モバP『幸子ォ!結婚しろオォ!!』 (91)

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モバP『幸子ォ!結婚し』ブツッ
モバP『幸子ォ!結婚し』ブツッ - SSまとめ速報
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>>50から再開

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429553263



幸子「プロデューサーさん。卯月さんの復帰記念ライブの事が新聞に載ってますよ」

【足のケガ完治!島村卯月、復活!!】

幸子「プロデューサーさんのお陰で卯月さんは足のケガだけで、早く復活もできました。流石はボクのプロデューサーですね、褒めてあげます!」

P「……」

幸子「ボクのプロデューサーなんですから、トラックに撥ねられても格好よく受け身をとれるくらいでもよかったんですけどね!」

P「……」

幸子「それでは、今日はボクもライブがありますから。行ってきますね、プロデューサーさん」



ちひろ「幸子ちゃん、お疲れ様」

幸子「フフーン、今日もファンの皆さんにボクのカワイさを見せつけてやりましたよ!プロデュ…」

ちひろ「…」

幸子「あ、な、なんでもないです!先にあがります!お疲れ様でした!」

ガチャ

バタン

ちひろ「…お疲れ様」






幸子(……明日も早いですから、早く寝ないと…遅れたら……プロデューサーさんに怒…)

幸子「っ……プロデューサー、さん…」グスッ


P「……」

幸子「おはようございます、プロデューサーさん。昨日のライブは大成功でしたよ!」

P「……」

幸子「ボクの可愛さは本当に罪ですねぇ。ファンは魅了されまくりでした!」

P「……」

幸子「…ボクのこと褒めてくれてもいいんですよ」

P「……」

幸子「ま、まぁプロデューサーさんはヘタレですから言葉が詰まるのも納得ですけどね!」

P「……」

幸子「…お寝坊さん過ぎるのも、考えものです」




ちひろ「…………っ」


幸子「プロデューサーさん」

P「……」


幸子「プロデューサーさん?」

P「……」


幸子「プロデューサーさぁん…むにゃむにゃ」

P「……」


幸子「プロデューサーさん!」

P「……」





ちひろ「……」


幸子「こーいのーちかーらーここにあるー」

<……!…!!

幸子「おや?先に誰か来てるんですかね……カワイイボクですよ!」ガラッ



ちひろ「馬鹿!」パァンッ

P「……」

幸子「ち、ちひろさん?一体何をしてるんですか…!?」

ちひろ「……幸子ちゃん」

幸子「起きませんよ。ボクが何度叩いて起こそうとしたと思ってるんですか?」

ちひろ「……ごめんなさい。わかってはいるんだけど、ね。仕方がない事で、プロデューサーさんが悪くないのも…」

幸子「いえ。プロデューサーさんは悪いです」キッパリ

ちひろ「え」

幸子「どんな理由であれこのボクを寂しい目に合わせるなんて万死にあたる行為ですよ!これはもう数日どころか一ヶ月はショッピングに付き合ってもらうしかないですね!」ドヤーン

ちひろ「…ふふ、そうね」

幸子「それに、電話口で1度だけ聞いた言葉を面と向かって言ってもらわないとモヤモヤするんです!」

ちひろ「?」

幸子「あ、なんでもないです。とにかく、疲れが取れたら早く起きてくださいねプロデューサーさん!」






小梅「……忘れ物…忘れ物。あった、ゾンビちゃん」

小梅(あれ?ちひろさんに借りた合鍵…どこに置いたっけ…?明日の朝…返さないと……なのに)

