発明家「新型のゲーム機を作ったから、家に遊びに来い」 (57)

前スレ
発明家「お、やっと来たか被検体。遅いぞ全く」
ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1511641047/


幼馴染「嘘こけてめえ。そうやってまたあたしを何かの実験台にする気だろ」

発明家「本当だ。米国のとあるゲーム会社が俺に新型ゲーム機の開発を依頼してきてな。その試作機が昨日完成したのだ」

幼馴染「へー。新型ゲーム機って言うとあれか……? 今流行りのVRとかか? それならちょっと興味あるぞ」

発明家「そんな時代遅れの代物なんかではない。俺の創った『ゆめごこち』はゲームの世界をもっとリアルに体感できる」

幼馴染「そりゃすげえな。でももうちょっとマシな名前考えてやれよ。マッサージ機みたいな名前つけやがって」

発明家「どうせ供給会社が最終的に名称を決定するんだから気にするな。とにかく部活が終わったらすぐに来い」

幼馴染「オッケー。楽しみにしてる」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1512332579


***

研究室

幼馴染「……」

発明家「どうした? 早くその椅子に座れ」

幼馴染「……ちょっと待て。お前の言ってたゲーム機って、もしかしてこれか? このぶっとい注射器みたいなのがたくさんついてるこの椅子のことなのか?」

発明家「そうだ。そのプラグを体の10か所に差し込むだけで、今までに味わったことの無いようなゲーム体験が……ってこらこら、どこに行く気だ」

幼馴染「帰るんだよ! んなヤバそうなもん、体にぶっ刺されてたまるか!」スタスタスタ

発明家「安心しろ、痛いのは最初だけだ。直に慣れる……はず」

幼馴染「はずってなんだ! あんたやっぱりあたしを実験台にする気だったな?!」

発明家「何事も最初は勇気がいるものだ。それ」ブスッ

幼馴染「いったああああああああああああああああ!」ジタバタ

発明家「10本差し終わったら意識が混濁するはずだ。そして精神だけがゲーム世界へと旅立つ。そこではドキドキワクワクの冒険がお前を待っているぞ」ブスッ

幼馴染「痛い痛い! てめえ、マジで覚えてやがれ!」ギヤアアアアアアアア


***

ゲーム世界

幼馴染「……。こ、ここは……?」ハッ

幼馴染「まるで中世の城下町のようだ……。これ、ホントにゲームの世界なのか……?」ワイワイガヤガヤ

幼馴染「匂いも風も感じる……。ほっぺをつねったらちゃんと痛いし……」ギュウウ

発明家「……」ビュイイイイン

幼馴染「!」

発明家「ふう、俺もログインに成功したようだな。上手くいくか半信半疑ではあったが……ぎ痛たたたたたたたた! 折れる折れる!」

幼馴染「人をモルモットにしやがって……痛かったぞこの野郎……」ギュイイイイイイイイイ

発明家「ま、まさかあんなに痛いとは思わなかったんだ! 俺なんか自分で差してきたんだぞ? あまりの痛さに5本目で失禁してしまったほどだ!」

幼馴染「何情けないことを自慢げに語ってやがる!」ギュイイイイイイイイイ


***

発明家「……で、どうだ? このゲームの感想は?」

幼馴染「売れるかどうかは別として、あんたノーベル賞貰えるよ」

発明家「だろう?」ククク

幼馴染「現実とゲームの境が分からなくなるってのはこのことなんだろうな。リアルどころの話じゃねえよコレ」

発明家「この世界ではすべての感覚が現実と変わらない。もちろん脳が錯覚しているだけなんだがな」

幼馴染「……ただよう」プルプル

発明家「どうした? 何か不満でもあるのか?」

幼馴染「何であたしら下着なんだよ! しかも街のど真ん中で! ///」

発明家「まだなんの装備も買ってないんだから仕方ないだろう」

幼馴染「仕方なくねえよ! せめて初期装備で衣服くらい着せろ! さっきから通行人の視線が痛いんだよ! ///」ハズカシイ

発明家「文句ならこのソフトを作った奴に言ってくれ」

幼馴染「え? これ作ったのあんたじゃないの?」

発明家「俺はゲームの世界に飛び込む機械を作っただけで、ソフト自体は既存のゲーム機のものだ。さっき買ったばかりだからこの世界のことは全然知らん」

幼馴染「てことは何か? 他のソフトにも対応してくれるのか?」

発明家「もちろんだ」

幼馴染「すごいなあんた!」

発明家「このゲーム機がすごいのはそれだけではない。例えば長い夢を見たと思っても、実際には5分くらいしか経ってなかったって経験はないか?」

幼馴染「うん」

発明家「これも似たような現象が起こる。この世界で1日を過ごしても、現実世界では1秒しか経過していない」

