下記のスレの続きになります
グシオンリベイク「フレームアームズ・ガールだと……?」
グシオンリベイク「フレームアームズ・ガールだと……?」 - SSまとめ速報
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*管理人室
轟雷(あおから苗字を貰ったその日、気が付けば私は管理人さんの部屋に居ました)
轟雷(正直自分でも何を言っているのかよく分からないのですが、そんな状況だったのです)
轟雷(とりあえずあおがいつもお世話になっていることのお礼を管理人さんにしてから、私に何があったのかを聞いてみます)
轟雷(一部始終を把握していたFAガールのアンによれば、私は今朝FA社から送られてきたのだそうです)
轟雷(それでようやく納得がいきました)
轟雷(これはつまり、私はまたFA社でのメンテナンスを受けて本来ならあおの部屋に送られるはずが、手違いで管理人さんの部屋に送られてしまったのでしょう)
轟雷(幸いにもあおの部屋は目と鼻の先なので今回は何とかなりました)
轟雷(しかし、こういうことはもうないようにするためにもFA社にしっかり言っておくべきだと思います)
轟雷(管理人さんとアンにお礼を言ってあおの部屋へと戻りました。──それが悲劇の始まりであるとも知らずに)
*あおの部屋
あお「ねぇ、昭弘? 昭弘はどれが良い?」ペラッ
リベイク「こいつだな」
あお「ほうほう、お目が高いですなぁ」
バーゼラルド「バーゼはこっちが良いなぁ。ちょうどバーゼと同じ白だし」バエル
スティレット「あたしはこの青いのかな。この中だと一番カッコいいわよね」
あお「私のお勧めはこれかな?」
スティレット「こんなほっそいの昭弘には似合わないわよ」
あお「むっ? スティ子は分かってないなぁ。これはね、百里をひとっ飛びするすっごいやつなんだよ?」
スティレット「分かっていないのはあおでしょ? 昭弘はね、カッコいいのが似合うの。だから、この青いやつよ!」
あお「むむっ! そんなヴィダルサスーンみたいな名前のやつより、昭弘のパートナーに相応しいのは私の百里!」
スティレット「あたしのヴィダールでしょ!」
バチバチ
リベイク「……バーゼラルド、助けてくれ」
バーゼラルド「あはは、バーゼしーらないっと」
リベイク(勘弁してくれ……)
ガチャ
轟雷「あお、ただいま戻りました」
バーゼラルド「およ? あ、轟雷だ!」
轟雷「聞いてください、バーゼラルド。FA社があおの部屋ではなく管理人さんの部屋に私を誤送したのですよ? これは即刻文句を言わなければなりません」
バーゼラルド「あれー? 轟雷ってあおの知り合いだったの?」
轟雷「もう、あおは私のマスターですよ? 変なことを言うバーゼラルドですね」
バーゼラルド「んー、結局轟雷もあおの登録になっていたってことかな?」
轟雷「あおー、ただいま戻りま、した……!?」
轟雷(あおの部屋の中。そこに広がっていた光景は──)
スティレット「ちょっとあお! 昭弘から手を放しなさいよ!」
あお「えー、昭弘は私の手の上が指定席なんだよ?」
リベイク「……誰でも良い、助けてくれ……」
轟雷(あ、あおの手のひらの上に、私の知らないFAガールが、FAガールが……ッ!!)
轟雷「あおっ! そのFAガールは誰なんですかっ!!」
あお「……あれ? また新しいFAガールが居るね。この子、昭弘かスティ子の知り合いだったりする?」
轟雷「え……?」
轟雷(何を言っているのですか、あお……?)
スティレット「昭弘に似ている気がするけど、見たことのない子ね」
リベイク「……いや、似ているか?」
あお「昭弘も知らない感じかな。ね、あなたもFAガールなんでしょ? お名前聞いても良い?」
轟雷「……冗談は……やめてください……」
あお「ええと……大丈夫? 具合悪かったりする?」
バーゼラルド「あちゃー、やっぱりそういうことかぁ」
あお「バーゼ、何か知っているの?」
バーゼラルド「轟雷ね、あおのことをマスターだって言っていたんだよ」
リベイク「あおは俺のマスターだな」
バーゼラルド「だよねー」
轟雷「……た……か……」
リベイク「? 何か言ったか?」
轟雷「あなたが! あおをたぶらかしたのですかっ!!」
リベイク「な、なんだと……!?」
あお「そう言われてみれば、私ってダーリンにたぶらかされているのかな?」
リベイク「誰がダーリンだ!?」
スティレット「そうよ! 昭弘はあたしと充電くんを貸し借りする仲なのよ!」
リベイク「お前も何を言っている!?」
轟雷「……ふふっ。よーく分かりましたよ」
リベイク「よく分からんが分かってくれたのか?」
轟雷「あおだけに飽き足らずスティレットまで……。この様子だとバーゼラルドも迅雷もアーキテクトもついでにフレズヴェルクも毒蛾にかかっていると見て間違いありませんね……」
あお「ねぇ、轟雷だっけ? 何だかちょっと怖いよ?」
轟雷「ありがとうございます、あお。今、私がそのFAガールを倒してあおの目を覚ましてあげますから!!」
リベイク「……!?」
バーゼラルド「あらら、本当にアキヒロの受難が始まっちゃったね」
プリーズセットユアガンプラ
轟雷「轟雷!!」
リベイク「が、ガンダムグシオンリベイク」
轟雷・リベイク『FAガール、セッションGO!』
轟雷「行きます!!」
リベイク「……出る」
バーゼラルド「さあさあ、始まりましたアキヒロVS轟雷の大一番。司会は天才バーゼことバーゼラルドと初登場時だけ狂犬だったスティレットでお送りします」
スティレット「何言ってんの、あんた?」
あお「何だかバトル始まっちゃったね。結局、あの子って誰なのかな?」
スティレット「あおの知り合いみたいな感じじゃなかった?」
あお「うーん、知らない子なんだけどなぁ」
バーゼラルド「実はね、本当は轟雷があおの元に送られてくるはずだったんだよね」
スティレット「ごうらい、ごうらい……どこかで聞いた名前な気がするわね」
バーゼラルド「スティレットおばあちゃん、元々バーゼたちは轟雷のデータを取るために送られてきたんだよ?」
スティレット「ああ、あの轟雷!」
あお「え、でも送られてきたのは昭弘だったよ?」
バーゼラルド「色々手違いがあったんだよね。あ、それよりも戦い始まるよ」
あお「よく分かんないけど、昭弘頑張れー!」
アキヒロガンバレー
轟雷「くっ……。あお……」
リベイク「お前、戦う前からダメージ負っていないか?」
轟雷「どんな手であおを騙したか分かりませんが、私が必ずあおの目を覚ましてあげます!」
リベイク(人の話を聞かないタイプか)
轟雷「先日のフレズヴェルクとの戦いで私は新しい戦い方を学びました」
リベイク(フレズヴェルク……?)
轟雷「フレズヴェルク、技を借ります。──来てください! 鉄血メイス!!」
リベイク「やたら既視感のあるでけぇメイスだな!」
轟雷「これで決めます!」ガツン
リベイク「ぐっ!?」
リベイク(よく考えたら、今回はニッパーすら持ってきていねぇよ!)
バーゼラルド「うわっ、一方的にアキヒロが叩かれまくっているね」
スティ子「昭弘!? ……轟雷、殴るならあたしを殴ってよ……」
あお「昭弘……。私が武器の一つも作れないばかりに……」
バーゼラルド(この二人、何だか駄目な人のオーラが漂っているんだよね)
バーゼラルド「あ、アキヒロのHPが限界だ」
轟雷「私に負ける準備はオーケーですか?」
リベイク「くっ……」
リベイク(反撃しようにもこいつ……! やたら戦いに慣れていてスキがねぇ)
轟雷「これで、終わりです」シュバァッ!
リベイク(装甲が白くなった!?)
轟雷「これが源内轟雷改の力です!!」
リベイク(クソッ! 左肩からの砲撃!? 間に合わ──)
ドカーン
ウィナーゴウライ!
轟雷「あおと私の絆の勝利です!」
あお「昭弘!!」
轟雷「あお、見てくれましたか? 私の勝利、を……?」
あお「大丈夫、昭弘? 怪我していない?」
リベイク「……エネルギーを消費しただけだ。……心配をかけたようで、その、悪かった」
あお「ううん、昭弘が無事ならそれで良いの」ギュッ
轟雷「あ、お……」
スティレット「これで分かったでしょ? あおは昭弘のマスターなのよ。……少し癪だけど」
轟雷「……」
バーゼラルド「轟雷、大丈夫……? 辛そうだよ? 天才バーゼが話を聞こっか?」
轟雷「……バーゼラルド」ユラリ
バーゼラルド「うんうん、何でも話してみてよ」
轟雷「私は数日FA社に帰っています」
バーゼラルド「あ、うん」
轟雷「あおとそこのFAガールに伝えておいてください。次に会った時にまたバトルをしますと。今度こそあおをかけたバトルです。だから、次こそは本当にあおを返してもらいます! と」ポロポロ
スティレット「え? もしかして泣いて……」
轟雷「……さようなら」
バーゼラルド「あ、轟雷! 行っちゃった……」
*FA社へと続く歩道
轟雷「……これは悪い夢です……」フラフラ
轟雷(私が本来居る場所にあのFAガールは居て、あおは私を見てくれない……)
轟雷(スティレットもバーゼラルドも私を知らないFAガールのように扱う……)
轟雷(あのFAガールがあおたちをたぶらかしたと思っていたのに……)
轟雷(私は夢を見ているのでしょうか?)
轟雷(あおから苗字を貰えたことも夢?)
轟雷(それなら夢はさめないで欲しい。だけど、この悪夢はさめて欲しい)
轟雷(ごちゃごちゃの思考のまま、私は道を歩いていく)
轟雷(遠いこの距離が今だけはありがたいように思う)フラフラ
??「──轟雷ちゃん? どうしたなりか?」
轟雷「……え?」
*あおの部屋
バーゼラルド「轟雷はまた日にちが経ってから再戦しに来るって」
スティレット「今度はあおをかけた真剣勝負らしいわよ?」
あお「私をかけたって……。でも、昭弘が私のためとか少し良いかも」エヘヘ
リベイク「……あお。今のままの俺では、あいつに勝つことはできない」
バーゼラルド「だね。アキヒロったらまともな武装一つないもんね」
スティレット「そうだ! あたしの武装を昭弘に貸してあげれば──」
リベイク「いや、スティレットの武装じゃ軽すぎる。あいつを倒すならもっと強い武器が必要だ!」
あお「……本気なんだね、昭弘。分かった、私も覚悟を決める!」
バーゼラルド「おぉっ! あおも本気だぁ!」
あお「これが良いんだよね、昭弘?」カチッ
リベイク「ああ、そいつで頼む」
あお「よーし! これをカートに入れて! ──トドメに、アマゾンお急ぎ便だっ!!」
スティレット「……主人公の強化パーツを通販で頼むとか前代未聞よね」
*数日後・あおの部屋
轟雷「あお、お久しぶりです。元気にしていましたか?」ニコニコ
あお「う、うん」
バーゼラルド「何だか轟雷、機嫌が良いね?」ヒソヒソ
スティレット「あたしの昭弘に勝つ気でいるのよ。でも、今の昭弘ならきっと──」
ガンダムグシオンリベイクフルシティ「……」ドドーン
轟雷「あ、グシオンリベイク。先日は失礼しました。あの後、色々あって無事私のあおに会えました。今日はご迷惑をおかけしたお詫びでお邪魔させてもらっています」ペコリ
リベイク「……なんだって?」
轟雷「どうやら私はパラレルワールドに迷い込んでしまったようで、ブキ子の協力で何とか元の世界に戻れたんです」
バーゼラルド「ふむふむ」
轟雷「ですが、グシオンリベイクとは約束をしてしまいましたので、今日は無理を言ってまたこちらに来たんですよ」
リベイク「……」
あお「つまり、どゆこと?」
轟雷「ええとですね、私のマスターであるあおはこちらの世界のあおではなく、あっちの世界のあおだったということです。……その、先日は本当にごめんなさい!!」ガバッ
スティレット「最敬礼!?」
轟雷「こちら、あちらのあおから預かってきたお詫びの品です。どうかお納めください」
あお「はぁ、そりゃご丁寧に。あ、手紙だ」
『うちの轟雷が迷惑をかけてごめんね~。これ、お詫びの品だよ。もらってね』
あお「あーっ!? いなげやの商品券!! しかも5000円分も!?」
轟雷「あお、貰っていただけますか?」
あお「もちろんいただくよー! と言うか、本当にもらって良いの? あの時の私、意味も分からなく眺めていただけだったんだけど」
轟雷「人様にご迷惑をおかけしたのでそれでも足りないくらいです。──あ! す、すいません。タイムリミットのようです。多分もうお会いすることはないと思いますが、こちらのあおもお元気で」
轟雷「あと、グシオンリベイク。あおをよろしくお願いしますね」
リベイク「あ、ああ」
轟雷「スティレットとバーゼラルドも元──」パアッ
スティレット「うそ!? 轟雷が消えちゃった……」
バーゼラルド「うんうん、世の中不思議にあふれているんだね」
スティレット「え!? それで済ますの!?」
*パラレルなあおの部屋
あお「あ、轟雷戻ってきたね」
寿武希子「お疲れぞなぞな」
轟雷「あお、ブキ子、ただいまです」
あお「ごめんね、ブキ子。今回も無理言っちゃって」
武希子「これも乗り掛かった舟なりよ~。でも、まさかあっちの世界を散歩している時に轟雷ちゃんに会えるとは思っていなかったぞなもし」
スティレット(今の台詞の全てがおかしいと思うのはあたしだけ?)
轟雷「あおの言ったように、あちらのあおはお詫びの品を喜んでくれましたよ」
あお「だよねー。私も商品券もらえたら嬉しいもん」
轟雷「……でも、あおと離れるのはやっぱり寂しいです」
あお「もう。あれ以来、轟雷ったら寂しんぼになっちゃって」
轟雷「今後絶対にあおの傍は離れませんからね」ギュッ
あお「はいはい。仕方がない轟雷だなぁ」
*リベイクが居るあおの部屋
あお「いやー、商品券とか嬉しいですなー。今日はすき焼きかな~?」ルンルン
バーゼラルド「バーゼ、キラキラしいているものが欲しい~」
あお「うむ、バーゼには後で百均で買ってあげよう!」
バーゼラルド「わーい」
スティレット「え、百均なの?」
あお「スティレットにも何か買ってあげよっか?」
スティレット「どうせ百均でしょ? あ、でもお金はかからないから、あきひ──」
あお「え? トマトが食べたい? 仕方がないなぁ、スティレットにはトマトね」
スティレット「トマト鍋ね! じゃない! あたしの台詞無視しないでよ!」
あお「昭弘は何が欲しい? ……昭弘?」
ガンダムグシオンリベイクフルシティ「……俺は何のためにパワーアップしたんだ……?」
バーゼラルド「あはは。踏んだり蹴ったりだね、アキヒロ!」
おしまい
*FAガール関係のSS過去作
源内あお「フレームアームズ・ガールになったお話」
源内あお「フレームアームズ・ガールになったお話」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496480158/)
轟雷「フレームアームズ・ガール第12話IF」
轟雷「フレームアームズ・ガール第12話IF」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497522882/)
轟雷「フレームアームズ・ガールの2期ですか?」
轟雷「フレームアームズ・ガールの2期ですか?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497959463/)
轟雷「何をしてるのですか、あほ!」
轟雷「何をしてるのですか、あほ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498479120/)
(プラモ関連だと星空凛「おやじさんと凛」あたり。神谷奈緒「チャット」でもチラリとあったかも)
*おまけ
バーゼラルド「バーゼはねぇ、将来ないすばでぃになるんだからね」
http://i.imgur.com/O9GSszw.jpg
バーゼバリエーション
http://i.imgur.com/riNlEXL.jpg
下手だし雑だしでごめんなさい……でも、折角描いたので
そう言えばこれもあったんだった……
【タイトル】
クロ「あら? スティレットお姉様、こちらに居らしたの?」
*あおの部屋
スティレット「クロじゃない? 何か用……って今なんて言ったの?」
クロ「どうかなさいまして? スティレットお姉様?」
スティレット「スティレットお姉様!? ど、どうしちゃったのよ、クロ!」
バーゼラルド(スティレットの新しいイジり方かな? 面白そうだから黙って見てよ)
クロ「そんなに慌ててスティレットお姉様らしくありませんわよ?」
スティレット「えぇ……」
スティレット(またあたし、からかわれているわよね? これ)
シロ「ふわぁ……。良く寝たわ。スティレットちゃんで遊ぼうかしら」
バーゼラルド「あ、シロお姉ちゃん。もうクロお姉ちゃんがスティレットで遊んでるよ?」
シロ「あらあら。私も混ぜてもらわないと。クロ、こういう時は私にも声をかけて頂戴っていつも言っているでしょう?」
クロ「あら、シロちゃん? 遊んで欲しいの? ふふっ、泣き叫ぶまでいたぶってあげる」
スティレット・シロ『!?』
バーゼラルド「ありゃりゃ?」
スティレット「ど、どうしたのよ!? クロ! 今度こそほんとに!」
シロ「クロ。そういう台詞はスティレットちゃんに言ってちょうだい」
クロ「クスッ。今日はいつもとまるで反対の反応ね、スティレットお姉様とシロちゃんは」
スティレット「……ねぇ、シロ。クロって何か変なものでも食べたの?」ヒソヒソ
シロ「……スティレットちゃん、私たち食べ物は食べないわ」ヒソヒソ
バーゼラルド「どうしちゃったんだろうね? クロお姉ちゃん」ヒソヒソ
クロ「あら? スティレットお姉様、内緒話? 私も仲間に入れて欲しいわ」
スティレット「な、なんでもないのよ!」
シロ「クロ、中々に斬新な趣向だけど私はからかわれるのってあまり好きじゃないの」
クロ「いいわ、シロちゃんのその表情。もっと歪ませてあげたくなる」
バーゼラルド(そう言えば珍しく困惑顔だね、シロお姉ちゃん)
シロ「……頭が痛くなってきたわ」
スティレット「大丈夫? 冷却する?」
轟雷「どうしたんですか、皆? なにやら変な雰囲気ですが」
スティレット「聞いてよ、轟雷! クロがおかしいの!」
轟雷「クロはいつもそれなりにおかしい気もしますが、何かあったのですか?」
シロ「クロったらスティ子ちゃんのことをお姉様と呼んでいるのよ?」
轟雷「なるほど。それはもしかして、百合というものでしょうか?」
スティレット「ユリ? なによそれ?」
轟雷「あおの持っていた雑誌のコラム欄に書かれていたのですが、好きな年上の女性のことはそう呼ぶそうですよ」
スティレット「……製造はあたしのほうが後なんだけど」
轟雷「はっ!? 私もスティレットのことをお姉様と呼ばないといけないのですか!?」
スティレット「呼んで! 今すぐ呼んでみて!!」
バーゼラルド(スティレットがノータイムで叫んじゃったよ……)
轟雷「す、スティレット……お、お姉さま……」
スティレット「よっしゃ!」
バーゼラルド(ますますスティレットのキャラが崩壊しちゃってるよぉ……)
轟雷「もう、変なことを言わせないでください。それはそれとして、クロは大丈夫なのでしょうか?」
クロ「? 今日は変な日ね。皆、私を不思議そうに眺めるわ」
バーゼラルド「それはね、クロお姉ちゃん。クロお姉ちゃんがいつもと違うからだよ」
クロ「私が……? 自分ではいつも通りのつもりなのだけど。スティレットお姉様、私どこか変でしょうか?」
スティレット「えへへ、轟雷にお姉様って呼ばれちゃった……」
バーゼラルド「スティレットはもう駄目だね」
シロ「……クロ。今からFA社にメンテナンスをしに行くわよ」
クロ「あら? シロちゃんと一緒にデートかしら? でも、FA社に戻る気はないわよ」
シロ「そうではないの、クロ。良いから私の言うことを聞きなさい」
轟雷「そうですね。クロは一度見てもらったほうが良いですよ? さっき頭から落下していましたから」
シロ「……は?」
轟雷「先ほどのことです。クロと一緒に窓に登っていたのですが──」
スティレット「なんで窓に登ったりしているのよ? その段階で突っ込みどころだわ」
バーゼラルド「あ、スティレットが正気に戻った」
轟雷「それでですね、少しいたずら心が湧いたと言うか何と言うかなんですが、『クロ、後ろに幽霊がいますよ? ニッパーを持った幽霊です』と言ったら……」
クロ「ゆ、幽霊……?」
バーゼラルド(クロお姉ちゃん、普段の態度がアレだけど割と中身は繊細だからねー)
轟雷「綺麗に頭から床に落下していったのですよ。ほら、そこにタンコブがあります」
スティレット「あ、ほんと、後頭部が盛り上がっている。って、ギャグ漫画かぁーっ!!」
シロ「クロ、FA社に行くわよ!」
クロ「シロちゃん……? だから、私はFA社には──」
シロ「いいから! 黙ってついて来なさい!!」
クロ「は、はいっ!」
バーゼラルド「なんだかんだでシロお姉ちゃんはお姉ちゃんだねー」
轟雷「あ、ドローンを召喚して二人が行ってしまいましたね」
轟雷「──ということがあったんですよ、あお」
あお「え、クロ大丈夫だったの?」
クロ「おかげさまで大丈夫よ」
シロ「まったく世話をかける妹だこと……」
あお「そっかぁ。治ったんなら良かったね。でも、今度からは頭から落下しちゃ駄目だよ?」
スティレット「普通はバランサーがついているからそんなことはないはずなのよね」
バーゼラルド「FAガールと言っても完璧なことはナイナイってことだよ」
スティレット「まぁ、そういうことなのかもね。でも、シロもあんな焦った顔をするのね」ウシシ
シロ「スティ子ちゃーん?」
スティレット「な、なによ? いつもいじられているんだからこれくらい良いでしょ?」
シロ「私はスティレットちゃんがああなっても同じ顔をするわよ?」
スティレット「……そういうの反則よ」
シロ「あら? どういうのかしら?」
スティレット「もう! 分かってて言っているでしょ!」
シロ「ふふっ」
あお「皆仲良し、良いことだね」
クロ「だからこそ、苦しみに歪む表情が際立つのよ。ねぇ、あおお姉様?」
あお「……あれ?」
おしまい
これで本当に終わりです
ひねり出した最初の話よりも自然に湧いてきた後の話のほうが良い感じかな?
それでは~
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