【FGO】マリー「ロンドン旅行記」 (102)


第4章の裏ストーリー的な
第4章のネタばれあり。
第4章のロンドンにフランス勢が現界していたら。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454240054

魔霧たちこめるロンドン某所

マリー「ここはどこかしら? マスターの姿は見えないし、それどころか3メートル先が見えないわ」

マリー「深い霧……。蒸気にも似ていて、魔翌力も感じる」

ピュウ

マリー「丁度いいところに新聞が」

マリー「『バベッジ博士、新たな発明』英字新聞。そう、ここはイギリスなのね」

マリー「でも、どうしてイギリスに召喚されたのかしら? それに人の気配も」

ゾンビ兵A「ガアアアアアア」

マリー「あら、ご機嫌麗しゅう。イギリスの兵隊さん?」

ゾンビ兵A「ウッ」バタッ

???「……お母さん」


マリー「兵隊さん? 眠っているのね……」

ゾンビ兵B「ガアアアアアア」
ゾンビ兵C「ガアアアアアア」

マリー「ああ、霧で全く気配が読めないわ。皆さんどうしたこと?」

???「お母さん!!!」ザクザク

ゾンビ兵BC「」バタバタッ


マリー「また眠ってしまったわ。この霧のせいかしら?」

???「解体聖母!!!!!」ヴイイイイン!!

ゾンビ兵D~H「ガアアアアアア!」バタバタバタバタ

???「お母さんが解体できない……」

麗しの姫君
Rank A:ライダー / マリー・アントワネット
周囲の人を惹き付けるカリスマ性。
ただ存在するだけで自分を守る騎士たる人物を引き寄せる。


???「みつけた。おかあさんのスキマ」

ガキンッ!

???「!?」

デオン「マリー! 危ないところだったね」


???「二人目のおかあさん?」

デオン「お母さん!? 私は男だ! 殺人鬼ジャック・ザ・リッパー」

マリー「ジャック・ザ・リッパー?」

デオン「この時代のロンドンを騒がせた大量殺人鬼さ。その殺戮は主に女性を狙っている」

ジャック「おかあさん。帰りたい。帰りたいよ」

デオン「私はシュヴァリエ・デオン。フランス王家を守る白百合の騎士!」

デオン「マリーには指一本触れさせない!」

マリー「デオン……」ポッ

ジャック「おなかがすいたよ。ばらばらにするね?」


デオン「くっ。さすがアサシンのサーヴァント。加えてこの霧。速さじゃとてもじゃないけど敵わない」

マリー「デオン、もうこのあたりの兵隊さんは皆眠っちゃったわ」

兵隊A~Z「」チーン

デオン(マリーとジャックはあまりに相性が悪すぎる)

デオン(もう出し惜しみは出来ないか)

デオン(もとよりこの命、フランス王家に捧げると誓った身。危険は顧みないッ!)

デオン「ふぅ……」スン

ジャック「!」

デオン「おいで、私は君のお母さんだ」

デオン(姿が捉えられないなら、引き付けるまでだ)



――此よりは地獄。

――わたしたちは炎、雨、力

――殺戮をここに。

デオン「いまだ!」

???「そこまでです」

ジャック「」ビクッ

デオン「なに!?」


マリー「宝具の発動を強制的に止めた……」

???「随分と戻ってこないので来てみれば。あぁ、何という事でしょう。サーヴァントが二人。それもフランス屈指の麗しの英雄。」

???「神よ。愛おしい彼の者達を我らの悪逆の駒としろとおっしゃるのですか。慈しい。しかしそれも運命」

デオン「マリー、こいつは危険だ。アマデウスとかサンソンとかそんなものではない。もっと汚くて純粋な悪を抱えている」

マリー「わかるわ、デオン。彼からは悪意が全く感じられないわ」

???「申し遅れました。私のことは、そう、『P』とでも呼んでください」


デオン「P。十六番目のPだな」

P「その通りです。それにしても見事な身のこなしと剣捌き。流石フランスの誇る麗しのスパイ。シュヴァリエ・デオン。私が止めなければジャックは今頃串刺しだったでしょうね」

ジャック「!?」

デオン「君の賛辞はどうにも素直に耳を通らないよ」

P「慈しいですね。では単刀直入に言いましょう。私達と共に人理を破壊しませんか?」

デオン「断る」

マリー「私もお断りよ。貴方の傍にいるとドレスに抜けない染みができそうですもの」


P「……慈しみをもって貴女方を葬らせていただきます。もしまたこの霧の中現界することがあればよいお返事を聞けることを願います」

P「ジャック。宝具の解放を命じます。彼女たちがあなたのおかあさんかもしれませんよ」ニコッ

デオン(やはりこうなるのか)ギリッ

ジャック「解体するね」

デオン「いくら肢体が捥げようとこの心臓脈打つ限り、その血はフランスのために流そう!」

マリー「デオン!」


???『その覚悟仰ぎ見るに良し。此の身、此の鎧、此の体故、見下ろす事許してくれようか』ガキン

デオン「!? 鉄の塊が」

マリー「動いているの?」

???『切り裂き魔の俊敏たること防ぐ術は無し。視界を遮る今のうちに行方を晦ませ』

デオン「どこの国の者かは存じ上げないが礼を言う。いこう、マリー」タッタッタッ

マリー「えぇ。貴方の身に幸溢れんことを」タッタッタッ


P「なんの真似ですか? B。裏切りは、許されざる大罪ですよ」

B「元より悪に身を染めた覚えは無いが故。是、裏切りと呼ばぬ」

P「何を言っているのか。貴方の身体はこの魔霧で満ちているじゃありませんか」

B「……」


シティ・オブ・ロンドン

デオン「一体、彼らはなんだったんだ」

マリー「全員サーヴァントかしら。この霧、並みの人間なら死んでしまうわ」

デオン「そうだと思う。いくつか民家に明かりがついている」

デオン「町の人たちは皆、家の中に隠れているようだ」

マリー「ひょっとしてここは蒸気機関が更に発展した時代なのかもしれないわね。こんなに酷いものになるとは思わなかったけれど」

デオン「それにしたって異常だ。蒸気機関は魔術と相反した科学技術だ。この霧には魔翌力が含まれている。一体どうしてこうなったんだ……」

???「その答えは簡単だ。この魔霧は蒸気機関ではなく、魔術師、更に言えばサーヴァントが発生させているものだからだ」


デオン「お前は!」


マリー「サンソン! 貴方もこの時代に現界したのね! 会えて嬉しいわ」

サンソン「ボンジュール。マリー。僕も会えて嬉しいよ」

デオン(私の時は言われなかったのに! 状況が状況だったけど!)

マリー「それで、サーヴァントが発生させているって言うのはどういうこと?」

サンソン「ここに来るまでにとある市民から聞いた話なんだが・・・・・・」


―回想―

サンソン「現界……。ここは?」

サンソン「霧が濃くて何も見えない」

……コツ……コツコツ

サンソン(誰か近づいてくる!)

???&サンソン「「誰だ!」」

サンソン(薬品……? はっきりとした魔翌力は感じられないし、殺気も感じない。市民か? でもなんでこんな霧のなかに)

眼鏡の青年「その大きな剣。冷酷な目。貴方が大量殺人鬼ですか?」


サンソン「大量殺人鬼? ……そう呼ばれるのも無理は無いか」

サンソン「確かに僕はたくさんの人を殺してきた。でもそれは救いのための殺しであり、殺しを道楽とする鬼では断じてない」

眼鏡の青年「黙れ! 処刑人気取りか! 罪のない市民を殺し回って何が救いだ!」

サンソン(この人、何か勘違いをしている?)


眼鏡の青年(殺人鬼が目の前にいる。今、僕の目の前に)

???(ジキルよぉ。びびってんだろ? いくら凄んだって身体は正直なもんさ。足が震えて動けねぇじゃねぇか)

眼鏡の青年「……れ」

サンソン「?」

サンソン(脈が乱れている。興奮状態? 僕に怒っているというより寧ろあれは)

眼鏡の青年「黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!」

サンソン「うわっ!」

眼鏡を外した青年「来た……来た来た来た来た来た!」


眼鏡を外した青年「ジキルが世話かけたなぁ。俺はハイド。面倒な話し合いより、殺し合い(こっち)の方がお望みだろぉ?」ギラッ

サンソン「……二重人格と言うやつか」

ハイド「御名答! 飲み込みが早いなぁ!」バッ

ガキンッ

サンソン「僕の仕事には医療の知識も必要なんだ。もっとも、精神医学は専門外なんだけどな」ギリギリギリ

ハイド「バラバラにするのが専門なんだろ? わかるぜぇ!」シュバッ


サンソン「わかってないね」ヒラリ

サンソン「僕の医術は」クルッ

サンソン「患者(きみ)を救う為にあるんだ」ガチィ!

