星輝子「“親友”に誇って貰える私に」 (21)

親友は、私の誇りだ。こんなボッチでジメジメした私を、アイドルにしたんだから、な。
最近、ふと思う。私は親友を誇りに思うけど、彼は私をどう思っているのだろうか…。
私は、親友に誇って貰いたい。俺のトモダチはこんなに素晴らしいんだ!と。
し、正直言って、今を変えるのは怖い…。でも、変わる事は悪いことばありじゃないと、親友は教えてくれた。だから、私は……

ーーこれは、少女が初恋と向き合う物語ーー



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書きためは無いので、少しずつ更新していく予定です。

…変わるのはいいけど、何をすればいいんだろう。
『ショウコチャン、マワリノヒトニキイテミヨウヨ!』
そうだな、シメジくん。ナイスアイデア、だ…。
「な、なぁ乃々ちゃん。相談があるんだけど…」
まずはお隣の乃々ちゃんから、だ。
「な、なんでしょうか…」
親友に誇って貰いたい、そのことを乃々ちゃんに打ち明けた。
「じ、じゃあ先ずは髪型とかを変えてみるのはどうでしょうか…。輝子さんは髪が長いし、色々とアレンジ可能だと思うんですけど…」
なるほど、髪型か。髪の毛だったら戻すのも簡単だし、悪くないな。乃々ちゃんには食用のエリンギを進呈だ。
「乃々ちゃん、もし良かったら髪型についても、相談していいかな?」
ず、図々しいかな?
「も、もりくぼよりも、そういうのが得意な人に頼んだ方が…」
餅は餅屋ってことか。確かにな。
「に、二宮さんはヘアアレンジが趣味だと聞いたことがあるのて、そちらに聞いてみて下さいぃ」
…よし、二宮さんに相談してみよう。アドバイスをくれた乃々ちゃんには追加で舞茸をプレゼントだ。

…屋上に来てみたら、二宮さんが缶コーヒー片手にベンチで黄昏ていた。こ、声をかけても良いのだろうか…
「やぁ、珍しいね。君も生命の儚さを憂いにきたのかい?」
ど、どう答えたらいいんだ?
「すまない、ボクとキミは違う人間だ、だから感性が異なっていて当然なのに己の型に嵌め込もうとしてしまった」
お、おう…
「ボクはここから桜の散る様を眺めていたのさ。新たな成長の為には何かを捨てねばならない。寂しさの中にも美しさがあるだろう?」
…二宮さんは色々と難しい事を考えているんだな。
「な、なぁ。二宮さんは、ヘアアレンジが好きだって聞いたんだけど、本当?」
二宮さんはフッと笑ってコーヒー、もといカフェオレに口を付けた。もしかして、間違ってたのか?
「好きか、と問われたら否定はしないよ。ただ、見ての通りボクの髪は決して長くは無いからね。こうしてエクステを着けることで変化を楽しんでいるのさ」
あ、あの長さだったら変化は付けづらそうだな。で、でも聞いてみないと…
「な、なぁ。もし良かったら私にアレンジの仕方を教えてくれない、か?」
「…ボクがキミにアレンジの仕方を、かい?」
や、やっぱりダメか。そうだよな、こんなボッチの為に手間をかけるなんてしたくないよな…。
「すまない、急な申し出だったものだから驚いてしまったんだよ。決して不快感を感じた訳では無い」
ほ、本当か?まぁ私が声をかけること自体珍しいし、驚くのもしょうがないよ、な。

