海未「私の服が…地味?」 (32)
穂乃果「でさぁ、明日は日曜日だし。練習は休みだし」
希「そうやね。えりちん家でも行く?」
凛「それがいいにゃ」
絵里「ダメよ。私は明日用事があるんだから」
穂乃果「穂乃果達と遊ぶ約束でしょ?」
絵里「違う」
にこ「またやってるわね。毎日楽しそうで羨ましいわ」
海未「にこも毎日楽しそうですよ?」
にこ「そう?」
海未「はい」
にこ「所で海未?」
海未「何ですか?」
にこ「今日の練習着…どうしたの?」
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海未「へ?練習着ですか?」
にこ「いや…いつもと違うから」
海未「ああ…いつものは乾かなかったので…」
にこ「ふ~ん……」
海未「それがどうかしました?」
にこ「まあ…別に。練習着だから地味でもいいんだけど」
海未「?」
にこ「もうちょっとお洒落に気を使ったら?一応アイドルなんだし」
海未「え?」
海未「にこ…それはどう言う…」
にこ「あ~別に…」
絵里「さあ、練習再開するわよ」
穂乃果「よーし。頑張るぞ~」
凛「テンション上がるにゃ~」
にこ「さてと。やりますか」
海未「に、にこ… 」
にこ『お洒落に気を使ったら?』
海未(そんな風に思われていたなんて…)
絵里「さあ、ペアになって」
海未「………」
ことり「海未ちゃん?」
海未「………」
ことり「おーい?海未ちゃん?」
海未(私だって…。私だって年頃の女の子なんです。そんな事言われたら…)
穂乃果「どうしたの?」
ことり「なんか海未ちゃんがボーッとしてて」
穂乃果「海未ちゃ~ん?」
海未(傷つきます…)
穂乃果「ダメだ。完全にボーッとしてる」
ことり「どうしたんだろう?」
穂乃果「じゃあ、また明日~」
絵里「明日は遊ばないから」
穂乃果「え~」
希「えりちのいけず~」
凛「絵里ちゃんのケチ~」
海未(練習中ことりが心配そうに私の事を見ていました。やはり今日の練習着はおかしかったのでしょうか?)
絵里「ケチって何よ…」
海未(しかし、落ち込んでいても仕方ありません。そうです。むしろ、ここで気がつく事が出来てよかったです。だって改善出来るじゃないですか。そうですよ!)
ことり「海未ちゃん?さっきまで浮かない顔をしてたのに。急に元気に…」
ワイワイ ガヤガヤ
海未「さて、服を売っているお店がいっぱいありますが…」
ワイワイガヤガヤ
海未「どこのお店に入ればいいのでしょうか?こう言う時一人だと心細いですが…昨日の事を気にしてるとも思われたくないのも事実…。仕方ありません。取り敢えず、あそこのお店に入ってみましょう」
店員「いらっしゃいませ」
海未「やはり、お洒落な雰囲気ですね…あっ、この服…」
店員「その服可愛いですよね」
海未「え?あっ、は、はい」
店員「良かったら試着してみて下さい」
海未「いえ…でも…まだ買うと決まった訳では…」
店員「大丈夫ですよ~。そちらでしたらインナーは…ペラペラ」
海未「あ、あの…」
店員「これを差し色に使って~」
海未「も、申し訳ありません」ダッ
店員「あっ、お客様~」
海未「はあ…はあ…緊張して…思わず逃げてしまいました。せっかく気を遣って頂いたのに…物凄く悪い事をしてしまいました」
海未「どうしましょう?他のお店に行きましょうか?」
店員「いらっしゃいませー」
海未(話しかけないでください。話しかけないでください。話しかけないでください)
店員「……」
海未「ホッ…。さてと…どの服が良いのでしょうか?この服なんて…おヘソが丸出しになってしまいますよね。お腹が冷えてしまいそう」
ガチャ
海未「あっ、これ可愛いです。これがいいです……え?40000円……」
ガチャ
海未「この服は…破廉恥です。恥ずかしいです。セクシーですが私にはとても…」
ガチャ
海未「これは…ことりや花陽が来たら可愛いのでしょうが…私には…でも、私がこれを来たら」
にこ『こないだは地味なんか言ってごめんね~』
穂乃果『海未ちゃん凄い可愛いね。見直したよ』
海未「や、やめて下さいよ~」
子供「お母さん。あのお姉ちゃん一人なのに楽しそうだね」
母親「しっ」
海未「……」カァァァ
「もう、静かにしなさい」
「だって~」
海未「ん?何やら向こうの方が騒がしいですね」
絵里「だから言ったでしょ?あなた達が勝手について来たんだからね」