ハイド「放せ!」ジタバタ

サンソン「無駄だね。僕が腕を解かない限り、君はもう1ミリも動けない」ググ

ハイド「くそったレ。暴れられないんじゃ……もう、いいや……」

ジキル「」

サンソン(殺気が消えた。元に戻ったのか)


ジキル「……ここは。生きているのか?」

サンソン「あぁ。目が覚めたかい?」

ジキル「貴方は……殺人鬼じゃ、なかったんですね」

サンソン「え?」

ジキル「貴方が殺人鬼だったら、今頃僕は生きていません」

サンソン「なるほど。合理的な考えだ」

ジキル「誤解してしまって、ハイドまで出てきて、そんな僕を目が覚めるまで傍にいてくれた人が殺人鬼なはずがありません。本当に、すみませんでした」

サンソン「いいんだ。僕は誤解されるべくして誤解され、攻撃されるべくして攻撃された。当たり前なことだ。君は悪くない」

ジキル「でも」


サンソン「一般市民が殺人鬼のうろつく霧深い町で寝ていたら、君ならどうする?」

ジキル「……それは」

サンソン「僕もまた、するべきことをした。当たり前のことをし返しただけさ。僕は偉くない」

ジキル「……」

サンソン「ふっ。どうしても煮え切らないなら、情報をくれないか? わけあって僕はこの町に来たばかりなんだ。霧の中突然放り出されて、状況を飲み込めない」

ジキル「はい!」


ジキル「――ということなんです」

サンソン「つまり、最近のこの町、ロンドンでは3つの事件が立て続けに起きている。1.濃霧の発生、2.その霧の中からいきなり異国の人間が現れるという都市伝説。3.大量殺人鬼の出現。全ての共通点は『霧』」

ジキル「そういうことになりますね。そういえば……こういうことをいっていいのかな」

サンソン「ん? かまわないよ。何でも言ってくれ」

ジキル「その、貴方からはこの魔霧と同じ匂いがする」

サンソン「匂い?」

ジキル「なんと言えばいいのかな。例えば人って生まれ育った国や土地柄で共通した特徴を持つじゃないですか。訛りとか、仕草とか。貴方とこの霧は、とても近い気がするんです」

サンソン「……なるほど」


サンソン「やはり君は早く家に帰ったほうがいい」

ジキル「どうしてですか?」

サンソン「今この町では戦争の種が根を張り始めている」

ジキル「戦争の、種?」

サンソン「当然たくさんの人が死ぬ。だから、一刻も早く安全な場所へ避難するんだ」

ジキル「そんな。自分の国が戦争になるって言うなら尚更放っては置けない!」

サンソン「これはただの戦争じゃない」

サンソン「安心してくれ。ロンドンとはいえ、現界した以上はこの世界を守るために死力を尽くすよ」


ジキル「現、界?」

サンソン「口が滑ったかな。とにかく早く非難するんだ。いいね?」スタスタスタ・・・

ジキル「あ、ちょっと」

ジキル「行っちゃった」

ジキル(なんだか不思議な人だった。波長が合うというか、まるで自分と話しているかのような声。ハイドとは違った、新鮮でくすぐったい声だった)

???「おい、お前ロンドンの市民か? 敵か? 味方か?」


回想終わり


デオン「大量殺人鬼? それってまさか」

サンソン「心当たりがあるのかい?」

デオン「あぁ。ジャック・ザ・リッパー。さっき戦闘を交わしたばかりだ」

サンソン「なんだって!? それは本当かい?」

マリー「あぁ、確か。でも、そんな名前だったかしら……」

デオン「マリー、覚えていないのかい?」

サンソン「……彼のいっていたことは本当だったんだ」


サンソン「殺人鬼を見た者はその殆どが殺されているんだが、中には運よく生き延びたものも僅かながらいる」

サンソン「でもその全てが、薄ぼんやりと『昨晩殺人があった』と新聞に書かれた他人の事件のこと程度にしか覚えておらず、殺人鬼の姿を覚えているものは一人としていなかったそうだ」

マリー「でも、ならどうしてデオンは覚えていられたの?」

デオン「きっと自己暗示スキルだろう。私も今となってはジャック・ザ・リッパーが男だったのか、女だったのかさえおぼろげだ。正体不明の殺人鬼は私達の記憶まで殺せるのか」

マリー「戦いづらいわね……」


サンソン「マスターなしでの現界。どうやら普通の聖杯戦争じゃないことは確かなようだね」

マリー「えぇ。貴方と戦うこともなさそうで良かったわ。サンソン」

サンソン「本当だよ。戦争での殺しなんて僕はまっぴらだ」

デオン(またいい感じになっている)


