【Xファイル×モバマス】不幸 (54)
ドライバー「……」
後輩「~♪」
ドライバー「……おい、ちょっと音量下げろよ」
後輩「えぇ?いいじゃないすか、こんな天気で運転なんすから、テンション上げていかないと~♪」
ドライバー「……クソッ……最近の若いヤツは……ラジオ聞かせてもらうぞ」
『季節はずれのハリケーンは徐々に勢力を強め…』
後輩「あーっ!!?ちょっ、何してんすか!?」
ドライバー「運転中はラジオを聴く、長距離ドライバーってなそういうもんだ」
後輩「ちっ……老害かよ…」
ドライバー「いいか、運転中は何が起きるかわからねえんだ。天気は刻一刻と変わるし、道路状況だって…」
ガッシャアアアアアン!!!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1565009856
ドライバー「なんだぁ!!!??」
後輩「ひあああああああ!!!!??」
キュルキュルキュル…
ガッシャアアアアン!!
ドライバー「い…生きてる……のか?」
後輩「………んんん……ママ…」
ドライバー「おい、しっかりしろ…おい!…………なんだぁ、こりゃあ…?」
~ワシントンD.C FBIオフィス~
モルダー「………………」キュッキュッキュッ
ガチャッ
スカリー「おはよう、モルダー……何をしてるの?ホワイトボードなんか持ち出して」
モルダー「おはよう、スカリー。今朝のニュース見たかい?」
スカリー「えぇ、見たけど……」
モルダー「例の高速道路での連続発生事故を図にしていたんだ」
スカリー「ああ…でもあれは季節外れのハリケーンのせいだって、テレビでは言ってたわよ?」
モルダー「表向きはね……けど、発生した7件の事故のうち、純粋に天候によるものと思われるのは2件目と5件目だけだ。後はタイヤのバースト、ガス欠に居眠り運転。これが昨日一晩で、しかもあの短い区間で連続して起きるなんて…それにこれだけの事故が起きてるのに、怪我人は3人。事故車には高速バスなんかも含まれてるのに、他の人たちは奇跡的に無傷……妙だと思わないか?」
スカリー「……それじゃあ何?貴方は宇宙人が子守唄を歌ったり、車のガソリンを抜いたって言うの?家畜の血を抜くみたいに」
モルダー「そうじゃないさ、けど…」
スカリー「それにほら見て、6件目の事故も飛翔物の衝突が原因って報告書に書いてあるわ、これも天候による事故じゃない」
モルダー「何が車に当たったかよく見てくれ」
スカリー「えっと……何これ…植木鉢?」
モルダー「そう、あの辺は民家も少ないし竜巻が発生したなんて報告は無い…なのに、植木鉢が空を飛んでくるなんて事があるかな?」
スカリー「それは……」
モルダー「これを見てくれ。現場の地図に事故の発生した場所と時間を記したものなんだけど
1件目の事故が18:05
2件目が18:42
3件目は19:01
4件目は19:17
5件目は20:00
6件目は20:30
7件目は20:38だ」
スカリー「………発生時間も場所もバラバラじゃない。不思議なのはわかるけど、これはやっぱり偶然が重なっただけの不幸な事故よ」
モルダー「…そうかな」
スカリー「え?」
モルダー「仮に事故の原因がUFOだとして、それが高速道路上を時速90kmで飛行するとする。最初の事故の地点から、最後の事故の地点までこの速度で飛んでもらうと……2件目の現場を通過する時刻は18:42、3件目の地点は19:00、4件目は19:17……」
スカリー「これって……」
モルダー「最近のUFOは高速道路を走るらしいな」
スカリー「…………」
モルダー「……地元の交通課に無理言って調べてもらったよ。その時間、その区間を時速90kmで走っていた車は何十台もいたみたいだけど……7件目の事故を起こしたバスもその一つだ。これは調べてみる価値がある」ゴソゴソ
スカリー「……何をしてるの?」
モルダー「ニューヨークさ。バスがタイヤのバーストで立ち往生した後、乗客達は代わりのバスが二台迎えに来て、今は全員目的地のニューヨークにいるらしい。あの日何が起きたか確かめたいんだ」
スカリー「モルダー落ち着いて、これはXファイルとは関係ないわよ」
モルダー「…………ホントにそうかな?」
スカリー「…………」
~ニューヨーク郊外・バス会社~
バス会社社員「じゃ、私はこれで…」
モルダー「ええ、ご協力感謝します」
スカリー「モルダー」
モルダー「やぁスカリー、バスもタイヤも新品同様だった。そっちはどうだった?」
スカリー「運転手・添乗員共に当日の体調も過去の経歴も全て問題無し。当日の事は地元警察に話した事が全てみたい。当然、UFOも謎の光も目撃証言無し」
モルダー「そうか……となると…」
スカリー「まさか乗客に会うつもり?」
モルダー「乗客の連絡先は聞いてある。日本からのツアー客で……えー…346プロダクションという芸能事務所らしい」
スカリー「なんでも、日本ではかなり有名な芸能事務所らしいわ。そこに所属するアイドルとそのプロデューサーが乗っていたそうよ」
モルダー「詳しいね」
スカリー「さっき添乗員に聞いたのよ」
モルダー「とにかく行ってみよう」
~12:43 ニューヨーク郊外・レストラン~
P「うっひゃっひゃ!!デッカい事はいい事だ~!!!」
裕子「えぇ……この量は流石にこれはちょっと引くんですけど…」
茜「プロデューサーさんこれ美味しいですよ!あー!これも!!これも!!ああ~、流石アメリカ!!」
早苗「Hey!!Master!!Beer please!!More More More!!!!」
志希「にゃははは~、早苗さん特訓の成果出てるね~」
美優「お酒の頼み方ばかりですけど…」
芳乃「そなたー、おかわりを所望するのでしてー」
モルダー「隣、いいかな」
P「え?あっ…ぅ…?」
志希「隣座ってもいいかってさ~」
P「ああー!オーケーオーケー!カモーン!おーいぇーアハーン」
スカリー「私達、FBIの者です。いくつか質問してもよろしいかしら?」
P「え……なんて…?FB…?」
志希「FBIの人、職質ってやつ?」
早苗「うぇ!?え…FBI!!?すごっ本物のFBI初めて見たわ!!!」
美優「あの……えっと……………………プロデューサーさん…?」
P「………FBI………ぇ…えふ……えふびーあい……………………………………ぅ……うわあああああああああああああああああ!!!!!????」ダダダダッ
モルダー「!!??…待て!!」ダッ
スカリー「ちょっと…何!!!??」
~路上~
P「俺は何もやってない…何もやってない…!!」ダッダッダッダ
モルダー「待て!!!!話を聞いてくれ!!!」
P「よっ!はっ!」ザッザッ
モルダー「……なんてヤツだ。まるでニンジャだな……クソッ」
P「……ハァ…ハァ…ハァ………………」
モルダー「止まれ!!」バッ
P「!!?このっ……!!」ドンッ
モルダー「うわっ!!」ドスン
P「………わ、悪いな!!俺は捕まる訳には…!!」
スカリー「動かないで!動くと撃つわよ!」スチャッ
P「ひっ!?」
モルダー「っ………ありがとう、スカリー…」
スカリー「怪我は無い?」
モルダー「ああ…大丈夫さ………」
P「ぁ……アイム・ソーリー……ア…ぁぃ……アイ・ドント・ハヴ・チャイルドポルノ……アイム・ノット・ギルティ……」
スカリー「??……なんですって?」
P「プリーズ……プリーズ・フォギブ・ミー…クレメンス……」
モルダー「クレメンス?それってどういう意味だ?僕たちは…」
P「プリーズ……」
スカリー「…………?」
モルダー「…………?」
