ヴィーネ「ガヴ~…♪ガヴ~…♪」スリスリ ガヴ「……なんでこんなことに」 (85)

初投稿です。ちょっと長いかも

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-とある日の午前-

ガヴ「ふわぁぁ……流石に眠くなってきたな……今何時だ?」チラッ

ガヴ「10時かー……まあ今日は日曜だし、限定クエの時間まで昼寝するか……」

ガヴ「ご飯は……起きてからでいいや」ゴソゴソ

ガヴ「………」


<ピンポンピンポンピンポーン


ガヴ「」ビクッ


<ガヴリールー?イルンデショー?ハヤクアケナサーイ!


ガヴ「……無視だ無視。そのうち飽きて居なくなるだろ」

<ガチャッ


ヴィーネ「開いたわよ」

サターニャ「あーほら、やっぱり居るじゃない!起きなさいよガヴリール!」

ラフィ「あらあら、ガヴちゃん、おねむさんですか?」

ガヴ「マジかよ……」

サターニャ「ふん、この大悪魔サタニキア様にかかれば、あんたの居留守なんてお見通しなのよ!さあ観念してさっさと起きなさい!」

ガヴ「やだよ。私はこれから昼寝するの」

サターニャ「はあ!?今日はガヴリールの家で遊ぶって約束してたでしょ!」

ラフィ「そうですよー。ほら、お菓子とか遊び道具とか、色々持ってきましたし」ガサッ

ガヴ「えー……そうだっけ。覚えてないなー」

サターニャ「私は覚えてるわよ!ほら、この前の昼休みに……」



ガヴ『……』zzz

サターニャ『ガヴリール!今日こそ決着を……ってあれ?』

ヴィーネ『(しーっ)』

ガヴ『……』コックリ コックリ

サターニャ『寝てるじゃないの。まったく、無用心なやつねぇ』

ヴィーネ『どうやら昨日ネトゲで徹夜したみたいなの。もう少ししたら起こそうと思ってるんだけど……』

サターニャ『ふーん』

ガヴ『………』コックリ コックリ

サターニャ『!』ピコーン

サターニャ『ねぇねぇ、ガヴリール、今度あんたの家に遊びに行ってもいい?いいわよね?』

ガヴ『……』


ガヴ『……』コックリ

サターニャ『よしっ!』


サターニャ「……という訳よ!」

ガヴ「いやなんでだよ!私の意思関係ないじゃん!!」

サターニャ「ふん、悪魔に隙を見せる方が悪いのよ」

ガヴ「ぐぬぬ……なあヴィーネ、こんなの無効だよな?な?」

ヴィーネ「……」

ガヴ「……ヴィーネ?」


ヴィーネ「……その、よく考えたら、私がガヴの家に「遊びにいく」ことってあんまりなかったから、ちょっとくらい良いかなー……なんて」

ガヴ「」

ラフィ「私は楽しそうなので付いて来ました!」

ガヴ「くっ、天は私を見放したか……!」

サターニャ「いいから早く起きなさい!おーきーなーさーいー!」

ガヴ「あーもー分かった!分かったから上に乗るな!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ガヴ「……で、一体何をするつもりなんだ?」ゲンナリ

サターニャ「ふふん、聞いて驚きなさい!今日のメインイベントはこれよ!」ダンッ


ガヴ「なんだこれ……『素直になる薬』?」

サターニャ「これはひと口飲んだだけで、どんな大悪魔も大天使も素直になってしまうという恐ろしい薬よ!」

ガヴ「(また魔界通販?)」

ヴィーネ「(そうみたい)」

ラフィ「それで、これをどのように使うんですか?」

サターニャ「これはね、今からやる勝負の敗者に飲ませるのよ!」

ラフィ「なるほどー。つまりサターニャさんが飲むということですね?」

サターニャ「なんで私が負ける前提なのよ!!」

ガヴ「だってお前勝負事弱いし」

サターニャ「ムキー!!いまに見てなさい!絶対に吠え面かかせてやるんだから!」


ヴィーネ「まあまあ……それで、何で勝負するの?」

サターニャ「ふっふっふ、それはね……ババ抜きよ!」

ガヴ「ババ抜きねー……」

サターニャ「私は一度ババ抜きで天使に勝ったことがある。つまりガヴリールやラフィエルにも勝てるということ!どう?逃げ出すなら今のうち……」

ガヴ「ちゃんとシャッフルしてから配ってよー」

ヴィーネ「分かってるってば。こうやって……」シャッシャッシャッ

ラフィ「わあ、ヴィーネさんお上手です!」

サターニャ「聞きなさいよ!!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ラフィ「中々の接戦ですねー」←1位抜け

ガヴ「ヴィーネ頑張れー」←2位抜け

サターニャ「くっ、こんなはずじゃ……」←残り1枚

ヴィーネ「………」ダラダラ ←残り2枚

ラフィ「しかしサターニャさんはともかく、ヴィーネさんがここまでババ抜きに弱かったとは……」

ガヴ「あんなに格好良くシャッフルしてたのにね」

ヴィーネ「言わないで!恥ずかしいから!」

サターニャ「さあ、行くわよヴィネット!」

ヴィーネ「うっ……こ、こい!」

ガヴ「まあ仕方ないよ。だって…」



サターニャ「うーん、こっちかしら?」

ヴィーネ「!」パァァ

サターニャ「それともこっちかしら?」

ヴィーネ「……」ズーン

サターニャ「こっちね!」

ヴィーネ「ああっ!!」


ラフィ「めっちゃ顔に出てますし」プフー

ガヴ「いやぁ、あれは致命的だよねー」

サターニャ「はっはっはー!勝負あったわねヴィネット!」

ヴィーネ「うぅ……」 ガックリ


ラフィ「ヴィーネさん、残念でしたね」

ガヴ「まあ、仕方ないよ。誰にでも得意不得意はあるんだし」

ヴィーネ「ガヴ……ラフィ……」

ガヴ「よしよし」

サターニャ「ちょっと!私は!?」

ラフィ「サターニャさん、大人気ないです」

ガヴ「あそこはお前が負ける流れだったろ。本当空気読めないよな」

サターニャ「な!ん!で!私が責められるのよ!正々堂々勝負した結果でしょうが!」

ガヴ「まあ、それは置いといてさ」

サターニャ「無視するなー!」


ガヴ「確かにヴィーネが勝負に負けたのは事実だし、まあ何というか……」ポンッ

ヴィーネ「え?」


ガヴ「飲も?薬」ニッコリ

ヴィーネ「」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ヴィーネ「ほ、本当に大丈夫?死んだりしない?」

