【バディファイト】ダークゲーム異伝・アナザー (44)

このssは、コロコロアニキで連載されている吉田正紀作・「バディファイトダークゲーム異伝」のssです。
原作、バディファイトのルールを知らなくってもできるだけ楽しめるようにしているのでどうかお楽しみください。



以下、注意点。
・「バディファイトダークゲーム異伝」のネタバレあり
(本編とパラレル設定。本来の時間軸では出なかったカードが出たりする)
・原作キャラは原作通りに書いているつもりですが、原作者ではないのでそれらしくない言動が出るかもしれません
>>1はアニメは視聴、ゲームはしていますが、現実でバディファイトしていないのでルールの矛盾など出るかもしれません
・話は原作と同じように1話完結話の予定
・オリカなし。情報だけのカードも使う可能性あり
・作中で細かいルールやカードの効果などは公式を見ながら確認でお願いします
(公式→http://fc-buddyfight.com/)
・投稿中のレス可

以下の点をご了承してこのssをお読みください。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1497272889


《登場人物》

・影浦道(かげうら とおる)
17歳。ガキの頃から「死が近づくほど死神が見えてくる」という体質(?)で「死神を遠ざけて生きのびた時だけ生きていることを実感できる……」と言う価値観を持っている。
そのためなのか命がけのゲームを楽しんでいる節がある。
性格は非常にクールで、前述通りに生とバディファイト以外(少なくても金と女には)興味がなく、日常でも淡泊。ただし、心に熱い心はある模様。
見た目は右目に眼帯をしていて、赤マフラーを巻いているという中二厨らしい感じとなっている。

・マリアンナ・アバクモワ
ある裏社会の組織の一員で非常な女性。
姉御気質だが、血の気が多く自分勝手だが、そういうところが他人を引き付けるのかもしれない。
カゲウラの力を見込み、彼を(無理矢理)自分の所に誘って自分の組織に反逆する。
バディファイトを全く知らなく、初心者。
見た目は『灼眼のシャナ』の『マージョリー・ドー』に似ている。
このss内では「マリー」表記させてもらう。

・茶髪
マリーの部下の1人で彼女を「あねさん」と呼び慕う。
ガキの頃にバディファイトをやっていたためか、バディファイトに詳しく解説役
部下の中では目立ち、彼女の側近のように思えるが、実際は彼女の部下の1人に変わらないようだ。
※原作では彼の名前がなく、このssでは付けようと考えたが結局、しっくりくる名前がなく茶髪表記に…(ちなみに候補は「シゲル」「アキラ」「ナオト」「マサト」など……)


《大体のあらすじ》
※ネタバレあり。
影浦道は、死んだ父親が残した3億円の借金である組織に殺されそうになるが、運よく生き残り、マリーの部下に5年前バディファイト世界大会のジュニア部門の世界チャンピオンになったことを知られ、バディファイトの世界大会に優勝する。
それからあらゆるバディファイトの大会に勝ち抜けて、借金も倍以上にして返したカゲウラだったが、ファイトに満足できずマリーから紹介された「ダークゲーム」に参加する。
ダークゲームで満足感を影浦はマリーに誘われて、ダークゲームでのし上がって行くことを決める。


《用語集》

・死神
カゲウラだけ見える『自分の死が近づくと現れる【死神】』
見た目はカゲウラの状況やバディによってバディモンスターに姿を変える。理由は不明

・バディファイト
実際に存在するTCGゲーム。会社はブシロード。
アニメ様に異世界で繋がったりしてモンスターと実際、バディを組んだりしない。
この世界では政府公認の大企業主催の賞金付きの大会もあるぐらい有名なカードゲームとなっている。

・ダークゲーム
裏組織の対立で全面戦争を避けるためにカードゲームを使った代理戦争。
負けたら死ぬ可能性だけもなく、ゲーム中に死ぬかもしれないダークゲーム
(例:ライフを失うたびに電撃が流れるなど)

・組織
マリー達が属していた組織のこと正式名・不明。
規模などは中々大きい組織らしい。






―――特別編「死者の呼び声」―――






――とあるカジノ――



カゲウラ「デスルーラ―デアデビルでアタック!」

男「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ライフ2→0



茶髪「今日もカゲウラの奴、絶好調っスねー」

マリー「これで組織の奴らの領域の5分の1を奪って言うことになるかしら」

茶髪「俺、本当にあねさんについてきてよかったス!最初はあねさんなんて馬鹿なことをしたんだろって……」

マリー「……アンタ、鉛玉を口に入れたいなら素直に言いなさい」ガチャ

茶髪「い、ヤダだな~…冗談に決まっているじゃないですか…アハハ……」


――ロビー――

マリー「今日のファイトもお疲れさん~」

カゲウラ「……」

マリー「勝ったというのに不満げね」

カゲウラ「…あんな生温い勝負じゃ、俺が生きていることを実感できない」

マリー「アンタねー…アタシ達はアンタの欲求を解消させるためにダークゲームを提供しているわけじゃないのよ!それくらいビジネスだと思って割り切りなさいよ!」



カゲウラ「…嫌だ」

マリー「子供か!!」ドン




茶髪「お、落ち着いてくださいよ!あねさん!」

マリー「はぁはぁ……アンタもいくら満足できるファイトじゃなかったとしても一々、不貞腐れたらキリがないわよ!」

マリー(…とは言ったものの。コイツがこのままだと次のダークゲームのモチベーションに関わるのよねぇ…)

マリー(こういう場合は普通に体で慰めてやるのが一番だけど、コイツはそういうのに興味がない奴なのよね…)

マリー(あー…マジ面倒くさいわね…コイツの場合、銃で脅しても余裕そうだし……)ボリボリ

マリー(だからと言ってこいつが満足できるほどの相手が早々見つかるわけが―――)

茶髪「ねえさん!」

マリー「何よ。こっちは今、必至考えて――茶髪「俺、もしかしたらカゲアラが満足できる戦相手に心当たりがあるかもしれません!」



マリー「ハァ!?」



―――
――――――――
――――――――――――


――日本・空港――

マリー「やっと日本に着いた~。やっぱり他の国からしたら遠いわね、日本って」

カゲウラ「………」

マリー「どうした?流石のアンタも久々の日本で感慨深かったりする?」

カゲウラ「別に」

マリー「アンタね…そういう時は嘘でも言っておくことでしょうが」ノリガワルイワネー

茶髪「まあまあ、せっかく日本に着いたんだし喧嘩はやめましょうよ」

マリー「…それよりアンタが言っていたことは確かなんでしようね」チガッタラオシオキ

茶髪「ええ…ネットに書いてあったことなんですけど…『負けた相手は消えてしまうという命を懸けたバディファイト』を行っている場所が墓地にあるらしいっス」カンベンシテホシイッス

カゲウラ ガタ

マリー「ふーん…眉唾物ね。で、なんで墓地?」

茶髪「い、いや…そこまでは……」

カゲウラ「別に場所がどこだろうが、関係ない」

カゲウラ「命を懸けたファイトができるなら俺はどこにだって行く」

マリー「はぁー…まあ、いいわ。ここまで来たら乗りかかった船よ!アタシも行かせてもらうわよ!」

カゲウラ「…勝手にしろ」


――墓地――

茶髪「って、なんで俺も一緒なんっスか!?」

マリー「アンタがいないとアタシがゲームの状況がよくわからなくなるから」

茶髪「こんな気味が悪い所、一緒に同行したくありませんよ!」

マリー「うるさいわね。男がグチグチ言うんじゃないわよ!」

茶髪「勘弁してください!本当に苦手なんスよ。こういう場所!!」

カゲウラ「静かにしてくれ…」


茶髪「…それにしてもいかにも出そうな場所っスね…本当に出たりしないスよね?」

マリー「…アンタ、いい歳こいてまだ幽霊とか信じているタイプ?」

茶髪「怖いものは仕方がないでしょ!こんな気味悪い墓地に幽霊の1つや2つ―――」




???「ばぁ!!」

茶髪「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!でたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」





マリー「よく見なさいよ、バカ。狸のお面を付けたオッサンよ」

茶髪「……え?」


オジサン「はははっ…ここまで驚いて貰えるとやった甲斐があったというもんだね」


茶髪「おっさん~驚かすなって。寿命が縮んだかと思ったぜ…」

オジサン「それだけ文句言えるなら君はまだまだ長生きするよ」

マリー(このオッサン…一体何者だ?さっきまで完全に気配を感じなかったのにいきなり現れやがった……)


カゲウラ「…そんなことよりアンタ知らないか?ここら辺で命懸けのバディファイトをしている話を」

茶髪「カゲウラ、こんなおっさんが知っているわけ……」

オジサン「知っているよ」

茶髪「マジか!?」

オジサン「だって――――」



オジサン「そのゲームを行っているのは全て私だからさ」ドン



オジサンがそういうといきなり近くにファィトテーブルが現れた。


茶髪「う、嘘だろ!?こんなオッサンが!?」

カゲウラ ズオアッ


カゲウラは感じ取る…自分の死を教える死神が自分の近くに現れたことに……。


カゲウラ(まだファイトもしていないっていうのにオレの死を教える死神が近くに現れた!?)