幼馴染「遊び放題じゃねーか!」

発明家「そうだ。おまけに消費のペースが早くなり、ゲーム会社側にとっても様々なソフトを買ってもらいやすいという算段だ」

幼馴染「あんたにしてはよく考えてあるじゃないの。よし、早速ゲームを始めよう!」ワクワク

発明家「そうだな。とりあえず衣服でも買うか」

幼馴染「お金なんかもってないぞ?」

発明家「街中を探索してたらお金くらい見つかるだろう」

幼馴染「この姿でうろつくのか……」

発明家「ちょっとした変態だな。ほら行くぞ」テクテク

幼馴染「ちょっとどころじゃねえって……」テクテク


***

2時間後

発明家「おかしい……。どれだけ探し回ってもお金が落ちていない……」フウ

幼馴染「ま、まあそれが普通なんだろうけどな……。他人の家探索しようとしても、見つかったらすごい剣幕で怒鳴られたし……」

発明家「……何かしら働いて稼ぐしかないのかもしれんな」

幼馴染「なんか早期購入特典とかでいくら貰えるとかないのか……?」

発明家「あ、そう言えばパッケージにそんな感じのことが書いてあったような……」

幼馴染「もうそれに頼ろう……。流石に歩き疲れた」ドッコイセ

発明家「そうだな……。一度セーブしてログアウトするか。システム! セーブ!」

――セーブしました。

発明家「ゲームを終了する!」

――エラー。

発明家「ゲームを終了する!!」

――エラー。

発明家「ゲームを終了する!!!」

――エラー。

発明家「」

幼馴染「ど、どうした……? 青ざめた顔して……」

発明家「……。あの、怒らないで聞いてほしいんだが……」

幼馴染「怒らないから言ってみな」

発明家「……ゲームから出られなくなったみたいだ」

幼馴染「」


***

発明家「うう……怒らないって言ったじゃないか……」ズタボロ

幼馴染「怒らないわけあるか! どうすんだあんた! もしかして一生このままなのか?!」ウワアアアアア

発明家「ゲームの終了のさせ方には2種類ある。システムからゲームを終了させるか、このゲームをクリアするかだ。今回はおそらく前者になにかしらのバグが生じたのだろう」

幼馴染「……ならゲームをクリアしさえすればいいんだな?」ホッ

発明家「しかしゲームをクリアするまでは出られないんだぞ……?」

幼馴染「こういうRPGを一通りクリアするだけなら、100時間もあれば余裕だろ。現実世界ならたった数秒じゃないか。ここはアクションRPGゲーマーの夕子ちゃんに任せとけ」

発明家「頼む。俺はあまりアクションゲームが得意じゃなくてな。このゲームを選んだのも一番グラフィックが優れていたからだ」

幼馴染「……ただ、このゲームで死んだら本当に死んでしまうとか、そんなデスゲームみたいなことはないよな?」

発明家「その点は安心しろ。このゲームは死んだらセーブポイントまで戻るようになっている。さっきセーブはできたから、地道にやっていけば必ずクリアはできるはずだ」

幼馴染「良かった……。とにかくこの国の王様の所にでも行ってみるか。魔王退治の依頼を受けて、装備一式を貰えるかもしれないし」

発明家「敵は魔王かどうかも分からんぞ?」

幼馴染「敵が何であれ、こういうのはレベルを上げて物理で叩けばいいんだよ。準備を整えたら、早速ザコ狩りだ!」


***

王宮

王様「そなたらはなぜ下着なのじゃ? 衣服くらい、街で売っておろうに」

幼馴染「へ? い、いやこれはその……」

発明家(……おい、装備を貰えるんじゃないのか?)ヒソヒソ

幼馴染(……どうやら当てが外れたようだ)ヒソヒソ

王様「そもそもそなたらは何しにここへ?」

幼馴染「ええと……この国を魔王の謀略から救うべく……」タジタジ

王様「魔王?! そんなものがおるのか?!」

幼馴染(いねーのかよ……)ヒソヒソ

発明家(敵国の脅威の排除だ。それでいけ……)ヒソヒソ

幼馴染「すみません、間違えちゃいました。私たちは敵国の脅威を排除すべく……」

王様「この国は近隣諸国と良好な関係を結んでおる。この国が1000年以上も安泰なのは、それぞれの王が戦争を嫌い、平和を愛し、また国民を愛しておるからなのじゃ」ニッコリ

幼馴染(……おい、メチャクチャ平和じゃねえかこの国)ヒソヒソ

発明家(この王様もなかなかの人格者だぞ……。革命を起こすゲームでもなさそうだ)ヒソヒソ

幼馴染(ホントにこれ、アクションゲームなのか……? システムでTipsでも見てみろ)ヒソヒソ

発明家(それもそうだな……)ヒソヒソ

発明家「システム! Tips!」

――Tips:中世の王国を舞台に、自由に生活してみよう。目指せ、この国一番の大金持ち!

――Tips:お金の稼ぎ方には色々ある。地道に働いて稼ぐもよし、ギャンブルで一発狙うもよし。全ての可能性は無限大に広がっている!

――Tips:お腹がすいたら「トントン亭」に行ってみよう。オススメは「肉汁たっぷりサーロインステーキ」。

etc…

発明家「」

幼馴染「」

王様「どうしたのじゃ? 顔が真っ青じゃぞ?」

発明家「いえ……我々はこの国で商売をすべくやってきました……」ダラダラ

王様「そうであったか! ならば一生懸命商売に励むがよい。この国の更なる発展に貢献しておくれ」ニコッ


***

発明家「とんでもないことになった……」ズウウウウン

幼馴染「あたしはこういう、あとはプレーヤーにお任せします的なゲームが大嫌いなんだ……」プルプル

発明家「全然ゴールが見えん……。さっきシステムを確認したが、所持金欄が13桁まであったぞ……」

幼馴染「ざっと店を覗いた感じだと、1ゴールド=1円くらいの物価だな……。カンストを狙うなら最低でも1兆円、最悪の場合9兆9999億9999円稼げってことか……」

発明家「ま、まあカンストしなくてもこの国一番の大金持ちになりさえすればいいと考えれば……」ハハハ

幼馴染「さっきのきらびやかな王宮を見なかったのか? この国一番の金持ちってことはあの王様を超えるってことだぞ……」

発明家「……クリアするまでこのゲームから抜けられない」

幼馴染「自殺してもセーブポイントからやり直し……」

発明家「……」ウウウ

幼馴染「……」ウウウ

発明家「とりあえず何とかして衣服を調達しなければ。このままでは就職すらままならん」

幼馴染「でもあたしら所持金0だぞ? ゴミ箱でも漁るのか?」

発明家「どの時代にだって金貸しくらいはいるだろう。担保がないからろくな所からは借りれんだろうが……」

幼馴染「とりあえず捜してみるか……」ハア


***

金貸し「うちはヒサンでやってる」

幼馴染「ヒサン……?」

発明家「1日に3割。つまり今日1万ゴールド借りたら、今日中に1万3千ゴールドで返さなければならないということだな」

幼馴染「はあ? そんな暴利がまかり通るか!」

金貸し「嫌なら借りなくていいんだぜ? もっとも、ブラとパンツしか持ってないお前に貸してくれるとこなんて他にないと思うけどな」

幼馴染「くっ……! ///」

発明家「心配するな。服さえ手に入れば仕事が見つかる。少し借りるだけなら返済なんか余裕だ」

金貸し「どうすんだ? 借りるのか、借りねえのか」

幼馴染「……。1万ゴールド貸してください……」プルプル

金貸し「よしきた。ほら、この書類にサインしろ」ククク

発明家「あとは日雇いの仕事を紹介してくれるようなところを捜さなくてはな……」

幼馴染「ほら、サインしたぞ。さっさと1万ゴールド貸せ」バン

金貸し「ほら、これがその金だ」ドン

幼馴染「どれどれ……。……お前金の勘定も出来ないくせに金貸しなんかしてんじゃねーよ。2千ゴールドしかねーじゃねーか」アホカテメエ

金貸し「うちはその日の利息分と手数料を差し引いた額で渡してんだ。利息3千ゴールドに、手数料5千ゴールド。1万ゴールドから8千ゴールド差っ引いて残りは2千ゴールドなんだよ」

幼馴染「なに言ってんだこいつ?」バカジャネ?

発明家「ちょ、ちょっと待て。さっきの書類を見せてくれ……」ピラッ

金貸し「……な? ちゃんと書いてあるだろ?」

発明家「すまない、やはりこの金は返す」ドン

金貸し「ダメだ。手続きをした以上手数料は既に発生しているし、もうすでに金は渡した。返すなら1万ゴールド、耳を揃えて返すんだな」

幼馴染「1万借りて5千も手数料で取られるなんて馬鹿な話があるか!」

金貸し「うちは手数料は5千ゴールドで一律だ。お前らみたいにチビチビ借りられてちゃ、こっちも儲けにならねえからな。よく見もせずにサインしたお前が悪いんだよ」

幼馴染「むきいいいいいいいいい! ふざけんな! クーリングオフだ! クーリングオフ! 契約の取り消しだ!」

金貸し「よくわからんがこの国にはそんな制度ないんだな、これが」ハハハ

発明家「だ、だめだ夕子……。こいつはプロだ……。なんとか今日までに1万稼ぐしかない……」


***

幼馴染「……」テクテク

発明家「お、おい……。そっちに行っても服屋はないぞ?」

幼馴染「……」テクテク

発明家「……納得いかないのは俺だって同じだ。だが2千もあればTシャツと短パンくらいなら何とかなるはずだ」

道具屋「いらっしゃい! うちには便利な道具がいっぱい揃ってるよ!」

幼馴染「2千ゴールドあれば、何が買えると思う……?」

発明家「だ、だから安いTシャツと短パンを2セットくらい……」

幼馴染「あたしはな……丈夫なシャベルを一つ買えると思うんだよ……」コレクダサイ

道具屋「まいどあり!」

発明家「ま、まさかお前……」ビクビク

幼馴染「気にすんな、たかがゲームだ……」ピクピク


***

金貸し「なんだ、またお前らか……。2千ゴールドで満足に服が買えなかったからって……おい、なんだそのシャベルは……」ビクビク

幼馴染「……お前はアクションRPGの夕子ちゃんを怒らせたな」スチャッ

発明家(こんなのアクションRPGじゃない……)ビクビク

金貸し「や、やめろ! 俺は金を貸しただけだろうが! 誰か! 誰か助けてくれ!」

幼馴染「お前はあたしにサインを書かせただけで5千ゴールドをむしり取った。その点シャベルは偉大だよな。たった2千ゴールドで何かを殴ったり、何かを埋めたりしてくれるんだから……」カカカ

金貸し「わああああああああああああああ! 誰かあああああああああああ!」ジタバタ


***

幼馴染「あっという間に服も仕事も、おまけに家まで手に入った」カカカ

発明家「床下に人が埋まってる家がな……。衛兵に見つかったら即ゲームオーバーだぞこれ」

幼馴染「システム! セーブ!」

――セーブしました。

幼馴染「そのときは金だけ持ってさっさと逃げよう。クリアするためなら四の五の言ってられん」

発明家「今ちらっと見たが、所持金が1億ゴールドを超えてたな……」

幼馴染「いい攻略法が見つかった」

発明家「自由過ぎるだろ……」

発明家「しかしこのまま金融を営んでも、ゴールラインなんか到底見えんぞ……。この1億を元手に何かでかい商売を始めなくては……」ウーン

幼馴染「時間はたっぷりあるし、ゆっくり考えよう。そうだ! さっきTipsに美味しい店があるって……」

発明家「トントン亭とかいったな。今はゲーム内時間で12:00頃か……。よし、昼飯にするか」

幼馴染「自由に使える金ができると、途端に楽しくなってきた」

発明家「他人の金だけどな……」


***

トントン亭

幼馴染「おほお~! 口のなかいっぱいに肉汁が!」ウマウマ

発明家「ホントに食べているようだな。現実世界では股間を濡らして横たわっているだけだというのに」モグモグ

幼馴染「あたしはプラグ3本目で意識が飛んじゃったけど、漏らしてないよな……?」

発明家「『ゆめごこち』の予約購入特典はパンパースで決まりだな」モグモグ

幼馴染「嘘だろ……。お母さんになんて説明したらいいんだ……」アアアア

発明家「それより今後どうするかだ。なにか上手い儲けでも思いついたか?」

幼馴染「王様殺して国を乗っ取ることも考えたけど、あれだけの兵がいたらほとんど不可能だな」

発明家「暗殺が成功するまでセーブ&ロードを繰り返すとか……」

幼馴染「例え成功しても、捕まって処刑されるとしか思えない。あんな国民に慕われてそうな王様だとなぁ……」

発明家「いくらゲームとはいえ、あれだけ良い人を殺すのはちょっとな……」

幼馴染「ここはやはり、あんたの技術にかけるしかないんじゃないの? あんたなら自動車作って売るくらい余裕だろ?」

発明家「それがこの世界ではそうもいかなそうだ。まず材料の入手がかなり困難になる。全てのパーツを一から作るとなると、生産ラインを確保するまでにかなりの時間を要するからな」

幼馴染「なるほど……」

発明家「おまけにこの世界はゲームソフト制作者の意志が強く反映されている。この中世という世界観を守るために、時代にそぐわない代物は徹底的に排除されるようだ。例えばこれはそこの店に並んでた材料で作った簡単な電池とモーターだが、なぜか回らない」

幼馴染「なら生活を豊かにするようなアイデアグッズでも売るか?」

発明家「それも望み薄だろう。この世界の大多数の人々はその日食べていくのにやっとだ。生活に余裕がないとそういったものも売れない」

幼馴染「難しいもんだな……」ウーン

発明家「こうなったら発明以外で大金持ちになった人を参考にするしかないだろうな」

幼馴染「大金持ちって言ったってな……。トム・クルーズとかスティーブン・スピルバーグとか……?」

発明家「あとはロックフェラーにビートルズ……」

幼馴染「それだ! ビートルズだ!」

発明家「む?」

幼馴染「あんた確かギター弾けたよな!」

発明家「コード弾きくらいならな。もしかしてビートルズ歌って儲けるつもりか? 俺はあまり歌に自信ないぞ?」

幼馴染「歌ならあたしにまかせろ!」ニイッ


***

幼馴染「さあさあ! 寄ってらっしゃい見てらっしゃい! 二人組の吟遊詩人がお贈りする、心に響くバラードメドレー! 誰も聞いたことの無い美しい旋律に、思わずあなたも涙がポロリ! 上手く歌えましたら拍手とおひねりをお願いします」

