北沢志保「嘘つきは幸せの始まり」 (66)


これはミリマスssです

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??「もう時間がありません、早く起きないと…」

P(…あれ?俺、アラームこんな音声にしてたっけ?」

??「全く、いい大人なんですから早く起きて下さい」

P(おかしいな、気のせいじゃなければ…志保の声が聞こえる。留守電か?)

??「朝ごはん、冷めちゃいますよ。せっかく作ったんですからあたたかいうちに食べましょう」

P「…ん?」

志保「あ、起きましたか。早く顔を洗って着替えて下さい」

P「…おはよう、志保」

志保「おはようございます。今日はとても良い天気ですよ、プロデューサーさん」



P「…いただきます」

志保「いただきます」

P「白米に味噌汁に焼き魚。実に日本人って感じの朝食だな」

志保「初日ですし、特に凝らずに普通の朝食にしてみました」

P「ありがとう、凄く美味しいぞ。最近あんまり朝食べてなかったからなぁ…」

志保「まったく…普段あれ程私達に体調管理を~と言っているんですから、先ずは自分がきちんとすべきでは?」

P「返す言葉もございません。いや言い訳するわけじゃないけど、単純に朝はあんまり食欲湧かなくてな」

志保「それで体調を崩されて困るのは私達なんですから。はい、七味です」

P「ありがとう。ところでさ…」

志保「あ、勝手に調味料使わせて貰いましたけど大丈夫ですよね」

P「うん、大丈夫、それは問題ないんだけどさ」




志保「それと、今日はプロデューサーさんも私もお休みですし、よければ買い物にでも行きませんか?」

P「それも構わないぞ。日用雑貨が切れそうだったしな」

志保「それに、一応少しは私も持ってきてはいますが、消費量が二人分となると流石に足りませんから」

P「そう、そこだ。なぁ志保」

志保「なんでしょうか?言っておきますが、学校の宿題等も既にきちんと終わらせてありますから」

P「それは…まぁ、偉いな」

志保「学生として当たり前の事です」

P「その学生として当たり前でない事をしてることに自覚は?」

志保「…確かに、中学生でありながらアイドルと言うのは些か以上に特殊かもしれませんけど…」

P「違うそうじゃない。なぁ、志保」



P「なんで俺の家にいるの?」

志保「…はぁ」

P「まったく、この人は何言ってるんだみたいなため息つかないで。え、俺変な事言った?」



志保「プロデューサーさんが、いいぞ、むしろウェルカムだって言ったからじゃないですか」

P「え、まじで?」

志保「…忘れてるんですか?」

P「…そういえば、エイプリルフールにそう返信した気がするけど…」

志保「納得出来ていない様ですね…これが証拠です」

志保『プロデューサーさんの家を訪ねてもいいですか?』11:59

P『もちろんだ、むしろこちらこそ!いつ来てもいいぞ!』12:00




P「…え、エイプリルフールの嘘だろ?」

志保「聡明なプロデューサーさんならご存知だと思いますが、エイプリルフールで嘘をついていいのは午前中のみです。当然、知っていましたよね?」

P「も、もちろん知ってたぞ。知らない筈がないよな、全国の共通認識だよな」

志保「では、もう一度時間を見て下さい」

P「…12時だな」

志保「12時です。つまり、プロデューサーさんのこの言葉は嘘ではない、となります」

P「なるほど…なるほど?」




志保「それで、他に何か聞きたいことはありますか?」

P「いや、もういいや…ん?さっき初日だからって言ってたけど…」

志保「はぁ…当たり前じゃないですか。私がプロデューサーさんの家に来たのは今日が初めてなんですから」

P「ちがうそっちじゃない。え、もしかしてこれからも…?」

志保「先程日用雑貨が切れそうだ、一応私も持ってきてはいますがと言う会話をしたのを忘れたんですか?」

P「まさかそんな意味だとは思わないだろ…」

志保「まぁいいです、取り敢えず早く朝食を食べ終えて下さい。買う物結構多くて時間掛かりますから」

P「…な、なぁ志保。俺の家に来るのはまぁ…問題があるとはいえ今回は良いとしよう。でも流石に泊まるのは…」

志保「はぁ?」

P「こわい」

志保「まさか私が泊まっていくと思ったんですか?」

P「え、あー違うよな、そんなはず無いよな!」

志保「え…嫌、なんですか?」

P「……」



P「とりあえず、買い物行くか。店に向かいながら話を聞くよ」

志保「あ、それともう少し格好の良い服に着替えて貰えますか?その格好の隣を歩くのは…」

P「うぃっす」

志保「その間に私は洗い物終えておきますから」

P「あざす」

志保「返事、適当過ぎませんか?」

P「休日だからな、あと若干思考放棄してる」

志保「はぁ…まったく、この人は私がいないと…」

P(エプロン姿で説教する志保…いいな、これ。次の仕事は…)

志保「…休日なんですから、そう言った事を考えるのは一旦辞めて下さい」

P「え、なんで分かった」

志保「顔を見れば分かります。どれだけ私がプロデューサーさんの事を…って、早く着替えて来て下さい!」

親愛度700越えてそう

>>2
北沢志保(14)Vi
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P「さて、行くか。近くのデパートで良いよな?」