『テーブルの上だぞ』

小梅「あ…プロデューサー……さん?」

『……』スウッ

小梅「消えちゃった…、どうして……事務所に…?」




幸子「おはようございます!ボクです!」

ガチャッ

ちひろ「おはよう、幸子ちゃん」

小梅「あ…幸子ちゃん」

幸子「はい?」

小梅「昨日、事務所に…」

幸子「なんです?」

小梅「あ……ううん、なんでも…ない…の」ソソクサ

幸子「……」

ちひろ「今日も……行くの?」

幸子「当然ですよ!なんてったってボクが居ないと寂しくてプロデューサーさんは泣いちゃいますからね!」

ちひろ「…そうね」




小梅「どうしよう…言った方が……よかったかな」


ちひろ「あ、幸子ちゃん。何か落としたわよ」

幸子「フフーン、プロデューサーさんと一緒に出掛けた時に撮った写真を一枚一枚丁寧に綴じてるんです!見てもいいですよ!」

ちひろ「出掛けた?いつの間に……」パラパラ

幸子「プロデューサーさんのところに持って行ってあげるんです!そうしたら起きたくなるかもしれませんから!」

ちひろ「そっか…………最近できた予約入れないと入れないってくらい人気のお店!開店記念サービス?開店初日に行った…だと?う、羨ましい…」

幸子「お弁当を持ってピクニックにも行ったんです、近くの公園ですけどね。心の広いボクは陽が沈むまでお話に付き合ってあげましたよ!この写真です!」

ちひろ「へ、へぇ…」

幸子「それからそれから…」



pipipipipipi

ちひろ「あ、もしもし346プロです。はい、はい……えぇっ!?はい、分かりました…失礼します」

幸子「どうかしたんですか?」

ちひろ「小梅ちゃんも呼んできてくれる?」

幸子「は、はい」




小梅「…うん、うん。じゃあ…お願いするね」

幸子「あ、いたいた小梅さ……誰とお話してるんですか」ピクッ

小梅「え…?あ、あの子…だけど」

幸子「ぼ、ボクには見えませんから!」

小梅「何か…用事?」

幸子「ちひろさんが呼んでますよ、行きましょう」

小梅「…うん……?」


ちひろ「突然ですが、2人に仕事のオファーが入りました」

幸子「ボク達2人ですか?」

小梅「ホラーなら…いいな」

幸子「流石にそれは無いですよ!ね!…ね?」


ちひろ「心霊スポットに乗り込んでもらいます」

幸子「」

小梅「わー」パチパチ

ちひろ「有名番組だから知名度もグンと上がるわよ!」

幸子「い、いやー……ボクは遠慮しておきますよ。そうだ、智絵理さんとかの方がいい画が撮れると思いますよ!」

ちひろ「カワイイ幸子ちゃんが出るといい画が撮れると思うな」

幸子「当然ですね!……はっ」

ちひろ「……」ニッコリ


幸子「あ、あわわ…」

ちひろ「鹿児島……芳乃ちゃんの地元ね。3日かけて行ってもらいます」

幸子「で、でもボクが居ないとプロデューサーさんが寂しくなっちゃいますよ!」

ちひろ「3日くらい大丈夫。プロデューサーさんだって我慢してくれるわ、もしかしたら頑張った幸子ちゃんを褒めるために起きてくれるかもしれないわよ?」

幸子「う……それなら…でも……」



小梅「…幸子ちゃんは……居た方がいいと、思う」

幸子「で、ですよね!」

ちひろ「え?どうして?」

小梅「…………プロデューサーさんが…だから」

