男「俺が異世界に転生したとするじゃん?」友「は?」 (13)

男「いや、だから俺がなんらかの事故的な何かで異世界に転生したとするじゃん?」

友「理由曖昧過ぎんだろ」

男「俺が異世界に転生してる間ってこっちの世界で俺はどうなるんだろうと」

友「……」

男「俺が異世界にいる間はこっちの世界は時間が止まってるとかなのかな?」

友「……ちょーどうでもいいわ」

男「なんだとテメェ人が真剣に悩んでるのに」


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友「もっと有意義な事で悩めよ。例えば折角休日に集まった物のやる事が無くて互いにスマホいじってるようなこの時間の過ごし方とか」

男「その時間の過ごし方として俺が話題を提供してんだろうが」

友「そんなもん話題の内に入んねえよ。戯言だ戯言」

男「で、まぁ異世界に転生したとしたらやっぱハーレム築きたいじゃん?」

友「まだ戯言続けんの?」

男「大体アニメとかだと最後ヒロイン1人に絞るじゃん?あれなんで全員抱くって結論にならねんだろ」

友「そんな性欲に忠実なクズ主人公応援したいか?」

男「人間味に溢れてて感情移入しやすい」

友「俺は今お前に感情移入出来ない」

男「後仲間と冒険したりするじゃん?大体仲間強すぎない?」

友「知らねえよ」

男「大体仲間が有能過ぎて問題解決するんだけど、あんまキャラクターに魅力が無いから舞台装置みたいなんだよなぁ」

友「何目線の評価だよ」

男「あと敵がやたら物分かりがいい」

友「お前にも見習ってほしい」

男「熱い感じで訴えたらすぐ改心するいい奴らばっかじゃん」

友「お前にも改心してもらって他の話して欲しい」

男「逆になんでお前がそんな興味無さ気なのかが分からん」

友「だって興味無いもんは仕方ないだろ」

男「お前だって一時期めっちゃ異世界系ハマってたじゃん。俺に薦めたのもお前だし」

友「お前と違って俺はもう卒業してんの」

男「童貞はまだなのに?」

友「そっちもしてるわ馬鹿」

男「じゃあいつ頃で相手誰だよ」

友「それは言えねえよ」

男「嘘の時の言い方じゃねえかよ」

友「そんな事どうでもいいからさ、マジでこの後どうするか考えようぜ」

男「なんか話してたら転生物のアニメ見たくなって来た」

友「勝手にヒートアップすんなや」

男「俺DVD借りてくるから見ようぜ。酒とかお菓子とかも買ってくるから」

友「どんだけ見る気だよ」

男「じゃあ俺行ってくるからお前家で準備しといて」

バタン

男「さーて、何借りようかなぁ」

男「こないだ映画やってたヤツもいいし、ちょっと前に放送してたヤツもアリだな」

ブゥーン

男「ここはアイツに熱を戻すべく一番最初にハマった作品で行くかな」

男「アレなら映画もあるし長く楽しめんだろ」

プァー!プァー!

男「ん?」

キキッー!ドーン!

「キャー!事故よ!」

「人が跳ねられたわ!」

「大丈夫か!?救急車呼べ!」

男「ぃてて……んだよあのトラック急に飛び出して来やがって」

男「うーわ、最悪。シャツちょっと破けてんじゃん。ふざけんなよ」

男「まぁいいや、さっさとDVD借りに行くか……」

??「お待ちなさい、そこの貴方」

男「はい?」

??「ようやく目覚めましたか。選ばれし者よ」

男「え?は?」

??「貴方は先ほど現実世界でトラックに跳ねられ、そのはずみでこの世界に召喚されたのです」

男「……えー、なんかのドッキリ?カメラとかあんの?え、何これ?」

女神「私は貴方をこの世界に呼び出した女神」

男「うわ、すっげぇ美人!アニメみたい!」

女神「貴方にはこの世界で勇者となり、再び目覚めた魔王を倒していただきます」

男「異世界転生のテンプレみたいな設定じゃん!マジ!?マジで俺異世界に来ちゃったの!?」

女神「さぁ行きなさい!忌まわしき魔王を再び封印して、今度こそ永遠の眠りを与えるのです!」

男「うっわ!主人公じゃん!よっしゃ!強い仲間携えて美少女だらけのハーレム築いて……ん?」

女神「どうしたのです?早く行きなさい」

男「いや、あの質問いいすか?」

女神「なんですか?」

男「なんかさっきから今度こそ、とか再び、とか色々言ってますけど、魔王退治これ何回目かなんですか?」

女神「左様。以前現れた勇者が魔王を一度倒している」

男「そいつどこ行ったんすか?てかそいつ呼べば良くない?」

女神「一度こちらに呼び、帰還の際に二度とこちらには呼ばないと約束してしまってな。仕方なく近くにいたお前を召喚した」



男「……そいつなんてヤツですか?」

女神「友と言う男だった」

___

ガチャ

友「おー、お帰り。早かったな」

男「……」

友「て何?手ぶらじゃん。なんか忘れたの?」

男「……」

友「連絡してくれたら渡しに行ったのに。あ、スマホ忘れたの?」

男「……友」

友「何?マジでスマホ?無いなら鳴らす?」


男「俺が異世界に転生してたらどうする?」

友「……はぁ」

寝れない暇つぶし終わり。

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