涼しげな朝
緑の多い並木道を、私はいつものように歩きながら
学び舎へと向かっていた。
小川はそよそよと流れ、小鳥のさえずる声は聞こえ
とても心地の良い朝だ。
私は毎日このようにして歩くのが日課であり、
それをとても心地良く思っている。
「おはよう」
学び舎に着き、教室に入ると、
鹿目まどか。まどかが私に挨拶して話しかけてきた。
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「建物がほぼ壊滅したんですって」
「やだ~。うちももうダメそうね」
「よく、この建物は無事だったわ」
行く人、行く人の声を聞きながら、私は歩きだす。
町は、沢山の建物が壊れ、
道も崩れているところがあるようだった。
それほどの災害が、外で起きていたようだった。
…どれほどの嵐だったのだろう
私は少し思い返してみた。
思い返せば、様々なことが蘇って来た。
…そう、
あの日はワルプルギスの夜が来ていた。
そして、町は壊滅状態になった。
まどか達も居なくなってしまった。
だから、何度も時間を巻き戻し、そうなることを避けようとしていた。
今の私にはもう、時間を巻き戻す力はない。
ワルプルギスの夜も見えなかった。
私が時間を巻き戻す前は、まどか達が私を庇って助けてくれた。
だからまどかは…
まどかはもう…
私は黙ったまま歩いていた。
堪えていないと、私は涙が溢れてしまいそうだった。
私はとある情報室に向かう。
大災害で死人も出て、
行方不明の人や、死人を纏めた名簿もあった。
情報室の人は、私に尋ねた。
「なんだね」
「名簿をお見せしていただけませんか」
「だめだよ。これは簡単に見せられるものじゃない」
「私の知り合いの安否を確認したいんです」
そう言うと、情報室の人は少し黙っていたが、
やがて、ため息をついて、言った。
「今回だけだよ」
私は名簿に目を通した。
思った以上に、人が多かった。
名前を辿りながら、私は少しずつ、知っている名前を探していく。
「鹿目まどかだから、『か』…」
『お』から始まる苗字が過ぎ、『か』へと移る。
私は少しずつ、目を落としていった。
……………
そして…
死人の名簿欄の、か行のところに、私が知っている名前はあった。
「………」
私はしばらく黙っていたが、他の名前も探し、
私は、他の知っている人の名前を見て回った。
一人、一人、名前は載っていた。
私は名簿を返し、また、人通りの多い方へと足を戻す。
分かっていたことだった。
私が時間を巻き戻したのも、それが原因だったのだから。
その後も、まどかが存在しなくなった世界ではなく、存在する世界を探し、それに辿り着いた。
それは、もともと、私が時間を巻き戻過ごし前の世界であった。
その世界では、まどかが皆の記憶から居なくなることもなく、まどかは存在していた。
でも、
まどかはもう…
私は少し涙を流した。
「まどかはもう…亡くなっているのね」
>>78以下訂正
分かっていたことだった。
私が時間を巻き戻したのも、それが原因だったのだから。
その後も、まどかが存在しなくなった世界ではなく、存在する世界を探し、それに辿り着いた。
それは、もともと、私が時間を巻き戻す前の世界であった。
その世界では、まどかが皆の記憶から居なくなることもなく、まどかは存在していた。
でも、
まどかはもう…
私は少し涙を流した。
「まどかはもう…亡くなっているのね」
訂正終わり
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