志保「はい、ここから歩いて30分くらいですね。それと…何か、ありませんか?」

P「え、何か…?いやまぁ現時点でおかしなことしか無い気がするけど」

志保「私がお洒落している事がおかしなこと、ですか…?」

P「そうじゃなくてだな…ん、確かに珍しいな。凄く可愛い服着てる」

志保「…色々と言いたい事はありますが、言っても伝わらないと思うので諦めます」

P「顔赤いぞ」

志保「気のせいじゃ無いですか?」

P「もしかして、熱があったり…」

志保「…はぁ…行きますよ、プロデューサーさん」



P「それで、ご両親には何か言ってあるのか?」

志保「家族旅行で昨晩から三日程家を空けています。私も行く予定だったのですが、明日仕事が入ってしまったので…」

P「あー…すまん、そこまで時間がかかる仕事じゃないんだか、先方さんがどうしても明日にって」

志保「仕事ですから、それに関しては文句も何もありません。チャンスは出来る限り物にしたいですし」

P「で、さっき聞き損ねたけど泊まったりはしない…よな?」

志保「流石にそこまでするつもりはありません。夜は自宅に戻るか可奈の家に泊めて貰います」

P「おっけー、変装もしっかりしてるしまぁ大丈夫だろ。夕飯はどうする?」

志保「どうせプロデューサーさん一人では大したものを作らないでしょうし、私が作ります」

P「外食でも良いんだぞ、俺が持つから」

志保「栄養バランスを気にして下さい。私はアイドルなんですから」

P「それもそうだな」



志保「…ところで、四月も下旬とは言えまだ冷えますね」

P「最近あったかかったけどまた急に冷えてきたな。体調崩さないように気をつけないと」

志保「手が冷えて霜焼けになったりしたら大変ですね」

P「かと言って手袋は流石に季節外れだよなぁ」

志保「プロデューサーさん、手が冷えてしまったら大変ですよね」

P「そ、そうだな…ポケットに突っ込むのもアレだし」

志保「プロデューサーさん、手が、冷えてしまいそうです」

P「…なんでこっちに腕伸ばしてるんだ?」

志保「プロデューサーさんの手を冷やさないように手を繋ぐ為ですが?!」

P「なんでキレ気味なんだよ…」

志保「私も手が温まって一石二鳥です。エネルギーは最大限に有効活用しないといけませんから」

P「唐突なエコ精神」

志保「繋がないんですか?!繋ぐんですか?!」

P「分かった分かった。はい」ギュ

志保「…良いでしょう。仕方ありません、手の温かさに免じて今回は大目に見ます」



P「…さ、最近どうだ?志保」

志保「娘との上手いコミュニケーションの取り方が分からないお父さんですか貴方は…」

P「仕事の時以外で誰かと話す機会が少なかったからなぁ」

志保「…友達とかいないんですか?」

P「そんな可哀想なものを見る目で…仕事が忙し過ぎてそもそも仕事の無い日がほぼ無いんだよ」

志保「あ…すみません、失礼しました」

P「いいっていいって、その分みんなが有名になるんだから」

志保「ではもっと頑張って私を有名にして下さい」

P「容赦無いな…任せとけ、俺ももっと頑張るからさ」

志保「その代わりと言っては難ですけど…休みの日は、私が色々と付き合いますから」

P「…志保、休みの日やること無いのか…?」

志保「そう取ってしまうあたり、プロデューサーさんに春は遠いですね」

P「花粉症だからなくていいんだけどな」




~一階、雑貨売り場~

P「さて、まず何から買う?」