ちひろ「大丈夫大丈夫、乗り気じゃないなんて小梅ちゃんらしくないわよー。幸子ちゃんと一緒に行ってらっしゃい」

小梅「……」

幸子「……はぁ、行かなきゃだめなんですね…カワイイボクの泣き叫ぶ姿をお茶の間に流すといいです」ハァ

ちひろ「その間はプロデューサーさんのお世話は私がしておくから、安心して?」

幸子「分かりました……あ、でも!目が覚めたら真っ先にボクのところに電話をいれさせてくださいね!撮影中とか関係ないです、絶対でますから!」

ちひろ「撮影が終わった頃に電話をさせます」

幸子「わかりました、譲歩してあげましょう。ボクの心は仏様よりも寛大ですからね!」


ちひろ「じゃあ早速、明日から出発」


幸子「早くないですか!?」

ちひろ「身辺警護は任せて。《リトルバード》から暇を持て余してるエージェントを派遣して貰うから。陰ながら護ってくれる筈よ」

幸子「なんですか、そのリトルバードって」

ちひろ「禁則事項です」




「……あら、《ドリンク》さん。私に何か用?」


「身辺警護…?そんな事のためにウチのアイ……エージェントを?」


「……なん、ですって…?伝説のBL作家の秘蔵資料集と、ついでに346アイドルのプロマイド……!?」


「分かったわ。765のプロデューサーには温泉旅行と称して”彼女達”がロケに沿うように動いて貰うわ」


「そうね、コードネームは……《A美》と《M美》」


「えぇ。いい取引だったわ」


ガチャッ



IDめっちゃ変わる…寝落ちます

あれ……いつの間にかドッペルゲンガーが…

お疲れ様です



幸子「それじゃあ行ってきますねプロデューサーさん!帰ってきたらボクの武勇伝をたっぷりと聞かせてあげますから!」

P「……」

幸子「ボクが居ない間はちひろさんがお世話をしてくださるそうです、精々寂しがっててください!」フフーン

P「……」

幸子「あ、でもすぐ帰ってきますから。寂しがる必要はありませんよ!戻ってきたら事務所より先にここへ来てあげますから。ボクは優しいですねぇ」

P「……」

幸子「……」

P「……」

幸子「それから」

ちひろ「幸子ちゃん…」

幸子「うぅ、分かってますよ……プロデューサーさんの事、くれぐれもお願いします」ペコッ

ちひろ「任せて」ニコッ


小梅「…」

幸子「…行きましょうか」

小梅「…」

幸子「小梅さん?」

小梅「あの……ね、やっぱり………え?」パッ

P「……」

小梅「…ごめんね、幸子ちゃん」ボソッ

幸子「どうしたんですか?」

小梅「……なんでもない。よ」

生存報告でした
明日からまたパッションブチ回しで投下していきます
これからもよろしくお願いします

ちひろ「すみません、うちの2人をよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします…というか、偶然うちのが旅行券引き当てたので丁度よかったです。そちらのPさんが抜けてて大変でしょう」

ちひろ「他社のPさんに、しかも初見の方にお願いするので大変申し訳ないんですけど…」

「いえいえお気になさらず。……Pって…なんでしょうね。本当……マネージャーとは違うような………でもマネージャーみたいな事ばかり力を入れてるような…」フフ

ちひろ(なんて遠い目を…)