~ニューヨーク郊外・公園~
※作劇の都合上、通訳の描写を割愛しています※
P「あのすいません、何てお詫びすれば言いか…」
モルダー「いえ…それより、2・3質問させてください。昨日の事故について」
P「昨日の…?それを……FBIが?」
スカリー「ええ、すぐ済みますから」
P「は…はぁ……」
モルダー「事故があった時の状況を詳しく教えていただけますか。できればバスに乗るところから」
P「えぇ……でも…あれは……」チラッ
モルダー「?」
スカリー「?」
ほたる「茜さん、大丈夫ですか…?お水ありますよ…」
P「……いえ、お話します。私達は日本から来ました。名目上はエンターテイメントの本場アメリカでの研修ですが、実際にはご覧の通りただの旅行です。昨日はみんなで舞台を観てから早めの夕食をとって、それから…それからバスに乗り込みました」
モルダー「あのバス会社を選んだ理由は?」
P「ツアー会社が用意したものです」
スカリー「昨日の18:05頃に、何か変わった事はありませんでした?」
P「いえ?……特に無かったと思いますが…」
モルダー「じゃあ18:42頃は?」
P「いえ…」
モルダー「では、貴方達の乗ったバスが事故を起こすまでに何か変わった事は?」
P「いえ、何も……あの、それが事故と何か関係が…?」
モルダー「実は貴方達の乗ったバスの近くで事故がいくつか起きていて、その情報を集めているんです」
P「ああ………それは…本当ですか?」
スカリー「ええ、そうです……何か心当たりが?」
P「ああ、いえ……でも…それは……」
モルダー「どんな些細な事でもかまいません。それが……信じられないような事であっても」
P「でも………FBIの方にお話するような事では…」
スカリー「………?」
P「………これはその……不幸…なんです」
モルダー「……・不幸…?」
スカリー「ご協力感謝しますわ、Pさん」
P「ええ、こちらこそ、すいません。変な話聞かせてしまって……あと…」
スカリー「ええ、彼女達に他の事故の事は内密にしておきます」
P「ありがとうございます」
モルダー「あの、最後に一つだけ…」
P「?」
モルダー「貴方は超常現象や超能力を信じますか?」
P「……ええ、信じますよ」
モルダー「……ありがとう」
モルダー「彼の話、信じるかい?」
スカリー「信じるも何も、ただの迷信じゃない。人一倍不幸がふりかかる少女だなんて、三文小説の題材だわ」
モルダー「そうだね、でも、あの子もバスに乗っていた」
スカリー「それはそうだけど、あのバスだけじゃなく他の車も事故を起こしてるのよ?運なんていう個人的なものが周りのに影響を及ぼすだなんて、信じるほうが難しいわよ」
モルダー「でも例えば、彼女が何らかの超能力を持っていて、それが無意識下で周りに影響を及ぼしていると考えたらどうだい?彼女は自分を不運な人物だと信じ込み、ああなって欲しくない、こうなったら嫌だとナーバスになって考える。その心理的ストレスが彼女の秘められた能力の引き金になって…」
スカリー「モルダー……911のテロの時、貿易センタービルから生還した女性が一ヵ月後に旅客機の墜落事故で死んでるのよ?それも超能力のせいにするつもり?」
モルダー「そうじゃないさ……」
スカリー「人間がこの世に存在している以上、そういう人もいれば宝くじの最高額を二度も当てる人だっているわ。それは何の不思議も無い事でしょ」
モルダー「じゃああの日、あの高速道路にたまたま運の悪い連中が集まってたって、そう言いたいのかい?」
スカリー「そうね、今ある証拠を見る限りはそうとしか言いようが無いわ」
モルダー「実はこんなものがある。超能力者が出す特殊な脳波を検知できる装置だそうだ」ゴソゴソ
スカリー「こんなものどこから?」
モルダー「いつもの3人さ」