サターニャ「だーいじょーぶよ!説明書にもちゃんと1時間で効果が切れるって書いてあるし。それにストロベリー味だから飲みやすいはずよ!」

ヴィーネ「で、でも……」


ガヴ「往生際が悪いよヴィーネ。ささ、飲んで飲んで」

ラフィ「こういうのは、一気に全部飲んじゃった方が良いと思いますよー」

ヴィーネ「うぅ……わ、分かったわよ。飲めばいいんでしょ飲めば」

サターニャ「さあヴィネット、敗北者の証を示しなさい!」

ヴィーネ「後で覚えてなさいよ……んっ」ゴクッ

ヴィーネ「……」ゴクッゴクッ

ガヴ「おー」

ラフィ「わくわく♪」

ヴィーネ「……」ゴクッゴクッ…

ヴィーネ「……」プハッ

サターニャ「飲み終わったわね!さあてどんな恥ずかしい質問を……」


ヴィーネ「……」

サターニャ「あれ?ヴィネット?おーい」

ヴィーネ「……」


ヴィーネ「」バタン


サターニャ「へ?」

ガヴ「……ヴィーネ?おいヴィーネ!大丈夫か!」ユサユサ

ヴィーネ「」ポケー

サターニャ「え?え?どゆこと?」

ガヴ「サターニャ、お前まさか……」

サターニャ「いやいやいや違うわよ!?ちゃんと安全な薬って書いてあったし!!」


ガヴ「……」ジトーッ

サターニャ「本当よ!信じて!」

ラフィ「サターニャさん、その説明書を見せて貰えますか?」

サターニャ「え?ああ、いいわよ。はいコレ」

ラフィ「ありがとうございます。んー……あ、なるほど」パラパラ

ガヴ「どうした、何か分かったか?」

ラフィ「サターニャさん、分量を間違えてますね。一回の使用につき、3滴が適量みたいです」

サターニャ「」

ガヴ「やっぱお前のせいじゃねーか!!」

サターニャ「ご、ごめんなさーい!」


ラフィ「まあでも、安全な薬というのは本当みたいですし……あ、一応飲み過ぎた場合の副作用についても書いてあります」

ガヴ「まったく……なんて書いてあるんだ?」

ヴィーネ「……」モゾ…

ラフィ「そうですね……決まった副作用は無いようですが、例えば素直になり過ぎるあまり……」

ヴィーネ「……」ムクリ

サターニャ「あ、ヴィネット、気がついたのね!良かった……」

ヴィーネ「……」キョロキョロ

サターニャ「ヴィネット?」

ヴィーネ「!」ガバッ

ガヴ「え?うわ、ちょっ!」ガタンッ



ラフィ「精神年齢が3歳児並みになったりしちゃうみたいです!」

ヴィーネ「ガヴー♪」ギュー


ガヴ&サタ「えぇぇえええ!?」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ガヴ「……」

ヴィーネ「ガヴ~…♪ガヴ~…♪」スリスリ

ガヴ「はぁ……なんでこんなことに」


ラフィ「飲み過ぎた場合はだいたい10時間で効果が切れるみたいなので、それまでの辛抱です!」グッ

ガヴ「さっき1時間って言ってたじゃん!あーもー、この体勢疲れるんだけど」

ヴィーネ「ガヴー♪好きー♪」ギュー

ガヴ「10時間ずっとこれって結構キツいぞ……」

サターニャ「……」コソコソ

ガヴ「おいサターニャ、どこへ行くつもりだ?」

サターニャ「え?あ、いや、そのー……ちょっとお手洗いに」

ガヴ「というかこれお前のせいだからな。責任とってヴィーネは連れて帰れよ」ジロッ

サターニャ「ええっ!?なんでよ!あんたも乗り気だったじゃない!」


ガヴ「そもそもサターニャが分量を間違えなければこうはならなかっただろ」

ラフィ「私もそう思います!」

サターニャ「ちょっ、ラフィエルまで!」

ガヴ「多数決で決定だな。ほら早く」

サターニャ「ぐぬぬ……分かったわよ。ほらヴィネット、こっちに……」

ヴィーネ「やー!」ギュッ

サターニャ「え」

ガヴ「ちょ、苦しっ」


ヴィーネ「サターニャはさっき私のこといじめたから、やー!私はガヴとラフィといっしょにいるのー!」ギュゥゥ

サターニャ「」



ガヴ「んーー!んーー!」バンバン

ラフィ「……っ」プルプル

ヴィーネ「サターニャきらーい!」

サターニャ「な、なんで私だけ!?」ガーン

ラフィ「た、多分……んふっ、薬を飲む直前に、サターニャさんが…んふふっ、煽ってたからじゃないですか……?」

サターニャ「子供かー!!」

ヴィーネ「ガヴー♪」ギュゥゥ

ガヴ「あーもー離せ!!」バッ

ヴィーネ「あっ……」


ガヴ「まったく、私は体力無いんだからさ、手加減してよ……」ゼーゼー

ヴィーネ「……」

ラフィ「あー……ガヴちゃん。今のヴィーネさんをそうやって引き離すと……」

ガヴ「え?」

ヴィーネ「……っ」ジワッ

ガヴ(あ、マズ……)


ヴィーネ「うわぁぁぁああん!!ガヴに嫌われたぁぁぁあ!!」ビエー!