志保「そうですね…プロデューサーさんにもう少しまともな格好をして欲しいので、メンズの服を先に」

P「スーツとパジャマになる服があれば充分なんだけどなぁ」

志保「スーツかパジャマでデートに来られても困ります」

P「デート…?」

志保「言ってません」

P「聞き間違い…か?俺も歳かもしれないな」

志保「では年相応のしっかりしていて落ち着いた雰囲気の服を探しましょう」



~4階、メンズフロア~

P「ところで志保、建物内ってもうあったかいよな?」

志保「そうですね」

P「いつまで手を繋いでるんだ?」

志保「今集中してプロデューサーさんのコーディネートを考えているんで黙っていて下さい。プロデューサーさんは手を離したいんですか?」

P「す、すまん…」

志保「…そうですね。これとこれとこれを試着して来て下さい」

P「あいよ…うわ、凄い値段」

志保「服はその人そのものです。自分への投資だと思って下さい」



P「はいよ、どうだ?かっこいいだろ?」

志保「…先程よりは大分マシになりましたね」

P「お褒めに預かり光栄だよ」

志保「では次はこれと…あと、これを」

P「…なぁ志保、どう見てもこれキグルミなんだけど」

志保「以前私にランドセルを背負わせた仕返しです」

P「俺が悪かった、勘弁してくれ」

志保「仕方ありません…こっちのキグルミだけでいいです」

P「選択肢から外す方逆」

志保「…ふふっ」

P「…しょうがないな、着てくるよ」

志保「あ、流石に冗談です。実際にやられても反応に困るんで」



P「よし、これにするか」

志保「まぁ、悪くありませんね」

P「しばらくもやし生活だ」

志保「毎日食事を適当に済ませるから出費が激しいんです。私がお弁当作ってあげますから、もやし生活にはなりませんよ」

P「流石にそこまでして貰うのはな…」

志保「さて、次は私の服を見に行きます」

P「はい」

志保「それと、ですが…」

P「ん?この袋は…?」

志保「ネクタイピン、私からのプレゼントです。一応今日は日々のお礼と言う事で」

P「…ありがとな、志保」

志保「普段からきちんとした格好をして欲しいですから」



~3階、レディースフロア~

P「…普段来ないとこに来ると緊張するよな」

志保「緊張するかどうかは知りませんが、逆に来慣れてたら引いてました」

P「はいはい…で、目当ては何かあるのか?」

志保「プロデューサーさんに選んで貰います」

P「キグルミないかな」

志保「は?」

P「ごめん…でも、俺が選んじゃっていいのか?お世辞にもセンスあるとは言えないぞ」

志保「知ってます。ですから、お洒落かどうかはおいておいて、プロデューサーさんが私にどんな格好をして欲しいかで選んで下さい」

P「ランドセルって売ってるかな」

志保「それを…プロデューサーさんが望むなら…」

P「ごめん冗談だから心から哀しそうな表情しないで」

志保「分かっています、プロデューサーさんがそう言う趣味だと言うことくらい…」

P「いやだからそうじゃなくて!」

志保「…ふふっ、もちろん冗談です。慌てふためいていると台無しですよ。せっかく格好いいのに…」

P「俺が?」

志保「…私の選んだ服が、です」


ランドセル好きだねぇ、本当
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P「うーん、どういうのが良いんだろうな…カッコ良い服、可愛い服、大人っぽい服…レディース多すぎて選べない」

