チノ「やれやれで……だぜ」 (32)
◆またも思いつきです、完結まで数日はかかるかもしれません。
ある日の、ラビットハウス!!
ココア(今日は珍しく早起きしちゃった!)
ココア(とは言っても、実はチノちゃんのために朝にパンを焼こうと思ってたんだよね)
ココア(喜んでくれるといいなぁ~)
そして、階段を降りるココア!
1階の喫茶店スペースに入った瞬間、ココアは衝撃的なものを目にした!
チノ「…………」
ココア「あれ、チノちゃん……?」
チノは、カウンターに座っていた!だが、佇まいが普段とは大きく異なっていた!
それは、学ラン!しかも長ランに、学生帽!
口には、タバコではなくココアシガレットを咥えているッ!!
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ココア「ええええええ!?」
チノ「うるさ……やかましい、うっとおしいで……うっとおしいぞ」
あまりにも中途半端だが!チノは確実に変わってしまった!!
ココア「ちちちちちちちちちチノちゃん!? 色々とどうしたの!?」
チノ「…………(長考中)。俺はチノという名前じゃあない、承太郎だ」
声も体格も、なんなら根本的な性格も変わってないが!その顔つきは確実に変わっていたッ!!
ココア「チノちゃん、もしかして……」
ココアは階段を駆け上がり、チノの部屋に飛び込んだ!
ココア「ここに秘密があるはず……!とりあえず枕を一呼吸して……」
枕は、いい匂いであった!それはともかく、机の上に、積み上がるなにかを見つけた!!
『星屑の十字軍』!言わずと知れた、能力バトル漫画の金字塔である!!
積み上がる本の背表紙、そして読みかけと思しき1冊の表紙がその漫画であることを物語る!!
ココア「チノちゃん……もしかして、これを読んで……」
チノ「…………」ゴゴゴゴゴゴゴ
ココア「はッ!『見られている』!!振り向くのも恐ろしいオーラが漂ってるけど、わたしは今、確かに『見られている』!!」
チノ「わた……おれの秘密に触れたものは、生かすわけにはいかないな!『スタープラチナ』!!」
ココア「『シアーハートアタック』!!」
ココアは!漫画を1冊投げた!!
そしてそれは、チノの顔面に、一直線に向かったッ!!
チノ「きゅう」バターン
ココア「はぁ……はぁ……何、今の……?今の言葉、わたし知らないのに……」
タカヒロ「どうしたんだ!」
ココア「いえ、あの~……チノちゃんが突然暴れちゃって……」
タカヒロ「チノが?」
そこに転がっていたのは、学ランに学生帽のチノと、1冊の漫画本であった。
タカヒロ「……空条承太郎め、女に取り憑いてまで歯向かうつもりか……」
ココア「えぇ!?」
タカヒロ「体は承太郎じゃあなくても、心は確かに『そいつ』だッ!!暗黒空間にバラまいてくれるッ!!」
ココア「うわあああああああ!!!」マンガナゲー
タカヒロ「うぐっ」バターン
ココア「はぁ……はぁ……今日は、どうなってるの……」
ティッピー「わしの最も恐れていた事が起こりおった……!」
ココア「ティッピー!何か知ってるの!?」
この時点で、『チノの腹話術で喋っている』という設定は互いに忘れ去っている!それくらい、この状況は異常なのだ!!
ティッピー「ああ、わしはそこの漫画を持っておる、それも全巻……」
ティッピー「そこに転がっている息子が、その漫画に強く影響されて一時おかしくなってからは倉庫の奥に保管していたはずじゃが……」
ココア「それをチノちゃんが……偶然読んじゃって……」
ティッピー「ああ……わしも一時影響されたが、これもまた運命なのかもしれないな……」
ココアは「どういう風に影響されたんだろう?」と思ったが、その疑問をすぐに払い、ティッピーを持ち上げた!
ココア「言って、対策を」
ティッピー「ひとつ……『時間が経過するのを待つ』ッ!!」
ココア「」
ヴェェェエエエエエ!?という声が、朝の木組みの街にこだました!!
ココア「いいや限界だよ!治すね!!」
ティッピー「ダメじゃ!!」
ココア「どうして!?」
ティッピー「どうやっても……ダメなんじゃ……」
ココア「ティッピー……」
過去に同じことがあったなら、今回も同じようになるだろう。
ココアは、素直に諦めた。そして──
ココア(こういうチノちゃんも、いいかも!!)キラキラ
──あくまでどこか抜けた姉であった!!