カゲウラ(それだけ危険な相手っていうことか……)


オジサン「どうした少年?噂を聞いて探していたんじゃないのか?」

カゲウラ「…いいだろう。オレはアンタにファイトを申し込む!」

オジサン「そうこなくてはな!」

2人は早速、ファイトテーブルの椅子に座り、デッキを置く。


茶髪「ねえさん、どうします?」

マリー「どうするのもこうもカゲウラの好きなようにやらせましょう。まだ『命を懸けたバディファイト』っていうものがどんなものかわかっていないんだし」

マリー(それにあのオッサンさんが何者か知りたいしね…)


オジサン「おっと、そういえば名乗るのも忘れていたね。私の名前は『立村正行(たちむら まさゆき)』。少年の名前は?」

カゲウラ「…影浦道(かげうら とおる)」

立村「カゲウラくんだね。では、始めよう」

立村「先行は私から始めさせてもらうよ。オープン・ザ・フラッグ」



カゲウラ「ダークネスドラゴンW(ワールド)。バディモンスターは《デアデビル“ツイスター”》」

立村「カタナW(ワールド)。バディモンスターは《禍津の懐刀 闇狐》」



こうして二人のファイトは始まった――――

とりあえずファイトが始まるまで。
続きは後で書きます

とりあえず再開


立村「チャージ&…ドロー」

立村「私はセンターに《魔竜の眷属 蘇竜骨》をコール」

魔竜の眷属 蘇竜骨 サイズ1 攻撃力3000 守備力1000 打撃力2

立村「蘇竜骨の効果でデッキの上から2枚をドロップゾーンに置く」

立村「私は蘇竜骨でファイターにアタック」

カゲウラ ライフ10→8


カゲウラがダメージを受けた瞬間、彼の体の一部が忽然と消えた。


カゲウラ「!?」

茶髪「あ、あねさん!だ、ダメージを受けたか、カゲウラの、に、肉体が……」

マリー「狼狽えるんじゃないわよ!どーせ、ホログラムとかなんかでしょうが!」




立村「ホログラムか…そう思うなら、そう思えばいい……」


カゲウラ「俺は正直、アンタがどんな方法でオレの体を消しているなんてどうでもいい」

立村「ほぉ…ファイトの実態を知って逃げ出そうとしたり、怯える人間が多い中、君は本当に珍しい」

カゲウラ「オレは寧ろ、オレはこの状況を楽しんでいる」

カゲウラ「アンタには感謝しているぐらいだ」

カゲウラ(これだけ死神が近くに居て死を教えてくれるファイトも中々ないからな…)