志保「メンズと違って2.3フロアありますから」

P「マネキン買いが一番てっとり早いが…うーん、あ、メイド服とか!」

志保「プロデューサーさんの隣でそれを着て歩く私を想像して下さい」

P「…お、これどうだ?」

志保「白のワンピース…一度、試着して来ます」

P「あ、あとこのメイド服」

志保「…仕方ありませんね」

P「出てくる時メイドの演技も頼んだぞ」

志保「はっ倒しますよ」

P「申し訳ございません」



P「レディースのフロア、試着室の前で一人で…居心地悪いぞかなり」

未来「あ、静香ちゃん!あそこにプロデューサーさんがいる!」

静香「バカね未来、こんな場所に居るはずが…あら」

P「よ、よう、二人とも。二人は買い物か?」

静香「此処にいる時点で分かると思いますけど…」

未来「デートですよ!デート!」

静香「はいはい、それでプロデューサーはなんでこんな場所に…?」

未来「ま、まさかプロデューサーさんに女装癖が…?」

P「んな訳ないだろ」

未来「じゃあ試着室前で、他の女性の方の観察ですか?」

P「そっちの方がヤバイ人だろ…」




静香「プロデューサーはお一人ですか?」

未来「せっかくですし、お昼一緒に食べましょう!」

P「いや、悪いけど人と来ててな」

静香「…彼女さん、ですか?」

未来「なるほど~、だから試着室前にいたんですね」

P「いや、えっと…あ、ちょっと二人とも腹減らないか?」

静香「…いきなりどうしたんですか?」

P「此処の地下で美味しい鯛焼きあるんだよ!早く行かないと売り切れるぞ!早く行った方がいいって」

静香「…怪しいですね、何か隠してませんか?」

未来「でへへ~鯛焼き!静香ちゃん早く行こ?」

静香「待って未来、少し様子を見ましょう」

P「早く行かないとなくなるぞ!もう時間がないんだぞ!」

未来「あ、それ志保ちゃんみたいですね!」

静香「志保…まさか」



シャー

志保「おはようございます、ごしゅP様☆あのね、志保ごしゅP様の為にカワイイ服着てみたんだよ!だ・か・ら!今日はごしゅP様の事、志保が一日中一人占めしちゃうね☆」

静香「……」

未来「……」

P「…に、似合ってるぞ。流石志保だな、演技完璧だ!」

志保「…静香、未来」

静香「…はい」

未来「…は、はい」

志保「貴女達は何も見ていない、いいわね?」

静香「…はい」

未来「……」パシャ

志保「…未来、以前撮った貴女の水着の写真があるのだけれど」

未来「…ごめんなさい」

志保「素直ね、許してあげるわ」



P「…し、志保さん」

志保「どうかしましたか?ごしゅP様。貴方が私にやらせたんですよ?」

静香「え…プロデューサーが…」

志保「普段迷惑を掛けた罰として今日一日ごしゅP様と呼んで俺の買い物に付き合え、って私に命令したじゃないですか」

P「え、俺そんなこ

志保「どうかしたの?ごしゅP様…志保がいたいのいたいのとんでけーって魔法かけてあげる☆だから…分かってますね?」

P「はい、全て俺の指示です」

静香「…未来、鯛焼きを食べに行きましょう」

未来「わ、わーい鯛焼き、私だいすきー」

P「ち、違うんだ静香!未来!これは…」

志保「ごしゅP様、今貴方に発言の権利はありません」

P「…恨むぞ3分前の俺」



志保「…はぁ」

P「ほんとごめん、いやマジで」

志保「もういいです、心を鍛えるレッスンだと思っておきます」

P「よかった…」

志保「ところでプロデューサーさん、此方の服が気に入ったのでこれにします」

P「ん、試着室でもう試着し終えたのか」

志保「それと、プロデューサーさんが候補に入れようか迷っていたこれとこれとこれを…」

P「そ、そんなに買うのか」

志保「はい、全部支払いお願いします」

P「え、いやこれ全部って…」

志保「ごしゅP様なら可能ですよね?」

P「…プレゼントさせて頂きます」



志保「ありがとうございます、では私も着替えてきますから」

P「…もやし…いや、パンの耳とか…」

志保「…全部買って良かった、と。思わせてみせますから」

P「…安い買い物かもしれないな」

志保「あ、次は雑貨で、最後に食品フロアに行きます」

P「あいよー」




シャー

志保「どうですか?」

P「…凄く綺麗でいいと思うぞ」

