◎「狐と人形」 (51)
ようおまえら、私は元気です。
前に探偵書くって言ったけどどうしても長くなりすぎたんで、
日常ものにしました、
ただのド変態とただのド変態が語り合うだけのSSとなっている可能性大です。
一先ず完結できたらいいな。
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◇◇◇01◆◆◆
◎、というのが僕のあだ名だ、最初にそう呼んだのは誰だったか、定かではない。
だが、人の事を記号に例える奴だ、相当に奇人変人であることに間違いはないだろう。
誰かにどうしてそんな名がついたのかと聞けば「文字の読みを変える」らしいのだが、
本人の俺が分からないというのに、一体どうやってそういう経緯に辿り着けたのか、やはりよく分からない。
まあ、自己紹介はその程度にしておくにしても、今回の小説もどきは私が語り部となる。
正直に言ってしまえば全くもって乗り気になれないのだが、
狐の面を被ったような彼女が語れば、嘘の羅列と妄言の空想劇にしかならないし、
人形のように愛らしい彼女は、そもそもとして一体どんなに悲惨な出来事になってしまうのだろう。
それはそれで一度は立ち読みをしてみたい所だが、それでも複数回読むのは無理そうだ。
まず、会計に持っていけるかどうかが怪しい。
そういう訳で、今回、乗り気ではないが、俺に白羽の矢が刺さったというわけである。
痛々しい。
◆◆◆02◇◇◇
前語りも済んだ所で、私の初日の、晴れ晴れとした日常を語ろう。
何事も、一から語らなければ何もわかるまい、一が無ければ二に続かず、ともいう。
高校二年生の春、あの日、俺の担任であるところの美紀先生に、
『部活動の手続き届がまだ出ていない』
という事で放課後まで残されたのだが、その時までこの学校に全学年児童の部活動参加が強要されているとは思いもよらなかった。
そうはいっても、僕が知らなかったというだけであり、そこまでの出来事ではないのだが。
しかしそこまで悩んでいては、私のクラスのマドンナともいうべき美紀先生に迷惑をかけてしまう、
いままでクラス内でも誰にも迷惑をかけずにクラス内でも全く目立つことはしたくないというのに。
それがあっけなく崩れ(そもそも土台が無いのに崩れるとは思わないが)去ってしまうというのは、流石に俺も許せる訳も無い。
一番僕に合っていて、さらに楽の出来る部活動……お勧めとお勧め出来ない部活動を聞いたところ、
「ええぇと、◎くんは」
もう既に先生にまで手回しが効いているらしい。
「ここ……と、こんなところはどうでしょう?」
先生の舌足らずな愛らしい声と共に指が指された羨ましい部活動は、どれも、全部見事に体力の使いそうなものばかり。
こんなヒョロッとした俺が入ってもどうにもなりませんよ、と言いそうになってしまうが堪える。
「こういうところにはいってしまったらだめですよー」
こちら側にある手芸部やコンピューター研究部などの室内系部活は駄目らしい、
手を伸ばそうとしてプルプルと震えていらっしゃる。結婚を申し込みたい……。
「あっ、っとと、でも、この古典部は部員数が足りなくて困ってるみたいですよー」
ちょっとよろけているこの先生は本当に二十代なのだろうか?
ふむ、しかし古典部、というのに私の心は惹かれた、読書なら何とかなるかもしれない、
時計の方に眼をやると既に最初から二十分経っている。これは早急に決めなければならない。
「じゃあ、そこでいいですよ、俺、読書は好きですし。」
そういうと、先生の顔に笑顔がお零れになる、やばい、愛らしすぎる、家に持ち帰って妹にしたい。
まあ年齢的には俺の方が弟となること間違いなしなのだが。
こうして、私はあの魔の巣窟、
実はあれは古典部とこちらの世界では読むだけで、あちらの異次元だと地獄と読むのだと説明されたら、
なんだか納得してしまいそうなほどの
(流石にそれは言い過ぎというものかもしれないが、この時の僕にはそうとしか思えなかった)
古典部に入部することになったのだ。
◇◆◇03◇◆◇
現在ではクラス数が減数して空き教室となった教室が古典部(という読める地獄)になっている。
それでも長年使われていなかったという訳ではないようで、案外にも部屋は綺麗であった、
俺としては結構埃っぽい部屋をイメージしていたのでこれは有難い所である。もしも埃塗れだったのなら、
私が潔癖症でとんでもない事になっていたであろう。
しかし妙に思う所が一つ、奥の方に人影がある事に気が行く、両脇に机を重ね、道の様にそれで作っている。
当の本人はそれが当然だとでも言わんばかりに腕を組み、奥の壁にもたれ掛って片手で本を読んで居る、
上の換気窓から漏れる光も相まってそれはとても不気味に感じた。(ちなみに名札は青かった、僕よりも上級生である)
まるでそれは何かこれから儀式でも執り行うが如く、
手元に持っているカバーがされた小説が魔道書のような雰囲気を放っているように見える。
まあ、奇妙な点はそれだけでなく、いや、これからが本題だ、中には『なんだ、その程度か』と思われる方も多いだろうが、
俺にとってしてみればそれはとても異常な光景だった。ここからが本題なのである、
その少女は、狐のお面を、平然と被っていたのだ、まるでそれが、当然であるように。
導入だけでは変態語りが出来ないっていうのが残念で仕方ない、
それは置いておくとしてもどうにも眠気が覚めません、もう一度寝てきます。
取り敢えず最終目標は完結を目指して、当面目標として人形ちゃんを出すこととしましょう。
来週には出たりして、まあ、それでは来週にでも。
クマーと少女不十分の人か
乙
語り手の一人称が不安定だな
>>7
分かってもらえて何よりです
一人称不安定は◎くんの個性となっています
最近はよくssの後書きが逸材だと言われる方も多いそうです、
いつかは私もそういうものを書いてみたいものです。
では始めます。
まるで当然の様に彼女は狐の面を被っていた。
いや、可笑しいだろう、いくら放課後といっても学校内だ、
そんなものを付けていたら一度で生徒相談室かカウンセリング室に連れて行かれるぞ、主に頭的な意味で。
その光景に躊躇、というか戸惑った僕は思わず思考停止してしまう、(と言いつつもこんな風に考えているのだから馬鹿らしい)
僕がその現実に逃避している間に、いったいどの位の時間が流れたのだろうか。
十分か、それとも五分か、十五秒か、はたまたたった一秒に満たないかも知れない。
そんな風に思考停止して現実逃避に走っていた私に気付いた様で、お面が少し動く。
ほんの少し微動しただけなのでこちらに気付いているかどうかは正直に言ってしまえば定かではなかったが、
その後直ぐに声をかけられたので気付いていたのだろう。
それとも、私が教室に入った時から気づかれているのか。
狐「入部希望者かい?」
女子にしてみれば少し低い程度のハスキーボイスが空き教室に響く、
それは単に彼女の周りが机で囲ってあったのでそれに反響しただけなのかもしれないが、とても魅力的な声だったと覚えている。
僕の彼女に対する第一印象はこうだった、
とても綺麗だ、と。
◇◆◆04◆◆◇
とても綺麗だと思った。
女子にしてみれば一段と低いハスキーボイスもそうだったが、
この学校の指定服、つまりは制服に包まれている体にも、健全なる男子高生ならば惹かれていたこと間違いなしだ。
引っ込むと事は引っ込んでいて、出る所はちゃんと出ている、
俺の妹が一目見たら喉から手が出るほど欲しがることは絶対と言えよう。(それでも届かないのが世の中である、とても非情だ)
髪はとても滑らかで透き通るようになびいている、茶髪のようだが、後ろの日光のせいでオレンジにも見える。
十人十色、百人百色とはよく言うが、それでもきっとこの狐の面を被った少女ならば、誰もが振り向くだろう、
それが例え女子だったとしてもだ、本人に話したら恐らく『それは言い過ぎというものだよ、加減を覚えた方が良いね、◎君』
と返されるだろうが、それでも、それでもこの時この瞬間、俺はその狐の面の少女に、恋をしていたといっても過言ではないだろう。
その位にはそれ以上に、彼女が綺麗だったという事だ。
話を戻そう、その質問に対して少々畏まりながらにも返事をする。
◎「は、はい。一応、入部希望者です」
その様子が可笑しかったのか(僕からしてみればそのお面の方が可笑しいのだが)ケラケラと笑って見せる。
狐「ああ、いやいや、済まないね、確かに聞いているよ……えっと、◎くんで良かったかな?結構に良い名前じゃあないか」
覚えやすいね、と一言付け加えて、こちらを見遣る、美紀先生はどうやらあだ名で話を通してしまったらしく、間違った方向に進んでいた。
このままでは記号名称で呼ばれ続ける事となってしまう、それだけは避けなくてはならない。
一応名前を名乗っておく事にした、
◎「いや、僕は――――――と言います、それはあだ名です」
そういうと至極驚いたというような顔をしていた、どうやら本当に記号が名前の後輩がいると思っていたらしい、
天然なのかそれともそういうわざとなのか……。
狐「ふうん、それにしても良い名前じゃないか、大事にしなよ」
ぱたん、と気前の良い音が鳴る、どうやら少女の読んでいた本が読み終わったらしい。深呼吸にも似た大きなため息をすると、
一番近くの机に優しく本を置いた。
狐「いや、それにしても助かったよ、我が古典部にはちょいとばかし人数がご覧の通り足りなくてね、少々困ってもいたんだ」
狐「なに、謎解きに困っているだなんてことは無いから安心していいよ」
尤も、あったらあったで面白いんだろうけどね、と続けた少女ははっと気づいたように一つ咳払いをする。
「おっと、申し遅れたね、どうにも自分の事だと饒舌になってしまう節があるな、
私は火灯、火灯月祢という、学年は恐らく君の一つ上だ、しいては君の先輩だ、これからよろしく頼むよ」
ひともしつきね、そう彼女は名乗った。
結果としてはその日は火灯さんの用事によって部は解散となった。
私としても家で愛らしい妹が待っているので早急に帰る事とした。
妹「お兄様今日は遅くまで一体どうしたのですかお兄様」
妹「ああお兄様わたしは心配に心配で御座いましたお兄様」
帰るなりに妹君に問いただされるので(家では最早一つの行事のようなものになりつつあるが、何としても阻止したいところである)
◎「いや、私の学校では部活動に這入る事が優先されるんだよ」
だから心配しなくてもいいよ、と優しく答えておく。
妹「お兄様そうでしたかお兄様、お兄様わたしが早とちりをしてしまい申し申し訳御座いませんお兄様」
にっこりと笑う妹の姿を見ているとどうにもこちらまで高翌揚してしまいそうになる、
妹「お兄様部活動には一体如何様な部活に這入る事に致したのですかお兄様」
少々首をかしげてこちらに問う妹はとても愛らしく、兄としてはとても嬉しい限りである。
◎「古典部に入るようになったんだよ、まあ、つまり本を読むようになるんだよ」
一応妹にも分かりやすく示すようにと分かりやすく言ってみるようにした、
妹「まあお兄様部活動でも勤勉になさるのですねお兄様、流石はお兄様ですわお兄様」
全身で喜びを表現しようとしているのか文字通り全身をバネにしたように跳んでいた。
俺には少女趣味の気は無いが、それと家族愛は別である、小さい妹は可愛らしい、こればっかりは如何し様にも覆しがたい。
妹「お兄様頑張りて下さいお兄様、それでは失礼致しましたわお兄様」
そういって勢いよく走る妹の背中を見遣ってから、さて、どうしたものかと悩んでいた、口には出せない、
私の妹は俗に言う地獄耳というもので、
大体はどんな所に居ようとも一言小さく呟いた事に返答できるという技能を持ち合わせている。
これが結構に大変な技能であり、対応するこちらとして見ればこれ以上に厄介な能力は無い、
しかし私もまたうっかりというか少々抜けている所もあり、
ふう、とため息をついてしまった、咳一つで風邪かどうかと心配されるような妹である。
ため息、たった一つ一度とは言え、ため息である、直ぐに妹が飛んで
妹「お兄様如何されましたかお兄様?お兄様の体調が悪いのならばわたしに出来ることはなんでも致しますわお兄様」
来た。
一体どうやってきたのだ、錠が掛かっていただろう、
お兄様、鍵ですわ、鍵を使いましてお兄様、
それもそうだ、錠が掛かっているのに鍵を使わないことは無い。
そんなやり取りを広げて、如何にも大丈夫だと妹に伝えると、
渋々ながらにも戻ってくれた、兄想いの妹を持つと兄が苦労を広げるというのは正にこの事である、
悪い気はしまいが。
明日は放課後に呼び出しを食らっている、無論古典部に、だ。
この妹には元となった人物がいます、とても愛らしく可愛い妹です、
といっても私には二十三人も妹は居ないのでさすがにこのような妹は居ませんが。
兄には大事にして貰いたい所です、私が貰いたい位ですが。
それはそうと現実の方でも結構厳しくなってきており、
この間にも台風直撃で学校が無くなってしまえと、まるで中学生の如くに思ってみたりしたものです。
掠りもせずに消え去ったらしいのでとても残念な結果となってしまいましたが。
話が逸れましたが、要は本当に一週間に一回の更新となってしまいそうです、
正直これを見ている人が、右手の指で数えるほど居るのかどうかが疑問ですが。
それはそれで迷惑が掛からないに越した事は無いんですがね、
まあそんな感じで、また来週にでも。
悲惨伝が発売しましたね、
忙しくてまだ余り読み進められていません。
自分は自分でまだやりたいこととか多すぎるくらいあるんで、
ちびちびと読み進めたいとは思いますが。
そんな感じで投稿しますね
◆◆◇05◇◆◆
火灯月祢は俗に言う優等生そのものであった。
成績優秀で運動神経も良く正に文武両道、さらに美人でミステリアスのプロポーション抜群とまで来た。
天は彼女に万物を与え申たらしい。
この話は私の数の少ない友人達から聞いた話ではあったが、何処となく、いや、何処も彼処も嘘でしかなさそうな雰囲気である。
別段私の数の少な過ぎる友人達を貶す訳では無いが、それでも、幾らなんでもというような感じではある。
事実は小説よりも奇である、とは良く言う物だが、残念ながら俺はそれを小説でしか見た事が無い。
嘘くさい話には尾ひれが憑くものであるが、それでも大き過ぎると喰えない物だ。
少なくともあんな光景をこの間近で見た者として、それは信じられるようなお話ではなかったということなのだが。
一体どうしてそんな彼女が古典部に入ったのか。
そんな完璧超人とも言えよう非凡なる彼女が、
一体どうしてこの平凡としか言えない僕に困った事を露出したのか。
別に伏線でも何でもないんだけれど。
ちなみに言ってしまえば困った事とは単なる力仕事だったらしい、初日に手伝わされた。
私が初めて彼女の顔を見たのは次の日の放課後直前の事である。
恐らくは三年の教師であろう人に、誰が見ても愛想笑いと見える笑いをしていた所を丁度見た、
しかしどうにも一方的に話していて愉悦に浸って居るのかどうなのかは知らないが、教師は気付いては居ないようだったが。
優等生とはどうにも好きになれない、あんなに面倒な思いをするのならば、俺は凡人で居たいと再確認できた。
負け犬の遠吠えとは良く言ったものであるが、それならば勝ち犬は無言で威圧しているのだろうか、
いや、違う。
勝ち犬は蔑んでいる、負け犬の遠吠えと勝ち犬の蔑み、一体どちらがいいのだろうか。
私の妹は遠吠えも蔑みもしないが。
◆◇◆06◇◆◇
狐「自分一人になれたからだよ」
と火灯さんは唐突に口を開いた。
時刻は既に四時半を過ぎている、何時もの通りのルーチンワークだともう家に着いてベットで横になっているか、
それとも妹と遊んでいるかのどちらかだろう、しかしそのルーチンワークは昨日崩れてしまっている。
今はよく分からないままに部活動中だ。(『古典部とは』と聞いたら無言でミステリー小説を手渡しされたので今はそれを読んで居る)
そんな中、僕の目の前で週刊少年ジャンプ(怒られようが僕は知らない)を読んで居た彼女は、その一言を漏らした。
狐「知って居るかい?◎くん、責任という言葉は期待と言い換える事が出来るんだよ」
◎「えっと、知っては居ませんが言いたい事は何となくわかります」
狐「それは上々、私の周りにはこれを言ってもよく分からないという人も多くてね、よく頭の上に疑問符を見るよ」
見えるような物なのだろうか、それは。
狐「つまりだよ、上があるから下がある、ていうのは、結局下があるから上があるに違いは無いんだよ」
狐「逆説的に、期待という言葉は責任と言い換えることが可能なのさ」
◎「…………」
期待とは、責任である、責任とは、期待である。責任とは、プレッシャーを意味する。
相も変わらず火灯さんは狐の面を被って居たので、その表情は読み取れはしなかったものの、言いたい事は分かった。
狐「大方、私の事は訊いて居るんだろう?君の症状を見れば分かるよ」
◎「蕁麻疹でも出てたんですか!?」
狐「……ふふ、いやね、こちらからは良く見えていたよ負け犬の遠吠えが……ね」
読心術でも出来るのだろうか……
狐「昔かじった程度さ」
◎「かじった程度でそこまで分かるんですか…………火灯さんって俺の一つ上ですよね……」
無言が続く、別段可笑しな事は言ってはいないはずだが。
狐「……私はね、余り言う事では無いんだが、火灯という苗字があまり好きではないのだよ」
放火魔の様ではないか、と無愛想に言った彼女は、とても優等生の様ではなかった。
◎「……じゃあ、どう呼べっていうんですか」
狐「それは決まっているよ、楽しげにつっきーとでも呼べば良い、つきのんだとさらに好い」
◎「月祢さんと呼ばせて頂きます」
狐「なんだ、つまらない」
否、俺の知って居るような優等生ではなかった。
そんな俺の心を見透かすが如くに(実際に見透かされていたとなると、随分と恥ずかしい事も実は聞こえてしまっているのでは、
と実に不安に包まれるのだが)彼女はからかうような身振り素振りを加えて。
狐「うん?おやおや、この様な優等生はお嫌いかな?もっと可愛らしくしてみてみようか?」
両の手とは人間の顔の次に感情豊かであるとされているが、まさしくその通り、
それともただ単に彼女のそういう話術というか手述が上手過ぎるだけなのか。
◎「からかうのはよして下さい」
狐「からかってはいないさ、面白がっているだけだ」
◎「それをからかうというんですよ」
話が逸れてしまった、何の会話だっただろうか、特にこれと言って重要な事だったか。
狐「負け犬の遠吠え、勝ち犬の蔑み」
◎「思い出させてどうするんですか、完全に思い出したけど覚えちゃ意味無いでしょうそれ」
狐「うん?見ない振りをしてくれるのかな?」
◎「見ないも何も俺は知りませんよ、知らないから覚えてません、少し日本語がおかしいですけど」
狐「…………」
会話が途切れるというのはつまりは終わり、終了を意味する、それに僕は余り小説を読み進められてもいなかったので、
手元の小説に目を落す、すると。
狐「………ふふふ」
それはとても上品な笑い方だった、あの教師に見せたような笑い方ではないのだろうというのがよく分かる。
ただし、何時まで経っても表情は見せなかった、それは私の力量不足、とも言えようが。
今はそれでいいのだ、それよりもそういう風に笑わせた所で私の勝ちだろう、笑顔の価値が上がるというものだ。
表情とは表現豊かなものである、昔のモノクロ映画でもあったように、
表情だけで会話を成り立たせるという事も無理では無い位に、表情は豊かであり、欠しくもあり、美麗である。
きっといつかは、その笑顔が見てみたいと思うのは、まさしく私の咎という訳だ、しかし咎とは性でもあるのだ。
ならばその咎を背負い続ける一年となろう事には間違いは無いのだが、それもまた、悪くない。と言った所だろう。
狐「いい感じに締めようとしている所悪いが、
単純に君の角度から私の顔が見えないだけだろう?もうお面は外しているんだが」
◎「マジで!?」
狐「この時期は蒸れるからな」
お父様お母様、そして我が妹よ、僕の部活動は結構厳しい、精神面で、かなり。
この間、ss書きは投稿していればいい、雑談は要らないと言う人を見かけましたが、俺は余りそうは思いません。
言葉のキャッチボールで小説をぶん投げる人はいないでしょう、恐らくですが。
楽しい楽しいと言う事はありますがその楽しいだけでどうなのかな?って思ってみたりとか、
SS読んでいるのと小説読んでいるのとではやっぱり楽しいのジャンルは少しばかり違うと思うんです。
リアルタイムで投稿する人が居て、それにレスが付くって結構楽しいものです、読む人が居ないならあまり意味はありませんが。
雑談無しだったら安価が出来ないわけで、それはそれで楽しくなかったり。
まあこんなこと書いても愚痴にしかならないのでそれはそれで駄目なんでしょうけど。
いつもお目汚し済みません、言ってみたかっただけです。
そんな訳でまた来週とか。
乙
ここでは関係ないと思うけど
古典部っつーワードは別の小説を思い出すわ
>>24
まあ一応ネタにはしていますがね、
妙な所に良く分らないネタを仕込んでいたりしますので楽しんで頂ければ幸いです。
後何故古典部かっていうと正直他にいい部が思いつかなかったからです。
あっ、やべ、席移動シーン入れるの忘れてた、
脳内保管で宜しくお願いしますすみません。
書いていて
「あれ?これ青春ラブコメのあれじゃね?」
って思ったりしたがそんな事はあるかもしれないぜ!
では、投下しますね
あと今回そんなに時間が無かったので誤字脱字その他諸々があるかもしれませんがご了承ください。
◇◇◇07◆◇◆
翌日、俺が部活動に参加してから、三日目。
狐面の少女、火灯月祢が連れてきた少女は、西洋人形の様であった。
元々この学校の部活成立は三人からとなっている、
火灯、月祢さんはその事を『都合』と表現していたが、その言葉はとてつもなく酷いものだった。
私は見てはいけない物を、否、聞いてはいけない物を聞いてしまったのかもしれない。
ともあれ、月祢さんはその少女を連れてきた、学年を示す名札は紫だったので僕と同学年である、
彼女はそれこそ西洋人形の様であり、大きな人形が学生服を着ているような、そんな気分だった。
大きい人形、とは言っても高校一年生としてみればとても小さい方である、正直私の小学生低学年時の身長にも勝ってはいないと見える。
俗に言うお嬢様結びというやつだろうか、さらにそれに三つ編みを追加したような髪型をしている、
とても特徴的な髪型だった、とても特徴的な髪型ではあったが、それを見て僕が彼女を『西洋人形の様』と評した訳では無い、
僕が彼女を『西洋人形の様』と評したのには理由がある、
それは特徴的なお嬢様結びでも、小さすぎるその身長でもない、
彼女の眼には、ハイライト、光が宿っていなかった。
それは漫画やライトノベルの様に、二次元のキャラクターの様に、
良く漫画やライトノベルでは『まるで人形のようだ』と言われる事があるが、俺はそうは思わない、
人形には、生気が無い、活力だとか、気力だとか、希望だとか、それで居て絶望だとか、渇望だとか、そういったものが一切無い、
欲望が無い。
彼女はそれと全く同じ眼をしている、
まるで人形の様に、
遊んでみたら両眼が違う方向に向きそうな、一回転でもしそうな。
そういったおかしさがある、そしてその眼は残念なことに、私の眼と、とても似ていた。
もしかしたら、彼女は二番目の妹なのかもしれない、
そうでないことを切に願う。
連日連日どうしてこうもキャラ、というか性格(その西洋人形の少女の性格はいまだ計り知れてはいないのだが)
の濃い人たちに会うのだろうか、厄年か、十年早いぞ。
兎に角、僕から彼女を追い払う権限など無い。
部長は月祢さんだ、喜々としている。仕方あるまい、僕も僕で歓迎しよう、取り敢えずは。
◎「入部希望者ですか?」
僕の眼の前に歩いてくる部長、月祢さんを不思議そうに見ている僕、
一番不思議がっていたのは後ろの西洋人形ちゃんかも知れないが。
瞬間、部室に鈍い音が響く、しかし意外と痛くは無い、
漫才などで結構大きい音が出るが左程痛くは無いという、あれだろうか?
狐「私の台詞を取るな!」
◎「えぇぇぇー……」
そういう意味で殴ったのか、いや、全然痛くなかったけど、
理不尽暴力系ヒロインとはこういうモノなのか……何か主人公に同情してしまう。
狐「あぁ?」
怖い、怖いです先輩。
狐「……うん、いや、まあ、唐突に殴るのは悪かったよ、今度からは予告するね」
予告するんだ、でも殴るのか、痛くは無いんだけれど。
◆◆◇08◆◆◇
狐「……それで、こっちの西洋人形ちゃんが鋤沙碧樹ちゃんだよ」
一応確認すると、すきすなみどりぎ、だ、同級生らしいが私は一度も見た事が無い。
人形「西洋人形?」
狐「こっちの話」
人形「?」
会話、一方的なのだが。
不思議そうに首を傾げる碧樹ちゃんは本当に人形の様であった、
人形「自己紹介が遅れました 鋤沙碧樹です 趣味は読書で 好きなものは本です」
一気にしゃべる彼女はどちらかと言えばロボットか?
…………まだロボットの方がゆっくりと喋るかもしれない。
◎「あー、僕は――――――っていうんだ、◎って呼んでくれ」
人形「二重丸?」
そう言われたのはかなり久しぶりだ。
◎「記号の方」
人形「え?」
◎「……いや、なんでもない」
何を言っているんだ僕は、いや、そもそもとして伝わる方がおかしいのかこれは、
◎「そういうあだ名だと思ってくれ」
人形「は…はい」
恐らく、というかほぼ絶対、奇人変人の巣窟と思われただろう、俺だって最初は―――
うん?いや、まだ二日しか経っていないのか?えらく時間が掛かっているような気がしてならないのだが、
それはいいとしても、一昨日(しか経っていないことに驚きだが)の俺もそう本気で思っていたのだ、無理はあるまい。
住めば都、とも言うし、ぜひ彼女にはそうなって欲しい所である、
私は余り奇人変人には見られたくは無いのだ、誰だってそうであろう、
変人と言われて喜ぶのはそいつが奇人だからである、僕は違う、嬉しくなんてこれっぽっちもないのだから。
別段歓迎会がある訳でもなく、(月祢さんはやりたがっては居たが)
人形「二重丸さん 凄いですよ あれ」
うん、確かに凄いとは思うよ碧樹ちゃん、
だけどあれを作ったのは僕なんだよ、とは口が裂けても言えない、
現に月祢さんがもうこっちに、主に俺に睨みを利かせているので、取り敢えず曖昧に返して置く。
今の状況は月祢さんが約十個の机で織りなされた玉座のような椅子に、見栄を張って座っている。
どうして見栄かと言われれば、表には出してはいないがあれは物凄く座り辛いのだ、座っているのが苦痛になるほど、
何もそんなに良い顔で座らなくてもいいのに、さらに睨まれそう、というか殴られそうなので黙っておこう。
それを輝いていない眼で見る少女、どうにも古典部には奇人変人しかいないらしい、
僕を除いての話ではあるが。
一週間という期間が物凄く短い、
私としてはもうそろそろ夏休み本番のシーズンなので、
先生方が色々と慌てるのも分からなくは無いのであれなんですが、
それにしたって短すぎると思います、ss本文も、一週間にしてみても。
なので今週のは更に詰まらないのではないかと不安になったり。
愚痴が多いな……週四日休みにならないかと思う毎日です、
それではもっと面白くなるために頑張ります、
また来週にでも。
PS:来週からは変態議会とかになりそうです
乙
定期的に更新するスレは貴重
週1だと遅く感じることもあるけど
ここはこれで良い
これは一気読したいな
文章がちゃんとしてて気軽に読めん
前略、中略、後略
◇◇◆09◆◇◆
人形の様に生気を失った少女、鋤沙碧樹はやはりとでも言うべきか、
外見にまで滲み出ていた奇人変人のオーラの気もあったのか、一ヶ月どころか一週間で部室に馴染んで居た。
それは確かに私としてはとても良い好調なるスタートダッシュとも言えよう事だったが、
問題はその後だった、いや、その後にしか残っていなかった。
詰まる所その異様なる尋常なる慣れ具合に、俺は少しばかりの違和感を感じ取っていた、
嫌な予感ではあったものの、それでも今まで余り当たった事の無い勘だったので、
『少しくらい懐っこい性格なのだろう』
と自己解釈していたのが情けなかった、いや、本当に私という人間はもっと自分自身というものを信じた方が良い。
この異様な空間に早く慣れるという事が、どれだけ異常なのかを、その奇人変人のオーラも付け足して、
疑問に感じた方が良かったのかもしれない、勿論こんな物は後の祭りというものであり、
だから未来からは何を言っても変わらない事は、百も千も承知してはいる。
だが、言わせて貰おう、早く逃げてくれと。
◆◆◇10◇◇◆
鋤沙碧樹が、その本性を現したのは、古典部に入ってから数えて四日後の事であった。
週を跨いで来た月曜日、一週間の強敵とも言えるその日に、彼女は口を開いた。
人形「二重丸さん、ちょっと席を、外しますね」
ぱたむ、とこれまた気前の良いような音が鳴ると思えば、生気のない目をこちらに向ける碧樹ちゃんが居た。
御丁寧にもそういって碧樹ちゃんは部室から出て行った、(流石はお嬢様である)結構な急ぎ足だったので恐らくは重用であったのだろう、
しかし、本さえ置いて行くとなると、どういうことか、
気前の良い音はしたものの、無造作に置かれたその本には、どう表現したものか、
とても俺からしてみれば異形な何かが写っていた、いや、正確には描かれていた。
異質であり異形なものが、異常に、しかしさながらそれが通常の様に。
とてつもないデジャビュを感じ取りながらも、怖いもの見たさというのか、俺はその本を躊躇しつつも、手に取った。
盗ったのだ。
◆◇◇11◇◇◇
当然ながら僕にだって好奇心という物が存在するのだ、僕だって人間である、好奇心がある。
しかしして今回はその好奇心によって自らを滅ぼすような事態になったのは確かである、猫でもあるまいし―――
と言いたい所なのだが、如何せん滅ぼしかねない状況を作ってしまったのはその僕自身でもあるので、
どうにも猫を責める気には成れない、慣れない。
怖いもの見たさにその本を手に盗って確かめた異常物体とは、結果から言ってしまえばとてもアブナイ本だった、
賢明なる読者諸君には既に何割かが分かってくれても居る事だろう、そうなのだ、
生気の欠片も無い少女、鋤沙碧樹ちゃんは、腐っていた、腐り切っていた、
バイオハザードも吃驚である、衝撃の事実と言わざる負えない反面、私は妙に納得していた、
彼女がどうしてそこまで素早くこの部活動に慣れたのか、(この部活動という言い方は実際には少し違う、
あの狐面の少女、が根本的な所に居座っているので、この場合は殆ど火灯月祢さんに慣れる事が出来たのか、だ)
そうかそうか、これで違和感が拭えた、違和感で違和感を拭うとは如何せん妙な表現だが、
要は『目には目を、歯には歯を』という奴である、奇人には変人を、という訳だ。
……少しだけ待とう、つまりそれは絶望的なまでの結果しか生み出さない、
変人には変人を、奇人には奇人を、変人には奇人を、奇人には変人を。
私の所属する部活動は現在進行形で三名である。(勿論この場には居ない月祢さんが新たなる変人を呼び込んだりしなければの話だが)
その奇人と変人に役割を当てはめてしまえば、常人が一人だけになってしまう……?
正に最後の希望である、自分自身が自分自身の最後の希望というのだから情けない、正直意味があるのだろうか?それは。
とこれまた一週間のうちに何度思考停止すればいいのか、と言う程私の頭はフリーズしていた。
そんな中、
人形「なにをしているのですか?二重丸さん?」
悪魔のような声がした。
◇◇◇12◆◆◇
悪魔とは言っても、勿論それは僕の聞き間違いという物で、他人からしてみればきっと、
部室で本を持っている眼の死んだ少年に、人形のような可愛らしい少女が人形のように可愛らしい声で声を掛けている、
と言った所なのだろうけれど、上記したように常軌を逸した本を手に持っていれば、それは逆転する。
私にはとてもではないが可愛らしい声など聞こえなかったし、可愛らしい少女も見えなかった、(これはただ単に振り向けなかったという所も多い)
きっと見えたのならば
『おお……あなたが閻魔か…………』
と歓喜の声を上げる事だろう、歓喜と言うよりそれは狂喜にも近いモノを感じるが、
私は振り向かなかったのでそんなものを感じる余裕も隙も何もなかった。
一般的にはここで怒涛の罵りが始まる所なのだろうけれど、彼女は違った、違っていた。
(しかしそもそもとしてこういう場合の一般的をあまり知らないので、もしかしたら彼女の取った行動こそが一般的であるという可能性も無きにしも非ずである
―――否、実の所、絶対にこんな一般的があるはずがないと確信はしているが)
恐る恐る振り向くと、そこには閻魔が―――という訳でもなく、相も変わらず眼に生気も何もない、人形のような女の子が、そこには居た、が、
しかし、依然として違っているのは、彼女が満開の笑みを浮かべていたことだ、それはさながら、狂喜的でもある、
正直に話そう、正直怖かった、何か見てはいけない物を二度見処か何度見でもしたような気がする。
そんな風に私が心の奥底から心の中だけで彼女に謝罪していると、(口には出せなかった)
人形「えっと、それ、私、のですよね?」
人形「もしかしたら、二重丸さん、も興味、あったり、とか?」
◎「ああ、いや―――」
有るはずがない、そんなもの、俺は一般的な只の男子高校生である、そっちの趣味は無い、興味も無い、興趣も無い。
人形「うむむ、いいんですよ、何も言わなくても、大丈夫です、きっと分かってくれる人はいます、私とか」
君が一番わかっていない、無実なのに同情されて無理に受け入れられる(というかこの場合は無理強いされている、のだが)とは、
こんなにも虚しい物なのか、説教の壁を超えた何かを垣間見た。
人形「大丈夫です、私が一緒になってあげます、赤信号でもおばあちゃんと一緒なら渡っても大丈夫です、生暖かい目で見られます」
それは全然大丈夫じゃない、お婆ちゃんと一緒でも赤信号は渡るな、仮に渡ったとしても僕達ではお婆ちゃんにはなれない、
現実というトラックに轢かれたくないのであれば、身体が四散したくないのであれば、ちゃんと青信号を渡れ。
◎「いや、駄目だよ渡っちゃ」
人形「そうですか、そうですね」
常識はあるようだ。
人形「そうです、じゃあ、私が受け入れます、二重丸くん、大丈夫ですよ、道は険しいです、でも友達とならやってけます」
僕達は何時から開拓されてない道を進むようなことをしたのだろう、
何処で選択を間違えたのだ、というか、選択はあったのか?
人形「そう!友達です!」
高らかに選手宣誓のようなポーズをとった彼女は高らかに宣誓した、同盟国でも結ぶのか。
人形「私と、友達になりましょう、◎くん」
だが、その満開の笑みは、青信号でも止まるように、煌めいていた、まるで太陽の様に、向日葵の様に。
一つ溜息を吐くと、何時ものように投げやりに答えた。
◎「分かったよ、いいや、うん、友達になろう、碧樹ちゃん」
車は急には止まれないのだ、
赤信号でも突き進むようなこの子を、放って置いたらきっと四散霧消でもしてしまいそうな気がする。
そう、人形の様に。
そうならないためには、誰かがストップを掛けなければならない、留めるためにも、止めなければならない、
人形「はい!友達です!」
取り敢えず、今はこの笑みを、守ろうと思った。
――翌日
狐「私の出番はなしかよ」
◎「だってジャンプ買いに行くって聞かなかったじゃないですか」
日曜には投下しようと思っていたのですが間に合わず、すみませんでした。
時間が無いので本職に戻ります、
それでは、また来週にでも。
乙
異常物体な本‥?
クトゥルフの魔道書か?ウ=ス異本か?
それかSANが消し飛ぶ程度のBL本だとでも?
数値を挟んだ6個のひし形の出現パターンもよくわからん
>>50
いきなりクトゥルフが出てきたから誤爆かと思った。
碧樹ちゃんはあくまでも人形のような少女なので人間です、
魔道書でも何でもなく(俺からしたらほぼ大差ないですが)
まあウ=ス異本だとでも思って頂けたら、
俺は姉のウ=ス異本を見てSANが下がりました、男が妊娠してました。
ひし形の出現パターンにあまり意味はありません、強いて言えば被らないようにしてます。
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