立村「君は本当に正直だね…嫌いじゃないよ」

立村「私はこれでターンエンド」


立村 ライフ10 手札5 ゲージ3
センター《魔竜の眷属 蘇竜骨》


カゲウラ「ドロー、チャージ&…、ドロー」

カゲウラ「オレはライフを1払い、魔法《ミリオン・エッジ》を発動。お互いのデッキの上から2枚をドロップゾーンに置き、その後、俺は1枚ドロー」

カゲウラ 8→7

カゲウラ「ゲージを1払い、レフトに《逆襲の黒死竜 アビゲール》をコール」

逆襲の黒死竜 アビゲール サイズ1 攻撃力6000 守備力1000 打撃力2

カゲウラ「センターに《沈鬱の蛇黒竜 バルザム》をコール」

沈鬱の蛇黒竜 バルザム サイズ2 攻撃力5000 守備力4000 打撃力2

カゲウラ「バルザムの効果でアビゲールを破壊し、ゲージを+1カード1枚を引く」

カゲウラ「更に破壊されたアビゲールの効果。相手のデッキの上から2枚ドロップゾーンに置き、1枚ドロー」

カゲウラ「ゲージを1払い《覚醒の黒死竜 アビゲール》をレフトにコール」

覚醒の黒死竜 アビゲール サイズ1 攻撃力6000 守備力1000 打撃力2

カゲウラ「今、コールしたアビゲールの効果で蘇竜骨を破壊して、アンタのデッキの上から2枚ドロップゾーンに置く」


茶髪「おい!カゲウラ、何やってんだよ!」

マリー「え?なにかヤバイやつ?」

茶髪「ヤバイっていうか相手の髑髏武者はドロップゾーンからのコールが得意な属性なんスよ」

茶髪「あれじゃ、相手にみすみす塩を送るようなもんですよ!」

茶髪「もっと他に戦い方なかったのかよ!」


カゲウラ「勝負はオレにまかせろといったハズだが?」ギロ


茶髪「うっ……」タジ

マリー「そこまでにしておきなさい。そもそも、カゲウラの奴がそんな意味がないことする奴かしら?」

茶髪「た、確かにそうっスけど……」

マリー(本当に何考えているのかしら?カゲウラの奴…)


カゲウラ「続けるぞ。《ゲート・オブ・ダークネスドラゴン》を設置」

カゲウラ「バルザムでアンタにアタック」

立村 ライフ10→8

カゲウラ「アビゲールでアタック」

立村 ライフ8→6

ライフが減ると立村の体の一部が消えていく

カゲウラ「アンタもダメージを受けたら体も消えるのか…」

立村「そうしないとフェアじゃないからね」

カゲウラ「そうか……ターンエンド」


カゲウラ ライフ7 手札5 ゲージ2
レフト《逆襲の黒死竜 アビゲール》
センター《沈鬱の蛇黒竜 バルザム》
設置《ゲート・オブ・ダークネスドラゴン》


立村「私のターン、ドロー、チャージ&…ドロー!」

カゲウラ「相手のメインフェイズ開始時、《ゲート・オブ・ダークネスドラゴン》の効果発動。ゲージ1払い、ドロップゾーンからサイズ1以下のモンスター2枚までをコールする」

カゲウラ「オレはドロップゾーンから《黒き王冠 ザクラウン》をライトにコール」

カゲウラ「効果で相手のドロップゾーンのカードが6枚以上なのでゲージ+2」


茶髪「よし!これでゲートの消費を抑えただけじゃなくてゲージを増やした!」

マリー(相手のドロップゾーンを肥やしていたのはその為か?いや、それにしては少しやりすぎる……一体、何が目的だ?)


立村「どうやら終わったようだね。ここから行かせてもらうよ」

立村「ライトに《血刀 鬼面斎》をコール」

血刀 鬼面斎 サイズ1 攻撃力4000 守備力1000 打撃力2

立村「設置魔法《黄泉の還り路》を発動。効果でゲージ1払い、ドロップゾーンのサイズ1以下の《髑髏武者》1枚を【コールコスト】を払わずにコールする」

立村「《禍津の懐刀 闇狐》をセンターにバディコール!」

禍津の懐刀 闇狐 サイズ1 攻撃力5000 守備力1000 打撃力2

立村 ライフ6→7(バディコールでライフ回復)

立村「更にドロップゾーンの《不死 紅猩々》の効果でゲージ1払い、ドロップゾーンからレフトにコール」

不死 紅猩々 サイズ1 攻撃力5000 守備力1000 打撃力2



マリー「ねぇ…これってヤバイんじゃない?」

茶髪「だから、言わんこっちゃねぇ!」


立村「これも君がドロップゾーンを増やしてくれたおかげだよ。ありがとう」

カゲウラ「……」

立村「キャスト!《鬼道 呪言連鎖》!!自分はゲージ+1、1枚ドローし、ライフ+1!」

立村 ライフ7→8

立村「鬼面斎でセンターのバルザムをアタック!」

カゲウラ「魔法《デビル・スティグマ》!バルザムを破壊し、ゲージ+2枚、ライフ+1」

カゲウラ ライフ7→8

カゲウラの消えていた体の一部が少し復活する。


茶髪「うまい!」

マリー「ハァ?一体何がうまいって言うのよ?説明しなさいよ」グググ

茶髪「いだだっ……つまり、鬼面斎は貫通持ちでカゲウラはセンターのモンスターをデビル・スティグマで破壊することで貫通をさけて、なおかつライフとゲージを増やしたわけですよ」