民衆「バラードだってよ」ガヤガヤ

民衆「見たことない奴らだな」ガヤガヤ

民衆「ちょっとだけでも聞いてくか」ガヤガヤ

劇作家「ほう……」

舞台関係者「どれどれ」

発明家「予想以上に集まったな……」ドキドキ

幼馴染「業界人っぽいやつもちらほら見えるぞ。上手くいけばスカウトされるかもしれないし……///」

発明家「……じゃあ始めるぞ」

幼馴染「オッケー……」

発明家「……」カッカッカッカッ

発明家「……」♪ジャンジャン ジャンジャン ジャンジャジャジャンジャン(♪Let It Be)

発明家「……」♪ジャンジャン ジャンジャン ジャーンジャジャジャーン

民衆(おや……?)

劇作家(む!)

舞台関係者(なんて素敵なイントロなんだ……!)

幼馴染「♪うぇなふぁいませっ! いんたいもぶちょぶっ! まざめあーりっ! かむとぅみっ!」ボエエエエエエエエ

民衆「……」ゾロゾロ

劇作家「……」ゾロゾロ

舞台関係者「あー時間無駄にした……」ゾロゾロ

幼馴染「♪すぴきわーずっ! うぃずだんっ! れてぃびいいいいいいい!」ボエエエエエエエエ


***

酒場

幼馴染「誰もいなくなるなんて……///」シクシク グビグビ

発明家「あれだけ酷い歌声を聞かされたらな……」

幼馴染「お母さんは昔『夕子はお歌が上手ね』って褒めてくれたんだ……///」シクシク

発明家「おばさん優しいからな」

幼馴染「でもお父さんは腹抱えて転げまわっていたんだ……。今になってやっと意味が分かった……///」シクシク グビイイイイ

発明家「おじさん、そういうところあるからな」

幼馴染「ずっとあたしは歌が上手いと思っていたのに! まさか音痴だなんて! ///」ダンッ ウワアアアアアアアアアアン

発明家「音痴の人は音程が外れているかどうか分からないんだから仕方ない」ポン

幼馴染「……マスター、もう一杯///」

マスター「はいよ」

発明家「おい、もうそれくらいにしておけ……。アルコールが入っていると脳が錯覚しているんだぞ……。飲み過ぎるとどんな影響が出るのか俺にも分からん」

幼馴染「うるせえ! これが飲まずにいられるか! ///」

酒豪「いい飲みっぷりだな、嬢ちゃん。どうだ、ここは一つ俺と飲み比べでも」ガハハハ

発明家「すまないが他を当たってくれ。こいつは既にボトルを10本空けているんだ」

幼馴染「構わん! このあたしが直々にあんたを酔い潰してやるぜ! ///」

酒豪「よーし気にいった! いくら賭けるんだい?」ガハハ

発明家「よ、よせ……せっかく手に入れた金をドブに捨てることになる……」

幼馴染「システム! キャッシュで1億ゴールド! ///」

――1億ゴールドを下ろします。

発明家「ちょっと待て! 全財産をお前!」アワアワ

酒豪「い、1億だと……?!」

幼馴染「どうした! かかって来い! ///」ヒック

発明家「相手も同じだけ出せなきゃ成立しないだろう。1億なんてあるように見えるか? な、もう大人しく帰ろう」

酒豪「おい皆! 親戚中叩き起こして金持ってきな! お前らに大儲けさせてやるぜ!」ガタッ

民衆「また大酒飲みのアンジェロが飲み比べをすんのか!」

民衆「相手はまだお嬢ちゃんだぜ!」

民衆「待ってろ! 全財産持ってくる!」

発明家「うわああああああああ!」


***

民衆「すげえ金の山……」

民衆「2億あるってよ……」

民衆「一晩で俺の財産が2倍になるのか……」

民衆「負けたら一文無しだがな」

民衆「アンジェロが負けるわけねーだろ? 相手なんかもう出来上がってるしよ」

酒豪「さあて嬢ちゃん、もう後戻りはできねーぞ?」ガハハハ

幼馴染「ここまで来て逃げるかバカヤロウ! さっさと始めようぜ///」ガハハハ

衛兵「じゃあ今から飲み比べを始めるが、どんな結果になろうとも暴動だけは勘弁してくれよ? 余計な仕事が増えるのは御免だからな」

発明家「うう……また0から金を稼がんといかんのか……」ハア

酒豪「せーのっ!」グイッ

幼馴染「!」グイッ

酒豪「ぷはあ!」ダン

幼馴染「効くう! ///」ダン


***

3時間後

衛兵「しょ、勝者……呉羽夕子……!」

幼馴染「どうしたああああ! まだ飲み足りねえぞおおおおおお! ///」ダッハッハッハッハ

酒豪「」ガクガクガクガク

発明家「……ええと……すまんが約束通りこの金はいただいてくぞ……」

民衆「……」

民衆「……」

民衆「……」

民衆「……」

民衆「……」

民衆「……」

民衆「……死のう」


***

翌日

幼馴染「うー……頭痛ぇ……気持ち悪い……」ヨロヨロ

発明家「やっと起きたか。大丈夫か?」

幼馴染「全然大丈夫じゃない……。あれ、昨日何してたんだっけ……?」

発明家「この街一帯の低所得階級を自殺に追いやったんだろ」

幼馴染「そんなことしたっけ……?」

発明家「こんなに後味の悪いゲームは初めてだ。だが初日で2億も稼げたことだけは喜んでもいいだろう」

幼馴染「へ? システム! 所持金!」

――所持金は2億101万5千ゴールドです。

幼馴染「うわホントだ……。2億になってる……」

発明家「さっきシステムを調べたんだが、やはりバグでゲームから抜けることはできないな。しかし良いニュースもある」

幼馴染「何?」

発明家「国王の総資産は2兆ゴールドだそうだ。つまり俺たちは2兆1ゴールドを稼ぎさえすれば、このゲームをクリアできたことになる」

幼馴染「どこが良いニュースだ。まだ1万分の1しか持ってないんだぞ」

発明家「10兆稼ぐという最悪の事態だけは避けられたろ」

幼馴染「それで次はどうやって稼ぐ? もうこんなに都合よく増やしたりはできないぞ」

発明家「まず金融の事業を拡大しよう。支店をいくつか設けて、従業員も雇う」

幼馴染「あんな金貸しの真似事は嫌だな……」

発明家「不良債権を出さなければ、あんな法外な利息を取らなくても十分な儲けが出るだろう」

幼馴染「でも貸した金が必ず戻ってくる保証なんてどこにも……」

発明家「俺たちにはセーブ&ロ―ドが使える。貸す前にセーブし、もし損失が出たらロードして貸さなければいい」

幼馴染「なるほど……。でもロードもバグってるなんてことはないよな?」

発明家「流石に大丈夫だろう。システム! セーブ!」

――セーブしました。

発明家「ロード!」

――エラー。

発明家「」

幼馴染「つまり損失が出たら二人で仲よく首吊ってゲームオーバーになるしかないってことか……」

発明家「頭がおかしくなりそうだな……」

幼馴染「でも金融だけで2兆も稼げるのか? どうしても需要に限度が……」

発明家「金融がある程度軌道に乗ったら、もう一つの事業を始めるつもりだ。システム! マップ!」

――マップを表示します。

幼馴染「これはこの国の地図か……?」

発明家「そうだ。恐らくこの国だけが俺たちが行動することのできる範囲だ」

幼馴染「ふーん。それで?」

発明家「ここを見てみろ。貿易港があるだろう」

幼馴染「うん」

発明家「つまり俺たちはこの国を出ることができなくても、NPCは他所の国と貿易ができるというわけだ」

幼馴染「……じゃああれか? 貿易会社でも作るつもりか?」

発明家「いや、それよりも保険会社を作る。損失が出ればこれまたセーブ&自害で……」

幼馴染「セーブ&自害て!」


***

5年後

幼馴染「もうここに来てから1年も経つのか……」

発明家「現実世界ではまだ6分ほどしか経ってないんだがな」

幼馴染「今どれくらい貯まったんだ?」

発明家「だいたい500億ぐらいだな。わずか1年でこれなら大健闘だろう」

幼馴染「……この1年だけであたしら何回首吊ったんだよ」

発明家「いちいち数えてないから分からん」

幼馴染「……ああ……現実世界に帰りたい……」ウウウ

発明家「この世界では大富豪なんだから、少しくらい金を使って遊んでもいいんだぞ?」

