百瀬莉緒「1日遅れの『I LOVE YOU』」 (35)



莉緒『ーねえねえ、プロデューサーくんはどんなチョコレートが食べたい?』

莉緒『「何の話」って…今度のバレンタインの話に決まってるでしょー!?』

莉緒『デパートで買うのもいいけど…やっぱり男の子は手作りがいいわよね!』

莉緒『クッキー? それともケーキ? プロデューサーくんはどんなのが好きなの?』

莉緒『…もう。日頃のお礼なんだからキミの好きなものにしたいのに!』

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莉緒『…! …ふふっ。そっか。それならいいわ♪」

莉緒『楽しみにしててねプロデューサーくん。今度のバレンタインはとびっきりのチョコレートをあげるから!』

莉緒『それで当日は、胸に挟んでセクシーに……え、「それはいい」って……もー! なんでよー!!』



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ピピピッ…ピピピピッ…


莉緒「こほっ。ん……」


莉緒(37.5℃……)

莉緒(いま、なんじ……? あー…もう15時か…)

莉緒「んぁ……」

莉緒(みんなからライン……後で返さないと)


莉緒「あ……」

莉緒(プロデューサーくんからは…?)


莉緒「………来てない」

莉緒「……………はぁ」

莉緒(………今日、バレンタインなのにな……)

莉緒(私がチョコ贈ることなんて…な〜んにも覚えてなかったりするのかな……)

莉緒(もしかしたら……迷惑だったりするのかな……)


莉緒「………………ぐすっ」

〜♪

莉緒「ひゃっ! え、ぷ、プロデューサーくん…?」

莉緒「えっと……もしもし…?」

莉緒「………今マンションの玄関にいるって……え、私の…!?」



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P「えーと、これがこのみさんたちからの差し入れと、これが今日営業先でもらったゼリーと、これがさっき買ってきた健康ドリンク。冷蔵庫に入れちゃっていいか?」

莉緒「あ……自分でやるから…」

P「熱、まだあるんだろ? 寝てろって。…昨日より少しはよくなったか?」

莉緒「あ…うん。少し…」

P「そっか」

莉緒「うん…」


P「……」

莉緒「……」

P「あー……仕事のことだけど」

莉緒「え? あ、こほっ。……うん」

P「今日は元々レッスンだけだし、明日以降の仕事も収録はずらせそうだから、安心してくれ」

莉緒「……ありがとう」


P「いいって。莉緒、ここ最近働き詰めだったしな。みんなのサポートもしてくれて、疲れちゃったんだろ。いい機会だからゆっくり休むといいよ」
莉緒「うん……あ。あぁ!」

P「どうした?」

莉緒「私、今、お化粧してないわ…!」

P「そりゃあそうだろ…」

莉緒「ちょ、ちょっと待ってて…! 今、せめて軽くでもお化粧するから…!」

P「何バカなこと言ってるんだよ。そんなのいいから寝てろって」


莉緒「そんなのって…!」

P「あ…」

莉緒「私……」

P「……ごめん」

莉緒「…………いつだって、キミの前ではいちばん綺麗な私でいたいのよ……」

P「…………」


莉緒(…………私、何バカなこと言ってるんだろ)

P「……莉緒は、いつでも綺麗だよ。今、この瞬間だってとびきりの美人だと…思う」

莉緒「……え」

P「……お、俺、帰るな。それじゃー」ギュッ

P「…え?」

莉緒「………ヤダ」


P「莉緒…?」

莉緒「いっしょに、いて……?」

P「……」

莉緒「プロデューサーくん……」

P「……うん。わかったから。ほら、横になりな」

莉緒「うん……」

P「……まあ、そうだよな。熱の時って、人恋しくなるよな」


莉緒「それだけじゃ、ないわ…」

P「……」

莉緒「キミだから……プロデューサーくんだから、一緒にいて、欲しいの……」

P「莉緒……」

莉緒「…………プロデューサーくん。冷蔵庫の中、見てみて」

P「冷蔵庫…? ああ、わかった」

莉緒「上からふたつめの棚の…ラッピングしてあるお皿、持ってきて」


P「これか。……ほら、持ってきたよ」

莉緒「うん……はい、プロデューサーくん。これ、あげる」

P「え?」

莉緒「……もう。ポカンとしちゃってさ。今日は何の日だったかしら」

P「……あ、ああ! バレンタインか、もしかして」

莉緒「うん…。手作りのチョコ」

P「…ありがとう、莉緒。……えっと」


莉緒「どうかした?」

P「このさ、文字…? みたいなものって…」

莉緒「……ああ、それか。プロデューサーくんはそれ、なんだと思う…?」

P「……英数字の「II」に見えるけど…」

莉緒「……ふふ。そっか。書きかけだもんね。それね、本当はこう書こうとしたの」



莉緒「『I LOVE YOU』って」



P「……莉緒」
莉緒「プロデューサーくん、私ね……ぐすっ。キミのことが好き」

莉緒「私の、私たちのために頑張るキミも、舞台袖で送ってくれる優しい眼差しも、少しイジワルなところも全部、好き…」

P「莉緒……」

莉緒「プロデューサーくんは、私のことー…んっ…!」

P「…………」

莉緒「ん…ぁふ……はぁっ」


P「はぁ……莉緒……」

莉緒「プロデューサーくんっ…」

P「俺も、好きだよ……莉緒……」

P「綺麗なところも、可愛いところも、全部、好きだ……」

莉緒「……うんっ。……ねぇ、プロデューサーくん」

P「…ん?」


莉緒「今の私、こんな、汗と涙でぐちゃぐちゃでも、綺麗…?」

P「ああ、綺麗だ。莉緒……ん」

莉緒「ちゅ……じゃあ、今の私、セクシー…?」

P「あー……どうだろ」

莉緒「〜もうっ」ポカポカ

P「いてて……でも、最高に可愛いよ。莉緒」


莉緒「もう……ありがとう」

P「ああ…」

莉緒「…………ねえ、プロデューサーくん」

P「…うん?」

莉緒「…私の胸、触ってみて」

P「え?」

莉緒「ほら…」グイッ


P「おお、柔らかい…」

莉緒「くすっ、そうじゃなくて……ドキドキ、してるでしょ?」

P「……うん。すごく」

莉緒「…ぷ、プロデューサーくんも、その、私の太ももに、さっきから……」

P「……しょうがないじゃないすか」

莉緒「…………」

P「…………」


莉緒「…………くすっ、ふふっ…!」

P「ははっ…! ほら、莉緒も俺の胸、手、当ててみな。……ドキドキ、してるだろ?」

莉緒「うん……すっごく……ね、プロデューサーくん」

P「何だ?」

莉緒「引いちゃうかもしれないけど……私、ハジメテなの」

P「…………そっか」

莉緒「……うん。だからね?」



莉緒「ー優しく、して…?」




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チャポン…

莉緒・P「……っあー……」

莉緒「…くすっ、Pくん、おじさんくさい」

P「莉緒もだろお」

莉緒「ふふっ……ね、Pくん」

P「なんだ?」


莉緒「Pくーん…♪」スリスリ

P「こら、あんまり身体擦り付けんなって…」

莉緒「またシたくなっちゃう?」

P「……かも」

莉緒「私はイイわよ?」

P「ダメだって。まだ痛むだろうし。ゆっくりしなきゃ。……あ、そういえば、熱大丈夫か」


莉緒「いまさらー?」

P「う……まあ、そうなんだけど」

莉緒「…うん。大分熱も引いたみたい。Pくんと一緒に〝運動〟してたくさん汗をかいたおかげかしら? 」

P「あー……。うん。ならよかった」

莉緒「ふふっ……ね、Pくん」

P「ん?」


莉緒「ー大好き♪」

P「…ああ。俺もだよ」

莉緒「ずっと私のこと、大切にしてくれる…?」

P「当たり前だろ。責任取るよ」

莉緒「…うん。……ね、私ね、Pくんのこと好きになってよかった。いっぱい悩んだけど、だから今こんなに幸せなんだって思えるもの」

P「…莉緒」


莉緒「お風呂上がったらチョコ、後で完成させてプレゼントするからね」

P「ああ。でも、溶けかけてたの冷やしてるからまだ時間かかるだろうし。もう少し、ゆっくり浸かろう。今は…莉緒を抱きしめてたい」

莉緒「うん。……ねえ、Pくん。私のこと、これからもずっと見ていてね。彼氏くんとしても…プロデューサーくんとしても」

P「…ああ。約束する。ずっと、側にいるよ」

莉緒「…ありがと。私、これからもっともっとキミのこと、虜にしちゃうんだから! ……ふふっ♪」



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ピピピッ…ピピピピッ…


P「ん……」

P「37.5℃……」

P「やっぱり、莉緒のがうつったか…」

莉緒「ふふ、でもよかったじゃない。お仕事に一区切りついた時で。ほら、彼女がこうして看病してあげてるんだし♪」

P「まあな…ごほっ」


莉緒「あらあら、大丈夫? はい、あーん」

P「あーん……ん、美味しい」

莉緒「そうでしょそうでしょ♪ あ、それと、デザートにフルーツあるからね。後で食べさせてあげるわ」

P「莉緒……ありがとう」

P(莉緒の優しい表情……綺麗だな。)

P(傲慢かもしれないけど…俺と付き合うようになってから、ますます綺麗になった気がする。前とは別人ってほどにー)


莉緒「ふふ、それでね! この後とびっきりのサービスしてあげちゃうんだから♪」

P「サービス?」

莉緒「あ! エッチなこと考えたでしょ?」

P「い、いや。別に」

莉緒「ふふー…ある意味アタリかしら。じゃーん!」

P「……ナース服?」

莉緒「そう! ここに来る前風花ちゃんと話していて思ったの! 私がセクシーナースになって看病してあげたらPくんの熱もイチコロにー」

P「いや、普通に看病してくれればいいかな…」

莉緒「もー! なんでよーー!?]



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P(……あんまり、前と変わってないところもあるけど)

P(……それでもやっぱり)

P(……幸せ、だなあ)


この機会に百瀬莉緒担当になることを決めました!

それでは、またの機会に。


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