女「コンビニのバイトを始めてみた」(20)

~♪

女「イラッシャイマセー」

男(何故だッ!・・・)

男(何故、あの学校一可愛いと噂される同じクラスの女さんが家の隣のコンビニで)

男(バイトをしているんだッ! 可愛いッ!)ジー

男(もしや、俺に気があるんじゃないか! 俺の家の隣のコンビニでバイトなんて、これこそ運命ッ!)ジー

女(さっきから男の人の視線を感じる・・・ 何でだろ)

女(早くバイト代でおでん食べたい)ハァー

男(女さんがため息をしたッ! それも可愛いッ!)ジー

女(ここのコンビニのおでんおいしいんだよねー けど、このコンビニここしかないし)

女(ちょっと家からここまで遠いのがネックだよねー まぁおでんの為に我慢我慢)

男(女さんのため息・・・ 女さんの悩み事・・・)

男(その悩み事はやはり恋煩いッ!)

男(大丈夫ですよ女さんッ! 俺はここにいるぞッ!)ジー

女(なんだあの人・・・ ずっと立ち読みする振りしてこっち見てる)

女(どっかで見たような顔なんだけど思い出せないなぁ・・・)

男(分かりますよ女さん。素直に気持ちを伝えられないもどかしさ。そして家でモジモジしてしまう事をッ!)

男(そんな女さんの為に、この男、齢十七ッ! あなたの恋を叶えてみせましょうッ!)

女(あっ、あの人立ち読みする振りして持ってた漫画を閉じた)

女(そしてその漫画を持ってこっちに来てる。若干にやけてる。ちょっと引く)

男「ジャン○くださいッ!!」

女(いやあんた持ってるじゃん)

女「240円です」

男「はっ!」

男(女さんの声・・・)

男(可憐だッ!清楚だッ!女神だッ!)

男(思わず惚れてしまうところだったぞッ! いや、惚れ直したぞォォ!)

女(いきなり声出して後ろ向いてどうしたんだこの人。私なんか変なことしたかな)

男(っとしまった・・・ お金を払うのを忘れていた)

男(財布の中にはちょうど240円あるが・・・)

男(俺はここで1000円札を使うッ!)

男(それは勿論、女さんにお釣りを手渡ししてもらうためだァ! 可愛いッ!)ジー

男「これで」スッ

男(このクールな俺の動作に酔いしれろォ!)

女(何この人厨二病)

女「1000円からで~」

男(ついに来るぞこの時がッ!)

男(俺に気があるから必ず手渡ししてくるはずッ!)

男(そして、女さんの可憐な掌を俺の手で優しく包みこう言うんだァ!)

男(愛しています・・・ と)

女(この人手を何故こうも力強く握っているんだろう。不気味だ・・・)

女(レシートはさんでお釣りわたそう。不気味だし)

女「お釣りになります」スッ

男(あ・・・あああああああああああああああああああああああああ!!)

男(レシートをはさんできただとッ!」

男(つまり女さんは俺に気がない・・・だと・・・!?)

男「我・・・破れたり・・・」ションボリ

女「!?」

女(えええええ!この人どうしたの!?)

女(私悪いことしたのかな!?何もしてないよね!?)

女(それに列できてるよぉ!列の後ろの男の人に迷惑かけられないし・・・)

女「あのぉ・・・」

男「・・・なんだ?」

男(このタイミングで声をかけてくる・・・ もしや!?)

男(ここで、ここで告白されてしまうのか俺ッ! 俺の戦いはまだ終わってなかったッ!)

女「後ろに他のお客様が控えていますので・・・」

男「あっ」

男(男先生の次回作にご期待ください!!)ダッ

~♪

女(落ち込んでると思ったら次は猛ダッシュで出て行った・・・)

女(コンビニでバイトしてるとこんな事もあるんだなぁ)

女(まぁ、おでんの為だ。仕方ないけど頑張ろう)

~翌日~

―朝 通学路―

女(昨日は大変だったなぁ・・・バイト)

女(正直大変だったのはあの変な男の人だけど)

女(あと一番許せないのは、バイトの後おでん食べようとしたら大根が売り切れてたこと!)