穂乃果「そうだけどさぁ」
凛「クレープ食べたいにゃ~」
絵里「だったら三人で食べて来たらいいじゃない。私はここで服を見てるから」
穂乃果「やだよ。一緒に行こうよ」
絵里「何で?意味わからない」
凛「だって絵里ちゃんがいた方が色んな種類のクレープを食べれるにゃ」
絵里「そう言う事。だったら後でにして」
穂乃果「えーーー」
凛「後って何分?」
絵里「そう言う事言うなら後でも言ってあげないから…」
凛「ごめんなさい。嘘です」
絵里「全く」
穂乃果「あれ?そう言えば希ちゃんは?」
絵里「あれ?」
海未「そんな…穂乃果達も来ていたなんて」
絵里「もう、どこに行っちゃったのかしら?」
海未「どうしましょう。いっその事穂乃果達と合流するか…でも、昨日の事を知られるのは恥ずかしいですし。まあ、言わなければバレないとは思いますが…」
穂乃果「ね~、希ちゃん探しに行こうよぉ」
絵里「えー、私は服見たいのに」
凛「早くするにゃ~」
絵里「ええ~」
穂乃果「ん?」
絵里「どうしたの?」
穂乃果「あっちの方に…」
絵里「何かあった?」
穂乃果「海未ちゃんらしい人のシルエットが…」
凛「どこ?」
穂乃果「あっちだよ…」
凛「居ないにゃ」
穂乃果「あれ~?」
絵里「気のせいじゃないの?」
穂乃果「だよね。海未ちゃん今日は用事あるって昨日別れ際に言ってたもん」
絵里「じゃあ、人違いよ」
穂乃果「ん~そうか。穂乃果が海未ちゃんを見間違うなんて…。園田検定受け直さなきゃ」
凛「何それ?穂乃果ちゃん何級なの?」
穂乃果「特級だよ」
凛「え~凄いにゃ」
絵里「もう。変な事言い出して…」
凛「絵里ちゃん持ってないから悔しいんだにゃ」
絵里「な、何言ってるのよ。私だって特級よ」
海未「危うく見つかる所でした。…この店を出ましょう」
店員「いらっしゃいませ」
海未「ふぅ。慌てて入ってしまいましたが…」
店員「何かお探しですか?」
海未「い、いえ…」
店員「取り敢えずお店に入っちゃいました的な感じですか~?」
海未「は、はい。すいません」
店員「そうなんですね。ふむふむ。お客さんすっごい可愛いので~小悪魔系ファッションなんてどうかな~」
海未「小悪魔?」
店員「はい」
海未(小悪魔?悪魔ですか?悪魔って私の知ってるあの悪魔ですか?お笑い芸人みたいになっちゃわないですか?)
店員「あれ?小悪魔系はあまりピンと来ない感じですか?」
海未「え?あっ、あの…すいません」
店員「う~ん。いっその事裏原系にしちゃうとか…」
海未「ウラハラ?」
店員「それとも…キレカジとか…」
海未「キレカジ?」
店員「でも、お客さんの顔立ちだと…コンサバなんか凄い似合いそう!」
海未「こ、コンサバ?」
店員「はい。どうですか?」
海未「あ、あの…もうちょっと色々見てから…」
店員「そうですか。じゃあ、何かありましたらお声掛け下さい」
海未「は、はい」
海未「はあ…どうして、こんなにも声を掛けられるのでしょうか。そんなに困ってる様に見えてるとか…。それにしても、色々ね種類の服がありますが…」
カチャ
海未「これなんて。物凄くお洒落で私にはとても着こなす事が出来そうにないです」
カチャ
海未「これに至ってはどうやって着ればいいのでしょうか?」
海未「はあ…。お洒落って難しいです。皆んなの私服が和服ならこんなに悩まなくても良いのに…」
ことり「わ~このお洋服可愛い~」
にこ「え?そうかしら?」
ことり「可愛いよ。ね?」
花陽「え?う、うん。そうだね」
にこ「確かに良いかもしれないけど。今日はあくまでも衣装の参考を探しに来たわけでことりの好きな服を探しに来た訳じゃないでしょ?」
ことり「うん。分かってるよ。でも、このお洋服にこちゃんに凄く似合うと思うの」
にこ「え?そ、そうかしら?」
ことり「そうだよ。ね?花陽ちゃんもそう思うよね?」
花陽「う、うん。可愛いね」
ことり「だよね?」
にこ「そ、そう?だったら…どうしよう?前にバイトで貯めた貯金を切り崩して買っちゃおうかしら…」
ことり「あー、このお洋服も可愛いよ」
にこ「え?ってこれは子供服じゃない。にこは子供じゃないから」
ことり「違うよ。こころちゃんとここあちゃんが着たら凄く可愛いと思うの」
にこ「あっ、そういうこと」
海未「まさか…。ことり達まで…」
にこ「よし!私のは今度買えば良いわ。こころとここあに買って行ってあげましょ。あっ、でも…そうすると虎太郎の分も」
ことり「あれ?」
にこ「今度は何?」
ことり「海未ちゃん?」
花陽「え?海未ちゃん?」
ことり「今、海未ちゃんが居たような…」
にこ「え?どこに?」
花陽「どこにも居ないよ?」
ことり「おかしいなぁ。今確かに海未ちゃんっぽい人が」
にこ「見間違いでしょ。海未がこんな所にいる訳ないじゃない」
ことり「もしかしたら、お洒落に目覚めたのかもしれないよ」
にこ「見間違いよ」
ことり「そうかなぁ。海未ちゃん検定特級なんだけどなぁ」
にこ「なによそれ」
ことり「うふふ。海未ちゃんの検定試験だよ」
にこ「穂乃果みたいな事言って。あんたも結構冗談好きね」
ことり「えへへ」
グゥ~
にこ「な、何?」
ことり「花陽ちゃん?」
花陽「は、恥ずかしいです」カァァァ
にこ「何?お腹空いたの?」
花陽「う、うん」カァァァ
にこ「仕方ないないわね」
ことり「じゃあ、さっきのクレープ屋さん行こう?私も食べたかったんだ」
花陽「うん!!」
海未「ふぅ。花陽のお陰で見つからずに済みました。それにしても、穂乃果と言いことりと言い勘が鋭いと言うか…思わずマネキンの陰に隠れてしまいましたが…ん?」
………。
海未「そうです!マネキンの着ている服をそのまま真似して買えば良いじゃないですか!そうすれば失敗する事もないですよ
!名案です」
店員「あっ、こちらの服気になっちゃった感じですか?」
海未「え?あっ、はい」
店員「良かったら試着しますか?」
海未「はい」
~試着室~
海未「ふふっ。最初からこうすれば良かったんですね。マネキンが着ている服なら失敗する事もないですもんね。しかし、この様な服は初めて着ますね。ちょっとだけ恥ずかしいかな…」
店員「お客様?サイズはどうですか?」
海未「ピッタリです」
店員「着替え終わったら声を掛けて下さい」
海未「あっ、終わりました」
シャー
海未「どうでしょうか?」希「どうですか?」
海未「え?」希「え?」
店員「とってもお似合いですよ」
海未「希…」希「海未ちゃん…」
凛「まさか、かよちん達も来るとは思わなかったにゃ~」
花陽「そうだねぇ」
にこ「で?あんたは一人で何をしてたのよ?」
真姫「別になんだっていいでしょ?」
にこ「聞くぐらい良いじゃない。もしかして、寂しかったとか?だったら最初から一緒に来たいって」
真姫「にこちゃん達来てるの知らなかったわよ」
穂乃果「あれ?あそこにいるのって…」
絵里「あっ、希!?あんな所に居た」
ことり「あれ?一緒にいるの…海未ちゃん?」
穂乃果「やっぱり海未ちゃん来てたんだよ!見間違いじゃなかったんだ。おーい」
海未「穂乃果…」
穂乃果「海未ちゃんも服を買いに来たの?」
海未「いや…あの…」
にこ「何よ?もしかして昨日の事気にしてたの?」
絵里「昨日の事?」
海未「いや…」
にこ「それにしてもその格好…。それってもしかして…いまさら森ガール?」
海未「森ガール?」
にこ「そうでしょ?森ガールでしょ?なんでいまさら森ガールなのか知らないけど」
海未「その………変ですか?ことり?花陽?」
ことり「え?いや…」
花陽「か、可愛いと思うけど…」
海未「けど?」
花陽「あの…」
絵里「なんでこの二人なの?」
ことり「あの…一緒に選ぼう?」
海未「………お願いします」
絵里「で?希は急に居なくなって何してるのよ?」
希「あ~ウチも海未ちゃんと同じ?」
絵里「で?その格好は?」
希「えっと…カジュアル系でせめてみようかなって。変かな?」
絵里「ふ~ん。良いんじゃない?可愛いわよ」
希「そう?」
絵里「うん」
穂乃果「いやぁ、こんな事なら最初から皆んなで来ればよかったねぇ」
絵里「結果的にね」
にこ「それにしても、海未が昨日にこが言った事を気にしてたなんてね。最初から素直に一緒に選んでってお願いすればよかったのよ」
海未「だって恥ずかしいじゃないですか」
真姫「にこちゃんがデリカシーなさすぎなのよ」
にこ「はあ?そんな事ないわよ」
花陽「でも良かったね。可愛いお洋服を買えて」
海未「はい。良かったです」
にこ「ところで海未?」
海未「はい?」
にこ「練習着はあのままなの?」
海未「あっ」
完
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