「とにかく、しっかりと保護者役を務めてみせますからお任せください。なに、こういった事は慣れて…」



幸子「ちょっ、誰かあの双子さんどうにかしてください!」

小梅「あわわ……割れちゃってる…」


「…慣れて」


幸子「え?いや、ボクは…、いえ。確かにボク達の知り合い、です。お騒がせしてすみません」

小梅「ごめんなさい…」


「………慣れて」

幸子「はぁ……一つ下なのに子供みたいですね。先が思いやられます」

小梅「私たちはお仕事…だけど…あっちは、旅行、だから……楽しみなの…かも」

幸子「…そうですよね。こちらが無理を言って保護者役をお願いしたんですからこんな事言うのは大間違いですね。それもこれもプロデューサーさんが寝坊助さんだから……」

小梅「……」


「……………慣れ、て」


『迷子のお知らせをします。双子の女の子が保護者のお兄さんを探していま『兄ちゃーん!迷ったー!』』


幸子「……ちひろさんとお話しをしてらっしゃるみたいですし、ボク達で迎えに行きましょうか」ハァ

小梅「う、うん…」


「………………すみません」ズーン

ちひろ「い、いえいえ」

「お預かりする子達だけは何があっても無傷でお返ししますから……!くっそぉぉぉぉ慰安なんてできるかー!!」



ちひろ「…大丈夫かしら」






幸子「………」

小梅「幸子ちゃん、大丈夫……?」

幸子「正直なめてました……ここまで本気な心霊スポットだとは思いませんでした…」グスッ

小梅「私は、楽しかっ…た、よ?」

幸子「そりゃあ小梅さんだからですよ!どうなってるんですかプロデューサーさ……すみません。気にしないでください」

小梅「……心配、だよね」

幸子「…そんな事は、無いですよ。きっと、このお仕事が終わったらボクを元気に迎えてくれるはずですから」

小梅「……っ」

幸子「……小梅さん?」

小梅「…幸子ちゃん、本当に…ごめん、ね」

幸子「……?」

コンコン

ちひろ「失礼します。プロデューサーさん、幸子ちゃんと小梅ちゃんからメールが届いてましたよ。『お休みなさい』って事と今日のロケについて…」

P「……」ガクガク

ちひろ「!?」

P「…………ぁ……っ………!!」

『はい、ナースセンターです』

ちひろ「すみません!様子がおかしいんです!来てください!!」

P「……さ………ちこ…」

ちひろ「そうだわ、幸子ちゃんに電話を……」

ガシッ

ちひろ「!」

P「……」フルフル

ちひろ「プロデューサーさん!?大丈夫ですか!?」

P「……………」



P「………………………………」ガクッ



ちひろ「!!!!!」

76⑤の双子か…>>1は酉つけない?
偽物対策に酉がほしい

小梅「!」ピクッ

幸子「ふぁ…どうしたんですか小梅さん」ウトウト

小梅「あの…あの、ね」

幸子「…zzZ」

小梅「あ…幸子ちゃん、起きて…」ユサユサ

幸子「……zzZ」

小梅「……ぁぅ」




ちひろ「……」

凛「…」

卯月「ふぇ…えぇぇぇぇぇん」

P「」

凛「…」

ちひろ「もう遅いから。明日にしましょう。諸々の事はわたしがやっておくから…」

凛「幸子に、連絡は?まだなら私が」

ちひろ「…しないでいいわ」

凛「……何で?」

ちひろ「……」

凛「……」

卯月「う……っ、うぅっ」

凛「卯月、帰ろ」

卯月「……っ、……っ」グスッ

ちひろ「……」



幸子「……zzZ」スヤスヤ

小梅「……」

幸子「…プロデューサー…さん……」

小梅「っ」

ムニーッ

幸子「いふぁいいふぁい!いふぁいれふ!?」

小梅「…おはよう」

幸子「小梅さん…どうしたんですか……お仕事まで時間はあるはずですよ…」ウトウト

小梅「あの、ね…プロデューサーさんが…、………………!?」ハッ

幸子「…え?え?ボクの後ろに何かいるんですか?」

小梅「……」

幸子「小梅さん?小梅さん!?」

小梅「…うん、わかった……え?話したい事……」

幸子「」サーッ

小梅「幸子ちゃん、お仕事…頑張ろうね……」ニッコリ

幸子「な、ななナニとお話ししてたんですか…?冗談ですよね……?」

小梅「…うん、私…頑張る、ね」

幸子「ひぃぃぃぃぃーーっ」ダッ


『…………』






幸子「この船、どこまで行くんですか?沖まで行くんですか?……え、今日は素潜りで魚獲り!?む、無理です無理!」

小梅「幸子ちゃん…人魚みたいだから、大丈夫」グッ

幸子「なんですかそのサムズアップ!ま、まぁボクは人魚のように可愛いから当然といえば当然ですが……あっ!や、やめてください!銛渡さないで…あーっ!」ザパーン

小梅「あ…」

幸子「ゲホッゲホッ、酷いです!」



幸子「輿水幸子と」

小梅「白坂小梅の」

「「50分クッキングー」」

幸子「って長いですよ!どんだけこだわって作るんですか!」

小梅「本日の食材、は…幸子ちゃんが20分程で獲ってきた…イカ、タコ、アジにホタテに……えっと、金目鯛?です。海の幸が…たくさん」

\ピチピチ/

幸子「思ったより獲れましたね!息継ぎ無しでもスイスイ泳げてどこまでも行けるような感覚でした!」

小梅「…実際殆ど息継ぎしてなかった、よ?」

幸子「そうなんですか?ボクって実は人魚姫かもしれませんね!」

小梅「金目鯛って…素潜りで獲れる、の?」

幸子「さぁ、50分なんてボクもテレビの前のみなさんも待ってられませんしサクッと調理しちゃいましょう。まずは」

小梅「まずは…こう」


ザクゥッ!!!

ピピッ!

