幸子「シンデレラガール総選挙用PV?」 (26)
~in事務所~
小梅「……うん。プロデューサーさんが、私達のために作った……って」
輝子「い、忙しい中PVを作るなんて、親友はプ、プロデューサーの鑑……フヒヒ」
幸子「へえ、プロデューサーさんもやるじゃないですか」
幸子「まあ、そんなことしなくてもボクが一番カワイイのは周知の事実ですけどね!」ドヤァ
幸子「そ、それで? そのPVはどこにあるんです?」ソワソワ
小梅(嬉しそう)
輝子(嬉しそう)
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輝子「こ、これ。と、とりあえず出来たとこを見て欲しい……って言ってた」
幸子「このDVDですか? これならここのプレイヤーで観れますね」
ウィーン カチャ ウィーン
小梅「コンセプトは……『3人の日常・喜怒哀楽』らしい、よ」
輝子「ちょ、ちょっとドキドキする……な」
幸子「プロデューサーさん、ボクのカワイイところをお願いしますよ!」
サイセイポチー
小梅「……始まった、ね」
アタマネジキッテオモチャニシテヤルゼー
幸子『ひっ! ななななんですかこの映画は!』
小梅『……核戦争後を舞台にした、世紀末スプラッターアクションホラー、だよ?』
幸子『節操無く取り入れすぎですよ! ボ、ボクとしてはもっと落ち着いた内容のものをですね!』
ノゾミガタタレター
幸子『ひゃっ!?』
輝子『さ、幸子ちゃん……こ、怖い?』
幸子『そそそそんなわけあるわけないじゃないですか! このカワイイボクが怖がったりなんて!』
ハハッゲイリー!
幸子『きゃあっ!』
小梅「……これ、皆で映画観た時……だね」
輝子「け、けどこれ、小梅ちゃんの部屋で観たのに、映像がある謎……フ、フヒヒ」
幸子「」
小梅「……幸子ちゃん、固まってる」
輝子「あ、あの時の恐怖が蘇った?」
小梅「……まだ、続くみたい」
小梅『……幸子ちゃん、大丈夫?』
幸子『お、お気遣いなく! これくらい平気ですから!』
小梅『……そう? あ、ここからが……盛り上がる、ところ……』パアァア
幸子『ッ!?』ビクッ
輝子『さ、幸子ちゃん……こ、怖いなら、て、手繋ぐ……?』
輝子『え、えっと……じ、実は私も怖い、から……つ、繋いで欲しい、なんて……フ、フヒヒ』
幸子『! そ、それなら仕方ないですね! ボクは平気ですけど輝子さんが言うなら仕方ないですからね!』ギュウウウ
輝子『す、少し力緩めて……』
幸子「無しです! このPVは無しです!」
小梅「あ……復活、した」
幸子「ボクの情けないところばっかりじゃないですか! こういうのはボクのイメージじゃありません!」
輝子(どこが、とは言わぬが花……フヒヒ)
小梅「……けど、これは喜怒哀楽のどれ……なんだろ」
幸子「ええ? ボクが怖がって……心乱しているので『哀』じゃないですか?」
輝子「い、いや……わ、私が嬉しかったから『喜』、だな。フヒヒ」
小梅「……嬉しかった?」
輝子「う、うん。わ、私一応一番年上……だ、だけどらしいところ、見せたことなかった……フ、フヒヒ」
輝子「け、けど幸子ちゃん……わ、私のこと頼ってくれたのが、信頼されてるみたいで、う、嬉しかった」
幸子「『頼ってくれた』って……そ、それじゃああの時、輝子さんは怖くなかったんですか?」
輝子「フヒ、フヒヒ……それも言わぬが花」
幸子「え、ええと……ありがとう、ございます」
幸子「こ、このボクから感謝されるって名誉なことですからね! ほ、誇りに思っても構いませんよ!」
小梅「……照れてる幸子ちゃん、可愛い」
幸子「今カワイイって言わなくてもいいんですよぉ! つ、次行きましょう!」