マリー「ふーん…なるほど」


立村「だが、今はガラ空きだ!紅猩々でアタック」

カゲウラ「魔法《エネミーウォール》。アンタのデッキから2枚ドロップゾーンへ置き、確認する」

置かれたカード
・禍津の懐刀 闇狐
・奇祭 髑髏盆

カゲウラ「落ちたカードにモンスターがいるため攻撃は無効になり、ゲージ+1」

立村「だが、次はかわせるかな?闇狐でアタック」

カゲウラ ライフ8→6

ダメージを受けたカゲウラの足などの部分が消えてくる。

立村「ターンエンド…そして鬼面斎と紅猩々は自身の効果でターン終了時に破壊される」

立村「更にゲージを1払い、魔法《鬼道 荒供養》。デッキから3枚ドロー!」

マリー「3枚ドロー!?嘘でしょ!?」


立村 ライフ8 手札6 ゲージ2
センター《禍津の懐刀 闇狐》
設置《黄泉の還り路》


茶髪「相手の手札はターン開始時より多い…でも。これでカゲウラは最低限のダメージとカード消費を抑えて、ターンを終えられた」

マリー「ダメージはわかるけど、カード消費って?」

茶髪「《禍津の懐刀 闇狐》は相手にダメージを与えた時にそのモンスターを破壊して、相手の手札1枚捨てさせる効果を持つんっス」

茶髪「貫通効果を持った鬼面斎でダメージを与えつつ、相手の手札を削る……って槍かったでしょうがカゲウラの奴にうまくかわされたようです」

茶髪「カゲウラもセンターを残すために《禍津の懐刀 闇狐》の攻撃の時は効果発動しないだろうと予想して防御魔法の発動は紅猩々にしたっていうわけっス」

マリー「ふーん……普通に攻撃を防いだだけじゃなくてキチンと考えているわけね」

カゲウラ「ドロー、チャージ&…、ドロー」

カゲウラ「魔法《アビス・シンフォニア》。俺のライフが6以下の時にゲージ1を払い、カードを2枚引く」

カゲウラ「ザクラウンを押し出し、《デアデビル“ツイスター”》をライトにバディコール」

デアデビル“ツイスター サイズ1 攻撃力5000 守備力1000 打撃力1

カゲウラ ライフ6→7


マリー「ちょっとちょっと!なんでモンスターがいるのにコールしてんだよ!」

茶髪「いや…これでいいんです」

マリー「ハァッ!?」

茶髪「《ゲート・オブ・ダークネスドラゴン》で《黒き王冠 ザクラウン》を出す場合、ザクラウンがドロップにいないとコンボが発生しない」

茶髪「そのためにカゲウラの奴はわざと上書きコールすることでザクラウンをドロップに置くことで次もさっきのターンでしたコンボをするつもりなんですよ」

マリー「あぁ、もう!めんどくさいわね……さっさと相手のライフを0にするカードとか出せばいいのに」

茶髪「そんなカードがあったらゲームが成り立ちませんよ……」


カゲウラ「ゲージを1払い、《黒死の爪牙 ゲールファング》を装備…」

黒死の爪牙 ゲールファング 攻撃力5000 打撃力2

カゲウラ「《黒炎弾》を設置し、アタックフェイズに――――立村「おっとその前にライフを1払い、キャスト!《忍法 蛇睨み》!アビゲールをレスト!」

立村 ライフ8→7

カゲウラ「…なら、ツイスターでファイターにアタック。このモンスターは“潜影”の効果でセンターのモンスターがいても攻撃できる」

立村 ライフ7→6

カゲウラ「ツイスターが相手にダメージを与えた時、相手のカードを1枚ドロップゾーンにおいて、そのカードの種類によって効果を発動する」

置いたカード
・招力 黄天鼠

カゲウラ「置かれたのがモンスターなら相手にダメージ1与える」

立村 ライフ6→5

カゲウラ「ゲールファングで闇狐をアタック」

防御力1000<攻撃力5000
※同数の場合は攻撃側の勝ち

カゲウラ「ターンエンド」


カゲウラ ライフ7 手札3 ゲージ5
レフト《逆襲の黒死竜 アビゲール》
ライト《デアデビル“ツイスター”》
装備《黒死の爪牙 ゲールファング》
設置《ゲート・オブ・ダークネスドラゴン》
設置《黒炎弾》


茶髪(蛇睨みで1減って実質ライフが3減ったとしてもあまり責められなかったのは代わりねぇ……どうするんだよ、カゲウラ…)

立村(やはり、この少年もこの程度か…)

立村「私のターン、ドロー、チャージ&…ドロー!」

カゲウラ「相手のメインフェイズ開始時、《ゲート・オブ・ダークネスドラゴン》の効果発動。ゲージ1払い、ドロップゾーンからザクラウンをレフトにコール。効果でゲージ+2」

立村「いくらゲージを増やしても無駄だよ。このターンで終わるのだから」

立村「私は魔法《明鏡止水》でゲージ+3し、ゲージ2払い、デッキの上から1枚ソウルに入れ、《天啓策士 炯眼竜》をレフトにコール!」

天啓策士 炯眼竜(ソウル1) サイズ3 攻撃力6000 守備力5000 打撃力3

カゲウラ「大型モンスターを出してきたか…」

立村「設置魔法《黄泉の還り路》の効果でゲージ1払い、ドロップゾーンの《禍津の懐刀 闇狐》をセンターにコール」



マリー「おい、ちょっと待て!場に出せるモンスターは合計3じゃなかったのか!今の場のモンスターのサイズは4じゃない!ルール違反よ!」

茶髪「あねさん、あれはですね…立村「炯眼竜は元々のサイズが1の《髑髏武者》全てのサイズを1減らすことができる」

立村「つまり、炯眼竜が場にある限りサイズ1の《髑髏武者》はサイズ0になり、サイズはオーバーにならない。わかったかな?お嬢さん」

マリー「え、ええ…理解したわ」アラ、イガイニモシンシジャナイ

茶髪「あねさん…」オセジッスヨ。。。


立村「では、再開しよう。ドロップゾーンの紅猩々の効果でゲージを1払うことでライトにコール」

立村「紅猩々でファイターにアタック!」

カゲウラ「《黒炎弾》の効果でデッキの上から1枚をドロップゾーンにおいてもらう」

カゲウラ「更にゲージを1払い、魔法《デスグリップ》!場のサイズ2以下のモンスター1枚を破壊する!対象は闇狐!!」

カゲウラ ライフ7→5


マリー「カゲウラの奴が攻撃してきた紅猩々じゃなくて闇狐を破壊したのは…」

茶髪「ええ。闇狐のハンデスのためでしょうね」


立村「炯眼竜でファイターにアタック!!」

カゲウラ ライフ5→2

カゲウラの大体の部分がほぼ消えていく。

茶髪「よし!ライフは残った!センターにモンスターはいない!次のターンに攻め込めば……」





立村「ファイナルフェイズ!!!」




茶髪、マリー「「!?」」

カゲウラ(そうでないとな…)


立村「ゲージ2を払い、《闇狐 “白火 屍骸操糸”》を必殺コール!!!」


闇狐 “白火 屍骸操糸”サイズ1 攻撃力6000 守備力3000


立村「闇狐のサイズ1だが、炯眼竜でサイズ0になる」

立村「このカードはファイナルフェイズ中に登場した時、モンスター1体をスタンドさせる」

立村「炯眼竜をスタンド…そして闇狐 “白火 屍骸操糸”でアタック!」

茶髪「ヤベェ!この攻撃を食らったら、カゲウラのライフは0だー!」

カゲウラ「ゲージを1払い、魔法《尊キ犠牲》!黒竜の属性を持つゲールファングを破壊し、ライフを+2、1枚ドロー!」

カゲウラ「更に破壊されたゲールファングの効果によりライフ+1、1枚ドロー!!」

カゲウラ ライフ2→4→5

立村「だが、攻撃は止まらない!!」

カゲウラ ライフ5→3


マリー「よっしゃあ!このまま次のターンで逆転よ――――茶髪「いや、ダメだ!」

マリー「はぁっ!?何を言ってんのよ!だって、相手のモンスターのアタックは全て終わったじゃない!」

カゲウラ「…まだ俺の近くに死を教える死神が間近に近づいている…まだ危機は去っていない」

マリー「えっ?」

立村「わからないなら教えてあげよう。闇狐 “白火 屍骸操糸”でスタンドしたモンスターはファイナルフェイズでも攻撃できる!」

立村「これで終わりだ!炯眼竜でファイターにアタック!!」

茶髪(まだだ!カゲウラの手札2枚の中に防御カードがあれば……)

カゲウラ「……」

ドゴォォォォォォッ


カゲウラ ライフ3→0


立村「所詮、この程度か……」

茶髪「う、嘘だろ…カゲウラが負けた……」

マリー「……」


ライフが0になると同時にカゲウラの姿がまるで闇に包まれたように消えていく……。


マリー、茶髪「「!?」」


茶髪「カゲウラが……消えた!?」

マリー「アンタ、カゲウラに何をしやがった!」ジャキ

立村「何もしていないさ…ただ、ファイトに負けてそのルール通りに消えてもらっだけさ」

立村「彼もそんなファイトを望んでいたんだろ?本望じゃないか」

マリー「テメェ!」グワッ





カゲウラ「残念だが…オレはまだ死んじゃいない……」




立村「!!?」


茶髪「カゲウラ!!」

マリー「全く……驚かせるんじゃないわよ!」ドン

カゲウラ「殴るな…」


立村「な、なぜだ!!ライフは0になったはず――――ハッ、まさか!?」


カゲウラ「そのまさかだ…俺はライフが0なると同時に《ドラゴンフォース “逆襲の型”》を装備した」

カゲウラ「逆襲の型は、オレのライフが0になるなら、ゲージ2を払い、手札1枚を捨て、ライフを1にする」


カゲウラ ライフ3→0→1

ドラゴンフォース “逆襲の型” 攻撃力8000 打撃力3
『解放条件』〔君の場かドロップゾーンに、カード名に「アビゲール」を含むモンスターがある〕


カゲウラ「逆襲の型の効果で闇狐を破壊し、相手のデッキの上から5枚を相手のドロップゾーンに置く!」

茶髪「よし!これで相手のセンターを開けた!」




立村「……くふふふっ…くー、はっはっはっはっはっ!!!」



一同「!?」



立村「いやー、失礼した。今までライフ0から復活してきたファイターはいなかったからね!油断しちゃったよー、アハハハッ」

立村「いやー、死んでいた自分が生き返った気分だよ」

カゲウラ「俺もそういう事を体験したことがあるからわかる」

立村「……そうか。なら、わかるだろう?こんな自分か相手が負けるかわからない勝負はワクワクすると」

カゲウラ「同感だな」


茶髪「あのオッサンいきなり笑い出したかと思ったらカゲウラと共感しているし…本当に何なんだよ…」

マリー「……」


立村「私はこれでターンエンド!」


立村 ライフ5 手札3 ゲージ0
レフト《天啓策士 炯眼竜》
設置《黄泉の還り路》


カゲウラ「ドロー。チャージ&ドロー」


カゲウラ「名残惜しい…が、このターンで決めてやる」

立村「なら、それを阻止してやる!来い!」

カゲウラ ニヤ

カゲウラ「ザクラウンでファイターにアタック!」

立村 ライフ5→4

カゲウラ「ツイスターでファイターにアタック!」

立村 ライフ4→3

カゲウラ「ツイスターの効果でデッキの上から1枚ドロップゾーンに置く」

置かれたカード
・両成敗

カゲウラ「置かれたカードは魔法カード。ゲージを1枚ドロップゾーンに置く」

マリー「でもオッサンのゲージは0だから意味がないわよ」

茶髪「なんでカゲウラの奴、普通に打撃力が高いアビゲールの方を残さなかったんだよ!」


カゲウラ「逆襲の型でファイターにアタック!!」

茶髪「この攻撃が通ったらカゲウラの勝ちだ!」


立村「そうはさせない!魔法《うつせみの術》!連携攻撃ではない攻撃を無効にする!!」


マリー「ああ!何よ!避けられているじゃない!!」

立村(普通ならここでターンエンドするしかないが……君はそこで終わる人間じゃないだろう?カゲウラ君)

立村(私もそれを迎え撃つ手段は…ある!)

立村の手札には《忍法 蛇睨み》が握られていた。







カゲウラ「ファイナルフェィズ!!!」


立村(来たか……!)






カゲウラ「ゲージ3を払い!黒炎弾とザクラウンを破壊する!
センターに《アビゲール“アンリミテッド・デスドレイン!”》を!必殺コール!!」


アビゲール“アンリミテッド・デスドレイン!” サイズ3 攻撃力8000 守備力7000 打撃力2


カゲウラ「このカードがファイナルフェイズに登場した時、相手のデッキの上から10枚までを相手のドロップゾーンに置く」

カゲウラ「アンタのデッキから10枚置いてもらう」

立村「ライフを1払い、キャスト!《忍法 蛇睨み》!必殺モンスターはモンスターとしても扱うからそのままをレストだ!!」

立村 ライフ3→2

茶髪「くそー!デスドレインの打撃力と攻撃した時に相手のドロップゾーンが20枚以上で自分のライフ+2、相手に2ダメージ与える効果でライフを0にできたのに……」



カゲウラ「いや、お前は攻撃する前からもう終わっている!!」



立村「なんだと!?」


茶髪「だ、だけどまだ相手のライフは残って……あああああああああああああああああああああああああああ!!!」

マリー「うるさい!!」ゴツン

立村「攻撃するでもない……はっ!しまった!」

カゲウラ「やっと気が付いたようだな」



立村「私のデッキの枚数は0だ……!」




カゲウラ「そう、バディファイトの勝利条件は相手のライフを0にするともう一つ。相手のデッキを0にする勝ち方がある」

茶髪「そうか!だから、わざと攻撃力が低いストームを残して相手のデッキを削っていたのか!」

マリー「だから序盤からデッキを削っていたのね」

立村(そもそも彼は『ライフを削ること』と『デッキを削ること』のどちらも狙っていたのだろう。私はそれに気が付かずにデッキのことを気が付かずに削ってしまった)

立村(目の前の行動に気を取られて、他の所に目がいかなかったのが私の敗因か……)

立村(負けたが…特別悔しいという気持ちはない。むしろ、清々しい気持ちだ…)


立村「素晴らしいファイトだったよ、カゲウラ君。最後に君とのファイトができてよかった」

カゲウラ「最後?」

立村の体が急に透けていく……。

カゲウラ「あ、アンタ……」


立村「私は生前、満足したファイトをすることができなかった。だから、こうした命を懸けたファイトをさせてきた」

立村「何人相手しようと誰もが私を満足させるどころか勝つ者さえいなかった。そんなところに君が現れて私に勝った」

立村「ダークゲームも今日で終わりだ。今までファィトを負かして来た人々も解放しよう」



カゲウラ「俺も…アンタと戦えてよかったと思っている」

立村「そうか…その言葉を聞けて十分だよ」




立村はその言葉を最後にまるで上に登っていくように上空に飛んで消えて行った……



マリー「あのオッサン…モノホンの幽霊だったのね……」

マリー「それにしてもアンタ(茶髪)、幽霊が苦手の割にはさっきから黙って――――」

マリーが横を見ると茶髪が口から生気を出して気絶していた。

マリー「静かだと思ったら単に気絶していただけか…さっさと起きなさいよ!」ドガ

茶髪「うぎゃぁ!」

茶髪が倒れると何か堅いものにぶつかる。


茶髪「イテテッ…なんだ?墓?」

茶髪「何か書いてあるぞ。たち…む…ら……?」


――立村の墓地――

マリー「立村のオヤジとのダークゲームに負けた奴らは無事に戻って来たそうよ」

マリー「あのオヤジ、キチンと約束は守る男だったみたいね」

カゲウラ「…そうか」

マリー「興味がないみたいね。なら、あのオヤジについてはどうかしら?」

カゲウラ ビク

マリー「あのオヤジは、元々は日本で有名なファイターで色んな大会で優勝していたらしいんだけど、ある日に事故で亡くなったらしいわよ」

マリー「彼に身寄りはいなく親しい人間もいなかったみたい。それでうちの部下が見つけるまで墓の掃除はされていなかった」

マリー「立村から聞いたアンタの話をまとめるときっとあのオヤジは生前に満足した試合ができないまま、死んで成仏できなくって満足できるファィトを求めて、ダークゲームを他の人間にしていた」

マリー「全くもって迷惑の話よね。子供か!」

カゲウラ「だが、オレにはわからない話じゃない」ソモソモアンタガイウカ?

カゲウラ「オレも満足できないまま死んでしまったら、この人と同じように死んでからも誰かにダークゲームを挑んでいたかもしれない」

カゲウラは立村の墓に持ってきていた花を添えて、手を合わせた。


マリー「まっ、アタシからしたら早々死んでもらっても困るんだけど」

カゲウラ「安心しろ、オレもそう簡単に死ぬ気はない」



マリー「さっ、行きましょう。次のダークゲームがアンタを待ってるわ」

カゲウラ「望むところだ」



2人は墓の前を後にして歩き出す。
カゲウラは誰かに見られているように感じて墓の方を見るが、誰もいないことを確認してまた歩き出した。


これで投稿は終了。
久しぶりに投稿で色々疲れましたが、書きたいものは書けたかなーっていう印象。
本当は「デアデビルクラッシャー」で決めるつもりでしたが、それだけで墓地肥やしていた描写は必要かな?と思ったので「アンリミテッド・デスドレイン」で決めることにしました。
できるだけファイトのミスなどしていないつもりですが、あったらスイマセン。
また、時間などがあったらまた別の話を書こうと思うので期待していてください。
質問や感想があったら受け付けます。改善点など言ってくださったら、うれしいです。



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