P「千早と同棲を始めてから他のアイドル達のアタックが凄い」(1000)

P「ただいま」

千早「おかえりなさい、プロデューサー」

P「はは、家でまでプロデューサーはやめにしようって言ったじゃないか」

千早「そうでした、すみません……あ」
千早「ご、ごめんね? Pさん」

P「帰ったら美人の嫁さんが待ってるなんて、俺は幸せものだな」

千早「そんな……照れます」

P「慣れないうちは敬語のままで構わないよ」
P「肩肘張っていたら疲れてしまうからな」

千早「……はい」ニコ

P「良い匂いだな……今日は?」

千早「はい。Pさんの好きなハンバーグです」

――……プロデューサーとアイドルの恋愛はご法度。業界の常識だ。
 冗談混じりに嫁とは言ったが、千早は高校を卒業したばかりなので入籍はしておらず、同棲という形をとっている。


代行  ID:MZ2+XgANO

千早「Pさん、今度のオフ。なにか予定はあります?」

P「そうだな……特に無いし、カラオケにでも行くか?」

千早「いいですね。楽しみにしています」
コトッ

P「旨そうだなぁ……」パクッ
P「うんっ、うまい! 千早はアイドルを辞めてもこっちでやっていけるな」

千早「お上手ですね」クス

P「本当だよ、一緒に暮らすようになって千早の魅力にたくさん気づけるようになったからな」パク

千早「……わ、」
千早「私もプロd…Pさんの素敵なところをたくさん見つけてますから……」カァ

――……俺の言ったことは全て本心だ。
 千早の料理は美味いし。魅力的なところを更に見つけることも出来ている。
 それに、カラオケの話が出たが、カラオケBOXで歌う千早はノビノビとしていて……アイドルとステージに立つ如月 千早とは違った、等身大の千早を見る事が出来る。
 だから俺は一方的に歌う事に対して遠慮をする千早に、頭を下げて半ばお願いするように聴き手に回っている。

P「ごちそうさまでした」
P「良い感じに満腹感だ」

千早「お粗末様です」
千早「普段は晩酌があるから腹八分目にしているのに……今日は呑まないんですか?」

P「満腹まで食べてからアルコールを入れたら気分が悪くなるんだ」
P「千早の作った料理があまりに美味しいもんだから、食べている最中に晩酌をしないルートを選んだよ」

千早「そう言ってもらえて嬉しいです」
千早「仕事の方が遅くなったら、料理の下ごしらえをする時間が取れないので……」

千早「有りものや、出来合いのものを買ってくる事になりますから」
千早「作れる時は、美味しく食べていただけるように決めているんです」


――……千早は、仕事に専念出来るように大学へは進まずアイドル一本の道を選択した。
 千早の学力なら近辺にある大学の好きなとこらを選ぶ事が出来たのだが、二人でよく話し合って決めたことだ。少し勿体無いとは思うが、トップアイドルを目指す以上、本腰を入れる。それが765プロでも髄一のストイックさを持つ千早らしい判断だと思う。

『CHANGIN' MY WORLD!! 変わる世界輝け~♪』

P「メールか……」ピッ
P「美樹から……なになに」

千早「仕事のメールですか? ……お水です」

P「ありがとう」
P「『ハニー明日はオフだよね? よかったら、美樹とお茶しない??』」

P「アイツ、俺と千早の事は知ってるんだよな……」

千早「美樹らしいですね……」

P「千早からは何も言っていないのか?」

千早「言うと角が立ちそうですし…」
千早「……皆のプロデューサーを一人占めしているのは私ですから」

P「大げさだな……」
P「でも、前なら"デートしよう?"だったのが"お茶しない?"に変わってるあたり、美樹なりに気を使ってるんじゃないか?」

千早「そう……かもしれませんね」ニコ

P「それなら明日のカラオケはどうする?」

千早「……美樹の誘いを無下にすることはないんじゃないでしょうか」

P「そうだな」
P「美樹も、スタジオとは違う場所で千早の歌う所を見て手本にしてくれたらいいと思う」

千早「美樹には美樹の、私とは違う歌い方がある……それが個性ですよね?」
千早「プロデューサーが教えてくれたことです」

P「そうだったか……良いこと言ってたんだな俺」

P「それじゃあ返信しておくぞ」ピッピ…
P「『明日、11時に……』」

千早「軽いストレッチをしてから、シーツを直してきますので……それまで待っていてくださいね」

P「ああ……すまない」
P「途中で美樹を拾うならどのルートが良いんだ? ガソリンは……」

――…
美樹『ハニー! おはようなのっ!』

P「おはよう。はは、美樹はいつも元気だな」

美樹「うんっ、美樹はハニーがいれば元気満タンなのっ」ニコッ

P「それじゃあ後ろに乗ってくれ。まっすぐ向かうぞ」

美樹「はーいっ!」

ブロロロロロ…

美樹「おはよう千早さんっ」

千早「おはよう美樹……やっぱり美樹は私服もお洒落ね。似合ってるわ」ニコ

美樹「どうもなの~」
美樹「それで美樹ねえ聞きたい事があるんだけどぉ」

千早「?」

美樹「二人はぁ、どこまでいったのかなー? なの」

P「」ブッ
P「な、なにをいきなり……運転に支障が出るような事を言うな」

美樹「だってぇ……気になるんだもん」
美樹「ねえねえハニー、どうなの?」ニコッ

P「どうもなにも……ひとに言う事じゃない」

美希「……ふーん」
美希「ミキ、ハニーも千早さんも真面目だから、まだキスも少ししかしてないと思うんだけどなぁ」ニコ

P「そ、そうか……お前がそう思うならそうなんだろう…」

千早「美希の中では……ね」

美希「美希だってもう高校生なのに……子供扱いなの」
美希「胸だってまた大きくなったのに……」

千早「美希、若い女の子が人前でそういうことを言うもんじゃ……」

美希「人前じゃなくて、ハニーの前だから良いのっ」ダキッ

P「ちょっ、美希……急に抱きしめるな!」

キュルキュルキュルキュル…

P「……さい先が不安だ」ハァ

――……正直、美希の言うことは当たっている。
 昨日だって、同じベッドで横にはなっているが手を出すタイミングが見つからず、その機会は未だに無い。

P「ぶ、無事に着いたな……」
千早「大丈夫ですか? Pさ…」
美希「……」

千早「……プロデューサーさん」
P「ああ、ありがとう。とりあえず時間だけ決めて……」
P「美希は何時まで良いんだ?」

美希「うーん、とねえ」
美希「美希はハニーと一緒にいられるならいつまでだっていいかな? って」

P「そうか、じゃあフリーで……あ、お代は俺がもつから」
美希「ダメなの」
P「?」

美希「美希は、美希の分をきちんと払うから。プロデューサーとは一人の女性として付き合いたいの」

P「……そうか」
P「気持ちは受け取っておくよ。それなら一人の女性として、男に良いところを見させてくれないか?」

美希「うーん……」
美希「じゃあハニーに甘えさせてもらうね?」ニコ

P「すみません、三人でフリータイムを……」チラ
千早「……」ジー

P「ど、どうかしたか?」
千早「いえ……大したことじゃないです」プイ

P「そ、そうか?……」ハァ

――…
千早『~~♪』

P「喉の調子は良さそうだな……高い音もブレずに出ている」

クイクイ
P「?」
美希「ねえハニー」

P「歌の順番か? 俺は二人の歌を聞いてるの方が楽しいから……」

美希「ちがうの」
美希「ハニー……、ハニーは美希のこと、どう思う?」

P「み、美希……少し近いぞ」
美希「美希は……今でもハニーのこと、好きだよ」
チュッ

P「!?」
美希「千早さんの角度からなら見えないの……今の、二人だけの秘密だよ?」クス

P「おい、美k…… 千早「次はプロデューサーの番ですよ」ニコ

P「っ、あ、ああ……」
千早「?」

P「……」チラ
美希「? ハニーの歌、楽しみなの」ニコ

――…この日を境にして、千早以外の765プロのアイドルからのアプローチが積極的になっていった。

――…
ブロロロロロロ…

P「今日は二人の歌唱力が上がっている事の再確認にもなったよ」
P「やっぱり日々成長しているんだな」

千早「私も、美希がいて良い刺激になりました」

美希「ミキもぉ、千早さんの歌が聴けてすっごく勉強になったの」ニコ

P「そうか、それは良かった」
P「じゃあこれから、朝に美希を拾った場所に向かうからな……家まで送っても良いんだぞ?」

美希「ううん、いいの」
美希「でも……ミキ、千早さんの家にお泊まりしたいなぁ、って」

千早「えっ」
千早「ウチに泊まりたい、って……」

美希「ミキねえ、千早さんとはもっと仲良しになりたいの」
美希「ダメかなぁ?」

千早「明日は仕事があるし、今度べつの機会に……」

美希「ハニーは?」

P「俺も、明日は仕事があるからやm… 美希「美希は、ハニーとももっと仲良しになりたいの……だめ?」

P「(美希は、言ったら中々折れないからな……)」アセ

P「……今日はダメだ」

美希「そう、わかったの♪」

P「? やけに聞きが良いな」

美希「どうして? 美希は、ハニーの言うことならなんでも聞いてあげるよ?」

美希「それとも、本当は美希が泊まりに来て欲しかったとか?」スッ

P「……美樹、頭に重やわらかい感触が当たってるんだが」

美樹「残念なの。本当は背中からくっつきたかったの」

千早「美希……少し静かにしましょうね」ニコ

美希「千早さんがおっかないの……」
美希「ということで、やっぱり朝の場所でいいよ。ハニー」ニコ

――…
ブロロロロロロ…

P「今日は楽しかったけど疲れたな」

千早「そうですね……相変わらず、美希のパワーには圧倒されそうになります」ハァ

P「千早が言うんだから相当なんだろうな……」ハハ

千早「熱燗です」

P「ありがとう…」
P「……今度、連休があれば温泉にでも入りに行こうか」

千早「温泉……ですか?」

P「いやっ、その……ゆっくり休みたいならいいんだ。無理しなくて…」

千早「い、いえ……嫌だなんてことありません…」

P「……」

千早「……」

P「そ、そうか」
P「……よしっ、楽しみだなーっ温泉!」

千早「……ええ。楽しみですね」ニコ

――……最近、スケジュール表は真っ黒だ。今日の休みだって久しぶりで、それこそ身体を休めさせてやった方がプロデューサーとしては正しい判断だったのかもしれない。
 連休が取れる日も当分先だろう……千早がオフの日でも、俺が他のアイドルにかからないといけない場合だってあるだろうし……
 けれどだ、温泉……温泉に行くとなればもちろん一泊。俺は俄然、期待を膨らませていた。

――…
P「おはようございます」

小鳥「おはようございますプロデューサーさんっ」ニコ

P「音無さん早いですね」

小鳥「はいっ、今日も765プロのためにお掃除やらなにやらで私に出来る事ならなんだって頑張りますから」

P「音無さんがいてくれて、本当助かっています」

小鳥「ふふ、ありがとうございます」

P「本当ですよ、事務所がいつも明るいのは音無さんの存在が大きいと思うんです」

小鳥「またまたープロデューサーさんったら、あまり他の女性を誉めると千早ちゃんがヤキモチ妬いちゃいますよ?」

ガチャッ

伊織『おはようございまーす……ふわぁ』

P「おっ、伊織早いな……って」
P「今日は伊織の家に迎えが行くはずだったと思うが」

伊織「ふぇ? それ本当??」

P「ああ……だから、もう少し家で寝てても良かったんじゃないか」

伊織「はぁ……もうさいあく」ドサッ

P「なんだ荒れてるな」

伊織「それなりに急いで来たのよ? 律子に会ったら文句言ってやらないと」

P「律子にしては珍しいな、伝達ミスなんて」

伊織「……まあいいわ、久しぶりにプロデューサーと話が出来るし…コーヒーあったかしら」

P「伊織も高校生だからな……なんというかオーラが増えたぞ」
P「ほら、缶コーヒーで良かったら」

伊織「ん。ありがとう」
伊織「オーラ? また適当な事言ってるんじゃないでしょうね」ゴク

P「まさか、カリスマ姓が上がってきたと思う。現に雑誌でもカリスマモデルとして取り上げられたりしているじゃないか」

伊織「どうだか……プロデューサーは人をその気にさせるのが上手いから、勘違いしちゃうのよ」

P「? そうか?」

伊織「そう。まったく……人の気も知らないで」

伊織「久しぶりに二人きりなんだから、皆がいる時に言えない話をしましょうよ」

P「二人きりって、音無さんがいるじゃないか」

伊織「小鳥はいいの。皆の味方だから」

P「? よくわからないが……しかし、特別何を話そうというのも…」

伊織「千早とはどうの?」

P「」ブッ
P「お前もか……どう? って、なにがだ」

伊織「色々あるじゃない……例えば、ラブラブとか」

P「ラブラブって……」
P「……ま、まあ仲良くしてるよ」

伊織「ふぅん……そう」
伊織「私、最近料理を勉強しているの」

P「へえ、スゴいじゃないか」

伊織「千早は苦手でしょう? 料理」

P「いや、すごく上手いぞ。個人的にはお袋の味並みに美味しい」

伊織「うそ……」

P「大分勉強したみたいだけどさ。アイツ要領良いだろう? "料理は理解していても何故か上手くいかない"といって大変だったみたいだけどさ」

伊織「そうなんだ……」
伊織「……じゃあ、勝てるところ無いじゃない」

P「千早にか?」

伊織「……そうよ…」グス

P「っ、なに泣いてるんだよ」

伊織「しらないわよばかっ、急に泣けてきたの!」
伊織「あーあ、なんか空回りしちゃってる……ばかみたい」

P「なにに悩んでいるのかはしらないが…」
P「……例えば、伊織が千早に負けないところだってたくさんあると思うぞ」

伊織「……歌は?」
P「歌は……」

伊織「……ダンスは」
P「ダンスは、どっちも頑張ってるしな……」

伊織「じゃあヴィジュアルは?」
P「み、見た目か……」

伊織「私だって、成長してるんだから……」

P「……そ、そうだな」チラ

( ゚∀゚)o彡°いおりん!いおりん!

P「確かに、伊織は成長している」
P「千早が及ばない部分もあるだろう」

P「でも大事なのは中身だと俺は思う」

伊織「……一応、聞いておくわ」

P「伊織のファンと千早のファン。何が違うと思う?」

伊織「……」

P「伊織の方が好みだったとか、千早の歌が好きになったとか色々あるだろう」
P「けど、間近でお前達を見ている俺はファンが知らない事を知っている」

伊織「……」

P「伊織は言いたい事をはっきりと言う子だ。人をからかう時の笑顔も、たまに見せる大人びた笑顔も…」
P「……レッスンの時の真剣な表情も。表情ひとつとっても俺は伊織の事をたくさん知っている」

伊織「……」

P「ずっと二人三脚でやってきた俺だからハッキリと言えるんだ」
P「伊織は責任感もあって、向上心も周りを気づかう優しさもある」

P「俺は……伊織の全部をひっくるめて、好きだ」

伊織「……なによ」
伊織「やっぱり、人を勘違いさせる天才ね……」カァ

フラグを乱立させてやがる

P「IS学園?」

P「ヴィジュアル面といえば伊織は可愛いし、最近は綺麗でもある」
P「スタイルも良くなってきたし……身長は仕方ないが」

P「伊織いつトップアイドルと呼ばれてもいいくらいに、いや既にトップアイドルと読んでもいいほどだ」

伊織「……わかったわよ、ありがとう」

P「胸だって… 伊織「わかったって言ってるでしょっ!」カアァ

P「そ、そうか……わかってくれたなら良いんだ…」

伊織「もう……私、少し眠くなってきたから仮眠とるわね」

P「そうか、じゃあいま毛布を……」
伊織「スーツ」

P「?」
伊織「プロデューサーの上着、貸して」

伊織「きっと、よく眠れると思うから……」

P「……そうか、俺ので良かったら使ってくれ」ファサ

伊織「ん……ありがとう。あったかい…」ウト

P「(伊織も、もう大人だな……)」ニコ

4時か……少しウトウトしてきた

――…
P「それじゃあ、俺は現場の方へ行って来るんで」

小鳥「はい……あら」
小鳥「上着は良いんですか?」

P「はい、あんまり気持ち良さそうなもんだから取るのもわるくて……」

小鳥「プロデューサーさんらしいですね」ニコ

P「それじゃあ、行ってきますっ」

――…
P「すまない、待たせたか?」

貴音『いえ……』
貴音「あなた様を待つこの時間が、心地よいものであったりします」クス

P「貴音にそう言ってもらえると、こっちも大分助かるな」

>>83
依頼したんだから最後までやれよ

お姫ちんキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!

すまない、少し眠る。
落ちたら立て直す。

>>88
了解……忍法帳あと数日で自力で立てられる

保守ありがとうございます

眠……

P「今日の撮影はウエディンク特集の………」

貴音「……」

P「……だからウエディンクドレスだけじゃなく和の…」チラ

貴音「……」

P「俺の顔になにか付いてるか」

貴音「いえ……」

P「着付けの繰り返しだから疲れると思う…」
P「……が…」チラ

貴音「……」

P「……」ハァ
P「なにか言いたい事があるなら遠慮なく言えって、いつも口をすっぱくして……」

貴音「言いたい事はありません……」

P「?」

貴音「想うだけ。それだけの行為に言葉など不要なもの」
貴音「私は、あなた様を見つめているだけでよいのです……」

P「こっちは良くないんだけどな……集中できん」

貴音ちゃんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!

貴音「……」
P「はじめに白無垢の……」

貴音「……」
P「……」ハァ
P「貴n… 貴音「あなた様……なにか隠し事をしておりませんか」

P「隠し事?」
貴音「そう……"やましい事"と言い換えても良いでしょう」
P「やましいこ……」

(『二人だけの秘密だよ?』)

P「っ……」
P「あ、あったかなやましいことなんて……はは」

貴音「あなた様は、嘘をつくのがまこと……下手です」
P「相変わらず勘が鋭いんだな」

貴音「勘とはまたちがうもの……"いまじねぇしょん"が湧くのです」
貴音「深く言えば、隠し事の相手は……」

P「まっ、待て」
P「なにもかも的中されそうで怖い」

貴音「ではやめておきます……しかし」
貴音「あなた様には千早という恋仲にある女性がいるというのもまた事実」
貴音「感心しませんね……」

P「……まいったな…」

P「どう切り口を変えても貴音には刃が立ちそうも無いな……」

貴音「現代では一夫一妻。不義密通が推し通る世ではありません……」
貴音「されど、男と女の愛というものは時に、"決まり"や"法律"などというものを形無しにしてしまう」

貴音「あなた様」

P「た、貴音?」

貴音「あなた様……」

P「……近いぞ、経験則的に俺は距離をとらせてもら…」トンッ
P「(? いつのまにか後ろに壁が……)」
貴音「古今和歌集にも綴られております」
貴音「……『好きという気持ちは止める事が出来ないじゃん』、と」

P「……亜美と真美、どっちの台詞だ?」

中退だけどな

貴音「たしかに、この感情の名を他に表す言葉が私には見つかりません……」
貴音「教えてください、あなた様」
ピト

P「っ……」

貴音「こうして、あなた様の胸に手の平を当てる」
貴音「熱くなるのは手の平ではなく、胸の奥」

P「貴音、冷静になるんだ」

貴音「胸の奥が熱くなれば……決まって、次第に顔も熱くなるのです…」
貴音「……あなた様」

P「……っ」

貴音「私は、千早が羨ましく思います」

P「顔が近……」

貴音「いま目と鼻の先にあるあなた様の唇も、遥か遠くにいる千早のもの……」
貴音「この、身体と心の距離が相反している事実に、私はひどく、戸惑うのです」

P「……っ…」パクパク…

おい




おい

P「貴音……」

貴音「……冗談です」

P「じょっ、冗談?」

貴音「串戯とも言いますが……戯れです」
貴音「如何でしたかあなた様。私の演技は通用するものでしょうか?」

P「あ、ああ……」
P「ばっ、バッチリだ」グッ

P「おかしいとは思ったんだよな、うん」

チュッ

P「っ!?」

貴音「……女は、冗談で真実を語るものです」クス
貴音「千早には、秘密ですよ」

P「~~っ」

貴音「『恋の箝口令さー』秘密で育む愛も、あるということです」

P「……響も、難しい言葉勉強してるんだな…」

――…
貴音「次は……やよいの収録、そちらへ向かうのですね」

P「やよいかー、なにか買っていってやらないと」

貴音「"らぁめん"ですか?」ズイッ

P「く、食いつくな……」
P「しかし残念ながらラーメンじゃない、他のなにかにしないと」

貴音「そうですか……それは残念です」

P「そういうところ、変わっていないな」ハハ

貴音「人も季節も、急に変わったりなどしません……」
貴音「ゆっくりと、移りぎ、姿を変えていく風情を楽しむのもまた、趣きというもの」

P「はは……急に変わられるとこちらも対応に困るという点では、人も季節も一緒だな」

貴音「あなた様、季節の変わり目です。お身体にはお気をつけくださるよう」

P「ああ……貴音も、急には変わらないでくれよ…?」ハハ…

貴音「……あなた様と、共に変わっていけたらよいと思います」フフ

――…
やよい『あっ、プロデューサー!』

P「やよい、調子は良さそうだな」ガサ
P「ほら今日は毎月恒例のちらし寿司の日だろ? プリン買ってきたから、醤油は家にストックあるか??」

やよい「たしかー、あったはずですよ~」

P「その財布、大事にしてるんだな」

やよい「はいっ、春香さんからいただいたものですからー!」

P「やよいは背も伸びたし……ガマ口財布とのバランスもちぐはぐになってきたようにも見えるが」

やよい「うっうーっ! 私ですねー、このお財布は一生大事にしますから」
やよい「プロデューサーに戴いたものも大事に使わせてもらってますよー?」

P「はは……やよいと居れば心が休まるよ」
ナデ

やよい「えへへー、私、プロデューサーに頭撫でられるの好きです」ニコッ

P「そうだな、お前はいつまでもそのままのやよいでいてほしいな」

やよい「あとあとー」
やよい「仕事が終わったら、いつもプロデューサーと車の中でお昼寝するじゃないですか~」

P「するな。少しだけでも回復出来るし」

やよい「私もプロデューサーと横になるとぐっすり眠れるからお昼寝は好きなんですけど…」
やよい「……そういうのはやめた方が良いって」

P「誰かに言われたのか?」

やよい「みんなに……」

P「皆か……でもなぁ、なにが悪いってものでもないし…」

やよい「ですよねー」
やよい「今日はMYタオルケット持ってきてるんですよ~」ニコ

P「おっ、暖かそうだな」

やよい「プロデューサーも一緒にくるまりますか?」ニコッ

P「そうだな……今から楽しみだよ」

P「……zzz」スカー

やよい「……zzz」スゥ…

P「……zzz」スピー…
やよい「nn……プロデューサー…」zzz
ギュッ

P「ん……zzz」スカー…
やよい「えへへ……」zzz
ギュッ…

『………ッ……』
ドンドン
P「……?」パチ…

ドンドンッ
『プロデューサー!』
P「ふわぁ……なんだ?」

真「ちょっと、また二人で……それもどうしてやよいが抱きついてるんですかー!?」

P「……ん…おはよう真」

真「あっ、おはようございますプロデューサー」ニコ
真「じゃなくて」

真「聞いてますか!? とりあえずドア開けてくださいーっ」

やよい「……ふぇ?」フワァ…

真「まったくもうあれほど……」クドクド

やよい「ごめんなさい……」

真「プロデューサーも、もっとよく考えて行動してくださいっ」

P「すまない……」

真「わ、わかればいいんです……」
真「とにかく」

真「やよいは今後、プロデューサーとのお昼寝禁止! わかったね?」

やよい「真さん厳しいです……」

真「やよいのためにも言ってるのっ」
真「まったく。アイドルなんだからもう少し気を使って……」ブツ

真「わかりましたね? プロデューサー」ズイッ

P「あ、ああ……次からは気をつけるよ」

えぇい響回はまだか?

――……真は、実は身体的なことは別にしてある意味。一番成長したアイドルの一人と考えても良い。
 最近は、ボクという一人称も息を潜め……髪も幾分か、更に伸ばして一層女らしくなった。
 今でもスカートよりパンツ派のようだが、最近ドラマで見せたミニスカート姿は本人が恥ずかしがっているのに反比例して評判は良かった。対して同ドラマ内で軍服を着用すればやはり女性ファンの評価も高い。
 ファン層は男も女も関係なく、若い子にも、おじさんやおばさんにも人気。これはこれでアイドルとして一種の完成形 なのではと、これからの活躍に期待がかかる765プロでも屈指の人気者。それが今現在の、成長した菊地真であった。

P「収録終わりか?」

真「もうバッチリですよっ」ニコ
真「これからは、私もプロデューサーの手を離れていくんですから」

P「そうか……そうだな…」

真「えっ、ちょ……」
真「冗談ですよ? プロデューサーっいつまでも一緒にやっていってくださいよっ!?」アセッ

P「はは……そうだな」ニコ

真が「私」だと・・・ゴクリ

やよい「途中で起きたからまだ少し眠たいです……あふぅ」

真「やよいはただでさえプロデューサーとスキンシップとりすぎなんだから……」ボソ

やよい「? どうしました?? 真さん」

真「なんでもっ、やよいは可愛くていいなーって思ったんだよ」プイ

やよい「なーんだ、そんな事ですかぁ」
やよい「真さんは、綺麗だしカッコイイしで、私も憧れちゃいますっ」

真「……そ、そうかな?」

やよい「そうですよっ、今日もジャケットとスカートでクールかつ可愛いですーっ!」パチパチ

真「あ、ありがとう……えへへ」

P「そうだな、スカート、似合ってるぞ」

真「……先に、プロデューサーに気づいて欲しかったんですけど」ジーッ

P「はは……それも、次からは気をつけて見てみるよ」タラ

真「罰として、ショッピングに付き合ってください」

P「罰か……荷物持ちくらいはしてやるが」
P「やよいは、そろそろ次の撮影があったよな」

やよい「はい……残念ですけどぉ、元気にお仕事がんばりますねーっ」

やよい「律子さんそろそろ迎えにきてくれるはずですけど」キョロ…

P「そうだやよい。律子に会ったら、スーツを受け取っておいてくれ。お前は先に事務所に戻るだろ?」
P「そのスーツを俺のデスクに置いておいてくれたら助かるんだが」

やよい「プロデューサーのスーツを律子さんが持ってるんですかあ?」

P「律子というか、伊織が持ってるはずだ……前に何回か羽織らせた時も、そのまま事務所に置いていったらいいものを羽織ってバスまで持っていくんだよ」

真「伊織がどうしてプロデューサーの上着を羽織ってるんですかっ?」

P「それは……毛布代わりだよただの」

――…
真「プロデューサー、もう一つお願いしたいことがあるんですけど……」

P「罰か? 構わないぞ」

真「じゃあ……握手をしてください」スッ

P「握手? そんな事でいいのか??」ギュッ

真「それでですねぇ、この握手は出来るだけ長くするようにっ」

P「はあ……」

真「じゃあショッピングにしゅっぱーつ!」ギュ

P「っとと、いきなり歩きだすなっ」ギュッ

真「これは……あくまで握手ですから」
真「千早には……内緒、ですよ?」

P「握手が罰になるかどうかはわからないが、特に言うほどのものでもないとは思うが……」

真「えへへ、こうやってプロデューサーと歩くの、ずっと楽しみだったんです」ニコッ

P「そうか……意外と手は小さいんだな。お尻も小さいし顔も小さい。どこもかしこも小さい」

真「……わるかったですね」ムッ

P「? これでも誉めたつもりなんだが」

真「ジャーンッ、どうです? プロデューサー」
真「一応、変装用の帽子とサングラスです」ニッ

P「へえ、様になってるよ」

真「いやーはは、嬉しいな~」

P「他にも小物とか見てきたらどうだ?」
真「そうですねっ、少し待っていてください!」スチャ…

P「急がないでいいからなー」

――…
真「お待たせしましたっ、残念だけどあまりコレというものが見つからなくて……」

P「無理して選ぶものでもないさ」
P「ほら、次にいくぞ」ガサッ

真「? これって」

P「さっきの帽子とサングラス。会計は済ませておいたから」

真「本当ですかっ? ……すっごく、すごーく嬉しいんですけど」
真「わるいなぁ……なんか」ハハ

P「気にするな。たまのプレゼントだ」

真「そうですか? ……へへ、やーりぃ! 大事にしますねプロデューサーっ!」ニコッ

P「おう。いつも頑張っているご褒美だ」

まな板は何かほっとけないんだよな

じぶ響も残ってるぞ!

あらあら~、あずささんの出番はないのかしら~?

P「3時か……どこかで甘いものでも食べるか?」

真「じゃあじゃあっこの辺りに美味しいクレープ屋さんがあるって聞いたんでそこに行きましょうよ!」

P「クレープか、ずっと食べてないな……よしっ、そこにするか!」

――…
ワイワイ ガヤガヤ

P「人気の店だけあって混んでるな……」

真「でも、待ってる間って、色々と期待が膨らみますよね。私は好きだなー」

P「……そうだな」
P「……お?」

真美『でねぇ、兄ちゃんが……』
リポーター『真美ちゃんのお兄さん? どんな人なの??』

真美「えっとねえ……あっ!」

P「っ!?」ビクッ

真美キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!

――……真の説明をするときに、身体的なことは別にして成長した。と言ったが、真美はその身体的な意味で一番成長したといえる。
 同じ双子の亜美も勿論、双子なので同じように成長しているのだが、なんというか……亜美が可愛いだとしたら、真美は綺麗。高校生にもなると双子でも違いが出てきた。
 公表プロフィールによれば身長もバストサイズも、ことごとく真美の方が1cmほど上だったはず。
 性格的な面での違いといえば、亜美は未だにベタベタ触ってくるが、真美はなにを遠慮しているのか……スソを引っ張ったり、腕を組んだりするくらいにとどまっている。それでも他のアイドル達と比べたらスキンシップは多い方だが。

リポーター「真美ちゃんのお兄さん?」
リポーター「彼女を連れて、デート中だったみたいね」

P「(真、顔を伏せてろ)」
真「(……はい、わかりました)」

P「や、やあ真美。元気そうで安心したよ、それじゃあ撮影の邪魔になるので僕たちはそろそろ……」

真美「兄ちゃんっ、事務所に帰ったら遊ぼうね!」ニコッ

P「あ、ああ(頼むから配慮して発言してくれよ……)」ハハ

――…
P「もう近くにカメラは無いよな……」
P「もう顔を上げていいぞ」

真「ぷはぁっ」
真「ビックリしましたよ……仕事中の真美と鉢合わせるなんて」

『CHANGIN' MY WORLD!! 変わる世界輝け~♪』

真「この音楽だと765プロのアイドルでしたっけ?」

P「ああ、差出人は……真美か」

P「『仕事が忙しくて兄ちゃん分を補給出来てなかったから、会えてすごく嬉しいっ』」
P「かっこ、(はぁと)か……まだ続いてる…」

P「『……けど、まこちんと一緒にいたのはどうして? もしかしてデート…じゃないよね』」
P「……なんて説明しようか」

真「ただのショッピングだって言えば……」

P「いや、デートじゃないにせよ。二人でいたことになんか言いたい事があるらしい…」
P「……『仲良く手まで繋いじゃって、それじゃあリポーターの人も彼女と間違えるよね』」

真「ああ……なんて言えば良いんだろう」

P「……真美なら聞き分けは良いし、わかってくれるだろう」
P「言えばわかるさ。……常時握手の件以外は」

真「でも……」

P「?」

真「他の人が見れば恋人同士に見えた、ってことですよね?」

P「そういうことだろうな」

真「…………えへへ」
真「プロデューサー」

P「どうした」

真「もし……もしですよ?」
真「プロデューサーが千早と付き合ってなかったら……」

P「……」

真「その、私と付き合ってくれたのかなっ……って」カァ

P「……想像はつかんが…」
P「……あり得なくは無いんじゃないか? 何事も」

真「そっ、そうですか!? ボク、嬉しいです!」
真「……あっ」

真「私……すごく、嬉しいです」ニコ

P「真……」
P「(……千早がいない生活は、想像が付かないな)」

『もっと 高めて果てなく 心の奥まで~♪』

真「貴方だけが使えるテクニックで~溶かしつくして……っと」ピッ
真「……響からです」

P「そうか、アイツもそろそろ写真撮影が終わる頃合いだな」

真「さすが、スケジュール帳を見なくても全員の予定は頭に入ってるんですね」
真「えっと……『じぶん、仕事終わったからダンスのレッスン受けに行くけど真もどうだ!?』って」

P「熱心だなアイツは……アイドルして人気が出てきてからも情熱は変わらないんだな」

真「正直、私も汗を流したかったのでありがたい誘いなんですけど……」チラ

P「遠慮するな。という事は事務所だろう、向かう先は同じだし都合が良い」

真「やった、じゃあ『今から事務所に向かうね……』っと」ピッ
真「あ~、はやく身体動かしたいなーっ!」ウキウキ

P「真も、真らしさは変わっていないな」ハハ

NTRっていうかまんまハーレムじゃね?

全体的にいい感じの距離感で終わってるのが良いね

ガチャッ

真「お願いしまーすっ」

響『おっ、真来たな!』

真「うんっ響こそもうウォーミングアップ終わってるみたいだね!」
真「私もいま着替えるから……」スル

P「……あっ」

真「ぇ? あっ!」アタフタ
真「ぷ、プロデューサー少し待っ……外に出ていってもらえますかっ、ひ、響っ」

響「はいはい自分に任せるぞー」
響「ほらプロデューサー、じぶんとドアの外に出るんだ」グッ

P「わ、わかったからそんなに押すな……っとと」

ガチャンッ

P「はぁ……更衣室や、簡易で着替えが出来る目隠しのカーテンだってあるだろうに」
響「プロデューサーは女心がわかってないなー」

響「って、ぷ、プロデューサーっ!?」ビクッ

P「?」

響「プロデューサーだぞっ!?」

P「……俺だけど」

響「じ、自分、プロデューサーとは出来るだけ合わないようにしていたんだ……」

P「えっ……傷ついたよ、普通に」

響「ちがうんだっ! そういう意味じゃなくて……っ」

響「じ、じぶん最近おかしいんだっ」
響「ぷ、プロデューサーのこと……」チラ

P「?」

響「み、見るだけで……へんなんだ」カァ

P「それは……大変だ、なんの病気なんだ」

響「やっ、やっぱり病気なのか!?」
響「ぷ、プロデューサーが近くにいれば心臓がばくばくって! 頭が真っ白になっちゃうんだ!」カアァッ

P「……麻薬的ななにかか…?」
P「とにかく、事務所内にいる人に見せてから……」フム

     _

     λ ヽ/::::ヽ.ヘノ ̄フ
       ゝ ≧===≦__/
       ノ:´:::::::::::::::::::::::::`ヽ、
    γ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
  _//::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ      自分知ってるぞ
. |::: ! :::::::l::::::/|ハ::::::::∧::::i :::::::i       ここから響ちゃんのターンだって
 /:::::|:::::::::|:::/`ト-:::::/ _,X:j:::/::ノ

/ ::::ヾ:::::::::|≧z !V z≦. η:/_

| :::::::::ヽ;;::ト “        “ ノV !
レメ:::::::::::(\   ー'   / ̄)  |
 ヽ::::::::: | ``ー――‐''|  ヽ、.|

  ):::::::::: ゝ ノ     ヽ  ノ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  

P「熱があるのかもしれないから、少しおでこを触らせてくれ」

響「お、おでこを触るのかっ?」カァ

P「熱があるかしりたいだろう、それに顔も真っ赤だ……触らずとも高熱だってわかる」

響「そ、そうかじぶん……風邪だったのか」
響「そうか……安心したぞ」

響「ありがとうプロデュー…」

P「?」

響「……サー」カアァ
響「わ~っ! やっぱりダメだぞー! ドキドキがドクンドクンで胸が痛いぞっ!」カアァッ

P「おっ、落ち着け響!」
P「いま、小鳥さんか誰かを……」

P「中で待ってろっ横になって安静にしているんだ!」
タッタッタ

響「わ、わかったさー……」ドキドキ
響「……あ、あれ…」キ…

響「だんだん平気になってきたぞ……」スゥ… ハァ…

バンッ
P「音無さんっ!」
小鳥「はっ、はい」キョトン

P「いますぐ付き合ってください!」
小鳥「え、ええぇ」ガタッ
カチャンッ

小鳥「あっ、お皿がっ……」
小鳥「で、でもプロデューサーさんには千早ちゃんが……」

P「いま千早は関係ないでしょうっ!」
小鳥「で、でもっ、私は中立で……いわゆるスイス的立場で……」

P「なにを言ってるんですか! はやくっ!」ギュッ

小鳥「そんなプロデューサーさんっ手を握るなんて積極的……」
グイッ

小鳥「え?」

P「いきますよっ!」
ダダダッ

小鳥「あ、あーれー~っ!?」

――…
小鳥「……大丈夫です。少しだけ患っただけみたいですので」ニコ

P「よかった……安心しました」ホッ

         ハヽ/::::ヽ.ヘ===ァ
          {::{/≧===≦V:/
         >:´:::::::::::::::::::::::::`ヽ、
     γ::γ::::ノ(:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   _//::::::::::::⌒::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
. . |::: ! :::::::::::l::::::/|ハ::::::::∧::::i :::::::i

  /:::::|:::::::::::::|:::/`ト-:::::/ _,X:j:::/:::l
 / ::::ヾ:::::6:::::|V≧z !V z≦/::::/
 | :::::::::ヽ;;::::::ト “        “ ノ:::/!
 レメ::::::::::: \ト ,_ --  ィ::/::|
  ヽ:::::::::/     `ー'    \ |i
   ):::::/         ヽ !l ヽi

   (   丶- 、       しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ       ∑ l、E ノ <

小鳥「ほら……響ちゃんも私の後ろに隠れてないで…」
響「……」ヒョコ
響「く、くすりもらったんだ……小麦粉みたいな味のする」

P「なんともなかったんだろう? よかった」ハァ

響「ごめんなプロデューサー」
響「もうじぶんは平気だから」

P「そうか……じゃあ、いつまでも音無さんの背中から顔だけ出してないで、出てこい」

響「ひっ、ひとつだけ約束してほしいんだ」
P「? なにをだ」

響「その……ぷ、プロデューサー」
響「じぶんがまた変になったときは……その、」

響「思いっきり抱き締めてほしいなって!」
響「小鳥がそれが一番の特効薬だって……」チョンチョン

P「そうか……そんな事でよければ喜んでやるよ」

響「本当かっ?」パァッ
響「で、でも抱き締めるって……」

響「……ぁ」カアァ

P「! はやく抱き締めないとっ、こっちに来い響っ!」

響「ち、違うんだやっぱりじぶん出来ないぞーっ!!」ワーン

すみません、ちょっと朝飯食べてきます。よければ少々の仮眠も……

――…
 765プロの事務所は、数年経っても代わり映えのしない内装で……本当に売れっ子アイドルが何人も所属しているのかと、勤めている俺ですら疑問に思ったりもする。
 湯沸し器も、冷蔵庫も長年愛用しているもので……ここ数年で買い換えた物のリストを挙げるにしても、片手の指の数だけで間に合うだろう。
 机も、ソファーも、アイドル達からは長年慣れ親しんだ家具を新調しようという提案は無く、色落ちしたり軋む音がしたり……これらを見聞きすることで初心を忘れずにいられる――そういうことにしておこう。
 買い換えた数少ない物のうちの一つが、TVである。
 出演した番組の録画は、ダメ出しなどに使うため頻繁に使う。となれば、少々値段が張ろうとも、仕事に使うためならアイドル達に良いものを。そういう思いで、ウチとしては大分に奮発した大きいサイズの物が壁際に設置されている。
 レッスン用のスタジオから離れ、一人事務所に戻ってきた俺は、扉を開けると同時に聞こえてくる音が例のTVから発せられているものだと気付いた。

P「誰か戻っているのか……」

P「おっ」

真美「あっ、兄ちゃん!」

P「真美、ご苦労様。どうだった仕事の方は?」

真美「美味しかったよ」ニコッ

P「聞きたいのはクレープの感想じゃなくてな……」タラ

キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!

