P「可憐、もうすぐ次回公演だけどレッスンの調子はどうだい」ｽﾞｽﾞｽﾞ

可憐「は、はい。なんとか通しで形になるようには･･･」ｽﾞｽﾞｽﾞ

P「そうかそうか。良かった良かった。この紅茶美味しいな」ｽﾞｽﾞｽﾞ

可憐「歌織さんのお母さんが劇場のみんなに、って下さったんです。良い香りですよね。」

P「あ。『歌織』と『香り』がかかってるんだな。可憐はバラエティもいけるな」

可憐「えぇっ！？いや、私、そんなつもりじゃ･･･」

ｶﾞﾁｬ

未来「こんにちはー！んしょ、よいしょ。」

未来「ふー！よいしょっと！ちょっとここに置かせてくださいね！」ﾄﾞﾝｯ

可憐「未来ちゃん、重そうだね。何の荷物････ｯｯ！？」ﾋﾞｸｩ

可憐「」ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ　ﾄﾞﾀﾝ

P「可憐？どうした？」

可憐「みみみみみ未来ちゃん、その袋の中に、もしかして、すごく匂うものが入ってない？？？？」

未来「え？」

P「え？全然わからん。」

可憐「ちょっとドアの近くに避難させてください･･･」

未来「あ、もしかしてこれですかね？しゅーるすとれみんぐ？」ｻｯ

P「うおっ！？」

可憐「ひぃっ！！？？！」

P「未来おまえ、絶対それ開けるなよ！絶対だぞ！」

未来「知ってますよ！世界一臭いんですよね！KA○DIに売ってました！」

可憐「は、鼻が･･･！　未来ちゃん、袋に閉まって！お願い！」

P「え、開けてないけど匂うの？全然わかんない」

未来「もー、それくらい分かってますよ。私をなんだと思ってるんですか！」

P「すぐボタン押すやつ。何でもすぐ開けるやつ。」

可憐「未来ちゃんは危なっかしいから･･･」

未来「失礼しちゃいますね！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

可憐「お願いだから、缶から手を離して･･･！！」

P「なぜそれを･･･確か俺は『次の公演のバラエティコーナーで使うグッズを買ってきて良いですか？』って聞かれて了承したハズ･･･」

可憐「プロデューサーさん･･･」

未来「ピコピコハンマーとか、ハリセンも買ってきました！あと牛乳とクリームパイと生クリームも！」

P「そうそう、そういうのだと思ってたよ」

未来「でも『世界一臭い』ってなんか面白くないですか？」

P「たしかに」

可憐「プロデューサーさん！？」

未来「たしか可憐ちゃんってすっごく鼻が良いんだよね？ステージで開けてみない？」

可憐「――――!!!!!」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ　←声にならない声

可憐「ぜっっっっったいダメだからね、未来ちゃん！」

未来「わかりましたー。残念だなぁ」ｼｮﾎﾞﾝ

P（ふむ、ではサプライズで出すのはどうだろう）

可憐（プロデューサーさんが何か企んでる･･･嫌な予感がする･･･。）

ライブ当日

可憐「ありがとうございました！夕風のメロディーでした！」

ﾜｱｧｧｧｧｧｧｧ

未来「可憐ちゃん、お疲れさま！」

可憐「未来ちゃん･･･！ありがとうっ･･･！」

未来「さてさて、それじゃあこれからあるコーナーをやりたいと思います！その名も！」

ﾃﾞﾝｯ

未来「叩いて被ってじゃんけんぽん！コーナーです！」

可憐（事前に相談して、無難なコーナーにしてもらって良かった･･･！）

未来「負けた方がシュールストレミングの缶を開けます」

可憐「！？」

P「持ってきました」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

可憐「ちょっと、ちょっと待ってください！」

可憐「ここでソレを開けたら、お客さんに迷惑がかかっちゃうんじゃ･･･？」

春香「大丈夫だよ可憐ちゃん！この送風機があれば客席に匂いはいかないハズ！」

可憐「春香さん･･･っ！なんて準備が良い･･･！」

春香「大丈夫、可憐ちゃんならきっと出来るよ！」ｂ

可憐「素晴らしい笑顔ですけど後で覚えていてくださいね」

可憐（いや、まだ･･･叩いて被ってじゃんけんぽんで勝てば･･･）

未来「よーし、頑張っちゃいますよー！」

可憐（すばやい動きは苦手だけど、未来ちゃんの匂いから、直前に出す手を予想すれば･･･）

未来「じゃーんけーん、ぽんっ！」

未来　パー
可憐　チョキ

可憐（よしっ･･･ピコハンを･･･！）

未来「」ｻｯ

可憐「え」

未来「えーい！」ﾋﾟｺﾝ

可憐（！！？！？！）

未来「わーい！勝ちましたー！」

ｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜ

未来「あれ？なんかザワザワしてる･･･」

可憐「未来ちゃん、今、じゃんけんで私が勝って･･･」

未来「あぁっ！確かにそうですね！すみません、間違えました！」

未来「じゃあじゃんけんぽん！」ﾊﾟｰ

可憐「え」ｸﾞｰ

未来「えい」ﾋﾟｺﾝ

可憐「あの」

未来「今度こそ勝ちました！じゃあ可憐ちゃん、お願い！」

可憐「えぇぇ･･･」

ｵｫｫｫｫｫｫ

可憐（どうしよう、完全に私が開ける流れに･･･）

春香「可憐ちゃん、頑張って･･･！！」ｶﾞｼｯ

可憐「肩抑えるのやめてもらっていいですか？」

可憐「･･･」

可憐「･･･私が」

可憐「･･･私がこの一週間、何も対策をしてこなかったと思いますか？」

可憐「この765プロの悪ノリの雰囲気を察知して、何もしないわけがないでしょう。」

未来「！？」

春香「！？」

P「！？」

可憐「」ｻｯ

未来「あれは！防臭作業用高性能マスク！」

可憐「」ｷｭｯ

春香「さらにゴム手袋を！」

可憐「」ｻｻｯ

P「ジップロックを三重に！？しかも中には湿った紙が、あれは消臭剤か！？」

P「いつの間に衣装のポケットにそんなグッズを･･･！」

可憐「いつ来ても大丈夫なように肌身離さず持っていました･･･！」

P「しかし、およそアイドルがして良い格好じゃないな･･･」

可憐「言わないでください･･･」

可憐「これなら･･･私にだって開けられる･･･！！」

P「可憐･･･っ！弱い自分を乗り越えるために、そこまで努力を･･･！」

春香「可憐ちゃん･･･！立派になったね･･･！」

未来「可憐ちゃん、頑張って！はいこれ、缶切り･･･あれ？」

未来「あっ、スタッフさんに預けてそのままでした。でへへ･･･もらってきますね」

未来「ありました！春香さーん！投げますよー！えいっ」

春香「え？私？わっ、ひゃあ、とととっ、」

春香「うひゃあっ！」

可憐「え」

【備考】
シュールストレミングは塩漬けのニシンを発酵させた食べ物。
滅菌せずに発酵状態のまま缶詰されており、密閉状態で大量のガスが生じるため、内圧により缶が膨らんでいる。
その時外部から強い衝撃を受けてキズなどが出来ると、高い圧力が一気に開放され、爆発する危険があるので、開封の際は水中で開けるか、缶を傾けて水分が飛び散らないように注意しましょう。

おわりました。爆発オチなんてサイテー！（すみませんでした）
その後可憐は一週間口を聞いてくれませんでした。
HTML依頼出してきます。