今夜のAなゲスト　天海春香

春香「よ、よろしくお願いします！」

藤ヶ谷「ふふふ…」

春香「え？ど、どうしたんですか？」

藤ヶ谷「いや、緊張されてるなと思って…」

春香「そ、そうですね、それはやっぱり…えへへ」

藤ヶ谷「今日はよろしくお願いします」

春香「はい！それじゃあスタジオに…って、あぇえ！？」ﾄﾞﾝｶﾞﾗｶﾞｯｼｬ-ﾝ

藤ヶ谷「だ、大丈夫ですか？」

春香「は、はいぃ…」

藤ヶ谷「聞いてた通りだ…」

春香「え！？ちょっ！？誰からですか！？」

藤ヶ谷「失礼しまーす」

春香「ちょっと！誰か教えてくださーい！」

ナレーション「A-STUDIO+は、自然と調和する…」

藤ヶ谷「さあ、鶴瓶さん、本日のゲストですけれど…」

鶴瓶「はいはい、あの子やね」

藤ヶ谷「先程、楽屋挨拶でなんと一転び目を見せていただきまして…」

鶴瓶「調子いいんでしょうね」

藤ヶ谷「いいんですかね？」

鶴瓶「でも、僕ね、いまのアイドルの子の中では…うーん、5本の指に入るくらいには好きですね」

藤ヶ谷「あ！そうですか」

鶴瓶「おぉん、いや、もっと言ってもええわ。3本の指に入るくらいやけど」

藤ヶ谷「ちょっとそれは残りの2人が気になりますけれど、今夜は楽しくなりそうですね…それでは、登場していただきましょう！どうぞ！」

春香「お願いしまーす！」

鶴瓶「早速転んだ？」

春香「えへへ、すいません…」

鶴瓶「絶好調やな」

春香「そう…なんですかね？」

藤ヶ谷「楽屋あいさつの後に、765プロのプロデューサーさんが来て、『藤ヶ谷さん、今日の春香…絶好調です！』って」

春香「ちょっと！プロデューサーさん！？」

藤ヶ谷「いやいや、わかんないですけどね」

ナレーション「765プロダクション所属、天海春香、『乙女よ大志を抱け！！』でメジャーデビュー。以降、765プロダクションの中心的存在として、赤羽会館でのライブを皮切りに、西武ドーム、幕張メッセでのライブも成功に導いた。個人としても、映画やドラマへ数多く出演しており、快進撃は止まらない」

鶴瓶「今日は何回こけたん？」

春香「まだ3回ですよ！」

藤ヶ谷「それは…もう3回なのでは？」

鶴瓶「よぉそれでダンスは完璧にできるよな」

春香「うーん、確かにダンスは得意…とまでは言えないですけど、練習中に転ぶことはないですね」

藤ヶ谷「失礼ですけど、意外ですね」

鶴瓶「よおゲストに招いた人にそんなこと言うなぁ」

藤ヶ谷「でも、リーダー…ですよね？」

春香「あー、それよく言われるんですけど、厳密には決まってないんですよ」

藤ヶ谷「え？そうなんですか？」

春香「はい！確かにライブとか公演ではリーダー的なことをやらせてもらう機会は多いんですけど…」

鶴瓶「765プロやったら水瀬とかも多いんちゃうの？」

春香「鶴瓶さん、よくご存知ですね！確かに伊織も多いと思います」

鶴瓶「あいつ気ぃキツいねんなぁ…」

藤ヶ谷「何があったんですか…」

鶴瓶「でもほんま自分はよう人のこと見てるよな」

春香「え？そうですかね？」

鶴瓶「他のメンバーの信頼は絶大やで。特に如月千早」

春香「はい！千早ちゃんとは仲良しですから！」

鶴瓶「『春香が居なければ今のわたしはありません』って言ってたで」

春香「そんな、大袈裟な…」

鶴瓶「ほら、この写真」

写真【鶴瓶と話し込む如月千早】

春香「うわぁ！千早ちゃんだぁ！」

藤ヶ谷「本当に仲良しなんですね」

春香「そうですね、千早ちゃんとは同い年っていうのもあるんですけど…」

鶴瓶「家に泊まりに行ったりもしてるんやろ？」

春香「はい、もう千早ちゃんは気を抜いたらすぐにご飯抜いちゃうんで…」

藤ヶ谷「如月さん、食細そうですもんね」

鶴瓶「ご飯作ってあげるんやろ？泊まり込みで」

春香「作り置きもしていきます」

藤ヶ谷「なんか夫婦みたいですね」

春香「夫婦というより…親子？」

藤ヶ谷「親子？」

春香「だって、本当に食べないんですよ！千早ちゃん！こっちはもう必死ですよ！あれ以上痩せたら死んじゃいますから！」

鶴瓶「なんやえらい工夫してるんやろ？」

春香「そうですよ！食べやすいように切り方変えたりとか、少しの量でも栄養が取れるような調理法試したりとか…」

藤ヶ谷「育児みたいですね…赤ちゃんの…」

鶴瓶「『食事の時の春香は怖いんです』って言ってたで」

春香「そりゃそうもなりますよ！」

藤ヶ谷「でも、レッスンになると逆転するんですよね？」

春香「え？誰から聞いたんですか？」

藤ヶ谷「誰って…ほら、菊地さんですよ」

写真【藤ヶ谷と話し込む菊地真】

春香「真ぉ！？いつ撮ったんですか！？」

鶴瓶「どうでもええけど、この写真えげつないイケメン2人やな」

藤ヶ谷「菊地さんから聞いたんですけど、天海さんは如月さんから地獄のトレーニングを受けてるとか…」

春香「そんな大袈裟な…歌のレッスンに付き合ってもらってるだけですよ」

鶴瓶「それが時間かかるんやろ？」

春香「そうですね…こう、中々難しくて…」

藤ヶ谷「へぇ、意外ですね。僕天海さんは歌が上手いイメージがありました」

春香「コツさえ掴んじゃえばいけるんですけどね…」

鶴瓶「そのコツ掴むポイントが独特なんやろ？」

春香「そう…なんですかね？」

鶴瓶「如月が言うてたぞ『英語の歌詞は天才的なのに』って」

春香「あっ、確かに英語の部分はあんまり直されたことないかもしれません」

鶴瓶「それどころか、あの如月が『どうしても真似できなくて悔しい』って言うてたぞ」

春香「えぇ！？」

鶴瓶「あの如月千早がやで！」

藤ヶ谷「それは菊地さんも言ってました。『春香の「待ち受けプリンス」に勝とうとは思わない』って」

春香「よく言うよ！私が千早ちゃんに怒られてる時に遠くから笑ってるくせに！」

鶴瓶「笑ってんねや」

春香「そうなんです！聞いてくださいよ鶴瓶さん！真ってね！ダンスのイメージが強いと思うんですけど、歌もすっごい上手いんですよ！」

鶴瓶「知ってるよ」

春香「だからすぐに歌えるようになっちゃうんですよ！私は毎回やよいと一緒に千早ちゃんのレッスンを受けるんですけど…」

鶴瓶「あの子も一緒なんかいな」

藤ヶ谷「でも歌以外でも結構癖強いですよね？」

春香「え？他に何かありましたっけ？」

鶴瓶「犬かき」

春香「へ？」

鶴瓶「学校の水泳で一番速かったんやろ？犬かきで。自由形にもほどがあるで」

春香「な、なんで知ってるんですか？」

鶴瓶「なんでって聞いたからや」

写真【鶴瓶と話し込む男子高校生】