「もし良かったら、キミの心境の変化の理由(わけ)を聞かせてくれないか?ボクの知る限りではキミは安易に髪型を変える事はしないだろう?」
二宮さんは、周りをよく見ているんだな。
私は今日2度目の説明をした。真剣に聞いてくれるのは、嬉しいけど恥ずかしいな。フヒッ
「成る程。聞かせてくれてありがとう。先ず始めにボクの所へ来てくれた事は有難い。が、キミは他に訪ねるべき場所がある筈だ」
ど、どういう意味だ?やっぱり迷惑だったか?
「装いとは独立した物ではない。分かりやすく説明するなら、髪型をいくら華麗にしたところで服装が侘しいと真には映えない。勿論この意見だって絶対では無いが、バランスを考えるのは大事な事さ」
んと、つまり…
「先に服装を変えろ、ってこと?」
「そういう事さ。必ずしも高価である必然性は無いけれどね。」
あ、アドバイスありがとう。二宮さんは優しいなぁ。
「おそらく服装に関してのアドバイスを受ける時に髪型についても受けるだろう。もしそれに不服があるようだったらまた訪ねて欲しい」
「ふ、不服なんかなくても、来させて貰うよ…。嫌じゃなければだけど、ね。それじゃ…」
さて、服装は誰に聞いてみようか、な

「…彼女に自覚が無いのか、はたまたボクの思考が一般的な女子中学生のそれに近いのか。もし自ら茨の道への足を向けるとするなら止めるべきなんだろうが、さて…」

4~6の部分から、改めて投下します。

…変わるのはいいけど、何をすればいいんだろう。

『ショウコチャン、マワリノヒトニキイテミヨウヨ!』

そうだな、シメジくん。ナイスアイデア、だ…。

「な、なぁ乃々ちゃん。相談があるんだけど…」

まずはお隣の乃々ちゃんから、だ。

「な、なんでしょうか…」

親友に誇って貰いたい、そのことを乃々ちゃんに打ち明けた。

「じ、じゃあ先ずは髪型とかを変えてみるのはどうでしょうか…。しょうこさんは髪が長いし、色々とアレンジ可能だと思うんですけど…」

なるほど、髪型か。髪の毛だったら戻すのも簡単だし、悪くないな。乃々ちゃんには食用のエリンギを進呈だ。

「乃々ちゃん、もし良かったら髪型についても、相談していいかな?」

ず、図々しいかな?

「も、もりくぼよりも、そういうのが得意な人に頼んだ方が…」

餅は餅屋ってことか。確かにな。

「に、二宮さんはヘアアレンジが趣味だと聞いたことがあるのて、そちらに聞いてみて下さいぃ」

…よし、二宮さんに相談してみよう。アドバイスをくれた乃々ちゃんには追加で舞茸をプレゼントだ。

…屋上に来てみたら、二宮さんが缶コーヒー片手にベンチで黄昏ていた。こ、声をかけても良いのだろうか…

「やぁ、珍しいね。君も生命の儚さを憂いにきたのかい?」

…ど、どう答えたらいいんだ?

「すまない、ボクとキミは違う人間だ、だから感性が異なっていて当然なのに己の型に嵌め込もうとしてしまった」

お、おう…

「ボクはここから桜の散る様を眺めていたのさ。新たな成長の為には何かを捨てねばならない。寂しさの中にも美しさがあるだろう?」

…二宮さんは色々と難しい事を考えているんだな。

「な、なぁ。二宮さんは、ヘアアレンジが好きだって聞いたんだけど、本当?」

二宮さんはフッと笑ってコーヒー、もといカフェオレに口を付けた。もしかして、間違ってたのか?

