女「ホントの気持ち」 (107)

百合です。苦手な方はご注意ください。
ちょっと長いかもしれませんがよろしくおねがいしいます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498594482

女「おっはよ~みんな!今日もいい天気だね!」

妹「くぁ、おはよ...」『ねむー...』

母「おはよう。朝ご飯できてるから、冷めないうちに早く食べて」『さてと、これが終わったらゴミ出ししなきゃ』

父「...オハヨウ」『今日も娘達は滅茶苦茶かわいいな。娘の顔を見て、お母さんのお弁当を持って出勤する、あぁぁあなんて幸せな男なんだ俺は』

(ふっふっふ~。今日もみんなの考えてること丸分かりだよ)


~~一週間前、放課後~~

(うぁ、このダンジョンキツイなぁ。このスマホゲー、リリースから結構経ってるからってマンネリ解消のために難易度上げすぎだよー)テクテク

(そろそろ別のに乗り換えよっかな...んっ?)

ゴチン!

「あ"だぁぁ!」

(いったぁぁ...。歩きスマホで電柱にぶつかるって...恥ずかしすぎるっ。誰かに見られてないよね?)キョロキョロ

(よかったー人通りの少ないとこーー)ホッ

『ぷぷ、あ"だぁって...女子高生が出す声かよ』

(中学生っ!見られてたかー...)ずーん

(...あれ?でも今の声ってなんか、エコーがかかってたような感じだったような。それに今の中学生、口が動いてなかった...?)

(むむむ...これはもしや)


(それからの私は、我ながら適応早かったなぁ。この力、使いこなせればちょー便利!)

妹はいつもぽやぽやマイペースに物事を考えてて、お母さんは家事を速攻で終わらせてゆっくりするのが好き、
お父さんは普段無口だけど、お母さんと私達姉妹を大好きってことが分かった。
距離が近ければ近いほどクリアに聞こえる。でも限界はよく分からない。
集中したら10m先くらいまでなら人の気持ちを読むことができた

(結構思った通りに制御出来るようでよかったなぁ。学校の休み時間とか、最初の方は色んな気持ちが聞こえてうるさかったし。
 今は知りたい情報だけ仕入れて後はシャットアウトできるようになっちゃったもんね♫)

友『遅いな、女のやつ...何かあったんじゃないだろうな...』

(大大大親友の友ちゃんっ。私が少し待合わせに遅れたくらいでそんな心配を...)じーん

女「っかわいいやつめー!」ばっ

友「にょあぁ!」グラっ

女「んふふー、おはよぉぉ友ちゃあん」

友「朝から気持ち悪い声を出すな...おはよ。急に抱きつくいてくるから変質者かと思った」

女「ひどーい。まぁでも面白い声聞けたからいいよ」

友「はぁ?面白い声なんて出してない」『あーもう、恥ずかしー』

女「ぷふっ、にょあぁ~」

友「言ってないー」『こいつ...心配して損した』

(...んん~、心配してくれてるのに表情に出さないところが良いですなぁ)ニヤニヤ

友「何笑ってんの、気持ちわる」

女「うぅぅ友ちゃんー!」ガバっ

友「わぁっ、ちょっと!頭押しつけるな!」

女「ねぇ...私今日ちょっと遅れちゃってごめん。もしかして、心配かけちゃったかな?」(できるだけ真面目に聞いてみよう)

女友「...べっつに」『まぁ、何事もなくてよかったな』

(...んん、あぁぁたまらん!クーデレ最高!)

友『あーもう、綺麗なショートボブがぼさぼさに...』なでなで

女「えへ、ありがと!」

友「...はい?何も褒めてませんけど、ってやばい。遅刻しそうっ」

女「へっ?うわほんとだ!走らなきゃ間に合わないかも」

友「いくよっ、女」ギュッ

(自然に手を握って走り出しますかそーですか。今日も相変わらずイケメンですね)

女「あははっ、友ちゃんはやいー」

~~校門~~

女「っはぁ、はぁ、ちょ、いくらなんでも、はやすぎ」ゼェゼェ

友「あれ、結構余裕あったね」

女「ふぅ、だって、友ちゃん飛ばしすぎだよ」

友「そう?30%くらいで走ったんだけど」『女にはちょっときつかったかな。なんか申し訳ないな』

(わーわー!友ちゃんは全然悪くないから!)

女「ふ、ふんっ。元陸上部さんよ、帰宅部のエースをなめてもらっちゃ困るぜ。こんくらいよゆーよ、よゆげほっ」

友「...ほぉ、なら毎朝走って登校しようか」

女「い、いやいやそれは...またべつ問題と言いますか...」

生活指導「おーいそこの二人、チンタラしてないで早く教室行けー」

友、女「あ、はーい」スタスタ

(遅刻しなくてよかったー。あいつに捕まると遅刻の話から服装とか普段の行動の話にまで発展するからね)

~~教室~~

(1時間目は英語かー。このおばちゃん先生、たまに抜き打ちテストするけど...)

教師「はい、それでは抜き打ちで小テストをしますので、教科書とノートをしまってください」

「えー!聞いてないよー」ブーブー

教師「簡単なものが十問程度ですからね、わたくしのクラスの皆様なら簡単に解けるでしょうね」

「それで簡単だったためしないじゃんかよー」ブーブー

教師「定期テストだけで評価つけるのはかわいそうですからこれをやると言っているでしょう。はい、そろそろ始めますからね」
『代わりに来週は字幕付きの映画でも流して、感想書かせるくらいにしましょうかね』

(こーいうとこあるから憎めないよなぁ)

女「ふふっ、やりぃ」

友「えぇ?何喜んでるのさ、英語苦手なのに」

女「あぁいや、何でもないよ」

(そういえば人の気持ち読めるようになってから初めてテストとか受けるんだ...)

教師「はい、始め」

カリカリカリ、カツカツカツ

(ぅーん、この構文、どういうふうに訳せばいいんだっけ?友ちゃん、スラスラ解いてるなぁ。...ちょっとだけ)

友『ここは〇〇が△△に掛かるから...』

(あっ、なるほどね、っていやいや...これは、うん、罪悪感が......
 テスト中は封印!さっきの問題は空欄のままにしよう)ぐっ


教師「終了です。ペンを置いてくださいね。後ろの人から前に回していってくださいね」

(く、くぅ。結局いつも通りな感じでフィニッシュ......)

