おりほむ殺し愛スレ
不定期糞亀更新
巻き戻し前提の周回(ほむループ中の過去話で本編時間軸じゃない…つまり)
オリジナル魔女が出たりする
性格=誰だこいつ等
シリアスの皮被ったギャグかもしれない、シリアル
たまにたむらネタがあったり、なかったりするかもしれない
以上。これより開始
butterfly effect<バタフライ エフェクト>
バタフライ効果と呼ばれるそれの概要を簡単に説明するとほんの些細な出来事で全体が大きく狂う事。
北京で蝶が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起こる
ちょっとしたシャツについたボタンの掛け違いでさえ、運命という名の歯車時計は異常をきたす
全く以ってデリケート極まりない
ひとつの時計があった、誰が決めたわけでもなく自然と決まった動きで定期的に動いていた
これからもその先も時計が壊れて二度と動かなくなるまで定められた時をなぞる様に廻り続ける筈
だったのだ…
如何なるものにも想定外、イレギュラーは付き物
塵埃でも溜まったのだろう、積もり積もった因果という名の塵埃はある時、時計の秒針を狂わせた
本来であれば、起こり得る筈の無いトラブルを引き起こし、"いつも通り"からかけ離れた動きを起こす
これは、そのトラブルが起きて直ぐの話、再び長針、短針、秒針が全て揃って再び動き出した所から
その地点から再び始まる、まだ整備不良の時計が異常をきたしままの物語
その日、某県の病院にある一室で一人の少女が目を覚ました
窓際から柔らかな風と共に散り掛けの桜の花びらがひらり
もうじき退院となるであろう少女への祝いの手向けにさえ思える
生まれつき心臓の血管が極度に細く病院を転々とし続けた少女はそんなドラマティックな目覚めの朝に
最悪な気分で覚醒した
ほむら「うっ、おえぇぇ…」バッ
昨日まで、長い黒髪を束ねた赤枠眼鏡の女の子はどこにでもいる、強いて言うなら病弱な子で
昨晩も清潔な病室の真っ白なシーツの上で微睡みに意識を委ね、心は夢という名の水底に沈んだのだ
だが、その翌朝に変化が生じた
何も無かった左手の薬指に突如、指輪が現れていた
昨日までの彼女は『別の彼女』に変わっていた
光の射しこむ病室で起き抜けに腹の底から込み上げる胃酸を吐き出すまいと手を口元に押し当て
必死にそれを飲み込む
ほむら「――っ、んぐっ、うっぶ……」ゴクッ
ほむら「ハァ…ハァ…」
喉に嫌な感触が残る、鼻につんとした自身の嘔吐の匂い、先程まで見ていた最低で最悪の悪夢…
思い出すだけで吐きそうになる、身体が拒絶反応を引き起こす嫌な感触だ
初日の朝一番で指輪についた魂…ソウルジェムが濁るのを実感する
ほむら「美国…織莉子…っ」ギリィ
戻って来ていつもなら、真っ先に行うのは視力回復と病弱体質の改善だが、今回ばかりは違った
歯軋り、そして、悪夢に出て来た女の名前を呪詛するようにつぶやく
感情で人を呪い殺せるなら、今、この瞬間に暁美ほむらが唇から紡いだ少女は死んだことだろう
こうして負の感情を蓄積することは危険だ、この行為は自身の寿命を早める行為に他ならない
何か、どんな些細な事でも良いから気を紛らわせよう、忌まわしい記憶を脳の戸棚の奥底に押し込んで
厳重に鍵でも掛けてしまおうと努めようとしたものの、…無理だった
それだけ彼女の中では悪夢の世界で登場した人物は大きな存在となった
思い出したように身体能力の向上を行う、別の事に没頭しなければ今にでも呪いを振りまく存在になる
眼鏡を外し、編んだ三つ編みを解き、交わした約束の為に弱い自分と決別する
『今回』こそは、彼女を救って見せると…その為に、白い悪魔を駆逐しよう
今回イレギュラーがあるとすれば、駆逐する白い悪魔が1匹から、1匹と1人に変わったことだ
ほむら「殺してやる、…美国織莉子…必ず、私がアイツを殺してやる…っ」キッ
彼女の統計通りならば、間もなく巡回の者が来て体調はどうか訊かれる
本来の彼女であればその後にに少しでもやれることをしようと
最寄りの武器庫から銃を無断で拝借して帰って来るところだ、…拝借される側は堪ったものではないが
小指を詰めるくらいで許して貰えるだろう、たぶん
抑えきれない衝動は此処に来て決められた道順を歩む彼女をレールから脱線させる
簡単にいうならムシャクシャした、虫の居所が頗る悪かった
白女、白羽女学院の制服だとクラスの誰かが言っていたのを覚えている
今すぐにでも赴いて首に手を掛け縊り殺してやりたい織莉子への殺意を魔女に向けてやろうと
魔女に同情したくなる壮大な八つ当たりを決行することにしたのだ
あの女の所為で、戻って来て早々に濁りを溜めた、だからグリーフシードが必要になった
これは仕方のない行為なんだと、屁理屈じみた言い訳を自分に言い聞かせながら
バコンッ!
ほむら「…まずは武器を手に入れたわね」カチャッ、ゴソゴソ
煙草臭い事務所のロッカーを開き、鈍い輝きを放つ凶器を手にして彼女の固有武器である盾に収納する
慣れた手つきで行われる窃盗に顔を顰める者は誰一人としていない、寧ろ認識している者さえいない
秒針の止まった時計の傍を魔法少女姿のほむらが素通りし
都市開発の進んだ三滝原の雑居ビルの陰へと歩む、人気のない路地裏で変身を解除してそのまま遠い昔に
紅茶が好きな先輩から教えられた方法も兼ねて魔女結界を探す
統計で大まかな位置は分かるが、微妙にずれている場合もあるからだ
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