ガヴ「」

ラフィ「泣いちゃいますよ……って遅かったですね」


ヴィーネ「もうやだぁぁあ!!魔界かえるーー!!」

サターニャ「お、落ち着いてヴィネット」アセアセ

ヴィーネ「やー!はなしてー!」ジタバタ

ガヴ「……ヴィーネってこんな性格だっけ?」

ラフィ「今は薬の効果もありますからねー。些細なことでも感情が抑えられないみたいです」

サターニャ「ちょっと!呑気なこと言ってないで2人とも手伝いなさいよ!」

ヴィーネ「はーなーしーてー!」ジタバタ

ガヴ「はぁ……仕方ないな」

ガヴ「ヴィーネ。別に私はヴィーネのこと嫌ってないからさ、泣き止んでよ」ナデナデ

ヴィーネ「……ほんと?」

ガヴ「ほんとほんと」


ヴィーネ「じゃあ私のこと、好き?」

ガヴ「えっ……それは、まあ、その……」

ヴィーネ「……」ジー

ガヴ「……うん」

ヴィーネ「えへへー、分かったー」ニコー

ガヴ「……」ナデナデ

ラフィ「あらあら、ガヴちゃんまで素直になっちゃったみたいですね」

ガヴ「……うっさいな。こうでもしなきゃ泣き止まなかっただろ」プイッ

ラフィ「ふふっ」


ヴィーネ「サターニャも、ひどいこと言っちゃってごめんね?」

サターニャ「えっ……べ、別にいいわよ。大悪魔は懐が深いんだから!」

ヴィーネ「えらいえらい」ナデナデ

サターニャ「なんで撫でるのよ!」

ラフィ「……」プルプル

ガヴ「それで、これからどうするんだ?ヴィーネがこの状態じゃ、やれる遊びも限られてるだろうし」

サターニャ「天命ゲームなら持ってきてるわよ!」

ガヴ「3歳児には無理だろ」

ラフィ「そうですねー……ヴィーネさんは、何かやりたいことありますか?」

ヴィーネ「えっとねー、おままごと!」


ガヴ「おままごと?」

ヴィーネ「うん!私がお母さんで、ガヴがぐーたらなお父さんでー」

ガヴ「やけに生々しいな……」

ヴィーネ「ラフィがやさしいお姉ちゃん!」

ラフィ「あらあら、嬉しいですね」

サターニャ「私は?ねぇ私は?」ワクワク


ヴィーネ「サターニャはねー……犬!」

サターニャ「」


ラフィ「ぶふっ」プルプル

ガヴ「犬だってさ」ニヤニヤ


サターニャ「納得行かないわー!もっとこう、大悪魔の役とか……」

ヴィーネ「だめ!サターニャは犬!」

ガヴ「だってさ。諦めな」

サターニャ「ううう……!」

ラフィ「大丈夫です。似合ってると思いますよ?犬」プルプル

サターニャ「全然嬉しくない!」

ヴィーネ「ねーねー!はやく、おままごとやろー!」

ガヴ「えー。マジでやるの?」

ラフィ「いいじゃないですか。面白そうです!」

ガヴ「はぁ……じゃあこの辺を片づけて、と……」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ガヴ「あー……やっぱ家でゴロゴロするのは最高だなー」

サターニャ「わんわん!(私は犬!)」

ヴィーネ「こら、お父さん!休みの日だからってねてばかりじゃだめでしょ!」

ガヴ「えー、いいじゃん。休みなんだしー」

ヴィーネ「ほら、おへやのおそうじしますから、おきて!おーきーてー!」ユサユサ

ガヴ「ちっ。仕方ないなー」

ヴィーネ「あーほら。またゴミすててないじゃない」

ガヴ「だって面倒だし」

サターニャ「わんわんっ(メロンパンちょうだいっ)」


ラフィ「お母さん、お父さん、ただいまー」


ガヴ「おー、おかえりー」

ヴィーネ「あら、おかえりラフィ。どこに行ってたの?」

ラフィ「えっと、近所にいる犬を躾ける遊びをしてきました!」

サターニャ「!?」

ヴィーネ「あらあら、楽しそうねー。あ、よかったらおへやのおそうじ手伝ってくれる?お父さんがまたちらかしちゃて」

ラフィ「いいよー。でもその前に……」スッ

サターニャ「わぅ?(え?)」


ラフィ「ほら、サターニャちゃん、足を舐めてください」

サターニャ「」

ラフィ「どうしたの?いつも私が帰ってきたときは、喜んで足を舐めてくるのに」

サターニャ「何よその設定!?」

ヴィーネ「こら、犬がしゃべっちゃダメでしょ!」

サターニャ「わ、わんわんっ!(ちょ、この悪魔!)」

ラフィ「ほら、早く。舐めなさい」

サターニャ「わ、わぅぅ……」フルフル

ラフィ「……はぁ。まあいいです。今日のサターニャちゃんは調子が悪いみたいだし……」

サターニャ「ほっ……」


ラフィ「いつも通り、椅子になって貰いましょう!」ドンッ

サターニャ「グェッ!?」

ラフィ「んー、あまり座り心地はよくないですねー」グリグリ

サターニャ「キャンキャン!!(ちょっと、どきなさいよラフィエル!!)」

ラフィ「あらあら、そんなに喜んじゃって。サターニャちゃんは椅子になるのが大好きなんですね?」

サターニャ「がるるるる!!(好きな訳あるかー!!)」

ガヴ「あ、そうだサターニャ。お前掃除も大好きだったよな?お母さんの代わりにやってやれよ」

サターニャ「!?」

ガヴ「どうした?いつもあんなに喜んで掃除してたじゃないか」ニヤニヤ

サターニャ「わんわんわん!(ちょっと!私犬よ!?)」

ヴィーネ「あ、いいわね。ついでにおせんたくも手伝ってもらおうかなー」

サターニャ「わぅう!?(ヴィネットまで!?)」


ガヴ「いやあ、働き者の犬がいて我が家は幸せだなー」

ラフィ「それじゃ、このままお掃除とお洗濯をして貰いましょう!頑張ってサターニャちゃん!」

サターニャ「わんわんわぉぉぉおん!!(あんたはさっさとどきなさいよーーー!!)」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



