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― 大学・高校合同練習
愛里寿「みほさん、今日はありがとう」
みほ「うん、私もすごく楽しかったよ!」
愛里寿「あ、あの…また、試合してくれる?」
みほ「もちろんだよ」
まほ「話し中に失礼する、みほ、ちょっといいか」
みほ「お姉ちゃん」
まほ「今回の試合の事なんだか…大丈夫か?」
愛里寿「私の方は大丈夫です」
まほ「すまないな」
みほ「うん、じゃあ愛里寿ちゃんまたあとでね」
愛里寿「はい」
みほ「うん、そこはね…」
まほ「なるほど、でもこういうのはどうだ…」
愛里寿「……」
愛里寿(お姉ちゃんか…私にもいたら一緒に戦車道したり、遊んだりできたのかな…)
愛里寿「いいなぁ…」ポツリ
…
……
― 島田家
愛里寿「お母様、姉が欲しいです」
千代「え?」
千代「姉?お、お姉ちゃん…!?」
愛里寿「はい」
千代「妹じゃなくて、お姉ちゃん?」
愛里寿「はい」
千代「どういう事よ、貴女達説明して」ヒソヒソ
メグミ「隊長がなにやら悩んでおられて…」
アズミ「聞けば、お姉さんが欲しいと…」
千代「……」
ルミ「家元、実は隊長の前に産んでいる子供とか…」
千代「いるわけないでしょ!」クワッ!
千代「大体、姉って…妹ならまだしも…」
メグミ「いかがいたしましょう」
千代「こういう時、貴女達三人が『私がお姉ちゃんよ!』って立候補して慰めると思ったんだけど」
ルミ「いやぁ~、私達は隊長の下に付いて長いですし」
アズミ「島田流の門下生というイメージも付いてしまって」
愛里寿「やっぱり無理ですよね…」ションボリ
千代「愛里寿ぅ…わかったわ…」
千代「こうなったら、オーディション…いえ、オネーディションを開催するわよ!」
メグミ・アズミ・ルミ「「「 オネーディション? 」」」
…
……
メグミ「第一回!チヨチヨ!!!」
アズミ「愛里寿のお姉ちゃんは誰だオーディション!!」
ルミ「略してオネーディション!!」
千代「作れないなら、見つけ出すのよ…愛里寿にふさわしい姉を!!」
メグミ「流石、家元!審査委員長もよろしくお願いします」
千代「ええ、でも私だけでは物足りないわね…貴女達も審査の方を…」
メグミ「あ、私達三人は進行の方に専念しますので」
千代「そうなの、じゃあ誰か審査員を連れてこないと…」
ルミ「それには及びません」パチン!
アズミ「この事を想定して、審査員を用意いたしました」
アズミ「戦車道でお姉ちゃんと言えば、この人!西住まほ!!」
まほ「任せて」キリッ!
千代「しほちゃんのとこの…」
まほ「家元、流派関係なくの戦車道を嗜む一人の姉として協力致します」キリッ
千代「ええ…期待しているわ…」
メグミ「そして、もう一人お姉ちゃんを知る人をお連れしました」
千代「誰かしら…」
ホシノ「…どうも」
千代「……」
千代「え?」(誰なの?)
千代「あ、あの…」
まほ「みほの学校のポルシェティーガーで、確か砲手の…」
ホシノ「ホシノと言います、よろしく」
まほ「ああ、よろしく」
千代「どうしてホシノさんが?」
ホシノ「えっと…成り行きと言うかノリというか…」
メグミ「それは私達が説明します」
アズミ「お姉審査員を探すべく私達が思いついたのが“一年生に聞くのが手っ取り早い”」
ルミ「という事で、一年生のみで戦車を動かしているチームがあるというので話を聞きにいってきたんです!」
………
…
― 大洗 ウサギさんチーム
梓「お姉さんですか…」
メグミ「一年生チームの貴女達からみてお姉さんと呼べる人を教えて欲しいの」
あゆみ「武部先輩とかはどうかな?」
あや「武部先輩はお姉ちゃんって言うよりママじゃない?」
優季「じゃあ、河嶋先輩は?」
桂利奈「う~ん…なんかペットっぽい!!」
梓「そうだ!西住先輩!」
あゆみ「それは梓が特にそう思ってるだけでしょ」
梓「う…////」
アズミ「なかなか、難しいみたいね」
ナカジマ「ウサギさ~ん、戦車の整備いいかな?」
スズキ「何か問題でもあったの?」
梓「あ、ナカジマ先輩にスズキ先輩、すいません」
スズキ「あれ?大学選抜の…」
メグミ「どうも」
アズミ「人探しでお邪魔してます」
ナカジマ「誰を探しているんですか?」
ルミ「お姉さんっぽい人よ!」パチン!
スズキ「それはまた…なんとも…」
あや「ねぇ…ナカジマ先輩は?」
あゆみ「うん、悪くないけど…」
桂利奈「やっぱり、ママって感じ!」
ナカジマ「あはは…ママか~」
スズキ「ナカジマ、いつもポルシェティーガーに赤ちゃん言葉で話しかけて作業してるから、そう見られてるのよ」
優季「スズキ先輩は…お兄様かなぁ」
スズキ「お、お兄さん…」
桂利奈「あい!とってもカッコイイお兄ちゃんだね!!」
スズキ「そ、そう…」
ナカジマ(あ、結構ショック受けてる…)
ツチヤ「皆そろってどうしたの?」
ホシノ「さっさと整備しないと」
ホシノ「お姉ちゃん探し?」
ツチヤ「面白そうな事してるねぇ、ちなみに私はどうかな?」
あゆみ「ツチヤ先輩は~」
あや「自動車部の妹って感じ!!」
ツチヤ「やっぱ、そう見られちゃうかぁ~」
スズキ「可愛いなぁ!妹よ!!」ナデナデ
ナカジマ「ほらほら~ママでちゅよ~」ナデナデ
ツチヤ「ママぁ~、お兄ちゃ~ん」
ホシノ「何、バカやってんのよ…」
あゆみ「そうなるとさ、ホシノ先輩はパパ?」
優季「それっぽくなぁい」
あや「じゃあ何になるのかな?」
紗希「…姉貴」
ウサギさんチーム「「「「「 それだぁ!! 」」」」」
ホシノ「え?」
梓「お姉ちゃん!いいえ、大洗一の姉貴はホシノ先輩です!」
桂利奈「あい!!」
ホシノ「え?え?」
メグミ「アズミ!、ルミ!、目標捕捉!」
アズミ「ええ、確保するわ!」
ルミ「さぁ!来てもらうわよ!」パチン!
ホシノ「えっ!?」
…
……
ホシノ「…と言う訳でね」
まほ「なるほど」
千代「行き当たりばったりにも程があるわね」
まほ「ふむ…」ジロジロ
ホシノ「な、なにか?」
まほ「貴女から、かなりのお姉力(オネエヂカラ)を感じるわ、ホシノさん御兄妹は?」
千代(何なのよ、お姉力って…)
ホシノ「弟と妹がそれぞれ一人づついるわ」
まほ「なるほど…では一つ問う お姉ちゃんとはなんぞや?」
千代(なんぞやって…そんなの先に産まれたからお姉ちゃんでしょ…)
ホシノ「……」
まほ「返答せい!!」
ホシノ「言葉ではないかな、立ち振る舞い、後ろ姿…背中…お姉ちゃんってのはさ、生き様…見せる…いいや、示すモンなんじゃないかな」
まほ「……」
千代(あれ?西住さん黙ってるけど…)
まほ「ブリリアント!期待以上の答えだ!ホシノさん、もし良ければ私とお姉友(オネエトモ)になってはくれないか?」スッ…
ホシノ「西住隊長のお姉さんに認めてもらえるなんて光栄ね、ホシノよ、さんはいらないわ」ガシッ!
まほ「ああ、ホシノ、私もまほと呼んでくれ」ニコリ
千代(なんか友情が芽生えてる…)
千代「それで、この後はどうするのよ…」
アズミ「家元がオネーディションって言って始めたんじゃないですか」
千代「ごめんなさい、勢いだけで細かい所まで考えていなかったわ…」
メグミ「家元、ご心配なく」
ルミ「そんなこったろうと思いましたので…それではお二方!お願いします!」パチン
まほ「ええ、今回の経緯をお聞きしまして」
まほ「島田愛里寿に相応しいという姉候補を私とホシノで連れてきました」
ホシノ「ここにいる私達、姉気(アネキ)あふれる審査員の目で厳選して愛里寿のお姉ちゃんを探すって事です」
千代「おお…頼もしいわ、流石お姉ちゃんズね」
メグミ「では早速、一人目の…西住さんが推薦される方をお連れします」
まほ「ああ、私が島田愛里寿の姉に推すのは…」
アンチョビ「おい!何なんだ一体これは!!」
まほ「安斎だ」
アンチョビ「アンチョビだ!だから一体どういうことだ!こんなとこまで無理矢理連れて来て!」
ホシノ「なるほど、アンチョビさんか」
まほ「安斎とは数年来の付き合いだが、私の知る限りで彼女程お姉力の高い者はいないな」
ホシノ「へぇ、私は今年の戦車道からでしか面識がないからね」
千代(アンチョビさん…本名、安斎千代美…彼女が愛里寿の姉になったら…)
アンチョビ「おまえら!話を聞け!うう…見たいドラマがあったのにぃ…」
メグミ「では、アンチョビさんPRをどうぞ!」
アンチョビ「いきなり連れて来られて何のPRをしろって言うんだ!!」
ホシノ「それじゃ、アンチョビさん私から一ついいかな?」
アンチョビ「なんだ?」
ホシノ「えっと…アンチョビさんはアンツィオ高校からスカウトされて一人で戦車道をここまでに作り上げたのよね」
アンチョビ「あ、ああ、そうだぞ」
ホシノ「そのアンツィオ戦車道の唯一の三年生のアンチョビさんから見て後輩たちをどう思う?」
アンチョビ「う~ん…そうだな、すごく心配だ、いやな!皆頑張ってるんだぞ!成長してるのだってよくわかるし!」
アンチョビ「でもなぁ…ペパロニも昔よりはしっかりしてきたとはいえ、たまーに、やらかすし…」
アンチョビ「そこはカルパッチョもいるけど…アイツの方が暴走すると大変なことになるし…」
アンチョビ「かといって私があまり口を出し過ぎるとアイツ等の為にならんし…」ブツブツ
ホシノ「なるほど、下級生が気になるけど助けてよいか迷う心境…これはまさに」
まほ「世話焼きお姉ちゃんの心境だ」
ホシノ「まほがアンチョビさんを愛里寿の選んだのはここにあるのか」
まほ「ああ、島田愛里寿はどちらかと言うと自己主張の少ないタイプだ」
まほ「そんな彼女には安斎くらいの鬱陶しさがちょうどいい!」キリッ
アンチョビ「おい!褒めてるのか、貶してるのかハッキリしろ!!あとアンチョビ!」
メグミ「これは初手から有力候補ですね」
アズミ「審査員長どうでしょうか?」
千代「島田千代里寿(シマダチョリス)…私の名前と被るし、チョリスって軽薄そうだし、チュロスみたいよね…」
ルミ「はい!アンチョビさんありがとうございました!!」パチーン!
アンチョビ「もう何なんだよ…さぁ帰ってドラマ見よう…」
アズミ「あ、審査が終わるまでは帰らせないわよ、うふっ」
アンチョビ「え゛え゛ぇ…」
メグミ「続いては、ホシノさんからの推薦の方ね」
ホシノ「私の知る中では彼女こそが愛里寿の一番のお姉さんかな」
まほ「ほぉ、それは楽しみだな」
ルミ「それでは、二番手の方お願いします!」パチン!
典子「どーも!バレー部、磯辺典子です!!根性で頑張ります!!」
千代「…え?」
ホシノ「どうかしら」
まほ「ふむ…彼女がか?」
千代「こ、この子が愛里寿の…お姉ちゃんに?」
ホシノ「どうやら二人とも疑問に思っているようね」
ホシノ「それじゃ磯辺さんがどれだけお姉ちゃんかこの写真を見てください」
バレー部集合写真
千代「こういっては失礼だけど一人だけ小柄ね、他の先輩のほど身長は…」
ホシノ「いいえ、他の子は皆一年生です」
千代「うそん!?」
典子「はい!可愛い後輩達です!」
まほ「あとバレー部と言うが人数が四人しかいないが」
ホシノ「…大洗にはね、正式なバレー部はないのよ」
典子「今はバレー部(仮)ですが、部員を集めていずれ復活します!!」
ホシノ「磯辺さんは部が潰れても復活を掲げてて下の後輩達を纏め上げて一人頑張っている、それってさ」
まほ「うむ、お姉ちゃんだな」コクコク
典子「潰れてませんから!!」
ホシノ「あとは…そうだね、磯辺さんなら島田流に向いているというか対応できるんじゃないかなって思って」
まほ「…ふむ」
千代「…なるほど」
典子「体力には自信があります!!」
アズミ「見た目は小さくても心意気はお姉ちゃんというわけね」
メグミ「審査員長、彼女をどう見ますか?」
千代「島田典寿(シマダノリス)って、もう男臭さあふれる名前よね…クローゼットにいそうで、怯えて竦みそう…」
ルミ「まず名前からっては、いかがなものかと」
メグミ「それでは磯辺さんありがとうございます」
典子「よろしくお願いします!!」
千代「なんだかクセの強い子が続いたわね…じゃあ次の子を」
メグミ「……」
ルミ「……」
アズミ「…以上です」
千代「え?」
千代「ちよ!この二人の内、どちらかからなの?」
千代「まほちゃんもホシノさんも、他にはいないの?」
まほ「大勢連れてくるよりも、各々これはと思う一人に絞ってみたのですが」
ホシノ「あまり多いとダレてしまうかと思いまして」
千代「ええ…せめて、もう一人くらいいないのぉ…」
まほ「と言われましても…」
ホシノ「う~ん…」
???「ああ!探しましたよ!!」
千代「!!」
まほ「!!」
ホシノ「!!」
エリカ「どうしたんですか、行き先も告げずお出かけになって…」
まほ「エリカ」
エリカ「それに…一体これは?」
千代「……」(エリカ…)
ホシノ「逸見さん、これはね島田愛里寿のお姉さん探しの為に私とまほで協力していたのよ」
エリカ「はぁ?お姉さん探し?ってか、何でアンタが隊長を気安く名前で呼んでるのよ!!」
まほ「やめろエリカ、告げずに出かけた事は謝る。だが、お姉フレンズのホシノを悪く言うのは許さないぞ」
エリカ「え…お姉フレンズ?」
千代「……」(髪の色…見た目…それに何より…)
千代「……」(逸見エリカ…エリ…エリス…島田恵里寿(シマダエリス)!!これよ!この響き!これを待っていたのよ!!)
千代「あの、逸見さん」
エリカ「は、はい!」(し、島田流の家元…)
千代「聞いての通り、娘の愛里寿の姉になりうる人を探しています」
エリカ「はぁ…」
千代「そこで尋ねるけど、貴女にとって姉とは?」
エリカ「い、いきなり言われても…そんな…わかりません」
千代「そこを曲げてエリカちゃんなりの答えをお願い」
エリカ「はい…姉ですか…」(エリカちゃん?)
エリカ「そうですね…うん、ちょっと先に産まれたからって偉そうにするし…」
エリカ「あーだこーだ、一々口うるさい人…かなぁ…」
千代「なるほどね」
エリカ「申し訳ありません、まとまらない返答で」
千代「そんな事ないわ、エリちゃんっぽさが出てて良かったわよ!」
エリカ「あ、あのエリちゃんって…」
まほ「……」
ホシノ「……」
エリカ「隊長?」
ホシノ「ふぅ…」タメイキ
まほ「エリカ、がっかりしたぞ」
エリカ「え?」
まほ「お前は今まで私の何を見ていたのか…」
エリカ「え?え?」
ホシノ「まほ、こうなったら…」
まほ「ああ、エリカお前もこのオーディションに参加するんだ」
エリカ「ええっ!?」
ホシノ「お姉ちゃんの素晴らしさ、逸見さんにも解ってもらわないとね」
エリカ「……」
千代「いいわよ!この三人の中から選ぶって事よね!私は断然…」
ルミ「はい!では第一次審査も終わりまして」
アズミ「第二次審査になります」
千代「ちょっと!審査員長の私はもう誰にするか決めているんだけど…」
メグミ「内容はえっと…水着審査ですね」
千代「わかったわ、続行しなさい」キリッ
……
……
今回はここまでとなります
続きの投下は不定期になりますが
よろしくお願いします
いつもありがとうございます
続きを投下します
……
……
アズミ「水着審査ですが、ただ水着を着てもらうだけではなくて」
メグミ「“妹となる隊長と夏のビーチでしたい事”をテーマに水着や用意したアイテムでアピールしてもらいます」
まほ「なるほど」
ホシノ「審査のポイントは見た目の美しさだけじゃないって事ね」
愛里寿「あ、あの…」
愛里寿(純白のフリフリワンピース水着)「そ、それで、なんで私が水着を着てるの…////」
ルミ「ナイスですよ、隊長!」
メグミ「審査の為です、隊長」キリッ
アズミ「ええ、水着姿の姉にふさわしいイメージを持たせるために、あえて隊長に着ていただいているだけですから」キリッ
千代「素敵よ、愛里寿!お母さんのハートに一万ボルト!その姿はまるで地上に降りた最後の天使!」
愛里寿「は、恥ずかしい…////」
アズミ「ルミ!今の恥じらいの表情!!」
ルミ「バッチリ撮った!!ナイスですよ!!」パチーン!
まほ「島田流、盛り上がり過ぎじゃないか」
ホシノ「まぁ、でも愛里寿のあの姿を参考にして審査しましょうか」
メグミ「隊長!ありがとうございました!」
千代「愛里寿!今年の夏は私もお揃いの水着でバカンスに行くわよ!!」
愛里寿「う、うん……////」
メグミ「ふぅ…では最初の方はと…」
アズミ「アンチョビさんね」
ルミ「カメラもバッチリなんで、それでは張り切ってどうぞ!」
アンチョビ(Tシャツとエプロン)「み、水着審査だなんて聞いてないぞ!!////」
まほ「安斎、何故水着を着ていないんだい?」
アンチョビ「アンチョビだ!い、一応、下は水着だぞ…けど、人前で素肌なんか恥ずかしくて晒せるか!!////」
ホシノ「確かにいきなり水着姿を見せるというのは恥ずかしいよね、わかるよ」
アンチョビ「タンクトップのその姿で言われてもだな…」
千代「それでアンチョビさん、水着の上にシャツとエプロンの意味は何かしら?」
アンチョビ「これか?これは、島田愛里寿としたい事と言われたんでな」
アンチョビ「“一緒に海の家で働いてほしい”って事でエプロンを着てみたんだが」
ホシノ「海の家?」
アンチョビ「ウチはな、その…財政的に厳しいからなぁ…夏は合宿という名目で海の家を開いているんだ」
アンチョビ「アンツィオ自慢の海の家料理に島田愛里寿のような看板娘が来てくれれば収益アップにもなるしな!ぜひお願いしたい!」
まほ「なるほど、海の家か…安斎の料理は絶品だ、そこに島田愛里寿も加われば大盛況になるだろうな」
アンチョビ「だろ!二人もウチの自慢のメニュー、ぜひ食べに来てくれ」
アンチョビ「アンツィオのイカスミスパゲティー! お゛い゛し゛い゛そ゛!! 」
千代「なんでキレ気味なのよ」
まほ「海の家でイカスミ…」
ホシノ「スパゲティか…」
まほ「ありだな!」キリッ
ホシノ「いやぁ…どうかなぁ…」ドヨーン
メグミ「アンチョビさん、ありがとうございました!」
アンチョビ「うぅ…帰りたい…」
アズミ「それじゃ次は…磯辺さんね」
まほ「彼女か…どんな風に攻めてくるだろうか」(ビーチバレーだろうな)
ホシノ「ええ、期待したいわね」(ビーチバレーね)
千代「どう考えてもビーチバレーでしょ」
典子(スポーツビキニとバレーボール)「よろしくおねがいしまーす!!」
ルミ「はーい、それではありがとうございましたー!!」パチーン!
典子「ちょっと!早すぎじゃないですかー!!」プンスカ
千代「いや、こうも予想通りだとね…」
まほ「ですね」
ホシノ「う~ん…愛里寿とビーチバレーねぇ」
典子「想像してください!あの白い肌の島田愛里寿が“照りつける太陽の下で汗と砂にまみれながらボールを追う”姿を!」
まほ「ふむ…悪くないな」
ホシノ「なるほど」
典子「涙を滲ませながら、“お姉ちゃん!もう一本!!”と促す姿はまさに根性そのものです!!」
まほ「姉妹で特訓…いいじゃないか!」
ホシノ「こういう泥臭いのも王道かもね」
千代「愛里寿には、あまり汚れるような事はして欲しくないんだけど…」
メグミ「磯辺さん、ありがとうございました!」
典子「はい!島田愛里寿には是非ともバレー部に…じゃなくて姉には私を!!」
まほ「凄いアピールだな…さて、残るはエリカだな」
ホシノ「前の二人は解りやすかったけど逸見さんか、どんな水着を選ぶのかね」
千代「エリちゃんの水着…」ゴクリ
ルミ「それじゃ、最後の逸見さんお願いしまーす!」
エリカ(純白のフリフリワンピース水着)「…よろしくお願いします////」
まほ「!?」
ホシノ「!?」
千代「!!」
まほ「……」
ホシノ「……」
千代「……」
エリカ「え、えっと…何かおかしなとこでも?////」
まほ「やるな、エリカ」
エリカ「へ?」
ホシノ「まさか、お揃いの水着とは…私はてっきり大人びた黒い水着で来るかと想像してたわ」
まほ「エリカはあんな性格だが乙女チックなところがあるからな」
エリカ「ほっといてください!!////」
千代「……」
メグミ「家元?」
アズミ「どうされました?黙ってしまわれて」
千代(まさか愛里寿とお揃いの水着を選ぶなんて…これで私と三人でお揃にした日にはこりゃたまらんでぇ…)ハァハァ…
千代「逸見さん」キリッ
エリカ「は、はい」
千代「審査の為のアピールでね、私が指示するセリフを言ってちょうだい」
エリカ「へ?」
千代「あくまで審査の為よ、他の二人にもしてもらっているわ」
エリカ「で、でも…」
千代「島田流が駄目になるかどうかなのよ、言ってみる価値はありますぜ!」
ホシノ「…してないよね?」ヒソヒソ
まほ「そうだな、だが家元なりに何かお考えがあるかもしれん、私達は黙って見ていよう」
エリカ「は、はぁ…それで何とおっしゃればよいのでしょうか?」
千代「“お母様、恵里寿(エリス)と一緒に泳ぎましょ”これをカメラ目線!前かがみ気味で!!」
エリカ「……」
エリカ「あ、あの…隊長…私はどうしたら…」
まほ「エリカ、西住流に後退はない」キリッ
エリカ「……」
ホシノ「助け舟だしてあげないのね」
まほ「正直、こういうエリカもちょっと見てみたい」
千代「はい!音ぉ!あとエコーぉ!!」
♪ダワダァ~… ダワダーワ…ダバァ… (コーヒーでムゥーディーなBGM)
エリカ「…」(なんでこんな事に…)
エリカ「お母様ァァ…エリスゥと一緒にィィ…」(すっげぇエコー…)
エリカ「 お・よ・ぎ・ま・しょ…マショ…ショ… 」
エリカ「……////」
まほ「うわぁ…」
ホシノ「ご愁傷様…」
千代「アァァァァイィッッ!!」ガタッ!!
まほ「!!」ビクッ!
ホシノ「!!」ビクッ!
エリカ「ひぃっ!?」ビクッ!
千代「アァイッ!マジ天使アァイッ!!」ドッタンバッタン!
ルミ「いかん!今、計算してみたが家元の理性が爆発した!逸見さんの頑張り過ぎだ!」
メグミ「アズミ止めて!!」
アズミ「え!?私なの!?」
まほ「……」
ホシノ「……」
エリカ「え?え?何これ?」
千代「エぃリぃスぅ!ンぁアアぁぁぁぃッ!!」カクカク!
ルミ「いかん!逸見さんの魅力に惹かれて、家元が発情した飼い犬みたいに腰を振り始めたぞ!!」
メグミ「このままじゃ暴走して逸見さんを襲ってしまうわ!!アズミ!!」
アズミ「だから、なんで私なのよ!?」
メグミ「アズミで家元を押し倒すんだよ!」
アズミ「あぁ!!もうわかったわよ!!」
アズミ「家元ぉ!!」ガバッ!
千代「!?」
ブチュウゥゥ~!!
千代「…うむッ!?」
まほ「うわぁ…」
ホシノ「うわぁ…」
アズミ「…プハッ!」
アズミ「ハァハァ…良いですか家元、オーディション中です、それに西住流の者も見てます」
アズミ「島田流として醜態を見せるわけには行かないのよ?ユーコピー?」
千代「アァ…イ…コピィ…////」
アズミ「……」チラッ
まほ「くっ!目にゴミが!私はなにも見てないー(棒)」
ホシノ「えっと…目に汗がー(棒)」
エリカ(一体何なのよぉ…)
メグミ「逸見さん、ありがとうございました!」
エリカ「もう…お家に帰してぇ…」シクシク
アズミ「ガラガラ…ペッ!」
千代「これ見よがしに私の目の前でマウスウォッシュしないでぇ…」
ルミ「さて審査も終了しましたがこれまでの三人を審査員の方々はどう見ましたか?」
まほ「この水着審査で言えば身内びいき抜きでエリカを評価したい」
ホシノ「そうだね、お揃いと言うのがポイント高いかな」
千代「そうよね!やっぱり恵里寿がナンバーワンよ!」
まほ「だが、他の二人も捨てがたいな」
ホシノ「ええ、最初の審査では逸見さんには遅れてるとこもあったからね」
千代「そんなことないわよ!」
まほ「そこを踏まえての最終審査が必要だな」
ホシノ「そうね、島田流の一員になるには欠かせない要素がまだ残っているし」
千代「ええ、あとはこれしかありません」
メグミ「という事は最終審査に掲げるのはもちろん!」
まほ・ホシノ「「 戦車道 」」
千代「 お母様好き好きアピール対決ね! 」
まほ「……」
ホシノ「……」
千代「あ…えっと…」
メグミ「家元ぉ、しっかりしてくださいよ?」ツンツンツンツン
ルミ「そこでその答えはないでしょぉ?」ツンツンツンツン
アズミ「威厳ってモンはないんですかぁ?」ツンツンツンツン
千代「三方向からツンツンしないでぇ~」シクシク…
……
……
今回はここまでとなります
続きの投下は不定期になりますが
よろしくお願いします
いつもありがとうございます
残りを投下します
……
……
― 戦車演習場
エリカ「隊長を追っかけて来れば変な騒ぎに巻き込まれ…水着まで着せられて…」
エリカ「かと思えば、今度はわざわざウチの戦車とメンバーまで用意しての試合…もうなんなのよ…」
エリカ「……」
エリカ「まぁ!いいわ!」
エリカ「戦車道をするなら私がアンツィオや大洗に後れを取るわけには行かない!…このオーディションの合否は別として…」
ゴゴゴゴ…
エリカ「来たわね!相手はCV33…それとも八九式?どっちの戦車だろうが私の敵ではないわ!来るなら来なさ…」
ゴゴゴ…
愛里寿(センチュリオン)「……」
エリカ「いぃ?」
愛里寿「発射」
ドコン!
エリカ「ぐはっ…な、なんで…センチュリオンが…」シュポッ!
― センチュリオン車内
ホシノ「命中っと」
まほ「エリカ、油断大敵だぞ、マイナス1お姉ちゃんポイントだ」
千代「ああ…私の恵里寿が…」シクシク
愛里寿「ホシノさん見事です、始めて乗ったのにしっかり順応できてます」
ホシノ「ふふっ、愛里寿の指揮とまほの操縦と家元の装填のおかげよ」
まほ「まさかこのメンバーで戦車を動かすことになるとはな」
千代「そ、そうですね…それで、なんで私が装填手なの?」
ホシノ「普段から手袋を着けていらっしゃるから本職かと思っていました」
まほ「負担の大きい操縦は私がした方が良いかと思いまして」
千代「貴女達ねぇ…」
愛里寿「お母様だけが頼りです」
千代「わかったわ!お母様がんばっちゃうから!!」フンスコ!
……
……
……
……
アンチョビ(双眼鏡)「うわー、黒森峰がやられたかー」
ペパロニ「アンチョビ姐さん~、いなくなったかと思ったらいきなり戦車持って来いだなんて何なんスか?」
アンチョビ「それはだな…色々あったんだよ!色々と…」
カルパッチョ「それで色々あって、あのセンチュリオン撃破しなければって事になってるんですか?」
アンチョビ「うむ…てか、私が聞きたいぞ!なんでこんな事になってるのか!」
ペパロニ「んで、どーするんスか?カルロでアレを倒すって訳ですけど?」
アンチョビ「うーむ…」
ゴゴゴ…
???「アンチョビさぁーん!!」
アンチョビ「ん?」
カルパッチョ「八九式ですね」
典子「アンチョビさん!見ましたか」
アンチョビ「ああ、敵は島田一家と審査員の二人が動かしているセンチュリオンみたいだな」
あけび「キャプテン!相手が強すぎます!」
典子「弱音を吐くな!根性があれば勝てる!」
妙子「でも、この二輌でセンチュリオンの装甲を打ち破れるのかな?」
忍「中てるのもできるかどうかよね…」
典子「うぅむ…でも心配するな!根性と…アンチョビさんの協力があれば勝てる!!」
アンチョビ「え゛え゛ぇ?」
典子「どうしましょう!アンチョビさん!!」
アンチョビ「いきなりこっちに振られても…ん?」♪ピーン
16:00
アンチョビ「!?」
アンチョビ「あ゛あ゛あ゛!!し゛か゛ん゛か゛ぁ゛ぁ゛!!」
ペパロニ「どーしたんスか、いきなり叫んで」
アンチョビ「ドラマだよ!」
カルパッチョ「ドラマ?」
アンチョビ「そうだよ!ドラマだよ!毎週楽しみにしていたドラマが始まったんだよ!」
アンチョビ「楽しみにしていたドラマなんだよ!先週ヒロインが決意したとこで終わったんだ!」
カルパッチョ「いきなり、あらすじを言われても…」
アンチョビ「ヒロインが好きだと告白しているかもしれない!」
アンチョビ「キスをしているかもしれない!」
アンチョビ「いっそ抱いてと言って抱かれてるかもしれない!」
ペパロニ「姐さん、恋愛物好きッスねー」
16:03… 16:05…
アンチョビ「そんな続きを…楽しみを奪われて!戦車道だなんて、私…戦えない!!」
典子「アンチョビさん…」
典子「聞いて下さいアンチョビさん!確かに巻き込まれる形で参加することになったオーディションです!」
典子「でも…このオーディションを勝ち抜けば晴れて島田家の一員になれます!」
典子「そうすれば島田流の潤沢な資金で私達はバレー部の復活、アンチョビさんはアンツィオの強化ができるんです!!」
カルパッチョ「お金の為とここまでハッキリ言い切れるのは凄いですね」
妙子「それだけキャプテンは私達バレー部の事を考えているんです!」
典子「私は…私達は負けるわけにはいかないの!!」
典子「だから、お願い…」ウルッ
典子「一緒に戦ってぇ!!千代美ぃ!!」ブワァッ
アンチョビ「典子…」
アンチョビ「……」
アンチョビ「……!!」キッ!
アンチョビ「わかった!!共闘するぞ!!」
典子「姐さん!!」
バレー部「「「フゥーーーッ!!」」」
ペパ・カル((フゥー?))
アンチョビ「もう見られないモノのしょうがない!」
アンチョビ「だったら、今のこの瞬間を戦い抜く事…」
アンチョビ「それが、アンツィオの財政を救う唯一の方法だから!!」
カルパッチョ「ドゥーチェ、何ブツブツ言ってるんですか?」
アンチョビ「な、べ、別にいいだろ!////」
典子「 どん! 」
アンチョビ「 ぐり! 」
アンチョビ・典子「「 小ッ隊ィッ!! 」」
ペパロニ「怒らないで下さいね、2輌だけでも小隊は小隊ッスもんね」
アンチョビ「いちいち水を差すな!」
ペパロニ「忌憚のない意見ってヤツッス」
アンチョビ「典子、センチュリオンは健在、標的を私達に合わせ接近中!」
典子「姐さん、アレを使います」
アンチョビ「アレ?なんだかよくわからんがいいぞ!」
あけび「キャプテンどうぞ」スッ
典子「よし!」
アンチョビ「アレは…発煙筒か?」
ペパロニ「!?」
カルパッチョ「!?」
アンチョビ「なるほど、発煙筒の煙で敵の視覚を奪う作戦だな!」
ペパロニ「ち、違うッスよ!」
カルパッチョ「あ、アレ…ダイナマイトです!」
アンチョビ「え?」
典子「……」
\ カチッ! /イグニッション!
アンチョビ「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛!!!!」ガクガク
典子「スゥーパァーッ!!」ヒョイッ
アンチョビ「オイ!まさか…」
典子「もくもく!!」バッ!
アンチョビ「バカ!それは!!」
典子「アタァァーーックッ!!」バシーン!!
アンチョビ「や゛め゛て゛え゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ!!!」
ペパロニ「あーあ」
カルパッチョ「やっちゃいましたね」
― センチュリオン車内
まほ「目標、二輌、射程に入ったぞ」
愛里寿「肉薄します、もっと近づいて下さい」
千代「まぁ、あの二輌で私達を撃ち貫くことは…」
…ひゅーん
ホシノ「ん?八九式から何か…発煙筒かな…ん!?」
まほ「違うぞ!!愛里寿!車内へ!」
愛里寿「はい!」
千代「え?」
ドコぉぉぉぉぉン!!!
愛里寿「ぐっ」
まほ「まさか!」
ホシノ「これは!」
千代「なに!?なんなの!?これ!!」
典子「こっそり仕込んだ、ダイ…発煙筒、」
典子「ただの煙幕だと思わないで!!」キリッ
カルパッチョ「今、ダイナマイトって言いかけましたよね」
あけび「キャプテン!」スッ
典子「バレー部の!!」バシーン!
妙子「キャプテン!」スッ
典子「バレー部のぉ!!!」バシーン!
忍「キャプテン!」スッ
典子「復活への思いがつまってるんだからァァァ!!!!」バシーン!
バレー部「「「フゥーーーッ!!」」」
アンチョビ「つ゛ま゛っ゛て゛る゛の゛は゛火゛薬゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛!!」
ペパロニ「この人達、アタシ等以上のノリと勢いッスね」
ドカーン! ドカーン! ドカーン!
あけび「キャプテン!もうめんどくさいんで全部いっちゃいましょう!!」
典子「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」ポイポイ~
ドカン!ドカン!ドカン!
…シュポッ!
典子「やった!!」
ビッビー!
メグミ『ルール違反で失格ですー!!』
典子「ええっ!?」
アンチョビ「当゛た゛り゛前゛だ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
……
……
……
……
千代「し、死ぬかとおもったわ…」
まほ「まさか、ダイナマイトで撃破されるとは…」
ホシノ「皆、大丈夫?」
愛里寿「は、はい…っ!」
ホシノ「愛里寿?」
ツー…
千代「あ、あ、あ、愛里寿!あな、貴女たたた、ち、ち、ちちちち血ィィィィィィ!!!」
まほ「さっきの衝撃でヒザを擦りむいたのか」
愛里寿「みたいです…痛い」グスン
ホシノ「ほら愛里寿、私につかまって」スッ
愛里寿「ホシノさん…」ギュッ
ホシノ「とにかく外にでないと…愛里寿、大丈夫?」
愛里寿「う、うん…」(私の為に…あっ)
愛里寿「あ、ホシノさんもケガしてる…」
ホシノ「私は大したことないから、それよりも愛里寿の方が先よ」
愛里寿「ホシノさん…////」キュン…
千代「誰かぁ!メデイーックッ!!」オロオロ
まほ「医療セット持ってきたぞ…っと、ホシノ大丈夫か?」
ホシノ「私は自分で出来るから愛里寿の方を頼むよ」
まほ「ああ、わかった、島田愛里寿そこに座ってくれ」
愛里寿「はい」
千代「そ、それよりも!救急車よ!!救急車!!えっと…1…1…」
『午後4時、33分…』
千代「なんでよ!!時間は関係ないでしょ!!」
愛里寿「……」
まほ「…消毒するぞ」
…ちょん(消毒液)
愛里寿「ひぎっ!」ウルッ…
まほ「情けない声を出すな、戦車道をしていればよくある事だろう」
愛里寿「ケガなんて…したことない…もん」グスッ…
まほ「そうなのか、みほとは大違いだな」
愛里寿「え?みほさんはケガをするんですか?」
まほ「ああ、今はそうでもないが戦車道…いや戦車に乗り始めた頃のみほは無茶ばかりしていてな…生傷が絶えなかったよ」
愛里寿「みほさんが…」
まほ「今みたいに治療してると、みほが大声で泣くんだがな」
まほ「そんな時に、こう言ってあげたの…」
まほ「 “大好きなボコは声をあげて泣いたりするの?” ってな」
愛里寿「!!」
愛里寿「ボコは泣かない!皆が見てない所では涙を流してるけど誰かの前では決して泣いたりなんてしない!!」
まほ「そうだな、ふふっ…(みほも同じことを言っていたな)」
まほ「じゃあ、…愛里寿も我慢できるな?」
愛里寿「う、うん!!」グッ
まほ「強い子だ、それに…包帯をこうすれば…」
愛里寿「あ!ボコとお揃いだ!」
まほ「痛みの気を逸らすために大げさに巻いてみた、これをするのも久々なんだがなんとか出来たな」
愛里寿「私の為に…ありがとうございます」
まほ「礼なんていらないぞ、当り前の事だ、なんせ私はお姉ちゃんだからな」キリッ
愛里寿「お、お姉ちゃん…////」キュンキュン
ホシノ「私の方は終わったけどそっちは?」
まほ「ああ、大丈夫だ」
ホシノ「一応、愛里寿の検査もしたいし診れる所へ行きましょう」
まほ「そうだな、ホシノの方もあるしな」
ホシノ「愛里寿、歩ける?駄目なら抱っこしようか?」
愛里寿「だ、大丈夫です…あ、その前に」
千代「…助けて下さい!…助けて下さい!!」
ホシノ「何で家元は砲弾を抱えながら戦車の中心で叫んでいるの?」
まほ「私に聞くな…」
愛里寿「お母様!!」
千代「あ、愛里寿…」
愛里寿「お母様、ありがとうございます、私の我儘の為にオーディションまで開いてくれて」
千代「い、いいのよ、私は当然の事をしただけだから」
愛里寿「でも、もうオーディションは続けなくても大丈夫です!」
千代「え?」
千代(オーディションいらない… → 姉が必要ない… →必要ない状況?)
千代(さっきの戦車道でケガした… → 血が出てる…)
千代(血がたくさん出ると… → 死ぬ!!)
千代(お母様ありがとう → 別れの言葉!!)
千代「あああああ…」
千代「わた…愛里寿が死んじゃう!!」
愛里寿「……」
ホシノ「死なないですから」
まほ「少しは落ち着いて下さい」
愛里寿「オーディションをしなくても見つかったんです!」
千代「見つかった?」
愛里寿「私のお姉ちゃんが…」
ギュッ
まほ「!?」
ギュッ
ホシノ「!?」
愛里寿「二人も!!」
千代「え?」
まほ「これは…なんとも」
ホシノ「ははっ…照れるね」
愛里寿「じゃ!行こうまほお姉ちゃん!ホシノ?…お姉ちゃん?」
ホシノ「ふふっ苗字じゃお姉ちゃんと呼びづらいね、愛里寿、私の名前は―――」
愛里寿「はい!」
ホシノ「じゃあ、すぐに行きましょう、貴女のお姉ちゃんは最速のお姉ちゃんなのよ」
まほ「おいおい無理するな二人ともケガしてるんだぞ」
愛里寿「それじゃ、お母様失礼します」ペコリ
千代「え?え?愛里寿…」
???「隊長ぉー!!」
エリカ「隊長!ご無事ですか!…あれ?隊長は?」
千代「エリちゃぁ~ん…」グスグス…
エリカ「あ、あの家元、隊長達は?」
千代「愛里寿…取られちゃったぁ…」シクシク…
エリカ「え?そ、そうなんですか…」
千代「私、一人ぼっちになっちゃたぁ…」シクシク…
エリカ「は、はぁ…」
千代「このまま、娘もいないまま私は独り寂しい人生を送るのよぉ…」メソメソ…
エリカ「あの、その…元気出してください」
千代「誰かが私の娘になってくれれば…」オーイオイオイ…
千代「……」チラッ
エリカ「……」
エリカ「その娘の愛里寿…さんもその内、戻って来てくれると思いますよ…」
千代「駄目よ…私が持たん時が来てるのよぉ…」シクシク…
エリカ「そんなことを言われても…」
千代「だから誰かが娘と言う業を背負ばねばいけないのよぉ」シクシク…
千代「……」チラッ チラッ
エリカ「それは家元のエゴかと…」
メグミ「家元、アンタちょっとセコいですよ」
ルミ「情けないヤツ!!」パチーン!
アズミ「いきなり泣き落としかよ、チヨッパリらしいわね」
千代「貴女達は黙ってて!逸見エリカは私の娘になってくれるかもしれない女性なのよ!!」
エリカ「……」
千代「はっ!?」
千代「えーん、えーん」シクシク…
エリカ「帰っていいですか?」
千代「えーん、えーん」
メグミ「あんなのでも私達に取っては大事な家元なのよ」
アズミ「だから逸見さんお願い」
エリカ「ええ…大事と言う割には随分な扱い方じゃないですか」
ルミ「私達が慕っているのは愛里寿隊長なんで」
メグミ「このまま放置すると隊長達の方に向って行くわよ」
エリカ「私には関係のない事かと」
アズミ「あら、でも黒森峰の隊長と一緒だから防がないと拙いんじゃないの?」
エリカ「ぐぬっ…」
ルミ「隊長を護る…黒森峰の副隊長は伊達じゃないんでしょ?」
エリカ「ああ…もう!!わかりました!!」
メグミ・アズミ・ルミ((( やったわ! )))
エリカ「あ、あの…お母様…え、恵里寿がいるから…元気を出して下さい////」
千代「!!」
千代「あ、ああ…」フルフル…
エリカ「お、お母様?、」
千代「私の恵里寿ゥゥゥゥ!!」ガバッ!
エリカ「のわァァァァ!!」(やっぱり言うんじゃなかった!!)
メグミ「隊長にお姉さんがみつかり」
アズミ「家元も新しい娘を手にれた」
ルミ「いい仕事したわね!」パチン!
メグミ・アズミ・ルミ「「「 じゃあ!飲みに行きましょう!! 」」」
千代「恵里寿ゥゥゥゥ!アぁぁぁィ!!」スリスリ
エリカ「ちょ!顔が近い!ちかァァァ!!」
アンチョビ「なぁ…私達は何だっただろうなぁ…」
典子「そうですね…」
アンチョビ「……」
典子「……」
アンチョビ「まぁ!クヨクヨしても仕方ない!ペパロニ!、カルパッチョ!それに大洗のアヒルさんも!」
アンチョビ「 とりあえずメシを食いに行くぞ!! 」
アヒルさん・ペパロニ「「「「「 姐さん!!最高ッスよぉ! 」」」」」
カルパッチョ「ノリノリですね」
千代「恵里寿ちゃんぷるゥゥゥゥ!!」カクカク!
エリカ「みなァァァァ!!」(どうしてこうなった!!)
…
……
………
…
……
………
― 大洗
愛里寿「みほさん、こんにちは!」
みほ「愛里寿ちゃん!それに…お姉ちゃん?」
まほ「や、やぁ、みほ、元気か?」
愛里寿「今日はまほお姉ちゃんと遊びに来ました!」
みほ「まほお姉ちゃん?」
まほ「いや…その、なんだ…愛里寿も妹になってな…」
愛里寿「みほさん、あの…私も…まほさんの事を…お、お姉ちゃんと呼んでもいいですか…?」
みほ「うん、私は構わないよ、お姉ちゃんの事よろしくね」
愛里寿「はい!ありがとうございます!」
まほ「み、みほ…」ガーン
まほ「みほ!みほは私にとって大切な妹だ、だ、だがな、この前、島田流に呼ばれて愛里寿とだな…」
みほ「そんな、浮気のばれた亭主みたいな反応しなくてもいいから」
みほ「それで今日は愛里寿ちゃんはお姉ちゃんと大洗で遊ぶの?」
愛里寿「はい!あと迎えに来たのですが…えっと…」
ツチヤ「あー、いたいた、西住さーん」
ナカジマ「戦車の事で相談なんだけど大丈夫?」
スズキ「ちょっと見てもらえないかと思って」
みほ「大丈夫ですよ」
ホシノ「ごめんなさいね…ん!?」
愛里寿「 カズミお姉さま!! 」
みほ・ナカジマ・スズキ・ツチヤ「「「「 カズミお姉さまぁ? 」」」」
ホシノ「あ、愛里寿…なんで私の呼び方だけお姉さまなの?」
愛里寿「私はその方がいいと思って…ダメですか?」
ホシノ「いや…別にいいんだけどね…」
ツチヤ「ホシノが…お姉さまwww」
ナカジマ「笑っちゃダメだよwww」
スズキ「そういうナカジマも…ぷふっ…ゴメン、ホシノいきなりで私もwww」
ホシノ「アンタ達ねぇ…」
みほ(お姉さま…もし、ウチのお姉ちゃんをお姉さまって呼んだとしたら…まほお姉さま…!?)
みほ「ぷっ!」
ホシノ「に、西住さんまで…」
みほ「あ!ち、違います!!私は…ウチのお姉ちゃんの事で!」アワアワ…
まほ「み、みほ?」
ホシノ「それで、まほと愛里寿が一緒に来てどうしたのよ?」
まほ「三人で遊びに行こうという事になってな」
愛里寿「ダメでしょうか?」
ホシノ「行きたいのはやまやまなんだけど…整備が」
ナカジマ「あー、いいよこっちは私達でなんとかするから」
スズキ「せっかく島田さんに西住さんのお姉さんまで来てるんだし」
ツチヤ「心配しないで行ってきてよ」
ホシノ「悪い、早く戻るようにするから」
ナカジマ・スズキ・ツチヤ「「「 ゆっくりでいいですわよ~お姉さまぁ~ 」」」ニヤニヤ
ホシノ「…ありがと」ヒクヒク…
ホシノ「じゃあ行こうか、愛里寿」
愛里寿「はい!お姉さま!」
愛里寿「今日はね!ボコミュージアムに行ってね!」
ホシノ「うんうん」
まほ「わかったわかった、時間はあるからな…」
みほ「愛里寿ちゃん、とっても喜んでるみたいでよかった」
みほ「それにお姉ちゃんも妹が出来て嬉しいんだろうな」
みほ「……」
みほ「妹かぁ…」ポツリ
みほ「……」スッ
ピッ ピッ…
プルルルルル…
みほ「お母さん、私に妹とかって…いないよね?」
しほ『え?』
END
オマケ 典子とアンチョビ
アンチョビ「私も姐さんとかじゃなく、お姉さまとかって呼ばれてみたいなぁ…」
典子「だったら!アンチョビさん!お姉さまになりましょう!」
アンチョビ「うぉ!いきなりだな」
典子「まず、髪型をポニーテールにしましょう!」
アンチョビ(ポニーテール)「おお、たしかに大人びてお姉さまっぽいな!」
典子「次はこのバレー部のユニフォームです!」
アンチョビ(ユニフォーム)「ちょっとまて!このブルマ!股が切れ上がってるぞ!ハイレグ!ハイレグ!////」
典子「すごくお姉さまです!!最後はこの鉄下駄を履いてください!!」
アンチョビ(鉄下駄)「て、鉄下駄ぁ?」
典子「仕上げはこの磯前神社の境内への階段を駆け上がれば完全なお姉さまです!!」
アンチョビ「ふぐ…なんで、走るの…おも…それに階段の角度がきつくて…せま…」
ズルッ
アンチョビ「ぎ゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」
ゴロゴロゴロ…
典子「お姉さまぁぁぁ!!!」
オマケ その後のしほ
しほ「みほ…いきなり妹がいないかって…」
しほ「みほには私が他所で子供を産んでいるふしだらな女にでも見えているというの…」
しほ「それとも、純粋に妹を作って欲しいという事なのかしら…そりゃまだその気なれば…妹の一人や二人は…///」クネクネ
しほ「そうね、まほなら何があったか知ってるかもしれないわ」ピッ
プルルルル…
まほ『はい』
しほ「ああ、まほ、実はみほが…」
愛里寿『まほお姉ちゃんー!早く来てー!』
まほ『すいませんお母様、今、妹の愛里寿と一緒なんで後ほど…』ピッ
プー…プー…
しほ「……」
しほ「妹の愛里寿?益々解らなくなってきたわ…そうだわ、エリカなら、みほとまほの二人の事がわかるかも」ピッ
プルルルル…
千代『あら、しほちゃん久しぶり』
しほ「…逸見エリカに連絡したのですが何故島田流が?」
千代『この番号は逸見エリカさんの番号じゃ無くて、私の娘…島田恵里寿の番号よ!!』
エリカ『家元!勝手に私の電話を取らないでください!!』
千代『お母様って呼んでくれなきゃ、ヤダヤダー』
プー…プー…
しほ「……」
しほ「昨日の酒がまだ残ってたのかしら…」
以上です
今回もありがとうございました
※ホシノの下の名前は自分の想像であります
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