幸子『ひどいです楓さん! それが大人のやることですか!』
楓『ごめんなさい幸子ちゃん。名前書いてるある方だけだと……下に重なっていたのもそうだとは思わなかったの』
幸子『ボクが楽しみにしていたプリンを食べちゃうなんて!』
小梅「……これは、『怒』?」
輝子「それっぽい、な。フヒ」
幸子「……今更ですけど、この映像って誰が撮ったんですか? 隠し撮りにしては、アングルがバッチリ過ぎるんですが」
小梅「……ちひろ、さん?」
幸子「それで納得出来るのって凄いことだと思います……」
楓『その、今から同じものを買ってくるから、それじゃ駄目?』
幸子『ボクは気をそがれたことに怒ってるんです! 簡単には許しみゃせん!』
小梅「……噛んだ、ね」
輝子「か、噛んだな。フヒヒ」
幸子『い、今のはわざとです! ボクが噛むわけにゃいですからね!』
小梅『……また、噛んでる』
輝子「フヒ、フヒヒ……」
幸子「」
楓『……ふふっ』
幸子『うー……。も、もういいです。怒る気がなくなりました……』
楓『……許してくれる?』
幸子『ええ、ボクは子どもじゃないので』
楓『ありがとう幸子ちゃん。優しいハートにはぁ、と関心しちゃいます』
幸子『ははは……』
楓『私が食べた分、買ってきますね。プロデューサーさんと一緒に食べたかったんでしょう?』
幸子『べ、別にそういうわけじゃないです。仕事に忙しいプロデューサーに、優しいボクをアピール出来ると思っただけですから』
楓『それじゃあ、尚更急がないと……ふふっ』
幸子『そんな優しい目で見ないでくださいよー、もう……』
幸子「無しです! これは無しです! そもそもお二人いなかったじゃないですか!」
小梅「……幸子ちゃん、可愛かった、よ?」
輝子「ぜ、全体の中で幸子ちゃんが目立つパートがあってもいい、と思う……フヒ」
幸子「ええ……なんでお二人共そんなに寛容なんですか……」
小梅「幸子ちゃんが……リーダーだし……」
輝子「目立って当然……むしろ義務、かも。フヒヒ」
幸子「そ、そう言われると反論しづらいですね……」
幸子「……まあ、いいです。輝子さんの言う通り全体のバランスが大事なんですから」
幸子「とりあえず続きを見ましょう」
幸子?『早く皆さん! 女子寮まで急いで!』
小梅?『だ、駄目だよもう! 私達はここで死んじゃうんだ!』
輝子?『ハッハー! 死ぬにはいい日だな!』
武内P『……』
幸子?『諦めないで! 急がないと死の灰が……!』
幸子「……あの、いいですか」
小梅「……どうぞ」
幸子「なんでボクと小梅さんっぽい外人さんが映ってるんですか」
小梅「……外国が舞台、だから? 事務所の近所っぽい……けど」
幸子「なんで輝子さん? は黒人男性になってるんですか」
輝子「……フヒヒ、主要キャラに一人は黒人がいないといけないっていう、お、大人の事情ってやつだな」
幸子「あと、プロデューサーさんっぽい人はなんですか。あの目絶対数人は殺ってますよ」
小梅「……プロデューサーさんの、知り合い?」
ちひろ『駄目です! この女子寮はどうつめても後3人しか……!』
幸子?『そ、そんな! 一体どうすればいいんですか!』
小梅?『ああ、あの子の元に行くんだね……』
輝子?『シィット! こんなことなら熱々のピッツァを山ほど食っておくんだったぜ!』
武内P『……』
幸子「ちひろさんはそのままなんですね……」
小梅「……あと5,6人は余裕そう、だけど」
輝子「そ、それも大人の事情だな……フヒヒ」
武内P『……』スッ
幸子?『プロデューサーさん? 何を!?』
武内P『……』ドン
幸子?『わ、私達を女子寮に……!?』
