北沢志保「正しいキスのねだり方」 (27)
これはミリマスssです
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P(年下の女の子が噛み付いてきて五月蝿い時、最も手軽で適切な黙らせ方は?)
P(うるさい、と思っている事を直接伝えるもいいだろう)
P(けれどそれは相手の事を傷付けてしまう可能性もあるし、なにより此方としても心が痛い)
P(少し静かにしてくれないか、と棘は出さずに簡潔に伝えるもいいだろう)
P(けれどそれだけでは本当に少しの間しか静かにならないだろうし、逆に怒られそうだ)
P(多分どころか、おそらく確実に)
P(はてさて、なんで俺がパソコンと向かい合いながらそんなことを考えているかと言うと……)
志保「はぁ……約束を守るのは、社会人として当たり前の事じゃないんですか?」
P「ごめんて、でも仕事入っちゃってさ……どうしても外せないんだよ」
P(週末一緒に絵本の展示会に行く予定だったが、俺の急用で一人になってしまった志保が怒り新党の会長となっていたのだ)
P(もちろん志保が悪い訳じゃない。約束を反故にしようとしているのは俺だ)
P(だからきちんと理由を添えて謝った……が)
志保「今回がダメなら次も、いえ、永遠に無理になります。次は確実に行ける保証はあるんですか?」
P(とまぁ、この調子だ。余程楽しみにしてくれていたのだろう)
P(志保だってある程度は分かってくれている筈だ……が、理性より感情の方が上回るのが人間だし)
P(俺だってワザと用事を入れた訳じゃない。ずっと言われ続けると申し訳なさを通り越して少しくらい何か言いたくなってくる)
P(それに二徹続きでいい感じに疲れも溜まってるし、さっさと今書いてる書類を仕上げないとならないのに……)
P「俺はどうすればいいんだ?どうしたら志保は満足なんだ?」
志保「……っ!自分で考えればいいじゃないですか!」
P(うん、今のは俺の失言だった)
志保「だいたい、プロデューサーさんはいつもーー私が子供だからって怒らせてもいいとーー」
P(集中できない……!この書類を終わらせないと律子が……俺が悪かった、少しでいいから黙っててくれ……!)
志保「普段は色々言ってますが、私だって楽しみにーー1人じゃ意味がーー」
P(まずい、他の奴に聞かれたらさらに俺の休日が潰れる事になる……)
志保「きちんと考えてますか?私がどうすればーー」
P(どうすれば黙る?考えろ、考えるんだ……手軽に口を塞げる手段……)
志保「プロデューサーさん、少しくらいこっちを向いてーー」
P(志保の方を見て!黙らせるには!口を塞ぐには……これだ!)
志保「プロデュ……っ?!~~っ!んっ……んむっ……ちゅ……んっ……」
P「……っぷはぁ……少し、黙っててくれ」
志保「ぁ……はい……」
P(キスしたら、静かになった)
P(無事書類を書きあげ、伸びをしたところで俺は気付いた)
P(……俺、担当アイドルとキスしてなかった?割と大人なやつ)
P(……まじか、うける、うけない、やばい)
P(誰にも見られてないよな、大丈夫だよな……?)
志保「……あの、プロデューサーさん」
P(大丈夫じゃなかった。志保がうつむきながら、目線を此方へ向けていた)
P(そうとう怒っているんだろう。顔が太陽以上に真っ赤だ)
P(なるほど、俺のプロデューサー人生はここまでか)
P(志保が律子あたりに、いや、社長に言いつけてゲームオーバーだろう。コンティニューは許されそうにない)
P(疲れてたとか、焦ってたとか、太陽フレアのせいとか、そんな言い訳が通じるならこの世はキスで満ちている)
P「あ……す、すまなかった志保!お詫びにおれの首を……」
志保「いえ、首は貰っても困るのでいりません。それと……今回は許してあげます。今回限りですよ?」
P「え、いいのか?だって、俺志保に無理やり……」
志保「それはそれで……ではなく。まぁプロデューサーさんにも事情があるのは分かっていましたし?展示会は来週末までやっていますから、また日を改めてという事で手打ちにしてあげます」
P(なんか早口だった)
志保「それでは、あとで来週空いてる日を連絡してください」
たったったっ
P「……許されたのか……?」
小鳥「どうかしましたか?」
P「いえ……首打ちかと思ったら手打ちですんだので安心してました」
小鳥「??」
~翌日~
P(あの件で何か脅されるんじゃないかとか思っていたが……別にそんな事は無かった)カタカタカタ
P(よくよく考えなくても、女子中学生に無理やりキスとか警察なのでは?)カタカタカタ
P(志保からしたら、頭から抹消したいような出来事だったという事か)カタカタカタ
P「まぁ忘れた方がお互いの精神衛生の為か」
志保「何が忘れた方が、ですか?」
P「うぇあっ?!お、おはよう志保」
志保「さっきから何度か挨拶してましたが……貴方はまともに挨拶すら出来ない社会人なんですね」
P「すまん、考え事しててな」
志保「仕事してる最中に考え事なんて、ミスしたら大変です。まったく……仕事に集中して下さい」
P「どないせっちゅうねん」
志保「それで、何が忘れた方が、なんですか?」
P「あー……昨日の事さ。改めて謝ろうと思ってたんだけど、志保は気にしてないみたいだったし」
志保「……はぁーー……空いた口が塞がりません」
P「幸せが逃げてくぞ」
志保「いえ、それに関しては大丈夫です。はぁ……一応、初めてだったんですよ?」
P「誠に申し訳ありません」
志保「それに、連絡して下さいと言ったのに結局何も連絡してくれなかったじゃないですか」
P「あー、どうせ翌日会うしその時予定合わせればいいかなって」
志保「まともに顔を合わせると恥ずかしくなって……しまう可能性がありましたから。プロデューサーさんが、ですよ?」
P「あ、俺なのね。俺としては若干気が気じゃなかったけどさ」
志保「なのに全く連絡してくれないですし。気が気じゃなくて起きて待ってたこっちの身にもなって下さい」
P「睡眠不足は肌の敵だぞ」
志保「プロデューサーさんは女の敵ですね」
志保「それで、来週は何曜日が空いてましたか?」
P「えっと、何曜日だったかな……ちょっと待っててくれ」
志保「はぁ……なんで言われた時にチェックしてなかったんですか」
P「返す言葉もございません」
志保「まるで私一人が楽しみにし過ぎて空回りしてるみたいじゃないですか」
P「すまんて、今手帳確認するから……あっれ、手帳どこだっけな……」
志保「だらしな過ぎですね。いつもきちんと机の上を整理せず、出したものを元の場所に戻さないからーー」
P(まずい、早く手帳を見つけて空いてる曜日を伝えないと他の人が事務所に戻ってくる)
志保「そもそも、普段から片付けはしっかりと言ってるじゃないですか。なのに机の上に書類の山でーー」
P(どこだ?さっさと見つけないと志保は喋り続けるだろう、早く見つけて空いてる曜日を伝えて……!)
志保「それで、何曜日が空いてましたか?私は金曜日とーー」
タン、タン、タン
P(まずいまずいまずい!誰かが階段を登ってきてる!)
P「志保、悪いんだけど予定合わせるの後ででいいか?他の人に聞かれるとさ……!」
志保「ふふっ……そう言ってまた忘れちゃうんじゃないですか?焦らず早く手帳を見つけて下さい」
P(今の時点で手帳を見つけても、多分予定を合わせる頃には誰かが入ってくるだろう。だが……)
志保「土曜日だと、私がまるまる一日空いてます。プロデューサーさんはーー」
P(後にしてくれる気配はない!黙る気配もない!どうする?!どうやって黙らせる?!後回しにする?!)
「おはよーございまーす!」
P(扉の外から未来の声が聞こえてきた。未来に俺たちの会話を聞かれたら間違いなく一瞬で事務所全員に知れわたる!)
