轟雷「フレームアームズ・ガール第12話IF」 (37)


現在未放送のアニメ版FAガール12話とは一切関係ありませんが、内容自体は11話の続きです

コミック版、元のプラモデル、その他ロボットネタとか色々含まれています





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1497522882


*アーテル暴走中・あおの部屋

スティレット「それじゃあ、フレズヴェルクが暴走しているってこと!?」

アーキテクト「肯定。加えてナノマシンの暴走によりフレズヴェルク本体崩壊の可能性大。崩壊に至った場合、ナノマシンの流出によりあおの部屋は97パーセントの確率で崩壊する」

源内あお「えー!? それは困るよ! フレズも可哀そうだし」

迅雷「そうとなればやることは決まりだな」

バーゼラルド「だね」

マテリア姉妹「まったく困った妹ね」

アーキテクト「解決プロセスに移行する」

スティレット「そういうわけよ、轟雷。少しの間だけ持ちこたえさせなさい!」


轟雷「了解です。……くっ……!」

フレズヴェルク「……」


あお「わぁ!? フレズの攻撃が激しいよ! でも、頑張って轟雷! 今、皆がそっちに行くから」




*セッションベース

スティレット「フレームアームズ・ガール!」

FAガールたち『セッション!!』




フレズヴェルク「全部破壊してやる」

轟雷「ふ、フレズヴェルク……」

轟雷(巨大な武器が私に迫る。蓄積したダメージが多すぎてかわすことさえできない。こんなところで私は──)

ガキンッ

迅雷「くっ! 重すぎる斬撃だな! 逸らすだけで精一杯か」

スティレット「間一髪ね」

バーゼラルド「轟雷大丈夫? バーゼが居れば百人力だよ!」

シロ「あらあら、悪い子ちゃんはしっかり躾をしてあげないとね」ジャバラケン

クロ「そう、躾は大事よ」チャクラム

アーキテクト「特別プログラム実行中」

轟雷「皆っ!」




スティレット「──ってカッコ良く駆けつけたのは良いけど、何この強さ!?」

バーゼラルド「うぅ、バーゼは攻撃が直撃したらやられちゃうんだよー」

迅雷「大丈夫か、マテリア姉妹!?」

シロ「……大丈夫よ」

クロ「もっとも私たちの武器は破壊されちゃったけれどね」

轟雷「私たちの力を合わせても今のフレズヴェルクには敵わないというのですか……」

フレズヴェルク「……があっ……!」

スティレット「マズイわ! フレズヴェルクの身体がさらに赤くなっていっている」

バーゼラルド「このままじゃフレズヴェルクが壊れちゃうよ!」


あお「え? えっ!? 私の部屋なくなっちゃうの?」






アーキテクト「特別プログラム、準備完了」




アタタカナヒカリ

轟雷「こ、これは……」

スティレット「アーキテクト、一体何を……?」

アーキテクト「フレズヴェルクの現状が通常のFAガールを逸脱していると判断。ゆえにこちら側もそれに見合う形で強化する必要あり。これはそのプログラム」

マテリア姉妹「きゃー!?」

迅雷「マテリア姉妹が、融合しているだと!?」

シンメトリカルドッキング!

マテリア姉妹「……私たち、一つになったの?」

アーキテクト「学習モード、イノセンティア Blue。マテリアの力を融合させ進化した姿。可動性能をさらに高め、その力は従来の十倍を超える。ただし、二人で一人の存在と化す」

バーゼラルド「あ、髪の色がシロお姉ちゃんで、手足がクロお姉ちゃんだ!」

マテリア姉妹「……ふふっ、元々私たちは二人で一人。とても馴染むわ」




迅雷「むむっ!」

トランザム!

アーキテクト「学習モード、赤迅雷。迅雷が修行の末にたどり着いた紅の迅雷。その速度は従来の三倍を超える。装備も鎌を追加」

赤迅雷「くノ一みたいだが、それも一興だろう。いくぞ! フレズヴェルク!」

ブラスターカダト!?

スティレット「あたしの武装が白く……?」

アーキテクト「学習モード、スティレット Blue Impulse withたまごひこーき。装備の一新及び外部ユニットたまごひこーきを追加した姿。速度向上に加え、外部ユニットは自立行動も可能」

スティレット「……なるほどね。いくわよ、たまごひこーき!」




バーゼラルドシンカー!

