小林「融合個体との接触を試みたい」落合「は?」 (23)

小林「融合個体白羽衣つむぎとの接触を試みたいと言っている」

落合「い、いえ、それはわかりますが。なぜ、艦長が?」

小林「……艦長たるもの、シドニアの戦力の性能と本質を理解しておくに越したことは無いと思うのだが」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433028640


落合「……は、それもごもっともです。至急岐神開発に艦長の査察を」

小林「そんな仰々しいものでなくて良い。私が行くことを伝えておいてくれれば、後はこちらで処理する」

落合「しかし艦長」

小林「聞こえなかったのか?」

落合「はっ、岐神開発にそう伝えておきます……護衛も、不要ということで?」

小林「無論だ」

落合「……はっ」


小林「……」ピッ

つむぎ『谷風さん!』キュッ♪

小林「……」ピッ

つむぎ『谷風さん!』キュッ♪

小林「……」


小林「なんだこれは、めっちゃかわいいではないか」


小林「キュッ♪って、キュッ♪ってなんだ!可愛いだろう?!何だあれは、本当に落合の研究結果である融合個体か?!」


小林「エナ星白を使ったにしても、あの可愛さはおかしい。めっちゃかわいい」


小林「私も『艦長さん!』キュッ♪ってされたい!」


落合「艦長、先ほどお伝えし忘れていましたg……」

小林「……」

落合「……」

小林「……」スチャッ

落合「仮面をつけて……どうされるおつもりです?」

小林「どうした?」キリッ

落合(なかったコトにするつもりだ!?)

小林「どうした」

落合「いえ……あとで資料を送りしますので、ご確認ください。失礼しました」

小林「わかった、目を通しておく」

落合「……キュッ」

小林「有機転換炉に放り込まれたいか」

落合「な、なんでもありません、失礼しました!」


小林「……ふ、ふふっ……待っていろ、つむぎ」




谷風の家

つむぎ「……」

長道「つむぎ?どうかしたの?なんだか顔色が悪いみたいだけど」

つむぎ「え?!あ、いえ、なんでもないんです、ちょっと寒気が」

イザナ「ちょっと、大丈夫?」

つむぎ「平気です。多分気のせいですから」

ピンポーン

長道「……誰だろう」


イザナ「纈じゃない?」

つむぎ「私が出ましょうか?」

長道「いや、俺が出るよ」



ピンポーンピンポーン



長道「はいはーい、いま出ますよ―」ガチャ


小林「……」

長道「……」

小林「……」

長道「……」

バタンッ

イザナ「誰?」

長道「……俺の勘違いかもしれないけど……多分、あれは」

ピンポーンピンポーンピンポピンポピンポーン

ドンドンドン

『谷風、なぜ閉めた。早く開けろ』

イザナ「……艦長だ!?なんで?!」


長道「わからないよ!?と、とりあえずイザナ、落ち着こう、まずは深呼吸だ」

イザナ「違うでしょ!つむぎ、配管の中に戻って!」

つむぎ「は、はい!」シュルルルスポンッ♪

イザナ「ほら、長道」

長道「開けなきゃ、ダメかな」

イザナ「……ダメでしょ」


ガチャッ

小林「……」

長道「……」

イザナ「よ、ようこそ、いらっしゃいました」

長道「ほ、本日はお日柄もよく」

小林「……私は、融合個体に会いに来たのだが」

イザナ「ど、どうするのさ長道、バレてるじゃない!」ヒソヒソ

長道「い、いやそれよりもなんで艦長が自分でここに」ヒソヒソ

小林「全部聞こえているぞ。私に隠し事は無駄だ……出てこい。融合個体白羽衣つむぎ」

つむぎ「……は、はい」シュルルルスポンッ♪

小林「カワイイ」

つむぎ「えっ?」

小林「……何か」

つむぎ「い、いえ!なんでもありません!」

長道「あ、あの!つむぎは悪くないんです!俺が全部やったことで、その、旧配管ならつむぎが通れるって言って、その」

小林「……その件については後日改めて話しをしよう。私は、ここへ融合個体白羽衣つむぎに会いに来たのだ」

イザナ「……艦長が……つむぎに?」

長道「何で……」

小林「艦の戦力の何たるかを把握しておくことは艦長の責務だ。何か問題が?」

長道「い、いえ」

イザナ「ご、ごもっともです」


つむぎ「あ、あの」

小林「……科戸瀬イザナ。茶を出してはくれないか、あと、茶を入れたら谷風と科戸瀬はこの場を外せ、いいな」

長道「あ、はぁ、それはまた何で」

小林「これは私の命令だ」

長道「は、はい!」


イザナ「ど、どうぞ」コポポポポ

小林「すまんな」

長道「で、では、ごゆっくり……」


つむぎ「あ、た、谷風さん!イザナさん!」キュッ

小林「……」

つむぎ「……」ギュムムム

小林「……」

つむぎ「あ……あの、私に、ご用件があるということで……」

小林「カワイイ」

つむぎ「はい?」

小林「なんでもない、ところで、その、どうだ。不調はないか」

つむぎ「は、はい。皆さん本当に良くしてくれていますから」

小林「そうか」

つむぎ「……」

小林「……」

つむぎ「あ、あの……」

小林「……谷風と科戸瀬と暮らしているそうだな」

つむぎ「あ、はい……あの、やはり、私が居住区に入るのは」

小林「……私は公式には私室で光合成をしている。だからここで融合個体と話しているという事実はない」



小林(ええい違うぞ小林!何をしに来たのか忘れたか!)


小林(ただ一言、艦長(キュッ♪)か小林さん(キュッ♪)と呼んでみてくれと言うだけではないか!)


イザナ「ね、ねえ長道、何話してるか聞こえる?」

長道「いや、なんにも……」

イザナ「ちょっ、長道、変なとこ押し付けないでよ!」

長道「あ、い、いやこれは、わざとじゃなくて!」



小林「……騒がしいな」

つむぎ「はい。いつもああなんですよ。ほんんと、仲良しですよね」

小林「……」

ピピピピッ

小林「……すまない、呼び出しが入った。戻らねばならん」

つむぎ「あ、はい、あの……艦長!」キュッ♪

小林「!」

つむぎ「また、いらしてください」

小林「……その機会があれば、な」



バタンッ



長道「つ、つむぎ!大丈夫か?!」

イザナ「なんか変なコト言われなかった?!」

つむぎ「はい。艦長、私のことをすごく気にかけてくれてました」

長道「そ、そう……それなら」

イザナ「でも、何だったんだろうね、突然……」

長道「さあ……」

つむぎ「……艦長」キュッ♪


艦長室

ユレ「重力子放射線射出装置の開発状況ですが……珍しいですね、仮面も付けずに。おまけに嬉しそうですよ?」

小林「?!……」スチャッ


小林「なんでもない、続けてくれ」

ユレ「はい、現在重力子放射線射出装置の改良状況は――――」


小林(今度はなにかおみやげを持って行こう)



谷風の家

長道「……」

イザナ「……」

つむぎ「お二人共どうかしましたか?顔色が悪いですよ?」

イザナ「……なんだろう、頭が」

長道「……俺も」

つむぎ「……?」キュッ♪


おわり


このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom