幼馴染「あ、わんこだー」男「捨て犬だろうか?」(26)

犬「くぅ~ん」

幼馴染「可愛いー」ムギュゥ

男「まっこと可愛らしいな」

幼馴染「可哀想に、捨てられたのかな?こんなに可愛い仔犬なのに」

男「む、よく見てみろ。様子が変だぞ」

犬「くぅ~ん…くぅ~ん」キョドキョド

男「この仔犬は恐らく盲目であろうな」

幼馴染「目、見えないの?」

犬「わんっ」

幼馴染「拾ってあげたいけど、オトンが犬苦手だからなぁ」

男「幼姐の家では無理か…」

姉「ならば、家で面倒を見ればよかろう?」

男「姉ちゃんか」

幼馴染「姉、いつの間に…」

男「だがしかし、この仔犬は長く持つかどうか分からんぞ」

姉「見よ、このわんこを。目も見えないのに小さな身体で必死に生きようとしているのだ。お姉ちゃんはそんな子を見捨てるような弟育てた覚えはないぞ」

犬「わふっわふっ」ヨジヨジ

男「………」ジーンッ

男「よし、家で面倒を見よう」

幼馴染「あたしも時々様子を見に来て良い?」

姉「もちろんだ」

~~~1年後~~~

犬「きゃんきゃんっ」トコトコッ

幼馴染「おおっ!わんこ、自由に歩けるようになったんだっ!」

男「うむ、目は見えてないが、音や匂い、体毛で何処に何があるか、何が移動しているか、物体との距離も測れるようになったのだ」

姉「うむ、私と男と犬の努力の結果なのだ」

幼馴染「へぇ。偉いね、わんこ」ナデナデ

犬「わふっ」

~~~3年後~~~

犬「わんっ」スタンダップ

幼馴染「立った!わんこが立った!」

男「うむ、リハビリテーションにある例のアレを使ったら立てるようになったぞ」

姉「ふむ、次は箸の持ち方でも伝授しようか」

幼馴染「いつか一緒に食卓に並べると良いね♪」ナデナデ

犬「うむ」コクッ

~~~5年後~~~

男「おはよう」

姉「おはよう」

犬「おはようごぜぇやす、おとさん、あーさん」

姉「今日の朝食は厚焼き玉子と鰹のたたきだ」

犬「何時もありがとうごぜぇやす、あーさん。あっし、鰹のたたきは好物でござんす」

男「そろそろ幼姐も来る頃か」

幼馴染「おはよー」ガチャッ

犬「おはようごぜぇやす、おささん」

マジキチってどのマジキチでござんすか?

何故にそこまでばれるのだよ。
何処で判断されてんだ、俺。

幼馴染「おはよー、犬ちゃんっ!今日も可愛いねー」ムギュウゥ

犬「ほむ、おささんも今日も大きくて柔らかいでござんすなぁ」フニフニ

男「うむ、無性に腹が立つぞ」

姉「ふむ、男の嫉妬だな。だがあの胸に関しては同感だな」

姉「幼、お前も朝食を食べて行くのだろう?席に着け」

幼馴染「ほいさー」

~~~夜~~~

犬「持って来やしたよ」ポトッ

男「おお、ありがとう」

男「うむ、この特大のブラ。正しく幼姐の物だな」クンカクンカ

男「では早速」シコシコ

犬「しかし、おとさん。いつまでこう言う事を続けるんですかい?」

犬「いい加減に詞で思いを伝えれば良いのではございやせんか?」

男「ふむ、俺にそのようだ度胸があると思うか?」シコシコ

犬「ほむ、確かに有るとは思いやせん」

犬「いやしかし、今やあーさんもおささんも大学生。おとさんとは物理的に距離が出来た今、早めに伝えなければ、他の男に盗られやすぜ」

男「うむ……」ドピュッ

もう寝ますけんど、
まあ、今回のはあんまマジキチは期待せんでくだせぇ

~~~姉の寝室~~~

犬「失礼しやす」ガチャッ

姉「どうした、犬よ。眠れないのか?」

犬「ええ。おとさんの部屋は今やイカ臭くて、とてもじゃありやせんが…」

姉「ふふっ。あやつめ、また幼馴染のブラジャーでマスターベーションしよったな」クスクス

犬「ええ。あっし、盲目故そこらの犬より鼻がちと利いてしまいやすんで…」

姉「ふむ、しょうがないな。ほれ、こっちへ来い」スッ

犬「へむ、お邪魔しやす」モゾモゾ

姉「ふむ、やはりお前は温かいな」ギュゥゥ

犬「ほむ、あーさんもおささんと比べりゃ胸は小せぇが、エエ匂いですなぁ」スンスン

姉「ふふっ。褒め言葉と受け取って置こう」ナデナデ

~~~数日後~~~

男「ただいま」

犬「お帰りやさい、おとさん」

男「うむ、少し出かけて来る」ガチャッ

犬「ほむ、今度は何処に行きやすんで?」

男「うむ、友人とカラオケに行って来るぞ」

犬「ふむ、また歌裸嗚華(からおけ)ですかい?」

男「うむ、その通りだ。帰りは十時ぐらいになるだろうて」

犬「へむ、分かりやした」


幼馴染「こんちわー」ガチャッ

犬「おや、おささん。こんにちわ」

幼馴染「男ちゃん居る?」

犬「すいやせん、おとさんなら先程友人たちと歌裸嗚華に出かけやした」

幼馴染「そう…なんだ…」シュンッ

犬「………」

幼馴染「じゃあさ、犬ちゃん、一緒に散歩にでも行く?」

犬「お気持ちはありがてぇのですが、最近あっしも身体の調子が可笑しくて…」

幼馴染「そうなんだ…。よくみたら何だか頬の辺りがちょっと膨らんでない?大丈夫?」

犬「ああ、これは気にしないでくだせぇ。しかし、てめぇの体調も整えれねぇたぁ、あっしもまだまだですねぇ」

幼馴染「そー言うのはしょうがないって」

犬「あぁ、散歩には行けねぇが、茶を煎じてあげやしょう。最近茶道に凝ってやしてね」

幼馴染「あたし、苦いのはちょっとねぇ…」

犬「でぇじょうぶでさぁ。茶菓子も用意しやすんで」

幼馴染「それじゃあ、ちょっとご馳走になろっかな?」

犬「ふむ、承った」

もう寝やす。

他のSSと同時進行してんで中々進まんと思いやすが、どうぞお付き合いくだせぇ。

~~~また数日後~~~

幼馴染「………」ソワソワ

男「………うむうむ」スタスタ

幼馴染「あ、男ちゃ…」

友「おー、男ぉ。カラオケ行こーぜー」

男「うむ」

友「女も誘ってこうぜー」

男「うむ?」

幼馴染「あ……っ」

幼馴染「………」シュンッ

姉「ふむ、今日の夕飯は何にしようか?」

犬「へむ、あっしはあーさんが作るものなら何でも」

姉「ふふっ。嬉しい事を言ってくれるではないか」

姉「おや?」

犬「どうかしやしたか、あーさん?」

姉「あれは幼馴染か。あやつめ、男の高校の校門で何をしておるのだ?」

犬「おとさんを待っているのでは?大学から態々、健気でござんすねぇ」

幼馴染「………」トボトボ

姉「む?どこかへ行ってしまったぞ」

犬「ふむ……」

~~~夜、風呂~~~

かぽーんっ

犬「おとさん、最近歌裸嗚華ばかりにいってやすね」バシャバシャッ

男「うむ、誘われてしまったのだからしょうがあるまい」ワシャワシャッ

犬「ですが、帰りが遅くなるのはちと関心しませんなぁ」ビチャビチャッ

犬「あーさんやおささんも心配してやすよ」

男「うむ…」ジャァァァァァ

犬「あぁ、おささんと言えば、今日おささんと何かあったんですかい?」

男「む、幼姐と?いや特に何もしてないが…」

犬「今日、おとさんの学校の前で不機嫌そうなおささんも見かけやした」

犬「あっしはてっきりおとさんと喧嘩でもしたのかと」

男「ふむ…思い当たる節はないが…」

男「もしや、ブラジャーの事がバレたかっ!?」ハッ

犬「何がともあれ、早く謝って、ついでに告白したらどうですかい?」ブルブルッ

男「うむ…。前にも言ったが俺にそんな度胸があると思うのか?」

犬「おとさんは見かけや口調に反して存外奥手」

男「俺は告白して今の関係が壊れるのが怖いだけだ」ヒョイッ

犬「その上、臆病」プラーンプラーン

男「余計なお世話だ」ポーイッ

犬「きゃんっ」コテッ

がらがらっピシャッ

犬「ふむ」

犬「何もしない方が、おささんの心が離れてしまうというのに」

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