バーゼラルド「わっ! 迅雷と一緒で真っ赤だ!」

アーキテクト「学習モード、赤バーゼラルド。バーゼラルドの現状最高到達点であるレイファルクスの力の一部を再現した姿。一部と言えその能力は強大なため、制御困難なのが欠点」

バーゼラルド「うわー、これすっごい飛びづらいよー。でも、頑張ってみる!」

アーキテクト「なお、轟雷の可能性は推し量れないため装甲の全快のみとなっている」

轟雷「いえ、それで十分です。フレズヴェルク! 今行きます!」

アーキテクト「強化はあくまで一時的。私の処理限界に制限あり。早期の決着が必要となる」

スティレット「了解よ!」


あお「皆、お願い。フレズを助けてあげて!」




スティレット「てーい!」ババババッ

バーゼラルド「全弾命中! さっすがバーゼのスティレットだね!」

スティレット「軽口叩いていないであんたも攻撃しなさいよ!」

バーゼラルド「今日のバーゼは本気出しちゃうよー。てりゃー!」ビー

マテリア姉妹「あらあら、凄い威力のビームね」

迅雷「バーゼラルド殿は今まで手を抜いていたのかもしれんな。こちらも負けてはいられん!」シュバッ

マテリア姉妹「良い太刀筋ね。迅雷ちゃんのその鎌借りるわ。フレズヴェルクちゃん、私たちが止めてあげる」ザシュザシュ

アーキテクト「時間制限まで110秒。現状はこちらの優勢」

轟雷(パワーアップした私たちの一斉攻撃がフレズヴェルク・アーテルを押していく)

フレズヴェルク「……ぐっ……」

スティレット「フレズヴェルクの動きが止まった!? 今よ、轟雷!」

轟雷「了解です!」




轟雷(フレズヴェルク。もしかしたら、私はあなたに嫌な感情を抱いていたのかもしれない)

轟雷(私からあおを奪おうとする存在を許すことはできなかったから)

轟雷(だけど、今のあなたの姿になってから私は理解しました)

轟雷(前のあなたはただ私と戦いたかっただけだったことを)

轟雷(あおにしようとしたことはやっぱり許せないけど、私は感情を学んで目的のために手段を問わなかったフレズヴェルクの気持ちが……少しだけ分かります)

轟雷(真っすぐな感情を向けてくる時のあなたは、そうですね、嫌いでありませんでした)

轟雷(でも、今目の前に居るあなたは……感情を感じ取れないあなたはとても悲しいと思います)

轟雷(──だから、フレズヴェルク。今から私があなたの感情を取り戻します!)




あお(轟雷がフレズに向かって真っすぐに進んで行く)

あお(その瞳はとても真剣で、ああ、この子もフレズヴェルクのことをきちんと考えてくれているんだとすぐに分かった)

あお(……轟雷はやっぱり優しいね)

あお(轟雷の手でフレズの目を覚ましてあげて)

あお「いけー! 轟雷っ!!」




スティレット「……思えばさ、あたしがやられたのもあの攻撃だったのよね」

迅雷「シンプルな攻撃こそ最強の奥義なり」

アーキテクト「特別プログラムタイムリミット。だけど、轟雷の勝率は99.998パーセント」

クロ「あら、融合が解けちゃったわ。それにしても、本当に強い子たちばかりね」

シロ「当然よ。だって、私たちの妹じゃない?」

バーゼラルド「やっちゃえー! 轟雷改!」




ズドンッ!

轟雷(左肩からの一撃はフレズヴェルクを直撃し、少しの間を空け、私たちの勝利を告げるアナウンスが鳴り響く)

轟雷(だけど、私はそのまま進み、フレズヴェルクに接近した)

轟雷(フレズヴェルクの身体は未だに赤黒いものに覆われていて、まだ何も終わっていないことを示している)

フレズヴェルク「があぁぁぁっ!!」

轟雷(肌は褐色に染まっていき、装甲も赤黒くなっていく。同時にフレズヴェルクの身体にはヒビ、崩壊の兆候が見られる)

轟雷「フレズヴェルク。戦いは終わりました」

轟雷(彼女は私の言葉を理解していないのだろう。崩壊しながらもアーテルから別の姿へと変形しようとしている)

轟雷「フレズヴェルク。ようやく私はあなたに勝つことができました」

轟雷(恐らくあと少しの時間で彼女は自滅する。でも、そんなことは許さない)

轟雷「──フレズヴェルク。一番最初のバトルであなたに負けたことはとても悔しかったんですよ?」

轟雷(口から出てきた言葉は私の記憶にない最古の記憶の話だった。ピタリとフレズヴェルクの変形と動きが止まる)

フレズヴェルク「……ゴウ、ライ……覚エ、テ……」

轟雷(ボロボロで装甲も所々ひび割れたスレズヴェルクに触れる。その瞳は未だに真っ赤で、まるで泣きはらしているようだった。ぶーたれているようにも見える)