小梅「それから…」

幸子「小梅さん小梅さん、頬の血拭ってください。絵面がアイドルのソレじゃないです」

小梅「?」フキフキ

幸子「気を取り直して調理再開です。ボクはお料理も完璧ですからね!」サッサッ

小梅「手際がいいです、ね。お店開ける…かも」

幸子「そんな事しちゃったら毎日大繁盛で近所のお料理屋さんが可哀想ですからね、ボクはアイドル一筋です」サッサッサッ

小梅「私も頑張るぞー…」





幸子「完成です!」ドヤーン

小梅「DEATH」ドヤーン

幸子「……流石に量が多いですね。スタッフの皆さんにもふるまっちゃいましょうか」

小梅「そうしましょー」


【次回予告】

小梅「明日は…遂に幸子ちゃんが単独で心霊ゾーンに突入…します」

幸子「ついに明日なん……ボクだけなんですか!?それこそ小梅さんのための番組みたいなものなのに!」

小梅「私だって…行きたい……!」ギリッ


オツカレサマデシター


幸子「本当にボクだけなんですね…」

小梅「怖い…?」

幸子「こっ!怖くなんかないです!」

小梅「大丈夫、だよ?幸子ちゃんには、最高の守護霊が憑いてる…から」

幸子「そうなんですか?ま、まぁボクですからね!守護霊もそれぐらいじゃないと釣り合わないですよね!」

『…………』




\ボクダケナンデスカ!?/

ちひろ「……」チラッ

P「」

ちひろ「………ごめんなさい、幸子ちゃん」




.

幸子「さぁ帰りましょうもう帰りましょう一刻も早く帰りましょう!」ズンズン

小梅「幸子ちゃ…待って……!」

幸子「ロケ終わりましたよね!今夜の最終便に飛び乗れば帰れますよね!帰りましょう!!」

小梅「えぇ…」

幸子「もーむりです!ここここんな怖…くないですけどあまり好きではないお仕事は初めてです!これはもうプロデューサーさんにやり遂げた事を褒めてもらうしかないですよ!」


「「んっふっふー、そうはうどん屋がおろさないっしょ→」」ガシッ

幸子「ぬぁっ、なんですか!?」

小梅(うどん屋…?)

「明日まで、いや明後日までは足止めさせてもらうかんね!」

「兄cの保護者役が長ければ長いほど我々の温泉旅行も長引くのだよ…それがピヨちゃ…《リトルバード》との契約なのさー!」

「「んっふっふー」」

幸子「完全にそっちの都合じゃないですか!?ボクは関係ないので勝手に旅行しててください!」

「えぇいうるさい!やれー!やってしまえー!」

「おー!」

幸子「この程度…とりゃぁっ!」シュンッ

「「なにぃっ?!」」

幸子「はぁ、はぁ…行きますよ小梅さん!」


pipipi

『す、すまねぇピヨちゃん…A美達には止められなかったよ…がくっ』

『ほーしゅーはスイス銀行に……がくっ』

ブツッ

「……まずいわね」



小梅「…ね、ねぇ幸子ちゃん…もう遅いし…今日のところはゆっくり……」

幸子「却下です!ボクがプロデューサーさん成分が不足して死んじゃいますからね!」ドヤーン

小梅「そ…そう……」





ちひろ「もしもし。夜遅くにごめんなさい、千川ちひろです。明日のお葬式…幸子ちゃんが辿り着けないように足止めを…」

『!!?、!!!、!!!!』

ガチャッ

ちひろ「…まぁ、怒りますよね普通。どうせ朝のニュースで勘付かれると思うけど……少ない可能性に賭けてなんとか…」


幸子『……プロデューサーさんの事、くれぐれもお願いします』


ちひろ「…憂鬱ですよ本当」ハァ


幸子「くっ…間に合いませんでしたか……!仕方ありませんね、朝イチの便で行きますよ!」

小梅「か…仮にもアイドルが野宿は……私はいいけど…」

幸子「……それもそうですね、ボクは可愛いですから暴漢に襲われてしまうかもしれませんね。近くで宿を探しましょうか」

小梅「…」ホッ




幸子「おやすみなさい小梅さん。明日は早起きですよ!早起き!」

小梅「う、うん…」

幸子「……zzZ」

小梅「……」

『…………』

小梅「……謝らないで」




幸子「出発ですよ!」

小梅「待ってぇ…」トコトコ

幸子「あ、朝ごはん食べないとですね。機内食……うーん、途中で何か買って行きましょうか」

小梅「う、うん…?」

幸子「何があろうと朝ごはんはきちんと食べないとダメです。体調管理にも気を使えるボクはカワイイですよねぇ」

小梅「そう…だね…」

幸子「コンビニでいいですか?あとはタクシーに乗って空港まで戻って…」

小梅「…ひぃー……」




幸子「ちょうどいいところにタクシー発見です!さぁさぁ小梅さん!プロデューサーさんが待ってますよ!!」

小梅「ま、待って…」

幸子「空港までお願いします!」



幸子「帰ったら数日オフですから、まず遊園地に行って、その後は…」

小梅「……」

RADIO『今朝のニュースの時間です』

幸子「そうだ。あの公園にも行きましょう!お弁当を作ってあげないとですね!このボクの手料理を味わえるなんてプロデューサーさんは本当に幸」




RADIO『今話題の346プロダクション、所属している全アイドルが一斉に休暇を取りました』




小梅「」

幸子「せ……ぜ、全アイドル!?何事ですか!?」

RADIO『幸いにも私の行く予定でありましたニュージェネレイションのライブは一週間ほど先……失礼しました。幸いにも休暇は1日、2日ということで経済的な打撃は数億円に登るそうですがここはファンとしてグッと堪えましょう。愛ですよ愛。今朝のニュースでした』

幸子「……ま、まさか」ハッ

小梅「…幸子…ちゃん、実は」

幸子「プロデューサーさん、ボク以外にも遊ぶ約束を……!?そんな、約束が違います!!」

小梅「う…うん…………うん?」

幸子「全アイドルだなんて…くっ、なんという裏切り行為……訴訟も辞しませんよプロデューサーさん!!」

小梅「……」

幸子「小梅さんも何か言っ…まさか小梅さんまで!?」

小梅「あの…ね?幸子ちゃん…?」

幸子「ぐぬぬぬぬ…」

RADIO『先ほどお伝えした346プロダクションについてのニュースですが、誤りがありました』

幸子「は、あはは。ですよね、流石にそれは…」

RADIO『最後に経済的な打撃が数億円と言ったな。あれは嘘だ。世界レヴェールのアノ人や海外公演組も緊急帰国したようで、実質的には数十億ドルにも登るそうでした。失礼しました』

