幸子「なんでもない日とクリスマス」 (21)


どっかのライブハウス


幸子「はぁ……はぁ……」

P「ライブお疲れ、幸子」

幸子「お、お疲れなんて……これくらいのライブで疲れるようなボクじゃないですよ!…………ふぅ」

P「息上がりっぱじゃないか。ほら、タオルとドリンク」

幸子「わっ……とと」

幸子「もう、投げないでちゃんと渡してくださいよ」

P「悪い悪い、つい癖で」

幸子「まあ、ありがたく受け取っておきますよ!……んくっ」

P「素直に受けとることはできないのかお前は」


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幸子「ぷは…………ふぅ」

幸子「プロデューサーさん、これいつものドリンクじゃないじゃないですか」

P「ついさっき、スタッフさんがくれたヤツだからな。あまり文句は言わないでくれよ」

幸子「むーっ……仕方なくないですよ!用意しておくくらいは出来るでしょう?」

P「言った矢先にこれか、コイツ」

幸子「ボクはこういった一見どうでも良さそうなところにだって、一切妥協は許さないんです!……んくっ」

P「せめて態度と行動を合わせようとは思わないのか」

幸子「今回だけは許してあげます!」


P「さて、そろそろ戻らないと……ちゃんと汗ふいたか?」

幸子「もうしましたよ」

P「忘れ物もしてないか?」

幸子「それだって確認しました!」

幸子「まったく……プロデューサーさんはボクを子供か何かだと勘違いしてるんじゃないですか?」

P「子供じゃないか……そうでなくても、確認はしとかないと」

幸子「それくらいの自己管理、ボクには出来て当然なんです!」

幸子「ふふん、プロデューサーのその姿勢には感心しますけど!」

P「どの立場から言ってるんだお前は」


幸子「じゃあ、ボクは先に車の方に行ってますから!早く来てくださいね!」タタッ

P「さっきまでヘトヘトだったくせに……あの妙な元気はどこから来るんだ」

P「電気消した、イスも戻したし、鍵かけて……よし」ガチャ

P「あとはこれを返して……ん?」

幸子「…………」ガタガタ

P「どうした幸子?車に行ってるんじゃ……」

幸子「い、いやぁボクはうっかりさんですね!楽屋にコートを忘れちゃうなんて!」

P「おいこら、確認したんじゃなかったのか」

幸子「こ、これはボクのカワイさをアピールするためにしたわけで……」ガタガタ

P「そんな回りくどいアピールはしなくていい」ガチャ


そと


P「数時間 中に入ってただけなのにもうこんなか……寒っ」

幸子「同じ失敗は繰り返しませんよ!早く乗りましょう、プロデューサーさん!」モフッ

P「ちきしょうこの野郎」


バタン


P「幸子ー、ちゃんと忘れずに乗ったかー」

幸子「乗ってなかったら答えられないじゃないですか、それ」

P「一応な、一応」


ブロロロ…


幸子「……本当に、すっかり冬って感じですよね」

P「暗くなるのも早いもんな、もう12月だったか」

幸子「はい……あっ!プロデューサーさん!」

P「どうした?」

幸子「あそこ、イルミネーションがありますよ!」

P「ちょっと運転中……待ってくれ、どこ?」

幸子「ほら右側ですよ、右側」

P「あ……あー、見えた。クリスマスまだ先なのになぁ」

幸子「きれいな物が見られるんですから、いいんじゃないですか?」

P「気が早いもんだとは思うけどなー」

幸子「つまり、冬だけじゃなくて一年中カワイイボクを見られるプロデューサーさんは幸せ者、ってことですね!」

P「何がつまりなんだ」


P「しかし、今年もクリスマスがやって来るのか……」

幸子「イヤなんですか?」

P「イヤというか、クリスマスってやっぱりイベント多いじゃないか」

P「そのせいで、特に一、二週間くらい前から当日まではかなり辛いわけで……」

幸子「大変そうですねぇ……まあ、ボクをトップアイドルにするためなら仕方ないですよね!」

P「トップアイドルになったら同じ気持ちを味わうことになるぞ?」

幸子「なんてことを言うんですか!」

幸子(それにしてもクリスマスかぁ……)

幸子(ここでボクが何かしてあげても……あ!)

幸子「ふふ、いいことを思いつきました!」

幸子「プロデューサーさん!事務所まで急いでください!全速力で!」

P「赤信号なんだけど」

事務所


ガチャ


千川ちひろ「あ、ライブお疲れさまー、幸子ちゃん」

幸子「ふふーん、ありがとうございます!」

幸子「それとちひろさん、画用紙ってどこかにありませんか?」

ちひろ「画用紙?うーん……コピー用紙ならそこにあるんだけど……」

幸子「むぅ……この際仕方ありません。一枚もらいますね!」

ちひろ「はーい」

ガチャ


ちひろ「あ、プロデューサーさんもお疲れさまです」

P「どうも、ありがとうございます」


幸子「かえ……どういう字だっけ……」キュキュッ


P「何してるんですかアイツ?」

ちひろ「さあ……紙に何か書いてるみたいですけど……」

P「おーい幸子、何書いてるんだ?」


幸子「プロデューサーさんはこっち来ちゃダメですよ!」


P「本当に何してるんでしょうね……」

ちひろ「さあ……」


幸子「赤と緑で……よしっ」キュッ

幸子「プロデューサーさん!こっちに来てください!」

P「なんだ、終わったのか?」

幸子「ええ、仕事漬けのクリスマスを送るであろうかわいそうなプロデューサーさんに、ボクからのプレゼントです!」スッ

P「言い回しやめて。それより何だこれ……」


P「『ボクのプレゼント引き換え券』?」


幸子「ふふーん!」ドヤァ


幸子「ボクから直々にその券の使い方を教えてあげますね!」

P「そもそも名前以外書いてないんですけど」

幸子「その券は名前の通り、ボクのプレゼントと交換できる券です!」

幸子「有効日は12月25日の一日限定!」

幸子「つまり、それを使えばボクからのクリスマスプレゼントが確実にもらえるってことです!」フンス

P「だったら普通にくれればいいことじゃ……」

幸子「もちろんこれだけじゃありませんよ!裏側もちゃんと見てください!」

P「裏側?」ペラッ


『使う時にはボクへのプレゼントも必ず用意しておくように!』


幸子「まあ、プロデューサーさんがボクにプレゼントをくれることは当たり前だと思いますけど!」

P「お前絶対ハメようとしただろ」


P「でも別に使わなくたっていいんだよな?」

幸子「ええっ!?」

P「だってなー、こっちも用意しなきゃいけないんじゃなー……」

幸子「それはズルいですよ!もらった以上は使わないとダメです!」

幸子「もったいなくて使えないっていうのは……それもあまりダメです!」

P「ああ言えばこう言う……分かった、ちゃんととっておくよ」

幸子「ふふん!分かればいいんです!」

幸子「これ以上遅くなるといけませんから、そろそろボクは帰りますね!」

P「オーケー、ストレッチ忘れるなよー」

幸子「プロデューサーさんこそ、ボクの引き換え券無くさないでくださいね!」

P「だから分かってるって」

幸子「それじゃ、お疲れさまでした皆さん!」

ちひろ「はーい、お疲れさまー」

P「お疲れさまー、気をつけて帰れよー」


パタン


P「ふぅ……」


P「全く……素直に言うってことは出来ないのかアイツは」

ちひろ「ふふ、でも幸子ちゃんらしいプレゼントじゃないですか?」

P「そんな、結局は自分へのプレゼントがもらえるか心配だけですよ」

P「こんなことしなくたってあげようとは思ってましたけど……最近頑張ってますし」

ちひろ「へぇー」ニヤニヤ

P「ちひろさんも、ニヤついてないで仕事に戻ってくださいよ」カタカタ

ちひろ「はーい」クルッ

P「全く……」





P「ところでちひろさん、幸子みたいな子が喜ぶプレゼントって何だと思います?」

ちひろ(プロデューサーさんも素直じゃないなぁ)



おしまい

見てくれた人いたらありがとう

久々に書いたらこんなもんだよ
幸子Pすまぬ

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