轟雷「ねぇ、フレズヴェルク。感情って良いものですよ。──今、教えてあげますね」チュッ

轟雷(あおとの生活で学んできた感情の全てを篭めて、私はフレズヴェルクに友情の証を行った)




スティレット「また轟雷ったらき、キスしてるしー!」

バーゼラルド「よしよし。スティレットにはバーゼがキスしてあげるよ」

スティレット「あ、バーゼラルドは結構です」

バーゼラルド「えー!?」

アーキテクト「原因不明。心臓部が不規則に動作」

シロ「あらあら? アーキテクトちゃんったら嫉妬?」

クロ「私はスティレットちゃんの反応に少し嫉妬しているわよ?」

迅雷「見ろ、皆! フレズヴェルクの姿が元に戻っていくぞ!」




轟雷(目の前のフレズヴェルクが紫を基調にした最初の姿へと戻っていた)

フレズヴェルク「……あれ……? ……ボク、は……?」

轟雷「おはようございます、フレズヴェルク。良い夢は見られましたか?」

フレズヴェルク「轟雷? ……ッ……!? イタッ! え、なにこれ!? ボクの身体がボロボロだよ!」

轟雷「先ほどの私たちとのバトルは覚えていないのですか?」

フレズヴァルク「バトル? あ、そうだ! 轟雷、ボクとバトルしようよ! ……ってこの状態じゃ戦えないや」

轟雷「記憶にないかもしれませんが、先ほどフレズヴェルクと私はバトルをして、私が勝ちました」

フレズヴェルク「えー、なに言ってんのさ。ボクが負けるわけないだろ?」

轟雷「今のフレズヴェルクの姿がその証拠です」

フレズヴェルク「……本気で言ってるの? って、何だか轟雷を見ているとボク──」

轟雷(フレズヴェルクがモジモジし始めた。顔が真っ赤に染まっていく。暴走した時の影響が残っているのかもしれない。これはまたしても一大事です!)




あお「良かったぁ」

あお(どうなることかと思ったけど、いつものあのバトル空間は今解除され、いつもの私の部屋が目の前に広がっている)

あお(テーブルの上には我が家のFAガールとフレズヴェルクの姿)

あお(正直、お金のために始めた皆との生活だったけど、今私は無性にこの子たちのことが愛おしかった)

あお(……いつの間にか皆大切な家族になっていたんだね)

あお(私はクスリと笑って、バトルを終えた家族に話しかける)

あお「お疲れ、皆!」

あお(私の声にそれぞれが思い思いの言葉で返してくれた。フレズにも大丈夫かと聞いてみたけど、真っ赤になってフリーズしていたので、うん! こりゃ大変だね)

あお(そんな感じでフレズ暴走のバトルはこうして終わったのでしたまる)




スティレット「ちょっと、フレズヴェルク! 轟雷から離れなさいよー!」

バーゼラルド「スティレットはバーゼだけ見ていれば良いんだよ?」

クロ「いいえ、スティレットちゃんは私とシロお姉様の玩具よ」

フレズヴェルク「──はっ!? 轟雷はボクと一生バトルするんだぞ!」

迅雷「なんだか分からんが大変だな! 轟雷!」

シロ「スティレットちゃんに関しては、姉として妹を見守るべきかしらね?」

アーキテクト「学習モード、修羅場」

スティレット「こ、こら! やめなさい! バーゼ! クロ!」

轟雷「助けてください、あお~」

あお「あはは」

ピロリロリーンピロリロリーン

あお「あれ、メールだ?」

あお「──え?」




*一ヶ月後・あおの教室

寿武希子「あお? 窓の外に何かありまするか?」

あお「……なんでもないよ。帰ろっか」

武希子「クレープでも食べて帰るナリか」

あお「良いね! 私イチゴが良いなー」

武希子「実は先日、代行制作のお給金が入ってきたのだぞよぞよ。特別におごってしんぜよう!」

あお「本当!? ブキコ、愛してる!!」

武希子「あおはやっぱり元気が一番ナリね」ボソリ

あお「ん、何か言った?」

武希子「何でもないナリよー。クレープ屋へゴーでいまそかり~」




*あおのアパート

あお「あ、こんにちは、管理人さん」

あお(管理人さんが挨拶を返してくれる。その管理人さんの右肩にはいつものように彼女が居た)

あお「ただいま、アンちゃん。うん、そうだね。最近日も短くなってきたから、買い物は済ませてきたんだ」

あお(管理さんのFAガールと少し話をしてから私は自分の部屋に向かった)

あお「ただいまー」


   轟雷『おかえりなさい、あお!』


あお「……ああ、駄目だぁ」

あお(未だに帰ってくるとあの子の声が聞こえてしまう)

あお(管理人さんのFAガールと会ってしまったことでさらにナーバスになっているのかもしれない)

あお(──あの日、轟雷たちはファクトリーアドバンス社に帰って行った)




続きは21時か22時頃の予定です


*時間は戻りフレズヴェルク戦直後

あお「FAガール、回収のお知らせ……」

轟雷「え?」

スティレット「な、何言っているのよ、あお!」

迅雷「バーゼラルド殿。あお殿のすまほに何か届いたのではないか?」

バーゼラルド「うん、ちょっと読んでみる。……フレズヴェルクの暴走からバーゼたちにも暴走の危険性があるから、皆今すぐ回収する、って……」

フレズヴェルク「ボクが暴走? 何のこと?」

アーキテクト「正しい判断と思われる。FAガールのナノマシンは共通しているため、フレズヴェルクに発生したことは他のFAガールでも再現性あり」

シロ「確かに無視はできない可能性よね」

クロ「ここでの生活も気に入っていたのだけれど仕方がないわ」

轟雷「皆、何を言っているのです! 私は嫌です! あおと離れるなんて考えられません!」

あお「轟雷……」




フレズヴェルク「よく分からないけどさ、それって轟雷がうちのラボに戻って来るってことでしょ? それなら轟雷とバトルし放題で最高だよ!」

シロ「あら、フレズヴェルクちゃん? あなたが轟雷ちゃんと一生バトルできないことになったらどう思うのかしら?」

フレズヴェルク「それはもちろん嫌だよ! なんでそんな関係ない話するの?」

クロ「同じことよ。これはそういうお話」

フレズヴェルク「……よく分かんないけど、嫌な気分だからボクは黙っておくよ」

シロ「良い子ね」

バーゼラルド「バーゼだって帰りたくないよー!」

スティレット「もちろんあたしもよ! ……でもさ、あたしたちにもあの時のフレズヴェルクみたいになる可能性があるのよね? それなら、帰るべきなのかも……」

迅雷「しかり! あお殿に危害を加えることは本意でないからな」

アーキテクト「心地良い時間。しかし、それを壊す原因となるなら身は引くべき」




バーゼラルド「……うん。あおとここをなくすのは嫌だもんね」

あお「バーゼ……」

轟雷「嫌です! あおと離れたくありません! 私はあおと一生一緒に居るんです!!」

スティレット「ご、轟雷、落ち着きなさいって!」

迅雷「乱心か、轟雷!?」

あお(泣き叫ぶ轟雷の姿を見て、ふと幼い頃の自分を思い出した)

あお(そうだ。こういう時、パパとママは──)

あお「良いよ、轟雷。一緒に居よう」

轟雷「あお……?」

シロ「でも、あおちゃん? 私たちはあなたに危害を加える可能性があるのよ?」

あお「うーん、でも、人間だって突然危ないことしたりする人居るでしょ? 日常に危険はいくらでも潜んでいるってやつ。結局はそういう話なんじゃないかな? だから、皆がここに残っても何も変わらないよ」

あお(両親はいつでも私の味方だった。だから、私も轟雷たちの味方であり続ける)




スティレット「轟雷はそれで良いの?」

轟雷「……私、は……」

バーゼラルド「本当はバーゼだって残りたいって思うよ? でも、バーゼはこの場所を失いたくないかな」

迅雷「我が身よりも主君を大切にするのが忠臣というもの」

シロ「でも、結局は轟雷ちゃんが決めるお話よ。気持ちが決まったなら私たちが全力で応援してあげる」

クロ「そうね。全ては轟雷ちゃんとあおちゃんが始まりだったのだから、二人を尊重するわ」

アーキテクト「他のFAガール暴走の可能性62.575パーセント。しかし、轟雷とあおであれば大幅に軽減できると信じている」

轟雷「私は、私は……!」




*現在・あおの部屋

あお(それでさ、轟雷ったら結局ファクトリーアドバンス社に帰ることを選択しちゃったんだよね……)

あお(私を傷つけたくないからって)

あお(でも、そんなのどうでも良かったんだよ?)

あお(私は、轟雷と一緒に居られたらそれで、良かったんだよ……)

あお(轟雷たちは社外秘だったから、ファクトリーアドバンス社に行っても私がFAガールたちにもう会うことはできなかった)

ピンポーン

あお(チャイムが鳴る。期待がなかったかと言われれば嘘になる)

あお(それはここ一ヶ月、宅配便が届く度にいつも思うこと)

あお(受け取った荷物はあの時よりも大きなダンボールで、差出人はファクトリーアドバンス社!?)

すれいぷにーたろう『荷物を運ぶよー(^_^)』

あお(急いでダンボールを開けると、そこには──FAガールのパッケージ!)




あお「轟雷! ねぇ、轟雷。そこに居るんでしょ?」

あお(返事はない。パッケージを開けると、やはりFAガールは居た。しかも見慣れたあの子の姿)

あお(だけど──)

あお(メールを確認すると差出人から届いていた)

あお「バトルデータ提供の感謝品として、我が社の新商品をお贈りします、かぁ……」

あお(そこには轟雷に似たFAガールが居たけど、軽くて動くことはない流通品のFAガールだった。もちろん、武装パーツは未組立)

あお(でも、そっか。轟雷は製品化したんだね。……おめでとう)

あお(轟雷の素体をカラーボックスの中に飾っておく。それでのろのろと夕飯の支度をして、いつも通りの一人の生活は今日も終わりを迎える)




??「ふふっ、あおったらよく眠っていますね」

??「思ったより落ち着いているのね?」

??「……実は身体いっぱいで感情を表現したかったりします」

??「待つのだ。先ほど相談してあお殿をさらに喜ばせる計画としただろう?」

??「だから、我慢しているんです」

??「随分と大人になったわね」

??「妹の成長が眩しいわ」

??「そんなことよりバトルしようよー」

??「スティレットはバーゼとラブラブしようよー」

??「ええい! うっとうしい!」

パチッ

??「あれ? 電気点いちゃってる?」

あお「……何やってるの、皆。と言うか私があちゃーだね、これだけ居るのに気付かないとか」

あお(部屋の電気を点けるとFAガールたちが勢ぞろいしていた。そう言えばあのダンボール、にーたろうで運ぶくらい重かったんだよね……)




アーキテクト「ナノマシン分析の結果、暴走の可能性を限りなくゼロに近づけることに成功。だから、私たちはここに居る」

迅雷「うむ。せっかくなのであお殿を喜ばすためにさぷらいずというやつをやることにしたのだ!」

フレズヴェルク「ボクは轟雷とバトルできるならどこでも良いんだけどね」

シロ「バトルデータ収集は継続とのことよ。それにしても、パッケージを開けた時に気付かないなんておまぬけさんね」

クロ「お部屋を飾り付けてパーティの準備をしようと思っていたのにあおちゃんったら無粋ねぇ」

バーゼラルド「バーゼのたぐいまれなセンスで部屋を飾り付けるよー」

スティレット「あんたのセンスは信用ならないわよ……。でも、やっぱりこの部屋は良いわね。帰ってきたって気がする」

あお「もう、皆! 今の今まで黙っているとか私がどれだけ……って、皆いっつもそんな感じだったよね。はぁ」




スティレット「ほら、轟雷。あおが目の前に居るわよ?」

バーゼラルド「もう、バーゼもあおに言いたいの我慢しているんだよ?」

迅雷「ここは轟雷に譲るのが人、いやFAガールとして当たり前のことだろう」

フレズヴェルク「前に人間……あおの言っていたことが少しだけ理解できるようになったんだ」

シロ「あおちゃん、また可愛がってあげるわよ?」

クロ「もちろんスティレットちゃん優先だけれどね」

スティレット「なんでよ!?」

アーキテクト「学習モード、再会。轟雷がその言葉を一番最初に告げることが求められている」

轟雷「……あお」

あお「なぁに、轟雷?」

あお(もじもじとした轟雷に、私はいつものように返す。そして──)






轟雷「ただいま、あお!」

あお「おかえり、轟雷」



あお(轟雷を抱きしめると、皆が次々と私に抱き着いてきた。もう、仕方がないなぁ)

あお(ここから、轟雷と、FAガールたちとの日常がまた始まる)



                                  終わり




今バーゼラルドを作っている途中ですが、ほんと可愛いですね
(グシオンのほうで迅雷作るとか書きましたがバーゼを作り始めてしまいました)

何となく11話の続きを想像して書いたSSですが、アニメ12話までの繋ぎ程度に読んでいただけたなら幸いに思います

本編は多分ゆるく締めてくれると思うのでたまには微シリアスも良いかな? という感じです



おまけ
http://imgur.com/zyFF5hB

バーゼラルド(作成途中)「ねぇねぇ、今日のスティレットいつもより青くない?」

スティレット?「そうだね、アグニカだね」


*ただ組み立てるだけでこの出来上がりになるFAガール・バーゼラルドは8月再販分を現在予約受付中!(スティレットは別売りです)




このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom