は大丈夫だけど、もし戦闘中に魔法が暴発するような事があれば…)


ルル「……だからこれは私が乗り越えなくちゃいけない壁なんだ、いつかナールに戻れた時…私はきっとディアナと向き合って本当の事を……ディアナが何を思っていたのか聞かなくちゃいけないんだ」グッ

フローリア「ルル…」

ルル「だからリアは気にしないで!ただでさえ熱も引いて間もないんだから余り無茶しちゃ駄目だぞ!……って、無茶ばかりしてる私が言えたことじゃないか…あはは」


ルルの決意を聞いたフローリアは少し前の自分を思い出し、自分だけが重たいものを背負い込んでると勘違いしていた事を恥じる。


フローリア(……私だけじゃない)

フローリア(ルルも……きっとジェニファーも、重たい悩みや覚悟を背負ってるのね)

フローリア(それなのに私は自分だけが不幸だと思い込んで鬱ぎ込んでて……本当に私は無知な人間だ…!!)

フローリア「ルル……今の私は、貴女の悩みを一緒に分かち合えるほど強くは無いです……けれど」

フローリア「いつか必ずルルを助けられる自分になります…!」

ルル「リア…」

フローリア「だから、その……せめて我慢できなくなったら私に吐き出しちゃってください。ジェニファーやクロウスに言い出しにくい事とか…」

ルル「……はは、参ったなぁ。リアにはそんなに弱ってるようにみえてたかぁ…」

フローリア「あっ、ごめんなさい…私なんかが…出すぎた事を言い過ぎて…」

ルル「ううん、むしろ嬉しいな……あのさリア」

フローリア「なんですか?」

ルル「ちょーっとだけ……身体預けてもいいかな?」

フローリア「……うん、いいよ」

ルル「えへへ、それでは失礼して…」ポテッ


ルルはフローリアの膝の上に頭を乗せた。
フローリアがルルの頭を優しく頭を撫でていくと次第に安らかな寝息が聴こえてくる。

自分よりも一回り小さいこの身体のどこにこんな強さがあるのだろうと思いながら、ひとときの休息に身を預ける魔法使いをもう少しだけ寝かしておこうと決めた。


ルルのフラグ③(フローリア)を手に入れた。


ルル「はぁー、食べた食べた」

ジェニファー「まったくお行儀が悪いのだから……ソースがまだ口に付いてますわよ」フキフキ

ルル「うむ!くるしゅうない!!」

ジェニファー「何を偉そうに」ビシッ



行商人B「よ、よーし……今度こそフローリアさんに…」

リトア「あら…貴方なにやってるのよ、そんな所で」

行商人B「うわぁ!!…り、リトアちゃん!?」

リトア「お父さんが明日の商売の事で探してたからさっささと行くわよー」

行商人B「う、うわぁ~そんなぁー!!」ズリズリー


クロウス「姫様、そろそろお休みになられますか?」

フローリア「ううん、もう少しだけ起きていたいの……この本をもう少しだけ読み進めていたくて」

クロウス「ならお供致しますよ、いまお茶を貰ってきますね」

フローリア「ふふ、ありがとう」


明日の祭りに向け、皆がそれぞれ思い思いの時間を過ごしていく。

少し浮き足立つような、それでも賑やかなひとときを今は感じたくてフローリアはもう少しだけ起きていることにした。

そこにとある来客がくる。


アンリエッタ「あのぉ…すみません」

フローリア「えっ?竜巫女様…どうしてこちらに?」

レビュオス「俺もいるぞ」ヒョコッ

クロウス「レビュオス、こんな時間にどうしたんだ」

アンリエッタ「実は貴方たちに折り入っての頼みがあってここに来たんです」


クロウス「頼み……とはいったい?」

アンリエッタ「……明日の朝、私と共に竜遇宮の裏手にある霊峰に登って頂きたいのです」

フローリア「霊峰って……あの大きな山ですか?」

アンリエッタ「ええ、説明すると長くなってしまうのですが……私たち竜巫女は代々銀竜様にお仕えするシルヴェロギアにとって重要な役職なんです」

アンリエッタ「その最たる役目は銀竜様とコンタクトを取り、銀竜様の意思や意向を国民に伝えるのも役目の一つとなります」


アンリエッタは手に持っている、銀竜を模した装飾が施されている杖をフローリア達に見せる。


