千早「何で逃げるのよ…」

春香「待って、待って…貴女は誰？」

千早「何を言い出すのよ、千早よ。あなたの大親友の。」

春香「大親友って言ってくれてすごく嬉しいんだけどね、今だけはちょっと怖いよ！突然のはるるんは怖いよ！」

千早「あの、怖がらないでほしいの、これにはワケが…」



ｶﾞﾁｬ



雪歩「おはようございますぅ」


春香「おはよう雪歩！あのね、ちょっと緊急事態なの！」

雪歩「ええっ、どうしたの春香ちゃん…？」




千早「あら、おはようゆきぴょん」


雪歩「」

千早「あの、今日は私がお茶を淹れてみたのだけど、どうかしら」

雪歩「……あ、ああ！千早ちゃんが！ありがと、いただくね！」(聞き間違いかな？)




雪歩「うん、美味しいよ！千早ちゃん上手だね！」

千早「本当？そう言ってくれると嬉しいわ。」

雪歩「えへへ」



千早「このお茶も、ゆきぴょんが教えてくれたものなわけだし…ありがとう」

雪歩「ウヒャァァ//」ｶﾞｼｬｱｱｱｱﾝ

千早「！！だ、大丈夫？……ゆきぴょん！」

雪歩「あわわ…ちょっと地底人に会う約束してたので穴掘ってきますぅぅ！！！！」ｻﾞｸｻﾞｸｻﾞｸｻﾞｸ



春香(会議室のほうに、見覚えのある双子の影が見えた気がする…まさか…)

春香「春香さん、何かが怪しいと思って会議室を覗いてみたら、案の定隠れて観察してるアイドルを見つけてしまいました！」


春香「やっぱり何か企んでたんだね…千早ちゃんに何を仕込んだの！！」

亜美「待って！これにはエベレストよりも深い理由があるんだよはるるん！」

真美「あのね、これはいたずらじゃなくて、本当に千早お姉ちゃんを思ってやってることなんだよ！！」



春香「うーん、本当に…？じゃあ、どういうことか聞かせてもらおうかな？」

亜美「昨日の夕方に事務所であったことなんだけどさー…」

～～～～～～～
～～～～～
～～～

亜美「千早お姉ちゃん！もう今日は何もないでしょー？亜美たちと遊ぼうよ！」

千早「もう…イヤホンして真剣に音楽聴いててもツッコんでくるのはあなたたちだけよ」

真美「だって、もっと千早お姉ちゃんと仲良くなりたいんだもん！ね！」

亜美「仲間だもんげ！」

千早「仲良く…ね…二人はほんとに、誰とも仲良くするのが上手よね」

真美「んっふっふ、ほめてもゼニは出ませんぜ？」

千早「ふふっ、私もそうやってみんなともっと打ち解けられたらいいのだけど…」


ｶﾞﾁｬ


響「ただいまー！」

亜美「ひびきん！おかえりー！！」

千早「我那覇さん、おかえりなさい」



真美「……！！！それだ！！それだよ千早お姉ちゃん！！」

千早「えっ？」

真美「みーんな、もう長い付き合いなのに、千早お姉ちゃん、あだ名どころか名前ですら呼んでない人もいるじゃん！そんなの、フレンチトーストじゃないよ！」

千早「フレンドリー…かしら？でも…もうこの呼び方で慣れてしまったもの…」

亜美「えー、もったいないよ！ねえひびきん、千早お姉ちゃんが名前で呼んでくれたら嬉しい？」


響「えっ！！……た、確かに、よくよく考えたら名字で呼ばれるのにはちょっと距離を感じるし…名前で呼んでくれたら嬉しいかな！」

亜美「ほらほら、さあ呼んでみるのだよ！」

千早「っ…！」

千早「ひ……」


響「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ



千早「ひ…ひび……」






千早「……日比谷線はお乗り換えです」ﾎﾞｿｯ



亜美「」

真美「」

響「」





千早「」ｸﾞｽﾞｯ

3人「わーわーわーー！！！！泣かないで！！！」

千早「いきなり名前で呼ぶのは…恥ずかしいわ//」

真美「うーん、千早お姉ちゃんもガンコだなぁ……」



亜美「じゃあさじゃあさ！いっそ全員亜美たちみたいにあだ名で呼んでみればいいんじゃない！」

千早「！？」

亜美「そのほうがもしかしたら恥ずかしくないかも！！」

響「自分も、それいいアイデアだと思うぞ！」

真美「じゃあさっそく、ひびき、じゃなくてひびきん！って呼んでみようYO！」


千早「！！！……」

響「……」ﾜｸﾜｸ

千早「……ねえ、ひびきん？」ﾁﾗｯ



響「！！！？？！！！？！？？！！」ﾊﾞﾀﾝ



亜美「おおう…想像以上の破壊力ですな」

真美「ひびきん、鼻血出して倒れちゃったよ…」

千早「これも結局恥ずかしいじゃない…//」

亜美「でも、今の千早お姉ちゃんチョー可愛かった！明日一日は亜美たちの呼び方でやるの！決定ね！」

真美「真美たちがちゃーんと見張ってるからね～！」

千早「もう…」


～～～～
～～～～～～
～～～～～～～～～


亜美「とゆーわけなんだよ！」

春香「亜美真美の言いつけを素直に守る千早ちゃん可愛すぎか！！」

真美「天使だよね」

春香「ま、まあ…悪気が無いのは伝わったよ…でも、千早ちゃんに亜美たちのあだ名を言わせるのは色々な意味で危ないような」


ｳﾜｧ!!


春香「……また被害者が一人増えたみたい」

千早「おはようございます、……お、お姫ちん…」

貴音「……何奴！貴女は一体…！？」

千早「ほんとに千早です！如月千早です！」




貴音「…ふむ、どうやらそのようですね。」ﾁﾗｯ

千早「今どこを見て判断しました？」ﾍﾟﾀﾝ

貴音「気にしてはいけません。とぷしですよ、とぷし！…ところで、何故そのような呼び方を」

千早「それはその…四条さんともっと仲良くなりたくて…いきなりすみません…」


貴音「……左様でしたか」

千早「し、四条さん？」

貴音「千早、呼び方が違うのではありませんか？」

千早「あ、あ…お、お姫ちん！」

貴音「……こんなに可愛らしい如月千早という生物に気付けていなかった私の愚かさを痛感しております。」

千早「か、可愛らしいだなんて//」

貴音「私とらぁめんでぇとに行きましょう」

千早「あ、あの…胃袋が大変なことになりそうなので、二十郎以外で…」

貴音「麺用な…」




春香「あ、見てる分には意外と面白いかも」

真美「でしょでしょ、これではるるんもドーザイだね！」

～～～～～～～～～～～～～～～

千早「おはよう、ま、まこちん…//」

真「うえええ！？！？千早…どうしたのさ！」

千早「どうもしてないわ、いつも通りよ」

真「いやいや…なんか、そう呼ばれるとくすぐったいな//」

千早「私だって呼ぶの恥ずかしいんだから、もう…」ﾌﾟｲｯ

真(あ、かわいい)



千早「まこちん、って呼ぶと一気に女の子らしさが倍増するわね」

真「へへっ！いいでしょ♪」

千早「まこちんコーヒーでいいかしら？」

真「う、うん。ありがとう。何で急にコーヒーを？」

千早「あら、まこちん、こういう呼ばれ方は苦手かしら」

真「あれ？あのー千早？……気のせいだよね、アハハ…」




春香「ちょっと使いこなしてない？」

亜美「亜美たちはあんなワルい使い方しないよ！真美がまこちんのこと大好きだから」

真美「ちょっ！言わない約束でしょ！//」

春香「青春ですなぁ」

～～～～～～～～～～～～～～～～

美希「千早さん、おはよう～」

千早「あら、ミキミキおはよう」


美希「」ｶﾞﾀｯ



千早「え、えっと…どうしたのかしら？」

美希「うれしいの！！！！」ｷﾞｭｯ

千早「うっ…苦しいわ美希…ミキミキ…」

美希「千早さんがミキに心開いてくれたの！もう一生離さないの！」ｷﾞｭｳｳｳｳｳｳ

千早「うう…がはっ…ミキミキ！ストップ！ストップ…」

美希「千早さん大好き、ホントに大好き！」

千早「！！！！//」



春香「なにこれ！なにこれ！！私の千早ちゃんを…！美希、あんなに千早ちゃん好きだったっけ！あのふるふるおにぎり油断できないの！」

真美「はるるんも呼ばれたときにああやって抱き着けばよかったんだよ」

春香「ぐぎぎぎぎ……」

千早「あら、いおりん」

伊織「！！？！？……いおりんじゃないの！」

千早「いおりんお帰りなさい」

伊織「な、何なのよこれ…」

千早「なんでもないわ、ただ、いおりんともっと仲良くしたくて…」

伊織「何よ！気味悪いわね！カメラはどこ！？誰が何を仕組んでるのか、言いなさいよ！どうせあのバカPか亜美真美でしょ！！」


千早「そんな……い、いおりんは…私と仲良くしたくないのね…」ﾁﾗｯ

伊織「！！！」

伊織(年上の女の子の上目遣いになんでドキッとしてんのよあたしは！！)

伊織「ドッキリとか、そういうんじゃないの…？」

千早「違うの、ただ、いお…水瀬さんと……」

伊織「……し、仕方ないわね……今日だけは、いおりんって呼ぶの許してあげるわよ…！」

千早「ありがとう、いおりん」

伊織「//」



春香「千早ちゃんって天然タラシの素質あるかもね」

亜美「創作だと一番色んなキャラを持ってるよね…ファンの兄ちゃんから愛されてる証拠だね！」

あずさ「すみませーん、ちょっと迷ってマレーシア行ってたら遅くなってしまって…」

千早「あ、あずさ…お姉ちゃん！おかえりなさい」

あずさ「ふふふ、千早ちゃんただい……ま？」


千早「あ、違うんです！これは、その……」


あずさ「あら～…事務所でこんな可愛い妹が待っててくれたなんて」ｷﾞｭｯ

千早「あずささん…恥ずかしいです//」

あずさ「お姉ちゃん、でしょ？敬語もダメよ」

千早「うぅ……分かっ……た、あずさお姉ちゃん…//」


あずさ(あらあら、新しい何かに目覚めそうだわ)ｷｭﾝ




亜美「亜美も年下なのに何かに目覚めそうだYO」

春香「千早ちゃんのお姉ちゃん呼びはヤヴァイ！ヴァイ！ヴァイ！」

ｶﾞﾁｬ

やよい「ただいま戻りました！」

千早「あっ……や、や…や………」

やよい「？」

千早「ややっ！ややっ！！」

やよい「ややっ、なにやつっ！って、千早さん、時代劇の練習ですか？」

千早「ち、ちがうのよ…その……や…」


千早「やよいっち！」



やよい「はうっ！！」

千早「……ごめんなさい、急に変な呼び方をして」

やよい「……すっごく嬉しいです！！やっと高槻さんじゃなくなりました！！」

やよい「もっともっと！あと100回呼んでください！」ｷﾗｷﾗ


千早「ええっ！！……な、慣れないから恥ずかしいわよ…やよいっち！//」


やよい「ああん、クセになっちゃいます！」ｷﾗｷﾗ

千早「…私の理性が持たないわ」



春香「何今の！やよい絶対あんなリアクションしないでしょ！何！ああんって何！ねえ何これ！おかしいでしょ！？」

春香「むきいいいいい！わた春香さんもみんなのこと名字で呼んでやるぅ！なにこれ！めっちゃ役得じゃん如月ちゃん！」

亜美「はるる……天海さんが壊れ始めた」

春香「……やっぱ名字やめる…亜美に天海さんって言われるのキッツイ…」

春香「昨日の響ちゃんから始まり、これで全員呼んだかな。やっと終わりか～」

真美「ノンノン！まだ全員じゃないよ！」

春香「まさか…」

P「ふー、遅くなっちまったな」

律子「ええ、会議があんなに長引くとは…」


千早「！！っ……」


P「おっ、千早いたのか。今日はもう何の予定も無かったと思うが…」




千早「お、おかえりなさい。りっちゃん、兄ちゃん！」


P「」ｷｭﾝ

律子「」ｷｭﾝ



P「っは！！…お花畑が見えていた、危ない危ない…」

律子「亜美、真美、どうせアンタたちいるんでしょ！出ていらっしゃい！！」

～～～～～～～～～～～～～～


P「なるほど、呼び方か」

律子「いつものいたずらかと思ったけど…千早のことを想ってのことだもんね」

真美「そーだよ、今日の千早お姉ちゃんすっごく皆を笑顔にしてたんだよ！」

千早「私は一日すっごく恥ずかしかったわよ…」

P「まあ…亜美真美のあだ名呼びは難しいけど、仲間のことを名前で呼んであげるってのは確かに大事かもしれないな。」

春香「そうだよ、みんなも千早ちゃんが大好きだし、千早ちゃんもみんなのこと大好きなの知ってるから！」

亜美「天海さんの言うとおりだよ！」

春香「亜美ぃ……もうやめてぇ……」

千早「そうですね、すぐには慣れないかもしれませんけど、今日も楽しかったし…頑張ってみます。亜美と真美も、ありがとね。」ﾆｺｯ

亜美「礼には及ばねえですぜ！」

真美(今の笑顔可愛すぎるよね！)

春香「あだ名呼びを恥ずかしがる千早ちゃんほんと可愛かったよ」

千早「ありがとう、天海さん」

春香「千早ちゃぁん…愛してるからやめてぇ…」






律子「千早も、ああやって冗談を言い合ったり、亜美真美の冗談に乗ったりするようになりましたね」

P「ああ、最近は色んな表情もするようになったし…これも仲間たちのおかげだな。皆の団結力は流石だよ。」


律子「もちろん、貴方の手腕ありきの団結ですけどね……兄ちゃん？」

P「ははは、そう言ってくれるとプロデューサーやっててよかったなって思えるよ…りっちゃん？」



律子「……似合いませんね、ふふ」

P「…悪くないと思うけどなぁ？」

真美「そういえば真美たちのことは何て呼んでもらおうか？」

千早「そ、そのままでいいでしょ？もっと恥ずかしくなっちゃうわ//」

亜美「この企画だと亜美たちだけ千早お姉ちゃんにあだ名で呼ばれない欠点がありましたなぁ！」

真美「うむ、サイコーの通り名を考えてきましょうぞ！亜美博士！」




小鳥「千早ちゃん！私のことは！」

千早「え、えっと…ピヨちゃん…」

小鳥「はい！はい録音しました！明日から目覚ましにします！」ﾋﾟｯ

千早「それは本当に困ります！」

春香「そうですよ！ダメですよ！私にもください！」

千早「天海ィ！」

ｶﾞﾁｬ


響「おーっす！」

千早「あっ、おかえり……ひびきん//」

響「ぐはっ！続いてたのか……//　で、でも自分だって…やられっぱなしじゃいられないさ！」




響「ただいま！…ちーちゃん！//」



千早「！！？？？？！？！！？？！！？！？」ﾊﾞﾀｯ


亜美「大変だ！千早お姉ちゃんが！」

真美「鼻血の止血がおいつかないYO！献血しなきゃ！」

P「それを言うなら輸血だ！」


春香「ちーちゃんね…良いかも」

小鳥「ひびちは、か……ふむ」ｶｷｶｷ

律子「はい仕事中に変なもの書かないでくださいね、ピ・ヨ・ちゃん？」

小鳥「んひぃ…」

雪歩「……千早ちゃん、戻ったよね？もう地面から出てきて大丈夫かな」ﾋｮｺ


響「あっ……はいさーい！ゆ、ゆきぴょん！」


雪歩「アヒャァァ//」ｻﾞｸｻﾞｸ



おわり