タカヒロ「うっ……」
ティッピー「おお、起きたか息子よ」
タカヒロ「親父……おれは今、昔を思い出していた……何も出せないのに、何かを出せる気がしていたあの頃を……」
ティッピー「そういう時もあるじゃろう」
タカヒロ「この本がなければ、その時は来ないだろ」ホンヒロイアゲ
ティッピー「バレたか」
リゼ「かくかくしかじかとは言われたが……」
チノ「…………」デーン
リゼ「誰?」
ココア「香風条 智乃太郎さんだよ!」
リゼ「本当に誰!?!?!?!?」
チノ「やかましい!うっとおしいぞこのアマ!!」
リゼ「アマァ!?!?!?!?!?」
ココア「チノちゃん!?!?!?!?」
リゼ「ココア!私に命令してくれ!!『こいつを撃て』と!!私にッ!!」
ココア「それはカッコよくてかわいいリゼちゃんの頼みでも聞けないよ!!『銃を下ろせ』!!」
リゼ「くっ……くそっ……」
チノ「やれやれで……だぜ」
リゼ「落ち着け……こいつはまだチノだ……私たちの知ってるチノだ……」
ココア「私の知ってるチノちゃんはこんな乱暴じゃあないよ?」
チノ「このカプチーノは……星の暗示だ」
リゼ「こいつ、すっごいデタラメなこと言い始めたぞ?」
ココア「それがチノちゃんの『スゴ味』だよ、私なんとなくそんな気がしてきたもん」
リゼ「カプチーノから何をどう取っても星には繋がらないぞ?」
ココア「『言葉』ではなく『心』で理解する……それが真の『姉妹』ってもんじゃあないの?」
リゼ「私には分からないな」
ココア「ところで、ティッピーはさっきからどうしてるんだろう?」
ココアは、さっきからカウンターの上でうずくまる(?)ティッピーを指さした!!
ティッピー「おお……チノの頭の上が……得体の知れない何かに取られておる……」
ココア「はっ、もしかして──!」ピキーン!
リゼ「ん?どうした、ココア」
ココア「全ての元凶はあの『帽子』だと思うよ!!」
リゼ「何!?」
ココア「あの『帽子』に!!チノちゃんは支配されているッ!!」ゴゴゴゴゴゴゴ
チノの帽子に、ココアの手がかかるッ!!
ココア「そしてッ!その帽子をティッピーと入れ替えた時!!私たちの知っているチノちゃんは戻ってくるーーーz____!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
そして、チノの頭から帽子が離れる!!
しかしッ!!
チノ「…………やれやれだぜ」
チノは、元に戻らないッ!!
ココア「な、何ィーーーーッ!!」
ティッピー「言ったろ、無駄じゃと……」
ココア「ティッピー!」
ティッピー「ああなってしまったら時間が解決するのを待つしかない……」
ティッピー「わしの息子もそうだったし、わし自身もそうなった……」
ココア「くっ……ああいうのもいいとは言ったけど、やっぱり戻って欲しい……」
ティッピー「安心しろ……不治の病ではないことは確かだ……」
・・・・・・・・・・
千夜「本当に変わり果ててるわね~」ホホエマー
シャロ「ほほえまーってやってる場合じゃあないわよ?」
千夜とシャロ、来店!
この現象を解決するよりは、「ただ面白そうだから見に来た」という野次馬精神が千夜を突き動かし、シャロを巻き込んだ!
千夜とシャロは、その野次馬精神で動いていた!他意はなかった!!
しかし、チノは違った!シャロを一目見たとき、彼女から放たれたのは『殺気』!!
チノ「DIO……」
シャロ「えっ、でぃ、でぃお……?」
チノ「てめーが何故ここにいるのか……そんなことはどうでもいい……てめーは、この空条承太郎がじきじきにぶちのめす」
シャロ「ちょっと待って……声以外チノちゃんと違わない!?あとなんか明らかに物騒な言葉聞こえたんだけど!?」
チノ「オラァ!!」
シャロ「ひぃっ!!」
拳を振るチノ!避けるシャロ!
チノにはスピードもパワーもない、だがその殺意は本物!!どこ由来かは不明だが、確かに一発ぶん殴るという決意を秘めている!!
そして、千夜も黙っていなかった!!取り出したのは
千夜「何だか分からないけど、相手になるわ」
◆何を取り出したんスかねェ~~~~~、ちょっと修正
千夜とシャロは、その野次馬精神で動いていた!他意はなかった!!
しかし、チノは違った!シャロを一目見たとき、彼女から放たれたのは『殺気』!!
