【安価】ダンガンロンパ・ローズ【オリロンパ】 (351)

・このSSはオリロンパです。苦手な方はご注意下さい。
・ダンガンロンパシリーズのネタバレがあります。
・文章や進行など下手な所があるかもしれませんが、ご了承お願いします。

まずはキャラ作成をします。
超高校級の才能を募集します。
いくつあげてもOKです。
途中で募集をしめきり、>>1がその中から15人分を選びます。

では早速よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500455075

愛猫家

図書委員

交渉人
罠師
ゲリラ
文化祭実行委員
墓守

複数いいんだよね?

水中カメラマン
メッセンジャー
宮大工
エンターテイナー
アルピニスト

WEBデザイナー
放蕩息子(娘)
情報屋
給食委員
バーテンダー
凶運
???

続かないの多いけどこれは期待して良いのよね?

sp
狩人
釣り人
槍投げ選手
イタリアンシェフ
ロードレーサー
酪農家
相撲取り
グラビアアイドル
不運
鳥人間
空手家
演歌歌手
腹話術師
令嬢
ボランティア

幸運
陶芸家
吹奏楽部
女優
家庭科部
教師
ガーデナー

警官
医者
社長
弓道部

ハッカー
怪盗
爆弾魔
放火魔
テロリスト

資格ホルダー
テキ屋
貸本屋
ホテルマン
バイヤー

害虫駆除員
不良
番長
聖人
花火師
アルバイター
花嫁


解読者
歌姫
サッカー選手
環境委員

募集をしめきります。
たくさんあげてくださって、ありがとうございました。
今から選ぶので、しばしお待ち下さい。


男子
【超高校級の警察官】
【超高校級の小説家】
【超高校級の医師】
【超高校級の釣り人】
【超高校級のフィギュアスケーター】
【超高校級の番長】
【超高校級の怪盗】

女子
【超高校級のサッカー選手】
【超高校級の墓守】
【超高校級の情報屋】
【超高校級の令嬢】
【超高校級の文化祭実行委員】
【超高校級の声優】
【超高校級の吹奏楽部】
【超高校級のパズル作家】

以上15名で決定です。

つぎに名前とキーワードとステータスを決めます。
安価↓3まで名前とキーワードをあげてもらい、その中から名前は一つ、キーワードは三つ採用します。
また、安価↓1のコンマ下一桁を交友力
安価↓2のコンマ下一桁を精神力
安価↓3のコンマを???(非公開)の値とします。

ではまずは【超高校級の警察官】からです。
↓3まで

凪沙 良平(ナギサ リョウヘイ)
熱い心

椎原 護(しいばら まもる)

甘党

平和 守(ひらわ まもる)

真面目一辺倒


主人公は?

【超高校級の警察官】
名前:椎原 護(シイバラ マモル)
交友力:4 精神力:2 ???:4
『正義感』……悪事や不正を憎み、正義を愛する心を持つ。
『熱い心』……何事にも全力で取り組む熱血漢。
『甘党』……スイーツが大好物で、食べずに入られない模様。

>>27
主人公の設定等は>>1が既に作ってあるので、最後に名前だけ安価で決めようと思っています。

続いて【超高校級の小説家】を決めます。
↓3まで

垣野 弘 (かきのひろ)

病弱

文樹 充(あやき みつる)
持病持ち

堕罪 囚冶(だざい しゅうじ)

毒舌

秋口 枕流(アキグチ マクル)
【異常】に対して寛容

3までだとキーワード確定採用になるけどいいのかな

病弱と持病持ちは被りになるのかな?
もしかして>>32が繰り上げ採用?

被りもあるからコンマもうちょい下でもいいんじゃない?

『病弱』と『持病持ち』が被っているので統合し、『毒舌』を採用しました。

【超高校級の小説家】
名前:垣野 弘(カキノ ヒロ)
交友力:1 精神力:7 ???:6
『穏和』……常に穏やかで大人しい性格。
『病弱』……長い間治らない持病があり、身体が弱い。
『毒舌』……他人に対し、辛らつで皮肉的な言葉を使うことがある。


今後は被りを考慮して、安価↓5までの中から>>1が名前とキーワードを選びます。
コンマによるステータス設定は今まで通りです。

では改めて、超高校級の医師を決めます。
↓5まで

山本 壱朗(ヤマモト イチロウ)
自称《神の手》

エルヴィス・フォーサイス(Elvis-Forsyth)
曲者

御薬袋 恵士(みない えいじ)
心配性


【超高校級の医師】
名前:黒塔 青未知(コクトウ アオミチ)
交友力:9 精神力:8 ???:7
『厄介者好き』……面倒な人間を好み、敢えて自ら関わろうとする。
『自称・神の手』……自分のことを神の手を持つ医者と言い張っている。
『曲者』……一癖も二癖もある、したたかな人物。


続いて超高校級の釣り人を決めます。
↓5まで

太海 公望(ふとみ きんもち)
先見の明

今戸 氣持 (いまど きもち)

煽り屋

竿崎 鱗太郎(さおざき りんたろう)
楽天家

氷魚 青人(ヒオ アオヒト)
釣り人の血筋


【超高校級の釣り人】
名前:太海 公望(フトミ キンモチ)
交友力:3 精神力:6 ???:9
『好奇心の塊』……未知の物に対して盛んに興味を示す。
『楽天家』……人生を楽観視して生きる、よく言えば前向き。
『釣り人の血筋』……代々釣り人として生きてきた家系。


続いて超高校級のフィギュアスケーターを決めます。
↓5まで

滑床 銀河 (なめとこ ぎんが)
バカ王子

冬城 礼一(ふゆき れいいち)
女性が苦手

滑螺木 颯太(かつらぎ そうた)

年下キラー

襟元 優(えりもと ゆう)
自信無し

リオン・アルフォート(Lion-Alfort)
男の娘


【超高校級のフィギュアスケーター】
名前:滑床 銀河(ナメトコ ギンガ)
交友力:5 精神力:8 ???:2
『シベリア育ち』……極寒の国で幼少期を過ごした。
『バカ王子』……まるで王子様であるかのような尊大な態度の馬鹿。
『女性が苦手』……キャーキャーとうるさい女は嫌い。


続いて超高校級の番長を決めます。
↓5まで

鳴神 恭介(なるかみ きょうすけ)
留年して年上

轟轟 轟(ごうごう とどろき)

女性に優しい(年齢問わず、下心無し)

甲斐中 栄光 (かいなかえいこう)

寡黙

仙道 響鬼(センドウ ヒビキ)
片目が眼帯


【超高校級の番長】
名前:轟轟 轟(ゴウゴウ トドロキ)
交友力:3 精神力:6 ???:7
『留年』……出席日数が足りずに何回か留年をしているため年上。
『女に優しい』……女性に対しては下心無しに優しさを見せる。
『考えるより先に動く』……頭で考える前に体が動いてしまう性分。


続いて、超高校級の怪盗の決めます。
↓5まで

北山 南海 (きたやまなんかい)

謎のカリスマ性

Mr.トリート(本名 島田 伸夫)
筋骨隆々

リオン・アルフォート(Lion-Alfort)
男の娘

秘多 悠翔(ひだ ゆうと)
人目を惹く


【超高校級の怪盗】
名前:リオン・アルフォート(Lion=Alfort)
交友力:7 精神力:1 ???:9
『謎のカリスマ性』……一部の熱狂的なファンには崇拝されてすらいる。
『男の娘』……まるで少女のような可憐な容姿をしている。
『人目を引く』……派手な格好や言動で、他人から注目を集める。


続いて超高校級のサッカー選手を決めます。
↓5まで

明日原ひなた(アスハラ ーー)
野球嫌い

上津遊 美咲(かみつゆ みさき)
ムードメーカー

榎本 香織(えのもと かおり)
ポジティブ


【超高校級のサッカー選手】
名前:稲妻ヶ原 球嬉(イナヅマガハラ タマキ)
交友力:7 精神力:1 ???:0
『人懐っこい』……誰にでもすぐに親しくなるフレンドリーな性格。
『家が貧乏』……極貧の家庭に生まれ、幼い頃は生活に困窮していた。
『ムードメイカー』……場の雰囲気を盛り上げる。

続いて超高校級の墓守を決めます。
↓5まで

封 蘇睡 (フォン スーシュイ/ふう そすい)
茫洋

聖 寧子(ひじり やすこ)
ネクロフィリア

深古森 静希(みこもり しずき)
夜目が利く

音無 令(オトナシ レイ)
検視可能

志野 継実 (しのつぐみ)
根暗


【超高校級の墓守】
名前:棺木 桃佳(ヒツギ モモカ)
交友力:7 精神力:5 ???:8
『茫洋』……掴み所のない不思議な雰囲気を持っている。
『夜目が利く』……暗がりの中でも物を見分けられる。
『アイスクリーム信者』……アイスクリームばかりを食べるアイスクリーム狂。


続いては超高校級の情報屋を決めます。
↓5まで

庵野 ユリ(あんの ゆり)
チェシャ猫笑い

霧島 涼(キリシマ リョウ)

一匹狼


【超高校級の情報屋】
名前:庵野 ユリ(アンノ ユリ)
交友力:3 精神力:2 ???:1
『チェシャ猫笑い』……口を三日月型に歪め、怪しく笑う。
『一匹狼』……単独行動を好み、1人でいることが多い。
『パンクファッション』……奇抜で特徴的な服装をしている。


続いて超高校級の令嬢を決めます。
↓5まで

鴻池 鈴蘭(こうのいけ すずらん)
どケチ

月森 八重 (つきもりやえ)
内気ネガティブ

有木園 エリィ(ありきぞの えりぃ)
ハーフ

花御門 彩夢(はなみかど あやめ)

いじめられっ子

司法印 哀歌(シホウイン アイカ)

自称「パーフェクト」

フェリシア・ハワード (Felicia-Howard)
清淑

円頓寺 輝美 (えんどうじ てるみ)

天才


【超高校級の令嬢】
名前:昨日坂 未来(キノウザカ ミク)
交友力:4 精神力:1 ???:2
『1日3時間睡眠』……1日の睡眠時間がたったの3時間のみ。
『内向的』……感情を表に出さず、自分の心の中だけで物を考える。
『内気ネガティブ』……気が弱く、すぐに悪い方に考えてしまう性格。


続いて超高校級の文化祭実行委員を決めます。
↓5まで

安楽城 茉莉(あらき まつり)
ドジっ子

盛親 祭宴 (もりちか さいえん)

喧嘩百段


【超高校級の文化祭実行委員】
名前:冴島 葉月(サエジマ ハヅキ)
交友力:4 精神力:8 ???:7
『親父ギャグ好き』……下らない駄洒落を連発する。
『ドジっ子』……何処か抜けていて、ヘンテコな失敗を繰り返す。
『喧嘩100段』……腕っ節がめっぽう強く、喧嘩負けなしと言われている。


続いて超高校級の声優を決めます。
↓5まで

渋谷 綾乃(しぶや あやの)
オタク的ハイテンション

詩江 美由海(うたえ みゆみ)
下ネタ好き

大塚 美和子 (おおつか みわこ)

大人の雰囲気


【超高校級の声優】
名前:七掛 春夏(シチガケ ハルカ)
交友力:2 精神力:7 ???:3
『録音記憶』……聞いた言葉を録音したかのように一字一句正確に記憶する。
『エロ話好き』……性的な話題を好んで口にする痴女。
『大人の雰囲気』……大人っぽい魅力を醸し出している。

続いて超高校級の吹奏楽部を決めます。
↓5まで

清澄 振流(きよすみ ふるる)
感性的

橘 有紗(たちばな ありさ)
イケメン女子

風雅 マイン (ふうが ー)

パッパラパー

音峰 翔子 (おとみしょうこ)

お気楽マイペース


【超高校級の吹奏楽部】
名前:橘 有紗(タチバナ アリサ)
交友力:0 精神力:6 ???:7
『感性的』……感覚で物事を考え行動するタイプ。
『パッパラパー』……常人には理解できない言動がしばしばある。
『可愛い物好き』……小さくて可愛らしくが大好き。


続いて超高校級のパズル作家を決めます。
↓5まで

津組 メイ(つぐみ -)
姐さん気質

矢野 理佐 (やのりさ)

無気力


【超高校級のパズル作家】
名前:崩条 廻(ホウジョウ メグリ)
交友力:6 精神力:5 ???:5
『ポンコツ』……パズルの事以外では基本的にポンコツで役立たず。
『改造癖』……機械類を改造してしまう癖がある。
『無気力』……普段はやる気がなく、覇気も感じられない。


最後に主人公の名前を決めます。
↓5までの中から>>1が選びます。

性別は男でいい?

真城 新(しんじょう あらた)

>>131
忘れてました。
性別は男です。

神裂 勝多(かんざき しょうた)

葉野 樹(はのや いつき)


主人公の名前は、真城 新(シンジョウ アラタ)に決定しました。
ご参加ありがとうございました。

主人公の詳しいプロフィールはプロローグ後に載せます。

とりあえずのキャラまとめです。


【超高校級の警察官】
名前:椎原 護(シイバラ マモル)
交友力:4 精神力:2 ???:4
『正義感』……悪事や不正を憎み、正義を愛する心を持つ。
『熱い心』……何事にも全力で取り組む熱血漢。
『甘党』……スイーツが大好物で、食べずにはいられない模様。


【超高校級の小説家】
名前:垣野 弘(カキノ ヒロ)
交友力:1 精神力:7 ???:6
『穏和』……常に穏やかで大人しい性格。
『病弱』……長い間治らない持病があり、身体が弱い。
『毒舌』……他人に対し、辛らつで皮肉的な言葉を使うことがある。


【超高校級の医師】
名前:黒塔 青未知(コクトウ アオミチ)
交友力:9 精神力:8 ???:7
『厄介者好き』……面倒な人間を好み、敢えて自ら関わろうとする。
『自称・神の手』……自分のことを神の手を持つ医者と言い張っている。
『曲者』……一癖も二癖もある、したたかな人物。


【超高校級の釣り人】
名前:太海 公望(フトミ キンモチ)
交友力:3 精神力:6 ???:9
『好奇心の塊』……未知の物に対して盛んに興味を示す。
『楽天家』……人生を楽観視して生きる、よく言えば前向き。
『釣り人の血筋』……代々釣り人として生きてきた家系。


【超高校級のフィギュアスケーター】
名前:滑床 銀河(ナメトコ ギンガ)
交友力:5 精神力:8 ???:2
『シベリア育ち』……極寒の国で幼少期を過ごした。
『バカ王子』……まるで王子様であるかのような尊大な態度の馬鹿。
『女性が苦手』……キャーキャーとうるさい女は嫌い。


【超高校級の番長】
名前:轟轟 轟(ゴウゴウ トドロキ)
交友力:3 精神力:6 ???:7
『留年』……出席日数が足りずに何回か留年をしているため年上。
『女に優しい』……女性に対しては下心無しに優しさを見せる。
『考えるより先に動く』……頭で考える前に体が動いてしまう性分。


【超高校級の怪盗】
名前:リオン・アルフォート(Lion=Alfort)
交友力:7 精神力:1 ???:9
『謎のカリスマ性』……一部の熱狂的なファンには崇拝されてすらいる。
『男の娘』……まるで少女のような可憐な容姿をしている。
『人目を引く』……派手な格好や言動で、他人から注目を集める。



【超高校級のサッカー選手】
名前:稲妻ヶ原 球嬉(イナヅマガハラ タマキ)
交友力:7 精神力:1 ???:0
『人懐っこい』……誰にでもすぐに親しくなるフレンドリーな性格。
『家が貧乏』……極貧の家庭に生まれ、幼い頃は生活に困窮していた。
『ムードメイカー』……場の雰囲気を盛り上げる。


【超高校級の墓守】
名前:棺木 桃佳(ヒツギ モモカ)
交友力:7 精神力:5 ???:8
『茫洋』……掴み所のない不思議な雰囲気を持っている。
『夜目が利く』……暗がりの中でも物を見分けられる。
『アイスクリーム信者』……アイスクリームばかりを食べるアイスクリーム狂。


【超高校級の情報屋】
名前:庵野 ユリ(アンノ ユリ)
交友力:3 精神力:2 ???:1
『チェシャ猫笑い』……口を三日月型に歪め、怪しく笑う。
『一匹狼』……単独行動を好み、1人でいることが多い。
『パンクファッション』……奇抜で特徴的な服装をしている。


【超高校級の令嬢】
名前:昨日坂 未来(キノウザカ ミク)
交友力:4 精神力:1 ???:2
『1日3時間睡眠』……1日の睡眠時間がたったの3時間のみ。
『内向的』……感情を表に出さず、自分の心の中だけで物を考える。
『内気ネガティブ』……気が弱く、すぐに悪い方に考えてしまう性格。


【超高校級の文化祭実行委員】
名前:冴島 葉月(サエジマ ハヅキ)
交友力:4 精神力:8 ???:7
『親父ギャグ好き』……下らない駄洒落を連発する。
『ドジっ子』……何処か抜けていて、ヘンテコな失敗を繰り返す。
『喧嘩100段』……腕っ節がめっぽう強く、喧嘩負けなしと言われている。


【超高校級の声優】
名前:七掛 春夏(シチガケ ハルカ)
交友力:2 精神力:7 ???:3
『録音記憶』……聞いた言葉を録音したかのように一字一句正確に記憶する。
『エロ話好き』……性的な話題を好んで口にする痴女。
『大人の雰囲気』……大人っぽい魅力を醸し出している。


【超高校級の吹奏楽部】
名前:橘 有紗(タチバナ アリサ)
交友力:0 精神力:6 ???:7
『感性的』……感覚で物事を考え行動するタイプ。
『パッパラパー』……常人には理解できない言動がしばしばある。
『可愛い物好き』……小さくて可愛らしくが大好き。


【超高校級のパズル作家】
名前:崩条 廻(ホウジョウ メグリ)
交友力:6 精神力:5 ???:5
『ポンコツ』……パズルの事以外では基本的にポンコツで役立たず。
『改造癖』……機械類を改造してしまう癖がある。
『無気力』……普段はやる気がなく、覇気も感じられない。


プロローグは明日開始します。

よろしくお願いします。

乙です、待ってます

乙です
頑張ってください


それでは今からプロローグを開始します。
よろしくお願いします!




【ダンガンロンパ・ローズ】
     START




真城「────ここが待ち合わせの港か」


窮屈な車内から降りると、湿った潮風が頬を撫でる。

俺は今、とある田舎町の港を訪れていた。


さてと、まずは自己紹介から始めようか。

俺の名前は真城 新(シンジョウ アラタ)。

歳は16、血液型はB、好きな食べ物は焼きそばパン。好きなカップはEカップ。

運動神経はそこそこで、全国模試の偏差値もそこそこだ。

でもそんな俺にも、一つだけ誇れることがある。


それは────俺が【超高校級】だってことだ。


???「……あの、貴方も『薄紅島』へ行かれる方ですか?」

真城「え? ああ、そうだけど」

不意に後から声をかけられる。

振り返ると、髪の長い綺麗な女の子が立っていた。

???「……えっと、私もなんです。私も『薄紅島』への招待状を貰ってるんです」

真城「へぇ、アンタもあの手紙をね。じゃあアンタも【超高校級】なのか?」

???「あ、はい。………ご、ごめんなさい自己紹介が遅れましたね」


昨日坂「私は昨日坂 未来と申します。ギフテッド制度に選ばれた【超高校級の令嬢】です」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の令嬢】キノウザカ ミク

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


昨日坂家と言えば、国内でも有数の大企業の創始者一家だ。

そこの令嬢ってことは……この嬢ちゃんかなりのお金持ちだな。

仲良くして損はなさそうだ。

よく見りゃ結構可愛いし、胸もそこそこ大きいしな。

真城「俺は真城新ってんだ、よろしく頼むぜ」

昨日坂「……よ、よろしくお願いします、真城さん」


真城「で、ホントなのか? 昨日坂ちゃんも招待状を貰ったってのは」

昨日坂「あっ、はい。これがその招待状です」

高価そうな上着のポケットから、1枚の便箋を取り出す。


『キノウザカ ミク様へ』

『この度、【超高校級の令嬢】である貴方様をパーティーに招待する事となりました』

『パーティーの開催場所は○○県沖合に浮かぶ薄紅島と呼ばれる孤島です』

『必ずお一人でお越し下さいませ』

『詳細は別途資料をご覧下さい』

『追伸 もし貴方様がパーティーを欠席される場合、貴方様は大切な物を失うことになります。ご了承下さい』


真城「同じだ。俺が貰った奴と」

昨日坂「……なんだか怖いですよね。『大切な物を失うことになります』なんて、まるで脅しみたいで……」

昨日坂「差出人も不明ですし……」

昨日坂「本当はこんな所来たくなかったんですけど、もしもの事があったら不安で……」

真城「怖い? 不安? むしろ俺はワクワクするけど」

昨日坂「えっ? どうして……」


差出人不明の招待状。

孤島で開かれるパーティー。

集められた【超高校級】の高校生達。


こんな謎だらけの展開なんてそうそうあるもんじゃない。

期待で胸が膨らんでもしょうがないだろ?

だって俺は──────────





真城「俺は【超高校級の名探偵】だからな!」





PROLOGUE【薔薇と紅茶と名探偵】




メイド「真城様と昨日坂様でございますね」

ふわっと紅茶の香りが漂う。

フリルの沢山付いた白黒のエプロンドレス、いわゆるメイド服のような格好をしている少女がいた。

いや、どこからどう見てもメイドさんだ。

しかも可愛い。おっぱいも大きい。

昨日坂「……えっと、貴方はどちら様ですか?」

メイド「私はご主人様に雇われた使用人でございます。皆様を『薄紅島』までお連れする手はずになっております」

真城「ご主人様って誰だ? 招待状の差出人か?」

メイド「申し訳ございません。その質問にはお答えできません」

真城「俺達を『薄紅島』に集めて何するつもりなんだ? パーティーってのは何なんだよ?」

メイド「申し訳ございません。その質問にはお答えできません」

真城「強情だなぁ、メイドさん。でもその強気な態度嫌いじゃないぜ」

無表情のまま機械のように受け答えするメイドさんは、まるでロボットみたいだ。


メイド「それではこちらへどうぞ。船を用意してございます」

そう言うとメイドさんはスタスタと歩き始めてしまう。

昨日坂「あっ、ちょっと……待って下さい」

昨日坂「えっと、ついていっても大丈夫なんでしょうか……?」

真城「大丈夫じゃないか? だって可愛くて巨乳の女の子に悪い奴はいないって言うだろ」

昨日坂「……………………………………」

真城「顔が怖いぜ、昨日坂ちゃん」

昨日坂「………………軽く引いてるんですよ、真城さん」



メイドさんについて行くと、中型のクルーザーが停泊していた。

メイド「既に他の皆さんは乗船してございます。真城様達が最後でございます」

真城「じゃ、乗らせて貰うぜ。よっと……?」

俺が船内に足を踏み入れた、その瞬間。

ぐらっ、と揺れた気がした。

それに何か脳内が暗くなったような。

昨日坂「……ど、どうかしました真城さん?」

真城「いや、何でもない」

船なんだし、ちょっと揺れるぐらい普通だよな。


中に入ると、十数人の男女がこちらを睨んできた。

昨日坂「もしかして、この人達全員がパーティーに招待されたんでしょうか?」

真城「だろうな。加えて言うと、多分全員【超高校級】だろ」

さて、とりあえず情報収集と参りますか。

まずは、誰に声をかけようか。



↓1 話しかける相手


太海「~♪」

船の窓から釣り糸を垂らし、呑気に口笛を吹いている少年がいた。

真城「何か釣れてるか少年?」

太海「ん~? いーや、なーんも釣れないね」

真城「その割には楽しそうだな」

太海「まーね、ボクは釣りしてるだけで楽しいからね~」

太海「あ、自己紹介しないとだね」


太海「ボクは太海 公望。【超高校級の釣り人】って呼ばれてるんだ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の釣り人】フトミ キンモチ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真城「釣り人ね……なんで太海はこの船に乗ってんだ?」

太海「もちろん招待状を貰ったからだよー」

真城「その招待状に従った理由を聞いてんだって」

太海「えー、そんなの決まってるよ~」

太海「だって島でパーティーなんて楽しそうじゃーん?」


太海公望。

肝が据わってる……と言うよりはタダの子供みたいだぜ。


さて、次は誰に話しかけるか。


↓1 話しかける相手


垣野「…………何か用ですか?」

真城「あ、いや自己紹介をと思ってだな」

黙々と何かを紙に書き綴っている男は、落ち着いた口調のまま話す。

垣野「自己紹介……忙しいけど仕方ないですね」

垣野「僕の貴重な執筆時間を削ってまでする事かは分からないけれど、頼まれたからには仕方ないです」

真城「…………悪かったな」


垣野「垣野 弘です。平穏な人生がモットーのしがない小説家をしています」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の小説家】カキノ ヒロ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


垣野「平穏を乱す人は許さないのでよろしくお願いします」

真城「俺のことか? 嫌味な奴だなぁ」

垣野「誰もそうとは言ってません」

真城「垣野も招待状を貰ったって来たんだろ?」

垣野「そうですが何か?」

真城「いや、なんでパーティーに来たのかなと思って」

垣野「別に理由を話す義務はないですね」


垣野弘。

上辺は大人しそうな奴だか、中身は付き合いにくそうだ。


↓1 話しかける相手


庵野「……何処かで見た顔だね」

真城「げ、庵野のババアまで呼ばれてたのかよ」

庵野「誰がババアだ誰が……ったく変わらないねアンタは」

ど派手なパンクファッションの女は、ピアスだらけの口元を三日月型に歪めて笑う。

真城「そう言えば庵野も【超高校級】なんだったな……忘れてたぜ」


庵野「ククク……この【超高校級の情報屋】庵野ユリの事を忘れるなんて、罪な男」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の情報屋】アンノ ユリ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真城「なあ庵野の情報網では何か掴んでないのか? この招待状とかパーティーの件について」

庵野「正体不明の人物が島を丸ごと買い取って、そこに【超高校級】の連中を集めてるってことしか分かってないね」

庵野「分かってないから、わざわざ足を運んでここに来たんだよ」

庵野「はい、アタシからの情報は以上。代金はあとで口座に振り込んどいてね」

真城「は!? 金取るのかよ!? 何も分かってねぇ癖に!?」

庵野「アタシには分からない、と言う情報を売ってやったの」


庵野ユリ。

昔、探偵の仕事中に世話になったことがあるが……相変わらず食えないババアだ。


↓1 話しかける相手


棺木「あちゅい……あちゅい……」

真城「大丈夫かお嬢ちゃん? 凄い汗出てるぜ」

初夏の海辺だってのに、分厚いコートに身を包んでいる少女は玉のような汗を流している。

棺木「ほ? 声が聞こえると思ったら、大きなアイスクリーム様が喋ってる……」

真城「は?」

棺木「いただきます!」

ガブッと少女が俺の頭に噛みつこうとしてくる。

真城「お、おいおいおいおいっ!? 何だぜいきなり!?」

棺木「あれ? アイスクリーム様じゃない?」

真城「当然だろ。俺は【超高校級の名探偵】真城新だぜ」

棺木「なんと! これは失礼つかまつり」


棺木「ワタシは棺木 桃佳、【超高校級の墓守】なのです」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の墓守】ヒツギ モモカ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


棺木「ふぇ……それにしてもあちゅすぎる……」

棺木「招待状にあったパーティーという催し物ではアイスクリーム様は出るのでせうか?」

真城「さあ、どうだろうな」


棺木桃佳。

よく分からん奴だと言うことはよく分かったぜ。


↓1 話しかける相手


ギュッとネクタイを締めている真面目そうな男がいる。

真城「なあ、ちょっといいか?」

椎原「はっ! どうしたでありますか!」

真城「色々聞きたいことはあるけど、まずは自己紹介だな」

椎原「そう言うことならば……」


椎原「本官は椎原護。【超高校級の警察官】であります!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の警察官】シイバラ マモル

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真城「お、椎原は警察か。そりゃ頼りになるぜ」

真城「なんせ主催者不明のパーティーとか怪しすぎる場所に向かうんだからな」

真城「ところで何で椎原はパーティーに出るんだ?」

椎原「もちろん主催者に厳重注意しに行くためであります!」

椎原「あの招待状……あのような脅迫紛いのことをする人物を、本官は見過ごすわけには行きません!」

椎原「本日は非番ではありますが、本官の心は常に職務中と変わらずであります!」

真城「ははっ、随分熱い奴だな」


椎原護。

正義感溢れる熱血漢か……気に入ったぜ。


↓1 話しかける相手


コロコロと足下に何かが転がってきた。

真城「コレは……ルービックキューブか?」

崩条「すまない、それはボクのだ」

眼鏡をかけた知的そうな女性にルービックキューブを渡す。

真城「得意なのか? それ」

崩条「まあね。見ててくれ……ほらっ」

そう言うと、バラバラだった面をすぐさま揃えてしまう。

しかも片手で。

真城「おおっ! 凄いな!」

崩条「大したことないさ」


崩条「【超高校級のパズル作家】であるボク、崩条 廻にとっては取るに足らない作業だよ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級のパズル作家】ホウジョウ メグリ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真城「で、崩条ちゃんは……」

崩条「ちゃん付けで呼ばないでくれ」

真城「……崩条は何で招待状通りにここに来たんだ?」

崩条「来ないわけにも行かないだろう? 露骨な脅し文句まであったんだからさ」

真城「それだけか?」

崩条「それだけだよ」


崩条廻。

脅しなんかに動じるような奴には見えない……何か隠してるな、俺の名探偵の勘がそう言ってるぜ。

今回はここまでです。
自己紹介の続きからを、明日か明後日やります。
最後に安価だけ。


↓1 話しかける相手


お待たせしました。
続きを始めます。


黒塔「ふむふむ、なる程なる程」

真城「ん?」

何だか知らないが、得心したと言う顔で近づいてきたのは、黒いスーツの上から無造作に白衣を羽織った男だ。

黒塔「君はどうやら中々に面白い人物のようだね」

真城「そいつは褒め言葉でいいのか?」

黒塔「勿論。僕は自慢じゃあないが、人を見る目だけはあるつもりだよ」

真城「へへっ、そりゃいいぜ! アンタ大正解だぜ? なんせ俺は名探偵だからな」

黒塔「探偵……なる程なる程。実物は初めて見る」

真城「おいおい、タダの探偵じゃないぜ……俺は名探偵だ!」

黒塔「ほう、名探偵! はははは、これは想定以上に面白い御仁のようだ」

黒塔「おっと、僕の自己紹介がまだだったね」


黒塔「名前は黒塔青未知。人は僕を神の手を持つ医師と呼ぶよ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の医師】コクトウ アオミチ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真城「……神の手って、何だそりゃ?」

黒塔「その名の通り、神のごとくあらゆる病気や怪我を治してきたってことだよ」

自信満々に鼻を鳴らす黒塔。なんか胡散臭い通り名だ。

でも、黒塔の言うことを信じるなら、島では世話になることがあるかもしれないな。

本当は怪我人が出るような自体は勘弁だけど……何が起こるか分からないし。


黒塔青未知。

超高校級の医師とは言え、神の手ってのはちっとばかし盛りすぎじゃないか? 


↓1 話しかける相手


リオン「とうっ!」ダキッ

真城「うおっ、な、何だぜいきなり!?」

唐突に後から飛びつかれる。

少女のような白い細腕が俺の体に回る。

リオン「ねえ、私と……とーっても良いコト、しない?」

真城「い、いい良いこと!? それってもしかして……いや、もしかしなくても……」

ごくり、と喉が鳴る。

俺に抱きついているのは、派手な服装を着た、金髪碧眼の美少女。

残念ながら、お胸のお山は平坦みたいだが……いいのか? こんな美少女と、とーっても良いコトしてもいいのか!?

リオン「ぷっ」

リオン「あっははははは、何真剣な顔になってるの? 冗談に決まってるじゃんか」

真城「じ、冗談だって!?」

リオン「怒んないでよー、ちょっとからかっただけだって」


リオン「私はリオン……リオン・アルフォートだよ。ボンジュール、真城新クン」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の怪盗】リオン・アルフォート

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


バッ、と俺から離れると、くるくると回転しながら後退する。

リオン「そうそう、因みに私は男だから、勘違いしないでね」

真城「は? 男? 嘘だろ……でも、確かに胸がなさ過ぎると思ってたんだ……」

リオン「あ、あとついでにコレは貰っとくね」

真城「それ、俺の財布じゃねーか! ふざけんな返しやがれ!」

リオン「あっはははは、返さないよー! だって私は【超高校級の怪盗】なんだから」


リオン・アルフォート。

美少女のような見た目に騙されたが、怪盗でしかも男の娘とは……要注意人物だぜ。


↓1 話しかける相手


轟轟「あ゙あ゙ん? 自己紹介ィ? 人に名前聞く時はよォ、テメーから名乗るのが筋ってもんだろォがよォ!」

ギラリ、と威圧的な視線が俺を貫く。

真城「ははっ、こんな前時代的な不良がまだいたとは驚きだぜ」ブルブル

真城「残念だが俺は名探偵。不良になんてビビるようなちんけな人間じゃないんだ」ブルブル

轟轟「脚ィ、震えてんじゃねェかボケ」

真城「なんでバレやがった!?」ガクブル

轟轟「バレバレだボケ、良いからさっさと名乗れやハゲ」

真城「お、俺は真城新だ。け、決してハゲではないし、ビビってもないぜ」


轟轟「おう、俺ァ轟轟 轟だ。泣く子も黙る鬼番長、【超高校級の番長】たァ俺の事だ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の番長】ゴウゴウ トドロキ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


厳つい顔に、地面に響く低音ボイス。

まるで人を怖がらせるために生まれてきたような奴だぜ。

轟轟「まァ、一緒にパーティーに参加する縁だ、夜露死苦頼むぜ名探偵さんよォ」

真城「……あ、ああ」



轟轟 轟。

番長の名にふさわしい迫力だぜ……決してビビってはいないが。


↓1 話しかける相手


七掛「あら、私に何か用かしら?」

真城「いや名前とか聞いとこうかなって……と言うか……」

で、でかい!

何がとは言わないが、デカい!!!

E……F……いや、Gすら超えてるかもだぜ。

七掛「ああ、自己紹介……分かったわ。シてあげる」


七掛「私の名前は七掛 春夏よ。【超高校級の声優】なんて呼ばれているわ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の声優】シチガケ ハルカ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真城「お、おうよろしくだぜ……」

七掛「うふふ、あなたが今どこを見てるか分かるわ」

真城「あ、いやコレは違うぜ! 全然おっぱいなんて見てないぜ!」

七掛「ふふっ嘘が下手なのね」

七掛「でも、あなたが望むなら、見るだけじゃなくて触ったって良いのよ?」

真城「えっ?」

七掛「いつでも待ってるわよ♡」ボソッ

耳もとで囁かれたその言葉は俺の脳を溶かしていくよう。

そう言えば、七掛ちゃんは【超高校級の声優】だったぜ。

こんなエロい声でそんなこと言われたら……い、いや我慢だ我慢。

この程度で理性を失っちゃ、男として恥ずかしいぜ。


七掛春夏。

胸はデカいし、声はエロいし……まったく最高だぜ。


↓1 話しかける相手


橘「あの、あなたは宇宙人ですか?」

真城「…………………………は?」

何だこのお嬢ちゃん。

いきなり意味の分からない質問をしてきて……ふざけてんのか?

真城「俺は名探偵だぜ」

橘「えっ、宇宙にも探偵さんがいるんですか!?」

真城「いや、だから宇宙人じゃなくて……」

橘「えぇっ!? じゃあ何人の探偵さんなんですか!?」

真城「地球人だっ!!」

橘「そんな!? じゃあ宇宙には探偵さんはいないんですか!?」

真城「いや、それは知らないけど……って、何の話だコレ」

話が噛み合わないというか……言ってることが意味不明だ。

橘「そうだ! 宇宙探偵さんに私の事教えてあげます!」

真城「いや、だから宇宙人じゃ………………いや、もうそれでいいぜ」


橘「私は橘有紗。アリスではなくてアリサ、ここ重要です! 得意な金管楽器は全部です!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の吹奏楽部】タチバナ アリサ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真城「金管楽器……吹奏楽部か何かか?」

橘「はい! 私は【超高校級の吹奏楽部】なんです!」

橘「……あの、ふと思ったんですが、宇宙には吹奏楽部はあるんでしょうか?」

真城「俺に聞かれても困るぜ」

橘「宇宙人なのに知らないんですか!?」

真城「もうツッコまないぜ!?」


橘有紗。

これ程までに話してて疲れる奴は初めてだぜ。


↓1 話しかける相手


冴島「あっぶねぇーーーっ!!!」

真城「なっ?」

ドッシーン!!!

後ろから走ってきた女の子とぶつかって、俺は転ばされてしまった。

真城「痛ててて」

それにしてもぶつかった相手をはじき飛ばすなんて、この子、女にしては筋肉が重い。

見た目の割に相当鍛えてると見たぜ。

冴島「悪い悪い、“無礼”な真似をしてホント悪い。“ブレー”キが効かなかったんだ」

冴島「なんつって」

真城「アンタ反省してんのか?」

冴島「してるしてる。アイムソーリーヒゲソーリー」


冴島「あたしは冴島葉月。【超高校級の文化祭実行委員】ってのがアタシの仕事だ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級の文化祭実行委員】サエジマ ハヅキ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真城「文化祭実行委員? プロレスラーじゃなくてか?」

冴島「がはははは、あたしがプロレスラー? 面白い冗談だ」

真城「俺を吹き飛ばせる筋力があるなら全然できると思うぜ」

冴島「かよわい乙女に向かって何言うんだか」

真城「かよわい乙女は親父ギャグを連発したりしないぜ」

冴島「そういう乙女がいたって良いじゃない」


冴島葉月。

パワーといいギャグセンスと言い、到底乙女には見えないぜ。


↓1 話しかける相手


船内の一角に化粧室が有り、そこに誰かが入り浸っているみたいだ。

真城「おーい、中に誰かいるんだろ? 」

声かけると扉が開き、一人の美形の男が出てきた。

夏なのにマフラーと手袋をしている。だが、その顔は涼しげだ。

滑床「なんだ貧相な顔。オレ様に何か用か?」

滑床「おっと、サインは受け付けないよ? オレ様のサインはそう簡単には手に入れなれないんだ」

真城「は? サイン? いや要らないぜそんなの」

滑床「な、なん……だと………」


滑床「この【超高校級のフィギュアスケーター】滑床銀河様のサインが要らないだとぉーっっ!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級のフィギュアスケーター】ナメトコ ギンガ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


滑床「オレ様は『星雲を駆け宇宙を巡る』でおなじみの、流星の貴公子こと滑床銀河様だぞ!」

滑床「オレ様のサインは雌豚共が何十万という金を払ってでも欲しがる、この世の至宝だぞ!!」

滑床「それを要らないとは……何と愚かな……」

真城「いや、そもそも俺は……滑床だっけ、アンタのことすらよく知らないぜ」

真城「フィギュアスケートとか、スポーツには微妙に疎くてな」

滑床「な………なな………」

呆然とした顔……衝撃で言葉が出ないようだ。

滑床「し、しかたあるまい。ならば今から貴様はオレ様のファンになれ!」

そう言って俺の手を取ると、手のひらサインを書き込む。

真城「うわっ、何すんだぜ!?」

滑床「これで貴様はオレ様のファンになったのだ! 光栄に思えよ!」

要らない物を押しつけられてしまったぜ。


滑床銀河。

自己中心的で尊大で身勝手……まったく困ったもんだぜ。


↓1 話しかける相手



稲妻ヶ原「おーっす、球嬉は稲妻ヶ原球嬉たぞ! サッカーが大好きで【超高校級のサッカー選手】になったんだぞ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【超高校級のサッカー選手】イナヅマガハラ タマキ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


高校生にしては大分小柄、小学生と言われても頷けるような容姿の女の子は元気よく挨拶する。

稲妻ヶ原「兄ちゃんはなんて言うんだ?」

真城「俺か? 俺は真城新、名探偵だ」

稲妻ヶ原「おお! アラタは名探偵なのか! 真実はいつも一つなんだな!」

真城「そうだ、その通りだぜ稲妻ヶ原ちゃん」

目を爛々と輝かせる稲妻ヶ原ちゃん。

そうだよこの反応だぜ! 俺が求めてたのは!

真城「それにしても稲妻ヶ原って長い苗字だな……呼びにくいぜ」

稲妻ヶ原「球嬉のことは球嬉って呼ぶと良いぞ! 友達はみんなそう呼ぶんだ!」

真城「なるほど。じゃあ、改めてヨロシクな球嬉」

稲妻ヶ原「よろしくだぞ、アラタ!」

球嬉「そうだ! ついでに名前蘭も球嬉にしとくぞ!」

真城「名前蘭? なんだそれ?」

球嬉「えーと、それが球嬉にもよく分からないぞ……」


稲妻ヶ原球嬉。

子供っぽくて高校生には見えないが、話してて楽しくなる奴だぜ。

訂正 名前蘭→名前欄


メイド『皆様お待たせ致しました。準備ができましたので、ただ今より出航ででごさいます』

自己紹介を終えると、船内放送からメイドさんの声が聞こえた。

どうやら出発するらしい。

真城「いよいよだぜ。さぁ、鬼が出るか蛇が出るか」

昨日坂「できれば普通にパーティーをして、それで帰してもらえればいいんですが……」

真城「それが理想っちゃ理想だな」

まあ、それじゃあ名探偵としての好奇心は収まらないぜ。

真城「そう言えばこの船って誰が操縦するんだ? 操縦士がいるのか?」

メイド『私が操縦致します』

俺の疑問にタイミング良く放送が入る。

どっかで俺の声聞いてるのか?


真城「でもメイドさん、アンタ見た所俺達と同年代だよな……免許とか持ってるのか?」

メイド『安心して下さいませ。免許より大事なのは成し遂げるという強い意志でございます』

真城「全然安心できないぜ!?」


メイド『それでは出航です』

そう、メイドさん告げた──────次の瞬間。









船は飛んだ。





いや、正確に言えば海面を滑るように、猛スピードで発進したのだ。


グオォオオオォオォォォォオォオオオォオオンッッッ!!!!!


凄まじい轟音をかき立て、船はうねるように進む。

真城「うおおおおおっ!? 揺れる揺れる!!」

昨日坂「きゃあああっ!! お、おお落ちます、落ちてしまいます!!」

球嬉「うっひゃー! すげーぞコレ! ジェットコースターより楽しいぞ!」

太海「~♪ 良い風だねー、気持ちいいやー」

冴島「がっはっはっはっはっ! まるで水上スキーだ! 水上スキーは大好きー!」

椎原「皆さん、よくこの状況で笑えるものです……本官はまだまだ修行不足と言うことでありますか!」

垣野「全く、うるさいです。これじゃあ原稿が進まないじゃないですか」

崩条「こ、この程度で取り乱すなんてまだまださ。こ、こういう時こそ冷静にオロロロロロロロロロロロロロ」

轟轟「うォ!? こいつ船酔いで吐きやがったぞォ!? 大丈夫かよォ!?」

崩条「だ、大丈夫さ、問題なオロロロロロロロロロロロ……」

七掛「ふふ、全然大丈夫じゃなさそうね」

黒塔「僕がエチケット袋を持ってなかったらどうなっていたことやら……」


滑床「何だこの揺れは! せっかくセットしたオレ様の完璧ヘアが崩れるじゃないか!」

橘「この揺れ…はっ、まさかこの船は宇宙船で、私達は火星に向かっているのでは!?」

棺木「火星? 火星にはアイスクリーム様はあるので?」

橘「えっ? 火星にアイスクリーム? 火星人はアイスクリームを食べるんですか!?」

棺木「火星のアイスクリーム様……じゅるり、それはそれで美味しそう」

庵野「頭が痛くなる会話だね」


船内は正にカオス。

あのメイドさんよくも……巨乳美人じゃなかったら殴ってるところだぜ。



こうして俺達【超高校級】の16人+メイドさんを乗せた船は、暴走したまま海原を進んでいく。

パーティーの開催場所『薄紅島』へと向かって。

今日はここまでです。
ありがとうございました。

次回はプロローグ終了まで行きたいですね。
明後日あたりにやる予定です。

キャラの自己紹介が終わったので、現時点での印象を聞いてみたいです。
もしあればお願いします。

お待たせしました。
キャラへの感想ありがとうございます。

またキャラの容姿については決めかねているところもあるので次回更新時までにまとめておきます。

では続きから始めます。
よろしくお願いします。


 ***


『薄紅島』

某県の沖合に浮かぶ孤島。

全周が10㎞程度の小さな島だ。

人の住まない無人島らしく、そこへ向かうには自前で船を用意するしかないという。

土壌は赤土を多く含んでいて、島の土地全体が薄らと赤みを帯びている。

それ故に、古くは『血染島』と呼ばれ恐れられていたが、近代になって現在の名前に改称されている。

言い伝えとして「夜な夜な化け物の呻き声が聞こえる」だとか「近づくと鬼に血を吸われる」だとか、果てには「悪霊に取り憑かれた人間が大量虐殺をした」なんてものまで。

そんな、おどろおどろしい噂がいくつもあり、近隣の漁師でさえ近寄らないようだ。


しかし、数年前の事だ。

正体不明の大富豪が島を買い取ったという話が広まった。

真偽は不明だが、それ以降、年に数度だけ船が島と港を行き来している様子が見られるようになっている。


庵野「────つまり、その謎の大富豪ってのがアタシらを招待した可能性が高いってわけ」

真城「なるほどな……じゃあ楽観的に考えれば、その変人大富豪のきまぐれで、単なるパーティーに呼ばれただけって事もあるな」

庵野「ククク……逆に、その大富豪が実は化け物でアタシら全員喰われちまう、なんて事もあるかもね」

真城「そいつは考えたくない可能性だぜ……」



メイドさんの激しい操船の末、俺達は目的地、『薄紅島』へとやってきた。

船を岩場に括り付け、メイドさんの先導で“館”とやらに向かう道中、俺は庵野から島についての情報を聞いていた。


昨日坂「……そ、それにしても庵野さんは凄いですね。ここまで情報を集めてるなんて……」

庵野「こんなの情報屋として当然ね」

昨日坂「私なんて、招待状が届いてから怖くて震えてるばかりで……島について調べようなんて考えもしませんでしたし」

昨日坂「あ、あの……庵野さんや真城さんは怖くないんですか?」

真城「あー、怖いかどうか聞かれたら怖いかもな」

真城「でも、怖がってるだけじゃ前には進めないだろ? だったら自分に出来ることをしないとだぜ」

昨日坂「……!」


庵野「ククク…偉そうに言っちゃって、アタシから情報買ってるだけのくせに」

真城「はぁ!? ち、違ーよ! 俺は俺なりにだな!」

昨日坂「……………………」

真城「お、俺を誰だと思ってんだ? 【超高校級の名探偵】だぜ? 何もしてないわけないだろ!」

庵野「はいはい、信じる信じる」

真城「絶対信じてないだろ、その顔……」

俺は腑に落ちないままながらも、歩を進める。

そして踏みしめる。

この島特有の赤い地面を。

血で染めたと言われる、いわく付きの土地を。



メイド「皆様お待たせ致しました。あちらが今回のパーティー会場となる『赤薔薇の館』でございます」

先頭を歩いていたメイドさんが立ち止まり、先を手で示す。

滑床「ようやく着いたのか! まったくオレ様をこんなに歩かせやがって……」

球嬉「よーしっ、球嬉が一番乗りだぞー!!」

椎原「あっ、待つであります! 単独行動は危険であります!」

俺達は次々に道の先へ進む。


ここまで歩いてきた森が開けて、俺達の眼前に広がっていたのは──────








真城「……薔薇だ」




一面の赤。

広大な庭園に花壇が敷き詰められている。

そこに無数の薔薇が咲いていた。

薔薇は全て赤色。

まるで絨毯のように辺りを満たしていた。


そしてその絨毯の奥、開けた場所の最奥に鎮座しているのは古風な洋館。

いかにも大富豪の屋敷って感じだぜ。


黒塔「成る程、これが『赤薔薇の館』という訳かね」

真城「確かに、名に恥じない立派な薔薇庭園だぜ」

昨日坂「綺麗……ですね」

冴島「薔薇が素敵で、素バラしい! ってな」

垣野「全く……お気楽ですね。これからどんな目に遭うか分かった物ではないというのに」

メイド「皆様こちらでございます。お館の中をご案内致します」

壮観な景色に目を奪われる俺達を横目に、メイドさんはささっと庭園を抜け、館の中へと歩き出す。

相変わらずロボットみたいなメイドさんだ。



 ***


メイド「こちらが食堂。奥の扉の先はキッチンになってございます」

メイド「今夜の晩餐会ではこちらに集まって頂くことになるので、覚えておいて下さいませ」

案内された先は食堂。

大きなテーブルが立ち並び、上品な白いクロスがかけられている。

真城「今夜の晩餐会って、例のご主人様ってのも顔を出すって事か?」

メイド「申し訳ございません。それについてはお答えしかねます」

真城「だろうと思ったぜ」

七掛「夜に集まるってことは、それまで私達はどこで待てば良いのかしら?」

メイド「2階に皆様の寝室をご用意してございます。案内致します」



2階の廊下には、両脇に扉が合わせて20枚も並んでいた。

橘「ここは……ハッ! まさか転移の間ですか!?」

崩条「そんな訳ないだろう」

メイド「一番奥の物置とその手前の使用人室以外は全て客室となってございます」

メイド「今から皆様にルームキーをお配り致します。そこに書かれた番号がお部屋の番号となっております」

そう言うと、メイドさんは一人一人にルームキーを手渡しはじめる。

鍵な複雑な形をしていて、一見して複製しにくいだろうことが分かる。

四角い金属製の板が結びつけられていて、そこに部屋番号が振ってある。

真城「俺の部屋は“6号室”か」

昨日坂「私のは“5号室”……お隣ですね。よ、よろしくお願いします」


リオン「ねぇねぇ、もう部屋に行って良いのかな? かな?」

メイド「お待ち下さいませ、アルフォート様。晩餐会の説明がございます」

メイド「晩餐会は午後7時より開始致します。それまでは部屋でおつくろぎ下さいませ」

メイド「屋敷内や庭園を出歩くのは構いませんが、それより外側、森や元来た道の方へは行かないようにお願いします」

メイド「また、必ず7時には食堂にお集まり下さいませ」

メイド「私は準備の為、館内を回っておりますが、御用の際は各客室にございます電話をご使用下さいませ。私への直通電話がございます」

メイド「以上で説明を終わります。それでは皆様『赤薔薇の館』での一時をお楽しみ下さいませ」

その一言で、メイドさんは階下へと消え、俺達はそれぞれの部屋へと散るのだった。



 ***


ガチャ

真城「ここが俺の部屋か……なかなか言い部屋だぜ!」

ふかふかのベッド。

冷蔵庫にテレビにエアコンも完備。

室内にトイレやバスルームをついてるから、暮らせと言われれば十分暮らせそうだ。

真城「ん? 何だぜ? 何か置いてある……」

机の上に小さな端末機器を見つける。

手を触れると自動でスイッチが入り、画面が点灯する。


『シンジョウ アラタ』


まず俺の名前が表示される、その後いくつかのアイコンが表示された。

真城「ふーん、館の見取図とか招待客の情報が見られたりすんのか……手の込んでることだぜ」


真城「お、説明書がついてる」

端末機器の下に敷かれていた紙を取り、読み上げる。

『この機械は“電子生徒手帳”です』

『【超高校級】のオマエラの為に用意した、超絶便利で超絶かっちょいい、スペシャルなアイテムです』

『必ず持ち歩くようにして下さいね』

『あと絶対になくさないようにしてね』

真城「なんだこの汚い字は……? あのメイドさんが書いたとは到底思えないし、まさか例の大富豪か?」

もしかして大富豪ってのが、ガキだったりするとか?

いや、まさかな。



真城「にしても、広い庭だなぁ……金持ちってのは良いご身分だぜ」

部屋の窓から、丁度さっきの薔薇庭園が見下ろせる。

何度見ても凄い景色だぜ。

人間金が余るとこんなもんまで作れるんだな。

俺にもそれぐらいあれば…………

真城「おっと、余計なこと考えちまったぜ」

真城「さてと、まだ7時まで時間があることだしちょっくら仮眠でも取るかな」

なんて言いながら、ベッドに向かおうとしたと時。

ふと窓の外の薔薇に目が止まる。


真城「……あの薔薇……いや、薔薇だけじゃない。周りの森の木々も……揺れてやがる」

真城「風が出てきたのか」

まだ吹き始めたばかりだからか、揺れ方は小さい。だが確実に揺れている。

真城「よく見りゃ、なんだか雲行きも怪しくなってきてるな」

船に乗ってるときは快晴だったのに、急に天気が変わったきてるぜ。

真城「雨とか……降んなきゃ良いが」

俺は少しずつ薄暗くなっていく空に、何故か不安感を募らせいてた。

今回はここまでです。
あんまり進まなくてごめんなさい。
思ったよりプロローグが長くなってしまいそうな予感。

次回更新は明日か明後日のつもりです。

お待たせしました。

続きを始める前にキャラの容姿についてまとめたのでどうぞ。


真城 新
白いシャツの上にこげ茶色のジャケットを羽織っている。ツンツンとした赤みがかった茶髪。

椎原 護
びっちりとした黒いスーツに深緑色のネクタイ。短く切りそろえられた黒髪。

垣野 弘
清潔感のある薄水色のシャツを着こなす。無造作に伸びた色素の薄い髪をゴムでまとめている。縁なし眼鏡。

黒塔 青未知
黒いYシャツに黒いパンツ。その上から白衣を纏っている。肩にかかる青紫色の長髪。

太海 公望
謎の格言入りの半袖Tシャツに短パン。ぼろぼろの麦わら帽子を被っている。常に釣り道具一式を背負う。

滑床 銀河
袖口に過剰なまでにファーがついている派手な服装。マフラーと手袋装備。銀髪のオールバック。

轟轟 轟
白い学ランに炎のような刺繍がされている。いかつい剃り込みの入った坊主頭。

リオン・アルフォート
左肩にマントを掛け、フリルのついたスカートを履く。ゆるくウェーブのかかった金髪。碧眼。

稲妻ヶ原 球嬉
明るい色味のショートパンツにノースリーブ。短めの茶髪で、前髪を上で一つに結んでいる。八重歯。

棺木 桃佳
厚手の赤いコートは足下まである長い物。桃色の長い髪はふわふわしている。

庵野 ユリ
黒を基調としたパンクファッション。ショートの黒髪には青や金のメッシュが入っている。

昨日坂 未来
清涼感があり、かつ上品な白いワンピース。腰まで伸びた長い白髪は雪のように綺麗。

冴島 葉月
高校指定のセーラー服から日焼けした小麦色の肌が覗く。緑がかった黒髪をお団子にしてまとめている。

七掛 春夏
胸が強調されるデザインの清楚だがエロスを感じる服装。艶やかな黒髪を肩辺りで一つに結んでいる。

橘 有紗
基本的な学生服のブラウスとスカート。腰に付けた尻尾の飾りと頭につけた触覚の飾り。濃い茶髪のセミロング。

崩条 廻
上はネイビーのジャケット、下はジーンズ。濃紺の髪をまっすぐ切りそろえている。黒縁眼鏡。

メイドさん
フリルの沢山付いた白黒のエプロンドレス。ブロンドの髪を三つ編みにしている。西洋風の顔立ち。


あと身長と胸囲(女子のみ)を大きい順に並べました。

身長
轟轟>滑床>黒塔>真城>七掛>椎原>崩条>庵野>冴島>昨日坂>メイドさん>垣野>橘>太海>リオン>棺木>球嬉

胸囲
七掛>メイドさん>冴島>橘>昨日坂>球嬉>庵野>棺木>崩条


では続きから始めます。



 ***


真城「おっ、メイドさん!」

メイド「真城様どうかなさいましたか?」

仮眠を取った後、しばらくして部屋を出ると、廊下でばったりメイドさんに出くわした。

真城「いや、用って訳じゃないけど」

メイド「では、失礼致します。まだ晩餐会の準備がございますので」

真城「ちょ、ちょっと待って!」

真城「連れないなぁメイドさん。せっかく会ったんだから話ぐらいしようぜ」

メイド「残念ですが、私には真城様にお話しすることはございません」


真城「ふっふ~ん、なら、そのたわわなおっぱいを俺が揉んでやろうか~?」

ニヤリとイヤラシい笑みを浮かべてメイドさんににじり寄る。

メイド「…………………」

真城「ははっ、怖い顔すんなって冗談だよ冗談────って、うおっ!?」グイッ

笑って誤魔化そうとする俺を、メイドさんはいきなり抱き寄せた。

そして、あろう事かそのたわわなおっぱいに俺の顔が押しつけられる!!!

真城「~~~~っ!?!?」

鼻いっぱいに広がる、ふわっとした紅茶の香り。

その甘い刺激が脳を揺さぶる。


真城「な、ななな何してんだぜ!? メイドさん!? 正気か!?」

メイド「……普段は肉食系のように女の子にあんな事まで言うのに、いざ攻められると弱い」

メイド「真城様は案外ヘタレでございますね」

真城「なっ…!?」

真城「ち、違うぜメイドさん! 今のはその……急すぎて心の準備か……というか……その」

メイド「ふふっ、おかしな人ですね」

真城「えっ?」

今、メイドさん笑ったのか?


ロボットみたいに無表情で、無感情にすら見えた彼女。

今確かに微笑んだような。

しかし、確かめようにもメイドさんは既にもとの無表情に戻っている。

真城「なあ、今アンタ……」

メイド「それでは失礼致します、真城様」

俺の質問を最後まで聞くこともせず、メイドさんは廊下の奥へと消えていった。

真城「………………」

真城「……なんだ、案外可愛いとこもあるんじゃないか」



 ***


赤い薔薇の咲く庭園へと足を運ぶと、二つの人影が目に入る。

真城「こんな所で何してんだぜ?」

轟轟「あ゙あ゙? 別にイイだろォが、俺が何してようがよォ」

太海「このお兄ちゃん、さっきまで楽しそうに薔薇を見て回ってたよー」

太海「怖い顔して案外、女の子みたいな趣味なんだね~ぷぷ」

轟轟「て、テメェこのガキ!! 何バラしてやがんだァ!! 言わねェって約束だったろォが!!」

真城「花が好きなのか? 意外だぜ」

轟轟「ち、違ェわボケ! 転がすぞハゲ!!」


太海「でもー、轟轟のお兄ちゃんじゃないけど、薔薇を見なら今の内が良いかもしれないねー」

空を見上げながら、太海が憂鬱そうに呟く。

真城「ああ、確かに同感だぜ」

轟轟「あ゙ん? どういう意味だコラ?」

真城「空だよ空。暗い雲が広がってきてる……こりゃ今夜にでも降りそうだぜ」

轟轟「ま、マジか…! こんな不気味な島で雨に見舞われるなんてよォ、全くツイてねェ」


太海「えー? むしろツイてるよ~」

轟轟「あ?」

太海「だって不気味な島に相応しい天気じゃーん? むしろ興奮してきたね~」

真城「はははっ、確かにそうだぜ!」

轟轟「こんな状況で笑ってやがる……気持ち悪ィ野郎共だ」

確かに状況は不気味で、嫌な予感がしないと言ったら嘘になる。

だが、同時にワクワクしてしまうんだ。

だって名探偵ってのはそういうもんだろ?



 ***


真城「あ、もうこんな時間か……」

館内に戻って暫く後。

ふと部屋の壁に掛けられている時計を見やると、短針が10を過ぎていた。

6時50分を回ったところだ。

真城「そろそろ晩餐会が始まるのか」

少し心臓の鼓動が早くなっている。

我ながら情けないぜ。

真城「ま、ビビってたって始まらないか……よしっ! 食堂に向かうとするぜ」

ガチャ

扉を開けて廊下へと足を踏み出す。


その時、隣の扉も同時に開き、昨日坂ちゃんが顔を出した。

昨日坂「……あっ、真城さん」

真城「お、昨日坂ちゃんも今から行く所か?」

昨日坂「は、はい……では、一緒に行きましょうか」

二人で一階へと向かう階段を下る。

昨日坂「いよいよ……ですね」

真城「ああ、いよいよだぜ」

昨日坂「……だ、大丈夫ですよね?」

真城「この名探偵に任せておけって!」

バンバンと昨日坂ちゃんの肩を叩いて励ます。

昨日坂「……それ、セクハラですよ真城さん」

真城「相変わらず厳しいぜ昨日坂ちゃん」



 ***


一階の食堂の前には既に何人か集まっていた。

真城「どうしたんだぜ? 中に入らないのか?」

垣野「入らないのではなくて、入れないのですよ」

崩条「どうやら鍵がかかっているようだよ。おそらく7時になれば開くだろうが……」

昨日坂「……あれ? でも確か最初にここに来たときは普通に開いてましたよね?」

黒塔「恐らく、あのメイド君が施錠したのだろう」

真城「そのメイドさんは何処だ? 中にいるのか?」

黒塔「そうだろうね……ほら、言っていたじゃないか」


~~~~~回想~~~~~

メイド「また、必ず7時には食堂にお集まり下さいませ」

メイド「私は準備の為、館内を回っておりますが、御用の際は各客室にございます電話をご使用下さいませ。私への直通電話がございます」

メイド「以上で説明を終わります。それでは皆様『赤薔薇の館』での一時をお楽しみ下さいませ」

~~~~~~~~~~~~


黒塔「メイド君は準備があると言っていた」

黒塔「つまり、恐らく中で晩餐会の準備をしているのだろう」

黒塔「扉の施錠も、未だ準備が完了していないからと考えれば納得もいく」

真城「成る程な」

黒塔の言うことは確かに筋は通ってる。

でも、中で行われている準備というのが、タダの晩餐会の準備とは俺には到底思えない。

恐らくそれ以外の何か……それこそがパーティーの主催者、招待状の送り主、例の謎の大富豪の目的なんだろうぜ。



暫く扉の前で待っていると、続々と皆が集まってくる。

そして最後の一人、橘がやってきた所で────それは始まった。



『……ゴーン……ゴーン……ゴーン……』



椎原「コレは……鐘の音でありますか?」

昨日坂「そうみたいですけど……いったい何処から?」

『……ゴーン……ゴーン……』

庵野「きっとあれでしょ」

庵野が指差す方向には大きな振り子時計があった。

随分と古めかしい時計だ。

『……ゴーン……ゴーン…………』

球嬉「ん? 止まったみたいだぞ?」

真城「七回……つまり7時って事だぜ」

棺木「ほへぇ、時間の数だけゴーンってなるのかぁ」

橘「流石宇宙探偵さん! 物知りですね!」

轟轟「でも、7時になったって事はよォ……」



ガチャ……ギギィ……


轟轟の言葉に呼応するように、食堂への扉が音を立て開く。


そして、そこで俺は見ることになる。

不気味で不可思議で不明瞭で不可解で。

俺の想像をはるかに超えた、絶望という奴を。


空腹心を刺激する美味しそうな香り。

テーブルの上には幾つもの豪華な料理が所狭しと並べられている。

だが、そんな物に目はいかなかった。

何故なら、それらよりもよっぽど目を惹く存在がいたから。





モノクマ「やあ、オマエラ! ようこそ薄紅島へ! ようこそボクの館へ!」

モノクマ「ボクの名前はモノクマ! このパーティーの主催者なのだ!」





真城「く、熊のぬいぐるみ?」

拍子抜けだった。

コイツがパーティーの主催者?

コイツが謎の大富豪の正体?

どんな化け物が出てくるのかと思ったら、タダのオモチャじゃないか!

轟轟「な、何だあれはよォ!?」

昨日坂「わ、私喋るぬいぐるみは、は、初めて見ました……」

橘「可愛いーー!! ウルトラキュートなウサギちゃんです!!!」

七掛「えと、どこをどうみたらウサギに見えるのかしら……」

モノクマ「こらー! ウサギじゃなくてクマ! ぬいぐるみじゃなくてモノクマだよ!」


モノクマ「オマエラをパーティーに招待してやったのはボクなんだからもっと感謝を持って接して欲しいモンだよ!」

七掛「あら? モノクマちゃんがパーティーの主催者なの?」

庵野「へえ、じゃあ、あの招待状もアンタ?」

モノクマ「もちろん! どうだった? 中々イカした招待状だったと思わない?」

滑床「イカれた、の間違いだろ?」

真城「おい、モノクマだっけか? アンタがパーティーの主催者ってんなら、その目的を教えてくれないか?」

モノクマ「目的?」

真城「【超高校級】をこんなに集めて、ただのパーティーじゃないんだろ?」


モノクマ「うぷぷぷぷ、良い勘してるね」

モノクマ「じゃあ、早速だけど発表しちゃおうかな」

モノクマ「えー、今回オマエラにこの薄紅島で行って貰うパーティーは、ただのパーティーではなく………」



モノクマ「ズバリ! コロシアイパーティーなのでーす!!」




コロシアイ?

今、なんて言ったんだぜ?

コロシアイ……コロシアイ……殺し合い!?

その瞬間、背筋を冷たい物が走る。


モノクマ「ルールは簡単」

モノクマ「殴殺撲殺斬殺刺殺絞殺焼殺毒殺圧殺爆殺暗殺銃殺呪殺! 殺し方は一切問いません!」

モノクマ「誰かを殺した人物だけが、この島から出られる。ただそれだけのゲーム」

モノクマ「それがコロシアイパーティーなのだ!」


棺木「な、ななななな……」

椎原「な、何を言っているのでありますか!?」

黒塔「やれやれ、冗談も大概にして欲しいね。そんな非人道的なことを僕らがするとでも?」

真城「そ、そうだぜ! コロシアイなんてするわけない……」



モノクマ「うぷぷぷぷ、それはどうかなぁ?」

モノクマ「オマエラはきっとコロシアイをするよ……いやせざるを得ないんだよ……」


モノクマはその奇妙な出で立ちから想像もできないほど、邪悪に笑う。

冴島「な、何言ってんだか……このクマ助は」

崩条「ボクらをなんだと思っているのさ?」

垣野「ボクらは仮にも【超高校級】と呼ばれる人間……そんな低俗な罠にかかるはずがない」

モノクマ「【超高校級】? うぷぷぷぷ、【超高校級】ね……うぷぷぷぷぷぷぷぷぷ」

崩条「な、何がおかしい?」

モノクマ「だってさ、オマエラ【超高校級】なんていう優れた奴らのはずなのに……」



モノクマ「どうして皆揃ってこの島に来てるんだろうね?」

崩条「……!」


モノクマ「脅されたとは言え、イタズラかもしれないし。もし不安なら警察に届けたって良いよね?」

モノクマ「でもオマエラはそれをしなかった……」

モノクマ「わかるよ、僕には分かるんだ。何故オマエラがこの島に来たのか……」





モノクマ「オマエラはちゃんと受けとったんだね。招待状に同封した“アレ”をさ!」


ピリッ

モノクマのその言葉に、俺達の中の空気が一気に張り詰める。

ああ、くそ、やっぱりか……!

誰もがそれを知っていた。

だが誰もそれを言おうとはしなかった。

薄々は気がついていたのかもしれない。

だが、敢えて口には出さずにいた。

意識しないようにしていたんだ。



あの時。

封筒に入っていたのは招待状だけじゃなかった。

他にも、一つの紙の束とメッセージカードが入っていた。



それは──────


100万円の札束。

今の俺にとっては喉から手が出るほどの、大金。

そしてメッセージカード。

『これは前金です』

『パーティーにお越し下されば、さらに千倍、10億を差し上げるご用意がございます』

『この機会を逃せば、貴方様にお金は差し上げられません』


モノクマ「つまり! オマエラは金が欲しくてやってきたんだ!!! 浅ましいなぁ!! なんて醜くて汚い動機なんだろうね?」


真城「………………………!」

昨日坂「………………………っ」

庵野「………………………」

リオン「…………………………」


俺達は誰一人としてモノクマに言い返せない。

その沈黙が示していた。

モノクマの言うことが真実だと言うことを。


モノクマ「あれぇ? でもおかしいよねぇ? 確かオマエラって【超高校級】の集まりなんじゃなかったっけ?」

モノクマ「【超高校級】なら、自分の才能で色々稼げるはず……そんなにお金が欲しいとは思えないけどねぇ……」

モノクマ「ま、ボクにはその理由だって分かっちゃうんだけどね」

まさか。

まさかモノクマはあの事まで知っているのか?

いや当然か……でなきゃあんな招待状を渡してくるはずがない。

モノクマ「そう! ボクにはお見通しなんだよ! つるっとまるっとお見通しなんだ!」

やめろ。

やめてくれ。

それは言わないでくれ……!

それを言われてしまったら、俺は……!




モノクマ「オマエラが“落ち目”の【超高校級】……才能が枯れ果てつつある存在だって事はね!」



何か俺の中の大切な物が砕け散る音を聞いた。

いや、俺だけじゃない他の皆も同様だ。

ある者は顔面蒼白。

ある者は屈辱に顔を歪ませる。

またある者は、絶望的な悲しみを滲ませる。


モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷ、いいねぇ! 良い絶望顔だよ!」

モノクマ「でも安心しなよ、ボクがオマエラを助けてやろうってんだから」


真城「それが、コロシアイパーティーか……」

モノクマ「その通り! コロシアイパーティーで勝ち抜けした人には、あのメッセージ通り、10億円を差し上げます!」

モノクマ「10億もあれば、今まで通り【超高校級】として活躍できて……ギフテッド制度の資格を失わずにすむでしょ?」


モノクマ「うぷぷぷぷ…ぶひゃひゃひゃひゃっ!!」

モノクマ「さあオマエラ、レッツコロシアイ!!」

モノクマ「欲しいんでしょ? お金が!」

モノクマ「失いたくないんでしょ? 地位を! 名声を! 才能を!」

モノクマ「なら殺っちゃいなよボーイ! 殺しちゃいなよガール!」

モノクマ「殺して島から帰れば、オマエラは救われるんだ! あひゃひゃひゃっ!!」


モノクマの高笑いが響く。

俺達は……俺は圧倒されていた。

俺の隠していた真実も、秘めていた感情も、モノクマによって暴かれてしまった。

ああ。

何が名探偵だ……

俺は、自分が探偵だから……名探偵だからと理由を付けて、本心に気づかないふりをしていただけだった。

そうだ……そうだった……俺はただの欲深い人間でしかなかったんだ。


轟轟「ま、まてやボケェ……」

モノクマ「ん? なに? 時代遅れのヤンキーくん?」

轟轟「た、確かに俺ァ金欲しさにここに来たかも知んねェがよォ」

轟轟「だからって、殺しをしてまでなんて……そこまで落ちぶれたつもりはねェぞコラッ!!」

モノクマ「あっそ。じゃあどうすんの?」

モノクマ「コロシアイをしなきゃ、ここから出られないんだよ? それでもいいの?」

轟轟「んなもん、テメェをぶっ飛ばしてだなァ……!」

モノクマ「あー、やだやだこのパターンはボク嫌いなんだよねー」

モノクマ「と言う訳で、オマエラ全員に言っておくけど……ボクに逆らったらマナー違反だからね? マナー違反!」

モノクマ「え? マナー違反したらどうなるのかって? うぷぷぷぷ……」



モノクマ「そんな察しの悪いオマエラの為に、特別な“ディナー”を用意しました!」


真城「で、ディナー……?」

黒塔「……これ以上、何をするつもりなのだろうか」

嫌な予感がする。

言葉では言い表せない、とても不気味で恐ろしい予感が。


モノクマ「うぷぷぷぷ、じゃじゃーん!!」

一度キッチンの方に消え、再び俺達の前に現れたモノクマの手には大きな配膳台があった。

その上には、それまた大きな料理皿に蓋がしてある。

庵野「随分と大きな料理皿ね……まるで……」



モノクマ「うぷぷぷぷ、じゃあオマエラ、たーんと召し上がれ!」


そう言い放つと同時に、モノクマは蓋を取った。



皿の中には──────


皿の……中……には──────






真城「……あ……ああ……」


真城「…ぅ……ああぁ……っ!」


真城「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!!!!」


赤く赤く。

薔薇よりも赤く。

皿を染めるソースは死の香り。

生臭くて、鉄の様な重苦しい匂い。


黒と白のエプロンドレスを、鮮血が赤く彩っている。

その雪のように白い細腕も。

その柔らかな身体も。

無表情で……無感情で……でも、微笑みが可愛くて。


その全てが無惨に切り刻まれて、料理皿に盛り付けられていた。


ただ、血の匂いに混じって、時折。

ふわっと漂う“紅茶の香り”が、それを彼女だと証明していた。


棺木「え? え? こ、これ……し、死んでる……? いやあああっ!!」

昨日坂「……………っ!!!!」

滑床「ど、どうなってる!? コレは……現実なのか!?」

太海「これは……参ったなぁ」

黒塔「よ、よくも、こんな残酷なことを……!」


モノクマ「うぷぷぷぷ、ぶひゃひゃひゃひゃ! これがオマエラに贈るスペシャルディナーのメニュー!」

モノクマ「『メイドの絶望サラダ~紅茶と血液を添えて~』!!」

モノクマ「オマエラもこうなりたくなかったら、ボクには決して逆らわないことだね!」

モノクマ「そして、サイコーにポップでサイコーにミステリーなコロシアイをすること!」

モノクマ「じゃ、そーゆー訳で……今夜の晩餐会はコレにてお開きだよ!」

モノクマ「あ、因みに手帳にマナーについての項目を追加しといたから確認しといてね?」

モノクマ「じゃあまったねー」

そう言い残し、モノクマは俺達の前から去って行った。


俺は………動けなかった。

コロシアイ……金……【超高校級】……モノクマ……

そして目の前に残された“ディナー”の姿。

頭の中をグルグルと回り、何も考えられなくなっていく。

俺だけでなく、全員がそうだった。

モノクマが去った後も、誰一人として口を開かない。

長い沈黙が続く。






『……ゴーン……ゴーン……ゴーン……ゴーン……』


真城「……! 時計の鐘か」

沈黙を破ったのは午後8時を伝える鐘。

その鐘の音は、館中に響きわたった。


『赤薔薇の館』での晩餐会の終わりを告げるように。

絶望のパーティーの始まりを告げるように。




PROLOGUE【薔薇と紅茶と名探偵】

      END



【超高校級の名探偵】真城 新
【超高校級の警察官】椎原 護
【超高校級の小説家】垣野 弘
【超高校級の医師】黒塔 青未知
【超高校級の釣り人】太海 公望
【超高校級のフィギュアスケーター】滑床 銀河
【超高校級の番長】轟轟 轟
【超高校級の怪盗】リオン・アルフォート
【超高校級のサッカー選手】稲妻ヶ原 球嬉
【超高校級の墓守】棺木 桃佳
【超高校級の情報屋】庵野 ユリ
【超高校級の令嬢】昨日坂 未来
【超高校級の文化祭実行委員】冴島 葉月
【超高校級の声優】七掛 春夏
【超高校級の吹奏楽部】橘 有紗
【超高校級のパズル作家】崩条 廻

残り……16人

To be continued……


プレゼントGET!
『血染めのエプロンドレス』……PROLOGUEをクリアした証。ほのかに紅茶の香りがする。

はい、おそくまでかかってしまいましたが今回はコレで終わりです。

なんとかプロローグを終わらせられました。
ありがとうございました。
感想とかあると嬉しいかったりします。

次回は少し開いて、日曜日くらいに続きをやるつもりです。

お待たせしました。

感想ありがとうございます。
すぐギスギスしだすのは>>1の趣味です。
自由行動はもうちょっと先になるかもしれませんね。

あとぶっちゃけ、うみねこの影響は受けてます。特に舞台設定とか。

続きを始める前に主人公のプロフィールを貼っておきます。


【超高校級の名探偵】
名前:真城 新(シンジョウ アラタ)
交友力:7 精神力:5 ???:6
『女好き』……異性に対してセクハラ紛いのの言動をする。
『虚勢』……強気で自信家のように振る舞うが、内心は案外脆い。
『探偵気質』……謎を追い求め、解明することに心惹かれる性格。

モノクマメダル:0

所持スキル
なし

プレゼント
No.101『血染めのエプロンドレス』……PROLOGUEをクリアした証。ほのかに紅茶の香りがする。

交友関係
《ほぼ他人》
椎原 垣野 黒塔 太海 滑床 轟轟 リオン
球嬉 棺木 昨日坂 冴島 七掛 橘 崩条
《知人》
庵野


では、続きから始めます。
よろしくお願いします。





────初めは、全てが順調だった。





ちょうど一年前。

田舎で探偵の真似事をしていただけの俺に、一通の手紙が届いた。

それは、政府公認の特待生制度──いわるゆギフテッド制度の資格が与えられるという内容だった。

つまり、俺は【超高校級】に選ばれたんだ。

【超高校級】に選ばれるということは、国に天才だと認められるという事。

それはどんな実績よりも信用を得る。


俺は【超高校級】の肩書きを使い、都内に大きな事務所を設けた。

多くの人が【超高校級】に縋り、依頼を持ち込む。

依頼……それはすなわち謎。

日に数百という謎が舞い込む、それは探偵として誇らしい生活だった。

俺は謎を解き続けた。

【超高校級】の名にふさわしい実績を積み上げ続けた。


────そう、初めの内は、全てが順調だったんだ。

ギフテッド制度から資格を与えられ、それにより【超高校級の名探偵】として謎を解く日々を送る。

俺は毎日が幸せだった。







“あの事件”が起きるまでは。


“あの事件”を境に、幸せな日々は終わりを告げた。

俺は“あの事件”での失敗により【超高校級】としての信用を失ってしまったのだ。

信用を失えば、依頼は数を減らしていく。

当然、依頼が減れば収入が減り、実績が減る。

ギフテッド制度は実績の劣る者の資格を剥奪するという。

つまり、最後には【超高校級】の才能を失ってしまう。


それはダメだ。

それだけは耐えられない。

俺から【超高校級】を奪わないでくれ!

俺から才能を奪わないでくれ!

俺から謎を奪わないでくれ!


俺は焦っていた。

このままだと俺が俺でなくなってしまう気がして……

早く実績を取り戻さなくてはいけない、そう考えてしまった。




──────そして俺は『薄紅島』を訪れることになる。







CHAPTER1【雨と決意と密室事件】(非)日常編





『ゴーン……ゴーン…………』

鐘の数は9回、午後九時を告げていた。


モノクマが去ってから一時間が過ぎ、食堂には俺達16人と血みどろの死体だけが残されていた。

重苦しい沈黙が場を支配していて、逃げ出すことすら叶わない。

俺達は誰一人として動けずいた。

だが、それも無理はない。

何しろモノクマの話は、大金を持って島から帰る為にはコロシアイしろという物。

そんな話をされて、冷静なままでいられるわけがなかった。


しかしそんな中、声を上げる者が現れた。

椎原「み、皆さん! あのモノクマというぬいぐるみの話を真に受けてはいけないであります!」

【超高校級の警察官】、椎原護だ。

椎原「あのメイドさんの殺され方……モノクマはどう考えても犯罪者。しかも相当頭のおかしい殺人鬼であります!」

黒塔「……成る程、確かにそうだね」

黒塔「あんな残酷な殺し方、正常な人間にできるとは思えない」

椎原「異常な人が異常なことを言っただけ、信じるに値しないであります!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom