男「早く大人になりたいんだ♪」 (35)

女「えっどうして?」

男「早く大人になりたいの♪」

女「いやアンタもう27じゃん」

男「…………」

女「昔からの夢だった小学校の先生にもなれて、今さら何言ってんのさ?」

男「そう、それだよ」

女「?」

男「今日、小学校で国語の授業があったんだけどさ」

女「うん」

男「作文を書いてもらったんだよ。『将来の夢』について」

女「まあ定番だね」

男「その作文を今日の放課後、生徒たちが帰った後に見たんだけどさ。あの子たちなんて書いたと思う?」

女「うーん、まあ男の子だったら『おまわりさん』とか『パイロット』とか?女の子だったら『お嫁さん』とかじゃないの?」

男「まあそんなもんだよな。中には『ゲームデザイナー』とか『アイドル』なんて子もいた」

女「夢があっていいじゃないか。現実は甘くないってことを知ることで成長もするし」

男「嫌な成長の仕方だな……。まあ、そんなんで色々見ていったんだけどさ」


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男「その中にさ、『ピーターパン』っていうのがあったんだよ」

女「あー懐かしいね。ディ○ニーのやつは良く見てたよ私」

男「ここで最初に言ったことに戻るわけだ」

女「ん?どゆこと?」

男「女……、お前とは幼馴染という間柄長く一緒に居たが、未だに俺のことをわかってない部分があるな」

女「いや急にどうした」

男「最初の『早く大人になりたいな♪』の部分でピンとくるだろう!」

女「………?」

男「俺たちが小学生のころTVで一緒に観てたアレだよ!!」

女「……ああTVチャン○ピオンか?木曜日だけは私の親の都合でお前の家に泊めてもらっていたからな、夜遅くまでTVとかも一緒に観てたっけ。懐かしいなぁ、あの大食い対決とか観てて熱くなってたもんなお前。あれのせいで私たちの小学校でも、給食の早食い対決とか流行ったし」

男「ああ、あったなそんなこと。その後みんな先生にムチャクチャ怒られて……、ってそっちじゃない!その前の番組だ!」

女「前の番組?うーん……何やってたっけ?」

男「……まあ当時もお前、アニメとか興味なさそうだったもんな」

女「アニメ?…………あー思い出した。ポケモンか」

男「そう、ポケモンだ。当時ゲームボーイでバカ売れしたポケットモンスターがアニメ化したやつだ」

女「あんたも良くやってたよねポケモン赤。私はゲーム自体興味なかったからやんなかったけど…」

男「お前はむしろあの時からなんにも興味なさそうな奴だったからな…」

女「小学生のころからドライな女だったんだよ、私は」

男「自分で言うなよ…。まあそんなことはどうでもいい、ポケモンだよポケモン」

女「ああ、そういえばそんな話だったね。それでそのポケモンがどうした?」

男「俺も昔小学生だったころ、将来の夢が『ポケモンマスター』っていうことを作文に書いてたことがあってな」

女「ああ言ってたねそんなこと。『俺はこの相棒のニドキングと一緒にポケモンチャンピオンになってポケモンマスターになるんだ!女、俺を止めるなよ!』だっけ?」

男「やめろよ!俺ですらそんな細かく覚えてないのになんでお前はそんな黒歴史まで記憶に残ってたんだよ!?」

女「…………まあ印象に強く残るんだよ、あんたと過ごした日々は」

男「くそっ、今思い出しても恥ずかしいぜ////……まあそんなことがあって当時の俺は子どもながら、本気でポケモンマスターを目指していたわけだよ」

女「そういえばあの時はアンタまだ先生になりたかったってわけじゃなかったよね。特に将来の夢とかも決まってなかったし、ってことはやっぱり小学5年生の時の…」

男「そうだ、工藤先生だ。あの人に憧れて俺は先生になったんだよ」

女「懐かしいね。当時いじめられてた私をあんたと先生が助けてくれたっけ」

男「……(いやむしろお前にちょっかいをかけて返り討ちにされた女子たちのほうがいじめられてたんじゃあ…)」

女「なにか?」

男「いや、なんでもないです」





女「ああ、また話が逸れちゃったね。それでポケモンマスターになるって夢がどうした?」


男「そう、今日の子どもたちの作文を読んでいて思ったんだ。俺には何かが足りてないんじゃないかって」


女「ふーん」


男「もう少し興味ありそうな反応しろよ…、それで俺は気づいたんだ。自分には『童心の心』というものが足りてないってな」


女「ふーん」ズズズズ←コーヒー飲んでる


男「(もう気にしないでおこう…)そう、子どものころを思い出せば自然と子どもになりきることが出来てもっと生徒たちと親密になれるんじゃないかと思ったわけよ!」


女「なるほどねー」ポリポリ←ポッキー食べてながら本読んry)


男「この『ピーターパン』になりたいって子もそうさ。どうしてピーターパンになりたいのか、じゃなくてピーターパンになって何がしたいの?って見ればほらもう完璧!」


女「そうだねー(´-ω-`)」ネムネム


男「あのポケモンのエンディング曲もさ、今大人になって聴いてみると歌詞の内容が深かったんだなーて思ってさ。いやー今聴いても泣けてくるんだよなーあれ」


女「…そう……(´-ω-`)」ウトウト


男「というわけで女、明日からの土日お前も仕事が休みだろう?俺ん家に行って一緒に遊ぼうぜ!」


女「…………(-_-)zzz…」


男「」


男「……まあグチグチ言われるかもしれないけど来てくれるか。なんだかんだでコイツは俺の誘い断わったりしないしなー」モウフモウフ

初SSです。なんとなく書いてみました。
なんか変なところがあったら書いていって下さい


翌日



女「なんで男ん家に行くことになってるんだ…?」トコトコ


男「さっきも話したろう。俺たちが過ごした子ども時代を一緒に思い出していこうぜ!(キリッ」トコトコ


女「キモイ」


男「ハッキリ言うなよ…、結構傷つくんだからさ……」


女「はあ……、まあいいけどね。私もアンタのお母さんに久しぶりに会いたいし」


男「そうか。そう言ってくれるとオカンも喜ぶよ」

女「にしても、相変わらずこの町は変わらないねー」


男「そうか?俺からしたら昔空き地だった場所に病院とか家とかアパートとか建ってるし、大分変わったと思うけど」


女「うーん、なんて言うんだろう?確かにそういう外見的なところは変わってっているけどさー」


男「日本語は正しく言えよ」


女「相変わらず細かいなアンタは。まあそういう外見っていうか、なんて言うのかな空気が変わってないじゃん?」


男「?まあそりゃあ昔から住んでるところだしな、空気なんて変わっていったとしても気付いたりするもんじゃないだろう?」


女「その空気じゃなくてさ。なんていうのかな…、ほらあの人たちみたいに家が隣同士じゃない人たちでも普通に会話しているところとかさ。この町特有のやさしい雰囲気っていうのかな」


男「ああ……、なんとなくわかる気がする」


女「確かに建物がいっぱい出来ちゃって自然とか遊ぶ場所とかは無くなってるけど、この町はずっと変わってない感じがするんだ」


男「『それに私たちが一緒に遊んでた場所も、私たちの思い出の中にはずっと残ってるんだから』ってか」


女「言ってて恥ずかしくない?」


男「言うな」



10分後


男「ふぅ、やっと我が家に着いた」


女「相変わらず変わってないね。男の家」


男「でも隣にいたお前の両親が地元の九州に帰って居なくなってからは少し寂しいってオカンが言ってたぞ」


女「仲良かったもんね、アンタの両親とうちの両親」


男「まあ娘であるお前が自立してからはゆっくりしたいって昔から言ってたもんな。良いんじゃないのか?」


女「我が親ながら、自由な人たちだなーって今でも思うよ」


インターホン←ピーンポーン

テッテッテッテッテ…

ガチャ


男母「はーい、どちら様ですか?」


男「やっほー」
女「お久しぶりです、男母さん」ペコリ


男母「あらー女ちゃん!久しぶりねー、元気してた?」


女「はい、男母さんもあんまり変わってないですね」クスリ


男母「あらっ、言うようになったわね貴女も。昔は男の後ろにずっとくっついてた子だったのに」


女「///……子どもの頃の話です…///」


男母「ふふっ、まあ上がりなさい。ここで立ち話もなんだし」


女「はいっ、お邪魔します」


男「母さんオレは?」




男母「アンタはいつも帰ってくるときは連絡くらいしなさいって言ってるでしょうがっ!!
急に帰ってくるんじゃないよいつもいつも!!しかも今日は女ちゃんも一緒だし、もし来るって事前に知ってたらもっと高価なお茶っ葉とかお菓子とか買っておいたのにっ!!」


男「まあまあ落ち着け、俺がこんな性格だって母さんが一番知ってんでしょ」


男母「正しく育てた筈なんだけどねえ…お父さんと一緒に……」



家の中


男「ふーっ、やっぱり我が家が一番だな」ソファー←ドサッ


女「年寄りみたいなこと言っちゃって」


男「なあに、最近の日本じゃあ30代で結婚する人たちが多いんだぞ。その人たちに比べたらまだ若い若い」


女「そんなこと言ってる内に年齢は重なっていくんだよ」


男「へいへーい」グダー


女「……はあ………」ε=(・д・`*)


男母「まったくアンタは相変わらずニブイね」お茶ドゾー


女「ああっ、ありがとうございます。すいません突然来てゆっくりしちゃって」


男母「なあに、どうせまたこの子が変なことを思い出してそれに無理言って女ちゃんを巻き込んだってとこでしょ?」


女「さすがお母さんですね…、文字通り合ってます」


男「ちょっと待て、俺が女を巻き込んだのは確かだが、変なことじゃあないぞ」


女「巻き込んだことは認めるんだね……」


男「俺は小学校の生徒たちのために実家に戻ってきたんだよ!」


男母「何言ってんだいアンタ」


男「俺は生徒たちと距離を近づけるために、小学生の頃ここで生活してた少年の心を思い出すためにここに帰ってきたんだ」


男母「……?」


男「子どもと心を通わせるには、自分も子どもにならなくちゃってことだよ!自分の子供時代を思い出せば、子どもの心もわかるだろ?」


男母「……はあ、アンタのその相変わらず思い立ってはすぐ行動する癖は変わらないね」


男「癖ってのは治らないから癖って言うんだぜ」


男母「はいはい、でもまあ納得はしたよ。だから今日は昔一緒に遊んでた女ちゃんも一緒なんだね?」


男「おお、さすがはマイオカン。理解が早くて助かる」


男母「22年もアンタの面倒を見てたからね……」


女「ふふっ、やっぱり変わらないですね二人は」


男母「あら、そういう女ちゃんも男の無茶ぶりにいつも付き合ってあげてるところは変わってないみたいねー」ニヤニヤ


女「///……もうっ////」


男「さて、早速だが女。俺たちが昔ここで遊んでたことを思い出してくれ」


女「なんで私が…、男が言い出したことなんだからそれくらいアンタが思い出してよ」


男「そうしたいのはやまやまなんだが、生憎オレは小学生の記憶があまり無いんだ」


女「…よくそれで昔を思い出そう!って結論に至ったね……」


男「思いついたのは良いんだが昔の記憶を覚えてるかどうかまでは思いつかなかった」


女「…………」


男「そんな見つめるなよ。照れるだろ///」


女「睨んでるんだよ」


男「まあそう言わず頼むよ」


女「ったく、しょうがないね……」


女(……そういえば子どものころって男と『あの約束』をしてたっけ)


女「(今思い出すと恥ずかしいな、あれ)………///」


男母「…………!」サッシ


男母「あっ、そういえば私ママ友とこの後ショップ行くんだった(棒)」


男母「悪いけど二人共留守番お願いするわね(棒)」


女「えっ!ちょ、男母さんッ!?」


男母「行ってくるわねー(棒)」ドア←ガチャ

ピューーーーーーッ



女「………………」


男「なんだ、せっかく母さんにも協力してもらおうと思ってたのに」


女「(察し良すぎるでしょあの人……)


男「で、思い出したか女?」


女(……まあそんな細かくなくてもいっか、大雑把な感じで)


女「私たちが小学4年生の夏休みの時に…………





―――――17年前の夏、男の家の庭にて―――――


家庭用プール


幼男「アハハッ!女ー、それっそれっ!」(`∀)ノバシャッ!バシャッ!!


幼女「うわー冷たい」


幼男「今度はコレをくらえーー!」`∀)︻一プシューーー


幼女「きゃーくすぐったい」


幼男「…………」


幼女「…………」


幼男「……女、楽しい?」


幼女「楽しいよ」


幼男「ほんとかよ……」


幼男「おまえのお母さんからこのビニールプール貸してもらっておいて言うものなんだけど、もう少し女は楽しいっていう表現を出したほうがいいよ」


幼女「……?、わたし楽しくなさそう?」(・ω・`)シュン


幼男「なんで悲しそうな表情はすぐ出るんだよ……」


幼女「だって男が変なこと言うから」


幼男「…まあとりあえずなんだな、女はもう少し笑えるようになんないとダメだな」


幼女「わたし男の前じゃいつも笑ってるよ?」


幼男「オレじゃなくてみんなの前でも笑うようにしてくれ、後いつも笑っているように見えないから言ってるんだこれは」


幼女「でも男はわたしの笑ってるとこわかるんでしょ?」


幼男「右目の瞼がピクッと動いてるだけじゃ笑ってるなんてわかんないから」


幼女「…………グスッ」(´;ω;`)