サターニャ「」グッタリ

ヴィーネ「楽しかったー♪」ニコニコ

ラフィ「楽しかったですー♪」ツヤツヤ

ガヴ「まあなんだ……お疲れサターニャ」

サターニャ「もうやだ……二度とやらない……」


ヴィーネ「ねーねー、つぎはなにする?なにする?」

ガヴ「んー、私も結構疲れたし、あんま体を動かさないのがいいかなー」

サターニャ「あんたずっと寝てただけじゃない……」

ラフィ「それなら、今のヴィーネさんに色々質問してみるのはどうでしょうか?」

ガヴ「質問?」

ラフィ「はい。今のヴィーネさんは「素直になる薬」を飲んだ状態なので、どんな質問にも正直に答えてくれるはずです!」

ガヴ「あーそっか。すっかり忘れてたわそれ」

サターニャ「ってそうよ!そもそも今日はその薬を使ってあんなことやこんなことを聞いてやるために来たんだから!」ガバッ

ガヴ「あと一歩でお前が飲むところだったけどな」

ヴィーネ「え、なーに?しつもん?」

ラフィ「はい。今からヴィーネさんに色々なことを聞くので、素直に、正直に答えてくださいね?」

ヴィーネ「わかった!」


サターニャ「はいはーい!じゃあまず私からヴィネットに質問!」

ヴィーネ「はい!」

ラフィ「……」ワクワク

サターニャ「ズバリ!ヴィネットは私のことをどう思っているのかしら?この偉大な大悪魔であるサタニキア様に誓って、正直に答えなさい!」ズバーン

ヴィーネ「えっとねー……アホの子!」

サターニャ「そうよね。ヴィネットは私の悪魔的魅力に気付いて……今なんて?」

ヴィーネ「アホの子!」

サターニャ「」


ガヴ「ああ、なるほど。素直になるってそういう……」

ラフィ「……っ!」バンバン


ヴィーネ「だっていっつもへんなイタズラしてるしー、ガヴやラフィにすぐだまされるしー、勉強できないのにわざと宿題やらなかったりするしー……」

サターニャ「うぐっ」グサッ

ヴィーネ「本当はみんなとなかよくしたいのに、へんないじはったりー」

サターニャ「なっ、そ、そんなことないわよ!」

ガヴ「容赦ないな」

ラフィ「最高ですっ、ヴィーネさん……!」プルプル

ヴィーネ「あ、でも、いつも自信まんまんであかるくて、うんどうしんけいがいいのはちょっとうらやましいかなー」

サターニャ「えっ?」

ヴィーネ「ほら、私ってあんまりゆうしゅうな悪魔じゃないでしょ?だから、いつもがんばってるサターニャはすごいなーって」

サターニャ「そ、そうかしら?えへへ……」テレテレ

ガヴ「なんでお前が照れてるんだよ」


ラフィ「いやー、これは想像以上ですね♪」テカテカ

ガヴ「というかラフィ、お前こうなること分かってただろ……」

ラフィ「うふふっ」

サターニャ「そ、それでヴィネット」

ヴィーネ「なーに?」

サターニャ「ヴィネットは、私のこと……嫌いなの?さっきも嫌いって言ってたし……い、いや別に、気にしてる訳じゃないけど!」

ヴィーネ「えー?きらいじゃないよー」

サターニャ「!そ、それじゃあ、好き……」パァァ


ヴィーネ「サターニャはね、ふつう!」

サターニャ「」

ヴィーネ「ふつう!」


ガヴ「はい。終了ー」


ラフィ「ヴィ、ヴィーネさんは、本当に素直ですね……」プルプル

サターニャ「……お手洗い行ってくる」グスッ

ヴィーネ「サターニャだいじょうぶ?元気だしてー」

サターニャ「あんたのせいでしょうが!」

ガヴ「なんというか、子供の無邪気って恐ろしいな……」

ラフィ「ええ、本当に素晴ら…恐ろしいですね♪」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ラフィ「それでは、もう随分暗くなってきましたし、私たちは帰りますね。」

ガヴ「おう、帰れ帰れ。……結局昼寝出来なかったな」

ヴィーネ「じゃーねーラフィ!」


ラフィ「はい♪…それにしてもガヴちゃん、本当にヴィーネさんをお任せしてもいいんですか?」

ガヴ「あー、ぶっちゃけ嫌だけどさー……まあ、どうせ今のヴィーネを1人には出来ないし、また泣かれても困るからな」

ヴィーネ「おとまりおとまりー♪えへへー」ギュー

ラフィ「分かりました、よろしくお願いしますね。ほらサターニャさん、帰りますよ。……サターニャさん?」


サターニャ「ぁー……」ポヘー


ラフィ「あらら、魂が抜けちゃってますね」

ガヴ「まあ結局最後まで振り回されてたからな……」

ヴィーネ「サターニャまっしろー」

ラフィ「仕方ありませんね……よい、しょっと」

サターニャ「ぅー……」グデー

ラフィ「サターニャさんは私が責任をもって送り届けますね♪」

ガヴ「おう(脇に抱えてる……)」


ラフィ「それでは、お邪魔しました」

ガヴ「ん。じゃーなー」ヒラヒラ

ヴィーネ「ばいばーい!」ブンブン


<ガチャッ バタン


ガヴ「……」

ヴィーネ「……」


ガヴ「帰ったな」

ヴィーネ「かえったねー」


ガヴ「……」

ヴィーネ「……」



ガヴ「……さて、と」




ヴィーネ「ガヴー♪」ギュゥゥ

ガヴ「私はいつまでこの体勢でいればいいんだ……?」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ヴィーネ「いっただっきまーす!」

ガヴ「いただきます」


フーフー……ズズッ……ズルズル……


ヴィーネ「おいしー!」

ガヴ「まあ、インスタントラーメンだからな」


ズルズル……ズルズル……


ヴィーネ「んー……でも、おやさいがちょっと少ないかも?」

ガヴ「インスタントラーメンだからな」


ズルズル……ズズッ……


ヴィーネ「バランスよくたべないと、大きくなれないよー?」

ガヴ「……インスタントラーメンだからな」

ヴィーネ「もー、そればっかり」

ガヴ「私には料理を作る技術も材料も無いんだからさ、贅沢言うなよ。そもそも今日泊める予定だって無かったんだし」

ヴィーネ「はーい……」ズルズル…

ガヴ「……」ズルズル…


ガヴ(……流石に、夕食にインスタントラーメンはマズかったか)

ガヴ(自分だけならまだしも、他人に食べさせるとなると少し気が引ける)

ガヴ(こういうとき、いつもならヴィーネが何か作ってくれるんだけどな……)

ガヴ(やっぱ、何か料理を覚えた方がいいのかな。試食部の2人みたいに……とまではいかなくても、簡単なものくらいは)

ガヴ(……って、こんなの私のキャラじゃないか。どうせ今日だけの話だし、気にしない気にしない)

ヴィーネ「……ガヴ?」

ガヴ(それより、この後のことを考えないとな。ヴィーネを風呂に入れなきゃいけないし、着替えは……私の服でいいか)

ガヴ(ベッドは流石に2人じゃ狭いけど、私は床でも寝れるしそこは問題ない)

ガヴ(あ、そういえば限定クエストが……ま、いっか。どうせ復刻クエだし)

ヴィーネ「ガヴ?」

ガヴ「ん?なに?」


ヴィーネ「ボーッとしてるけど、だいじょうぶ?」

ガヴ「……あー。いや、何でもない」

ヴィーネ「はやくたべないとのびちゃうよー」

ガヴ「げっ!マジだ」

ヴィーネ「私はもうたべおわったからかたづけるね。ごちそうさまでした!」

ガヴ「ん」ズズッ

トテトテ……

ガヴ(3歳児のヴィーネ、案外手がかからないな。これなら……)ズルズル…


<ドンッ ガッシャーン!!!

