乃々「寂しいからそばにいて」 (20)
乃々「……」(コソコソ
カチャ・・・
乃々「…お、おはようございます…あれ」
シーン・・・
乃々「誰もいない…みたいですね…」
乃々「…今のうちに机の下に…」
乃々「…お隣さんもいませんか…」
乃々「……とっても静か…」
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乃々「……」(机の下
乃々「…誰もいないのに机の下に隠れる意味はあるんでしょうか…」
乃々「急に誰か来るかも…ってプロデューサーさんじゃなかったら別に隠れる必要も…」
乃々「……」
乃々「…うぅ…」
乃々「…おかしいんですけど…プロデューサーさんに呼ばれてたはずなんですけど…」
乃々「なんで誰もいないんですか…新しいいぢめですか…」
乃々「…人がいない事務所ってこんなに静かだったんですね…」
乃々「……」(モジモジ
乃々「……」(キョロキョロ
乃々「…ちょっとお手洗いに…」(タタタ
ブーッ・・・ブーッ・・・
乃々「……!?」(ビクッ
乃々「…あ…メール…プロデューサーさんから…」
乃々「…アクシデントで前のお仕事が遅れててもうしばらくかかる、ですか…」
乃々「…どうしましょう…」
乃々「メールにはまたあとで連絡するから一回帰ってもいい、って書いてありますけど…」
乃々「…寮に戻っても今日は皆さんレッスンのはずですし…」
乃々「…レッスン場まで歩いていくのは…無理ですし…」
乃々「…どっちみち…ひとりぼっち…あぅ…」
乃々「……」(ペラ
乃々「……」(ペラ
乃々「…!」(クスッ
乃々「……」(ペラ
乃々「……ふぅ」(パタン
乃々「…漫画…読み終わってしまいました…」
乃々「…一人でいると、時間ってこんなに長く感じるんですね…」
乃々「…くぁ…なんだか少し眠くなってきました…」
乃々「…少しだけ…仮眠室に…」(トコトコ
カチャ・・・パタン
乃々「…お邪魔します…やっぱり誰もいませんか…」
乃々「…プロデューサーさんが帰ってくるまで…ちょっとだけおやすみなさい…」
乃々「……」
乃々「……」(ゴロン
乃々「……」
乃々「……うぅ」(ゴロン
・・・キーン・・・
乃々「…耳鳴りが気になって眠れない…」
乃々「……」(ゴロン
乃々「…一人は寂しい…」
乃々「……」
乃々「…目を閉じて横になってればそのうち眠れるでしょうか…」
乃々「…別に寝なきゃいけないわけじゃないですけど…」
乃々「……」(ゴロン
乃々「……」
乃々「……すー…」
―――――――――
――――――
―――
―――
――――――
―――――――――
乃々「…すー…すー…」
・・・ピピピピッ! ピピピピッ!
乃々「ん…あ…いつの間にか眠れたみたい…」
乃々「…あ…メール…またプロデューサーさんから…」
乃々「…仕事が遅れた影響で他の仕事と時間が重なったから後処理で忙しい、ですか…」
乃々「…もう少しだけ待っててほしい、って…」
乃々「…もうすぐお日様が沈むんですけど…いつまでもりくぼはここにいればいいんでしょう…」
乃々「…誰か来てないでしょうか…」
カチャ・・・パタン
乃々「…誰もいない…」
乃々「他の人はともかくちひろさんまでいないのは…珍しいですけど…」
乃々「……」
乃々「…ちょっとお腹が空いてきました…何か食べ物…」
乃々「…何も持ってないですけど…寮の食堂にでも…」
ガチャッ・・・ガチャッ・・・
乃々「…あれ…開かない…?」
乃々「えっ…えっ…ん…しょっ…!」
ガチャッ・・・ガチャッ・・・
乃々「…か、鍵がかかって…?」
乃々「…閉じ込められてしまいました…」
乃々「…多分ちひろさんだと思うんですけど…もりくぼに気付かなかったんでしょうか…」
乃々「…あれ…ということは…」
乃々「プロデューサーさんが帰ってくるまで私は出られない…?」
乃々「…へ、へるぷみぃ…ですけど…」
乃々「……」
乃々「…とうとうお日様が沈んでしまいました…」
乃々「別にいいですけど…電気をつければ…誰か気付いてくれるかもですし…」(カチッ
乃々「…プロデューサーさん…早く来て…」
乃々「こんなに長い時間一人ぼっちで事務所にいたのは初めてです…寂しい…」
乃々「…はあ」(チョコン
乃々「…あ…そういえばプロデューサーさんの椅子に座るのは初めて…」
乃々「……」
乃々「…くるくる~…」(クルクル
乃々「…あぅ…目が回ります…」
乃々「でも…ちょっとだけ楽しいかも…」
乃々「…くるくる~…」(クルクル
乃々「……」
乃々「…ひょっとして」
乃々「もりくぼは夢を見ているのかも…」
乃々「ドアが開かないのも鍵がかかってるからじゃなくて夢だから…」
乃々「事務所に誰もいないのも…夢…」
乃々「…プロデューサーさんがいつまでも帰ってこないのも…」
乃々「……」
乃々「……」(ムニッ
乃々「…痛い…」
乃々「…夢じゃなくてよかった…」
乃々「…夢じゃないならきっとすぐ帰ってきてくれますよね…」
乃々「…寂しくて死んじゃいそうですけど…」
乃々「……」
乃々「…この世界にもりくぼ以外に人はいるのでしょうか…」
乃々「もしかしたら自分以外に人はいないんじゃないかって…」
乃々「…ずっと一人でいるせいか、なんだかそんなことを考えてしまいます…」
乃々「孤高を好む人間はいても、孤独に耐えられる人間はいないと聞きますし…」
乃々「…一人ぼっちは…不安になりますけど…」
乃々「変なことばかり考えてしまいますし…」
乃々「…なんでもりくぼはこんなことを考えているのでしょう…」
乃々「…飛鳥さんの影響でも受けてしまったんでしょうか…」
乃々「…早く帰りたい…」
乃々「……」
乃々「…あれからプロデューサーさんからの連絡もないですけど…」
乃々「ひょっとして忘れられてしまったんじゃあ…」
ガチャッ! アレアカナイ・・・カギカカッテンノカ! エート・・・ア、アッタアッタ!
乃々「ひっ!?」(ビクッ
乃々「な、なんですか突然…とりあえず机の下に…」(ゴソゴソ
ガチャッ
モバP「すまん森久保! 遅くなった!」
乃々「…!」
モバP「…ってあれ? 居ない…流石に帰っちゃったか?」
乃々「グスッ…うぅぅ…」(ウルウル
モバP「ん…なんか聞こえたような…」
乃々「…あうぅ…」
モバP「…! 机の下か! 森久保ォ!」
乃々「あ…プロデューサーさん…」(ポロポロ
モバP「ってマジ泣きか!? ど、どうした森久保! どっか痛いのか!?」
乃々「プロデューサーさぁん…!」(ギューッ
モバP「うぉう!? 森久保から抱き付いてくるなんて珍しいな…具合でも悪いのか?」
乃々「違うんですけど…昼過ぎにプロデューサーさんに呼ばれて…事務所に来て…」
モバP「お、おう…まさかそれからずっと一人でここに?」
乃々「ヒック・・・グスッ」(コクリ
モバP「…だ、誰も居なかったのか? ちひろさんとか…」
乃々「私が来た時から…グスッ、誰もいなくて…」
乃々「しばらくして少し眠くなってしまって…仮眠室で少し寝てたんですけど…」
乃々「…お、起きたら…鍵がかかってしまってて…」
モバP「」
乃々「それまでは一人でも平気だったんですけど…閉じ込められてしまったら急に不安になって…」
モバP「不安に、って…」
乃々「世界にはもりくぼしかいないんじゃないかとか…皆からこのまま忘れられてしまうんじゃとか…」
モバP「…お前飛鳥になんか吹き込まれたろ?」
乃々「…」(コクリ
モバP「はあ…いや、でも今悪いのは俺だな。森久保がそんな思いしてるならもっと急いで帰ってくるんだった」
乃々「…本当ですけど…もりくぼは寂しさのあまり死んでしまうかと思ったんですけど…」
モバP「…小動物かお前は…でもまあ、それなら…ほら」(ギュッ
乃々「あ…」
モバP「今回はダメだったけどさ。これからは森久保が寂しい思いしないようにできるだけそばにいるから…な?」
乃々「…ずっと…」
モバP「ん?」
乃々「もりくぼが寂しくなくなるまで…ずっとそばにいてくれるって…約束してくれますか?」
モバP「…ああ。約束する」
乃々「…絶対ですよ…?」
モバP「うっ…絶対…とは…」
乃々「…冗談ですけど…プロデューサーさんが忙しいのは知ってますし…」(クスッ
モバP「はは…お前なあ…」
乃々「でも…今は…もうちょっとだけ…」
乃々「このまま…そばにいてほしいんですけど…」
おしまい
森久保って庇護欲そそりますよね
できることなら仕事以外の時に無言で甘えられたいし甘やかしたい
月末は爆死しました
それでは見てくださった皆様ありがとうございました
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