「好きか、と問われたら否定はしないよ。ただ、見ての通りボクの髪は決して長くは無いからね。こうしてエクステを着けることで変化を楽しんでいるのさ」

あ、あの長さだったら変化は付けづらそうだな。で、でも聞いてみないと…

「な、なぁ。もし良かったら私にアレンジの仕方を教えてくれない、か?」

「…ボクがキミにアレンジの仕方を、かい?」

や、やっぱりダメか。そうだよな、こんなボッチの為に手間をかけるなんてしたくなくいよな…。

「すまない、急な申し出だったものだから驚いてしまったんだよ。決して不快に感じた訳では無い」

ほ、本当か?まぁ私が声をかけること自体珍しいし、驚くのもしょうがないよ、な。

「もし良かったら、キミの心境の変化の理由(わけ)を聞かせてくれないか?ボクの知る限りではキミは安易に髪型を変える事はしないだろう?」

二宮さんは、周りをよく見ているんだな。

私は今日2度目の説明をした。…真剣に聞いてくれるのは、嬉しいけど恥ずかしいな。フヒッ

「成る程。聞かせてくれてありがとう。先ず始めにボクの所へ来てくれた事は有難い。が、キミは他に訪ねるべき場所がある筈だ」

ど、どういう意味だ?やっぱり迷惑だったか?

「装いとは独立した物ではない。分かりやすく説明するなら、髪型をいくら華美にしたところで服装が侘しいと真には映えない。勿論この意見だって絶対では無いが、バランスを考えるのは大事な事さ」

んと、つまり…

「先に服装を変えろ、ってこと?」

「そういう事さ。必ずしも高価である必然性は無いけれどね」

あ、アドバイスありがとう。二宮さんは優しいなぁ。

「おそらく服装に関してのアドバイスを受ける時に髪型についても受けるだろう。もしそれに不服があるようだったらまた訪ねて欲しい」

「ふ、不服なんかなくても、来させて貰うよ…。嫌じゃなければだけど、ね。それじゃ…」

さて、服装は誰に聞いてみようか、な



「…彼女に自覚が無いのか、はたまたボクの思考が一般的な女子中学生のそれに近いのか。もし自ら茨の道への足を向けるとするなら止めるべきなんだろうが、さて」


服装、服装か…。親友は私がどんな格好をしたら喜ぶかな?やっぱり前に着たフリフリのやつ、か?…出来ればアレは勘弁、だな。

「だ~れだっ♪」

フヒィッ!?な、なんだいきなり!!?

「にょわわわ~★、きら、ワタシが誰かわかるかなぁ?」

え、これ、きらりさんじゃないよ、な?

「あんz、ワタシィ、休んだら敗けだと思うんだよねぇ~♪」

え、えぇ……

「あ、杏さんは絶対にそんなこと言わないよ、フレデリカさん……」

そんなに物まね似てなかったし……フヒッ

「ワオ!輝子ちゃんすごーい!もしかして絶対音感ある?」

「い、いえ……。それより手を……」

手からも良い匂いがするって、凄いな……

「ゴメンゴメーン♪忘年会用のネタを誰かに披露したくって!」

随分と気が早いな……。

「輝子ちゃん、今日はお仕事?」

フレデリカさんのキレイな瞳に見つめられると、照れるな……

「い、いえ……。あっ」

「どうしたの?フレちゃんの髪の毛が緑色になっちゃった?」

どうしよう、相談しても、大丈夫かな……?

「髪は大丈夫、です。……フレデリカさん、お、お洒落って、得意ですよ、ね……?」

お洒落が得意って、変な聞き方だな……

「もっちろん!パリジェンヌの半分はお洒落で出来てるんだよ♪」

どっかの薬みたいだな……

「もしかして輝子ちゃん、フレちゃんに弟子入り希望かな?」

弟子入り、か……

「お、お洒落の仕方は教えて欲しい、です……フヒッ」

フレデリカさん、喋ると面白いけど、美人さんだし……何よりお洒落だし、な。

「オッケー♪輝子ちゃんがお洒落に目覚めたのなら、フレちゃん腕を奮って輝子ちゃんを事務所一のお洒落ガールにしてしんぜよう!」

お、大げさ過ぎる……

「ところで輝子ちゃんはどんな風にお洒落したいのかな?ニース系?マルセイユ系?」

し、渋谷とか原宿じゃないの、か…。

「そ、それがどういうのかはわからないけど、私は、親友に喜んで貰いたい…です。プロデューサーが、笑顔になれるような……」

彼の隣に立つに相応しい、女性に……

「輝子ちゃんのプロデューサーに?ふーん?オッケー♪フレちゃん、恋する女の子の為にも腕を振るっちゃうよ!」

……は?コイ? コイって、あのリア充達が、惚れた腫れたってやってる、あれ……?