デオン「じゃ、じゃあ二人とも、私たちの目的はこの魔霧を晴らすこと、でいいよね?」

マリー「勿論。このままではロンドン市民が外に出られないわ」

サンソン「それが、今回僕らが呼ばれた理由だろう」

デオン「なら、早くジャックを探そう。一刻も早く霧を晴らすんだ」タッタッタ

マリー「デオンったら、何を焦っているのかしら」

サンソン「イギリスは、彼の第二の故郷のようなものだから、どこか燃え上がるものがあるんだろう」


ロンドン路地裏

デオン「大量殺人鬼って言うのはこういう薄暗いところに、って」

デオン(しまった! 勢い余って二人とはぐれてしまった……)

デオン「マリー! サ……。マリー! どこにいるんだい?」

ガシャン……ガシャン……

デオン「くっ」

デオン(やっぱり別の何かも来るよね)


デオン「! 君は、さっきの……」

ヘルタースケルター×3「プシュー」

デオン「うわっ!」

デオン(襲ってきた!? さっきの鉄の塊より小さいが、これは彼の宝具?)

デオン(だとしたらなんで……)

デオン「私がわかりますか? 鋼鉄の紳士よ」

ヘルタースケルターA「プシュ」ブンッ!

デオン「ぐぅ!」

デオン(話が通じないのか!)

ヘルタースケルターB「プシューー」ガワッ

デオン「しまった! 背後を!」


???「フォルテッシモ!」

ヘルタースケルターB「グググググ」

ヘルタースケルターB「ピイイイイイイイイイイイ」ボカン

???「女装趣味だけじゃなくお人形に話しかける趣味まであるのかい?」

???「つくづく変態的な趣味をもっているね。デオン」

デオン「アマデウス!」


アマデウス「ほら、君から見て10時の方向3メートルから聞くに堪えない鉄の軋む音だ。2メートル……1……」

デオン「はぁ!」ガキン

ヘルタースケルターC「」

アマデウス「振り返り舞え。しなやかにそして強く!」

デオン「たぁ!」ガッ

ヘルタースケルターA「」

アマデウス「うん。心地よい静寂が返ってきた。知っているかい? 僕ら音楽家にとって音のない静寂こそ真に必要なものなんだ」


デオン「なら、一生口を塞ぎ、ピアノの鍵を叩くことだけの人生を送ってくれ」

アマデウス(<●> <●>)

デオン「……。その、助けてくれたことには感謝する」

アマデウス「ニコッ」


デオン「君も現界していたんだな」

アマデウス「気付いたら君の声が聞こえたんだ。マリー、マリーと捨てられた仔犬みたいな悲しみ、情けないいい音だったよ」

デオン「うっ」

アマデウス「ということはここにマリアもいるんだね」

デオン「あ、あぁ。それにサンソンもいる」

アマデウス「彼もいるのか。マリアと仲良く話したかったのになぁ」

デオン「ハ、そうだ。早く二人を探さないと」

アマデウス「ちょっと待ちたまえ。君はこの濃霧の中、二人の居場所が正確にわかるのかい?」

デオン「それは……」

アマデウス「まずは冷静になろう。今ここが異常なことは僕にも分かる。なにがあったか教えてくれないか?」

デオン「……悔しいが君の言うとおりだ。一度整理もかねて、事のしだいを話すよ」


ソーホー

マリー「デオンったら一体どこに行ってしまったのかしら?」

サンソン「彼なら、もし殺人鬼に襲われても大丈夫な気がするけどね」

マリー「それでも心配なものは心配だわ」

??? スーッ

サンソン「マリー、今何か通らなかったか?」

マリー「えぇ。人影にしては薄ぼんやり。何か四角い物が通ったような……」

サンソン「行ってみよう」


マリー「サンソン、見て! 本が宙に浮いているわ!」

サンソン「魔術? 遠隔操作か」カチャッ

魔本「」ガバッ!

サンソン「クゥッ!」ガキン

サンソン「王妃! ここは下がって!」

マリー「サンソン!後ろからも、脇からも来ているわ!」

サンソン「何!!」

魔本A~C「」バサバサバサ

サンソン「グァア!」ドバァ


サンソン「弱ったな……落とす首がないんじゃ、攻撃しようがない」ガッ

マリー「サンソン、避けて!」スッ

魔本A~C「」ザクザクザク

サンソン(硝子の破片。マリーの魔術か。……綺麗だ)

マリー「今は私だってサーヴァントよ。守られてばかりじゃ召喚された意味がないわ」

マリー「それに、絵本と踊るだなんて、とっても素敵だと思わないこと?」スッ

ザクザクザクザク


アマデウス「ふむ。大凡の事が分かったよ」

アマデウス「つまり、この魔霧に包まれたロンドンは聖杯の中身をぶちまけたような状態なわけだ。だから、サーヴァントが突然現れる」

デオン「そういうことだ」

アマデウス「そしてこれは自然災害ではなく、明らかに人為的に起こしている人物がいる。それが君達を襲ったPというサーヴァント」

アマデウス「Pは魔霧から生まれるサーヴァントをスカウトして自分の手駒にしようとしている……」

デオン「理解が早くて助かる」

アマデウス「いやぁ、つくづく僕を見つけてくれたのが君でよかったと思うよ」

アマデウス「僕一人だったら、二つ返事でPとやらについたね」


デオン「貴様!」

アマデウス「だってどう頑張っても勝てるはずがないし……」

アマデウス「シュヴァリエ。霧から出てきたサーヴァントに対して、君はまずどうする?」

デオン「なに? それはまず、話をしてみて」

アマデウス「違うね。紛いなりにもこれは聖杯戦争だ。相手は言葉が通じるかどうかすら、分からないんだから!」ヴォン!

???「イヒヒヒヒヒ!」スッ

デオン「敵か!?」チャキッ

アマデウス「分からない。でも、味方である保証は無い」


チッ……チッ……チッ……

アマデウス「……等間隔のこれは。秒針」

アマデウス「逃げよう。カウントダウンなんて碌なものじゃない!」

デオン「あぁ!」ダッ

チッ……チッ……

???「爆破のタイミングとは全て最初から計算されたものであり、故に秒針を早めること……」

???「に、ためらいはなああああい!!!!」ピッ!

ドカーンドカーンドカーン


アマデウス「なんとか巻き込まれずにすんだけど……酷い爆音だ。耳が聞こえなくなったらどうしてくれるつもりだ」

デオン「人気のない道路だ」

アマデウス「きっと、この豪邸の持ち主がここら一帯を買い占めたんだろう」

デオン「ここに出る道は今私たちが通ってきたところのみ」

アマデウス「となると敵もそこから来るだろうね」

デオン「……ゴクリ」

アマデウス「……ゴクリ」

……カサカサ……カサカサ

アマデウス「足下に……スカラベ?」

デオン「くるぞ! アマデウス!」

???「3,2,1、バァン!!!!」

ドグォォォオオオン!!!!!

???「イヒヒヒヒヒヒヒハハハハァ……」

???「申し遅れましたぁ。ワタクシ、悪魔でございます。悪魔、メフィストフェレスと言えば分かるでしょうか?」

メフィスト「といっても、もう四肢バラバラでしょうけど! ウェヒヒヒヒヒ」

デオン「そう簡単にやられるか!」シャキン


アマデウス「あとワンテンポ遅かったら危なかったけどね」

メフィスト「ほぉお? 生きてらっしゃる? ワタクシの爆発で」

アマデウス「酷いもんだったよ。どこかのドラ娘と同じかそれ以下だ」

アマデウス「今度はお返しに」

アマデウス仮面「僕の演奏を聴かせよう」


アマデウス仮面「本当は“死神”のために作った曲なんだけどね」

アマデウス仮面「悪魔の君でも問題ないだろう」

メフィスト「ウヒィ! この辺りにはさっきの爆発のときに第二波を設置してあるんですよ」

メフィスト「貴方の足下にだって

アマデウス仮面「私語は慎みたまえ。公演の時間だよ」

アマデウス仮面「聴くがいい! 魔の響きを! 『死神のための葬送曲』(レクイエム・フォー・デス)!」

メフィスト「(チクタク・ボム!)」

メフィスト(なに? 声が出ない)

メフィスト(爆弾も起爆しない!)


アマデウス仮面「僕の許可なくこの音楽を遮ることは許さない」

アマデウス仮面「それが僕の宝具さ」

アマデウス仮面「さぁ、デオン。君のサーベルで奏でるんだ。この悪魔への葬送曲を」

デオン「はぁっ!」

シュッザッバシュッ!!

メフィスト(あー、なんたるろまんちっくぺだんちっく)

メフィスト(結局声が出ない!)