アンリエッタ「この【竜杖】と呼ばれる杖を通して、私たち竜巫女は銀竜様と会話をしているんです」

レビュオス「ちなみに竜杖の力は誰でも出来るわけでは無く、竜の血が流れる者にしか使用できないようだ」

クロウス「ふむ…それが何で俺たちがその霊峰に登る事に繋がるんだ」


アンリエッタ「その……先ほど銀竜様からメッセージを受けとりまして」

アンリエッタ「シルヴェロギアに滞在する異国の姫と直接会ってお話したい……との事です」

フローリア「わ、私が銀竜様と…お話を!?」

アンリエッタ「はい、それとクロウスさんにも付いて来て欲しくて…」

クロウス「ちょっと待ってくれ、さすがに姫様にそんな険しい山道を登らせるわけには…!」

レビュオス「まぁまぁ落ち着いて話を聞けって、別に山を登ると言ってもちゃんと参道を通ってくから魔物の危険も少ないし安全だよ」

アンリエッタ「元々銀黎祭の開催前に銀竜様と直接打ち合わせをするのは毎回の決まりなんです、そして竜巫女と共に兵士長も護衛として付いていくのが恒例なんですが…」

レビュオス「俺は午前中に急な任務が入ってしまってな…だから俺の代わりに巫女様の護衛をしてくれるヤツを探してたんだ」

クロウス「それで俺もお呼びがかかったのか…」

レビュオス「頼むよ、あんたはうちの兵士と比べてもずっと強いし俺も信頼してるからさ!この通り!!」パンッ


クロウス(……正直レビュオスには恩があるし助けにはなってやりたい)

クロウス(しかし姫様を危険から遠ざけたい今、少しでもリスクがあるような行為はあまりしたくは無い…)


フローリア「わかりました、そのお話を引き受けます」

アンリエッタ「本当ですか!?」

クロウス「姫様……大丈夫なんですか?」

フローリア「……正直、私一人だけなら断ってたかもしれません。でも…。」

フローリア「貴方が側に居てくれるならきっと大丈夫だから…」

クロウス「姫様…」

レビュオス「ひゅーひゅー♪お熱いねぇお二方」

クロウス「茶化すなレビュオス……わかった、俺もその話引き受けた」

アンリエッタ「お二人とも…本当に感謝致します!」

レビュオス「祭りは夕方から始まるし朝から上っていれば祭りには十分間に合うさ」

フローリア「はい!そちらも楽しみにさせて頂きます!」



クロウス(ルルとジェニファーには街に居てもらうか…リトア達のキャラバンの手伝いでもさせよう)

クロウス(気がかりはその銀竜とやらの話の内容だな、わざわざ他国の人間である姫様と直接話したいなんて余程のことがない限りはしない事だろ)

クロウス(鬼が出るか蛇が出るか……せめて俺だけでも警戒して行くにこしたことはないな)


翌日の早朝、霊峰に登る者、それを見送る達は竜遇宮裏手の鳥居の前に集まっていた。


ルル「ちぇー、私もドラゴンに会ってみたかったのになぁ」

ジェニファー「クロウス様たちが決めた事なんですからあまり文句は言わないの、それに私たちは私たちでやることはたくさんありましてよ?」

クロウス「商長さん、リトア…すみませんが二人の事をお願いします致します」

行商人A「うむ、こちらとしてもお手伝いが増えるのは嬉しいことだから構わんよ」

行商人妻「気をつけて行くのよ?」

リトア「二人とも帰ってきたらうちのお店に寄って行ってよ、ちょっとだけサービスしてあげてもいいからさ」

フローリア「はい、リトアさん達の商店も楽しみにしてますね」


レビュオス「すまないな、本来は俺が務めるべき役目なのに…」

クロウス「大丈夫だ、姫様を救ってくれた恩もある。これぐらいの事はさせてくれ」

アンリエッタ「レビュオス……」

レビュオス「巫女様、良い子にしてるんですよ?万が一の事があればクロウスの言うことを聞くように!良いですね?」

アンリエッタ「はい、レビュオスも任務頑張ってくださいね!」


霊峰と呼ばれる竜蔵の山はとても高い山脈から連なり、中でも一際高い山の一角が銀竜の住まうとされる神聖なる地である。

本来ならば切り立った険しい崖を素手で登り上がっていかなければいけないが、シルヴェロギアの竜巫女一族に伝わる秘密の参道が存在し三人はそこから地道に山を上っていった。


