【モバマス】30秒で読めるさちあす劇場 (15)




※山もなく谷もない幸子と飛鳥の超超短編



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幸子「ボクたち二人に」

飛鳥「仕事かい?」

モバ P「ああ。二人で仕事ができるようにちひろ様にお願いしてみたら、なんとか許可がでたんだ」

幸子「ボクと飛鳥さんってあまり接点がなかったと思うんですけど、なんでボクたちを選んだんですか?」

飛鳥「大方『ボクっ娘が好きだから』とかそんな程度のしれた考えだと思うけどね」

幸子「飛鳥さん……そんな小学生じゃないんですから」



モバ P「俺がボクっ娘が好きだからだ」

幸子「プロデューサーさん!?」


モバ P「とにかく、これから仕事をとってくるから二人ともよろしく頼むぞ」

ガチャバタン


幸子「……」

飛鳥「……」

幸子「まあ飛鳥さんと仕事をするのはもちろん OK ですけどね。カワイイボクとお仕事できるなんて飛鳥さんは幸せですね!」


飛鳥「………………うん。そうだね」

幸子「めちゃくちゃ嫌そうな顔してますけど!?」


飛鳥「いや……ボクは幸子のことは好きだよ。それに尊敬もしている。君はボクにはないものを持っているし、ボクにはできないことをたくさんやっているからね。君はすごい」

幸子「……飛鳥さん。フフーン。そうです。ボクはすごいんです。もっと褒めてくれてもいいんですよ」



飛鳥「アイドルなのにバンジーしたり、熱湯風呂に入ったり、バンジーしたり、野生のライオンと戯れたり、バンジーしたり」

幸子「飛鳥さんのなかのボクのイメージ像はどうなってるんですか!?」

飛鳥「キミと組むとボクもそういう仕事をさせられるんだろう?」

幸子「違いますよ!!」


幸子「だいたいユニットでの活動だったら 142’s や KBYD でも普通に旅番組やったりライブやったりしてるじゃないですか! まったく失礼ですね!」

飛鳥「む、たしかにそうだったな。ボクとしたことが失念していたよ。すまない」


幸子「それにバンジーだって週 1 でしかやっていませんよ」

飛鳥「やっぱりやってるじゃ――週 1!?」


飛鳥「どう考えても多すぎるだろ! 深夜番組に出てくる若手お笑い芸人でもそんな頻繁にしないぞ!」

幸子「プロデューサーさんがそういうお仕事ばかりとってくるんですから仕方ありません」

飛鳥「キミは「いやです」という言葉を知らないのか!」

幸子「大丈夫です。地上にいる人でも数えていればすぐに終わります」

飛鳥「そんな天井のシミを数えるみたいに言うな!!」


幸子「むぅ。じゃあ飛鳥さんはどんなお仕事がしたいんですか?」

飛鳥「ボクかい。そうだな……ボクはクールな仕事をしたいな」

幸子「クールな仕事、ですか?」

幸子(歌番組でしょうか? それともモデルみたいなお仕事とか?)



飛鳥「ゲームセンターのクレーンゲームで景品を奪い合う、というのはどうだろうか?」

幸子「いやお財布の中身は冷えますけど!!」


幸子「全然クールじゃないですし、そもそもそれお仕事なんですか?」

飛鳥「失礼な。わずかな代償で獲物をつかむ、最高にクールな職人芸さ」

幸子「いくら使ったんですか?」

飛鳥「え?」

幸子「この前ゲーセンで遊んだこと美鈴さんに聞きました。景品とるのにいくらかかったんですか?」


飛鳥「…………」

幸子「…………」

飛鳥「わずかな代償で獲物をつかむ、最高にクールな職人芸さ」

幸子「ボクの目を見てください」


飛鳥「どうやらキミとは意見が合わないらしいな!」

幸子「それはこっちのセリフですよ!」

飛鳥「ふん」プイッ

幸子「ふん」ぷいっ


「「……」」


幸子「……飛鳥さんはボクとお仕事するの嫌ですか?」

飛鳥「……いや。別に嫌というわけじゃ……」

幸子「ボクは飛鳥さんと一緒に仕事をすると聞いたとき、すごくうれしかったんですよ」グスッ

飛鳥「!?」


幸子「飛鳥さんは時々痛いところもありますけど、女性のファンもたくさんいるほどかっこよくて ……」

飛鳥(……幸子)


幸子「かなり痛いところもあるけど、歌も上手で、あとやっぱり痛々しくて……」

飛鳥「キミほんとはボクに喧嘩を売りたいんじゃないだろうな」


飛鳥(……)

飛鳥「いや、もちろんボクも幸子と仕事ができるのはうれしいよ」

幸子「……ほんとうですか?」

飛鳥「ああ、ほんとうだ」

幸子「ほんとのほんとうにですか?」

飛鳥「あ、ああ」

幸子「ほんとのほんとのほんとのほんとうに?」

飛鳥「しつこいな!!」


飛鳥「とにかく、だ。キミといるとボクも新しいセカイを開くことができる。そんな気がするんだ。とてもわくわくしてるよ」

幸子「飛鳥さん」

飛鳥「これからよろしく頼むよ、相棒」

幸子「はい!!」


ガチャ。


P「幸子! 飛鳥! さっそく仕事が決まったぞ!」

幸子「そうですか! ボクたちも話がまとまったところです。どんなお仕事でもこなしてみせますよ!」

飛鳥「ああ、今最高に気分が高まっているんだ。さあ聞かせてくれプロデューサー。ボクたちが共鳴する仕事<ステージ>の名前を!!」




P「腰に縄をつけて橋から飛び降りる仕事だ」


飛鳥「やっぱりバンジーじゃないか!!!」



30秒経ったので以上で終わりです。

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