メフィスト「」


アマデウス「早くここから立ち去ろう。その男を見ていると耳の奥が悲鳴を上げるんだ」

デオン「あぁ。早く二人を探さないと」タッタッタッ

スゥ

P「……甘いですねぇ。まだ息がある」

P「一人の男を巡って神と賭けをした悪魔。メフィストフェレス」

P「敗北の其の身は、私達と共に神に仕えてもらいますよ」ピチョン

メフィスト「あぁ。漲る! 滾る! 満ち溢れる! 貴方からは危険なにおいがしますねぇ」

メフィスト「いいでしょう! ワタクシ、貴方と共に面白おかしい世界を爆誕させましょう!」

P「頼もしい仲間です」

P「では手始めに、この屋敷に住む老人を爆破させましょう」

P「あの頃の、ファウスト博士のように」

メフィスト「カシコマリィィッッ、マシタァァァァッッッ!!」



マリー「この子達、刺しても刺しても傷が治っていくわ」シュッ

サンソン「これじゃあキリがない!」ガキン

マリー「でも、こんな霧の中隠れている大元の魔術師を探すのは、砂漠の砂粒よ」

サンソン「それならまだ楽な方だね」

マリー「え?」

サンソン「さっきから少しずつ探知の範囲を広げているんだけど、まず、砂粒ひとつ見つからないんだ」ガキン

マリー「それってどういうこと?」シュバ

サンソン「人間の気配が全くないってことさ。ここには魔本しかない」

魔本「」バラララララ


サンソン「クァ!」バタッ

マリー「サンソン!」

サンソン(もう、体が動かない……)

サンソン(昏睡作用でも含まれていたか……)

マリー「しっかりして。私一人じゃ貴方を庇いながら戦うのは無理よ」

サンソン(マリー……後ろ……)


魔本「やっと眠ってくれた」

マリー「!?」

魔本「でも、この人も違う」

マリー「誰? 声が聞こえるのはいったい誰からなの?」

魔本「私。名前はどこかにおいてきた。名前はどこ? 名前をくれるマスターはどこ?」

マリー「絵本が、サーヴァントなの?」

魔本「絵本? サーヴァント? それが私の名前?」


マリー「違うわ。えっと、そうね、貴方の名前は……」

魔本「貴女の名前は?」

マリー「私? 私の名前はマリーよ。マリー=アントワネット」

魔本「マリー=アントワネット」

マリー?「貴女は私で、私は貴女」

マリー「まぁ! とっても見事な変身ね」


マリー「でも、其の姿は貴女であって私じゃないわ」

マリー「私にそっくりな姿でも、貴女は貴女よ」

マリー?「貴女にそっくりな姿でも、私は私なのかしら?」

マリー「ほら、もうあなたは私より賢いわ。私ったら、実はまだ状況が飲み込めてないんですもの」

エミヤ時間に引いたらメディアだった。
続けます。


マリー「でも貴女は貴女。私は私。これだけははっきりと分かるの」

マリー「だって貴女はきっと、私でない誰かの為の物語がするのよ」

マリー「早く、その子に会えるといいわね」

マリー?「えぇ。記憶のそこから顔出す思い出」

マリー?「メルシィ。私。いえマリー=アントワネット」

マリー?「ヴィヴ・ラ・フランス♪」スゥ……

マリー「本当に賢いのね……」


サンソン「っ……。マリー! 魔本は?」

マリー「どこかに行ったわ。きっといるべきところに」

サンソン「そうか……すまない。君を守れなくて」

マリー「いいえ。とっても貴重な体験が出来たわ。偶には自分の顔を見るのも悪くは無いわ」

サンソン「え?」

マリー「さ、デオンを探しに行きましょう♪」


アマデウス「はぐれてしまった仲間と会う方法は2つ」

アマデウス「ひとつは歩き回って探すこと……だけど」

アマデウス「この霧の中だと、大通りなら気付かないうちにすれ違ってしまってもおかしくない」

アマデウス「だからもうひとつとしては、大きな目印に行くことだ」

アマデウス「同じところに向かえば自ずと落ち合う」


サンソン「シュヴァリエを探すにあたってもうひとつ確認したいことがある」

サンソン「僕らの目的だ」

サンソン「この霧が魔術的なものだとすれば必ず黙っておかない人たちがこの街に入るはずだ」

サンソン「きっと僕達の助けになってくれるだろう」



デオン「大きな目印?」


マリー「黙っておかない人たち?」



サンソン&アマデウス「「時計塔だ」」


時計塔

デオン「なんとか着いたな」

アマデウス「霧が濃くて想像以上に時間を食ったけどね」

デオン「二人は、来ていないようだな……」

アマデウス「そう肩を落とすな。僕らは霧を消す方法も探しているんだろう?」

アマデウス「ここなら何かの資料があるかもしれない」

デオン「それも、そうだな。行ってみよう」


デオン「なんだ……これは……」

アマデウス「酷い有様だ。建物は潰され、本は切り刻まれている」

デオン「この硝煙の香り。ついさっきまでここで戦闘があったのか?」

アマデウス「見てくれよ。不自然すぎやしないか? 隠し通路への入り口が剥き出しになっている」

デオン「よく見れば足跡もちらほら。5……6人くらいか? 大人の男だけでなく女子供の足跡まである」

誤爆したことに気付きませんでした。探してきます。

一度上手く送信されなかったときがありました。繰り返し送信したためだと思います。
自分でも探しているのですが、誤爆先を教えていただけると幸いです。

【艦これ】金剛「もう提督には愛想が尽きまシタ」
【艦これ】金剛「もう提督には愛想が尽きまシタ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453857342/)
ここだよ