幸子「そっちですか!」

小梅「……」

幸子「この世界で…一体何が……あ」ピコーン

小梅「」ビクッ

幸子「まさか…いや、間違いありません……」

小梅「……う、うん。言い出せなくて、ごめん…ね、実は」



幸子「このボクが主賓のお疲れ様パーティですね!」



小梅「……」

幸子「皆さん気が利いてますね!確かに今回のロケは肝を冷やすというかドッと疲れましたからね!フフーン、やっぱりボクのカワイさは罪ですねぇ」

小梅「違う…よ、幸子ちゃん。多分、プロデューサーさんの…」

幸子「え?なんですか?」

小梅「だから…ね、プロデューサーさんの…」

pipipipipi

小梅「ぁぅ……もしもし」

幸子「……」

ちひろ『小梅ちゃん。実はプロデューサーさんが』

小梅「うん……知ってます…よ」

ちひろ『えっ、さ、幸子ちゃんは?』

小梅「まだ、だと思う…」

ちひろ『そう、よかった』ホッ

小梅「え」

ちひろ『いい?幸子ちゃんにプロデューサーさんの事を知られてはダメ。もしショックで仕事に支障がでるかもしれない』

小梅「そんな…!」

ちひろ『プロデューサーさんは海外に長期出張という事にします。いずれバレてしまうでしょうけど、今の幸子ちゃんの勢いを殺してしまう訳にいかないの』

小梅「…」チラッ

幸子「?」

小梅「そんなの…やっぱり、だめ……!」

ちひろ「え?ちょっ、小梅ちゃ』ブツッ

小梅「……」

幸子「どうしたんですか?小梅さんが豆鉄砲くらったような顔をして」

小梅「あの、ね。幸子ちゃん……実は、プロデューサーさんが」


幸子「およ?小梅さん空港着きましたよ!さあさあ降りましょう!プロデューサーさんがボク達を待ってます!!」

小梅「あ、ま、待って……!」

幸子「早く早くー!最初の便で行くって決めてたじゃないですかー!」タッタッタッ

小梅「幸子…ちゃん…っ!!」



\リリクデシテー/

幸子「着いたら速攻起こしてください!”アレ”以来空は苦手なボクもカワイイですね!それでは!…………zzZ」スピー

小梅「あ…」

小梅(結局教えられなかった……)

小梅「………ホラー映画…見よ」


『…………』



幸子「…」






小梅「幸子ちゃん…着いた、よ……?」

幸子「んむ……じゃあ事務ひょに行きむゎひょー…むにゃむにゃ」

小梅「起きてー…」ユサユサ



幸子「ヘイタクシー!」

TAXI『……』ブゥゥゥン

幸子「むきー!カワイイボクが手をあげてるんですよ!いい加減止まってください!」

TAXI『……』ブゥゥゥン

幸子「5連続で通り過ぎましたね…何者かの作為的な意思を感じずにはいられませんよ流石に!」

小梅「歩いて、行く…?」

幸子「遠すぎますよ。なんでロケ直後からそんなにアクティブな小梅さんになってしまったんですか?アスリートの霊でも取り憑いてるんじゃないですかね」

小梅「え…?…私なんか、より…幸子ちゃんの背中に」

幸子「言わないでください!ボクが悪かったですーっ!」

小梅「うふふ…」ニヤリ

幸子「待っててもタクシーは止まってくれないようですし、バス乗り継いで帰りましょうか。バスなら通り過ぎたりしないでしょう」


BUS『……』ブゥゥゥン

幸子「だからなんでですかーーー!!!!」

小梅「お、落ち着いて」

幸子「またボク達が乗ろうとした瞬間自動ドア閉めましたよね!?後ろのお客さんもずっと微妙な顔してますよ!」

小梅「偶然…偶然…!」

幸子「今のバスも3台目です!もれなくボク達を乗させまいという邪悪な心が見て取れます!!」ムガー!

小梅「…………………………まさ、か」ハッ






ちひろ「…今日1日…今日1日で式を終えるのよ。それまで幸子ちゃんをどうにか辿り着けないようにしないと…」カチャカチャ




小梅「……ちひろさんの、仕業…?」ボソッ

幸子「……、え?何か。言いましたか?」

小梅「あ……あの、ね。プロデューサーさんが、実は……!」

「確保ーっ!」

小梅「ふぇ…!?」

幸子「なっ!?」

「このままぴよちゃ……《リトルバード》の所までれんこーするのだー!」

「「んっふっふー」」


小梅「さ、幸子ちゃ……助け……!」

幸子「…………小梅さんですし、まぁなんとかなりますよね。信じてます!」ニッコリ

小梅「」ガーン

幸子「……ではボクはお先に失礼しますので」

「おっと!ウソツキ鴎も行かせないよーん!」ガバッ

幸子「誰が小○幸子ですか!ご本人とボクに謝ってください!!」ダッ

「あっ」

「やべっ、にがしちゃった」

「もー!A美のせいだかんね!」

「M美が手伝ってくんなかったからじゃー!」

「にゃにおー!やるかー!?」

「格の違いを見せつけてやるぜぃ!」

「ふっふー。あの頃のA美とは違うよーん!」

小梅「……」





幸子「予想外の妨害でした……あの双子さん達は一体何がしたかったのでしょうか…」ハァハァ

プップー

幸子「おや?丁度いい所にタクシーが止まってくれましたね!すいませーん!乗せてくださーい」

最近パッションが分泌されなくなってきました
コインと一緒に外部からチャージしないと……ガチャガチャ


ちひろ「ククク…A美M美は私の用意した妨害の中でも最弱…!」カタカタッターン!


ガチャッ

幸子「フフーン!ボクが戻りましたよ!」

ちひろ「ぐあぁぁぁぁ!?幸子ちゃん!?ナンデ!?ドウシテ!?」

幸子「な、なんです?開口一番女性とは思えないような叫び声をあげて…」

ちひろ「えーっと…空港から帰って来るの、早かった……わね?」ダラダラ

幸子「ヘレンさん御用達というタクシーが高速で送ってくれたんです!」

ちひろ「ぬぁぁぁ!計りましたねヘレンさん!あんなにお願いしていたのに……!!」

幸子「そういけばちひろさん!ボクのお疲れ様パーティはどこですか?全アイドル帰還なんて豪勢ですね!ボクに相応しいです!」

ちひろ「へぇっ!?あ、あぁ、パーティ…ね?」ドキィッ

ちひろ(気付いていない、だと…!?)

幸子「と・に・か・く!ボクは今からプロデューサーさんに会いに行ってきますから、全員集まったら連絡くださいね!」

ちひろ「!?…ぷ、プロデューサーさんの居場所を知ってるの……?」

幸子「当然です!」

ちひろ「」

幸子「では、お先に失礼しますね!」


ちひろ「…………は」

ちひろ(ど、どうなってるの…プロデューサーさんの状態は知らない筈なのに居場所は知ってる……!?)

ちひろ「と、とにかく先回りしないと…346相続の為にも……!!」





幸子「お土産は…よし。これだけあれば文句ないでしょう」フフーン


ちひろ「すみませんちょっと通してください!」


幸子「な、なんとなく緊張しますね。ドア一枚隔てるだけで…」ドキドキ


ちひろ「もう中に入ってる…!?すみません失礼します!!」




ガチャッ!!!





ちひろ「幸子ちゃんこれには訳が!!」



「「「「「「「え?」」」」」」」

P「」



ちひろ「……あ、あれ?斎場に………いない」

凛「…幸子がどうしたの?」

ちひろ「…な、なんでもないの。なんでも……」

凛「ど う し た の ?」スウッ

ちひろ「ヒィッ」


────カクカクシカジカ────


凛「……プロデューサーはここにいる、よね」

P「」

凛「居場所は分かってるのに。ここにはいない…?」

ちひろ「……」




小梅「……やっと…辿り着い…た……」フラフラ




ちひろ「あ。小梅ち」

小梅「……」キョロキョロ

凛「?」

小梅「あれ…幸子ちゃん……も、プロデューサーさん…も、ここには”居ない”……ね。やっぱり…」スタスタ

凛「…?どういう事?」

小梅「そのままの意味…?」



卯月「……まさか」ガタッ




幸子「ただいま戻りましたよ!プロデューサーさん!」


幸子「むむむ、まーだお寝坊さんなんですか?このボクが折角お土産を沢山持ってきてあげたんですよ!おーきーてーくーだーさーいー!!」


幸子「……呆れますね、ここまでして起きてくれないなんてとんだお寝坊さんです」


幸子「ここまでしてくれる心優しい人なんてボクぐらいしか居ないんじゃないですか?」ハァ


幸子「積もる話もありますので、読み聞かせ感覚で勝手に話しますね!途中で起きてくれてもかまいませんよ!」フフーン


幸子「そういえば心霊スポットに突撃した時なんですけど…」





ちひろ「…」

卯月「……」

凛「ねぇ。幸子はさ…」





凛「……誰に、話しかけてるのかな」





幸子「あぁ!そうでしたそうでした、お守り買ってきたんです。ベットの側に置いておきますからね!」


幸子「いやぁ、ほんとにデキる女ですねボクは!思いやりがあるというかなんと言うか…」フフーン


幸子「それでですね、小梅さんなんですけど…」



.

fin

お久しぶりでしたお疲れ様でした

すみません途中から罪悪感と焦燥感がパッション分泌を邪魔して本能の赴くがままに書ききれませんでした
次からはこのような事が無いように努めてまいりますのでご容赦ください…

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