P「真美がTVを点けているということはゲームでもやっていたのか」チラ

真美『兄ちゃんっ、あ~ん』
P『……あ、あーん…って、恥ずかしいな。はは』

真美「前に皆で旅行に行ったっしょ、温泉旅館」

P「ああ……あの時撮ったやつか…はは、そうだ宴会で真美が食べさせてきた時のか。懐かしいな」

P『じゃあ、俺も真美にお返しだ。ほら、あーん』
真美『あ~んっ』パクッ

真美『おいしーっ、ねえねえ兄ちゃん、真美と結婚したら毎日食べさせてあげるねっ?』ニッ
P『はは、それは助かるな』

P「あったな、このやりとり」ハハ

真美「……もう、この冗談も言えないね」

P「? ま、まあそうだな」

真美「そうだっ、久しぶりに兄ちゃんにあーんしてあげるっ」
真美「プリンがあるんだ~っ、へへーん」

P「お前は成長したと思えば、また子供みたいな事を……」

真美「鞄は……っと」
真美「ほら兄ちゃんも来てっ」

P「まあ、たまには良いか」

真美「ほらほら、美味しそうでしょ? ここのプリン人気で、いつも並ばないと買えないんだよ」

P「どうやってその人気があるプリンを手に入れたんだ? 仕事あっただろう」

真美「今日いた店っていうのがねぇ、このプリンを売っている店だったんだ。だからお土産に貰ってきたの」
P「そうか。それじゃあありがたくいただくとするよ」

真美「はいっ、あ~んっ」

P「あー… 律子『千早、アナタはなにか飲む?』

P「!?」
真美「兄ちゃんここっ!」

千早『でしたら私はお茶を……』
千早「……?」

律子「どうしたの?」

千早「電気が点いていたので、既に誰かがいると思っていたのですが……」

――…
真美「思わず隠れちゃったよ……」

P「……掃除用具入れなんて、俺一人でも狭いくらいなのに二人もよく入ったな…、というか出るぞ」

P「狭くて身動きがとれないぞ……」

律子「真美の鞄があるわね……あの子、また驚かそうとしてどこかに隠れてるわね…ツメが甘いのはいつものことだけど」

千早「律子、窓際に食べかけのプリンがあるけど」

律子「……ははーん、なるほどねえ…帰ってきたから急ごしらえで……そこの掃除用具入れにでも隠れたってところか」

――――
真美「(いま二人で抱き締め合ってるところを見つかったら大変だよっ兄ちゃん)」

P「(いや正直に話しをしよう、真美)」

律子「用具入れって上に中を覗く隙間があるから一発でバレるのに……敵ながら晴れないわね」ハァ

真美「(やばっ、兄ちゃんっ頭さげてっ!)」

ムギュッ

P「(っ……)」
P「(流石に胸に顔をうずめてる所なんて見られたら、冗談でもマズいぞ……)」

律子「ほら真美ーいるのはわかってー……」
律子「……見えないわね」

千早「しゃがんでいるとか」

律子「いや、プロデューサーの鞄もあったから二人一緒に隠れていると思ってさ」
律子「この狭いスペースでしゃがむなんて出来ないじゃない。まず」

千早「まあ……そうね」

律子「……まあいいわ。どこに隠れているのかはわからないけど、お腹が減ったら出てくるでしょう」

千早「真美だって高校生なんだから、いつまでも子供じゃないと思うけど」

律子「甘いわねぇ千早は……」ヤレヤレ
律子「そんなんだと。プロデューサーだって浮気に走ったりするかもしれないわよ?」

千早「……まさか、それはないと思うわ」

――――
P「(完全に、出ていけるような雰囲気じゃなくなった……)」
P「(真美の胸に沈んでるから外の様子は伺えないし……いま動いたら確実に音が鳴る)」

真美「(兄ちゃん……あまり、息すると胸元が蒸れるから…少し息止めて)」

P「(死ぬぞ俺っ!?)」

P「(体感的に、高1くらいの時の春香と同じくらいの大きさか……そっちも体感したことはないが)」
P「(まあ成長ってやつは本当にわからないものなんだな……感慨深い)」

律子『財布はどっちが握ってるの?』

P「っ……」

千早「口座はバラバラだけど……生活費は全部プロデューサー持ちで」

律子「ふむふむ、家賃は?」

千早「家賃だけ折半で、自分が払うわけではないから、買い物も逆に気を使って……」
千早「苦ではないわ。それは本当」ニコ

P「(そうか……そんな風に思っていたのか)」

律子「でも、いくらプロデューサーだからって。男なんだから浮気には注意するべきよ」

千早「プロデューサーにかぎって… 律子「甘いわね。このプリンよりも甘々な考えよ」パクッ

真美「(あ~っ、真美のプリンーっ!)」
ギュウッ

P「(ま、真美っ挟むなっ、息が……っ)」

律子「プロデューサーってさぁ、絶対押しに弱いじゃない」

千早「……そうかしら」

律子「絶対そうよ、優しさと優柔不断を履き違えるタイプね」
律子「もしかしたら、もう何人かに手を出されていたり……っ?」

P「(律子……他人から言われると、たしかにそうなのかもしれない)」
P「(しかし絶対に浮気は……)」

律子「それに、どこからが浮気だとか思っているんだろプロデューサーは…」
律子「……キスからはもう浮気よね」

P「(…………)」

千早「……そうね」
千早「キスは……浮気よね」

P「っ」

真美「(兄ちゃん、汗だくだよ……大丈夫?)」

P「(今の状態は傍目から見て浮気なのだろうか……)」タラ

律子「お金と……女、後はギャンブルは?」

千早「ギャンブルはやらないみたいです……」

律子「一人の時は、パチンコとか競艇とか行ってるんじゃない?」

千早「本人が興味ないと断言していたので……」

律子「酒癖悪いとか?」

P「(お前はどれだけ俺を悪人にしたいんだよ……)」

千早「お酒は晩酌に一杯やるくらいで、煙草も吸いませんし……」

律子「聞けば悪いところは無さそうね……女難の相以外」

P「(いつ女難の相が発覚したんだ)」

律子「それと、ぶっちゃけるとプロデューサーのお給料の話だけど」

千早「……はあ」

P「(今すぐ出ていってスパーンッとツッコミを入れたい……)」

真美「(兄ちゃん……真美、熱くなってきた…)」ハァッ

ボロカスに言って千早が失望したところで横からかっさらう作戦か
汚いなさすがりっちゃんきたない

律子「給料の話はしたの?」

千早「……Pさんの方から教えてくれたので」
律子「幾らって聞いてたの?」

千早「……律子は知ってるのよね」
律子「ええ」

千早「……年収400くらいだって」
律子「……ほぉーほうほうなるほどねぇ」

P「(なにかおかしいのか……)」
律子「ボーナスの分が入っていないわね」

P「」ブッ
P「(ボーナスはどれくらいでるかわからないしな……)」

千早「……それがどうかしたの?」

律子「……はぁ~」
律子「わかってないわね千早。765プロのボーナスは平均、2~3ヶ月分」
律子「夏と冬を合わすと500は固いじゃない」

千早「ボーナスは男の人のお小遣いみたいなものだと……話に聞いたので」

律子「あー甘い甘いっ、そんなんだと趣味の物がたまっていくのよ……」
千早「本人が満足なら良いと思うわ……?」

P「(千早……)」グスッ
P「(律子はなにがしたいんだ……?)」ハァ

律子「私はね、なにもプロデューサーが憎くて言ってるわけじゃないの」

P「(本当か……?)」

律子「女関係については当人同士でしか話し合えないけど…」
律子「……まずはお金ね」

律子「他の女ならいざしらず、千早なら任せられるわ。財布の紐は千早が握りなさい」

千早「そんな……ただでさえPさんがお金を出してくれているのに」

律子「けっこん」

千早「……」

律子「ゆくゆくは結婚だってするんだろうし、貯金だってしておかないと」

千早「でも、気は進まないわ」

律子「とにかく。のむ・うつ・かうは男に好きにさせられないわ」
律子「帰ったら、お金の事について話し合うべきね。そうしなさい」

千早「……」
千早「……考えておくわ」フゥ

――――
真美「(兄ちゃん……真美、もう…だめ……)」

P「(待てっ、いま律子が鞄の紐に手をかけたからもう少し耐えてくれっ)」ムギュー

ガチャッ
真美「あーっ熱いっ!」

ガチャンッ

律子「真美!?」
千早「……やっぱりロッカーの中にいたのね」

真美「ふえぇ、み、水~律っちゃん水をおくれぇ~」

律子「こんなに汗だくになって……どうして谷間が汗ばんでるってレベルじゃないじゃない……滝?」

千早「真美、水よ。飲んで」
真美「千早お姉ちゃんありがとう……ごめんなさい」

千早「? どうして謝るのかしら」

ゴクッゴクッ…

真美「っぷはぁ~! 生き返りますなあっ!」ク~

律子「ねえ真美、プロデューサーは一緒じゃないの?」

真美「えっ?」
真美「あっ、プロデューサーならコンビニに行ったよ、うん。あははは……」

千早「コンビニにしては遅いのね……?」

――――
P「(か、間一髪だった……)」ハァ

真美「二人ともいま帰るところ?」

律子「プロデューサーのスーツを置きにきただけだから……」
千早「私が家まで持って帰っても良かったんだけど」

律子「ダメよ。会社でクリーニングに出します」
律子「伊織の給料から天引きしてやろうかしら……」ハァ

真美「じゃあ三人で帰ろうよっ」

律子「それなら送っていくわ」
律子「千早も……乗ってく? プロデューサー来るまで待ってる??」

千早「……お言葉に甘えようかしら」
千早「いい? 律子」

律子「勿論っ、帰り道にも話したい事は多々あるからね」ニッ

千早「そ、そう」

――…
キィ…

P「……や、やっと出られた…」
P「……はぁ、俺も帰るか」

ガチャッ
『あっ、プロデューサー……って、どどど、どうしたんですかプロデューサーっ』アタフタッ

P「……み、水…」

ゴクッゴクッ…
P「……ぷはぁっ…」
P「た、助かったよ雪歩……」

雪歩「よかったぁ、私……プロデューサーが病気かと思って…」グス

P「心配かけてごめんな……」
P「おかげで落ち着いたよ…」フゥ

雪歩「ぷ、プロデューサー……汗かいてますよ?」
雪歩「こ、このままだと風邪ひいちゃう…っ」アセッ

P「替えなら置いてあるから、とにかく落ち着いてくれ雪歩」

雪歩「は、はい……」
雪歩「すぅ……」

雪歩「はぁ……」

雪歩「……落ち着きましたぁ」ハァ…


――……雪歩は、当初の売り出し方である清純派アイドルとして成功し、CMにドラマにと大忙しだ。CMの量だけでいえば美希と良い勝負だろう。
 雪歩が一番変わらないか、それは雪歩がやはり芯はしっかりしていたという事でもある。これまでに大きな壁にぶつかる事は数あったが、苦戦しながらも乗り越えてきた。
 意思薄弱に見えて、意思が固い。頑固ではないが、こうと決めたら主張は曲げない。意思の強さは765プロの誰もが認めるところだ。
 男性ファンからの人気が一番高いのは、間違いなく雪歩。気持ちは俺もわかる。

ヤクザの娘さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!

10時からMXにあずみん降臨

雪歩「プロデューサーは家でなにしてるんですか?」

P「なにって……翌日以降のスケジュールを確認したら、後は一杯呑みながら話したりTVを見たり……」

雪歩「千早ちゃんと、どういう話をするんですか? ちょっと想像出来なくて……」

P「どんな話か……その日あった仕事の話をしたり」
P「バラエティが映っていたら、俺が見ている横に座って一緒に見て…」

P「……765プロの誰かが映っている番組があれば、それを優先して見るし」

雪歩「……なんだか、熟年の夫婦みたいですね…仲良しそうで良かったです」

P「TV番組といえば、雪歩。いま出演しているドラマ、この時代に30%超えなんてすごいじゃないかっ」
P「雪歩の演技も、自然で……見ている人間が引き込まれていくような、そんな素晴らしい演技だ」

雪歩「そんな……」
雪歩「……う、嬉しいですぅ」ポッ

P「CMも出てるし、稼ぎ頭になにかしてあげたいな……」フム

P「そうだ、そういえば今日ファンシーショップに行ってな」
P「雪歩に似合いそうなアクセがあったんだ。それをプレゼントさせてもらうよ」

雪歩「プロデューサーから、プレゼント……?」
雪歩「どうしようっ、わわ私は、嬉しいですけどプロデューサーさんには恋人がいて……」

P「ただのプレゼントだ、そう重く受けとるな」
P「にしても、雪歩には今までなにも渡してなかったのか」

雪歩「はい……正直、皆が色々貰ってるの見て、いいなぁとは思っていたんですけど…」

P「……それはわるいことをしたな」
P「じゃあ他にもなにか……」

雪歩「ぷ、プロデューサー……っ」
雪歩「私からお、お願いがあるんです!」

P「顔真っ赤だぞ雪歩っ、とりあえず深呼吸だ深呼吸をしろ」アセッ

雪歩「そ、そのっ」

P「あ、ああ」

雪歩「あ、赤ちゃんっをっ……っ」カアァ

P「赤ちゃん? プレゼントに赤ちゃんが欲しいのか??」

雪歩「ちっ、違いますぅ! 会社で働いてる若い人がご結婚なされて……」
雪歩「赤ちゃんが産まれたのでお祝いに……って」クラクラ

P「息継ぎを忘れてるぞっ」
P「それで、俺はどうしたら良いんだっ?」

雪歩「わ、わたワタシと一緒にベビーグッズを買いにいってやってくださいっ!」カアァッ

P「よ、よくドラマで男相手に演技出来ていたな……顔から湯気が出る勢いだぞ」
P「だけど、なんだ。お安いごようだ俺でいいなら力になるよ」

雪歩「ほ、本当ですかっ!?」
雪歩「よ……よかったぁ」ヘタ…

P「久しぶりでも雪歩のこのペースに合わせるのは大変だな……」ハハ

P「そうなると、先伸ばしには出来ないな……」
P「どこか空いてる日は……」ペラ

P「この日は連休があるな、行くならどちらかにするか」
P「よし、詳しい日取りが決まったら俺の方からメールを入れるから」

雪歩「は、はいありがとうございますっ」ペコッ

P「どうする? 送っていくか」

雪歩「あっ、近くに迎えが来ているはずなので……」

P「そうか、気をつけてな」ニコ

雪歩「はいっ、プロデューサーもお疲れさまですっ」ニコッ

――…
P「なんだ……いま走っていった車。すごかったな…」

P「……あんな高級車、一度でいいから運転してみたいな…」ハハ

P「雪歩は……姿が見えないが、もう迎えの車が来たのかな…」

――……いま住んでいる賃貸は。立地条件が良さそうで、間取りは日当たりだけを重視した2DK。
 長く住むつもりは無いので、特別真剣に選んだ訳ではないが……引っ越す予定も無いし、ある程度事務所とも近いので住めば都というやつだ。今となっては心安らぐわが家である。

――…
P「相談したいこと?」

千早「はい……今話すことじゃないと思いますが」
千早「言いづらい事なんですけど……」

P「(……ああ、なるほど…律子がなにか言っていたな……)」

千早「その……あ、赤ちゃんについて…」

P「赤ちゃん?」
P「(俺たちの……? いや、赤ちゃん以前になにもしていないし…)」

P「(ああ、雪歩のことか)」
P「千早も聞いていたのか」

千早「えっ、Pさんも言われたんですか?」

P「ああ、ついさっきな」

千早「そうでしたか……てっきり、私にだけ伝えたのかと」

P「調べたら、今度の連休は近い内にあるらしいからな…」
P「……その連休の時に良ければ、って思う」

千早「えっ? あの、え?」

P「あまり遅いのもな……こういうのは早めにやるもんだ」

千早「ぁっ、あのっ」
千早「その……Pさんがそこまで考えていたというのも、驚いています」

千早「そ、それに連休って……あの約束していた連休ですよね?」

P「ああ。その連休が一番だ。それ以降はちょっとな……」

千早「さ、さすがに……何年後になるかはわかりませんが、アイドルとして頑張りたいので…」
千早「あ、赤ちゃんは置いておいて…」

千早「その……」
千早「ムード次第とは、思っていたんですが……」カアァ

P「?」
P「千早がここまで顔を赤くするのも珍しいな……」

千早「その……律子に…?」

P「……?」
P「ああ、やっぱり気づいていたか」

P「(金の話だよな……給与明細や年末調整の紙、どこに閉まったかな)」
P「今は見せられないけど、ベッドに行った時にでも寝ながらゆっくり語ろう」

千早「えっ、直接言うものなんですか? でも、さっ、さすがに心の準備が……」ハラ

P「明日で良いなら明日するぞ」

千早「ち、ちょっと待ってくださいPさんっ、ちょっと、ちょっと待って……」グルグル

千早「れ、連休……最低でも連休まで、時間がほしいといいますか…」カアァ

P「まあ、千早がそう言うなら……」

――…
P「? 今日はやけに遠いな、そこからTV見づらいだろう。隣に座らないのか?」

千早「ぃっ、いえ……こ、ここで結構でし…」カァ

結構でし×
結構です○

――…チュンチュン
P「ふわぁ~あ」

千早「……」

P「おはよう千早」

千早「……おはよう、ございます」

P「目にクマが出来てるぞ……寝つけなかったのか?」

千早「は、はい」
千早「もしかしたら今日という可能性も……と、緊張して…」ウト

P「? 今日は俺が送ってやるから。支度したら車の中で寝ていていいぞ」

千早「……ありがとうございます…あふぅ」

P「?」

――…ブロロロロロロロ…
P「……」チラ

千早「……」スゥ

P「……たまには、いいなこういうのも」

千早「Pさん……名前は…どうしますか……」ムニャ

P「……どんな夢を見ているんだ」タラ

P「芸能記者との面会があるので、千早は残していきますね」

小鳥「はい。お任せくださいね」ニコッ

P「ありがとうございます音無さん」
タッタッタ…

小鳥「頑張ってください~」パチパチ

――…
P「……大丈夫か?」
P「あっ、あずささん!」

P「迷わずに来れたんですねっ」

あずさ『お待たせしました~』

P「やっぱり、タクシーで来るのが一番安全だな……よし」

あずさ「あの……プロデューサーさん。実は…」

P「はい? 今日は写真撮影と……」

あずさ「あらあら、聞こえていないのかしら……」

P「それで、まだこの後も……」

P「お疲れさまですあずささん。では次の現場に向かいましょうか」

あずさ「はい……」
あずさ「あと、プロデューサーさん?」

P「はい? すみません、いま着信が入ったので後で……」

あずさ「まあ……お仕事の電話なら、仕方ないわよねえ」

――…
あずさ「あのー……プロデューサーさん」

P「はい? すみません、聞くのが遅くなって」

あずさ「いえ……プロデューサーさんもお仕事を頑張ってますから…偉いと思います~」

P「ど、どうも」

あずさ「それで……お話というのは…」
あずさ「……春香ちゃんがらの伝言で…」

P「春香から?」

あずさ「はい。足をくじいちゃって、病院に向かう都合で……。おそらく間に合うとは思うんですが…午後にある仕事の方、もしかしたら遅れるかもしれない。とのことです」

P「そうですか……病院に駆け付けてやりたいけど、まだ仕事の方は抜け出せないからな…」クッ

P「どこかで抜け出せるか……いや…」

あずさ「……」
あずさ「プロデューサーさんは本当、偉いですね」ニコッ

P「え?」

あずさ「私なんか、自分自身の管理も大変なのに……プロデューサーさんは765プロの皆の面倒を見て…」スッ

P「今は、律子が慣れてきたというんで、竜宮小町以外もたまに見てくれますから……」

あずさ「そうですねえ……今日みたいな一人の時は、律子さんではなくプロデューサーさんが見てくれますし…」

あずさ「プロデューサーさんは、運命の人について、どう思いますか?」

P「運命の、人……ですか」

あずさ「はい」ニコ
あずさ「運命の人は、必ず結ばれるから"運命の人"なのでしょうか……それとも」

あずさ「叶わない恋でも、それは運命の人と言えるのでしょうか……?」スッ…

P「あ、あずささん……?」

あずさ「はい……」ニコッ

P「少しだけ、離れてほしいんですが……」アセ

――……あずささんは、年齢を重ねても変わらず若々しいまま、張りと艶のある美貌を保っている。
 それどころか、年を追う毎に若くなっていってるような錯覚に陥るほど、あずささんは美人で。やはり美少女であった時の彼女が垣間見える。……訂正、今でも十分美少女です。はい。
 なんといっても目立つのは豊満な胸なのだが、こればかりは美希も、貴音も敵わないのではと思う。
 圧倒的存在感と、圧倒的質量を感じさせるそれが……今、目の前で揺れている。

P「俺が思うに……」
P「"運命の人とは必ず結ばれる"というのは少し、違う気がするんです」

あずさ「……」

P「運命の人が幸せになるために身を引く。そういう時だってあると思うんです」
P「結ばれなかったら結局、その人は運命の人じゃない……その考えは、悲しいです」

あずさ「……そうですねえ」ニコ

P「だから。俺の答えは…… あずさ「プロデューサーさん」

P「?」

あずさ「私、プロデューサーさんのこと……好きですよ」クス

P「っと、その……あまりからかわないでください」ハハ

あずさ「……でも、そうですねぇ」
あずさ「それでも……私は、運命の人と結ばれたいと思います」

P「それは……当然だと思います」ジリ…

あずさ「プロデューサーさんにとっての運命の人は、見つかりましたか?」

P「運命の……人がいるなら、俺は見つけたとハッキリいいます」

あずさ「……そうですか」ニコ
あずさ「運命の人にとっての、運命の人は……必ず両想いなんでしょうか」
ムニッ

P「っ、あずささん? 俺の手に当たってます……」

あずさ「私にとっての運命の人。けど、その運命の人にとっての私は、本当に運命の相手なのかな……と、考えたりもしちゃいます」スッ

P「……そういう考えも、ありますよね」ホッ

あずさ「ええ」ニコ
あずさ「なので、改めて。これからもよろしくお願いいたしますね。プロデューサーさん」フフ

P「あ、はは……こちらこそ、よろしくお願いします。あずささん」タジ

はるるーん

『本番10分前でーすっ!』

P「」ビクッ
P「あ、あずささん。もうすぐ本番ですよ」

あずさ「あらあら、大変……急がないと」
あずさ「では……プロデューサーさん、ごきげんよう」ニコ

P「が、頑張ってくださいね」フリ…
P「……」フゥ

P「次、は……そうだ、春香のところに行かないと」

――…
P「『病院に着いたぞ』と」ピッ

P「……」

『CHANGIN' MY WORLD!! 変わる世界輝け~♪』

P「……」ピッ
P「『いまロビーにいます!』か」

P「……よし、俺が不安な顔をしていてどうするっ!」パンッ

――…
春香『あっ、プロデューサーさんっ!』フリフリ

P「よう春香っ、怪我の容態はどうだ?」ニコッ

はるるんキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!

春香「捻挫の方は、すっごく痛いです。涙が出ちゃいます……しくしく」

P「だ、大丈夫かっ?」

春香「なーんて、冗談ですよ、冗談っ」ニコッ

P「はぁ……これ以上疲れるような事言わないでくれ…」ハァ

春香「元気無いですね? プロデューサーさん」

P「元気はあるんだが、疲れもあるんだ」
P「撮影の方、いけそうか?」

春香「はいっ、走ったりしない限りは支障ありません!」
春香「少し、歩くと痛いですが……あはは」

P「……今日の撮影が終わったら、また一緒に病院に来て詳しい検査を受けよう」

春香「ふぇ? だ、大丈夫ですよこれくらいっ」ニコ
P「捻挫は悪化させると、これからに影響が出る」

P「ライヴも控えてるんだ。自分の身体はもっと大事にしてくれ」

春香「……はい、ごめんなさい」
春香「でも、自分の身体を労れっていうのは、私からプロデューサーさんにも言いたい言葉なんですからね」クス

はるるーん!!!

P「どこかで転倒したのか?」

春香「家の中で……はは」

P「家でっ? どうしてまた」

春香「ちょっと……クッキーを焼いてて…」
春香「あっ、これ、プロデューサーさんの分ですっ!」サッ

P「そうか、ありがたくいただきよ」
P「それは別にして、どうして転んだんだ?」


春香「なぜかなにもないところで……ドジだなぁ私」

P「いや……そう落ち込むな」
P「怪我をしてしまった以上、するべきは後悔じゃなく、治療に専念することだ」

春香「……はいっわかりました!」
春香「天海春香! 元気出して頑張りますよっ、えい、えい、おーっ!」ニコッ

P「よし、春香の笑顔は見てる方も楽しくなってくるな」

春香「ほら、急がないと遅刻しちゃいますよ? プロデューサーさんっ!」

>>467
ありがとう

アイドルマスターSPのパーフェクトサンとワンダリングスターを買おうか迷ってる俺に一言

>>470
春香さんマジ天使

>>477
俺バカだからまだよくわかってないけどパーフェクトサンは必ず買わないといけないってこと?

>>483
いやコピペだって
自分の好きなの買えばいいんだよ

パーフェクトサンのメンツを見たまえ

>>488
何か不満でも?

>>484
そうか、安心した。
じゃあ選択はパーフェクトサンかワンダリングスターか全部か。

あと俺って本当にバカだったんだ

寝たのか…?

>>491
俺はパーフェクトサン。
ミッシングムーンもやったがやっぱり春香さん天使。

あざと可愛いところがいいんでしょうが!!