>>74 教えていただきありがとうございます。
謝罪してきました。

気付いてたら荒れてすぐ謝りに行くわ
めんどくさがったとか、信じないのは勝手だけど

次から気をつけます。
続き投下します。


アマデウス「誘拐? でもまぁこの中に入るのはやめておこう」

デオン「なぜだ? もし君の言うとおり誘拐だとしたら」

アマデウス「聞こえるんだ。数え切れないほどの鉄や紙、歯車の軋む音がこの下から」

アマデウス「十や二十じゃないよ? どこまでも続く細い通路に百……いや、千でも誇張じゃない。そんな数の敵意の音がひっきりなしに聞こえるんだ」

アマデウス「まるで地獄に耳を傾けている気分だね」

デオン「……」

アマデウス「それに、マリア達が来たとき、僕らが地下にいたら気付かないだろう?」

デオン「それも、そうだが……っ!」チャキン

アマデウス「地獄の窯から溢れ出した浮幽霊かな?」スッ

ヘルタースケルターs

デオン「にしては随分と堅剛な作りをしているな」

アマデウス「公演を始めよう! これはマリアへ向けた演奏だ!」

B「……」


マリー「この先から、音楽……そう、アマデウスの曲が聞こえるわ!」

サンソン「アマデウス……やつも現界していたのか」

マリー「きっとデオンもそこにいるわ! 急ぎましょう!」

ガチャン……ガチャン……

サンソン「ふっ。一筋縄では通してくれそうにないよ」

マリー「いいえ、通るわ。この曲は私が聴かなくてはいけないんですもの」

マリー『さんざめく花のように、陽のように』

マリー『咲き誇るのよ、踊り続けるの! いきますわよ、』


『百合の王冠に栄光あれ』(ギロチン・ブレイカー)


デオン「数が多い! 切っても切っても湧いて出てくる!」キィン!

アマデウス「この手の輩は苦手だな。さっきのように数体ならまだしも、こう多いんじゃ膨張させるのも難しい」スッスッ

デオン「そんな器用な事していたのか!?」ガキィン!

アマデウス「説明している暇は無いけど、ある程度は、ネ!」ヴォン

ヘルタースケルター「」プシューーーーーー


???「デオン!どこにいるの!?」

デオン「マリー!? マリーなのかい!?」

???「あぁ、霧が濃くて見れないわ! それに! 玩具が多くて動きづらい!」ガシャンガシャン

デオン「すぅ……」フッ

デオン「ここだよ。マリー」

アマデウス(スキル!? 声にまでフェロモンを乗せられるのか!)

アマデウス(直視したら襲ってしまうところだった……)


マリー「デオン!!!乗って!!」ガシャン!

ヘルタースケルター「」

デオン「マリー!」ガシッ!

