ハーフアイドル、アナスタシアの一週間 (34)
・本作での季節は初秋となっております
・書き溜めをどんどん投下していきます
・誤字脱字がありましたらすみません
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― 月曜日 ―
~学校・下駄箱~
アーニャ「」カチャ
アーニャ「ん?」
【アナスタシア様へ】 【アーニャさんLOVE】
アーニャ「アー・・・」
友人A「アーニャおはよう」
アーニャ「おはようございます」
友人A「ん・・・? あらら、またラブレター貰ったの?」
アーニャ「ダー・・・」
友人A「あれ、この人先月もラブレター送ってきた人じゃない? 断ったのにしつこいな~。無視無視!」
友人A「そもそもアーニャもしっかりと断らないとダメだよ! またこうやって送ってくるんだから」
アーニャ「・・・そうですね、気持ちは嬉しいですがアーニャはアイドルです。 次はしっかりと断ります」
友人A「うんうん」
友人A「・・・」
友人A「まぁ、そもそもウチ女子校だしね」
― 火曜日 ―
~事務所~
アーニャ「♪」
比奈「アーニャちゃんご機嫌っスね。なんかあったんスか?」
日菜子「今週の土曜日にPさんと一緒に流星群を見に行くそうですよ~」
アーニャ「ダー♪ とても楽しみです!」
比奈「満点の星空を見上げる男女っスか。漫画とかゲームだったら激アツイベントっスね!」
日菜子「むふ♪ 素敵ですねぇ・・・日菜子も王子様と天体観測してみたいです」ポワポワ~
アーニャ「アツイ? イベント? 夜の山はハロードヌィ・・・寒いと思いますよ?」
比奈「いや、そっちの『暑い』じゃないっスよ?」アハハ・・・
アーニャ「・・・あ、もしかして温まりながら天体観測ができるイベントが日本にはありますか?」キラキラ
比奈「い、いや・・・だからそういう意味じゃないんスよ?・・・ね、日菜子ちゃん?」チラッ
日菜子「―――王子様の手が温かいので日菜子は寒くありません♪・・・・・むふふふ~♪」ポワポワ~
アーニャ「ヒナコとても楽しそう・・・! ヒナ、教えて下さい! 私も知りたいです!」キラキラ
比奈「だから違うんスよ~!」
― 水曜日 ―
~学校~
「アナスタシア様~♪」「アナスタシア様、クッキー作ったので食べて下さい///」「あ、抜け駆けずるーい!」
アーニャ「あの・・・アーニャでいいですよ?」
「そんな呼び捨てなんて!」「できません!」「アナスタシア様と呼ばせて下さい!」
アーニャ「ンー・・・」
ワイワイ・・・ゾロゾロ・・・
友B「アーニャちゃん相変わらず人気だね」
友A「なんてったってあだ名が『王子様』だからね」
友B「私の部活の先輩もアーニャちゃんの事を王子様って言っててビックリしちゃった」
友A「ウチもだよ。多分学校全体に浸透してるんだろうね」
アーニャ「―――、―――」
「―――!」「――――///」「―――♪」
アーニャ「」キラキラ
友A「・・・まぁ、容姿も性格もザ・王子様って感じだもんなー。無理ないか」
友B「この前なんてアーニャちゃんに抱きつかれた女子が倒れちゃったもんね」
友A「あー、体育でバトンリレーした時でしょ? あれにはビックリしたね――――」
― 数日前 ―
教師『一位はBチーム!』
生徒『ハァ、ハァ・・・やった!』
『すごいよ!』『私達一位だよ!』『お疲れ様!』
アーニャ『ウラー♪』ダキッ!
生徒『キャッ!?///』ドキッ!
アーニャ『とても速かったです! カッコ良かったですよ!』ギューッ
生徒『あっ、ありが・・・あ・・・あぁ!///』バクバクバクバク
生徒『』ガクッ
アーニャ『オイ!? どうしましたか!?』ユサユサ!