アンリエッタ「古きよりシルヴェロギアの巫女一族は竜から力を授かるためにこの山を登る事を巫女になるための試練としてされていました」

アンリエッタ「今はこのように整備されていますが昔は獣道も同然で……この山に隠されている山頂に通ずる転移魔方陣を探さなければいけなかったようです」

クロウス「なるほど……それでショートカットする事が出来るんですね」

クロウス(こんな山々をどうやって一日もかからずに登りきるんだと思っていたがそういう事か……)

フローリア「そういえば……銀竜様はどうして私と話がしたいなどと言ったのでしょうか…」

アンリエッタ「私もそれとなく聞いてみたのですが……どうにもはぐらかされてしまいまして…」

クロウス(わざわざ人には言えないような話しか……?いや、そもそも本当に話し合いだけで済むような事なのかも怪しいぞ…)

アンリエッタ「あ……でも安心してくださいね!竜と行っても決して悪い魔物とかでは無いですし!私からすれば気さくでからかい癖のあるお婆ちゃんみたいなものですから!!」アセアセ

フローリア「お、お婆ちゃんですか…?」

アンリエッタ「はい、私には意地悪しますけど基本的には良い人ですから!」

クロウス「はは……竜巫女殿がそこまで仰られるのであれば大丈夫そうですね」

アンリエッタ「勿論です!!……あっ、あれが転移の魔方陣ですよ!」


アンリエッタの指差す方にはナールから逃げるときに使ったのと同じぐらいに古びた魔方陣が洞窟の中に安置されていた。

一同が魔方陣の中央に足を踏み入れると転移の光が三人を包む。


やがて眼を開けると祭壇のような場所に到着しており、崖下から辺り一帯の山脈やシルヴェロギアを一望できる程の高さまで転移していた。


クロウス「ここが銀竜様のいる場所か……?」

アンリエッタ「いえ、銀竜様はもう少し進んだ先の社に居ます」

フローリア「く、く、クロウス…!?あれ…!!」

クロウス「どうしましたか姫さ……うおっ!?」


ワイバーン「ギャオオオォォォォーー…!!!」


フローリアの指差した方を見ると翼の生えた竜が数匹、空を飛んでいた。

ワイバーンと呼ばれる魔物はとても獰猛であり、自身のテリトリーに侵入した生き物は全て補食対象として認識するほど狂暴な魔物として認識されている。


クロウス「姫様…!私の後ろに…!!」


そのワイバーンが今、クロウス達目掛けて滑空して近づき…………そのまま通り過ぎていった。


フローリア「お……襲ってこない?」

アンリエッタ「驚かせてしまってごめんなさい、あの子達は魔物だけど……同時に銀竜様の眷属でもあるの」

アンリエッタ「なので竜の血を受け継ぐ私の側にいれば襲われることはありません、むしろとても良い子たちばかりなの」

クロウス「無許可で入れば侵入者を排除する番人だが、俺たちは客人として認められている……と思ってて良いのですか?」

フローリア「はわぁ…!流石にびっくりしました…!!」

アンリエッタ「ふふ…ちょっと意地悪が過ぎちゃいましたね、もう少し先に進めば休憩できる広い所もありますから先に進みましょう!」


途中休憩を挟みながらアンリエッタの案内で竜蔵の山を更に上へ登っていく、すると岩肌に囲まれているが少し広い場所に出た。

先を見ると鳥居が連なる石階段があり、その先が目的地のようだった。



フローリア「ふぅ…ふぅ…」

クロウス「…大丈夫ですか姫様?やはり病み上がりのお身体ではキツかったのでは」

フローリア「平気よクロウス、今はへこたれているより前を見ていたいから…」

クロウス「……分かりました、ですが無理はせずに本当にダメそうならすぐに私に言ってください」

フローリア「ありがとう……その時は昔みたいにおんぶでもしてもらおうかな?」

クロウス「お、おんぶですか…?」

フローリア「駄目ですか…?昔は私が転んだ時はよくしてくれてたのに」

クロウス「いや、それはまだ姫様がまだ幼い頃の話ですし…!あ、いや、しかし姫様のご命令であれば…」



アンリエッタ(……二人とも、主従の関係と聞いてたけど仲が良いなぁ)

アンリエッタ(……わたしもレビュオスとあんな感じになれてるかな………………えっ?)ピクッ


ほのぼのとした二人のやりとりを眺めていたアンリエッタであったが、自身に流れる竜の血が無意識にこの場にいる自分達以外の存在に気づかせた。



???「ムシャ……ムシャ…」

ワイバーン「」ピクッピクンッ


視線をそちらに向けると……そこには先ほどまで雄々しく空を駆け巡っていたワイバーンが他の魔物に補食されており、凄惨な光景が広がっていた。


フローリア「……ひっ!?」ビクッ

クロウス「こいつ……さっきのワイバーンを喰っている…のか!?」

アンリエッタ「そんな……酷い…!」


その魔物の姿はおよそ竜と呼ぶには程遠く………いや、そもそもこの魔物の姿はクロウスの経験上でも見たことが無く、まるで他の魔物と魔物をツギハギに融合でもされてるかのような異形の姿をしていた。


???「ムシャ…ぐちゃ、ぐちゃっ」

クロウス(なん……だ…!?コイツは…!?魔物………なんだよな…!?)

クロウス「………一応聞きますがコイツはこの山に生息している魔物なんですか?」

アンリエッタ「し、知りません…!!この山には幼いときから何度も登ってますが……そもそも竜型以外の魔物は一匹も見たことが無いです!!」

フローリア「じゃあ………この魔物は、いったい…!?」

クロウス達の前に現れた人造合成魔獣(キメラ)
2時から↓1~↓3の間で募集

【名前】
【生態】
【攻撃方法】
【弱点】

今回の魔物安価を募集して今夜はオチます、そういえばもう少しでこのスレも終わりが近いので近々次スレの準備もしなくては…。

【名前】グリーフキメラ
【生態】果てしない食欲と惨虐さを持つ合成魔獣の一つ。様々な動物や魔物に加えて人間さえも材料とされている
その恩恵として通常のキメラよりも知能や戦況判断能力は高いが、望まぬ姿に変えられた嘆きの感情も強く
五体満足な人間を妬み、じわりと獲物を嬲り絶望させてから捕食する異端さも持つ
【攻撃方法】牙と爪が主だが、複数の効果を持つ毒性の強い尾の一撃も強力
【弱点】他キメラよりも脳が発達しているが、代わりに頭部の防御力が低い。また自身の理解ができない状況に陥ると深い混乱状態となる

【名前】ドラゴンイーター
【生態】竜種を好んで食す風変わりなキメラであらゆる動物を組み込まれた結果「自分は全ての生命の上位捕食者」という思い込みがある
竜相手では当然返り討ちにされることもあるが食欲が優先され捕食に成功した暁には格段に強さを増していく
【攻撃方法】最大の武器は唾液とそれを纏う舌で竜の鱗を溶かす程の酸と一度付着すると粘ついて翼の自由を奪う粘性を持つ
【弱点】粘液を洗い流し以後の付着を妨げる水

【名前】オーガバット
【生態】鬼の身体に巨大な蝙蝠の羽を持つ
飛行能力とパワーを併せ持った戦闘生物というコンセプトで作られたが食欲と性欲が暴走してしまい手が付けられなくなってしまった
なお飛行能力を考慮して素体にはやや細身のオーガが使用されている
メスと見るやたちまち襲いかかって激しく犯し尽くし飽きたら骨まで噛み砕き食欲まで満たしてしまう
【攻撃方法】宙を舞い牙と爪で襲いかかる 超音波で対象の整体機能を狂わせる
【弱点】意外と滞空時間は短い

最近お仕事が忙しくなってきたのもあるけど今後の展開どうしようと悩んでたら一週間経とうとしてました、毎度毎度遅筆ですみません…。

ギリギリ戦闘終わらせられそうなので今から更新始めていきます。

それとモンスター採用は>>963なのですが>>962>>964の案は後の展開で使わせてもらうかもしれません、ご了承くださいませ。


ドラゴンイーター「ぐりゅりゅ…っ!!!」


ワイバーンの死骸を喰らっていた生き物はこちらの存在に気がつくと、威嚇とも取れる鳴き声を唸らし近づいてくる。


クロウス「っ……姫様、どうかお下がりを」

フローリア「ええ……クロウス、どうかご無事で…!」

クロウス「竜巫女様もお下がりください……コイツはかなりヤバそうです!」

アンリエッタ「………っ」ブルッ


レビュオス『万が一の事があればクロウスの言うことを聞くように!良いですね?』

手を震わせながらレビュオスの言葉を思い出すアンリエッタ。

しかし彼女の震えは次第に収まっていき、竜杖を握る手に力が戻る。


アンリエッタ「……いえ、私も戦います…!」

クロウス「なっ…しかし…!!」

アンリエッタ「私とて竜の血を引く者!少しながらも同じ血を分け合う同胞を目の前で殺されて黙って下がるわけにはいきません!」

アンリエッタ「戦い方は心得ております、私はクロウスさんのサポートに回りますので今は目の前の敵に集中してください!」

ドラゴンイーター「ぐりゅりゅ!ぐらららっ!!!」

クロウス「ぐっ…!後でレビュオスにチクらないでくださいよ!!」


────戦闘開始────

【Act.1】

アンリエッタ「…っ!」

クロウス(全く……レビュオスにバレたらしこたま怒られそうだな!気合い入れていくぞ!!)


クロウス達の行動選択
①竜の豪腕を召喚する(チャージ系◯、テクニック系×)
②細かくヒット&ウェイを仕掛ける(テクニック系◯、アタック系×)
③竜の魂を召喚しブレス攻撃(アタック系◯、チャージ系×)
スキル【不撓不屈の剣】(1度だけ判定に負けてもこちらの行動選択時コンマが相手より高ければ勝利扱いにする、シルヴェロギア編終了まで有効)


ドラゴンイーターの行動パターン

00~20 巨体を地面に叩きつけ衝撃波を放つ(チャージ系)
21~60 粘液を撒き散らし行動を制限する(テクニック系)
61~80 鋭い爪を振りかざす(アタック系)
81~99 こちらを無視して竜の死骸をむさぼる(無条件で攻撃を食らう、攻撃パターンが変化する)

↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります



ドラゴンイーター「ぐらららっ!!!」ドシンッドシンッ

クロウス「せいやっ!!」ザシュッ


合成魔獣がその巨体を揺らしながらクロウス達に近づく、クロウスは細かくステップを刻みながら斬りつけていく。

手数で押しながらも危なげなく攻撃を仕掛けていくが、ドラゴンイーターは身体を震わせたのちに口から長い舌を振り回す。


クロウス「よっ……と!」


クロウスは舌の攻撃も避けていくが、滴る唾液が辺り一帯に撒き散らされる。

クロウスは盾で唾液を防ぐがその瞬間、盾の表面がジュウジュウと音を立てながら溶けていた。


クロウス「ちっ…何か嫌な予感はしていたがそういう攻撃か」

ドラゴンイーター「ぐるるらぁあららっ!」ドシンッドシンッ


その動きは怒りを表現しているのか、または餌を見つけた喜びなのか。
雄叫びを上げながら合成魔獣は更にクロウス達に攻撃を仕掛けにいく。


───クロウスの勝ち───
    1 2 3
クロウス◯
合成魔獣 ×


【Act.2】

フローリア(クロウス…)

クロウス(こんなヤツに姫様を傷つけさせる訳にはいかない…!!本気で潰してやる…!!)


クロウス達の行動選択

①竜の豪腕を召喚する(チャージ系◯、テクニック系×)
②細かくヒット&ウェイを仕掛ける(テクニック系◯、アタック系×)
③竜の魂を召喚しブレス攻撃(アタック系◯、チャージ系×)
スキル【不撓不屈の剣】(1度だけ判定に負けてもこちらの行動選択時コンマが相手より高ければ勝利扱いにする、シルヴェロギア編終了まで有効)


ドラゴンイーターの行動パターン

00~20 巨体を地面に叩きつけ衝撃波を放つ(チャージ系)
21~60 粘液を撒き散らし行動を制限する(テクニック系)
61~80 鋭い爪を振りかざす(アタック系)
81~99 こちらを無視して竜の死骸をむさぼる(無条件で攻撃を食らう、攻撃パターンが変化する)

↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります


ドラゴンイーター「ぐらっばぁっっ!!!」


びちゃびちゃと粘液状のよだれを撒き散らし続け、クロウスは攻撃を避ける事に手一杯になっていた。

まるで酸の雨が降り注いでいるような状況であったが必死に避けるしか為す術は無かった。


クロウス「うおっ!?……くっ、拉致が明かないな…!」

アンリエッタ「クロウスさん!そのまま突っ切ってください!」

クロウス「そうしたいのは山々なんですが…!さすがにこの汚ならしい唾液を当たらずにはちょいと危険ですね……って危なっ!」ヒョイッ

アンリエッタ「ご安心を……貴方の活路は私が切り開きましょう」スチャッ


アンリエッタは杖を横に構えると眼を閉じ集中する。
蒼い焔のようなオーラが彼女を包んだかと思えばオーラは竜の形を成していき、やがて竜の頭の部分から蒼白い焔を吐き出す。


アンリエッタ「竜の息吹(ドラゴンブレス)……!!お願い、焼き尽くして!!」


竜の焔はクロウスに降り注ぐ酸のよだれを燃やし尽くしていく。

その一瞬の好機にクロウスはご了承魔獣目掛けて一直線に駆けていった。


クロウス(ここが勝機……!!キメに行く!)

───引き分け───
    1 2 3
クロウス◯ ー
合成魔獣 ×  ー



【Act.3】


クロウス達の行動選択

①竜の豪腕を召喚する(チャージ系◯、テクニック系×)
②細かくヒット&ウェイを仕掛ける(テクニック系◯、アタック系×)
③竜の魂を召喚しブレス攻撃(アタック系◯、チャージ系×)
スキル【不撓不屈の剣】(1度だけ判定に負けてもこちらの行動選択時コンマが相手より高ければ勝利扱いにする、シルヴェロギア編終了まで有効)


ドラゴンイーターの行動パターン

01~20 巨体を地面に叩きつけ衝撃波を放つ(チャージ系)
21~60 粘液を撒き散らし行動を制限する(テクニック系)
61~80 鋭い爪を振りかざす(アタック系)
81~98 こちらを無視して竜の死骸をむさぼる(無条件で攻撃を食らう、攻撃パターンが変化する)
ゾロ目 判定に関係なくドラゴンイーターの勝利(スキルの効果も無効にする)

↓1でクロウスの行動選択
↓2のコンマで敵の行動が決まります

ゾロ目ってこんなにあっさり出てくるもんなんですね…いやホントビビりました(白目)

という事でフローリア&アンリエッタの敗北陵辱なのですが今日のところは次スレを建て、今後の方針についてご報告して終わらせたいと思うので少々お待ちくださいませ。


こちら次スレの案内になります、書き貯めしてたテンプレが一部消し飛んでしまったので後日追加していきます。

【安価&コンマ】亡国の姫と従者の逃亡記録─第2幕─ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1637252279/)


今後の展開は前に話した通りシルヴェロギアの祭りシーンを挟んでシルヴェロギア編の山場を書いていき、お待たせし過ぎていた妹姫編へと視点を移していきます。
あとどこかのタイミングで各キャラの過去編なんかも書けていけたらなとも思っています。(現状キャラ立ちが薄いなと思ってるキャラが何人かいて情報の保管をしたり愛着が湧いてくれたらなという理由です)

それでは次回の更新からは次スレを使っていきます~。
最後に初期3人娘からのメッセージイラストを置いておいて終わります。(るるじぇには支援絵書いてくれた方のイメージに寄せちゃいました、気分を害したらごめんなさい)

https://i.imgur.com/6rsWzIO.jpg

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月21日 (木) 08:26:15   ID: S:WGAePX

今夜セックスしたいですか?ここに私を書いてください: https://ujeb.se/KehtPl

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