幼馴染「だって娯楽が少ないんだもん……。楽しみと言えば酒か食事か競馬かポーカー……」

発明家「たまにサーカスや劇団だってくるだろう?」

幼馴染「現代のサーカスに慣れてるとショボく見えるんだよ。いいよな、あんたは男だもんな。どうせ風俗通いでもしてんだろ?」ケッ

発明家「馬鹿言え、俺はケモナーだぞ。ケモナーにとってインターネットの無い世界程残酷なものがあるか」

幼馴染「そう言えばそうだったな……」

>>38

訂正

5年後→1年後

発明家「それよりこれ以上の事業の拡大も厳しくなってきた。このペースを維持して商売を続けられたとしても、2兆貯まるまでに40年近くかかることになる」

幼馴染「40年……! これってそもそもゲームクリアできるように作られているのかよ……」ナゲエ

発明家「俺も常々疑問に思っていた。しかしこの世界に入る前に、一応このゲームにもクリアがあることは確認済だ」

幼馴染「じゃあ根気強く40年もゲームしろってか?」

発明家「いや、最近になってやっとゲームクリアの最短ルートを思いついた。要はこの国一番の金持ちになればいいんだ」

幼馴染「それはもう分かってることだろ!」

発明家「そうじゃない。一番になりさえすれば、2兆も貯める必要はないってことだ」

幼馴染「……? それってつまり……」

発明家「王様の財力を削る」

幼馴染「どうやって?」

発明家「世界の経済を動かしているアメリカ合衆国がどうやって儲けたか知ってるか?」

幼馴染「おいまさか……」

発明家「そう、戦争ビジネスだ」ニヤッ

発明家「この世界に来て最初に王様にあったとき、この国が1000年も平和だと聞いただろう。今思えばあれがヒントだったんだろうな」

幼馴染「ま、待て……平和だったらビジネスが成り立たないだろうが……」

発明家「逆に考えろ。平和なおかげでライバルはゼロ。食糧と医療品、それから兵器の供給を独占すれば大儲けができるぞ」

幼馴染「だからそもそも戦争がだな……」

発明家「そんなもの簡単だ。戦争を引き起こしてやればいいだけだ」

幼馴染「そ、そんな非人道的な……!」

発明家「これはたかがゲームだぞ? お前だってここに来て数時間で人一人を殺している」

幼馴染「う……」

発明家「戦争が始まれば、この国は俺たちから物資を買わざるを得なくなる。王様の資産はみるみる内に減っていき、逆に俺たちのところには莫大なゴールドが転がり込んでくるだろう。王様と俺たちの所持金の順位が逆転したその瞬間、ゲームクリアになるはずだ」

幼馴染「……」


***

幼馴染「……」トボトボ

民衆「やあ夕子さん。散歩かい?」

幼馴染「う、うん……そんなとこ……」

少女「夕子さん、見て見て! お花摘んだ!」ハイアゲル

幼馴染「綺麗だね……。ありがとう」

民衆「夕子さん、去年は俺たちに情けをかけてくれてありがとうな。おかげで首を吊らずに済んだよ」

幼馴染「いやあれは……酔って馬鹿な賭けをしたあたしが悪かったんだし……」ハハハ 

少年「夕子さん、俺大きくなったら絶対夕子さんの保険会社で働くんだ!」

幼馴染「……やめたほうがいいよ。月に1度は社長が首吊ってるようなとこだし……」ハハハ

民衆「夕子さんが安く貸してくれたおかげで、入院費が払えました。これ、アップルパイを焼いたんだけど良かったら」ハイ

幼馴染「どうも……」


***

幼馴染「戦争が始まれば、あの人たちは皆戦場に行く……」

幼馴染「ここが戦場になれば、子ども達だって死ぬ……」

幼馴染「……」

幼馴染「……なに馬鹿なこと言ってんのよ夕子。これはたかがゲームでしょ……?」ハハハ

幼馴染「はは……」

幼馴染「……あたしには……そんなこと……できない……」ポロポロ


***

家の前

幼馴染(40年かかろうがいいじゃない。いくらゲームだからって、戦争ビジネスなんか始めちゃったらもう人間としておしまいだ!)

幼馴染(たとえ喧嘩別れすることになろうとも、あたしはあたしの道理を通す!)

幼馴染「……」フウー

幼馴染「くらあああああああ! あんたあああああああ! さっきの話だけどね!」バン

発明家「もがあああ! もがああああ!」

幼馴染「?!」

衛兵「呉羽夕子だ! 取り押さえろ!」

衛兵「おおおおおおお!」

幼馴染「ちょ、ちょっと! 離せ! なんの真似だ!」ジタバタ

衛兵「呉羽夕子。お前を国家反逆と殺人の容疑で逮捕する」

幼馴染「こ、国家反逆って……」

衛兵「いくら自宅にいるからと言って、白昼堂々と戦争を引き起こす計画を練るのは感心せんな。いや、自宅でもないか。本来は床下に埋まっていた男の家だものな」

幼馴染「う……」

衛兵「考えてみればおかしな話だ。王の前に下着で出てきたようなお前たちが、その日の晩には酒場で1億も賭けていたんだからな」フン

発明家「くそ……」

衛兵「連れてけ!」


***

王宮

王様「……」

発明家「……」

幼馴染「……」

王様「……わしはそなたらに一生懸命商売に励めと言った。そしてこの国の発展に貢献するようにと」

王様「事実、そなたらは大いに活躍してくれた。わずか1年で巨万の富を築き上げ、この国のために多くの税を納めてくれた」

王様「また非常に低金利で良心的な金融会社を営んでおり、民からの信望も厚かったと聞いておる」

王様「そんなそなたらが……この愛と平和の国に戦争を持ち込もうとしておったとは……!」ワナワナ

幼馴染「……」

王様「王として、わしはそなたらを断じて許す訳にはいかん……。この国で最も重い刑罰をもってその罪を償わせてくれる……!」

発明家「……ええどうぞ、煮るなり焼くなりしてください。我々は金のためなら死ぬ覚悟でこれまでやってきたんです。今更死刑を恐れたりはしません」ハン

衛兵「王の前でその態度はなんだ!」ボコッ

衛兵「貴様どういう立場か分かっているのか!」

衛兵「貴様、ちょっと便所に来い!」グイッ

発明家「い、いやちょっと待て! 別に死刑は構わんがそういうのは……!」ズルズル


***

発明家「く、くそう……あいつら他人の尻の穴を何だと思ってやがる……」ウウウ

幼馴染「だ、大丈夫か……? 便所で何されたんだ……?」

発明家「お前にはまだ早い……」ヨロヨロ

王様「……さて、そなたらは死刑も恐れんと言ったな」

発明家「ええ」

王様「わしもそなたらを死刑にしてやりたいところだが、残念ながらこの国には法律があり、わしとてそれに従わねばならん」

発明家「……え、いや従わなくていいんですよ? 死刑にしてくれさえすれば……」ダラダラ

王様「よってこの国で最も重い刑罰、終身刑をそなたらに科す!」

発明家「」

幼馴染「」

王様「そなたらには自殺することも許さん! これから死ぬまで、牢獄の中で自分の犯した罪の重さを思い知るがいい!」

発明家「」

幼馴染「」

発明家「う……」

発明家&幼馴染「「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ!」」

発明家「システム! ロード!」ヒイイイイ

――エラー。

発明家「ロード!!」ポロポロ

――エラー。

発明家「ロード!!!」シクシク

――エラー。

衛兵「何意味わかんないこと叫んでやがる! 来い! 牢獄にぶち込んでやる!」グイッ

幼馴染「いやあああああああああああああああ!」ズルズル


***

幼馴染「いやあああああああああああああああああああああああああ!」ガバッ

弟「あ、やっと気づいた。お姉ちゃん大丈夫?」

幼馴染「……。あれ、現実に戻ってる……? 何で?」

弟「びっくりしたよホント。お姉ちゃんとケン兄ちゃんの叫び声が聞こえたから来てみたら、こんなぶっといのを体中に差して寝てんだもん」ホラ

幼馴染「そっか、コタローちゃんがプラグを抜いてくれたのか……。助かった……」フウ

弟「おもしろかったからケン兄ちゃんにはお尻の穴に差し直してみたけど……」プププ

幼馴染「だめだよコタローちゃん。おかげでこいつ、トイレで変なことされたみたいになっちゃったんだから……」

弟「じゃあ抜いてあげよっと」スポンッ

発明家「ぬあああああああああああ! 殺してくれええええええええええええええええええええ!」ガバッ

幼馴染「あ、起きた」

発明家「……? 戻ったのか?」ハアハア


***

翌日

幼馴染「で? あれから『ゆめごこち』はどうしたんだ? ぶっ壊したのか?」

発明家「いや、バグの発生の原因を突き止めて直し、さらにプラグを差さなくてもヘッドギアを取り付けるだけでトリップ出来るように改良を施した。もう安全だ」

幼馴染「そんなすぐに改良できるなら最初からそうしろよ! パンツとスカート洗ってるとこ、お母さんにばっちり見られちゃったんだからな! ///」

発明家「何事も実験してみなければ気づかんことは多いのだ。これからもよろしく頼むぞ」

幼馴染「死んでもやるか!」

担任「おーい席につけー。この前の数学のテストを返すぞー。相沢ー」

発明家「それはそうとあのゲーム、どうやら最初は必ず借金をしなきゃならんようだ。悪徳高利貸しに酷い目に遭わされたあと、地道にお金を稼いで返済したところからストーリーが進行するらしい。最終的には高利貸しを改心させてゲームクリアだそうだ」

幼馴染「へ、へー……」

発明家「決してシャベルで頭を殴ったり、床下に埋めたりするようなサイコなゲームでは……」

幼馴染「わ、わかったっての! うるさいなもう! ///」

担任「呉羽ー」

幼馴染「あ、はい」スタスタ

担任「この点数は正直いかんぞ。あんまりひどいようだと1年生からやり直しさせるからな」ピラ

幼馴染「ちぇー、またやり直しか……」ガラガラ つ窓

担任「おいいいいいいいい! 早まるなああああああああ!」

おしまい

>>1 前スレのリンクが上手く貼れていなかったので訂正

発明家「お、やっと来たか被検体。遅いぞ全く」
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