チノ「DIO……」
シャロ「えっ、でぃ、でぃお……?」
チノ「てめーが何故ここにいるのか……そんなことはどうでもいい……てめーは、この空条承太郎がじきじきにぶちのめす」
シャロ「ちょっと待って……声以外チノちゃんと違わない!?あとなんか明らかに物騒な言葉聞こえたんだけど!?」
チノ「オラァ!!」
シャロ「ひぃっ!!」
拳を振るチノ!避けるシャロ!
チノにはスピードもパワーもない、だがその殺意は本物!!どこ由来かは不明だが、確かに一発ぶん殴るという決意を秘めている!!
そして、千夜も黙っていなかった!!取り出したのは『木刀』だった!!
千夜「何だか分からないけど、相手になるわ」
チノ「アヌビス神かッ!オラァ!!」
木刀を横殴り!!木刀は折れなかったものの、拳の勢いに負けて吹き飛ぶ!!
千夜「きゃっ!!」
ティッピー「これは……今まででいちばん厄介かもしれぬ……」
ココア「どういうこと!?」
ティッピー「わしから息子へ、そして孫へと受け継がれたこの『運命』は……孫の代で洗練されてしまった……」
ティッピー「つまり、チノは『本物』に近づいているッ!」
衝撃!!ラビットも月までブッ飛ぶこの衝撃ッ!!
ティッピー「仕方ない……久々に染まってみるしかない……」
そして、ティッピーは声色を若干変える!!あの時と比べて、(魂が)実の老齢になったティッピーなら!!
ティッピー「何やっとるんじゃ、承太郎!!」
チノ「その声は……ジジイ!」
ティッピー(うぐっ、孫にジジイと呼ばれる日がくるとは思わなかったが……仕方ない)
ティッピー「落ち着け承太郎、この娘たちは敵じゃあないわい」
チノ「なに……?」
ティッピー「そこの金髪の小娘はDIOじゃあないし、そこの木刀の娘もアヌビス神なんかじゃあない、ここにいるのは、みな良い奴じゃ」
チノ「…………」
千夜「た……助かった……」ヘタリ
ココア「千夜ちゃん!」
シャロ「千夜!」
チノ「しかし、ここはどこなんだ?オレはどうして女に取り憑いているんだ?」
ティッピー「それについてはよう分からんが、時間が経てばまた元に戻るのは確実じゃ」
・・・・・・・・・・・・
この間、千夜とシャロは退店!変わって、マヤ、メグ、青山が来店した!
リゼ「とりあえず、チノは当面の間、このままでやっていくことになった」
マヤ「すげー!めちゃくちゃかっこいいぞチノ!」
メグ「でも、なんか怖いよー?」
リゼ「あんまりうるさくしなきゃあ怖くない奴だから、安心してくれ」
青山「あのー、学校とかはどうされるのでしょう?」
リゼ「素行不良でしょっぴかれて、反抗して大変なことになるのが目に見えてるから休学にしたらしい」
チノ「そもそも、おれは高校生だ……今更中学のことなんかやってられねー」
青山「わあ……すごくグレていらっしゃいます……」
マヤ「じゃあさ、予習しよう!チノに教えて貰って!」
メグ「それいいねー!チノちゃんは大丈夫?」
チノ「はぁ……やれやれだぜ」
そして、夜になるッ!!
ココア(冷静に考えて……)
ココア(調子が狂うッ!!)ピカーン
ココア「チノちゃん、その学ランいつになったら脱ぐの?」
チノ「脱ぐわけにはいかねえな、学生は学生らしくだ」
ココア「そんなこと言われたら私は……」
チノ「おれかそうしてるってだけだ」
ココア「そっかあ」
ココアは、困惑していた!!
妹とも姉とも取れず、それどころか兄か弟としても取れない性格に、ココアはどう対応していいか分からなくなっていたッ!!
承太郎は、そもそも女にベタベタされることを嫌う性格である!ココアがお姉ちゃんアピールをしようものなら、怒鳴られることは必至である!!
ココア(待っててね、チノちゃん……私が、どうにかするから……)
翌朝ッ!!
チノ「起きろ、朝だ」
ココア「んぁ……んぉ?ああ、チノちゃんかぁ……」ニドネ
チノ「『スタープラチナ』!!オラァ!!」
チノは、ベッドを思いっきりぶん殴った!!ベッドは何故か損傷せず、その代わりにココアが上に吹き飛ぶッ!!
ココア「ヴェェェエエエエエ!?」
そして、チノはココアをキャッチした!!
チノ「やれやれ……」
結局、日を跨いでもチノはそのままだった!!
それどころか、だんだん『空条承太郎』に肉体すら乗っ取られている可能性さえある!!今のパンチは、スタンドによるものでなく、彼女自身の肉体から繰り出されたのだッ!!
チノ「起き上がるのに何秒かかる?3秒か?4秒か?起き上がったと同時に朝飯をてめーに叩き込む!かかってきな!!」
ココア「普通に食べさせてくださいッ!!」オキアガリ
ココア「チノちゃん、そんな姿になっても料理できるのは変わらなくて良かったよ」
チノ「どうやら、この女の性質が発現してるらしい……チノと呼ばれても反応できるのは、そのせいか……」
ココア(あんまりくっつけそうにない雰囲気になってるのはちょっと残念だけどね)
ちなみに、現在のチノの状態だが、肉体と声と、スタンドを持たない点はまだチノとしての面影があるが、精神面についてはチノと承太郎がごちゃ混ぜになっており、身体能力は完全に承太郎と化している!
肉体が変化することはないが、下手をすれば声まで変わってしまう上に、スタンドも発現するかもしれない!!
どちらにせよ、いずれは治るものではある!!
チノ「……そろそろ開店の時間か」
ココア「あれ、チノちゃんコーヒーとか淹れられるの?」
チノ「さっきも言ったが、おれにはおれ自身の性質と、チノという女の性質が混じっているらしい。コーヒーの香りだけで違いが分かるくらいにはな」
ココア「じゃあ安心だね!」
もちろん、異常事態なので安心していいかは不明である!
店の稼働中は、至って平和であった!
チノ「カプチーノだ、持っていけ」
リゼ「お、おおう……」
チノの口調が相変わらずなこと以外はッ!!
ココア「チノちゃんがすごい動きをしている……!」
元々のチノの要領が良いことと、スタープラチナの性質である『速度』と『精密性』が組み合わさり、彼女の商品の質と提供速度は格段に向上されたが、そもそも行列の出来る人気喫茶店というわけではないので、ただ暇な時間が増えていくだけである!!
手持ち無沙汰となった時、ティッピーが口を開いた!
ティッピー「ココアよ、エスプレッソとミルクを持ってきてくれんか」
ココア「何をするの?」
ティッピー「ラテアートで……今回の原因を探るんじゃ」
ココア「原因って、チノちゃんが読んでいた漫画じゃあなくて?」
ティッピー「わしは一つの仮説を立てておる、それが正しいかの確認がしたいんじゃ」
リゼ「でも、それってラテアートで分かるものなのか?」
ティッピー「分かる方法なら一つだけある……わしは、『ジョセフ・ジョースター』に染まった時に、その方法を会得した……」
ティッピー「リゼよ、デザインは適当で構わんから、ラテアートを一つ拵えてくれ」
リゼ「ああ」ラテアートセイサク
ティッピー「よく見ておれ……この表面上に浮き出る『ビジョン』、これこそがわしらの『運命』の正体じゃッ!!『ハーミットパープル』ッ!!」
ココア「うわぁ、勝手にラテアートが出来ていくよ……!」
ラテアートに浮かび上がったのは!『本』の形!!
表紙にあたる部分には、『JOJO』とだけ書かれている!!
ココア「ジョジョ……?」
ティッピー「ああ。やはり、あの漫画本そのものに答えがあるらしいのう……夜にでも調べてみようかの」
12時間経過ッ!!
リゼ「この漫画に……秘密が……?」
ティッピー「ああ、見た目上は問題ないが、本編に出てくる『石仮面』や『スタンドの矢』のように、人の脳あるいは身体に大きく影響する何かが秘められてるやもしれぬ」
ココア「そんな本をずっと持っていたの?」
ティッピー「研究材料にしようと思ったら忘れてしまってのう」
リゼ「まったく……」
チノ「それで、おれはどうすればいいんだ?」
ティッピー「そこにある『ダイヤモンドは砕けない』というものを読み進めていってくれ」
ティッピー(せめて4部承太郎くらいには落ち着いてくれたら、いろいろと都合のいい気がするんでのう)
チノ「やれやれ、読めと言われて読むものはだいたい面白くねーんだ」ペラリ
ティッピー「明日までに少しは読み進めてくれると助かるわい」
翌朝ッ!!
ココア「いってきまーす!」
チノ「待ちな」
ココア「へ?」
ココアは、チノに呼び止められる!