藤ヶ谷「これは…どなたですか？」

春香「え？もしかして…前田君？」

鶴瓶「よお覚えてるなあ」

春香「えぇ！？本当に前田君にまでインタビューしに行ったんですか！？」

藤ヶ谷「因みにこの方は…」

春香「幼稚園からの同級生です」

鶴瓶「その幼稚園で大変なことやらかしてるらしいな」

春香「はい…」

藤ヶ谷「一体何を…」

鶴瓶「幼稚園の頃からよく転んでたんやろ？」

春香「はい、その時前に前田君が歩いていて…」

鶴瓶「前田のズボンを…掴んだな？」

春香「はい…」

藤ヶ谷「ええ！？それじゃあ前田君は…」

鶴瓶「パンツ丸出しやがな」

春香「もう本当にごめんなさい！」

藤ヶ谷「そんな頃から転んでたんですね…」

春香「怪我することは無いし、他の人を巻き込むことも無いんですけどね…」

鶴瓶「巻き込まれとるがな！思いっきり！」

春香「だ、だから前田君だけですよぉ…」

藤ヶ谷「それにしても彼、いい笑顔ですね」

鶴瓶「ほんまにええ奴やで、自分のズボンずり下げたやつのCD欠かさず買ってるらしいからな」

春香「えぇ！？そうなんですか！？」

藤ヶ谷「知らなかったんですか？」

春香「言ってくれたら送ってますよ…」

鶴瓶「色々教えてくれたわ。ほんまにええ奴やな彼」

春香「そうですね、前田君に限らずですけど、学校の友達はみんな応援してくれてました」

鶴瓶「普通『アイドルになる』なんて言うたらバカにするやつおるで」

春香「今考えるとそういう人がいてもおかしくなかったんですけどね」

藤ヶ谷「誰もそんなこと言わなかったんですか？」

春香「誰も言わなかったですね、両親にはちょっと最初に反対されましたけど…」

藤ヶ谷「お婆さまが説得してくれたんですよね？」

春香「え？どうしてそれを…まさか…！？」

藤ヶ谷「そのまさかです」

写真【藤ヶ谷と話し込む春香の祖母】

春香「おばあちゃん！？一言もそんなこと言ってなかったのに…」

藤ヶ谷「お婆さまはこの時からずっと天海さんのアイドル活動を応援してくれているそうですね」

鶴瓶「嬉しそうな顔してはるわ」

藤ヶ谷「この大会では優勝されたんでしたっけ？」

春香「いえ、本当に地元のお祭りなので、順位とかはつかないんですよ」

鶴瓶「あぁ、このお姉さんと一緒に出た大会か」

写真【春香と一緒に歌っていたお姉さん】

春香「えぇぇぇえ！？ちょっ！？本当にどこまで取材したんですか！？」

鶴瓶「この人まだ近所に住んではるんやろ？」

春香「そう…ですね、最近はあまり会ってないですけど…」

鶴瓶「妹ができたみたいでめちゃくちゃ可愛かったって言うてはったで」

春香「はい、とても可愛がってもらいました」

鶴瓶「歌も褒められて？」

春香「はい！お姉さんにたくさん教えてもらって、その度に褒められて…お祭りで歌ったらみんな笑顔で…あれが私がアイドルを目指した原点でしたね」

藤ヶ谷「天海さんらしいですね」

鶴瓶「まさかその数年後に同い年に厳しくレッスン受けるとは思わんわな」

春香「あははは、ちょっと鶴瓶さん！」

藤ヶ谷「…と言っている間にお時間です。本日のゲスト、天海春香さんでした！」

鶴瓶の一人語り

鶴瓶「みんながね、彼女のことを『普通の子』やって言うんですよ」

鶴瓶「本当に誰もがそう言った。事務所の仲間も、地元の友達も、家族も」

春香「うーん、確かにそうですよね」

鶴瓶「確かにね、彼女の歌、踊り、上手いですよ。上手いですけど一番じゃない。もっと上手い子なら他になんぼでもおる」

春香「うぅ…」

鶴瓶「でもね、見てまうんですよ」

春香「え？」

鶴瓶「どんなに上手い歌より、どんなに上手いダンスよりも、『天海春香』を見てまうんですよ」

春香「鶴瓶さん…」

鶴瓶「ある子らが言うてましたわ。『はるるんは全力なお方』やって。そんなイメージあります？でも、彼女見てたら何となく納得するでしょ？」

春香「そっか…亜美と真美が…そんなことを…」

鶴瓶「別のある子はこうも言ってたわ。『春香は大甘』やって。『大甘だからこそライバル』やって」

鶴瓶「リーダーには色んなタイプがいますよね。普通は努力してるところを見せるんですよ。けどね、彼女はそれをしないでしょ？ひけらかさないんですよ、天海春香は」

鶴瓶「だからみんながついていく。だから765の真ん中にいる」

鶴瓶「そんなリーダーはね、大人にも居ませんよ。それを17でやってる？凄まじいですよね」

鶴瓶「今日のゲストは、天海春香さんでございました」