友「どうだった?さっきはテスト喜んでたから、自信あるんじゃない?」

女「も~違うってば...惨敗ですよぅ」

友「あはは、だよねー」にこっ

(っ、かわいいなぁ。これやられると怒れないや)

女「うるさーい...」///

~~お昼休み~~

ワイワイガヤガヤ

(さーてと!お母さんの美味しいお弁と...)

女「ゔぁ!?」

友「なんて声出してんのよ...。もしかしてわすれた?」

女「うぅぅ、全速力で購買行ってくるから!待っててね!」(やーまずい!もう不人気のパンしか残ってない可能性大!)タッタッタッ

生活指導「女ぁー廊下は走るなぁー」

(んもう!)


トボトボ
(サトイモ&ジャガイモパンて...口ん中パサパサになるよ絶対...たまに冒険しすぎる時あるよね、うちの購買)


~~教室~~
ガララっ

女「やぁやぁまたせた...ね」

友「へぇ、そうなんだ」

男「そうそう、今度...」チラ
「あ、じゃあ続きはまた後で」フリフリ

友「うん」フリフリ

(...えー、何だろ)

友「あ、きたきた。早くー」

女「...」ジトー

友「なに?ドライアイ?」

女「ちゃーう!...さっき男くんと話してたでしょ」

友「あぁ、そだね」

女「そだね、じゃないっ。なに話してたの?」

友「えぇ?大したことじゃないよ」『珍し...な、こんな...気にす...な...て』

(あれっ?なんだろ、テレビの砂嵐みたいな雑音が...はっきりと気持ちを読めない)


「いーじゃん教えてくれたってぇ。減るもんじゃあるまいし」(こんなの、女友が初めてだ...)

友「んーまぁ、ただ、私サッカー観戦好きでしょ?男君も好きらしくてさ、二人してそうだったんだーって話してただけ」

(あー男君サッカー部だから...)

女「そっか」ぐぐぅ

友「ふふ、女のお腹も限界みたいだし、早く食べよ?いただきます」

女「い、いただきます」///

(むー...スッキリしない)

~~放課後、校門~~

(友達と話してたら結構長引いたなー。友ちゃん待たせちゃった)スタスタ

(あ、また男君...)

男「みんなフォワードばっか注目しがちだけどさ、ゴールキーパーにももっと興味を持って欲しいんだよね」

友「あーわかる。移籍の時とか大体前の選手が目立つよね」

君「そう!知り合いもそういうやつばっかでさ、あんまり話通じないんだ」『いやー分かってくれて良かった』チラ
「あ、女さん。今帰り?」

女「え、まぁ、うん」

友「女と帰る約束してたからここで待ってたんだ。男君はこのあと普通に部活?」

男「ん、そうだね。オレも一緒に帰りたいけど、また今度だなー。じゃ、二人ともまた明日ね」

友「んー」フリフリ

女「また明日...」
(これは......好きなんだろうな。男君の気持ち読んでも大体言ってることと同じだし...)

女「仲よさそーーーーですねーーーー」ツーン

友「はぁ、何いじけてんの。サッカーの話で盛り上がってただけだって。女も見始めたら?面白いよ」

(別にいじけてないもん。仮にいじけてたとしてもポイントはそこじゃないもん)

女「そんなこと言って、ホントは別の話してたんだー」(こう聞けば気持ちを読みやすくなるはず)

友「いやホント、ウソじゃないって」『......、...、...』

(えっ?な、なんで...何も読み取れない。
 こんな近くにいるのに?他の人は...)

『あーカバン重い』『あ、今日新刊発売日だ』『今日のオカズは...』

(ちゃんと読める...どうして友ちゃんだけ......)

友「おーい、早く帰ろうよ」

女「あっ、ごめん」とてとて

(ただ単に不調なだけ、だよね)

それから男君と友ちゃんはよく話すようになった。私がいない方が都合良いみたい。というか確実にそうだ。
この前なんか一緒にサッカーの試合観に行くってなりそうだったから、その前に友ちゃんとの予定を入れちゃった。
...何か変だ私。相変わらず友ちゃんの気持ちだけ読めない状況が続いてる。

(男君が友ちゃんと話すようになった時から、友ちゃんの気持ちが読めなくなった気がする...。男君の気をそらせば、また前みたいにできるかな...?)

(よし、チャンスがあれば早速行動しよう)


~~テスト期間前、放課後の教室~~

女「エイゴ、キライ、ワタシ、ニホンジン」ぐでー

友「はいはい、ここ、もう一回復習」トントン

(友ちゃんの教え方上手いけど、なんか気持ちがふわふわしちゃう)

男「お、何勉強してんの?」

女「あ、男君...英語だよー。どう?はかどってる?」

男「へへ、オレこー見えて英語得意なんだぜ。よかったら教えようか?」

(これは...いきなりチャンス到来ですか)

女「おー...じゃあお願いしよっかな~。友ちゃんの教え方はスパルタ過ぎて、シクシク」

友「擬音を口で言うな...。それじゃ私他の教科の最後の仕上げしたいから、先帰ってる。男君、よろしくね」

男「おっけー」

女「えっ、別に、ここでもできるじゃん...」(さ、さっきの冗談で怒らせちゃったのかな...)

友「家の方が静かだし集中できる。ここじゃ誰かさんが分からない分からないってうるさいだろうから」スタスタ

(い、行っちゃった。怒ってないよね?ホントに言った通りだよね?)

男「女さん、どこからやる?」

女「...じゃあ、ここからお願いします。男センセー」(あー絶対集中できないよ)


茶髪女「.........」

~~翌日朝~~

友「あれ?私より先にいる」

女「ど、どうも...」

友「珍しいことあるもんだね。もう出発しようか?」

女「いや、その前にさ、あの...昨日の」

(こんな小さなことで早起きしちゃうなんて思わなかった...)

女「英語の勉強、男君に頼んだこと、怒ってない...?」

友「え?」

(変な質問だよね...でも、読めないから聞くしかない)

女「ほら、私が教え方厳しすぎるって言ったでしょ。だから帰っちゃったのかなって」

友「...はぁ」

女「っ...」ビク

友「そんなことで怒るわけないって。昨日はホントに集中して仕上げたかったから帰った」

女「ほ、ホントに?」

友「もーしつこいなぁ。ホントーだってば」

女「っあ、ぁはは...だよね、ごめんごめん」ズキ

友『...、......』

(なんでっ、なんで......?なんで一番知りたい人の気持ちが読めないの。しつこいって思われてたらどうしよう...。こわい、こわいよ......)

女「男くーん、これ運ぶの手伝ってぇ」

女「あ、男君今日の放課後空いてる?」

女「一緒にご飯食べよー」

(だめだ...。こんなに男君の気を引いても、まだ友ちゃんの気持ちを読めない)

(男君が関係してるはずなんだ...)

~~放課後~~

男「なに?聞きたいことって」

(直接聞けばわかる、よね)

女「えーっと私の友達がさ、男君に今好きな人いるかどうか気にしてたんだ。私その子のために聞こうと思って。...今、好きな人いる?」

男「えーまじか、誰だろ気になる。ううん、今んとこ好きな人はいないね」

(......)
女「じゃあさ、次の質問。友ちゃんのこと、どう思ってる?」

男「どうって?」

女「...友ちゃんのこと、恋愛感情で、好き?」
(男君の気持ちなら、読めるはず)

男『きれいな子だと思うけど、そういう感情は全然わかないなぁ』

男「いや、好きだけど、それは友達としてだね」

女「...そっか」

(信じられない…...。そう、きっとチカラが弱まってるんだ。友ちゃん以外の気持ちもまともに読めなくなってるんだ)

男「あ、もしかして女さんの友達って友さ」

女「ちがうっ!全然ちがうから!」

男「わっ、ごめん冗談冗談」

女「あ、いや...」

女「ごめんね大きな声出して。じゃぁ、帰ろっか」

~~自宅、朝~~

女「おはよ...」ボソッ

妹「おはよぉ」『うわぁ、暗っ』

父「...オ、オハヨウ」
『どうしたんだ...ここ最近の我が家の太陽はいつもと全然違うぞ...。
学校で何かあったのか?聞いてみたいが朝からそんなこと聞いたらウザがられないだろうかぬぉあああ』ソワソワ

(どうなんだろ...ホントの気持ちを読めてるのかな......。全部私の幻聴とかだったら笑えないよ)

母「ちょい、キッチン来て」

女「?なぁにお母さん」

母「なぁにて...あんたさ、悩み事あるでしょ」

女「へっ?何で...」

母「いや見てりゃわかるわよ。まったく...朝から負のオーラ撒き散らされるとたまったもんじゃない」

女「そ、そんなつもりは」

母「誰かに相談できることなら誰かにしてみなさい?」

(親ってすごいな、やっぱり。でも、相談して信じてもらえる話じゃないよ...。
人の気持ちが読めるのに、親友一人だけ読めないことが悩みです、なんてさ)


女「んんと、でもこれは、相談しにくい話題、かな」

母「...そう。だったら、インターネットで色々調べてみなさいよ」

女「ネットで?」

母「今の時代何でも調べられるでしょう。あんたと同じ悩みを抱えてる人がいるかもよ」

(私と、同じ...いるのかな。ネットで調べてみるなんて全く頭になかった)

女「うん、そうしてみるね。ありがとお母さん」

(でも、まずはテストを乗り切らなきゃ)


~~テスト期間終了~~

「うぁあ、やーっと終わったー」ぺたーん

「おつかれー女さん。だいじょーぶ?」

女「だめだよー、頭がオーバーヒートしてるよー。
机の絶妙な冷たさがきもひぃいよ~」

「あはは」

ふにふに

「んー、誰だぁ勝手にわらひのほっぺたを...」


友「よっ。どーだった?」

ドキっ

女「わっ、あっ」(近いっ)ガタガタ

友「あぶなっ」ガシッ

ドキっ ドキっ

女「わっ...ぁ、ありがと」(顔、ちか、近いっ)

友「ごめんごめん。そんなびっくりするとは思わなかった。
それで?男君と勉強した成果は出たの?」


女「あー、うん。ぼちぼち」
(友ちゃんのこと気になって勉強に集中できなかったなんて言えない)

友「そっかー。男君をもってしてもダメかー」

(友ちゃんから男君の名前聞きくの、すごく嫌だな...)

女「別にさ、英語なんか話せなくたって日本で生きていけるじゃんっ。できなくたっていーよ」

友「女...?」『...、...』

(やっぱり読めない......)

(もういや......。友ちゃんの近くにいると心が
嬉しくなったり苦しくなったりコロコロ変わっちゃう)

(どうしたらいいの...?)

女「っ......ごめん、お手洗い行ってくるね」スタスタ

友「うん...」

茶髪女「...」スッ

~~トイレ~~
(情緒不安定なやつだと思われてる?気持ち悪いやつ?
それとも面倒くさいやつ?)

(友ちゃんの中の私って、一体どう思われてるの...?)

(あぁ泣きそう。けど今泣いたら絶対止まんなくなる...)

茶髪女「あの、ちょっと」

女「ふぇっえ」ビクっ

茶髪女「......」『変な声...』

女「ごめん、すぐ出るねっ」

茶髪女「いや、女さんに用があるんだけど」ガシっ

女「え...わ、私?」

(茶髪女ちゃんとそんなに接点はない、よね)

茶髪女『ふー...テスト終わったし、溜まってることはっきり言おう』
「あのさ......女さんて男君のこと、好きなの?」

女「私が...男君のこと?」(何でそんなこと...)

茶髪女『ずるいよなぁ、女さん。テスト期間中を使って男君に近づいて...。
ウチが本気で勉強やんなきゃマズイの知ってて、先に近づいちゃうんだもんな』


(えっ?ま、待って茶髪女ちゃんって、男君のこと好きだったの)

茶髪女「絶対好きでしょ?あんなにイチャイチャしながら勉強してたもんね」
『流石にイラっとしたなぁ...』

女「いやっ、あれは...」

(友ちゃんの気持ちを読むには、ああすればいいと思ったからなんだけど、
言っても信じてもらえるわけない......)

茶髪女「私が男君のこと狙ってたの、ホントは知ってたんでしょ?
女さん恋バナ全然聞いてないフリしてさぁ、実はちゃっかり把握してるんだね。意外だよ」

(か、勝手に話を進めないでよ......。
私の、ホントの気持ちを知らないくせにっ...)

女「ち、違うよ...ただ、純粋に英語教えてもらってただけで...」

茶髪女「もう正直に言っていいから。そっちの方がスッキリする」

女「違うって...」

茶髪女「はぁ...隠さなくていいよもう」『頑固なやつ...』

女「もうっ......違うって!!言ってるじゃん!!」

茶髪女「わっ」ビクっ

女「......ぁ」

女「ご、こめ......っひぐ、でも、違うんだもんっ。ホントに、違うの...!」ほろほろ

茶髪女『な、えぇえ?いきなり泣き出した...私泣く程攻めた?』オロオロ

女「ぐすっ...!茶髪女ちゃんは、なにも悪ぐないの...」

(いきなり泣き出すとか怖いよね...ごめん茶髪女ちゃん。)

女「ただ、私がっ...う......えぇぇん」

茶髪女『えぇえ?じゃあ何で泣いてんのよ...』
「ご、ごめんって。ちょっといじめすぎた。お願いだから泣き止んでよ、ねっ?」サスサス

女「うぅぅ」ふるふる

女「茶髪女ちゃんは本当に......っいいの...!

女「友ちゃ、っ、友ちゃんが......ぅぅぅ」

茶髪女「ど、どうすれば...」



教師「あなたたち、一体どうしたんです」


茶髪女『うわっ...よりによって教師に見られるとは...』

「あの、先生これは」

教師「女さんが泣いているようですが、茶髪女さん、これは...?」ジロリ

『いじめの場合なら校長に相談しなければ...』

女「あにょ、違くてっ」

女「茶髪女ちゃんは、何も悪くなんかないんですっ」ぽろぽろ

教師「女さん......ならなぜ泣くのです...?」

『トイレでは落ち着いて状況が把握できません。別の場所で話し合いをするべきですね』



教師「二人とも、一旦家庭科室に移動しましょう。
今の時間は誰も使わないでしょうから」

茶髪女「は、はい」『あぁ、こわ...』

女「ぐすっ......ぁい...」

~~家庭科室~~

教師「では先程泣いていた訳を聞かせてください。」

女「あの、先生?さっきのは本当に大したことじゃないんですっ。
だから茶髪女ちゃんは」

教師「大したことあるでしょう。あなたの大声と泣き声は廊下まで響いていましたからね?
放課後なので大きな騒ぎになりませんでしたが...」

教師「まず、茶髪女さんから話を聞きたいのですが、よろしいですか?」

茶髪女「はっ、はい!えと......恋愛の話になっちゃうんですけど...」チラ

『全部話していいのか~これ?また泣き出されたら困るよ...』


女「大丈夫。私のこと気にしないで全部話して....?」

『変に誤魔化して言ったら茶髪女さんが怒られちゃうよ』

茶髪女「......わかった。まず、私が 最初に ーーーー


ーーーー て感じです」

女「あの、それで私が泣いちゃった理由を補足すると.....」

女「......個人的な悩み事について考えてた時に
しつこく聞かれたちゃったから、です。」

女「私かすごいネガティブになってただけなんです」

教師「そうでしたか...。先生の立場の私はあまり踏み込むべき話題ではなかったかもしれません」

教師「しかし学生の本分は勉強ですからね。
茶髪女さんは少々恋愛に没頭し過ぎてしまったようです。」

教師「何事も節度を持たなければいけませんよ?」

茶髪女「はい...!反省しますっ」


教師「それで、女さん、あなたのことなんですが...」

女「はい」

教師「その個人的な理由については大丈夫ですか?」

教師「泣くきっかけになってしまう程のことですから、
何か力になれればと思うのですが」

女「えっと......あくまで個人的なことなので...」

茶髪女『あ、そういえばアレ言ってない』

(え?何だろう、アレって)

茶髪女「あの先生、言い忘れてたことが」

茶髪女「さっき女さんが泣いてる時に、友さんの名前を呼んでいたんですけど」

女「...............ぅ...」じわ

茶髪女「えっ!?ちょっ、何で泣くの!?」ギョッ

女「それは...言わないで、ほしかったぁぁ」うるうる


茶髪女「で、でも女さんがさっき全部話してって...」

女「友ちゃんのこと忘れてたぁあぁ......」しくしく

茶髪女「えぇー...」

教師「友さんですか。......丁度いい機会ですので、
ここで悩み事を解決させてしまってはどうです?」

教師「当事者3人同士で話し合った方が後々スッキリするでしょう」

茶髪女『私はまだカウントされてるのか......』

教師「二人はここで待っていてください。私が呼んできます」ガララ

女「え、先生待っ」

茶髪女『フリーズしとる...』

女「終わった...今友ちゃんに会ったら爆発する...
ていうかトイレ行くって言っといて戻るの遅くなっちゃったよ連絡してないよどうしよう」ブツブツ...

茶髪女「お、落ち着いてよ。...てかひょっとして友さんも男君好きなんてことは」

女「そっ、それは!......多分...無い、と思う」

茶髪女『それも無いんだったら一体後は何が残るっての?...あ』

茶髪女「もしかしてさ、友さんを取られたくなかったからとか?」

茶髪女「最近サッカーの話題で二人が仲良くなったのを見て嫉妬、
友さんに自分を見てもらうために男君に近付いた、なーんて...」

女「............」//////

茶髪女「まじ......?」『顔真っ赤じゃん...』

(大体あってるよ茶髪女ちゃん。そういうところで頭を働かせる必要はないと思うよ)

茶髪女「あの、まぁ、友さんのこと相当好きみたいだね...?」

女「......うん」

(好きだよ...もちろん好きだけど、それと同時に苦しい。他の人には感じない。こんな気持ち、友ちゃんだけだ)

ガララ

教師「さ、友さん入ってください。茶髪女さん、説明は任せましたよ?」

教師「私は外で待っています。何かあったら呼んでください。」

教師「その間この家庭科室には誰も通しませんので
ゆっくりと話し合ってください」


茶髪女『真面目だなぁあのおばちゃん』

「...まぁ、友さんとりあえず座って」カタ

友「椅子ありがとう。...何となくさ、深刻な問題ではなさそうな感じがするんだけど、違う?」

茶髪女「そうなの、かなぁ...?」

友「とりあえず何があったのか知りたい」

茶髪女「...わかった。じゃ、1から話すね」


友「なるほど.....で、私が呼ばれた理由は?.」

友「先生になにも言われず連れてこられたから怖かったよ」

茶髪女「あー、私はそれよく分かんないな」チラ
『友さんのことについては言わない方がいいんだろうから...
女さんに任せよう』

女「先生も変なこと言うな~。友ちゃんなんて全然重要じゃないのにな~」アセアセ

茶髪女『......』

友「......てかさ、いつまで茶髪女さんの後ろに隠れてんの?
いい加減でてきなよ。迷惑でしょ?茶髪女さん」

(な、なんか怒ってる...?)

茶髪女「あはは...迷惑じゃないけどね、友さんがあぁ言ってるしさ、ほら」

女「い、いや」

友「.........」

女「.........」

茶髪女『...ど、どういう雰囲気よこれ』

友「茶髪女さん」

茶髪女「あっ、はい」

友「先に外出ていいよ」

女「だめっ」

茶髪女「ぇえ...」

友「いいじゃん別に。なんか茶髪女さんはあんまり重要じゃない気がする」

女「よ、よくないよ。めちゃくちゃ重要だよ」

友「ふーんそう。どういう意味で?」

女「それは、その...」

友「言えないじゃん。さ、行って行って」グイグイ

茶髪女「わわっ」

女「あっ、ちょっと!」

ガララ...


教師「......」

茶髪女「...ど、どうも」

教師「...また何かやったのですか?」

茶髪女「いやっ何もやってませんよ!」

(うー...気まずい)

友「ねぇ、私にも言えないようなことなの?」

(......そんな悲しい顔されたら...)

女「......話す、話すからさ、笑わないで聞いてくれる?」

友「わかった。絶対笑わない」

女「ふー......あの、」

女「男君とよく一緒にいたのはですね、友ちゃんを、男君に」どき どき

友「うん」じっ

女「と、取られたくなかった、から.........」///

女「なんちゃって...」

友「......なんだ...そういうこと?」はぁ

女「え、どういうことだと思ってたの...」

友「てっきり男君のこと好きなのかと」

女「いやちがうよっ!私はっ他に......ぁ」

友「ほー?他にいるんだ?」ニヤニヤ

女「い、いやちがっ」///

友「だーれーだーおーしーえーろー」ぐわんぐわん

(ああああ頭揺らさないでえええ)

女「ぅあうわうぅ......た、大切に思ってる人がいるのは認めるけど、
それで勘弁してくださいっ」ぺこっ

友「んんーしょーがないなぁ...」

(この際だから一番気になってること、聞いちゃおう!)

女「それでさ...友ちゃんはどうなの?
男君のこと、す、好きじゃないの」

友「私がぁ?いや、話は面白いしいい人だと思うけど、
そこまではなぁ。付き合いたいとは思わない」

女「えー、ホントっ?」ぱあっ

友「うん。...あーでも、私も気になるっていうか、
気にかけてる人はいるね」

女「だ、だれっ!?何年何組の人!?」くわっ

友「あはは、すごい食いつき方。でもヒミツー。
そっちが教えてくれたら教えてあげてもいいよ?」

女「それは...」しょぼん

友「ふふっ、とりあえずこれで問題解決?」

女「......かな。先生のとこ行こうか」

(また気になることができちゃったよー...)

(気持ちが読めるようにならないなぁ)

ガララ


教師「ん、終わりましたか。それでどうなったのです?
茶髪女さんは途中で追い出されてきましたけど」

茶髪女『言い方...まぁウチも気になるな』

女「えっと......と、とりあえず、大丈夫です!」ピース

教師「......信用なりませんね。友さん、あなたは?」

(ええっひどい)

友「あはは、私もとりあえず大丈夫でーす」ピース


教師「...はぁ、分かりました。
これ以上介入するのは良くないですね。ですが、問題になる前に誰かに相談すること」

教師「この学校にはカウンセリング室だってありますから。みなさん分かりましたか?」

女「はいっ」ビシッ

茶髪女「はい」『カウンセリング室なんかあったんだ...』

友「私もですか?」

教師「もちろん。ではみなさん気を付けて帰ってくださいねね」スタスタ
『正直何を話したのか気になります...』

女「はい、ありがとうございました」ぺこっ

茶髪女「二人とも、色々ごめんね......じゃ、また明日」


女「えっ、一緒に帰らないの?」

茶髪女「ええ?何、いつそういう流れになった?」

女「えーせっかくだしさぁ、寄り道して帰ろーよー。
いいよね?友ちゃん」

友「この流れで一緒に帰らないのはナイナイ」

茶髪女「あぁぁまとわりつくなっ。わかった帰ります帰りますってば」

女「やたー」

~~自室、ベッドの上~~

(ふー...楽しかった。茶髪女ちゃんってツッコミのキレがある人だなぁ)ぽふっ


"インターネットで色々調べてみなさいよ"

"誰かに相談すること"

(...スマホで調べてみよう)




(はー...やっぱりみんな面白半分で話してることばっかりだ。
そもそもみんな私と同じ感じなのか分からないしなぁ)スッスッ

(むー.........ん?)

(何これ......【☆サトリン☆のブログ】...?)

(うわっホームページキャピキャピしてるなぁ。
内容は...大体家族のことかな。割と最近まで更新してるんだ)

(なになに...)

(このブログは人の気持ちを読めちゃうサトリンが、家族の日常を綴ったり
同じ境遇の人とコミュニケーションを取る場所です、か。そこそこコメントは来てるんだね)

(ただのネタ設定、にしては結構前から記事がある...。
本当にそうなのかな...あ、チャットルームがあるんだ)

(んー...よし、期待せずに書き込んでみよう。)

カタカタ...

《こんにちは、サトリンさん。》

《私も少し前から人の気持ちが読めるようになったのですが、
中々相談できる場がなかったのでここで相談させて下さい》

(こんなもんかな...お風呂入った後にでも、)
ピコン
(返信はやっ)

《こんにちは~(о´∀`о)サトリンのブログへようこそ!》

《遠慮せずに相談してねー。ちなみにこのチャットは二人だけにしか見えてないから安心してd(^_^o)》

《よければお名前を教えてくれるかな?_φ(・_・》


(じゃあ...)

《おもちって呼んでください》

《おもちさん!(???)よろしく!それで、どんな相談かな(O_O)?》

(顔文字めっちゃ使うなこの人...)

