春香「史上最強アイドルフェス、激闘!」 (60)
前回のあらすじ
年に一度行われる『史上最強アイドルフェス』に招待された765プロは、4チームに分かれ、優勝を目指してトーナメントを勝ち進む事になった。
模擬フェスが終わり、対戦カードも決定し、ついに開戦の前日となった今日 ......
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前回
史上最強アイドルフェス、開催!
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ルキ「......さて、皆さんが明日戦うことになる、新幹少女ですが......正直手強いです」
千早「......まあ、予想はしています」
ルキ「この映像を見て欲しいんですけど......」
やよい「のぞみさん、ひかりさん、つばめさん全員が舞台に乗って踊ってますね。皆さんとっても楽しそうです」
千早「それと、バックダンサーが数人......」
ルキ「......ここ! ここです!」
春香「......! バックダンサーの足を、わざと踏んでる?」
ルキ「この後、どうなったと思いますか?」
やよい「え、えーっと......」
ルキ「主催者側に、そのバックダンサーは二度と呼ばれることがなくなったんです」
春香「そんな! どうしてですか!?」
ルキ「アイドルとして売れっ子の子達の言葉と、特に売れてないバックダンサーの言葉。真偽を問わず、どちらが聞いてもらえるかと言ったら、答えはひとつでしょう」
千早「ただ、今回のフェスでは直接相手と触れ合うことはありません。一体何を?」
ルキ「精神への負荷」
やよい「............あっ」
ルキ「それはある意味、どんな攻め方よりも強く刺さります。心を折らないように、してくださいね? このユニットは何をしてくるかがわからない......」
春香「......どちらにしろ、戦うしかないんですから。やります」
やよい「でも、どうやるんですか?」
ルキ「......そこから先は、貴方達で考えてもらいます」
千早「......やっぱり、そうなるんですね......」
春香「うーん、どうしよっか............」
やよい「......あの」
千早「高槻さん?」
やよい「私に、バーストアピールを譲ってくれませんか?」
春香「......え?」
ーフェス1日目 会場ー
P「着いたぞ」
春香「......ここが、フェスの会場......」
千早「すごい人の数ね」
やよい「............」
ルキ「今までの特訓の成果、存分にここで発揮しましょうね!」
春香「はい! もちろんです!」
P「じゃあ、早速挨拶周りに「あら、お久しぶりね」
やよい「あ! 新幹少女の皆さん! お久しぶりです!」
のぞみ「......真王子は、いないのね」
千早「............お久しぶりです」
P(ち、千早、そんな睨むなよ......)
千早(私はまだ彼女達を許したつもりは無いですから)
つばめ「それにしても、今度の対戦相手は、結構余裕なんじゃないの? ひかり姉さま」
ひかり「そうね、自分の担当プロデューサーを突き落とした女と」
春香「......!」
ひかり「弟を見殺しにした女」
千早「......」
ひかり「それから、いつぞやの足手まといね」
やよい「......あ......あぅ」
ルキ「ちょ、さすがにそれは......」
P「ルキさん」
P(ここは、俺に)
ルキ「......」
P「君たちもフェスで分かるよ」
つばめ「は? それ、どういう意味?」
P「フェスで、この子達の凄さがわかるよ」
のぞみ「ぷっ、何か言ってるけど、どうするの?」
ひかり「......あなたたちも見てなさいよ。この前の屈辱、ここで晴らさせてもらうわ」
ルキ「............行っちゃいましたね」
春香「......プロデューサーさん」
P「あれがあいつらの作戦なんだろう」
千早「でしょうね。精神を不安定にさせて、全体的な質を落とす。......汚い」
P「だからこそお前達には、正々堂々正面から戦って勝って欲しい......いいな、やよい?」
やよい「は、はい......! 頑張ります!」
P「......よし、じゃあ、今度こそ楽屋に......うわぁっ!」
???「うおぉ!?」
ルキ「ちょっと、二人とも大丈夫ですか!?」
???「ん? ああ、ルキさんか、ということは765プロの......」
春香「ということは、あなたは?」
藻場「CGプロのプロデューサーの、藻場慶介です。はい、これ名刺」
P「......あなたが......」
藻場「はい。道行く所の女の子をスカウトしまくってたら、いつの間にか150人以上を担当することになった、藻場です」
千早「都市伝説だと思ってました......」
???「あっれー? 慶介ちゃん、何してんのー?」
???「ちょ、は、離して」
???「慶介さん、挨拶してますよ! ほら、ナナ達も挨拶しないと!」
藻場「あ、こいつらがハピハピ☆フレンズの3人、諸星きらり、双葉杏、安部菜々です」
菜々「ほらー! 全部言われちゃいましたよー! きらりちゃん!」
きらり「うぇへへ~☆ きらりは気にしてないよー! 皆はっじめましてー! きらりだよ~!」
杏「ちょ、きらり暴れないで! 杏が潰れちゃう!」
きらり「うゆ? 何だか皆元気がないねぇ」
P(諸星きらり......見かけによらず全体の空気にいち早く気づけるのか)
きらり「そんな時は、きらりんパワーで元気マックスにしちゃおー☆」
ルキ「彼女達の名前は聞いたことあります。直接担当したことはないから、ラン姉さまがよく知っているんですけど......」
P(というか、彼女達はBブロックの出演者であって、今日の出番はないはずだ)
藻場「確か、そちらは初戦でしたよね?」
P「はい。CGプロの本番は明日から、でしたよね?」
藻場「練習は楽屋でもできるし、フェスのイメージを固めて欲しくて、無理言って楽屋を開けてもらったんですよ」
きらり「右手をこーして......はい、きらりん☆」
やよい「こ、こうして......きらりん♪」
きらり「ふわぁー! やよいちゃんかっわいいー! ぎゅー☆」
やよい「のわっ、え、えへへ......」
杏「ああ、あの子可哀想に......きらりの餌食になってるよ......」
菜々「でも、とっても楽しそうですね!」
安部菜々(17?)
http://i.imgur.com/q69BLZk.jpg
http://i.imgur.com/rz7dfz8.jpg
双葉杏(17)
http://i.imgur.com/ww3SB8J.jpg
http://i.imgur.com/seaqtkg.jpg
諸星きらり(17)
http://i.imgur.com/G4A7ynk.jpg
http://i.imgur.com/62DMw1c.jpg
藻場「まあ、彼女達は遊びに来た感覚ですけど......緊張しすぎるより全然ましです。きらりがそちらに迷惑かけて、申し訳ないです」
P「いや! むしろ緊張してたやよいが笑ってくれてるので、こちらとしては、ありがたいくらいです」
千早「ねぇ、皆そろそろ、最終確認をした方が......」
菜々「あ、そうでした! ナナ達は皆さんの活躍を見に来たんですよ!」
杏「あー、そういえばそんな事でもあったっけ? 久々に練習しないでいいと思ってたら、そういうことだったのかー......帰っていい?」
藻場「さ、帰るぞ。楽屋にな」
きらり「レッツゴー☆」
杏「うわー! 嫌だー!」
菜々「あはは......それでは、さいならバイビー!」
春香「さ、さいならバイビー?」
P「さて、挨拶もすんでしまったし、とりあえずここでお別れだな」
やよい「私たちは楽屋に行って......プロデューサーは?」
ルキ「私と一緒に、客席で観戦です」
P「そういうことになる、かな?」
春香「じゃあ、ここからは私たちセイレーンだけでの戦いになるんですね」
P「ああ、頑張って来いよ」
春香「......はい!」
ーフェス会場 客席ー
ワアアアアア
P「......始まるな、そろそろ」
ルキ「......ええ、そうですね......」
真「プロデューサー!」
P「ま、真!?」
マスミ「レッスンもそんなにできる状態でなく、セイレーンをとても気にしていたのでな。連れてきたよ」
雪歩「こ、こんにちは」
真美「やっほー!」
ルキ「じゃあ、スノープリンスのメンバーと一緒に見物ですね!」
ー事務所ー
小鳥「あー、そろそろ始まりますよ! ドキドキしますね!! 社長!」
高木「ああ、そうだねぇ......あ! 録画はしてあるかい?」
小鳥「もちろんです!」
律子「二人とも、少し落ち着いたらどうですか?」
小鳥「あ! 律子さん!」
亜美「やほやほー」
あずさ「こんにちは~」
伊織「やっぱり、フェスでの戦法の勉強は、フェスを見るしかないからね」
亜美「はるるんたちも心配だしね!」
あずさ「そうね......あ、ほら、始まったわよ」
ーステージ裏ー
春香(皆、行くよ)
千早(高槻さんを中心に、私達がそれを支える)
やよい(うっうー! 皆さん、よろしくお願いします!)
ひかり(......あのやよいって子を狙うわよ)
つばめ(はいっ)
のぞみ(はっ! 今近くに王子がいる気がする......負けられないわ!)
司会[さあ、まずは最初の期待値から見てみましょう]
期待値
セイレーン 4628
新幹少女 5372
司会[わずかに新幹少女がリード。さあ、これから、前半戦が始まります! レディー......ゴー!!]
ー1分経過ー
『CHANGIN’ MY WORLD!! 変わる世界 輝け』
ー前半2分経過ー
セイレーン 8635 新幹少女 9236
ー楽屋ー
藻場「うーん、票数の差は変わらない、か」
きらり「どっちもかわゆいね! がんばってー☆ 」
菜々「け、慶介さん、これ......」
藻場「......菜々さんは気づいたか」
杏「え? 何か問題あるの?」
藻場「ああ、でかい問題がな」
ーステージー
春香(な、何これ!?)
千早(向かい風!?)
やよい(向こうの新幹少女さんの、扇風機ですね......)
ー3分経過ー
セイレーン9343 新幹少女 10342
小鳥「なんだか、思ったように動けてない感じが......」
律子「新幹少女のセットの仕業ですね。自分達に風を吹かして、スピード感を与えるだけでなく......」
伊織「その風を春香達に当てて、思うような動きをさせなくしてる......いい度胸じゃないの!」
ー4分経過ー
セイレーン 10121 新幹少女 12113
春香(やよい!)
やよい(はいっ!)
やよい「次は、私が頑張りますよ!」
ウオオオオオオオオ
『セブンカラーズのキャンディ 頬ばって』
ハイッ! ハイッ!
真「よしっ! 空気はこれでセイレーンのものだ!」
マスミ「菊地君、甘いぞ」
真「え?」
雪歩「でも、これで逆転はできるんじゃ......?」
P「......ゲームとかの駆け引きが得意な真美なら、この後どうする?」
真美「うーん、流れを戻すために、バーストしちゃうかな」
P「......そういうことだ」
『ねぇ 聞こえたら ココに来てよ』
ー新幹少女 burstー
やよい(えっ?)
つばめ(ふふ、あいつ、びっくりしてるよ?)
のぞみ(まあそうよね、逆転のチャンスを消されて、しかもこれからサビに行くってときに......)
ひかり(これであの子は、しばらく......)
やよい「......あ」
春香(やよい、ドンマイ!)
千早(気にすることないわ。体力を回復して、またアタックしていって。そしたら逆転は......)
やよい(やっぱり私、足手まといなのかも......)
春香(ちょ、やよい!?)
ー7分経過ー
セイレーン 10536 新幹少女 23651
藻場「思ったよりも差が開くなぁ......バーストを舐めたらダメだな」
菜々「しかも、なんだかあの、やよいちゃんって子が、元気を無くしちゃってますよ!」
杏「......嫌な攻め方だね。しかも風を受けながらって、やる気もなくなっちゃうだろうし......」
きらり「やよいちゃん......頑張って欲しいな」
春香(ほら、やよい! 頑張って!)
やよい(......すみません、一度出ます)
千早(た、高槻さん!!)
ー前半8分経過ー
セイレーン 11124 新幹少女 26512
あずさ「あら? やよいちゃんが......」
高木「うーん、相当心に来たみたいだねぇ......」
亜美「ぶ、分析してる場合じゃないよ! どうすんのさ!!」
小鳥「このまま、二人で続けるとなると......」
律子「......セイレーンに、勝ち目はないでしょうね......」
伊織「打つ手なしなの?」
高木「......彼女達を信じよう。大丈夫だ」
ー前半10分経過ー
セイレーン 12685 新幹少女 27216
『君まで届きたい! 裸足のままで』
春香(だめ、千早ちゃんと私だけじゃ、どうしても体力が......!)
千早(......私、次はダンスをするから。春香は歌を、お願い)
春香(う、うん!)
ひかり(......うん、いいんじゃないの?)
のぞみ(ここで、あの子に戻られたりしたら、向こうの注目度が上がるだけよ......)
つばめ(そこで、私の作戦がいいと思うのよね~ん♪)
つばめ「みなさーん! 私、765プロの人達のお歌も、ちょっと歌ってみたいなって思うんですけど、いいですかぁ?」
ウオオオオオオオオ
春香(え?)
千早(今......なんて?)
つばめ「じゃあ、つばめ、歌います! 『キラメキラリ』!」
春香(う......そでしょ?)
『フレーフレー頑張れ! さあ行こう』
千早(どこまで、高槻さんの心をえぐる気よ......)
ー前半13分経過ー
セイレーン 19621 新幹少女 30211
真「う、うわぁ......差がどんどん開いちゃってますよ!」
P「あいつ、わざと舌足らずな感じで歌って、やよいに似せてるつもりか?」
マスミ「だとしたら、あれを楽屋のモニターか、舞台袖で見せられてる高槻君にダメージを与えるためか」
ルキ「すごいですよね......今回の鍵が、やよいちゃんってことに気づいてるんでしょうか?」
P「あの中で一番、精神面ではやよいが打ちやすいからな。他人に敏感な分、自分も壊れやすい」
真美「......分かんないね」
雪歩「ま、真美ちゃん?」
真美「まだ、前半だもん。それにあの二人も......」
春香(絶対に、やよいが来るまでは......)
千早(ここをつなぐ! バーストを使わずに!)
真美「諦めようとはしてないしね!」
ルキ「......千早ちゃん、模擬フェスから学びましたね」
P「......20000だ」
真「え?」
雪歩「20000票以上差がついたら、勝ち目が薄くなる......でしたっけ? 前、プロデューサーが言ってました」
P「そういうことだ。よく覚えてたな」
―前半14分経過―
セイレーン 21216 新幹少女 33119
杏「……差が、開いちゃってるね」
きらり「む~っ! なんだかあっち、ずるいことしてゆ!」
菜々「ずるくはないですよ……汚いことをしてるように見えるけど、あれも作戦としては、ルールからそれてない……これはこれでありなんですよね」
藻場「まずいな……逆転の振れ幅を、このままだと後半行く前に超えるぞ……」
きらり「振れ幅?」
藻場「今12000くらいの差が開いてる……彼女たちはおそらく、あの小さな女の子にバーストをしてほしいんだろうな」
杏「……20000なんて、後半行く前に超えちゃうだろうね」
菜々「ナナにはわかります……あのボードの得点を見れば、誰にだって一瞬でその場の勝ち目は明らか。それはもちろん、ファイターの目にも……」
藻場「ファイターって……まあ、菜々の言ってることは間違ってない」
きらり「20000超えちゃったら……負けちゃうしかないの?」
藻場「可能性がゼロとは言わないが……返すのが難しくなる……はずだ」
―前半15分経過―
セイレーン 24981 新幹少女 38006
春香(…………うぅ、やっぱりきついね……)
千早(春香、一度降りて)
春香(え?)
千早(いいから……)
『さあいっぱい食べようよ』
千早(さっきから高槻さんの曲ばかり……そろそろ私も怒るわよ……)
春香(千早ちゃん……わかった)
千早(ありがとう……)
千早「……みなさん、そろそろ、アップテンポばかりでなく、しっとりとした曲はどうでしょうか?」
いいねぇー!
千早「では……聞いてください」
『泣くことならたやすいけれど 悲しみには流されない』
―前半15分経過―
セイレーン 27119 新幹少女 39011
高木「一気に票が動いたね」
小鳥「今までアップテンポばかりだった曲に、急に千早ちゃんの得意なジャンルで、歌を魅せられるチャンスがきた……と」
律子「そういうことですね。観客も、もう恐らく新幹少女の声は届いてないでしょう」
亜美「……やよいっち……」
伊織「大丈夫よ。やよいはここで終わるような子じゃないわ」
あずさ「……まだ、負けてほしくないわ……特に、このユニットには……やよいちゃんをいじめるのは、良くないわよね」
高木「そうだねぇ……負けないでほしい。それは誰もが思っていることだよ。それは、新幹少女のファンも、同じように負けないでほしいと思っているんだよ」
小鳥「そうですよね……私がやってた頃は、こんなに危ない場所じゃなかったのになぁ……フェス」
律子「小鳥さんが?」
小鳥「ああ、いえ、なんでもありませんよ?」
―前半18分経過―
『あなたを愛してた でも前だけを見つめてく』
千早「……ありがとうございました」
ワアアアアアアアアアアアアアアア
セイレーン 30896 新幹少女 40932
のぞみ(う、嘘でしょ……?)
つばめ(票差がどどんと縮まっちゃってる……面白くない)
ひかり(この差を埋められないように、守るわよ。同じ手を奴らに使わさせない。私たちがまだ勝ってるわ)
つばめ(でも、どうするのよ)
のぞみ(次は、私が行きます……)
のぞみ「皆ー!! 元気かなー!?」
ウオオオオオオオオオオオ
のぞみ「しらけ気味だねえ……もっともっと、大きな声で!! 快速特急! 新幹少女!!」
カイソクトッキュウ!!
のぞみ「もーっともっと!!」
カイソクトッキュウウウウウウウ!!!
のぞみ「いいよー!」
のぞみ(何も歌だけが、フェスを決めるんじゃないのよ? 完璧にファンをこちら側に持ってくまでのテクニックは……私達が強い)
ひかり(のぞみ……やるわね……)
真「快速特急!!」
雪歩「ま、真ちゃん、何全力でやっちゃってるの!?」
真「対戦相手にも敬意を示さないとね」
真美「すごいね、まこちん! 大人のたいおーって奴だよ!」
マスミ「……まあ、それはいいんだが……プロデューサー君、さっきのコールは、なかなかに効いてるみたいだな……」
P「ええ、そうですね。その証拠に……」
セイレーン 31765 新幹少女 42367
P「また徐々に、差が大きくなっていってる……」
ルキ「それに、休憩時間は、たくさん票が入る瞬間でもあります。前半の最後、強い印象を残した方が、点数は取りやすい」
真「つまり、新幹少女の方が……」
雪歩「今は点数が入りやすい状態、ですね……」
マスミ「ああ。そしてそろそろ……」
―前半終了―
司会[ここでタイムアップ! いったん休憩タイムです! 勝利はどちらに転んでも、全くおかしくない状態のまま、後半戦に持って行かれた。現在の結果を見てみよう!!]
セイレーン 32901 新幹少女 43674
司会[現在は、新幹少女が大きくリード!! どうなる!? セイレーン!!]
千早「…………ふぅ」
藻場「……おどろいたな。結局差は11000で止まった」
杏「縮めちゃったね」
藻場「後は、千早さんと春香さんが、どのようにしてやよいさんを説得するか、何だが」
きらり「うー、なんだかきらり、休憩の10分我慢できないかも~……むぇ~」
菜々「わ、私もです! 胸がうずうずしちゃいますね……」
藻場「……皆、大丈夫だ。いいか? よく聞いてくれよ?」
菜々「はい?」
藻場「後半は、セイレーンだけを見ておけ」
杏「……え?」
きらり「ふえ?」
今日はここまでです
毎度毎度、画像先生まじありがとうございます。
―休憩 楽屋―
千早「二人とも、大丈夫?」
春香「私は……でも、やよいは……」
やよい「私の、曲……と、とられちゃって……」
千早「……高槻さん……」
春香「後半、出れる?」
やよい「……………………出たい、です、けど……出ても、私「必要なの」
千早「足手まといなんかじゃない。むしろ、彼女たちに一泡吹かせてやれるのは、もう高槻さんしかいないの」
やよい「…………私、しか……でも、持ってる曲はもう」
千早「高槻さんが歌ってない曲は、高槻さんの曲じゃない」
春香「千早ちゃん……」
やよい「…………すみません、まだ……」
春香「わかった。出れるときになったら、やよいが好きなタイミングで、バーストをかけて」
やよい「……え?」
春香「千早ちゃんが差を縮めてくれた。今度は、私が差を縮める番だよ」
千早「わかったわ。後半、最初は春香一人で」
春香「うん。スタッフさん、すみませーん! 後半最初の曲なんですけど……」
―後半―
P「始まったな……」
マスミ「……得点は……」
セイレーン 38206 新幹少女 53229
真「く……点差が広がってますね……」
雪歩「やよいちゃんは、大丈夫なのかな?」
真美「…………わかんない、あっ、はるるんが出てきたよ!」
雪歩「春香ちゃん一人なのかな?」
真美「相変わらず新幹少女は3人ともステージに出るんだね……」
真「スタミナの回復は、3人がMCをしてる間にしてるからね」
司会[さあ、ついに幕を開ける後半戦! この20分ですべてが決まるぜ!! アイドル達もスタンバイはオーケーかい!? それじゃあレッツ、スタート!!]
春香「あーっはっはっは!! さあ、そこに跪きなさい!!」
ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
ひかり(……う!?)
のぞみ(何あいつ……目立たないと思ってたら……)
つばめ(……ムカつく)
『まるで荒れる波濤のように 背筋つらぬき 心狂わす出会い』
―後半 1分経過―
セイレーン 40129 新幹少女 54007
小鳥「は、春香ちゃん!?」
高木「おお、これは……」
伊織「春香が、いつぞやの映画でやったキャラクターね……」
あずさ「すごいわねぇ、やっぱり演技力が」
亜美「は、はるるん……なんかちょっと怖いなぁ……」
律子「でも、春香の予想外の行動で、全体がセイレーンに注目しています」
小鳥「もしかしてこれ、差を広げさせないための対策、ですか?」
高木「彼女たちは信じてるんだ……やよい君の復活を」
伊織「…………やよい、負けんじゃないわよ……」
―後半3分経過―
千早(私も行くわよ)
春香(ありがとう、千早ちゃん)
千早(この空気のまま、デュオを)
春香(うん!)
『冷めたアスファルト 人波掻いて』
セイレーン 42187 新幹少女 54220
きらり「すっごーい、どんどん差が縮まっていくよ!」
杏「このまま逆転しちゃうかも……!?」
藻場「いや、無理だ」
菜々「えぇ!? 何でですか!?」
藻場「そろそろ向こうが仕掛けてくるはずだ。それまでに、彼女が帰ってこないと……」
杏「えっと……高槻、やよい?」
藻場「……うん」
のぞみ(本当に面白くない! なんなの!?)
つばめ(……差がこのままだとなくなるね)
ひかり(……見てなさいよ)
ひかり「それじゃあ、今度は私が行きます!! 私の曲……聴いて、くれますか?」
ワアアアアアアアアアアア
ひかり「ふふっ、ありがとうございます……では」
―後半5分経過―
セイレーン 44112 新幹少女 57112
真美「また差が開いた!」
P「ようやく、自分たちの持ち歌を披露し始めたな……そして」
雪歩「そろそろ、二人はネタ切れ……」
マスミ「……頼む、勝ってくれ」
真「……………………大丈夫です」
真美「え?」
真「あの子たちは……土壇場に強い」
雪歩「……そっか、そうだよね」
―後半7分―
千早「はぁ…………はぁ」
春香(千早ちゃん……だいじょうぶ?)
千早(これ以上、踊るのは……無理ね)
春香(どうするの?)
千早(……最後の賭けよ)
千早「皆さん、フェス、楽しんでますか?」
ウオオオオオオオオオオオオオ!!
千早「そろそろ、私たちセイレーンの、もう一人の女の子の声、聴きたいんじゃないですか?」
ワアアアアアアアアアアアアア
千早「じゃあ、皆でコールしましょう! せーの!」
やよい! やよい! やよい! やよい!
春香「…………わああ!」
千早「もっともっと!! やよい!」
春香「もーっと大きな声でー!!」
やよい!! やよい!!
―後半10分―
律子「コールを始めてから、3分……」
あずさ「得点は……」
セイレーン 46458 新幹少女 64216
あずさ「このままだと、20000差が開いちゃいますよ?」
小鳥「……なんでだろう、不思議だな……」
伊織「小鳥?」
小鳥「どうしても、セイレーンが負けちゃうなんて、思えないの」
亜美「ピヨちゃん……亜美も!」
高木「私もだよ」
―後半11分 楽屋―
やよい! やよい!
やよい(…………私を、待ってる人がいる……)
やよい(でも……)
【のぞみ「邪魔よ! 足手纏い!」】
やよい(でも……)
【つばめ「キラメキラリ! 歌いまーす!!」】
やよい(…………)
『いつまで落ち込んでるの!?』
やよい「……え?」
『あなたにしかできない、あなたの曲がある。誰しもが批判される世界なの。でも……誰もが誰かに応援されるの!! 私も……そうだったの』
やよい「……千早さん……」
『お願い、出てきて……そして……』
やよい「…………」
『一緒に楽しみましょ? このライブの人たちと』
やよい「……!!」
―後半14分経過―
セイレーン 48952 新幹少女 67889
菜々「うぅ、ナナさっきからドキドキが止まりませんよう!」
杏「そんなことより、さっき千早が言った言葉は、何だったの?」
藻場「おそらく、たった一人に向けて言われた言葉だ……」
きらり「やよいちゃんだね?」
藻場「……そうだ。それで、彼女に最後のチャンスが来る」
春香(お願い、やよい……来て!!)
千早(…………ダメね、これ以上待ってはいられない)
春香(そんな、千早ちゃん!)
千早「では……次の曲は「『キラメキラリ』です!!」
春香「…………信じてた、信じてたよ! やよい!!」
やよい「うっうー!! 皆からの声、とーってもうれしかったです!! もう大丈夫です! どんなに辛いことがあっても、元気いっぱいで、頑張ります!!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
ひかり(い、今までにない盛り上がり方ね……)
のぞみ(ねぇ、あいつらってそういえば……)
つばめ(まだ、バーストしてない……やばい!!!)
『フレーフレー頑張れ! さあ行こう♪』
―セイレーン burst―
P「来た!!」
マスミ「最後のチャンスだ、これを無駄にするわけにはいかんだろう!!」
真美「ファンの兄ちゃん姉ちゃんも、気合入ってるみたいだね!!」
真「ボクらも全力で、行くよ!! 雪歩も!!」
雪歩「うん!!」
『キラメキラリ ずっとチュッと』
チュチュッ!
『地球で輝く光』
きらりん!!
『キラメキラリ もっとMOREっと!』
MOREっと!!
『私を私と』
よびったっい!! いぇい!!
やよい「もーっともっとですー!!」
ハイッ! ハイッ! ハイッ! ハイッ!
―後半17分経過―
セイレーン 73986 新幹少女 67889
藻場「……決まりだな、さ、帰るぞ」
杏「おお、プロデューサーもようやくわかってくれたかな?」
藻場「何言ってるんだ? これから明日に向けてのレッスンだ」
菜々「えぇ!? もういいんですか?」
藻場「わかっただろ? これがフェスだ」
きらり「最後まで何が起こるかわからない……勝って兜の緒を締めよ!! それがフェスってことだね☆」
藻場「なんだか違う気がするけど、そういうことだ。わかったら立て、そして行くぞ!」
杏「うえー、やだー!!」
菜々「ほおら、杏ちゃん!! 頑張りましょうよ!」
藻場「……大玉10個」
杏「……約束だかんね?」
藻場「もちろん」
―後半20分経過―
司会[ここで終了です!! お二方とも、お疲れ様でした! 気になる双方の得点は?]
セイレーン 79329 新幹少女 70128
司会[これは……!! 正真正銘セイレーンの大逆転勝利だー!!]
ウオオオオオオオオオオオオオ!
P「勝った!!」
ルキ「よかった……本当に、良かった……」
マスミ「ルキ、涙を拭け。そんな顔を彼女たちに見せるなよ?」
ルキ「はい! ずびーっ」
真「……ま、マスミさん!」
マスミ「何だ?」
真「これから……レッスンに行きましょう! 歌なら、ボクだってできますよね!?」
真美「そうそう! こうしちゃいられないよ!!」
雪歩「私も、今はとっても体を動かしたいです!!」
マスミ「君たち……ああ、わかったよ。行こうか」
真「へへ、ありがとうございます!!」
春香「やったあ!! すごいよやよい!!」
やよい「えへへ、ありがとうございます!! それと……すいませんでした!」
千早「いいのよ、最終的に、高槻さんのおかげで勝てたんだから……」
やよい「千早さん、ありがとうございます!!」
千早「ちょっ、た、高槻さん!?」
春香「あはは、千早ちゃん、やよいにギュってされて照れてるよ!」
千早「て、照れてないったら! ほ、本当に!」
やよい「千早さんの言葉が無かったら……私、多分ここに来れませんでした」
千早「別に……前の春香の真似をしただけだし」
春香「え?」
千早「ふふ、何でもないわ」
???「へっ、冷や冷やさせんじゃねぇよ」
春香「……この声、もしかして……」
???「あれくらい、俺なら楽勝だけどな。これで、765プロと初めて実力で勝負することができるぜ」
春香「と、冬馬くん!」
冬馬「ああ、俺は次にサザンクロスとか言うのと戦ってくるからな」
翔太「あー、冬馬くんまた言ってる! 俺じゃなくて、俺たちでしょ!?」
冬馬「ははっ、違えねぇ」
北斗「ちゃお☆ エンジェルちゃんたち。君たちのおかげで、俺たちもだいぶ成長することができたよ」
冬馬「いまじゃプラネットプロダクションで、俺たちの実力で上まで上り詰めてきたぜ!」
千早「そうね……そして、このトーナメントに……」
翔太「うん! さっきのやよいちゃん、すごかったよね! 僕もあんな感じで頑張りたいなあ!!」
やよい「えへへ、そういわれると嬉しいです!!」
北斗「まあ、俺たちなら大丈夫だよ。普通に勝てるさ……見ててよ、ね☆」
春香「あ、あはは……ありがとうございます」
北斗「おっと……俺のウインクをかわさないでほしかったな……じゃあ、またね。ちゃお☆」
翔太「僕も行くねー! ばいばーい!」
冬馬「あ! 待て! 俺を置いてくなー!!」
―A2戦 終了―
サザンクロス 18921 ジュピター 93483
千早「……本当に、完封勝利ね……」
春香「すごい……相手が完全にやられてた……」
やよい「バーストを向こうがしている時も、点の伸び方が小さかったっというか……」
P「全てタイミングだ」
春香「プロデューサーさん!?」
ルキ「そうです。対してジュピターは攻め方も完ぺきでした。個々の実力はセイレーンは、正直に言ってあまりない」
千早「く……そうですね。感じています」
ルキ「でも3人なら勝てます」
やよい「え?」
ルキ「天ヶ瀬冬馬、御手洗翔太、伊集院北斗には勝てなくても」
P「ジュピターになら勝てる」
春香「……どういう、意味ですか?」
P「…………」
千早「これ以上は、言えないってことですね……」
やよい「どうしてですか?」
P「え?」
春香「そうですよ、どうしてプロデューサーさんは、今回私たちを助けてくれないんですか?」
P「…………ジュピターのステージに3人が上った時……」
千早「……え?」
P「千早、お前にかかってるぞ」
千早「……は? プロデューサー?」
ルキ「さ、そろそろ戻りましょう。みなさん、今日はどうしますか?」
やよい「レッスン……ですよね?」
春香「……やります。私、いいこと思いついたので」
P「……じゃあ、俺はこのあたりを散歩してから行くな」
やよい「はーい」
冬馬「ふぅ、予告通り圧勝だぜ」
翔太「良かったよね本当。向こうがわかってなくて助かったよ」
北斗「わかられたとしても、俺たちには実力がある、そうだろ?」
冬馬「本当はその"弱点"を消すために努力できればいいんだがな……」
???「弱点? だとォ?」
翔太「……! この声は……」
北斗「もしや……」
黒井「ウィ、そうとも。この私が、961プロの社長であり、スーパーセレブの、く、ろ、うぃ、だ」
北斗「しゃ……いえ、元社長、でしたか」
冬馬「何の用だよ?」
黒井「へっぽこなお前たちを見に来たわけではなく、数々の戦略を盗もうとしていただけだ。あくまで賢く、論理的に、な」
翔太「ふーん、それで? 黒ちゃんはなんのようなの?」
黒井「私はお前たちに文句を言いに来たんだ。今は関係ないオマエラだが、過去に961プロにいたオマエラに、私のスペシャルなプロダクションを汚されては困るからな。まず、冬馬……」
冬馬「……」
黒井「ダンスが下手だなあ」
冬馬「ぬぐっ!」
黒井「お前の動きが遅れているのが目立ったぞ。醜い鶏のようだったな。足がよろよろしていて滑稽だったわ」
翔太「あっはははは! 冬馬くん、めちゃくちゃ怒られてるじゃん!」
冬馬「う、うるせーよ! 大体……」
黒井「翔太、お前少しはキレてみろ」
冬馬「話聞けよ!」
黒井「あのようにだ」
北斗「次は、いい例にされちゃってるね……」
翔太「キレるって?」
黒井「ダンスを終始笑顔で踊ってるではないか。もう少し表情にもキレを入れろ」
翔太「はーい」
黒井「北斗は全体的に微妙だ」
北斗「俺には辛辣なダメ出しだなあ……」
黒井「微妙というのは、あの低能765プロに比べればどうということもないが、全体的にきらりと光るものがない……いや、光りすぎていて全てが光らないで見えている、が正しいか」
北斗「……なるほど、俺のオーラのせいなんだな……」
黒井「分かったらやれ! 2回戦は765プロと対戦だ……負けたらどうなるか、わかってるだろうな?」
ジュピター「はい!」
黒井「……ふん、しゃべりすぎたな。どこかへ散歩に出かけるか」
冬馬「…………」
翔太「…………」
北斗「…………」
冬馬「……どう、思った?」
翔太「びっくりしたよ……"弱点"より先に、"長所"だと思ってたところを否定されるなんて……」
北斗「俺たちもまだまだだし、しゃちょ……黒井さんも、ちゃんと俺たちを、俺たち以上にわかってくれてたってことだね」
冬馬「……だからって、わかってんだよ」
北斗「わかってるって?」
冬馬「おっさんに言われるまでもねえ……765プロとの初めての実力勝負だ……絶対に勝つぞ」
翔太「だよね。僕的には、もっと楽しんでもいいと思うけどね」
北斗「楽しんで勝つ。いつもと同じだね?」
翔太「そのために今から、帰って練習だ!!」
冬馬「よっしゃ! 行くぜ!!」
―練習場―
ラン「……いい、動きだ」
貴音「……ありがとうございます」
美希「……でも、動きじゃダメだね」
響「うん……もっともっと、いろんな人に聴いてもらわなきゃ」
ラン「もう一度、映像をみせよう。これがDOLLのやり方だ……」
美希「…………何度見ても、すごいダンスだね」
響「これを20分やり続けるんだから、本当すごい体力だよな……」
貴音「歌っていないから、というのもあるかもしれませんね……」
ラン「DOLL。アイドル企業の中でも珍しい、歌わないアイドルグループ。3人で構成されており、ダンスのみのパフォーマンスをする。そのDOLLの踊るダンスの楽曲は、かなりの枚数売れている」
貴音「だからこそ、ダンスではなく、歌で勝負する……それが、私の出した最善と思われる策です」
ラン「他の二人も、それでいいんだな?」
響「うん、大丈夫だよ」
美希「貴音を信じるの」
ラン「……そうか、まあいいだろう。じゃあ、またボイスレッスンに戻すぞ」
3人「はい!」
―???―
P「……もしもし、音無さん?」
P「……ええ、はい、順調ですよ」
P「……もちろんです。このことは、彼女たちには伝えるわけにいかない。他にも協力してくれてる人がいますから」
P「なぜそんなことをするのか、ですか?」
P「……見たいんです。彼女達が最高に輝く瞬間を……」
―to be continued―
ありがとうございました。
こんな感じで本当に少しずつ進んでいきます。
次回、DOLLvsフェアリーと、シンデレラドリームvsスノープリンスは
雪歩「史上最強アイドルフェス、白熱!」
にて書かせていただこうと思います(というのも、しばらく多忙なので、更新がいつも以上にのんびりになりそうなので、早めにスレをたたませていただきたくて……すみません)
よろしくお願いします
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