4月1日の事務所
心「今日は何の日フッフー☆」
飛鳥「小春の誕生日」
心「ハッピーバースデー小春ちゃん! いぇいいぇーい☆」
小春「ありがとうございます~♪ みんなにお祝いしてもらえて、とってもうれしいです~」
心「これはぁとからのプレゼント♪ スウィーティーなリボンだぞ☆」
小春「わぁ~、とってもかわいい黄色のリボン~♪」
心「これお店で見つけた時、やべーいってなったんだよね~♪ 絶対小春ちゃんに似合う!って」
小春「大切にしますね~。今からつけるのがとっても楽しみです~」
心「ほんと~、ベストマッチだと思うから~。はぁとのセンスを信じてくれていいからね~♪」
飛鳥「心さん、小春の口調がうつっていないかい」
心「おっといけね☆」
小春「さっきは飛鳥さんからもプレゼントをもらえて、今日はとってもいい日です~」
心「飛鳥ちゃんはなにあげたの?」
飛鳥「あぁ。前に小春が欲しいと言っていた」
小春「緑のエクステです~♪ ヒョウくんとお揃い~」
心「へぇ、小春ちゃんエクステに興味あったんだ?」
小春「オトナっぽくてきれいだな~って」
飛鳥「フッ」←まんざらでもない
心「なるほどねー。なんなら今つけてみる? はぁと、小春ちゃんがエクステつけたらどうなるか気になるし」
小春「そうですね~、じゃあ……えっと」
飛鳥「手伝うよ。初めてはやりにくいだろう」
小春「ありがとうございます~♪」
心「仲間が増えてうれしそうだね、飛鳥ちゃん♪」
飛鳥「さぁ、どうだろうね」
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飛鳥「さ、これで完成だ」
心「おお、イイ感じじゃん☆ どう? 小春ちゃん」
小春「これが小春の新しい姿……新しいセカイの扉が開けた気がします~」
心「おー、さっそくエクステの効果が出てる」
飛鳥「心さんがエクステのことをどう思っているのか、返答次第では怒るよ」
小春「えへへ~♪」クルクル
心「とまあ、今日は小春ちゃんのバースデーであるわけですが。他には何の日でしょうか?」
小春「ん~~」
飛鳥「………」
小春「何の日でしょうか~。もう少しで思い出せそうなんですけど~」
飛鳥「……え」
小春「え……え……」
飛鳥「い」
小春「えい、えい………ご?」
飛鳥「ぷりる」
小春「あっ、エイプリルフール!」
心「小春ちゃん正解☆」
小春「やりました~」
飛鳥「ふぅ」
心「ナイスフォロー♪」
飛鳥「自分で答えるのがなんとなく嫌だっただけだよ」
小春「エイプリルフールということは……今日は嘘をついてもいい日なんですね~」
飛鳥「いぐ」
心「イグザクトリィ☆ 嘘を言っても怒られない日なんだぞ☆」
飛鳥(セリフがとられた……)
小春「でも、どんな嘘をつけばいいんでしょう……?」
心「そうだなぁ、たとえば」
心「私、本当はスウィーティーなんてくだらないと思っておろろろろろろ」
小春「わわっ」
飛鳥「自分の心に嘘をつくこと。それは時に残酷であり、熾烈な覚悟を伴うもの」
心「ごめん小春ちゃん……はぁとには、覚悟が足りなかったみたい……」
小春「エイプリルフールって、すごく厳しいんですね~……」
梨沙「そんなわけないでしょ。遊びなんだから気楽にやればいいのよ」
飛鳥「梨沙、来ていたのかい」
梨沙「たった今ね。おはよう」
小春「おはようございます~」
心「スウィーティーは遊びじゃないんだよ!」
梨沙「そっちに遊びとは言ってないわよ!」
小春「う~ん。考えてみても、思いつかないですね~、嘘」
飛鳥「まあ、無理に考える必要はないさ。梨沙も言っていたように、所詮は遊び。権利であって義務じゃない」
心「小春ちゃんは普段から素直でいい子だから、嘘つけないのかもね~」
梨沙「アタシと同じね!」
心「え?」
飛鳥「え?」
梨沙「何よその反応! アタシなんて素直が服を着て歩いているようなものじゃない!」
心「その服割と穴だらけじゃない?」
飛鳥「まぁ、普段の服装も露出が多いからね」
梨沙「そーいう意味じゃないわよ!」
小春「梨沙ちゃんは素直だと思います~。言いたいことをはっきり言ってくれますし~」
梨沙「ほら!」
