女教師「なぜ……なぜ分かったの？」

少年「簡単なことさ」

少年「先生がいつも発しているこの香り……これはトイレでよく使われる消臭剤のもの！」

少年「つまり、先生はトイレであることを示している！」

女教師「フ……やるじゃない、坊や」

女教師「だったら見せてあげるわ、先生の正体を！」

女教師「はああああああああ……！」



ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ…

ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘ!!!

ﾋﾟｼｬｧｧｧｧｧﾝ!!!

ｼｭｩｩｩｩｩ…



トイレ「これが私の正体よ。公衆便所ってやつね」

少年「やっぱりそうだったのか……！」

少年「じゃあ、先生の中入ってもいい？」

トイレ「いいわよー」

少年「お邪魔しまーす」ﾀﾀﾀﾀﾀｯ

トイレ「コラコラ、女子トイレに入ろうとしない！」

少年「ちぇっ、バレたか」

トイレ「まったく、まだ低学年なのにドスケベなんだから……」

ジャン！！！



少年「わっ、中は広い！」

トイレ『そうよー、私の中は一種の異次元空間だから、見た目以上に広いのよ』

少年「すごいや！」

少年「それに先生の中……あったかいや……」

トイレ『利用者のことを考えて、常に暖房きかせてあるからね』

トイレ『冬場も冷たい便座に座らず済むってわけ！』ｴｯﾍﾝ

少年「なるほどー！」

ズラッ！

少年「わぁっ、小便器が20個以上並んでる！」

トイレ『そうよぉ～、行列ができないように多めに小便器を設置したの！』

少年「先生、よく考えてるなぁ」

少年「だけど、大便用の個室は一つしかないや」

少年「いくらなんでもバランス悪くない？」

トイレ『うっ、うるさいわね！　後から気づいたけど、もう手遅れだったのよ！』

少年「そういえば先生、人間状態の時もボディバランスちょっと悪いもんね」

少年「ウエストとヒップは魅力的なのに、バストはイマイチ小さくて……」ﾆﾔﾆﾔ

トイレ（マセガキ～！）

少年「しかも一つしかない個室は和式便器～？」

少年「なんで洋式じゃないのさ～。今時、和式だなんて……」

トイレ『うるさいわね、私は和式便器の方が大好きだからよ！』

トイレ『日本人なら和式ですべきよ！　洋式便器なんて軟弱よ！』ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…

少年「ごめんなさーい」

少年（先生を怒らせるとうるさいからな、とっとと済ませちゃおっと）

少年「じゃ、用を足すね」

トイレ『汚さないようにしてよね』

少年「ふんっ」ﾌﾟﾘｯ

少年「はぁ～、スッキリ」

トイレ『ちょっと柔らかいわね……消化不良を起こしてるわ』

トイレ『これから数日間は消化にいいものを食べなさい』

トイレ『それと、食事の時はよく噛むこと！　早食いはダメよ！』

少年「は～い！」

少年「じゃ、お尻を拭いて、と」ﾌｷﾌｷ

少年「先生、出るね！」

トイレ『ちょっと待ちなさい！』

少年「なに？」

トイレ『ちゃんと流しなさい！』

少年「は～い」

ｼﾞｬｰ…

トイレ『あ、それと！』

少年「なに？」

トイレ『トイレットペーパーは三角折りにしといて！』

少年「え～……めんどくさいなぁ」

トイレ『三角折りになってないと、どうも落ち着かないのよ！』

少年「はいはい」

トイレ『“はい”は一回！』

少年「でもお母さんに聞いたんだけど、用を足した人が三角折りにするのって、不衛生らしいよ」

トイレ『な、なんですって！？　うぐ……やっぱり折らなくていいわ』

トイレ『手はしっかり洗うこと！　手首までね！』

少年「はい！」ｼﾞｬﾌﾞｼﾞｬﾌﾞ

少年「あ、ハンカチ忘れちゃった」

少年「しかたない、手を振って水を切るね」ﾋﾟｯﾋﾟｯ

トイレ『ひゃんっ！』

少年「え？」

トイレ『コラーッ、トイレの中は私の体内みたいなものだってのを忘れないで！　冷たかったわ！』

少年「あ～、ごめんなさい」

トイレ『じゃ、出てきてちょうだい』

少年「先生、ありがとう」

トイレ「どういたしまして」

トイレ「さてと、人間に戻らないと！」



ボンッ！



女教師「あら、もうこんな時間。４時間目が終わっちゃったわ」

女教師「みんな、給食にするわよー！」

はーいっ！！！