小梅?『プロデューサーさん!? は、早く中に入って!』
輝子?『そうだぜブラザー! 一人だけいいかっこなんてするんじゃねえ!』
武内P『……いえ、男子禁制ですから』
幸子?『プロデューサーさん!』
武内P『……失礼します』
幸子?『プロデューサーさん! 駄目です――!』
幸子「……」
小梅「……」
輝子「……」
幸子(突っ込んだら負けです。きっとそうなんです……)
幸子?『は、はやく扉を! プロデューサーさんは!?』
武内P『……』マッシロケー
小梅?『そ、そんな……』
輝子?『……ジーザス』
武内P『輿水さん……』
幸子?『! は、はいボクですよ! 輿水幸子です!』
武内P『……笑顔、です』ガクッ
幸子?『……プロデューサーさん? プロデューサーさん、ねえ目を開けてくださいよ……』
幸子?『プロデューサーさーーーん!』
幸子「……あの、これってボク達のPVですよ、ね?」
幸子「ついにボク達が映ってすらいなかったんですが」
幸子「えっと、お二人は………?」
小梅「……哀しいね」
幸子「!?」
輝子「……うん、幸子ちゃんが親指を立てながらスカイダイビングするシーンは涙なしで観れなかった」
幸子「そんなシーン1ミリもありませんでしたよね!? というかこれが『哀』なんですか!?」
小梅「だって……人が死んだんだよ?」
幸子「あなたがそれを言いますか!? こんな展開で『ほら泣けよ』されても泣けませんから!」
輝子「ぜ、全キノコが泣いた……フヒヒ」
幸子「信用出来ませんよそんなコピー!
幸子「ああもう! さっさと最後まで観てプロデューサーさんに文句言ってやります!」
幸子「……あれ? ここまでしか無いみたいですが」
小梅「……ほんとだ。どうしてだろ?」
ガチャ
輝子「あ、親友……とちひろさん。そのカメラ……なに?」
幸子「プロデューサーさん! ……ひょっとして、これってドッキリですか?」
小梅「……違う、の?」
ちひろ「PVはこれから完成するんですよ」
幸子「ちひろさん? どういう意味ですか?」
ちひろ「あなた達3人が楽しそうだな、って思えるシーンは何か、とプロデューサーさんは考えたの」
ちひろ「それで、思い至ったのが幸子ちゃんを中心にして、何かしているところ」
ちひろ「普段プロデューサーさんを振りまわしている幸子ちゃんが、二人に振り回されている所が楽しそうだって」
ちひろ「そこで、先に作っておいた映像を観せて、その反応を撮りたかったの」
幸子「それで、あんなに突っ込みどころが多いPVだったんですか……」
ちひろ「ええ。どうだったかしら?」
小梅「……うん、楽しかった、ね」
輝子「わ、私も。さ、幸子ちゃんは?」
幸子「……イジられ役なのは、ちょっとだけ不満ですが。けど、楽しかったのは間違いありません」
ちひろ「成功、みたいですね」ニコッ
ちひろ「じゃあ、プロデューサーさん。シメの台詞を頂きましょう」
P「……」グッ
幸子「フフン、ボクに任せて下さい!」
幸子「コホン、これを観ているファンの人達! まあ、いないとは思いますがそうじゃない人たちもですが!」
幸子「これからも、この先も、ずっとボク達を応援してくださいね! それって凄い名誉なことですから!」
幸子「地獄に落ちても忘れられないユニット名は! カワイイボクと!」
小梅「……142`s」
輝子「です……フヒヒ」
幸子「3人共々、応援お願いしますよー!」
おわり
くう疲。幸子中間10位だったけどどうなるかなー
プロデューサー、課金ブーストは使うなよ?
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