愛海「サプラーイズ!」 (24)

【モバマス・デレステSS】です


――――パーティー会場の一角

愛海「やーやー! 記念ライブお疲れさま! そんな皆を驚かせたくて用意したものがあるから見てってくれない?」

乃々「……まさか、お山登りのための新技を編み出したり……?」

愛海「乃々ちゃんハズレ♪ そもそもこれだけ人が多かったら新技なんてなくてもお山と触れ合える機会はいくらでも……はぁん♪」

芳乃「愛海、あまり邪なことは考えぬようにー。今日はとてもめでたき日なのでしてー」

愛海「よ、邪なことじゃないよ! お山に登りたいというのは至極まっとうで人間的な……そう! つまり人類にとって永遠の」

芳乃「おやー、どうやら悲しいことにー、先に愛海を止めておかなければいけないとはー……しくしく」

愛海「うっ……わ、わかったよ、芳乃ちゃん悲しませたくないし、お山登りは一応控えめにします……我慢できる範囲でだけど!」

芳乃「それはまこと良いことですなー」ニコニコ

モバP「で、今更だがここに俺たちを集めた理由はなんだ? そろそろ美味い飯とか待ってるパーティー始まるぞ?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1512743337

※棟方愛海
http://i.imgur.com/uDQEow2.jpg

※森久保乃々
http://i.imgur.com/mIk95M5.jpg

※依田芳乃
http://i.imgur.com/TVbYPPb.jpg


愛海「分かってるってプロデューサー。けもそんなに時間はかからないからまずはこれ見てよ、丁度始まったからさ」スッ

乃々「これは……スマホ?」

愛海「そそ! この画面に三人を驚かせることが出来るすごーい映像が流れるからよーく見ててね♪」

モバP「ふっ! 舐めるなよ愛海! ここ最近驚くことだらけだった俺はそう簡単に驚いたりなんぞ――」

『お山という高みを目指して……』

モバP「……うん?」

芳乃「これはー……わたくしたちの日常を描きしシンデレラガールズ劇場、その放送でしてー?」

愛海「正解! ま、焦らずじっくり見てよ!」

乃々「あれ……? そういえば画面から聞こえて来た声って……」

『頑張ります!! うひひっ♪』

モバP「」

――その瞬間、画面に映ったのが愛海だと認識したプロデューサーの動きが止まった。


芳乃「なんとー……愛海、そなたはー……!」

乃々「し、シンデレラガールズ劇場に出演……すごい……! お、おめでとうなんですけど……!」パチパチ

愛海「ありがとありがとっ! いやー、大変だったけど、二人の驚く姿を見れたから頑張って良かったーっ!」

芳乃「愛海、そなたがこの放送をー?」

愛海「そうだよ! ずっとお世話になってきたプロデューサーを喜ばせたくって、結構前から密かに準備してたの!」

乃々「この番組へ出演するのは……基本的にプロデューサーさんに呼ばれてからだと思ってたので……びっくりなんですけど」

愛海「あたしもそう思ってたんだけど、実は最終的な判断はちひろさんがしてたみたいでさ」ワキワキ

愛海「お願いにお願いを重ねて、なんとかあたしが出演する回を作って放送しますって言ってもらえたの!」ワキワキ

乃々「その手の動きは……?」

愛海「これは……ちひろさんと激しい交渉をしたから、その時のことを思い出したら反動でまだ手が勝手に動いちゃうんだよね~」ワキワキ

芳乃「なにをしたかは存じませぬが、それでもあの方からこのような結果を呼び寄せるとはー、愛海、そなたは強い子でしてー」ナデナデ

愛海「えへへ……♪」テレテレ ワキワキ


『いつか必ず登ってみせる! 最高峰のお山! ふひひ♪』

『――愛海ちゃんは、アイドルです』

乃々「……あ、終わった……ナレーションでアイドルですとフォローされた人、初めて見たんですけど……」

愛海「いやー、その部分だけはちひろさんからなんとしてもやりますからって言われたんだよね。酷いと思わない!?」モミモミ

愛海「あんなに頑張ってアイドルらしい可愛さをアピールした映像にしたのに! なにが問題だったのかなぁ……」モミモミ

芳乃「愛海が無自覚にしているその手の動きの為ではないかとー。わたくしのお山、堪能しましてー?」

愛海「え? ……はっ!? 芳乃ちゃんに撫でられたのが嬉しくてついうっかり登ってしまっていたなんて!?」モミモミ

芳乃「ふふっ、止めようとも思いましたがー、これほど頑張った愛海へ、少しだけご褒美でしてー」

愛海「わぁい!」モミモミ

乃々「愛海さん嬉しそうなんですけど……でもプロデューサーさん、いいんですか? そろそろ止めたほうが……」

モバP「」

乃々「あれ……プロデューサーさん? 愛海さん、プロデューサーさんの様子が……ちょっと変です」


愛海「そ、そういえば折角喜んで貰えると思ったのにプロデューサーがさっきから反応してくれてないような……おかしいなぁ」

芳乃「……むぅ、これはー」

愛海「おーいプロデューサー、なにか言ってよ! どうだった! あたしの出たシンデレラガールズ劇場! 喜んでくれ――」

モバP「」スゥゥゥ

愛海・乃々「「体が透け始めたんですけどー!?」」

乃々「え、え……!? プ、プロデューサーさんしっかりしてほしいんですけどー!?」


愛海「なんで!? 人の体って透けるものだったっけ!?」

スカ スカ

乃々「し、しかも……触れなくなってきてます……! ど、どうしたら……」オロオロ

芳乃「しかたありませぬなー……そなたー、戻ってきなさいー」ピカー

バリバリッ!

モバP「はわば!?」バチィン


愛海「あ、体透けてたのが直った! プロデューサー、大丈夫!?」ユサユサ

乃々「そもそも今の光は一体……」

芳乃「なんでもないのですよー」

モバP「……うーん……ん――お、おぉ愛海か!? いやすまん、ちょっと現実とは思えないことを見たせいで召天しかかっていた」

愛海「えぇ……」

乃々「げ、現実とは思えないこと……ですか?」

モバP「いやだってそうだろ? 俺の知らない所で突然愛海がシンデレラガールズ劇場で喋り始めるなんてこと、普通ありえないぞ」

モバP「あれは夢かなにかだったに違いない。俺も疲れてたんだろうなぁ、願望が実現したなんて幻を見ちまうなんて……」

乃々「そ、そんなことないんですけど……さっきのシンデレラガールズ劇場、もりくぼもちゃんと見てましたし……」

モバP「またまた! 乃々、俺を可哀想な奴にしないために合わせてくれるのは嬉しいが、そんな嘘みたいなことが」

芳乃「ありましてー。先程わたくしたちが見たものはー、愛海からの素敵な贈り物ですよー」

モバP「……マジで?」

芳乃「マジのまじでしてー♪」


愛海「……」ションボリ

乃々「あ、あのプロデューサーさん。ちゃんと喜んであげないと……そろそろ愛海さんが、泣きそうなんですけど……」

モバP「なにっ!?」

愛海「そ、そんなことないよ乃々ちゃん!? ただ、こんなサプライズはやっぱり嬉しくなかったのかなぁとか……」

愛海「あたしが勝手なことしちゃうとプロデューサーに迷惑なのかなって思い始めると、なんか、ちょっと、苦しいだけで……」

愛海「そう、それだけ……だから……別に」グスッ

モバP「あー待て待て! 違う、ちょっと待て愛海! これはそのだな、プロデューサーとしてしょうがないことというか!」タジタジ

モバP「だからもう一度だけ確認させてくれ。さっきの劇場出演、あれは、愛海が考えた最高のプレゼントってことでいいんだな?」

愛海「……うん」コクン

モバP「…………」

愛海「プロデューサー……?」

モバP「なんだこの可愛い女の子……」スゥウウ……

乃々「あぁ!? またプロデューサーさんが透け始めたんですけど!?」

愛海「だからなんでー!?」


芳乃「それー」ピカー

バリバリッ!

モバP「はぐひっ!?」バチィン

モバP「――……いかんいかん、また危うく召天するところだった。助かった芳乃」

芳乃「いえいえー、これも愛海のためでしてー」

愛海「……あ、あのプロデューサー? 本当に大丈夫なの?」

モバP「ああ問題ない。愛海……だけじゃない、他の二人も覚えておいてほしいんだがな」

三人「「「???」」」

モバP「プロデューサーっていう存在は、あまりにも想像以上の嬉しいことが起きるとすぐ言葉を喋れなくなったり召天したり……」

モバP「なんていうか、喜びに脆い不思議な体質になっちまうんだ。だからまぁ、さっきみたいなことがあっても許してくれ」

乃々「……まゆさんのプロデューサーさんなんかも、時々妙なことになってましたけど……そういう理由だったんですか……」

芳乃「まことこの世にはー、不可思議な出来事もあるのでしてー」


愛海「あれ? というか、嬉しいことが起きると召天しちゃうってことは、あたしのサプライズ嬉しかったってことプロデューサー?」

モバP「あ た り ま え だ ろ ! !」

愛海「ひゃぁ!?」

モバP「あのなぁ愛海。今年はなぁ、去年イベントの主役に出来た反動でデカイ仕事はしばらく無理だと思ってたとこにだなぁ!」ゴソゴソ

モバP「6月にデレステでSSRとして登場するっていう超デカイ仕事が来てだなぁ!?」タタタッ

乃々「あれは皆本当に驚いてたんですけど……」

芳乃「わたくしもー、あの出来事は予想できずー」

乃々「芳乃さんも珍しく……声を上げてびっくりしてました……可愛い光景でしたけど……」

愛海「そ、そうなの芳乃ちゃん!?」

芳乃「……乃々と一緒にデレステを見ていてー、突然愛海が映ればそうもなりましょー……もう///」

愛海「そ、そうかな……そっかー♪」テレテレ

モバP「ほら分かるだろ! 芳乃すら驚く超可愛い愛海のSSRがデレステのガシャで引けるようになった年にだぞ!?」タタタッ

モバP「その愛海のSSRをすごいMVや縦MVやフォトスタジオやらで、こんな風にじっくり眺められるようになった年にだぞッ!!」スッスッ

※超可愛い愛海のSSR(名前:[わきわきわんだほー]、特技名:ハートのわし掴み)
http://i.imgur.com/S6DGc83.jpg

http://i.imgur.com/TlXaOVk.jpg


乃々「ま、またいっぱい画像が増えてるんですけど……」

モバP「もちろん乃々や芳乃の画像も保存してるぞ! 見るか!?」

乃々「そ……そんなの恥ずかしくて見れないぃ……」カァァ///

芳乃「そなた、先程からとても生き生きとしているのでしてー」

モバP「こんな可愛い存在を見てるからしょうがない! そして、乃々や芳乃とも一緒に個別衣装で並べられるようになってだな」

モバP「あとは愛海が色々な場面で喋れるように頑張らないとなって! 来年の目標を考え始めたこのタイミングで!! 愛海お前ッ!」

愛海「ひゃい!?」

モバP「まさかそっちからシンデレラガールズ劇場に出るなんてなぁ……こんな、こんなもう……嬉しいことは……うぅ……」

芳乃「そなたー泣くなでしてー……よしよしー」

愛海「ぷ、プロデューサー……気持ちは嬉しいけど抑えて抑えて! ま、周りの人達すごく不審そうに見てるから!」

モバP「だ、だってよぉ……これで、これまで愛海に回したくても回せなかった仕事を取ってくる足がかりが出来て……」

モバP「上手く行けばまた芳乃や乃々と一緒に、御伽公演みたいなイベントに共演させることだって可能かもしれないんだぞ……?」


乃々「それは……すごく楽しみなんですけど」

芳乃「愛海とのお仕事は賑やかでー、わたくしとしても待ち遠しいのでしてー」ニコニコ

愛海「な、なんかそう言われると、あたしも嬉しくて変になりそう……///」

モバP「それだけすごいことしたんだからもっと嬉しがっていいんだぞ愛海は! この後のパーティーでも俺が許すから騒げ騒げ!!」

愛海「ぐ、具体的にはどこまでやってもいいのかなプロデューサー!」

モバP「そりゃもう嬉しいことがあったんだって分かる感じでイエーイって――」

芳乃「いえーい」

愛海「……へ?」

乃々「え」

モバP「うん……?」

芳乃「…………///」


愛海「……もしかして芳乃ちゃんもはしゃぎたいくらい喜んでくれて」

芳乃「なんのことかわかりませんがー、ともかく喜ぶ姿を見せればよいのでしてー。愛海、分かりましたー?」

愛海「つまりさっきの芳乃ちゃんみたいな」

芳乃「分かりましたねー?」

愛海「あ、圧がすごいよ!? 分かったから! わぁーい嬉しいなー!」ピョンピョン

乃々「ライブ後ですから……芳乃さんも普段とちょっとテンションが違うんでしょうか……?」

モバP「分からん。分からんが……あー、うん、今日ヤバイな、いい事ありすぎで後が怖いくらいだ」

乃々「この後はパーティーだけですし……もうなにもないと思いますけど……」

愛海「――そうだった! 本来今日のパーティーを一番楽しまなきゃいけないの乃々ちゃんと芳乃ちゃんだよね!?」

愛海「サプライズ見せたくて忘れてたけど、記念ライブに出てた人ほどパーティーの主役にならなきゃ! だからあたしもう行くね!」

乃々「そ、そんな。ここで別れなくても愛海さんも一緒に……」

愛海「いやいや、あたしだってちゃんと考えてるんだから。今日はこれ以上乃々ちゃんや芳乃ちゃんと一緒にいると迷惑だって」


芳乃「そのようなことはー」

愛海「二人が優しいのはわかってるけど、でもこれはきっちり線引きしなきゃ。あたしはあたしでひっそりパーティーを楽しむからさ」

乃々「愛海さん……」

芳乃「愛海……」

愛海「ほら、プロデューサーも行って行って。あたしなんて気にせずに……」

モバP「……分かった。だが一つだけ聞くぞ愛海?」

愛海「……なに?」

モバP「そうやってしんみりした雰囲気を纏うのは、その姿を見て、慰めに来てくれた人のお山を登る気だからじゃないよな?」

愛海「え、だめ?」キョトン

三人「「「…………」」」


愛海「いやほら、やっぱり記念パーティーに普段通りのやり方もどうかと思ってさー。ちょっとやり方を変えてお山登りを堪能」

芳乃「今日は我慢するとー、そう言っていたはずでしてー」ジーッ

愛海「そう言われてもプロデューサーから騒いでいいって言われた以上は、騒いで盛り上げないとね♪ 楽しくいこうよ!」ニコニコ

乃々「……ちょっと寂しく思ったもりくぼが間違いでした」

芳乃「愛海らしいといえばらしいといえましょー」フフッ

モバP「騒げっていったのは間違いだったか……? ……いや、会場には愛海対策が出来る人達がいるし、なんとかなるだろ」

愛海「そういえばすでに狙われている視線を感じる……も、もしかしてあたし詰んでる?」

芳乃「頑張るのでしてー」ヒラヒラ

愛海「その応援は逆に不安だ~!? ……で、でも負けない……あたしは、お山に生きる女の子なんだから!!」ガッツポーズ


乃々「……言ってることはカッコイイのに……しようとしてることが問題ありすぎなんですけど……」

愛海「うひひ☆ 今更今更! それじゃあたしはお山巡りをしてくるから、二人もパーティー楽しんできてっ♪」

愛海「――それとプロデューサー!」

モバP「なんだ?」

愛海「来年はもっと、みんなを愛して気持ちよくして、みんなから愛されたい、あたしの心からの夢を叶えられるように頑張るよっ!」

愛海「だから……あたしのこと、ずっと信じててね! 1人じゃ成し遂げられないことも、プロデューサーとなら叶えられるから!!」

モバP「……あぁ、もちろんだ!」

――この後、プロデューサー達とのやり取りから他のアイドル達にも
シンデレラガールズ劇場への出演が知られた愛海は、様々な形でお祝いされ、
とても楽しい一日を過ごすのであった。

〈終〉

かつて『愛海「ついにあたしがデレステに登場!」』というSSを書いた時、いつかは赤ずきん公演団の三人の
SSRが出揃い、声もついてくれることを願っていました。
……2017年で全部叶うとか聞いてないぞ棟方師匠! どういうタイミングで声付きになってるんだ師匠!! 
現実受け入れるのにしばらく時間かかったぞ最高かよ愛海ーッ!!!
ぜひとも皆様、改めて2017年12月5日にボイス実装となった棟方愛海と、ユニット【赤ずきん公演団】をよろしくお願いします!!
あと棟方師匠のSSRは正直スクショだけだと紹介しきれないほど可愛いので、スカチケが来たらそっちもどうぞ! 
読んでくださった方ありがとうございました

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