デオン「手綱を代わろう! 君の騎行は戦場には可憐過ぎる」

マリー「デオン……//」

サンソン(空気を読んで降りるか)スタッ

デオン「たぁっ!」バシンッ


アマデウス「久しぶり、シャルル=サンソン」スッ

ヘルタースケルター「」プシュー

サンソン「音楽家か。今はお前の冗談に付き合っている暇は無い」ガキン

ヘルタースケルター「」プシュー

アマデウス「まだ何も言ってないじゃないか……」ヴォン


アマデウス「……」スッ

サンソン「首がないと、どこを切り落とせばいいかわからないな」ザシュ

サンソン「……っ!まだ動くのか!」

アマデウス?「危ない! フォルテッシモ!」ヴォン

サンソン「はっ! 後ろにまだいたのか!」

サンソン「貴方は!」

アマデウス仮面「人呼んで、アマデウス仮面!」バーン♯

サンソン「アマデウス仮面だぁ!!」


マリー「ねぇ、一体どうしてこんなことをするの?」

デオン「え?」

マリー「いえ、答える必要は無いわ。貴方はとっても紳士な方。そのことは私たちが一番知っているわ」

マリー「チャールズ・バベッジ博士」

B「……」

デオン「貴方はあの時の!」


デオン「じゃあ、この機械人形たちは」

マリー「彼の宝具よ」

マリー「貴方はあの時、私達を助けてくれた」

マリー「それでも私達を今襲っているのは……」

マリー「本心からじゃないわよね?」

B「……」

B「逃げろ。もう間もなくアングルボダが覚醒する」


デオン「アングルボダ? それが君たちの計画の根幹か」

B「左様。巨大蒸気機関にして聖杯を腹に宿す厄災の母」

B「魔霧の源と言えよう」

マリー「今だって、貴方は私達に真実を教えてくれたわ」

B「其れ、知った処で其方達は知憶諸共消えることは確定している」

B「我らに害は無いと判断した」

マリー「……確かに、其の言葉に嘘は無いわね」


デオン「分かりません。私には、バベッジ氏が何をしたいのか全く分かりません」

デオン「剣を握るしか、ないのでしょうか」ギリッ

B「完成した魔霧はロンドンだけでなく、イギリス全土に伝わるだろう」

B「さすれば高濃度の魔霧に其方らの身は朽ち、霊核の欠片にまで還元されるだろう」

B「滅びるのは時間の問題」プシュー

マリー「優しいのね」

デオン「……」

B「……」

B「目標を捕捉。主砲充填」

デオン「来るっ」

バベッジ「その志を大英雄に束ねろ」

B「発射」

マリー「愛すべき輝きは永遠に(クリスタル・パレス)!!!!」


アマデウス仮面「機械人形の動きが止まった」

サンソン「やりましたね。アマデウス仮面」

デオン「……バベッジ氏は、何処に行ったんでしょう」

マリー「私達よりも、強い人のところじゃないかしら」

マリー「彼の言うとおり、私たちじゃ彼を倒すことは出来ないから」

デオン「……」


サンソン「つまり、“アングルボダ“の覚醒が彼らの狙いなわけだ」

マリー「ええ。バベッジ博士はそういっていたわ」

アマデウス「いいネーミングセンスだね。聖杯を取り込んだその機械はまさしく厄災の母だ」

デオン「……」

サンソン「じゃあ、アングルボダの手がかりを探しに行こう。また、あの青年に会えるといいんだが」

マリー「デオン?」


デオン「あ、いや、その」

デオン「この度は皆に迷惑を掛けてしまい本当に申し訳なかったと思う」

デオン「自分の勝手な行動で心配をかけさせた上に、危険な目にあわせてしまって……」

マリー「気にしないで、デオン。私のことはサンソンが守ってくれたわ」

デオン「あうっ」

アマデウス(天然で殺しにいくなぁ)


マリー「それに、貴方がいたからアマデウスに会うことも出来た」

デオン「うっ」

サンソン(天然で殺しにいくなぁ)

マリー「だから気にしないで」ニコッ

デオン「しかし……」

マリー「どうしても自分を許せないのなら私から罰を与えます」

デオン「あぁ。例え極刑であろうとこの身を差し出す覚悟は出来ている」

マリー「ではこの手を」スッ

マリー「二度と放さない事」

デオン「え?」

マリー「誓えるかしら?」

サンソン&アマデウス((天然で殺しにいくなぁ!))

デオン「あぁ! この『百合の花咲く豪華絢爛』に誓おう。二度とこの手を放さない」

マリー「よろしくね♪」


アマデウス「実に美しい1パートだったけど、空模様はご機嫌斜めなようだね」

マリー「雨かしら?」

デオン「あそこを見てくれ!」

サンソン「霧が……スパークしている!?」

マリー「もしかして、あれがバベッジ博士の言っていた完成した魔霧?」

デオン「だとすれば、アレに巻き込まれたら最後、私達の身体は消える!」

アマデウス「なんだって!?」


サンソン「魔霧はどんどん広がっている。このままじゃここも時間の問題だ」

アマデウス「でも、マスターのいない僕らじゃ、魔霧から出られないぞ」

マリー「ここが私たちの引き際なのよ」

マリー「最後に4人揃えることが出来てよかったわ」

デオン「あとは、“大英雄”に任せるとしよう」

アマデウス「大英雄?」

デオン「私たちの身体はあの魔霧の中じゃ霊子レベルまで分解される」

デオン「そうなった僕ら4人の魔力を束ねたとき、大英雄は召喚されるらしい」

サンソン「もう目の前まで来た。今は、その方法しかなさそうだね」

マリー「さぁ、私達の心の向きはいつだってひとつよ」

4人『フランス万歳(ヴィヴ・ラ・フランス)』


バチバチバチバチバチ


???「ふぃー。ゴールデンじゃねぇかあ」
???「みこーん♪」


―おわりー



途中私の誤爆で荒れてしまいましたが、なんとか最後まで書かせていただきました。
書き溜めしないと投稿できない性分なのでこれからは一層誤爆に気をつけます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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