《よろしくお願いします。私は、大体は人の気持ちは読もうと思えば読めます。
だけど、どうしても読めない人が一人だけいるんです。》

《なるほどー( ´∀`)もしかしてそれは、あなたの身近な人じゃないかな??(*´?`*)??》

(わっ、すごい。どうして分かったんだろう)


《そうです!どうして分かったんですか?
その子は友達で、私の大切な人です》

《私も似た経験をしてきたの!(^_-)-☆
おもちさん、多分まだ気付いて無いみたいだね》

《えっと、何にでしょうか》







《その子に恋してるってことにヾ(@⌒ー⌒@)ノ》

(恋?私が?友ちゃんに......)

女「............な、う、ええええええ!?」///

女「い、いやいやっ!確かにす、すすす好きだけど、でもでもこれはっ、あぁあ」///

ガチャ

妹「お姉うるさい...!」ジトー

女「ごっ、ごめん。ちょっとゲームしてて、熱が入り過ぎちゃった、あはは」

妹「...程々にしてよ、もう」

バタン

女「はぁ......」

(と、友達に、しかも女の子に恋って...
本当にそうなのか調べてみよう。)


(ん?百合テスト?あぁ、女の子同士の恋愛を百合って言うんだ。どれどれ...)

・気になる子と手を繋ぎたいですか?

(これくらいは...みんなYESでしょ)

・気になる子に抱きつきたいですか?

(......今時そういうスキンシップはJKでは当たり前だから)YES

・気になる子が他の人と楽しそうにしていたらモヤモヤする?

(まぁ...友ちゃんは小さい時からの親友だし)YES

・気になる子といつまでも一緒にいたい?

(...........)/// YES

(次は一体どんな質問が...)



・気になる子とキスしたい?

女「えっ、き、キス...?」

(友ちゃんの、ちっちゃくて、可愛いぷるぷるした唇と......)

女「......やあああぁ!わああああ」/// ゴロゴロ
どてんっ
女「いたぁっ!」


妹「はー...」とてとて

妹「おかーさん、お姉何とかして。勉強に集中できない」

母「んー、もうすぐ大人しくなるはずだから。少し待ってなさい」くす

妹「一人で騒いでて気持ち悪い...。パソコンいじってないで何か言って」

母「だーいじょーぶだから。部屋出戻ってな」

妹「はぁ...」

(くぅ......)げっそり

(ほとんどの質問に対してYESと答えてしまった...)

(中には、え、えっちな質問もあったのに)///


(はー...私、友ちゃんに恋してたのか)ぽー

(って、サトリン放置してた...)

《返信遅れてすみません。
サトリンさんの言う通りでした。今そうなんだって気付きました》

《そっか(^ー^)それで、おもちさんはどうしたい?》

(私は、友ちゃんと...)

《付き合いです、けど難しいです。
詳しくは言えないんですけど、障害が多いと思います》

《うーん、その人は女の子だったりするかな(・・?)》

(......)

《サトリンさん、ネット上の相手の気持ちも読めたりすることってあるんですか》

《流石にナイナイ(´∀`)やっぱり当たりかぁ》

《よければ私のアドバイス聞いてほしいけど、どうする?
参考になるか分からないけど(´・_・`)》

《聞きたいです。参考になると思います》

(今はどんなことでもいいから、アドバイスが欲しい)

《ありがとう。私達は人の気持ちが読めているけど、
普通は皆分からないまま生活しているよね》

《分からないからこそ、言葉や表情とかで相手を知ろうとする。》

《好きな人相手にそれはものすごく勇気がいることだよね。
私はね、好きな人の気持ちが読めないのは神様が、
[そこは自分で頑張りなさい]って言ってるんだと思うの》

《読めたらずるいって思うし、読めない方がドキドキできる。
だから私は皆と同じように告白したの。おもちさんにも勇気を持ってほしい。
女の子だからと立ち止まっていたら、この先も同じ悩みを抱え続けてしまうだろうから》

(そうだ......一人読めないってだけでこんなに悩んだ。これじゃだめだ。
それに、友ちゃんが好きって気持ち、抑えて生きていくなんていやだ)


《ありがとうございます。勇気を持っていきます。結果は報告しにきます》

《助けになれたならよかった⊂((・x・))⊃
ファイト!p(^_^)qごめんね、明日もお父さんと子供達のお弁当作るからそろそろ(*´-`)
幸運を祈ってます!おやすみなさい(^-^)/》

《本当にありがとうございました!おやすみなさい》



(調べたら、告白して拒絶されたって話もあれば、
断られたけど気持ちだけは受け入れられた話、両思いだった話とか色々あったなぁ)

(......どうなるかなんて分からないけど、後悔だけは残さないようにしよう)

(全力で準備して、友ちゃんを誘おう)