志保「プロデューサーさんのセンスも、捨てたものじゃありませんね…大切にします」

P「気に入ってもらえて良かったよ」

志保「それで、今家に足りてない物はなんですか?」

P「洗剤とかシャンプーだな。あとスポンジとティッシュとか」

志保「洗剤とシャンプーは私が持ってきています。まずはーー」



~地下一階、食品フロア~

志保「プロデューサーさん、夜何か食べたい物はありますか?」

P「ラーメン」

志保「訂正します、私に作って欲しい料理はなんですか?」

P「ずんどこべろんちょ」

志保「はいはい奇妙ですね。次ふざけたら玉ねぎの皮にします」

P「肉じゃがかなぁ、なんか家庭料理の定番って感じがするし」

志保「わかりました。カート押すのお願いします」

P「おぉ…なんかいいな、こう…誰かと食品買うのってまるで…」

志保「まるで…なんですか?」

P「親子みたい」

志保「玉ねぎの皮にします」



志保「じゃがいもと白滝と…あ、家に醤油ってまだありますか?」

P「あー、切れそうになってた気がする」

志保「では醤油も、と」

P「カップ麺も買い足しとくかな」

志保「……」

P「…なんで無言で棚に戻す」

志保「…私の手料理とカップ麺、どちらの方がいいですか?」

P「そりゃ志保の料理だけど…」

志保「では必要ありませんね」

P「いや、でもあった方が普段

志保「必要ありませんね?」

P「はい」




P「結構買ったなぁ」

志保「二人分ですから。あ、荷物片方持ちます」

P「いや良いよ、こういうのは俺の役割だろ」

志保「はぁ…」

P「なんで溜息なのさ」

志保「プロデューサーさん、両手で袋を持っていては両手がふさがってしまいます」

P「そりゃ腕は二本しかないからな」

志保「まだ陽は出ているとは言え、もう朝よりも冷えてきています」

P「思ったより買い物に時間掛かっちゃったならな。もう夕方だ」

志保「プロデューサーさん、手が冷えて大変じゃないですか?」

P「…はいよ、軽い方頼んだ」

志保「承ります。はい」ギュ

P「…あったかいな」

志保「プロデューサーさん、手が冷たいですね」

P「放すか?」

志保「大丈夫です、すぐにあったかくなりますから」



志保「周り、買い物を終えたカップルばかりですね」

P「いや普通に一人の人もいるけど…夫婦なのかな、みんな幸せそうだ」

志保「私達は、周りにどう見られてると思いますか?」

P「兄妹か…せめてあまり年の離れてない親子だと願いたい」

志保「…周りに、どう見られたいですか?」

P「どう、って」

志保「いま、私はとっても可愛い服をきて精一杯のおしゃれをしています。プロデューサーさんも、まぁ大人っぽい男性です」

P「まぁ大人っぽい、って…」

志保「そんな二人が手を繋いで歩いているのを、周りからはどう認識されたいですか?」

P「…どうせなら、美男美女のカップルがいいな」

志保「…ふふっ。なら、プロデューサーさんももっと格好つけないといけませんね」



~P宅~

P「ただいまー」

志保「ただいま…って、家に誰もいないのに言うんですか?」

P「一人暮らしでも習慣みたいなもんだよ」

志保「では…おかえりなさい、プロデューサーさん」

P「…ありがとう、志保」

志保「あ、それとお邪魔します」

P「汚いところですがどうぞどうぞ」

志保「知ってます。明日仕事が終わったら掃除手伝いますから」

P「否定してくれても良いんだぞ」

志保「さて、夕飯の準備をしますから荷物出すの手伝って下さい」




トントントン

志保「……」

P「玉ねぎ、俺が切ろうか?」

志保「大丈夫です、これは涙を流す練習であって本当に泣いてる訳ではありません」

P「はいはい、俺も玉ねぎ切る練習したいからやらせてくれ」

志保「…お願いします。その間に他の準備をしておきますから」

P「あいよ」

志保「さて…煮込むのに少し時間が掛かるので、切り終わったら先にシャワー浴びていて下さい」

P「いや、それは後ででもいいよ」

志保「時間の有効活用です。もう時間がないんです」

P「いや時間あるんだろ…まぁいいや、んじゃささっと浴びてくる」

志保「シャンプー切れてる様でしたら、私が持ってきたのをお貸ししますから」

P「んじゃ遠慮なく」



~浴室~

P(女の子が使うシャンプーなだけあって凄く良い匂いだな)