ガヴ「!?」ブフッ

ガヴ「ど、どうした!?何があった!」

ヴィーネ「ごべんなざい~……」ビッショリ

ガヴ「大丈夫かヴィーネ!?……って、なんでお前頭からスープ被ってんだよ!何をどうしたらそんなことに……」

ヴィーネ「あ、あのね、スープをかたづけようとしたらね……かたづけかたがわからなくて……」

ガヴ「お、おう。それで?」

ヴィーネ「その……」ジワッ



ヴィーネ「ごべんなざい~~!!」ビェェ!

ガヴ「いやそこで泣くなよ!!気になるだろ!」



ヴィーネ「う〝ぇぇえええん!!」

ガヴ「あぁ、もう!いいから服脱げ!」


ヴィーネ「ガヴ~~~!!」ガバッ

ガヴ「うわっ、ちょ、馬鹿!その格好で抱きつくな!私まで濡れ……ぎゃぁぁあああ!!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ヴィーネ「……ごめんなさい」

ガヴ「……ん」


ガヴ(結局、私とヴィーネは服を洗う間に風呂に入ることになった)

ガヴ(誰だよ3歳児のヴィーネは手がかからないって言った奴!めちゃくちゃかかるじゃんか!)


ヴィーネ「ガヴ……おこってる?」

ガヴ「……怒ってない」


ヴィーネ「ほんと?」

ガヴ「……」

ヴィーネ「……やっぱり、おこってる?」

ガヴ「……ちょっとだけ」

ヴィーネ「ごめんなさい……」シュン

ガヴ「別に、ヴィーネは悪くないよ。今は子供なんだし、私の配慮が足りなかった」

ヴィーネ「うぅ……」

ガヴ(はぁ……これじゃあ私がヴィーネにやつあたりしてるみたいじゃないか)

ガヴ「ほら、頭洗ってやるからむこう向け。どうせ自分じゃ洗えないんだろ」

ヴィーネ「うん……」


ガヴ(他人の世話をするのって、こんなに面倒くさいものなんだな)

ガヴ「痛かったら言えよ」

ヴィーネ「……」

ガヴ(考えなきゃいけないことがたくさんあるし、相手が期待通りに動いてくれるとは限らない。正直、進んでやりたいとは思えない)

ガヴ(……ヴィーネは、いつもこんな気持ちだったのかな)

ガヴ「……」ワシャワシャ

ヴィーネ「……」

ガヴ(朝起こしたり、掃除したり、ご飯作ったり……ヴィーネがあまりに手際よくやるから、それが当たり前のように感じてしまっていた)

ガヴ(……そんな訳、ないよな)

ガヴ「痛くないか?」

ヴィーネ「……うん」


ガヴ(ま、別に私が世話してくれって頼んだ訳じゃないし、感謝する気なんてないんだけど)

ガヴ(…………)

ガヴ「……なあヴィーネ」ワシャワシャ

ヴィーネ「……なに?」

ガヴ「どうしてヴィーネはいつも私の世話をしてくれるんだ?」ワシャワシャ

ヴィーネ「んー……」

ガヴ「面倒じゃないのか?」

ヴィーネ「めんどうだよ?人のいうこときかないし、ときどきぶっとばしてやろうかと思うもん」

ガヴ「ぶっ……!?」

ガヴ(く、薬の効果だよな?)


ガヴ「じゃ、じゃあ、なんで」ワシャ…ワシャ…

ヴィーネ「えーっと……さいしょは、もとのまじめなガヴリールに戻ってほしかったから」

ガヴ「それは無理」

ヴィーネ「……だよね。知ってる」

ガヴ「私の駄天は筋金入りだからな。それに、あんな退屈な生活に戻るなんて考えたくもない」

ヴィーネ「うん。だから、それについては半分あきらめてる」

ガヴ(むしろ半分諦めてないのか……)