P(……一度も二度も同じなのでは?)
志保「プロデューサーさん、早くしーーん~~っ!!……んむっ……チュ……」
P「ーーっふー……後で、な?」
志保「……ふぁ……はい……」
P(きっとこれは犯罪者の心理なんだろう。一度やってしまったら二度も三度も同じことだ、と)
P(つまり俺は犯罪者なのでは?)
P(結局志保は後回しにしてくれて、今はむこうのソファで未来とおしゃべりしている)
P(俺はちきんと整理整頓をしようと決めた)
「あれ?志保ちゃん顔真っ赤だよ?熱でもあるの?」
「太陽フレアのせいじゃない?」
「太陽フレア……?あ、柔軟剤の事?あれすっごく良い匂いだよね~」
P「あー……俺はもうお天道様の下を大手振って歩けないな……」
小鳥「どうしたんですか?」
P「太陽フレアです」
小鳥「??」
P(それから何度か、志保がつっかかってきた時にキスで口を塞ぐ様になった)
P(まずい、完全に犯罪者である)
P(……と思っていたが、なんだろう、なんだか……)
P(志保がつっかかってくる事がとても増えた気がする)
P(それは大体俺がかなり集中してキーボードと奮闘している時で)
P(後ででいいか?とか少し静かにしてもらえるか?と言うと志保は一瞬だけど目を輝かせる)
P(もしかして、志保は……んー、どうなんだろう)
P(兎にも角にも明日は志保と出かける予定の土曜日だ)
P(他の事務所の人は居ないし、その時にさり気なく聞いてみるとしよう)
~翌日~
P「で、どうなんだ?」
志保「はぁ……それを直接本人に聞くんですか?」
P「考えたって答えは分かんないしさ。そもそもほら、なんて志保が黙ってくれてるのかも気になるし」
志保「……プロデューサーさんが、そのやり方で女の子を黙らせる事が出来ると確証した場合、私より年下の女の子に試したら大変だからです」
P「いややらないよ。犯罪じゃん」
志保「私相手なら犯罪にならないとでも?」
P「ほんとうにごめんなさい」
志保「それにしても、今日は暑いですね」
P「まぁ八月ごろに比べればマシだけどな」
志保「ですから、私の顔が少し赤くなっていてもそれは暑さのせいです」
P「ん、そんなに暑いか?」
志保「プロデューサーさん、もうすぐ展示会場に着きますから」
P「ういっす、展示会場では静かに、だよな」
志保「分かっているなら大丈夫です。でも……もし、プロデューサーがうるさく話を続けようするつもりなら……」
P「なら……?」
志保「プロデューサーさんと同じ方法で、貴方を黙らせてあげますから」
P「ーーって感じで、今の俺たちがあるわけだ」
志保「……」
P「あ、志保おかえり。今俺たちの昔話聞かせてたとこ」
「おかえりなさい、母さん」
志保「はぁ……空いた口が塞がらないです」
P「幸せが逃げるぞ」
志保「前にも言ったじゃないですか。それに関しては大丈夫です、と」
P「あー、だいぶ前に言ってたな。なんかあるのか?」
志保「だって……私が口を閉じなければ、貴方が幸せをくれるじゃないですか」
P「……志保、子供の前だぞ」
志保「その話してた貴方が言うんですか?」
「なるほど、キスをすれば黙る……確かにそうでしたね」
志保「ほら、子供に変な事覚えさせて……」
P「……確かにそう……?」
「夜、時たま母さんの不思議な声が聞こえてくるんです。『声、出ちゃう』って。その後キスの音が聞こえて……父さんはキスで母さんの口を塞いでたんですね」
P・志保「……」
短めですが以上です
お付き合い、ありがとうございました
過去作です、よろしければ是非
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ちょっと夜の出来事について詳しく
乙です
>>2
北沢志保(14) Vi/Fa
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>>6
音無小鳥(2X) Ex
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