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友B「満面の笑みで保健室に運ばれる人って初めて見たよね。そういうのって漫画の世界だけだと思ってたから」
友A「それで何が恐ろしいって、本人にその自覚がない事なんだよね。まぁアーニャは素で接してるだけなんだけどさ」
アーニャ「なんのお話しですか?」
友A「お、来たなー。アーニャは皆の王子様だねって話だよ」
アーニャ「アーニャがプリーンツ・・・王子様? アーニャは女の子ですよ?」
友A「やっぱ自覚ないか」
アーニャ「?」
アーニャ「!」ピーン!
ギュッ!
友A「ふぇ!?///」
アーニャ「姫。私と一緒に踊って頂けますか?(低音)」キラキラ
友A「な、何だよその声は!?///」
アーニャ「フフッ♪ アイドル仲間に教えてもらったイケボ? です! どうですか? 今のアーニャ王子様っぽかったですか?」ニコニコ
友A「~~~っ!/// そういうところだよ!///」
アーニャ「?」
― 木曜日 ―
~事務所~
アーニャ「・・・」
『今日の東京は一日、小雨がしとしとと降り続いていました。では明日の予報です―――』
アーニャ「シトーシトー・・・?」
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奈緒「」ペラッ・・・
アーニャ「ナオ、読書中すみません。少しいいですか?」
奈緒「ん? あぁ、読書というか漫画だけど・・・どうかした?」パタン
アーニャ「『シトシト』とはどういう意味ですか?」
奈緒「シトシト?」
アーニャ「天気予報で言ってました」
奈緒「あぁ、それは雨が降っている表現の一つだよ。いわゆるオノマトペってやつかな」
アーニャ「ドーシチ・・・雨? ポツポツとは違いますか?」
奈緒「うーん・・・『しとしと』は小雨が降り続いている状態で、『ぽつぽつ』は雨の降り始めとかに使われる表現・・・かな?」
アーニャ「ンー・・・日本のオノマトペ、難しいですね」
奈緒「確かにややこしいよな。アタシも今の説明で合っているのか分からないし」アハハ・・・
アーニャ「日本のオノマトペもっと覚えたいです。どうすれば覚えられるでしょうか?」
奈緒「そうだな~・・・あ、漫画とかいいんじゃないか?」
アーニャ「マンガ?」
奈緒「漫画にはオノマトペがたくさん使われてるからさ。楽しみながら勉強もできて一石二鳥だろ?」
アーニャ「ハラショー! 素晴らしいアイデアですね! さすがナオです」
奈緒「そ、そうか? いや~、それほどでも」エヘヘ///
アーニャ「アーニャ、マンガはよく分からないのでナオのオススメ聞きたいです」
奈緒「よし、任せろ! 例えば今読んでたこの漫画なんかも読みやすいから結構オススメなんだけど――――」
奈緒「―――! ―――」
アーニャ「―――。――♪」
『―――そして週末の天気ですが、雨は続きそうです。お出かけの際は傘をお持ちください』
― 金曜日 ―
~女子寮・共有リビング~
周子「二人で何してるん?」
紗枝「あ、周子はん」
アーニャ「サエと一緒にテルテル坊主を作っています」
周子「てるてる坊主・・・? あぁ、明日流星群来るんだっけ」
紗枝「せやのに明日は雨が降るいうもんやから、てるてるさんにお願いしましょか~って・・・はい、完成どす♪」
アーニャ「ミーリェンカヤ! サエの作ったテルテル坊主、可愛いです♪」
紗枝「ふふっ♪ ぱっちりお目目でかいらしやろ~?」
周子「あたしも昔よく作ってたなぁ。ふれふれ坊主」
アーニャ「フレフレ? 応援ですか?」
周子「違う違う、てるてる坊主を逆さにしたのをふれふれ坊主って言って、雨が降ってほしい時に吊るすんだよ」
紗枝「そんなんいつ使うん?」
周子「一限の体育が面倒くさくてね~」
紗枝「周子はんらしいわぁ」
アーニャ「効果はありましたか?」
周子「うーん、どうだったかな・・・覚えてないって事は多分効かなかったのかも」
紗枝「お天道さんはちゃんと見とるんやね」フフッ
アーニャ「・・・このテルテル坊主は大丈夫でしょうか」
紗枝「きっと大丈夫どす。アーニャはんの想いはきっとお天道さんに届くと思いますえ?」
周子「もしダメだったら首を切ってやるぞ! って発破でもかけとく~?」フフッ
紗枝「もうっ、周子はんったら。物騒な事言わんといてよ」
周子「冗談冗談~」
アーニャ「首を・・・切る?」
紗枝「民謡にそういうのがあるんよ。もし晴れにしてくれなかったら首をチョンと切るぞーって」
周子「実際にそんな事をする人はまずいないと思うけどねー。まぁでもそれくらいの気持ちでこの子には頑張ってもらおうか」ツンツン
アーニャ「・・・」
てるてる坊主「」ユラユラ
― 土曜日 ―
~女子寮~
みく「・・・」
アーニャ「ダー・・・そうですね、分かりました。ではまた・・・」ピッ
みく「・・・Pチャンなんだって?」
アーニャ「やはり今日は無理みたいです」
みく「・・・そっか」
アーニャ「残念ですが、雨では仕方がありませんね」ニコッ
みく「あーにゃん・・・」
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― 夜 ―
~アーニャの部屋~
ザー・・・
アーニャ「」チラッ
てるてる坊主「」
アーニャ「・・・いじわる」ツン・・・
てるてる坊主「」ユラユラ
アーニャ「・・・」ハァ・・・
アーニャ「・・・――――――――」
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――――― コンコン!
アーニャ「zzz」
コンコン!
アーニャ「zzz・・・・んっ・・・? 机で寝ちゃってた・・・?」
「あーにゃん起きてる?」コンコン
アーニャ「ミク?」
ガチャ
みく「あっ、あーにゃん! 起きてたんだね!」
アーニャ「どうかましたか?」
みく「みくと一緒に来て」
アーニャ「?」
~共有リビング~
ガチャ
キャッキャ! ワイワイ!
みく「あーにゃん連れてきたよー!」
「アーニャはーん」「こっち空いてるよー!」 「楽しみだね~」「うん・・・♪」
アーニャ「みんな集まってどうしましたか? それに布団まで敷いて」キョロキョロ
晶葉「お、来たか」
アーニャ「アキハ、これは一体・・・?」
みく「今からここで流星群の上映会をするにゃ!」
アーニャ「流星群の・・・上映会?」
晶葉「実際に見たほうが早いな。誰か電気を消してくれ」
「はーい」
パチン!
晶葉「では起動するぞ!」カチッ
ピカァーーーー!
アーニャ「!」
「すごーい!」「綺麗ですねぇ♪」「本物の夜空みたい」
アーニャ「天井にズヴェズダ・・・! 星がたくさん!」
みく「わぁ~♪ リビングがプラネタリウムみたいになったにゃ!」
晶葉「晴れている地域の映像を天井に映し出しているんだ。これなら東京が雨だろうと関係ないからな」フッフッフ
アーニャ「もしかしてアーニャのために?」
晶葉「私だけじゃないぞ? 数日前からたくさんのアイドル達から相談を受けていたんだ。みくも含めてな」
みく「あーにゃん前から楽しみにしてたもんね」
アーニャ「ミク・・・」
晶葉「それに私が機材の調整をしている間の準備は寮のみんながやってくれたんだ」
「あ、今光ったよ!」「アーニャちゃん早く早くー!」「アーニャちゃんは特等席だよ」
アーニャ「みんなも・・・」
みく「ほら、あーにゃん。行こっ♪」
アーニャ「・・・」
アーニャ「スパシーバ! みなさん、ありがとうございます! アーニャはとても幸せ者ですね♪」グスッ
― 日曜日 ―
~車中~
モバP(以下、P)「昨日は女子寮のみんなと流星群を観たんだって?」
アーニャ「ダー♪ みんながアーニャのために用意してくれました。とても嬉しかったです」
アーニャ「ただ、プロデューサーも一緒に観れなかったのが残念ですね」
P「まぁ、俺が女子寮に入るわけにはいかないからな」アハハ・・・
アーニャ「・・・」
P「・・・」
P「少し寄り道してくか」