ヴィーネ「でも、元に戻らなくても、これいじょうダメになってほしくないし……なんと言うか、ガヴってほっとけないんだよね」

ガヴ「別に、私がどうなろうと私の勝手だろ」ワシャワシャ

ヴィーネ「うん。だから、私がガヴのおせわをするのも私の勝手。私のわがまま。私がしたいからやるの」

ガヴ「……なんでそこまで」ワシャワシャ



ヴィーネ「なんでって……ガヴが私の友達だから」

ガヴ「……」


ヴィーネ「私がこの世界にはじめてきたとき、ガヴ言ってくれたでしょ?「友達になってくれませんか」って」

ガヴ「……あー、そんなこともあったっけ」ワシャ…ワシャ…

ヴィーネ「でね、私うれしかったんだ。1人でまいごになったりして心細かったけど、こんないい子に出会えてよかった、って」

ガヴ「……」ワシャ…

ヴィーネ「通りすがりの、見ず知らずの私を案内して、しかも友達になってくれるなんて、まるで天使みたいな子だなって……ほんとうに天使だったけどね」クスクス

ガヴ「……」

ヴィーネ「……ガヴ?」

ガヴ「……あのさ。前にも言ったと思うけど、あの頃の私は偽りの姿だったんだよ」

ヴィーネ「……そうかな」


ガヴ「今の、ネトゲにハマって毎日だろだら過ごしてる駄天使の姿が、私の本性なんだよ。あんな、「天使みたいに優しくて完璧なガヴリールさん」はもういない」

ガヴ「だからさ、ヴィーネがあの頃の私の方が好きだって言うなら悪いけど……」

ヴィーネ「ちがう」

ガヴ「え?」

ヴィーネ「確かにあの頃のガヴも好き。だけど、「今のガヴより好き」なんて、私ひとことも言ってない」

ガヴ「で、でも、ヴィーネは優しかった私が好きだって……」

ヴィーネ「じゃあ今のガヴは、優しくないの?」

ガヴ「えっ……」

ヴィーネ「……」

ガヴ「……そうだよ。今の私は……」

ヴィーネ「うそ。だってこの前私が風邪引いたとき、お見舞いに来てくれたじゃない」


ガヴ「あ、あれは宿題をやってもらうために……」

ヴィーネ「そうかもね。でも、それだけじゃないでしょ。ガヴは私を心配してくれた」

ガヴ「……そんなこと」

ヴィーネ「ガヴは初めて会った頃のガヴをまるで別人のことのように言うけど、私はそうは思わない。私に道案内をしてくれたあの優しいガヴは、今もちゃんと残ってる」

ガヴ「……」

ヴィーネ「どっちの、じゃない。どっちのガヴも、私にとっては同じ天真=ガヴリール=ホワイトなの。……大切な友達の」

ヴィーネ「それに、今のガヴの方が自然体な気がするしね。活き活き……はしてないけど、ガヴらしいなとは思う」

ヴィーネ「だから、そんなに気にしなくてもいいのよ。ぐうたらで、自分勝手で、素直じゃなくて、不器用で……でも、たまに優しい」クルッ



ヴィーネ「そんなガヴが、私は大好きなんだから」ニコッ


ガヴ「……っ」



ガヴ(まったく、本当にヴィーネは……)


ガヴ「……なあ、私からも一つ、いいか?」

ヴィーネ「いいわよ。何?」

ガヴ「その、さっきからずっと気になってて、ずっと言いたかったことなんだけどさ」

ヴィーネ「う、うん」

ガヴ「ヴィーネ、お前……」



ガヴ「もうほとんど薬の効果切れてるだろ」

ヴィーネ「」ギクッ


ガヴ「なーんか妙にハキハキ喋るようになってきたから怪しいとは思ってたけど、やっぱりな……」

ヴィーネ「なな、なんのことー?私わかんなーい♪」ダラダラ

ガヴ「さっきと口調変わってるぞ」

ヴィーネ「ええっ!?うそっ!だってさっきまでこんな感じで……」

ガヴ「はい、ひっかかったー」

ヴィーネ「あっ」

ガヴ「お前本当にポーカーフェイス苦手だな」

ヴィーネ「うぅ……」


ガヴ「つまり、さっきのは薬の効果とは関係ない、ヴィーネが本当に言いたかったことだと」ニヤニヤ

ヴィーネ「なっ、そ、それは……」カァァ

ガヴ「どうしたー?まだお湯に入ってもいないのにのぼせちゃったかー?」ニヤニヤ

ヴィーネ「ぐぅぅ……っ!」プルプル

ヴィーネ「そ、そういうガヴはどうなの……きゃあっ!」

ガヴ「はーい。ヴィーネちゃん頭流しまちゅよー」ザーッ

ヴィーネ「ちょっ……ガヴ、シャワー……!」

ガヴ「んー?シャワーが気持ちいいってー?」ザーッ


ヴィーネ「ちがっ、やめなさい……!前が見えなっ」

ガヴ「じゃ、もっと強くしよう」ザァァッ

ヴィーネ「きゃぁぁあああっ!!」

ガヴ「……」ザァァ


ガヴ「……ありがとな」ボソッ


ヴィーネ「え、何?シャワーのせいで聞こえなっ……」

ガヴ「いや?ヴィーネはつくづく便利だなあって」

ヴィーネ「はあ!?ちょっとガヴ何言って……」

ガヴ「えー聞こえなーい」ザァァ

ヴィーネ「あーもー!いいからシャワー止めろーーー!!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ヴィーネ「じゃあ、電気消すわよ」

ガヴ「ん」


カチッ

モゾモゾ……


ガヴ「……なあ」

ヴィーネ「なに?」

ガヴ「やっぱちょっと、狭いんだけど」

ヴィーネ「仕方ないでしょ。1人用ベッドなんだから」

ガヴ「……床で寝ようかな」

ヴィーネ「だーめ。身体痛めちゃうでしょ」

ガヴ「へいへい」



ヴィーネ「……」

ガヴ「……」


ヴィーネ「……ねぇガヴ」

ガヴ「なに」

ヴィーネ「……ごめんなさい」

ガヴ「なんで」

ヴィーネ「その、いっぱい迷惑かけちゃったでしょ?」

ガヴ「……いいって。全部薬のせいだし」

ヴィーネ「そ、それでも……」

ガヴ「……」ナデナデ

ヴィーネ「ちょっ、なんで撫でるのよ!」


ガヴ「ヴィーネちゃんは、こうすると落ち着くんだろ?」

ヴィーネ「なっ……!」

ガヴ「ほら、さっきみたいに「ガヴだいすきー♪」って抱きついてきてもいいんだぞ?」ニヤニヤ

ヴィーネ「……」

ガヴ「……ヴィーネ?」


ヴィーネ「」ギュッ


ガヴ(お?これはまさか…………って!?)


ヴィーネ「うふふふふふ……」ギリギリギリギリ

ガヴ「んぎゃぁぁぁああああ!!?」メキメキメキメキ


ヴィーネ「ガヴだいすきー♪」ゴゴゴゴ

ガヴ「あぐぁっ!?ちょ、やめ、ヴィーネやめへぇっ!!おごぉっ!!?」ベキベキバキバキ

ヴィーネ「もうはなさなーい♪」グギギギ

ガヴ「は、離し、はなぎゃぁぁああ!!ヴィーネさんごめんなさい!!許しっぐへぇぇええ!?」ボキボキゴリゴリ

ヴィーネ「とどめー♪」ゴキッ

ガヴ「あ〝っ」ガクッ



ガヴ「」チーン

ヴィーネ「……やり過ぎたかしら」



ガヴ「……」

ヴィーネ「ま、まあガヴが私をからかったのがいけないんだから、しょうがないわよね。うん」


ガヴ「……」

ヴィーネ「……ごめんね。ありがと、ガヴ」

ガヴ「……」

ヴィーネ「それにしても……」




ガヴ『ヴィーネ。別に私はヴィーネのこと嫌ってないからさ、泣き止んでよ』

ヴィーネ『……ほんと?』

ガヴ『ほんとほんと』

ヴィーネ『じゃあ私のこと、好き?』

ガヴ『えっ……それは、まあ、その……』

ガヴ『……うん』





ヴィーネ「……ふふっ。おやすみなさい、ガヴ」ギュッ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ガヴ『ヴィーネー、宿題見せてー』

