トール「小林さんってカンナに甘くないですか」 小林「普通でしょ」 (48)

トール「うーん」

カンナ「トール様、どうしたの」

トール「いえ、前からちょっと思ってたんですけど」

トール「小林さんって、カンナにだけ甘くないですか?」

カンナ「そうなの?」

トール「はい、絶対そうですよ」

カンナ「気にしたこと無かった」

トール「じゃ、試しに小林さんにこう言ってみてください」

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カンナ「コバヤシ、コバヤシー」

小林「ん、どうしたの、カンナちゃん」

カンナ「コバヤシは、私のこと好き?」

小林「うん、大好きだよ」

カンナ「えへへ」

小林「よしよし」ナデナデ

カンナ「んぅー」ゴロゴロ

トール「小林さん小林さーん」

小林「ん、なに?」

トール「小林さんはぁ、トールのことぉ、好きですかぁ?」

小林「え、普通だけど」

トール「……普通に好きって事ですよね?」

小林「いや、好感度が普通って事だけど」

トール「……」

トール「おう、表出ろや」

カンナ「トール様こわい」

トール「何でこんなに差があるんですか、おかしいですよね」

カンナ「コバヤシ、照れてるだけだと思う」

トール「カンナには照れないのに?」

カンナ「私は、子供だから」

トール「うう、納得いきません」

トール「これはひょっとして、あれかもしれませんね」

カンナ「なに?」

トール「小林さんは、実はロリコンなのかもしれません」

カンナ「ろりこん?」

トール「幼い人間の女の子が好きな男の人の事です」

カンナ「私はドラゴン」

トール「ドラゴンロリコンなのかもしれません」

カンナ「小林は女のひと」

トール「ドラゴンロリコンレズビアンなのかもしれません」

トール「略してドラゴンロリレズです」

カンナ「おー」

トール「よし、試します、試してみます!」

カンナ「え?」

トール「えーと、秘薬箱は、と……」ゴソゴソ

カンナ「トール様?」

トール「あった、よーし、いただきます!」ゴクン


秘薬を飲んだ直後、トールの身体は突然変異を起こした。

縮み始める、身体が、胸が、尻尾が。

変異が収まった時、そこには幼いトールが居た。

トール「ばぶー」

カンナ「おー」

トール「ばぶばぶー」

カンナ「おおおおおー」

トール「ばばぶー」

カンナ「おおおおおおおおおおーーーー」

小林「ちょっと、何の騒ぎ?」

小林「あれ、カンナちゃん1人?」

カンナ「いや、1人じゃないー」

小林「けど……」

トール「ばぶー」

小林「……え、この乳幼児どうしたの」

カンナ「えっと……」

小林「カンナちゃん?」

カンナ「……」

小林「どうしたの?」

カンナ「……産んだ」

小林「ええ!?」

runo?

カンナ(トール様は言ってた)

カンナ(コバヤシがドラゴンロリレズかどうか試すって)

カンナ(けど、この乳幼児の正体がトール様だってバレたら)

カンナ(ちゃんと試せないかもしれない)

カンナ(隠した方がいい)


小林「カ、カンナちゃん、この子産んだの?」

カンナ「うん」

小林「そういえば、角生えてるし、小さな尻尾もある……」

カンナ「……」

小林「けど、けど、カンナちゃんまだ子供じゃないか」

小林「一体誰との子供なの?」

小林「ちゃんと責任取らせないと」

カンナ「えっと……」

小林「カンナちゃん?」

カンナ「……コバヤシとのこども」

小林「ええ!?」

小林「私との子供って、私そんなの記憶にないよ!?」

小林「というか、私は女なんだし子供なんて!」

カンナ「わたしたちの種族は、同性でもこどもできる」

小林「け、けど……いや待てよ」

小林「何度か、カンナちゃんは私の布団の中に潜り込んで寝てた事がある」

小林「もしかしたら、その時に?」

小林「いや、けど、まったく記憶にないなんて事がある?」

小林「んむむむむ……」


トール「……びえええええ!」


小林「わ、わわ、この子泣き始めた、どうしよう」

カンナ「コバヤシ、だっこしてあげてほしい」

小林「抱っこって、どうやれば……」

カンナ「こう、胸元に抱えてあげるかんじー」

小林「こう?」ダキッ

トール「きゃっきゃっ」


小林「あ、笑い始めた」

カンナ「安心してるんだとおもう」

小林「そ、そっか、私に抱っこされて安心しちゃったのか」

小林「ふふふ、何だかちょっと嬉しいかも」


トール「まーまー」ギュッ


小林「え、あ、うん……えーと」

小林「ママですよ~」


トール「きゃっきゃっ」


小林「あはは、また笑ってくれた」クスッ


トール「バーブー」グイッ


小林「え?」


ビリビリビリー


小林「……え?」

トール「きゃっきゃっ」

小林「え、私の服が破られ……え?」

トール「ばぶばぶー」グイッ

小林「ちょ、待って、服掴まな……」


ビリビリビリビリー


小林「ひゃあ!?」

トール「きゃっきゃっ」

小林「な、な、な、何この子、力強すぎるんだけど!」

小林「服破いてくれんだけど!」

カンナ「あまえてるのー」

小林「甘えてるレベルじゃないよね!?」

トール「まーまー」

小林「だ、駄目だって、ブラ掴んじゃ駄目!めっ!」

トール「ばぶー」グイッ

小林「ああ……」



この時のトールの肉体年齢、生後3カ月。

既に人間をレズレイプ出来る年齢である。

ビリリーッ


トール「おっぱー」

小林「お、おっぱい出ないから!くっ、力負けする……!」

カンナ「コバヤシー、たかいたかいするのー」

小林「え、こ、こう?」

トール「ばーぶー」ブンブンブン

小林「あ、こうしておけば、手が短いから届かないのか」

小林「はぁ、びっくりした……」

トール「……ちっ」

小林「今この子、舌打ちしたような」

カンナ「きのせいー」

ゴソゴソ


小林「よし、着替えも済んだ……と」

小林「あれ、そう言えばトールは何処行ったの?」

カンナ「トール様は……」

小林「トールは?」

カンナ「……昔の友達に会ってくるって言って出て行った」

カンナ「暫くは戻らないらないの」

小林「ふーん」

トール「……ばぶー」

小林「ん?どうしたの?」

トール「……ばぶばぶ」

小林

小林「あれ、この子もしかして怒ってる?」

トール「……ぶー」

小林「うーん、ひょっとして、お腹すいたのかな」

小林「と言っても、母乳とか無いし……粉末ミルクでも買ってくるしかないか」

カンナ「ドラゴンは雑食だから、普通のごはんでいい」

小林「え、大丈夫なの?」

カンナ「だいじょうぶー」

小林「うーん、カンナちゃんが言うなら、そうなのか」

トール「……」

小林「よし、じゃあちょっと晩御飯作ってきちゃうね」

~小林料理中~


カンナ「トール様、何か怒ってる?」

トール「……」フー

カンナ「ひょっとして、コバヤシの反応がきにいらなかった?」

トール「……ばぶ」

カンナ「ちゃんとご飯作ってくれてる、コバヤシやさしい」

トール「ぶー……」

小林「はい、出来たよ、オムライス」

カンナ「わーい」

トール「きゃっきゃっ!」

小林「お、機嫌が直ったみたいだね」

トール「ばぶ!ばぶー!」ブンブン

小林「はいはい、今食べさせてあげるから」

小林「あ、服破くのは無しね?」

トール「ばぶー!」コクコク

小林「この子、確実に人間の言葉理解してるよね」

小林「ドラゴンだし、頭の成長もはやいのかな」

カンナ「そうなのー」

小林「はい、あーん」

トール「ばぶー♪」キラキラ

小林「美味しい?」

トール「ばぶばぶ♪」キラキラキラキラ

小林「はい、じゃあもう一口、あーん」

トール「だーだー♪」キラキラキラキラキラキラキラ

小林「めちゃくちゃ嬉しそうだな、この子」

小林「ん、ほっぺにご飯粒が……ごめんね」ヒョイ

小林「んー、勿体ないし、食べちゃお」パクリ

トール「……!」

トール「はぁはぁはぁはぁ」キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

小林「うわ、凄い息が荒くなってる」

小林「食べすぎちゃったの?大丈夫?」ナデナデ

トール「ばぶー♪」キラキラキラキラキラキラキラ

小林「ごめんね、うちのメイドが居てくれたら、もっと美味しい物食べさせてあげられたんだけど」

トール「ばぶー」フルフル

小林「ん、美味しかったって言ってくれてるの?」

トール「ばぶ!」

小林「ふふふ、可愛いな、この子」

トール「///」

小林「トールも、早く帰ってくればいいのに……ね」

トール「……」

小林「別に何処にも行くなとは、言わないけどさ」

小林「行く前に、言ってくれたらいいのに」

小林「何時戻ってくるかも、判んないじゃん」

小林「……もう」

小林「ね、君もそう思うよね」ナデナデ

トール「……ばぶぅ」

小林「カンナちゃん、あのさ」

カンナ「なにー」

小林「この子の名前って、もう決まっちゃってる?」

カンナ「んー、まだ」

小林「じゃあさ、トールが帰って来てから、皆で決めない?」

カンナ「……うん」

小林「うん、ありがとうね、カンナちゃん」

トール「……」

小林「よし、じゃあそろそろ寝よっか」

小林「あ、そういえばこの子は何処で寝た方がいいのかな」

カンナ「私の所で寝かせるー」

小林「私も一緒の方がいい?」

カンナ「だいじょうぶー」

小林「そっか、流石おかあさんだ」ナデナデ

カンナ「おかあ、さん?」

小林「うん、カンナちゃんは、もうおかあさんでしょ?」

カンナ「……おかあさん」

小林「カンナちゃん?」

カンナ「おかあさん……おかあさん」

カンナ「うん、おかあさんがんばる」

小林「うん、私もがんばろうっと」

~深夜~


ガサガサガサ

ガサガサガサガサガサガサ

ガサガサ


トール「……」ガサガサガサ

トール「ふう、身体が小さいと動きにくいですねぇ」

トール「二足歩行も出来ませんし、人間の姿で四つん這いで移動するのは、少しキツイです」


ガサガサガサ

ガサガサ


トール「よし、小林さんの部屋にたどり着けました」

トール「ええ、このトールはこの機会を逃すつもりはありません」

トール「小林さんの布団に入り込んで、そこで、ふ、ふふふふ、お、お、おっぱ……」

トール「いえ、ここはより上品に授乳というべきですね」

トール「はい、小林さんのおっぱいから授乳させていただきます」

トール「この際、出る出ないは関係ありません」

トール「私は乳幼児ですし、そういうのが許される存在です」

トール「決して性的な欲求とかでチャイルドプレイしている訳ではありません、ええ違いますとも」

トール「では、おっじゃまっしまぁーす♪」ガサガサガサ

~小林の部屋~


小林「すぅ……すぅ……」

トール「ふ、ふふふ、久しぶりに小林さんの寝息をお聞きします」

トール「小林さんの寝息可愛い……」

トール「新しい家になってからは部屋分けの影響で一緒に寝る機会が無くなってしまいましたからね」

トール「その欲求不足を今日、全て解消してしまいましょう」

トール「では、お布団の中に……」ゴソゴソ

トール「ああ、あったかいなあ……」

トール「小林さんの、体温です、体温に包まれています、ふふふ……」



トールは、布団の足元部分から侵入していた。

目的地はあくまで胸部平野だが、そこに至るのに避けて通れない地形が存在する。

そう、渓谷だ。

股間渓谷を越えなければならない。


だが、渓谷を見た時、トールの胸にある感情が湧きあがってきた。

それは、性欲ではない。

もっと根本的な感情。

トールが遥か昔、捨ててしまった感情。

その原初の感情が、トールの心を震わせる。

「何でしょうこの感情は」

「この湧きあがる欲求は」

「こんなのは初めてです」

「どうして、どうして」

「……」

「そうか、今日の記憶が」

「原因なんだ、きっとそう」

「だって、今日の私は幸せでした」

「小林さんにいっぱい愛情を貰えました」

「ご飯を食べさせて貰いました」

「可愛いって言って貰えました」

「小林さんが名前を付けてくれるって」

「そう言ってくれました」

「そうです、私は、私は」

「小林さんに、名前を付けて欲しい」

「そして、そして育てて欲しい」

「小林さんの、子供として」

「最初から、最初から私を」

「小林さんの色で染めて欲しい」

「そうすれば、そうすれば」

「ドラゴンとか人間とか」

「そんな事は抜きで、きっと」

「心の底から愛してもらえるから」

「だから」

小林「……ん、あれ、何か眼がさめちゃった」

小林「今何時だろ、まだ暗い……」


ガサガサガサ


小林「……え」

小林「な、なに、今の音」

小林「い、いや、音というか、何か、何か感触が」

小林「ふ、布団の中から、感触が」


ガサガサガサ


小林「ひっ、だ、だれ!?」


ガバッ



小林は、布団をまくりあげた。

そこには、そこには。

そこには、乳幼児が居た。

あの乳幼児だ。

私の股間で蹲り、何かしている。

その子は、驚くべき事に喋っていた。

小声で、何かを喋っていた。


「……たい、うまれ……」

「……に、……たい」

「中に……て、……として」


ドラゴンの子供は成長が早い。

だから、言葉を発しても不思議ではない。


少し驚いたが、納得は出来た。

そもそもカンナ達も布団に入り込んでくる事が多々あるのだから。

この子が入ってきても不思議ではない。

けど、何を言ってるのだろう。

気になって、小林は耳をすませた。


「小林さんの中に入りたい」

「中に入って胎児としてやりなおしたい」

「そして産んでほしい、私を産んでほしいんです」

「生まれたい、小林さんの子として生まれたい」

「ここから、ここから出てきたい」

「小林さんの子として愛されたい」

「無条件に絶対的に愛されたいんです」

「どうすればいいでしょうか」

「何とかは入れませんかね、今の私なら」

「そうです、やってみましょう」

「秘薬はまだありましたし、もっと小さくなればあるいわ」

「ズルリと入っていけるかもしれません」

「試してみる価値はあります」

 


その悪夢のような光景を見た私は、思わず気を失ってしまった。



 

~翌朝~


小林「……」

カンナ「コバヤシ、おはよ」

小林「あー、うん、おはよう」

カンナ「顔色わるい、どうかした?」

小林「うん、ちょっと夢見が悪くてね」

カンナ「だいじょうぶ?」

小林「多分平気」

カンナ「んぅ」

小林「……そういえば、カンナちゃん」

カンナ「なにー」

小林「……あの子は?」

カンナ「あの子は」

カンナ「私が背負ってるのー」

トール「ばぶー」

小林「そ、そっか、死角になってて見えなかった」

カンナ「おかあさんだから、頑張るの」

小林「……うん、そうだね、頑張らないと」

小林「よし、じゃあ私は顔を洗ってくるね」

カンナ「いってらっしゃーい」


小林は、カンナ達に背を向ける。

ふと、後ろから声が聞こえた気がした。



「しっぱいしました、ざんねん」

こうして、小林さんとお子様二人の生活が始まりました。

けど、何日待っても、メイドさんは戻ってきません。

困った2人は、名無しの子供に名前を付ける事にしました。


「小林 透」


それが、その子に与えられた名前でした。

小林さんから名前を貰えたその子供は。

尻尾をフリフリし、とても喜びました。


その後も、2人の母親の愛情を受けた透は。

すくすくと成長し。

十数年後、無事、小林さんと結婚しましたとさ。



めでたし、めでたし。

>>10
うぃっす

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