輝子「美玲が本当はオオカミだった」 (42)
モバマスssです。
過剰に仲がいい描写があります。
苦手な人は閲覧に注意してください。
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輝子「今日は十五夜だな…」
美玲「そうだな」
輝子「ここからも月が見えるぞ…おっきくてまん丸で綺麗…」
美玲「そっか…」
輝子「雲もかかってないし…」
美玲「…」
輝子「美玲、さっきからフード被ってうつむいてるけど…どうした?」
美玲「べ、別になにも…」
美玲「なあ、早く帰らないか…ウチ、レッスンで疲れたんだ」
輝子「フヒ、帰る前に…コレ見せたくて」
美玲「き、キノコ?なんか光ってるけど…」
輝子「ツキヨダケっていうキノコ…だいぶ育ってきた…」
輝子「レッスン長引いて、暗くなったから…」
輝子「わ、私のツキヨダケと月…どっちがキレイ?」
美玲「どっちでもいいだろッ!」
美玲「それより早く…早く帰ろうよ、輝子」
輝子「丹精こめて育てたキノコ…美玲にも見てほしい…」
美玲「明日でいいだろッ、明日じっくり見るからさ」
美玲「それより、ウチは早く帰りたいんだッ!」
輝子「わ、私の育てたキノコ…そんなに見たくないのか…」
美玲「だ、だからそういう訳じゃなくて…」
輝子「フヒ」スッ
パサッ
美玲「あっ!」
輝子「フード、隙ありだぜぇ…」
輝子「美玲、ちょっと元気ない…な、何かあったか?」
美玲「だ、だめ…」
輝子「だめ?」
美玲「後ろ…」
輝子「後ろ…?うん、言っただろ…月が綺麗だって」
美玲「ッ!」ドンッ
輝子「わっ!?」ドテッ
輝子「み、美玲?」
美玲「ううっ、だ、ダメだ!今は…!」
輝子「だ、大丈夫か美玲!?」
美玲「やだ…!うあっ、ああっ!?」
ピョコンピョコンピョコン
輝子「…」
美玲「…」
輝子「美玲…その…耳と尻尾?」
美玲「あ…」
輝子「あ、その…ごめん、変なこと言って…」
輝子「で、でも…急に生えてきた…ような…?」
美玲「…」
輝子「飾り…だよね?フヒ、生えてくるなんてそんなわけ…」
美玲「輝子…あのね…」
美玲「これ、本物なんだ…」
輝子「ほ、本物…」
輝子「さ、さっきの…見間違いじゃ…」
美玲「うん、ホントに生えてきたんだ」
美玲「隠してたけどウチ…実は狼なんだ」
輝子「お、おおかみ…動物の、だよね?」
美玲「…うん」
輝子「え、えと…じゃあ…」
輝子「狩りをしたり、すごく速く走ったり…?」
美玲「まぁ、一応な…」
輝子「そ、それじゃあ…」
輝子「ウルフェンに乗ってフォックスとドッグファイトしたり」
輝子「サンを乗せて森を侵す人間と戦ったり」
輝子「卒業試験にヤゴロボと組んでドラえもんズと学校を目指したり」
輝子「SBホークスでピッチャーしたり」
輝子「…するのか?美玲も…」
美玲「…」
美玲「そうだ」
輝子「す、すごいじゃないか…」
美玲「ウチは嫌だッ!こんな…狼なんて!」
輝子「み、美玲…?」
美玲「恰好は同じだけど…でもやっぱり、本当の人間じゃないんだ」
美玲「ウチじゃどうしようもなくて、それがすごく寂しいんだ…」
美玲「輝子だって嫌だろ?ウチはみんなと違うんだから…」
輝子「わ、私は別に…」
輝子「それに、耳と尻尾が出ただけで…いつもの美玲と変わらないんだけど…」
美玲「うぅ、そんな慰めの言葉なんて要らないッ!」
輝子「美玲も苦労してるんだな…」
美玲「ち、近寄るなッ!」
輝子「だ、大丈夫だ…怖くないぞ」スッ
ナデナデ
美玲「あう…」
輝子「確かに本物だな…」
美玲「輝子、このことは…」
輝子「わかってる…誰にも言わない」
輝子「でも、狼だって隠すの…結構大変なんじゃないか?」
美玲「多少はな…この姿でいた方がやっぱり楽だし」
輝子「わ、私の前ではこの姿でいいから…」
輝子「それに…美玲のために、出来ることは何でもするから…」
美玲「輝子…」
輝子「フヒ、友達だからな…」
美玲「あ、ありがと…へへッ、気持ちだけでもすごく嬉しいぞッ!」
――――
――
輝子「美玲、ツメ伸びてないか…?」
美玲「ツメ?別に普通だけど」
輝子「伸びてきたら、私が切ってあげる…」
美玲「なんだそれ、それくらい自分でやるよ」
輝子「や、やっぱり足先は触られるの苦手なんだな…」
美玲「何の話だ?」
~~~~
輝子「は、ハミガキの時間だぞ…」
美玲「なんだよ、急に子ども扱いして」
輝子「上あごの門歯が歯周病になりやすいらしい…」
輝子「い、嫌なら指サック型の歯ブラシもあるぞ…」
美玲「自分で出来るってば!」
~~~~
輝子「フヒ、本読んであげる…」
美玲「だから子ども扱いするなって!」
輝子「よ、読み聞かせは、動物学的にも情緒安定にいいらしいんだ…」
美玲「お前がイライラさせてるんだろうがッ!」
輝子「"二ひきは、 あらしの よるに まっくらな こやで であい
あいてが だれだか わからないまま かたりあった。"」
美玲「あ、それウチの好きなヤツだ…」
~~~~
前の森久保の人?