~~数週間後、教室~~

茶髪女「はい?」

女「だから、化粧教えてって」

茶髪女「なんで私が...自分でできるでしょ」

女「えーだって茶ちゃんこの前遊んだ時すごい良い感じだったし、上手いでしょ?」

茶髪女「ちょ、学校ではあだ名で呼ばないでよっ」

女「いーじゃん別にぃ。茶ちゃんも私のこと女っちって呼べば」もがもが

茶髪女「だー言うなっ。恥ずかしいんだっての!私のイメージが壊れる」

女「ヤンキーの?」

茶髪女「ギャルよ!...で、どういう系のやつ」

女「私に似合う系のやつ!」

茶髪女「人任せすぎるでしょ...。まぁナチュラル系が一番なんじゃない?」

女「おーつまり元が良いってことですな?」

茶髪女「...うざ」『悔しいけど可愛いからなこいつ...小動物系ってやつ?』

女「褒めても何も出ないぞ~」

茶髪女「褒めてねーし。私ん家で?」

女「いやぁ私犬はホント苦手だから。茶ちゃん家の相当デカイよね?オオカミみたい」

茶髪女「ボルゾイって教えたでしょーが。じゃあ女の家でか」

友「なになに?女の家でなんかするの?」

茶髪女「あ、友」

友「やっほー茶さん」

茶髪女「だから......はぁ」
『もういいか、別に悪い気はしないし』

女「やー友ちゃん」どきどき

友「女の家で何かするの?私も行きたい」

茶髪女「......」チラ

女「と、友ちゃんはだめ」ぷいっ

友「......え?」ポカン

友「......へ?」ポカン

友「な、なんで?」

女「だ、だめなものはだめなのっ」

友「なんでよー、教えろよー」ぎゅー

女「わっ、わわっ、離してっ。とにかくだめ!だめぇーーーー!」トタタタタ


友「......」

茶髪女「友、あいつに何したの」

友「いや...何も...」

茶髪女「絶対何かあるって」

友「ええぇ?......遊園地に誘うくせにあの反応は何...」

茶髪女「......遊園地?私誘われ...あ」ピコーン

友「どしたの」

茶髪女「ふっ...ふふ、いや、遊園地楽しみにしてなよ」

友「????」


~~女の家~~

茶髪女「ほい、こんな感じのメイクでどーよ」

女「お、おぉ...ぉお」

茶髪女「自分で照れるな気持ち悪い。...遊園地に行くんだって?友から聞いちゃった」



女「...はは...バレましたか」

女「......茶ちゃんには言っとく。私、友ちゃんのことが好き、友ちゃんと付き合いたい」

茶髪女「...そっか。がんばりなよ、あんたならきっと大丈夫」

女「っ、優しいね、茶ちゃん。普通は引いてもおかしくないのに」

茶髪女「......」ぎゅっ

茶髪女「そういうのよくわかんないけどさ、
女と友なら何となく受け入れられる。むしろ付き合ってなきゃおかしいくらいだわ」

女「ぅん...ぅ、ぐす」

茶髪女「また泣く...」

女「だってぇ、茶ちゃん優しいんだもんん」

茶髪女「もー...」///

茶髪女「友の前では泣かないようにね」ぽんぽん

~~当日~~

(すー、はぁ)

ピンポーン

「はーい」ガチャ

女「あ、友母さんこんにちは」

友母「こんにちは~女ちゃん。待っててねえ、
あの子さっきから何回も鏡の前で服装とか髪型チェックしてて」くす

女「は、はぁ」

友「ごめんごめん。なんか髪型決まんなく、て......」


女「...ど、どうかした?」(見られてる...)

友「いや、なんていうか」

友母「ちょっと、二人とも玄関で見つめ合ってないで、
早く出発しないと。バス間に合わなくなっちゃうわよ」

女「あ、そですねっ。友母さん、いってきます!」

友「いってきます」

友母「はーいいってらっしゃい」

ガチャン

女「流石に走って行くほど遅れてる訳じゃないから、普通に歩いて」

友「ねぇあのさ、今日の女、すっごくかわいい」

女「ぅ.........」///

友「あ、いやいつもかわいいけど、今日は特別かわいい」

(そんなにかわいいを連発しないでください...)

(な、なにか言わなきゃ。冗談とかで返して...)

女「ま、まぁねー?私元が良いから」

友「ふふ、本当そだね。そろそろ行こっか」ニコっ

女「...うん」///

(し、しぬ...。まだ出発してすらないのに)

女「わぁ...すごい数の人。こんなに人気だったっけ...?ここ」

友「最近は流行ってるらしいよ、レトロな感じが残ってる遊園地。
ここも昔からあるし、注目され始めてるのかもね」

女「ご、ごめん...これじゃ、ゆっくり回れないよね」

友「いいって。ガラガラに空いてるよりは全然。んー、でもはぐれそうだし、手つなぐ?」スッ

女「て、手を...」

友「いや?」

女「い、嫌じゃない!全然嫌じゃない!これっぽっちも嫌な気持ちはない!100%ない!」

友「あっはは。分かった分かった。じゃ、いこ?」ぎゅ

(そのくしゃっと笑うの、すごいすき...)

女「うんっ」


友「はー笑ったー」

女「ふふ、あはははっ。思い出したらまた...」

友「ゴーカートで爆笑することになるとはねぇ。くふ」

女「だって、前走ってたおじさんドリフトして横転するんだもんっ」

友「目の前で起こったからね...。一瞬何があったか分からなかった」

女「係員さん手慣れてたなぁ。またあんたかって目してたし、常習犯なのかも」

友「ふふ、かもね。はいこれ、さっき女がトイレ行ってる間買っといた」

女「わーありがとう。結構喉乾いてたんだ」

友「もうかなり暑くなってきてるからこまめに水分とらないとね。っあーおいしい」ゴク

チラ
(ぁ......友ちゃん...唇..)ジー

友「ん?なに飲みたいの?いーよ、はい」

女「い、いや別に」

友「遠慮しなくていーから、ほら」スッ

ゴクリ

(意識してしまうとどうも...で、でもここで断るのももったいない)

女「じゃあちょっとだけ...」ゴク

友「......間接キスになっちゃったね」

女「んぐっぼへぇ!」バシャッ

友「あははは!はは、ひひ...何今の声...!」

(もう...もう!)///

友「ねぇそんな睨まないでよ。だってめちゃくちゃ意識してる顔してたからさ、ついからかいたくなって」

女「もー怒った!友ちゃんの苦手なお化け屋敷に行きます!行くよっ」

友「えぇ?勘弁してよー」

幽霊「?ぉあああ」

女「きゃあああ!」ガバッ

友「ごふっ」

人体模型「」カカカカカ

女「ひいいぃい」グググ

友「く、くるし...」


ゾンビ犬「グルルルル...」

女「い、い...」

ゾンビ犬「グアァオオオッ」



女「いやああああああ!!」ぱちーん

友「ぶへっ」

女「本当にごめん......」

友「いいっていいって。にしても、
女が前来た時のお化け屋敷から随分進化してたみたいだね...」

女「うん...あんなにグロテスクになってるとは思わなかった。しかも苦手な犬までいた」

友「あれどうやって動かしてんだろね。気になるからもう一回行ってみる?」

女「絶対いや!」

友「あははは」

?~



(そろそろ閉館の時間......チャンスはここしかない)

女「えーっと...最後はみんな観覧車行きがちだけどさ、
今回は私に着いて来てくれない?」

友「おーけー」



~~噴水~~

友「へー...静かでいい感じ」

女「帰りはみんなここ素通りするんだ。
だから落ち着くにはいい場所なの」

サラサラ
友「うん...いいね」

女「.........ぁ、あのさ」

(ここで言わなきゃ...まずは、あのことについて)

女「冗談抜きで、真面目に聞いてほしいんだけど.....」

友「なに?」

女「.私...人の気持ちが読めるんだ」

友「...?えっと...それはどういう...」

女「困るよね...こんなこと急に言われたら」

女「でも信じてほしい。...例えばあの人は、これから空き缶ポイ捨てする。
向こうの子供はしゃがんで靴紐結びなおそうとする。
あそこのおじさんは子供に風船を買ってあげる。......どうかな、もうちょっとやる?」

