まゆ「第2回」 美玲「もりくぼカケル!」 (16)


・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・描写について、複数のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります
・『第2回』とありますが、オムニバス形式ですので前作をご存じなくともお楽しみ頂けると思います



佐久間まゆ「はいっ。今回も始まりました」

早坂美玲「新感覚、机の下系トークバラエティ、『もりくぼカケル!』だッ!」

美玲「今回もMCはウチ、鋭いツメでファンを掻っ攫う! 早坂美玲と!」

まゆ「あら。じゃあ……紅いリボンでファンを絡め捕る……なんて♪ 佐久間まゆの二人でお送りします」

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前回は渋リンだったヤツ?

まゆ「今回も、こちらの乃々ちゃんとゲストさんとの楽しいトークの様子を撮影させてもらいました」

美玲「こちらのって、今日もまたパネルじゃないか……」

美玲「なぁ、マユ。最初からこっちに立たせればいいんじゃないか?」

<ムシロ、サイゴマデ ココデ オトナシクシテイタイノデスガ

まゆ「まぁまぁ。主役は遅れてやってくる、ってよく言うじゃありませんか」

美玲「そうなのか? 主役なんだから、ずっと目立ってなきゃ、ヘンだろッ」

まゆ「目立とうとしないからこそ、目が離せないのが、乃々ちゃんなんですよねぇ」

美玲「ま、しょーがないか。ノノだしなッ」

まゆ「うふふ。それでは早速、スタートです♪」




PHASE 4
『森久保乃々×椎名法子』



椎名法子「やっほー、乃々ちゃん♪ 今日はよろしくねー!」

森久保乃々「法子ちゃん……どうも」

法子「えへへー。あたし今日の収録、とっても楽しみにしてたんだ!」

乃々「そう……なんですか?」

法子「うん! だって、食べながらお話してもいいって聞いたから、どんなドーナツを持っていこうかなって!」

乃々「は、はぁ……既に紙袋が見えていましたし、そんな感じだとは思っていましたけど……」

法子「ということで……じゃん! あたしのオススメドーナツセレクションー!」

乃々「……え。あの、法子ちゃん? これ……二人分? もりくぼが知らないだけで、実はゲスト追加のドッキリが……!?」キョロキョロ

法子「んー? あたしは聞いてないよ? 沢山の人とドーナツトークするのも、面白そうだよねっ♪」

乃々「ということは、やっぱり二人分……」

乃々「……多くないですか?」コンモリ

法子「そうかな? Sweetchesのお仕事の時は、これよりももっとたくさん持ってきてたじゃない?」モグモグ

乃々「それは……かな子さん達もいましたし……」

法子「んー、おいしー♪ ねぇねぇ、乃々ちゃんも食べよっ♪」

乃々「あ、はい……いただきます」モグモグ

乃々「そういえば……私もこの間、なんとなくドーナツが食べたくなって、お店に行きましたよ」

法子「ホント!? やっぱりドーナツって、人を吸い寄せる不思議なチカラがあるよねー!」

乃々「あ、え……そうなんでしょうか? 単純に、近所で100円セールをやってたからという理由が強いのですが……」

法子「そうなんだー! あたしも、セールの度に通ってるから、店員さんに顔を覚えられちゃったよ」

法子「なんかね、そのお店では『山盛りガール』って呼ばれてるみたい、あたし」

乃々「おぉ……有名人……!」

法子「えへへ♪ でも、やっぱりいつかは、ちゃんと『アイドルの椎名法子』って、覚えてもらいたいなぁ」

乃々「うぅ……知らない人に覚えられるのなんて、むーりぃ……」

法子「そう? 乃々ちゃんって目立つから、きっとすぐに覚えられちゃうと思うけどなー」

乃々「ふぇっ!? そんな、何かの間違いでは……!?」

乃々「もりくぼは地味ですし、いつもすみっこにいるので……あまり印象に残るタイプではないと思うのですが……」

法子「そんなことないよー! だって乃々ちゃんすっごくカワイイもん! ドーナツで言うと、ストロベリー風味のあまーいフレンチクルーラーみたいに!」

乃々「た、例えが独特ぅ……」

法子「そうだ! ねぇねぇ乃々ちゃん! 今度一緒に、街にお買い物に行かない? 一緒に服とかアクセサリーとか、見たいなぁ♪」

乃々「え、えぇぇ……!?」

法子「今ね、『カワイイ』の研究をしてるの! だから、他のアイドルの子のファッションとか、気になっちゃって」

乃々「そんな……も、もりくぼなんかが一緒で、良いのですか……?」

乃々「……それに、あんまり人の多い場所は、ちょっと……」

法子「知らない人よりも近くに知ってる人がいれば、不安じゃないでしょ? あたしと手ぇ繋いでいこっ! なんだったら、ゆかゆかも誘うよ?」

乃々「え、えぇと……そ、そうですね……側にいてくれるなら……行きたいです、お出掛け……」

法子「やったぁ! ふふっ♪ 乃々ちゃんがどんなのを選ぶか、楽しみだなー♪」

乃々「ま、待って……あの、そういうセンスとかは、あんまり期待しないで頂けると、助かるんですけど……」

法子「最近は抹茶のフレーバーが人気だし……でも、チョコチップがトッピングされたのも美味しそうだったし……」ウットリ

乃々「……あ、あれ……服とかの話だったのでは……?」


>>2
おそらくそれで合ってると思います




PHASE 5
『森久保乃々×鷺沢文香』



鷺沢文香「……今日は、お招き頂き、ありがとうございます」フカブカー

乃々「いっ、いえっ……! こちらこそ、ありがとうございます……」フカブカー

文香「その、こういったトーク番組というものは、些か不得手ではありますが……精一杯、お話させて頂きますね」

乃々「あぅっ。そ、そんな。トークが苦手なのは、むしろもりくぼのほうで……ご迷惑をおかけしたら、すみません……」

文香「それは……どうか、お気になさらず」

乃々「うぅ……苦手って言ってるのに、プロデューサーさんがこんな企画を通してしまって……。いぢめです。きっとそうです……」

文香「……そう、でしょうか? ……私が考えるに、それはプロデューサーさんなりの鼓舞ではないかと思うのですが……」

乃々「こぶ……ですか?」

文香「……はい。乃々ちゃんならきっと大丈夫。きっと出来ると思うからこそ……敢えてこういったお仕事を用意して、挑戦を促しているのではないでしょうか」

乃々「で、でも……やっぱりもりくぼにはむーりぃー……」イジイジ

文香「……こんな言葉があります。『何事も、成功するまでは不可能に思えるものである』」

文香「私も、プロデューサーさんにスカウトされるまでは、一日をずっと書庫で過ごすような……出不精で、人見知りの人間でした……。アイドルとなって、ステージで歌やダンスを披露するなど、到底不可能なのではと……そう思ったものです」

乃々「はい……わかります。もりくぼも、そうなので……」

文香「……でしたら、私たちは似た者同士ですね」クスッ

文香「……そんな私が、変われたのです。まだまだ未熟ですし、多くの方々の支えがあって、ようやくではありますが……アイドルとして、輝くことが出来たのです」

乃々「……文香さん……」

文香「ですから乃々ちゃんも、諦めないでほしいのです。自分を信じてくれる人のことを、信じて……そうすれば、きっと……」ハッ

文香「……あ、あの……すみません。差し出がましいことを、言ってしまったでしょうか……?」

乃々「ふぇっ!? そ、そんな……! とんでもないです……その、ありがとう、ございます」

乃々「私、お仕事はいつも不安で、怖くて、逃げたくなるんですけど……でも、文香さんの言葉を思い出せば、ちょっぴり頑張れるような気がします……気がするだけ、かもですけど」

文香「……そうですか。……少しでも、心を軽くすることが出来たのであれば、幸いです」

乃々「……うぅ、文香さん、トークが苦手なようには、全然見えないんですけど」

文香「……あっ。その……どうにも、いざ知識や思考を口にすると、話が長くなる傾向があるようで……。悪癖であると、自覚はしているつもりなのですが」カァァ

乃々「そんなこと……むしろ、もりくぼの分まで喋ってもらっても……」

文香「いえ、それは……乃々さんのファンの方々に、申し訳ありませんし……」

乃々「で、でも、文香さんのあんなに良いお話の後に、もりくぼなんかが何を喋ればいいのか……」

文香「……つまり、トークのテーマ、ということでしょうか」

乃々「……はい……テーマがあったほうが、まだマシかと……」

文香「……それでは、折角ですし……『本』について、などは如何でしょう?」

乃々「ほ、本……?」

文香「はい……。そういえば、以前から何度か、乃々ちゃんが机の下で読書をしている姿をお見掛けします」

文香「乃々ちゃんは、どのような本がお好きなのですか?」

乃々「え、えぇと……文香さんが想像しているようなものとは、違うと思いますが……」

文香「……と、言いますと……?」

乃々「あぅ……そ、その……絵本、なんです」

文香「……絵本……それはやはり絵の本、画集などではなく……例えば、『ピーターラビットのおはなし』のような……?」

乃々「あ、はい。そっちです……」

乃々「本当はもっと小さな子供向けのものなのかもしれませんけど……絵本の世界では、森の動物たちが静かに暮らしていたりして。平和で、穏やかで……好きなんです」

文香「……成程……。とても、乃々ちゃんらしいと思います」

乃々「あの……がっかり、しないんですか……?」

文香「とんでもありません。絵本や童話も、児童文学というジャンルの、文学作品のひとつですから」

文香「それに……むしろ、興味があります。……あの、もしよろしければ……乃々ちゃんのお薦めの絵本を、いくつか見繕っては頂けないでしょうか……?」

乃々「ええっ……!?」

文香「私が普段触れることのないジャンルですので、これを機に、と……ご迷惑でなければ……」

乃々「そ、そんな! 迷惑なわけ、ないです……も、もりくぼのチョイスで、よければ……ぜひ……」

文香「ありがとうございます……! ふふっ。人に書のお薦めを尋ねられる機会は多くありますが、反対に人に薦められるのは、随分と久し振りのような気がします……。楽しみに、していますね」キラキラ

乃々「あわわ……せ、責任重大なんですけど……! む、むぅーりー……」プシュー





PHASE 6
『森久保乃々×上田鈴帆』



上田鈴帆「ふぅんぬぬぬぉぉぉ……」

鈴帆「着ぐるみが引っ掛かって……机の下に潜れん……!」ギュゥゥ

乃々「えぇぇー……」

鈴帆「乃々しゃん、もうちょっと待って欲しか! 途中で諦めたら、女が廃る! むぐぐ……!」ギュゥゥ

乃々「あわわわ……す、鈴帆さん。無理して入らなくてもいいので……! 着ぐるみが壊れそうなんですけど……!」

鈴帆「くぅ……張り切って用意した一張羅が、仇になるとは……上田鈴帆、一生の不覚ばい……」ズーン

乃々「お、落ち込まないでください……」オロオロ

乃々「あの、こうやって、下半身だけ机の下に入れてもらえれば……セーフだと思います。たぶん」

鈴帆「そうなん? 乃々しゃんがそう言うなら……」ヨイショ

乃々「ところで、あの……一応聞きたいんですけど、それって、何の着ぐるみなんですか……?」

鈴帆「おぉ? そりゃあ、見ての通り、ヘラクレスオオカブトばい!」

乃々「へ、へらくれす」

鈴帆「どうじゃ、この立派なツノ!」ドヤァ

乃々「そのツノが原因で、机に収まらなかったんじゃないですか……」

鈴帆「今日は乃々しゃんとトークするけん、森にちなんだ着ぐるみで来たとよ!」

乃々「森というか……熱帯雨林とか、では?」

鈴帆「同じようなものばい! ウチもヘラクレスオオカブトのように、パワフルなアイドルを目指すばーい!」

乃々「も、もう充分、パワフルだと思うんですけど……」

鈴帆「もう、なんね! その弱々しいツッコミは! これが笑美しゃんなら、もっとバシーッと、鋭い一発をくれるとよ?」

乃々「そ、そう言われましても……もりくぼにそんな強いツッコミなんて、出来ませんし……」

鈴帆「ふぅむ……なら、ボケ側やってみると? 着ぐるみなら、いくらでも貸しちゃるけん」

乃々「ふえぇ!? そんなの、むぅー……」

鈴帆「むぅー?」

乃々「…………着ぐるみ……意外と、アリかもしれません」

鈴帆「おぉ! 乃々しゃんが乗り気! こっちこそ意外ばい!」

乃々「いえ、その……思ったんですが、着ぐるみを被って、顔を隠してしまえば、ステージで沢山のファンの方達に見られても、平気かも……?」

鈴帆「あっははは! なんばいよっとね、乃々しゃん! アイドルが顔を隠して、どうすると!?」ペシペシ

乃々「あぅっ……うぅ~、正論が身に刺さる……」

鈴帆「そもそも、ウチは頭を被るタイプの着ぐるみは好かんけん、ほとんど持ってなか!」

乃々「言われてみれば……鈴帆さんはいつも、着ぐるみから顔を出していますね……。今のカブトムシも、そうですし」

鈴帆「ウチにとって、着ぐるみはあくまで衣装ばい。皆には面白か衣装だけを見てもらうんじゃなくて、面白か衣装を着たアイドル、上田鈴帆を見て、笑ってほしかよ」

鈴帆「それに、せっかく沢山のファンを笑わせても、頭に被りもんしとったら、笑顔が見辛かろうもん!」

乃々「な、なるほど……!」

乃々「鈴帆さん、そこまで考えていたんですね……。すごい……もりくぼには、とても出来ません……」

鈴帆「えへへ……そんなに褒められると、照れるばい……!」

乃々「もりくぼは、人と目を合わせるのが苦手で、自分を見てほしいなんて、なかなか思えなくて……ヘラクレスどころか、ちっぽけな虫くぼですけど……」

乃々「それでも、いつか……鈴帆さんのように、堂々と、ファンの皆さんと向き合える……でしょうか……?」

鈴帆「そんなの、出来るに決まっとるばい! なんなら、乃々しゃんのライブの時には、ウチがでっかい着ぐるみ着て、客席から応援しちゃるけんね!」フンス

乃々「……そ、それは……警備の人に、つまみ出されそうなんですけど……」





まゆ「というわけで、今回も三人のゲストさんとのお話をご覧頂きました」

美玲「よーし、ノノー! 感想の時間だぞー!」テマネキ

乃々「……感想はウェブで、とかじゃダメですかね……」トボトボ

美玲「ほら、仮にも冠番組なんだから、最後くらいビシッと決めろよッ!」

まゆ「まゆ、今回はなんだか、すごくいいお話をたくさん聴かせてもらって、少し感動しちゃいました……! 乃々ちゃんは、どうでした?」

乃々「……はい、本当に……いい最終回だったと思います」

美玲「勝手に最終回にするなよッ!」

乃々「皆さん、もりくぼなんかに優しくてくれて……素敵な人ばかりでした。……もりくぼが、反動で消滅しそうなくらいに」

まゆ「ふふっ。きっと、乃々ちゃんの優しさが周りにもあふれているから、皆さんも優しくしてくれているのだと、まゆは思いますよ?」

乃々「そ、そんなことは……あぅぅ……」プシュー

美玲「ノノがてれくぼになったところで、今回はここまでッ! 次もよろしくなッ!」

乃々「……あ、うっかり見逃してもらっても、問題ありませんので……」



おわり



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