モカ「妹からの挑戦状!」 (15)

モカ「今日は私の誕生日!」

モカ「思えば、去年の誕生日は…」スッ

『お姉ちゃん、この街にはシストって遊びがあるんだよ!この前チノちゃん達と一緒に(ry』

モカ「私もシストしてみたいな…」

『先輩の卒業式で泣いちゃった・・・。その後みんなで進級祝いにお茶しに(ry』

モカ「卒業式、懐かしいなぁ。おしゃれな喫茶店でお茶するのって良いよね」

『最後に、お誕生日おめでとう!プレゼントはもう見てくれたかな?お姉ちゃんが好きそうなのを一所懸命に考えたんだけど、喜んでくれると嬉しいな♪』

モカ「一所懸命を使う人初めてみたなぁ… それはともかく、すごく良かったよ。お姉ちゃん、感動して泣いちゃった。でも…」

モカ「この手紙とプレゼントを郵送して終わりなのは寂しいよぅ!あの頃は一年近く会ってなかったのに!!」

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モカ「そして今年、ココアから送られてきたのは…」ピラッ


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│ Ciste │
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│ ××◯××  │
│ ◯◯◯◯◯  │
│ ◯×××◯  │
│ □×××◯  │
│ □××◯□  │
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│ □×××□  │
│ ×□×××  │
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モカ「地図だけ!?」

モカ「…これってシストの地図なのかな?シストって書いてあるもんね」

モカ「一度してみたいと思ってはいたけど、まさか一人ぼっちでするなんて…」

モカ「でもこれは、かわいい妹からの挑戦状!」

『シストの地図には、謎解き要素があったりもするんだよ!』

モカ「って去年の手紙にも書いてあったし、謎解きも宝探しもすぐに終わらせちゃうからね!」

モカ「えっと、ここがこうで、あっちがそっちで…」

~数分後~

モカ「謎は全て解けた!後はお宝を取りに行くだけ!!まだお昼だから時間もたくさんあるし楽勝楽勝♪」

答:ラビットハウス

モカ(無理)

モカ「ここから向こうまで何時間かかると思ってるの!?今から行ったら明日になっちゃうでしょ!?」

モカ「…ううん、誕生日を過ぎても、この挑戦は受けなくちゃいけないよね!」

モカ「本当にラビットハウスまで行って、ココアをびっくりさせちゃおう!」

モカ「さらにサプライズも用意して、かわいい妹のもっと驚く顔を… うへへ」


モカ「次の電車は10分後… あれ、これなんだろう?」ピラッ

モカ「…私宛のシストの地図!?それにこれってココアの字?」

モカ「なるほど、私が電車を使うと見越して時刻表に地図を仕込んでいたんだね。ひょっとして夏にはもう?」

モカ「ラビットハウスへ行かなきゃいけないと焦らせておいて、実はそうじゃない… あの子もサプライズが上達してきたなぁ♪」

モカ(…でもこれ、ここの時刻表を見てなかったら気づけない)

モカ「この地図が示してるのはここかな?」

モカ「ここで、ココアと一緒にサンドイッチを食べたよね。あの時は確か…」


ココア『おねえちゃん き ら い 』


モカ「…仲直り、できたよね?送っていく時にウィリーしちゃったけど、多分あれも許してくれるよね」

モカ「ハッ!この場所に連れて来られたのはまさか…!」


ココア「お姉ちゃんなんて大っ嫌い!私にはチノちゃんさえいれば良いんだよ!あと私グレるから!」


モカ「と言うメッセージなのかも…!そんなぁ!!ど、どうしよう!?このままじゃココアがブラックココアに」

「ならないよ!?」

モカ「…ってあれ、こんなところに手紙? …またシストの地図!?」

モカ「次はここだね。ここは確か…」

モカ「三輪車で山を越えようとしていたココアを発見した場所」

モカ「…さっきから碌な事思い出さないなぁ。もっと楽しいことを…」

モカ「そうだ、ここにはココアと遊びに来たりもしたよね!懐かしいなぁ」

モカ「今ならわかる。あの何気ない日々が宝物だったということに」

モカ「…たまには童心に帰って、こういう所でココアと遊ぶのも良いかも。今度帰って来た時に誘ってみよう!」

モカ「かくれんぼなんてどうかな?『お姉ちゃんが見つからないよぉ!』なんて言うかわいいココアが見れそう!」ブプーッ

「…おねえちゃんきらい」

モカ「!? …げ、幻聴かな。きっとそうだよね!さぁて、宝箱はどこかな?…ん、これは?」ピラッ

モカ「…またまた地図が見つかった」

モカ「ここは… うちの店のお客さんの家だね」

モカ「昔は、この街でココアと一緒にパンを届けて回ったり、お店の旗を持って宣伝したりしたね。この家にもココアと一緒に何度も来たっけ」

モカ「でも、今日はパンを届けに来たわけじゃない。うーん、なんて言えばいいかな…」

お客さん「あらいらっしゃい!ちょっと待ってね、渡すものがあるから!」

モカ「え!?はい、わかりました! …渡すもの?」

お客さん「お待たせ、はい!」

モカ「これは… シストの地図!また!?」

お客さん「ふふ!さっきね、ココ…」

「言っちゃダメー!」

モカ「またココアの声が聞こえたような… 気のせいかな?」

モカ「ここは… 私の家!?」

モカ「うん、間違いなく地図はここを指してる」

モカ「…ひょっとして、ココアにからかわれただけ?」

モカ「いやいや、あの子がそんなことする訳… ま、まさか、本当にブラックココアになっちゃったの!?」

「なってないよ!?」

モカ「また幻聴が… これが噂のココアシック!」

モカ「って、いつまでも玄関の前で立っていても仕方ないか」ガチャ


パンッ


ココア「お誕生日おめでとう、お姉ちゃん!!」

モカ「ココア!?何でここに?」

ココア「私からのサプライズだよ!びっくりした?」

モカ「びっくりするに決まってるでしょ!」

ココア「やったぁ!サプライズ成功!でも、私のサプライズはここからだよ!!」

ココア「まずはこれ!誕生日プレゼント!!ど、どうかな?」

モカ「ありがとう…!お姉ちゃん、大感動だよ…!」

ココア「そんなに喜んでくれると照れちゃうな。さて次は…」

モカ「次?」

ココア「うん!だってお姉ちゃんは、私からの挑戦状、シストをクリアしたんだよ?」

モカ「あ、すっかり忘れてた!」

ココア「という訳で、宝箱を用意しましたー。好きなのを一つ選んでね!おもしろ写真からコーヒー豆まで色々あるよ!」

モカ「それを、私が持ってきた宝物と交換すれば良いんだね?」

ココア「本当はそうなんだけど… もうこの宝箱には、お姉ちゃんの宝物が入ってるよ!」

モカ「ええ!?でも、入れた覚えはないんだけど…」

ココア「ふっふっふっ、この宝箱に入ってる宝物。それは… 私たちの思い出!」

モカ「私たちの、思い出?」

ココア「今日、いろんな懐かしい場所へ行ったよね。いろんな場所には、色んな思い出があったでしょ?」

モカ「…私のこと、嫌いになっちゃった?」

ココア「そうじゃなくて、楽しい思い出が!」

モカ「…うん、色んな思い出が、いっぱいあったね」

ココア「だよね!それでね、今日のシストのことを思い出す時、きっと今日行った場所の思い出も浮かんでくると思うんだ」

ココア「お姉ちゃんもさっき言ってたよね、あの何気ない日々が宝物だって」

ココア「だったら、このシストの宝箱には、もうお姉ちゃんの宝物が入ってるんだよ!」

モカ「そっか… ココア、すごいよ。すっごいサプライズだよ!」

ココア「えへへー。そこまで言ってもらえると、頑張った甲斐があったなぁ」

モカ(聞かれてたってことは今日ずっと側にいたんだよね。じゃあ、あの地図も夏に仕込んだんじゃなくて今日…)

モカ(…この用意した宝物でサプライズしようと思ってたけど、またサプライズ負けしちゃった)

ココア「…ねえお姉ちゃん!今日はいっぱいお話しよう!思い出話もいっぱいしよう!」

ココア「やっぱり、思い出は最高の宝物だから!」

モカ「うん、たくさん話そう!…でも」ギュッ

ココア「お、お姉ちゃん!?」


モカ「私にとっての最高の宝物は… ココアだよ!」


~おわり~

ここまで読んでくれてありがとう
という訳でモカさんハッピーバースデー

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