幼男「ああ泣くな泣くな。別に怒ってるわけじゃないから、だいじょうぶだいじょうぶ」セナカ←ポンポン


幼女「……もういじめない?」


幼男「別にいじめてるわけじゃ無いんだけどな…」


幼女「なら許す」


幼男「なんでオレが悪いことした風になってんだ」


幼女「だいたい無理して笑えるようになったって、そんなの笑ってるって言えないよ」


幼男「なにカッコイイこと言ってるんだお前は。しかもそれオレが前に読んでた漫画の主人公のセリフだし」


幼女「男が読んだものはわたし、だいたい読んでるから」


幼男「相変わらず変な方向で努力するんだな女は………………



―――――現在―――――

男「あったなーそんなこと。いやー懐かしい懐かしい」


女「結局アンタは私に笑ってもらうことを諦めちゃったんだよね」


男「そうは言うがお前、あの後俺がどんだけ努力したと思ってるんだ?」


女「お笑い番組を一緒に観たり、コチョコチョとかして笑わそうしたり?」


男「お、おう……、よく覚えてんな。そんなことまで」


女(アンタとの思い出だからね……)

眠いから寝ますね



1時間後


男「…………、しかし女よくそんなに覚えてるな」


女「そう?これでも印象に残ったことしか覚えてないつもりだけど」


男「5年生の一学期に学校で一緒に掃除してた時、おれが箒でお前がチリトリの当番だったことなんて普通忘れてるもんじゃね?」


女「えっ、普通覚えてるでしょそれくらい」


男「そうなのかな……?」


女(自分でも男と一緒だったことはほとんど覚えてることが凄いと思う…)



女「っていうか、それ以前にアンタはちゃんと昔のこと思い出した?」


男「おお!お前の話からは一部しか覚えてなかったが意外と覚えてたぞ」


女「一部かよ……」


男「記憶力は悪いほうじゃないんだがな」


女「というよりアンタは興味無かったことは覚えてる気がないのよ」


男「なるほど。確かに俺が面白いと思ったことしか記憶に残ってないな」


女「おかげで私とのあの『約束』も忘れてるし……」


男「?なんだ、その『約束』って?」


女「はっ!……なんでもない///」


男「?」



女(話してる最中、私がアンタとの思い出ばっかりってことに気づかないのかな、このニブチンは)


男「?」


女「……はあ(気づいてないでしょうね)」


男「それにしてもお前の話を聞いてる限り、俺っていつもお前と遊んでるな」


女「!?」


女(き、気付かれた…?)


男「ちょっと息抜きに俺以外の友達や過程の話とか聞かせてくれよ女」


女「……………」


女(まあ、コイツが鈍いのは今にはじまったことじゃないか)


女(…コイツは私としか遊んでないってことに気づかないんだろうか?)


男「?」


女「……はあ(気づいてないんだろうな)」


男「そういえば女の話を聞く限り、俺っていつもお前としか遊んでないな?」


女「!?」




男「ちょっと息抜きな感じで女、俺以外の友達と遊んだこととか家庭でのこととか教えてくれよ」


女「……………」


女(コイツは筋金入りのニブチンだな)

↑ちょい連投しちゃった
>>29はナシで


3時間後


男「…………ふう、なんだかんだでかなり遊んだな俺たち」


女「まさかあのあと、昔やってたゲームをプレイするとは思わなかった」


男「まあでも楽しかっただろ?」


女「……まあね」


男「さすがに話してるだけじゃ昔のことを思い出すのは無理があったからな。昔のゲーム機を引っ張った甲斐があったよ」


女「私はまだまだ昔のこと話せるけどね」


男「すごいな女は、よくそんなストックがあるもんだ」


女「ストックって……、そんな風に思ってないから」


男「そうか、女にとっては全部が大事な思い出なんだな」ニコッ


女「///…そうだよ」プイ


ドア←ガチャン

タダイマー



男「お、オカンも帰ってきたみたいだな。たぶん夕食のおかずとかも買ってきただろうし、女も食ってけよ」


女「……そうだね、せっかくだから男母さんのご飯久しぶりに食べてく」


男「よし、決まりだ。おーい母さん、今晩メシ女も一緒だから………」トットットット







女「……………」


女(今日、昔のことを思い出してやっぱり私は男のことが好きなんだなってわかったな)


女(それは今でも変わってない)


女(まだ男は私のことを女と見られてないかもしれないけど)




<オンナー、メシできたぞー


女「はーい」


女(……あせることないか。私たちはまだまだ若いんだから)



女「ゆっくり進んで行こう」




おわり


適当に始めちゃったんでこんな適当な感じで終わらせちゃいました。
すみませんが、これにてこの話は終わります。
見てた人、見てくれてありがとうございました。

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