ヴィーネ「もう、少しは自分でやることを覚えなさいよ」

ガヴ『ヴィーネー、お腹すいたー』

ヴィーネ「はいはい、今なにか作ってあげるからちょっと待ってて」

ガヴ『ヴィーネー、学校行きたくなーい』

ヴィーネ「馬鹿なこと言ってないで早く支度しなさい!ていうかなんでこんなにガヴがたくさん……」


ガヴ『ヴィーネー、サターニャがうるさーい』

ガヴ『ヴィーネー、体育出たくなーい』

ガヴ『ヴィーネー、課金し過ぎたからお金貸してー』


ガヴ『ヴィーネー』
ガヴ『ヴィーネー』
ガヴ『ヴィーネー』
ガヴ『ヴィーネー』
ガヴ『ヴィーネー』

ヴィーネ「」


ガヴ「ヴィーネ、早く起きろよ。もう朝だぞ」

ヴィーネ「あーもう、うるさーーーい!!!」ガバッ

ガヴ「」ビクッ


ヴィーネ「はー……はー……」


ヴィーネ「……はぁ。夢か」

ガヴ「え、えっと……ヴィーネさん?」

ヴィーネ「え?」

ガヴ「いや、その……そんなにうるさかったかなって」

ヴィーネ「何が……あっ」


ヴィーネ「いやいやいや何でもない!変な夢見てただけだから気にしないで!」カァァ

ガヴ「変な夢……?」

ヴィーネ「いいから!本当に気にしないで!……って、あら?この匂い……」クンクン


ガヴ「あー……気付いちゃった?これなんだけど」

ヴィーネ「……おかゆ?」

ガヴ「いやー、その。なんていうか……私もヴィーネを見習って何か料理をしようかなー……って」

ヴィーネ「それはいいんだけど…この焦げくさい匂いは何?」

ガヴ「作り方を調べながら作ってたら焦げついちゃってさ……あと、米が無いから、サ◯ウのごはんを使ったんだけど」

ヴィーネ「そう……食べてみてもいいかしら」

ガヴ「いいよ。はいスプーン」

ヴィーネ「ありがと。いただきます」

ヴィーネ「……」パクッ モグモグ

ガヴ「……どう?」


ヴィーネ「……」モグモグ ゴクン


ヴィーネ「不味い!」

ガヴ「なぁっ!?」ガーン


ヴィーネ「これ、全然おかゆじゃないわよ!ただのドロドロしたよく分からない何かよ!」

ガヴ「なん……だと」

ヴィーネ「というか、この味付けは何?明らかに食べたことのない味がしてるんだけど……」

ガヴ「えっと、塩だけじゃなんか物足りない気がしたので、たまたま冷蔵庫にあったケチャップとウスターソースを入れてみました。てへっ♪」

ヴィーネ「アホかーー!!味見しろ!」

ガヴ「そ、そんな……せっかく作ったのに」ガックリ


ヴィーネ「まったくもう……」モグモグ

ガヴ「……ヴィーネ?不味いなら無理して食べなくても……」

ヴィーネ「せっかくガヴが作ってくれたんだし、全部食べないともったいないじゃない……それにこの味も案外いけそごめんやっぱ無理」ウップ

ガヴ「あーほら、言わんこっちゃない」サスサス

ヴィーネ「んむっ……」モグモグ

ガヴ「大丈夫か?」

ヴィーネ「……」ゴクン


ヴィーネ「……ありがとね、ガヴ」

ガヴ「え?」

ヴィーネ「これ、私のために作ってくれたんでしょ?」

ガヴ「……別に。何となくだよ」

ヴィーネ「もう、照れちゃって」クスクス


ガヴ「……」ムスーッ

ヴィーネ「それにしても、いくら材料がないとは言えおかゆはないでしょ、おかゆは」クスクス

ガヴ「あー……材料が無いのもそうなんだけど、1番の理由はすぐに食べられるからかな。ほら、もう時間ないし」

ヴィーネ「まあそうね。おかゆはそんなに噛まなくても食べられるから…………」



ヴィーネ「…………え、今何時?」

ガヴ「えーっと、8時半」

ヴィーネ「」



ガヴ「ちなみに、私が起きたのは8時頃だな」

ヴィーネ「ヤバいヤバいヤバいヤバい……!」サーッ


ガヴ「予鈴まであと20分かー。結構ギリギリ……」

ヴィーネ「ガヴ!!急いで支度するわよ!!」

ガヴ「おー」

ヴィーネ「とりあえず顔洗って制服に着替えて……って制服は家だった!」ギャー

ガヴ「ちなみに、昨日の服はまだ乾いてないぞ」

ヴィーネ「なっ!うぅぅ……仕方ない、この格好で家に戻るしか」

ガヴ「頑張れヴィーネー」

ヴィーネ「ガヴは自分の支度をしなさいよ!」

ガヴ「えー。だって私はもう着替えるだけだしー」

ヴィーネ「いいから!私が戻ってくるまでに着替え顔洗い歯磨きを済ませておきなさい!」


ガヴ「はいはい……あっ」

ヴィーネ「えーっとダッシュで家に帰って制服に着替えて教科書とノートの準備をして……!!ああもう時間が!」アセアセ

ガヴ「マズいぞヴィーネ。私は今、重大な事実に気付いた」

ヴィーネ「はあ!?な、何よ!早く言いなさい!」

ガヴ「私……」




ガヴ「今日までの宿題プリントやってない!」

ヴィーネ「知るかぁぁぁああああ!!!」



-おしまい-

以上で本編終了です
少し休憩したら、おまけパートを投下して行きます

-前日の夜-

サターニャ「……」



サターニャ「はっ!ここはどこ!?私はサタニキア!」ガバッ



サターニャ「……って、なんで縛られてるのよ!ちょっとー!!」ウネウネ

ラフィ「あら、お目覚めですか?サターニャさん」

サターニャ「こ、この声はラフィエル!どこにいるの!?姿を見せなさい!」

ラフィ「はい~♪」ピョコッ

サターニャ「出てきたわね!早くこの縄を……って、その手に持っているものはまさか!」


ラフィ「あ、これですか?メロンパンです♪」

サターニャ「メロンパンですってぇ!?」ガーン



ラフィ「ええ、お好きですよね?」