輝子「美玲、逃げちゃダメだ…」
美玲「に、逃げるに決まってるだろッ!何なんださっきからペタペタ触って!」
輝子「マッサージだ…ちゃんと効果があるらしいぞ…」
輝子「えーと…背筋、耳、首、口周り、お腹…」
美玲「ひゃあ!?や、やだぁ…!」
~~~~
輝子「シャンプーするぞ…お湯、熱くないか?」
美玲「ん、ちょうどいいぞッ」
美玲「へへッ、誰かに髪洗ってもらうのも気持ちいいな♪」
輝子「うん、ノミは付いてなさそうだ…」
美玲「…」
~~~~
輝子「さ、散歩に行かないか…?」
美玲「散歩?」
輝子「川原のそばに、いい散歩コースがあるんだ…」
美玲「へぇ、よさそうじゃん!」
輝子「飲み物も持ったし…念のためにビニールぶくr」
美玲「シッ!」ガリッ
輝子「フヒィィィぃぃ!!?!」
美玲「フンッ!」
――――
――
後日
輝子「美玲、ブラッシングしてあげる…」
美玲「いいよそんなの!ウチに近づくなッ!」
美玲「大体お前がやってるの、全部あの本に書いてあることだろッ!」
輝子「うん…い、犬の気持ち…」
美玲「それだよ!お前ウチをペット扱いしてるだろ!」
輝子「そ、そんなつもりは…犬科だから、同じなのかなって…」
美玲「この姿で暮らしてるんだから、犬のケアはいらないんだよッ!」
輝子「あっ、ご、ごめん…」
>>17
森久保の人ではないです
ちなみに森久保も出てきます
輝子「美玲の役に立とうと思って…迷惑だよね…」
美玲「あ、いや…そんなに落ち込まなくてもいいだろッ」
美玲「気持ちは嬉しいけど、やり過ぎってだけで…そういうのはたまにでいいから」
輝子「そ、そうか…分かった」
輝子「とりあえず、今日はあごの下を撫でるだけで…」
美玲「分かったって言っただろさっき!」ガリッ
輝子「ヒイィィ!?」
美玲「ウチ帰るッ!」バタン
輝子「い、痛い…」
乃々「最近どうしたんですか、仲が良いような悪いような…」
輝子「な、なんでもない…」
乃々「それならいいですけど…平和に過ごしたいので」
輝子「あ、そうだ…乃々、コレあげる」
乃々「え、なんですか?」
輝子「ドングリだ…ほら」
乃々「ど、ドングリ!!?」
輝子「しいたけの原木を買ったら、一緒に混ざってたんだ…」
輝子「原木はドングリ木をよく使うから…コナラとかクヌギとか」
輝子「乃々、この前リスの格好してたし…フヒ、なんとなく持ってきt」
乃々「だ、だめです!ドングリは…!」
輝子「へ?の、乃々…?」
乃々「い、嫌!輝子さん見ないで!」
輝子「ど、どうしたんだ乃々…!」
乃々「ひぅ!?んんっ!だ、ダメ!」
ピョコンピョコンピョコン
輝子「…」
乃々「…」
輝子「乃々…その…耳と尻尾?」
乃々「あぅ…」
輝子「も、もしかして…乃々も?」
乃々「輝子さん、このことは誰にも…」
――――
――
輝子「乃々、尻尾の感じはどうだ…?」
乃々「尻尾ですか?…いつもと変わりはないみたいです」
輝子「見てあげるから、こっち来て…」
乃々「そんなに気にしなくても大丈夫ですけど」
輝子「トレードマークなんだから、大事にしなきゃだめだぞ…」
輝子「かゆいところ、ないか…?」モフモフ
乃々「はい、特に…」
輝子「自分で噛んじゃったりしてないか…?」モフモフ
乃々「そ、そんなことしませんから…」
輝子「いっぱい毛が抜けたりとか、してないか?」モフモフ
乃々「そ、そういうことも特に…んぅ」
乃々「…あの、輝子さん…尻尾はあんまり触られると、その…」
輝子「だ、大丈夫だ…尾抜けしないように優しく触ってるから…」
乃々「そういうことじゃ…ひゃっ、んんっ…!」
美玲「…」ジトッ
輝子「どうした、美玲…?」
美玲「…別に」プイッ
乃々「私ばっかり悪いですから、今度は美玲さんのお手入れも…」
輝子「美玲は…たまにぐらいが好きらしいんだ…」
美玲「あぅ…」
おわり
http://i.imgur.com/On4igFQ.jpg
間に合わなかったどころか乃々まで増えてる...だと
>>34
おお、すごいかわいい…
わざわざありがとうございます!
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