ヌシ-マダー?~チンチンw

――……天海春香といえば。と問われたなら、大抵の一般人は765プロのアイドルと答えるだろう。
 そして、765プロのアイドルといえば? と問われたならば、やはり"天海春香"と答えるだろう。 いまや、売れっ子アイドルを多数抱える765プロ。アイドルブロダクションの中でも知名度は有数のものだ。
 その765プロの代名詞となっているのは、オールマイティーに華々しい成果を残している星井 美希でもなければ、CMクイーンの萩原雪歩でもない。そして、歌姫――――如月千早をもってしても、それは敵わない。
 765プロといえば、天海春香。公然の事実として、765プロの看板アイドルとなった春香は……現在、最も"トップアイドル"に近いアイドルと言えるだろう。
 突出したなにかがあるわけではない。歌唱力、きらびやかな容姿……それだけなら、千早や美希が抜き出ている。
 しかしながら、気づけば誰もが応援し、誰もかれもに愛される。アイドルとしての"華"というものを、春香は持っている。如月千早、星井美希、萩原雪歩、菊地真、水瀬伊織、四条貴音などのそうそうたる他アイドルが一同に介するライヴ。
 その中で、センターを務めるアイドルは……間違いなく、天海春香、ただ一人。

春香『聞いてますか? プロデューサー』

P「あっ、わ、わるい少し考え事をしていた」

春香「もう……"注意一秒、怪我3週間"ですよっ?」ニコ

P「春香に言われると、説得力があるようなないような……とにかく、注意はするよ」

ブロロロロロロロ…
P「今日は、少なくとも1時間は立ちっぱなしになると思う」

春香「お仕事ですから、全力で望まないと」

P「全力はいいが、限界は見極めてほしいところだな」

春香「あはは、わかってます」
春香「そうだ、プロデューサーさん」

P「どうした?」

春香「約束していたアレ。どうなってるんですか?」

P「約束していた……アレ。ああ、アレだな。本当、感謝してるよ」
P「俺と千早の仲を取り持ってくれたのは、春香だからな」

春香「"アイドル"天海春香は世を忍ぶ仮の姿…」
春香「正体は"恋のキューピッド"こと、プロデューサーさんと千早ちゃんを結ぶ赤い糸なのです」

P「春香のイメージカラーだもんな、赤は」
P「お礼をする約束だったが……なにがいいか。なにか欲しいものはあるか?」

春香『プロデューサーさん』

P「……ちょっと無理だな」ハハ

春香「やだなー、冗談ですよ、冗談!」アハ
P「今日の春香の冗談は心臓に悪い……」ハァ

春香「あの時は、本当に苦労したんですから」

P「俺と千早、両方から相談を受けていたんだろう?」

春香「そうですよ~、どっちも"内緒にしてくれ"って言うもんだから、私もいつボロが出るかと……」

P「まあ、ボロを出したんだけどな」

春香「あ、あははー。うっかりですよ、うっかり」
春香「決して、堪えきれなくなったからバラしたとかそういうんじゃ……」アハハ

P「……とにかく、今の関係があるのは春香のおかげなんだ。ありがとう」

春香「……どういたしまして」
春香「でも、どうして私に相談したんですか?」

P「春香と千早は一番仲がよさそうだったからな」

春香「まあ……親友から受ける恋の相談は、少々辛かったですけど」

P「? そういうものなのか……??」

春香「あっ、誤解しないでくださいね」
春香「二人の仲を一番祝福しているのは、私ですから」ニコッ

P「わかっている。感謝してもしきれないよ」
P「それで、約束でしてもらいたいこと……なにか思いついたか?」

春香「そうですねぇ~」ウーン
春香「すぐに思い浮かばないので、保留ということで。良いですか?」

P「ああ、構わない」
P「それじゃあ、今日のスケジュールを再確認するぞ」

P「まず……ラジオの公開収録。そして…」

春香「……あれ?」
春香「これ……」スッ

P「ん? ああ、この前、千早と美希との三人でカラオケに行った時に撮ったんだ」

春香「へえ……最近、プリクラ撮ってないなぁ」
春香「……あはは、美希。プロデューサーさんと腕組んで前に写ってるから、千早ちゃん後ろで小さく写ってる」

P「その時は、俺も普段撮らないから苦労させられたよ……」

春香「そうだ」
春香「プロデューサーさん、写真撮りましょうよ」

P「写真? デジカメあったかな」

春香「携帯のカメラでも良いですから」

P「なら今運転中だから、着いたらでいいなら」

春香「やーりぃっ」

P「真の真似か?」

春香「一度やってみたかったんですこれ」ハハ

――…
春香「ほら、プロデューサーさんもっと寄って……」
P「あ、ああ」

カシャッ

春香「……わぁ、綺麗に撮れてる」
P「やっぱりアイドルだな。カメラ写りが良い」

春香「これ、待ち受けにしますねっ!」ニコ
春香「プロデューサーの携帯も……」ピッピッ

P「ほらほら、急がないと間に合わなくなるぞ」ハァ

『CHANGIN' MY WORLD!! 変わる世界輝け~♪』

春香「あっ、メールですよー」

P「どれ……美希か。添付メールだな」
P「ええと、『ハニーっ、新しい水着買ったから見てみてなの~っ』」

P「画像は……」
P「」ブッ

春香「もしかして結構際どいやつですか?」

P「際どいというか、アングルが……」

春香「ちょっといいですか……? わぁっ、胸のどアップ…大胆だなぁ」アハハ…

P「……まったく、美希のは危険性が高すぎる」
P「着信音も変えておくか……」ピッピッ

『大好きハニー 未来は二人カランカランって 鳴らしたいの~♪』

春香「早速、追撃メールですね」
P「今度は、なんだ……」

P「(『美希、やっぱりハニーの事大好きだから。千早さんよりも好きになってもらえるよう頑張るね?』添付)」

P「添付メールは……」ブッ
P「……だめだ、とりあえずロックかけておこう…」ピッ

春香「2枚目どんな写真だったんですか? すっごく気になる……」ムム

――…
P「お疲れさま。この後は律子が引き継いでくれるから」

春香「はい、ありがとうございましたプロデューサーさんっ」ニコ
春香「プロデューサーさん、一言だけ良いですか?」

P「……どうぞ」

春香「私、二人の仲がずっと続くことを祈ってますから」

P「……春香がそう思ってくれているかぎり大丈夫だな」

春香「はいっ! なにせ恋のキューピッドですからっ」ニコ

律子『恋のキューピッドさん、次のお仕事が待ってますよー』
ガシッ

春香「ふぇっ? えぇっ??」
春香「じゃ、じゃあまた事務所でっプロデューサーさんっ!」フリフリ

P「しっかりな~っ!」
P「……アイドルは大変だな」

――…【事務所】
ガチャ…

小鳥「お帰りなさいっ千早ちゃん」

千早「あら……みんな戻っていたのね」

小鳥「春香ちゃんと律子さん、それと美希ちゃんがまだですが」

千早「それでも、珍しいですね」

伊織「まったく、律子ったらなにが『プロデューサーのスーツを持っていくのやめなさい』よ」
伊織「いいじゃない……スーツくらい好きにしたって」

千早「それで、スーツに皺が出来ていたのね」

伊織「ひゃっ、ち……千早」

千早「? 驚かせちゃったかしら。ごめんなさい」

伊織「いっ、いやそれは別に良いんだけど……」
伊織「お、怒ったりしないの?」

千早「?」
千早「クリーニングは事務所でしてくれたし、特になにも思わないけど」

伊織「そ、そう……」

貴音『如月千早。元気そうでなにより』

千早「四条さん……ええ、調子は良いわ」ニコ

四条「……千早」

千早「?」

四条「これから待ち受ける運命……貴女には、気を強く持ってほしいものです」

千早「は、はあ」

やよい『ですからー、私はただプロデューサーとお昼寝を取りたいだけで』

真『目的じゃなくて、行為に問題があるって言ってるんだよもうっ』

千早「……どうしたの? 揉めているようだけど…」

やよい「あっ、千早さん。実はですねぇ…」
真「ばかっ、やよい!」

千早「?」

やよい「千早さんはどう思います? 私がプロデューサーと寝るのはダメなんですかぁ?」
真「っ……あーもう知らないぞ私は…」ハァ

千早「……高槻さんと、プロデューサーが?」

かぁぁぁぁなぁしぃぃぃぃぃみぃのぉぉぉぉ
むこぉぉぉぉぉぉへぇとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

やよい「そうですよぉ」
やよい「あのですねっ、仕事が終わると車の中で二人でお昼寝をですねぇ」

千早「……真は、高槻さんの事を考えて注意しているんじゃないかしら」

やよい「私ですかぁ?」

千早「ええ。高槻さんは身長が伸びても可愛…」コホン
千早「アイドルなのだから、誰かに見られたら勘違いされるかもしれないでしょう? そう言いたいのよ」

やよい「じゃあ……やっぱりダメなんですね…」シュン

千早「後部座席なら、スモークが貼ってあるし大丈夫だと思うけど……」

真「えっ」
真「い、いいの? 二人で寝てるんだよっ?」

千早「他の誰かがいる時は迷惑になるから、やめた方が良いと思うし……プロデューサーの判断に任せれば」

やよい「うっうー! それじゃあこれからもプロデューサーと一緒にお昼寝出来るんですねぇ!」パァッ

千早「ええ……」ニコ

真「……あれ、考えすぎだったのかな」

真美『そうだまこちん、この前兄ちゃんと手を繋いでデートしていたっしょっ』

真「まっ、真美!」アセッ
真「(いや待てよ、意外と大丈夫なのかも……)」チラ

千早「……デート?」

真「(あぁ、そりゃそう反応するよね……)」ガク
真「実はさあ……」ハハ

千早「人混みで離れないように、手を掴んでいたとか……?」

真「えっ」
真「……そ、そうそうっそういうこと!」

千早「ということは真美は、偶然鉢合わせた。と」

真美「そーそー、せっかく店から貰ったプリンも律っちゃんに食べられちゃうし……」

千早「あれ、やっぱり真美のだったのね」

真美「もう、兄ちゃんの息をずっと浴びていたから胸は赤くなるし。良いことなかったよぅ」ハァ

千早「……?」

真美「ずっと顔突っ込んでたから真ん中のとこ伸びちゃうし……」

千早「?」
千早「……」

千早「?」

真「おい真美。千早が状況を飲み込めていないぞ。というか私にも詳しく教えろ~」
ムギュー

真美「ふぁっ、ふぁほひんいふぁひっへ!」
真「ぷはぁっ、もう……ほっぺたつねるなんてひどいですなぁ」ヒリ

真「それより……」
千早「詳しく、聞きたいわね」ニコ

真美「ぇっ」
真美「ち、千早お姉ちゃんちょっと怖いよ……?」

千早「そうかしら? そうかもしれいわね」ニコ

真美「あっ、あの」
真美「ロッカーの中に……二人で入っていて…」チラ

千早「……」

真美「……」サアァ
真美「……隠れるためにこう、顔をむぎゅーって…」チラ

千早「……ええ」

真美「そっ、それでずっとその体勢だったから……っ」

千早「……隠れたのは?」

真美「……なんとなく…」ウル

千早「……そう」
千早「なんとなくならそういうこともあるかもね、真美だし」

真美「ご、ごめんなさい……」グス

千早「ごめんなさい、そんなに怖がらせてると思わなくて……」アセ

真「……わ、私まで怖かったよ…」

雪歩『あのぉ……私もプロデューサーから同じ事を聞いたので、間違いないと思いますぅ』オロ

真「雪歩まで涙目にならなくても……」タラ

雪歩「あっ、千早ちゃん。そういえばプロデューサーから赤ちゃんの話聞いた?」

千早「あっ、赤ちゃんの話ですって!?」

真「狼狽えてる……」
真美「すごくうろたえてるね」

千早「えっ、雪歩にも話を……え? 昨日の話??」

雪歩「うんっ昨日の話」ニコ

千早「ところかまわず話すのはどうかと思うけど……というか、後で少し注意しておくけど…」カァ

雪歩「今度の連休に……」

千早「っ、そ……そんなことまで話し…」パク パク

雪歩「……?」

律子『なに? なんの話??』

雪歩「律子さん、赤ちゃんの……」

律子「ああ、昨日の……赤ちゃんの話ね」

雪歩「律子さんも聞いていたんですか?」

律子「聞いていたというか言いだしっぺというか」
律子「とにかく、先の話だし……笑い話みたいなものよ」

千早「えっ」

律子「もしかして……話したの?」

千早「ええ……」

律子「優先順位的に考えたら……もしかして、お金の話?」

千早「それどころじゃなくて……」カァ

律子「……」ハァ
律子「お金の話を先にするべきじゃない」

雪歩「あのぉ……お金は勿論私が出しますけど…」

千早「ぇ、どうして雪歩がお金を出すの?」

雪歩「だって……私の話だし…」ビク

千早「?」

律子「……どうやら話がこんがらがってるみたいね」フム

千早が黒くなるのか否か…

はよ続き

――…
千早「なるほど」ハァ
千早「雪歩の会社の従業員に赤ちゃんが……」

雪歩「ご、ごめんなさいっ私が余計な事を言ったばかりに……こうなったら」
雪歩「穴掘って埋まってま… 律子「はいストップ。何回事務所の床に穴を空けるつもり? 雪歩」

雪歩「だってぇ……」シク

千早「とにかく。この話もなんとなく理解したわ」
千早「よく考えると全部誤解みたいだし……」

千早「感情的になる前に、よく話し合った方が良いというわけね」

律子「そうそう。大事よ? それ」

千早「ええ。Pさんの場合は往々にして誤解…… 美希『たっだいまなの~っ!』ガチャッ

千早「……美希」

美希「……あ」
美希「……こんばんはなの。千早さん」ニコ

千早「美希、今日の生番組良かったわよ」

美希「ありがとうなの」ニコ

美希「千早さんは、ちょっと表情が固かったかな?」

千早「自分でも思っていたわ……やっぱり固かったんだ」
千早「あ、それと美希。新曲のデモテープ聴いたわ、美希と合っていてすごく良いと思う」

美希「ミキも千早さんのデモテ聴いたよ?」ニコ
美希「明るめの曲だから、ちょっと千早さんには合わないかも」ウーン

千早「それは……そのために歌う表現の幅を広げてきたから」

美希「そう……あっ、律子さんミキにも飲み物欲しいの~」
美希「あと、やっぱりハニーにはミキの方が合うって。ミキは思うなー」クス

千早「……それは、なにが言いたいのかしら」

普通に美希が千早に刺されそう

美希「言葉通りの意味だよ?」
美希「ハニーも、きっとミキの方が好きになるって。ミキは思うの」ニコ

千早「……前にも言ったと思うけど」
千早「美k 美希「"ミキが思うならそうなんでしょ、ミキの中では"……だっけ?」

美希「ミキ、それは違うと思うなぁ」クス

千早「……この話はこれでお終いにしましょうか」

美希「千早さんは、ハニーが愛してくれるから好きなの?」

千早「……美希。もうやめなさい」

美希「ハニーも、ミキの大好きって気持ちを何回も受けたら、きっと……ミキのこと好きになってくれると思う」

千早「……」

美希「だから……」ニコ
美希「千早さんとは恋のライバルでもあるの」クス

美希「あー律子……さんっ、ミキの分は~?」

千早「……」
千早「(あそこで怒らない私が……間違っているのかしら…)」グッ

千早「美希」

美希「? 千早さんもジュース飲むの??」

千早「……やめて」

美希「……なにを?」ニコ

千早「プロデューサーの事を諦めt 美希「イヤだよ」

千早「っ」
美希「ミキは、ハニーが好きなの」

美希「千早さんよりも……ずっと、ずっと…大好き」キッ

千早「……っ」

美希「好きな気持ちを諦めろって、そんな残酷な事を言うんだ?」
美希「千早さんは、諦めろと言われたら、諦められるのっ?」

千早「ミキ……」

美希「……」

千早「……」フイ

美希「……千早さんの気持ちはその程度って、ワケ」
美希「ごめんね? 千早さん」ニコ

千早「…………」ギュッ…

千早「……帰ります」

小鳥「あっ、千早ちゃんっ」

律子「ちょっと、千早っ!」

ガチャッ…

ガチャンッ!!

――…シーン

律子「……美希ぃ、後で謝りなさい」

美希「えっ? ミキが悪いのっ??」

真「当たり前だろ、美希が悪い」
伊織「さすがの私もドンびきよ……」
真美「ミキミキー、はやく謝った方がいいよぉ。千早お姉ちゃん、怒ったら怖いよ……」
貴音「"恋は仕勝ち"とはいいますが……友との縁を絶つような仕様は、賢くありません」
雪歩「どっ、どっちもコワかったよぉ……」ヒック

美希「……うーん」
美希「それでも、ミキは諦めないけど」

――…
千早「……飛び出してきちゃった…」
千早「……」

千早「明日、顔出しづらいな……」ハァ

千早「車……」
千早「……Pさん、帰ってきてるんだ」

千早「……そうよね」
千早「信じているから、心配する必要なんてない」

千早「それでも美希には、自重してほしいけど……」

ガチャッ

千早「……ただいま」

ザアァァ…

千早「……お風呂に入ってるのかしら」
千早「じゃあ先に夕飯の支度を……」

『大好きハニー 未来は二人 カランカランって 鳴らしたいの~♪』

千早「」ビクッ
千早「……Pさんに来たメールね」

千早「……着信音、変えたんだ…」

千早「……今の曲は美希の"ふるふるフューチャー☆"」

千早「……深い意味は無いわよ、きっと…」

『大好きハニー 未来は二人 カランカランって 鳴らしたいの~♪』

千早「……誰からかしら」トントン

『CHANGIN' MY WORLD!! 変わる世界輝け~♪』

千早「? 着信音を変えたんじゃないの……」

千早「……ということは、さっきの曲だけ特定の…」

『大好きハニー 未来は二人 カランカランって 鳴らしたいの~♪』

千早「……誰か…」

千早「……Pさんは、やましい事は無いから中身を見ても良いって言っていたけど…」
千早「……ごめんなさいPさん。画面に表示される名前だけ…」

千早「ええと……」スッ
千早「っ」

千早「春……香? とPさん…」

千早「待ち受けは、私と映ったものだったのに……」

千早「……ぁっ」
千早「画面に触っちゃっ…」

千早「……『オートロック 解除番号を入力してください』…」

千早「……え?」
千早「……」

P『ふぅ~、あれ?』
P「帰ってきていたのか。どうだ? 千早もすぐに入るか」

千早「……Pさん」
千早「着信音、変えたんですね」

P「? ……あー、そういえば。美希のやつをな」

千早「……そう」
千早「待ち受けは……」

P「ああ、春香が弄ったんだろう。後で戻しておくよ」

千早「貴方が悪ぶれないから、どういう気持ちになれば良いのかわからないです…」
千早「……あとごめんなさい、携帯の画面に触れたらロックの表示が」

P「っ、中を見たのか!?」

千早「ぇっ?」

あざとかわいいこそ正義

P「ちょっ、ちょっと貸してくれ」

千早「なにか……都合が悪かったんですか?」

P「いや、そういうわけではないんだが……」

千早「……すみません、ロックnoは…?」

P「……1123」
P「特に深い意味は無いんだっ、ただ千早に見せるには問題があるだけで」

千早「1123……」
千早「美希の、誕生日です、ね…」

P「落ち着け千早。それはたまたまその時話題に美希が上がっていただけであって……」

千早「……きっと、また勘違いなんですよね」
千早「Pさんが誤解されやすい人だというのはわかってますから」

千早「……ひっく」

P「わかっているのに泣くなっ、というかごめん本当にごめん。謝るから千早。本当にごめんなっ! このとおりっ!」

健気な千早もええなあ

千早「……美希が、Pさんへのアプローチをやめる気は無いって」

P「アイツ……まったく」ハァ

千早「私は、Pさんの事を理解して、何かあれば先ず話し合いをしてからと考えていて……」

P「ああ、千早は理解があるから……大分救われているよ」

千早「けど……悲しくなって…」
千早「……今も、涙が出ちゃいました」グス

P「……千早」
P「俺は、千早が好きだ」

千早「……」

P「くさいかもしれないが、……運命の人が誰かと聞かれたら、迷わずに"如月千早"と俺は答える」

千早「……Pさん」

P「お前を悲しませてしまったのは全部俺に落ち度がある…」
P「……すぐに全てを無くす事は出来ないかもしれないが、少しずつこういう…勘違いが起きないように減らしていく努力をする」

P「……千早、俺を信じてくれ」

千早「……」
千早「……はい、わかりました」ニコ

P「その……仲直りの証というか…なんだが」

千早「……言わないで、するものだと思います…」

P「そ、そうか……」
P「じゃあ、千早」
ギュッ

千早「……」
千早「……っ…」

千早「……えへ、久しぶり。ですね」ニコ

P「」ドキッ
P「あ、ああっ、そうだな……っ」

P「……」
P「じゃ、じゃあ夕飯の支度の続きは俺がやっておくから…千早は、風呂に入ってこい」

千早「……そう、ですか」
千早「……わかりました。お風呂の方、いただきますね」ニコ

――…
ザアァァ…

P「……あぶなかった」
P「一瞬、理性が吹き飛びそうになってしまった……」ハァ

すみません朝食食べてきます……少し、仮眠をとったら後はノンストップで完結までいくので……

――…【翌日・じむしょ】

P「緊張しすぎじゃないか……? 雪歩あたりが見たら逃げ出しそうなほど、顔が強張ってるぞ」

千早「……そうでしょうか」
千早「鏡の前で何度マッサージしてみても、昨日の事を思い出すととても笑顔では……」

P「話を聞いた感じだと……逆に、他の皆が緊張している可能性だってある」

千早「そう……でしょうか」

P「今日は社長を含めた、毎月初頭の挨拶があるから全員揃うんだ。あまり情けない態度はとれないぞ」

千早「……」スゥ
千早「……はい、わかりました」

P「普段通り切り替え出来るじゃないか。流石、"如月千早"だな」

千早「……」
千早「……けど、もし…」

P「……はぁ、あまり思い詰めるn… 亜美『兄ちゃ~んっ! 千早お姉ちゃーっん! おっはよーっ!!』ギュイーン
ドンッ!!

P「わっ!」
千早「きゃっ!?」

ガチャッ!!

キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!

P「おい、亜美……」

千早「驚くじゃない……」
千早「……?」

社長『おはよう。如月君、亜美君』

P「あっ、おはようございます!」
P「すみません。遅くなって」

社長「おはよう。いや、キミも大変だねえ。はっは」
P「は、はあ」

千早「……」

春香「おはよう千早ちゃんっ」ニコ
美希「あふぅ…………おはようなの。千早さん」フワァ

千早「おはよう……春香。……美希」

春香「千早ちゃん表情が固いよ~? ふっふっふ、私がくすぐってあげようかぁ」ワキワキ
千早「はっ、春香、だめ……やめてっ」ビク

律子「こぉら、ふざけてないで。挨拶を始められないでしょ」ポン
春香「ぃたっ、もう……律子さんったら、スキンシップなのにぃ…」

美希「春香には緊張感が足りないの……あふぅ」
春香「美希に言われたくないなぁ、っもう」ヒリヒリ

千早「……」クス

春香「あ……千早ちゃん。笑ってくれたね」ニコ
千早「……ええ」
千早「……ありがとう。春香」ニコ

P「それじゃあ皆ー、並んでくれー」

ザワザワ…
社長『ええ……先月の…』
――…
社長「……であり。それが皆をアイドルとして、一層成長出来るチャンスでもある」
社長「……いいね?」

一同『はいっ』

社長「良い返事だ」ニコ
社長「これで、初頭挨拶を終わりとする」

社長「……ふぅ。アイドルの皆に見つめられると、緊張するなぁ」
P「素晴らしい初頭挨拶でしたよ。社長」
社長「そうかね? いやーよかった」ハハ

――…
P「ええと、今日のスケジュールは……」
美希「ハー、ニー、イ~っ!」
ダキッ

P「俺は既に仕事中なんだぞ、離れてくれ美希」ハァ
美希「そうなんだっ、じゃーあ、隣で見てるねっ」ニコ

千早「……」

千早「……律子。今日入れてあったボイトレなんだけど…」

美希「……」チラ
美希「千早さん、止めないの? なの」ニコ

千早「ええ」
千早「運命の人と言ってくれたプロデューサーを、信じる事にしたの」ニコ

美希「……ふぅん」

あずさ「あらあら……」ニコ

美希「じゃあ、ミキとハニーがチューしても良いってことだよね」クス
美希「ハニー、ほらチュー… P「こらこら、もうふざけるのは終わりだ」

美希「ハニー冷たいの……」ウーン
美希「……でもぉ」

美希「前にカラオケ行った時は、キス。してくれたよね?」ニコッ

P「おいっ……」

千早「……」ギュ
千早「そう。きっと、ミキから強引にしたんでしょう?」

美希「……むぅ」
美希「今日の千早さん、つまんないの」
スタスタ…

千早「美希のユーモアを分けて欲しいところね」フゥ

スタスタ…
美希「でもね?」
美希「きっと、ミキだけじゃないと思うなぁ。ハニーの事好きなの」

千早「……そう、かもしれないわね」

美希「ハニーとした事、白状するなら今なの。みんな」

シーン…

千早「……いたとして、出てこれn… 貴音「では……恐縮ながら私から」

千早「四条さん……? それに、『私"から"』というのは…」

貴音「如月千早。正直に言いましょう」
貴音「貴女と恋仲にある殿方と、口付けを交わしました」

千早「っ……」
千早「……なんと言うべきか…」

千早「……普通に、軽く落ち込みます」

貴音「されど、それは私からの一方的なもの」
貴音「あなた様は、姦引されても……決して如月千早を裏切ることは無いと断言出来ます」
P「も、勿論……そうだ」

律子「はい次の人ー!」
千早「律子!」

律子「私は、出せる膿は出した方がそれぞれのためになると思うけど」ニコ

千早「……じゃあ、いま四条さんが言ったくらいの事をした、という方は…どうぞ」

……

千早「……そうよね。流石にそうそう無… あずさ「一方的なものでも言うなら、胸を、こう……ぎゅーっ、と…」

千早「む、胸を……」チラ

あずさ「?」タユン

千早「ぎゅーっ、……と…」チラ
72~ン

千早「くっ」

真美「胸なら前のアレで、兄ちゃん谷間に顔を入れながら両手は……」

千早「聞いたわよ真美っ」
千早「両手を……のとこは知らないけど…」

美希「ミキは毎日ハニーの身体に胸をー…」

千早「美希のは、重々承知していますっ」ハァ

72~ンw

>>822
ヌシ━━━━━(゚∀゚)ノ━━━━━!!!!!
ぬしーwぬしーw   ぬしーw
  ぬしーw   ぬしーw
ヌシ━━━━━(゚∀゚)ノ━━━━━!!!!!
ぬしぃwwwww   ぬしぃwww
  コポォw ヌシ-w
 ヌシ-w  ヌシ-w
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ヌシ━━━━━(@∀@)ノ━━━━━!!!!!
ヌシ━━━━━((゚)@(゚))ノ━━━━━!!!!!
ヌシー(^q^)wヌシー(^q^)wヌシー(^q^)wヌシー(^q^)w
ヌシーw ヌシーw  コポォw

千早「……」
千早「ぁ……アナタ達…」
ギュッ

千早「っ?」

P「話は横で聞いていたが……」

P「皆、俺を茶化した結果とはいえ……千早もショックを受ける」

P「ふざけて遊ぶのは適度なら良いと思うが、こう……人を茶化したりだとか、そういうのは今後やめるように」

P「俺からお願いします」

千早「Pさ……プロデューサー」

ガチャッ

亜美『律っちゃ~ん、トイレの芳香剤。替えどこにあるの~っ?』

亜美「もう……気づいた人が取り替えるものなのに…皆まだまだ子供だなぁ」

亜美「ね? 兄ちゃん……って」

P「……亜美。芳香剤ならいつも小鳥さんが使っている収納の…」

亜美「えっ? なにこの空気っあれ? もしかして亜美いま、空気読めてない??」

P「いや、問題ない。亜美はわるくないから、な」

亜美「いやいやいやゆきぴょんのジト目なんて初めて見たよっ!?」

亜美「全員ジト目から、全員、呆れ顔に変わってるし……真美ぃ~!」
真美「……亜美、ごめん。今はフォロー出来ない…かな」チラ

亜美「どうして目をそむけるのさぁー! 薄情モノーっ!!」

亜美「これは久しぶりの対決…」ズルッ

P「亜美!」

ギュッ

亜美「ぁ……」パチパチ
亜美「ありがとう兄ちゃんっ、助かったよ~」クルッ

亜美「mっ……」

P「っ!?」サッ

亜美「……やーん、兄ちゃんとチューしちゃったぁ~」クネ
亜美「~……あれ?」

……

亜美「呆れ顔から一転、睨まれてるのはどうして…っ? 兄ちゃんっ、皆が睨んで…」クイクイ

P「いや。待て……俺も、逃げ出したいほどの視線を感じるんだ…」タラ

亜美「もしかして、なんか大事な話中だった?」

P「……一部始終を見ていたならわかると思うが、紛れもない事故だ…」

千早「……ええ」ニコ

律子「事故ならなにしても良い、ってわけじゃないと思うけど……」

P「律子っ」

P「証人はここにいる全員。そうだよな」
P「……」

P「……わざとではないといえ、自分で注意したそばから…すまなかった!」ペコッ

小鳥「プロデューサーさん、きっと……みんな、本気じゃないと思いますよー」ボソ

P「え?」チラ

真「……くく…」

伊織「なに狼狽えてるのよ。情けないわね」ハァ

一同『どっ』

P「な……」
P「なんだよ、驚かせるな……」ハァ…

亜美「え? えっ? 今度は爆笑って……意味がわからないよーっ!」オロオロ

P「……はぁ」

社長「若いねぇ」

P「社長っ?」ガタッ

社長「彼女たちは765プロの大切なアイドル達だ」

P「はっ、はい! アイドル達への、重ね重ねの粗相。大変申し訳ありません!」

社長「はっはっは。キミはわかってくれているようだから、これからも任せるよ」
社長「しかし……」

P「は……はい」ゴク

社長「複数の子に手を出すのは、プロダクション関係なく……良くない事だと思わないかい?」ニコ

P「はいっ! 心に深く刻みます!」ペコッ

――…
ワイワイ

P「……そろそろ出発しないといけないメンバーもいるのに、和気藹々と…」

千早「良いんじゃないでしょうか」クス
千早「私たちらしくて……」

P「……そうだな」
P「……そうかもしれない」ニコ

――……プロデューサーとアイドルの恋愛はご法度。業界の常識だ。
 俺は……アイドル、如月千早と付き合い…同棲している。
 この十字架を背負いでいるため、局や現場で、人とすれ違うたびに心の中で頭を下げている。それほどの事をしているのだ。

千早「プロデューサー、今日のスケジュールと……あと…」
千早「……早く帰宅出来そうなので、今晩の献立。なにかリクエストはありますか?」ボソ

P「じゃあ……ハンバー… 美希「ハニーっ、今度の連休、ミキとデートに行かない?」ギュッ

真「こら美希っ、プロデューサーの話聞いていたのかっ!」

春香「あはは……二人とも、仲良くね? 仲良く」アセ


 今後も、俺と千早にはいくつもの障害があるだろう。その数だけ、危機がある。

P「……千早。これからも、頑張っていこうな」

千早「?」
千早「……はい」ニコ


 だから、今を大事にして生きる。

 二人の同棲生活は、これから始まっていくのだから。


   <了>

エロは要らないが二人の子供が出来た
ぐらいは書いて欲しいかなって

【エピローグ】

P「千早……女風呂の方はどうだった?」

千早「……はい、とても良い湯でした」千早「Pさん、ずっとこの日を楽しみにしていましたものね……」ニコ

P「ああ……そうだな」
P「……」チラ


律子『さぁっ、ビンゴ大会の時間がやってまいりました~っ!』

一同『いぇーいっ!』

P「……予定より、大幅に人数が増えている点を除いて」

千早「はは……皆がいれば楽しいですよ」クス


 いま俺たち765プロ一行は、連休を利用して1泊2日で温泉旅行に来ている。
 元々は俺と千早の二人で泊まりにくる予定だったのだが、どこかで情報が漏れ、結局、全員での旅行と相成った。
 ……千早の言う通り、楽しいのは本当だけれど。

響「自分の出番は?」

>>893
あるわけねえだろ
獣臭えんだよ帰れ

 伝統的な老舗旅館であるの一番の見所はやはり、湯量豊富な大浴場に尽きるだろう。なんでも魯山人ゆかりの旅館だとか……真偽は定かではないが。
 隣で、季節物のタラの芽を咀嚼している千早も、勿論湯上がりなわけで。微かにはだけた浴衣から見えるうなじには、格別の魅力がある。

千早「プロデューサー、美味しいですね」

P「食事はそこまで期待していなかったんだが、これは大当たりだな」

千早「本当……素敵な旅館を選びましたね」

P「情報雑誌を見ただけだよ……確実にリピーターになりそうだけど」

伊織『ちょっとプロデューサー、飲み食いばかりしてないで参加しなさいよっ』

P「おっ、わかった今行くぞ」

千早「お酒も入っていますし、ほどほどにしてくださいね」クス

千早「ガンダムファイトォォォ!!!」
美希「レディィィ!!!」
千早&美希「ゴォォォォォォ!!!」

P「なになに……ビンゴ大会だったよな」

伊織「もうっ、デレデレしちゃって……」

P「? すまない、酒が回ってきたのか、耳が遠いんだ」

伊織「べつに……なんでも… 美希『でこちゃんは、ハニーが千早さんに夢中だから嫉妬してるのっ』

伊織「ばっ、なに適当なこと言ってるのよ美希!」
伊織「べつに……そんなんじゃないんだから…」

P「酒でも飲んだのか? 顔が真っ赤だぞ」

伊織「"湯あたり"よ湯あたりっ!」カァ

P「ずいぶん元気な湯当たりだな……」

貴音『おそらく、伊織のいうのは"湯疲れ"のことでしょう…』
貴音「湯疲れにしても、大分、元気があるようですが」

貴音「あなた様。私と一曲、"でゅえっと"をしてみませんか?」ニコ

P「歌か……貴音とは世代が違うからな…」

真「あっ、プロデューサーっ!」

P「?」

真「プロデューサーのビンゴ用紙、もうダブルリーチですよ!」

P「おっ、本当かっ?」

小鳥「目玉は特大テレビですよ~」ニコ

伊織「協賛でウチが入ってるんだから、少しくらいは良い物を用意してあげないとねっ」

亜美「兄ちゃん!」
真美「ゆきぴょんがお酒を飲んだみたいで……っ」

P「なにっ!?」

雪歩「あ、穴掘って埋ま…あ、なぜか穴がいくつも回って……」グルグル

P「すみません社長っ、二人で寝室の方に雪歩を運ん… 春香「のわわわわぁ!?」スッテーン

P「大丈夫か春香!?」

春香「だ、大丈夫ですよ、プロデューサーさん大丈夫!」アハハ

P「ええと、従業員の人を呼んで人を運ぶ用の……」アセッ

――…
P「……ただいま」

千早「雪歩、具合はどうでした?」

P「なんでもない。2、3時間寝ていればよくなるそうだ」

千早「そう……良かった」

律子『プロデューサーもこっち来て呑みましょうよーっ』

P「まったく、さっき雪歩が酒で倒れたばかりなのに」

千早「雪歩も、自分が元で皆が騒げなくなったと思えば更に落ち込みます。きっと」
千早「律子さん達も、それをわかってハシャイでいるんですよ」ニコ

P「そうか……?」チラ

響「沖縄のお酒は、こんなジュースとはワケが違うさー!」ゴクッ

あずさ「あらあら……良い呑みっぷりね」ニコ

律子「あずささんもザルだから……」


P「……そうか?」

千早「そうですよ」ニコ

P「……うーん、判断しかねるな」

P「そういえば……やよいは?」

千早「高槻さんなら……ここに」

P「?」

高槻「すぅ……すー」zzz

P「千早に膝枕してもらって……気持ち良さそうな寝顔だな」

千早「本当……高槻さんは可愛…」
千早「……可愛いわ」ニコ

P「こう見ると千早が母親みたいだな…」
P「……やよいみたいな子が欲しいな」ハハ

千早「素直で……元気な子ですね…」ナデ

P「そうだ……」
P「そういえば、赤ちゃんの話……」

千早「……ぇ?」
千早「ぁ……」

千早「あ、ありましたね……赤ちゃんの、話…」カァ

P「こういう時に、欲しくなるよな……」

P「まあ俺たちの場合、赤ちゃん以前の問題だからな」

千早「……そ、そうですね」

P「……千早」

千早「はっ……はいっ」カアァ

P「その……いま聞く事でもあるないとは思うが」
P「……心の準備ってやつは、出来たのか」

千早「こ、心の……準備…」
千早「……はっ、はい」カアァッ

千早「わ、私は……心を決め、決めま……」

千早「……した?」チラ

春香「……あっ」

千早「ははは、春香!?」

美希「もう、だからミキは言ったの。春香は近づきすぎだって」

春香「皆が後ろから押すから……っ」アタフタ

千早「ぁ……い、いまの話……」パクパク

P「……皆、すこし下がろうか」ハァ

――…
千早「……あ、Pさんも風に当たりに?」

P「ああ、寝付けなくて……」
P「というか社長のイビキが…、その前に社長と同室って気を使うんだよ」ハァ

千早「……こっちも、ほとんど皆、就寝しましたし…」

P「……綺麗な景色だな」

千早「……そう、ですね」
千早「月明かりに照らされて、それがまた美しくて……」

P「……」
P「……千早」

千早「……はい?」

P「明日、薬局に寄ってから帰ろうか……」ポリ

千早「……ぁ」
千早「……は、はい……」カァ

P「……綺麗、だな」

千早「……ええ。私も、そう思います……」

P「……また、来ような」

千早「……はい」ニコ

――…ブロロロロロロロロ…
P「……」
美希「ハニー」ボソ

P「……みんな寝ているだろう、話があるなら静かにな」
美希「薬局って、なにか美味しいものでも売ってるの?」

P「」ブッ
P「聞いていたのか……」

美希「うんっ」ニコ
美希「皆もいたんだけどなー……」
P「……は?」チラ

ビクッ モゾ… コホン… ネテイマスヨー…
P「みんな見ていたのか!? 最後の小鳥さんは狸寝入りする気あるんですか!??」

美希「ねえねえハニー。皆に聞いても教えてくれないの」
美希「薬局で、なにを買うの? なの」
ギュッ

『私たちはわからないのでプロデューサーが教えてあげてくださいねー』『今日ですか……今日なんですね?』
P「だーっ、みんな盗み聞き禁止だ!!」

千早「……」カアァ

 この後、理由をしつこく聞いてくる美希の相手にひどくてこずることになり。隣では千早が顔を真っ赤にしながら、一生懸命、狸寝入りを続けていた。
 ……今日は、薬局に行けそうもないかもしれない。顔を赤くしている千早を見て、俺はこの旅、何度目かのため息をつくのだった。

   【温泉 エピローグ】 <了>

 保守&支援ありがとうございました。
 同棲しているPと千早の今後を考えるだけで楽しいですね。二人にとっては、ここまでがプロローグだったりします。

 オマケはかなり短縮しましたが、連休の話も書いておきたかったので、満足です。
 乙です。

乙でしたー

乙!!

千早スキーの俺には堪らなかったぜ!!

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