うっうー
P『おう、サンキューな』
P「どれどれ……」
P「……783円か」
P「こんなにたくさん……」
今日は765プロの給料日。
勿論、アイドルの皆にとっても1ヶ月の成果が"お金"という目に見える形となって受け止められる重要な日だ。
そして、その大事な給料の使い道もアイドル達にとっては大切な事なのである。
そして今俺がやよいに"プロデュース料金"としてお金を手渡されている様子からわかるように、俺の給料は"アイドル達自身が決める"というもの。決して会社側がタダで俺を使っているわけではない、これがウチのやり方なのだ。
先に言った通り、アイドル達にとっては重要な給料。その中から身銭を切って俺に給料を支払う。それは俺の仕事ぶりがアイドル達にどう映っているかという――
P「――やよい。ありがとうな、こんなにくれて」
クシャクシャ
やよい「えへへ……プロデューサーは1ヶ月私たちのために頑張ってくれましたからーっ」ニコッ
続けろ下さい
P「約800円だぞ? 大金じゃないか」
やよい「もやしパーティーの回数が減るのはもちろん残念ですけどー」
やよい「私がプロデューサーに出来る精一杯の恩返しですからーっ」ニコ
P「そうか……嬉しいよ」
P「だが、恩返しはステージで返してくれる事が一番だからなっ」
やよい「うっうー……がんばりますー」
P「やよいは先月よりも給料が増えたし、頑張ってる証だからな」
やよい「はいっ!」
やよい「一生懸命、楽しくアイドルガンバりまーすっ!」ウッウー
P「よしっ」
ガチャッ
『……失礼します』
P「ああ、今日一日ご苦労様」
やよいが一番乗りなのはいつもの事だ。まごまごしていると特売の時間が過ぎてしまうからな……
俺自身、アイドルの前で今月の給料を読み上げるという仕事は気が進まないが、手取りを知れるということが多少楽しみであるというのは秘密だ。
P「千早。この前の歌番組の収録、たった今放送していたぞ」
千早「そうですか、如何でした?」
P「バッチリだ。日に日に上手くなっていくな……さすが765プロが誇るディーバだ」
千早「……そうですか」ニコ
千早「嬉しいです。プロデューサーに誉めていただけて」
P「ああっ、俺で良ければ何度だって褒めてやるさ」
千早「ふふっ……ありがとうございます」
P「……それじゃあ、今月の読み上げ。いくぞ」
千早「はい……」
P「"如月千早"……」
P『……37万4000円!』
千早「――…上がっていますね」
P「そうだな、来月はまだ上がるから期待していいぞ」ニコッ
千早「……はい」ニコ
千早「プロデューサー……その、今夜の予定は…ええと、X'masなので…」
P「? この後の予定は給料を渡してから考える」
千早「……了解しました」ニコ
会議中なので20分後くらいから投下できます
ガチャッ
響『はいさ~い!』
P「響……なんだなんだ身体中、動物の毛だらけだぞ」
響「じぶん今日はオフだったからな! 一日中家で犬美達とじゃれて遊んでたんだゾ!」
P「そ、そうか……床、後で小鳥さんに謝っておくんだぞ?」
響「あ、千早っはいさーい! もう貰ったのか!?」
千早「ええ、もう帰るところなの」
響「えぇ~っ、せっかくじぶんと同じ時間に来たんだ! ついでにじぶんの"読み上げ"見ていってくれ!」ニッ
千早「え……」チラ
P「いい……のか?」
響「勿論だゾ! 先月は頑張ったからきっと765プロで一番もらってると思うんだっ!!」
P「……響がそう言うなら…」
響「ああ! パッとたのむさーっ」
千早「聞いた金額は口外しないから、安心して」
響「みんなだけ仲間外れは可哀想さ~じぶん、隠し事は嫌いなんだ!」
P「……よし、いくぞ」
響「先月はー犬美と収録して、休んで…病院のポスターを撮って、休んで…歌って、休んで……もうたくさん働いたさー」
P「…………」ペラ
P「……"我那覇 響"」
P『14万5500円!』
響「え……」
千早「…………」
響「……先月より少なくないかー?」
P「……一度仕事をすれば次の日は休み。の繰り返しだったからな」
響「……ふーん…」
響「…………そっか…」
響「……………………そうかぁ」ジワ
P「響、来月は頑張ろうなっ」
P「CDが売れればこの何倍にだって……」
スッ
P「?」
P「……1万円?」
響「……プロデューサーへの給料さー…」
P「響……」
響「じぶん、犬美たちを養う分で10万円くらい使うんだ」
響「貯金も少しだけあるし、ご飯も少し少なくすれば1万円と少しくらいで何とかなるさ」
響「プロデューサーには、感謝してるんだっ!」ニコッ
P「響……」ウル
P「……ありがとう。ありがたく受け取っておくよ」グスッ
P「そうだ響」
響「?」
P「これ、事務所で使うボールペンを一本買ってきてくれ」スッ
響「5千円札?」
P「御釣りは貰っていいから」
響「う~ん、なんだかよくわからないけどお使い行ってくるさ!」ニッ
バタンッ
千早「……」
P「どうしたんだ? 千早」
千早「あっ……」
千早「あの、後で渡そうと思っていたのですが」
P「? ああ、べつに今渡さなくたっていいんだぞ」
P「俺も皆から給料を貰うのは抵抗あるしさ」
千早「……いえ」
千早「…………すみません、裸でお渡ししますが」スッ
P「ああ封筒にいれるのは手間だろう、裸で良い」
P「……3万円?」
千早「その……相場がわからなくて…」
P「なにを言っているんだ、十分だよ」
P「むしろ悪いくらいだ」
千早「本当はプレゼントと一緒に渡す予定だったのですが……」
P「?プレゼントって… 真美『あ~っお兄ちゃんイチャイチャしてる→!』
亜美『本当ですな→これは由々しき事態ですぞ真美隊員!』
亜美「千早お姉ちゃんはもう終わったの?」
千早「ええ」
真美「千早お姉ちゃんは、お給料いくらだったの→?」
千早「それは……亜美と真美よりは少ないと思うわ」ニコ
真美「そっか→、亜美は竜宮小町で大忙しだもんね~」
亜美「でもでもぉ→千早お姉ちゃんだってTVに引っ張りだこだよ~?」
P「ほら、給料の事は聞かない」パンパン
P「じゃあ、読み上げするぞ」
千早「では、私はこれで……」ペコ
亜美&真美「別にいいじゃん、千早お姉ちゃんも聞いていってよ→」
千早「……」チラ
P「……うーむ」
P「……まあ、本人達がこう言ってるんだし…な?」ハァ
P「"双海真美"……」
P『16万3000円!』
真美「うーむ、先月は休み多かったからな→~」
P「"双海亜美"……」
P『51万円!』
亜美「お~っ、スゴいね真美っ」
真美「ほんとだね→わかってたけどちょっとショックかも」ショボン
P「まあ亜美はギャラ自体上がって来てるから、本数も多いし……来月はCDの売り上げが反映されるからこんなものじゃないぞ」
亜美「なんでもお菓子買い放題だね真美♪」
真美「今日はヤケ食いですな亜美隊員っ!」ニコッ
キャッキャ
P「まだ子どもなのに立派に給料を貰って……偉いなあ」
千早「そうですね……ああ見えて、二人とも着実に大人になってますから」
>>1
実況板に誤爆したのおまえ?
真美「それじゃあっ」クルッ
亜美「お兄ちゃんへの"読み上げ"はじめま→す!」
P「緊張するな」ハハ
真美「真美は3万円ですっ」
亜美「亜美も3万円ですっ!」
P「やっぱり子どもから大金を貰うのは気が引けるなぁ」
亜美「ブー、お兄ちゃんまた子ども扱いして~っ」プンプン
真美「お兄ちゃんがいつも頑張ってるから、感謝のしるしだよっ!」
P「……それじゃあ、ありがたくいただくとするよ」
――…
千早「……プロデューサー」
千早「先ほどのお給料、渡し忘れてたいた分があったようで……」スッ
P「……4万円っ? どうしたんだ!?」
千早「感謝の気持ちです。渡し忘れです」
P「う~ん……本当、罪悪感が湧いてくるなあ。でもありがたくいただくよ」
P「……」
P「……誰も来ないなあ」
千早「……プロデューサーは、その…」
千早「……お付き合いされている女性は…?」
P「? 恋人か??」
P「はは、ないない。出会いも無いしさ」
千早「そうなんですか……」
P「……顔が弛んでるぞ? 千早」
千早「っ、そ…そうでしたか?」キリッ
P「これから先、恋人が出来なかったら千早に貰ってもらおうかな」
P「なんてな」ハハ
千早「……」パクパク
P「千早?」
千早「……私としては…問題…なんて……然、無……」
ガチャッ
『お疲れさまでーえっす!』
P「夜でも元気一杯、流石だなっ」ニコ
あちゃー声出なくなっちゃったかー
>>59
やめてくれ
真「あれっ、千早もいま来たんだ?」
千早「いえ、私は……」
真「あ~もう喉がカラっカラ」
真「なにか飲み物あったかなあ~」ガチャッ
真「あっ、マンゴージュース! 美味しそーっ」
P「真……冷蔵庫の中身に一喜一憂しているところわるいんだが」
真「あっ、お給料日でしたよねっ」ニコ
千早「ぁっ」
千早「……では、今度こそ」
真「あれ? 千早帰るの??」
千早「ええ。真も人がいると都合が悪いでしょう」
真「ぜんっぜん!」
真「千早なら言いふらすこと無いしさ! あっ、ジュース飲む? 美味しいよコレっ」ゴキュッ
千早「あ……ありがとう」チラ
P「……信用されてるんだよ」ハハ
P「それじゃあいくぞ」
真「はいっ!」プハァッ
P「"菊池真"……」
P『17万!』
真「おぉ~多いですねっや~りぃ!」グッ
P「この前より頑張ったからな」
真「どうぞっプロデューサー!」スッ
P「1万円……ありがとうな、真」ナデ
真「えっへへぇ……プロデューサー毎日迷惑ばかりかけてすみませんっ」ペコ
P「こちらこそ迷惑ばかりかけていて……すまないっ」ペコ
千早「…………美味しい」ンック
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