アーニャ「?」
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P「」テクテク
アーニャ「ここはパールク・・・公園ですか?」キョロキョロ
P「この辺かな。ほら上見て」
アーニャ「え?・・・・・・・わぁ!」
P「都内の空にしては結構鮮明に星が見えるだろ?」
アーニャ「プリクラースナ!・・・とても綺麗です!」
P「天気予報では今日一日雨だって言ってたけど、ここ数日の天気が嘘みたいに晴れてくれたな」
アーニャ「ダー、雲一つない綺麗な星空です」
アーニャ「・・・くちゅん!」
P「大丈夫か?」
アーニャ「・・・夜になると、少し寒いですね」
P「もう秋だもんな。車に戻ろうか?」
アーニャ「・・・もう少しだけ。もう少しだけプロデューサーと一緒に星を観ていたいです・・・ダメでしょうか?」
P「」ファサ・・・
アーニャ「あっ、スーツ・・・」
P「ダメなわけないだろ?」
アーニャ「プロデューサー・・・」
P「まだ寒いか?」
アーニャ「ニェット・・・いいえ、暖かいです」
P「なら良かった。少し男臭いかもしれないけどそこは我慢してくれ」アハハ・・・
アーニャ「そんなことありません。プロデューサーのニオイとても安心しますね」ギュゥ
P「そ、そうか・・・」ドキッ
アーニャ(とても暖かい・・・身体も、心も。 ヒナの言いたかった事が少し分かったような気がします)
P・アーニャ「・・・」
P「今度は観ような」
アーニャ「?」
P「流星群。次こそは絶対」
アーニャ「ダー。約束です♪」
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――――――――――――――――――
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~女子寮・共有リビング~
周子「あれ? 雨止んでるじゃん」
紗枝「ほんまやね。今日一日は雨言うてはったけど」
周子「」チラッ
周子「ははーん、さては身の危険を感じたかな?」
紗枝「周子はんが怖い事言うから頑張ったんとちゃうん?」フフッ
周子「仕方ない。今回は及第点として見逃してあげよう」ツン
てるてる坊主「」ユラユラ
終り
― おまけ ―
~学校~
友A「最近アーニャ漫画にハマってるんだって?」
アーニャ「ダー。マンガを読んで日本の事について色々と勉強しています」
友B「今はどんな漫画読んでるの?」
アーニャ「サムライが主人公のマンガです。日本のイストーリヤ・・・歴史の勉強になりますね」
友A「へぇ~、私漫画っていったら少女漫画しか読んだことないや」
友B「私も」
アーニャ「少女マンガも読んだことあります。アーニャと同じ王子様と呼ばれている人が出ていました」
友B「あー、少女漫画ってそういうキャラ結構出てくるもんね」
友A「という事は王子様って呼ばれる存在がどんな人なのか分かったんじゃない?」
アーニャ「ダー・・・勉強になりました」
友A「うんうん。それを反面教師として行動すれば、いずれアーニャも王子様じゃなくて普通の女子として接してもらえるように―――」
グイッ・・・ドン!
友A・B「!?」
アーニャ「・・・」
友A「な、何・・・?」
アーニャ「ずっとオレだけを見てろよ(イケボ)」キリッ
友A「!?///」
アーニャ「これが壁ドン? ですね! どうでしょうか? アーニャもっと王子様っぽくなりましたか?」ニコニコ!
友A「~~~~っ!///」
友A「全然っ分かってない!!!!///」
友B(いいなぁ~)
終り
以上になります!
初めてJaneStyleから立てたので色々と心配でしたが、何とかゴールできました!
こちら前作になります。暇な時にでも読んで頂けたら嬉しいです
大学生、新田美波の一週間
大学生、新田美波の一週間 - SSまとめ速報
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