P(なんか俺が使うのが勿体無く感じる…)

P(…ん?なんで志保はジャンプー持ってきてるんだ?)

P(泊まらないとは言ってたけど、風呂入ってくつもりなのか?)

P(…まぁいいか、まだ14なのに家で一人きりってのも寂しいんだろうし)

P(出来る限りの時間、一緒にいてあげよう)



P「あがったぞー」

志保「早いですね…きちんとあったまったんですか?」

P「まぁそれなりに。お、良い匂いだな」

志保「出来ればもっと長時間しっかり煮込みたかったんですけど…」

P「まぁ俺が頼んだんだし、それに志保の手料理ってのでもう充分満足だよ」

志保「どうせでしたら、自分がきちんと自信を持って振る舞える料理にしたいんです」

P「…ありがとう、志保」

志保「きちんとあったまりましたか?湯冷めして風邪引いてるんじゃないですか?」

P「ひでぇ」



P「よし…頂きます」

志保「頂きます」

P「…うん…うん!」

志保「どう…ですか?」

P「すっごく美味しい!ごはんがすすむなぁ」

志保「それは良かったです」

P「今すっごく不安そうな表情からすっごく嬉しそうな表情に変わったけど」

志保「表情筋のトレーニングです」

P「どうせだったら、ずっと嬉しそうにしててほしいもんだな」

志保「でしたら、そうなる様にプロデューサーさんも努力して下さい」

P「出来る限りそうなるよう努めるよ」



志保「あ、お酒は飲みますか?」

P「ビールどうすっかな…帰り遅くなった時運転出来ないと困るから止めとくか」

志保「どうせなら、ビールも併せて夕飯を最大に満足して欲しかったんですけど…」

P「…んじゃ、頂こうかな。志保は何かジュースでも飲むか?」

志保「お茶で大丈夫です」

P「なんか一人で飲んじゃうって悪いなぁ」

志保「遠慮しないで下さい。お酌しますから」

P「それじゃ遠慮なく…」



P「ふぅ…ご馳走様でした」

志保「お粗末様でした」

P「さて、この後どうする?」

志保「食器を洗い終えたら、シャワー貸して頂けますか?」

P「んー…まぁいいぞ。けど帰りあんま遅くなるなよ」

志保「大丈夫です」

P「まぁ志保がそう言うならいいか。あと、凄く美味しかったぞ」

志保「よければ明日の朝食も作りますが」

P「朝早くから来させるのも悪いしいいよ」

志保「取り敢えず、食器を運んで貰えますか?」

P「あいよ」




志保「さて、私はこれからシャワーを浴びてきます」

P「バスタオルは棚上げて2段目に置いてあるから」

志保「私のシャンプーはどこに置いてありますか?」

P「あ、志保が入ると思って浴室の中に置いてあるわ」

志保「それと、私が入った後に洗濯機回しますから洗うものあれば出しておいて下さい」

P「うん…うん?」

志保「では、浴びてきますから…プロデューサーさん、分かってますね?」

P「覗くな、か?覗かないよ…お前は俺をなんだと…」

志保「…プロデューサーさんは、私に微塵も興味が無いんですね…」

P「なんでそうなる」

志保「冗談ですよ」




P(テレビでも見て待ってるか…)

P(面白そうな番組やってないな…ニュースでいいか)

P(…ん、この後大雨…?)

P(困ったな、ビール飲んじゃったから運転するわけにもいかないし)

P(降ってくる前に駅まで歩いて送るか)

P(花粉症だし、まぁ朝までに晴れてくれたら万々歳だな)

P(…女の子って、お風呂長いな…)

P(まだ降らないでくれよ…)



志保「あがりました」

P「あいよー…」

P(…パジャマ姿の志保…普段とまた違ったイメージで可愛いな)

志保「…なんですか、ジロジロと…」

P「かわいいな、って。普段もっと大人びてるからさ」

志保「今は子供っぽいと?…パジャマですし、それも仕方の無い事ですね」

P(…そう言えば、なんでパジャマ持ってたんだ?)

P(あ、もしかしたら可奈の家に泊まるかもしれないって言ってたしそれか)

P「ところで志保、この後大雨降るみたいで俺ビール飲んじゃってるから…」

ぽつ、ぽつ、ぽつ…

P「……」

志保「この後大雨、ですか?」

P「い、いやまだ小ぶりだし」

ぽつ、ぽつぽつ…ざぁーー!!!

P「…雨、強いな」

志保「…強いですね、かなり」

P「どうしよう」

志保「泊まれば無問題なのでは?」

P「いや大問題だろ」



志保「つまりプロデューサーさんは、この大雨の中お風呂上がりのアイドルを追い出すんですか?」

P「ほんと飲まなきゃ良かったな…まぁタクシー呼べばいいか」

志保「…その、プロデューサーさん…」

P「なんだ?」

志保「こんな大雨の日に、一人で家で寝るなんて…お願いします…」

P「とは言ってもな…可奈の家は?」

志保「泊まりに行く約束したの来週でした」

P「…お前な…」

志保「すみません、嘘なんてついてしまって…でも、一人が寂しいのは本当で…」

P「…しょうがないな、分かったよ」

志保「では洗濯機回してきます。乾燥機能も付いていましたし、部屋干しでも大丈夫な洗剤を持ってきていますので」

P「…演技派だなぁ」

志保「日々の練習の賜物です」

P(…まぁ、こんな大雨の日に家で一人は、ってのは本当なんだろうな…)



ぴー、ぴー、ぴー

志保「洗濯機、終わりましたね」

P「んじゃ干すか。そう言えばさ、志保の服も洗ったんだよな?」

志保「当然です、洗わないと不潔ですから」

P「…下着は?」

志保「洗濯機に入れてますが、それが何か?」

P「……」

志保「……」

P「…志保、俺の下着には目を瞑った事にして先に自分の下着干してこい」

志保「…どこに干せばいいですか?」

P「リビング出て右の部屋で。今日は俺そっち行かないから」




P「ふー…土曜ロードショーも終わっちゃったな」

志保「ですね。そろそろ寝ないと明日朝辛くなりますし…」

P「寝るか…俺ソファ使うから志保ベッドいいぞ」

志保「いえ、流石にそこまでして頂くのは申し訳ないのでプロデューサーさんがベッドで」

P「いや女の子をソファで寝かせる訳にはいかないさ」

志保「…プロデューサーさん、いい解決方法を見つけ」

P「見つかってない。解決方法は俺がソファで寝ることだ」

志保「…ごしゅP様、志保一人は寂しいの…」

P「もう効かないぞ」

志保「静香と未来が誤解したままですけど、誤解とかなくていいんですか?」

P「…あっ…いや、でも」

ゴロゴロ…ピシャァァァァン!!

志保「きゃっ!」ギュッ

P「うわ、デカイ音だな…って、おい志保…」

志保「…すみません、プロデューサーさん…お願いします…」

P「仕方ないな…寝室にソファ持ってくからそれで妥協案だ」




P「ふぅ…重かった」

志保「本当に、色々とご迷惑おかけしました…」

P「まぁいいよ、今日は俺も楽しかったし」

志保「普段、休日は何をしてるんですか?」

P「前の休みは…寝てた」

志保「…また、次お互いが休みの日が重なったら、どこか遊びに行きませんか?」

P「構わないぞ」

志保「その時は、今日買って頂いた服を披露します」

P「楽しみにしてるよ」

志保「それと、いつも…」

P「いつも…?」

志保「なんでもありません。目覚ましはセットしましたか?」

P「あぁ。明日は8時には起きる予定だけど」

志保「私は事務所に用事があるので、おそらく先に出ていると思います」

P「んじゃ俺もそん時起きるかな」

志保「これ以上迷惑は掛けられません。合鍵を貸して頂けますか?明日私が出て行く時に自分で締めますから」

P「鍵開けっぱでいいぞ別に」

志保「何かあったら大変じゃないですか」

P「それもそう、か?んじゃ机の上に乗ってる奴持ってっていいから。明日事務所で返してくれ」

志保「それでは…おやすみなさい」

P「あぁ、おやすみなさい」



ぴぴぴっ、ぴぴぴっ

P(…あと5分…寝たら起きられなくなる奴だな)

P(…ん?いい匂いがする)

P(志保、朝食作ってってくれたのか)

『昨晩はご迷惑おかけしました。行ってきます』

P「ありがとな、志保」

P「…行ってきます?お邪魔しました、じゃないのか?」

P「まぁいいや、いただきます」




~事務所~

P「おはようございます」

小鳥「おはようございます、プロデューサーさん」

P「あ、小鳥さん、志保ってもう来てますか?」

小鳥「志保ちゃんならさっき『誤解を解きにいかないと』ってニコニコしながらレッスンルームに行きましたけど…何かありましたか?」

P「良かった…あ、大丈夫です。なら戻ってくるのを待ちますから」

小鳥「それにしても昨日の夜はすごい雨でしたね。今日は晴れて良かったです」

P「ですね、雨が降ると色々と困りますから」



バタンッ!

未来「プロデューサーさん!本当なんですか?!」

P「おはよう、未来…って、何が?」

可憐「…同じ匂いが…まさか、本当に…」

P「おいおい、何があったんだ?」

未来「くんくん…本当に志保ちゃんと同じ匂い!」

可憐「あ、その…志保ちゃんからプロデューサーさんの匂いがして…プロデューサーさんから、志保ちゃんと同じシャンプーの匂いが…」

P「た、たまたま同じ種類だっただけなんじゃないかな」

可憐「この匂いは、先日志保ちゃんが撮影したCMのシャンプーで、まだ一般販売されてないんです…」

未来「それと、志保ちゃんがすっごいドヤ顔でポケットから鍵落としちゃってたんですけど、その鍵が志保ちゃんの家のじゃなかったんです!」

P「未来、お前そんな洞察力あったのか?!」

可憐「その鍵から、プロデューサーさんの匂いが…」

P「可憐お前ほんと凄いな!」



静香「で、どういうことか説明して頂けますか?」

未来「ずるいよー志保ちゃん!プロデューサーさんの家にお泊まりしたなんて!」

志保「私は何も言ってないわよ、未来。勘繰り過ぎなんじゃない?あ、プロデューサーさん、昨日の誤解はきちんと解いておきましたから」

P「あー、えっとだな…」

志保「それと、プロデューサーさん。今日の晩御飯は何がいいですか?帰る時に食材を買って行きたいので」

P「か、帰る時?!また来る気か?…はっ」

未来「…また?」

可憐「やっぱり二人は…ど、どどど、同棲を…」

静香「…詳しい話、聞かせて貰えますよね?」

P「…助けて」

志保「すみません、私はこれから仕事なので」

バタンッ




未来「志保ちゃん、凄い良い笑顔でしたね」

P「いい事、なのかなぁ」

静香「そう言えば、志保の服の趣味変わったのかしら」

未来「確かに、初めて見るタイプの服でしたね」

P「せ、せやな」

静香「…プロデューサー」

未来「…プロデューサーさん」

可憐「ぷ、プロデューサーさん…」

P「…まぁ、なんだろう。志保が幸せそうだしそれでいいか」

静香「綺麗に閉めようとしないで下さい」

未来「プロデューサーさん!私も行きたいです!」

可憐「あ…志保ちゃんのラインのアイコン、今一瞬だけプロデューサーさんの寝顔に…」

未来「あ、グループラインいっぱい来ました」

P「…あぁもういいや!やましい事はしてないし志保が昨日雷で怖がりまくってた話してやる!」



花粉症がしんどいです
お付き合い、ありがとうこざいました

今週書いた話です、よろしければ是非
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