そうして姿を現したチノは、『香風智乃』としての制服を身にまとっていた!!
ココア「えーっと、その格好は……?」
チノ「おれだって海洋学者だ。中学の勉強くらい、余裕でついていける」
中身は、4部の空条承太郎と化していた!!
ココア「そうじゃあなくて!休学だから休んでていいんだよ?」
チノ「学校に行かなきゃあ、この女が困るだろう」
ココア「それは……確かに……」
チノに押し負け、ココアは途中まで一緒に登校することになった!!
そして、ココアとチノはそれぞれの学業を修め、夕刻、ラビットハウスに帰って来た!!
ティッピー「やれやれじゃ……本当にあの漫画に『何か』があることが分かったのはよいが、結局学校に行くことになるとは思わなかったわい」
チノ「学生は学生らしく、じゃあないのか?」
ティッピー「それはそうなんじゃが……周りの反応が心配での」
チノ「安心しろジジイ、海洋学の新しい学説を説明したくらいだ」
ティッピー「全然安心できんわい!!元の環境に影響を及ぼすことはするんじゃあないぞ承太郎!!」
ティッピー(そもそも、どこからそんな学説を知ったんじゃ……?承太郎の魂が実在していた可能性すらありそうなくらいおかしなことじゃ……)
チノ「それより喫茶店だ、行くぞ」
ティッピー「おお承太郎!待つんじゃ!」
喫茶店の営業は無事に終了ッ!!
そんな時、チノの部屋にココア、リゼ、千夜、シャロの4人が集められた!!
千夜「ほら、怖がらないで?」
シャロ「怖いわよッ!突然命狙われたのよ!?」
リゼ「それで、話ってなんだ?」
チノ「ああ。結論から話すが、おれがこの女に取り憑くのは今日までだ」
ココア・リゼ・千夜・シャロ『えっ!?』
チノ「明日朝になる頃には、この女は元通りになる。根拠はないが、そう確信している」
リゼ「そうか……」
ココア「せっかく、このチノちゃんとも仲良くなれたのに……」
シャロ「明日にはもう……いなくなってるのよね?」
チノ「ああ、あくまでこれは一時の怪現象だからな」
シャロ「……ッ、仲直り、しましょ!」
チノ「仲直り?」
シャロ「何太郎さんだか知らないけど、ずっと『命を狙ってきたヤツ』という認識のままでお別れするのは居心地が悪いわ!」
チノ「……そうだな、悪かった」
シャロ「…………」
シャロとチノは、互いの手を固く握った!
千夜「それなら私もよ、あの時は本気でどうなるかと思ったわ。でも、いい経験になりました」
チノ「……ああ、見事な剣筋だった。ポルナレフのようだった」
そして、千夜とも、固い握手が交わされた!!
チノ「──おれは、この女に取り憑いたという形ではあるが、君たちと知り合えて良かったと思っている。迷惑をかけてしまったことについては申し訳ないと思っているが」
チノ「ここは平和な町だ。不安に思うことは自分に関することくらいだろうが、何かあれば、この女の精神におれの魂が残りカス程度には残るだろうから、そいつが何とかしてくれるだろう」
リゼ「それって良いことなのか……?」
ココア「良いことだと思うよ……多分……?」
チノ「おれは寝る、今度はおれの本体がここに来れたらいいな」
リゼ「……その魂に、敢えて言おう」
リゼ・ココア「『またのご来店をお待ちしております』」
チノ「……やれやれだぜ」
そしてチノは、眠りについた。
翌朝ッ!!
チノ「んぅ……あれ、私は漫画を読んでいたはず……」
目を覚ました時、チノは元通りになっていた!!
チノ「なんだか、不思議な夢を見てたような気分……主人公になりきっていたような……」
そして、ベッドを降り、いつも通りにココアを起こしに行く!!
チノ「ココアさん、起きてください……あれ?」
しかし、ココアは部屋にいない!どこにいったのだ?
その時であった!!
ココア「おはようございます」
チノ「あ、ココアさん。おはようございます」
ココア「…………」
チノ「ココアさん?」
ココア「美しい手と顔をした女だ……」
チノ「…………え」
朝の木組みの町に、チノの叫び声がこだましたッ!!
◆くぅ疲完結。
強引な終わり方になってしまいましたが、強引に終わらせないと展開を探し続けることになってすごく長引きそうなので、こうなりました。
「やれやれです」を元にしただけで書くのは無茶が過ぎました。
次回は『ココア「美しい町だ、木組みの町」』が始まりません。
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