友「......い、いや...。すごいね......超能力ってやつ?」

女「かもね......。電柱に頭ぶつけたらこうなった」

友「そんなことで...。じゃあ、私の気持ちとかも読めてたんだ?」

女「.........うぅん」ふるふる


女「友ちゃんだけ、読めない」

友「え?何で私だけ?」

女「それは、わ、私が......っ...」


女「......友ちゃんのこと、好きっ、だから...」

友「好きって...」

女「...友ちゃんに、恋しちゃった......」

女「友ちゃんと一緒にいると、胸がきゅうってなってなるの...。
友ちゃんの気持ちが気になってしょうがないんだ......」

女「だ、だから」

(あぁ、だめだ。私の勇気なんてこんなものか)

女「......ごめんねっ。一応、伝えておきたかっただけだから。ぁ、あーすっきりした!」

友「女...?」

(怖くて「付き合って」なんて言えない。でももう、いいよね。伝えられたし、後悔は残らない)

女「えーと私、近くで寄りたいところあるから、
友ちゃん先帰ってていいよ?遅くなっちゃうとあれだし」

友「ねぇ、ちょっと」

女「今日楽しかったね!また明日ー...」

女「あ、近づかないでほしいっていうなら言ってね?言う通りにするから。ばいばい...っ」

(泣く前に帰ろう...逃げるっていう方が正しいかな。友ちゃんどんな顔してるんだろう。怖くて顔見れないや)

友「待って、女」


女「急いでるから...」スタスタ

友「待ってってば!」ガシッ

女「は、離してっ」

友「やだ。逃さない」

(あぁもう堪え切れない)ぽろ

女「ご、めんなさい。友ちゃんのこと好きになってごめんなさい...。
困るよね、気持ち悪いよね...っ」ぽろぽろ

友「そんなことない、謝らなくていい」

女「いいよ、気遣わなくて...。ごめんね、本当にごめん...嫌だよね」

友「嫌じゃないよ。嬉しい」

女「......こういう時でも優しいね、友ちゃん」

友「本当だって。嘘じゃない」

女「いいよ...私なら、後悔してないから」ぽろぽろ

友「後悔してない人の顔じゃないでしょ」

女「......ぐすっ」

友「あぁもう...」クイッ

ちゅっ

女「あっ......ん、ん...」

友「まだわかんない?」

女「はっ、ぁ、友ちゃ......んんっ」

友「ん......っ、分かるまでするから」

女「っふ、はぁ、ま、まって」///

(キス、しちゃった...。......やわらかくて、甘い......)とろん

友「......ねえちょっと、また言いたいことあるからしっかり聞いて」ぺし

女「あっ、はい」///

友「今女に告白されて、私も女のこと好きだったのかも、って気づいた」

女「そ、それはどうして?」

友「そうだね、女が男君とか茶さんと楽しそうにしてるの見たら、今考えると嫉妬してたんだと思う」

(友ちゃんも、私と同じ...?)

友「特に茶さんとか他の女子と仲良くしてると......モヤモヤしたかな。」

友「......はは...私、結構独占欲強いかも...」

友「遡っちゃえば、中学で陸上辞めたのも高校でもっと女といたかったからだしね...」

女「そうだったんだ...友ちゃん、速かったのにもったいないことさせちゃって...」

友「女と一緒にいられない方がもったいないよ」

女「ぅ...」///
(さらっとこういうこと......。ずるいけどすき)

友「女とキスするの嫌じゃないし、それより先のことも全然嫌じゃない。そういう意味で、私も好きだよ。...だから」

(さ、ささ先のことって!?)///

友「女の気持ち、ちゃんと聞かせて?」

(あ...そっか.....しっかり言わなきゃ)

女「と、友ちゃん、すき...だいすきです。だから、私と付き合ってくださいっ」

友「うん、私も大好き!よろしくっ」ニコッ

ぎゅう

(好きな人の気持ちが分かるまではとても不安だったけど、
分かるとこんなに幸せで暖かい気持ちになるんだ...)

友「分かる...?私だってすごく緊張してるんだ」ドキ ドキ

女「ふふっ、ほんとだー」

(ずっとこうしてたい...)



職員「あのーすんませーん。もうすぐゲート閉めちゃうんでー、そろそろお帰りくださーい」


女「わっ、すみませんっ」///ばっ

友「はぁい。じゃあ帰ろっか」すっ

女「うんっ」

(友達として手繋いで来たけど、いまは恋人として!)


~~女の家前~~

女「ねぇ...送ってくれてありがたいけど、友ちゃん本当に門限大丈夫?」

友「うん。女のこと送ってきたって言ったら絶対大丈夫」

女「ならいいけど.........」もじもじ

友「...?どうしたの?」

女「まだ...もうちょっと一緒にいたいなって...えへ、わがまま言ってごめん」

友「...これから先、出来る限り女と一緒にいるよ。女は?」

女「そんなの...私だって...」

友「嬉しい...」すっ

ちゅっ ちゅぅ

女「ん......ふ...」

はむ はむ

(唇、甘噛みされ......)

女「んんっ、ゃ......」

友「っ......ん...」

女「...んー......?」

友「女......その顔私以外の人に見せちゃだめだからね」

女「ぇ?...わかったぁ...」



友「ふぅ...それじゃ、また明日ね?」

女「あ、うんっ。また明日!すきだよ、友ちゃん」ふりふり

友「私もすきだよ、女」ふりふり


ガチャ、バタン

女「たっだいま~!」

母「......おかえり」ジト

女「な、なにその目」

母「いーや別に?最近大人しくなってた奴がまたうるさくなり始めそうだなーって思っただけ」

女「えーひどーい。あ、早目にお風呂入っていい?」

母「どーぞご自由に」

女「やたー。お父さんトイレいたんだ、ただいまっ」とたとた

父「......オカエリ」




父「......」

母「なによニヤニヤして、気持ち悪」

父「イヤナンデモナイ......アレ、トッテクレ」

母「あれ?あれってどれ」

父「ソレ......」

母「だからどれのこと言ってんのよ!これ?」

父「イヤソレ」

母「あーめんどくさい!」

母「言わなきゃ分かんないでしょー!?」

ギャーギャー



妹「この歳でイチャイチャできるの、尊敬する......」



おしまい


最後まで読んで頂きありがとうございました。
初ssなので未熟な所はたくさんあったと思います。
感想や指摘があれば気軽にどうぞお願いします。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom