役人「これが私の戦車道」 (13)

前スレのような気がするもの

島田千代 「これが私の戦車道」 - SSまとめ速報
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「ちょっと…、何あれ…」「セーラー服おじさん?」
「変態だーっ!」「誰か警察!警察呼んで!」


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杏「河嶋ぁ、パトカー来てたけどなんかあったの?」

桃「はあ、なんか変質者が出たそうで」

杏「そうなんだ、怖いねえ」

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茨城県警・大洗学園艦分署…


亜美「兄貴、お勤めご苦労さんです」

理事長「蝶野くん、ふざけないで。辻さん、身柄の引受に来ましたよ。一体何が…」

役人「うう…それが…」

役人「大洗の廃校に失敗して以来、省内ではどんどん立場が悪くなり、そこから職を失い、
妻には逃げられ、何もかもいやになって精神安定剤や睡眠薬を酒で流し込んだら記憶が
なくなって、気がついたらあんなことに…」

理事長「そうだったんですか…。でもセーラー服なんてどこで…」

役人「ああ、それは夫婦の甘い時間を演出する素敵なアイテムとして…」

理事長「奥さんに着せてたんですか?」

役人「いえ、あれを着た私をペニバンを装着した妻が『トコロテン作戦、開始します!』って
言いながら後ろから…」

理事長「うわぁ…聞かなきゃよかった。想像したら気持ち悪くなってきた…」

亜美「ていうかあんたもそんなことベラベラしゃべるなよ!そら奥さんも逃げるわ!」

役人「私もそれに応えて『後ろのスリットを狙ってください!』って…」

亜美「聞いてねえよ!」

理事長「と…とにかくみんなでこれからのことを考えましょう。決して悪いようにはしませんから。ね?」

役人「うう…、ありがとうございます…」

半年後…

優花里「いやあ、特別講師として西住殿のお父さまに来ていただいて本当によかったですよ。技術系の講座って
いままでなかったですし、『あの西住常夫の授業を受けられる!』ってツチヤ殿や自動車部の新入部員が大喜びで…」

みほ「うん、でもお父さんが先生の授業を受けるってちょっと複雑かな…」

華「それにしても、みほさんのお父さまってお母さまと並んで有名な方だったんですね。
失礼ながらいままで知りませんでした」

優花里「西住常夫といえば西住流を技術の面で支える戦車整備の天才として有名ですからね。西住流やその門下の
黒森峰女学園があの高い戦車の稼働率を誇るのは、西住殿のお父さまとその整備チームの力ですよ」

麻子「ツチヤさんも『西住先生の手並みを見てると、自分がまだ素人だって思い知らされる』ってへこんでたな」

華「ツチヤさんみたいな天才肌の人にそう言わせるなんて、みほさんのお父さまって本当にすごい人なんですね」

沙織「それに、背は高いし、顔は男前だし、身体はマッチョだし最高じゃない!もう手を出してくれって言ってるようなもんじゃないの!」

麻子「おいおい」

みほ「いや、それはどうかなあ…」

華「そうですよ、お友達のお父さまですし…」

沙織「その背徳感がいいんじゃない!」

優花里「うひゃあ…」

華「でも、それだとあの家元さんを敵に回すということに…」

沙織「そ…そうだったね…」

みほ「うん、さすがに洒落にならないかなあ…。それに薄い本と違ってお父さんもお母さんもお互いにラブラブだし…」

優花里「薄い本って…」

華「愛読してるんですか?」

みほ「うん、あっ、でもオカズにしてるとかじゃなくて、あのお母さんが本の中だけでもひどい目に遭ってるのが、
読んでてスカっとするんだ」

沙織「うわぁ…」

麻子「闇が深いなあ…」

優花里「私の父もいい友達が出来たって喜んでましたよ。でも、母が私が副会長になってからお客さんが増えて
忙しくなってるのに毎晩遅くまで飲み歩いてって機嫌が悪くなってしまって…」

みほ「ごめんね…、お父さんに言っとくから…」

華「私も新三郎によく言っておきますから…」

優花里「いやそんな、西住殿のお父さまも新三郎さんも悪くないですって」

その夜…

淳五郎「西住さん!もう一軒行きましょう!もう一軒!」

常夫「いやあ、もうこのくらいにしときましょうよ。明日も仕事ですし…」

新三郎「安心してください!あっしも明日は仕事ですから!」

常夫「何をどう安心するのかわかりませんが、本当にあと一軒だけですよ?」

淳五郎「と思ったらあんなところにおでんの屋台が…」

常夫「3人だけどいいですか?」

おでん屋の大将「ええ、どうぞ」

淳五郎「じゃあとりあえずビール!」

新三郎「じゃああっしも!」

常夫「じゃあ私は冷で一杯…あれ?ご主人、以前どこでお会いしませんでしたっけ?」

淳五郎「本当だ、なんか見覚えがあるなあ」

新三郎「えーっと、どこだっけ」

おでん屋の大将「ふっ…、よくある顔です…、人違いですよ…」



                             完

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