ミリP「琴葉とホテルとしじみ汁」 (27)


これはミリマスssです
かなり人を選ぶ内容かもしれません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505370267



P「こ、琴葉ー、何か飲むか?」

琴葉「あ、では私はしじみ汁をお願いします」

P「お、おう……」

P(地方での収録が終わり、俺の車で琴葉と事務所に戻る途中)

P(天気予報以上に多量の雨が降り、思った様に道を進めず東京に戻れるのはそのままだと翌日の朝になってしまいそうだったから近場で宿泊施設を探したはいいが)

P(出来すぎだろと思わず叫ぶレベルで全ての宿は埋まっていて……)

琴葉「あ、プロデューサー。私からも事務所に連絡しておきました」

P「こっちも連絡終わったところだ……それにしても……」

P(琴葉が『あ、山肌にホテルが見えます。あそこはどうでしょう?』って言うから、取り敢えず来てみたら……)

P「……ご休憩のできるホテルだと思わないじゃん……」




琴葉「そうですね、私もこういうシステムのホテルは初めて見ました」

P「琴葉は知らなかったのか?」

琴葉「そもそも、ホテルに泊まる事自体あまりありませんでしたから……」

P(先に空いてるか聞いて来ます、って言って車から降りた時はもうなんか何も考えられなかったよ)

P(それに『部屋、一部屋なら空いてるそうです!なんとか夜を越せそうですね』って言われたら何も言えないしなぁ……)

P(大丈夫だとは思うけど、願わくばすっぱ抜かれていない事を)

琴葉「すみません、プロデューサー……ようやく空いてる宿が見つかって、私安心して嬉しくなってしまって……」

P「んぁあ、いいよ俺は……琴葉こそ悪いな、俺と同じ部屋なんて」

琴葉「いえ、私は大丈夫です。それにしてもすごい雨でしたね」

P「な、まったく前が見えなかったわ……事故らなくて良かった」

琴葉「他にも私達みたいに雨を凌ごうと泊まってる宿泊客がいると思ったんですけど……ロビーにも廊下にも全然居ませんでしたね」

P(まぁそりゃお部屋で盛り上がってるだろうからな)



琴葉「今回の撮影、私は上手く出来ていましたか?」

P「あぁ、俺が見ている限りは完璧だったよ」

琴葉「良かった……あ、しじみ汁来ました。スタッフの方が持って来てくれるなんて、まるでカラオケみたいですね」

P「まぁレジャー施設って意味では同じだけどな」

琴葉「あ……あったかい……」

P「外結構寒かったからな。明日には雨も止んでる筈だけど……」

琴葉「あ、天気予報確認しますか?丁度テレビもありますし」

P「あぁ、一応もう一回確認しとくか……あ!」

ピッ

『あ……んんっ!……あっ……あぁんっ!』

ピッ

琴葉「…………」

P「…………」

琴葉「……あ、すみませんしじみ汁に夢中で消しちゃいました!」

P「あ、あぁ!しじみ汁に夢中で電源ボタン二回押しちゃったのか!琴葉はうっかりさんだなぁ!」



琴葉「……ぷ、プロデューサーは何か飲みますか?飲みますよね?」

P「あぁ!じゃ、じゃあ適当にお茶でも」

琴葉「あ、冷蔵庫ありますね!わ、私も何か飲もうかなー、あー暑い暑い!」

ガチャ

P(大量の精がつきそうな飲み物が並んでいた)

琴葉「……?……!!?!」

バタンッ

琴葉「…………」

P「…………」

琴葉「……は、働くお父さんを応援するホテルなんでしょうかね?!ね!」

P「あ、あぁ!確かに元気が出そうなラインナップだったな!」

琴葉「それに新種のしじみ汁の可能性もありますから!」



琴葉「しじみ汁、飲み終わってしまいました」

P「また頼むか?」

琴葉「今は結構です。プロデューサー、先にシャワーどうですか?」

P「ん、俺もう一箇所連絡しなきゃいけないとこあるから先に浴びちゃってくれ」

琴葉「わかりました。ええと、タオルは何処に……」

ガラッ

P(琴葉が引き出しを開けた)

ガンッ!!!ゴロゴロ!