スカリー「あのオカルトマニアからなの?そんなもの信用できないわ」
モルダー「それはやってみないとわからないだろ」
スカリー「ちょっと、まさか彼女に話を聞く気?さっき話さないって言ったばかりじゃない」
モルダー「"他の"事故については話さないよ」
スカリー「ちょっと!」
モルダー「なんだよ」
スカリー「私がやるわ、相手はティーンの女の子ですもの、貴方が行ったら怖がられるでしょ」
モルダー「そうか、じゃあ…」スッ
スカリー「………モルダー…」
モルダー「いいから、持っていってくれ。反応が無ければそれで良し。もしあった時は……」
スカリー「……分かった…」
スカリー「こんにちわ」
ほたる「え!?…はい……は…ハロー・・・」
スカリー「少しお話を聞きたいのだけど…通訳は……」
志希「じゃじゃーん☆マッドジーニアスしきちゃんただいま登場~♪」
ほたる「きゃっ・・・志希さん…」
志希「ハァイ、FBIさん、アタシが通訳するよ~」
スカリー「…英語がお上手なのね」
志希「にゃははは~、すこ~しこっちに住んでたからね~。大学で」
スカリー「そう…専門は?」
志希「化学♪まあ研究上医学も少しかじったけど」
スカリー「貴方もしかして……えっと…シキ…」
志希「ご名答~、シキ・イチノセ」
スカリー「貴女の論文を読んだ事があるの。でもどうして……貴女ほどの才能が歌手なんて…」
志希「まぁそれはいいじゃない?それよりお話って?殺人?強盗?それとも麻薬かにゃ~?志希ちゃんいい子だから~合法なものしかやらないよ~?」
スカリー「…興味深いお話だけど、私達は昨日の事故について調べに来たのよ」
ほたる「あの…」
志希「ああ、ゴメンゴメン、昨日の事故について聞きに来たんだって~」
ほたる「昨日の…ですか…」
スカリー「ええ、高速道路でタイヤがバーストなんて危ないでしょう?だから、何かおかしな事は無かったか調べているのよ」
志希「だってさ」
ほたる「あの……それは…私のせいですから…」
スカリー「…………」
ほたる「あ、すいませんすいません…こんな話…」
スカリー「いいのよ、聞かせて」
ほたる「…………あの私…昔から運が悪くって……所属した事務所がことごとく潰れてるんです…道を歩けば躓いたり……植木鉢が落ちてくるなんてのもしょっちゅうで…」
スカリー「植木鉢?」
ほたる「はい……他にも…」
ヒュンッ
バシィッ
ほたる「あいたっ!?」
スカリー「たいへん…!大丈夫?!」
少年「お前すげえな!ホームランだぞ!!………あ、すいませーん!大丈夫っすかー!?」
志希「Bullsh*t!!F**k!!!Asshole!!!Son of a BIIIIIIITCH!!!!!」ヒョイー
少年「サンキュービッチ!!」
スカリー「見せて…腫れてるわね……冷やさないと…」
ほたる「私の鞄に氷嚢があるから大丈夫です…」
スカリー「え?」
ほたる「あ、あの…えっと……アイ・ハヴ……アイス…!えと…イン・マイ・バッグ」
スカリー「そうなの…?」
志希「ふぅ…まったく……んにゃ?どっか行くの?」
ほたる「ええ、私のバッグをとりに…」
志希「んじゃ志希ちゃんも行く~」
スカリー「自分が不運だと思うようになったのはいつから?」
ほたる「いつから…でしょう………分かりません」
スカリー「でもそれは一過性のものよ、誰しも幸運な時とそうでない時があるわ。例え終わりが無いように思えても、明日にはいい事があるかもしれないじゃない?」
志希「だってさ、ほたるちゃん。ダニーは優しいね~♪」
スカリー「……ありがと」
ほたる「ありがとうございます……でも、少なくとも今は幸せなんです…大きな事務所に入れて、それにこんな海外旅行まで出来るんて…これを不幸なんて言っていたらバチが…」
ヒュオンッ
ガッシャァァン!!
志希「!!」グッ
ほたる「きゃあっ!!」
スカリー「大丈夫!?怪我は無い!!?」
ほたる「ええ……ありがとうございます、志希さん」
志希「ん~?なんの事かにゃ~♪」
スカリー「大丈夫!?…これは……植木鉢…?」
おばさん「大変…!貴女たち大丈夫!?ごめんなさいね…しっかり固定してたはずなんだけど…」
ほたる「大丈夫ですっ……あ…アイム・オーケー…」
おばさん「そうなの…?あっ、ちょっと待ってて!」ドスドスドス
ほたる「え?あの…」
おばさん「はい、私が作ったクッキーなの。びっくりさせちゃったお詫びよ、受け取って」
ほたる「ええっ!?でも…」
志希「サンキュー♪ほたるちゃん、日本じゃないんだから謙遜は失礼だよ~」
スカリー「そうよ、頂きましょう」
ほたる「あ…ありがとうございますっ…!」
おばさん「アリガットー、アリガットー」ニコニコ
ほたる「…………」
スカリー「どうしたの…?」
ほたる「ぁ……国が違っても、人ってこんなにも優しいんだなって…」
志希「だってさ」
スカリー「…………」
スカリー「モルダー」
モルダー「やぁスカリー、どうだった」
スカリー「はい、コレ。何の反応も無かったわ。その機械がインチキか彼女が超能力者じゃ無いかは分からないけど、とにかく収穫無しよ」
モルダー「そうか…」
スカリー「帰りましょうモルダー、やっぱりこれはただの事故よ」
モルダー「…………君は一足先にワシントンへ帰っててくれ。僕も明日には帰るよ」
スカリー「モルダーあなたね…!」
モルダー「なに、一日だけさ」スタスタ
スカリー「ちょっと!……まったく…」
~20:15 ニューヨーク・ホテル前~
P「よーし、みんなー。今日は大人しく寝るんだぞー」
一同『はーい!』
P「よしよし……ん?」
モルダー「やぁ」
P「あれ?…昼間の……」
モルダー「ちょっと近くで一杯どうだい、君の話を聞いてアイドルに興味が湧いてね」
P「は…はぁ……」
~22:24 ニューヨーク~
モルダー「アハハハハッ!それは災難だったな」
P「でしょー!?あん時はもう俺ダメかと思いましたよ~!あははは!」
モルダー「いやぁ、ゲイノウカイっていうのは大変なところだね。ああ、ボイラーメイカー2つ」
P「ああ、すいませ…いや、ありがとうございます」
モルダー「今日は僕のおごりだ」
P「おおぉ…アメリカは土地だけじゃなくて、人もでっけぇ……お、そうだ」ゴソゴソ
モルダー「?」
P「これ、うちの娘達のライブなんかを納めたDVDです。良かったら見てください」
モルダー「ああ、ありがとう……あの子のライブも入ってるのかい?」
P「あの子…?ああ、ほたるのことですか……」
モルダー「あぁ、すまない、そういうつもりじゃ…」
P「いえ、いいんですよ。実際のところ、あの子の体質が人気の一要素であることは否定できませんから…」
モルダー「君自身はどう思うんだい?」
P「え?俺ですか?俺は……別に、どうでもいいですね」
モルダー「というと?」
P「うちの事務所には色んな子がいますからね、国籍が不明なヤツに超能力者、サンタに魔王に吸血鬼…どいつもコイツも変な奴等ばっかりですけど、みんな同じくステージに立って、同じ光景を見ていますし、俺はいつも袖から見ています。俺にとっちゃみんな可愛い妹や娘みたいなもんですし、同時に仲間なんです。別に不幸がどうとか関係ないですよ」
モルダー「……そうか…いいヤツだな、君は」
ウェイター「ヘイ、ボイラーメイカーお待ち!」
モルダー「さぁ、グッといってくれ」
P「あざっす」
モルダー「Cheers」
P「Cheers」
チンッ
P「ぷっはあ~……ついでに、これもプレゼントしておきますね…」
モルダー「??これは…?」
P「This is my favorite!Mana Sakura is goddess!!」
モルダー「woo...cool....」
~00:12 ニューヨーク ホテル前~
モルダー「おい、大丈夫か?」
P「あ゛あ゛~…らいじょうぶ…らいじょうぶっすよ~……うちの飲兵衛どもに鍛えられれましゅらら~……」
モルダー「やれやれ……ん?」
裕子「げっ!プロデューサー!?」
P「んん?おまー!ユッコころやろー!!なーんzxc、mんzk;gは;しh!!!」
裕子「ひぇー!!?サイキック脱兎ぉー!!……って、何ですかプロデューサー…そんなべろんべろんになっちゃって・・・」
P「おだまりっ!!」
裕子「ええ…」
ジジ……ジジジ……
モルダー「?」
ジジ……ジジジ……
モルダー「(センサーが反応している…!?)」
P「ユッコォ~……」ヨロヨロ
モルダー「あ、おい!」
裕子「ぎゃあああああ!?」
早苗「伝家の宝刀100tハンマーーーー!!!!」ドゴォッ
P「もっこり!!!!?」
モルダー「………日本の女性はお淑やかって聞いてたけど、どうやら違うらしいね…」
早苗「あら、昼間のFBIさん。それじゃ、ごめんあそばせ~」ナゲキスナゲキス
モルダー「あ、あぁ…」
モルダー「…………」
~09:32 ニューヨーク 郊外~
P「よぉ~し、みんな揃ったな。今日の予定はタイムズスクエア行ったりブロードウェイ行ったり怒涛のスケジュールだからな…ん?」
モルダー「やぁ、昨日はよく眠れたかい?」
P「モルさん……今日も聴取なんですか?」
モルダー「いや、今日は非番なんだ。せっかくだし、ニューヨークを案内しようと思ってね」
P「…………実は本当に俺を疑ってるなんてこと…無いよね?」
モルダー「君が逮捕されたら、お宝を譲ってくれる友人が減るからね」ニッコリ
P「Oh…Soul Brother…」
早苗「…・・・怪しいわね…あの二人」
裕子「おっ、元刑事の勘ですか?」
早苗「女の勘よ…!」
美優「あの…それは…」
~10:04 ニューヨーク マンハッタン~
早苗「おおー!これがあのタイムズスクエア!!」
裕子「早苗さん!!みてください!イエローキャブですよ!」
美優「二人とも、あんまりはしゃぐと……えっ、あ、あの…困ります私…」
P「おっと、僕のワイフに何か用かな?」
美優「えっ……//////」
P「ふっふっふ……おっと電話だ、ああ、もしもし愛しのちひろさん?そっちも着きました?」
美優「………」ゴゴゴゴ
モルダー「(センサーは……反応なしか…)」
裕子「それ、なんですか?」ヒョイッ
モルダー「おっと……これは…」
P「それ、昨日から持ってますよね?」
モルダー「ああ、コレはその……何て言うのかな…Psycho……Psychic Rader」
裕子「サイキック・レーダーですと!?」
P「まさか……FBIがユッコを…!?」
裕子「ふふふふ…そうですか…通りで昨日から私の周りをコソコソと嗅ぎまわっていたのですね…」
モルダー「いやぁ……え?」
裕子「ならば!FBIさんにも見せてあげましょう!このスーパーグローバルサイキック美少女!エスパーユッコの実力を!!」
モルダー「(センサーが反応したとき彼女がいた……まさか、ほたるでは無くこの子が…?)」
裕子「それではごらんあれ!スーパーグローバルスプーン曲げーーー!!!!!」
P「………」
モルダー「………」
裕子「ムムム………」
P「………」
モルダー「………」
P「で、何でそんなもん持ってんです?」
モルダー「いやぁ、それが…友人に頼まれてね…」
裕子「あれー!?ちょっとー!!!」
ドンッ
男「あぶねえな!気をつけろ!」
ほたる「ご、ごめんなさい!」
酔っ払いA「んだとテメェもういっぺん言ってみろ!!」
酔っ払いB「カモーンメーン!!」
ヒュオンッ
ガシャンッ
ほたる「きゃっ!?」
ギャング「よう、嬢ちゃん、幸せになれるお菓子いらねえかい?」
モルダー「FBIだけど」
ギャング「Oh,Shit」
モルダー「(さりげなくほたるに近づいてみたが反応は無い…やっぱり彼女は違うのか…?)」
キャアアア!!
アイエエエエエ!!!
モルダー「!?」
P「な、なんだ!?」
強盗犯「どけ!ぶっ殺すぞ!!」
ドンッ
強盗犯「うおっ!?」
ほたる「きゃっ!?」
P「ほたる!!」
美優「ほたるちゃん!?」
早苗「ほたるちゃん!」
モルダー「動くな!FBIだ!」
強盗犯「なっ!?クソッ!」
ほたる「きゃあ!?プロデューサーさん!!」
強盗犯「動くな!!ガキの頭がトマトリゾットになるぜ!」
P「ほたる!!」
ほたる「プロデュ」
強盗犯「黙ってろ!!」ゴッ
ほたる「っっっ!!」
P「てめぇ!!」
モルダー「やめろ!人質に手を出すな!!」
強盗犯「だったら銃をよこしな!」
モルダー「なに…!?」
強盗犯「早くしろ!!」
モルダー「わかった…銃を置こう」
強盗犯「置くんじゃねえ!こっちに投げろつってんだ!」
モルダー「っ…!」ヒョイッ
ガガガッ
強盗犯「………………ありがとよ」
バァン!
モルダー「!!!!!」
早苗「うっ…!」
裕子「ひっ!?」
茜「!?……きゅう…」バタン
美優「きゃああああああああああああ!!!??」
P「モルさん!!」
モルダー「………」
強盗犯「へっ…あばよ!」ダッ
ほたる「いやっ!離して!離してください!!!」
P「ほたるーー!!!!」
モルダー「待てっ…!」
P「モルさん!?大丈夫か!?」
モルダー「大丈夫……腹を掠めただけだ…!」
P「今、救急車を…」
モルダー「それより警察を…僕は追いかける…!!」
P「そんな無茶だ!」
早苗「そうよ!掠めただけって言っても大怪我よ!?」
モルダー「いいから!早く警察を呼ぶんだ!!」
P「でも…」
「あのー」
モルダー「…?」
芳乃「追うのでしてー?では、わたくしがお手伝いしましょー」
ジジジジ…
モルダー「(センサーが…!?)」
強盗犯「どけどけー!!」
ワー!!キャー!!
強盗犯「はぁ…はぁ…逃げ切ったか…!?」
警官「待てー!!」
強盗犯「ちっ!」
強盗犯「よぉし…ここなら…」
警官「いたぞー!!」
強盗犯「なに!?」
強盗犯「ふぅ……さすがもサツでもゴミ箱の中は…」
警官「動くな!!」
強盗犯「嘘だろ!!!???」
モルダー「逃げられただって!?何やってるんだ!!クソッ!」
芳乃「ふむー、次は……ぶらっくー…びるでんぐー……えーっ名前は…せんとらる…んー?」
モルダー「全車聞こえるか!1ブロック先のセントラルアースビルだ!急げ!」
芳乃「おー」
モルダー「クソッ…通訳も連れて来るんだった…」
ジジジジッ!!
モルダー「……」
~ニューヨーク 廃ビル内~
強盗犯「クソッ……どうなってやがるんだ…どこへ行ってもサツサツサツ…クソがっ!!」
ほたる「……ぐすっ…」
強盗犯「おいガキ、逃げようとするんじゃねえぞ。そんな事したら、てめえを裸にひん剥いてから頭を打ち抜いてスラムのゴミ箱に突っ込んでやる」
ほたる「…………」ウルウル
強盗犯「…………いや…気が変わった」
ほたる「えっ……な、なんですか…?」
強盗犯「クソガキでも上の口は使えんだろ……おい、しゃぶれよ」ジジジ…
ほたる「ひっ!?な、何ですか!?」
強盗犯「おっと、ここはベッドじゃねえんだ声出すんじゃねえぞ。ブロウジョブだ、ガキでもわかんだろ?そーら、ご対面だ」ジジジ…
ほたる「(やだっ…誰か助けて…誰か…!)」
ほたる「たすけ…誰か!!――」
強盗犯「うるせえんだよ!!!」ヂャキッ
バァン!
ガキィンッ!!
強盗犯「ぐっ……なんだと……!?」
スカリー「動かないで!FBIよ!」
強盗犯「マジか…クソッ…!」
スカリー「今のはたまたま銃に当たったけど、次はそうはいかないわ!手を頭の上に置いて!その場に伏せなさい!!」
ほたる「えっ…!?」
モルダー「大丈夫か!!」
P「ほたる!!」
ほたる「プ…プロデューサーさん!!」
モルダー「スカリー!気をつけろ!ヤツは僕の銃を!!」
強盗犯「遅えんだよぉ!!!」ガバッ
スカリー「!!!??」
モルダー「スカリー!!!??」
カチンッ!
スカリー「………?」
モルダー「………?」
強盗犯「……何だ!何だよクソ!どうなってんだ!」
ほたる「………不幸…」
強盗犯「………あん?」
ほたる「………私の不幸が…アナタにも…」
強盗犯「何言ってんだよ……英語でしゃべれよクソガキぁっ!!!」ブォンッ!!
「ほたるちゃん!!!!!」ガバッ
ほたる「きゃあっ!?」ドサッ
強盗犯「うぉっ!?……っとっとっと??」ヨロッ
≪何故か足元に張ってあるロープ≫
≪何故か散らばってる釘≫
≪不安定な位置に捨て置かれた工具箱≫
強盗犯「いっ!?ああああああああああ!!?うべっ!!!??」ドンッ!ザクッ!ドゴシャ!!
スカリー「何…?」
モルダー「コレがあの子の……不幸か…」
P「……違いますよ」
モルダー「え?」
バキバキバキッ
メシャッ!!
強盗犯「えっ?なっ!?床が!!??あああああああああああああああ!!!??」
ドンッ
茄子「ほたるちゃん大丈夫!?」
P「これは……幸運です」
スカリー「モルダー、大丈夫?」
モルダー「ああ、大丈夫。すぐに治るさ」
P「モルさん」
モルダー「やあ、災難だったね」
P「いや、こっちこそ……いや、その…何て言うか…」
モルダー「いいんだ、それに…」
茄子「ほたるちゃん、怖くない?」
ほたる「ええ……皆さんが…いますから…」
モルダー「傷ついたのは僕だけだ」
P「アンタ…かっこいいよ……ドラマみたいだ」
芳乃「もるだー殿ー?」
モルダー「……君は…」
芳乃「ねばーぎぶあっぷ…でしてー。貴方の探し物は…必ず見つかりますのでー」
モルダー「………彼女はなんて?」
志希「Believe....The Truth Is Out There」
モルダー「…………」
~後日 FBIオフィス~
今回、様々な事故や事件に巻き込まれた少女ホタル・シラギクの不幸が本物だったかどうかは確認できなかった。
確かに彼女の身に降りかかった数々の災難は、常識では考えられないほど荒唐無稽で無秩序なものだったが、それらと彼女の行動に因果関係は認められ無い。
Xファイルには超能力者の無自覚な能力の発露による事故が記録されているが、彼女が何らかの超能力を持っているという確たる証拠も同様に見つける事ができなかった。
量子力学によれば、この世界を構成するごく微細な粒子の動きは完全にランダムであり、何の法則も無いという。
それらによって構成される世界に住み、自らもその粒子で作られている我々は、いわば気の遠くなる程投じられたサイコロにしたがって生きていると言ってもいいのかも知れない。
ギャンブルで勝ち続ける人もいれば、負け続ける人もいるように、この世界に溢れる不幸も幸運も決して均等に与えられるモノではないのだ。
犯人に危害を加えられそうになった彼女を救った女性カコ・タカフジは、ホタル・シラギクとは逆に幸運に愛された人だという。
それもまたこの世界に確かに存在する偏りなのであろうが、本件から我々が学ぶべき真実は一つだけだ。
それは人の不運と幸運は、必ずしも人生における幸・不幸とは直結しないという事である。
確かにホタル・シラギクは数々の不幸に見舞われているものの、彼女は自身の悲願であった「アイドル」という夢を叶えている。
その夢が何度断たれそうになったとしても彼女は諦めず、今は仲間達と共に大きな成功を収めていると言う。
この教訓を得た事が本件における唯一の収穫と言えるのだが、超常現象といえるような証拠も無い以上、本件をXファイルに収めるべきではないと判断し、この報告書のみを本件に関する公式な記録とする。
ガチャ
スカリー「スキナー長官に報告書を提出してきたわ………何を見てるの?」
モルダー「ああ、彼からもらったDVDを見てるのさ」
ほたる『皆さん、今日は本当に………あ……マイクの…わる…いで……』
スカリー「モルダー…ここは仮にもFBIのオフィスなのよ」
モルダー「別にチャイルドポルノを観てるわけじゃないんだ、いいじゃないか。ほら、ここ。歌ってる途中で照明が落ちてくるよ」
ほたる『!?…っ…嵐の夜に~♪』
スカリー「……まったく…」
モルダー「君もよく見てくれよ、だってほら彼女……」
ほたる『生まれ変わり、日向で咲くの♪』
モルダー「………凄く幸せそうだ」
スカリー「……そうね…」
ガヤガヤ
スカリー「…外が騒がしいわね?」
モルダー「ああ…なんだろう」
ガチャ
スカリー「ねぇ、ちょっと、何かあったの?」
職員「え?ああ、ハイジャックですよ。ジョン・F・ケネディ空港発ナリタ空港行きの便がハイジャックされだんです」
スカリー「…えぇ?」
モルダー「………」
おしまいです。
オープニング貼りわすれたので、エンドクレジットだけ貼ってHTML依頼してきます。
https://www.youtube.com/watch?v=6va9B9DNX5I
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