心「あー、まあそれはそうなんだけどさ」
飛鳥「ひとつの言葉にいろいろな意味を持たせすぎ、というべきか」
心「あ、それだ!」
梨沙「ちょっと、勝手に納得しないでってば!」
心「まあ、梨沙ちゃんが素直かどうかは置いといて。ここははぁと達が嘘の手本を見せてあげちゃう☆」
飛鳥「そろそろPが来るはずだ。試してみようか」
心「ていうか飛鳥ちゃん、意外とノリノリ?」
飛鳥「たまには、記念日に踊らされるのも一興かと思ってね」
ガチャリ
P「おはようございます」
心「おっすプロデューサー☆ 結婚すっぞ☆」
梨沙「いきなり嘘のレベル高すぎでしょ」
小春「そういえば……エイプリルフールでついた嘘は、その年の間には本当にならないって聞いたことがあるような~」
心「離婚しましょう」
梨沙「はやっ!!」
飛鳥「芸能人も驚くレベルのスピード離婚だね」
P「なんなんだ、いったい……」
飛鳥「やぁ、P。突然だがボクは中二病を卒業することにした」
P「えっ、唐突だな」
飛鳥「考えてみれば、昨日までのボクは痛いヤツだった。物事を斜に構えすぎていて、逆にがんじがらめになってしまって……新たなセカイを見たいと願いながら、自らその可能性を狭めてしまっていた。今日からは、肩肘を張りすぎないようにするよ……もっとも、ボクらしさは失わないつもりだけどね」
P「………」
P「うん、いつも通りの飛鳥だな」
飛鳥「えっ」
梨沙「嘘を嘘と思われてないわね」
飛鳥「………」
P「飛鳥?」
飛鳥「Pなんて嫌いだ」プイ
P「なっ……!?」ガーン
P「え、エイプリルフールの嘘だよな?」
飛鳥「さぁね」
P「飛鳥~」
飛鳥「………」
飛鳥「さっきのボクの言葉……本当にいつも通りだと思った?」
P「え? ああ……うん。最初にここに来た頃に比べたら、いい意味で肩の力が抜けているし。いろんなことに挑戦しながら、それでいて自分らしさは失っていないと思うし」
飛鳥「………そうか」
飛鳥「さっきの言葉は嘘だ。撤回する」
P「よかった……」
飛鳥「騙してすまなかった。キミがボクを見捨てない限り、ボクはキミの担当アイドルだよ」
P「飛鳥……」
梨沙「なんで嘘つくだけでいい雰囲気になってるのよ」
小春「かっこいいです~」
梨沙「かっこいいの? あれ?」
心「はぁともああいう攻め方すればよかったかな……」
梨沙「ハートさんもそうだけどさ、なんでそんなにやる気満々なのよ。オトナなのに」
心「んー? そりゃあ……オトナだからじゃない?」
梨沙「え?」
心「オトナの世界にはもともと嘘や建前が多いからね~。『今日は嘘をつく日!』ってはっきり決められてる日のほうが、逆にいろいろ素直になれたりするわけよん♪」
小春「嘘の日なのに、素直?」
心「そ! 小春ちゃんもオトナになればわかるぞ~♪」
梨沙「………」
夕方
P「さて。そろそろ帰るか」
梨沙「ねえ」
P「梨沙。まだ帰ってなかったのか?」
梨沙「うん……今、誰もいないわよね」
P「? ああ……俺達ふたりだけだな」
梨沙「そっか。ならいいけど」
梨沙「えっと、その」
P「?」
梨沙「……すー、はー」
梨沙「……いつも、ありがと。アンタがアタシのプロデューサーで、ホントによかったって思ってるから」
P「………」
梨沙「………」
P「エイプリルフール……じゃないって、思ってもいい?」
梨沙「………」
梨沙「ばーか。ちゃんと騙されなさいよねっ」
梨沙「アタシ、そろそろ帰るから!」
P「……あぁ。気をつけて帰るんだぞ」
梨沙「わかってるわよ! アンタみたいなヘンタイのロリコンにこれ以上捕まったら大変だもん! そういうのはひとりで十分!」
梨沙「じゃあね! また明日!」タタタッ
P「また明日」
ヒョウくん(若いっていいなぁ)ジーー
小春「あ、ヒョウくんこんなところにいたんですか~」
ヒョウくん「ペロペロ」
小春「わわっ、くすぐったいですよ~♪」
おしまい
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
眠らない限り今日はまだ4月1日です
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