P(ものすごい勢いで締めた)

琴葉「しじみ汁の元が入ってました。それだけです、それに少し驚いただけです」

P(明らかに何か固形の、多分オモチャ的な物が転がる音が聞こえたが琴葉が言うのだからしじみ汁の元だと信じよう)



シャーーー

P「……琴葉も、なんとなく気付き始めているだろう」

P「とは言え、まぁ……変なことは起こらないよな」

P「俺が襲わなければ良いだけの話だし」

「あ……!着替えが……!」

P「……俺が襲わなければ良いだけの話だから、大丈夫大丈夫……」



琴葉「あの……お先、頂いちゃいました……」

P(そう言って出てきた琴葉は、バスローブ姿だ)

P(向こうから洗濯機の音が聞こえる。と、言う事は……)

P(しばらくの間、琴葉はノーパンバスローブということで)

P(琴葉の下着類は洗濯機に洗濯されているということで……)

P(……いいなぁ、洗濯機になりたい。違う、そうじゃない。人は洗濯機になれない)

P「んじゃ、次は俺が浴びちゃうか」

琴葉「私はテレビを見……恵美達と通話して暇を潰してますから」




シャーーー

P(落ち着け俺、心頭滅却すれば火に入る夏の虫だ)

P(……琴葉がほんの数分前まで入ってたんだよな……)

P(静まれ、鎮まりたまえ俺。さぞかし名のあるなんとやら)

P(ふー……ん?)

P(俺も、着替え無いのでは?)




P「あがったぞー……俺も琴葉の服の洗濯終わったらまわすかな」

琴葉「あ、プロデューサーがお風呂あがったみたい。切るね、恵美」

ピッ

P「……」

琴葉「……」

ブーン!ブーン!ブーン!ブーン!

P「……連絡、来てるぞ。誰からだろうな」

琴葉「しじみ汁の通信販売でしょうか?今出る必要は無さそうですね」

ブーン!ブーン!……ピロンッ!ピロンッ!ピロンッ!ピロンッ!

P「……ライン、来てるぞ。誰からだろうな」

琴葉「しじみ汁オンラインショップの公式アカウントだと思います。今確認する必要は無さそうですね」




P「あのだな、琴葉……なんとなく分かったかもしれないが、このホテルは……」

琴葉「しじみ汁工場の直売所……なんて、言ってられませんよね……私、なんて事を……」

P「ま、まぁさっきは雨酷くて焦ってたからな!泊まれるだけ良かったよ!」

琴葉「私、プロデューサーをなんて場所に……幻滅、しましたか……?」

P「疲れの取れそうな飲み物がいっぱいあって助かるな!一本頂くか!」

琴葉「あ、でしたら私はしじみ汁をお願いします」



琴葉「あ、それとさっき部屋を眺めてたらWiiiiを見つけたんです。まだ寝るには早いですし、何かゲームでもしませんか?」

P「お、いいな。身体動かす系のゲームでもするか」

琴葉「なら、Wiiiiスポーツにしましょう」

P「いいな、テニスでもやるか」

琴葉「……恵美の事を……プロデューサー、やっぱり私より恵美とこう言う場所に……」

P「ボウリングがいいな!後はゴルフとか!!」

琴葉「いえ、テニスにしましょう。2vs2で」

P「2vs2?CPU入れるのか?」

琴葉「はい。私とプロデューサーがチームです。隣にいるのは琴葉が良い、って。貴方に言って欲しいから……」

P「テニスは前後だぞ」

琴葉「プロデューサー、早くしじみ汁を注文して下さい」

P「うぃっす」




P「ふっ!よっと!」

琴葉「えいっ!あっ!」

P「セーッフ!それっ!」

琴葉「えいっ!!やった!」

P「よし!勝ったな琴葉!」

琴葉「ふー……勝利のしじみ汁はとても美味しいです」

P「とは言えこれ以上熱中するとまたシャワー浴びなきゃいけなくなっちゃうな」

琴葉「そうですね、少し汗かいてきました……何か冷たい飲み物を……」

P(バスローブ一枚で、少し汗を浮かべる琴葉……んー、アンダスタン)

琴葉「割とゴクゴク飲めますね。もう一本……」

P(瓶の飲み物を、喉を鳴らして飲む琴葉……んー、クレッシェンド)

P「ってそうじゃ無い琴葉!その冷蔵庫の飲み物は!」

琴葉「……あ」

沢山の空き瓶

P「……ま、まぁ多少元気出るくらいでしょ」



琴葉「……プロデューサー、そろそろ寝ませんか?」

P「琴葉さん、目が座ってますよ」

琴葉「寝ましょう、プロデューサー。はやく」

P「あ、あついなー、俺もう一回シャワー浴びてこようかな!」

琴葉「大丈夫、後でで」

P「なんで大丈夫なのか聞きたくないなー、それにきっとそれは大丈夫なやつじゃない」

琴葉「プロデューサー……」

P「な、なんだ……?」

琴葉「……私じゃ、不満ですか?」

P「…………」ぷつーん



「おいおい琴葉、お前のしじみからしじみ汁が出てるじゃないか……」

「あっ……貝、開かないで……っ!」

「まったく、ほら、お前の好きな貝柱だぞ」

「立派……こんなの、挟み切れない……!」

「ほらほら、銛で突いてやる」

「そんなっ!貝、割れちゃう!激しくしないで下さ……んっ、あっんっ!」

「まったく、こんなに水を噴き出して……しっかりと砂抜きしないとな……っ!」

「あっんっ!仕込まれちゃう…っ!」

「ほらっ!健康の元だ!」

「あっ……んっ!……オルニチン、注がれてる……」

「もっとたっっぷり、仕込みをしないとな……」

「……私、しじみ汁になっちゃう……」



チュンチュン

P「……お早うございます、琴葉さん」

琴葉「……お早うございます、プロデューサー」

P「…………」

琴葉「プロデューサー、私変な夢を見た気がします」

P「ゆ、夢か!夢かもな!」

琴葉「ですよね!早く起きて帰りましょう!」

パサッ

琴葉「……………」

P「………………」

琴葉「……全裸、ですね」

P「……だな」

琴葉「……しじみ汁、頼みましょうか」

P「……だな」



~事務所~

P「ただいま戻りましたー」

琴葉「戻りました」

恵美「……おかえり、プロデューサー。琴葉」

P「やぁ恵美、今日も元気そうだな」

恵美「プロデューサーこそ、元気な事してきたんじゃないの?」

琴葉「ちがうわ恵美、私たちしじみ汁の仕込みをしてただけなの」

恵美「……まぁ、色々事情はあったんだろうね。雨凄かったみたいだし」

P「正直事故らないか気が気じゃなかったわ……」

恵美「まいっか!あ、小鳥さーん!二人帰ってきたよー!」たったったっ

琴葉「……私との事は、事故だったんですか……?」

P「……故意だけどさ」

琴葉「それと、プロデューサー」

P「なんだ?」

琴葉「よければ、これからも私と……」




琴葉「しじみ汁、作りませんか?」




しじみ汁に無限の可能性を感じました
飲み会翌日の心強い味方ですね
お付き合い、ありがとうございました

過去作です、よろしければ是非
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http://i.imgur.com/dI3lMW1.png
シジミ汁作りたい、乙です


>>2
田中琴葉(18) Vo/Pr
http://i.imgur.com/XvIG0ge.jpg
http://i.imgur.com/e5Gvrw9.jpg

>>17
所恵美(16) Vi/Fa
http://i.imgur.com/kzw1B6Z.jpg
http://i.imgur.com/ZCvE0Mf.jpg

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