エリカ「副隊長が筋肉痛になった」 (28)
エリカ「聞いたわよ。貴方学校を休むんですってね」
みほ「うん……筋肉痛で動きづらくて」
みほ「学校にはいけそうにないかなって」
エリカ「はぁ……確かに訓練がキツいのは分かるけどたかが筋肉痛でしょ?」
エリカ「それぐらいで休む必要ないんじゃない?」
みほ「でも全然体動かないし歩くことも出来ないよ?」
エリカ「貴方……本当に筋肉痛なのよね?」
みほ「」コクコク
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みほ「それで……何でエリカさんはここに」
エリカ「隊長に頼まれたのよ。私の代わりに妹の面倒を見てくれって」
エリカ「本当は隊長が休むつもりだったんだけど聖グロとの交流会で隊長が欠席じゃまずいでしょ」
エリカ「それで仕方なく私が貴方の世話役に任命されたわけ」
みほ「そうなんだ……」
エリカ「何よ? その反応。私じゃ不満ってこと?」
みほ「そうじゃないんだけど……その」
エリカ「はぁ……何よ」
エリカ「貴方って戦車道以外は本当に頼りにならないわね」
エリカ「言いたいことがあるならちゃんと言いなさいよ」
みほ「その……気分を悪くしちゃったらごめんなさい」
みほ「エリカさんといると何だか心が苦しくなっちゃって」
エリカ「はぁ!? 苦しくなるって何よ」
エリカ「貴方喧嘩でも売ってるの!?」
みほ「そうじゃなくて……エリカさんっていつも戦車道で一生懸命で」
みほ「自分の目標に向かって必死に頑張ってるっていうか」
みほ「だから……一緒にいると何だかエリカさんが眩しくて」
みほ「私はエリカさんみたいにやりたいこととかないから」
エリカ「貴方も戦車道をやってるじゃない」
エリカ「悔しいけど実力だって今のところは上だしね」
みほ「そんなことはないと思うけど」
エリカ「それに貴方も戦車道を極めたくて履修をしたんでしょ」
みほ「違うよ?」
エリカ「え?」
みほ「私戦車道してて楽しいって思ったことないし」
みほ「今だって本当は辞めたくて辞めたくて」
みほ「私はエリカさんみたいに何かに真剣になれないから」
みほ「だから……エリカさんといると私が余計にみすぼらしく思えて」
エリカ「」イラッ
エリカ「なによそれ……私はあんなに必死に頑張ってきたっていうのにアンタはそんないい加減な気持ちでいたってわけ」
みほ「いい加減って言われても」
みほ「私はお母さんに怒られたくないから戦車道に入っただけで」
エリカ「はぁ……呆れた」
エリカ「まるで子供ね。貴方って自分のしたいこととかないわけ」
みほ「えっと……」グゥー
みほ「」
エリカ「」
みほ「とりあえず今はご飯が食べたいかな」
エリカ「……分かったわよ。じゃあ適当にトーストと目玉焼きでいいかしら」ジュジュ
エリカ「はい。アツアツの目玉焼きとトーストよ」
みほ「わぁーありがとう! 凄く美味しそう」
エリカ「これでも自炊はある程度してるから自信はあるのよ」
みほ「うん知ってるよ。昨日も肉じゃがとか作ってたもんね」
エリカ「……え、ええ。確かに作ってたけど何で知ってるのよ?」
みほ「……」
エリカ「なんでそこで黙るの!?」
みほ「……」シュン
エリカ「はぁ……まあいいわ。それより早く食べなさいな。折角作ったのに冷めちゃうじゃない」
みほ「食べさせて」
エリカ「はい?」
みほ「私筋肉痛だから……」
エリカ「分かったわよ。食べさせればいいんでしょ! 食べさせれば!」
エリカ「ほら口を開けなさい」
みほ「はーい」アーン
みほ「はむっ……うん。エリカさんのトースト凄く美味しい」アムアム
エリカ「あーもう。そんなにがっついたら口元が汚れちゃうじゃない」
エリカ「もっと落ち着いて食べなさいよ。まったく」フキフキ
みほ「え、えへへありがとう」
エリカ「これでも一応隊長に頼まれたから仕方なくよ」
エリカ「それでさっきの話だけど」
エリカ「貴方はなにかやりたいこととかないわけ?」
みほ「そういうのはないかな……私はただお母さんの言う通りにすることしか考えたことなかったから」
みほ「でもなりたいものならあるかも」
エリカ「そうなの? 言ってみなさいよ」
みほ「えっとね……恥ずかしいんだけど」テレテレ
エリカ(この反応はお嫁さんとかかしら)
みほ「私……赤ちゃんになりたいかなって」
エリカ「……はい?」
みほ「その……私幼い頃から戦車に乗せられて育ってきたから」
みほ「もう一度赤ちゃんになって今度は普通の子供として育ててもらいたいなぁって」
エリカ「そ……そう」
みほ「それでね。これも言いにくいことなんだけど」モジモジ
エリカ「……?」
みほ「私、エリカさんにママになってほしいなぁって」カァァー
エリカ「……はぁ?」
みほ「そのエリカさんって昔から私の面倒を見てくれたから」
みほ「私……西住流ってこともあってみんなから避けられてたでしょ」
みほ「だからエリカさんだけなんだ。あんな風に私に接してくれたの」
エリカ「あれは貴方がおっちょこちょいだから見てられなかったのよ」
エリカ「まあそれはいいわ。それよりママってなに?」
みほ「だからエリカさんにママになって欲しいかなって」
みほ「厳しいのはお母さんだからエリカさんには優しくして欲しいの」
エリカ「何か勘違いしてない? 私、貴方に対して優しくなんてしてないわよ」
みほ「でも朝食作ってくれて食べさせてくれたよ?」
エリカ「あれは隊長に頼まれたから」
みほ「あ、喉乾いてきちゃった」
エリカ「はぁ……そういえば筋肉痛だったわね」
エリカ「ほら飲ませてあげるから口を開いて」
みほ「はーい」ゴクゴク
みほ「へへ……今度は飲ませてもらっちゃった」
エリカ「だから隊長に頼まれたからよ!」
みほ「でも……いくらお姉ちゃんに頼まれたからってこんなに優しくなんてしてくれないよ」
みほ「黒森峰で道に迷ったときもエリカさんは助けてくれたよね」
みほ「お腹が空いたときにはお菓子をプレゼントしてくれたこともあったし」
みほ「それにね……今日は戦車道を辞めてもいいって言ってくれた」
みほ「私……そんなこと言われたの初めてだから」
みほ「気づいたの……エリカさんは私のママなんだなって」
エリカ「え? ちょっ……何を言って」
みほ「ダメ……かな?」ウルウル
エリカ「う……」
エリカ「わ、分かったわよ。でもあくまで今日一日だけだから」
みほ「わーいママだ!」
エリカ「はぁ……もうどうにでもなれ」
みほ「エリカママ……その早速なんだけど」
エリカ「何よ」
みほ「エリカさんの子宮の中に入ってもいいかな」
エリカ「……ん?」
エリカ「いや何言ってるのよ! 入るわけないでしょ!」
みほ「あはは……別に本気で入るわけじゃないよ」
みほ「エリカさん……ここのお布団取ってくれる?」
エリカ「布団? 取ったけどこれがどうしたの?」
みほ「それを私に被らせて頭から」
エリカ「……何だか凄く嫌な予感するから帰っていいかしら」
みほ「ふぇ……帰っちゃうの」
みほ「そうだよね……エリカさんは私なんかといても楽しくないもんね」
みほ「ごめんね……ワガママ言っちゃって」
エリカ(なんて悲しそうな顔してんのよ)
エリカ(こんな顔されたら放っておけないじゃない!)
エリカ「あーもう! 分かったわよ。被せればいいんでしょ」ドスッ
みほ「エリカさん……ありがとう。私嬉しくて泣いちゃいそう」
エリカ「一々大袈裟ね。それで布団を被せたわけだけどこれで満足?」
みほ「えっと……それでね……ぎゅって抱き締めてほしいんだ」
エリカ「貴方もワガママね。はいこれで良いんでしょ」ギュー
みほ「えへへ」
みほ「じゃあエリカさんに問題です。私は今どこにいるでしょうか」
エリカ「? 布団の中でしょ?」
みほ「残念。正解は子宮の中でしたー」
エリカ「は?」
みほ「このお布団はエリカさんの子宮なの。私……エリカさんの赤ちゃんになっちゃった」キラキラ
エリカ「……そう」
数時間後
エリカ「はぁ……そろそろ子宮から出たら」ナデナデ
みほ「でも子宮から出たら辛いことが待ってるから」カオウズメ
エリカ(これは思ったより重症ね)
エリカ(てっきり数分で飽きて辞めると思ったのに)
エリカ(この時間になっても一向に辞める気がないなんて)
エリカ(とはいえさすがにずっとこのままって訳にもいかないわね)
エリカ(仕方ない。ここはアイツの話に乗ってあげましょうか)
エリカ「辛いこと? 何があるっていうの?」
みほ「だって産まれたらお母さんに怒られる」
エリカ「私は怒らないわよ」
みほ「怒るのはエリカママじゃなくてお母さんの方だから」
エリカ(家元のことね)
エリカ「でも今は私がママなんでしょ?」
エリカ「私も早く貴方を産みたいし甘えさせてあげたいの」
エリカ「だから出てきてくれないかしら」
みほ「……エリカさん」キュンキュン
みほ「その……いいよ」
みほ「私もエリカさんに産んでほしいって思っているから」
エリカ「じゃあ……布団剥がすわね」スルル
みほ「えへへ……産まれてきちゃった」
エリカ「そう……良かったわね」ドンビキー
みほ「それで……その早速なんだけど」
エリカ「?」
みほ「ずっと子宮の中にいたから……おトイレ行きたくなっちゃって」
エリカ「いやトイレぐらい一人でいきなさいよ」
みほ「でも筋肉痛だから……」
エリカ「……筋肉痛ってそんなに動かなくなるの!?」
ジャー
エリカ「結局トイレの世話までしてしまったわ」
エリカ「まさか黒森峰に来て友人のトイレを手伝うなんて思わなかった」
エリカ「しかもママになっちゃったし」ハァー
エリカ「とはいえ……あんな頼まれ方したら断れるわけないし……」
エリカ「そ、それに一日だけなんだし問題ないはずよね」フンス
みほ「エリカママありがとう。おトイレのお世話してもらったのお姉ちゃん以外だとエリカママが始めてだよ」
エリカ(何やってるんですか隊長!)
エリカ「はぁ……それよりお腹空いたでしょ。何か作るわよ? リクエストはある」
みほ「リクエストはないかな。エリカママが作ったものなら何だって美味しいと思うし」
エリカ「じゃあハンバーグを作るわね」ガサゴソ
みほ「エリカさんハンバーグ好きだもんね」
エリカ「え……べ、別に好きじゃないけど」アセアセ
みほ「でも必ず週に二回以上はハンバーグを食べてるよね」
みほ「作ってる時も楽しそうだし食べてるときなんて至福の一時って顔してるよ?」
エリカ「なんで知ってんのよ!?」
みほ「当たり前だよ。だって家族だもん!」
エリカ「えぇ……」
エリカ「はい。出来たわよハンバーグ」
みほ「わーい! ママありがとう」
エリカ「それじゃ食べさせてあげるわね」
みほ「はーい」モキュモキュ
みほ「やっぱりエリカママのハンバーグは美味しいよ!」
みほ「エリカママの子供に産まれてきて良かった!」
エリカ「はいはい。下らないこといってないでさっさと食べなさい」
エリカ「食べ終わるまでちゃんと待っててあげるから」
みほ「ありがとう」モキュモキュ
エリカ「ちゃんと食べ終わったみたいね。それじゃ今度はお風呂だったかしら」
みほ「馴れてきたね」
エリカ「別に……単にふっ切れたってだけよ。トイレの世話をしたんだし今さらお風呂なんてどうってことないわ」
みほ「エリカさんって頼もしいなぁ」
みほ「本当に私のママになったって気がするよ」
エリカ「はいはい。さ、お風呂に行きましょうか」
エリカ「じゃあ体とか全部洗うから……」ジャー
エリカ「痒いところとかあったら言いなさいよ」ゴシゴシ
みほ「ううん……凄く気持ちいいよ」
みほ「エリカママと一緒にいると凄く幸せでこれなら毎日筋肉痛でもいいかも」
エリカ「…………」
エリカ「それじゃ歯を磨きましょうか」
エリカ「ほら口を開けなさい」
みほ「あ……あーん」
エリカ「よしよし、それじゃ磨いてあげるわね」シャコシャコ
みほ「えへへ……なんだかこうして歯を磨いてもらってると」
みほ「エリカママに頭撫でられているみたいで嬉しいかも」
エリカ「なんなら頭も撫でて上げましょうか」
みほ「ほ、本当にいいの?」
エリカ「もう今さらって感じだし別にいいんじゃない?」
エリカ「ほら……いい子ね」
みほ「えへへ……」
みほ「エリカさん大好き」
みほ「エリカさんは私のこと好き? いらないなんて言わないよね」
エリカ「…………」
エリカ「言うわけないじゃない」
エリカ「私も大好きよ」
みほ「そっかぁ……良かったぁ」ホッ
夜
エリカ「そろそろ寝なさい。早く寝ないと筋肉痛も治らないわよ」
みほ「あ……うん。それはそうなんだけどね」
みほ「その子供みたいなこと言うかも知れないけど」
みほ「ママと一緒に寝てもいいかな」
エリカ「……何だかそんな気がしていたわ」
エリカ「今日のみほはいつもより甘えん坊みたいだし」
みほ「子供はママに甘えるものらしいから……」
みほ「だからエリカママといるとつい甘えちゃうんだ」
エリカ「まあ……その……私も甘えられるのも悪くはなかったわ」
エリカ「みほの意外な一面とかも見れたし」
エリカ「でも今度からは仮病を使わず普通に甘えなさい」
みほ「……え?」
みほ「凄いや……エリカさんは何でも分かっちゃうんだね」
エリカ「はぁ……アンタって本当に戦車道意外はダメダメね」
エリカ「筋肉痛で全身が動かなくなるわけないでしょ」
みほ「そうなの?」
エリカ「そうよ。だから初めから仮病だって分かってた」
エリカ「黒森峰でどんな扱いされているのかは何となく分かってたし」
みほ「……」
エリカ「貴方が戦車道をすることによって傷つくって言うんなら辞めたっていいんじゃない」
みほ「……ありがとう」ポロポロ
エリカ「え? ちょ……何も泣くことなんて」
みほ「私ずっと……そう言ってほしかったのかも」
みほ「勿論戦車道は辞めないよ。でもいつでも辞めていい辞めても許してもらえる」
みほ「その事実だけで私……」
エリカ「バカね。そんなに無理をしなくてもいいのよ」
エリカ「どうしても辛くなったらこうして慰めてあげるから」ナデナデ
みほ「エリカさん……」ギュッ
みほ「あははやっぱり筋肉痛もいいけど健康なほうがいいや」
みほ「こうしてエリカさんを抱き締めることが出来るから」
エリカ「みほ……」
みほ「これからも私のママでいてくれますか?」
みほ「私……エリカさんと一緒だったらまた学校に来れそうな気がするから」
みほ「だから……これからも私のママに」
エリカ「はぁ……本当は一日だけのはずだったのにね」
エリカ「別にいいわよ。これからも貴方のママでいてあげる」
みほ「エリカさん……」
みほ「あり……がとう」ギュー
エリカ「まったく甘えん坊なんだから」ナデナデ
学校
キーンコーンカーンコーン
黒森峰生徒「ほら逸見。早く行かないと食堂埋まっちゃうよ」
エリカ「ええ……すぐに行ーー」
みほ「ごめんなさい! 今日はエリカさんと一緒に食べる約束してるから」ギュッ
エリカ「ーーえ?」
黒森峰生徒「あ、そうなんだ。なんかごめんね」
黒森峰生徒「私は別の友達と食べることにするよ」
エリカ「え……待って……私ーー」
みほ「うん……ごめんね。そういうことだから」
みほ「さ……行こ? お弁当はもう買ってきたから」タッタッタ
エリカ「ちょ……そんなに引っ張らないで」
みほ「えへへ……ここなら二人でゆっくり食べられるね」
エリカ「ちょっと待ちなさいよ。これはどういうこと?」
エリカ「そもそも私は貴方と一緒に食べるなんて」
みほ「で、でもエリカさんは私のママだから」
みほ「だから一緒に食べたくて……」
みほ「それにエリカさんが他の人と話していると」
みほ「何だかエリカさんが離れて行っちゃうような気がして……」
みほ「みんな私なんかより魅力的な人ばかりだから」
みほ「……ごめんなさい」
みほ「謝るから……私を見捨てないで」
エリカ「……はぁ」
エリカ(こんな今にも壊れそうな顔されたら放っておけないじゃない)
エリカ(仕方ない。みほのメンタルが回復するまでは一緒にいてあげるしかないか)
エリカ(みほのメンタルが回復したら他のみんなと会話させたりして友達を増やしていきましょ)
エリカ(そうすればきっと副隊長だってこんなに寂しがらなくてすむはずよ)
エリカ(だからそれまでの間……)
エリカ(それまでの間、面倒を見るだけだから問題ない)
エリカ「大丈夫よ。私は貴方を見捨てたりしないわ」
エリカ「貴方の駄目な部分もちゃんと受け入れてあげるから」ナデナデ
みほ「エリカさん……」
エリカ「さ、折角なんだしお弁当食べちゃいましょう」
エリカ「ほら食べさせてあげるから口開けなさい」
みほ「えへへ……はーい」モキュモキュ
数日後
黒森峰生徒「えー今日も一緒に食べれないの?」
エリカ「ええ……というかもう誘わなくてもいいわよ」
黒森峰生徒「え?」
エリカ「これからは副隊長と一緒に食べるって決めたから」
黒森峰生徒「……そりゃ逸見が副隊長と仲が良くなったのは分かったけどさ」
黒森峰生徒「だからって私たちから距離を置くのはちょっと違うくない?」
エリカ「別に距離を置いてるってわけじゃ」
エリカ「ただあの娘を放っておけないから」
黒森峰生徒「そりゃ逸見の言いたいこともわかるけど」
黒森峰生徒「最近の逸見はちょっとおかしいよ」
黒森峰生徒「休み時間もすぐに副隊長と一緒に姿を消すし、最近は学校だってまともに行ってないじゃん」
黒森峰生徒「正直副隊長とあんまし関わらない方がいいよ」
黒森峰生徒「なんていうか逸見のことに尋常じゃないぐらい執着してるみたいだしさ」
黒森峰生徒「正直ちょっと不気味……」
エリカ(不気味? 不気味ですって?)イライラ
エリカ(不気味なのはアンタたちの方じゃない)
エリカ(みほが西住流って理由だけでまるで腫れ物を扱うように接してきたくせに……)
エリカ「みほのことを知らないくせにいい加減なこと言わないで!」ギロッ
黒森峰生徒「ひぃ……」
みほ「エリカさん……どうかしたの」
エリカ「何でもないわよ。ちょっと無駄話をしていただけ」
みほ「そっか……でもエリカさん私以外の人とお話ししてる」シュン
エリカ「そんなに不安がらなくても大丈夫。私の大切な人はみほだけよ」ナデナデ
みほ「そ、そっか……なんだかそれを聞いてちょっと安心したかな」ホッ
エリカ「貴方ももう私たちのことは放っておいて……私は今がとても幸せなのよ」
黒森峰生徒「ふ、二人ともおかしいよ」ビクビク
エリカ「おかしくて結構よ。みほと一緒ならそれでも構わないもの」
エリカ「さ、いつもの場所に行きましょうか」ギュッ
みほ「うん!」ギュッ
みほ「でもあの人おかしいよね。私たちの関係が変だなんて」
エリカ「きっと私たちの関係に嫉妬してるのよ」
エリカ「でも安心しなさい。誰に否定されたって私はみほから離れたりしないから」
みほ「私もエリカママとずっと一緒にいるよ?」
エリカ「ふふっ……いい子ね」ナデナデ
みほ「えへへ」
みほ「今日はお食事が終わったら膝枕してもらってもいいかな」
エリカ「ええ勿論。ママにたっぷり甘えていいのよ」
みほ「エリカさん大好きー」ギュー
エリカ「よしよし」ナデナデ
エリカ(私の好きな言葉に上知と下愚とは移らずという言葉がある)
エリカ(これは賢い者ならばどんな状況でも堕落しないが愚者ならばどんな環境であっても堕落するという意味だ)
エリカ(だとしたら私たち二人は愚者だったということなのだろう)
エリカ(自分でも分かっている)
エリカ(私たちはどんどんダメな方向へと堕ちていっている)
エリカ(助けようと伸ばした手はガッチリと捕まれ)
エリカ(抗いようのない堕落の沼へと引きずり込まれる)
エリカ(でもそれが心地よくて幸せすぎて)
エリカ(這い上がることが出来ない)
エリカ(いや這い上がろうとすら思えない)
エリカ(だってその底ではみほが寂しそうに待っているから)
エリカ(だからみほを一人にさせないよう……二人で共に沈んでいくのだ)
エリカ(二人だけの深淵に……)
完
これにてこのssは終わりです! ここまで読んで下さりありがとうございました! それではHTML依頼出しておきますね。
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