サターニャ「うっ……そ、それで私を一体どうするつもりなのかしらっ?もしかして食べさせ……」ソワソワ

ラフィ「いえ、何もしませんよ」

サターニャ「へ?」

ラフィ「このメロンパンは、私が食べたかったから用意しただけです。サターニャさんはお疲れでしょうから、そのままごゆっくりおくつろぎください♪」

サターニャ「なっ!?ちょ、ちょっと」


ラフィ「それでは失礼して……あーん♪」

サターニャ「ああっ!」


ラフィ「」パクッ

サターニャ「あああ!」ジュルッ



ラフィ「ん~~♪おぃひぃですぅ♪」キラキラ

サターニャ「ああああああああ!!」ダラダラダラダラ


ラフィ「外はサクサクで中はふわふわ!香ばしいバターの香りがたまりませんねー♪いくらでも食べられちゃいそうです~」パクパクモグモグ

サターニャ「いやぁぁああああああああ!!!!!」ドバドバドバドバ


ラフィ「あら、サターニャさん。そんなによだれを垂らしてどうしたんですか?」

サターニャ「ぁ……ぁ……」ビクンビクン


ラフィ「もしかして、欲しいんですか?メロンパン」

サターニャ「!」ピクッ


ラフィ「そうなんですか?サターニャさん」

サターニャ「く、くれるの!?」ガバッ


ラフィ「んー…どうしましょう。これは私が食べるために用意したものですし……」チラッ

サターニャ「そ、そんなぁ……」ウルウル

ラフィ「……」ゾクゾクッ

ラフィ「……そうですね。では、こうしましょう!」

サターニャ「えっ!なに?」

ラフィ「サターニャさんが3回「メロンパンが食べたいワン!」と言ってくれたら、このメロンパンをひとつ差し上げます!」

サターニャ「は、はぁあ!?」

ラフィ「もちろん、テキトーなのはダメですよ?ちゃんと、心をこめて犬のマネをしてください♪」

サターニャ「そ、そんなこと……」

ラフィ「出来ないんですか?」


サターニャ「ふ、ふん!大悪魔のプライドを嘗めないでちょうだい!たかがメロンパンのためにそんなマネ出来るわけないでしょ!」

ラフィ「……そうですか。残念です」スッ

サターニャ「あっ」

ラフィ「仕方がありせんね。残りのメロンパンも、私がお・い・し・く頂いちゃいます♪」

サターニャ「くっ……!」

ラフィ「あーーーん♪」

サターニャ「……っ!」


サターニャ「ま、待って!!」

ラフィ「……」ピタッ


サターニャ「い、言うから!ちゃんと言うから!だからメロンパンを……!」

ラフィ「……」ニヤッ


ラフィ「あら、本当ですか?本当に犬のマネを?」

サターニャ「うぐっ……ほ、本当よ」

ラフィ「分かりました!それでは今から3回、「メロンパンが欲しいワン!」と言ってください♪」

サターニャ「うぅぅ……よしっ」


サターニャ「……」スゥゥ



サターニャ「メロンパンが欲しいワン!」1カメ



サターニャ「メロンパンが欲しいワンッ!!」2カメ



サターニャ「メロンパンが欲しいワァァアアン!!!」3カメ



ラフィ「んふふっ……」プルプル



サターニャ「これでいいんでしょ!?いいのよね!!早くメロンパンを寄越しなさいよ!!」カァァ

ラフィ「はい、よく出来ました♪メロンパンを差し上げます」

サターニャ「は、早く!早くぅっ……!」ハァハァ

ラフィ「焦らないでください♪それでは……」スタスタ

サターニャ「あああっ♪」ハァハァ


ラフィ「……」スタスタ

サターニャ「……ってあれ?どこまで行くのよラフィエル!ちょっとー!」


ラフィ「……」ピタッ

ラフィ「サターニャさんのメロンパンはここに置いておきますねー♪」

サターニャ「は、はああ!?ふざけんじゃないわよ!!こっちまで持ってきなさい!!」


ラフィ「ほらほら、頑張って!サターニャさん!メロンパンはここですよー」

サターニャ「ぐぬぬぬ……ま、まあいいわ!こうやって、イモムシのように動けば辿り着けるはず……」ウネウネ

ハッハッハッ……

サターニャ「!?こ、この声は……」ウネウネ


犬「ワン!」

サターニャ「」


サターニャ「な、なんでお前がここに!?」

ラフィ「あら、もしかして……あなたもメロンパンが欲しいんですか?」

犬「ワン!」

サターニャ「ちょっと!それは私のメロンパンよ!」ウネウネ


ラフィ「うーん、でも困りましたねー。メロンパンはこのひとつしかありませんし……」

犬「……」ハッハッハッ

ラフィ「そうだ!ではこのメロンパンは、ここに早く辿り着いた方に差し上げることにしましょう♪」

犬「ワンッ!」

サターニャ「はぁぁああ!?な、何言ってんのよラフィエル!!」ウネウネ

ラフィ「あなたもそれでいいですよね?」

犬「ワン!」

サターニャ「いいわけあるかぁぁああ!!」ウネウネ

ラフィエル「それじゃあ行きますよー……よーい、どんっ!」


犬「ワンワン!」ダッ

サターニャ「あ、ちょっと待ちなさい!!待ちなさいってば!!」ウネウネウネウネ




犬「ワォォォオオオオン!!!」ドドドドドドドド

サターニャ「うぉぉおおおおおおお!!!」ウネネネネネネネネネネネネネネネネネネネネ














ラフィ「……」パクッ

ラフィ「……」モグモグ…


ラフィ「……うふふ。美味しいです、メロンパン♪」


-おしまい-

メロンパンオチは安定……!

というわけで、最後までお付き合い頂きありがとうございました
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