女(大根の無いおでんなんて、水がない地球みたいなものだ)ウンウン

女(いや、おでんの中に大根がないんだからこの場合は)

女(大陸の無い地球! かな~)ウーン

女友「おはよー女」

女「あっ、おはよー女友」

女友「朝から悩み事なんて珍しいけど、どうしたの?」

女「ちょっと考え事してただけだよ。気にしないで」アタフタ

女友「そう?ならいいけど」

女(おでんのこと考えてたなんてとても言えない)

女「そういえばね、昨日変な人が―――」

―教室―

女「ってことがあったんだよ~ 変な人だよね~」

女友「それはもう困った客だね。通報してもいいレベルね」

クラスメイト「女ちゃんに女友ちゃんおはよー!」

女「おはよー」

女友「おはよ」

「・・・女さん今日も可愛いよなぁ・・・」「マジでやべぇよな・・・」「・・・女友さんマジクール」ボソボソ

女友「・・・今日も朝からうるさいわね」

女「そう?何だか静かじゃない?」

女友「あんた本物の鈍感だわ・・

女「?」コンワク

女友「けど確かに静かよねぇ」

女友「朝から馬鹿が騒いでないものね」

女「馬鹿って・・・」

男「・・・」グッタリ

女(馬鹿だ!)

女(どっかで見たことあると思ったら、あの変な男の人は男君だった・・・)

女「女友・・・」

女友「何?」

女「朝言ってたコンビニの変な人・・・ 男君だった」

女友「よし通報ね」prrrrrr

女「やめてー!!」

ワイワイガヤガヤオンナサンカワイー


男「・・・」グッタリ

友「・・・何でそんな元気ないのお前」

男「・・・失恋」キリッ

友「嘘つけ」チョップ

男「痛っ!いや今回はガチだ。俺の顔を見てみろ」

友「どう見てもふざけてるようにしか見えない顔だな」

男「酷いっ!でも顔を見ただけで分かってくれてる友君素敵!抱いて!」

友「お断りだ」チョップ

男「あべし!」

モーボウリョクフルウヤツナンテユルサンゾ! カッテニイッテロ

女「・・・何かいつもの調子が出てきたね」

女友「そうね・・・」

女(男君の昨日の行動は何だったんだろう・・・)

女(・・・まさかいつも昨日みたいな事をしているのかな)

女(という事で気になった私は男君を一日観察してみる事にした)

―1時間目 数学―

数教師「えー、ではこの問題を男、答えて」

男「Zzz...」

女(うわぁ・・・寝てるよ男君)

女(あっ、友君が頭にチョップした)

男「うぇぇっぇぇ。 Zzz...」

女(変なうめき声上げてまた寝た!)

―3時間目 現代文―

国教師「吾輩は猫である。を書いた文学者の名を答えられる人」

男「はい!はい!」ウキウキ

女(男君今度は起きてる!さらに今回は積極的に挙手してる・・・)

国教師「はい、じゃあ男君答えてみて」

男「1000円札ッ!」

女(まさかのお札! さらにそれは旧1000札だよ! 今は野口英世だよ!)

国教師「・・・男君、後で君は職員室来てね」イライラ

―5時間目 日本史―

日教師「鎌倉幕府を開かれた年代を、それじゃあ男。言ってみて」

女(これは一般では1192年、いい国作ろう鎌倉幕府っていうけど)

女(最近では1185年、いい箱作ろう鎌倉幕府って説が正しいんだっけ)

女(男君ちゃんと答えられるかな・・・)ジー

男「1129年ですッ!!」

女(惜しい!いや、惜しいけど惜しくない!)

女(さらにいい肉作ろう鎌倉幕府ってどんな政治組織!?)

女(酪農メインなの!?酪農メインなの!?)

女友(・・・)

―放課後 帰宅路―

女(男君を一日中見てて分かった事は・・・)

女(色々と残念な馬鹿だった)

女(・・・何だろう、ものすごく時間を無駄にしたような気がする)

女友「ねぇ~女」

女「何?」

女友「私の気のせいならいいけどさ、今日ずっとあの馬鹿の事見てなかった?」

女(馬鹿・・・あっ、男君の事か)

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