【プレイ日記】勇者「縛りプレイさせられた」【DQ3】(661)

ーーアリアハン城、謁見の間

王様「よくぞ来た、勇者オルテガの息子よ!」

いっぴきおおかみ勇者「…どうも」

王様「さて勇者よ、早速だがそなたには魔王を倒す旅に出てもらう…が!」

勇者「…が?」

大臣「今まで数多の勇者が大魔王を倒すために旅をしてきた。成功した者もあれば、道半ばで倒れた者もおる」

勇者「成功した…?成功したなら、もう俺は旅に出る必要が…」

王様「故にじゃ!ただ魔王を倒すだけでは面白くないからのう。そなたには縛りプレイをしてもらうことになったのじゃ!」

勇者「なったのじゃ!と言われてもな…」

大臣「まず、勇者殿に大事なアイテムを渡そう」スッ

たびびとのふくを手にいれた!こんぼうを手にいれた!こんぼうを手にいれた!ひのきのぼうを手にいれた!

勇者「…これが、大事なアイテム?」

王様「さよう。今回の縛りは…『誰かが死んだら装備品を投げ捨てる』じゃ!」クワッ

勇者「………はあ?」

王様「ふむ、分からぬか?大臣、説明を」

大臣「はっ。では説明させてもらいます…とはいえ、王様が言った通りでな。勇者殿か仲間の誰かが死んだら、装備品を1つ、投げ捨ててもらう。つまり誰かが死ぬ度にパーティーの戦力は落ちて行くだろうな」

勇者「何故そんな…」

大臣「そして大事なことじゃが…買い物は禁止じゃ」

勇者「はあ?そんな…」

大臣「更に!ストーリーが進まなくなるような貴重品以外は宝箱のものを我が物とするのも禁止じゃ!」

王様「どうじゃ?過酷で面白そうじゃろう」ワクワク

勇者「失敗する気しかしねえな…」

王様「ただし!わしも鬼ではない、それ以外の入手方法なら私物化しても構わん!」

勇者「それ以外、っつーと…」

大臣「盗み、それからあなほりじゃな。ああ、モンスターが落としたアイテムは自分のものにしてよいぞ」

王様「これでお主もどのような者を仲間にすべきか分かったじゃろう、はっはっは!」

勇者「仲間なんて…俺は別に1人でも…」

???「いけないわ、仲間は大事よ。四人でパーティーを組みなさい、冒険に出るならね」

勇者「誰だ?」

使者「私?私は…そうね、王様の使者、とでも言うべきかしら?職業は魔法使いだけれどね」

勇者「魔法使い?まさかあんたを仲間にしろってのか?」

王様「そうではないぞ勇者よ、お主の仲間は皆男にしてもらう」

大臣「女子だけでキャッキャ言わせてれば人が付くとでも思ってそうな書き手に現実を見せてやらねばならぬのでな」

勇者「何の話だ…?」

使者「こちらの話よ。さて勇者殿、私がルイーダの酒場まで案内しましょう。着いてきて」

勇者「バカにするな、ルイーダの酒場くらい知ってる」

使者「他にも寄る所があるのよ、さ、行くわよ。王様、大臣、失礼します」ペコリ

王様「うむ、アドバイザーよろしくな」

使者「さ、行きましょう…ああ、そうだったわ。あの二人ーー王様と大臣は言わなかったでしょうけれども…」

勇者「なんだ?まだ何か…」

使者「16歳のお誕生日おめでとう、勇者殿」ニコッ

勇者「…あ、ああ」

使者「じゃあ行きましょう。さっきも言ったけど、少し寄り道するから、ちゃんと着いてくるのよーー」

勇者「こうやって城の中歩き回るのは初めてだな…」

使者「お城の中なんて、来る機会ないでしょうからねーーここよ」

勇者「ここ?ただの倉庫じゃ…」

倉庫番「お?なんだお前、仕事は良いのか?」

使者「今まさに仕事中よ。ほら、この方が勇者殿よ」

勇者「…どうも」

倉庫番「勇者?って事はオルテガさんの息子さんか!俺は昔オルテガさんに世話になってな…そうか、オルテガさんの息子が旅立ちの歳か…」

勇者「親父に世話に…」

使者「そうよ。まあ、貴方のお父さんに世話になった人はこの国には沢山いるけれどもね。それで貴方に相談があるのだけれど…」

倉庫番「ふんふん…はあ?なんだその縛りは…」

使者「それが王の意向だから。それでね…」

倉庫番「ああ、分かった。この倉庫の物を、今すぐにとはいかないがーーそうだな、自力でこの倉庫に入れるようになったなら、それまで足袋が続けられているのなら…この倉庫の物を勇者殿に差し上げよう」

勇者「…良いんすか?」

倉庫番「構わねえよ、俺はそれだけオルテガ殿に世話になったんだーーじゃ、道中気を付けてな」

使者「ありがとうね。さて…それではルイーダの酒場に行きましょう」

ーールイーダの酒場、2F

使者「さて、ここで仲間を登録してもらうのだけれども、王様からいくつか言っておくように言われてるの」

勇者「まだ何かあるのか…」

魔法使い「まず、同じ職業の人を二人以上仲間にしないこと。あと、戦士は必ず仲間にすること」

勇者「戦士を、ねえ。あの縛りだと戦士は厳しそうだが…」

使者「だからこそ、という事らしいわよ。あと、登録する際仲間にサービスで種が使えるけど、これはお任せ、つまりランダムにするように、との事よ」

勇者「どんな性格になるか分からない、って事か」

使者「そういう事ね。さあ、登録を済ませてもらえる?」

勇者「仲間、か。あまり考えた事も無いが、まず戦士と、縛り的に盗賊もいるだろうな。後はあなほりの商人か、装備が少なくても戦える武道家か…」

???「商人が良いと思います!あなほり、あなほりでアイテムたくさん手に入りますよ!しかも男子はいけめんで女子はきゅーと!商人わよろしく!」

勇者「な、なんだあんたは?!」

女商人「あたしは通りすがりの商人だよ!勇者サマ、商人を宜しく!じゃ!」タタタ…

使者「…行ってしまったわね」

勇者「まあ、あそこまで言うなら商人にするか。どうせ最初は1人で旅するつもりだったんだ、どっちが仲間でも変わらねえからな」

登録所担当「……さて、これでお仲間の登録は完了しましたよ」

まけずぎらい戦士「おう、よろしくな勇者!ま、俺は勇者にだって負けんがな!」

いのちしらず盗賊「どんな危険な冒険が待ってるんだろうな…わくわくするぜ」ニヤリ

ふつう商人「よ、よろしくお願いします…あ、あのー、僕なんかで本当に良いんでしょうか…」

使者「ふふ、前のめりなパーティーね」

勇者「笑い事じゃないと思うが…まあいい。どうせ俺一人いればなんとでもなるさ」

戦士「お、いうねえ~!負けねえぞ俺は!」

盗賊「ははっ、良いねその負けん気、嫌いじゃないぜ」

商人「頼もしいなあみんな…」

使者「さて、じゃあ私はここで失礼するわねーーああ、最後に1つ、良い忘れていたのだけれども」

勇者「まだ何かあるのか?!」

使者「次の場所に付くまでに時間制限を設けるとの事よ。今日を一日目として、明日までにレーベかどこかのダンジョンなりほこらなりに着くこと。それから2日ごと、偶数日目には新しい場所に着くようにすること。出来ない時は一日につき1つ、装備品を投げ捨ててもらうわ」

商人「そ、そんな縛りが…大変だなあ…」

戦士「大変だなあじゃねーだろ、お前も一緒に旅するんだよ!」

使者「そうよ、じゃあ力を合わせて頑張るのよ。じゃあねーー」

大臣「おお、帰ってきたか。案内は無事終わったか?」

使者「ええ、滞りなく」

王様「ご苦労であった。しかしまた勇者達に伝えるべき事が出来たなら、お主に行ってもらうからな」

使者「かしこまりました」

王様「しかし、待っててくれてる人がまだいたとは、嬉しい事じゃのう」

使者「わざわざ待っててくれたのに縛りのせいで道半ばで倒れる可能性が高いのですが」

大臣「その時は過酷な縛りを課した王様が糾弾され、代わりに私が王座に座る事になるかもな、ははははは!」

使者「もう少し野心を隠して下さい」フウ…

王様「ちなみに、エルミのやつの続きも書きたかったが、なんだかしんどそうなのでとりあえず書きたいものを書こうと思ったのじゃ。これとあの話との関係は…ないな、今のところはな」

大臣「全てはこれからですな。とりあえずは彼らの無事を祈るのみですな」

使者「彼等があまりにも早く斃れれば、別の話を書くことになるかも分からないけれどもね…」

ーーアリアハン郊外

商人「モンスターめ、このー!」ボカッ

かいしんのいちげき!スライムをたおした!

戦士「お、やるじゃねーか!」

商人「はあ、はあ…な、なんとか戦えそうです…」

盗賊「こんぼうなんてゴツい武器持ってるんだ、それなりにやってもらわなきゃな」

戦士「オメーはなんでこんぼうも装備出来ねーんだよ!」

盗賊「そんな不格好な武器使ってられるかよ…お、なんだ勇者、さっきから黙りこんで」

勇者「俺は…この日を待ってた。親父の後を追って旅に出る日を、魔王を倒す旅に出る日を…オメーら、足だけは引っ張るなよ」

戦士レベル2「あ?言うじゃねーかおい!」

商人レベル3「は、はい。ど、努力します…」

盗賊レベル2「お前…一人だけレベル1で良くそんな事言えるな…」

勇者レベル1「う、うるせー!大器晩成なんだよ俺は!」

戦士「やーいやーい、レベル1~」

商人「はあ…大丈夫なのかなこのパーティー…」

商人「…いつの間にか夜になってしまいましたね」

戦士「この時間まで戦っても全然余裕だな!モンスターってのも大したことねーなおい!」

盗賊「まだ始まったばっかじゃないかよ、今からだろスリルがあんのは」

勇者「その通りだ、こんなとこではしゃいでらんねー」

商人「大変なのはこれからですよね…」

勇者「装備で強化もろくに出来ねーしな、キツいのはこれからだ」

盗賊「とりあえず明日はレーベか?縛り的にも先に進まないといけないだろ」

商人「レーベ周辺には、かわのぼうしを持っているモンスターもいるそうです。数少ない装備品を手にいれるチャンスかもしれないですね」

戦士「マジか!ちゃんと盗めよ盗賊!」

盗賊「努力はするけどな…」

商人「というか…アリアハン大陸にいる間はかわのぼうししか手にはいる装備はありません…」

戦士「マジで!?」

盗賊「良いね、スリルあるじゃないか」ニヤリ

勇者「ちっ、ガチで面倒な縛りだな…」

ーー夜、勇者自宅

戦士「イエーイ!勇者、お誕生日おめでとー!」カンパーイ!

勇者母「いっぴきおおかみの息子の為にこんなに集まってお祝いしてくれて…」ヨヨヨ…

勇者祖父「我が息子オルテガはな、それは勇敢な男じゃった!旅立つ前にもな…」ヒック

商人「す、凄いですね…さすがオルテガさんだ…」

盗賊「全くだ。俺もそんな風にありたいもんだな」

勇者「…なんだこれは」

使者「何って、お誕生会じゃない。みんな貴方のお誕生会をお祝いしてるのよ」

勇者「なんであんたが居るんだ?…もしかしてこれはあんたの差し金か?」

使者「さあ、どうかしら?ただ、あの面子ではすぐに打ち解けはしないだろうとは思ったけれども」

勇者「だから、パーティーなんて要らなかったんだよ!親父だって1人で旅立ったんだ、俺だって…」

祖父「それは違うぞ孫よ!」

勇者「違う?何が…」

祖父「確かにお前の父は旅立つ時は1人じゃった。しかし、1人で出来る事には限界があるとも言っておった。おそらくは旅先で仲間を集めていたのじゃろう」

勇者「…」

祖父「仲間は大事じゃ!わしも若い頃は…えーと、どうじゃったかな…」ウーン…

勇者「ちっ、酔っぱらいめ…」

使者「でも、仲間にするあてがあったのは事実みたいよ。確か…サイモンとかいう他所の勇者と合流する予定もあったみたいだし…」

勇者「なんでそんな事知ってんだ?」

使者「大陸を隔てても、連絡を取る手段位はあるわよ。そうでないと…貴方の父上の…」

勇者「火山に落ちたって最期も分からない、ってか?」

使者「…今までいっぴきおおかみとして生きてきて、急に仲間だ何だと言われても戸惑うとは思うけど…でもいつか必ず仲間がいて良かったと思う日が来ると思うわ」

戦士「そーだそーだ、俺はありがてーぞ!」ガハハ

勇者「ホントか…?まあいい、ここはあんたに騙されておくぜ」

使者「そうよ、大人の顔は立てとくべきよ」ニコッ

勇者「…そういうもんか」

盗賊「おっ?勇者さては…へえー」

勇者「…なんだよ」

盗賊「いやいや別に。使者さん、またたまにはこうしてこいつに会いに来てくれよな。次はきっともっと成長してるからな!こいつも嬉しいだろうしな!」ニヤニヤ

勇者「別に嬉しくもないが…なんか余計なこと考えてやがるな…」

ーー2日目、レーベの村

商人「おお、レーベだ!皆さん、着きましたよレーベに!」

勇者「うるせーな、言われなくても分かってるよ」

戦士「レーベか、俺はあんまり来たことねーなあ」キョロキョロ

盗賊「こんな田舎わざわざ来るまでもないからな。さあ、そんな事よりさっさと魔物退治してレベル上げようぜ」

戦士「待てよ、あんま来たことないって言ってるだろ。もう少し見て回って…」

盗賊「だから、見て回る物なんかないって。それとも何か、怖じ気付いたか戦士さんよ?」

戦士「ああ?てめえ誰に向かって言ってやがる!」

勇者「…ちっ、うぜーな」

商人「ああ、またケンカに…そうだ!昨日使者さんに教えてもらった冷静になれる歌を…やーまっかわー、やーまっかわー、やーまかーわーほーだかー♪」

盗賊「!?そ、その歌は…」

戦士「ぐ…ああ…やめろ…やめてくれ…」

勇者「ぐ…現地で初生岸を見られるとはしゃいでたのに…2打席連続でスタンドに放り込むのはやめろオ!」

商人「す、凄い効果だ…心なしか勇者さん達以外の感情が滲み出てる気がするし、これは本当に冷静になってると言えるのかは分からないけど…」

ーー3日目、レーベ郊外

勇者「らあっ!」ガンッ

おおありくいをたおした!まもののむれをやっつけた!

商人レベル5「ふう…昨日はこの辺の魔物にかなり苦戦しましたけど、今日は少し楽になりましたね」

盗賊レベル5「レベルが上がったからな。昨日の方がスリルあったけどな」

戦士レベル4「これなら明日次の場所行っても問題無さそうだぜ!」

勇者レベル3「そんな簡単なら良いけどな…まあ、縛りがあるから行かざるをえないんだけどな」

盗賊「それにしても…1つくらいアイテムが手にはいると思ったんだけどな」

商人「まさか装備品はおろかやくそうの1つも手に入らなかったですからね…」

戦士「盗賊ってのはもっとバンバン盗めるもんじゃねーのかよ!?」

盗賊「そんなに簡単だったらこの大陸盗賊だらけだろ。ま、もう少し上手くやりたかったのは事実だけどな」

勇者「関係ねーよ、やるしかねーんだ。お前ら、足引っ張るなよ」

戦士「おめーには負けねーよ、レベルも勝ってるしな!」ガハハ

勇者「くそっ、こんなにレベル差が出るもんかよ…」

商人「ま、まあまだ始まったばかりですし…」

母「おはよう。もう仲間の皆は起きてるわよ」

勇者「ああ…くそ、結局奴ら昨夜もうちに止まりやがった…買い物出来ない縛りなんだから金を節約する必要なんてないだろ…」ブツブツ

母「ダメよ、お金は貯めとかなきゃ。そうだ、今朝早く使者さんが来たんだけど」

勇者「!」ガバッ

母「手紙置いて帰って行ったわ。はい、これ」

勇者「なんだ、手紙か…」

盗賊「ん?なんだい勇者君、ずいぶんガッカリした様子だねえ」ニヤニヤ

勇者「はあ?別にガッカリしてねーし…っと、手紙は…」ガサゴソ

商人「なんて書いてあります?えーと…『レーベ南の茂みと岬の洞窟の入り口は別カウントで良いそうよ』ですか…」

戦士「は?どういう意味だよ」

商人「2日ごとに新しい土地へ行かなければいけない縛りに関してでしょう。例えば今日4日目で岬の洞窟、6日目でレーベ南の茂み、8日目でナジミの塔、といった感じで…」

勇者「ここに書いてある。『今は良くても後々この縛りきつくね?って王様が気付いたのではないかと思う』ってな」

戦士「おいおい、王様ってのは何も考えてねーのかよ?」

盗賊「まあ、書いてるやつが考えなしっぽいからな」

商人「えーと…で、でもこれはありがたいですよ!レベル上げはともかく、今のうちにやくそうなんかを用意しておかないといけませんから。なんでも、この大陸から出たらなかなかやくそうも手に入らないみたいですし…しかしこの縛り、不安になるなあ…」

盗賊「さて、岬の洞窟に着いたな…入り口を眺めた事はあったが、入るのは初めてだな」

戦士「なんだ、盗賊が根城にしてるみたいな場所なのにか?」

盗賊「今どきそんな盗賊流行らないって…お、すぐに階段があるな、下りようぜ」ザッザッザッ…

商人「薄暗くて不気味ですね…」

戦士「で、俺らはここで何すりゃ良いんだ?」

勇者「ちっ、んな事も知らねーのか?商人、説明してやってくれ」

商人「あ、はい。えっと、とりあえず僕達はこの大陸から海の向こうに行かなければいけないのですが…その為にはいざないの洞窟の封印を解かなければいけなくて、解くためにはまほうの玉が必要なのですが、その為には…」

戦士「あー面倒くせえ!結局次にやるのは何なんだよ!?」

盗賊「まほうの玉を手に入れる為に必要なとうぞくの鍵探しだな。そいつはナジミの塔にあるって話だ」

商人「ナジミの塔はこの洞窟を抜けた先にあるそうです。だからここに…」

戦士「あーそういう事か、分かった分かった!」ガハハ

勇者「ったく、頼むぜ本当に…」

戦士「問題ねーよ、俺はモンスター倒すだけだからな、はっはっはっ!」

商人「それはそうなんですが…頼もしいのか頼もしくないのか…」

戦士「はっはー!このアリクイ野郎が!おらっ!ドゴン

おおありくいをたおした!まもののむれをやっつけた!

盗賊レベル6「ふう、この洞窟のモンスターはレーベ周辺と変わらないんだな。ちょっとスリルが足りねえなあ」

勇者レベル4「アリクイとウサギとカラス退治なんか出来て当たり前だしな」

商人レベル6「僕達のレベルもあがりましたからね」

戦士レベル6「ただ攻撃はちょっと痛えな。服じゃなくて鎧がほしいがなあ」

商人「ぬののふくとたびびとのふくだけでは不安ですよね…」

盗賊「何言ってんだ、だからこそスリルがあるんじゃないか」

戦士「てめーは素早いから素の守備力高いだろーが!」

勇者「確かにな、俺らは体力はあるが守りが弱え。盗賊は体力はイマイチだが守備力がある。ここらで隊列を考え直す必要があるかもな…」

盗賊「お、勇者らしくパーティーの事を考え出したな。使者のお姉さんにも言われてたみたいだしな!」ニヤニヤ

勇者「は?関係ねーよ!」

商人「盗賊さん、からかわないで下さいよ…あ、ちなみに今は勇戦商盗の順になってますよ」

盗賊「説明口調だな…」

戦士「あー、今日も戦ったな!後は勇者の家で飯だなおい!」

勇者「てめえ、少しは遠慮しろよ…」

戦士「してるじゃねーか、おかわりは三回までによお!」ガハハ

商人「ははは…でも今日は良かったですね、やくそうが3つ手に入りましたよ!」

勇者「回復アイテムがねーと今後が不安だからな、まあ良かったぜ」

盗賊「ない方がスリルがあると思うがねえ…」

戦士「スリルもいいがよお、オメーまだ1つも盗めてねーじゃねーか!」

盗賊「…悪かったよ、明日は上手くやるさ」

勇者「ったく、頼むぜ」

戦士「そういや明日から隊列変えるんだったか?盗戦商勇だったか?」

勇者「ああ、高い守備力の奴が先頭で壁になる方が結果的に長く冒険出来そうだからな」

商人「そして、そろそろ回復呪文を覚える勇者さんを後ろにして守る下形ですね」

盗賊「勇者は生命線だからな。ま、俺は先頭の方がスリルあって良いけどな

戦士「そんなことより腹へったぜ!早く勇者の家行こうぜ!」

勇者「てめーは真面目な話してる時に…」

ーー5日目、岬の洞窟

勇者「この洞窟の魔物は楽に倒せるようになったな。少し先に進んでみるか」

盗賊「この先はちょっと違う洞窟のようだが、行って良いんだな?」

商人「ええ、2日ごとに進むのは入り口を数えるらしいので…それより、先頭でも大丈夫そうですか?」

盗賊「ああ、うさぎ程度の攻撃ならかすり傷だ」

勇者「やっぱり素早い奴が先頭に立つ方が良さそうだな、少なくとも相手の攻撃力が低い間は」

戦士「俺だっていつでも先頭出来るぜ!ちょっと辛いけどな!」

商人「戦士さん守備力低いですからね…たびびとのふく装備で僕がぬののふく装備した守備力と変わらないですもんね」

盗賊「戦士の装備は金かけてなんぼだからな。ま、とりあえずは俺に任せときなよ」

勇者「ああ、行けるとこまでこれで行って…どこまで行けるかな…」

ーーレーベ南の洞窟

戦士「そらそらそらあっ!」ボカッ

おおありくいをたおした!まもののむれをやっつけた!

戦士レベル8「はっはー!めちゃくちゃレベル上がったなあ!」

商人レベル9「勇者さんがホイミを覚えたのが大きいですね、ダンジョンに長くいることが出来るようになりました」

勇者レベル7「ルーラとニフラムも覚えたしな。正直上げすぎな気もするぜ」

戦士レベル8「レベルも上がったが、ついに盗みに成功したな盗賊!」

商人「しかもかわのぼうしですもんね!冒険失敗が少し遠ざかりましたよ!」

盗賊「ま、このくらいはな。しかもフツーに宝箱からも出て、かわのぼうしは2つになったな。俺と戦士で装備させてもらったぜ」

勇者「前の連中に倒れてもらっちゃ困るからな。にしても、かわのぼうし2つはかなり運が良かったが、やくそうの方はイマイチだったな…」

戦士「盗みと宝箱でこっちも今日は2つか。昨日の何倍もモンスター倒した割には少なかったなあ」

商人「こればっかりは運ですからね…でも、これが今後響いてこなければ良いのですが…」

ーーアリアハン、謁見の間

王様「先ほど勇者が挨拶に来たが…あやつ、ずいぶん強くなったようじゃのう」

使者「はい。時間制限があるので、回復呪文が続く限りダンジョンの中に籠っていたとか」

大臣「なるほどのう。縛りを逆手に取られた、という言い方は正しくないかもしれんが…」

使者「私もあそこまで長くダンジョンにいられるとは思いませんでした。勇者殿の回復呪文もそうですが、思ったよりずっと彼らはタフだったようですね」

王様「ふむ…順調なのは喜ぶべきであろうが、つまらんのう…」フウ…

使者「…勇者殿が力を発揮している事実は喜ばしいと思いますが」

大臣「しかし、ここから先は今までのようにはいきますまい。魔物もどんどん強くなりますからな」

王様「そうじゃな、もっとピンチになってもらわねば困るからな!」

使者「別に困りはしないと思いますが」

王様「ああ、楽しみじゃのう。やはり苦戦してこその冒険じゃからのう」ワクワク

使者「…はあ、困った王様ね、本当に…」

女商人「第51回!まーちゃんと・さみっとー!!!」パチパチパチ

商人「な、なんですか?!というか50回まではいつやったんですか!?」

女商人「という訳で、出先でノートがないから本編は更新出来ませんが、待ち時間がヒマ…サービスであたし達の会議の様子をお伝えします!てゆーか今時ノート!?デジタル化はどうしたの!?」

商人「僕に言われても…」

女商人「さあ、今日のお題は『再リメイクした場合どうすれば商人はより輝けるのか?』です!」

商人「再リメイク時ですか…やっぱり戦闘力を上げて…」

女商人「それじゃダメ!戦闘力は結局戦士や武道家に敵わないんだから、商人独自の強みを身に付けないと!」

商人「僕達の強み…お金を集めたり、鑑定したり…」

女商人「そう、鑑定です!例えばらいじんのけんとか、普通だと使ってもベギラマの効果しか出ないようにするの。で、高レベルの商人が鑑定した時だけ真の力を発揮して、ベギラゴンまで威力が上がるの!どう?」

商人「確かに、それなら僕達の存在感が出ますね」

女商人「凄いでしょ!さすがきゅーとでせくしーだいなまいつで知的でくーるびゅーちーなあたし!」

商人「そ、そうですね…」

女商人「さて、これで第51回まーちゃんと・さみっとは閉幕!次回開催は未定です!それじゃ!」

商人「あ、さようなら…ところであの人、誰だったんだろう…?」

6日目、ナジミの塔

戦士「ついに来たな、ナジミの塔!近くて遠いナジミの塔によお!」

盗賊「まあな。しかしやっぱり盗賊たるもの、洞窟よりは塔をアジトにしたいものだぜ」

商人「そんなに違いますかね…」

盗賊「そりゃ違うさ。とうぞくのカギを作ったバコタさんだって、塔に住みたかったんだと思うぜ。で、この塔にいるじいさんにカギを取られちまった、と」

商人「そういうもんでしょうか…」

勇者「しかし、昨日は死ぬほど魔物を倒したのに、さっぱり数が減ってなかったな。この塔も魔物だらけで…」

商人「あ、何か居ますよ!」

おおがらすがあらわれた!

戦士「…ああ?外にもいるようなザコじゃねーか」

勇者「ちょっと拍子抜けだな…まあ、もっと強い奴はいるんだろうが…」

ーーナジミの塔、2F

戦士「なんかなー、下の洞窟と代わり映えしないモンスターばっかりでつまんねーな。盗賊じゃねーが、スリルが足りねーぜ」

盗賊「まあな。だがそれより苦痛な事が俺にはあるな」

商人「?なんですか?」

盗賊「宝箱を開けずにスルーする事だよ。盗賊としてこれ以上の苦痛はねえよ」

商人「あー…商人としてもそれは辛いですね…」

勇者「なんでこんな縛りをするのか…いや、言っても仕方ねーな、さあ、進むぞ」

盗賊「だな。宝箱は後ろ髪引かれるが、スリルの方はこの先待っててくれてるかもしれないからな」

商人「あ!見てください、上に行く階段ですよ!」

勇者「次は3階か、流石に今までと同じ魔物ではないだろうな」

盗賊「やっとスリルのお出ましか?楽しみじゃないか」

商人「僕は少し怖いです…でも頑張りますよ!さあ、行きましょう…」

ーーナジミの塔、3F

まほうつかいがあらわれた!

盗賊「魔法つかいだあ?魔法つかいってんなら、もっとスレンダー美人を寄越せっての。なあ勇者?」

勇者「なんの話か分からねー!おらっ!」ドガッ

まほうつかいをやっつけた!

商人「ふう、魔法さえ使わせなければ恐ろしい相手でもないですね」

バブルスライムがあらわれた!フロッガーがあらわれた!おおありくいがあらわれた!

戦士「おおっ!?なんだあの緑色のウネウネしてる奴は!?」

勇者「あいつは…確か毒を持ってるとかいう…」

商人「毒!?僕らには解毒する手段がありませんよ!毒になったら町まで戻らないと!」

盗賊「ならとっとと倒しちまえば良いさ!らあっ!」ポコッ

勇者「そらっ!」ガッ

バブルスライムをたおした!バブルスライムをたおした!

戦士「っしゃあ!後は消化試合みたいなもんだぜ!」

商人「毒になる前に倒してしまえば問題ないですね。それにしてもこのパーティー、かなり強いんじゃ…

盗賊「そりゃ落ちてるのを拾うのもダメさ。人から手渡しにされるならセーフらしいが、重要アイテム以外でそんなのあるかねえ?」

商人「さあ…あ、階段がありますよ!」

戦士「っしゃあー!次はどんな…お!扉があるぜ!」

勇者「鍵は…掛かってるか。盗賊、開けられねーのか?」

盗賊「こいつはカギがないと無理だな。この階は他に何か…何も無さそうだな」

商人「上り階段もなければモンスターも出ませんね。どういう事なんでしょうか?」

勇者「さあな。この扉の中に入れれば何か分かるのだろうが…」

戦士「つってもどうやって入るんだよ?こじ開けるのか?」

盗賊「そんなヤワな扉じゃないだろ。もしかしたらだが、今上ってきた階段とは別の階段があるのかもな」

商人「ああ、そこから上れば中に入れるかもしれないですね!」

勇者「他の階段ってやつがあればだけどな。じゃあ1回戻るか、ここに居ても仕方ねーしな…しかし、面倒な造りの塔だな…」

ーー3F

盗賊「さて、俺らの考えが正しいかどうか…」

戦士「んな広い塔でもねーし、他の階段もすぐ見つかるだろ、モンスターも強くねーしな!」

勇者「あのハチの攻撃は少し効いたけどな…てか、あのハチの方こそ毒がありそうなんだが、ねーんだよな」

商人「さそりばち、でしたっけ?サソリにハチですもんね、凄い毒持ってそうですよね」

戦士「でもあの緑色のヤツの方が毒持ちなんだもんな、分かんねーもんだぜ」

盗賊「モンスターってのは、俺らの理解を超えてる存在なのかもな…現状まだスリルが足りないが、これからは…」

商人「恐ろしい敵に会うかもしれないですね…あ、階段ですよ!」

盗賊「やっぱりあったか。いや、上ってみない事にはなんとも言えんな。もっと階段がある可能性も…」

勇者「まあ、広さ的にそれも無さそうだけどな。なんにせよ、上ってみなけりゃ分かんねーな」

戦士「だな!おらおら、さっさと上るぞ!」ダダダ…

商人「ああっ、待って下さい!もっと慎重に…」

盗賊「言うだけムダだろうな。さて、仮にこの上にいるのがバコタさんからカギを奪ったじいさんだとして、すんなりとカギをくれるもんかねえ?」

勇者「どうだろうな。年寄りに手を上げるのは趣味じゃねーんだがな。まあ、何とかするしかねーんだがな…」

ーー4F

勇者「ここは…部屋の中?どうやら当たりのようだな。なら、あそこにいる年寄りが…」

商人「とうぞくのカギを持っているというご老人…!」

老人「おお、やっときおったか。わしは幾度となくお前にカギを渡す夢を見ていた」

戦士「夢?おいおい、じーさんの夢の話を聞きに来たんじゃねーよ!」

盗賊「しっ!ちょっと静かにしてなよ」

老人「だから、お前にこのとうぞくのカギを渡そう。受け取ってくれるな?」

勇者「…ああ」

商人「おお、とうぞくのカギが…!」

盗賊「ああ、やったな」

老人「では行くがよい、勇者よ。わしは夢の続きを見ることにしよう」

勇者「ああ、ありがたくいただくぜ。じいさんも達者でな」

とうぞくのカギを手に入れた!

ーー夜、レーベの村宿屋

戦士「なんだ、今日は勇者の家じゃないのか?」

商人「ええ、やっぱりお互いに気を使いますからね」

戦士「あ?俺は全然気にしてねーぞ!」ガハハ

盗賊「おめーはな。さて、カギが手に入ったらまほうのたまってのもあっさり手に入ったな」

勇者「ここまでは上手く行ってるな。いや、行きすぎてる位だ」

商人レベル10「ナジミの塔でレベルも上がったし、アイテム各種も一通り手に入りましたね」

盗賊レベル10「やくそう、どくけしそう、せいすい、キメラのつばさ…ま、我ながら上手く盗めたと思うぜ」

勇者レベル8「本当に一通りだけどな。心許ないが仕方ねー」

戦士レベル9「勇者が回復魔法覚えたんだ、行けるだろ!」

勇者「そう思いたいけどな、次のいざないの洞窟とやらが今まで通り行くものなのか…」

商人「不安はありますよね…」

盗賊「ま、行くしかないな。俺としては、そろそろスリルが欲しいからな」

戦士「おう!俺らが魔物なんかに負けるかよ!」

勇者「まあ、やるしかねーんだけどな。しかし、いよいよ海の向こうか…」

ーー7日目夜、レーベの村宿屋

戦士レベル10「あー、今日はあっという間だったな!メシメシ!」

盗賊「今日は外で戦ってたからな、あっという間だったぜ」

商人「東側の魔物達は強敵でしたね。やくそうも1つしか増えなかったし、レベルが上がったのは戦士さんだけ…」

勇者「やっぱりこっから先はしんどそうだな。さて、明日はいよいよいざないの洞窟だが、現状俺らの準備はどんなだ?」

商人「はい、お金は3241ゴールド、これは明日銀行に預ける予定です」

盗賊「アイテムはやくそうが8つ、あとはどくけしそう、せいすい、キメラのつばさが1つずつ」

戦士「装備は先頭から盗賊がひのきのぼう、ぬののふく、かわのぼうし。俺がこんぼう、たびびとのふく、かわのぼうし。商人がこんぼうとぬののふく。勇者がどうのつるぎとたびびとのふくだな」

勇者「あとは、装備してないぬののふくが1着。これが貴重品を除いた俺らの全財産ってわけだ」

盗賊「分かっちゃいたが、少ないな。無駄遣いは出来ないな」

商人「そうですね。ここぞという時に使わないと。欲を言えば、使わずに済ませたいですが…」

勇者「それで死んだら意味ねーからな。ま、やってみるさ。明日を乗りきって、海の向こうへ辿り着いてみせるぜ…!」

ーー8日目、アリアハン大陸東部

勇者「多分もうすぐいざないの洞窟につくはずだ、覚悟は良いな?」

盗賊「当たり前だろ。楽しみだな」

商人「ぼ、僕は不安だし怖いです…この辺でさえモンスターが強いのに…」

戦士「大丈夫だ、俺に任せとけ!…お?ほこらがあるぜ、寄ってかないのか?」

勇者「ほこらか…いや、寄らなくて良いだろ、むしろ寄らない方が良い」

盗賊「そういやレーベ南の茂みにも寄らなかったな。まあこの大陸でやる事はほぼ残ってないしなあ」

商人「やくそうはもっと欲しかった気もしますが…」

勇者「言ってもしょうがねーだろ。ほら、見えてきたぜ、あの泉の近くにーー」

戦士「いざないの洞窟とやらがあるんだよな!いよいよだな!」

盗賊「ああ。鬼が出るか蛇が出るか、1つ行ってみようじゃないか」

商人「そうですね。ああ、怖いなあ…」

勇者「ここが、いざないの洞窟か…いよいよだな…」

盗賊「ったく、洞窟ってのは湿っぽくていけねえや…お、誰かいるな」

老人「ここはいざないの洞窟じゃ。だが階段は石カベで封じられておる」

使者「…という訳なんだけど、まほうのたまは忘れずに持ってきたかしら?」

勇者「あんたは…!なぜここに?」

使者「何故って、貴方達はいつも王様に報告に来るでしょう?今日ここに来ることは分かってたわよ」

商人「わざわざ見送りに来てくれたんですね」

盗賊「嬉しいなあ、なあ勇者?」ニヤニヤ

勇者「お、俺は別に…まあ、わざわざ、どうも…」

使者「良いのよ、ここから先は今までみたいに会えなくなるでしょうし、最後位はね…ここからは大変よ?」

勇者「分かってる。でも行くしかねえ」

使者「そう…頑張ってね。幸運を!」

勇者「ああ、ありがとう…よし、行くぞ」

商人「はい!」

戦士「っしゃー!やってやんぜー!」

戦士「っしゃー!なんでも良いからかかってこいやー!」

商人「いや、静かに…」

ーーおばけありくいがあらわれた!

盗賊「なんだ?白いありくい?まあ良い、そらっ!」ガッ

勇者「行くぜ、おらっ!」ドゴッ

おばけありくいのこうげき!おばけありくいのこうげき!

戦士「うおお?!すげえ力だ!」

盗賊「くっ、今まではほとんどダメージなんて食らわなかったんだが…へっスリルが出てきたな!」

商人「は、早く終わらせないと…それー!」ゴンッ

ーーおばけありくいたちをやっつけた!

勇者「ふう、終わった…が、確かにここからはきつそうだな…」

盗賊「いよいよ始まったって感じだな。さあ、どんどん行こうぜ」

商人「ええ、もたもたしてると大変そうですからね…」

まほうつかいはメラをとなえた!まほうつかいはメラをとなえた!

勇者「あっち!っのやろー!らあっ!」ドゴッ

盗賊「ははっ、言ってやれよ勇者、同じ呪文食らうなら美人の方が…」

まほうつかいはメラをとなえた!

盗賊「あちあちあち!こっちかよ、くそっ!」ガッ

勇者「無駄口叩いてんじゃねーよ!らあっ!」ドゴッ

戦士「うらうらうらー!」ゴンッ

ーーまほうつかいたちをやっつけた!

商人「はあ、呪文攻撃は厳しいですね…」

勇者「少し回復するか。ホイミ欲しい奴は?」

戦士「あー、俺良いか?」

勇者「ああーー我が指に宿る仄かな光、死と穢れを遠ざけよーーホイミ!」パアア…

戦士「おおー!サンキュー勇者!」

勇者「隊列の一番後ろに置かせてもらってるからな、この位はしねーとな。他は大丈夫か?」

盗賊「ああ、まだ大丈夫だ。やっとスリルが出てきた所だしな。さ、進もうぜ」

戦士「気持ちわりーイモムシ野郎が!おらあっ!」ゴッ

ーーキャタピラーをやっつけた!

盗賊「悪い勇者、ホイミくれ」

勇者「ああ、ホイミ!」パアア…

盗賊「サンキュー。流石に攻撃が苛烈になってきたな」

商人「勇者さん、魔力は持ちそうですか?」

勇者「ああ、お前らのバカ体力のおかげでな」

盗賊「戦士がHP80台で他は60台だからな。そうは死なないだろ」

戦士「守備力はねーけど体力は負けねーぞ俺は!」ガハハ

勇者「体力が高いと相対的に呪文には強くなるんだな。物理相手の盗賊と呪文相手の戦士って感じか」

商人「いざとなったら僕が前に出ても良いですよ」

戦士「まだまだ大丈夫だぜ俺はよお!」

勇者「回復出来るうちはこのままで良いだろ。さあ行くぜ。結構進んだからな、そろそろーー」

盗賊「ああ、俺の勘でもそろそろのはずだ…お?何か見えてきたぜ」

商人「な、なんでしょうかあれは…?空間が…行ってみましょう!」

盗賊「なんだろうな、こいつは…?景色が歪んでるぜ」

商人「というか、これって別の場所の景色でしょうか?こことは雰囲気が…」

戦士「なんでも良いだろ、入ってみようぜ!」ズカズカ

商人「ま、待って下さい!危険かも知れませんし…」

勇者「…いや、ここはいざないの洞窟で、かつてはいざないの洞窟の旅の扉から多くの勇者が旅立ったって話だったはずだろ?ならここが、こここそが旅の扉で、ここから海の向こうに行けるって考えるのが自然じゃないか?」

商人「それは…確かに…」

戦士「決まりだな、行くぜ!」

盗賊「待てよ、こういう面白そうなのは俺が先に…」

勇者「いや、俺に行かせてくれ」スッ

商人「ゆ、勇者さん…!だいじょ…ゆ、勇者さんが、空間の歪みに入って、消えて…!」

盗賊「よし、勇者に続くぜ」スッ

戦士「おう、行くぜー!」ズカズカ

商人「み、みんな凄い…ぼ、僕も…それーっ!」スッ…

勇者「ここは…何だか空気が違うな…ここが、海の向こうなのか?」

盗賊「勇者、無事か?」

戦士「おお、何だここは?どこだ?」キョロキョロ

商人「み、皆さんまって…と、ここはどこでしょう?建物の中みたいですけど…」

盗賊「まあ、慌てんなよ。ほら、そこに階段がある。まずは上ってみようぜ」

勇者「そうだな、行くか…くっ、眩しいな…」

商人「夕陽が強烈ですね…ただでさえずっと洞窟にいて目が慣れてないのに…」

盗賊「森の中だからそんなに明るくないはずなんだがな。さて、西があっちだとすると、道は北に続いてるようだな」

戦士「行ってみようぜ、何があるか楽しみだな!」ダダダ

勇者「ちっ、あいつは洞窟歩いてきて疲れてないのか?」

商人「はは…僕達も行ってみましょう。歩いてもすぐに抜けられ…あ!あれは?!

盗賊「城、だな。アリアハンのとは違う、見たことのない城。勇者…」

勇者「…行くぞ」

戦士「おう!海の向こうの城、海の向こうの町、どんなだろうな!」ワクワク

勇者「…ちっ、着く前に夜になっちまったな」

商人「あとちょっとなんですけどね」

戦士「なあ、夜になっちまったんなら夜明け前までモンスター退治しないか?どんなモンスターがいるか確認しないとな!」

商人「え、でも一旦町に行ってからの方が…」

盗賊「だな、こっちの魔物はきっとスリルあるぜ」

商人「え、ちょっ…」

勇者「よし、じゃあちょっと戦ってから町に行くか。良いな?」

商人「…はい」

ーーポイズントードがあらわれた!

戦士「カエルかよ!おらあっ!」ドゴッ

盗賊「そらそらっ!」ゴンッ

ポイズントードのこうげき!ポイズントードのこうげき!

勇者「くっ、らあっ!」ガギン

ーーポイズントードたちをやっつけた!

勇者「ふう、やっぱり攻撃力はかなり強くなったが…なんとかなりそうだな」

戦士「確かにあっちよりは強い奴もおおいけどよ、まほうつかいやらキャタピラーやら見たことあるやつらも結構…お?」

さまようよろいがあらわれた!

盗賊「おっと、こいつは強そうだ、そらっ!」ガキン

ミス!ダメージをあたえられない!

商人「全然効かない!?このおっ!」ギンッ

ミス!ダメージをあたえられない!

さまようよろいのこうげき!

戦士「ぐっ…お!?すげえ攻撃力だぜ…!」

勇者「盗賊と商人は防御に徹してろ!ったく、呪文は得意じゃねーんだが…安堵と脅威の申し子よ、我が掌より敵を討て!めら!」ゴウッ

さまようよろいにはきかなかった!

勇者「くそったれが!効かねーのかよ!」

さまようよろいのこうげき!

商人「ひっ…!防御してても凄い威力…!」

戦士「早く倒すしかねーだろ!おらあっ!」ドゴッ

勇者「そう思って呪文唱えたんだよ!地道にやるしかねー!」

盗賊「くそっ、俺らじゃ歯が立たねえし…頼むぞ二人とも!」

戦士「そのつもりだぜ!だらあぁっ!」ゴンッ

さまようよろいのこうげき!

戦士「ぐあっ…い、今のは効いたぜ…」

商人「た、大変です!回復を…」

戦士「まだ大丈夫だ!それよりあと一息のはずだ、攻撃しろっ!」

勇者「くっ、だらああああっ!」ザンッ

ーーさまようよろいをやっつけた!

盗賊「…やったか?へっ、なかなかのスリルだったじゃねえかよ」

勇者「良く言うぜ、歯が立たなかった癖によ」

商人「いや、でも、今回はダメかと思いました…1体で良かったですね!」

盗賊「まあな。しかし、新大陸は楽しそうだぜ」

戦士「うおおー!勝ったぞー!」

勇者「うるせー!いちいち叫ぶな!しかし、少し油断してた所はあったかもな。やっぱりこっちは厳しい戦いになりそうだな…」

ーー9日目、ロマリア城下町

商人「昨日の魔物は強かったですね。ところで勇者さん、王様からは何を言われたんですか?」

勇者「ああ、カンダタとかいう盗賊に王冠を盗まれたから取り返して来いってよ。盗賊、カンダタって知ってるか?」

盗賊「さすがに違う大陸の盗賊までは知らないな。ただ、この城から盗み出したとなると、かなりの腕前だろうな」

商人「そうですよね、警備も厳重でしょうし…」

戦士「じゃあ次は盗賊退治か?俺は構わないぜ!」

勇者「と行きたい所だが、ここの警備を破った相手にひのきのぼうで歯が立つとはおもえねーな」

盗賊「俺なら構わないぜ。俺の華麗な棒術を見ただろう?」

戦士「ひのきのぼう振り回してただけじゃねーか!」

商人「ま、まあまあ…所で僕の集めた情報によると、この辺りで夜になると現れる魔物がせいなるナイフを落とすらしいですよ」

勇者「せいなるナイフか。確かどうのつるぎより攻撃力が高かったよな?流石にそろそろ新しい武器が欲しいよな」

盗賊「となると…結局この辺で魔物退治か。夜までボーッとしてる訳にもいかないしな」

勇者「だな。さて、これで新しい武器が手に入れば良いが、こればっかは運だからな…」

ーー夜、ロマリア城下町

盗賊「まさか1日かけてせいなるナイフはおろかレベルアップすら誰もしないとはな…」

勇者「旅立ってから初めてだな、こんなに収穫のない日は」

商人「で、でもかわのぼうしがもうひとつ手に入りましたよ!僕の防御力が上がりましたし、収穫なしって訳では…」

盗賊「1日かけて防御力2だけだからなあ。王様から聞いた限り、俺や商人はまだまだレベル上がりそうもないしな」

戦士「俺はもうすぐ上がりそうだぜ!」

勇者「俺は明日いっぱいかけてどうかって所だな。こっちの魔物ならもっとバンバンレベルが上がるかと思ってたが、あてが外れたな」

盗賊「で、明日どうする?北のカザーブとやらに行くか?俺は東でも良いが…

商人「だ、ダメですよ!恐ろしい怪物がいるって話じゃないですか!順番で言えば北のカザーブですけど、一旦アリアハンの鵬に戻るのも有りじゃないかと思うんです。あそこにはまだ2ヶ所未踏地がありますから、2日ごとに新しい場所に行く縛りをそれで回避して…」

戦士「おいおい、そんな面倒な事は止めて、さっさと進もうぜ!」

盗賊「そうだそうだ、さっさと東に…」

商人「だから進むなら北ですって!」

勇者「そうだな、確かに戻るのはたりいが、このまま進んでも上手く行くとは思えねえしな。さて、どうするか…」

商人「ふう、帰りはわりとあっさり着きましたね」

戦士「俺のおかげだろ!ガハハハハハ!」

盗賊「足踏み外して落下しただけだろ!にしても勇者、弱気になったなあ?」

勇者「仕方ねーだろ、今のままでこの先も無事に済むとは思えねー」

商人「そうですよね…あ!あんな所に手紙が!」

勇者「手紙?またあの人からか?」

盗賊「本人が来なくて残念だなー勇者?」

勇者「しつけーなてめーも…っと、宿に泊まった直後なら日数経過に数えなくて良いそうよ、ただし1日2回まで、か」

戦士「おー、ならパパっと移動出来るな!」

勇者「と言いてえが、今の俺はルーラの魔力すら重てえからな。ホイミの使用回数を減らす訳にはいかねー」

商人「僕ら本当にカツカツですね…後はなんて書いてあるんですか?えっと…無闇に町を出入りしたりダンジョンで上り下りしてあなほりするのは禁止…こ、これは…!」

盗賊「そりゃまあそうだろ、あなほり無制限にしたら誰かさんは何百回でもあなほりし続けるだろ?」

商人「な、何百回でもって、そんなひたすらあなほりし続ける人なんて…人なんて…うっ…」

戦士「おっ!?大丈夫か商人!?」

商人「た、確かにこの制限は必要なようです。ああ、僕の貴重な活躍の機会が…」

勇者「で、昨日はレーベ南の茂みに行ってお茶を濁して、今日は1日魔物退治した訳だが…」

盗賊レベル12「全員のレベルが1ずつ上がったな。まあ最低限のパーティー強化は出来たって所か」

商人レベル12「僕はついにあなほりを覚えましたよ!さっき掘ってみたら2Gしか手に入りませんでしたが…」

戦士レベル11「これからガンガン見つけりゃ良いだろ!期待してるぜ!」

商人「は、はい、頑張りますよ僕は!」メラメラ

盗賊「かつてなく気合い入ってるな…」

勇者レベル10「あとは一応やくそうとどくけしそうがいくつか見つかったのも収穫だな」

戦士「一番は勇者の魔法だろ!ギラっつったか?一度にたくさんのモンスターを攻撃出来るんだろ?」

勇者「昨日も言ったが、俺は回復以外に魔力を回す余裕が無いんだよ。ま、ギラ使った方がホイミするより安く済みそうなら使うけどよ」

商人「使い方次第って訳ですね」

盗賊「ま、選択肢が増えたのは良いことじゃねえか」

勇者「まあな。俺らには複数を攻撃する武器もねえしな。てか、未だに一回も武器を更新してねえんだがよ」

戦士「新しい武器が欲しいよなあ」

商人「僕と盗賊さんが頑張りますよ!きっとせいなるナイフを手に入れてみせます」

盗賊「だな、俺らが何とかしないとな。みんなそろそろ俺の華麗なナイフ術をみたいだろうしな、いっちょ気張ってみるか」

盗賊「今日はカザーブに行くことにしたんだな。覚悟を決めたのか勇者?」

勇者「覚悟もくそもねーよ、ただあのまま進まずにいてもらちが明かねーから…」

アニマルゾンビがあらわれた!ぐんたいガニがあらわれた!

戦士「見たことねーカニがいるぜ!ゾンビの犬は4匹もいるぞ!」

商人「か、数が多いです!どうしますか!?」

勇者「ちっ、しゃーねー…我が魔力の導きにより火の精よ此処に辿り着け!ギラ!」ゴオオ…

盗賊「倒せねーじゃ…いや、俺らがダメ押し摺りれば良いんだな、そらっ!」ポコッ

戦士「っしゃー!俺はカニをやるぜ!」ゴンッ

アニマルゾンビのこうげき!ぐんたいガニのこうげき!

勇者「くっそ、馬鹿力め…らあっ!」ガッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「ふう、強かったですね…でも、勇者さんの呪文も凄いですよ!」

盗賊「やっぱ覚えてて良かったな、ギラ」

勇者「だな、回復に魔力を使いたいから使いづらい、じゃなくて、持たざる俺らだからこそあるものは総動員しなきゃいけないんだよな。再認識したぜ。厳しいのには違いねーがな…」

戦士「おお、着いたなカザーブ!結構遠かったな!」

盗賊「そうか?その日のうちに着いたし、こんなもんだろ。にしても田舎臭い村だな…」

勇者「つってもレーベよりは多少ましだろ」

盗賊「まあな。どんぐりが必死で背を比べてるような感じもするが…どうした商人?」

商人「ぼ、僕としたことが…村に入る前にあなほりをするのを忘れてしまうなんて…」ワナワナ

戦士「ああ!?んなもん今から外に出てやれば…」

商人「無意味な出入りによるあなほりは禁じられています!ああ、ここならたびびとのふくが手に入るチャンスがあったのに…」

盗賊「まあそう落ち込むなよ。まだ明るいし、勇者の魔力にも余裕があるみたいだ。また魔物退治しに外に出るだろ。あなほりの本命は夜だろ?その時にーー」

商人「だから!まず村に辿り着く前に5回、そしてまた外に出て夜に出てから5回、10回は出来たのに、それを…」

勇者「うるせー!要は次のあなほりで当たりを引けば良いだけだろーが!ぐちゃぐちゃ言ってんじゃねー!」クワッ

商人「…す、すみません、そうでしたね。夜になったら、必ず何か掘り当ててみせますよ!」メラメラ

盗賊「お、おお、頑張れよ…そんなにあなほりってのは大事なのか…?」

戦士「あーっ、今日も死にかけたな!」

勇者「ロマリアなら夜明け寸前まで魔力が持ったが、ここだとまだ時間があるのに魔力切れだ。あっちより更に魔物が強くなってやがる」

盗賊「っておい!酒場閉まってるのかよ!夜開いてない酒場ってなんだよ!」ブーブー

勇者「うるせーな、宿屋があるだけましだろ…そういや商人はどうした?」

戦士「あ?あいつならあなほりするから先に行ってろって…」

商人「み、皆さん、お待たせしました…」

盗賊「お、来たな商人…ってお前、手に持ってる土まみれのそれは!?」

勇者「たびびとのふくか!」

商人「ええ、何とかこれ1つだけは…」

戦士「おおー!やったじゃねーか商人!」

勇者「せいなるナイフの方が良かったけどな…まあ、悪くねえ」

商人「ええ、まだまだです。これからはもっと良い物を見つけますよ。それで、これば誰が…」

勇者「お前が使えよ。最初の戦利品だ、その権利がある」

盗賊「ああ、そうするべきだな」

商人「あ、ありがとうございます!では早速…あ、洗濯しないと使えないか…うーん、今夜はもう一仕事だなあ…」

勇者「やっぱここじゃ夜になるかならないかまで戦ったらもう魔力切れになっちまうな。経験は多く積めるんだが、数をこなせないし、果たしてロマリア辺りとどっちが良いのか…」

盗賊「防御力が上がれば魔力も節約出来るんだけどな」

戦士「それより攻撃力だろ!早く倒せば問題ねー!」

勇者「ま、どっちも足りねーんだがな」

盗賊「増えるあても無いときた…商人はどうなった?」

商人「ダメです、あなほりしてもまんげつそうだけで…」

戦士「でもこれまだ持ってないやつだろ!良かったじゃねーか!」バンバン

商人「い、痛いです…」

勇者「無いよりはずっとマシだしな。俺らは何もかも足りねえからな」

盗賊「で、明日はシャンパーニの塔とやらに行くのか?盗賊達の本拠地らしいが」

戦士「おおー!いよいよ盗賊退治か!」

勇者「まだ無理に決まってんだろ。が、塔に行くだけは行ってみようかと思ってる」

商人「良いですね!ダンジョンに行けば自然と上り下りしますから、あなほりもたくさん出来ますよ!」

盗賊「お、おお…商人は反対するかと思ったが、あなほりって凄いな…ま、俺もダンジョンのスリムは大歓迎だけどな」

戦士「ここまで結構歩いたけどよ、まだかシャンパーニってのは…お?あれ見ろよ、塔だぜ!」

商人「来ましたねシャンパーニの塔!もう夕方になってしまいましたけど」

勇者「ここに来るまでも結構消耗しちまったな。帰りの事も考えたら、あまり長居は出来ねえかもな…」

盗賊「ま、とりあえず入ってみようぜ…と。あー、ナジミの塔よりも薄暗いな。いかにも、って感じだぜ」

商人「盗賊とか居そうですよね…あ、あなほりしないと!」ザックザック…

戦士「マメだなおい!何か出たか?」

商人「待ってください、そんなにすぐには…ああ、アイテムは出ませんでした…」

勇者「金はずいぶん出たな、474Gか。普通なら嬉しかったんだがな…」

盗賊「今の所、宿屋以外に使ったことねーからな、金」

商人「実は昨日アリアハンの銀行に預けに行ったんですけど、預金と持ち金合わせれば7000Gくらいあるんですよね」

戦士「魔王倒したらドンチャン騒ぎだな!」ガハハ!

勇者「倒せれば良いがな…」

盗賊「ま、今まで何とかなってきたんだ、これからもなんとかなるさ。それより進もうぜ」

商人「そうですね。それにしても、盗賊のアジトってどんな所なんだろう…」ゴクリ…

戦士「うおー、ここのモンスターはつえーな!でも俺らもつえー!」

勇者「歯が立たないって程ではないようだな。こうもりおとこも良く見るから、せいなるナイフチャンスもあるしな」

盗賊「とはいえ、まだ俺は盗めてねーし…」

商人「あなほりも不発ですね…」

勇者「んなに上手くは行かねーだろ。それより見てみろよ」

戦士「おー、階段だな!上ってみようぜ!」ダダダ…

商人「僕も行きます!」タタタ…」

盗賊「ったく、お前まで突っ込んだら止めるやつ居なくなるだろうがよ…お、扉があるじゃないか」

勇者「おそらく、ここが盗賊どものアジトなんだろうな」

戦士「お、じゃあ入ってみようぜ!」商人「待ってください!さすがにここから先は危険です!」

盗賊「お、今度は止めたか。だが俺も先に進みたいんだよなあ」

勇者「どうせあと何日後かには来るようだろ。それより帰りも考えると魔力がやべえ。そろそろ帰るぞ」

盗賊「りょーかい。にしても友人の残り魔力で行動が制限されるのはしんどいな。かしこさのたねでも盗めれば良いんだがなあ…」

戦士「なんで今日はロマリアに来たんだ?」

盗賊「さっき勇者が説明してただろ…今日はロマリアに泊まって、明日はアリアハン側のいざないの洞窟ちかくにあったほこらに行って2日置き縛りを回避するってな」

商人「で、明後日はいよいよシャンパーニの盗賊退治ですよ!」

戦士「おお、いよいよか!負けねえぞ俺は!」ガハハ

勇者レベル11「レベルが上がったとはいえまだまだ不安だがな、いつまでも足踏みしてられねーからな」

盗賊レベル13「とにかく、明日16日目はいざないの洞窟通ってほこらに寄ってからカザーブまで戻って宿に泊まって、17日目に盗賊退治。18日目にはカザーブの北にあるっていう町を目指す。現状の予定はこうだな」

商人レベル13「もちろん、盗賊に負けてしまったら予定は変わりますけれども…」

戦士レベル12「はじめから負けることなんか考えてんじゃねー!明日は勝つぞ!」

勇者「明後日だっつってんだろ!」

盗賊「ったくこいつは…しかし、何もかも足りてない俺らだが、いざないの洞窟を通るならやくそうの数は増やしときたいな」

商人「かわのぼうしを手に入れるチャンスもありますよね…頑張りましょう!」

勇者「縛りは面倒だが、準備の時間と考えると悪くねえからな。あとは盗賊どもの腕がどの程度かって所だが…」

ーー16日目、小さなほこら

戦士「ったく面倒くせーな行ったり来たり!」

商人「いざないの洞窟を往復しなければいけませんからね…でも来るまでにかわのぼうしが手に入りましたよ!」

盗賊「あなほりは凄いな。これで全員分のかわのぼうしが手に入った訳だな」

勇者「寄り道にしちゃ上出来だ。やくそうとどくけしそうもいくつか手に入ったしな」

商人「出来る限りの準備は出来ましたね。後は今日中にカザーブまで戻らないと…」

盗賊「いよいよ明日決戦だな。なかなか洒落た所に住んでる盗賊達だが、覚悟してもらおうかねえ」

戦士「洒落た所?薄暗いだけじゃねーか!盗賊ってのはコウモリみたいだな!」

盗賊「俺が牛ならお前はイノシシだな。前に向かって突っ込むだけだ」

戦士「んだとお、てめえ…」

勇者「止めろバカどもが!ムダな争いしてんじゃねー!」

商人「そ、そうですよ!…はあ、まだまだケンカが絶えないなあ…明日大丈夫かなあ…」

ーー夜、カザーブの宿屋

盗賊「ふう、無事にカザーブまで着いたな」

商人「明日はいよいよ盗賊退治…ここに来るまでにたびびとのふくがもう1つ手に入って良かったですね!」

戦士「上手く盗んだなこのやろう!」

盗賊「へっ、最近あなほりにばっかり活躍されてるからな、たまにはな」ニヤリ

勇者「さて、最終確認だ。持ち物と装備はどんな感じだ?」

戦士「装備は俺と商人がそれぞれこんぼう、たびびとのふく、かわのぼうし。盗賊がひのきのぼう、たびびとのふく、かわのぼうし。で、勇者お前がどうのつるぎ、たびびとのふく、かわのぼうしだよな?」

盗賊「道具はやくそうが17個まで増えたな。それからどくけしそう8個、まんげつそう2個、せいすいとキメラのつばさ、それからラックのたねが1つずつ。あとは予備のぬののふくが3つだな」

商人「お金は3612Gあります。銀行にも6000G程預けてますよ」

勇者「やくそうには余裕が出てきたな。まあ、明日大量に使うことになるだろうし、シャンパーニの塔に行くときにせいすいも使っちまうけどな」

盗賊「1個しかない貴重品だけど、前回あの塔を上った時の消耗具合を考えれば仕方ないか」

商人「盗賊退治の前に消耗しては元も子もないですからね」

戦士「っしゃー!明日に備えて寝るぜー!」ガバッ

勇者「静かに寝れねえのかよ!ったくうるせーな」

商人「ま、まあまあ、この調子で頑張ってもらいましょうよ。それにしても、いよいよ明日は盗賊退治。意外とすんなり勝てるのか、それともーー」

盗賊「よし、いよいよ出発だな。スリルがなくなるのは気に入らないが、せいすいを撒いて…」

商人「あ、でも効果時間が切れるのが怖いから、ほんの少しでも歩いてからの方がーー」

アニマルゾンビがあらわれた!キャタピラーがあらわれた!ぐんたいガニがあらわれた!

勇者「おい!ちょっとけちろうとして逆効果じゃねーかよ!」

商人「す、すみません~!」

戦士「俺は構わねーぜ!オラオラ!」ドゴン

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「す、すみません、ちょっと節約しようとして、かえって…」シュン

勇者「しゃーねーな、おい戦士、傷治すぞ!ホイミ!」パアア

戦士「おっほー!回復回復!じゃあせいすい使うぜ、おらあっ!」パシャッ

商人「よ、よし、これで…」

アニマルゾンビがあらわれた!ぐんたいガニがあらわれた!

勇者「おい!効果ねーのかよ!」

商人「ええー!?僕らを見て逃げる魔物もいたし、せいすい使えば寄ってこないと思ったのに…」

盗賊「やっぱスリルがなきゃダメって事だな。っしゃ、行くぜっ!」

勇者「さて、ここまではまずまず順調に来たな。おそらくこの扉の先がーー」

商人「盗賊達の根城ですよね…き、緊張してきたなあ…」

戦士「ぐずぐずすんなよ、行くぜっ!」バンッ

盗賊「おい!一人で突っ込むな!…っと、誰もいないようだな」

商人「ま、まさかもう逃げ出した後?」

盗賊「いや…微かに気配はするな、この先ーーおそらく階段の上だな」

勇者「何人くらいいる?分かるか?」

盗賊「二人くらいだろうな…もちろん、すぐ上にいる数だけだけどな」

商人「もっといるかもしれないんですね…盗賊団だから当然かもしれませんけど…」

戦士「おい!俺はもう行くぜ?おらあっ!盗賊共覚悟しやがれ!」ドドド…

勇者「ちっ!また突っ込みやがった!行くぞ!」

商人「は、はい!あ、あなほりしなきゃ…お、せいすいが見つかっ…」

盗賊「おい!急げよ!」

商人「す、すみません~!」タタタ…

戦士「オラオラ盗賊共、俺様が退治してやるぞー!」

手下「おい、変な奴らがきたぞ!」

勇者「待ておい!勝手に突っ込むな…んだあ?子供じゃねーか…」

手下?「おー!おやぶんにしらせにいくんだぞ!こんやはやきにくだな!」キャッキャッ

盗賊「焼き肉?なんの話だ?」

手下?「ホルモンもにんずーぶんあるぞ!みんなで食べられるな!」

商人「ま、まさか僕達を食べようと!?」

手下「おし、行くぞ!」タタタ…

手下?「おー!」タタタ…

戦士「ふざけんな!俺らが食われるかよ、待ちやがれ~!」ドドド…

商人「待って下さい、あなほりが…あ、スタミナのたねがあった!」

盗賊「おめーはまたやってんのかよ!早く行くぞ!戦士の奴に追い付かないと…っておい!?上から…」

戦士「うああああー!!」ドサッ

勇者「なんで上から落ちてきてんだテメーは!」

戦士「っててて…奴ら、落とし穴を…くっそ~、こんな事で負けねえぞ俺は!待ってやがれよクソヤロー共!…ってえ」ヨロッ…

勇者「もう上に残ってるとは思えねーが、とりあえず上ってみるか」

戦士「いや、上には宝がたくさんあったぜ。あれを置いてはいかねーんじゃねーか?」

盗賊「だな、自分の稼ぎを簡単に手放す盗賊はいねえ。が、落とし穴まで準備してる奴らだ、逃げる手筈も考えてるかもしれねえ」

商人「は、早く追いかけましょう!」

勇者「ああ、行くぜっ!…くそっ、流石にもういねーか…いや、まだいやがった!待てっ!」タタタ…

手下?「またないぞ!じゃーな!」ピューン

戦士「くそっ、待ちやがれ~!」ピューン

盗賊「野郎、飛び降りやがった!仕方ねえ、らあっ!」ピューン

お頭「ちっ、しつこい奴らだ!」

手下?「あ、そーだおやぶん!あいつらたおさないとやきにくにできないぞ!」

勇者「また言ってやがる!大人しく焼き肉なんかになるかよ!」

お頭「そいつは確かにそうだな…よし!逃げるのは止めだ!やっつけてやる!」ザザッ

盗賊「望む所だ、こいつはこの冒険始まって以来のスリルになりそうだぜ」ニヤリ

商人「よ、よーし、やってやるぞー!」

ーーカンダタたちがあらわれた!

勇者「散りやがったな…ギラは無理か、まずは手下を一人ずつ倒してくぞ!」ザクッ

商人「は、はい!それっ!」ポコッ

カンダタこぶんのこうげき!カンダタこぶんのこうげき!

戦士「ぐおお!いってえ!」

盗賊「…だがそこらのモンスターと比べて特別強いって程でもねえな。そらっ!」ドスッ

カンダタのこうげき!

商人「ッ!?こ、これは痛いです…」ヨロッ

勇者「流石に首領は手下共とは違うか!早めに手下を片付けないとな、おらっ!」ザクッ

戦士「任せろ、おらあっ!」ガンッ

カンダタこぶんをたおした!

盗賊「おし、良い感じだ、次は…」

カンダタのこうげき!

盗賊「ぐっ…はあ、効くぜこいつは…」

商人「と、盗賊さん、やくそうを!」ガサゴソ

勇者「やくそうを節約してきた甲斐があったな。手持ち分で足りれば良いが…」

戦士「オラオラ、行くぜー!」ガゴンッ

カンダタこぶんをたおした!カンダタこぶんをたおした!

盗賊「おっし!あとは頭だけだな、集中してーー」

カンダタのこうげき!

戦士「ぐっはあ…やべえぜ…」

勇者「ちっ、ホイミ!」パアア

カンダタのこうげき!

盗賊「くそっ、やくそうだ!ったく、あいつが攻撃するたび誰かを回復するようだな!」

カンダタのこうげき!

商人「うっ、うう…」ガクッ

勇者「商人!お前はもう防御してろ!盗賊!お前も回復以外は防御だ!」

盗賊「俺らの攻撃力じゃろくにダメージ与えられないからな…頼むぜ二人とも!」

戦士「おおお、らあーっ!」ガンッ

勇者「うらあーっ」ザクッ

ーーカンダタたちをやっつけた!

カンダタ「参った!きんのかんむりは置いて行くから許してくれよ、な?」

勇者「…ああ、良いぜ」

盗賊「おい!あいつら他にもお宝もってるだろ!?」

勇者「ばか野郎!ここでもうひと悶着起こしてみろ、帰りの体力もなくなっちまう!」

商人「確かにもうみんな限界近いですよね。やくそうもこれ以上使いたくないですし…」

カンダタ「ありがてえ!あんたのことは忘れないぜ、じゃあな!」タタタ…

子分?「いつのひかかならずおまえにヤングべんとー食べほーだいだぞ!」タタタ…

戦士「はあ?なんだそりゃ?」

盗賊「あいつは最後まで良くわからなかったな。さて、きんのかんむりだが…」

使者「それは持っていって構わないそうよ、貴重品には違いないから」

勇者「あんたは…!何処から出てきた!?」

使者「王からの伝言を伝えるのが私の役目よ。そのためならどこにだって現れるわ。そして、その冠をロマリア王に返すかも貴方達が決めて良いそうよ」

盗賊「貰おう」

勇者「だな」

商人「良いんですか!?…でも、貴重な防具だし、今後の旅に役立てると考えれば、うーん…」

戦士「ふい~、何とか無事に辿り着いたな!」

商人「帰り道で死ぬかと思いましたけど…」グッタリ

盗賊「帰り道でもやくそうを使っちまったな。出来れば道中では使いたくないもんだがな」

勇者「死ぬよりましだろ。それで今やくそうはいくつ残ってる?」

商人「ええと、7つですね。盗賊との戦いで10個使って、道中で1つ。その後あなほりで1つプラスといった感じです」

盗賊「半分以上使っちまったんだな。この先辛くなりそうだな…」

戦士「あ?勇者がスゲー回復魔法覚えるんじゃねーのかよ!」

勇者「それは相当先になるな。今までは上手くいったが、ここから先はどうだろうな…」

商人「結局、武器の更新もここまで出来てませんね…」

勇者「空き時間が出来たらもう一度だけシャンパーニに行ってみよう。それで見つからないなら諦めるしかないな」

盗賊「ったく、いつまで俺はひのきのぼうなのかねえ?」

商人「僕達もせめて金属の武器が欲しいですね。いつまで木の武器を使わないといけないのかなあ…」

盗賊「さて、今日はカザーブから更に北に行く予定だったな。また村か町かあるんだったか?」

商人「確かそんな話だったはず…あ!あそこじゃないですか?」

戦士「なんだ、めっちゃ近いじゃねーか!」

勇者「だな。その割にはカザーブでほとんど情報がなかったが…」

盗賊「まあ、行けば分かるだろ…なんだかあまり賑わって無さそうな町だな」

商人「そうですね、妙に静かな…」

戦士「お?あそこに誰かいるぜ!おーい!おーい!おーいって言ってんだろ!」

勇者「聞こえてないのか?何か様子が…おい、聞こえないのか?」

町人「ぐうぐう…」

盗賊「立ったまま寝てるのか?器用だな、こんな真っ昼間から…」

商人「ええ、やっぱりおかしいですよ、すみません!そこの方、話を…」

町人B「すやすや…」

戦士「おいおい、どうなってんだよ!?」

勇者「そういや、カザーブの酒場で聞いたな。眠りの呪いを受けた町があるってな」

盗賊「ああ、聞いたな!てっきり酔っぱらいの戯言だと思ってたんだけどな」

商人「とても信じられませんからね。こうして目の当たりにしても、これが現実なのか…」

戦士「おい!あっちに寝てないじーさんがいたぜ!なんでもエルフとかいうのから何とかってお宝を奪っちまったからこんなになったんだってよ!」

盗賊「エルフのお宝…?」

戦士「えーと、何とかルビーっめ言ってたはずだぜ!」

盗賊「ああ、ゆめみるルビーか!名高いお宝だな、そいつは!」

商人「ぼ、僕も聞いた事がありますよ。でも、おとぎ話の中の物だとばっかり…」

盗賊「俺もそう思ってたが、この有り様を見るにどうやら本当臭いな」

勇者「お宝を盗んで呪われたって事か。自業自得だな。…と言いたい所だがな」

戦士「なんだ?助けてやるのか?」

勇者「ここに魔王や親父の消息に関する情報が無いとも限らないからな。何年この様なのか知らねえが…」

商人「町の中の荒れ具合を見ると、情報が古い可能性もありますよね」

盗賊「ま、勇者様御一行だからな俺たちは。呪われた村を見捨ててく訳にも行かないだろうな。しかし、面倒な仕事になりそうだな…」

戦士「おい!昨日の流れならエルフのお宝探しだろーが!なんでこんなとこにいるんだよ!」

盗賊「そりゃ、せいなるナイフが欲しいからな。出来れば複数欲しい」

商人「時間が空きましたからね、もしかしたらラストチャンスかも…」

勇者「まだこの塔を隅から隅まで調べたとは言えねーしな。ま、調べても宝箱は開けられねーんだがな…」

盗賊レベル14「やっぱり辛いよな。さっきとうぞくのはなを覚えたんだが、何の役にも立たねえよ」

戦士「おめーの特技は役立たずだよな!」

盗賊「テメーは呪文も特技も覚えないだろうがよ!」

商人「戦闘向けとなると勇者さんだけですよね、そういうの覚えるのって…」

勇者「俺も連発出来る魔力はねーがな…ん?誰かいるな」

大男「お前ら、あのカンダタを倒してしまうなんて、よほど名の知れた盗賊なんだろうな」

盗賊「ん?ああ、そりゃあもうな」ニヤリ

商人「いやいやいや違いますよ!僕達はきんのかんむりを取り返しに…」

戦士「返してねーけどな!」

商人「あ、ああ…こうやって悪名っていうのは広がっていくんだろうか…」フウ…

ぐんたいガニのこうげきのぐんたいガニのこうげき!

戦士「や、やべえぜ…し、死ぬ…」フラッ

勇者「おめーはもう身を守ってろ!おらああっ!」ガンッ

商人「そ、それー!」ポコッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「おい!大丈夫だろうな!?」

戦士「ギ、ギリギリ…」ヘタッ

勇者「あと少しだ、耐えろ!…しかし今日は特別収穫がなかったな」

商人「やくそうが1つ、どくけしそうとまんげつそうがいくつか。あとたびびとのふくが1つですね」

盗賊「つってももうたびびとのふくは足りてるんだよな。あとは勇者のレベルが上がったくらいか」

勇者レベル12「魔力がほとんど上がらなかったのがいてえな。ホイミを10回は使えるようになりてーんだがな」

戦士「ギラってのを使うと更に足りなくなるんだろ?」

勇者「まあな。ギラなんて使う余裕がねーと思ってたが、実際にはギラを使わない余裕がねーんだよな」

商人「ぐんたいガニの群れなんかと遭遇したら使わざるをえないですよね。僕と盗賊さんはろくにダメージ与えられないし…」

盗賊「だからこそのせいなるナイフを求めての今日1日だったんだがなあ…ま、言っても仕方ないんだよな。仕方ないんだが、日に日に攻撃力不足を実感するな…」

盗賊「きんのかんむりは戦士が装備してるな。あいつは守備力がヤバいからな」

戦士「守備力はきんのかんむりを装備して21!盗賊の51の半分以下だぜ!ははははは!」

勇者「笑い事じゃねえだろ…」

商人「とはいえ、僕も25ですし、勇者さんは26ですから、みんな低いんですよね。ただ、戦士さんが前から2番目なので…」

盗賊「ちなみに攻撃力は俺が37、戦士62、商人35、勇者が48だ」

商人「参考までに、戦士さんがはがねのつるぎを装備すると、攻撃力は81まで上がるんですよね…」

戦士「それでもこうもりおとこくらいなら一撃で倒せるぜ俺は!」

勇者「で、俺の魔力は29。はっきり言って全然多利ねえ。ま、勇者なんてこんなもんだろーがな」

盗賊「最後に体力は俺が92、戦士130、商人97、勇者が86だ。体力だけはみんなあるから、今の所死なずに済んでるな」

商人「いつまで無事でいられるでしょうね…」

戦士「っしゃあ!今日はいよいよ何とかルビー探しだな!っとお…」

ーーデスフラッターがあらわれた!さまようよろいがあらわれた!

商人「な、な、な…あの鎧が3体もいますよ!?」

盗賊「カラスも3体か、こりゃあなかなかのスリルだな」

勇者「くっそ、朝っぱらから魔力を使うようだぜ!ギラ!」ゴオオ…

戦士「一体効いてねえぞ!オラオラ!」ゴンッ

さまようよろいのこうげき!デスフラッターのこうげき!デスフラッターのこうげき!

盗賊「くっそ、攻撃力がヤバいな。鎧はかてえし、俺らはカラスだな!」ポコッ

商人「は、はい!」ゴンッ

デスフラッターをたおした!

さまようよろいのこうげき!デスフラッターのこうげき!デスフラッターのこうげき!デスフラッターのこうげき!デスフラッターのこうげき!

戦士「うおお、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!くっそおお、くたばれテメーらあ!」ゴンッ

勇者「うおおらあっ!喰らええ!」ザンッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「くっ、なんとか勝てたが…戦士、ホイミだ!…最初の戦闘から魔力をこんなに使ってたら持たねえな。今日はあんまり長く探索出来ねえかもな…」

盗賊「とりあえずあの後は大した敵も出てこないな」

勇者「ガスやイモムシは体したことねーからな。さて、それよりそろそろエルフの隠れ里ってのが見えてくるはずだが…」

戦士「んなもんあるかあ?お、あそこに洞窟があるぜ!あそこじゃねえのか?」

盗賊「バカ、エルフっつったら森だろ。が、お宝ならあそこにあってもおかしくはねえかな」

商人「ゆめみるルビーですか?確かにそうかもしれませんけど、まずは隠れ里を探してエルフ達から話を…」

戦士「どうせルビーは探しに行くんだろ?ならドラクエ行こうぜ!」

盗賊「確かに、そっちの方がスリルはありそうだな」

商人「え、ええ?!ちょっと待って下さいよ、勇者さん!勇者さんはどう思いますか?」

勇者「とりあえず洞窟を見つけたんだから、ここを探索でいいんじゃねえか?」

戦士「だよな!よし、行こうぜ!」

盗賊「さて、ここはシャンパーニよりスリルがあるかな?」

商人「ちょ、ちょっと…ああ、なんて前のめりなパーティーなんだろう…」フウ…

戦士「作戦っぽい?そうかそうか、じゃあお前ら、俺の作戦に付いてこい!」

盗賊「ただの誤字ではしゃぐな!…ったく。それよりここの魔物もまた強いな。へへ、スリルあるぜ」

商人「つ、辛いですよ…あの吸血鬼みたいな魔物が強いですね、攻撃力も呪文も…」

勇者「あのキノコも、今の所は大した被害が出てないが、眠らされるのは厄介だな。あいつから倒すべきか、他から倒すべきか…」

戦士「あの犬は大したことねーな、俺はもともと守備力低いから魔法で下げられても大して問題ねーぜ!」

盗賊「俺はそこそこ辛いがな…ま、進めない程じゃ無さそうだ…っと、誰かいるな」

商人「こんな所に誰が…神父様?!」

神父「おお、このような所に人が…この洞窟のどこかに、体力や魔力が回復出来る泉があると言います。貴方達もそれを求めて?」

勇者「いや、知らないな…こんな所にそんな物が本当にあるのか?」

神父「確かに、何故このような所に…私には、悲しげな呼び声が聞こえますぞ」

商人「悲しげな…呼び声?」

盗賊「ふーん…ま、行ってみりゃ分かるだろ。行こうぜ」

戦士「おお、進むぜー!」

神父「お気をつけて、旅のお方…」

勇者「…神父ってのも大変だな、こんな所で…しかし、回復の泉か…本当にあるなら魔力の足りねえ俺らには有難いことこの上ねーが、本当にそんなものあるのか…?」

戦士「お?別れ道だぜ、どっち行く?」

勇者「……とりあえず 右に行ってみるか」

商人「右ですか、分かりました…あ、また別れ道です!」

勇者「今度は左だな…階段だな」

盗賊「おし、下りてみるか…お?また下り階段だ、下りるぜ」

戦士「お?今度は上りだ、行ってみようぜ…また上りかよ!」

商人「2つ下がって2つ上って…って事は…ああ、やっぱりだ!最初の別れ道に戻って来てしまいました!」

戦士「ははは、勇者の勘も大したことねーな!よし、じゃあ今度は行ってない方の道を…」

勇者「待ちな。今日はもう引き返すぞ。魔力切れだ」

戦士「ああ!?もうかよ!」

盗賊「今日はカザーブ出てすぐに魔力を使っちまったからな、まあ仕方ないだろ」

商人「ええ、まだ余裕のあるうちに帰るのが賢明だと思いますよ」

戦士「ちぇーっ。ま、良いか、お楽しみは取っとかねーとな!」

勇者「お楽しみになれば良いがな…ったく、武器も防具も魔力も足りねえ。良くここまで無事で来られたもんだぜ…」

商人「今日はどこに行きますか?昨日の続きか、それとも…」

盗賊「シャンパーニでせいなるナイフを探すのもまあ、悪くはないと思うが…もう見つかる気がしないな」

戦士「あるかねーかも分からねー物よりよお、なんとかの泉となんとかルビーを探しに行こうぜ!」

勇者「そうだな…本当に回復の泉なんてものがあるなら、俺達にはありがたいし、あの洞窟攻略の足掛かりにもなるよな」

盗賊「正直あの消耗具合じゃとても洞窟の奥まで行ける気はしないが…途中で回復出来るなら話は変わってくるからな」

商人「じゃあ、今日はあの洞窟に行くんですね?」

勇者「ああ、それにもしかしたらせいなるナイフよりも良いものがあるかもしれないしな」

盗賊「実際、ナイフ一本じゃちょっとした底上げに過ぎないからな…」

戦士「おっしゃあ!じゃああの洞窟に行くぜー!てめえらついてこいやあ!」

勇者「うるせー!指図してんじゃねー!」

商人「ま、まあまあ…あの洞窟かあ。今日も無事で帰って来られれば良いけれども…」

勇者「ちっ、洞窟に行く前に夕方になっちまった」

盗賊「少し回り道し過ぎたか?ま、もう着くから良いだろ」

商人「やっぱりここに来るまでに少し消耗してしまいましたね…」

戦士「ノアニールとかいう町に宿がねーのがわりーんだよ!カザーブからだと遠いんだよ!」

盗賊「宿屋が無いわけじゃないみたいだけどな。ま、あの様子じゃないのと変わらないがな」

勇者「今回もあんまり長居は出来そうにねーが、回復の泉さえ見つければ話は変わるな」

商人「本当にあるんでしょうかね?そんなのがあったら宿屋は商売上がったりですよ」

盗賊「いくらただで回復出来たって、こんな洞窟の中まで来る奴はそうそういねーだろ」

商人「それはそうですが…」

戦士「よっしゃ!じゃあ行こうぜ、タダ宿探しによお!」

勇者「宿じゃねーよ、水だけで生きてたあけるってんならオメーだけ泉に置いてくけどな!ま、あったらの話だが、どうなるか…」

戦士「しっかし、代わり映えしねえモンスターばっかだよなここは!」

盗賊「どうだろうな。まだ3種類としか会ってないが、これしか居ないのかねえ?」

勇者「しかしどいつもこいつも攻撃力が高え。そろそろ引き返す事も考えるようだぜ」

戦士「もうかよ!?まだ洞窟入ってから2、3回しか戦ってねーじゃねーか!」

盗賊「だからここの魔物は強いんだよ。しかしこれじゃいつまでたっても…お?おお、あれ見てみろよ!」

商人「あ、何でしょうねあれは!?こんな洞窟には不釣り合いな立派な柱が…人工的なモノですよね?そしてあれはもしかしたら…やっぱり!泉ですよ!」

戦士「おお!?じゃああれがタダ宿か?」

盗賊「だから宿じゃねえよ!だが、もう目の前だ…よし!着いたぜ!」

戦士「っしゃあ!タダ水もらうぜー!」ゴクゴク

商人「わっ!?ち、躊躇とかしないんですか?」

盗賊「こいつがそんな事するかよ、で、どうだ?」

戦士「すげー!みろよ、傷が全部消えて無くなったぜ!」ウオー

勇者「マジか…よし、俺も…おお、魔力が、戻ってきたぜ…!」

商人「す、凄い!本当にこんな場所があるなんて…!ここに宿屋を作れば…いや、やっぱりアクセスが悪いし、この水を瓶詰めにして売り出した方が…」ブツブツ…

盗賊「いやいや、神秘の泉で金勘定するなよ…」

戦士「くっそ、ここのモンスターは…らあっ!」ボガン

バンパイアはヒャドをとなえた!バリイドドックのこうげき!

勇者「くっそ…だああっ!」ザンッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「まだ泉からそんなに離れてないんだけどな、ボロボロにねっちまったな」

商人「そうですね…うーん、まさかあの泉から直接飲まないと効果がないなんて… 瓶詰め計画はご破算かあ…」ブツブツ…

勇者「ごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ!さあ、泉にもどるぞ」

戦士「戻るのかよ!?まだちょっとしか歩いてねーじゃねーか!」

盗賊「ま、スリルは好きだが全滅したい訳じゃないからな、泉に戻るのは良いと思うが…」

商人「もしかして僕達、泉から離れられなくなったんじゃ…」

勇者「んな訳ねーだろ、ここまで来れたんだから帰れるにも決まってるだろ!」

戦士「つー事は帰んのか?てっきりこの洞窟攻略するのかと思ったぜ」

商人「無理でしょう、これじゃ…」

盗賊「だな、ま、無事に戻れる保証もないが…まず泉にもどってからだな」

勇者「ああ、死にさえしなけりゃ泉で何度でもやり直せるからな。死にさえしなけりゃな…」

勇者「おい!もうちょっとだぞ、しっかりしろ!」

商人「だ、大丈夫です、さすがにこいつらくらいは…それっ!」ゴスッ

じんめんちょうをたおした!

キャタピラーのこうげき!じんめんちょうはマヌーサをとなえた!盗賊はまぼろしにつつまれた!

盗賊「くっそ、うざったいな…そらっ!」ツンツン

じんめんちょうをたおした!

戦士「お、まぐれ当たりか?そらそらそらあっ!」ドゴン

キャタピラーをたおした!まもののむれをやっつけた!

勇者「よし、もう大丈夫だな、カザーブはすぐそこだ。なんとか死なずに帰ってこれたな」

盗賊「なんとかな。やくそうを消費したのは少し痛かったが…」

戦士「一個だけじゃねーか、ケチケチすんなよ!」

商人「買えるのならばそうなんですが…やくそうを使って得たものがどくけしそう、まんげつそう、キメラのつばさですか、うーん…」

盗賊「この旅の条件だとやくそうを失う方が辛いな。ま、その代わり回復の泉なんてものを見つけたし、なんとかなるさ」

勇者「ああ、あそこで回復出来ると分かればもう少し攻撃に魔力を使えるからな。次はもっとスムーズに行けるはずだ」

商人「とはいえ、明日は新しい場所に行かないといけないですね。近くにあると言うエルフの隠れ里がすんなり見つかれば良いのですが…_

戦士「お、あの洞窟が見えてきたぜ!」

勇者「待てよ、今日はまずエルフの隠れ里を見つけなきゃならねえ」

商人「偶数日は新しい場所に行かないといけないですからね。でも、一体どこに…」

盗賊「ああ、目星なら付いてるよ。ほら、こっちだ」ザッザッ

戦士「ホントかよ…お?こいつは…」

商人「何者かが歩いた跡…!この跡を辿っていけば、もしかしたら…」

勇者「おそらくな…おお、あったぜ!しかし、良く分かったな」

盗賊「ま、盗賊のカンってやつだ。さあ行ってみようぜ。問題はここからかもしれないがな」

戦士「ああ?見つかったなら良いじゃねーか!」

勇者「バカ、わざわざ隠れすんでるって時点で人間と関わりたくねーんだろエルフ達は。それに…」

商人「ゆめみるルビーも持ち去られたという事ですからね。僕らを歓迎してくれるかどうか…」

盗賊「ま、そういう事だな。しっかしエルフ達の宝を盗み出すとは、よほど器用か色男か…気になるじゃないか。さあ、行こうぜーー」

エルフC「人間に物は売れませんわ。お引き取り下さいませ」ツーン

商人「そ、そんな…そこを何とか…」

勇者「おい!どうせ物は買えねーだろ!行くぞ!」

盗賊「へっ、商売熱心だねえ。しかしエルフってのは女しかいないのか?なかなか良い所じゃないか」

勇者「どうやらエルフの長がいるみたいだな。っと、どうも、俺達は…」

エルフ女王「あなた達人間がこの里に何の用ですか?」

盗賊「これは失礼、美しい女王様。俺達はノアニールの…」

女王「ノアニール?ああ、そんな事もありましたね。私の娘アンは、あの町の男と駆け落ちしてしまいました。ゆめみるルビーを持ち出して…エルフと人間、どうせアンは騙されたに違いありません。人間なんて見たくもありません」

商人「そ、そんな…ああ、あの様子ではノアニールをもとに戻してはくれなさそうですね」

勇者「そうだな…とりあえず、ゆめみるルビーを探して返せば気も変わるかもしれないな」

盗賊「しっかしルビーと姫様の両取りとはね。羨ましい男だぜ。よほど上手いこと言いくるめたみたいだな」

商人「そんな!二人は愛し合って…」

盗賊「んな訳ねーだろ、純な姫様を男が騙したのさ。ま、そんな事はどうでも良いさ。俺らはルビーを見つけて返すだけだ。となると、やっぱりあの洞窟だろうな…」

勇者「さて、回復の泉に着いたな。少し休むか」

戦士「っかー!ここまで来るのだけでも大変だな!」

商人「盗賊さん…さっきの話、僕はまだ納得出来ないですよ」

盗賊「お前も姫様みたいに純な奴だな。そもそもなんでゆめみるルビーを盗み出したんだよ。お前なら、惚れた女に盗みをさせるのか?」

商人「そ、それは…何か事情が…」

勇者「単純に考えりゃあ、駆け落ちで必要な路銀のため、か?」

盗賊「ま、おそらくそんな事を吹き込んで持ち出させたんだろうな。姫様も迷ったろうが、結局里や母親より男を取ったって訳だ」

商人「そんな…」

盗賊「母親があんなに美人なら、姫様もさぞかし美しかったろうな。となると、ルビーだけじゃなく姫様の方にもいろんな『使い道』があるわけだ。お前商人なら、エルフの女の値段なんか分からないか?」

商人「し、知りませんよ!そんな話、聞きたくもないです!」

盗賊「そうか?じゃあ肝心な所だけ話すが…もし俺の思う通りで、男の思惑通りになってたら、おそらくここにはゆめみるルビーはもうないぜ」

戦士「はあ?なんでだよ!」

勇者「エルフの女王の話やノアニールの様子を見るに、おそらく何年も…もしかしたら10年以上経ってるだろうからな。そんなに長い時間こんな所にはいないだろうな」

商人「そ、それはそうですが…でも、男の思い通りにいってない可能性だって…」

盗賊「ああ、その可能性も十分にある。こんなに寒くて暗くて魔物だらけの所で、いつまで恋の炎を燃やしていられるか…答えはこの先にあるはずだ。さあ、行ってみようぜーー」

ーーバンパイアのこうげき!ひとくいがのこうげき!

戦士「うお!?ここにきて見たことないモンスターだな、おらあっ!」トガッ

勇者「うらあっ!」ザグッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「ふう、あの蛾の魔物も強いですね」

盗賊「だがまあ、他と比べて特別強い訳じゃねえ。さ、行こうぜ」

戦士「うっしゃー、どんどん行くゼー!お、階段だぜ!下りだ!」

勇者「下り階段か…さっきもあったが、あそこは湖の真ん中の小島行けただけだったな」

商人「何もありませんでしたよね…大きな地底湖があるのが分かっただけでした」

戦士「さっき外れたって事は今度は当たりだろ!下りようぜ!」

盗賊「理屈になってねえよ…だがまあ、この洞窟も大体歩き回ったしな、そろそろ当たりでもおかしくはないな」

勇者「まあ、下りれば分かるだろ…くそ、やっぱりこの階は肌寒いな…」

商人「確かに、こんな所に長居は出来ないでしょうね…」

盗賊「ああ。だが、見てみろよ。何かありそうだぜ。いよいよ答え合わせかな?あの二人の運命は、さてどうなったかーー」

盗賊「…宝箱!。こいつは開けなきゃならないだろうな。どれ…」カパッ

戦士「なんか入ってたか?…おおっ!こりゃ宝石だな!」

商人「ええ、ゆめみるルビーで間違いないでしょう?あと、底に手紙が…読んでみましょう……え?こ、これは…盗賊さん!やっぱり二人は愛し合ってて…」

盗賊「どれ、貸してみな…なるほど、心中か。となると、姫様が思い詰めたか、男の思惑に気付いちまったか?それとも…」

商人「まだそんな事を…!二人は…」

盗賊「ああ、その可能性だって0じゃねえよ。だが俺は、姫様が男の思惑に気づいて、男を湖に突き落として、自分も…って方が自然だと思うね」

戦士「自然じゃねーだろ!こいつらこんな所まで来たんだぜ?俺らだってこんなに苦労してここまで来たんだ、男はよっぽど腕が立つはずだぜ。それを女の細腕で突き落としたり出来ねーだろ!」

盗賊「ほー、それじゃ戦士よ、そのルビーを覗きこんでみなよ」

戦士「あ?このルビーがなん…だ……zzz…」グオー…

勇者「いびきうるせーな!しかし、あっさり睡っちまったな。これなら男を突き落とすのも難しくはない訳だ」

盗賊「ああ。ここで姫様は、この洞窟の過酷さに夢から引き戻されたか、それとも男に何らかの理由で不信感を持ったか、はたまたノアニールの惨状を知って恐ろしくなったか…とにかく、男が信じられなくなって、ルビーの力を借りて男を湖に突き落として、自分もーーって訳だおら、いつまで寝てんだよ」バシッ

戦士「いってえ!…ん?俺寝てたのか?なんでだ??」

商人「…でも、それはあくまでも盗賊さんの想像で…」

盗賊「まあな。残念だが、真実はもう誰にも分からねえ。分からねえからーー商人、お前の思う通りって事にした方が、みんな幸せだろうな」

勇者「さあ、もう良いだろ?ルビーも手に入ったし、戻ろう。ここから無事に帰ることが、今一番の問題だぜ。ここに来るまでに魔力もなかり消費しちまったしな…」

ーーマタンゴのこうげき!ひとくいがのこうげき!

戦士「くっそ、くっそ…うおおらー!」ゴンッ

勇者「まだまだ!おらあっ!」ザグッ

マタンゴをたおした!ひとくいがをたおした!まもののむれをやっつけた!

商人「はあ…ボロボロになってしまいましたね…」

盗賊「さすがにそろそろやばいな、泉まで持つかどうか…そういや勇者よ、さっきレベルが上がって呪文覚えたみたいじゃないか。ここを脱出出来るような呪文じゃなかったのか?」

勇者レベル13「残念ながら、俺が覚えたのはアストロンって呪文だ。リレミトはまだ覚えてねーよ」

戦士「なんだよ、覚えてねーのかよ!」

勇者「うるせー!そもそも覚えてたとしてももう魔力切れだ。ホイミの一発もつかえねーよ」

商人「参りましたね。あまり気は進まないですが、やくそうを使うようですね…」

盗賊「ああ、こっちにもくれ。ここで魔力は0でやくそうを2つ消費、泉はもう1つ上の階ときた」

戦士「なんだ、弱気になってんのかよ?!」

盗賊「バカいえ、ちょうど良いスリルだぜ。今までがぬるすぎたからな」

勇者「とはいえ、誰も死なずに泉まで行けるのか…少し雲行きが怪しくなってきやがったな…」

ーーマタンゴがあらわれた!バリイドドックがあらわれた!

勇者「くそっ、数が多い!逃げるぞ!」ダカダカダカ…

しかし まわりこまれてしまった!マタンゴのこうげき!バリイドドックのこうげき!

商人「ど、どうしますか!?覚悟を決めて…」

勇者「バカ、逃げると決めたら逃げるぞ!さあっ!」ダカダカダカ…

盗賊「ふう、逃げ切ったか。なかなかのスリルじゃないか」フウー

戦士「やっぱり逃げるなんて性に合わねーよ!戦おうぜ!」ウガー

勇者「もうそんな余力ねーよ。それにもう少しだ、ほら、泉が見えて…」

マタンゴがあらわれた!

商人「ああっ、あとちょっとの所で!」

勇者「マタンゴ4匹か…くそっ、やるぞオメーら!」

戦士「たりめーだ!オラオラー!」ゴンッ

盗賊「よっし、俺も…」

マタンゴのこうげき!マタンゴのこうげき!

盗賊は死んでしまった!

商人「と、盗賊さん!」

戦士「おいおい、あいつ死んじまったじゃねーかよ!」

勇者「慌てるな!まずは目の前の敵を倒すぞ、おらあっ!」ザグッ

商人「は、はい!このおっ!」ゴンッ

ーーマタンゴたちをやっつけた!

戦士「おいおいどーすんだよ!なあどーすんだよ!」

勇者「落ち着けって!まずは泉だ、行くぞ」

商人「はい!…と言っても本当に目の前でしたね。あと一息だったのに…」

戦士「ぐびぐび…あー、生き返ったぜ!よっしゃ、早く帰って盗賊生き返らせようぜ!」

商人「でも、カザーブは遠いですね…ここからの道のりも大変ですよ、盗賊さんもいないし…」

勇者「いや、まずはエルフの隠れ里だ。そこで上手くノアニールの呪いを解ければ…」

戦士「おー、カザーブまで行かなくて良いのか!」

商人「なるほど…でも女王は呪いを解いてくれるでしょうか…?」

勇者「さあな、そこは賭けになるが…例え解いてくれなくても、大した寄り道じゃねえからな。さ、そうと決まったら行くぞ。さっさと生き返らせてやらねえとな…」

ーーエルフの隠れ里

エルフ女王「ーー分かりました。ではこのめざめのこなをお持ちなさい。これでノアニールの人々は目覚めるでしょう…おお、アンよ!ママを許しておくれ!」

勇者「…ふう、気の重い仕事だったな…」

戦士「やっぱり家族が死ぬって辛いよな。お、商人、お前も辛そうだな?」

商人「…これで、良かったんでしょうか?王女は、男に…」

勇者「それは盗賊の考えだろ。本人も言ってただろ、本当の事は誰にも分からないってな。そもそも、それを伝えて女王の考えが変わったらどうする?ノアニールは呪われっぱなしだ」

商人「それは…確かにそうですね…」

勇者「俺達が最優先するべきはノアニールの呪いを解く事だ。だから、これで良いんだよ」

戦士「にしても、あれだけ怒ってたのに眠らせただけってのはなんでなんだろうなあ?全員眠らせられるなら皆殺しにだって出来るよなあ?」

勇者「さあな…ゆめみるルビーを盗まれた報復だからじゃねーか?お前ら眠りが欲しいんだろ?なら好きなだけ眠らせてやるよ、ってな」

商人「なるほど…」

勇者「さあ、呪いを解く手段は手に入れた。ノアニールに行ってさっさと呪いを解くぞ」

戦士「おー、盗賊のやつも早く生き返らせないとな!」

商人「なんとか無事にここまで来ましたね。では、このめざめのこなを…」サアア…

戦士「おお、風に舞い上がっていくぜ!すげー!」

勇者「この風は…この風も魔法なのか?町全体に降り注いでいく…」

商人「これで呪いが…あ!見てください、町の人達が!」

「ふああ…」「よく寝たなあ…」「あれ?なんでこんな所で…」

戦士「おおっ!目が覚めてるぞ!町の連中みんなだ!」

勇者「どうやら呪いは解けたみたいだな…お、じいさんが近づいてくるぜ」

老人「ま、町のみんなが…!これはあなた方が!?ありがとうございました!」

商人「いえ、そんな…」

勇者「ああ、眠ってた町に通りかかったから起こしただけだ。大した事じゃ…さて、それより盗賊だ、教会に…」

老人「教会?はて、この町に教会はありませんが…」

戦士「はあ?ねーのかよ!」

商人「という事は結局カザーブまでいかなければ盗賊さんは生き返らせられないんですか?」

勇者「のようだな。まああと少しだ、問題ないだろうが、あてが外れたな…」

盗難「………ん、ここは…」

戦士「おおー!生き返ったぜ!」

商人「良かった…神父様、ありがとうございました!」

神父「うむ、道中気を付けてな。皆様に神のご加護があらんことを」

勇者「ふう、一件落着だな。ぬののふくは捨てたが、もう少し装備には余裕があるからな」

商人「帰り道でたびびとのふくを見つけましたからね、差し引き0です」

戦士「にしてもよお、本当に大丈夫なのか?痛いとことかねーのか?」

盗賊「ああ、今は大丈夫だ、死ぬ時はそりゃ痛かったけどな…つーか、お前に心配されるのはキモいな」

戦士「てめー、人がせっかく心配してるのにキモいとはなんだよ!」ウガー

盗賊「わ、悪かったよ。それより早く宿に行こうぜ。痛みはないが疲れちまったよ」

商人「そうですね、今までで一番疲れた1日だったかもしれません…」フウー…

勇者「まあ、さすがに今日はな…よし、じゃあ宿に行くぞ」

戦士「っしゃー!飯食って寝るぜー!」

盗賊「元気だなお前…」

戦士「ぐがー、ぐがー」zzz…

勇者「…んん…うるせー…」ムニャ…

商人「………」フウ…

盗賊「…眠れないのか?」

商人「盗賊さん…いえ、いやまあ、そうですね…」

盗賊「ノアニールの、あの二人の事か?あんまり俺の言ったこと気にするなよ。結局何が正しいかなんてもう分からないんだからな」

商人「そうですけど…」

盗賊「…なあ、あの湖を見て、あの手紙を読んだ後…やっぱりお前にはあの二人が仲良く手を繋ぎながら身を投げる姿が見えたのか?」

商人「え?ええ、見えたというか、そうだったんだろうなって…」

盗賊「そうか。俺には見えたよ。男を罵る女と、必死に言い繕う男。しばらくして、女は男に微笑んで、おもむろにゆめみるルビーを男の目の前に付き出すんだ」

商人「…」

盗賊「意識が遠のいていく男に女は体当たりをして、男を湖に突き落とす。男がゆっくり湖の底に沈んでいくのを、女は泣きながら、笑いながら見つめているんだ。そして、男が見えなくなった頃、自分もーー嫌になるよなあ?」

商人「え?」

盗賊「こんな考え方しか出来ない自分がさ。お前みたいにまっすぐ生きてりゃあ、こんな風にはならなかったんだろうが…まあ、だから盗賊なんてやってるんだけどな。さ、もう寝ようぜ。明日もまた冒険だ。疲れを残す訳にはいかないからな…」

ーー23日目、カザーブ

勇者「つー事で、俺達の次の目的地はアッサラームだ」

盗賊「つー事でってなんだよ」

商人「えっと、ノアニールの宿屋で、オルテガさんがアッサラームに向かったっていう情報があったんですよ」

戦士「しかも昨日って言ってたぜ!あ、1日経ったから一昨日か!まあすぐ追い付くだろ!」

勇者「バカ、親父が町を出てってからすぐノアニールは呪われたんだよ!だからもうずっと前の話だ」

商人「でも、アッサラームに行ったのは間違いないので…で、あの、盗賊さんは、ノアニールに行かなくても大丈夫なんですか?」

盗賊「ノアニール?いや、俺は別に…何かあるのか?」

勇者「いいなら良いんだよ、お前は呪いが解けたあの町を見てないから、見たいならって思ってな」

盗賊「ああそういう事か。別に構わないな、後からでも、それこそこの冒険が終わってからでも来られるしな」

勇者「なら、今日は1日余裕があるからな、またシャンパーニに行ってせいなるナイフ探しだ」

戦士「まだ諦めてなかったのかよ!どうせ見つからねーんだから地底の湖で経験値稼いだ方が良くねーか?」

勇者「ところが今朝アリアハンから手紙が来てな、ただで回復出来る場所に長いこと居続けるのは好ましくないってさ」

商人「まあ、それをしたら2日ごとに新しい場所に行く縛りが緩くなりますからね…」

盗賊「なあに、俺か商人が今日こそは見つけてやるさ。さ、そうと決まったら行こうぜ」

戦士「本当にいつまで経ってもせいなるナイフが出なああい!盗みでもあなほりでも出なああい!」クワッ

盗賊「でも…レベルアップすれば、世界は変わる」ニヤリ

商人「なんて強さなんだ…この強さ、まさにメイドインアリアハン」

勇者「経験値、だーいすき♥️…って何やらせんだクソ共があっ!」

盗賊「まあ落ち着けよ。しかし出ないなせいなるナイフ。一旦五階まで上がって下りてくるまでに全く出なかったぞ」

戦士レベル15「ホントはレベル上がったの俺だけだしな!」

商人「しばらくレベルに触れてませんでしたけど、勇者さんが13、他の3人は15です…よっと」ザッザッ

盗賊「なんだ、懲りずにあなほりしてるのか商人。マメだなあ」

勇者「今のところどくけしそうとまんげつそうばっかりだからな…っておい商人、そいつは…」

なんと どうのつるぎをてにいれた!

戦士「おおー!やるじゃねーか!」

商人「はい!目的の物とは違いましたけど…」

盗賊「まあ、この際贅沢は言えねえよ。武器が初めて更新出来た、それだけでも感謝しなきゃな」

勇者「よし、とりあえずこれは戦士が装備しとけ。商人が持って攻撃力の底上げをしても良いが…」

商人「1人メインアタッカーがいた方が良いですよね。でも、僕と盗賊さんは未だに木製の武器だなあ。早く更新したいけど…」

戦士「っしゃー!アッサラーム行くぜー!」

商人「アッサラームってここロマリアから東ですよね?東には恐ろしい怪物がいるという話ですが…」

盗賊「へっ、スリルがあって良いじゃないか。まあそう心配すんなよ、ちょっと西の方見てみなよ」

商人「西…?あ、あれはほこらですか?」

盗賊「もし本当に怪物だらけで進めなかったとしても、あのほこらに行けば縛りは回避出来る。進めないなら進まなくても大丈夫って訳だ」

商人「な、なるほど…」

勇者「あんまり冒険してる地域と離れすぎても縛り回避に使いづらいからな、そろそろ使っちまっても良いとも思うが…」

盗賊「まずは行ってみてからだな、よし、行くか」

戦士「アッサラームか、どんな町だろうな!楽しみだな!」

勇者「ノアニールみたいじゃないと良いがな」

商人「ま、まさかそんな…」

盗賊「でも実際呪われた町はあったからな。この先何が起きても不思議じゃねえよな」

勇者「まあ…何があろうと進むだけだけどな。行くぞ」

戦士「うおー!待ってろよアッサラーム!」

盗賊「少しは落ち着けよ…ま、今から元気なくても困るけどな」

勇者「ーー橋が見えてきたな。橋を渡ると魔物が強くなる、ってのは昔から言われてるらしいが…」

戦士「っしゃー!渡るぜー!っておお!?モンスターだぜ!」

あばれザルがあらわれた!バンパイアがあらわれた!

盗賊「おお!?ばかでかいサルだな、しかしまずはあんまり体力がないって分かってるバンパイアの方からだろ、おらあっ!」ポコッ

戦士「うおおおおー!」ザンッ

バンパイアをたおした!あばれザルのこうげき!あばれザルのこうげき!

勇者「ぐおっ!?バカ力が!おらあっ!」ザンッ

商人「こ、このおっ!」ゴンッ

ーーまもののむれをやっつけた!

戦士「おお、思った程じゃなかったな!」

勇者「アホか、クソいてえよ!だがまあ、バンパイア辺りとそこまで攻撃力の差はなかったかな」

商人「これならなんとかなりそうですね。とはいえ、他にも手強い魔物がいるのかもしれませんが…」

盗賊「そうでなくちゃスリルがないからな。よし、じゃあどんどん進もうぜ」

勇者「アッサラームまでどれくらいの距離なのか…近ければ良いんだけどな…」

戦士「おっしゃ着いたぜアッサラーム!」

盗賊「あれから一回しか戦闘せずにあっさり着いたな。ちょっとスリルが足りないぜ」

商人「いやあ、魔物が強いからスリルはありましたけど…それにしてもにぎやかな町ですね」

勇者「今までに寄った町では俺等は余所者丸出しだったけど、ここは旅人も多いから浮かなくて済むな」

旅人女「やーきにくーだー そのことーばーくちずーさんだーらー♪やーきにくーだー ほらねこーをーばらしーはじめーたー♪」

猫「ふにゃー!?ばらしちゃダメですにゃー!」オアー

戦士「ん?今猫がしゃべってなかったか?」

勇者「んな訳ねーだろ。にしてもせっかく新しい町に来ても、買い物出来ねえからやることねーんだよな」

商人「本当ですよね。色々見て回っても張り合いがないというか…」

盗賊「いや、この町は夜になると違う顔を見せるらしいぜ?だからとりあえず町から出て、モンスター倒しながら夜を待つってのはどうだ?」

勇者「そうだな…俺は親父が南に行ったっていう話が気になったな。夜の町はともかく、町を出てみるのは悪くねえ」

戦士「っしゃー!じゃあ魔物退治だな?やってやるぜー!」

商人「うーん、ここの魔物強いから少し怖いなあ…」

勇者「おいおい、南に行ったって、南は海しかねーじゃねーかよ!」

盗賊「まっすぐ南じゃないのかもな。東にも行けないようだし、西か?」

戦士「西ってえと砂漠か?暑そうだなおい!」

商人「砂漠は昼間は灼熱ですけど夜は凍えるほど寒いっていいますよね。辛い旅路になりそうですね…」

勇者「今さら辛いもクソもねーよ。でも砂漠で思い出したぜ、確か砂漠の南にまほうのカギの事を知ってる老人がいるとか町で聞いたな」

盗賊「ああ、言ってたな。そういやオルテガさんもまほうのカギを探してたって話だよな?」

商人「では、オルテガさんももしかしたら砂漠南の老人の所へいったかも…」

勇者「多分だけどな。よし、とりあえず次に行くべき所は決まったな」

盗賊「よっしゃ、そうと決まったらまず町へ戻ろうぜ。もう夜になったし、あの町のーー」

キャットフライがあらわれた!バリイドドッグがあらわれた!さまようよろいがあらわれた!

商人「も、モンスター!しかも5体もいますよ!」

戦士「構わねえ、やるぜおい!」ウオー

勇者「あの鎧のやつとルカナン使いが一緒か。しかもあの飛んでる猫も攻撃力がかなりあったと思ったが…やるしかねえな、行くぞ!」

盗賊「とりあえず柔らかい犬からだろ、そらっ!」ポコッ

バリイドドッグはルカナンをとなえた!バリイドドッグのこうげき!キャットフライのこうげき!さまようよろいのこうげき!

勇者「くっそ、守備力が下げられた所にこいつらの攻撃力じゃ…!回復を…」

キャットフライはマホトーンをとなえた!勇者のじゅもんはふうじこめられた!

勇者「…!」

戦士「おいおい、大丈夫かよ!さっさと倒すしかねーな、おらおらっ!」ザンッ

バリイドドッグをたおした!キャットフライをたおした!

さまようよろいのこうげき!キャットフライのこうげき!

商人「ぐはっ…!」ヨロッ

盗賊「商人!大丈夫か!?」

商人「だ、大丈夫です…僕は3列目ですし、そこまで狙われる事は…」

バリイドドッグのこうげき!キャットフライのこうげき!

商人はしんでしまった!

戦士「うそだろ!?おい商人!」

盗賊「くっ、ダンジョンでもない所で死人がでちまうとは…やっぱり今までより厳しい戦いになりそうだぜ…」

モギ!モギ!モギエイゴロー!モギ!モギ!…

戦士「なんだあ?夜なのにやたら騒がしいじゃねーか」

盗賊「んな事はどうでもいい、早く教会に行くぞ!」スタスタ

勇者「あおい、そんなに慌てんなよ!」

盗賊「着いたぜーーさあ神父さんよ、こいつを生き返らせてくれ、寄付金ならある」ジャラッ

神父「分かりました。おお神よ!忠実なる神のしもべ、商人の御魂を呼び戻したまえ!」テーテーテーテーテーーテーーテーー

商人「ん…あ、あれ?僕は…」キョロキョロ

戦士「おお、生き返ったか!心配したぜ、特に盗賊がやたら慌ててよー!」

商人「え?盗賊さん…」

盗賊「生き返ったなら良い。ほら、行くぞ!」

商人「え?え!?ちょっと…」

勇者「おい!どこ行くんだよ!…ってここはベリーダンスの劇場!?まさかてめえ…」

踊り子「おどりなーがら♪はばたくたーめのステージではいつくばっーててもおー♪」

盗賊「イマエ!イマエ!」ヒャッハー

商人「え…まさかダンスを見るために急いで…盗賊さん…?」

勇者「おう、お前らもう起きたか?」

戦士「おお、俺はもう出発出来るぜ!」

商人「僕ももう少しで準備が…あれ?盗賊さん?」

盗賊「…ああ、うん…」

戦士「おいおい、昨日あんなに張り切ってたのになんだよテンション低いな!」

盗賊「ああ、確かに劇場は良かったよ…ただな、その後のぱふぱふがな、なんだあれは…」クッ…

商人「ぱふぱふ?ああ、あのマッサージの事ですか?良かったじゃないですか、僕は死後硬直もスッキリですよ!」

勇者「いや、笑えねえからな…でも、まあ、悪くないマッサージだったな」

戦士「だよな!しかもタダだったしな!何が気に入らねーんだよ!?」

盗賊「くっ、お前ら本当に…!ぱふぱふは…ぱふぱふは男のロマンだろうがよ!それを、それを…くっそー!」タタタ…

戦士「おい!どこ行くんだよ!?」

勇者「なんだ?ありゃあ」

商人「さあ…」

商人「今日は砂漠での旅に備えて経験値稼ぎですね」

戦士「おいおい良いのかよここに来てよ!ダメなんじゃなかったのか?」

勇者「何度も何度も回復の泉使うのが良くないって事なら、一回くらいならOKだろ。もしダメなら…」

盗賊「どこからともなくあのお姉さんが来るだろうからな。いや、来た方が嬉しいのかなー?」ニヤニヤ

勇者「んな訳ねーだろ!経験値稼ぎてーがもうシャンパーニじゃもの足りねーからな、ここ使えないと困るんだよ」

戦士「なんだ、せいなるナイフ諦めたのか?」

商人「さすがにあれだけ見つからないと…」

勇者「それに、せいなるナイフ見つけても攻撃力が上がるだけだからな。ならレベル上げて全体の能力アップさせた方が良いだろ」

盗賊「まあなあ。それにここはかしこさのたねも手に入るかもしれないからな、勇者の魔力が上がれば儲けもんよ」

商人「確かにかしこさのたねは欲しいですね」

勇者「もっと呪文が使えれば何て事ない場面も多かったからな…」

戦士「とにかくここでモンスター退治なんだな!やってやるぜー!」ウオー

勇者「とはいえ、この間はここで死人出してるからな。経験値稼ぎといえど、気楽には出来ないが…」

盗賊「…で、何で俺はロマリアの教会にいるんだ?」

戦士「そりゃ死んだからに決まってんだろ!」

盗賊「だよな…くっそ、やっぱりルカナンはきついな…守備力が高くて前列にいる俺は、守備力下げられると脆いんだよなあ」

商人「天敵ですよね実際…」

勇者「とはいえ、あそこ以外で経験値稼ぎもなあ。アッサラーム周辺は効率が悪いみたいだしな」

盗賊「まあ、あそこしかねえよな。で、今ロマリアにいるって事は…」

勇者「ああ、今日は砂漠には行かねえ。ここの西にあるほこらで縛りを回避して、今日明日は経験値稼ぎだ」

戦士「モンスター退治だな?やるぜ俺は!…で、今日はほこら行った後どーすんだ?」

勇者「どうすっかなー。シャンパーニか地底の湖に日帰りで行ければ良いが、遠いよなあ」

商人「一応、ノアニールが近い地底の湖の方が帰りまで考えれば良さそうですが…」

盗賊「まずは行ってみて、か?辿り着けなかったり日付が変わるようだと1日ムダになるけどな」

勇者「これからは1日もムダに出来ねえからな。思えばアッサラームに着いた日はムダが多かったよなあ」

戦士「んな事言ってもしょうがねーだろ!昔より今日だろ今日!」

勇者「確かにな。終わった事をどうこう言ってもしょうがねえ、じゃあ地底の湖目指して行くぞ。時間が足りれば良いがな…」

勇者「このペースだと…地底の湖に着くまでには夜になっちまってるな」

戦士「でも今日中にあそこまで行ってノアニールに戻れそうだよな?」

商人「多分、ギリギリだとは思いますけど…それより、さっきのほこら…ロマリアの関所でしたっけ?あそこの番人が言ってましたけど…」

盗賊「まほうのカギがあればポルトガとやらに行けるって言ってたな。やっぱり俺らにはまほうのカギが必要らしいな」

勇者「ポルトガに何があるか知らねーけどな。世界を回るには必要だって事だな…親父の足取りを追う為にもな」

商人「そうですね…」

盗賊「そのためにはまず、砂漠を越えられる強さが要るからな。遠回りだろうが、これも必要な行軍だ」

戦士「でもここに来るまでにやくそうが2つ見つかったぜ!これで7つだよなあ?」

商人「そうですね、あなほりと魔物の持っていた宝箱から…」

戦士「あなほりと宝箱っていやあよ、お前最近全然盗んでねえよなあ盗賊?」

盗賊「ぐ…ま、まあ調子の悪い時位誰にだって…」

勇者「23日目のまんげつそうが最後か。丸二日何も盗んでねえな」

盗賊「細けえな勇者!今日こそは盗んでやるよ、まあ見てろって!さ、目指せ地底の湖、だぜ!」

戦士「くー、今日も疲れたぜ!」

勇者レベル14「なんとかレベルアップ出来たな。リレミトを覚えたから、これから多少はダンジョンから安全に帰ってこられるかもな」

商人「脱出呪文はかなり良いですよね!」

勇者「とはいえ、魔力に余裕がないと使えないからな。なかなか使いどころは難しそうだな」

戦士「ところで盗賊よお、今日は何か盗めたか?」

盗賊「…」

勇者「商人はあなほりで何か見つけてたよな?」

商人「一応、どくけしそうとキメラのつばさを見つけました。あんまり使わないですけど…」

戦士「ちょくちょく掘り当ててるよな商人は!で、盗賊は何を…」

盗賊「ああ、何も盗んでねえよ!悪かったな3日連続で何も盗めなくて!」

商人「と、盗賊さん落ち着いて…!」

盗賊「あーくそ、こんなはずじゃなかったんだけどな…今頃せいなるナイフからかしこさのたねまで揃ってたはずなんだが…」

勇者「まあしゃーねえだろ。明日も地底の湖だ、明日かしこさのたねでも盗んでくれれば良いさ」

盗賊「良いさ、とは言うが、あれ盗むの大変なんだよ…ゆめみるルビー見つけてから俺だけレベル上がってないしな、明日はやらなきゃならない事だらけだぜ…」

盗賊「さて、今日も今日とて穴蔵の中かーっと」

商人「ここの寒さは少し堪えますよね…」ブルッ

戦士「んだあ、軟弱だなおい!寒さなんて筋肉でシャットアウトだろ!」ムキィ

勇者「誰も彼もがてめえみたいじゃねーんだよ。ま、今日も死なない程度に頼むぜ」

商人「今日も遠回りして回復の泉を目指すんですね?あなほりの挑戦回数も増えますし…」

盗賊「手軽に地下3階まで行けるしな。どうやらそこまで下りないと出てこない魔物がいるみたいだからな」

戦士「あの蛾だろ?マヌーサがうっとおしいよな!」

勇者「そこまで行かなきゃ出ないって事は、そこまで行かなきゃあなほりで見つけられない物があるって事だからな。いろんなアイテムを見つける為にも…商人?」

商人「み、皆さん…み、見て下さい…!こ、このあなほりで出てきたこれ…!」

戦士「あー?…なんだこりゃ、すげー大金じゃねーか!」

盗賊「こりゃすげえな、いくらある?1000、2000…5000ゴールド近くあるぜ!」ヒュー

勇者「こいつは大金だな、やったな商人!…と、言いたい所だがな…」

商人「はい…お金があっても宿代と蘇生代にしかならないんですよね…」

盗賊「全くだよな、あーあ…ま、あって困るもんでもないがよ、なんかなー…」

盗賊レベル16「ふう、なんとか今日中にレベルが上がったぜ」

戦士レベル16「ついでに俺も上がったぜ!盗賊にほぼ追いついたな!」

盗賊「ちっ、なーんか最近レベル上がるの遅いよなあ…」

勇者レベル14「これでゆめみるルビーを見つけてから全員が最低でも1はレベルが上がった事になるな。しかし今日はレベルが上がった割には昨日や一昨日よりも洞窟の中にいられた時間が短かったな…」

商人レベル16「妙に魔物の攻撃が苛烈だった気がしますね。もう余力が…あれ?皆さん、あれは…」

盗賊「あ?影が…なんか不自然だな。なんだあの影は?」

ーーあやしいかげがあらわれた!

勇者「なんだかよく分からねえが…おら、攻撃だ!」ザンッ

商人「たあー!」ゴンッ

ーーあやしいかげをやっつけた!

戦士「なんだ、大したことなかったな!…お?宝箱落としたぜ!」

盗賊「どくけしそうか。ってか、宝箱開けたらショウタイガ見えたな、こりゃあ…どくイモムシか?」

商人「みたいですね。影の中に他の魔物を宿す魔物っていう事なんでしょうか?いろんな魔物がいるんですね…」

勇者「ここに戻ってくるのも久しぶりな気がするが…前に来たときからそんなに経ってねえんだよな」

商人「19日目にお金を預けに来てますね。でもすぐに出立しちゃいますから、戻ってきたって感じがしないのかもしれませんね」

戦士「勇者よお、母ちゃんに会ってかなくて良いのか?」

勇者「んな暇ねーよ。今日も金預けたらさっさと出発するぞ」

盗賊「使いみちもないのにマメだよな。まあ商人がうるさいから仕方ないか」

商人「旅の途中ではあまり使いみちがありませんが、旅が終わってからもお金はお金ですからね。無駄には出来ません」

勇者「さあ、預けたなら行くぞ。今日は砂漠を越えなきゃならねえからな」

盗賊「せっかちだなあ。王様に挨拶しなくて良いのかよ?あと使者のお姉さんとかにもな」ニヤニヤ

勇者「…必要ねーだろ。さあ、アッサラームに行くぞ」

戦士「アッサラームか、良かったな盗賊!また楽しめるだろ!」

盗賊「お前…俺の心をそんなに責めるんじゃねえよ…」クッ…

戦士「うおお、あちーぞ!」

商人「確かに、凄い日射しですね…」フウ…

盗賊「この暑さは参るな流石に。だが魔物にはあまり遇わずにすんでるな」

勇者「そうだな、確かに魔物自体は強いが、今の所一度に出てくる数が少ないからなんとかなってるな」

商人「アリアハンまでの往復をキメラのつばさを使って魔力節約出来たのもありがたいですね」

勇者「ホイミ一回の違いだけどな。まあ、俺らには貴重な一回だがよ」

盗賊「どうせキメラのつばさはそこそこ手に入ってるし、持ってるなら使った方が良いからな。あるものは有効活用して…お?」

商人「なんですか盗賊さ…あ!沼地が見えますね!」

戦士「うおー!沼で水浴びしてこーぜ!」

勇者「バカ、あれは毒の沼地だ!それに沼地の菜かを見てみろよ」

盗賊「なんか建物があるな。家か、ほこらか…」

戦士「おお、じゃあ家の中で涼もーぜ!」

勇者「涼みに来たんじゃねーよ!…と言いたい所だが、流石にこの日射しはきついからな…」

商人「いずれにしろ中にいるというご老人にお話を聞くようですからね。行きましょう。まほうのカギの事を詳しく聞けると良いのですが…』

盗賊「おお、涼しいぜ…」フウ…

戦士「ひんやりしてるな!もうずっとここにいようぜ!」

勇者「おめー一人で残ってろよ。んな事より話を聞くようだろ」

老人「ふむ、旅のお方か。ここに来たと言うことは…」

商人「はい、まほうのカギを探しているのですが、お話を…」

老人「やはりまほうのカギをお探しか。まほうのカギはピラミッドにあるという…だがその前に!」

勇者「その前に?」

老人「イシスのお城を訪ねなされ。確かオアシスの近くだったはずじゃ」

戦士「オアシス?オアシスってのは水があるんだよな!良いじゃねーか、涼しそうだ!」

盗賊「確かにな。しかしこんな砂漠に城があるのか、凄いな…」

勇者「まあ、オアシスで水が確保出来るからこそなんだろうが…じいさんはオアシスで暮らす気はないのか?」

戦士「そうだよな、こんな沼地の菜かじゃ体にわりーぜ!」

盗賊「水浴びしようとしてたくせによく言うぜ…」

老人「良いのです、私は静かに暮らす方が性に合ってるのですよじゃ」

勇者「そういうもんか…分かったよ、じゃあなじいさん。さて、砂漠の城か。どんな場所なのか想像も付かないが…」

ーーどくイモムシはどくのいきをはいた!盗賊はどくにおかされた!商人はどくにおかされた!

商人「うっ…吐き気が…」ウップ

盗賊「ぐあっ、毒ってこんな感じなんだな…今までなった事がなかったから知らなかったぜ……」

勇者「何呑気なこといってやがる!おらあっ!」ザンッ

ーーどくイモムシたちをやっつけた!

戦士「はっはー!こいつらはよえーな!で、お前ら大丈夫かよ?」

商人「ええ、今まで使ってなかったどくけしそうがたくさんありますから…」

勇者「このどくけしそうがみんなやくそうならな。どくけしそうはあんまり役に立たねえから…どうした盗賊?」

盗賊「…悪かったな、久しぶりに盗んだアイテムが役に立たねえどくけしそうでよ」ムスー

商人「そ、そんな事ないですよ!ほら、今役に立ってるじゃないですか!」

戦士「おー、何日ぶりだよ!やったな!」

盗賊「…はー。まあいい、今日からまた盗みまくりだからな!」キッ

勇者「ああ、頼むぜ。さて、今日もまた地底の湖で経験値稼ぎだ。お前ら死ぬんじゃねーぞ!」

戦士「当たり前だろ!誰にいってんだ!?」

商人「はは…頑張ります…」

戦士「あー、今日も退治しまくったな!」

勇者「少し余裕があったから地底の湖からの帰りにカザーブまで足を伸ばしたが、1つとはいえやくそうが手に入って良かったぜ」

商人「この辺の魔物ならもう怖くないですね。経験値はもう期待出来ませんけど…」

盗賊「まあしょうがねえよな。ま、個人的にはやっと盗みが復調してきて良かったぜ」

戦士「あのあとキメラのつばさ2つとまんげつそうか!すげーな!」

盗賊「どれもこれもいまいち役に立たねえのがな…こうもりおとこも出てきたし、やっぱりせいなるナイフが欲しかったぜ」

商人「もう僕らには縁がないんでしょうね…」フウ…

勇者「今日はかなり長いこと魔物と戦えたな。レベルが上がったのは商人だけだったが…」

商人「17になりましたよ。少しは攻撃力も増えてきましたね。守備力は相変わらずですが…」

戦士「防御力ねーもんなお前は!」

盗賊「一番無いのお前だろ…しかし砂漠には良い防具を持ってる魔物が複数いるらしい。是非とも盗みたいもんだぜ」

勇者「ああ、明日はイシス行きだからな、期待してるぜ。活動時間が俺の魔力で決まる以上、回復呪文の節約の為にも守備力は是非あげたい所だからな…」

盗賊「もう30日か、早かったな…なんて感傷に浸れねえくらい暑いな…」フウ…

勇者「砂漠だからしょうがねーだろ。それに、暑さだけじゃなくて…」

かえんムカデがあらわれた!じごくのハサミがあらわれた!

商人「魔物まで強いですよね、ここは。あのカニは特に…」

戦士「やるしかねーだろ、行くぜこのカニィ!」ザンッ

盗賊「俺と商人はムカデを攻撃だな、カニには傷1つ付けられねえしな。勇者は…」

勇者「俺もまずはカニだ、ギラ!」ゴオオ…

じごくのハサミはスクルトをとなえた!じごくのハサミはスクルトをとなえた!

戦士「うおお!?全然歯が立たなくなっちまったぞ!」ガキンガキン

商人「ぼ、僕らはムカデにさえダメージが与えられません!」

勇者「くっそ、ギラ!もう一発ギラだ!」ゴオオ…

盗賊「おい、あんまり意地になるなよ!逃げたって良いんだぜ!?」

勇者「今更引けねーだろ!おらあっ!」ガィン!

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「た、倒せましたけど…これから回復にも魔力を使うでしょうし、勇者さんの魔力が…このペースでオアシスまで行けるんでしょうか…?」

戦士「ーーおい!キノコとカニだぜ!どうするよ?」

勇者「逃げだ逃げ、魔力に余裕がねー!」ダカダカダカ…

商人「な、なんとか逃げきれましたね。見てください、オアシスがあそこに…」

ーーひとくいががあらわれた!

盗賊「蛾が4匹だ!どうするよ?」

勇者「やるぞ!残りの体力全部ぶちこめ!おらあっ!」ザンッ

戦士「うおおおおー!」ドガン

盗賊「もう一息なんだよ…邪魔をすんじゃねえー!」ツンツン

ーーひとくいがたちをやっつけた!

商人「ああ…なんとか無事に着けそうですね。それにしても…」

勇者「逃げたのを数に入れないと4回しか戦ってねーのにもうボロボロだ。明日も魔物退治になるが、1日じゃとても足りなそうだ…」

盗賊「魔物は強くなる、だから経験値を稼ぎたいが、稼げないほど魔物が強いときた。参ったねこれは」

戦士「そんな事言ってもやるしかねーだろ!やんねーのかよおい!」

勇者「当たり前だ、やるしかねーんだ。しかし、今日があっという間に終わったのはいてえな…1日1日が大事なんだが…」

戦士「おー、ここがイシスか!やっぱり町は涼しいな!」

勇者「涼しいのは夕方になったからだろ…さて、まほうのカギはピラミッドにあって、ピラミッドに行く前にここに行けって話だったが…」

盗賊「よっしゃ、じゃあ手分けして情報収集だな。おーい、そこのお姉さーん!」タタタ…

勇者「…あいつ、本当に真面目に情報集めるんだろうな…さて、まずは…」

男「ここはイシスです。今は亡きファラオ王が作った国です」

勇者「まるで王が最近死んだみたいな言い方だが、とてもそんな国には見えねえよな…」

青年「私はソクラス。こうして夜になるのを待っています」

勇者「…暇そうで良いな。さて…」

商人「あ、勇者さん。ピラミッドっていうのは王家の墓のようですね。何千年も前からあるものらしいですよ」

勇者「何千年…やっぱり最近出来た国じゃなかったようだな」

戦士「おーい、あっちにモンスター格闘場があるらしいぜ!盗賊とか好きじゃねーのかよこーゆーのよお!」

盗賊「金増えても意味ねえからな、賭けがいがねえよ。んな事より勇者、ここの女王様は絶世の美女らしいぜ、やったな!」

勇者「お前ら…真面目にやれよ…」

商人「ま、まあまあ勇者さん…そ、そうだ、とりあえずお城に行ってみましょうよ。一旦町を出て北にあるみたいですよ」

盗賊「城か、じゃあ早速女王様とご対面だな。どれほど美しいのか、今から楽しみだぜ」

ニャーニャー ニャーニャー…

勇者「…猫がやたらといるな…」

商人「本当ですね。お城の中でこんなに飼われてるなんて、余程大事にされてるんですね」

盗賊「猫なんてどうでもいいだろ、女王様だろ女王様」

勇者「待てよ、まずは城内で情報収集だろ」

女性「まあ、アリアハンから来たの?でも知らないわそんな国」

戦士「はあ!?アリアハン知らねーのかよ!」

商人「勇者さん、これは…」

勇者「ああ。アリアハンを知らないって事は、親父はここに来てないのか…?」

女官「あなた方もピラミッドを目指す旅人…でもお気をつけなさい、ピラミッドにはいろんな仕掛けがあるそうな」

勇者「どうやらまほうのカギはそう簡単には手に入らなさそうだな」

盗賊「問題ねえよ、そういう仕掛けを見破るのが俺の仕事だ。それよりほら、さっさと女王様の所に行こうぜ」

勇者「お前は女王様にさっさと会いてーだけだろーが!…とはいえ、ピラミッドは王家の墓って話だ、まほうのカギは恐らく副葬品…となると、女王の許可が要るかもな…」

商人「王家の墓に無断で入ったら墓泥棒ですもんね…女王様は許可を下さるでしょうか…」

女王「旅の方ですか?このような所まで遠路はるばるよく来てくださいましたね」

盗賊「ヒュー、これは…」

商人「綺麗な方ですね…」フウ…

女王「皆が私を褒め称える。でも、一時の美など何になりましょう?」

戦士「あー、まあ何十年か経てば婆さんになるもんなー」

勇者「おめーは黙ってろ!…女王陛下、我々はアリアハンから来た者です。我々は魔王を倒す使命を持って旅を続けています」

女王「魔王を…そうですか」

勇者「我々の目的の為にどうしてもピラミッドにあるまほうのカギが必要なんです。どうかまほうのカギを我々に託していただけないでしょうか?」

盗賊「まほうのカギ以外のお宝には手を付けません、誓って」

戦士「どうせ宝箱開けられねーもんな!」

女王「まほうのカギを………分かりました、それでイシスに、世界に平和がもたらされるのなら、まほうのカギを託しましょう」

商人「…ありがとうございます!」

女王「ただし、今やピラミッドは魔物の巣窟となっています。くれぐれもお気をつけなさりますよう…」

勇者「ご心配ありがとうございます。しかし我々の旅に危険は付き物です。そして今までいくつもの危険を乗り越えて来ました。必ずまほうのカギを手に入れ、世界に平和を…!失礼します」ザッ

ーー31日目、イシス砂漠

ピューーーーン…ドサッ

戦士「ぐっはあ!?くっそ、城から飛び降りなきゃ外に出られねーのかよ!」

盗賊「っつう…わざわざ謁見の間に飛び降りる場所が用意してあるんだ、そういう事だろ」

勇者「ルーラで移動出来るのかもしれねーが、失敗した時魔力が無駄になるからな」

商人「歩いて出ることも出来るでしょうけど、時間が掛かりますし…でも、ルーラで出るより、こうして一回外に出たほうが一回多くあなほり出来ますよ!」ザッザッ…

盗賊「マメだなお前は…それより勇者、ちゃんと女王様に挨拶出来たじゃねーか。俺はてっきり…」

勇者「一応、そういう心得っつーか、教えてもらったんだよ。勇者とはどうあるべきか、みたいなな」

盗賊「なるほどな、勇者の家系ってのは…ん?商人、そ、そいつは…!」

商人「ゆ、勇者さんみなさん、や、やりましたよ、これ、これ…!」フルフル…

勇者「それは…防具か?防具っつーか…」

戦士「なんだそりゃ、着ぐるみじゃねーか!」

盗賊「着ぐるみじゃねー、ぬいぐるみだ!つべこべ言わずに着てみろよ!」ガサゴソ…

戦士「ああ!?あちーよそんなもの砂漠でよ…おおおおお!???!!?しゅ、守備力が倍以上になったじゃねーか!!」

勇者「まじか、すげえな…商人、やったじゃねーかよ!へっ、こいつはピラミッド攻略に希望が見えてきやがったぜ!」

商人「よいしょ、よいしょ…あ、出ましたよかしこさのたね!」

盗戦士「おお!絶好調だな商人!」

盗賊「やるな、俺もラックのたねなら1つ盗めたが…とりあえず勇者、そのかしこさのたね食っとけよ」

勇者「ああ、じゃあいただくぜ…あんまりうまくねーな…」ポリポリ…

商人「でも、効果があるのはレベルアップしてからなんですよね…勇者さん、さっきレベル上がったばっかりですよね」

勇者レベル15「まあな、それはしょうがねーよ。それより、俺以外にも盗賊と戦士もレベルアップ出来たのは嬉しい誤算だったぜ」

盗賊レベル17「勇者はレベルが上がるとして、俺は五分五分、戦士は少し厳しいかと思ってたけどな。守備力が上がったおかげで長い時間経験値稼ぎが出来るようになったな」

戦士レベル17「この鎧すげーぜ!たびびとのふくとは大違いだぜ!」イヤッホー

商人「鎧じゃないですけどね。でも、守備力倍以上になっても盗賊さんより低いんですね…」

盗賊「まだ当分俺が先頭だな。ま、戦闘力の違いを考えれば、戦士の方がはるかに死んだら困るから妥当なんだがな」

勇者「とはいえ、守備力が上がった恩恵はでけえ。今までと比べてホイミする数がかなり減ったからな」

商人「結果的に魔力の温存になりますよね」

盗賊「ホイミややくそうの効果も実質上がるって事だよなあ。ぬいぐるみ様々だぜ」

戦士「これならどんなモンスターにだって負けねーな!」ガハハ

勇者「ただ、守備力が上がった事によって体力に気を付けなくなる心配だけはあるけどな。さて、じゃあこの前と同じようにカザーブに向かうか。カザーブの周りで夜あけ前まで戦って、やくそうと、あわよくばせいなるナイフ狙いといこうか。この流れなら、今日は見つけられるかもしれねー。じゃあ行くぞ」

戦士「へー、ここがピラミッドかあー」キョロキョロ

勇者「あんま余所見すんなよ。仕掛けだらけって言ってただろ」

盗賊「おい商人、そこは踏むな。おそらく落し穴になってるぜ」

商人「え、ええっ!?」ザザッ

戦士「んな事分かんのかよ?」

盗賊「一応盗賊だからな。ああ、その先も真ん中は歩くな、端を歩け」

勇者「ああ…しかし、ここは魔物が少ないな…」

商人「王家の墓ですし、神聖な建物という話でしたからね。なんらかの力で魔物の侵入を抑えているのかも…」

戦士「魔物の巣窟って言ってたのにな!」

盗賊「まあ侵入されてるのは事実だしな。数は少ないが強さはかなりのものだったし、一般人から見りゃ立派な魔物の巣窟だろ」

勇者「まあな…だがこれだけ戦闘が少なくて済むなら、今日まほうのカギが手に入るかもな」

商人「今日と明日の2日がかりの予定でしたよね。1日早く手に入れば明日は自由になりますね」

盗賊「まあ、そいつは手に入れてから考えようぜ。まずはまほうのカギを見つけねえとな」

勇者「ああ、油断せずに行くぞ」

戦士「おー!魔物の大群が出ても負けねーがな!」

勇者「ーーここは…行き止まりか?いや、これは扉…なのかもな」

戦士「開けてみるぜ!…ぐぎぎぎぎ、重てー!開かねーぞこれは!」

商人「鍵穴もないですし、どうしたら…あ、そういえば扉を開ける何か、何かそんな話を聞いたような…」

盗賊「まんまるボタンはおひさまボタン、だろ?イシスの城の中で聞いた歌だ」

勇者「ああ!確かピラミッドの秘密が隠されてるとか言ってたな!」

盗賊「確か東の東から西の西、って歌ってたな。じゃあまずは東に言って…お、ボタンがあったぜ」ポチッ

戦士「次は西だな!行くぜー…お?2つボタンがあるぞ?」

勇者「西の西、だからより西側のボタンだろ。押してみるぞ」ポチッ ゴゴゴゴゴ…

商人「な、何か凄い音がしませんでした!?」

盗賊「おそらくさっきの開かずの扉辺りからだな。行ってみるか」

戦士「おお!?扉が開いてるぜ!お、見ろよ!宝箱があるぜ!」

勇者「もしかしてまほうのカギか?よし、こいつは開けるようだろ」パカッ

なんとまほうのカギをてにいれた!

商人「やった!やりましたよ!まほうのカギですよ!」

勇者「ああ、だがずいぶんあっさり見つかったな。まあ楽な分には構わないが、少し拍子抜けだったな…」

戦士「またここに来たのかよ!なんかあんのか?」

勇者「四階以上はまだ来たことなかったからな、一応だ」

商人「それにここではとげのむちが手に入るかもしれません。あんなに欲しかったせいなるナイフよりも強いんですよ!」

戦士「あー、じゃあまた上って下りてしながら穴掘るのか」

勇者「探索ついでにな。しかしまだ上の階があるみたいだな。魔物があんまり出てこねーからそんなに大変でもねーがな」

盗賊「にしてもなあ…見ろよ、この宝箱の数。目の毒だぜホント」

商人「ですね…でも仕掛けだらけって言ってましたし、この宝箱だって危ないかもしれないですよ」

盗賊「確かにな。危険を避ける賢明な選択をした、と思うしかねえよな」

勇者「宝箱の数もだが、石棺の数もすげえな。これが全部歴代の王達なのか…?」

商人「この沢山の宝箱が副葬品なら、きっとそうなんでしょうね」

戦士「死んだ後に宝物もらって嬉しいのかよ。俺は生きてるうちがいいけどな!」

盗賊「全くだ。飯も女も宝物も、生きてるからこそだ」

勇者「王様なんてものになれば、いつまでも贅沢したいと思うのかもな…さ、上に行くぞ」

商人「ーー結局、とげのむちは見つかりませんでしたね。実は狙ってたかしこさのたねも…」シュン

盗賊「しょうがねえだろ、ぬいぐるみ見つけた上に武器まで見つけようなんてさすがに虫が良すぎるぜ」

勇者「だな。まあやくそうが3つ手に入ったから良しとしようぜ」

商人「そうですね。やくそうを入手する場所としては良いところですね、ここは」

戦士「しかしここの敵はつえーな!何回も戦わないうちに町に戻るようだぜ!」

勇者「それも仕方ねーな。ま、まほうのカギは見つられたんだ、先に進む事は出来る」

盗賊「よし、じゃあ戻って宿屋で休むとしようぜ。まだ明るいがたまには良いだろ」

商人「昨日も明るいうちに休みましたけどね…」

ーー

ーー夜、イシス城内

猫「けけけ。俺様は魔王様の使い魔にゃー…にゃ、にゃーって言っちゃ駄目にゃ…難しいですにゃー…それにしても勇者さんという方たちはまだ来ないのですかにゃー…」

旅人女「バカ猫、もう勇者は来ないってさ。使い魔のバイト代は無しだとさ、ほら、早く次の仕事見つけて金稼いできな!」ドカバキゲシゲシッ

猫「ふにゃー!?蹴っちゃ駄目ですにゃー!うにゃあ、みぃだってこんな仕事したくなかったのですにゃあ…」オアー…

使者「あら、勇者殿。久しぶりね、旅はどう?」

勇者「まあ…順調かな。約束、覚えてるか?」

使者「ええ。という事は、倉庫の扉を開けられるようになったのかしら?」

勇者「多分な。行けば分かる」

使者「じゃあ行ってみましょう…着いたわ。ねえ、勇者殿が来たわよ」

倉庫番「ん?おお、オルテガさんの息子さんか!へえ、ここに入れるようになったのか?」

勇者「多分、このカギで…」ガチャ ギィ…

倉庫番「おお!凄いな、この扉を開けられるカギとは!さすがオルテガさんの息子さんだな!」

使者「それは…まほうのカギというのね?ふうん、面白い物ね…」ジーッ

勇者「そ、それより中のモノ、本当に貰って良いんすか?」

倉庫番「もちろん!ま、あんまり期待するなよ。あの王様の持ってるモノなんて大したことないだろうからな」

使者「そうね」

勇者「王様の評価ひでえな…宝箱が6つか、まずは…杖か、ルーンスタッフ?次は、種か、その次も種、あとは128ゴールド、336ゴールド…最後は…腕輪か?これは…」

倉庫番「ごうけつのうでわか!どこに行ったか王様が探してたが、ここにあったんだな。ま、どうせ行方不明になってた物だ、持っていって不都合はないさ」

勇者「そうなのか…?まあ、じゃあ遠慮なくいただいてくか…攻撃力の上がる腕輪か、半端な武器よりもずっと良さそうだが…」

盗賊「ーーで?使者のお姉さんとちゃんと語らってきたのか?」ニヤニヤ

勇者「別に何も喋ってねーよ。それよりお前らもちゃんと金預けてきたんだろうな」

商人「ええ、9000G預けてきました」

戦士「金はどんどん貯まるな!使い道ねーけどな!」

盗賊「それより、どんなものもらったんだ?…へえ、杖に腕輪にちからのたねとすばやさのたねか」

商人「あとはお金が少々ですね。普通の旅をしてればありがたかったんでしょうけど…」

勇者「まあ、この腕輪だけでもありがてえよ。戦士、お前が使えよ」

戦士「俺が?良いのか?じゃあ…うおお!?力が漲って来るぜー!」ムキーン

盗賊「へえ、こいつは凄いな。だが良いのか?一人を強化するより、まんべんなく強くした方が…」

勇者「いや、これで良い。俺は呪文も使うからその腕輪をフルには使えねーし、魔力の上昇も落ちるかもって話だ」

商人「そうなんですね。でも確かに一人どんな敵にもダメージを与えられる人がいた方が良いことも多そうですよね」

勇者「そういうことだ。じゃあこれからポルトガに行くぞ。初めて行く土地だから、気を引き締めろよ」

戦士「おおー!今ならどんな奴にも負けねーぜ!」ウオー

戦士「おおすげー!船だぜ船!」

盗賊「はしゃぐなよ恥ずかしい。が、確かにこの数は驚いたな」

商人「凄いですよね。これで色んな国と貿易してるんでしょうか…」

盗賊「しかも話では王様が船をくれるって話じゃなかったか?へへ、太っ腹な王様だよな」

戦士「マジでか!スゲーな!」

商人「いや、さすがに見ず知らずの我々に船なんてくれないのでは…お城に行った勇者さんがよっぽどうまくやれば別でしょうけど…」

ーーポルトガ城内

王様「成る程、そなたが勇者か。勇者は船が欲しいと申すのだな」

勇者「え?俺は…」

王様「船が欲しければ東方へ行って黒胡椒を手に入れて来るがよい。東方で見たことを報告せよ。黒胡椒を手に入れたなら、そなたに船をやろう」

勇者「は、はあ…」

王様「この手紙があれば、ホビットのノルドが東方への道へと案内してくれるであろう。では、幸運を祈っておるぞ」

勇者「ありがとうございます…別に欲しいと一言も言ってないが、くれるのならもらうか…新しい土地に行けるなら願ったりだしな…」

商人「凄い!船を貰える事になったなんて!」

勇者「まだ貰えると決まった訳じゃねーがな。東方へ行って黒胡椒の手に入れなきゃいけねー」

戦士「つっても買い物だろ?楽勝じゃねーか!」

盗賊「ただの買い物で船をくれるかねえ?何か厄介事が待ってるじゃないのか?」

勇者「まあ、そうなった時の為にも、こうやって魔物退治で経験値を稼いで…」

ーードルイドがあらわれた!

戦士「おお!?なんだこのキモい奴等は!?」

勇者「不気味な奴等だな…やるぞ、おらっ!」ザンッ

ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!

盗賊「うおっ!?全体魔法連発かよ!」

ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!

商人「ううっ…こ、これは…」

ドルイドはバギをとなえた!ドルイドはバギをとなえた!

ーー商人はしんでしまった!

商人「はあ…昨日はあっさり死んでしまいました…」フウ…

盗賊「まああれだけ全体攻撃を連発されたらな…そもそも戦士以外はここしばらくずっと装備新しくなってないしな」

戦士「でもここに来たのはとげのむちとかいう武器の為だろ?あれも俺が装備するんじゃないのか?」

勇者「お前が装備更新すれば今お前が使ってる武器を商人に渡せるんだよ。そうすりゃ二人パワーアップだ」

戦士「おおー!なるほどな!」

盗賊「まあ、そのためにはここでとげのむちを見つけなきゃいけないんだが…」

マミーがあらわれた!

勇者「出やがったな、こいつは厄介だな…おらっ!」ザンッ

戦士「そおりゃっ!」ゴッ

マミーをたおした!

盗賊「おし、順調に…」

マミーのこうげき!つうこんのいちげき!商人はしんでしまった!

戦士「おい!?マジかよ!?今の一撃やべーだろ…」ゴクリ…

勇者「くっ、まさに痛恨の一撃だな…後衛の防御力の無さが厳しい所まで来ちまったようだな…」

商人「はあ…僕、足引っ張ってますよね…」ハア…

戦士「あー!?この鎧見つけたのおめーじゃねーか!こんなの俺見つけられねーぜ!」

商人「でも…よく死ぬし、攻撃力もいまいちだし…そういえばポルトガで東には職業を変えられる神殿があるって…」

盗賊「おいおい、何の話してんだよ?良く死ぬのも攻撃力が不足してるのも、装備が足りねえせいなんだよ」

勇者「攻撃力で言えば俺や盗賊も大差ねーからな。まあ、転職してーなら止めねーが、まだ先の話だろ。それまでにじっくり考えれば良いんじゃねーか?」

盗賊「そうですね…すみません」

盗賊「謝んなよ。それより、まほうのカギで今まで行けなかった所に色々行ってみたが、東には行けなかったって話ばっかりだな」

戦士「関係ねーだろ!俺らには王様の手紙があるんだからよ!」

勇者「ホビットのノルドとか言ったか?相当なくせ者のようだが、ポルトガ王とはずいぶんと仲良しらしいからな、手紙さえあればなんとかなるだろ」

商人「ええ、王様を信用するしかないですよね…」

戦士「しかしさっきのちっちゃいの、なんだったんだ?なんかやたら凄そうな魔法唱えようとしてたけどよ」

勇者「ザラキな、心臓が止まりそうになったぜ。まあ、不発だったみたいだが」

商人「魔力が足りなかったみたいですね。使いこなしていたら物凄い脅威だったでしょうけど…」

盗賊「モンスターみんながあんななら助かるんだがなあ。これからもどんどん魔物は強くなり続けるんだろうな…」

勇者「さて、今日はホビットのノルドとかいう奴に会いに行くんだが…その前に一つ行っておく事がある」

戦士「お?なんだよ」

勇者「俺らの旅は誰か死ぬたび装備を捨てるようだが…余ってる装備がもう4つしかねえ」

商人「すみません、僕が…」

盗賊「だから謝んなよ。それに俺も何回か死んでるからな。しかし4つのうち1つはルーンスタッフとかいうヤツだよな?アリアハンの倉庫からもらったっていう」

勇者「現状装備できる奴はいねーが、出来れば手放したくないよな…俺らからすれば最高レベルの武器だからな」

戦士「その4つ無くなったら俺らが装備してるやつを捨てるのか?」

盗賊「そりゃそうだろうな。まあ、まずは俺の持ってるこの棒切れだろうけどな」

商人「でも、武器を捨てるのも…だんだんモンスターの守備力が上がってきて、なかなか攻撃が通らなくなってきましたし…」

勇者「攻撃力も上がってきてるからな、防具わ捨てる訳にもいかねー。まず第一に死なない事、次に新しい装備品を手に入れる事だな」

商人「どっちも僕に掛かってますね…」

盗賊「お前だけじゃねえよ、俺もだ。ま、これから敵が強くなってくるんだ、きっと手に入る物も強くなるさ」

勇者「だと良いがな…とにかく、これからは今まで以上に気をつけてくれ。さ、行くぞ」

盗賊「ここがホビットの住んでる洞窟ねえ…ホビットってより盗賊でも住み着いてそうだがな」

戦士「おめーに似合いそうだな!」

盗賊「だから俺は塔派だ!」

商人「塔派とか洞窟派とかあるんですか…?あ、誰かいますよ、すみません…」

ノルド「わしはホビットのノルド。お前さん方はなんだね?さ、出てって下され!」

勇者「やっぱりただでは相手もしてくれないか。じゃあ手紙だ……親愛なるノルドよ、この旅人達をーー」

ノルド「ふむ!それではお前さん方は東に行きたいというのかね?」

盗賊「ああ」

ノルド「ふむ!ではついて来なされ!」タタタ…

戦士「お、どっか行ったぞ!」

ノルド「ふむ!そこで待ってて下され!」ドシーン…ドシーン…

商人「た、体当たり!?抜け道ってこんな風に…!?」

ノルド「さ、ここが抜け道じゃ。通って下され!」

勇者「どうも…小せえのになかなかのパワーだな…よし、じゃあ行くぞ!」

商人「…と、勇んだものの、今日明日は次の土地には行かないですよね…」

勇者「おっし!レベルアップしたぜ。魔力もかなり上がったし、新しい呪文も覚えたぜ」

盗賊「魔力は商人のあなほりと、昨日ピラミッドで盗んだ2つのかしこさのたねを使ったからな」

勇者「ホイミが3回も多く使えるようになったぜ。レベルアップでかしこさが上がらなかったのは少し不安だが…」

盗賊「限界値ってやつに引っ掛かったのかもな。書いてる奴も良く理解してないようだが」

戦士「何の話だよおい!それより新しい魔法ってどんなんだ?」

勇者「ああ、ラリホーっつってな、敵を眠らせる呪文だ」

戦士「あー、あの角ウサギが使ってたヤツか!すげーじゃねーか!」

勇者「いい加減ギラじゃ火力不足を感じてたからな、搦手の呪文を覚えたのは悪くねえ。もちろん、使い方次第だがな」

商人「魔力の消費もギラより少ないんでしたっけ?魔力の増加と合わせて、今までより長く冒険出来そうですね」

盗賊「まあ、だからって突っ込みすぎちゃいけねえがな。スリルはあるが死にはしないギリギリを見極めないとな」

勇者「さっきも言ったが、無茶は出来ねーからな。とはいえ、旅に危険はつきものだ。ここんところ、それを実感するばかりだからな…」

ーー37日目、夜、アッサラーム

カーズキータナカカズキー…

商人「相変わらず賑やかですね、ここ…」

戦士「おい!ただマッサージ行こうぜ!パフパフっつったっけか?」

盗賊「やめろ…思い出させるな…」

勇者「しかし今日は何事もなく終わったな、良い意味でも悪い意味でもな」

商人「アッサラーム周辺で魔物退治しましたけど、やっぱり外だとあまり退治出来ませんよね」

盗賊「何事もなくはねえだろ、ラックのたね盗んだぜ俺は!」

戦士「うんのよさなんか上がってもなー。やっぱり力だろ力!」

勇者「確かにちからのたねも欲しいが、1個2個あった所でな…」

盗賊「装備品の在庫を増やす意味でも、武器が欲しいよなあ…やっぱりピラミッドが良かったかもな」

戦士「言ってもしょうがねーだろ!明日だ明日!」

商人「明日は次の場所への移動日ですけどね…新しい土地で凄い武器や防具を見つけられれば良いですけど…」

商人「今日はいよいよくろこしょうを求めての旅路になりますね」

戦士「東にあるんだよなくろこしょう!で、東のどこにあるんだ?」

勇者「知らねえ」

戦士「はあ!?知らねーのかよ!」

勇者「町で話を聞いても、東にくろこしょうがある、か東に行けなかったって話しか聞けなかったからな」

盗賊「結局、誰も東に行って帰ってきた奴には会えなかったからな」

商人「多くの人が東を目指して死んだってポルトガで聞きましたよね。やっぱり危険なんでしょうね…」

戦士「東は危険って前にロマリアでも聞いたよなあ?」

盗賊「東に行けば行くほど危険なのかもしれねえな、この大陸は」

勇者「それでも行くしかねー、船の為だ。特別欲しかった訳じゃねーが、船があれば魔王の所まで行けるかもしれねーし、親父の足取りだって…」

商人「…そうですね。うん、行きましょう!」

戦士「おめーに言われなくても行く気満々だぞ俺は!っしゃー待ってろよ東!」

盗賊「まあ、結局東のどこに行けば良いかは分からないんだけどな…_

勇者「ふう、なんだかんだ無事に町に着いたな」

戦士「で、胡椒はどこだよ?おーい、胡椒ー!」

盗賊「呼んで出てくるわけねえだろ…そもそもこの町にあるかどうかも分からねえのに」

商人「いや、見てください。これは胡椒屋の看板ですよ。おそらくこの店で胡椒は買えるはずです」

勇者「マジか、あっさり見つかったな。じゃあ早速店に入ってみるか…おい、店主がいねーぞ」

旅人女「なんだ、あんた達も胡椒が欲しかったのかい?残念だけど、店主の娘が拐われたとかでね、胡椒を売ってくれないんだよ。参ったね」

商人「娘さんが拐われた!?」

旅人女「つい最近らしいよ。店の裏に店主がいたから話でも聞いてきな。ったく、バカ猫が稼ぎ損ねたからアタシが代わりに一儲けしようとしたのに、とんだ足止めだよ。そもそもあのバカ猫が…」ブツブツ

盗賊「とにかく、店主に話を聞いてみるか…」

店主「おお、旅の方、聞いてくだされ。実はわしの娘が人さらいに拐われてしまっての。しかもそれを助けるべく婚約者のグプタまでもが奴らのアジトに…おお、グプタまで何かあったらわしは、わしは…」

戦士「人さらいかよ、ひでー奴等だな!」

勇者「仕方ねえ、俺らで助けるか。そもそもこの様子じゃくろこしょうを売ってもくれないようだしな。にしても、まるで俺らを狙い打ったみたいに災難が起きたな…」

商人「いや、そんなまさか…」

ーーハンターフライはギラをとなえた!ハンターフライはギラをとなえた!

盗賊「うおお、凄まじいぜ…そらあっ!」コンッ

ーーハンターフライたちをやっつけた!

戦士「ふー、つええなここのモンスターもよお!それよりさっさと拐われた奴ら取り返しに行かなくて良いのかよ?」

勇者「今行っても返り討ちにあうかもしれねーだろ、もっと強くならねーとな」

商人「そうですね…心配ですけど、僕らまで返り討ちにあってしまったら…」ジーッ

盗賊「ん?なんだ商人北の方を睨んだりして…ああ、北にあるっていう神殿が気になるのか、例の転職が出来るっていう」

商人「あ、いえ、その…」

勇者「まあ、まだ悩んでるなら行くだけ行ってみても良いかもな。どうせすぐに人さらいのアジトまでは行かねーし…なんだ?今倒した魔物、宝箱を…」

戦士「開けてみるぜ!…お?服だぞこれ!防具だ!」

商人「こ、これってみかわしのふく!?凄い、ぬいぐるみに続いてこんな物まで手に入るなんて…!」

盗賊「こいつはなかなかのもんだな。で、誰が装備する?」

勇者「そうだな…迷うが、盗賊が装備するべきか?みかわしのふくっていう位だから、攻撃をかわしやすくするんだろ?なら、一番攻撃にさらされる奴が着るべきじゃねーかな」

商人「ええ、僕もそれで良いと思います」

盗賊「よし、じゃあ遠慮なく…へへ、新しい装備なんていつ以来だ?やっぱりたまには新しい装備を身に付けたいよな。商人や勇者の装備も見つかれば良いんだけどなあ…」

戦士「うおー!景色良いなあ!お、見ろよ、ロマリアが見えるぜ!」

盗賊「うるせえなあ…何とかは高い所が好きって言うし仕方ねえが…」

商人「はは…僕は緊張しっぱなしですよ、魔物が強くてまた死なないかと…」

勇者「まあ、前に来たときより少しは強くなってるからな。そう簡単には死なねーとは思うがな」

盗賊「しかし見つからないな、とげのむち。俺らって探すとなるとさっぱりだよなあ」

戦士「せいなるナイフも全然ダメだったな!」

商人「ま、まあこれからまた下りる間に見つかるかもしれないですし…」

勇者「今の所はスタミナのたねくらいか?めぼしいのは。レア物には違いねーんだろうが、欲しいのはこれじゃねーよなあ…」

戦士「体力はみんな足りてるよな!」

盗賊「今日はやくそうの1つも見つけられてないしな。ま、魔物退治しながら気長に探すか」

商人「そうですね。旅立ってからというものの武器はどうのつるぎ1つ見つけただけですから、そろそろ良いものが欲しいですけれど…」

盗賊「…まあ、当然のように何も出なかったな…」

勇者「狙ってダンジョン行くと出ねえ、なんなんだこれは…」

戦士「物欲センサーってヤツか?」

商人「センサー…?でも昨日みかわしのふくが手に入りましたし…」

盗賊「まあなあ…所で明日どうすんだ?まだ人さらい退治には行かないだろ?」

勇者「そうだな、ピラミッドで今までにないぐらい長く戦えたから、強くはなってるんだろうが、すぐにって訳にはな…」

戦士「ノルドの洞窟の北にもほこらかなんかあったよな?そこどうだ?」

盗賊「そんなのあったか…?まあ、そこもいずれは行くようだろうが、まずはバハラタ北にあるっていう神殿はどうだ?」

商人「!…そうですね、僕は…行きたいです」

勇者「…良いんじゃねーか?特別ここに行かなきゃって場所もねーしな」

盗賊「転職の神殿っていうからには、もしかしたら経験値を稼ぎやすい所があったりするかもしれないしな」

戦士「おっ、良いな!またレベルアップ出来るな!」

勇者「出来るな、じゃなくてしなきゃなんねーんだよ、人さらいに勝つにはな。防具が1つ手に入ったとはいえ、全滅したら装備品の在庫ほぼ0だからな」

商人「厳しい事には違いないですよね…」

戦士「大丈夫だろ、昨日見つかったみたいに明日からも何か見つかるだろ!明日だ明日!お休みお前ら!」

勇者「よし、じゃあ今日は北の神殿を目指すぞ」

戦士「っしゃー、行くぜ神殿!」

盗賊「元気だなお前は…しかし転職が出来る神殿って言ってもよ商人…商人?」

商人「あ、待って下さい、あなほりが…」ザックザック…

盗賊「お前も朝から元気だな…」

勇者「ここの魔物もつえーが、進めば更に強くなるだろうからな、元気でなきゃ困るぜ」

盗賊「ま、そうだけどな…お、なんだ商人、その長いのは?もしかして…」

商人「ええ、見つけましたよ、てつのやり!」

勇者「おお、マジか!こいつはかなりのもんじゃねーか、やるな商人!」

商人「ええ、このくらいはしないと…」フウ…

戦士「で、これ俺が装備して良いのか?」

勇者「ああ、そしてお前が持ってたどうのつるぎは商人にやる。これで二人がパワーアップだ」

商人「良かった…攻撃力不足で困ってたんですよね」

戦士「これで俺はモンスターをバリバリ倒せるぜ!あなほりはすげーな!で、盗みはどうなんだ?」

盗賊「お前…ぱふぱふの時といい俺の心を抉りにくるんじゃねえよ…」

盗賊「おいおい、この辺の魔物強すぎじゃないか?」

商人「厳しいですね…防御力もあがってるからか、武器が強くなった実感があまり無いですね…」

戦士「俺は強くなってるぜ!サルもヤギみてーなのも一撃だ!」ウオー

勇者「あれヤギか?ヒツジじゃねーのか?まあどっちでも良いが、立て続けに守備力攻撃力魔力と上がったのに、ここじゃ苦戦しっぱなしだ」

盗賊「戦士の攻撃力だけだな、十分に通用してるの…お?あの魔物は…」

マッドオックスがあらわれた!キラーエイプがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

戦士「うおお!?あの銀色のやつ、倒してー!うおおおお…!」

メタルスライムはにげだした!

盗賊がおいおい、物凄い逃げ足だな!」

戦士「ぐあああ、ちくしょー!なんかわかんねーけどあいつは倒したかった!」

勇者「ああ、なんなんだろうな、あいつは倒さなきゃいけねー気がしたぜ…」

盗賊「ドラクエってゲームをシリーズ通して何十度もクリアしてるはずだが、あいつを初遭遇で倒せた記憶がねえなあ…」

商人「な、何の話ですか盗賊さん…」

勇者「ーーふう、着いたぜ。しかしやたらと広い神殿だな…」

戦士「おお、色んな奴らがいるな!転職したくてこんな山奥まで来るのか?」

盗賊「どうもそうらしいな…まずはそいつらから話を聞いてみて…」

商人「話ならもう聞いてきましたよ」

戦士「うお、はえーな!」

商人「どうやら転職するとレベルが1に戻ってしまうらしいですね。しかも、転職するにはレベルが20ないといけないらしくて…」

盗賊「商人、今レベル19だったか?」

商人「ええ、さっきその辺で魔物退治したときに上がりました。でもまだ足りないので、神官に一人前にもなってないのにっておこられちゃいましたよ、ははは…」

勇者「怒られたってお前、転職するって言ったのか?」

商人「試しにですよ。正直まだ迷ってますし、レベルが1になるっていうし…」

勇者「まあ、レベル1の奴を人さらい退治に連れては行けねーからな」

盗賊「じゃあ仮にやるとしても人さらい退治してからだな?良いんじゃないか、考える時間が必要だろうしな」

商人「ええ、丁度良いと思ってます。でもどっちにしろレベルは上げないといけませんが…」

勇者「だな。おそらくこの辺で人さらいなんてやってるからにはこの辺の魔物より強いだろうし、俺らみんなもっと強くならないと歯が立ちそうもねー。明日からしばらく時間をかけるようかもな…」

戦士「今日もピラミッドだー!」

盗賊「ったく、墓泥棒にでもなった気分だぜ」

商人「お宝には手を付けてませんから…それにしても、やっぱり武器は見つからないですね…」

勇者「結構探してるんだけどな…とげのむちが手に入れば、戦士に持たせててつのやりは商人に、なんて考えてるんだがな…」

盗賊「取らぬ狸のなんとやら、だな」

戦士「ん?俺がムチ装備すんのか?」

商人「僕よりも勇者さんがてつのやりを持った方が良いのでは…?」

勇者「ムチは複数攻撃武器らしいからな、攻撃力の高い奴が持った方が良いだろ。あと俺は呪文を唱えるって選択肢があるからな、強力な武器は他の奴が持った方が良い」

盗賊「俺が槍装備できればなあ…」

戦士「槍ってか棒切れ以外装備と出来ねーだろ!」

盗賊「出来ないんじゃねーよ、装備出来る武器が見つからねえだけだ!…ったく、俺はいつまでひのきのぼうなんだよ…」

商人「今日も見つかりませんでしたね、とげのむち…種とやくそうは見つかりましたけど…」

勇者「スタミナのたねは2つ盗賊が盗んだな。前も言ったが、欲しいのはこれじゃねーんだけどな」

盗賊「やくそうは3つも見つかったが、1つ使っちまったな。だから+2だ」

商人「ピラミッドの魔物は強いですから、やくそうわ使わなきゃならない場面も多いですよね…」

盗賊「…で、なんでまた夜のこの町に来るんだよ!色々思い出すだろ!」

勇者「ああ、明日は戦士が言ってた北の方にあるほこらを目指す。だからここで今日は1泊だな」

戦士「まだ人さらい退治に行かねーのかよ?」

勇者「まだまだだな。最悪更に二日後も別の人を目指すようだな」

盗賊「ま、全滅だけは避けないとな。一気に装備が4つも飛ぶ」

商人「最近少し在庫が増えたとはいえ、4つ失うと厳しいですね…」

勇者「まあ、レベルアップ次第だけどな。順調にレベルが上がって、さらに強力な装備でも手に入ればもちろん話は変わってくる」

盗賊「俺らの仕事って訳だな」

戦士「ん?最近の強い装備はだいたい宝箱かあなほりじゃねーのか?盗みは別に…」

盗賊「うるせえ!ちょっと調子が悪いだけだ、明日から見てやがれよ!」

商人「あっ、何か建物が見えてきましたよ!」

勇者「ほこらではないようだな…なんだあれ?」

盗賊「中が見えないから何とも言えないな…こんな辺鄙な所にしては結構な造りの建物だな」

戦士「これ湖か?お!見てみろよ、湖の島にも何か建ってるぜ!」

商人「本当ですね。でも良く見えないけど何か…嫌な雰囲気の建物ですね」

勇者「にしてもこの辺の魔物は訳わかんねーな。アッサラーム方面の奴らが出てきたと思ったらバハラタ北部の魔物達も出てくるし…」

盗賊「あげくに緑のカニまで出てきやがる。他はまあ分かるが、なんだあのカニ?なんでこんなとこにいるんだ?」

商人「嫌な敵ですよね、スクルトされたら逃げるしかないし…」

勇者「そもそもスクルトされなくても戦士以外ほとんどダメージ与えられねーんだけどな」

戦士「おい!早くあの中に入ってみようぜ!」

盗賊「だな、さて何があるのか…」

商人「楽しみなような不安なような…ちょっと想像がつかないですからね、こんなところに何があるのか…」

勇者「ここは…宿屋か?こんな所に宿屋が…」

商人「凄い、並の宿屋よりよっぽど立派な宿屋ですよ!でも何故こんな所に…儲かってるのかなあ?」

盗賊「俺らみたいな迷える旅人の為なのかねえ?それで採算が取れるのかは疑問だが…」

戦士「お、誰かいるぜ!なあ、あんたも旅人か?」

兵士「俺か?いや、俺はここの…まあ、住人かな。ここの警護と、あの湖の中に見えるほこらの牢獄を見張ってるんだ」

盗賊「ほこらの牢獄?」

兵士「ああ、あそこは曰く付きでな…今でも無念の死を遂げた者達の魂が彷徨ってると聞く」

商人「そんな所が…あの嫌な雰囲気の正体は…」

勇者「そんな物騒な場所に、どんな事した奴らがぶちこまれるんだ?」

兵士「そうだな、最近だとサマンオサの…いや、よそう。お前達が入ることは無いだろうしな…」

戦士「当たり前だろ!よっしゃ、せっかく宿屋があるんだし休もうぜ!」

勇者「ああ、そうだな…少し気になるな、サマンオサ、か」

盗賊「あの牢獄に行くことになる時も来るのかねえ?少し面白そうではあるがな」

商人「ぼ、僕はちょっと遠慮したいです…」

旅人A「おい、嬉しいけど…本当にうちで良いのか…?」ヒソヒソ

旅人B「信じられないよな…」ヒソヒソ

戦士「んー?なんか騒がしいなー」

使者「素敵な所ね、湖畔の宿なんて」

勇者「うおっ!?なんでここに!?」

盗賊「お、勇者君に会いに来たんですかー?」ニヤニヤ

使者「今日は商人君に話があるのよ。貴方、転職を考えているそうね?」

勇者「どっから聞いたんだこの人は…」

商人「ええ、まだすると決めた訳では無いですが…」

使者「王様からの言葉を伝えるわよ。転職は構わない、何度でも。ただしーーレベルは20まで。あと、最終的には元の職業に戻ることーーこれは商人君に限らないとの事よ」

戦士「レベル20まで!?ハンパじゃねーのか?」

使者「そうね。器用貧乏という言葉が好きらしいのよ。誰がとは言わないけど…」

勇者「王様じゃないのか?まあ良い、そういう事ならそうするしかねーな」

使者「それじゃ、確かに伝えたわよ。ルーラ!」ギュイーンギュイーン…

盗賊「相変わらず神出鬼没だなあの人は…」

盗賊「もちろん戦士は転職しちゃダメだ。いや、忘れてた訳じゃないぜ?忘れる訳ないだろ?忘れる訳ないんだよ」

商人「なんで何回も言うんですか…?」

勇者「転職のレベルに関しては、レベル20までの呪文しか覚えられない、という認識で良いと思うぜ」

盗賊「ただ時間が限られてる縛りだからな、20になったからといってすぐ町に戻らなきゃいけないって訳でもねえ。20になった日に更にレベルアップしたならそれは構わないという話だ」

戦士「そんなに経験値入るかあ?」

勇者「とてつもなく経験値が入る魔物もいるらしいが、今の時点では現実的ではねーな…」

商人「どくばりでもあればなあ…あれも手に入りませんでしたね、結構地底は湖にもいったのに…」

盗賊「地下3階まで下りないとひとくいがが出てこないからなあ。イシス砂漠にもいるが、難しいな…」

戦士「今日もとげのむちは見つからなかったな!」

盗賊レベル19「俺のレベルが上がっただけだな。戦士もあとちょっとらしいがな」

商人「なかなかパワーアップとはいきませんね…」

戦士「明日は見つかるかもしれねーだろ!」

勇者「だと良いがな…まあ明日はまた新しい場所に行くようだし、新しい魔物が新しい装備を持ってるかもしれねえ」

盗賊「今度こそ俺が盗んでやるさ。今まで良いとこなしだが、明日は、明日こそは…」

勇者「山奥の神殿の更に奥にある塔か…とんでもない秘境だな」

盗賊「こういう所にこそお宝がありそうなもんだがなあ」

戦士「どうせお宝があっても持ってけねーから意味ねーな!お、誰かいるぜ!」

女性「ガルナの塔へようこそ。さとりのしょがあれば、賢者にもなれましょう」

商人「さとりのしょ!最高級のお宝ですね!」

盗賊「俺の勘は正しかったな。ま、俺らには関係ないんだがな…」

勇者「てことは、この塔には基本用無しか。他に特別な理由が出来なければだが…」

戦士「ここにくろこしょうあったりしねーのか?」

商人「ここには無いでしょうね、さすがに…」

盗賊「まあ、せっかくだしちょっと探索してみるか?何か飛びっきりの秘密があるかも知れねえ」

勇者「ただで引き返しても仕方ねーしな。とはいえ、外の敵があれだけ強いんだから、ここの魔物はとんでもなく強そうだけどな…」

商人「そ、そうですね。慎重に…」

戦士「っしゃー!行くぞてめーら!」

盗賊「慎重にっつってんだろ!」

ーーマッドオックスがあらわれた!げんじゅつしがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

勇者「あの銀色野郎…!おい、倒す…」

メタルスライムはにげだした!

盗賊「ああー!くっそ、なかなか倒せねえ…」

げんじゅつしはメダパニをとなえた!戦士はこんらんした。

商人「せ、戦士さん、しっかり…!」

戦士「あー?お、魔物だぜー!」ドゴッ

戦士のこうげき!

勇者「ぐおおーっ!くっそ、戦士が混乱したら勝負にならねー、逃げるぞ!」ダカダカダカ…

商人「…ふう、どうやら逃げ切れたようですね…」

戦士「んー?あれ?魔物が勇者になってるぜ???」

勇者「魔物が俺になったんじゃねー、おめーが混乱したんだよ!」

げんじゅつしがあらわれた!げんじゅつしはメダパニをとなえた!せんしはこんらんした。

戦士「おー?お、魔物がいるじゃねーか!」ギラリ

勇者「お前マジふざけんなよ!おい、逃げるぞ!」ダカダカダカ…

戦士「んでよー、勇者が魔物になってよー。あれ?魔物が勇者だっけかな?」ウーン…

勇者「お前…!いや、もういい…それよりもう魔力がねー、ダーマに戻るぞ」

盗賊「体力もギリギリだな…ここで魔物に逢ったら…」

マッドオックスがあらわれた!

商人「ギ、ギラを使う魔物が4匹も!?ど、どうしたら…」

勇者「くっ……!戦うぞおめーら!」

戦士「おおー!そうでなくちゃな、おらあっ!」ズッ

マッドオックスはギラをとなえた!マッドオックスのこうげき!マッドオックスはギラをとなえた!

商人「く、ま、まずい…」

勇者「ちっ、逃げだ!逃げるぞ!」ダカダカダカ

しかしまわりこまれてしまった!マッドオックスはギラをとなえた!マッドオックスのこうげき!

商人はしんでしまった!

勇者「くそっ!逃げるぞー!」ダカダカダカ…

盗賊「…ふう、なんとか降りきったか。だが…」

勇者「今回は完全に俺のミスだ。くそっ、体力と敵の攻撃の激しさを考えたら、逃げ以外に選択肢はなかったのに…」クッ…

戦士「おう、最初に言っとくけどどげのむちは出なかったぞ!」

盗賊「身も蓋もないな…ただ、やくそうは4つ手に入ったぞ、俺が3つ、商人が1つだ。そして…」

商人「あなほりでかしこさのたねが見つかりましたよ。勇者さんは種とレベルアップで魔力がグッと上がりましたよね!」

勇者レベル18「1.2倍位になったな。マホトーンも覚えたぜ」

盗賊「呪文を封じる呪文だっけか?」

勇者「ああ、少し使いどころが難しいかもな。さて、商人のレベルも上がったし、明日は人さらいどものアジトに行ってみるか」

商人レベル20「…いよいよですね」

盗賊「これ以外放っとけねえよなあ。ま、明日アジトに行って明後日攻略ってとこか?」

勇者「まあ、そんな感じだな。お前ら…足引っ張るなよ」

戦士「おおー!やってやるぜ俺はよー!」

勇者「…さて、着いたぜ。おそらくここが人さらいのアジトだろうな」

商人「森の中の洞窟…いかにもって感じですね」

盗賊「辛気臭そうな洞窟だなあ。ま、人さらいにはお似合いか」

戦士「人さらいは良くても捕まってる奴らは大変だろ?さっさと助けよーぜ!」

勇者「だから言ったろ、今日はあくまでも偵察だ。いきなり殴り込み出来るほど俺らは強くねえ」

商人「…外の魔物達にも苦戦してるのに、ダンジョンの魔物はもっと…」ゴクリ…

盗賊「おいおい、弱気になるなよ。俺らだってそこそこ強くなってるはずだろ」

商人「だと良いんですけど…」

戦士「そうだろうとなかろうと行くしかねーだろ!行くぜお前ら!」ウオー

勇者「てめーが仕切んな!だがまあ、行くしかねーのは確かだ。覚悟決めろよ」

商人「…はい!行きましょう!」ザッザッザッザッ…

戦士「おらー!モンスターども、死ねやー!」ズッ

キャットバットをたおした!

勇者「正体が分からねーが…斬るぜ、らあっ!」ザンッ

あやしいかげをたおした!まもののむれをやっつけた!

商人「よしっ!ここの魔物達、思ったほどではありませんね。もちろん強いですが…」

盗賊「だな。魔物じゃないようなのもいたが…」

戦士「あいつら、人さらい達の手下なのかあ?」

勇者「マスクと斧の大男達か?さあな、そうかも知れねーが…なんか思い出すよなあのカッコ…」

商人「ああ、シャンパーニの塔の…あれ?あの影の魔物が宝箱落としてますよ!」

盗賊「お、ラッキーだぜ。開けてみるか…おおお!?これ、とげのむちじゃねえか!なんでこんな所に!?」

戦士「おおお!?これが探してた奴か!スゲー!」

勇者「あんなにピラミッドで躍起になっても見つからなかったのに、こんな所で見つかるのかよ…よし、じゃあ戦士に…」

戦士「んー?俺それ装備出来ねーぞ?」

勇者「マジかよ、それに商人も無理か。じゃあ…盗賊、お前だ。お前の素早さと鞭の複数攻撃はきっと強力なはずだからな」

盗賊「お、良いのか?じゃあお言葉に甘えるぜ…へへっ、初めて武器を更新したぜ、やっとひのきのぼうからおさらばだ。長かったぜ…」

盗賊「ハッハッハッ!喰らえモンスターどもが!」バシィ!

キャットバットをたおした!

商人「他の魔物も弱ってる…それえっ!」ザンッ

キャットバットたちをやっつけた!

戦士「おおー!スゲーなその鞭!」

盗賊「ああ、バシバシ攻撃出来て気持ちいいぜ」

勇者「さっさと魔物を倒せれば魔力の節約にもなるしな…にしてもこの洞窟はどこまでいっても同じような景色で、気を付けねーと迷っちまうな」

商人「本当に…あれ!?誰かいますよ!まさか人さらい…」

戦士「おい!お前人さらいか?」

兵士「うおっ!?な、なんだ魔物じゃないのか…俺はただの迷子だ。この洞窟で迷ってもう何年になったか…」フウ…

商人「た、食べ物とかどうしてるんだろう…」

兵士「以前男があっちの暗がりの方に歩いていってな、追いかけたんだが、どこかでカギを開けるような音がしたのを聞いただけで…」

勇者「見失っちまったのか。にしても、やっぱりここには誰かいるようだな。その男が人さらいなのか人さらい達を追っていったグプタとかいうやつなのかは分からねーが…」

盗賊「まだアジトを変えてないようなら朗報だな。移動してたらもう俺らには見つけられないだろうからな」

商人「となると、明日はいよいよ決戦ですね…でも新しい武器も手に入れたし、きっと…」

戦士「この先に人さらいどもが居るんだよな?っしゃ、行くぜー!」

勇者「待て、確認だ。商人、やくそうはいくつになった?」

商人「全部で25個ありますね。結構ピラミッドで見つかりましたよね」

盗賊「やくそうに関しては俺が上手く調達出来たぜ、へへ」

戦士「武器とか防具はからっきしなのになー」

盗賊「それを言うな!で、装備はとげのむち、みかわしのふく、かわのぼうしだな」

戦士「俺はてつのやり、ぬいぐるみ、きんのかんむりにごうけつのうでわだぜ!」

商人「僕はどうのつるぎ、たびびとのふく、かわのぼうしです。あと持ちきれる限りのやくそうを持ってます」

勇者「俺も装備は商人と一緒だな。ちなみに今装備を紹介した順がならび順だ。まあ、しばらく変わってねーけどな」

盗賊「こうして見ると前二人と後ろ二人の装備の差が酷いな。仕方ないといえばそうなんだが」

戦士「んー?だからおめーが装備見つけねーからじゃねーの?」

盗賊「くっ、しつこいなてめえも…ま、成果が出てないのも事実だがよ…」

勇者「今更んなこと言ってても仕方ねー。敵は目の前だ、覚悟は出来てんだろうな?」

商人「…はい!」

戦士「っしゃー!行くぜ!人さらいなんぞぼこぼこにしてやんぜー!」

ならず者A「なんだあ?誰かの話し声がするな」

ならず者B「話し声?お頭じゃあ…ん?誰だあいつら…」

盗賊「お、いたいた。この様子だとまださらわれた二人もここに居そうだな」

商人「後は助け出すだけですね…」

ならず者A「おい、なんだてめえら?俺達の仲間になりに来たのか?」

戦士「ああ?んなわけねーだろ!さらわれた二人を助けに来たんだよ!」

ならず者B「なんだと?」

勇者「てめえらの悪事もここまでだって事だ。二人を返すってんなら見逃してやっても良いが…」

ならず者A「ふざけるな!てめえらなんかにビビる俺達じゃねえんだよ!」

ならず者B「おい、お前達も来い!こいつらやっちまうぞ!」

ならず者C「おう!覚悟しろよてめえら!」

ならず者D「こんな湿気た所で退屈してたんだ、丁度良いじゃねえか」ボキボキ

盗賊「はっ、揃いも揃って台詞が三下みてえだな!望むところだ、行くぜ!」

ーーカンダタこぶんがあらわれた!

盗賊「一纏まりになってるとは好都合だぜ、そらそらそらあっ!」バシィ!

勇者「一気に畳み掛けるぜ、ギラ!」ゴオオオ…

戦士「おらっ、喰らえっ!」ザクッ

商人「よし、一人はそろそろ倒せそう…」

カンダタこぶんはベホイミをとなえた!

戦士「ああ!?もうちょいだったのによお!」

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!カンダタこぶんのこうげき!

勇者「ちっ、防御力下げる呪文まで使うのかよ!前に戦った時より強くなってやがるぜ!」

盗賊「それはこっちも一緒だろ、おらっ!」ピシャッ

戦士「うおおー!」ザクッ

カンダタこぶんをたおした!

商人「まず一人、ここから…」

カンダタこぶんのこうげき!カンダタこぶんのこうげき!

勇者「商人!大丈夫か?」

商人「ま、まだ平気です…くっ、やっぱり手強い…」

盗賊「防御しとけよ商人!後ろ二人は1発でホイミ分持ってかれるな…」

戦士「やられる前に倒せば良いだけだぜ!うおおおおー!」ザクッ

勇者「先ずは商人にホイミだな、そして…もう1発ギラだ!」ゴオオオ…

カンダタこぶんをたおした!

商人「もう大丈夫、僕も攻撃します!それっ」ガンッ

盗賊「そらよっと!」バシィ!

カンダタこぶんのこうげき!カンダタこぶんのこうげき!

戦士「そんなもんでやられるかよ!うおらあっ!」ザクッ

カンダタこぶんをたおした!

勇者「とどめだ、うらあっ!」ザクッ

ーーカンダタこぶんたちをやっつけた!

戦士「うおおー!勝ったぜー!」

商人「や、やりましたね…いや、まだだ、さらわれた二人の無事を確認しないと…」

ならず者A「ムググ…」

盗賊「よし、全員縛ったぜ。さて…おーい、いたか?」

勇者「ああ、今見つけたーーおい、大丈夫か?」

タニア「ああ、助けて下さい!私はバハラタのタニアです!」

商人「良かった、無事です…!グプタさんも…」

グプタ「突き当たりにあるレバーを引けば、牢の入口が開くはずだ!頼む!」

戦士「お、これだな。そりゃ!」ガゴン ゴオン!

勇者「よし、開いたぜ!」

タニア「ああ、グプタ!私達帰れるのね!」

グプタ「ああ!ありがとうございました皆さん!…さあ、帰ろう!」

タニア「ええ!」

盗賊「ふう、一件落着、かな?」

商人「そうですね…ん?待って下さい!部屋の外から何か…歌声?」

???「まーとーめてー♪まんけーつーポートーフー♪よどおーしーなべのなかー♪おーい!おにくとホルモン、げんきかー?きょうこそ食べるぞー!」キャッキャッ

男の声「だから食べないで売るんだよ。そうすればもっと大きな肉に…なんだ?誰も出迎えに来ないな…」

グプタ「あ、ああ!人さらい達の頭が帰ってきてしまいました!」ガタガタ…

勇者「頭…?黒幕登場って訳か。にしても、この声、どっかで聞いたような…」

頭「おう、帰ったぞ…ああ!?こんな奴らさらったか…?」

子分?「おおお!?ホルモンがふえたぞ!おやぶん、ふえたなら食べていいか?」

戦士「ふざけんな、俺等が食われるかよ!」

盗賊「それよりこいつら、シャンパーニの塔の…!」

頭「ぬう、だれかと、思ったらまたうぬらか!しつこいやつらめ!」

商人「し、しつこいのはそっちでしょうが!まだ悪事を…!」

子分?「あくじ?これはしごとだぞ!はたらかざるもの食べるべからずなんだぞ!」ガオー

勇者「こんな仕事があるかよ…おい、あんた達下がってな!」

タニア「は、はい!」

グプタ「勇者様、ご武運を…!」

頭「今度こそは負けねえぞ!やっつけてやる!」

子分?「食べるぞー!」ガオー

ーーカンダタたちがあらわれた!

盗賊「今回もまずは子分からだろ?そらっ!」ピシャッ

勇者「ああ、出し惜しみは無しだ。ギラ!」ゴオオオ…

戦士「おらあっ、これで決まりだあっ!」ザクッ

カンダタこぶんはベホイミをとなえた!

商人「ああっ、また回復を…!」

カンダタのこうげき!カンダタこぶんのこうげき!

盗賊「くっ…、思った程ではねえな!」

商人「ええ、僕でも耐えられ…」

カンダタこぶんはルカナンをとなえた!カンダタのこうげき!

戦士「うおお!?防御力下げる呪文は卑怯だろ!」

勇者「敵にんなこと言ってもしょうがねーだろ!…おい、盗賊!」

カンダタのこうげき!盗賊はすばやくみをかわした!

商人「おお!さすがみかわしのふく!」

盗賊「こいつは本当に良い防具だぜ。よっしゃ、ここから反撃だぜ!」

戦士「今度こそ、おらっ!」ザクッ

商人「僕も…それっ!」ガッ

カンダタこぶんをたおした!カンダタこぶんをたおした!

盗賊「よし、残りは親玉だけ…」

カンダタのこうげき!

商人「うっ…き、効いたあ…」

勇者「商人、回復してやる!自分でもやくそうを使えよ!ホイミ!」パアア…

商人「や、やくそうを…ふう、なんとか息を吹き返しました」

戦士「よっしゃ!後は集中攻撃するだけだ、オラオラッ!」ズッ

盗賊「誰がナンバーワンの盗賊か教えてやるぜ、そらそらあっ!」バシィ!

カンダタのこうげき!

勇者「ぐおっ…!まだまだ余裕があるぜ、うらっ!」ガッ

商人「そ、そうは言っても勇者さんにやくそうを…」

戦士「うおおー!突撃ぃ!」ドドド…

ーーカンダタをたおした!

頭「参った!あんたらには敵わねえや…」

戦士「はっはー!完勝ってヤツだな!」ウオー

盗賊「まあ、思ったよりはな」

勇者「さて、この人さらい達は…」

頭「俺達はもう本当にこれっきり足を洗う。だから見逃してくれよ。な?」

商人「どうします?前も盗みを働いてましたし…」

勇者「……まあ、良いだろ。俺らはさらわれた人たちを助けに来ただけだしな」

盗賊「くろこしょうを買うためにな」

戦士「もしまたわるさ働いても、また俺等がやっつけてやるぜ!」

勇者「…という訳だ。もう悪さすんなよ」

頭「ありがてえ!あんた達の事は忘れねえよ!ありがてえ…」ナムナム

グプタ「勇者様!本当に、本当にありがとうございました!さあタニア、今度こそ帰ろう!」

タニア「ええ!ありがとうございました!勇者様!では!」タタタ…

商人「あっ、洞窟には魔物がいるから危ないですよ!」

盗賊「行っちまったな…さ、俺らも帰ろうぜ。くたくただよ俺は…」

頭「…行っちまったか」

子分A「お頭…」

頭「なにやってんだ、あいつらの縄をほどいてやるぞ…よし、全員生きてるな」

ならず者A「お頭、俺達が不甲斐なくて申し訳ねえ…」

頭「いや、相手が悪かった。そろそろ悪事も潮時かな」

子分?「ん~…」

頭「おお!大丈夫か!?しっかりしろ!」

子分?「…おなかへったぞ~…」グウー…

頭「はっはっは!そうだな、俺も腹が減ったよ!じゃあまずは飯にするか!それから…どうするかな…」

ーー

猫「うにゃあ、人さらい達から逃げてたら道に迷ったのですにゃあ…どこへ行けば…にゃっ!?あの声は…!」

旅人女「バカ猫、こんな所にいたのかい!さ、早く戻って食扶持稼ぐんだよ、ほら!」ゲシゲシ

猫「ふにゃー!?さらわれてた時と変わらない扱いなのですにゃー!」オアー…

ーー夜、バハラタの宿屋

戦士「いやー、食ったし飲んだし人さらいはやっつけたし、最高だな今日は!」

勇者「うるせえな…俺は疲れた」

盗賊「俺も疲れたなあ。ま、無事に二人を助け出せたし…なんだ商人?」

商人「いえ…あの、転職の事なんですが…」

勇者「…ああ」

商人「やっぱりしばらくは商人のままでいようかと思うんです」

戦士「おー!良いじゃねーか!」

盗賊「…水を差すようだがよ、お前はもう心が決まってたと思ってたよ、転職する方にな。どういう心境の変化だ?」

勇者「思ったより楽に勝てたからだろ、人さらいに」

商人「ええ…でも転職しないという訳ではなくて、行き詰まったら…例えば全滅したらするとか、そういう風に考えているんです」

戦士「全滅なんかしねーけどな!」

盗賊「どうかな、ここから先は分からないぜ。てか、書いてる奴の気が変わったって訳だな」

勇者「なんの話だよ…」

グプタ「ああ、皆さん!昨日はありがとうございました!本当にありがとうございました!」

勇者「…ああ」

盗賊「嬉しい時は嬉しそうな顔しろよ勇者。それよりグプタさんよ、俺らはくろこしょうを買いに来たんだが…」

グプタ「くろこしょうですね!はい、こちらになります!もちろんお代は要りません!」

戦士「おお、太っ腹だなおい!」

商人「いやあ、流石に悪いですよ…」

グプタ「いえいえ、命の恩人ですから、これくらい当たり前ですよ!」

勇者「そうか…じゃあ有りがたくいただくぜ。どうもな」

旅人女「へえ、あんた達が人さらいからたすけたのかい?おかげでアタシもくろこしょうが買えるってもんだ、ありがとうな」

盗賊「あんたは初めてバハラタに来たときにいた…あんたもくろこしょうが目当てだったな」

戦士「っておい、そんなに買うのかよ?!俺だって持ちきれるか分かんねーぞそんな量!」

旅人女「心配いらないよ、アタシには良い荷物持ちがいるんだ、そいつが全部運んでくれるさ。これだけ西に持って帰れば大儲けだろうねえ」クックッ…

商人「凄い、よっぽどの力持ちなんでしょうね、その荷物持ちの人…」

王「おお、そなたはくろこしょうを求めて東方へ赴いた盗賊だったな」

戦士「おいおい、俺だって言ったぜ!」

盗賊「黙ってろよ。俺が先頭にいるから俺の名を呼んだだけだろ」

王「して、どうだった?やはりダメだったろう…」

勇者「王様、これを」サッ

王「こ、これはくろこしょう!?まさか手に入れたというのか!おおお、さぞかし過酷な旅であっただろう…」

商人「そうですね、主に足袋より人さらいがですが…」

王「よし、では約束通り船をやろう!城の外に出てみるといい」

戦士「まじか!うおおー、やったぜ!」

勇者「静かにしろ、城内だぞ!…有り難き幸せにございます。では…」

商人「す、凄いです、本当に僕達船を…」ウルウル

盗賊「おいおい商人、なに泣きそうになってんだよ!さ、早く船を見に行こうぜ、俺達の船を!ほら早く!」ソワソワ

勇者「おめーだってそわそわしてるじゃねーか…しかし自分の船か、これならきっと、いや必ず…」

戦士「おおおー、これか!?これが俺達の船か!?」

商人「戦士さん、あんまりはしゃがないで!海に落ちちゃいますよ!」

盗賊「これか…おもったよりずっとでかいな。これならどこへでも行けるだろうさ」

勇者「行ってもらわなくちゃ困るぜ。親父の足跡、魔王の居場所…」

戦士「どこへでも行けるのか!じゃあどこ行く?最初にどこ行く?」

盗賊「少し落ち着けよ…でもそうだな、今日はどこか新しい土地へ行かなきゃならないし…」

商人「なら、対岸にある灯台はどうですか?町の人も、まずは灯台に行くようにって言ってましたよ」

勇者「灯台か、外に出ればみえたよな?最初の目的地にしては近すぎる気もするが、まあ良いんじゃないか?」

盗賊「最初に行けって言うんなら誰か居るんだろうな。よし、ならそこで情報収集だな。海の人間にしか分からない事も知ってるかも知れないしな」

戦士「よっしゃー!じゃあ乗り込めお前ら!」

勇者「てめーの船みてえに言ってんじゃねーぞ!パーティーの船だからな!」

商人「ははは…でも本当に凄いなあ、僕達これからは更に広い世界に出ていくんだなあ…」

戦士「おいほら見ろよ、ピラミッドだぜ!」

商人「海から見ても砂漠は広いですね…」

盗賊「この辺りの海、小さな島が沢山あるんだな。知らなかったぜ」

戦士「あ、おい!ロマリアが見えてきたぜ!」

商人「徒歩だとぐるっと回らなきゃ行けないけど、船だと近く感じますね」

勇者「…ったく、船で優雅に遊覧かよ…おもちゃじゃねーんだぞ船は」

盗賊「お前は若いのに固いなあ。もっとはしゃげよ」

勇者「うるせーな、お前らみてーにはしゃげるかよ…おい、もう夜になったぞ!いつまで遊んでんだ!」

戦士「おお、そういや暗くなったな!よし、じゃあどこに泊まる?」

盗賊「夜になったならアッサラームだろ。ほら、早くしないと夜が明けちまうぜ」

戦士「おお、ぱふぱふだな!行こーぜ!」

盗賊「いや、俺は行かねえからな…」

戦士「うおー!今日も1日魔物退治で疲れたぜ!」

商人レベル21「僕と勇者さんはレベルが上がりましたね!」

勇者「俺は新しい呪文を覚えたぜ。が、あまり使わねーだろうなトヘロスは…」

盗賊「せいすいと同じ効果だったか?俺らは時間が限られてる以上、出来れば魔物とは戦いたいからな」

戦士「全部ぶっ飛ばしてやるぜ!」ウオー

商人「はは…それより、明日はどうします?せっかくダーマに来たし、ここから船で旅するのもアリじゃないかと…」

勇者「それも良いが…やっぱりあの灯台にいた男の言う通りポルトガから南に向かう方が良いんじゃねーかと思ってる」

盗賊「ま、それで良いんじゃないか?テドン岬を周ってランシール、だったかな?」

商人「分かりました。聞いたことのない地名ばかりですね…」

勇者「これからはそういう土地にばかり行くことになるだろうな。昨日戦った限りでは海の魔物もそこまで強くはなかったが、だんだん危険にはなるかもな」

盗賊「危険、上等じゃないか。やっぱり冒険にはスリルがないとな。なあ?」

戦士「おー!どんな魔物だろうが俺が蹴散らしてやるぜー!」

ーー50日目、ポルトガ沖

戦士「おおおーすげーぜ!船って結構早いんだな!」キャッキャッ

勇者「だから落ち着けよ!海に落ちても知らねーぞ!」

商人「誰のためにか…何のためにか…分からぬままに漕ぎ出す船…かあ」フウ…

盗賊「なんだ、おセンチだな商人。船旅は不安か?」

商人「いえ、そんな訳じゃ…ええ、本音を言えば少し…」

盗賊「まあ分かるけどな。どこで海の藻屑になるかも分からないしなあ」

勇者「んな事言ってたら船旅なんか出来ねーだろ。それに何のためにかは分かってる。魔王を倒すためだ、違うか?」

商人「ええ、もちろん分かってますよ。ただ、50日旅して来て、未だに魔王の居場所も分からないなんて…」

勇者「それを見つけるんだよ、この船でな。例えどこにいたって、必ず見つけて倒して見せる」

戦士「おおー!俺達なら出来るぜ、魔王打倒!」ウオー

盗賊「ちっ、能天気だねえ。ま、そうでなきゃこんな旅は出来ねえよな…おっと、何か見えるぜ。ほこらか?」

商人「そうみたいですね。どうしましょう勇者さん?」

勇者「そうだな…いや、もう少し先まで行ってみよう。まだ日も高いし、もしかしたら町か村が見えてくるかもしれねーからな」

盗賊「了解。しかし果てしないな海は。この船で世界の果てまで行けるのか…楽しみだな、ふふっ」

戦士「おいおい、夜になっちまったぜ、どーすんだよ!今日どっか行かなきゃいけねーんだろ?」

勇者「お前に言われなくても分かってるよ!とはいえ、この先に町や村があるもんなのか…?」

商人「テドンの岬ってまだなんでしょうか…あ、勇者さん、この川を登ってみませんか?」

勇者「…いや、もう少し進んでみよう。そろそろ岬のはず…」

戦士「本当かあ?…お、あそこ見ろよ、岬じゃねーか?」

商人「本当ですね!でも…ここから何処へ…」

盗賊「村ならあるぜ、ここから上陸しよう」

勇者「…本当か?」

盗賊「ああ、盗賊の目は良いんだよ。あれは多分村、それもかなり寂れた感じに見えたが…まあ行ってみないと分からないな。それに…」

商人「もう夜も更けてきましたし、僕達に選択肢は無いですね…」

勇者「じゃあ行ってみるか。こんな所にある村か、栄えてはいねーだろうが、あるだけでありがてえと思わなきゃな…」

勇者「ちっ、山が険しいな…」

戦士「本当にこの山越えたら村あるんだろうな?!」

盗賊「まあ俺を信じろって…お?」

シャーマンがあらわれた!

商人「村の住人…ではなさそうですよね」

勇者「明らかにやる気じゃねーか!やるぞ!らあっ!」ガッ

戦士「おらっ、人かもしれねーが手加減しねーぜ!」ザクッ

シャーマンはベホイミをとなえた!

商人「ああ、もうちょっとで倒せたのに…!」

シャーマンはなかまをよんだ!くさったしたいがあらわれた!

勇者「はあ!?死体を呼ぶのかよ!ネクロマンサーって奴か!?」

盗賊「やるしかねーぜおらおらっ!」ピシャシャァッ!

勇者「こいつらにどれだけ効くか知らねーが…ギラ!」ゴオオ…

戦士「うおおお、突撃ぃー!」ドガッ!

ーーまもののむれをやっつけた!

シャーマンのこうげき!じごくのよろいのこうげき!

商人「うっ…この鎧、攻撃力が凄すぎます…」

盗賊「とはいえ、倒すのは回復する方からだな、そらそらっ!」ピシャシャッ

戦士「そりゃあっ!」ザンッ

シャーマンをたおした!

勇者「数の多い鎧の奴を狙うぜ、ギラ!」ゴオオ…

じごくのよろいにはきかなかった!じごくのよろいにはきかなかった!じごくのよろいにはきかなかった!

商人「ぜ、全然効かないなんて!?僕の力じゃあんまりダメージも与えられないし…」

戦士「俺に任せろー!おらあっ!」ガゴン

シャーマンはベホイミをとなえた!

盗賊「ちっ、一人仕留め損ねたせいで…!」

じごくのよろいのこうげき!じごくのよろいのこうげき!

勇者「ぐおおっ!?くそっ、俺もいてえが商人が…防御してろよ!ホイミ!」

盗賊「へっ、スリルが出てきたじゃないか!だが俺は死ぬのが好きな訳じゃないぜ!ギリギリで踏ん張れるからこそのスリルだ!お前らも踏ん張れよ!」

戦士「うおおお、らあああっ!」ズガン!

じごくのよろいをたおした!まもののむれをやっつけた!

勇者「くっそ、バハラタやダーマ辺りと比べて魔物強すぎだろ…」ハアーッ…

商人「魔物じゃならそうなヒト達もいましたね…それにしても、少し守備力が高いと僕の攻撃力だとなかなか…」

盗賊「防御とか力うんぬんじゃなくてよ、そもそも装備がなあ。お前らまだどうのつるぎだろ?」

商人「そうなんですよね…あの時せいなるナイフが見つけられれば…」

勇者「言ってもしょうがねーだろ。俺こそギラじゃ流石に火力不足も甚だしいぜ」

戦士「ん?盗賊のとげのむちよりダメージ出せるだろ?」

勇者「大して変わらねーし、魔力使って大差なしじゃな…魔力はホイミにも使う訳だしな」

盗賊「まあ、そっちはレベル上がればじき解決するだろ」

勇者「そのじきって奴がすぐなら良いんだがよ…っと、あれは…」

商人「む、村ですよ村!…って何でしょう、少し雰囲気が…?」

戦士「っかー!ボロ汚ねー村だなオイ!」

勇者「声がでけー!…いやしかし、これは…」

商人「なんていうか、村の中はずいぶん荒れてるのに、村の人達は元気ですよね」

盗賊「夜なのに、な…」

商人「何か気になるんですか?」

盗賊「いや…それよりこの村ではかなり貴重な話が聞けたんじゃないか?」

勇者「ああ、この北の山奥に魔王が居る。はっ、行くべき場所が分かったぜ」

戦士「でもこの山は越えられねーよなあ。どうすんだ?」

商人「うーん…船でも行けないとなると、やっぱりオーブを集める必要があるんでしょうか?船が要らなくなるっていう…」

盗賊「船が要らなくなるってのがどういう意味なのか、空を飛ぶのか地面に潜るのか…」

戦士「で、この後どーすんだよ!」

勇者「確かこの村のじいさんがランシールに行けと言ってたな。牢屋の扉を開けられるカギを手に入れろってな」

商人「なんだか物騒なカギですよね…でも、それがあればもっといろんな所へ行けるのでしょうし、そうなればオーブも…!」

勇者「そうなれば魔王の所へも行けるだろうな。よし、目標が明確になってきたぜ。この村に感謝しなきゃな…」

勇者「おいっ!いつまで寝てんだ、起きろ!おい!」

戦士「ああ~?もう朝飯か…へっぶし!さっむ!ってあれ?毛布は?布団は???」

盗賊「ねえよ…もともとそんなもの無かったんだよ、見てみろよ」

戦士「ん~?…お、おい!?こ、これどうなってんだ!?どうなってんだよ!?」

商人「わ、分かりません…起きたら誰も居なくて…」

戦士「そうじゃねえ!この村…この村…!」

勇者「…滅んでる、な。しかも昨日今日の話じゃねえな。くそっ…」

戦士「じゃ、じゃあ…じゃあ昨日の村人達は…!」

盗賊「なんだったんだろうな。おかしいとは思ったんだ、連中夜なのにまるで昼みたいなせいかつしてたからな」

勇者「足元もよく見えないような所に何人も人が居たりしたな。今思えばだが…」

商人「酷い…これを、魔王が…?」

盗賊「しかいないだろこんな事する奴は。むしろ他に居る方が怖いぜ」

勇者「やがて世界中がこうなるってか?させねえぞ、今に見てろよ、てめえの首ぶった斬りに行くからな魔王…!」

盗賊「…ダメだな、やっぱり誰も居ねえ」

商人「こっちもです…」

戦士「これ、どのくらい経ったんだろうな?」

勇者「見当もつかねえな…ここ数ヶ月って感じじゃねえのは確かだが…」

商人「1年なのか5年なのかそれとも…時間が経ってるわりには他の場所で噂になってませんね」

盗賊「こんな辺鄙な所じゃなあ…この後どうする?ここに居ても仕方ないだろ」

勇者「そうだな…ここを見つけた時は良い中継地点が見つかったと思ったんだが、そういう意味では宛が外れたな…」

商人「そうですね、これじゃあ…」

勇者「いや、そもそもここはルーラで来られないらしい。ここから先の冒険をどうしたものかと思ってな…」

盗賊「とりあえず今日はまたどっかで経験値稼ぐようだろ?外の魔物の強さを考えれば、このままじゃ危険だ」

戦士「なあ、ここに来るまでに確かほこらか何かあったよなあ?あそこに誰かいたら何か知ってるんじゃねーか?この村の事」

商人「ああ、そうかもしれないですね!」

勇者「今更何か知ってどうにかなるものでもなさそうだがな…まあ、当面はそれで行くか。今日は経験値稼ぎ、明日はそのほこらに行く」

盗賊「決まりだな。しかし…この旅でここまで気持ちが落ちたのは初めてかもしれないな…」

商人「そうですね、今までも色々ありましたけど、こんなには…魔王の脅威というものを初めて目の当たりにした気がします。でももう疑う余地は無くなりましたね、恐ろしい事に…」

げんじゅつしはマヌーサをとなえた!

戦士「うおおっ!?みんな幻に包まれちまったぞ!当たらねー!」ブンブン

げんじゅつしのこうげき!キラーエイプのこうげき!

商人「うわ、痛い痛い!」

盗賊「くそっ、当たれー!」ピシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「くそっ、町から出てすぐにぼろぼろだ…」

盗賊「俺らはマヌーサに弱いな。魔法使いがいないから仕方ないのかもしれないが…」

戦士「くそー、当たんねーとストレス溜まるぜ!」ウガー

商人「呪文の効果がある武器とかあれば良いんですけどね…あ、また魔物ですよ!」

アントベアがあらわれた!デスジャッカルがあらわれた!

勇者「たった2匹か、さっさと片付けて…」

デスジャッカルはマヌーサをとなえた!

戦士「あー!また当たらねー!ちくしょー!」ブンブン

商人「本当にマヌーサに弱いですね僕ら…」

戦士「なあ、思ったんだけどよ、最近お前全然盗んでねーよな?」

盗賊「はあ?お前、本文中に無いだけで盗んでるんだよ!48日目にシャーマンからちからのたね盗んだりとかな!」

戦士「その前は?」

盗賊「ピ、ピラミッドでやくそうとか…」

戦士「武器とか防具とか全然盗まねーよなあ、てつのやりとぬいぐるみはあなほりで、とげのむちとみかわしのふくは宝箱だろ?」

商人「まあ、滅多に武器とかは見つかるものでもないですし…」

盗賊「お前らなあ…良いか?盗賊ってのはレベルが上がる毎に盗みやすくなるんだよ。これがどういう意味か分かるだろ?」

戦士「あー、そういや前はかわのぼうしとかたびびとのふくとか盗んでたかもしれねーな。そうか、お前レベル下がったんだな?」

盗賊「ちげえよ!俺はこれからだって事だよ!」

勇者「それ何回も聞いた気がするがな…」

商人「でも、そろそろ僕と勇者さんの装備をなんとかしないといけないですよね。頑張りましょうね盗賊さん!」

盗賊「当たり前だ!見てろよお前ら!凄いの見つけてやるからな!」

勇者「だと良いがな…まあ、このままって訳にもいかないだろうし、期待してるぜ」

戦士「お、見えたぜ、あのほこらだ!」

勇者「じゃあここから上陸だな。…ちっ、もう暗くなってきやがったぜ」

商人「この辺りはどんなモンスターが出るんでしょうね?東の岩山を越えればイシスでしょうから、その辺りのモンスターなのか…」

ーーホイミスライムがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

盗賊「うおおっ!?メタルだぞ!逃がすな!ホイミスライムは俺に任せろ!」ピシャシャッ

戦士「っしゃー!オラオラ!」ガッ

勇者「うらあっ!よし、あと一息…」

メタルスライムはにげだした!メタルスライムはにげだした!ホイミスライムはホイミをとなえた!

商人「ああっ!逃げていきます!」

盗賊「残ったヤツも回復されたな…だがまだチャンスはあるぜ!そらそら!」ピシャシャッ

勇者「このやろっ!そらあっ!」ガツン!

戦士「うおおー!喰らえー!」ガギン!

ーーメタルスライムをたおした!まもののむれをやっつけた!

商人「やった!やりましたよ!」

盗賊「ああ、上手くいったな。しかしあいつを倒すと凄い達成感だな。なんとなくレベルが上がりそうな気がするぜ」

商人「着きましたね。ここは…教会なんですね」

戦士「こんなとこに教会なんてあるんだなー。メシとかどうしてるんだ?」

勇者「んな事よりさっさと話聞くぞ…どうも」

シスター「こんばんは。ここは迷える船乗り達が辿り着く教会です」

盗賊「迷える船乗り、か…近くの町や村から訪ねて来る人なんかは…?」

シスター「かつてはテドンの人達も訪れていました。けど、今は…」

勇者「ああ、俺達も行ったよ、テドンに…」

戦士「夜は人がうろうろしてたのによ、朝になったら誰もいねーんだよ!」

シスター「そんな事が…?では、テドンの人々は未だに苦しみ続けて…」

神父「死して尚、ですか…いずれ我々が救いに行かねばなりますまい…」

盗賊「よろしく頼む、と言いたい所だが…この辺りの魔物も強いからな、なかなか難しいと思うぜ」

勇者「…もう少し、待っててくれないか?そのうち、魔物が居ない平和な時が来る。その時まで…」

神父「そのような時が…?」

勇者「きっと…いや、必ず」

神父「…分かりました。では、その時を待ちましょう。それまで我々は、テドンの皆さんの為に祈りましょう…」

商人「…やるしかありませんね」

勇者「もともとそのつもりだ。魔王も魔物も根絶やしにしてやるよ、見てろよ…っと、夜が明けちまったな」

ーー53日目

商人「夜明けまでに町に戻れませんでしたね」

戦士「どーすんだよ!?1日損しちまうんじゃねーのか?」

勇者レベル20「そうでもねーだろ。あのメタル野郎のおかげで全員レベル上がったしな」

盗賊レベル21「あれからもう1体倒せたしな」

商人レベル22「その辺のダンジョンに籠るより効率が良かったかもしれませんね」

戦士レベル21「そういやそーだな!で、これからどうすんだ?」

勇者「このまま南下するか。テドン岬を越えれば、おそらくアッサラームかバハラタ辺りに着くはずだ。今日はそこで泊まって、明日ランシールを探そう」

盗賊「なるほどな。おっと、因みに俺らは世界地図も持ってないぜ。宝箱に入ってたから取れなかったんだ」

商人「誰に言ってるんですか…?でもそういう事なら急がないといけませんね」

勇者「また夜が明けたらまずいからな。流石に2日宿に泊まらないと厳しいだろうからな」

戦士「っしゃー!じゃあ進路は南!行くぞお前ら!」ウオー

盗賊「仕切ってんじゃねーよ。さて、また船旅だな。予定通り町に辿り着けると良いが…」

盗賊「左手に見えるのがテドン岬だよな?さて、ここから先は…」

商人「この辺りは…多分北に行けばアッサラーム、このまま東に進めばバハラタじゃないかと思いますけど…どうします?」

勇者「真っ直ぐ行くか。バハラタを目指す」

戦士「っしゃー!舵はそのままだぜ!」

盗賊「ちっ、また暗くなってきたな。夜明けまでに間に合うか?」

商人「どうでしょう…あ、見えてきましたよ、バハラタです!」

勇者「ギリギリ夜明け前に着きそうだな。よし、下船の準備だ!」

戦士「おー!宿に行ってメシだぜー!」

盗賊「俺はもう寝たいなあ。腹が減ってない訳じゃないが、昨日もろくに寝てないしな…」

商人「ですね。ベッドに飛び込みたいです…」

盗賊「ふう、着いた着いた。さあ寝るか…ってこんな時間に起きてる住人もいるんだな」

商人「何話してるんですかね。すみません…」

男性「こんばんは。あんた達、自分の船を持ってるんだって?凄いなあ」

戦士「はっはー!すげーだろ!」

勇者「威張るなよ…つーかそんなことまで噂になってんだな」

男性「良いなあ。海の向こうのお宝なんかも手に入れられるんだろうな。俺も魔物さえいなけりゃな…」

商人「海の魔物は手強いですからね」

大男「海の魔物も怖いだろうが、陸の魔物だって恐ろしいぜ。以前テドン岬で朽ち果てた町を見たって船乗りがいたぜ」

盗賊「テドン…!そっちも噂になってたのか」

男性「あんた達も見たのかい?」

勇者「ああ、まあな…」

大男「噂は本当だったんだな。やっぱり魔王がやったんだろうか?」

商人「そうじゃないか…と思ってます」

男性「おお、恐ろしい。やっぱり俺に船旅は難しいなあ」

勇者「…少しずつ魔王の脅威が世界に広がってるんだな。くそっ…」

勇者「じゃあ今日は予定通りランシールを目指すぞ」

戦士「おおー!…で、どっちに行くんだ?」

盗賊「南か東かの二択だよな。どうする?」

商人「東に行けばダーマがありますよね。南は…海の向こうには何も見えませんが…」

勇者「ダーマに行った時はランシールの話なんて聞かなかったからな。陸続きになってるであろう東の線は薄いか?」

盗賊「ダーマの近くにあるなら噂で聞いてもおかしくないからなあ。となると、南か?」

戦士「はっはー!果てし無い海の向こうへ!冒険って感じだぜー!」ウオー

勇者「うるせー!だがまあ、確かに今までの冒険とは違うかもな。陸なら歩き続ければどこかには着くだろうが、海は…」

盗賊「海だってどこかに着くさ。よし、じゃあ南に行ってみようぜ!」

商人「あ、待って下さい!あなほりしないと…」ザッザッ…

盗賊「話のコシを折るなよ…」

戦士「うーみーはーひろいーなーおおきーいーなーっと!はっはー!ほんとに果てし無いぜー!」

勇者「まだ月が昇ってもらっちゃ困るがな…ちっ、夕方になっちまったな」

商人「そうですね…やっぱりそう簡単には見つからないですね」

盗賊「そもそもランシールってのは島なのか?大陸なのか?どのくらいの大きさなのか?全然分からないからな」

勇者「通り過ぎてる可能性もあるんだよな。今日見つけられねーとなると、ペナルティで装備を1つ捨てないと…」

戦士「おっ!ほら見てみろよ、何か見えるぜーー島だ!」

盗賊「マジか!?…おお、見えるぜ!島、いや小大陸か?とにかく陸地だ!」

商人「やりましたね!あれがランシールなんでしょうか?」

勇者「さあな。来たことある場所だったら勘弁だが…」

盗賊「いや、見てみろよ。見たことない景色だ、ここは初めて来る場所だ、やったぜ!」

戦士「よっしゃ上陸だぜー!」

商人「ま、待って下さい、準備を…新しい土地かあ、どんな人が住んでて、どんな物を売ってて、どんなモンスターがいるのか…ああ、期待と不安でどうにかなりそうですよ…」

盗賊「野を越え山越え…山を越えたら森か、険しい道のりだな」

戦士「お?この程度で弱音かよ!俺はまだまだ元気だぜー!」ヒャッホー

勇者「はしゃぐな!無駄に体力使うんじゃねー!っと…」

しびれあげはがあらわれた!シャーマンがあらわれた!

商人「うわ、あの仮面のヒトたち、四人もいますよ!」

戦士「まず俺はちょうちょ倒すぜ!おらー!」ザクッ

しびれあげはをたおした!

勇者「よし、あとはこっちもだ、らあっ!」ザンッ

シャーマンはベホイミをとなえた!

商人「ああっ!回復されちゃいましたよ!このっ、このっ!」ガンガンッ

シャーマンはベホイミをとなえた!シャーマンのこうげき!シャーマンのこうげき!

勇者「ちっ、そこまで痛くはねーが、回復されるとキリがねーな!」

戦士「任せろ!俺なら一撃だぜ、おらー!…あれ?倒せねー」

シャーマンはベホイミをとなえた!シャーマンのこうげき!シャーマンのこうげき!

盗賊「いてててて、くそっ、このままじゃまずいぜ、少しでも数を減らさないと…」

勇者「ちっ、やつらが呼んだくさったしたいが面倒だぜ…そらっ!」ザンッ

商人「うう、疲れてきた…そらっ!」ガッ

戦士「うりゃあー!」ドッ

シャーマンをたおした!くさったしたいをたおした!

シャーマンのこうげき!シャーマンのこうげき!くさったしたいのこうげき!

勇者「くっ…うらあっ!」ガッ!

ーーまもののむれををやっつけた!

盗賊「あー、やっと終わった!あいつらただでさえ体力高いのにベホイミまで使うからしぶといぜ!」

戦士「つーかよお、あんなひと山いくらの連中がベホイミ使えるのになんでこっちはホイミなんだ?」

勇者「悪かったなホイミしか使えなくて」フンッ

商人「ま、まあまあ…勇者さんは僧侶みたいな専門家じゃないですから…」

盗賊「敵の攻撃はどんどん苛烈になっていくしな。でもまあ、今のところなんとかやっていけてるじゃないか」

勇者「ギリギリだけどな…どこまでこの調子で行けるのか…」

戦士「お?みてみろよ、明かりが見えてきたぜ!町か?村か?」

商人「あ、本当ですね!ふう、やっと休めますね。船旅に山道に魔物でくたくたです…」

勇者「どうやらここがランシールで間違いないようだな」

盗賊「ああ。で、昨夜宿屋で聞いた話では、ここには神殿があるらしいな」

商人「ええ、さっきあった人もそう言ってました。宿にいた男性には見つけられなかったようですけど…」

戦士「んな見つけづらいとこにあんのか?」

商人「どうなんでしょう…?村の人達もあるとは教えてくれましたけど、どこにあるかまでは…」

勇者「神殿っていうからには神聖な場所なんだろう。あんまり部外者には教えたくないのかもな」

盗賊「もしくは危険な場所か…へっ、面白そうじゃないか」

商人「いやあ、危険なのはちょっと…あ、村の北の方を探してみませんか?」

勇者「森か…神聖な場所だ、こういう森の中に隠されている可能性もあるな…」

盗賊「行ってみようぜ…お、何か見えてきたぜ」

戦士「おお!?これが神殿か?でけーな!」

勇者「ああ、確かに神殿は大きいとは聞いていたが、これほどとはな…これは何かありそうだな、期待して良いかもしれねえ。よし、行ってみるぜ」

商人「ふう、近くで見ると本当に大きいですね…」

盗賊「ああでかいな。でかくて立派な神殿だ。だが…」

戦士「入れねー!牢屋のカギみてーなので入れねーよ!」

勇者「おいおい、牢屋さえ開けられるカギの情報を求めてここに来たのに、牢屋のカギが開けられなくて阻まれるとかあり得ねーだろ」

商人「これは困りましたね…あれ?あそこの隅っこに何か…」

盗賊「おいおい、あれはスライムだぜ!モンスターが村の中に入ってきてるのかよ!」

勇者「しかも神聖な神殿の目と鼻の先だ。いや…こんな所にいるんだ、邪悪な魔物じゃないのか…?」

戦士「悪くねー魔物なんているのかよ?おい!そこのスライム!」

スライム「きえさりそうは持ってるかい?」

戦士「あ?なんだそりゃ?」

盗賊「いや、つーか喋ったぞコイツ…」

スライム「なーんだ、持ってないのか」

商人「その、きえさりそうを持っていたら…?」

スライム「だったらエジンベアのお城に行きなよ」

勇者「エジンベア?聞いたことねーな。だがまあ、この村だって知らなかったんだ、知らない町位あるだろうが、モンスターの言う事が信用出来るのか…」

戦士「で、海に出たは良いがよ、エジンベアの場所分かるのかよ?」

盗賊「そりゃお前、盗賊のカンってやつだろ」

戦士「盗賊の?全然盗めてねー盗賊のか?」

盗賊「お前それは関係…関係ないだろ…」

勇者「途中トーンが下がったけど大丈夫なのかよ…」

商人「で、でもほら盗賊さんにはタカのめがありますから!あれを使えば未発見の町なんかが見つかるかも…」

盗賊「ああ、当然だぜ。あと昨日シャーマンが呼び出したくさったしたいからぬののふく盗んでるからな!盗めてない訳じゃないからな!」

戦士「ぬののふくってお前…」

盗賊「うるせえ!ほら、俺のタカのめによると、南東方向に何かあるぜ!」

勇者「そりゃランシールだろ…」

盗賊「そ、そうだな…じゃあもう少し進んで…ほら、あっちの方向に…」

商人「あ、本当だ!あっちに…」

だいおうイカがあらわれた!

戦士「おお、モンスターを発見したのか!やるな盗賊!」

盗賊「お、おお、そうだろ…?」

勇者「でかいしタフだし驚いたが、思ったほど苦戦しなかったな」

商人「勇者さんのラリホーがよく効きましたね!」

戦士「寝ちまえば楽勝だな!すげーな眠らせる魔法よお!」

勇者「ここまで役に立ったのは初めてだがな…それより、そろそろどこかに着いても良さそうだが…」

盗賊「ああ、南東だ。南東方面に何かあるぜ」

戦士「あ~?またランシールじゃねーのか?」

商人「あれから僕らもかなり南西に進みましたし…そろそろ別の物が見えてきても…はっくしょん!」

勇者「寒くなってきたな。そうか、この辺りは南の方が寒いのか…」

戦士「へえ、南に行けば行くほど暖かいんじゃねーんだな…お?なんか見えてきたぜ!」

盗賊「氷のでかい塊…いや、凍りついた大陸、なのか!?なんだこりゃ…」

戦士「あ、あれの上乗っかれるのか?割れたりしねーのか?」

勇者「分からねー…が、見てみろよ。あそこに…」

商人「あれって…ほこら、ですか?何か建物があります…!」

盗賊「建物が乗ってられるなら、人が乗っても大丈夫だろ。とりあえず上陸してみようぜ」

勇者「ああ。しかし氷の大陸か…世の中には想像を越えた場所があるんだな…」

戦士「おお、乗れる!この氷乗れるぞ!」

商人「戦士さん、あんまりはしゃぐと滑って転びますよ!」

勇者「どこでもはしゃぐなあいつは…しかし寒いなここは」

盗賊「氷の上だからな、どうしたって冷えるだろ」

戦士「おーし、じゃああのほこら行ってみようぜ!」

勇者「バカ、新しい場所行くなら明日だろ。とはいえ‼️今日の宿はどうするか…」

盗賊「とりあえず北に行けばでかい大陸があるんだし、真北に進めば何処かに着くだろ」

戦士「おっしゃ、そうと決まれば船に戻ろうぜーーよーし、出航!」

商人「うーん、でも何か嫌な予感が…バハラタから南に行ってランシール、そこから西に向かってこの氷の大陸っていう事は、北に向かうと…」

戦士「お、何か見えてきたぜ!前に見たことある…テドンか?」

盗賊「テ、テドンか…まあスリルがあって良いじゃないか…」

勇者「………もう夜も遅いし、仕方ねーな。またあの村に行くことになるとはな…」

勇者「…やっぱり夜は賑やか、なんだな…」

戦士「そうは言ってもよー、滅んでボロボロじゃねーか村が!こいつらは幽霊だしよー!」

盗賊「おい、声がでけえよ!村の連中に聞こえるだろうが!」シッ

老人「おい、そこのでかいの。今何と言った?この村が滅んでいるじゃと?じゃあこのわしらはなんなんじゃ!」

盗賊「ちっ、言わんこっちゃねえ…」

商人「い、いえ違うんです!ちょっと勘違いしただけで、滅んだという訳じゃ…」

老人「そうじゃろう。わしらが魔王なぞに滅ぼされるものか!」

盗賊「あ、ああ、そうだよ、な…」

勇者「…ちっ。さっさと宿に行くぞ」

戦士「宿ったってよお、ボロ…」

商人「や、安くて良いですよねここの宿!」

盗賊「ああ、そうだな!…おい、少し黙ってろ!」ドスッ

戦士「ってえ!なんだよくそ~」

勇者「なんだよじゃねーだろ…ま、気が滅入るのは確かだが、休めないよりはマシだろ…」

商人「ええ、そうですね。気が休まるかはまた別ですが…」

戦士「つーかここ朝飯出ねーじゃねーかよ!腹減ったぜー!」ギャーギャー

商人「むしろこの村の状況で良くそんな感想が出ますね…何回見てもこの状況は…」

使者「話には聞いていたけど、確かに気が滅入るわね」

盗賊「うおーびっくりした!幽霊じゃないっすよね?」

使者「何言ってるの、ちゃんと足があるでしょう?」

勇者「ここルーラで来れないのにどうやって来たんだこの人は…」

商人「えっと、使者さんは今回はどんなご用件で…」

使者「貴方達ランシールで聞いたわよね?エジンベアのお城ではきえさりそうが必要だって。あれ、買うか魔物が落とすかしないといけないのだけれどーー」

盗賊「て事は、俺らの、いや俺の出番って訳だ」

商人「ぼ、僕も頑張りますよ!」

使者「最初は買っても良いんじゃないかと思ってたのだけれど…どうやら期待されてるみたいなのよ。だからーー二人とも、頑張るのよ。幸い、この辺りにきえさりそうを落とす魔物がいるらしいから…」

盗賊「まっかせて下さい!やってやりますよ俺は!」

勇者「よし、商人頼んだぞ」

戦士「お前なら出来るぜ商人ー!」

盗賊「おいぃ!俺だろうがよ!俺に期待しろよ!」

勇者「確か『私と良く似たモンスターがきえさりそうを持ってる』ってあの人は言ってたが…」

ーーまじょがあらわれた!ゴートドンがあらわれた!

戦士「お、いたじゃねーか似たようなモンスター!」

盗賊「はあ!?全然似てねえだろこんな婆さん!」

商人「ぼ、帽子とか…格好は似てるんじゃないかと…」

まじょのこうげき!ゴートドンのこうげき!まじょのこうげき!

盗賊「っとと!なんだ知らないが呪文を使ってこないな、そらっ!」ピシャシャッ

戦士「こっちの動物の攻撃はいてえ!うらぁー!」ザクッ

勇者「とどめだ、らあっ!」ゴッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「よし、倒せました。きえさりそうはーー」

盗賊「おおーっ!見つけたぜ!」ヒャッホー

勇者「なっ!?きえさりそうか!?」

盗賊「ほら見ろよ、ちからのたねだ!こいつはレアだぜ!」

商人「盗賊さん…」

戦士「おい、見つからないうちに夕方になっちまったぞ!」

勇者「ちっ、今日は次の場所に行かなきゃならねーからここまでだな。つーかこれからまだ冒険が続くのに消耗しすぎたぜ…」

商人「きえさりそうが見つけられなかったから後ろ髪を引かれますね。そう簡単ではないと思ってましたけど…」

盗賊「まあでも、きえさりそうは後回しでも構わないんだよな?そもそもエジンベアがまだ見つかってないしな」

勇者「ここじゃ確率も高くないってあの人が言ってたしな…」

商人「でも、あの鎧のモンスターも結構良い鎧を落とすらしいですから、ここで探すのもアリだとは思いますけど…」

勇者「確かにな。俺らは必ず魔王を倒す。だが、どうのつるぎとたびびとのふくで倒せるとは思えねえからな」

盗賊「けど装備だってここより良いものが他所にあるかもしれないし、ここにこだわる必要はないだろ。じゃあどこが良いかと言われても分からないがさ」

戦士「ごちゃごちゃ言ってねーで早くあの氷の大陸に行こうぜ!明日になっちうぞ!」

勇者「ああ、とりあえず行くぞ。まずは目下の目標に向かわないとな」

商人「はい!…ああ、あの大陸でもあなほりしたいけど、ここに戻ってからじゃないとダメかなだよなあ…」

盗賊「お前、真面目ってよりあなほり中毒だよな…」

盗賊「おい、誰の引きが悪いって?」

戦士「そうだぞ!引きが悪いんじゃねー、実力がねーんだ!」

盗賊「ちげえよ!だから俺は…」

勇者「俺はこれからだ!…か?」

盗賊「ぐっ…と、とにかくきえさりそうこそは俺が手に入れてみせるからな!」

商人「えっ…と、ぼ、僕も頑張ります…」

勇者「んな事より、いよいよこの氷の大陸に来たぜ。さて、あのほこらには何があるのか…」

戦士「こんなさみー所に誰か住んでんのか?」

盗賊「どうだろうな…仮に住んでるとして、普通のやつじゃなさそうだがな」

商人「ふ、普通じゃないって…」

勇者「正に鬼が出るか蛇が出るか、って訳だ。お前ら、準備出来てるな?」

盗賊「ああ、どんなスリルが待ってるか、楽しみだぜ」

戦士「魔物は俺に任せろー!行くぜー!」ウオー

勇者「外よりはマシだが、中も冷えるな…」

商人「そうですね、こんな所に何が…え?誰かいる…エルフ?」

巫女A「私たちは」

巫女B「私たちは」

戦士「うおっ!?双子か?そっくりだなおめーら!」

盗賊「しっ!静かにしろよ!」

巫女A「卵を守っています」

巫女B「卵を守っています」

勇者「卵…?後ろのでかいやつか」

巫女A「世界中に散らばる6つのオーブを金の台座に捧げた時…」

巫女B「伝説の不死鳥、ラーミアは甦りましょう」

商人「ラーミア…伝説の…!こ、これって…!」

盗賊「今の話とポルトガの灯台で聞いた話を合わせると…伝説の不死鳥で世界中を旅出来るって事か!すげえな、それなら魔王の城にだって行けるだろ!」

戦士「おおーっ!すげー!じゃあオーブ集めるっきゃねーな!」

勇者「ああ、だが肝心のオーブに関する情報がまるでねえからな…もっと世界中を回って歩けって事だな。やってやろうじゃねーか!」

勇者「ーー黄昏を歩みし者共よ、睡魔の囁きに時を捧げよ!ラリホー!」パラララ

だいおうイカをねむらせた!だいおうイカをねむらせた!

戦士「流石だな勇者ー!俺はカニを倒すぜー!」ガッ

ガニラスをたおした!

商人「よし、残りのイカを…それ!」ゴッ

盗賊「うらぁー!」ピシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「ふう、ラリホーが効くと楽ですね!」

勇者「ああ、ただもう魔力が…」

ーーテンタクルスがあらわれた!

盗賊「…っ!こいつは…!」

戦士「おお!?緑のイカか、よっしゃやってやる…」

勇者「逃げだ!逃げるぞ!」ダカダカダカ…

商人「…追って来ませんでしたね、良かった…」ホッ

戦士「なんだよー、戦わねーのかよー」ブーブー

盗賊「ありゃあどう見てもヤバイだろ…逃げるだけで結構なスリルだったぜ」

勇者「さっきも言ったが、魔力もほぼカラだしな。しかも夜になっちまってる…お前ら、ここからは覚悟しろよ」

商人「は、はい…ああ、テドン岬が見えてきましたね」

盗賊「今晩もまたあの陰気な村に泊まるのか…」

勇者「贅沢言ってられねーだろ…っと」

じごくのよろいがあらわれた!シャーマンがあらわれた!

商人「で、出ました!でも1体ずつなら…」

戦士「おお、ぶったおしてやるぜー!」ザンッ

勇者「おらあっ!」ガッ

シャーマンのこうげき!じごくのよろいのこうげき!

盗賊「くっそ、キツいな…だがまだだ、おらあっ!」ピシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「なんとか勝てた…皆さん、やくそうを使って…」

勇者「節約してーが仕方ねーな。よし、あと一息…」

ーーじごくのよろいがあらわれた!シャーマンがあらわれた!

盗賊「へっ!今度は2体ずつかよ!スリルあるじゃねえか。行くぜー!」

戦士「おおー!おらおらあっ!」ガンッ

商人「よーし、戦士さんに続いて…」

シャーマンのこうげき!じごくのよろいのこうげき!

盗賊「ぐあっ!?くそ、ヤバくなってきたぜ…」

勇者「踏ん張れよ盗賊!もう少しで…」

じごくのよろいのこうげき!盗賊はしんでしまった!

戦士「おい!盗賊っ!?」

勇者「ちっ、ダメだ…逃げるぞ!」ダカダカダカ…

戦士「やべえ、俺ももう…」フラフラ

商人「も、もう少しですよ戦士さん、しっかり!もう少しでテドンに…」

ーーゴートドンがあらわれた!

勇者「くっ、4匹…!もう戦えねー、逃げだ!」ダカダカダカ…

しかし まわりこまれてしまった!

ゴートドンのこうげき!ゴートドンのこうげき!

勇者「がはっ…!」クラッ

商人「ううっ、戦士さんに攻撃が来なかったのは良いけど、僕も勇者さんももう…このままじゃ全滅…」

勇者「諦めんな!逃げるぞー!」

戦士「うおおー!死んでたまるかよー!」ダカダカダカ…

戦士「…ここどこだ?地獄か…?」

勇者「まあ…あながち間違いでもねーかな」

商人「な、なんとか生き延びれましたね…盗賊さんを教会に連れていかないと…」

戦士「地獄の教会でもちゃんと生き返るのかー?」

神父「おお神よ!忠実なる神の僕、盗賊の御霊を呼び戻したまえ!」テーテーテーテーテーーテーーテーー

盗賊「ん…ここどこだ?ああ、地獄か…」

商人「ふふっ、盗賊さん、戦士さんと同じこと言ってますよ」

盗賊「なにいっ!?おい神父さんよ、頭打ったの治ってないんじゃねえか?」

戦士「おいぃ!どういう意味だよ!?」

勇者「うるせーなお前ら…」

商人「はは…じゃあ宿に行きましょう」

戦士「宿かー、朝飯出ねーんだよなあここ」

盗賊「確かに、アッサラーム辺りが良いよなあ」

勇者「アッサラームはともかく、今後の計画を見直さねーとな。いつまでもここで足踏みしてらんねえ。が…それは明日だ。今日はもう寝るぞ」

商人「ええ、疲れました…おやすみなさい…」

盗賊「ふう…またこの陰気な朝だ…」

戦士「よっしゃー!じゃあぬののふくを投げ捨てるぜー!」ポーイ

商人「元気ですね戦士さん…僕は昨日あなほりし忘れましたよ…」

勇者「帰りはドタバタしちまったからな…で、今日だが…正直今の俺らじゃ実力不足も甚だしい」

盗賊「てえと、また修行パートか?今度はどこでだ?今更人さらいのアジトでもないだろ」

勇者「それなんだが…ダーマの北に塔があったよな?あそこはどうだ?最初に行った時は魔物が強すぎたが、今ならいくらか戦えると思う」

戦士「あー、あったなそんなとこ!」

勇者「で、あそこで修行しつつダーマ周辺の未到達地を探す。ただまあ、あまり長い間修行もしたくねーが…」

盗賊「せっかく船があるし、オーブっていう目標も出来たからな。あちこち動き回りたい所だよな」

勇者「あんまりのんびりしてたらまた…テドンみたいな場所が出てくるかもしれねー。修行は最低限にして、早めにオーブ探しに取りかかりたい」

商人「そうですね、こんな村がこれ以上増えるのは…」

戦士「よっしゃー!じゃあ魔物退治だな?俺は大歓迎だぜー!」

盗賊「ま、こんな村に長々いるよりは良いな。きえさりそうを見つけられなかったのは心残りだが…」

勇者「それも、この先見つけられるかもしれねーからな。よし、じゃあまずはダーマ北の塔に行くぜ」

商人「はい!頑張りましょう!」

戦士「捨てたのはぬののふくじゃなくてひのきのぼうだったぜ!詫びて訂正するぜー!」

盗賊「言わなきゃ誰にもバレないだろ…んな事より、テドンで見逃してた情報があったよな」

商人「ええ、どうやらオーブがテドンにあったみたいなんです」

勇者「牢獄にいた囚人が持ってたみたいだな。オーブなんてモノを牢屋に持ち込めるのか…?」

商人「さあ…それに、そもそも今はあそこにないんですよね…」

戦士「夜に行けば良いんじゃねーのか?」

盗賊「またあの村に行くのか…てか、牢屋番がいる前で堂々と物品の受け渡しなんて出来ないんじゃないか?」

勇者「となると…牢屋の鍵を開けてこっそりと、って所か」

商人「鍵を開けた時点でこっそりじゃない気もしますが…あっ!お金を掘り当てました!10818
ゴールド!」

戦士「おお、すげーな!」

盗賊「ああ凄いな。凄いけど…なあ?」

勇者「ちょっと虚しくはあるな…」

商人「ええ、僕も…」

勇者「ちっ、夜になっちまったな」

商人「仕方ないですよ、明日行くべき場所をあらかじめ探してからこの塔に来たわけですから…」

盗賊「以外と慎重だよな、勇者は。もっとスリルを味わうべきだと思うぜ」

戦士「でもすげーよな!ダーマからちょっと歩いただけでほこらと、海の向こうには村っぽいのと洞窟まで見えたぜ!しばらく行く場所には困らねーな!」

勇者「まあな、しばらく経験値稼ぎは出来る…が、さっきも言ったがあまり長々とここに籠るつもりはねーぜ」

盗賊「ま、今やここのモンスターも然程の脅威じゃなくなってるからな。物足りなさはあるな」

商人「そうでしょうか、ここのモンスターも結構強いような…」

勇者「テドン辺りと比べりゃあ、まあそうかもな」

戦士「しっかしよお、ここのモンスター倒すより海で貝とかクラゲ倒した方が良くねーか?ちょっともの足りねーぞ経験値がよお!」

商人「でも、海は滅多に魔物に会えませんからね…すぐに一日が終わってしまいますよ」

盗賊「とりあえず2階に行ってみようぜ。物足りなさもある程度解消されるかもな」

勇者「そうだな、行ってみるか」

戦士「おー!なんでもかかってこいやあ!」

ーースカイドラゴンはほのおをはいた!スカイドラゴンはほのおをはいた!

商人「うわー!?熱い熱い!」

戦士「くっそ…!死ねこのヘビやろー!」ガッ

スカイドラゴンのこうげき!

勇者「くそ、なんなんだこいつは!2階に上がっただけでこんな…」

盗賊「うおお、食らえやあ!」ピシャ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「はあ~…めちゃくちゃ強かったですね…」

盗賊「へっ、ちょうど良いスリルじゃないか」

勇者「火傷だらけの面で何言ってんだよ…ホイミ!」パアア…

戦士「すげーよな!初めて見たぜドラゴン!」

商人「ええ、びっくりしちゃいましたよ…」

盗賊「よし、あいつ相手なら経験値もスリルも上々じゃないか。ここで一稼ぎといこうぜ」

勇者「アホか!今の戦いの傷を回復するだけでホイミ10回以上使ったんだよ!もう魔力切れだ!」

商人「明らかに僕らにはまだ早かったですね…沢山の経験値が欲しければ敵も当然強くなる、当たり前ですけどなかなか都合良くいかないですね…」

使者「ふふ、何故貴方達がそんな縛りをしているのか分かる?私が王様に進言したのよ、大魔王様の側近である私がね」

勇者「な、何だってー!?」

使者「バラモスなどに世界はもったいないわ。この世界は私がいただくの、ふふふ…」

商人「し、使者ちゃんがぶっちゃけたー!あとあたし女の子になっちゃった!」

盗賊「何だって!?そのままで良いぞ!」

商人「あと新元号は商人です!」

戦士「うおー!マーくん日本復帰!24勝0敗2セーブ!」

盗賊「増えるのそこかよ!」

猫「ついに全キャットフライを支配下に置いたのにゃー!」ニャオー

盗賊「ねこにくたべほーだいだな!」

ノレ「私の出番ももうすぐですね~ふふふふふ~…」

ーー58日目、ダーマの宿屋

勇者「…ひどい夢を見た…」

盗賊「お、起きたな。今日何月何日だっけなあ?」

商人「普通に続き書きましょうよ…」

戦士「うおおりゃー!」ザンッ

ーーげんじゅつしたちをやっつけた!

勇者「この辺の敵は楽に勝てるようになったな」

盗賊「そうだな、っと。ほれ、どくがのこな盗んだぜ」

商人「おお、やりましたね!」

戦士「んなのは良いからよー、武器とか防具くれよ!」

盗賊「ああ!?持ってない奴からは盗めねえよ!」

商人「ま、まあまあ、どくがのこなもいつかきっと役に立ちますから…」

戦士「ホントか~?で、今日はどこ行くんだった?」

勇者「この先にあるほこらだよ。そこに行ってから、また昨日と同じようにあの塔に…」

盗賊「お、そうこうしてる間に見えてきたぜ、ほこら…いや、何の建物だろうな?」

商人「うーん…でも行けば分かりますよ、もうすぐですし」

勇者「そうだな。さて、何が出るか…」

戦士「魔物でも何でも出てこーい!」

商人「いやあ、ほこらで魔物は遠慮したいなあ…」

盗賊「ここは…宿屋か。ほこらみたいな宿屋、前にもあったなあ」

勇者「オリビアの岬だったか?あそこほど不便じゃ無さそうだが…」

商人「ダーマへ向かう旅人が利用する宿屋でしょうか?あ、誰かいますね、すみません…」

宿泊客「私は日出る国から来たもの」

戦士「あ?どこからだって?変わった服装だなおい!」

盗賊「日出る…東からって事か?確かに、今まで60日近く旅してきたが、見たことない服装だな」

宿泊客「私の国ではやまたのおろちという怪物が皆を苦しめておりまする」

商人「怪物が国を!?そんな…勇者さん」

勇者「ああ、聞捨てならねえな」

盗賊「勇者様一行の出番って訳だな。ま、国を苦しめてるような怪物だ、今の俺達でどうこう出来るかは分からないが…」

戦士「なんでもいいからぶっとばしに行こうぜ!」

勇者「だからすぐって訳にいかねーだろ、出来るだけ早くは行きたいがな。しかし魔物に苦しめられてる国か…テドンの例もあるし、そういう所はまだまだあるんだろうな…」

商人「暗くなってきましたけど、そろそろあの塔に着きますね…あっ」

ーーキャットバットがあらわれた!

勇者「人さらいのアジトにいたやつだな?夜だから外に出てきたのか…おらっ!」ガッ

盗賊「そらそらそらー!」ピシャシャッ

戦士「うおおー!行くぜおらあー!」ザクッ

ーーキャットバットたちをやっつけた!

勇者「おし、いい感じだ…ん?あれは…」

商人「宝箱ですよ!開けてみましょう…ああ!これは!」

戦士「おおー!ぬいぐるみじゃねーか!2つめだぞ!?」

盗賊「へっ、盗んで手に入れたんじゃないのが気に入らないが、こいつは助かったな」

勇者「よし、じゃあ商人着てくれ」

商人「良いんですか?勇者さんは…」

勇者「俺は一番後ろにいるから平気だ。それに勇者が着ぐるみ姿ってのもな…」

戦士「ははー!確かにカッコ悪いよな!」

盗賊「お前…鏡見てから言えよな…」

商人「よーし、これなら多少の攻撃は…」

ベビーサタンがあらわれた!スカイドラゴンがあらわれた!

盗賊「げ、あいつは…」

スカイドラゴンはほのおをはいた!

商人「あっつい!防御力上げても炎は熱いです!」

勇者「そして小さいがあれは悪魔か!?どんな攻撃を…」

ベビーサタンはザラキをとなえた!

戦士「うおお!?確かすげーやべー魔法じゃ…」

MPがたりない!

商人「な、なんでしょう?何も起こらない…まあいいや、それっ!」ガッ

ベビーサタンはイオナズンをとなえた!MPがたりない!ベビーサタンはイオナズンをとなえた!MPがたりない!

盗賊「まあ、スリルはあったぜ…そらぁっ!!」ピシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「悪魔の方は大したことなかったな。ドラゴンは相変わらず辛いが…」

商人「さっきの猫と同じで夜だから塔の外に出てきたんでしょうか?油断ならないですね…」

戦士「おおらあー!くたばれー!」ザクッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者レベル22「よし、レベルアップしたぜ」

商人「ここでのレベル上げの効率はどうなのかと思いましたけど、良かったですね!」

戦士「さっき商人が拾ったかしこさのたねの効果はあったか?」

勇者「ああ、1レベルでホイミ3発分は上がったぜ」

盗賊「そりゃ良いな。俺はどくがのこな2つめを盗ったし、商人はかしこさのたね、宝箱からぬいぐるみ。アイテムの方も上々の成果だな!」

勇者「ああ、全部有用だ。今日は良い1日だったな」

商人「僕らも明日レベルが上がると良いですね」

戦士「だな!よっしゃー!帰って飯だ飯だ!」

盗賊「ま、ダーマの飯は質素だけどな」

勇者「朝飯あるだけ良いだろ。よし、帰るぞ。結構歩いて疲れたからな…」

盗賊「おい、ふざけるなよ。今だってまた俺はどくがのこな盗んだんだからな!」

商人レベル24「誰に言ってるんですか…あ、僕はレベル上がりましたよ!」

戦士「もう24か、すげーな!」

勇者「商人は上がりやすいからな。今日は商人と、あと盗賊のレベルを上げたいとこだな。戦士はちょっと厳しいかもしれねー」

戦士「ああ!?上げてみせるぜ俺はよ!」

盗賊「いや、気合いでレベル上がったら苦労はないだろ」

商人「遭遇するモンスターとの兼ね合いもありますからね」

勇者「とりあえずこのまま塔に行くぞ。昨日みたいにアイテムも手に入れば文句なしだが…」

商人「かしこさのたねとかもっと欲しいですよね」

盗賊「ふっ、任せときな。盗み絶好調のこの俺が…」

勇者「という訳で商人、頼んだぞ」

戦士「期待してるぜ商人ー!」

盗賊「おいぃ!」

商人「いつもの流れですね…」

戦士「おおりゃあー!」ザンッ

まもののむれをやっつけた!

盗賊レベル23「おっし!俺もレベルアップだぜ!」

勇者「よし、予定通りだ。思ったより早かったかもな」

商人「順調ですね。このまま戦士さんのレベルも…」

戦士「おお、上がるぜー!」

盗賊「そう上手くはいかんだろ、ここの魔物と戦ってると結構体力削られるしなあ」

勇者「あの羊だかヤギだかのギラが邪魔だな」

商人「あの不気味な鳥のモンスターも攻撃が執拗ですよね。僕はぬいぐるみのおかげでいくらか楽になりましたけど…」

勇者「その割に経験値はイマイチ物足りねーよな。かといって2階に上がるわけにもいかねーときた」

盗賊「2階に行けばあのドラゴンが出てくるからなあ。まあ、さっき試しに3階までちょっと上がった時には会わなかったが」

戦士「俺は見てーけどなドラゴン!」

商人「いやあ、僕はもう少し強くなってからが良いですね…でも、上り下りしたおかげでアイテムは掘り当てましたよ。まんげつそうといのちのきのみですけれど…」

勇者「まあ、まんげつそうはともかくいのちのきのみはいつか役に立つだろ。よし、じゃあ引き続き魔物退治するぞ。俺の魔力が無くなるまでな」

戦士「っしゃー!倒しまくるぜー!」

勇者「さて、魔力も少なくなってきたし、そろそろ帰る頃合いだな」

商人「その前に…この塔の北にある湖の周りなら、何か珍しい物が出てくるかも…」

盗賊「ああ、こういう地域の境目に近い所だと別の地域の物を掘り当てられたりするかもしれないって話だよな」

戦士「そうなのか?すげーな!」

勇者「いや、そう簡単にはいかねーだろ…」

商人「そうですね、そんな上手い話はなかったですが…まだ持ってない防具が出てきましたよ!」

戦士「おお!盾だよなそれ!」

商人「ええ、かわのたて…一番安物の盾ですけど、僕らはまだ盾を持ってませんから…」

勇者「少しとはいえ、今まで0だったんだから確実に戦力アップだな。よし、戦力が装備してくれ。もし次が手に入れば、そのときは俺が貰う」

戦士「おー!守備力アップだぜー!」

盗賊「…しかし、俺ら今まで1つも盾持ってなかったんだな…」

商人「ええ、凄いですよね、ある意味…」

勇者「よし、じゃあそろそろダーマに…」

ーーキラーエイプがあらわれた!げんじゅつしがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

戦士「うおお!?銀色がいるぜー!」

盗賊「よーし、じゃあ俺は猿にどくがのこなを使うぜ!」バサバサ…

キラーエイプはこんらんした。

商人「僕と勇者さんはメタルを…それっ!」ガギン!

戦士「俺はマヌーサ野郎を倒すぜー!」ザクッ

キラーエイプのこうげき!ミス!

勇者「くそ、ミスるなよ!そらっ!」ガンッ

盗賊「ほら、もう一回行け猿!」

キラーエイプのこうげき!メタルスライムをやっつけた!

戦士「うおおおお!やったぜー!」

商人「やりましたね、それにしてもあのメタルを倒すと凄い充実感だなあ…」フウ…

盗賊レベル23「今日はなかなか良かったなあ。全員レベル上がっただろ」

商人レベル24「あの後更にメタルを2匹も倒せたのが大きかったですね!」

勇者レベル23「おかげでベギラマも覚えたぜ。どくがのこな様様だな」

盗賊「だろ?だから役に立つって言ったじゃないか」ドヤッ

戦士レベル23「しっかしよう、メタル倒せばレベル上がるなら、もっとメタル出る所で魔物退治すれば良いんじゃねーの?」

商人「そんな所って…あ!テドンの北にあった教会の周辺とか…」

勇者「そんな所あったな。でもあそこはホイミスライムと一緒に出てきただろ?回復がウザい上にホイミスライムは呪文が効きづらいからな…」

商人「そうか、どくがのこなも効かない、あるいは効きづらい可能性が高いですね」

盗賊「それに、どくがのこなにも限りがあるからな。少しでも手に入る可能性のあるここの方が結局は効率が良さそうだと思うぜ」

戦士「そっかー、しょうがねーな」

勇者「まあ、メタルは塔の1階には出ないようだし、塔の中より外をメインにするのはありかもしれねえな。もう少し魔力に余裕があるうちに塔を出るとかな」

商人「ああ、それはよさそうですね」

勇者「いずれにせよ、あまり魔物退治に時間掛けたくねーからな。今後も上手くメタルが倒せれば良いが…」

ーー60日目、旅人の宿屋南沖

勇者「よし、見えてきたぜ。あそこが日出づる国だ」

盗賊「とても都会には見えないよなあ、あまり期待出来なさそうだな」

商人「何の期待ですか…あ!モンスターが!」

ーーヘルコンドルがあらわれた!

戦士「海で良く会うでけー鳥だな!おらっ!」ガッ

ヘルコンドルはバシルーラをとなえた!

商人「うわっ!…だ、大丈夫、効かなかったみたいです!」

勇者「脅かしやがって!そらあっ!!」ゴッ

ヘルコンドルたちをやっつけた!

盗賊「おし、一丁上がり!…ん?見てみろよ、宝箱持ってやがったぜ!」

商人「開けてみましょう…おお!みかわしのふくですよ!やった!」

勇者「みかわしのふく…これで俺もたびびとのふくが脱げるのか…」ジーン

戦士「勇者!良かったなー!アリアハンからずっと同じ服着てたもんな!」

商人「長かったですね…でもこれで全員鎧は新調できましたね。全部鎧とは言い難いですが…」

村人「これはこれは!ジパングにようこそおいでなさいました!」

戦士「ジパング!?どっかで聞いた黄金の国って奴か!黄金どこだー!?」

商人「いや、どこにも見当たらないですね…」

盗賊「見当たらないどころか…なんだこのど田舎は!?店の1つもないぜ!」

勇者「これは…今まで旅してきたどの地域とも違う独特の国だな。建物も着てる服も何もかも違う」

商人「と、とにかく色々探し回ってみましょう。オーブがあるかもしれませんし、それに…」

戦士「化け物がいるとかいう話だったよな?やまたのおろちって言ったか?」

盗賊「そんな名前だったな。だが、村を見る限りは化け物がここにいるって訳では無さそうだ。別に荒らされた様子もないしな」

勇者「だが、村人達の表情が暗いのは気になるな…よし、色々聞いて回るぞ」

商人「ええ、もしかすると魔王に関わってるかもしれませんからね…」

盗賊「…どうやらやまたのおろちって魔物に脅かされてるのは本当らしいな」

商人「生贄を求められてるって言ってましたね。確か指導者のヒミコ様とかいう人の予言っていう話みたいですが…」

戦士「怪しいんじゃねーのかそいつ?生贄にしろとかおかしいだろ!」

勇者「生贄出さないと村を滅ぼす、なんて言われたら従うしかねーだろ。とはいえ、予言なんてイマイチ信じられねーのも確かだ。直接話して確かめてみるか。たしかこの建物の…」

商人「大きな建物ですね…あ、あの人じゃないですか?確かヒミコ様は女性という話でしたし…」

盗賊「へえ、今まで会ったことないタイプの美人だな。こんにちは、美しいお嬢さん…」

ヒミコ「なんじゃ、お前らは?」

勇者「っと、俺らは…」

ヒミコ「答えずともよい!おおかた、この国の噂を聞いて来たのじゃろう。愚かな事よ、わらわは外人を好まぬ」

戦士「ガイジンだあ?」

ヒミコ「早々に立ち去るがいい!よいか、くれぐれも余計な真似はせんようにな!」

盗賊「おっと、では失礼します…なかなか気の強いお嬢さんだ。にしても、魔物退治を頼まれるかと思ったが、余計な事はするなときたもんだ」

勇者「ああ、むしろ迷惑そうにも聞こえたな。まさか魔物とグルなんて事はないだろうが、何か裏があるのかもな」

商人「謎が多いですよね、人も、この村も。何が起こっているにせよ、一筋縄ではいかなさそうですね…」

勇者「さて、一旦ここを離れて、だ。どこに行くかだな、また塔に行くか、それとも…」

盗賊「北に行ってみようぜ。あっちに何かあるはずだ。勘だけどな」

戦士「えー、おめーの勘かあ」

商人「まあまあ、町を見つけたりは上手いですし…」

盗賊「おい、それじゃ盗む方はダメみたいじゃないかよ!」

商人「あ、いえ…」

戦士「お、自覚あったんだな!」

盗賊「んな事言ってねえだろ!とにかく北だ、良いだろ?」

勇者「じゃあ行ってみるか、塔にばっかこもってられねーしな」

戦士「ホントに何かあるのかー?…おお!あれ村じゃねーか!」

盗賊「どうだ、言った通りだろ?」ドヤッ

商人「流石ですね!盗賊さん」

勇者「今日この村には行けねーが、これでまた行き先には困らなくなったな。ここを基点に次の行き先を見つけられるかもしれねーし、中々悪くない村を見つけたな。問題は更なる未知の土地を探すか、ジパングの危機をどうにかするかだが…」

盗賊「ふう、もうすっかり夜だな」

商人「ダーマまでは戻れませんね。でも幸いもうすぐ宿屋が…」

スカイドラゴンがあらわれた!ガルーダがあらわれた!

戦士「おお!またドラゴンだぜ!かっこいいよなー!」

勇者「言ってる場合か!くそっ、こっちの金色の鳥は初めて見るな…」

商人「とにかく攻撃します!とりゃー!」ガッ

スカイドラゴンのこうげき!ガルーダのこうげき!

盗賊「っとお…結構痛いが、この程度なら…そらっ!」ピシャッ

勇者「炎を吐く前に仕留めるぞ!らあっ!」ゴッ

ーーまもののむれをやっつけた!

戦士「おっしゃー!楽勝だぜー!」

盗賊「ま、炎も吐かれなかったし、まだ体力に余裕があったからな。しかし夜はやっぱり油断ならないな…」

盗賊「じゃあ今日もガルナの塔だな。日が暮れるまでに着くか?」

商人「どうでしょう…今日は早めに塔を引き上げるんですよね?」

勇者「ああ、夜になってからメタルを倒すために…」

ーースカイドラゴンがあらわれた!

戦士「おおー!かっこいいぜー!」ヒュー!

盗賊「飽きないなお前は…しかしこいつ、こんな朝っぱらから出てくるのかよ!?」

商人「こ、この地域に生息してるんでしょうか!?それーっ!」ガッ

スカイドラゴンはもえさかるかえんをはいた!

勇者「ぐおお!?くそっ、くたばれっ!」ゴッ

戦士「うりゃー!俺がドラゴンスレイヤーだぜー!」ドッ

スカイドラゴンをやっつけた!

盗賊「ふう、ダーマからそう離れてないのに、こんなにも魔物の強さが違うんだな」

勇者「ああ、だが一匹だから助かったぜ。初っ端からこのダメージはいただけねーが…行くぞ」

盗賊「おりゃっ、ムチを食らえっ!」ピシャシャッ

マッドオックスをたおした!

戦士「続くぜー!…って、ありゃりゃ?」

マッドオックスはにげだした!

商人「あ、逃げ出しましたね!あのモンスターに逃げられたのは初めてじゃないですか?」

勇者「ちっ、逃げられると効率悪くなるんだよな」

戦士「しょーがねー、俺らに恐れをなしたんだろーぜ!」

盗賊「まあ、実際あのモンスターが敵わないと思うくらいには強くなれたんだろうな。ここでの修行パートもそろそろおしまいか?」

勇者「もともとそんなに長く修行するつもりはなかったけどな。ただ、ここでさえ2階に上がると途端に苦戦するんだよな」

戦士「でもよー、あちこちに行きながらだってモンスター退治は出来るんだしよー、もっといろんなトコ行ってみれば良いんじゃねーのか?」

盗賊「もっと良い修行の場も見つかるかもしれないしな」

勇者「まあ、な…少し考えないとな。とりあえず今日は間もなく夜になるし、魔力もいくらか余裕があるしそろそろ潮時だな」

戦士「よし、じゃあメタルだな!待ってろよー!」

盗賊「本当な、待っててくれたらどんなにか楽だろうな」

商人「ですね…」

盗賊「っし、どくがのこなを撒くぜ!」ファサァ…

キラーエイプはこんらんした。キラーエイプのこうげき!メタルスライムをたおした!

戦士「おおー!やったぜー!」

盗賊「へっ、俺様の素早さと盗みによるどくがのこなのおかげだな!」ドヤッ

商人「いやでも実際そうですよね。素早くどくがのこなを使えるから…」

キャットバットがあらわれた!

勇者「ちっ、黒猫野郎か!魔力を吸われる前に…らあっ!」ザッ

盗賊「うらっ!」ピシャシャッ

キャットバットたちをやっつけた!

戦士「っしゃー!こんな奴ら楽勝だぜー!…お?」

商人「宝箱ですよ!このモンスターの宝箱というと…」

盗賊「ぬいぐるみか!?マジかよ、3つ目だぜ!」

勇者「すげえな…よし、みかわしのふくと迷うが、こっちに替えるか」

商人「これでみんなの守備力がかなり上がりましたね!上がりましたけど…」

盗賊「着ぐるみ姿の行進はかなり不気味だよな…」

商人「きょ、今日は本当にここの洞窟に行くんですか!?」

戦士「やまたのおろちって奴と戦うんだな!?うおー!」

勇者「バカ野郎、まだ戦わねーよ!洞窟の様子を見に行くだけだ!」

盗賊「俺もやまたのおろちって奴と戦っちまっても構わないがな。ま、それでももうあの塔じゃスリルが無くなってきた所だったし、ちょうど良いな」

商人「とはいえ、この辺にはどんな恐ろしいモンスターが…」

ーーだいおうガマがあらわれた!

戦士「なんだこいつ?ピラミッド辺りにいたよなあ?」

勇者「ああ、なんでこんな所にいるのか知らねーが…おらっ!」ゴッ

盗賊「うらあっ!」ピシャシャッ

ーーだいおうガマたちをやっつけた!

商人「ふう、大したことない相手で良かった…あれ?盗賊さん、もしかして…」

盗賊「ああ、盗んだぜ、とげのむちをな!ほら、勇者!」

戦士「うおー!やるじゃねーか盗賊!」

勇者「………これで、これでやっとアリアハンから装備してた武器防具は全部更新出来たな。長かった…本当に長かった…」

ーーメタルスライムがあらわれた!

戦士「うおおおー!銀色が8体もいるぜー!おらー!」ガイン

盗賊「ムチが通るか…?おらっ!」ガギギギギィン!

メタルスライムはにげだした!メタルスライムはにげだした!メタルスライムは…

商人「ああ、どんどん逃げていきますよ!」

勇者「くそっ、1体だけでも…おらあっ!」ガキギィン

戦士「うおー!くらえー!」ガギン!

ーーメタルスライムをやっつけた!

盗賊「くそっ、あんだけいたのに1体だけかよ…」

商人「あの硬さと逃げ足は本当に凄いです…」フウ…

勇者「まあ、ゼロじゃなかっただけ良しとするか」

戦士「うおお、次は全部倒すぜー!」

盗賊「いや、流石に全部は無理だろ…」

商人「…でも、ここのモンスターは思ったほどではないですね」

勇者「だな、あの塔と比べてそこまで苦労する訳でもない割りには、経験値は倍近くだ。これは良いところを見つけたかもしれねー」

盗賊「たまにブレスが痛いだけで、敵の攻撃がそれほど苛烈じゃないからな」

戦士「勇者のムチもすげーな!」

盗賊「俺が盗んだムチな。しかし流石に同じムチでも俺と勇者のパワーじゃかなり違うな」

勇者「おかげでベギラマはせっかく覚えたのに出番が全くねーな」

戦士「これならもうおろちとかいうの倒せるんじゃねーか?もっと奥行ってみよーぜ!」

商人「いや、流石に…でももうちょっとくらいなら進んでみても…ああ、ここから下に行けるんですね」

勇者「しかし着ぐるみには暑い洞窟だな…こっちに行って…うお、あれがおろちか…?」

戦士「うおおおー!でっけー!かっけー!」ヒャッホー

盗賊「あ、あれか!?…スリルはありそうだが、今日は勘弁してやるか…」

商人「そうですね…というか、もうちょっと修行してからでも…」

戦士「そーりゃっ!」ザクッ

ーーきめんどうしたちをやっつけた!

勇者「ふう、あの気持ち悪い奴ら、メダパニさえ効かなけりゃ雑魚だな」

商人「メダパニとベホイミしかしませんもんね。様子をじっと見られるのは気味が悪いですけど…」

戦士「パパっと倒しちまえばいーだろ!…ん?それなんだ盗賊?」

盗賊「ふっ、どくがのこなを盗んだぜ!」ドヤッ

商人「おお、あのモンスターはどくがのこなを持ってたんですね!」

勇者「それは銀色の奴を倒すのに使えるからな。いくらあっても良いくらいだ」

戦士「ここも銀色の奴出るもんな!」

盗賊「まあ、どくがのこなは他のモンスターと出てきた時に使いたいけどな」

商人「ここは他のモンスターと出てきませんもんね。そのかわりすごい大群ですけど」

勇者「なかなか数は倒せねーが、一匹は倒せるからな。ま、悪くねえ」

盗賊「経験値も稼げてどくがのこなも見つかるなら良いところだぜここは。さ、どんどん行こうぜ!」

商人「くっ、逃げるな…!とうっ!」ガンッ

メタルスライムはにげだした!メタルスライムはにげだした!

盗賊「くそっ!でもまだいるぜ、そらっ!」ピシャシャッ

戦士「うおおおー!!」ガンッ

ーーメタルスライムをやっつけた!

勇者「ふう、だいたい一匹、運が良けりゃ2匹って所だな」

商人レベル27「ただ、他のモンスターも結構経験値がありますから、良い稼ぎになりますよね」

盗賊レベル25「今日は全員レベル上がったな」

戦士レベル25「銀色全部で4匹たおしたからな!」

勇者レベル25「これなら…思ったより早くやまたのおろちに挑めるかもな」

戦士「おお!やってやろうぜ!」

盗賊「あいつはスリルがありそうだぜ。しかし今日はどくがのこな二つにちからのたねまで盗めたぜ。いよいよ俺の時代だな…」クックックッ…

商人「僕はキメラのつばさしか見つけられませんでした。最近良いもの掘れてないなあ…」

勇者「まあ、どっちも何も見つけられないよりは良いだろ。あの化け物と戦うには、色々必要な物が多そうだ…色々用意したら勝てれば良いんだがな…」

戦士「で、今日はどこ行くんだ?」

盗賊「どこって、あのジパングの北にあった村しかないだろ。だろ?」

勇者「ああ。船で行くぞ」

商人「そうですね、船の方が良さそうですよね。歩いても行けそうですが…」

勇者「船をダーマに置いていくとジパングに行くのに手間だからな。船まで戻らねえといけなくなる」

戦士「て事は、明日はまたおろちの洞窟で経験値稼ぎか?」

勇者「いや………おろちに挑もうかと思ってる」

商人「も、もうですか!?大丈夫でしょうか…?」

盗賊「ま、いつかはやらなきゃいけないからな。近頃スリルもなかったし、良いと思うぜ」

戦士「っしゃー!じゃあさっそく乗り込もうぜ!」

勇者「バカ、明日だって言ってるだろ!今日はあの村に行って…あの村に宿屋があれば良いが」

商人「ジパングみたいな所かもしれないですからね…」

盗賊「その時はあのほこらにある宿屋に泊まれば良いだろ。さ、行こうぜ。久しぶりにわくわくしてきやがるぜ…!」

勇者「…少し寒いな」

盗賊「お前らは着ぐるみだからまだ良いだろ。うー…」カタカタ

商人「ノアニール位の寒さですかね?かなり北まで来ましたね…」

ーーデッドペッカーがあらわれた!

戦士「おお!?あの塔にいた鳥に似てるな!」

勇者「色なんかは全然違うが、同じくらい不気味だな…おらっ!」ピシャシャッ

デッドペッカーはルカナンをとなえた!デッドペッカーのこうげき!

商人「わっ!?防御力を下げてから攻撃してきますよ!」

盗賊「こざかしい鳥だな、らあっ!」ピシャシャッ

戦士「うおおー!」ザクッ

ーーデッドペッカーたちをやっつけた!

盗賊「ふう、見たことない敵だが、そこまででもなかったな。もっと大群で来たら分からなかったけどな」

商人「強くなってるって実感はありますね。やまたのおろちにも通用すれば良いんですけど…」

勇者「ちっ、結局夜まで外で魔物退治しちまったな」

商人「もう起きてる人はあまりいないようですね。小さい村みたいですし、無理もないですけど…」

戦士「お、宿屋があるぜ!もう寝るか?」

盗賊「いや、あっちに明かりがついてるぜ。とりあえずいってみようぜ…ちっ、なんだ男だけか」

老人「おお、良く来たなポカパマズどの」

勇者「…?」

戦士「ん?勇者お前そんな名前だったか?」

盗賊「んな訳ないだろ。名前は4文字入力だ」

商人「なんの話ですか…?あの、すみません、そちらの方は…」

男性「ああ、ポカパマズさん。ゆっくりしていって下さいね」

戦士「おい、やっぱりお前の事ポカパマズって呼んでるじゃねーか!」

商人「不思議ですね。どういうことなんでしょう…?」

勇者「…まさか…いや、そんな事は…とにかく、今日はもう宿に行こう。明日明るくなってから、色々聞いて回ろう」

盗賊「だな。さあ、モタモタしてたら夜が明けちまう。早く宿屋に行こうぜ」

商人「そうですね。それにしてもポカパマズさん…気になりますね。誰なんだろう…」

ーー65日目、ムオルの村

村人「お久しぶり、ポカパマズさん!」

市場商人「ここは市場だよ。ああ、ポカパマズさんじゃないですか!」

戦士「なあ、やっぱりお前ポカパマズなんじゃねーか?」

勇者「んな訳ねーだろ。にしても…」

商人「こんなに間違われるものなんですかね?不思議というより、だんだん無気味になってきましたよ…」

盗賊「さすがに考えすぎだろ。昔勇者とそっくりなやつでもいたんじゃないか?この村に」

勇者「俺とそっくりか…」

女性「ポカパマズさん、お久しぶりです。ポポタが会いたがってましたよ」

戦士「だってよ、ポカパマズ!」バンバン

勇者「だから俺じゃねーよ!…でもまあ、会ってみるべきか?一応な…」

商人「まあ、その子は喜ぶかもしれないですよね」

盗賊「じゃあ行ってみるか。この村の子供たちは市場の2階に集まるらしい。確かそっちに…」

戦士「階段あったな!ここを上って…お、どいつがポポタだ?」

母親「あら、いらっしゃいポカパマズさん。え、違うの?でも似てる…」

男性「貴方たちはもしかして、アリアハンから来たのではありませんか?」

商人「え?なぜそれを…」

男性「やはりそうですか。ポカパマズさんもアリアハンから来たと言っていました。確か、アリアハンでの名前はオルテガ…」

勇者「オルテガ!?い、今オルテガって…!」

男性「ええ。幼い子供を残してきたのが心残りだと言っていましたよ。貴方もオルテガさんをご存じで?」

盗賊「勇者は、こいつはそのオルテガの息子なんだ。まさかこんな…」

戦士「あー!だから似てたのか!」

ポポタ「ねえ!お兄ちゃんホントにポカパマズさんの息子なの?」

勇者「…ああ」

ポポタ「そっか…じゃあ下にある兜をあげるよ!僕には大きいし、お兄ちゃんに使ってもらった方が兜も嬉しいと思うんだ」

勇者「兜…?分かった、下に下りて…これは…この兜は、親父が旅立つ時の…!」

市場商人「私にも話は聞こえていたよ。さあ、持っていくと良い」スッ

商人「や、やりましたね!使者さんも、手渡しで貰えるなら貰って良いって言ってましたし!」

勇者「…ありがとう。大切に…使うよ」

オルテガのかぶとをてにいれた!

ーーおろちの洞窟

勇者「…よし、これで…」キュッ

盗賊「お、さっそく兜装備したな」

戦士「おおー!似合ってるじゃねーかポカパマズ二世!」

勇者「その呼び方止めろ…」

商人「これはかなりの戦力アップですね!…実は入手出来ないんじゃないかと思ってましたけど…」

盗賊「あそこにいた市場の商人が渡してくれたから良かったけどな、勝手に持ってってくれだとルール違反になるからな」

商人「前回は勇者がいなかったから入手しなかったんですよね。だからイベントの詳細を良く覚えてなくて…」

戦士「おいおい、なんの話してんだよ!?」

盗賊「こっちの話だ。それより勇者、今日はいよいよやまたのおろち退治だな?」

勇者「ああ、最悪全滅するかもしれねーが…戦ってみないと相手の強さも分からねーからな」

商人「少し恐いきもしますけど…」

戦士「大丈夫だろ、俺がぶっ飛ばしてやるぜー!…お、ほら見えてきたぜモンスターがよお!」

勇者「よし、準備は良いな。じゃあ行くぜっ!」

ーーやまたのおろちがあらわれた!

盗賊「っしゃあ、ガンガン攻撃するぜ!そらっ!」ピシャアッ

戦士「おおーりゃあー!」ガゴン

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

商人「うわ、熱い熱い!」

勇者「くっ、俺は攻撃に回れねーな、ホイミだ!」パアア…

盗賊「サンキュー!まだ戦えるぜ、そらそらっ!」ピシャアッ

戦士「うおおー!らあー!」ドガガン!

かいしんのいちげき!

勇者「すげーのが入ったな。でもびくともしてねえ…!」

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

商人「うう…厳しい…でも僕だって…!それっ!」ガガン

かいしんのいちげき!

商人「だ、ダメです、僕の力じゃ…」

盗賊「何言ってるんだ、まだこれからだぜ!ここからがスリルじゃないかよ!行くぜっ!」

勇者「くそっ、攻撃が強烈だ!ホイミ!」パアア…

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

商人「ぼ、僕も回復に回ります!やくそうを…」

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

戦士「くそっ!くそー!負けねーぞこのヘビやろー!だああー!」ザクッ

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

盗賊「くっ、まずいな、俺もそろそろ…」

商人「か、回復が追いつきません!このままじゃ…」

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

勇者「もはやここまで、か…回復が間に合わないなら、ここで決める、全員こうげ…」

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

戦士「く、そ…負けね…」

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

勇者たちはぜんめつした!

盗賊「…ま、という訳で反省会だ」

勇者「反省も何も、実力不足以外の何物でもねーよ」

商人「ちょっと強すぎましたね…」

戦士「俺の会心の一撃が入ってもびくともしなかったもんなー。お手上げってヤツじゃねーか?」

盗賊「現状はな。俺らはこれからレベルアップすることも出来るし…」

戦士「あ!そういや商人は全滅したら転職するって言ってたな!」

商人「ええ、ダーマに来たし、せっかくなのでしようかと…」

盗賊「やっぱり僧侶からか?回復が追いつかなかったからな、ホイミだけじゃ」

勇者「それだがな…あの人から手紙が来ててな、『最初は魔法使いから』だそうだ」

戦士「あの人って、使者か?」

商人「ええ、なのでまずは魔法使いに転職しようかと思います」

盗賊「あのお姉さんは俺らに辛い思いをさせたいのか?いや、王様か?まあ、言われたからにはそうするしかないだろうな」

勇者「ああ。それより今日は次の場所を探さなきゃならねー。とりあえず見つけておいた場所ももうないしな。今回の全滅で4つ装備を捨ててるんだ、その上新しい場所を探せずにまた装備を捨てるとなったら…」

盗賊「ああ、そこは盗賊の俺に任せてくれ、何とかする。ただ、宿のある場所に帰るまでに夜が明けそうだがーー言っても仕方ないな。よし、行くぞ!」

魔法使い「えーと、という訳で転職しました…」

戦士「おー、案外似合ってるんじゃねーか?」

勇者「仕方ねーとはいえ、最初はレベル下がって死にやすいだろうから、隊列の一番後ろな」

魔法使い「あ、はい!すみません…」

盗賊「謝る必要ないだろ、戦力アップのためにやるんだからな」

戦士「んで、今日どうすんだ?新しい所行かなきゃだろ?」

勇者「任せて良いんだよな盗賊?」

盗賊「ああ、ただ近くはないみたいだからな…出来れば今日中に行って宿に戻るまではしたいが…」

魔法使い「遠いんですね…」

盗賊「いざとなったらお前が、誰かが死んでも戻らずに進まなきゃならない。覚悟しといてくれ」

魔法使い「は、はい!」

勇者「今更だろ。行くぞ」

戦士「おー!まだ見ぬ新天地へゴーだぜー!」

戦士「おおおおっ!」ザクッ

勇者「そらあっ!くたばれっ!」ピシャアッ

ーーだいおうイカたちをやっつけた!

盗賊「ふう…魔法使い、レベルいくつまで上がった?」

魔法使い「7です。呪文はメラヒャドスカラ、あと今ギラを覚えました!」

盗賊「順調…なんだよな?魔法使いの事は分からないからなあ」

勇者「そういや装備は…魔法使いだとかなり制限されると思ったんだが…」

魔法使い「それが…防具はそのまんまなんです。ぬいぐるみとかわのぼうし…」

戦士「カッコ変わんねーもんな!」

魔法使い「武器はどうのつるぎからルーンスタッフに変わったので、かえって強くなった位です。力は落ちましたけど、それでも攻撃力はほとんど変わらないくらいで…」

勇者「ずっと袋の肥やしだったが、やっと日の目を見たな」

盗賊「まあ、装備が良くなってもレベル自体が下がってるんだ、無理するなよ…っと、あれは…」

戦士「なんか見えてきたなあ?あれ、塔だよなあ?」

勇者「そのようだな、じゃあ…ちっ、暗くなってきたな」

盗賊「まあこのくらいかかるとは思ってたよ。さ、入ってみようぜ。ノルマでもあるしな」

戦士「はあー…連敗中も更新しなきゃダメかあ~?」

魔法使い「何言ってるんですか…?ここは少し薄暗いですね」

勇者「まあ夜だしな。にしても、もう何年も人が入った気配がないな」

盗賊「カビ臭い塔だぜ。洞窟よりは塔だが、こんな有様じゃ…おっと」

キラーアーマーがあらわれた!

魔法使い「鎧のモンスターですよ!固そうなモンスターですね…」

盗賊「とりあえず攻撃だ、おりゃあっ!」ガギギギン!

戦士「ほとんど傷ついてねーじゃねーか!おらっ!」ゴッ

魔法使い「ーー魂に宿る火、指先より出でて、かの者共を焼き払え!ギラ!」ゴオオ…

キラーアーマーのこうげき!キラーアーマーはルカナンをとなえた!キラーアーマーのこうげき!

戦士「ぐおおいってー!なんだあの呪文、掛けられたらめちゃくちゃ攻撃が痛くなったぞ!」

勇者「ギラもあまり効いてねーようだ…らあっ!」ドガギギィン

盗賊「くそっ、今じゃ俺が一番攻撃力が無いな…頼むぜお前ら!」

キラーアーマーのこうげき!キラーアーマーのこうげき!

勇者「ぐおおっ!?すげえ猛攻だ…」

魔法使い「は、早く倒さないと…でもギラはあまり効かなかったし…冬よ!我が声に応え、その息吹を吹き付けよ!ヒャド!」カキーン

戦士「おっ、効いたっぽいぞ!おらー!」ガゴン

キラーアーマーをたおした!

キラーアーマーのこうげき!

盗賊「ぐおっ、きついぜ…早くしてくれ、もたないぞ…」

勇者「待ってろ!おらあっ!」ガギギギン!

魔法使い「もう1発…ヒャド!」カキーン

戦士「うりゃー!くらえぇー!」ドゴン!

キラーアーマーたちをやっつけた!

魔法使い「な、なんとか倒せましたね…」

勇者「全員ボロボロだな…回復するぞ、集まれ」

盗賊「どうやらここはちょっとスリルが過ぎるようだな。やまたのおろち退治の為に良い訓練場所が無いかと思ったが、ここは少しはやいかもな…」

戦士「あー、あそこの敵強かったな!」

勇者「まあな。あの後何回か戦ったが、戦い終わる度に何回もホイミするようだったぜ」

盗賊「でも魔法使いの呪文が戦力になると分かったのは良かったな。勇者のラリホーもあの鎧にそこそこ効いたしな」

戦士「鎧って寝るんだな、知らなかったぜ!」

魔法使い「いや、鎧は寝ないと…いやでも…」

勇者「んな事より、そろそろ夜が明けちまうぜ。町はまだかよ?」

盗賊「おそらくそろそろムオルが見えてくるはずだが…夜明けに間に合うかは微妙な所だな…」

魔法使い「なんだか少しずつ明るく…あ!見えましたよ、陸が!」

勇者「て事は…見えたぜ、ムオルだ!」

盗賊「ふう、なんとか夜のうちに着きそうだな」

戦士「うおー!腹へったぜー!さっさと帰って飯にしようぜ」

魔法使い「僕はもう寝たいなあ…」

勇者「俺もだ。にしても、明日からどうするか…修業はしなきゃならねーが、新しい場所も見つけなきゃならねーしな…」

盗賊「この近くに何かあればいいけどな。ま、それは明日考えようぜ、今日はもう休もうぜ、流石に疲れたぜ…」

盗賊「今週こそは2回更新する!…って毎週のように考えてるよな」

戦士「でも気がつくともう週末なんだぜー!」

魔法使い「詠唱は…個人個人でみんな違うんです。何故かというと調べ直すのが面倒だっていう…」

勇者「説明は終わりか?さて、今日は北に向かうぞ」

魔法使い「明日行くべき新しい場所を今日のうちに見つけておくんですよね」

盗賊「そいつは俺の仕事だ、任せろ…もっと北、そして少し西だな」

戦士「北ってのはこっちだよな?行くぜー!」

勇者「西と東しょっちゅう間違えるから気を付けろよ」

魔法使い「誰の話でしょう…うう、ここまで来ると流石に少し寒いですね…」

盗賊「お前らは良いよ、みんな着ぐるみだもんな。俺は…おっと」

戦士「なんか見えてきたなあ?あれは…なんだ?ただの浅瀬じゃねーか!」

勇者「いや、ただの浅瀬じゃあねーだろ。ねーだろうが…今はどんな場所なのか分からねーな」

魔法使い「覚えておいた方が良い場所、といった所でしょうか」

盗賊「多分な。さ、次は南に…ってこれはムオルだな。うーん、東にでも行ってみるか」

戦士「っしゃー!次だ次!」

魔法使い「島がたくさん見えてきましたね。この辺であなほりを…あ、ラックのたねです!」

盗賊「まあ、小当りってとこか?さて、もうちょっと東に…」

戦士「島はいっぱいあるけど何も建物はねーなー」

勇者「この辺りは外れか?ならそろそろ引き返さないと…」

盗賊「まあ待てよ。成果無しで引き返したら明日が大変だぜ?タカのめで…北東だな」

魔法使い「北東!そっちにはまだ行ってませんよね」

戦士「こんな所に町とかあるかあ~?」

勇者「まあ行ってみるぞ…あれは?何か見えるぞ」

魔法使い「建物…ほこらですね!」

盗賊「っし!見つけたぜ!さて、夜が明ける前に帰るだけだが…」

魔法使い「もうすぐ夜が明けそうです。間に合うでしょうか?」

勇者「以外と夜は長いからな。特に明けそうになってからが…」

戦士「おお!村が見えてきたぜ!」

盗賊「ふう、今日もギリギリ間に合ったな。この距離だと明日もギリギリだよなあ、当たり前だけどな」

勇者「そうだな…前の日に次の場所を見つけておくっていうのは失敗だったかもな」

戦士「行ったり来たりで時間のムダだよな!」

魔法使い「でも見つけられないと死んだ時と同じペナルティーですよね?」

盗賊「むしろ一人死んだのと同じペナルティーって、あんまり辛くない気もしてきたな。まあ、見つけるに越したことはないがーー」

勇者「実際今日も見つかったしな。それに、海の上だと戦闘も少ないから消耗もしねーし、あんまり宿まで戻る利点もねーよな」

魔法使い「確かに…!

戦士「まあどっちにしろ明日は今日見つけたとこだろ?」

勇者「ああ、せっかく見つけたしな。そしてせっかく夜が明ける前に着いたんだ、早く宿に行くぞ」

盗賊「この町には娯楽もないしなあ…」

魔法使い「僕はもうクタクタですよ、職業が変わったからか緊張しっぱなしで…」

戦士「っしゃー!宿で飯だぜー!ここの魚は絶品だぜー!」

盗賊「あーくそ、やっぱり北は寒いぜ…」ブルルッ

勇者「少し我慢しろよ、昨日行ったからだいたいの距離や場所は分かってるからすぐだ」

魔法使い「ほこらがありましたよね。うーん、こんな所にあるほこらかあ…」

戦士「ジパングの近くにあるほこらみたいに宿になってたりしねーかな?」

盗賊「バハラタの北の方にもあったよな。湖畔のしゃれた宿屋が」

魔法使い「ありましたね。あそこも結構北だと思いましたけど、そんなに涼しくはなかったですよね」

勇者「バハラタやアッサラームがかなり暑い所だったからな。さて、そろそろ見えてくるはずだが」

盗賊「ああ、確か暗くなってきてから見つかったよなあのほこら。だんだん日が暮れてきたし、そろそろか…」

戦士「お!ほら見てみろよ、あのほこらだろあれ!」

魔法使い「ええ、あれです。そう大きくない島に、ポツンと建って…一体何が待ってるんでしょう…?」

勇者「それもすぐ分かるだろ。さ、行くぞ」

ーー旅人のほこら

盗賊「…静かだな」

魔法使い「ええ。誰も居ないんでしょうか…?」

戦士「おーい!誰か!誰かいねーのかー!」

勇者「誰も居ねーようだな。居ねーが…」

盗賊「ああ…3つの部屋それぞれに1つずつ、あの旅の扉ってやつがあるな」

魔法使い「離れた土地へ移動できる旅の扉が3つも…!これって、新しい場所を3ヵ所も見つけたようなものですよね!これで楽に…」

勇者「いや待てよ。もうすでに行ったことのある場所に着く可能性だってあるぜ。覚えてないか?入れない、鍵がかかった場所に旅の扉があった所を…」

戦士「んー、あったようななかったような…」

盗賊「それこそさっき話したバハラタ北やジパング近くにあった宿屋になかったか?あとはロマリアからポルトガに向かう途中のほこらにもあったような…」

魔法使い「そういえばそうですね。他にもいくつかあったかも…」

勇者「…と考えると、この旅の扉を新しい場所と決めつけるのは危険だな。もっと別の場所も探さないと…」

盗賊「入って確かめるって訳にもいかないのがな。ま、どうせ今日はこのまま探索を続けるつもりだったんだろ?」

勇者「ああ、もっといろんな場所を探そう。町に戻る時間がもったいないからな。この近くに何かがあれば良いんだが…」

戦士「で、次はどこ行くんだ?」

盗賊「そうだな…ここより更に北、そしてちょいと西、そこにも何かがあるな。そう離れてはいないようだ」

魔法使い「では行ってみましょう…うう、更に北は更に寒い…」

勇者「我慢するしかねーな。くそ、夜だからなかなか見えづらいな…」

盗賊「俺の目を信じてくれよ。もうすぐ…お、ほら、何か見えてきたぜ」

戦士「ん~?ホントかあ?平原しか見えねーぞ!」

勇者「平原っつーか雪原だな。でも何か変だな、人の気配というか、何者かが往き来してるような跡があるような…」

魔法使い「ええ、ヒトの痕跡みたいなのがありますよね。ここもいずれ調べる必要があるのかもしれないですね」

戦士「新しい場所キープってとこかあ?で、次どこ行くんだよ」

勇者「そうだな、あのほこらから少し西に来たし、このまま西に…ああ、夜が明けるな…」

ーー69日目

盗賊「夜が明けたか。あ、書き忘れたが、↑は68日目だからな」

魔法使い「誰に言ってるんですか…?でも太陽は日替わりから、僕らは西へ、太陽に追いかけられながら進むようですね」

勇者「今日も好天でめでたいこった。さあ行くぞ、新しい土地を目指してな!」

戦士「よっしゃー西だ西だ!どんどん進むぜー!」

勇者「この辺は島が多いな…」

魔法使い「ですね。あまりガンガンは進めませんね…」

盗賊「お、ちょっと北よりに進んで見てくれ。何かありそうだ」

戦士「北にー?この島かあ?だだっ広いだけで何もねーぞ?」

魔法使い「いえ、見てください。雪原に1ヶ所、雪が少ない所が…」

勇者「ああ、人の手が入っているというか、誰かが往き来してる痕跡があるというか…」

盗賊「ただの雪原じゃなさそうだよな。ここも後々来たりするようかもな」

戦士「じゃあ覚えとかねーとな!お前ら覚えとけよ!俺は覚えられねーからな!」

勇者「自信満々に言うことかよ…」

魔法使い「でも、次の場所候補が見つかって良かったですね。あちこち当てもなく探し回るのも大変ですし…」

盗賊「まあな。だがこの調子でどんどん見つけていこうぜ。このまま西に行くだろ?」

勇者「ああ、どんどん行ってみよう」

戦士「っしゃー まだまだ進むぜー!」

勇者「…あれからかなり西に、そしてやや北よりに来てみたが…」

魔法使い「何も見つからないですね…ミナミには広大な森林地帯が広がる大陸がありますけど…」

盗賊「でかいよなこの森。多分ムオルやダーマなんかと同じ大陸のはずだが…」

戦士「歩いては来れねーよな!船ってスゲーな!」

勇者「今さらかよ…っと、あれは…」

魔法使い「ほこらだ!ほこらがありますよ!」

盗賊「よし、また新しく見つけたな。しかしこんな所にどんなヤツが住んでるんだろうな?」

ーーホビットのほこら

ホビット「あ、船が通りすぎてく!ほらほら、そろそろ出番だぞ!」

旅人女「ほら、さっさと喋る猫の準備しな!」ゲシッ

猫「ふにゃー!?今やるところですにゃー!」オアー…

魔法使い「…あれからまた北西にどんどん進んで…すっかり暗くなりましたね」

盗賊「夜が明ける前に何処かに着けば良いがなあ」

戦士「腹へったなー。そろそろ宿に泊まりてーぜ」

勇者「確かに流石に2日徹夜だと堪えるな…」

魔法使い「とはいえ、都合良く宿があるなんて…あれ?」

盗賊「あれ、町だよな?よし、今夜はあそこに…いや、新しい場所行くわけにはいかないよな」

勇者「いやよく見てみろよ。見覚えねーか?」

戦士「あー?…ああ!あれノアニールかあ!?」

魔法使い「え…?あ、本当だ!ノアニールですよ!」

盗賊「長い長い航海の果てに、ノアニールに戻ってくるとはなあ。ま、来たことがある町で逆に良かったな。そして…この町助けといて良かったなあ」

魔法使い「ええ、誰かを助けた事が、こうやって自分達に帰ってくるんですね…」

勇者「……よし、じゃあ上陸だ。今夜はノアニールに泊まるぞ。下船の準備だ!」

戦士「うおおー!宿だ!飯だー!」

盗賊「…さて、そろそろ昨日見つけたほこらに着くはずだが…」

戦士「お、あれだろあれ!見えてきたぜー!」

勇者「よし、じゃあここから上陸だな。さて…」

グリズリーがあらわれた!

魔法使い「熊が3匹!強そうですね…」

盗賊「やるしかないだろ、そらっ!」ピシャシャ

グリズリーのこうげき!グリズリーのこうげき!

勇者「くっ!?くそっ、バカ力め…!」

戦士「いてー!けど負けねー!おらー!」ガッ

グリズリーのこうげき!グリズリーのこうげき!

盗賊「くそっ、なんて攻撃力だ…!おらあぁっ!」ピシャシャァ!

グリズリーたちをやっつけた!

魔法使い「な、なんとか勝てましたね…凄い強さだった…」

勇者「あんまり長居したい場所じゃねーようだな。さっさとほこらに入るぞ。さて、何が待っているか…」

ニャー…ニャー…

盗賊「猫が沢山いるな」

戦士「猫よりも人いねーのかよ!おーい!誰か…ぐおっ!?」ベキャッ

魔法使い「なっ!?小さな人影が華麗な回し蹴りを戦士さんに!?」

ホビット「こらー!ヒトのうちでギャーギャー騒ぐなー!」

盗賊「ああ、悪かったね可憐なお嬢さん。ところで…」

ホビット「あれ?君たち冒険者?珍しいねこんな所に」

勇者「ああ、俺達は…』

ホビット「あー!君オルテガさんにそっくり!私が昔一緒に旅してた勇者様と!」

勇者「な…!?親父と旅を…?」

ホビット「親父!?オルテガさんの息子なの!?へー、本当に似てるね!あー、懐かしいなあ…」

魔法使い「あ、あの、オルテガさんは…」

ホビット「あー、確か火山の火口に落ちて亡くなったなんて話だよね。でも私はちょっと信じられないなあ。君もそうなんじゃない?」

勇者「…ああ」

ホビット「だよね!きっとオルテガさんはまだ生きてると思うよ!世界は広いから今は会えなくてもさ、いつかまた会えると思うよ!」

盗賊「ああ、きっとな。へへ、一緒に旅してたヒトが言ってるんだ、説得力あるじゃないか、なあ?」

勇者「まあ、な…」

ホビット「それで君たちは何処を目指してるの?…へえー、エジンベアに、きえさりそうかあ…あ!きえさりそうならこの辺のモンスターが持ってるかもよ!」

魔法使い「え!?本当ですか!?」

ホビット「でも君たちにはこの辺のモンスターはちょっと厳しいかなあ。ま、一応覚えといてよ!」

勇者「ああ、貴重な情報、助かる」

猫「にゃーん?」

勇者「いいえ」

猫「にゃーん?」

盗賊「いいえ」

猫「にゃーん?」

魔法使い「いいえ」

猫「…にゃーん?」

戦士「いいえ!」

猫「にゃーん…」

戦士「よっしゃーじゃあ行くぜ!じゃあなアネキ!」

ホビット「じゃあねー!君のアネキじゃないけどね!」ノシ

盗賊「よし、じゃあさっそくきえさりそうを探しに…」

魔法使い「でもモンスターが強いですから…」

ホビット「あーあ、行っちゃったかー。猫君、残念だったね!」

猫「うにゃあ、喋れませんでしたにゃあ…」

旅人女「ったくバカ猫だねえ、喋らなきゃバイト代満額貰えないじゃないか!」ゲシゲシッ

猫「ふにゃー!?喋らせてくれなかったから仕方ないのですにゃー!」オアー…

ホビット「あはは、かわいそうだけど約束は約束だからね!…それにしても勇者の父親のパーティーメンバーなんて、結構重要そうなのになかなか話題にならないよね。リメイクとかもしあればこういうとこ広げて欲しいよねー」

旅人女「どうだろうねえ?ま、リメイクするならイベント増やすのは必須だろうけどね」

猫「にゃ、何の話を…?」

旅人女「アンタには関係ないよ、そんな事より次のバイト探しに行くよ、バカ猫」ズルズル…

猫「ふにゃー!?引き摺らないで欲しいのですにゃー」オアー…

ホビット「あはは、元気でねー!…君たちも、元気でね。またいつか、ね?」

勇者「…とはいえ、鎧や熊ばっかりで全然それっぽいモンスター出ねえな…」

魔法使い「しかもあの熊、凄く強いです…攻撃力が恐ろしいですよ…」

盗賊「スリルがあって結構だと思うが、強さの割りには稼げないよなあいつら…きえさりそうが目的じゃなきゃ、あんまり居たくない場所だな…」

ーーまほうおばばがあらわれた!キラーアーマーがあらわれた!

戦士「おお!?こいつじゃねーかきえさりそう持ってるの!」

魔法使い「テドンの周辺にいたきえさりそうを持ってるってモンスターに似てますもんね…でもこの見た目は…」

まほうおばばはベギラマをとなえた!まほうおばばはベギラマをとなえた!

勇者「うおおっ!?くそっ、強烈な呪文を使いやがる!」

キラーアーマーはルカナンをとなえた!

魔法使い「でも少し噛み合ってないですね、ルカナンと攻撃呪文じゃ、僕も…ギラ!」パラララ!

盗賊「先に婆さん達を倒すぜ!そりゃっ!」ピシャシャ

まほうおばばをたおした!

戦士「鎧は任せろ!うおおおおー!」ガガッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「っし、なんとかなったぜ。しかしこれじゃ魔力がいくらあっても足りねーぜ、ホイミ、ホイミ、ホイミだ…」

戦士「うおおー、やっと帰ってきたぜえ…死ぬ…」ヨロヨロ…

魔法使い「勇者さんの魔力も切れて、パーティーみんなボロボロですね…」

勇者「ったく、真っ直ぐ戻りゃ良いのに、ムオルからどのくらい歩けばきえさりそう持ってるかもモンスターと会えるか確認してーなんて言いやがるから…」

盗賊「まあまあ、明日以降を考えれば大事な事だろ?正直、ここのところ時間に追われてる感じだし…」

デッドペッカーがあらわれた!スライムつむりがあらわれた!

魔法使い「み、見たことないですよねあの貝のモンスター…それに、あの鳥は…!」

勇者「ちっ、逃げるぞ!」ダカダカダカ…

しかし まわりこまれてしまった!

デッドペッカーのこうげき!スライムつむりのこうげき!デッドペッカーのこうげき!デッドペッカーのこうげき!

盗賊「くそ、攻撃が…」

スライムつむりのこうげき!デッドペッカーのこうげき!

盗賊はしんでしまった!戦士はしんでしまった!

魔法使い「ああ、二人とも!」

勇者「くそっ、全滅してたまるかよ!逃げるぞー!」ダカダカダカ…

魔法使い「…よし、これで二人とも生き返りましまね。神父さん、ありがとうございました」

盗賊「結局、死んだのは俺と戦士だけだったんだな」

勇者「ああ、なんとか逃げ切れたぜ」

戦士「っしゃー、それじゃたびびとのふくとこんぼうをポイポーイ!」バサッ ゴドン

魔法使い「…手持ちの装備品も少し心許なくなってきましたね」

盗賊「ぬののふくとかなくなったしなあ」

勇者「最近、装備品を全く入手出来てねーからな」

盗賊「とはいえ、こんな旅だと運次第だからなあ」

戦士「とりあえず宿行こうぜ!腹へったしねみー!」

魔法使い「そうですね、僕も疲れました…」

勇者「じゃあ宿屋に行くか。そして明日はまたどこかにいかなきゃならねーのか…」

盗賊「ちょっと行動が制限されてきた感じはするよなあ。ま、明日はまだ行く場所があるからましだけどな…」

戦士「じゃあ今日はあの北の雪原に行くんだな?」

勇者「ああ、何があるか行ってみようぜ」

魔法使い「あんな所に住んでる人とかいるんですかね?」

盗賊「さあな。ただ俺達は今までも変わり者をたくさん見てきたからな」

戦士「おとといのアネキだって相当変り者だよな!」

勇者「あんな所で一人、猫に囲まれて暮らしてたよな…あんなヒトが他にいてもおかしくはねーな」

盗賊「エルフやホビットの可能性もあるよな…っと、夜になっちまった、こんなに遠かったか?」

魔法使い「もうすぐなはずですけど…あ、見えてきましたよ!」

勇者「よし、じゃあ上陸するぞ。準備は良いな?」

戦士「っしゃー、エルフでもモンスターでも出てみろってんだ!」

魔法使い「いやあ、モンスターはちょっと…でも、ここがダンジョンの可能性もあるのかあ…」ゴクリ…

盗賊「…おお、家があるぜ。さんざん迷ったな…」

魔法使い「何もない平原を歩き続けて、一度元の場所まで戻ってしまいましたもんね」

勇者「さて、何がいるか…」ガチャリ…

老人「人に会うのは何年ぶりじゃろうか。そうだ、前に海賊達がふなのりのほねを持ってきて以来じゃな」

戦士「ふなのりのほねえー?」

老人「さてお前達、へんげのつえは知っておるか?」

勇者「へんげのつえ…?聞いたことはないが…」

魔法使い「多分、名前からして変化…姿を変えることが出来る杖ですよね?」

老人「そうじゃ!わしはあれが欲しいのじゃよ。噂では、サマンオサの王様が持っとるらしいがのう」

盗賊「王様が?それじゃ盗みでもしなきゃ無理じゃないか?」

戦士「そもそもサマンオサってどこだよ?」

魔法使い「聞いたことないですよね…?」

老人「サマンオサはさいごのかぎがあれば行けるそうじゃぞ」

勇者「サマンオサ、へんげのつえ、さいごのかぎ、か…これからの俺達の旅にも関わってきそうだな。覚えておくか…」

勇者「…夜明けまでに帰れねーかもしれねーな…っ!あいつは…!」

テンタクルスがあらわれた!

戦士「うおお!?いつか会った緑のイカだな!」

盗賊「どうするんだ勇者?」

勇者「…こいつは強そうだが、だからこそ良い経験になるはずだ、やるぞ!ラリホー!」ポワワーン

魔法使い「僕も呪文で…意志を燃やせ!魂を燃やせ!悪しき彼の者を焼き尽くせ!ベギラマ!」ゴオオオ…

戦士「おお、すげー魔法じゃねーかよお!」

テンタクルスのこうげき!テンタクルスのこうげき!テンタクルスのこうげき!テンタクルスのこうげき!

勇者「ぐあっ…!凄まじい手数だな…もう一度ラリホーだ!」ポワワーン

盗賊「今度は2体眠ったか!そらっ!」ピシャシャシャ

魔法使い「もう一度…ベギラマ!」ゴオオオ

戦士「うおおー!」ガッ

テンタクルスたちをやっつけた!

勇者「っし!手数には驚いたが、なんとか倒せたな。一応俺らも強くなってるみたいだな…」

魔法使い「ふう、無事ムオルには帰って来られましたけど…」

盗賊「夜が明けちまってたなあ。もっと早く帰って来れると思ったんだがなあ」

戦士「どうすんだー?宿に泊まるのか?」

勇者「…いや、このままあのジパングの洞窟に行こう」

戦士「おお!?おろちと戦うのか?」

盗賊「アホ、経験値稼ぎだろ?流石に今また挑んでも返り討ちだろうよ」

魔法使い「そうですね、僕は魔法を覚えましたけど、体力がかなり落ちてますし…」

勇者「俺達は経験値も足りないが、平行して探索も続けなきゃならねえ。1日を無駄にする余裕なんかねーよ」

盗賊「だよなあ…ま、俺はスリルがある方が良いから、あの洞窟の魔物達と戦うのは賛成だぜ」

戦士「もっともっと強くなって、早くおろちのヤローぶっ飛ばさねーとな!」

魔法使い「ですね、幸いみんなさほど消耗してないですし…」

勇者「決まりだ、じゃあ行くぞ…消耗が少ないとはいえ、出来るだけ長く洞窟で稼ぐためには宿に泊まれなかったのは厳しいところだけどな…」

盗賊「またここに来たか。少しばかり疲れてはいるが、それもまたスリルがーー」

魔法使い「ま、待って下さい!敵です!」

ーーきめんどうしがあらわれた!

勇者「ちっ、厄介な奴だな。しかしあの呪文さえ貰わなければ無傷で勝てる可能性もある。気を引き締めろよ!」

戦士「おおー!あんな呪文にかかるかよ!」

きめんどうしはメダパニをとなえた!戦士はこんらんした。

盗賊「おいぃ!言ってるそばから…」

戦士のこうげき!戦士のこうげき!

盗賊「ぐあっ!?くっそ、馬鹿力め…!」

魔法使い「ま、まずいです、僕は体力が…」

勇者「さっさとあいつらを倒すしかねー!うらあっ!」ピシャシャシャ

盗賊「うおおおっ!」ピシャシャシャ

ーーきめんどうしたちをやっつけた!

戦士「…ん?お、なんか知らねーが敵が倒れてるぜ!ラッキーだな!」ヒャッホー

勇者「こいつ…まあ、死人が出なかったから良い。いくぞ…」

戦士「へー、俺混乱してたのか!いやー、忘れちまうもんだな!」ハッハッハッ

盗賊「はっはっはっ、じゃないだろ。お前が混乱すると一番危険なんだよ。お前のパワーで殴られる身になってくれよ」

魔法使い「戦士さんの強さを肌で感じましたね…でも混乱してしまったのだから仕方ないで…」

きめんどうしがあらわれた!

勇者「くそっ、またこいつらかよ!やるぞお前ら!」

戦士「うおおおっ!今度は混乱しねーぜー!」

きめんどうしはメダパニをとなえた!勇者はこんらんした。

盗賊「おいおいおい、こっちかよ!」

勇者「…我が魂、深き底より真紅の牙を呼び起こさん!」

ーー勇者はベギラマをとなえた!

魔法使い「あ、熱い熱い!ゆ、勇者さん自分まで燃やしてますよ!」

盗賊「くそっ、早くモンスターやっちまうぞ!おらっ!」ピシャシャシャ

戦士「うおおー!行くぜー!」ガッ

ーーきめんどうしたちをやっつけた!

盗賊「な、なんとかなったか…前言撤回、勇者が一番危険だな…」

勇者「くそっ、散々だったぜ」

魔法使い「ま、 まあ仕方ないですよ…」

戦士「しかしレベルあがんねーもんだなー」

盗賊「魔法使いが2つ上がって16になったが、それだけだったもんなあ」

勇者「他が誰も上がらなかったな。くそっ、こんなペースじゃ…」

魔法使い「焦っても仕方ないですけど、でもこのままでは…」

盗賊「まあ、最悪アイテム捨てながらでも経験値稼ぐしかないだろうなあ。ここのところ装備品は見つからないが、消耗品ならいくつか見つかったな」

魔法使い「盗賊さんはどくがのこなとちからのたね、僕がどくがのこなとまんげつそうですね」

戦士「カネもたくさん見つけただろ?」

勇者「17744ゴールドあなほりで見つかったな。使い道はないが」

盗賊「ま、魔法使いはレベルアップしてるんだ、少しずつ強くなってると信じるしかないな」

魔法使い「2つレベル上がっても呪文覚えなかったのが辛いですけど…」

勇者「こっから覚えるだろ。いや、覚えて貰わないと困るぜ。そして俺らも強くならねーとな。しかし…くそっ、行き詰まって来ちまったぜ…」

魔法使い「今日は、以前見つけた旅人のほこらに行くんですよね?」

戦士「えーと、旅のとびらがたくさんある所だっけか?」

勇者「ああ。確か3つあったはずだから、どれか1つくらい新天地に行けるだろ」

盗賊「賭けっちゃ賭けだが、まあ外さないだろ…おっとお!」

ーービッグホーンがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

魔法使い「あ、あれは銀色の…!」

盗賊「おっし、慌てず騒がず…そらっ!どくがのこなだ!」

ビッグホーンはこんらんした。ビッグホーンのこうげき!メタルスライムをたおした!

戦士「おおー!やったなー!」

盗賊「へっへっ、素早さのタマモノだぜ。これで俺はレベルアップだぜ」

勇者「ここで経験値が得られたのはでかいな。異動日はなかなか魔物と戦えないからな」

魔法使い「そうですよね、ほこらにつく前にもう夜ですもんね…」

戦士「よし、じゃあほこらに行くぜー!待ってろよモンスター!」ウオー

勇者「だから、旅のとびらしかねーよ…」

魔法使い「ほこらでは新しい場所に行けましたけど…」

盗賊「鍵がかかってて進めなかったな。どの辺に行ったのかさえ解らずじまいだ」

戦士「でもよお、とりあえず新しいとこ行ったから良いんだろ?」

勇者「まあな。だが出来ればあそこから更に別の土地に行けたら良かったんだけどな」

魔法使い「それでこの辺りは…あの塔があった大陸の東側ですよね?ムオルから海を越えた東にあった塔の…」

勇者「ああ、東海岸だ。この辺りに何かあれば…」

戦士「お?見ろよ、何かあるんじゃねーかあそこ?」

魔法使い「あそこは…ずいぶん開けた場所ですね」

盗賊「ああ、平原だな。あのへんげんつえがどうこう言ってた爺さんのいた所にちょっと似てるかもな」

勇者「似てるか?まあ、だだっ広そうな所は似てるか…」

魔法使い「もしかしたら、また誰か居るかもしれませんね。オーブやエジンベア、サマンオサの事を知ってる人がいるかも…」

盗賊「とりあえず、次に来る場所は決まったな。さて、これからどこに行く?」

勇者「南か、更に東かだな。南に大陸沿いに行くべきか、海を越えてみるか、さて…」

戦士「夜が明けちまったぜ!どっち行くのか決めたのか?」

勇者「…このまま東に向かおう。別に南でも良いけど、勘だな」

盗賊「勇者の勘か、結構じゃないか。よし、行ってみようぜ」

魔法使い「大陸沿いに進む南と違って、東は大海原ですから、何があるのか…」

戦士「でもよう、ほら、見えてきたぜ陸が!」

盗賊「ここは…どこだろうな?どうする?このまま上陸するか、北か南か…」

勇者「北に行ってみるか。どうも、見覚えのある景色のようだがな…」

魔法使い「僕も、どこかで見たことあるような…」

盗賊「ま、本当に知ってる土地ならそのうち知ってる町にも着くだろ。今は進んで…おお?あれは…」

戦士「城じゃねーか!小さな島に城!」

魔法使い「お城…!じゃあここがエジンベア…?」

盗賊「聞いた事があっても行ったことがない町っていったらエジンベアとサマンオサ、あとテドンで聞いたネクロゴンドだが、ネクロゴンドはテドンの北っていう話だったしな」

勇者「エジンベアの可能性もあるな、だとすると…まだきえさりそうが無いんだよな。あれがないとどんな不都合があるのか…」

魔法使い「ーーとはいえ、今日はまだここには行けませんよね。この後は…」

勇者「また東だ。東に来たらこの城が見つかったからな、更に東へ向かえば…」

戦士「よっしゃ行くぜー!…ってここ見たことあるぞ!ノアニールの西だろここ?」

盗賊「地底の湖のある洞窟に、エルフの隠れ里…間違いないな」

魔法使い「という事は…以前ムオルから西に探索した時、もう少し進んでいればここに辿り着けていたんですね…」

勇者「それは言っても仕方ねーな、あの時は次の場所に行くために引き返さなきゃならなかったからな」

盗賊「それに、寄り道したからこそお前もレベルアップしたと言えるだろ?」

魔法使い「それは…そういう考え方も出来ますけど…」

戦士「呪文も覚えたんだろ?」

魔法使いレベル17「メラミとマホトラを…僕としては、かなり強力な呪文を覚えたつもりですけど…」

勇者「お前だけじゃねー、パーティー全体だ。特にメラミは強力だと聞いてる」

盗賊「後々も役にたちそうだよな。ま、とりあえず今回はあの草原と城、2ヶ所見つけられたんだから上々だろ。さ、ノアニールまで行って休もうぜ」

戦士「っしゃー!飯だ飯だ!」

盗賊「さーて、じゃあこの城にお邪魔するか」

魔法使い「うわあ…立派なお城ですね」

勇者「そうか?アリアハンと大差ないだろ」

戦士「田舎だしな!」

盗賊「おい、聞こえるだろ…っと、こんにちは、門番さん」

門番「ここは由緒正しきエジンベアのお城!」

勇者「!…ここがエジンベアか!」

門番「田舎者は帰れ!帰れ!」シッシッ

戦士「ああー?ここの方がよっぽど田舎だろうが!」

門番「なんだと?田舎者は礼儀を知らんな!さあ帰った帰った!」シッシッ

魔法使い「せ、戦士さん、ここは退きましょう…それにしても門前払いなんて、どうしたら…」

盗賊「で、追い払われた訳だが…」

戦士「どうすんだよおい!ここに入れないと…あれ?入れないとなんかあるんだっけか?」

魔法使い「えーと、ランシールのスライムが、きえさりそうがあったらエジンベアに行くようにって…あ!」

勇者「なるほどな、きえさりそうはこの為に必要な訳だ」

盗賊「きえさりそうっていうからには姿を消す事が出来るんだろうからな。となると、あの門番の目をごまかして進入するためのモノなんだろうな」

戦士「盗賊みたいだな!」

盗賊「まあ俺は盗賊だし別に構わないが…きえさりそうを手に入れない事にはこれ以上は進めなさそうだな」

魔法使い「そうですね…でも幸い、この周辺にもきえさりそうを落とす魔物がいるみたいですし…」

勇者「とりあえず夜までは探してみるか。経験値稼ぎにもなるしな」

戦士「おお!あの門番ギャフンと言わせてやろーぜ!」

盗賊「俺もそうしたいが…そう簡単には見つからないだろうなあ。さて…」

盗賊「あー、エジンベアも見つけたし、きえさりそうを探すべきなんじゃないかとも思ったんだがな…」

魔法使い「きえさりそうを探すにもレベルが必要、という事でまた経験値稼ぎになりました」

戦士「メタル野郎10匹以上倒せたな!やったな!」

勇者レベル28「まあ、運が良かったよな。逃げるやつも少なかったしな」

盗賊レベル28「俺と勇者がレベルアップして28に、魔法使いはついに20になったな」

魔法使いレベル20「今日だけで3つもレベルアップして目標に達成しました!インパス、トラマナ、そしてヒャダルコまで覚えましたよ!」

勇者「ヒャダルコまで覚えるとは思わなかったからもうけたな」

戦士「で、このあと魔法使いはどうすんだ?20になったら転職だろ?でも僧侶になるにはもっかい全滅しなきゃだよなあ?」

盗賊「一端商人に戻るのも馬鹿らしいよな。となると…玉砕か?」

魔法使い「え、それは…」

勇者「…まあ、それしかないな。このままやまたのおろちまで行くぞ」

魔法使い「え、ええー!?本当に玉砕するんですか?ま、待ってください、待って…」

盗賊「よし、今日もおろちがいるな」

戦士「おっしゃー!戦うぜー!」

魔法使い「ほ、本当に戦うんですか?」

勇者「勝ち目は薄いが仕方ねー、これが一番丸くおさまるだろうからな」

魔法使い「丸くおさまるとは一体…」

戦士「つべこべ言うな!行くぞー!」

ーーやまたのおろちがあらわれた!

魔法使い「え、えーと、じゃあ…大地よ力を!我らに岩のごとき堅固な盾を!スクルト!」ギュイイーン

勇者「どうせホイミじゃ追いつかねー、世界よ吼えよ!天の怒り、閃きここへ!ライデイン!」ピシャドーン!

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

戦士「あちちー!でも負けねーぜ、おらあっ!」ザクッ

盗賊「なんだ?案外いけるんじゃないか、そらっ!」ピシヤッ

魔法使い「もう一度スクルトを…」ギュイイーン

勇者「まだまだ!ライデイン!」ピシャドーン!

戦士「うおおー!叩きのめしてやるぜー!」ガオー

盗賊「…まあ、普通に全滅するよな」

勇者「そりゃな…」

戦士「よっしゃ、なら投げ捨てるぜー!」ポイポイポイポーイ

僧侶「ああ、どうのつるぎが2つに、こんぼう、たびびとのふくも…」

盗賊「お前、さらっと転職してるな…」

僧侶「そういう予定でしたからね。でも皆さん、もう装備品の在庫がみかわしのふく1つしかないですよ!いよいよピンチです…」

勇者「最近全然装備品が手に入ってこないからな」

戦士「盗賊がサボってるからな!」

盗賊「サボってる訳じゃねえよ!だがまあ僧侶は転職直後で死にやすいだろうし、慎重にいかないとな」

勇者「新天地探しだからそうも言ってられねーけどな」

僧侶「新天地探せなくても装備品は捨てるようですからね。ここからはよりシビアな旅になりそうですね…」

盗賊「へえ、僧侶ってレベル1からホイミ使えるのか」

僧侶「そうなんですよ、もうパーティーの回復力アップですよ!」

戦士「おお、すげーじゃねーかよ!」

勇者「つっても転職すぐで体力無いんだから気を付けろよ」

僧侶「ええ、分かってます。それで今日はどこに…」

盗賊「この間エジンベア見つける前に見かけた草原だろ?」

勇者「ああ、あそこに何かありそうだからな…というか、無いとどん詰まりだ」

戦士「もう捨てる装備もほとんどねーからな!」

僧侶「ちょっと厳しくなってきましたよね…あ、見えてきましたよ、あの草原」

戦士「おお、ちけーな!」

勇者「そうか?もう夜になっちまったぜ…まあ良い、行ってみるぞ」

盗賊「なんかあれば良いがなあ。出来ればスリルのあるヤツな」

僧侶「いやあ、転職後なんで危険なのはちょっと…」

戦士「お?じいさんがいるぞ!」

老人「私、ここに町作る。町作れば皆喜ぶ」

勇者「ここに町を?」

盗賊「いやいや爺さん、こんな何もない所に一から町作る気かよ!?一人で?」

老人「町作るには商人がいる。レベル低くても構わない。商人であれば良い」

戦士「商人~?」チラッ

僧侶「…!」

老人「心当たりあったら連れてきて欲しい。誰かいないものか…」

勇者「商人…か。悪いが今は心当たりねーな。まあ…見つけたらな。じゃあ行くか」

盗賊「そうだな…ほら僧侶、ボーっとしてんな、行くぞ」

僧侶「え!?あ、は、はい………町作り、か…」

盗賊「町作りに商人ねえ。心当たりはあるが、お前に今抜けられると困るからなあ」

僧侶「ええ、分かってます…」

勇者「…さて、これから何処に向かうか…あそこにノアニールがあったって事は、南東に行けばポルトガ辺りに着くのかもな」

戦士「ポルトガか、久しぶりだなー!」

盗賊「そうだな、行ってみるか…だいたい進路はこんな感じで…」

僧侶「あ、大陸が見えてきましたよ」

勇者「ここは…カザーブの西辺りか?じゃあ南下すれば良いか…」

盗賊「っておい、着く前に夜が明けそうだぞ!」

ーー79日目

戦士「あー、宿に泊まれなかったなー」

勇者「それに宿で夜を明かさねーとルーラ使えねーんだよ。時間巻き戻しになっちまうからな」

僧侶「巻き戻し…?あ、何か見えてきましたよ!あれは…ほこら?」

盗賊「あれは…テドンの北にあったほこらだな。もうとっくにポルトガより美波に来てたようだな」

勇者「ちっ、時間を無駄にしたぜ。僧侶のレベルがいくらか上がったから良いようなものの、もう時間を無駄には出来ねーんだがな…」

盗賊「じゃあ、また探索だな。あー、また西に行ってみるか?」

勇者「南はテドン、北はポルトガだからな…西しかねーな」

僧侶「あの草原から南に下った辺りですよね。何かあれば良いのですけど…」

盗賊「レベルも上がれば良いが、海の遭遇率と経験値じゃなあ」

戦士「お?おー、なんか見えてきたぞ!ほらあれ見ろよ!」

勇者「あれは…村、か?いや、村にしては少し…なんだ?」

僧侶「ちょっと様子が違うようにも見えますね…」

盗賊「…ふーん、なんだかスリルがありそうだぜ。さっそく乗り込みたいが、明日だよなあ」

勇者「ああ、仕方ないが、また東に宇美を渡ってテドンで1泊だな」

僧侶「テ、テドンですか…魔力も尽きてきたし、宿には泊まりたいですから仕方ないですね…」

戦士「あそこ朝飯ねーんだよなあ」

盗賊「気にするとこそこか?ま、確かにあそこはスリルはあるけど、そういうスリルは求めてないんだよな。良いさ、ついでにきえさりそうもみつけられるかもしれないからな…」

僧侶「ああ、近くからでも分かる闇のオーラ…」ブルッ

盗賊「きえさりそうも見つからないな。てかあの魔女あんまり出てこないな」

勇者「まあ、少しでもレベルが上がったのは良かったな」

戦士レベル28「体力が大幅アップだぜー!僧侶は新しい魔法覚えたんだよな?」

僧侶レベル11「キアリーですね。最近毒を使う魔物に全然会ってないですけど…」

盗賊「ま、どくけしそう使わなくて良くなったのは良いだろ。有限だからなアイテムは」

勇者「余りまくってるけどな…」

僧侶「そしてあなほりで出てきたのはラックのたね。外れではないですけど…」

盗賊「使わないにしてもせめて装備品が良かったよなあ」

勇者「ここまできえさりそうが見つからないのは想定外だったな。また時間を見つけてあのホビットのほこら近くに行って探すしかないか…」

戦士「なーに、明日見つかるかもしれねーだろ?」

盗賊「その能天気な頭が羨ましいぜ。ま、もちろん明日には盗んでみせるがな」

僧侶「ぼ、僕もあなほり頑張りますよ!明日こそはきえさりそうを…!」

勇者「もう80日か…」

戦士「あっという間だったな!そろそろ魔王倒してるかと思ったぜ!」

盗賊「そんなに簡単な訳ないだろ。にしてもきえさりそう出ないな…」

僧侶「ですね…あなほりも盗みも不発でした」

勇者「まあいい、仕方ねー。昨日見つけたあの村に行くぞ」

戦士「うまいもん食えると良いよなー。テドンは朝飯なかったからなー」

盗賊「大して大きくなさそうな村だったし、期待しない方が良いんじゃないか?ま、ムオルみたいに魚が美味いかもしれないけどな」

資僧侶「海が近かったですからね、もしかしたら…あ!」

戦士「お、見えてきたなあの村!…あれ?村っていうか、でかい家が一軒だけかあ?」

盗賊「そうみたいだな。昨日感じた違和感はこれか」

勇者「しかしあれだけでかい屋敷だ、誰かいるだろうし、何かあるかもしれない。行ってみる価値はありそうだな」

盗賊「そもそもいかないなんて選択肢はないだろ、なあ?」

戦士「あったりめーだろ!」

僧侶「ですね。魔物が住んでる訳でもなさそうですし。しかし大きな建物ですね、お城とかを別にして、こんなに大きな家はジパングのあのお屋敷くらいしか見たことないですよね…」

戦士「お?誰か人がいるぜ!おーい!」

男性「しっ!この先の家は海賊達の住み処。近づかない方が良いですよ」

盗賊「海賊?へえ、そいつは面白そうだな」

僧侶「ええ…僕は怖いですよ。魔物は居なさそうだと安心してたのに…」

勇者「しかし海賊となれば宝なんかを集めてそうだよな。オーブなんかもあるんじゃないか?」

戦士「ん?オーブってなんだったっけ?」

僧侶「伝説の不死鳥を蘇らせるために必要だという宝玉ですよ。それがあればきっと魔王の城にだって行けるはずです」

戦士「あー、そんな話だったな!」

盗賊「そんな大事なこと忘れんなよ。ま、確かに賊ってのは宝が好きだからな。この広い海を縄張りにしてるって事ならかなり期待出来そうだぜ」

勇者「ああ、だが…どうやら人影が無いようだが…」

男性「彼らはいつも夜にならないと帰ってこないですよ。だから今のうちに…」

盗賊「じゃあ出直すか。つってもそろそろ夜だけどな」

戦士「じゃあ夜まで魔物退治だな!うおー!」

男性「いや、今のうちにここを離れた方が…大丈夫かなこの人達…」

僧侶「良かったですね、外のモンスターと戦ったらてつのよろい持ってましたからね!」

盗賊「盗みじゃなく宝箱からってのと、ぬいぐるみより守備力が低いのが残念な所だがなあ」

戦士「この着ぐるみ、マジですげーんだな!」

勇者「まあ、装備品自体足りなかったからな、なんだって有り難い事には違いねー」

盗賊「さて、と…海賊達も帰ってきてるようだが…」

海賊A「なんだ、お前達は?ああ、お前達か、魔王を倒すために旅をしているってのは」

僧侶「え…僕達そんなに有名だったんですね…」

海賊A「よし、お前達を歓迎しよう。何の用だ?」

盗賊「あー、かくかくしかじかでーー」

海賊B「オーブ?ああ、確かどこかで盗んだやつがあったはずだが、どこにしまったかな…」

勇者「オーブがあるのか!?」

海賊B「ああ、見つけたら持って行っても良いと思うが…まずお頭に話してみてくれ」

戦士「おかしらぁ?」

海賊A「お頭は奥の部屋にいるよ、くれぐれも粗相のないようにな」

僧侶「海賊のお頭さんかあ…怖そうですね、うーん…」

盗賊「よっしゃ、じゃあお頭の所に行くぞ。失礼します…っと、こいつは…」

女性「なんだい、あんたたち、見ない顔だね。あたいになんか用かい?」

戦士「あー?用があるのはお頭にだよ、お頭ってのはどこだ?」

僧侶「ちょ、ちょっと戦士さん…」

女性「あたいがお頭だよ。女がお頭なんておかしいかい?」

勇者「いや、おかしいというか驚いたというか…」

戦士「いやいやおかしいだろ!海賊だろ?女の海賊なんて変だろ!しかもお頭なんてよお!」

盗賊「お前…!ちょっと黙って…」

お頭「あっはっは!ずいぶんはっきり言うじゃないか、でも気に入ったよ!」

僧侶「……え?」

お頭「面白い奴らだよ、魔王を倒そうなんて思ってる奴らは違うねえ。なあ、本気なのかい?魔王を倒そうと旅してるってのは」

勇者「…ああ。必ず倒す」

お頭「手下から聞いたけど、オーブ探してるんだろ?どこかにあるから、見つけたら持って行きな。ルザミ…って知ってるかい?」

僧侶「ルザミ?いえ…」

お頭「ここから南に行って、ちょっと西にある島だよ。あそこを知ってるなんてあたい達くらいのものだろうね。行ってみると良いよ」

戦士「おお!次の行き先まで!すげーなお頭!」

お頭「ふふ、あたいはあんた館が気に入ったからね。そうだ、魔王を倒したらまたここに寄ってみてくれよ」

勇者「ああ、約束する」

僧侶「では失礼します…はあ~、もうダメかと思いましたよ…」

盗賊「全くだよ。結果オーライとはいえお前…」

戦士「よっしゃ!じゃあオーブ探そうぜ!」

勇者「反省してねーな…まあいいがよ、そのオーブはどこにあるのか…」

僧侶「この屋敷の中には、倉庫のような所はないみたいですよね」

盗賊「じゃあ外に回ってみるか…うーん、それっぽい所はないな。あと怪しい所と言えば…」

戦士「この岩だろ!押してみるぜうおおおお!」グググ…

勇者「…!下に何か…俺も押す、行くぜ、おらあっ…!」

僧侶「よいしょお…!ああ、階段がありますよ!下りてみましょう!」

戦士「宝箱があるぜー!開けてみるぜ、おらっ!」パカッ

勇者「…!こいつは、オーブか!?ついにオーブが…!」

盗賊「赤い宝玉か、見事なもんだな、美しいぜ。しかしこれでやっとひとつ目か、あと5つ、先は長そうだぜ…」

勇者「ちっ、昨日も宿に泊まれなかったな…」

僧侶「欲張ってたら朝になっちゃいましたね…」

戦士「魔力足りねーのか?」

僧侶「いえ、僕はマホトラも使えるので、それで何とか…」

盗賊「ベホイミはホイミよりかなり魔力効率が良いらしいからな。で、だ。俺らはルザミっていう次の目的地も出来た。しかしどのくらい距離があるかも分かりゃしない」

勇者「ああ。だからとりあえず夜まではこの辺りで魔物を狩る。きえさりそうも要るしな」

戦士「今日こそ絶対見つけるぜー!」

僧侶「そして夜になったくらいにルザミに向けて出発ですよね?」

勇者「ああ、そのくらい時間を確保しとけば辿り着けないって事もないはずだ。ただ…」

盗賊「今夜も恐らく宿には泊まれないな。もちろん、途中に町でもあれば話は別だが…」

僧侶「お頭の話を聞く限り、周りに何もなさそうですよね…」

戦士「今夜も徹夜かー。飯は魚でも釣るとして、寝れないのがなー」

勇者「船に乗ったら交代で寝れば良いだろ。よし、じゃあ行くぞ。俺たちにもたもたしてる時間はないからな」

盗賊「っし!きえさりそう盗むぜー!」

僧侶「結局、きえさりそうは見つかりませんでしたね…あそこの魔物達は魔法を使うのにあまりマホトラが効かないし…」

盗賊「くそっ、ほんとに持ってるのかよあの魔女!?」

勇者「あの人が言ってたから嘘ではないと思うが、確率は相当低いとも言ってたしな…」

戦士「お、見えてきたぜ、海賊の住み処がよお!」

僧侶「ですね。今日の目的地はここではないですが…」

勇者「ここから南に行って少し西、と言ってたが…まず少し西に進んでから南下した方が分かりやすそうだな」

盗賊「どのくらい南か分からないからなあ。まあとりあえず西に少し進んで…ん?あれは…!」

戦士「お?もうルザミってとこが見えたのか?」

盗賊「いや、ほら見てみろよ。あれ、見おぼえのある…」

僧侶「あ、あ、あー!あ、アリアハン大陸じゃないですか!?」

勇者「ああ、いざないの洞窟近くの森だ、あそこは…」

盗賊「で…ほら、あっちにも見えたぜ、島が。どうやらルザミとアリアハンはかなり近くにあるみたいだな」

戦士「お?じゃあルザミ寄った後アリアハンで宿に泊まれるじゃねーか!やったな!」

僧侶「ええ、良かったです。海に出てからはマホトラが効く相手も増えたとはいえ、魔力も不安でしたし…でも、こんな所にある島の人達…どんな人達なんだろう…?」

僧侶「ここは…この島は…」

勇者「ムオルの村人は自分の村を最果てと呼んでたが、こここそ最果ての島だな…」

盗賊「しかし昔はでかい神殿でもあったのかねえ?この柱とか…お、島の住人だ」

女性「こんにちは旅人さん、ここはルザミ。忘れられた島ですわ。貴方達の前に旅人が来たのはどのくらい前だったかしら…」

戦士「ここがルザミで良いんだな!何もねーな!」

僧侶「戦士さん、島の人の前で…」

女性「良いんですよ。ここには本当に何もない、お店でさえ何も売っていません。でも、だからこそ他所では聞けないような話が聞けるかもしれません」

盗賊「一理あるな、都会じゃ噂話は次の、より新しく刺激的な話にかき消されちまうが、これだけの辺境ならそういうことも無さそうだ」

勇者「情報を集めてみる価値有り、か…いずれにせよ、こんな所まで来たんだ。聞けるだけ話を聞いてみるしかねーよな」

女性「ここは小さな島です。全ての人と話すのもそう時間はかかりませんよ」

僧侶「じゃあさっそく行ってみましょう!」

戦士「よっしゃー!うまいもん探すぜー!」

盗賊「そいつはあまり期待できなさそうだけどな…」

勇者「ーーふう、これで全員の話を聞いたか?」

盗賊「だな。しかし本当に重要な話が聞けたんじゃないか?」

僧侶「ええ、やはり魔王はネクロゴンドの山奥。火山の火口にガイアのつるぎを投げ入れると道は開けると…」

戦士「あの預言者のじーさん、こんな所で俺らを待ってたのかよ!来なかったらどうする気だったんだ!?」

勇者「運命、って奴なんだろ。俺らがこの先ガイアのつるぎを火山の火口に投げ入れる事も、きっとな」

盗賊「で、そのガイアのつるぎをもってるのはサイモンとかいう男だって話も聞けたな。じゃあサイモンって男を探せばやがて魔王にも辿り着けるって訳だ」

僧侶「かなり…かなり魔王に近づいてる気がしますよ!ただサイモンという人がどこにいるかはわかりませんが…」

戦士「最後に話聞いた奴もなんか言ってただろ?南にある北の大陸がなんとかって。さっぱりわかんねーけどな!」

勇者「あれはおそらくへんげのつえを欲しがってた老人の事だ。…いや、何故へんげのつえの老人の事をあの学者らしき男が話した?」

僧侶「何か関係が…あ!もしかしたら、へんげのつえを持っているのはサマンオサの王様という話をあのおじいさんはしてましたよね!なら…」

盗賊「サマンオサにサイモンもいるかもしれない、ってか?流石にそれは話が飛躍し過ぎなきはするが…」

勇者「いずれにせよ、サマンオサもサイモンも手がかりがまだ足りねえ。まだまだ先は長いのかもしれないな。いや、ゴールがおぼろげにでも見えてきたのは前進したと言えるのだろうけどな…」

戦士「なんだよー、勇者の家に泊まるんじゃねーのかよー?」

僧侶「いきなり押し掛けても迷惑ですよ、しかも四人も。でも勇者さんだけでも実家に戻った方が…」

勇者「………パーティーだからな。別々って訳にもいかないだろ」

盗賊「ふっ、いっぴきおおかみの勇者も成長したよなあ。やっぱりご両親に見せてやりたいよなあ?」

勇者「ヤメロ…」

戦士「成長っていえばレベルも上がっただろ勇者は!」

勇者「ああ、29になった。ベホイミも使えるようになったぜ」

僧侶「これでベホイミ使いが二人。これはもしかしたら…!」

盗賊「3度目の正直で今度こそやまたのおろちを倒せるかもな。どうだ、明日にでも行ってみるか?」

勇者「今度負けたらいよいよ装備してるモノを手放さなきゃならねえ。が、いつまでも逃げてる訳にもいかねーよな…」

戦士「俺ならいつだって行けるぜー!」

盗賊「ああ、そろそろ腹を括るときかもな」

僧侶「ええ、今ならきっと…!今度こそ、ベホイミが二人で使える今度こそ、あのモンスターを…!」

王様「ーーうむ、そうか、頑張っておるようじゃな。では、行け!勇者よ!」

勇者「はっ!…ふう、面倒な報告も終わったな」

盗賊「アリアハンに帰ってきてたのに王様に報告がありませんでした、じゃあ流石に不味いだろうからなあ。にしても、俺も僧侶達と一緒に酒場に行きたかったぜ」

勇者「酒飲みに行ったんじゃねーよ、金を預けに行ったんだ…っと」

使者「久しぶりね。面倒な報告ご苦労様」

盗賊「いやいや、おねーさんに会えるのならこっちでも悪くなかったな」

使者「順調、のようね」

勇者「装備が尽きて終わりそうだ…」

使者「あら、それなら良い話があるわ。黄金の国の多頭のドラゴンは、強力な剣を持っているとか。次に貴方達が戦いに行く相手でしょう?」

盗賊「おお、本当ですかい!?こりゃ良いぜ、現状カツカツだからなあ」

勇者「そうだな…情報、感謝する」

使者「良いのよ、そもそもこの情報が無くても戦いに行ったのでしょう?…気を付けるのよ」

勇者「ああ、分かってる」

盗賊「任せて下さいよ!へへっ、勝利の女神からお話も聞けたし、後はあの魔物を倒すだけだな!」

勇者「ああ、決着を付ける、今日な…」

僧侶「あ、来ましたよ勇者さん達!」

戦士「おー!遅いじゃねーか!」

勇者「王様へ報告するんだ、手早く簡潔にって訳にもいかねーだろ」

盗賊「それでも手短にやってくれた方だよな。で、金は預けたのか?」

僧侶「ええ、39000ゴールド預けて、合計97000ゴールドになりましたよ!」

戦士「10万までもう少しだぜー!」

盗賊「へえ、良いじゃないか。ま、使い道はないがな…いや、魔王を倒したらパーッとやるか?」

勇者「…ああ、倒したらな」

盗賊「おお!勇者からお許しが出たぜ!じゃあぱぱっと魔王倒しちまうか!」

戦士「おー!ごちそう食べまくるぜー!」

子分?「しゅちにくりんだー!」キャッキャッ

僧侶「…あれ?今見たことあるような女の子がいたような…?」

盗賊「気のせいだろ…多分」

僧侶「いよいよ…目の前までやって来ましたね」

勇者「ああ、てめーら準備は良いか?」

戦士「バリバリオッケーだぜー!」ウオー

盗賊レベル29「俺と僧侶はレベルも上がったし、な?」

僧侶レベル17「ザメハを覚えましたよ。今回の戦いには必要無さそうですけど…」

勇者「王様から次のレベルアップまでどの位か聞いてたからな、上げられそうなお前らには上げてもらった。レベル上げの際に受けたダメージも回復したし…」

戦士「大してダメージ受けなかったけどな!」

盗賊「大してダメージ受けなかったって事は、転職した僧侶はともかく俺らはもうここでのレベルアップは厳しくなってきたって事でもあるよな」

勇者「ああ、ここでもたもたしてられねーって事だ」

僧侶「使者さんが言ってたという強力な剣も楽しみですけど、まずは勝たないと…今日こそ、今日こそは…」

盗賊「ああ、ぱぱっとやっちまおうぜ」

勇者「…よし、行くぞ!」

戦士「おおー!かかってこいおろちー!」

ーーやまたのおろちがあらわれた!

盗賊「先陣は俺が切るぜ!おらっ!」ピシャア

僧侶「僕は…スクルトから…!」ギュウウン

勇者「初っ端からぶちかますぜ、ライデイン!」ズガーン

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

戦士「くううっ、痛てえー!でも負けねーぞおらあっ!」ザクッ

僧侶「またスクルトを…」ギュウウン

勇者「今度は鞭だっ、おらっ!」ピシャア

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

盗賊はすばやくみをかわした!

盗賊「へっ、当たるかよそんな攻撃!」

戦士「おおー!みかわしのふく着てるだけあるなー!」

僧侶「さすが盗賊さん!…スクルトはもう良いかな?なら効くか分からないけどーー肌よ、肉よ、鱗よ、全て等しく軟化せよ!ルカニ!」ミュウウン…

勇者「…効いてるぞ!畳み掛けるぞ!」

戦士「うおおー!行くぜー!」

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

僧侶「くっ…ベホイミ!」パアアア…!

盗賊「おっ、さすがだぜ、ホイミとは違うな!そらあっ!」ピシャア

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

僧侶「くっ…まずい…」ヨロッ

勇者「お前は防御してろ!ベホイミ!」パアアア…!

僧侶「あ、ありがとうございます!」

勇者「今倒れられたら困るんだよ!おらっ!」ピシャア

戦士「行くぜー!」ザクッ

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

戦士「い、逝くぜー…」フラフラ

僧侶「戦士さん!ベホイミ!」パアアア

盗賊「へっ、敵さんも必死だな!」

勇者「当たり前だろ、俺らと一緒でな…らああっ!」ビシィッ!

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

盗賊はすばやくみをかわした!

盗賊「だからそうそう当たらないってんだ!そらっ!」ピシャア

勇者「くっ、俺はもろに当たっちまったぜ…」

僧侶「大丈夫です!ベホイミ!」パアアア

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

僧侶「あ、まずい…」

勇者「お前は体力ねーんだから無理すんな!ベホイミ!」パアアア…

戦士「しぶてーな!おらおらおらー!」ガガン

盗賊「しゃあっ!」ピシャア

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

勇者「くっそ…おらあああっ!」ビシィッ!

ーーやまたのおろちをやっつけた!

戦士「よっしゃー!倒したぜー!」

僧侶「3度目の正直ですね。あ、そういえば強力な武器があるって…」キョロキョロ

盗賊「へっへっへっ、探し物はこれか?」チャッ

僧侶「おお!その剣が…!盗賊さん、盗んでたんですね!」

盗賊「ああ、俺の手にかかれば何てこと…」

勇者「おい!やまたのおろちが動き出したぞ!」

僧侶「え、ええっ!?」

戦士「まだやる気なのかー!?」

勇者「いや待て、なんだあいつの後ろにある…旅の扉か?くそっ、逃げる気だ!」

戦士「追いかけるんだろ?行くぜー!」ミュイーン

僧侶「ええ、行きましょう!」ミュイーン

盗賊「おい、もうちょっとこの剣を盗んだ俺を褒め称えろよ!…ちっ、仕方ねえ、行くぜーっ!」ミュイーン

勇者「ここは…ジパングか!?ジパングのあの屋敷、何故こんな所に…」

近習「ヒミコ様!ヒミコ様がおケガを!ああ、なぜこんな事に…!?」

僧侶「こ、このタイミングでこのケガって…!」

盗賊「ああ。おい、ヒミコさんよ…」

ーーわらわの正体を知っているのはお主らだけじゃ…

戦士「ななななんだぁ!?頭に声がしてきたぞ!????」

勇者「これは…お前が…!」

ーー黙ってさえいれば悪いようにはせぬ。良いな?

僧侶「そんな事…!でも僕らも消耗してるし、ここは…え?勇者さん!?」

勇者「ベホイミ…全員回復したぞ。こいつはここで仕留める。さあ、正体を表せよやまたのおろち!」

盗賊「ああ、今日パパっと倒すって決めたからな!」

戦士「うおおー!今度こそトドメさしてやるぜー!」

ーーホホホ!ならば死ぬがよい!

ーーやまたのおろちがあらわれた!

僧侶「れ、連戦するんですか!?まだ魔力はあるけど、でも…ああもう!いきます!」

盗賊「先手必勝だ!そらっ!」ピシャア

僧侶「魔力余裕がない訳じゃないけど、あまり長引かせたくない…なら、ルカニから!」ミュイーン

戦士「おっしゃー!これで攻撃がガンガン通るぜー!」ザクッ

勇者「ああ、とっとと攻めてさっさと終わりだ。おらっ!」ビシィッ

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちのこうげき!

盗賊はすばやくみをかわした!

盗賊「甘い、甘いね!もうお前の攻撃は見切って…」

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちのこうげき!

盗賊「げふっ!み、見切って…」

僧侶「見切ってないじゃないですか!ベホイミ!」パアアア…

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

勇者「ちっ、死物狂いだな!こっちも一緒だがな!らあっ!」ピシャア

僧侶「スクルト!そしてもう1回スクルト!これでかなり楽になるはず…!」

やまたのおろちのこうげき!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!

戦士「うおー!あちーあちー!」

僧侶「せ、戦士さん!ベホイミ!手負いのはずなのに、まだこんな力が…」

盗賊「いや、手負いには違いないはずだ。怯まずに攻め続けるぞ!」

勇者「ああ、僧侶、回復は任せたぞ!戦士、突撃だ!」

戦士「うおおー!やってやるぜー!」ズガン

やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!やまたのおろちはひのいきをはきだした!

僧侶「…!火の威力が弱まってる…!い、いけますよ!」

勇者「ああ、もう一踏ん張りだ、うらあっ!」ピシャア

戦士「行くぜー!くたばれこの野郎ー!」ズガッ

ーーやまたのおろちをやっつけた!

盗賊「うっし!今度こそ倒したぜ!だが…肝心な事を忘れてたな…」

僧侶「ええ…せっかく手に入れた剣、装備し忘れましたね…」

勇者「まあ、倒せたから良いがな…こんなミスはこれっきりにしたい所だぜ…」

僧侶「無事やまたのおろちを倒して、この国も平穏を取り戻すでしょうね。今は大騒ぎですけれども…」

戦士「すげー剣も手に入ったしな!」

勇者「剣もだが、一番はこのオーブだな。6つのうち二つ目のオーブだ」

盗賊「やったな!まさかオーブがあるとは思わなかったが、この国を平和にしたご褒美って所かな」

僧侶「情けは人の為ならず、ですね。それで剣は誰が…」

戦士「俺だー!俺が装備するぞー!」

勇者「そして戦士が使ってたてつのやりは僧侶が持っててくれ。俺が装備しても良いが…」

盗賊「この前全滅した時お前が商人に戻った時用のどうのつるぎ捨てちまったんだよなあ」

僧侶「そ、そういえばそうでしたね。剣は手に入りましたけど、予備の装備品が少ない事態には変わらないですね…」

戦士「で、今日どこ行くんだ?あてはあるのか?」

盗賊「ああ、それだがな。今日は俺に任せてくれ。ちょっと気になる所があってな」

勇者「まあ、他にあてもないしな。しかしいよいよ行く場所が無くなってきた感じだな…」

戦士「おいおい、こんな何もない田舎の城に何の用だ?」

盗賊「この城に用はねえよ、あるのはこの西だ」

僧侶「あの、商人を探していたご老人の…」

盗賊「いや、あそこより更に西…なんだが、おそらく徒歩では行けなくてな。まあ、行ってみようぜ」

勇者「あの草原より西…内陸に何かあるかもしれないって訳か…うお!?」

ーーヘルコンドルがあらわれた!

盗賊「はっ!こんな敵、今更わけないぜ!おらっ!」ビシィ

戦士「うおおー!試し斬りだー!」ズバッ

ーーヘルコンドルたちをやっつけた!

僧侶「そ、その剣凄い切れ味ですね!」

戦士「初めて100ダメージ超えたぜー!」ウオー

勇者「100ダメージ?しかし本当に強力な剣だな、あの強敵を倒した甲斐があったってもんだな」

盗賊「だな。よっし、この勢いでまだ見ぬ地まで一直線だぜ!」

勇者「ったく、夜になるの早すぎだぜ!」

戦士「おーい、川めっちゃ枝分かれしてるけど大丈夫かー?」

盗賊「任せろ!次は…こっちだ!」

僧侶「わあ、どんどん進んでいく…よく間違えないですね、複雑な上に暗いのに」

盗賊「盗賊のカンってヤツよ!このまま進めば…ほら、見えてきたぜ!」

戦士「おー!村だ村だ!」

勇者「無事今日中に着けたな。さて、早速行ってみるか」

ーースーの村

盗賊「ずいぶん小さな村だな。ただ、あのくそ田舎の城と違って宿はあるみたいだな」

僧侶「よ、良かったです、おろち2連戦からほとんど休んでないから、魔力が…」

勇者「よし、今日はもう休んで、村の探索は明日だな。この小さな村でどれだけの情報が手に入るかは少し不安だが…」

盗賊「さてと。小さな村だけど、結構情報あったんじゃないか?」

勇者「だな。まずかわきのつぼ。東の浅瀬で使えば良いと言ってたが、おそらく一度近くを通ったあの浅瀬だ」

戦士「でも東から来た奴らが持ってっちまったって言ってたぜ!」

僧侶「東、というとおそらくエジンベアですよね。ランシールではきえさりそうを持ってたらエジンベアに行くように言われましたし…」

勇者「話が繋がってきたな。きえさりそうがあればエジンベアの城に入れるはずで、かわきのつぼはおそらくそこで手に入るはずだ」

盗賊「で、浅瀬に行く、と。今までの流れで行くと、そこでオーブかオーブを手に入れる為の何かが手に入るんじゃないか?」

戦士「やまびこのふえの話も聞いたぞ!」

僧侶「やまびこのふえを吹いて山彦が返ってきたらそこにオーブがある、という話でしたよね。すごく便利そうですけど、やまびこのふえがどこにあるかは…」

勇者「となると、俺らが次にやるべきは…きえさりそう探し、だな」

盗賊「ああ、もうこれ以上は先伸ばし出来ないな。でも問題ない、俺がパパっと盗んでやるさ」

戦士「あなほり頼むぞ僧侶!」

盗賊「おい!俺を頼れよ!」

ホビット「お、なになにまた来たのー?きえさりそう見つからないんだー?」

猫「にゃーん?」

戦士「いいえ!久しぶりだぜアネキ!なかなか見つからなくてよー!」

猫「にゃーん?」

盗賊「いいえ。で、きえさりそう探しのついでに寄ったって訳だな。ここに寄れば、ここに入る前と後、両方であなほり出来るからな」

猫「にゃーん?」

勇者「いいえ。まあ、悪あがきレベルだけどな。見つからない事には先に進めないから仕方ねー」

ホビット「そっかー。ま、私も見つかるように祈ってるよ!ガンバ!」

猫「にゃーん?」

僧侶「いいえ。ありがとうございます。今日見つかれば良いんですけど、2日3日は覚悟してます」

戦士「じゃー行ってくるぜアネキ!元気でな!」

ホビット「バイバーイ!頑張ってね!」ノシ

猫「にゃーん…」

盗賊「さーてと、一丁盗みとするか!」

僧侶「ではまず僕はあなほりを…」ザッザッ…

戦士「でもよー、見つかるまでモンスター倒し続けるっつってもよお、疲れたらどうするんだ?」

勇者「まあ、2、3日経てば魔力もなくなるだろうしな。そうなったらノアニールかムオルの近い方に行く事になるが…」

盗賊「どっちが近いだろうな?なんとなくだが、ノアニールの方が近そうではあるけどな」

勇者「まあ、とりあえずノアニールって事にして…」

僧侶「み、皆さーん!見つけましたよ!き、きえさりそう!」

盗賊「へ?マジか!?」

僧侶「は、はい!やっぱりあなほり回数をちょっとだけど増やした甲斐がありましたよ!」

勇者「っし!これで先に進めるぜ!流石だな僧侶!」

戦士「あなほりすげえー!盗みとは違うな!」

僧侶「ありがとうございます!ありがとうございます!」

盗賊「い、いやお前ら盗みだってな…おい、聞いてるか!?盗みだってなあ、盗みだってなあ…」

盗賊「ふっ、やはり見るべき者が見れば分かるんだな、俺の仕事ぶりが…上質を知る人、ってやつか」フフン

勇者「…一応言っとくがな、こいつは最近全然盗んでねーのが問題なんだよ。お前、最後に盗んだのいつだよ?」

盗賊「おいおい、つい先日くさなぎのけん盗んだばっかりだろ!」

戦士「あんなの誰でも見つけられただろ!おろちのしっぽからはみ出てたのお前が真っ先に見つけただけじゃねーか!」

盗賊「その真っ先に見つけるのが偉いんだろ!」

僧侶「くさなぎのけんの前となると…73日目のちからのたねとどくがのこなですね」

勇者「もう半月近く盗んでねーだろ…」

盗賊「あ、あーっと、ところでだな、これからきえさりそう使ってこの城の中に忍び込むんだけどよ」

僧侶「強引に話題を変えましたね…」

盗賊「うるせえ!良いか、きえさりそうは1つしかないんだからな、間違って城から出たりするなよ!またきえさりそう探しに戻るからな!」

勇者「ああ。また僧侶にあなほりしてもらうのも悪いからな」

戦士「大変だったもんな僧侶!」

盗賊「いやいや、次は俺が盗むからな!?」

僧侶「はは…じゃあ行きましょうか。このお城の中にきっとかわきのつぼがあるはず。それがあれば、きっと…」

勇者「中に入ってしまえば、追い出されるような事はないみたいだな」

僧侶「そうですね。田舎者呼ばわりが酷いですけど…」

盗賊「なんのために門番はあんなに厳しかったんだろうな?まあ良いか、それより肝心のかわきのつぼだけどよ」

戦士「地下にある床がなんとかかんとかだったな!」

勇者「全然分かってねーじゃねーか…まず
、地下室には3つの岩があって、それを青い床に並べると何かが起こるらしい」

僧侶「その話とかわきのつぼがここにあるという情報、ここで聞いた海に沈んだという浅瀬のほこらの話、スーで馬から聞いたかわきのつぼを使う場所…」

盗賊「更に、場外にいたガキから聞いたさいごのかぎはほこらにあるらしいって話。全てが繋がった感じがするな」

勇者「おそらく、ここの地下にはかわきのつぼがある。そしてかわきのつぼを西の浅瀬で使えば…おそらくさいごのかぎってのが手に入るはずだ」

戦士「おおー!…で、そのカギどこで使うんだ?」

僧侶「僕が昔聞いた話では、さいごのかぎはどんな扉でも開けられるはず。おそらく牢屋の扉も…となれば、かなり使うべき場所はおおそうですけど…」

勇者「とりあえずはランシールだろうな。あそこには入れない神殿があった。そしてきえさりそうがあったらここへ向かうように言われたのもあそこだ」

戦士「おおー!繋がってきたな!」

盗賊「だからさっきそう言ったじゃねえか!ま、それより今の問題はだ。ここの床に岩を並べるってのが一筋縄ではいかなそうって事だよな。ま、俺にかかればちょちょいのちょいだろうけどな!」

僧侶「こういうのは盗賊さんが得意そうですよね。でもここの王様も何代も前から解けてない謎だと言っていたし、簡単に出来るものなのか…少し不安ですよね」

盗賊「さーてっと。どんなもんかねえ?」

戦士「おお!?これ押しすぎたら水の中に落としちまうじゃねーか!」

勇者「慎重にやらないといけねーな。さて、まずは左の岩から動かすか?」

商人「えーと、まずはこれをこっちに動かして、更にこっちを…あ、これじゃダメだ!」

盗賊「岩に囲まれちまうな。ふむ…少し考えさせてくれ」

戦士「おいおい、大丈夫なのかあ?」

僧侶「まあ、失敗したらこの部屋に入りなおせば良いらしいですし…でも入りなおすとまた最初から出来るって不思議ですね」

勇者「魔法かなんななんだろ。この城も歴史や伝統だけはあるみたいだしな。その割りには、スーから略奪したかわきのつぼの事もろくに覚えてないようだったが…」

僧侶「歴史が長いから、なんでしょうかね?それとも、そういう略奪を日常茶飯事に…」

盗賊「よし、分かったぞ!まずこれをここまで押して、それから俺らが右にぐるっと周って、右の岩を押して、それから…」

戦士「おお!?どんどん青い床に並んでいくぞ!」

僧侶「この調子なら3つ目も…並べました!」

ゴォン!

勇者「なんだ!?今何かでかい音が…よし、行くぞお前ら!さて、なにが出てくる?素直に壺が出てくるか、それとも…」

盗賊「どうやら奥から聞こえてきたな。奥に行ってみよう」

僧侶「奥に…あれ?こんな所に通路ありましたっけ?」

勇者「さっきまではなかったはずだな。その証拠に…」

戦士「ぐああっ、カビくせー!」

僧侶「…確かに、もう長い間使われてなかったんでしょうね」

盗賊「って事はだ、この城の奴らが長年解けなかった謎が解けたって事だ。そして…」

勇者「ここに隠されていたものは…これだな」パカッ

僧侶「これは…壺ですよ!古い、本当に古い壺です!」

戦士「うおおー!すげーな!盗みはてんでダメだけど謎解きはすげーぞ盗賊!」

盗賊「一言余計なんだよ!ったく、ま、これで道が繋がったな。俺らの行くべき道がな」

勇者「ああ、早速西の浅瀬に行こう。そこにおそらくさいごのかぎが、そして更に先へと行けるようになるはずだ」

かわきのつぼをてにいれた!

盗賊「ふう、やっと仕事納めたぜ。こんな今年ギリギリまで働かせるなよな」

僧侶「なんの話ですか…それより、夜明けまでにあの浅瀬に着けるでしょうか?」

勇者「厳しいな…もし着けなきゃペナルティになるが…」

僧侶「装備品捨てるようですよね…あの剣が手に入ったとはいえ厳しいですね…」

戦士「んー?でもあれ、あの浅瀬じゃねえか?ほらあそこさー」

盗賊「マジか!?暗くて見えねえが…おお!確かにそうだな!ギリギリ夜明け前に着きそうだぜ!」

僧侶「間に合いましたね!さて、ではここでかわきのつぼを…おお!」ザザザザザ…

勇者「マジか、海の水が壺に吸い込まれて…あれは!?」

戦士「おおおー!海の中からほこらが出てきたぞ!」

盗賊「出てきたんじゃねえよ、水が引いて見えるようになったんだ。いや、見えるだけじゃないな、これは入れるぜ」

僧侶「こ、これがエジンベアで聞いた海に沈んだほこら…!じゃ、じゃあお宝も本当にあったりするんですかね!?」

勇者「落ち着けよ、お宝はあるかもしれねーって話だけだったろ。まあなんにせよ入ってみるしかねーけどな。さて、何が待ってるか…」

戦士「おお、中は広いな!」

僧侶「本当に…でも、こんなに広いんだからお宝がザクザクあっても良いのに…」

盗賊「良いのかよ僧侶がそんな煩悩まみれでよ。ま、同感ではあるけどな」

勇者「いや、お宝ならあるみたいだぜ、ほら、部屋の真ん中に…」

戦士「おー!宝箱だな!開けて良いのか?」

盗賊「重要そうだし良いだろ。待ってな…よし、開いたぜ」パカッ

戦士「なんだあ?こんなでかい箱の中に鍵が1つだけかよ!」

僧侶「いや、待ってください。このカギ…まさか伝説のさいごのかぎ!?」

盗賊「さいごのかぎ!?それは俺も聞いたことあるぜ、全ての扉を開けられるっていう全世界の盗賊垂涎の逸品じゃねえか!」

勇者「て事はこれがあればランシールの神殿にも入れるって事か。これでついに…」

戦士「先に進めるじゃねーか!なあおい!」

僧侶「ですね!最近いろいろ手詰まりだった感じがしてましたけど、やっと先が見えてきましたよ…!」

ーーさいごのかぎをてにいれた!

盗賊「…で、勢いでランシールに来ちまったけど、今日はフリーなんだよな」

勇者「外から見た限り、多分だが神殿の先はダンジョンだろうからな。さて、どこに行くか…やっぱり少し経験値稼ぎしておきたいが…」

戦士「なあ、あのほこらの奥の骨が言ってたネクロゴンドとかいう所には行かねーのか?」

僧侶「いや、だからそこに行くためにオーブを集めてる訳でして…それより行き先ならあのダーマの奥にあった塔はどうですか?たしかガルナの塔とかいう…」

盗賊「あそこにか?今更あそこに行ってもなあ」

勇者「いや、確か2階以上はほとんど行ってなかったよな。良い機会だし行ってみても良いかもな」

盗賊「ああ、確かになあ。でもそれなら他にも塔がなかったか?ほらあのムオルの東にあったやつ」

勇者「あそこも良いかもしれないが、もし僧侶がレベル20まで上がったらそのままダーマに行けるからな、ガルナの方が良いだろ」

盗賊「なるほど、なら今日はガルナに行くかあ」

僧侶「今日はまだ始まったばかりですし、ルーラが使えますからね。じゃあまずはダーマに飛びましょう!」

戦士「久しぶりだなーあそこ。飯が質素でもの足りねーんだよなあ」

盗賊「俺は好きだけどな、転職希望の若いねーちゃん達もいるしな。よっしゃ、じゃあダーマ、そしてガルナへ行くぜ!」

ーーガルナの塔、2F

盗賊「はあ…こちとらもう仕事始めだよ」

戦士「儚い休みだったな!」

僧侶「ま、まあそれでも結構休め…」

ーースカイドラゴンがあらわれた!ガルーダがあらわれた!まもののむれはいきなりおそいかかってきた!

スカイドラゴンはもえさかるかえんをはいた!ガルーダはベギラマをとなえた!

盗賊「うおおっ!?なんだよおい!」

勇者「ごちゃごちゃ喋ってるから攻撃されるまで気付かなかったんだよ!らあっ!」ピシャッ

戦士「いってーなあ!うおおおっ!」ザシュッ

僧侶「こ、このおっ!」ボコッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「ふう、しかし不意討ちとはな…なかなかのスリルだったぜ」

商人「少し散漫でしたね。気を付けないと…ここのモンスター結構強いですしね…」

戦士「上ったり下りたり…ここ何階だあ?」

僧侶「確か5階です。たぶん…」

盗賊「しかしここは銀色のヤツがたくさん居るんじゃないか?なかなかの稼ぎポイントだぜ」

勇者「そうだな。だがだからこそどくがのこなの使い方に気を付けないと、すぐに無くなりそうで…出たぞ!」

ーーしびれあげはがあらわれた!メタルスライムがあらわれた!

盗賊「っし、どくがのこなは任せろ!」バサバサ…

しびれあげははこんらんした。しびれあげはのこうげき!メタルスライムをたおした!

戦士「おおっしゃあー!もう一匹倒すぜー!」ギャギン!

勇者「おらあっ!」ピシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

僧侶「やった!2匹倒せましたね!そして…僕のレベルも20になりましたよ!」

盗賊「マジか!ついに20か、これでまた商人だな!」

勇者「覚えた呪文は…バシルーラか、まああれば便利か」

戦士「じゃあダーマに戻るんだな?」

僧侶「ええ!戻って転職しますよ!また商人に…」

商人「…なんだかすごく久しぶりな気がします」

戦士「懐かしい格好だな!」

勇者「防具は変わってねーじゃねーか…武器はてつのやりになったがな」

盗賊「改めて再出発だな。しかしあの塔は実入りが良かったぜ。俺はすばやさのたねと、それからこのてつのつめを盗めたぜ!」ドヤッ

商人「装備品が盗めたのは良かったですね!僕はあなほりでキメラのつばさ、いのちのきのみ、まんげつそう、かしこさのたね、どくがのこなを見つけましたよ!」

戦士「やっぱりあなほりの方がすげー!」

盗賊「そ、装備品は俺だけだろ!」

勇者「まあ実際装備品は助かるからな。そして宝箱からどくがのこなをもうひとつ手に入れたな。アイテムでいえば大豊作だ」

商人「そもそもダンジョンにこもるのが久しぶりですからね」

盗賊「よし、じゃあ夜明け前までこの辺で魔物退治しないか?商人に戻ってすぐだからちょっと戦えばレベルバンバン上がるだろ」

勇者「そうだな。じゃあ行くか。また銀色のヤツでも倒せたらもうけものだからな…」

戦士「またここに戻ってきたな!」

盗賊「さいごのかぎも持ってきたし、いよいよ神殿に入れるんだな」

商人「神殿、どんな所なんでしょうね。あ、さっき外でせいどうのたてを見つけましたよ!」

勇者「やったな。盾は少いからな」

盗賊「俺らが持ってたのはかわのたて1つだけか。もうどこで見つけたか覚えてないな…」

戦士「っしゃー!神殿に行くぜー!たのもー!」

盗賊「道場破りかよ…」

神官「よくぞ来た盗賊よ!お前はたった一人でも戦う勇気があるか?」

商人「ひ、一人!?ここから先は一人なんですか?そんな…」

盗賊「ああ!スリルありそうだしな!」

勇者「…大丈夫なのか?本当に」

盗賊「任せとけって!…何より、最初に偵察するなら盗賊の俺だろ?じゃ、行ってくるぜ」

戦士「頑張れよー!」

盗賊「さーてと、入ってはみたものの、一人で魔物の相手は骨が折れそうだが…おっと」

キラーエイプがあらわれた!ハンターフライがあらわれた!

盗賊「こいつらは…まあいい、そらっ!」ピシャッ

ハンターフライのこうげき!キラーエイプのこうげき!盗賊はすばやくみをかわした!

盗賊「はっ、甘い甘い!おらっ!」ピシャッ

ハンターフライをたおした!ハンターフライをたおした!

キラーエイプのこうげき!

盗賊「ちっ、こいつの攻撃はちょっと痛いな…そらあっ!」ピシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「よし!ここのモンスターはそんなに強くないのか?ま、一人で進める程度の強さって事なんだろうが…さて」

ベビーサタンがあらわれた!

盗賊「こいつもたいしたことないな!そらそらあっ!」ピシャシャッ

ベビーサタンたちをやっつけた!

盗賊「よし、この調子でどんどん進むぜ!これなら最後まで行けるんじゃないか?最後がどこなのか知らないけどな」

盗賊「なんだここは!?だだっぴろいな!こりゃあどこに進めば良いか…とりあえず北だな!…っしゃ!階段だぜ!」

ーーB1F

盗賊「行きどまりかよ!次だ次!」

ーーB2F

盗賊「まずは戻って…ここから東だ。こっちは…」

ーーアントベアがあらわれた!ハンターフライがあらわれた!

盗賊「ちっ、アリクイ野郎4匹かよ!おらおらあっ!」ピシャシャッ

アントベアのこうげき!ハンターフライはギラをとなえた!

盗賊「くっ、呪文はキツいぜ!おらっ!」ピシャシャッ

アントベアをたおした!アントベアをたおした!アントベアはにげだした!

盗賊「へっ、レベル低いからなこいつらは!おらっ!」ピシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「へへっ、強いな俺は!おっ、更に階段を見つけたぜ、ここはーー」

ーーB1F

盗賊「ってまた行きどまりかよチクショウ!いや宝箱はあるけど、あるけどよお…!」

盗賊「へっ、地下2階の北東に見つけた下り階段を下りてみたが、こいつはビンゴのようだな。さてーー」

ーー引き返せ!

盗賊「うおっとお!?なんだ、石像が喋ったのか?びっくりさせやがるぜ!」

ーー引き返せ!引き返せ!引き返した方が良いぞ!引き返せ!

盗賊「うるせーな!戦士並みにうるさいぜ、全く。しかしこれほど引き返せと言ってくるんだ、ものすごいお宝がこの先にはーーねえ!?」

ーーふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。お主の勇敢さだけは認めてやろう。だが向こう見ずなだけでは勇気とは言えん。時には人の言葉に耳を傾ける勇気も必要じゃよ。

盗賊「………はっ、御高説ありがたいね!だが俺には分かってるぜ、ここには絶対にお宝があるってな!だが問題は、だ」

ーーマージマタンゴがあらわれた!マッドオックスがあらわれた!

盗賊「問題はこのまま進むべきかどうかだ。やくそうも残り少ないが、お宝もおそらく間近にあるはずだ。進むべきか退くべきか、ここはーー」

神官「よくぞ戻った、盗賊よ!」

戦士「おおー!遅かったな!心配しちまったぞー!」

盗賊「はっ、お前に心配されるほどやわな俺じゃないぜ」

神官「これこれ、仲間内で騒がぬように…お主は勇敢だったか?いや、それは自身が一番分かっているだろう。さあ、行くがよい」

勇者「…で?成果は?」

盗賊「ああ、こうして無事に帰ってきたぜ!」ドヤッ

商人「…えっと、あ、ああー、よ、良かったですね…」

盗賊「そんな微妙なリアクションするなよ!確かに持って帰る物は何も無かったが、偵察は確かにしてきたぜ。で、だ。商人、お前次行ってみろよ」

商人「え!?ぼ、僕ですか!?」

勇者「確かに商人は回復も出来るしアイテム探しも出来る。だが転職直後でまだ本調子とは言えねーだろ」

商人「レベル12ですね…」

盗賊「大丈夫だ、転職後のレベル12は普通のレベル12じゃないだろ?それに敵の強さも控え目だ、行ける行ける!いざとなったら逃げまくればなんとかなるしな!」

戦士「おおー!頑張れ商人ー!」

商人「じゃ、じゃあ行ってきます。本当に大丈夫かなあ…?」

商人「…ふう、地下2階の広さには面食らったけど、盗賊さんに教えてもらった通りに進んできたらなんとかここまで来られたぞ。次はこの別れ道を右にーー」

ーーまじょがあらわれた!

商人「ま、ままま魔女!?この人達呪文は効きづらいし、僕のパワーじゃ一撃で倒せないし…仕方ない、それっ!」ザグ

まじょはベギラマをとなえた!まじょはベギラマをとなえた!

商人「わー!?や、やっぱり呪文が強烈だ、でも攻撃するしか…それっ!」ザクッ

まじょはベギラマをとなえた!まじょのこうげき!

商人「べ、ベホイミ…そして攻撃だ!このっ!このっ!このっ!このっ!」ザクザクザクッ

ーーまじょたちをやっつけた!

商人「な、なんとか勝てた…またベホイミ使わなきゃ…ああ、他の人が持ってるやくそうも渡して貰うんだったなあ。回復で魔力が尽きそうだ…」

ーー引き返せ!引き返した方が良いぞ!引き返せ!

商人「こ、これはプレッシャーだなあ…盗賊さんが辿り着いた所は何も無かったらしいけど、こっちは…あ!」

ーー引き返せ!

商人「た、宝箱があるぞ!開けてみよう…おお!」

なんと ブルーオーブをてにいれた!

商人「やった!皆さんやりましたよ!オーブです!これで4つ目のオーブだ。あと2つかあ、もうすぐだなあ。でも…とりあえず無事に帰らないと。魔力もかなりこころもとないし…」

ーースカイドラゴンがあらわれた!

商人「う、うわあっ!これは強敵だ…ここは慎重に、まずはラリホーで…」

スカイドラゴンをねむらせた!

商人「よし!でも直接攻撃すると起こしちゃうから…霜と雪の主よ、凍えるその手で敵を包め!ヒャダルコ!」ピキーン

スカイドラゴンはめをさました!

商人「わ、気を付けてたのに!でももう少しのはず、とりゃあ!」ガッ

ーースカイドラゴンをやっつけた!

商人「はあ~…なんとか倒せた…でもかなり魔力を使っちゃったなあ。無事に戻れるだろうか…」

商人「な、なんとかここまで辿り着いたけど…もう体力も魔力も…」

ーーアントベアがあらわれた!ハンターフライがあらわれた!

商人「も、もう戦えない、逃げる!」ダカダカダカ…

しかし まわりこまれてしまった!アントベアのこうげき!ハンターフライはギラをとなえた!

商人「に、逃げられない!?盗賊さん、逃げられるのは盗賊さんのレベルだからじゃないか!転職後の僕じゃ逃げられないですよ!でももう一度…!」

ーー商人はにげだした!

商人「な、なんとか逃げ出せた…恨みますよ盗賊さん…」

ーーメタルスライムがあらわれた!ベビーサタンがあらわれた!

商人「あ、あの銀色は…!で、でもあの小悪魔達を相手出来ない、逃げよう!」

ーー商人はにげだした!

商人「よし、ちょっともったいなかったけど仕方ない、さあ出口へ…」

キラーエイプがあらわれた!さまようよろいがあらわれた!

商人「ダメだ、逃げよう!」

ーー商人はにげだした!

商人「も、もう限界だ…でももう少し、あと少しで外に出られるはず、なんとか、なんとか辿り着かないと…」

盗賊「お、戻ってきたようだぜ」

商人「た、ただいま…なんとか帰りました…」フラフラ…

戦士「うおおー!大丈夫なのか!?頑張ったなー!」

勇者「ボロボロになってまでよくやってくれたぜ。ありがとよ」

盗賊「なんか二人とも俺の時と態度違うんじゃねえか…?」

商人「も、持ってきましたよ…この…ブルーオーブを…」

戦士「おおおー、すげーぜ商人!仕事したぜー!」

勇者「ああ、これで3つ目だな」

商人「え…?ああそっか、僕、いっぱいいっぱいで勘違いしてたけど、まだ3つ目かあ…」

盗賊「いや、これからすぐ4つになるさ。疲れてる所悪いが、テドンに行くぞ」

商人「テドン?なんで…あ!」

勇者「そうだ。確かあそこの牢屋に落書きがあっただろ。死ぬ前にオーブを…ってな。でもあの時は鍵が無かった」

戦士「今度はさいごのかぎがあるから取りに行けるぜー!」

盗賊「っていう話をお前が洞窟に入ってる間にしてたんだよ。じゃあ早速行こうぜ。今から出発すれば今日中に着くはずだ」

商人「はい!またテドン、でもオーブがきっとある!疲れてる場合じゃないぞ…!」

盗賊「ふう、相変わらず辛気臭い村だな」

戦士「盗賊にピッタリだな!」

盗賊「バカ言うな、俺は塔が似合うオシャレ盗賊だって何回も言ってるだろ!」

商人「塔ってそんなにオシャレですかね…?」

勇者「バカなこと言ってねーで、ほら、牢屋だぞ。盗賊、牢屋番を引き付けてろよ」

盗賊「おう、そういうのは任せろよ。おい兄さん、ちょっと聞きたいんだが…」

商人「…よし、今のうちですね。すみません…」

囚人「あなた達を待っていました。さあ、このオーブを!」

勇者「待ってた?俺達を?あんたは…」

囚人「ここから遥か南、レイアムランドのほこらの祭壇にオーブを捧げて下さい。貴方達に道が開けるでしょう」

商人「やっぱりオーブはあのほこらの祭壇に捧げるんですね。そうすれば…」

勇者「道が開ける。魔王の喉元もすぐそこだ。待ってろよ…!」

戦士「っしゃー!4つ目のオーブだぜー!」

グリーンオーブをてにいれた!

商人「うーん、相変わらずここの朝は…」

戦士「ぐおお、腹へったぜー…」グウウー…

盗賊「仕方ないだろ、我慢しな。で、今日だが…」

勇者「ああ、今日はムオルの東にあった塔に行ってみようかと思ってな」

戦士「ムオルー?あそこの近くに塔なんてあったかー?」

商人「東の海を越えた先ですよね?確かしばらく前に行きましたよね、魔物が強くてすぐに引き返しましたけど…」

盗賊「だが今なら魔物に対抗できるって訳だ。良いんじゃないか?洞窟ならともかく塔だしな」

戦士「塔好きだな盗賊!あ、バカとなんとかはってやつか?」

盗賊「お前に言われたくはないんだよ!ともかく行ってみようぜ。そういやスーで西にやまびこのふえがどうのこうのって話を聞いた気がするが、もしかしたらその塔にあるんじゃないか?」

商人「ええ、それは僕も気になってました」

勇者「よし、じゃあ行ってみるか。その笛は特に無くても問題なさそうだが、まあただモンスター退治するよりは目的があった方が良いからな」

戦士「っしゃー!レベル上げるぜー!」

盗賊「…しばらく塔の中を探索したが、どうやらここが頂上のようだな」

戦士「でもよお、それっぽいお宝はねーぞ?」

商人「吹き抜けになってる三階の真ん中にありましたよね。歩いては行けない所に…」

勇者「って事はだ。ここから飛び下りるしか無いんだろうが…」

ーーエリミネーターがあらわれた!ヘルコンドルがあらわれた!

戦士「お、魔物だぜ!でもこいつらなら楽勝だな!マスクのやつなんかさっき逃げてったぜ!」

勇者「だが油断はするなよ!そらあっ!」ピシャッ

商人「僕も…あ、気を付けて!呪文を…!」

ヘルコンドルはバシルーラをとなえた!

盗賊「うお、ちょっ、待っ、うおおぉぉぉ…!」ピューン…

戦士「とーぞくううう!どこ行ったんだー!?」

勇者「くそ、マジかよ…まあもしもの時の合流先は決めてあるが、予定が狂っちまうな…」

盗賊「よおっ!遅かったな!」

商人「盗賊さんは早かったですね…」

盗賊「いや、ちょうどここに飛ばされたんだよ。ラッキーだったぜ」

戦士「なーんだ、心配して損したなー!」

勇者「まあ合流出来たら何でも良いけどな。で、今日だが…あのへんげのつえを欲しがってた爺さんちの近くに、旅の扉が3つあるほこらがあっただろ?」

商人「ありましたね、でもあそこは牢屋の鍵が無いと…あっ!そうか!」

盗賊「今なら行けるって訳か。良いね。あそこはずっと気になってたんだ、何せあの爺さん、サマンオサがどうのこうのって言ってただろ?俺達が聞いたことある地名で行ったことがないのはもうサマンオサとネクロゴンドだけだ」

勇者「ああ、そしてサマンオサの王様がへんげのつえを持ってるって話をした爺さんちの近くの旅の扉…これは行ってみる価値があるだろ」

戦士「おおー、なるほどな!」

商人「是非行ってみましょうよ!新しい土地には不安もありますけど、あの塔でくさりがまと、たびびとのふくが2着も手に入りましたから、多少は余裕が出来ましたよ!」

戦士「3つも増えたのはすげーぜ!全部あなほりだったよな!商人すげー!」

盗賊「ま、まあ俺も飛ばされさえしなければな。うん。と、ところでだ、やまびこのふえは無事見つかったのか?」

勇者「ああ。で、一応報告なんだが…やまびこのふえを手に入れる為に4つ並んでる宝箱を全部あける羽目になったんだが、いのちのきのみは捨てたが、金と小さなメダルは持ち物になっちまった。まあ金はほぼ関係ないし、メダルも交換しなければ良いだけなんだが、一応報告しとかねーとな」

商人「宝箱、最後までやまびこのふえが出てこなかったですからね…2階の階段も東西南北全部行く羽目になりましたし、運が無かったです…おかげで上り下りが増えた結果あなほり回数が増えたのもあるのですが…」

盗賊「ここだな、旅の扉が3つあるほこらは」

戦士「で、どの旅の扉に入るんだ?」

勇者「前に入って牢屋の扉で進めなかった所だ。右だな」

商人「じゃあ入りましょう。これ苦手なんですよね、酔ってしまうというか…」

盗賊「そうも言ってられないだろ。行くぞ」プワーン…

ーー旅人の教会

戦士「おおー、教会かここは!?鍵を開けるぜー!」ガチャッ

勇者「よし、通れたな…まずは聞き込みと行くか」

神父「旅人か。しかし今はこの地に来るのは勧められないぞ。噂ではサマンオサの王様が人変わりしたらしい」

商人「人変わり…?いや、それより今サマンオサって…!」

神父「サマンオサはこのほこらより西。山沿いをぐるりと西に進まれるがよろしかろう」

盗賊「情報ありがたいね、どうも。さて、行き先が分かったな」

勇者「ああ、やはりここがへんげのつえを持ってるサマンオサ王がいるという場所だったな。しかし人変わりか。一筋縄ではいかないようだな…」

商人「ふう、着きましたね町に。しかしこの周辺の魔物は厄介でしたね」

勇者「魔力を吸いとられるとはな。それにしても夜とはいえこの町…」

戦士「なんだか辛気くせーな!お、でもあそこに人だかりがあるぜ!」

盗賊「バカ、ありゃ葬式だろ!しかし新しい町のお出迎えが葬式とはな。どれどれ…」

大男「うう、お前は良い奴だったのになあ…」グスッ

女性「あんたあ、なんで死んじまったんだい…?」ウウッ…

子供「ねえ、パパはもう帰ってこないの?」

勇者「…いたたまれねえな。だがただの葬式とは雰囲気が…」

男性「王様の悪口を言っただけで死刑だなんてあんまりです!こんなんじゃ商売になりませんよ!」

商人「悪口を言っただけで…!?そんな…」

盗賊「これが王様が人変わりした結果なのか?町の暗い雰囲気もそのせいなのか?いずれにせよ、はい分かりましたとへんげのつえを譲ってくれそうな感じじゃなさそうだな。また面倒事の予感がするぜ…」

商人「…あれから色々町の人達に話を聞いてみましたけど、やっぱり王様はおかしいみたいですね」

盗賊「しかも昔は違ったみたいな話のようだな。人変わりってのも嘘じゃないみたいだな」

戦士「王様がおかしいんならよお、俺達でぶっ飛ばせば良いんじゃねーのか?」

勇者「バカ野郎、そんな事したら俺らが牢屋行きになるだろうが!」

商人「いくら悪くても王様は王様ですからね…」

盗賊「ま、城下町での情報収集はあらかた終わったし、接ぎは城に行ってみようぜ」

戦士「お、王様ぶっとばしに行くんだな?」

商人「ブッ飛ばさないですよ!情報収集に行くんです!…でもお城は少し怖い気もしますね…」

勇者「王様の本拠地だからな。しかし避けて通る訳にもいかないからな。へんげのつえの事もあるしな」

商人「そうですよね…」

盗賊「何より王様の本拠地だからこそ行かなきゃ分からない事もあるだろ。さあ、行ってみようぜ、虎穴に入らずんば、ってヤツだ!」

看守「さあ、お前らの入る牢屋はここだ!大人しくしてるんだぞ!」ガシャン!

商人「…えっ、ちょっ、いきなり牢屋の中なんですけど!?」

盗賊「いきなりじゃないだろ、勝手口から入って城内をあちこち嗅ぎ回った挙げ句王様の前に行ってみただろ」

戦士「王様、話しかける前に牢屋にぶちこめー!とか言い出したな!やべーだろ!」

勇者「俺らも相当やべーというか軽率だったけどな…」

商人「盗賊さんずかずかと王様に近づいて行くんですもん…」

盗賊「いや、毎日のように人が死刑にされたり牢屋に入れられたりって話だったからな。牢屋にも相当数の人間が居て、そいつらの話を聞くにはこれが一番と思った訳だ」

勇者「まあ、捕まるって事は王様に都合の悪い事をしたからってのもあるだろうからな。話を聞く価値はありそうだが…」

戦士「そこまで考えてたのかスゲーな盗賊!でも牢屋じゃなくていきなり死刑だー!って言われたらどうしたんだ?」

盗賊「そりゃ、お前………」

商人「…まさか、ノープランだったんじゃ…」

盗賊「と、ともかく!俺らはさいごのかぎで脱獄は出来るんだ。さっさとこんなカビ臭い部屋から出て囚人達から話を聞こうぜ!」

勇者「ったく、結果オーライとはいえ…まあ死刑だなんて言われたら戦うだけだったから別に良いけどな…」

盗賊「さて、脱出したが…流石に看守をボコって出るって訳には…」

看守「私は眠っている。だからこれは私の寝言だ」

戦士「うおお!?寝言でけーな!」

勇者「シッ!黙ってろ!」

看守「確かに王様はおかしい。だが我々は王様に逆らえぬ。私はここを動けぬが、どこかに秘密の抜け道があるらしいな」

商人「…ありがとうございます。どうやら牢獄から抜け出す事は出来そうですね」

盗賊「良い情報を聞いたな。やはりここに来た甲斐があったって訳だ!」

勇者「もっと別の方法もあったかもしれないがな。さて、後は囚人から話を…あそこの男の話を聞いてみるか」

男「この町の南にある洞窟には真実を映すと言われる鏡があるらしい」

商人「真実を映す鏡…昔、商売仲間からそんな話を聞いたことがあったような…」

男「その事を町の人に話した途端に俺は牢屋に入れられたのだ!くそっ、どうなっているんだ!?」

戦士「へー、王様はその鏡がキライだったのかー?」

勇者「…!なるほど、真実を映す鏡があると困る、であるならば王様の人変わりは…!」

商人「ああ!本当に王様が入れ替わっているかもしれない、そして鏡によってそれが暴かれてしまうかもしれない!」

盗賊「それを王様が怖れている、か!ありえるな。じゃあ抜け道を見つけたら次は鏡探しだな。やっぱりここに来たのは正解だったようだな!」

商人「…とはいえ、抜け道を探すのも骨が折れそうですよね」

戦士「なにぃ、骨を折らなきゃ抜け道見つからねーのか!?」

勇者「そういう話をしてんじゃねーよ!ったく、まあ抜け道とかそういうのは盗賊の仕事だろ」

盗賊「ああ、任せとけよ!まずはこっちに進んで…ほら見ろ、階段だぜ!」

戦士「おおー、流石だぜ盗賊ー!」

商人「では更に進んでみて…だ、誰か居ますよ!?」

勇者「こんな所に誰が…おいおい!」

王様「そこに誰かいるのか?わしはこの国の王じゃ」

商人「これが、いやこの方が王様!?じゃあ…」

王様「何者かがこのわしからへんげのつえを奪いわしに化けよった。くちおしや…」

盗賊「なるほど、人変わりしたっていうのは本当だった訳だ。いや、人そのものが変わっちまったら人変わりとは言わないのか?」

戦士「なあ、こっちが本物なら連れてってあいつは偽者だー!って言えば良いんじゃねーのか?」

商人「それをやると国中が混乱する可能性がありますよね…最悪あちらに着く人までいるかもしれないですし…」

勇者「まずは偽者の正体を暴いて、更に必要ならーー偽者を倒す。まずは鏡だ。さっさと脱出するぞ」

https://i.gyazo.com/ba4861d4cd94b82fbe84e20f1de8a2fb.jpg

盗賊「まあ、そうは言ってもまだ洞窟には行けないからな、経験値稼ぎだよな」

商人「やっぱりマホトラを使うモンスターが辛いですね。モンスターなのかヒトなのか分かりませんけど…」

勇者「引き連れてる死体もやっかいだな。タフな上に身を守りやがるから時間がかかっちまう。その割に経験値が少なくてうまみが少ねえ」

戦士「あのばーさんのベギラマ連発も辛いぜー!」

盗賊「そっちは体力の多い戦士より俺の方が辛いな。防御力はあるから物理攻撃は何とかなるんだけどなあ」

商人「…それで、↑のは何ですか…?」

勇者「ああ、アナログ人間が画像の張り方覚えたとかではしゃいでな。ちゃんと出来てるかどうか知らないが」

戦士「うおおー!よくわかんねーけどスゲーな!」

盗賊「まあ、あんまりこういうの張られても興醒めする人もいるかもしれねーからな、たまーにだな。書いてる奴が張り方忘れない程度にな」

商人「そんな訳で、僕も結構レベル上がってきましたよ。上がってきたというか戻ってきたというかですけど」

勇者「俺ももう1つレベル上げてえ所なんだけどな。明日洞窟を探索しながらレベルが上がるのを祈るしかねえかな…」

https://i.gyazo.com/ba4861d4cd94b82fbe84e20f1de8a2fb.jpg

盗賊「まあ、そうは言ってもまだ洞窟には行けないからな、経験値稼ぎだよな」

商人「やっぱりマホトラを使うモンスターが辛いですね。モンスターなのかヒトなのか分かりませんけど…」

勇者「引き連れてる死体もやっかいだな。タフな上に身を守りやがるから時間がかかっちまう。その割に経験値が少なくてうまみが少ねえ」

戦士「あのばーさんのベギラマ連発も辛いぜー!」

盗賊「そっちは体力の多い戦士より俺の方が辛いな。防御力はあるから物理攻撃は何とかなるんだけどなあ」

商人「…それで、↑のは何ですか…?」

勇者「ああ、アナログ人間が画像の張り方覚えたとかではしゃいでな。ちゃんと出来てるかどうか知らないが」

戦士「うおおー!よくわかんねーけどスゲーな!」

盗賊「まあ、あんまりこういうの張られても興醒めする人もいるかもしれねーからな、たまーにだな。書いてる奴が張り方忘れない程度にな」

商人「そんな訳で、僕も結構レベル上がってきましたよ。上がってきたというか戻ってきたというかですけど」

勇者「俺ももう1つレベル上げてえ所なんだけどな。明日洞窟を探索しながらレベルが上がるのを祈るしかねえかな…」

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盗賊「まあ、そうは言ってもまだ洞窟には行けないからな、経験値稼ぎだよな」

商人「やっぱりマホトラを使うモンスターが辛いですね。モンスターなのかヒトなのか分かりませんけど…」

勇者「引き連れてる死体もやっかいだな。タフな上に身を守りやがるから時間がかかっちまう。その割に経験値が少なくてうまみが少ねえ」

戦士「あのばーさんのベギラマ連発も辛いぜー!」

盗賊「そっちは体力の多い戦士より俺の方が辛いな。防御力はあるから物理攻撃は何とかなるんだけどなあ」

商人「…それで、↑のは何ですか…?」

勇者「ああ、アナログ人間が画像の張り方覚えたとかではしゃいでな。ちゃんと出来てるかどうか知らないが」

戦士「うおおー!よくわかんねーけどスゲーな!」

盗賊「まあ、あんまりこういうの張られても興醒めする人もいるかもしれねーからな、たまーにだな。書いてる奴が張り方忘れない程度にな」

商人「そんな訳で、僕も結構レベル上がってきましたよ。上がってきたというか戻ってきたというかですけど」

勇者「俺ももう1つレベル上げてえ所なんだけどな。明日洞窟を探索しながらレベルが上がるのを祈るしかねえかな…」

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盗賊「まあ、そうは言ってもまだ洞窟には行けないからな、経験値稼ぎだよな」

商人「やっぱりマホトラを使うモンスターが辛いですね。モンスターなのかヒトなのか分かりませんけど…」

勇者「引き連れてる死体もやっかいだな。タフな上に身を守りやがるから時間がかかっちまう。その割に経験値が少なくてうまみが少ねえ」

戦士「あのばーさんのベギラマ連発も辛いぜー!」

盗賊「そっちは体力の多い戦士より俺の方が辛いな。防御力はあるから物理攻撃は何とかなるんだけどなあ」

商人「…それで、↑のは何ですか…?」

勇者「ああ、アナログ人間が画像の張り方覚えたとかではしゃいでな。ちゃんと出来てるかどうか知らないが」

戦士「うおおー!よくわかんねーけどスゲーな!」

盗賊「まあ、あんまりこういうの張られても興醒めする人もいるかもしれねーからな、たまーにだな。書いてる奴が張り方忘れない程度にな」

商人「そんな訳で、僕も結構レベル上がってきましたよ。上がってきたというか戻ってきたというかですけど」

勇者「俺ももう1つレベル上げてえ所なんだけどな。明日洞窟を探索しながらレベルが上がるのを祈るしかねえかな…」

ホビット「あはは、連打してるー。ごめんね、最近サーバーがどうしたのなんだのでなかなかここに来られなかったんだよねー」

猫「で、書き込むボタンを連打した結果なのですにゃあ…」

旅人女「勇者は名前は、したらば掲示板だし…だとさ。ネーミングセンスとか無いからね」

猫「実はお嬢様の名前もしたら子だったりしたのですにゃ…」

ホビット「キミの名前はあのまんまだけどね!」

旅人女「食べやすそうで良い名前だよねえ?さあ、そろそろ鍋に入りな!」ギュウギュウ

猫「にゃ、鍋に押し付けないで…」ジタバタ

ホビット「待って!毛を毟ってからの方が良いと思うよ!」

猫「助けてくれないのですにゃー!?」オアー…

盗賊「さあてと、今日はここから真実を映す鏡ってヤツを探さないとな」

商人「こう、入ってみた感じ凄く広そうですよね。それにただならぬ気配が…」ブルッ

勇者「ビビっててもしょうがねえ、行くぞ…おい!出たぞ!」

ーーキラーアーマーがあらわれた!ベホマスライムがあらわれた!

戦士「おお!?あのクラゲみてーなの初めて見るよな?」

商人「そ、それより数が…!3、4、5匹もいますよ!」

勇者「おまけに鎧の方は2体か。やるしかねえ、まずはクラゲからだ!おらあっ!」ピシャシャシャッ

盗賊「いかにも回復しますって感じだもんな。そらそらあっ!」ピシャシャシャッ

戦士「俺は鎧を叩くぜー!」ガギン!

ベホマスライムはベホマをとなえた!キラーアーマーはかいふくした!

商人「やっぱり回復を使いましたね!それえっ!」ガッ

勇者「うおらー!」ピシャシャシャッ

ーーまもののむれをやっつけた!

盗賊「ふう、思ったよりはあっけなかったな。しかしやっぱり生半可なダンジョンではなさそうだぜ」

勇者「ちっ、化物どもめ!おらおらっ!」ピシャシャッ

シャドーはヒャダルコをとなえた!

商人「くうっ、呪文が厳しい…!」

戦士「負けねーぞ!おらあっ!」ザクッ

ーーシャドーたちをやっつけた!

盗賊「くそっ、なんだよここは!?今までの魔物と全然違うじゃないか!」

商人「いきなり強くなった感じがしますよね。しかも地上にもいたあの人型モンスターのマホトラで魔力も厳しいですし…」

勇者「長居は出来ねーな。ガンガン進むぞ」

戦士「つーかホントにここ広いな!上の階も広かったけど下もひれー!」

商人「ですね。こんなに広いとどうしても魔物との戦いが増えてきます…」

盗賊「へっ、今までにないスリルだぜ…お?ほら見ろよ、階段だぜ」

戦士「よっしゃ!また下に進めるな!」

勇者「下に進めるのは良いことなのか分からんけどな。まだまだ先が長いって事かもしれねーからな」

盗賊「まあな。しかしこの階は目の毒だよな。宝箱がずらっと並んでてよ」

商人「ですね。開けられない僕達にはあまりにも辛すぎます…」

勇者「地下3階に下りてすぐにまた下り階段があったが、地下4階に下りてみても何もなかったな…」

盗賊「また地下3階に上がってみるか。うーん、やっぱりあの小島にある宝箱が怪しいよなあ」

商人「あそこしかないですよね。じゃあまだこの階の東側に行ってみてないですし、進んでみますか?」

戦士「っしゃあ、ぐるっと回って~…お、また小島が見えるぜー!」

盗賊「もうちょっと北にも行けるな。ぐるっと回って…ちっ、またもと通りかよ!」

勇者「て事は、この階にはあの小島に行く手段はないのかもな。良く見りゃ小島の宝箱の手前には穴が空いてるな…」

盗賊「あの穴から恐らく地下4階に下りる、いや落ちるんだろうな。いや、待てよ。あそこから地下4階に落ちるなら、あそこに行くにはどうすれば良い?」

商人「どうって…ああっ!ここより上の階にも同じような穴がある!?」

戦士「おおー、そこから落ちればあそこの宝箱まで行けるって事か!」

勇者「恐らく、だけどな。しかしまたあの広いフロアを探さなきゃならねえのか、気が遠くなるぜ…」

ーーゾンビマスターはマホトラをとなえた!ゾンビマスターはマホトラをとなえた!

商人「ああっ!?僕はもう魔力が空っぽです!」

勇者「一人を狙ってきやがるのか!?俺にはまだ余裕があるが…さっさと倒すに限るな、らあっ!」ピシャシャシャッ

戦士「うおおおー!」ザンッ

ーーゾンビマスターたちをやっつけた!

盗賊「くそっ、こいつら魔力はあるけど呪文を使わねえ俺にはあんまりマホトラかけてこねえときた。頭良いのか?」

商人「今回だけじゃなく、洞窟に入ってからずっとマホトラで狙われてる気がします!ああっ!皆さん、あそこ!」

勇者「なんだ…?あ!あれは…穴だな!?落ちる事が出来そうな大きさの!」

戦士「おお、見つけたぜー!さっそく落ちるぜー!」ピューーン…

盗賊「おいおい待て待て、宝箱は俺が開ける!そりゃあっ!」ピューーン…

商人「もう、そんなに慌てなくても…そりゃああああ………ったあ!」ドサッ

勇者「やれやれ、これで何も無かったら…いや、その心配はないようだな」

盗賊「ああ、あの小島だここは!そしてここには宝箱が…そらっ!」パカッ

ーーなんと ラーの鏡をてにいれた!

商人「やった、鏡ですね!ボロボロですけど何とか手に入りましたね。でも帰り道も長いなあ、油断しないようにしないと…」

勇者「さて、今日はいよいよこのラーの鏡でニセ者の王様の正体を暴いてやる訳だが…」

戦士「おう、早く行こーぜ!」

盗賊「その前にな、1つ問題があるんだよ。決して小さくないな」

商人「ええ、やまたのおろちのような強大なモンスターが王様の正体だったら…」

勇者「いや、そこじゃない。まあそれも問題ではあるんだが、それ以前だ。まず、また正面から行っても牢屋にぶちこまれるだけだ」

戦士「じゃあどうすんだよ!?」

盗賊「町での聞き込みの結果、王様は夜に一人で寝てるらしい。…まあなんで町の婆さんがそんなこと知ってるのか分からないが、とにかく俺らが突入するのは王様が一人になった夜だ」

商人「警備も薄いでしょうしね」

勇者「で、問題なんだが…夜までどうやって過ごすか、だ。まあ…町と外を往復してちょっとずつ時間が過ぎるのを待つってのが安全ではあるが…」

盗賊「仮にも勇者、勇気ある者一行が取る行動か?ってな」

商人「ああ、なるほど…」

戦士「じゃあ外で普通に魔物退治するのか?俺は構わねーけど、マホトラとベギラマすげーだろこの辺!」

勇者「そうだ、その通りだ…だから、とりあえず北に向かう。同じサマンオサ周辺でも、北の方はマホトラ野郎とベギラマ婆さんに会う確率が低いようだからな」

商人「北は平原でしたし、魔物の数も少なそうですよね。でも…勇者一行らしく振る舞うって大変だなあ」

盗賊「そうだな。ま、その方がスリルがあって良いだろ。よし、さっそく出発しようぜ」

商人「予想通り、こっちにベギラマ使いはいませんでしたね」

勇者「マホトラ野郎も1回あっただけだ。被害は最小限で済んだな」

盗賊「カメはうざったかったが、戦士なら一撃だしな」

戦士「このくさなぎのけん、やっぱりすげーぜ!」

勇者「これ以上の武器はなかなか手に入らないだろうな。さて、夕方になったな。そろそろ町に戻るか」

商人「出来れば誰かのレベルを上げたかったですけどね…」

盗賊「戦士か商人が上がると思ったんだけどな。ま、収穫もあったよな」

戦士「あなほりでいのちのきのみを見つけたよな商人!確か昨日の洞窟でもムチを見つけてたよな!」

勇者「とげのむちだな。地下4階で見つけたが、あそこにむちを持ってるような魔物いたか…?」

商人「ちょっと謎ですよね。でもまあ、助かった事には違いないですし…」

盗賊「そうだな!よし、じゃあ戻るぞサマンオサに!」

戦士「そういやまた商人のあなほりだったな!盗賊は最近全然だよな!」

盗賊「うるせえ!せっかくそっちの話題になる前に出発に気持ちを持っていこうとしたのに台無しにするんじゃねえ!」

商人「ま、まあまあ、誰が見つけても一緒ですから…」

勇者「全く、同情されてりゃ世話ねえぜ。これから大一番が待ってるかもしれねえのに、緊張感のない奴等だよな…」フウ…

戦士「っしゃー!これから王様の…むぐっ!?」モガモガ…

盗賊「バカ、でかい声出すんじゃねえよ!」ヒソヒソ

商人「ええと、王様の寝室は…確かこっちですよね」

勇者「ああ。最初にこの城に来た日、城の中をあちこち嗅ぎ回ったのが役に立ってるな」

商人「その後捕まりましたけどね…」

盗賊「ま、それも作戦の内だけどな。よし、ここから飛び降りて…」ピューーン…

勇者「ったく、一度高台から飛び降りなきゃ行けないってのがな…」

商人「寝室の入り口は見張りがいましたからね…あ、ここですよ…」

勇者「よし、全員準備は良いな?盗賊、鏡を」

盗賊「任せろ。こいつで王様の顔を映して…なっ!?」

戦士「おいおい、バケモンじゃねーか!」

商人「ちょっ、戦士さん、声…!」

王様「みーたーなー?けけけ、生きては帰さんぞえ!」

勇者「構いやしねえ!どうせ偽物なら戦わなきゃいけねえんだ!やるぞ!」

ーーボストロールがあらわれた!

戦士「くさなぎのけんを道具としては使わねー!何故なら装備してる俺が一番攻撃力があるからだぜー!おらー!」ザクッ

盗賊「あと俺の勘違いでなければだが、くさなぎのけんはスクルトじゃなくてルカナンだ。相手の防御を下げる為のモノだな。らあっ!」ピシャアッ

勇者「誰に話しかけてんだよ…商人、スクルトを!」

商人「はい!スクルト!」ギュイイーン

ボストロールのこうげき!ボストロールはルカナンをとなえた!

盗賊「このやろ、頭まで筋肉が詰まってそうなナリして呪文を唱えるのかよ!」

商人「大丈夫です、下げられた守備力は上げなおします!スクルト!」ギュイイーン

戦士「ぶった斬るぜー!おらおらー!」ザンッ

勇者「手が空いてる今のうちに俺も攻撃だ!うらあっ!」ピシャッ

ボストロールのこうげき!ボストロールのこうげき!

商人「くっ、攻撃が激しいです!ベホイミを…」パアア…

戦士「俺はひたすら切り続けるぜー!」ザクザクッ

盗賊「俺も攻撃だけだ!…くそっ、もっと攻撃力がある武器ならなあ…」

勇者「言っても仕方ねえ!おらあっ!」ピシャッ

ボストロールのこうげき!ボストロールはルカナンをとなえた!

商人「また呪文を…!スクルト!」ギュイイーン

勇者「ちっ、俺も回復に回るようだな、ベホイミ!」パアア…

戦士「うおおー回復回復!負けねーぜー!」グサッ

商人「僕らが全力でサポートします!攻撃を!」

盗賊「力及ばないが全力を尽くすぜ!そらっ!」ピシャッ

ボストロールのこうげき!ボストロールのこうげき!盗賊はすばやくみをかわした!

戦士「おお、流石だな盗賊ー!」

盗賊「そう、俺はこっちで役に立つ!俺が生きてさえいればお前らの危険が減るはずだからな!」

勇者「ああ、そして回復の手間が減る分攻撃に回せる訳だ、そらっ!」ピシャッ

商人「僕も余裕が出来ましたよ、ルカニ!」ギュウウーン

ボストロールにはきかなかった!

商人「ああ、少しでも攻撃が楽になればと思ったのに…!」

戦士「問題ないぜー!うらあっ!」

ボストロールはルカナンをとなえた!ボストロールのこうげき!戦士はすばやくみをかわした!

盗賊「ははっ、お前俺のお株を奪うんじゃねーよ!」
勇者「っし、いけるぜ!商人、魔力は!?」

商人「そろそろ、残りを気にしなければならなくなってきました…」

勇者「回復は出来る限り俺がやる!お前は守備力をケアしてくれ!」

商人「了解です!スクルト!」ギュイイーン

ボストロールのこうげき!ボストロールはルカナンをとなえた!

盗賊「くっそ、タフだな!そろそろ倒れろよ!おらー!」ピシャッ

ボストロールのこうげき!ボストロールのこうげき!

勇者「ちっ、ベホイミだ!」パアア…

商人「僕も回復に回らないと…ベホイミ!」パアア…

戦士「おおおおお!うらーーっ!」ザンッ

ーーボストロールをやっつけた!

兵士「先日は無礼をしました。どうかお許し下さい」

戦士「全然気にしてねーぞ!」

盗賊「いや全然って事はないけどな。ま、仕方ないだろ」

勇者「終わり良ければ…って言うしな」

兵士「ありがとうございます。さあ、王様がお待ちです」

商人「……」キョロキョロ

盗賊「ん?どうした商人」

商人「あ、いえ…」

王様「再びここに座れるとは思っていなかった。感謝するぞ勇者よ!」

勇者「はっ。つきましては…」

王様「おお、話は聞いておるぞ。へんげのつえを求めてこの国に来たのであろう。そなたらは命の、この国の恩人じゃ。持って行くがよい」

戦士「うおおー、やったぜー!」

盗賊「うるせえよこんな場所で!では、お言葉に甘えていただいていきますよ」

商人「…その、王様。この国にオーブはありませんか?魔王を打倒する為にどうしても必要で…」

王様「オーブ…いや、そのような物はこの国には無いな」

盗賊「なんだ商人、へんげのつえだけでなくオーブまでとは、ずいぶん欲張りだな」

勇者「まあ、オーブもあったら良かったが、そう都合よくはいかないだろうな」

商人「そうですね。この国が平和になって、僕らはへんげのつえを手に入れた。それで十分ですよね…」

ーーサマンオサ城下町

戦士「で、次どこ行くんだ?」

盗賊「とりあえずあの北の島に住んでるじいさんにこのへんげのつえを渡しに行くんだろ?」

勇者「ああ。だからまずはエジンベアに飛んで…」

商人「あ、あの!考えたんですけど、あのご老人の所に行く前にスー東の草原に行ってもらいたいんですけど…」

戦士「お?どこだっけそこ?」

勇者「……確かなにもない平原に町を作ろうとしてたじいさんがいた所だよな?商人、お前…」

商人「考えたんです。今まで4つのオーブは順調に見つかりました。でも残る2つのうちイエローオーブは人から人へと渡っているっていう情報だけ、もう1つのオーブは情報すらない…」

盗賊「イエローオーブの情報はランシールだったかな?確かにもう1つの話は聞かないな…それで?」

商人「僕たちはもう世界の大体の場所に行きました。それこそ空でも飛べるようにならないと行けない所はほとんどない位に…」

勇者「そして空を飛ぶにはおそらくオーブが揃えなくちゃならない、か」

戦士「でもそのオーブが見つからないんだろ?じゃあどうすれば良いんだよ!?」

商人「だから…だから、ここからは各地を探し回るだけじゃなくて、1つの場所にじっくり腰を据えて探してみるのも手なんじゃないかと。それで…」

盗賊「その1つの場所ってのがあの平原ってか?町を作りながらオーブの情報を集める。そういう事か?」

商人「はい。町を一から作るとなればいろんな人が出入りするはずです。そうなれば自然と情報も集まるんじゃないかと…」

戦士「おお、すげーな商人、ナイスアイデアだぜー!…ん?でもそうしたらもう商人とは旅出来ないのか??」

商人「そ…それは…その……」

勇者「…まあ良い、とりあえず出発するぞ。あの平原に着くまでの間、船で潮風にでも当たりながらもう一度考えてみるんだな」

盗賊「ああ、それが良いと思うぜ、こうやって喋ってても仕方ない。俺らは時間が限られてるから、進まないといけないからな。進まないと…」

商人「よいしょ、よいしょ…うーん、最後のあなほり、何も出なかったな…」

戦士「なあ、本当に別れちまうのかー?」

商人「…ええ、その方がきっと良いはずです…」

盗賊「なんて言ってるけど良いのかよ?」

勇者「…仕方ねえだろ、あいつが自分で決めたんだ」

盗賊「つってもなあ…」

勇者「あいつはああ見えて頑固だからな。言っても聞かねえだろ」

盗賊「まあ、そりゃそうだろうけどな」

商人「大丈夫ですよ。あそこに立派な町を作って、オーブを見つけたらまたきっと一緒に旅出来ますよ」

戦士「おー、そうなのか?」

商人「ええ、きっと…」

勇者「…となればやることは1つだ。残りのオーブをさっさと見つけ出して、また合流する。だろ?」

盗賊「…!ああ、そうだな!へへ、こっちで残りを見つけちまって、お前をがっかりさせてやるぜ!」

商人「僕としてはそれでも良いですよ。でもそうなっても、町作りの手を抜く訳にはいきませんけど」

勇者「よし、じゃあ行くか…あの平原にここからならすぐだ。すぐに…」

老人「…本当に、ここに残ってくれるのか?」

商人「はい。ここで町作りを…」

老人「ありがとう。とてもうれしい」

商人「いえ…では、皆さん…」ペコリ

盗賊「ああ、達者でな」

戦士「またいつか一緒になー!」

勇者「ちょくちょくここには寄らせてもらう。町作りサボらねえようにな」

商人「ええ、僕としても自分が作った町を見てもらいたいですし…皆さん、お元気で」

盗賊「じゃあな、寂しくなってないてるんじゃないぞ!…ふう、大丈夫だろうな、あいつは」

勇者「いのちしらずなわりには心配性だなお前は」

盗賊「俺自身の事とはまた違うからな。まあ、上手くやるだろうが、真面目過ぎる所があるからなあいつは…」

戦士「盗賊とは違うよな!」

盗賊「俺が真面目じゃないみたいな言い方するんじゃねえよ!…ま、心配しても仕方ないな」

勇者「ああ✨俺らには俺らのやるべき事がある」

戦士「よーし、気合い入れ直して行くぜー!」

勇者✨「俺は勇者っ!正義の寵児、光の体現者だっ✨」

商人😭「えっ!?なななんですかいきなりっ!?」

盗賊😎「おいおい、何泣いてるんだ?楽しんで行こうぜおい😎」

商人😱「いや、楽しんでと言われても何が何だか…」

戦士💪「このSSはハッピーになったのさ!見ろよこの筋肉💪」

使者☺️「貴方は笑顔が足りないわね。ほら、笑って笑って☺️」

商人😵「し、使者さんまで…」

子分?🍖「食べるぞー🍖🍖🍖」

旅人女👿「こいつも食べな👿」

🍗🍗🍗「ふにゃー!?名前が🍗になったのですにゃー🍗🍗🍗」

ーースー東の草原

老人「お早う。どうした?うなされてた」

商人「ああ、いえ、何でもないです…なんだ今の夢…✨をごまかそうとしてエイプリルフールと関係無くなってるじゃないか…」

盗賊「それは、出来ないんだ…何故ならこのSSを書き始めた時すでに商人が離脱するのは決めてたからなんだ。そういうものなんだ」

勇者「さて、だ。夜になっちまったな。そろそろあのへんげのつえを欲しがってた老人の家が見えてくる頃だが…」

戦士「おー?あの原っぱ、そうじゃねーのか?」

盗賊「だな。あのだだっ広い草原の平原のどこかにあのじいさんの家があったはずだ」

勇者「確かしばらく真っ直ぐ行って、それから…少し東だったか?」

戦士「お、あったぜ家がよー!」

盗賊「よし、んじゃ邪魔するぜ…っと。お、いたいた。じいさん、元気でいたか?」

老人「ん?お前たちはいつぞやの…おお!それはまさしくへんげのつえ!それが欲しかったんじゃ!のう、モノは相談なのじゃが、それとこのふなのりのほねを交換してくれんかのう?」

勇者「まあ、俺らには必要ないもんだが…その骨は何の役に立つんだ?」

老人「お前たちは世界中を旅しておる。しかしまだ行ったことのない所もあるようじゃな。そこに行くために、これはきっと役に立つじゃろう」

戦士「この骨がかあ?本当かー?」

老人「本当じゃよ。これでもわしは偉大なる魔法使いじゃからな。ほっほっほっ」

盗賊「…なんだか胡散臭いが、しかし行ったことのない場所へ行けると聞いちゃあな。よし、交換しようぜ!」

老人「おお、言ってみるもんじゃのう!」

ふなのりのほねを手に入れた!

戦士「やべーぞ、夜が明けちまう!」

勇者「ちっ、残念だが今日中に新しい土地には着けないようだな」

ーー95日目

盗賊「夜明け、か。2日でどこか新しい場所に行けなかったのは初めてだな。ペナルティは死んだ時と一緒だったよな?」

勇者「ああ。確かたびびとのふくが余ってたよな?戦士、捨ててくれ」

戦士「おう、じゃーな!」ポイー

盗賊「よっし、これでかえって急ぐ必要も無くなったし、商人の所に寄ってみないか?」

勇者「昨日の今日じゃねえか…だがまあ、寄らない理由もないな」

戦士「よっしゃー!進路は南へー!」

ーースー東の草原

商人「あ、皆さん、来てくれたんですか?見て下さい、もうお店を作ってみたんですよ!」

戦士「おおー!はえーな商人ー!」

盗賊「いや早すぎだろ…昨日の今日だぞ?どんだけ働いたんだよ」

商人「オーブ探し、皆さんに負けられないですからね!その為にはまず店を開いて商売を初めないと…」

勇者「…全く、凄い奴だよお前は。ただ、あんまり頑張りすぎてやらかさなければ良いけどな…」

勇者「よし、じゃあこのふなのりのほねが指し示す所に行ってみるか。今まで行ったことのない場所へ行けるってあのじいさんも言ってたからな」

戦士「よし、じゃあ使ってみるぜー!」クルクルクル…

盗賊「南に31、東に74って所か。へえ、不思議なもんだな」

勇者「確かに、何処かへ俺らを導いているようではあるな。ただ、行ったことのない場所って程の所を示してはいないようだが…」

戦士「おい、このふなのりのほねを手に入れたのを商人に言ってやらなくて良いのか?」

盗賊「ああ、せっかくだしな。じゃあちょっと戻るか…」

ーースー東の草原

勇者「………おいおい」

戦士「おお!?なんかすげー町っぽくなってねーか!?」

行商人「いやー、こんな所に町があるなんて!やっぱり商売は足で稼ぐのが基本ですな、おかげで良い取引先が見つかりましたよ!」

盗賊「いや、もう取引先とかいるのかよ…俺らが骨でくるくるやってる間に変わりすぎだろ…」

勇者「…結局、あれからまた時間を置いてあそこに行ってみたら、えらい発展してたな…」

戦士「商人バークって名前までついてたぜー!」

盗賊「あの劇場はなかなかだったぜ。あいつ、あんな趣味があったんだなあ、へへへ」

勇者「あいつの趣味かあれ?ぼったくりみたいな値段も吹っ掛けられたし、どうもあいつの意思とは別の何かが働いてそうでな…」

盗賊「あんなに早く町づくりが進んでるからな、尋常ならざる何かがあるんだろうな」

戦士「でもすげーな、オーブの情報が集まってたぜ!」

勇者「ああ、ブルーオーブはもう手に入れたが、シルバーオーブについては初耳だったな」

盗賊「ネクロゴンドの山奥にあるほこら…そこにあるって話だったな。とても近づけるような所じゃないらしいが、まあなんとかなるだろ」

勇者「なんとかなる、じゃねーよ、なんとかするんだよ。あとはそうだな、ガイアのつるぎなんて物の情報もあったな」

盗賊「大地を司る、山をも揺るがす剣、か。とんでもないシロモノだな、まあ本当ならだが」

戦士「ものすげー攻撃力がありそうだよな!」

勇者「ああ。だがもしかしたら、普通に武器として使う以外の使い道があるのかもな。何せ大地を司るっていう位だからな」

盗賊「盗賊としても是非手に入れたい逸品だね。さ、情報も集めたし、そろそろ俺らも先に進もうぜ。このペースじゃ残りのオーブ全部あいつに集められちまいそうだ」

戦士「おおー!進むぜー!」

勇者「…ふなのりのほねはどうだ?」

盗賊「近づいてはいるようだな。南15、東46の方向だ」

戦士「さっきよりかなり近づいたな!おっ、あれポルトガじゃねーか?」

勇者「ああ、こうして見ると小さいが活気のある町だな」

盗賊「ポルトガ海峡を越えて…っと。ここはあれだよな、ロマリアとかアッサラームとかある…」

勇者「ああ、あのでかい内海だな。こんな所に隠された町やダンジョンでもあるのか…?」

戦士「おっ、見てみろよ!南8に東18まで来たぜ!」

盗賊「そろそろだよな…んん?おい、あれはなんだ…船か?」

勇者「暗くて見えづらいが…そのようだな。かなりでかい…いや、でかいはでかいが、これは…」

戦士「おいおい、ボロボロじゃねーか!?」

盗賊「な、なんだこりゃあ…船ってこんなになっても動く物なのか…?いや、これはもう船っていうより…」

勇者「まるで船の形をしたバカでかい亡霊みたいだな。くそっ、骨が指し示すんだ、まともな所なはずがなかったぜ…だが、行くしかねえよな…」

戦士「おおー!俺らがこんな船に負けるわけねーぜ!行こーぜ!」

勇者「…っ、んだここは…外なのに嫌な空気が漂ってやがる」

戦士「おっ、ほら見ろよ、骸骨がいるぜー!」

盗賊「うおおっ!?骸骨がいるぜー!じゃねーよ!まあスリルに不足はないようだがな」

骸骨「例え嵐が来ようとも、この船は絶対に沈まんのだ!わはははは!」

勇者「…哀れだな」

盗賊「まあ、な。絶対に沈まないなんて言ってるが、この船は…ん?何かいるな?」

戦士「猫じゃねーか?小さいしよお…んん?なんか変だぞ??」

猫?「ひっひっひっ…幽霊船には屍が相応しかろう。ここで死ぬがいい!」

ーーミニデーモンがあらわれた!

盗賊「おお!?魔物かよ!まあこんな船に普通の猫はいないだろうが…そらっ!」ピシャアッ

戦士「うおー!」ザグッ

ーーミニデーモンをやっつけた!

勇者「…なんだったんだ?今のは」

盗賊「さあな。まあザコで助かったぜ。さ、進もうぜ」

勇者「…ん?あっちにいるのは…人間か?」

盗賊「人間と見せかけてまた魔物じゃないだろうな…いや、あれは確かに人間のようだな。おーい!」

旅人女「ん?あんた達は亡霊じゃないようだねえ?むしろどこかで会った事があったかい?」

戦士「んー?あ、胡椒屋にいた剣士か!」

勇者「ああ、確かに胡椒屋で見かけたな。何してるんだこんな所で?」

旅人女「それはこっちの台詞だね。ま、考えてる事は一緒だろうけどね」

戦士「んー?なんだー?」

旅人女「はっ、とぼけるのかい?まあ良いさ。どっちにしろ仲良く探検する気なんてないからね。さ、アタシはもう行くよ」

盗賊「へえ、お宝がどこにあるか目星は付いたのかい?」

旅人女「さて、何の話だろうね?じゃあね、せいぜい気を付けなよ」

戦士「行っちまったな。なあ盗賊、お宝って何だ?」

盗賊「さあな。カマかけてみたんだが、引っ掛からなかったな。なかなか手強いお姉さんだ」

勇者「こんな所を一人でうろついてるんだ、只者じゃないだろうよ。さあ、俺達も行くぞ。あの旅人はああ行ったが、こんな所に来てる人間がいるって事は、何かあるのは間違いないだろうからな」

戦士「おーし!見つけるぜ何かをー!」

盗賊「何か分からないのにその元気は何なんだよ…」

勇者「見ろよ、あっちに階段がある」

盗賊「下りてみるかーーっと、下はますます嫌な感じだな」

戦士「お、人がたくさんいるぜー!」

勇者「人、っつっても、生きてる奴は居なさそうだな…」

奴隷骸骨「俺達ゃ奴隷よ!ギーコ、ギコ!」ギーコ…

罪人死体「船を漕ぐのは、奴隷か罪人の仕事なのさ。しかし、死んじまっても船が漕げるなんてしらなかったよ…」

勇者「…自分が死んでるって理解してるんだな」

盗賊「でも上の船長らしき骸骨は分かってなかったようだぜ。個人差があるのかもな」

戦士「おーい、お前はなんで死んでも船漕いでるんだ?」

盗賊「お前…聞き方ってモノがあるだろ…」

罪人「おらは人を殺しちまったから、どんな死に方しても仕方ねえだ。だが…そっちの奴は無実の罪だったんだってよ。かわいそうになあ…」

戦士「むじつのつみ?何もしてねーのにこんな事やらされてんのか!?ひでーな!」

勇者「誤解が原因なのか、陥れられたのか…いずれにせよ…」

盗賊「ああ…なんとかしてやりたいが、どうしたら良いか…」

戦士「おーい、無実の罪のあんちゃんよー!」

盗賊「お前本当、もうちょっと言い方をだな…」

エリック「オリビア…もうすぐ船が沈んでしまう…君とは永遠に会えなくなるんだね…」

勇者「…俺らの言葉は届いてないのか」

戦士「可哀相だなあ。なんとかならねーのかよ!」

盗賊「なんとかって言ってもなあ…いや、なんとかしなきゃならないのか?」

勇者「この船を救えば、俺達に道が開けるってか?あり得なくはないが…」

盗賊「どうすれば良いか見当もつかないな。まあ、とりあえずもう少しこの船を探索してみるか。しかし夜にこの幽霊船は辛いな…」

亡霊「溺れて死ぬのは苦しい…嫌だああ!死にたくねえよおお!」

魂「嵐が来るぞお!うああああ…!」

勇者「…長居するとどうにかなりそうだ。早めに…ん?あれは…」

盗賊「一番奥に何かあるな。宝箱か?」

戦士「っしゃー!開けてみるぜー!」

盗賊「中身は…っと。これは…ペンダントか?」

勇者「何か書いてあるな。古すぎて読めないが…名前が書いてあるのか?エリックと…オリビア。オリビア…!」

戦士「さっきのあんちゃんが言ってたな!」

盗賊「て事は、あの兄さんがエリックか?こいつは二人のあいのおもいでって訳だ」

勇者「…持って行くか。何かの役に立つかもしれない。もしかしたら、この船…とまではいかなくても、あの男の無念は晴らせるかもしれねー」

戦士「あのあんちゃんに見せなくて良いのか?」

盗賊「こんな近くにあって気付かないとも思えないからなあ。この船の中でどうこう出来る問題じゃあ無さそうだ」

勇者「思い出の物を思い出の場所に…という事なのかもしれないな。難題かもしれないが、ただ…」

戦士「なんだー?」

勇者「いや、オリビア、って聞き覚えがあるような気がしてな。まあ良い、この陰気な場所に長々と居たくねえ、戻るぞ」

盗賊「ああ、なかなかのスリルだったぜ」

ーーあいのおもいでを手に入れた!

戦士「これからどこ行くんだ?」

勇者「まずは近くの町で泊まろう。そうだな、イシスにするか」

盗賊「お、良いねえ。またあの女王様に会えるぜ」

戦士「カニがうめーんだよなあそこ!」

勇者「あの砂漠のカニには良い思い出が無いがな…行くぞ」

盗賊「よし、進路は南だ、待ってろよ女王様!」

ーー

旅人女「…あいつらは帰ったのか。アタシもそろそろかねえ。幽霊船なんてどんなお宝があるかと思ったが、思った程ではなかったねえ。さて、荷物は積んだし、出発だよ!」ザザーン…

猫「…うにゃあ、お嬢様は何処に…にゃにゃっ!?船が居なくなってますにゃー!おーい!お嬢様ー!おーいなのですにゃー!」ニャーニャー

旅人女「…?何か聞こえたような…波の音か?それにしても、何かを忘れたような気がするが…」

猫「にゃー!みぃを忘れてますにゃー!戻って…にゃ?何か物音が…」

小悪魔「ひっひっひっ…幽霊船には屍が相応しかろう…」

猫「ふにゃー!?お助けですにゃー!」オアー…オアー…オアー…

女王「…では、ごきげんよう。旅の無事を祈っていますわ」

盗賊「はっ。では失礼します…いやー、今日も女王様は美しかったな」ウンウン

戦士「で、これからどこ行くんだ?」

勇者「そうだな…オリビアって名前、どこかで聞き覚えがあったんだよな。どこだったか…」

盗賊「おいおい、そんな煩わしい事考えるより、今は女王様の美しさを…」

使者「あら、ずいぶんとご機嫌のようね」

盗賊「おおっと!いや、使者のおねーさんも綺麗ですよ、へへへ…」

使者「お世辞はいらないわ。女王様と美しさで争おうなんて思わないし」

勇者「ずいぶんと久しぶりな気がするが、今日は…?」

使者「貴方達が行き先で困ってるのではないかと思ったのだけれど。違ったかしら?」

戦士「おおー、すげーな!なんで分かるんだ?」

使者「オリビアの岬、って聞いたことがあるでしょう。湖の見える美しい宿、覚えてないかしら?」

盗賊「ああ、思い出した!あの時もこんな風に使者のおねーさんが来てた!」

使者「あそこに行ってみたらどうかしら?あの時は開けられなかった鍵も、今なら開けられるのでしょう?」

勇者「確かにな…行ってみる価値はあるか。どうせ他に行き先もないし、オリビアとエリックのあいのおもいでも何かの役に立つかもしれないからな…」

盗賊「さて、ここにヒントがあれば良いんだけどな」

戦士「ここの牢屋の鍵を開けてみるぜー!お?詩人がいるぜ!」

詩人「旅の方ですか?ここはオリビアの岬。悲しい伝説の伝わる岬です」

勇者「悲しい伝説…?」

詩人「嵐で死んだ恋人を想い、オリビアはこの岬に身を投げました」

盗賊「そうか、オリビアにあいつの最期が伝わっていたのか…」

詩人「しかし死にきれぬのか、岬を通る船を呼び戻すと言います。ああ、二人のあいのおもいででもあれば、オリビアの呪いを解けるかもしれないのに…」

戦士「思い出のペンダントならあるぜー!幽霊船から持ってきたぜ!」

詩人「幽霊船?確かにオリビアの恋人エリックの乗った船も、幽霊船となってさ迷っていると言う噂は聞きますが…」

勇者「その幽霊船の中で見つけたんだ。そしてこれを見つけた。ここの呪いの事など知らなかったが、ここまできたなら二人の呪いを解いてやりたい。ここからでは難しいか?」

詩人「この岬を船で通ろうとすると、何処からともなく女の歌声が聞こえると言います。ならば船で来るのが良いでしょう。ここから遥か北、ノアニールという町があります。そこから船で西に向かうと、やがて大河が見えるでしょう。そこを遡ればオリビアの岬に着くはずです」

勇者「ありがとう。きっと呪いは解いてみせる」

盗賊「よし、行ってみようぜ。このあいのおもいでが二人に、そして俺達に何をもたらすのか?なかなか面白い事になりそうだぜ」

勇者「確かここから近いんだったな、オリビアの岬は」

戦士「なあ、せっかくここまで来るんならエジンベアから商人の町に行っちゃダメだったのか?」

盗賊「それは俺も考えたが…今あいつはあいつで頑張ってるだろうからな」

勇者「ああ、あいつは今町づくりをしながらオーブ探しもしてるんだろう。なら俺らは俺らがすべき事を全力でやるべきだろ」

戦士「そっかー。それもそうだな!」

盗賊「さてと。じゃあ進路は東へ、だな。このまま進めば…」

戦士「おっ、ホビットのアネキの家だぜー!」

勇者「今日はここにも寄っていく暇は無いけどな。さて、じゃあここの川か?あの岬に続いてるってのは」

盗賊「ああ、ここから遡ってみようぜ。…しかし、今更ながら凄い船だよなこいつは。川を遡るのも苦にせずグイグイ進みんだからな」

戦士「ポルトガの王様に感謝だな!」

勇者「ああ、改めて感じるな、俺らの旅がどれだけの人に支えられてるか…数えきれない恩に、報いなきゃな」

盗賊「へっ、いっぴきおおかみの勇者が成長したじゃないか。おっ、ほら見ろあの宿屋だ。って事はついたぜ、オリビアの岬に!」

戦士「っしゃー!オリビアとエリック、待ってろよー!」

勇者「さて、鬼が出るか蛇が出るか…進んでみるぞ」

戦士「おー!…ってなんだあ!?どこかから歌が…!」

盗賊「…哀しい歌声だな。いったいどの位これほどの哀しみに耐えてきたのか…」

勇者「言ってる場合かっ!船が…戻される…!」

戦士「うおおおっ!?…あー、戻されちまったなあ」

盗賊「聞いてた通りだな。さて、じゃあこいつを受けとれよ、オリビア!」ブンッ

勇者「さて、どうなるか?…光が、そしてあの二人は…!」

オリビア『エリック!私のエリック!ずっと会いたかった!』

エリック『愛しのオリビア、もう放さない!』

オリビア『エリックーー!』パアアア…

戦士「おお!?消えた…ぞ?これで、これで良かったんだよな!」

盗賊「ああ。永い時を経て、やっと再会出来たんだ。天国なんてものがあるか知らないが、ま、お幸せにって所だな。せめてあの世ではな…」

勇者「…これで、呪いは解けたはずだ。進むぞ」

戦士「おー!…で、この先何があるんだ?」

盗賊「それも、夜にあの宿屋で聞いたな。確かほこらの牢獄とか言ったはずだ。穏やかじゃない響きだが、さて何が待っているのか…」

勇者「ちっ、暗くてよく見えねーな。夜になっちまったからな…いや、あそこでなにかぼんやり光って…炎?いや…」

亡霊「ここはさびしいほこらの牢獄…」

盗賊「本当に寂しい所だな。ほこらの牢獄…以前にも聞いたことあったよな?」

勇者「サマンオサの北東にあった教会の神父だな。勇者サイモンがほこらの牢獄に追放されたとかいう話だったな」

戦士「じゃあここにそのサイモンってやつがいるのか?でもよお、そいつ生きてるのかこんなとこで?」

盗賊「まあ、生きちゃいないだろうな。生きてる人間の気配がまるでしねえよここは。飯だってろくに食べられないだろ」

勇者「まあ、外から見た感じそんなに広くもなさそうだ。くまなく探すのも難しくはないだろう…あれは、また亡霊か?」

魂「私はサイモンの魂。私のしかばねのそばを調べよ…」

戦士「死体のそば?どこにあるんだ死体?」キョロキョロ

盗賊「別の部屋だろうな。今まで探索して、残るのはあの部屋だけだ。行ってみようぜ」

勇者「…ここだな。見ろ、死体、骨だ。このそばを調べれば…これは、剣か!?」

盗賊「こいつは…噂に聞くガイアのつるぎじゃないか?覚えてるか?ルザミとかいう小さな島で、預言者とかいうじいさんが言ってた事を」

戦士「あー、確かどっかに投げ入れるとかなんとか…」

勇者「火山の火口に、だ。火山の火口、親父の最期の場所…いよいよ、いよいよ近づいてきたぜ、核心にな…!」

ーーガイアのつるぎをてにいれた!

盗賊「…くあ、良く寝たぜ。しかし、もともと景色の良い宿屋だったが、呪いを解いたからか穏やかになって更に良くなったよな」

戦士「魚も捕りやすくなって飯のおかずが増えたぜー!」

盗賊「使者のおねーさんもまた来れば良いのにな。なあ?」

勇者「んなに暇じゃねーだろあの人も。さてと、ガイアのつるぎが手に入ったし、火山の火口に行かなきゃならないんだが…」

戦士「どこにあんだ?火山の火口って」

盗賊「火山の火口にガイアのつるぎを投げ入れるとネクロゴンドへの道が開けるって話だったよな?言葉の通りに受け止めれば、ネクロゴンドはテドンの北のはずだったから、イシス…いやあそこからだと岩山に阻まれるか?」

勇者「陸路では難しいのかもな。となるとバハラタか、あるいはアッサラーム辺りからテドン方面を探索する感じか」

戦士「言葉通りにってのはどういう事だ?」

盗賊「ネクロゴンドへの道が開けるってのがネクロゴンドへ直接道が繋がってるって意味の場合だ。もしかしたらオーブが見つかって空からの道が開けるって意味かもしれないからな」

勇者「そうなると火山の火口がネクロゴンドの近くにある意味もない訳だが…いずれにしろあの近辺を探索するしかないだろうな」

盗賊「他にあてもないしなあ。ま、行ってみれば分かるさ」

戦士「よっしゃー!早く飯食って出掛けようぜ!」

盗賊「…と、まあ勇んで出てきたが、どうやら探索って程歩き回る必要もなかったかな。あのでかい山、露骨に怪しいぜ」

勇者「少し沖に出たら嫌でも目に入って来たな。時間がかからなくて結構な事だぜ」

盗賊「よし、じゃあ上陸の準備だな…さあ、行ってみようぜ!」

戦士「すげえ険しい山道だな!でも負けねーぞ俺は!」

勇者「勝ち負けの問題かよ…っと、頂上に着いたな。そしてこれが火口か。ここが…」

盗賊「親父さんの最期の地、だったな。でもまあ、分からないぜ?伝え聞いた話で、目撃者もいたのかどうかあやふやだしな」

戦士「ホビットのアネキも信じられないって言ってたよな!」

勇者「ああ、そうだな…さあ、ガイアのつるぎを投げ入れるか。結構良い剣で、名残惜しくはあるが…」

盗賊「俺らの手持ちの武器だとこの剣の攻撃力はそれなりみ魅力的なんだが、そうも言ってられないからなあ…そらっ!」ポーイ

ーーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

盗賊「うおお!?なんだ!?どうなってる!?」

勇者「噴火してるのか…!気を付けろ!噴石と…溶岩が!」

戦士「おおおおお!?溶岩が川を埋めてくぞ!?」

盗賊「ああ、うめて埋めて…川の向こうに、行けるようになったな…」

勇者「正に道が開けたって訳だ。しかしこんな大掛かりな仕組みで道を隠してたとなると、この先にあるものは余程…そして親父がここに来た訳…いや、今考えても仕方ねえ、行くぞ!」

盗賊「夜になったな…結構険しい道のりのようだな、この先も」

ーートロルがあらわれた!

戦士「うおお!?でけー魔物だな!」

盗賊「サマンオサの偽王様に似てるな…先手必勝、おらっ!」ピシャッ

戦士「ぶった斬ってやるぜー!」ズバッ

トロルのこうげき!トロルのこうげき!

盗賊「ぐっ…はあ!?なんだこいつの攻撃力は!?」

戦士「いってええ!すげー力だな!」

勇者「でも耐えられねえ程じゃねえだろ、らあっ!」ピシャシャッ

戦士「うらあー!」ザグッ

ーートロル達をやっつけた!

盗賊「くそっ、ここから先のモンスターは桁が違いそうだな…ん?見てみろよ、あそこにあるのは…!」

勇者「あれは…洞窟か!どうやら次はあそこにいくようだな。だが今日は引き返すようだな…」

戦士「洞窟は明日か?ここのモンスターはつええけど、俺は負けねーぞ!」

盗賊「ああ、負けてたら先に進めないからな。しかし…へへっ、ここから先は今までにないスリルが味わえそうだぜ…!」

盗賊「くっそ、ここに来るまでにかなり消耗しちまったな…勇者、魔力は?」

勇者「もう半分も残ってねえ。くそ、洞窟攻略が本番なのに、辿り着くまでにこんなに消耗しちまったら…」

戦士「勇者、さっきレベル上がったんじゃないのか?新しい呪文とか覚えなかったのか?」

勇者レベル32「残念ながら、な。ベホマでも覚えりゃあ、多少は楽になったかもしれなかったんだがな」

盗賊レベル32「ベホマもだが、さっきザキを使う魔物が出たぜ。あの影みたいな…お前、ザオラルとか…」

勇者「覚えてねーよ、ザキが効いたら終わりだ。二人になったら引き返すしかねー」

盗賊「だよなあ。こいつは難所中の難所のようだな。洞窟内はそこまで魔物と出会わないっぽいのが不幸中の幸いだがなあ」

戦士「なんだよ!弱気だな二人とも!俺は負けねーぞ!」

勇者「もちろん諦めるつもりはねー。だが、今日はもう引き上げだ。もう少し洞窟内を探索したかったんだが…」

盗賊「まあ、探索は明日以降だな。それより朝になるまでに帰れるかどうかだよな」

戦士「っしゃー!アッサラームに帰るぜーー!」

勇者「…まあ、お前のうざい程の煩さも多少は救いになるか。ここが本当の正念場のようだからな…」

ーーフロストギズモはヒャダルコをとなえた!フロストギズモはつめたいいきをはいた!

勇者「ぐあっ!まずい、死ぬ…」

盗賊「勇者っ!先に倒す!おらあああっ!」ピシャシャッ

戦士「うおりゃー!」ザクッ

ーーフロストギズモたちをやっつけた!

盗賊「大丈夫か、勇者!?」

勇者「なんとかな…ベホイミ!…くそ、これで魔力はほぼ空だ」

戦士「もうないのか!?アッサラームまでまだまだだぜ!?」

勇者「ああ…仕方ない、ルーラで戻る。1日無駄になっちまうが…」

盗賊「全滅よりマシだろ。新しい場所到達に一日遅れても棄てるのは一個、全滅したら三個だ」

戦士「それに久しぶりに盗賊も武器盗んだだろ?」

盗賊「久しぶりは余計だろ!ただあの雲野郎が落とした剣、なんか不吉な感じがするんだよな」

勇者「まあ最悪捨てる候補になるなら良いだろ。よし、じゃあ戻るぞ…ルーラ!」ギュイーンギュイーン…

盗賊「…とはいえすぐ宿に泊まるのは勿体ないからな。ギリギリまで経験値を稼ぐか」

ーーヘルコンドルがあらわれた!

戦士「おっ、前に盗賊が飛ばされた奴じゃねーか!」

盗賊「うるせえよ!今はもう敵じゃねえ!そらっ!」ピシャシャッ

勇者「っしゃあ!」ピシャッ

ーーヘルコンドルたちをやっつけた!

戦士「っしゃー!楽勝だぜー!…ん?あれ宝箱じゃねーか?」

勇者「こいつの宝箱っていったらーー」

なんと みかわしのふくをてにいれた!

盗賊「だよなあ。まあ、装備品はあって困るもんじゃないしな」

勇者「ああ。おそらくあの洞窟攻略には時間が掛かりそうだ。捨てなきゃならねえ装備品も多くなるかもしれねー」

盗賊「本当なら今日明日で突破したかったが、今日宿泊で明日中には次に行かなきゃ行けないからなあ。少し厳しいよな」

戦士「明日一日で突破すりゃ良いんだろ?やってみせるぜー!」

勇者「まあ、出来りゃそれに越したことはないけどな。まあ明日だ。昨日から寝てねーから何もかも空っぽだ。早く宿に行きたいぜ…」

戦士「くあーっ、良く寝たぜー」

盗賊「おい、まだ準備出来てないのか?時間ないんだから急げよな」

勇者「そういうお前はさっき出掛けてたみたいじゃねーか、どこ行ってたんだよ?」

盗賊「ああ、昨日盗んだ剣あっただろ?あれをちょっと店に持ち込んでな。あれはもろはのつるぎって言うらしいぜ」

戦士「へー、強そうだったよなあれ!」

盗賊「ただ、試しに値段を聞いてみたら渋い顔をされてな、あんまり良い値じゃなかったよ。つまりーー呪われてるな、これは」

戦士「呪われてるのか!?その剣が!?」

盗賊「まともな剣ならもっと値が張るだろうからな。ま、剣の話は終わりだ。今日はあの洞窟手前で経験値稼ぎか?」

勇者「いや…突破を目指そうと思う。おそらくこの後に控えてるのは魔王だろう。魔王の時にこそ、時間をたっぷりかけたいからな」

戦士「おお、あの洞窟抜けるのか!燃えてきたぜー!」

盗賊「…かなり無茶だな。ま、そうは言っても今日経験値稼いでレベル上がるのはせいぜい戦士だけだろうからなあ。俺と勇者はもう上がったしな」

勇者「そういう事だ。さあ、そうと決まったら行くぞ。あの洞窟まで結構距離があるからな」

戦士「っしゃー!やるぜやるぜー!」

ーートロルのこうげき!トロルのこうげき!

盗賊「くっそ、いてえなーーおらっ!」ピシャッ

戦士「うおおー!」ザンッ

ーートロルたちをやっつけた!

勇者「くっそ、こいつに一番会いたくなかったのに…回復するぞ、ベホイミ!」パラララ!

盗賊「アホみたいにタフだからな。他は最悪勇者のイオラでなんとか出来るんだが」

戦士「でもあれも魔力結構使うんだろ?」

勇者「結構どころじゃねーな、俺にとってはな。だが、ベホイミを2回使うよりはマシだ」

盗賊「どっちが効率良いか、だよなあ。魔力使わずに勝てるならそれに越した事はないけどな」

戦士「商人がいればなー」

勇者「それを言っても仕方ねえだろ。さあ、洞窟に着いたぞ。昨日よりは消費が少ないが、あのでかいの10体も相手しちまったのがどう響くか…」

盗賊「…やっぱり洞窟の中はそこまで魔物が多くないようだな」

勇者「そうでなきゃ今日中に突破するとか言わねーよ」

戦士「バッタバッタ倒してレベル上げても良いけどな!」

盗賊「そんな余裕ないだろ今は。とにかく無事洞窟を攻略するのが第一だ」

勇者「大体お前外でレベル上がっただろ」

戦士レベル32「おう!俺も二人に追い付いたぜー!」

盗賊「じゃあしばらく誰もレベル上がらないだろ…っと、階段だ。まあ昨日もここまでは来たけどな」

戦士「そういや洞窟なのに潜らねーで上るんだな」

勇者「おかしいって程でもないが…言われてみれば今までの洞窟はみんな下に進んでたか?」

盗賊「確かな。魔王の居場所はネクロゴンドの山奥っていう話だったからな、言わば登山だろ」

戦士「この先に魔王がいるのか?この洞窟の最後に出てくるのか?」

勇者「分かるわけねーだろ。とにかく、俺達は進むだけだ」

盗賊「そうだな、この先に待ってるのが魔王でもオーブでも、俺達には進む以外の選択肢はないよな…よし、行こう!」

盗賊「この洞窟に入った所が地下1階で、上ったら1階か」

戦士「0階ってのはねーのか?」

勇者「聞いた事ねえな…お前ら、構えろ!」

ーーミニデーモンがあらわれた!

戦士「この階はこのチビばっかりだな!おらー!」ザクッ

盗賊「さすがにあのでかいのは洞窟内には入ってこられないらしいな、そらっ!」ピシャシャッ

ミニデーモンはメラミをとなえた!

勇者「くっ…そ、うらあっ!」ピシャシャッ

ーーミニデーモンたちをやっつけた!

戦士「体力がねーからぱぱっと片付くな!」

盗賊「呪文だけは痛いがな。大丈夫か?」

勇者「問題ねー…が、あんまり何回も喰らいたくはねえな。長丁場だろうしな」

盗賊「ああ、なるべくさっさと進みたい所だな」

戦士「っしゃー!ガンガン進むぜー!」

勇者「2階は…特に問題なく進めたな」

戦士「あの宝石袋みたいなの早かったなー!早いだけで弱かったけどな!」

盗賊「呪文を2つ唱えた上に攻撃までしてきたからなあ。まあ攻撃力はてんで大したことなかったが」

勇者「あのレベルのモンスターだけだったら楽なんだが…階段だ」

盗賊「これで3階か。ここまでは順調だよな…んん?これは…」

戦士「おいおい、亀裂だらけで全然進めねーじゃねーか!」

勇者「上に上る階段自体はあるだろ、あそこに。ただ、亀裂を越えないと辿り着けないんだが、こういう時は…」

盗賊「亀裂や穴から落ちてみて活路を見いだす、だよな。今までも散々ロープとかから落ちた先に道があったりしたよな」

戦士「よし、飛び下りるぜうおおおおー!」ピューン…

勇者「行くか………っつう!結構な落差だな、さて…」

盗賊「お!ほら見ろよ、あの階段を上ってみれば…」

戦士「おおー、またすぐに階段があったぜ!さっき亀裂の向こうにあった階段か?」

勇者「だな。これで次は4階か、このまま出口まで辿り着ければ良いが…」

盗賊「ーーこの階は少し複雑なようだな。慎重に、かつ素早く…」

ーーじごくのきしがあらわれた!ガメゴンロードがあらわれた!

戦士「おお!?どっちも見たことねーぞ!とりあえずカメくたばれー!」ガギン!

ガメゴンロードはスクルトをとなえた!じごくのきしのこうげき!じごくのきしのこうげき!

盗賊「ぐはっ…!?この手数と攻撃力、まずいぞ…!」

じごくのきしはやけつくいきをはいた!

戦士「あっ!?が、が、が…」ビクビクッ

勇者「戦士!麻痺か!?」

じごくのきしのこうげき!じごくのきしはやけつくいきをはいた!

盗賊「かっ!?あ、くっ…!」

勇者「盗賊!くそっ、動けるのは俺だけ…」

じごくのきしのこうげき!戦士はしんでしまった!じごくのきしのこうげき!盗賊はしんでしまった!

勇者「くそっ、つええ…!引くか戦うか、どう…」

ガメゴンロードはもえさかるかえんをはいた!

勇者たちはぜんめつした!

戦士「んあー、負けちまったー…」

盗賊「強かったな最後の奴ら。しかも数が多かったしな。にしても戦士、見たことねーじゃないだろ、前の日にあの骸骨は見てただろ」

戦士「ああ?あー、そうだったな!」

盗賊「まああの時はあっさり倒したからなあ…さて、どうするよ?全滅して城に戻ると魔力回復するんだったか?」

勇者「ああ、魔力は戻ってる。このまま再挑戦も選択肢ではあるが…」

戦士「ちなみにいくつ装備捨てるようなんだ?」

盗賊は三人死んで1日オーバーだから4つだな。今日あの洞窟を突破出来なきゃもう1つだ」

戦士「そんなにかー!とりあえず捨てるぜとげのむちにみかわしのふくにてつのつめにたびびとのふくー!」ポイポイポイポーイ

勇者「かなり厳しくなっちまった。だが…今日の再挑戦は難しいな。いくらある程度あそこにいる魔物の特徴が掴めたとはいえ…」

盗賊「もう1つ捨てるのは確かに痛いが、まあ仕方ないだろうな。今日はレベル上げだ」

戦士「おっ、じゃあどこ行くんだ?」

勇者「そうだなーー」

戦士「うおおー、くたばれー!」ガギン!

メタルスライムをたおした!まもののむれをやっつけた!

盗賊「ふう、やっぱりレベル上げといったらここだよな」

勇者「ああ、あの銀色以外にもドラゴンなんかもまずまず経験値くれるからな」

戦士「ちょっと攻撃が痛い奴らもいるけどなー!」

盗賊レベル33「ドラゴンと金の鳥は厄介だよな。でも俺と勇者はレベル上がったよな」

勇者レベル33「やっとベホマを覚えたぜ。これでーーあの洞窟も抜けられるはずだ」

盗賊「やったな!あとまんげつそう3つといのちのきのみ1つを盗めたぜ。まあ、無いよりはまし程度だが」

戦士「まんげつそうはつかうだろ!めっちゃマヒしたじゃねーか!」

勇者「麻痺も厄介ではあるんだが、麻痺すると手数が足りなくなるからな。まんげつそうがたくさんあっても解決しない事も多いからな…」

盗賊「まんげつそうはあります、使う暇がありませんじゃなあ。まあ、次は麻痺しないように気を付けないとな」

勇者「麻痺せず死なずに進めれば、そう難しくもないとは思うんだがな。もちろん、俺らが昨日進んだ所が出口に近いなら、だが」

戦士「大丈夫だろ!明日は突破しかないぜー!」

勇者「もう捨てる装備品が底を尽きかけてるからな。明日は突破出来ないと…いや、突破する。絶対にな…」

勇者「………」フウ…

盗賊「なんだ勇者、緊張してるのか?」

勇者「そんなんじゃねーよ。ただ少しな…」

戦士「大丈夫だ!俺が全部ぶっ飛ばしてやるぜー!」

勇者「はっ、出来るならそうしてもらいてえもんだな。さて…一応せいすいを撒くか」サアッ

戦士「んー?せいすいなんて効くのかー?」

勇者「さあな。ただ海の魔物を避けられるだけでも多少はマシになるだろ」

盗賊「少しでも消耗を避けたい所だからな。さて、じゃあ出港だ!今日こそーー」

ーーマーマンダインがあらわれた!

戦士「おいおい、いきなりモンスター出てきたじゃねーかよお!」

盗賊「…せいすいってこんなもんなのか?役立たずだろこんなの」

勇者「どうせザコだから良いものの…あてが外れたな…」

ーーフロストギズモはつめたいいきをはいた!フロストギズモはヒャダルコをとなえた!

勇者「くっそ…!ーー力よ来たれ!集い、破裂し、世界を歪め蹂躙せよ!イオラ!」ドガポーン

ベホマスライムをたおした!フロストギズモをたおした!フロストギズモをたおした!

ーーまもののむれをやっつけた!

戦士「おおー!1発で片付いたな!」

盗賊「その前に俺が鞭で一撃入れてたからだからな!」

勇者「あんまり攻撃呪文は使いたくないが…モタモタしてたら余計に魔力を消費しちまうからな」

盗賊「回復呪文連発するよりはマシってか?そうかもな…お、着いたぜ忌まわしい洞窟に」

戦士「この前よりは魔力使わなくて済んだんじゃねーのか?」

勇者「まあな。レベルアップで魔力が上がったのもあるしな」

盗賊「残ってた2つのかしこさのたねも使ったしな」

勇者「ああ、ここまでしたんだ。今日こそは…」

戦士「ここを突破してやるぜー!」

盗賊「だな。よし、行くぜ!待ってろよモンスターども!」

トロルがあらわれた!じごくのきしがあらわれた!ホロゴーストがあらわれた!

戦士「おお!?あのでけーの洞窟の中に出ないんじゃねーのかよ!?」

盗賊「こんな狭い所に入ってくるなよな!とはいえ一番怖いのは…そらっ!」ピシャッ

勇者「らあっ!」ピシャッ

ホロゴーストをたおした!

じごくのきしのこうげき!じごくのきしはやけつくいきをはいた!トロルのこうげき!

盗賊「ってえな…!しかし麻痺はしなかったな!おらっ!」ピシャッ

戦士「うおおらー!」ザンッ

ーーまもののむれをやっつけた!

勇者「よし、ここまではまずまずだ。だが少なくともあと三階層上があるからな、油断は出来ねえ」

盗賊「どんどん魔物が強くなるみたいだしな。ま、それでも今日こそはなんとかなるだろ。つーか、なんとかしないといけないんだよな」

戦士レベル33「おおー!レベルも上がったしもう負けねーぜー!」ウオー

戦士「くっそー、上ったり落ちたり面倒くせーな!」ウガー

盗賊「お前が先走って落ちる所間違えたんだろ。しかしここの魔物は本当に強いな」フウ…

勇者「魔力も余裕が無くなってきた。ここからはより慎重に…っと、階段だな」

ーー4F

盗賊「前回もここまでは来れたよな。ここからはーー」

ーーじごくのきしがあらわれた!

勇者「あいつらか…逃げるぞ!」ダダダダ…

戦士「ええー!?おいおい、戦わねーのかよ!」

勇者「無駄な戦闘は出来ねえんだよ!…逃げ切れたか?」

盗賊「なんとかな…魔力、そんなに無いのか?」

勇者「半分ってとこだな。面倒そうな奴らからは逃げて…」

ーーおどるほうせきがあらわれた!

勇者「よし、そいつは倒すぞ!」

戦士「よっしゃー!おらおらー!」

盗賊「強敵からは逃げて弱そうな奴を倒す勇者…まあ、四の五の言ってられないか。ここを突破しなきゃいけないんだからな…」

ーーじごくのきしがあらわれた!

勇者「くっ!逃げるぞ!」ダダダダ…

ーーライオンヘッドがあらわれた!ガメゴンロードがあらわれた!

勇者「1匹ずつか…やるぞ!」

戦士「うおおらー!」ザンッ

フロストギズモがあらわれた!

勇者「4匹いるが…やるぞ!」

盗賊「俺と勇者のムチ攻撃で大体倒せるから…なっ!」ピシャシャシャシャッ

ーーフロストギズモたちをやっつけた!

盗賊「ほら見ろよ、今度は盗みで手に入れたぜもろはのつるぎ!…どうした勇者?」

勇者MP4「ちっ…もうほとんど空だ」

戦士「大丈夫かあ?また…あー!見てみろよ!階段!」

盗賊「おおっ!しかも光が見えるぜ!出口だ!」

勇者「やっと…か。長かったな。しかしまだこの先に何があるか分からねえ、気を引き締めないとな…」

盗賊「…さて、出たは良いが夜の森の中だ。とはいえ、どうやら東に進むしかないようだけどな」

戦士「なんか嫌な雰囲気だなー」

勇者「ああ、どうやら本当に魔王の居場所が近いらしい…あれは…!」

盗賊「ほこら、か?どうする?…って、ここまで来て入らないって選択肢はないよな。行くぜ!」

戦士「うおおー!…お?おっさん一人だけか?」

男性「おお、ここまで辿り着く者がいるとは!そなたらにシルバーオーブを授けようぞ!」

戦士「オーブ!?すげー!」

勇者「話が早くて助かるが…」

男性「そなたらならきっと魔王を討ち滅ぼせるであろう!伝説の不死鳥ラーミアもそなたらの助けになるであろう!」

盗賊「そういえばオーブを集めると不死鳥が復活するとかいう話だったな。じゃあラーミアの力を借りて魔王の所まで行くって訳か」

戦士「おお、ついに魔王と対決だな!」

勇者「待てよ、まだオーブは5つしか集まってねえ。とはいえ商人が見つけてるかもしれねえからな。次はあの町に行ってみるか」

盗賊「ああ、このオーブを見せて商人をびっくりさせてやろうぜ!」

戦士「おー、エジンベアからここまで1回もモンスターに遇わなかったな!」

盗賊「アッサラーム出るときに撒いたせいすいの効果が残ってるんだろ。にしても休息無しか…」

勇者「休んでる暇はねえし、この辺の魔物なら魔力が無くても負けねえからな。にしてもこの町…」

戦士「立派になったよなー。商人めちゃくちゃ頑張ったんだな!」

盗賊「それはそうだろうが、あいつがパーティー抜けてから何日だ?いくらなんでも早すぎだろ」

勇者「別れたのは95日目だな。10日足らずでこんな町が出来るものなのか…?」

戦士「すげーよなー!…お?あのじーさん、最初からここにいたじーさんだよな?」

老人「おお、私のこと覚えているか?…商人、とても良く働く。だがやり過ぎ良くない。町の者達も良く思ってない」

盗賊「………だろうなあ。一体どれだけのペースで働かせればこんな町が短時間で出来るのか考えるとな」

勇者「…少し、あいつと話をするか。あいつは何処に?」

老人「屋敷にいる。私案内する」

戦士「久しぶりだなー商人に会うの!あいつもオーブ見つけてるかな?」

盗賊「能天気だなお前は。でも、その能天気さが今は少し羨ましいぜ…」

大男「商人様、商人様に話があると複数の見慣れぬ男達が…」

商人「…?まだ約束の時間には…」

戦士「おおーい!商人、いるんだろー?」

商人「あの声は…!今すぐその人達を通して下さい!」

大男「良いんですか?では…」

戦士「おおー!久しぶりだぜ商人ー!」

商人「皆さん!お久しぶりです!3人とも元気そうですね!」

盗賊「ああ、なんとかな。見ろよ、オーブだぜ、銀色だ」スッ

商人「これは…!シルバーオーブですね!凄い、ネクロゴンドの山奥にあると聞いて、どうしたものかと思ってたんですよ!」

勇者「まあ、1回全滅したがな。それよりお前は…」

商人「ああ、僕の方もあと少しで…すみません、せっかく来ていただいたのに、これから商談がありまして…」

盗賊「…ずいぶん忙しいみたいだな」

商人「ええ、でももうすぐ、もうすぐですから。皆さん、今日はこの町に泊まって行かれませんか?この町の宿屋はなかなかのものですよ!」

勇者「そうだな、正直洞窟を突破してから休んでねえからこの辺で休みたい所だな」

商人「良かった!では今日はゆっくり休んでください。積もる話はまた明日にでも…」

戦士「うーん、明日より今日喋れねーかと思ったけど、もう寝ちまったんだな商人」

盗賊「門番の大男は帰れ帰れの一点張りだ。ま、明日があるなら明日で良いさ。ほら、宿に着いたぜ」

宿屋「お帰りなさいませお客様。もう夕飯が出来てますよ」

勇者「ああ、悪かったな。よし、今日はもう休むか。流石に疲れたしな」

戦士「おおー!飯だ飯だー!」

宿屋「…」

ーー商人の館

商人「…よし、これはここに隠しておいて…すみません。何やら外が騒がしいようですが…」

大男「さあ?なんでしょうねえ?」ニヤニヤ

商人「…分かってますよ、隠さなくても。さあ、皆さんを入れてあげて下さい。僕は抵抗しませんから」

大男「え…?おお、はい、分かりました…」

商人「…ふう。これで、良かったんだ、きっと…」

盗賊「…くあ、よく寝たなあ。疲れてたにしても、全員日があんなに上るまで眠ってたなんてな」

戦士「ぐっすりだったぜー!」

勇者「ああ、まだ少し眠い気がするが…なんだ?騒がしいな…」

盗賊「外で何かあったか?出てみるか…んん?なんだ?様子が…」

戦士「おお?みんな殺気だってどうしたんだ!?」

老人「おお、貴方達ここにいたか。大変、革命、起こった」

勇者「…革命?」

老人「そう、ついに革命起こった。商人、牢屋の中。なんてこと…」

盗賊「なに!?そりゃどういう…いや、そうか、そういう事か…」

戦士「なんだ!?どういう事だ!?」

勇者「…とにかく商人の所に行こう。牢屋は商人の屋敷の向かいだったな」

盗賊「あいつ…心配してた事が現実になっちまったな…!」

戦士「どういう事だよ!?分からねーぞ!?」

盗賊「町の連中を働かせ過ぎたツケが廻ってきたんだろうよ。くっそ、あいつは無事なんだろうな…?」

戦士「おーい、商人!おーい!」

商人「戦士さん…皆さん…」

盗賊「おい、無事か?怪我はないのか?」

商人「ええ、大丈夫です。皆さん紳士的で…」

勇者「ざっと見た感じ、町の連中に怪我してるヤツはいなかった。お前が抵抗しなかったから、あっちも手を出さなかったんだろう」

盗賊「にしてもお前…いや、どうしてこうなったかは分かってるよな?お前なら」

商人「ええ、少々…いや、とてもやり過ぎました。とても」

盗賊「そんなに焦る必要は…」

商人「それより、僕の屋敷だった所の椅子の後ろに、大切な物があります。それを皆さんに持っていって貰いたいんです」

戦士「お前、牢屋から出ないのか!?カギあるんだから出してやるぞ!?」

商人「ええ、気持ちは有り難いのですが…」

勇者「反省しなきゃいけない、ってか?」

商人「はい…」

盗賊「その大切な物ってのは…オーブだな?」

商人「はい。やっと…見つけたんです。ただ高くて…」

盗賊「それでこんなムチャしたのかよ」

商人「…」

勇者「結局、どんなに繁栄しても、どんなに豊かになっても、魔王に滅ぼされたらおしまいなんだよ」

戦士「?どーしたんだ急に??」

勇者「だから、この町の連中に多少の無茶を強いた。オーブは絶対に手に入れなきゃならねえ。でもチンタラやってたらいつ手に入るか分からねえ。その間に魔王が本格的に動き出すかもしれねえ」

盗賊「…そうか、それでお前、こんな無茶を…!」

勇者「確かに無茶だが、滅びるよりはましだからな。かと言って、連中に無茶をさせた事実に違いはねえ。だから牢屋に残る。こんな所だろ?」

商人「勇者さん、なんで…」

勇者「なんで分かったのか、か?付き合いも…長いとは言えねえが、共に死線をくぐってきた訳だし、何より…俺は勇者だからな。パーティーの事なら分かる」

戦士「おおー!なんか分からねーが説得力すげー!」

商人「勇者…さん…」

勇者「お前の事だ、ハナから最後はこうなる覚悟でやったんだろ。だから今は連れ出しはしないが…すぐに迎えに来るからな。町の連中だって、この町をここまででかくした功績がおまえにあるのは分かってるはずだ、そんなに長く牢屋にぶち込みっ放しにはしないだろ」

商人「はい…はい…」

盗賊「さて、じゃあオーブを取りに行くか。にしてもいっぴきおおかみのお前が、パーティーの事なら分かる、なんてな。成長したよなあ」

勇者「うるせー。んな事よりオーブを…っと」

大男「おい、ここはもう商人の屋敷じゃないぞ!部外者を入れる訳にはいかねえな!」

戦士「なにー!?ここには…」

盗賊「黙ってろ!…とはいえ、せっかく商人が見つけたオーブだ、なんとしても通してもらわないと…」

老人「皆、待つ。ここ、通して欲しい」

大男「あんたは…」

老人「この者達、最初にここを、私を見つけた。この者達居ないと、この町出来てない。この町の、恩人」

大男「…ちっ、分かったよ。あんたに言われたんじゃな…おい!荒らすんじゃないぞ!」

勇者「ああ、悪いな…椅子の後ろ、だったよな」

戦士「ここだな!…おお!?何もねーぞ!」

盗賊「待ってろよ、床を叩いて…ほら、ここだけ音が違うだろ?この床板をはがせば…」

戦士「おおー!黄色いオーブだぜー!これで揃ったな!」

勇者「ああ、あいつの…あいつと、あいつの作ったこの町のおかげでな」

ーーイエローオーブを手に入れた!

盗賊「ったく、あいつも真面目が過ぎてなあ」

勇者「まあな。だが、だからこそ町の連中は今まで我慢してたのかもしれないけどな」

戦士「あいつが真面目にやってるんだから、みんなも真面目にやらないとな!」

勇者「ああ。そしてあいつは賭けに勝った。考えても見ろよ、下手すりゃイエローオーブを手に入れる前に反乱される可能性だってあった」

盗賊「まあな。あいつとしても賭けだった訳だ」

勇者「そして賭けには勝った。あいつの真面目さがひきよせたんだろう…多分な」

戦士「流石商人だよな!…んで、今俺ら何処に向かってるんだ?」

盗賊「そりゃ、オーブが揃ったんだからレイアムランドのほこらに向かってるんだよ。あの町から北東に向かえば着くはずだ…多分な」

勇者「不確定だらけだな…っつーかあれ、見えてきた大陸、レイアムランドじゃねえぞ?」

戦士「おお!?たしか海賊達がいた所だよな?」

盗賊「てえと…かなりずれてるなこれは…くそっ、時間がむだになったぜ…」

勇者「ちっ、1日経っちまった」

戦士「みかわしのふくを捨てるぜー!」ポーイ

盗賊「それはともかく、ついにここまで来たな」

勇者「ああ。さて、とりあえずはオーブを祭壇に捧げるか…」ボッ

戦士「うーん、あの巫女の二人、飯どうしてるんだろうな?」ボッ

勇者「この大陸には鳥も熊もいる。そいつら狩ってるんだろ」ボッ

盗賊「ああ見えて肉食なのかよ…」ボッ

戦士「肉は美味いからな!」ボッ

勇者「さて、これで最後だが…」ボッ

カタカタカタカタカタカタカタカタ…

戦士「おお!?なんだなんだ!?」

盗賊「卵が…震えてる…!」

巫女「「私たち この時をどれだけ待ちわびた事でしょう」」

勇者「…一体どれだけの時を待ったのか、想像もつかねえが…いよいよなんだな、巫女達の悲願と、俺達が魔王をぶっ倒すって悲願が叶う時がな…!」

巫女「「大空はお前のもの。舞い上がれ 空高く!」

カタカタカタカタ…パキッ

戦士「おおっ!?鳥が生まれたぜー!」

盗賊「でかいな!そしてこいつは…!」

勇者「神々しい…な」

巫女「「ラーミアは神のしもべ。心清き者だけをその背に乗せるといいます」」

盗賊「へっ、俺らの為の鳥みたいじゃないか、清い心の持ち主を乗せるなんてな」

戦士「盗賊、フラグってやつかあ?」

盗賊「どういう意味だ!?おら、とっとと外に出てラーミアに乗ってみるぞ!」

戦士「おおー!楽しみだぜー!」

勇者「ったく、遊びじゃねーんだぞ…じゃあ、悪いがラーミアは俺らに着いてきてもらう」

巫女「はい。よろしくお願いいたします。お気をつけて」

勇者「…あんたらも達者でな。さて…これでいよいよか。魔王を倒す。準備はこれで整った。待ってろよ…」

戦士「おっほほー!飛んでる飛んでるー!」ヒャッホー

盗賊「はははっ、こいつは凄いな!世界を上から見られるなんてなあ!」

勇者「そして障害物も無いから目的地まで早え。直線で移動できるからな」

戦士「よっしゃー!じゃあ商人のとこ行くかあ?」

盗賊「ああ、あいつに見てもらおうぜ!」

勇者「…あいつの所行くともう1日経つだろ。また1つ装備品捨てるようだぞ」

戦士「じゃあどこ行くんだよ?」

勇者「…でも、それでも商人の所だよな…」

戦士「だよなあ!勇者はそう言うと思ったぜー!」

盗賊「はっ!心配すんな、俺がガッツリモンスターから盗んでやるからな!」

戦士「商人が戻って来ればまたあなほりで武器とか見つけられるもんな!」

盗賊「おい!?俺の話聞いてたのかよ!?俺が盗むっつってんだよ!」

勇者「ったく、騒がしいったらないぜ。こいつらの相手するにも商人が居た方が楽だからな…」

商人「み、皆さん!」

戦士「お、商人ー!牢屋から出れたんだな!」

盗賊、元気そうで良かったぜ。なあ?」

勇者「あれから何日も経ってねーだろ。…もう、良いのか?」

商人「ええ、もうこの町に僕は必要ないので…今、引き継ぎも終わった所ですよ」

盗賊「せっかくここまでの町にしたのに、作った本人はお役御免か」

商人「良いんです。町に名前が残るだけでも。それにしても、凄いじゃないですか!あれが不死鳥なんですよね!」

戦士「おお!商人のお陰だぜ!また商人も一緒に冒険出来るんだよな?」

商人「はい!でも一旦ルイーダの酒場に戻って登録し直さないと…」

勇者「ああ、面倒だが仕方ねーな。じゃあルイーダの酒場でまた落ち合うか」

商人「ええ、では先に失礼します!」

盗賊「おお、またな…っておい!ラーミアに乗ってけよ!」

戦士「行っちまったぞ。ずいぶん慌ててるなあ商人!」

勇者「………まあ、また冒険出来るのが待ちきれないんだろ」

盗賊「かもな。よし、俺らも急ごうぜ!っと、まずはてつのよろいを捨ててっ、と…よし、行くぜ!」

戦士「よっしゃー!じゃあアリアハンに行くぜー!」

盗賊「…と言いたい所だが、ここからアリアハンは今日中には着かないよな」

勇者「かと言ってネクロゴンドにだっておそらくは着かねえ。さて、どうしたもんか…」

盗賊「別の新しい場所を探さなきゃいけないんだが…こんな上から見られるからな、地上からだと見えない所まで見えるぜ。ほら」

戦士「んんー?…お!なんか城みたいなの見えるぜー!」

勇者「あそこは…カザーブの東辺りか?地上からだと分からなかったが、あんな所に城があるのか…」

盗賊「ああ、空から見たからこそだな。高い高い岩山に囲まれた場所にある城。何があるか気になるよな?」

戦士「魔王の城じゃないんだよな?」

勇者「可能性がゼロではないだろうが…あれだけいろんな所で魔王はネクロゴンドに居るって情報があって、実はこんな所に居ましたってのはな…」

盗賊「つまり、魔王以外にもこんな誰も知らないような所にある城に住んでる奴がいるって訳だ。こいつは俄然気になってきたぜ」

戦士「だな!じゃあ行ってみようぜー!」

勇者「お気楽だな…安全な所とは限らねーだろ。まあ、怪しい雰囲気も無いし大丈夫だとは思うが…」

戦士「おい、なんか、ここ…」ヒソヒソ…

盗賊「ああ、お前みたいながさつの塊でも思わず声を落すようなこの雰囲気…」

勇者「魔王の城じゃねえな。むしろ逆…神聖な雰囲気って奴を感じるぜ」

戦士「魔王の逆って何だよ!?神様とかか?」

盗賊「もしかしたら、な。しかしおねんねの頃から魔王の話は聞いてたが、神様が本当にいるなんて話は聞いたことないけどな」

勇者「居る居ないで言ったら居るんだろうが、こうやって現実の世界に居るってのはな。ちょっと信じられねえな」

盗賊「まあ神様が本当にいるかはまだ分からない…何だ?城の中に…馬?」

馬「ここは天に最も近い、竜の女王様の住まう城です」

戦士「竜の女王様!?どんなヤツなんだ!?」

勇者「分からねえ、竜の女王様なんて聞いたこともねえぞ…?」

盗賊「どうやら俺達の想像も、この旅で得た知識や情報も遥かに超えた存在がここには居るらしいな。へっ、スリルを超えた未知の誘惑に俺は耐えられそうにないぜ!」

戦士「だよな!会ってみてー!竜の女王様!」ワクワク

勇者「とは言うが…俺らに、人間に会えるような存在なのか?まあ、この城を進んでみれば分かるか。ここに何が待ってるか分からないが、俺らには進むしか道は無いからな…」

盗賊「…しかし、いくら神聖な雰囲気って言っても、静かすぎやしないか?人が、生き物が居ないって訳じゃなさそうだが」

戦士「そっちの部屋入ってみようぜ…お?えーと、ホビットっていう奴かお前?」

ホビット「おいたわしや、女王様はご病気で余命いくばくもないらしい」

勇者「病気?それでか…」

ホビット「しかし、自らのお生命と引き換えに卵を産むおつもりらしい」

盗賊「そうか、ドラゴンは卵からか…じゃあ俺ら余所者が余りウロウロしない方が良いだろ…っ!?」

勇者「この…部屋は…!」

竜の女王「…貴方方魔王に立ち向かうが真の勇者であるならば、このひかりのたまを授けましょう」

戦士「おおお、ドラゴン…!ひかりの…たま?」

竜の女王「このひかりのたまで、世界に平和が取り戻せるよう祈っています……生まれてくる赤ちゃんの為にも…」

勇者「…これは………女王様っ!」

竜の女王「………………」

ホビット「…ああ、おいたわしや、女王様!」

戦士「死んじまった…のか…?」

盗賊「………託されちまったみたいだな、俺ら。しかし、この玉はいったい…」

商人「ああ、皆さん!遅いじゃないですか!どこに行ってたんですか?」

盗賊「悪い悪い、でも仕方ないんだよ。ほら、2日ごとに新しい場所に行かなきゃいけないっての、覚えてるだろ?」

商人「ああ、そうか、そうでしたね、すみません…それでどんな所に行ってきたんですか?」

戦士「竜の女王様がいる城に行ったんだぜー!」

商人「ええっ!?す、凄いじゃないですか!」

勇者「それで、今際の際にこれを渡されたんだが…なんだか分かるか?」

商人「これは…す、凄い力を感じますよ!でも、これが何かは…すみません」

勇者「いや、良いんだ。城の連中にも分からなかったみたいだからな。ただ、魔王を倒す勇者ならば、って渡されてな」

商人「では、魔王の攻略に役立つアイテムなんでしょうか?」

盗賊「それも分からないけどな。ま、魔王まであと少しだ。会えば分かるだろ」

戦士「いよいよ魔王の城に乗り込むぜー!」

商人「そ、そうか、いよいよですもんね…足を引っ張らないようにしないとなあ。レベルもずいぶん差がついてしまったようですし…」

勇者「まあ、それはすぐ埋まるだろ。それより目下の課題は、装備品が底を尽きかけてるって事だ」

戦士「あともろはのつるぎ2つとルーンスタッフしか余裕が無いぜ!全滅したら誰かが装備してるの捨てなきゃならないぜー!」

商人「なるほど、それなら早速あなほりで役に立てそうですね!よし、じゃあ早速行きましょう!」

王様「…では、いよいよ魔王に挑むのだな。良い報告を期待しているぞ。では、行け!勇者よ!」

勇者「はっ」

盗賊「…まあ前回ああ勇んではみたものの、アリアハンに来て王様に挨拶なしって訳にはいかないからな」

商人「ですよね…挨拶するのは勇者さん一人ですけれども」

勇者「ふう、待たせたな…ああ」

使者「久しぶりね。いよいよみたいね、魔王討伐も」

戦士「おー、いよいよ城に突入だぜー!」

使者「貴方は大変だったらしいわね。もう良いの?」

商人「ええ…よく知ってますね…」

盗賊「これが前科一犯の男の顔ですよ!男前になったでしょう?」ニヤニヤ

商人「盗賊さん、ひどいですよ…」

使者「ふふっ、貴方達は相変わらずね…気を付けるのよ」

勇者「ああ、問題ねー。今までの魔物と同じ、ぶっ倒すだけだ」

盗賊「へっ、おねーさんにも会えた事だし、俺らは元気全快ですよ!さあ行こうぜ!」

戦士「おおー!魔王倒すぞー!」

勇者「…とはいえ、魔王の城に乗り込むのは明日だけどな」

盗賊「さっきイシスからラーミアで見えたが、やっぱり魔王はここの北、湖と岩山に囲まれた城にいるようだな」

商人「どうやってあんな所に城を作ったんだろうって思うような所にありましたね…世界中探しても見つからない訳ですよね」

戦士「あれが魔王の城で決まりなのか?」

勇者「だろうよ。世界中のいろんな人間が、ネクロゴンドの山奥に魔王が居るって言ってたからな。あそこしかねーだろ」

盗賊「で、乗り込む前に恒例のレベル上げだが、やっぱりここの魔物は強いよなあ」

商人「僕びっくりしちゃいましたよ。よくこんな洞窟を3人で抜けられましたね」

戦士「すげー大変だったんだぜー!」

勇者「魔力が切れたりしてな。まあ、今日は経験値を稼ぐだけだ、いざとなったらリレミトで帰るし、そう危険ではないだろ。お前もいるしな」

商人「き、期待に応えられるよう頑張ります」ゴクリ…

盗賊「んなに緊張するなよ、今まで通りで良いって」

商人「は、はい…でも、僕にしか出来ない事で皆に貢献しないとなあ…」

戦士「ううー、夜は冷えるぜー…」ブルッ

商人「昼間はあんなに暑いんですけどね…不思議ですよね」

盗賊「そう、暑いんだ。みんなも熱中症には気を付けろよ」

勇者「誰に言ってんだよ…にしても、今日はレベルも上がったしアイテムも手に入ったし、上々だったな」

商人レベル23「流石に1日で差は埋まりませんでしたけど、レベル21から2つも上がりましたよ。もろはのつるぎとすばやさのたねもあなほりで見つけられましたし…」

盗賊レベル34「レベルが上がったのは俺と商人だけだったけどな。俺はもろはのつるぎとラックのたね、それにこの町の外にいたミイラからやくそうも盗んだぜ。僅差で俺の勝ちだな!」ドヤドヤッ

戦士「ほとんどやくそう一個の差じゃねーか!」

盗賊「うるせえ!一個でも勝ちは勝ちなんだよ!」

勇者「まあ、全滅しても余裕が出来たのは良い事だ。これからも頼むぜ二人とも」

盗賊「おう、どーんと任せとけ!」

商人「ぼ、僕も頑張ります」

戦士「なあなあ、もう寝ようぜ。明日は魔王の城なんだろ?」

勇者「ああ、じゃあ宿に行くぞ。明日に疲れを残さないようにな」

盗賊「ああ。いよいよだな、過去最高のスリルが待ってるぜ…!」

戦士「おおっ、見えてきたぜー!魔王の城ー!」

勇者「おそらく、だけどな。実際行ってみねえと魔王が居るかは分からねえ」

商人「そうは言っても、あの禍禍しい雰囲気は…盗賊さん、どこ見てるんですか?」

盗賊「あっちを見てみろよ。なんだろうな、あのでかい穴は」

戦士「うおっ!?ホントにでけー!底が見えねー!」

勇者「あっちはあっちでただならない気配を感じるな。だがまずはこっちの城だ」

盗賊「ああ、だが都合が良いだろ、これから魔王に挑むって時にーー」

商人「あ、行ったことのない場所!」

勇者「これで2日余裕が出来るって訳か。悪くないな」

盗賊「だろ?相手が魔王だからな、準備期間は長い方が良いだろ」

商人「ですね、正直レベルも不安だし…」

勇者「暫定だが魔王の城だ、嫌でも上がるだろ。よし、行くぞーー」

商人「…魔王に会わない事には魔王の城かどうか分からない、とは言いますけど…」

盗賊「この雰囲気、禍禍しい気配…間違いないだろうな」

戦士「そうかー?立派な城じゃねーか!」

勇者「確かに、立派な城ではあるな。この邪気さえ無ければアリアハンの城なんかよりずっとな」

商人「そもそもこんな山奥にこれだけの城を造るなんてどれだけの財力があるのか…」

盗賊「魔王に必要なの金か…?いや、誰かが造ったのを魔王が乗っ取ったのかもしれないな。だとすると確かに恐ろしい程の財力だな」

勇者「もしそうだとしたら、これだけの城をこんな場所に造れる相手を滅ぼして自分のモノにしたーーこんなのが相手じゃ、アリアハンなんかひとたまりもないな」

戦士「やっぱり魔王は倒さねーとな!」

商人「ええ、ですが、これだけの強力な相手を向こうに廻すというのは、覚悟はしていましたが…」

盗賊「ああ、とんでもないスリルだぜ。さあ、進もうじゃないか」

戦士「おー!魔王やっつけるぞー!」

勇者「今日は闘わないからな?まずは城内部の偵察と、平行してレベル上げだ。魔王が相手だからな、レベルは上げすぎて悪いって事はないだろうからな…」

ーーエビルマージはメラミをとなえた!エビルマージはマホトーンをとなえた!エビルマージはもえさかるかえんをはいた!エビルマージはマヒャドをとなえた!

盗賊「うおおっ!?凄まじいなおい!」

勇者「耐えろっ!ーー大いなる神よ、完全なる姿のその一欠片をこの者に!ベホマ!」パアアアア…!

商人「凄い…!我は静寂を望む者!多弁な禍に沈黙を!マホトーン!」パラララ!

盗賊「あまり効いてないようだが…速攻倒すだけだ!そらっ!」ピシャシャシャッ

戦士「うらあー!」ザグッ

ーーエビルマージたちをやっつけた!

盗賊「ふう、この城は強敵揃いだが、こいつが一番恐ろしいな。スリルあったぜ」

商人「今の僕は補助呪文を駆使して戦うのが一番だと思ってたのに、イマイチ効果がないのばっかりで…」ガックリ

勇者「全く効かねえ訳じゃなかったろ。それに勝てる事がわかったんだ、それは収穫だろ」

戦士「あいつに負けなきゃ、他の連中には負けないよな!」

盗賊「ああ、それに強敵を相手にしてるって事は順調に経験が積めてるって事でもあるな。今日いちにちでかなりレベルがあがるんじゃないか?」

商人「そ、そうですね。もっと強くなって、呪文以外でもパーティーに貢献しないと…」

勇者「ここは…これは、玉座?この城の謁見の間か…」

戦士「おおっ!?王様ガイコツになってるじゃねーか!?」

商人「やはり、このお城は魔王に滅ぼされたという事なんでしょうか…?」

盗賊「滅んでたのを再利用しただけかもしれないけどな。どっちにしろ、しかばねをそのままにしておくなんて良い趣味してるぜ」

商人「…僕達は勝てるでしょうか…?」

勇者「勝てるか、じゃねー、勝つんだよ。必ずな」

戦士「おおっ!負けねーぞ俺らは!」

商人「そ、そうですよね。すみません…」

盗賊「不安になるのは分かるがな。ただ、まだ何日かレベルアップに使えるんだ、今勝てなくても明日、明後日にはなんとかなるさ。今までだってそうだったしな」

戦士「この城で銀色のやつも何体か倒したしな!」

商人「ええ、強くなってるって実感はあります。すみません、変な事言って…」

勇者「…何度も言うが、必ず勝つ。絶対にだ。世界の為にも、この城の連中の為にも、俺ら自身の為にもな…」

盗賊「…おい、見てみろ。あのバリアに囲まれた階段…」

商人「怪しいですね。もしかしてあそこに魔王が…」

勇者「この城も大体探索したからな。もう残ってるのはあそこくらいしかねえ」

戦士「おっしゃー!突撃…」

盗賊「待て待て待て待て、今日は闘わないって言っただろ!突撃すんなよ!偵察だ!」

商人「じゃ、じゃあ階段を下りてみましょう…うわあ…」ゴクリ…

盗賊「はっ、趣味の良い装飾とは言えない部屋だな。まあいかにもって感じではあるがな」

戦士「お、おおおっ!?あそこにいるでかいのって…」

商人「あ、あれが魔王…!?」

盗賊「っぽいな。ついにここまで…おい、勇者!?」

勇者「あいつが…」ギリッ

盗賊「勇者!今日は闘わないぞ!お前自身が言った事だろう?」

勇者「…!ああ、悪かった…」

盗賊「いや、ついに、ついに逢えたんだもんな。気持ちは分かるぜ。だが今日は引くぞ。お前らも…」

商人「ええ、気付かれないように…やっぱり強そうだったなあ…でも、でも…!」

商人レベル27「いやあ、魔王は怖かったですけど、今日は収穫も多かったですね!僕レベル4も上がっちゃいましたよ!」

戦士レベル34「俺も1つ上がったぜー!勇者は新しい呪文覚えたんだよな!」

勇者レベル35「ザオラルだな。まあ、蘇生呪文はあって困ることはないだろうな。結局死んだらアイテムは捨てなきゃならねえが…」

商人「アイテムといえば、今日はそっちも大漁でしたね!いのちのきのみ1つ、いのちのいし3つ、せかいじゅのは1つ、しあわせのくつ2つ、だいちのよろい1つ…」

戦士「それ全部あなほりだもんな!やっぱりすげーぜ商人!」

勇者「ついでにイシスの近くで戦ったモンスターがどくばり落としたな。こっちは宝箱だが…」

商人「ええ、本当に今日は…って痛い!?なんで蹴るんですか盗賊さん!?」

盗賊レベル35「お前は…何がパーティーに貢献しないとだ!何が…!」ゲシゲシッ

勇者「おい、止めろ『ゼロ』!」

戦士「そうだぞ!暴力は良くないぞ『ゼロ』!」

ゼロ「てめーら…変なコードネーム付けてるんじゃねえよ!くそっ、明日は負けないからなっ!」タタタ…

勇者「昨日は戦闘に集中しててどうやって魔王の居場所まで辿り着いたか良く覚えてなかったからな。今日はきちんと道順を確認して…」

ーーエビルマージがあらわれた!はぐれメタルがあらわれた!

盗賊「これは…!お前らは魔法使いをやれ、俺がどくばりで銀色の奴を…」

はぐれメタルはにげだした!

商人「逃げた!じゃ、じゃあ魔法使いに集中して、まずはあんまり効かないけどマホト…」

エビルマージはラリホーをとなえた!勇者をねむらせた!商人をねむらせた!

戦士「おおっ!?まずくねーかこれ!?」

エビルマージはもえさかるかえんをはいた!エビルマージはマヒャドをとなえた!

盗賊「くそっ、まずいぞ!戦士、ここは…」

エビルマージはラリホーをとなえた!戦士をねむらせた!

盗賊「おいおいマジかよ、くそっ、逃げるっきゃねえ!」ダカダカダカ…

しかしまわりこまれてしまった!エビルマージはマヒャドをとなえた!エビルマージはラリホーをとなえた!盗賊をねむらせた!

盗賊「あ…しまっ…」zzz…

エビルマージはメラミをとなえた!エビルマージはマヒャドをとなえた!エビルマージはマヒャドをとなえた!…

戦士「全滅だー!もろはのつるぎ3つとルーンスタッフ捨てるぞー!」ポポポポーイ

勇者「痛いな…痛い。装備もそうだが、1日無駄になっちまった…」

商人「魔王戦を前に、とても厳しい事態になりましたね…」フウ…

盗賊「確かに厳しいが…あっという間に全滅したから魔力をほとんど使わなかったのは不幸中の幸いだろ」

商人「そうですね、今日はこのまままた魔王の城に行けますね。それくらいですけど良い事って…」

勇者「宿に泊まったら更にもう1日だからな。まあ…最悪1日2日捨ててもレベルアップに時間を割く必要があるかもな」

戦士「とりあえず今日は新しいとこ行かないといけないんだろ?」

商人「ですね。魔王城の東にあったあの大穴に…」

勇者「あそこも何かありそうな場所だからな、もしかしたら危険があるかもしれねーが、行かなきゃいけねえからな」

盗賊「だな。よし、切り替えて行こうぜ!」

戦士「おー!何が待ってようがもう負けねーぞ俺らは!」

勇者「さて…今日は昨日出来なかった魔王の居場所までの道順の確認だ」

商人「一昨日は魔物に手一杯で道順をちゃんと覚えられませんでしたからね…」

盗賊「昨日はあのザマだしなあ。ま、一回は行って帰ってこられたんだ、何とかなるだろ」

勇者「昨日は全く何ともならなかっただろ…」

戦士「でももう負けねーぜー!」

勇者「負ける余裕がねえんだよ。余裕を作るためにも…」

商人「ええ、ここは階段での上り下りがたくさんありますから、またあなほりで装備を…」

盗賊「はっ、今日はまた勝たせてもらうぜ、俺の盗みがな!」

戦士「ほんとかー?『ゼロ』」

ゼロ「その呼び方は止めろ!だいたい今日は山ほど盗むからゼロじゃねえんだよ!」

勇者「まあ、流石に一昨日みたいに装備品もその他も大量に、って訳にはいかないだろうが、期待はしてるぜ」

商人「はい、頑張ります!」

盗賊「おう、大船に乗ったつもりでいろよ!」

ーーうごくせきぞうがあらわれた!ホロゴーストがあらわれた!まものたちはいきなりおそいかかってきた!ホロゴーストはザラキをとなえた!

商人「う…う…ああ…!」パキーン!

戦士「商人!大丈夫かあ!?」

勇者「なんだ…!?何かが壊れた音…いのちのいしか!」

商人「ええ、石が身代わりになってくれて助かりました…」

盗賊「よっしゃ!後はたおすだけだ!そらあっ!」ピシャッ

戦士「うおおおー!」ザンッ

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「た、助かった…でもいのちのいしが…」

盗賊「へっへっへっ、こんなこともあろうかと、盗んでおいたぜ、ほらっ!」ポイッ

商人「うわっ!?な、何を投げて…これ、いのちのいし!?盗んでくれたんですね…」

盗賊「へっ、これでゼロとは呼ばせねえぜ!」ドヤッ

戦士「やるな盗賊ー!結局数では商人に負けたけどな!」

勇者「商人がいのちのいし1つにいのちのきのみ2つ、盗賊がいのちのいし1つだけか。やっぱり一昨日みたいにはいかないな…」

盗賊「おい!結果発表しなくても良いだろ!俺も商人も頑張ったで良いんだよ!」

勇者「魔王の城の事ばかり考えてて、危なく今日新しい場所に行く事を忘れそうになったな…」

商人「見て下さい、外でもろはのつるぎが掘れましたよ!1つでも装備品が…」

盗賊「しっ!静かにしろよ、何がいるか分からないぜ、ここは」

戦士「んー?商人が更にアイテム見つけたのが悔しいのか?」

盗賊「そ、そうじゃねえよ!断じて!…しかし、それにしてもでかい穴だな」

勇者「ああ…どちらかというと、こんな所に人が居たってのの方が驚きだがな」

兵士1「ここはギアガの大穴だ。我々はここを見張っている。時々いるのだ、世を儚んで身を投げに来るような者がな」

商人「こんな所まで…!?」

兵士1「天国に繋がっているようには思えんがな、こんな穴」

戦士「んな事より俺らでさえラーミアがいなきゃ来れなかったこんなとこにどうやって人が来るんだ??」

兵士2「この穴に入って出てきた者は居らぬ。穴の中がどうなっているのか、誰にも分からんのだ」

勇者「まあ、出てくる以前に落ちて生きていられるとも思えねえが…生きるにしよ死ぬにせよ、何処に辿り着くのか…」

戦士「なあ、お前たちはここにどうやって来たんだ?世をはかなんだ?奴らはどうやってここまで来たんだ?なあなあ…」

盗賊「…よしっと。この階段を下りたら魔王のいる場所だな」

勇者「道順はもう覚えたな」

商人「ええ、何回も来ましたから。次は最短距離で来られますよ」

戦士「いつでも魔王と戦えるな!」

勇者「そうだな…あの厄介な魔法使いの群れの対処法も分かってきたしな」

商人「結局、全員で直接攻撃するのが一番でしたね…」

盗賊「ムチで攻撃する俺と勇者の攻撃力、それと勇者の素早さがあればなお良し、って所だな。種使うか?」

勇者「そうだな、すばやさのたねは俺が使う。ちからのたねは…」

盗賊「そっちもお前が、と思ったが、これからも力が伸びるのはお前だろうし、俺が食った方が良いかもなあ」

商人「戦士さんは状態異常の呪文にかかりやすいですから、ラックのたね食べた方が良いですよ」

勇者のごうけつのうでわ付けてるから、しあわせのくつ履けねえんだよな」

戦士「じゃあラックのたね全部もらうぜー!」

盗賊「全部かよ!…まあ、最終目的が魔王なんだから問題ないか。盗みやあなほりで集めてきた種がやっと役に立つ時がきたな。あとは決戦だ。良いスリルが待ってそうだぜ…!」

盗賊「ーーおらっ!どくばりをくらえっ!」プスゥ

ーーはぐれメタルをたおした!まもののむれをやっつけた!

戦士レベル36「おっしゃー!今日銀色2匹目だな倒したの!」ウオー

商人レベル32「みんなレベルアップしましたね!僕は3つアップしましたよ!」

盗賊レベル37「やっぱり銀色だな。効率が段違いだ」

勇者レベル37「ネクロゴンドの洞窟の方が安全に稼げるんじゃないかとも思ったが、こっちの方が断然銀色が出るからな。危険を冒す価値はあるぜ」

戦士「よっしゃ!じゃあ明日いよいよ魔王か?」

勇者「そう思ってたが…もう少しレベルが必要かもな。明日もとなると装備を捨てるようだが、全滅で4つ捨てる方が痛え」

盗賊「今日装備を見つけられたらまた違ったんだけどなあ。俺も商人もいのちのいし2つずつだけだもんな」

商人「初日が何だったのかって位に何も見つけられなくなりましたね…」ガッカリ

戦士「商人は頑張ってると思うぞ!」

盗賊「『は』って何だよ!俺も頑張ってるよ!」

勇者「まあ、そんな訳だ。明日もレベル上げに専念するが、出来れば装備も集めたい。鎧がもう1つ手に入れば言うことないが…」

商人「なかなか上手くいかないですよね…」

盗賊「なあに、明日は俺の大活躍で装備品集まりまくりだ、お前らもお前らも期待してろよな!」

勇者「出たぞ、銀色だ!逃がすな!」

盗賊「おお、任せろ!」プスッ

戦士「うおりゃー!経験値よこせー!」ガギン

ーーまもののむれをやっつけた!

商人レベル35「やりましたね!今日はレベル3つ上がりましたよ!」

戦士レベル38「俺は2つ上がったぜー!」

盗賊レベル38「俺だけ1つしか上がらなかったな。勇者は2つ上がって凄い呪文も覚えたんだろ?」

勇者レベル39「ベホマズンだな。確かに強力だが、魔力の消費がとんでもなくてな。2発しか撃てねえし撃たなきゃならないような闘いは負け戦だろうな」

商人「切り札って感じですよね」

戦士「商人のあなほりは今日もすごかったな!いのちのいし2つにしあわせのくつまで見つけたんだろ?」

商人「装備が見つけられて良かったですよ。あと、イシス周辺でかしこさのたねも見つけました」

盗賊「俺だっていのちのいし、あとイシス周辺でかしこさのたねとやくそうを見つけたぜ。ま、今日は商人の勝ちって事にしといてやるぜ」

勇者「今日は…?」

商人「さあ、明日はいよいよ魔王と対決ですね!僕らも強くなったけど、魔王も強そうですよね…」

盗賊「やるしかないだろ、いつだって俺達は成し遂げてきた。明日だって、魔王にだって勝ってやるさ!」

勇者「よし、じゃあ今のステータスだな。並び順でいくぜ」

盗賊 レベル38
すばやさ242 うんのよさ168攻撃力136 守備力146
最大HP323 MP157

戦士レベル38
すばやさ30 うんのよさ47攻撃力261 守備力78
最大HP400 MP0

勇者レベル39
すばやさ92 うんのよさ110攻撃力156 守備力115
最大HP373 MP159

商人レベル35
すばやさ95 うんのよさ130攻撃力130 守備力84
最大HP282 MP167

盗賊「いつのまにか勇者がレベル一番高くなってたよな」

商人「盗賊さんは全体的に数字が高いですね…」

勇者「逆に戦士は攻撃力とHPだけ高いまさに戦士ってステータスだな」

戦士「この数字は俺はごうけつのうでわ、他の3人はしあわせのくつの補正が付いてるぜー!これで明日魔王に挑むぜー!」

商人「明日はやりますよ、見ていて下さいね…!」

勇者「ついに…ついにここまで来たぜ魔王!」

魔王「ついにここまで来たか、盗賊よこのバラモスに逆らうとは、身の程知らずの者達だな」

盗賊「さあて、身の程知らずはどっちかな?」

魔王「ここに来た事を悔やむが良い。そなたらのハラワタを食らいつくしてくれるわ!」

商人「そうはさせない!僕らが…勝つ!」

戦士「おおー!俺は、俺らは負けねーぞ!」

勇者「ああ…!行くぜお前ら!」

ーーバラモスがあらわれた!

商人「行きます!まずスクルトを…」ギュウウウ…!

盗賊「俺は準備が整うまで防御してるぜ、俺の攻撃なんてたかが知れてるからな」

バラモスはイオナズンをとなえた!

勇者「…っ!すげえ呪文だが、耐えられねえ程でもねえ!おらっ!」ピシャッ

商人「もう一度スクルト!そして…ルカナン!」ヒョロロロロ…

戦士「効いたな!よっしゃ!斬るぜー!」ザクッ

バラモスのこうげき!バラモスはメラゾーマをとなえた!

盗賊「うっ…おお!?はっ、なんだよ、耐えられるじゃないか、魔王といっても大したこと…」

バラモスはバシルーラをとなえた!戦士ははねとばされた!

勇者「おい…おいぃ!?バシルーラって、お前、お前なあー!」

商人「こ、これは…かなりまずいですよ…まさかバシルーラなんて…」

盗賊「まあ………残念だったな…」

戦士「くそー!飛ばされちまうなんてよー!」ダンッ

勇者「戦士のうんのよさが低いって懸念が現実になったな。仕方ないが…くそっ」

商人「最後盗賊さんも混乱してましたよね。あれだけ運が良い盗賊さんが…」

盗賊「悪かったな商人、死なせちまって」ガッカリ…

商人「で、でも収穫もありましたよ!ルカニと、あとラリホーも効きましたよ、あの魔王!」

勇者「結構眠らせられたな。ラリホーを上手く使って、寝てる間に戦士が攻撃出来れば…可能性は低くなさそうだ」

盗賊「戦士が飛ばされたってのは、考えようによっては悪くないぜ。捨てる装備品が1つ減ったんだからな」

商人「とはいえ、1日経ったし4つは捨てるようですけどね。いよいよ装備してるモノまで捨てるようです…」

勇者「まあ、嘆いてても仕方ねえ。次は勝つ、それだけだ」

戦士「おおー!次こそは負けねーぞ!」

戦士「じゃあ早速魔王にリベンジしようぜ!」

盗賊「とはいえ、勇者はともかく商人は魔王戦で使った魔力が回復してないだろ」

商人「そう…思ってたんですけど…」

勇者「回復してるのか?」

盗賊「回復?宿にも泊まってないのにか?」

商人「多分、女王様に報告して休んだ時に…」

戦士「んー?なんで報告して休むと回復するんだ?」

商人「分かりませんけど…もしそうなら僕ら今までかなり損してたような…」

盗賊「書いてる奴がセーブする前に宿に泊まる習慣があるから気づかなかったんだな…」ボソッ

勇者「なら…すぐにリベンジしに行くか。魔力が減ってるなら1日経験値稼ぎにと思ってたが…」

戦士「おおー!行こうぜ魔王の所によおー!」

商人「な、なんかなし崩し的に…大丈夫なのかなあ…?」

倉庫番「さっき勇者殿達が酒場に来てたそうだが、何かあったのか?」

使者「それが…どうやら仲間が魔王にバシルーラで飛ばされたらしくて」

倉庫番「へ?勇者殿はもう魔王と戦ってるのか!?」

使者「昨日が初戦だったみたいね。負けてしまったようだけれども…」

倉庫番「…やはり魔王は…」

大臣「やはり魔王は手強い、という訳だな」ウオッホン!

使者「大臣…お暇なんですか?」

大臣「なんの、王座を奪い取る計画を進めてる最中だからな、多忙も多忙よ。ところでお前達…そう、お前達だ、よく聞いてくれよ」

倉庫番「?一体誰に…」

大臣「勇者達は身に付けてるモノまで捨て始めて、もう後がない状況であるのは分かってくれていると思う。もしあと1回か、多くてもあと2回負けたならーーおそらくパーティーは再起不能となるであろう。その時はこのSSも打ち切りとなる。この世界は魔王に負けて終わりじゃな」

使者「縁起でもない事言ってませんか…?」

大臣「そうならないよう最大限の努力はするが、まあ…覚悟はしておいて欲しいのだ。こんな事を言うのは忍びないのだが、仕方ないのだ…」

???(えっ!?じゃあ私石像のままですか!?そんな、ひどい…)

倉庫番「ん?何か言ったか?」

使者「いえ?貴方こそ…いえ、今のは誰の…?」

盗賊「救済措置か…そういう融通が効くならそもそも商人を一時離脱させたりとかしてないんだよな」

商人「町作り用の人を用意しますよね…」

戦士「問題ねーぜー!今日俺らが勝てば良いだけだからなー!」

盗賊「まあ、今日負けてもそれぞれの装飾品…しあわせのくつやごうけつのうでわを捨てればなんとかなるだろ?」

勇者「素直に全滅すればな。せかいじゅのはで生き返らせた後全滅したりすれば日数のペナルティと合わせて6つ以上捨てることになるかもしれねえ」

商人「その場合はせかいじゅのはも失っていよいよ大ピンチですね…」

戦士「だから今日勝つんだよ!なんで負けた時の話してんだよ!」

勇者「ああ、こればっかりはお前の言う通りだ。今日は勝つ。行くぜ…!」

商人「はい!全力を尽くします!」

盗賊「つう事でだ、覚悟しろよ魔王!」

魔王「身の程知らずにも程があるわ!何度でも返り討ちにしてくれるわ!」

ーーバラモスがあらわれた!

商人「序盤は前回とおなじですよね、まずスクルトを…」ギュウウウ…

盗賊「俺は防御に徹するぜ!さあ来い魔王!」

勇者「俺は…試しに使ってみるか、マホトーン!」パラララ!

戦士「効かねーな!でも関係ねー、斬るぜー!」ザクッ

バラモスのこうげき!

盗賊「はっ、防御してればなんともないぜ、商人の呪文のおかげもあるけどな!」

商人「ではラリホーを…ううっ、効かない!」

バラモスはイオナズンをとなえた!バラモスのこうげき!

勇者「戦士、ベホマだ!商人は盗賊にベホイミを…」

バラモスはバシルーラをとなえた!

商人「ひっ…!な、なんともなかった!よーし、またラリホーだ!」ポワワーン

盗賊「くそっ、今日は眠らないな!前回は寝不足だったのか?」

バラモスはメダパニをとなえた!商人はこんらんした。

勇者「…ちっ!面倒な事になりやがったぜ!」

商人はバギをとなえた!

盗賊「くそっ、ダメージは大したことないが、商人のサポートと魔力が無くなるのはきついぜ!」

戦士「でも混乱する前にルカニしててくれてたぜ!さっさと倒しちまうぜー!」ザンッバラモスはメラゾーマをとなえた!バラモスははげしいほのおをはいた!

勇者「くそっ、まずいぞ…俺一人じゃ回復しきれねえ。しかも…」

商人はヒャダルコをとなえた!

戦士「いてー!つめてー!撃つならあっちだろ商人ー!」

盗賊「言っても仕方ないだろ。しかし、商人が虫の息になっちまってるが…」

勇者「…悪いが、1回死んでもらおう。その後に…」

バラモスのこうげき!バラモスはイオナズンをとなえた!商人はしんでしまった!

盗賊「よし、じゃあせかいじゅのはだ!生き返れ商人…!」

商人「……はっ!?え、えっと…?」

勇者「混乱して死んで生き返ったんだ!回復を!」

商人「は、はい!え、えっと、盗賊さんにベホイミ!」パアアア…

盗賊「サンキュー!…本当に生き返るんだなせかいじゅのはってヤツは。初めて使うから実は不安だったんだが…」

戦士「うおおおー、どんどん攻撃するぜー!うらあー!」ガッ

勇者「もう一度マホトーンを…くそっ!効かねえ!」

バラモスはメラゾーマをとなえた!バラモスははげしいほのおをはいた!

勇者「ちっ、戦士、ベホマだ!くそ、なかなかラリホーやマホトーンをかける暇がねえ…」

盗賊「メダパニやバシルーラを封じられればかなり不安を取り除けるんだが、なかなか上手くいかないな…」

商人「ぼ、僕がラリホーを…ああっ、やっぱり効かない!」

バラモスのこうげき!

盗賊「へっ、攻撃を俺にしてくれるのは助かるぜ!ほとんど効かないからな!」

勇者「商人が混乱して攻撃した時無傷だったからな…」

商人「ぼ、僕そんなことしてたんですか!?」

盗賊「ああ、後で一杯おごれよ、この戦いに勝ったらな!らあっ!」ピシャッ

戦士「うおおおー、会心のおおお、一撃いいい!」ズドガン!

盗賊「はっ、良いの入ったじゃないか戦士!」

勇者「搦め手は上手くいかねえが、ダメージは順調に入ってる…勝負はこれからだ、気を引き締めろよ!」

バラモスはメダパニをとなえた!

勇者「くっ…!…効かなかったぜ、うおらっ!」ピシャッ

盗賊「たまに攻撃が緩くなる時があるな」

商人「ええ、おかげでなんとか回復が間に合ってます…ベホイミ!」パアアア…

戦士「俺はひたすら攻撃だー!おらー!」ザクッ

勇者「ああ、お前は攻撃の手を緩めるな。一番ダメージを稼げるのはお前だからな」

戦士「分かってるぜー!おら!おら!おらー!」ザクザクッ

盗賊「こういう時お前の単純さは武器かもな!…っと!?」

バラモスははげしいほのおをはいた!バラモスのこうげき!

勇者「あぶねえ!ベホマ!」パアアア…

商人「たまに緩みますけど、基本物凄い攻撃です…!」

勇者「商人!魔力は!?」

商人「……正直、少し不安になってきてます」

勇者「ああ、俺もだ。慎重に、だが可能な限り早くだ!気合い入れろよ!」

戦士「おおー!斬って斬って斬りまくるぜー!」

バラモスはイオナズンをとなえた!バラモスはメラゾーマをとなえた!

戦士「うおおおお、負けねーぞおおおおー!」

商人「うう、ラリホーもマホトーンも全然効かないですね…」

勇者「結果論だが魔力の無駄になっちまったな。おい盗賊、今回復を…」

盗賊「ああ、助か…」

バラモスははげしいほのおをはいた!バラモスのこうげき!盗賊はしんでしまった!

勇者「ベホマ!…くっ、間に合わなかったか!」

商人「だ、大丈夫ですよ!まだせかいじゅのははあります!僕持ってますから!」

勇者「ああ頼む!盗賊を…」

戦士「おおおおお!おらあー!」ザンッ!

勇者「ま、待て!魔王が…」

ーーバラモスをやっつけた!

商人「勝っ………た?」

戦士「おお!勝ったぞ!勝ったぞ!うおおおお!!」

勇者「勝った……倒した……終わった、のか…おおお、うおおおおー!勝ったぞーー!!」

魔王「おのれ戦士…わしは、わしは諦めんぞ…うおおおおー!」ピカー…

商人「き、消えた…や、やりました!やりましたよ皆さん!やっと、やっと…!」

戦士「おい!盗賊を生き返らせねーのかよ!」

商人「あ、す、すみません!今…」

勇者「ああ、俺がやる。ザオラルくらいの魔力は…」

ーー勇者、勇者よ、私の声が聞こえますか…あなた達は本当によく頑張りました…

戦士「うおお!?誰の声だ!?」

勇者「この声は…どこかで聞いたような…」

盗賊「…ん?ああ…凄くスッキリした目覚めだ…っておお!?ここは魔王の…!?どうなって…」

商人「盗賊さん!?生き返ったんですか!?」

戦士「おい!俺達勝ったんだぞ!魔王に勝ったんだぞ!」

盗賊「本当か!?…ちっ、倒した瞬間に死んでたなんて、持ってねえぜ」

勇者「………お疲れ。あと……………ありがとう。お前らのおかげで…」

ーーさあ、帰りなさい。あなた達を待つ人達の所へ…

商人「ええ!?今勇者さんが締めの言葉を…ああ、光に包まれて…」ピカー…

戦士「おいおい、アリアハンに来ちまってるぞ!?」

盗賊「あの声の主の力なのか?にしても勇者、さっき何か言ってなかったか?」ニヤニヤ

勇者「うるせー、なんでもねーよ」チッ

商人「ははは…まあ、改めて言うとなると…あ、町の人達ですよ!」

町娘「お帰りなさい!バラモスを倒したという噂はもうここにも届いてますよ!」

老人「そなたこそまことの勇者じゃ!」

兵士「さあ、王様がお待ちかねですよ!」

戦士「おお!?もうみんな魔王を倒したって知ってるのかよ!?」

勇者「俺らより早く伝わる噂ってどういう事なんだ…?」

町娘「まあ、貴方が商人さん!?大きな町を作ったんですってね!」

商人「え!?ええまあ、作ったというか、まあ…」

町娘「その若さで凄いわね!格好良いわ!」

盗賊「おいおい、そんな前科一犯よりこの盗賊さんの方が…」

町娘「盗賊?なんだかカビ臭い洞窟にたむろしてそうね」

盗賊「カビ臭くねえよ!俺は塔派なんだ!」

勇者「…やれやれ、うるせえ奴等だ…ああ」

使者「おめでとう勇者殿。ついにやったわね」

勇者「ああ。時間掛かっちまったが…」

使者「そんなことないわ。たったの四ヶ月足らずですもの。あっという間だったわ」

倉庫番「ああ、見事だったよ。父上を、オルテガ殿を超えたな、勇者殿」

勇者「そう…かな。分からねえけど…」

倉庫番「いろいろと話を聞きたい所だが…王様が待ってるからな。急いだ方が良さそうだ」

使者「良いのよ、あんな王様待たせとけば」

勇者「そういう訳にもいかないだろうな…お前ら、城に行くぞ!」

戦士「おー!王様に会いに行こうぜー!」

盗賊「城じゃ宴だろうな。美人に囲まれてごちそう食べて…」

商人「ああ、そういうのあるんですかね?全然考えてなかったですけど…」

使者「ふふ。こうやって見てるとバラバラなのにね」

勇者「苦労したよ、道中…でもまあ、あとちょっとで終わりか…終わるんだな…」

盗賊「おお、兵士達が整列して俺らに最敬礼だぜ。へへ、気分良いな」

大臣「よくやった勇者達よ!これでまたアリアハンの名も世界中にとどろくであろう!さあ、王様」

王様「うむ…勇者よ、よくぞバラモスを倒した!国中の者達がそなたらを讃えるであろう!これで世界は平和を取り戻したのだ!さあ皆の者、祝いの宴じゃ!」

近衛兵「はっ!…いち、にっ、さん、はいっ!」

パーパパーパパパパパパパパパ…

戦士「すげえな、兵士達って音楽も出来たのか!…ん?なんだ…?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

商人「こ、これも宴の演出…じゃないですよね!?」

勇者「何か…とてつもないモノが…!」

ズガン!ズガン!ズガン!ズガン!ズガン!ズガン!

盗賊「なっ!?兵士達が消し炭に…おい、この笑い声はなんだよ!?」

ーーわははははは!喜びの時間に少し驚かせてしまったようだな!

商人「だ、誰だ!?誰がこんな…!?」

ーーわしは闇の世界を支配する者。わしがいる限り、この世界もやがて闇に包まれるであろう!

勇者「闇の…世界?どういう事だ…どういう事だ!?」

ーーわしは大魔王。全てを滅ぼす者。苦しみ、絶望するがよい。そなたらの苦しみはわしの喜び…

王様「だ、大魔王!?まさか、そのような者が…」

ーーそなたらがわしの生け贄になる日を楽しみにしておるぞ。わははははは…!

戦士「ああー!?ふざけんなー!負けねえぞ俺らはー!おいー!返事しやがれー!」ウガー

盗賊「…もういなくなったみたいだな。にしてもなんだよ、せっかく…」

王様「おお、なんという事だ…せっかく世界に平和を取り戻せたかと思ったのに…」

大臣「王様…」

王様「世界が闇に包まれるなどと、皆にどう言えば…言える訳が………」

商人「……」

王様「わしは疲れた……下がって良いぞ………」

大臣「王様…済まない、我が王はすっかり気を落とされてしまったようだ。今日の所は…」

勇者「…分かりました。では…」

大臣「済まない…」

盗賊「…ふう、大変な事になっちまったなあ。本当に…」

商人「ええ、まさか、まさかこんな…これからどうなってしまうんだろう…?」

使者「…一大事ね」

倉庫番「一大事というか、よくこの城滅ぼされなかったな…ああ、勇者殿。この度は…なんと言うべきか…」

勇者「…問題ない」

倉庫番「え?」

勇者「そりゃあ面食らったが…少し旅が伸びただけだ。今までとやる事は変わりない」

商人「そ、そうですよね。やるしかないですし…が、頑張りますよ!」

盗賊「まあ、これまで以上のスリルが待ってるなら悪くはねえな。な、戦士。…戦士?」

戦士「俺よお、実はな、これで旅終わっちまうのちょっと残念だったんだよ。だからさあ…今めっちゃ嬉しいんだよー!まだお前らと冒険出来るんだろ!?最高じゃねーかよー!」

商人「はは…戦士さん…」

勇者「ったく、呑気な野郎だ。だがまあ、ビビって逃げ出す奴はいないみたいだな」

盗賊「当たり前だろ。やってやるぜ!」

使者「貴方達は凄いわね。ほんの4ヶ月前は駆け出しだったのに…そうだわ、貴方達に招待状が来てたのよ。ポルトガ王からね」

商人「ポルトガ王から…?」

使者「貴方達に話があるそうよ。行ってみたら?何か…良い事がある気がするわ」

勇者「ポルトガか…行ってみるか。船のおかげでここまで旅をきてこれたし、礼もしないとな」

盗賊「久しぶりだな、この城も。にしても、町のカップル、呪い解けてて良かったよなあ」

商人「本当ですね!お礼に武器までもらってしまって…僕らには使えませんが、貴重な装備品ですよ」

戦士「さっき魔王戦でしあわせのくつともろはのつるぎ捨ててもう予備ゼロだもんな!」

勇者「予備がないじゃねー、もう装備してる物捨て始めたんだよ、もろはのつるぎは装備してないが…っと、私語はここまでだ」

ポルトガ王「よくぞ我が招待に応えてくれた。魔王を倒したそうだな、素晴らしい働きだったな!」

商人「なんでもう知って…あ、町の人の呪いが解けたから…」

ポルトガ王「そなたらの東方見聞の情報のおかげもあり、今や我が国はくろこしょうの入手も容易になった。全てそなたらのおかげだ、礼を言わせて貰うぞ」

勇者「いえ、こちらこそ王様からいただいた船のおかげで目的を達する事が出来ました。ありがとうございました」

ポルトガ王「そうは言うが、そなたらの旅はまだ終わっていないのだろう?そこでだ、この国の宝物庫にある物を持って行くと良い。そなたらの旅に装備品が必要なのだろう?」

盗賊「おいおい、気配りの達人かよポルトガ王は…」

ポルトガ王「それと…ノルドを覚えておるか?奴もそなたらの旅を心配しておったぞ。ああ見えて悪いやつではないのだ」

戦士「おお!じゃあそっちにも行ってみようぜ!」

商人「ええ、行ってみましょう!これで少しだけ旅が楽に…ありがたいですね」

勇者「ああ、期待には結果で応えないとな…」

戦士「外にいたバンパイアがラックのたね持ってたぜー!」

勇者「今日は結構アイテムが手に入ったな。ポルトガ城でも手に入ったしな」

商人「まふうじのつえ、スタミナのたね、あといかりのタトゥーですね。装備品に少し余裕が出来ましたよ」

盗賊「ゆうわくのけんもあるしな。ーーしかし、洞窟なんてじめじめしてて暗くて、よくこんな所に…おっと」

ノルド「おお、久しぶりだなお前さんがた。無事でやっとったのか?」

戦士「久しぶりだな!魔王を倒してきたぜー!」

ノルド「魔王を!?あの恐ろしく強いという魔王をか?大したものだな!」

勇者「それが目的だったからな。目的を果たしただけだ」

ノルド「ふむ!ポルトガ王が手紙に書いていた大変な旅とはそういう事だったのか。ポルトガ王も心配していたのだよ」

商人「さっき会ってきました。そうしたらポルトガ王がノルドさんも心配してくれているって…」

ノルド「ふむ!しかしお前さんがたは目的を果たしたと。めでたい!ならばもう必要ないかもしれないが、ここにあるものを持っていきなされ。大したものはないがね」

盗賊「ここに…おお、こんぼうとけいこぎか!良いねえ!」

ノルド「冒険は終わってもお前さんがたの人生は続く。その新しい門出の祝いだとでも思って下され」

勇者「…ありがたい。いただくよ」

ノルド「…まあ、魔王編終了からの大魔王編開始だ、スタートに少しくらい余裕があっても良いだろう。旅の最初にだってアリアハン王がいろいろくれたのだし、今回だって…ああいや、何でもないよ。達者でな」

商人「装備品、助かりましたね!」

戦士「だな!…で、この穴に何しに来たんだ?」

勇者「大魔王は闇の世界にいるって言ってただろ。それを聞いてピンと来たのがここだったんだが…」

盗賊「ああ、どうやら当たりのようだな。穴が広がって、こいつは…」

商人「す、凄い有り様ですね…あ、あそこに見張りの人がいますよ!すみません、これは…」

見張り「お、大きな音がして、亀裂が…何者かがこの穴を通ったみたいだ。物凄く大きな何者かが…」ガタガタ…

戦士「この穴を更に広げるような奴がいるのか!?やべーだろ!」

見張り「そ、そして俺の相棒がこの穴から落ちて…!ああ…!」

盗賊「…勇者、これは…」

勇者「ああ、俺らも行くしかねえ。良いな?」

商人「だ、大魔王と戦うと決めた以上、こんな事でしり込みしたりしませんよ!行きましょう!落ちましょう!」

戦士「おおー!どんなすげーつえー奴だろうと負けねえぜー!」

勇者「…っ、ここは…」キョロキョロ

盗賊「穴から落ちたら、変な所に出たな…ここが闇の世界って奴なのか?」

商人「あ、誰か居ますよ!すみません…」

大男「ん?あんたたちどこから来たんだ?ああ分かったぞ、あんたたちも上の世界から来たんだろう?」

勇者「上の世界…て事は、ここはやはり別の世界なのか…」

大男「ここは闇の世界アレフガルドって言うんだ。覚えておくんだな」

戦士「闇の世界!?ここが大魔王って奴のいる所なんだな!?」

盗賊「らしいな。しかしここは薄暗いな。今夜…って訳ではないんだろうな」

使者「闇の世界というくらいですものね。ずっとこんな暗さなんでしょうね」

商人「わっ!??び、びっくりした、来てたんですか?いつの間に…」

使者「一応ここがどんな世界なのか確認にね。やっぱり暗闇の世界みたいね、ここは」

勇者「だとしたら、何かあるのか?」

使者「貴方達には2日に1ヶ所、新しい場所に行く縛りがあったでしょう?でもずっと暗いといつ夜が明けたのか、次の日になったのか分からない。だから、こちらでは宿に泊まるかルーラするか以外では日にちが経過しない、という事にするらしいわ。勿論、あちらに戻ったなら今まで通りのルールだけれども」

商人「地上を長々と歩いていても日にちがそのままって事ですか。これは少し楽になったかもしれませんね!」

勇者「ああ、その分引くタイミングを間違える可能性もありそうだが、基本的には楽になっただろうな。さて、なら早速外に出てみるか。はたして何が待っているのか…」

盗賊「しっかし、ずっと薄暗いな。黄昏時がずっと続いてるみたいだ」

商人「少し肌寒いですしね。これが闇の世界…」

勇者「おそらく今までより遥かに強い魔物が出るはずだ。油断するな…出たぞ!」

ーースライムベスがあらわれた!

戦士「おお!?あんまり強く無さそうだぞ!?」

盗賊「油断するなって言ってただろ…そらよっ!」ピシャ

ーースライムベスをやっつけた!

商人「…あっさり倒せましたね」

勇者「いや、まだ油断は出来ない。あいつがたまたま弱かっただけでーー」

ーースライムベスがあらわれた!

戦士「おいぃ!また88804444444411奴だぞ!?」

盗賊「せいっ」ピシャ

ーースライムベスをやっつけた!

勇者「どういう事だ…?こんなものなのか闇の世界は…?それとも魔物さえ大魔王を恐れて…?分からねえ、なにもかも分からねえ…」

ーーサラマンダーははげしいほのおをはいた!

商人「あっつ…!す、凄い炎です…」フラッ…

勇者「防御してろ!ベホマ!」パアアア…!

マドハンドはなかまをよんだ!だいまじんがあらわれた!

盗賊「くそっ、あいつの攻撃力は半端じゃないぞ!」ピシャ

マドハンドをたおした!サラマンダーのこうげき!

戦士「いてー!このやろー!」ザクッ

サラマンダーをたおした!

勇者「くらえっ!うらあっ!ピシャッ!

ーーまもののむれをやっつけた!

商人「ふうっ…凄く強いですね、あのドラゴン…」

盗賊「あの手から呼ばれるでかい奴もな。しかし、最初はあんなモンスターで油断させるとは、大魔王ってのも小さい奴だな」

戦士「魔法使いみたいなヤツも強かったな!」

勇者「あいつは何故か単独でしか行動してないみたいだが、群れてたら恐ろしいだろうな、あの呪文は…さて、回復したらもう魔力が無いな」

盗賊「あっちに戻るだろ?新しい場所に行くのはあの港で達成出来たしな。目の前に次の町があるのに引き返さなきゃならないのはちょっと後ろ髪引かれるけどな…」

盗賊「ルーラで上に戻って1日。宿に泊まれば2日なんてあっという間だな」

商人「お金を銀行に預けてこられたのは良かったです。あんまり現金を持ち歩いてると不安ですから…」

勇者「…で、この町、ラダトームだが…暗いな」

戦士「闇の世界だもんな!」

盗賊「いや、それもそうだが雰囲気もなあ」

商人「仕方ないですよ、光を大魔王に奪われたとあっては…あれ?あそこは賑やかですね…宿屋」

勇者「行ってみるか…ああ!?大食い大会!?」

男性「ま…参った!食べ過ぎてお腹が苦しい…」グフッ

女の子「おー!またかったぞー!つぎはだれだー?」

戦士「なあなあ、あの子ども、どっかで見たことねーかあ?」

盗賊「確かに何処かで…ああー!カンダタとかいう盗賊の子分だったガキだ!」

子分?「んー?なんだおまえたち、おやぶんのことしってるのか?おやぶんはいまろーやだぞ!」

商人「ろ、牢屋!?また何か悪事を働いて…?」

勇者「そういえば、東の港にいた男が俺たちを見て『またお客さんか』なんて言ってたな。また…俺らの前にも上から落ちてきた奴がいた。あいつの事か?」

盗賊「会いに行ってみるか。知らない仲でもないしな。しかし、これも腐れ縁ってヤツなのかねえ…」

カンダタ「ああっ!皆さん、お久しぶりです!私です、カンダタですよ!」

商人「ええ、この子に聞きましたよ。なんでまたこんな所に…」

カンダタ「いやー、悪いことは出来ませんね。こんな世界に落とされて、今では真面目にやってますよ」

盗賊「どこから突っ込んだら良いんだ…?どうやって落とされたかか、真面目にやっててなんで牢屋の中なのかか…」

カンダタ「貴方達は悪い事をして落とされた…訳ではないですよね。どうしてこんな所に?」

戦士「大魔王を倒しに来たんだよ!」

カンダタ「ええー!?それは…いえ、貴方達なら出来るかもしれませんね。そうだ、お城には行きましたか?まだならうちのヤツに案内させますが。良いか?」

子分?「おー!じゃあいくぞ!」タタタ…

商人「あ、待って!…早いなあ、ところで、町ではあの子以外子供の姿を見ませんでしたが…」

カンダタ「ああ、他の子供達はみんなお城の中に避難してるんですよ。そうだ、あの子をそのままお城に置いてきてくれませんか?なにせ私はもう少しここにいなければいけないので…へへへ」

勇者「ああ、構わないぜ。全く、何やらかしてこんな所にぶちこまれたんだかな…」フウ…

子分?「ついたぞ!おしろだぞ!」

戦士「おおー!でっけー城だな!」

盗賊「だな。こんなにでかい城がある国でも、大魔王には敵わないか…」

勇者「おい、お前もここに避難してろってさ。親分はまだあそこにいなきゃいけねえらしいからな」

子分?「えー?おしろのなかつまんないぞ…」

商人「ほら、あそこに子供達もいるから…」

子分?「おー!おまえら、食べものよこせー!」ガオー

盗賊「…あれで良いのか?まあ良い、じゃあ王様に挨拶に行こうぜ。正面の階段上れば謁見の間か、アリアハンと一緒だな」

戦士「お、あれが王様か?立派そうだな!」

王様「ん?そなたら見ない顔だな。そうか、上の世界から…町の様子を見てだいたい分かっただろうが、この国には絶望しか残されておらぬ…」

勇者「その絶望を打ち払いに…大魔王を打倒するために俺達は来ました。俺達の国、アリアハンの為にも」

王様「そうか…もう希望はないかと思っていたが、そなたらがもたらしてくれると言うのならそれを待とう…この城にはたいようのいしという物がある。大魔王の元へ行くのなら持っていくと良い」

商人「ありがとうございます!必ず大魔王を倒してみせます!」

王様「しかし、アリアハンとな…かのオルテガもそこから来ていたと言っていたが、お主らオルテガを…」

勇者「オルテガ!?親父が…親父がここに来ていた!?生きていたのか、親父…?」

盗賊「どうやら勇者の親父さんがここに居たってのは間違いなさそうだな」

商人「ひどい怪我をして、自分の名前以外の記憶を失っていたそうですね。それなのに、大魔王を倒すためにまた旅立って…」

戦士「勇者の事もおぼえてのねーのかなあ。辛いなあ、勇者」

勇者「んな事はどうでも良い。生きてたってだけで儲けもんだ。まだ生きてるかは分からねえけどな」

盗賊「そうか、そうだな、今までの親父さんの情報は古すぎて、やっぱり生きてるって証拠になるような物じゃなかったが…」

商人「今回はつい最近までここに居た、っていう話ですもんね!」

勇者「ああ。それに目的は一緒だ。生きてりゃそのうち会えるだろ、お互いにな」

戦士「大魔王を目指すだけだよな!」

盗賊「で、親父さんの話を聞くついでに色々聞いて回ったが、とりあえず東にマイラって村があるらしい。まずはそこを目指すか」

商人「外にいた神父さんから地図を貰いましたよ。ようせいのちずっていうらしいですけど、これがあれば迷わずに行けますよ!」

戦士「たいようのいしってのも簡単に見つかったよな!」

勇者「とりあえずこの城で出来る事は終わったか。じゃあ出発するぞ。次へは明後日到着だが、まずは周辺の様子を見たい」

盗賊「マイラへは船で南を回って行け、なんて言われたが、歩いて行けるかもしれないしな。その辺の確認もしに行こうぜ」

ザザーン…ザザーン…

商人「…海、ですね。やっぱり歩いてはマイラの村へは行けないようですね」

勇者「まあ想定内だな。そしてここに来るまでに特に変わった魔物もいなかったな。1体だけ悪魔みたいなヤツはいたが」

戦士「うおー、1回死んじまったあ…」ガックリ

勇者「仕方ねえ、俺の回復も遅かった。もっと慎重になるべきだったな」

盗賊「攻撃力高いからなこっちの世界の奴らは。さて、東は調べ終わったし、次は北と西に行ってみるか」

商人「来た道を戻って、北に…あ、あれ、洞窟じゃないですか?」

勇者「ここは…ラダトームの北、北北西辺りか?マイラに行く前に探索するのも良いかもな」

戦士「どんどん進もうぜ!…お、ほこらが見えてきたぜー!」

盗賊「誰か住んでるかな?とりあえず明後日はここに来てみるのも良いかもな」

勇者「情報は必要だからな、いろんな場所で話は聞きたい所だな。よし、じゃあこのまま南下してラダトームの西方面、余力があったら更に南方面まで行ってみるか。魔力もまだ余裕があるしな…」

戦士「お、また洞窟があるぜー!」

盗賊「ここがラダトームから一番近いかもな。さて…そろそろ引き返すか?」

勇者「そうだな…魔力に少し余裕があるうちに戻った方が良いかもな」

商人「ああ、今度は僕が死んでしまいました…」フウ…

戦士「あの手が呼び出すでかいヤツ、つえーよな」

盗賊レベル40「めちゃくちゃ痛そうだったよなあのつうこんのいちげきは。でもみんなレベルは上がったよな」

勇者レベル41「一昨日城の周りで上がったのと合わせて2は上がったな。商人は3上がったか?」

商人レベル39「勇者さんはついにギガデインを覚えましたよね!」

戦士レベル40「最強の呪文なんだろ?俺でも知ってるぜー!見てみてえな!」

勇者「俺も試し撃ちはしてみたいが、消費がでかすぎるからな…」

盗賊「あと、今日は収穫無しだったが、一昨日はてつのつめを一個盗んでるぜ!俺が!」

商人「でも今日戦士さんと僕が死んだから、ノルドさんから貰った装備品はさっそく無くなっちゃいました。このペースだとあっという間にまた在庫が尽きてしまいそうです。気を付けないとなあ…」

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