「うーん、先ずは方向性を決める為に衣装保管室で色々着てみよっか?……輝子ちゃん?」

私が、親友に、コイ?……ぼっちの癖に?違う、私は友達として胸を張りたいんだ……
チガウ…チガウ…

「あちゃ~!フレちゃんうっかりっ!!ゴメンねー?」

フヒッ?う、うっかり?

「う、うっかり、って……」

「この前出演したドラマの影響で、フレちゃんなんでも恋愛に置き換えるようになってたんだー♪別にトモダチの為にお洒落したいのもおかしく無いのにね~?」

そ、そういうことだったのか……

「だ、大丈夫……。気にしてない、から」

そ、そうだよな。コイなんかじゃ、無いよな……

「じゃあ今度一緒にお買い物いこっか?どこを買い占める?adida○?○sics?」

か、買い占め……。豪快だな……

「ほ、他のお客さんが可哀想、だから…それは勘弁してあげよう、よ。フヒッ」

「輝子ちゃんやっさしー♪バファリ○もびっくりだね!」

は、半分が優しさ、か……

「じ、じゃあ私はこれで……」

「まったね~♪」

さて、一旦机の下に…戻るか……



「……輝子ちゃん、目は口ほどに物を言うんだよー?」

「こーいしちゃったんだ、多分♪気付いてフーフフフーン♪」

……フレデリカさんは、ドラマの影響って言ってたけど、それにしたって可笑しいな。

私が親友に対してコイだなんて……

でも、コイなんて知らないし、違うとも…言い切れないの、か?





フレデリカさんにあんな事を言われて、1週間……。ど、どこかおかしい。親友の顔を見ると、胸の辺りが痒くなって……顔を反らしてしまう。

そ、それに……親友が他の子と話してても痒い。でも、その時の痒みは何故かヒャッハーしたくなってくる……。もしかして、病気なの、か……?

……本当は分かってる、んだ。これは私が親友の事を意識してる、って。でも、それはダメなんだ……。私はぼっちだ。私は15歳だ。私は一応アイドル、だ……。

親友は大人で、プロデューサーだ。こんな事は迷惑にしかならないんだ……。

でも、嫌われたくない…。大好きな、プロデューサーに。

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……な、なんだか落ち着かないな…。

「慣れないのは仕方ないさ。……さぁ、これで完成だ」

私は今、フレデリカさんが選んでくれた服に身を包んで…二宮さんに髪を結んで貰っている。

フレデリカさんは、お仕事でこの場にはいないけど…優しい笑顔で激励してくれた。

「へ、変じゃない、かな……?」

なんか、普段の藍子さんみたいな感じだな……。髪型はちひろさんみたいな緩い三つ編みで、自分じゃあ無いみたい、だ……

「少なくとも今の君には似合っていると思うよ。ただ、ライブの時のような真似は避けた方が良いだろうね」

さ、流石にヒャッハーするのはダメか……

「さて、僕はこれで失礼するよ」

二宮さんにも感謝、だな…

「こ、今度腕によりをかけた…キノコ料理を、振る舞う、よ……」

「楽しみにしているよ」

……さて、いくか。幸子ちゃんたちに励まして貰ってから数日経って、なんとか今日まで…たどり着いた。

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少女は、大人の階段を少し上った。

大人にとっては誰もが経験のある一歩でも、彼女にとっては大きな一歩だ。

その一歩が彼女にどのような影響を与えるのか、それはまだ分からない。が、決して悪いものでは無いのだろう。

ーーこれは、少女が初恋と向き合った物語ーー

4月に書き始め、気付いたら星輝子の誕生日が間近だったのでそれに合わせてみました。
色々と足りない作品ではありますが、読んで頂いた方ありがとうございます。
それでは失礼します。

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