【グラブル】クラリス「恋愛クソザコ錬金術師じゃないよ!」カリオストロ「ふーん」 (53)

「だーれだっ?」

そういって彼は誰?といってちょっと驚いて言った。

これが美少女錬金術師のうちとのちの全空一の騎空団となる団長との出会いであった。


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うちは旅をしている内に団長が好きになった。

初めは年下の男の子で歳が近いというだけですぐに打ち解けられたけど、彼は団員全員と仲良くでき、どこかの国の王様や騎士や一流の達人まで親しくなってると彼の懐の広さや器の大きさがいかに大きいかわかるし、凶暴な魔物にも臆せず立ち向かって「かっこいいなー☆」って思っちゃて、男気まで見せられたら団長と話すのが少し照れくさくなってクラリスちゃん恋する乙女になっちゃった☆

そんな団長にはうちだけじゃなくて他の女の子の団員も彼を好きになっていたりして、一目みても魅力的な女の子が彼にアピールしているのが日常の光景としてよくある。

けどいまだに団長は特定の誰かとは付き合ってなくて、ニブチンさんである。

勿論その理由は何となくだけどわかる。

皆多分ルリアちゃんのことを思っているんだろうなーっ☆

そりゃ、一つの命を半分にして共有するなんてことだったらうちもルリアちゃんを大事にするし、悲しむ顔は見たくないよ。

彼と付き合うということはルリアちゃんのことも頭に入れとかないといけないし、皆そのことが分かっていて彼にアピールするけど最後の一線は超えることなく、彼に選んでもらうことにしてるんだろうなー☆

団長は最近、団を円滑に活動するための歯車(システム)に徹しており、恋愛に呆けてる場合じゃない時もあるし、危険な仕事も受け持つこともあるのでケガをするときもある。

だから悲しい顔を好きになった人に見せたくないんじゃないかなーってこれ全部クラリスちゃんの憶測だけど、やっぱうちは団長が大好きだよー☆

団長はうちを団に入団するための条件を付けてきた。

ちゃんと自分の旅の目的を達成すること。

この一つだけだった。

うちは軽いノリで承諾し、無事に騎空団に入団した。

そんなこんなで旅をしてるとなんと向こうからご先祖様がやってきちゃったのだー!

始めは悩んでいたけど団長が「錬金術師同士だから挨拶したら?」といったので挨拶するとご先祖様は「ハッ、こんなケツの青いのがオレ様を始末するだー?カリオストロ、笑っちゃうなー☆」なんて言ってきた。

クラリスちゃん大ピンチかもー!なんて思っていたら、数日たって、「授業の時間だぞ☆」と部屋に入ってきて、錬金術の勉強について教えてくれた。

授業してくれる代わりに研究を手伝えなんて要求してきたから初めは断ったけど、「オレ様の弱点知りたくないのか?」と言い始めたので、家のこともあるし、なし崩し的に取引に応じてしまった。

実際、勉強はわかりやすかったし、研究を手伝っているときも、どれが危険な調合かどの組み合わせが人体に影響を及ぼすか、専門外の薬の調合をジャスミンとシャオと議論しているといかにご先祖様が天才でやばい存在かが一緒に旅している内にわかっちゃうのだ。





またクラリスちゃんの憶測になっちゃうけど実家がご先祖様を始末しろというが多分違うと思う。

なんでうちがご先祖様を始末する任務を受けれたかというと多分このチカラが関係している。

実家では才能がないと言われ、出来損ないと言われたこの『破壊』のチカラはご先祖様と相性が悪いため、うちが失敗してもダメージを与えることができるのだ。

弱ったご先祖様を捕まえて、真の目的の錬金術師の根源について聞き出し、世界を支配するつもりである。

昨今、魔晶や星晶獣の研究が進んでいる中、現在錬金術はマイナー分野となり落ち目であった。

しかしある研究者が魔晶や星晶獣との関連性があると発表すると親戚一同皆、書物をあさり、錬金術の開祖の存在と封印について見つけ、今に至る。

ある日のこと

カリオストロ「お前、団長のこと好きだろ?」

突然の爆弾発言。

クラリス「え?うそ?なんで?」

カリオストロ「なんでって、そりゃバレンタインの態度からしてバレバレだからだよ」

クラリス「うーっ」

唸ることしかできなかった。

カリオストロ「ので?どうするんだ?諦めるのか?」

クラリス「そっ、それは・・・」

カリオストロ「あの嬢ちゃんだろ?原因は?」

なんでこう天才は察しがいいのだろう。

カリオストロ「ありゃ、オレ様でも未だ原因を解明してもわかんないことだ。おそらく帝国のどっかに手掛かりが隠されてんだろうがトップシークレットだろうな」

クラリス「べ、別にご先祖様に頼るつもりはないよ。この美少女錬金術師のクラリスちゃんが団長のハートをわしづかみにするのだー☆」

カリオストロ「あっそ」

いきなり興味を無くしたみたいだ。

カリオストロ「まっそれは置いといて、だ。どうだお前のその不完全な錬金術。少しは直ったか?」

クラリス「やっ、これはですなー生まれつきみたいで再生と創造はからっきしで、破壊だけしか上手く出来ないみたいなんですよー」

カリオストロ「・・・」

クラリス「だから、この破壊の研究について専門的に勉強してるの」

カリオストロ「・・・」

クラリス「おーい、ご先祖様?」




「いつの日か、オレ様を始末するためにか?」

クラリス「っ!?」

えっ?ヤバッ!ピンチ!?

カリオストロ「アッハッハッハ!!!好きな男1人告白もできない娘がか?お前が先にオレ様よりおっちんじまってるぜー!!この恋愛クソザコ錬金術師!」

ひどい暴言である。この人とうち血繋がってるんだよねー。参っちゃうよ。




カリオストロ「カリオストロ、団長さんにこ・く・は・くしちゃおっかなー☆」

クラリス「だ、ダメーっ!」

そうしたらうちの家系図が団長が何百年前のおじいちゃんになっちゃて、生まれた子がぁぁウワッー!!!

カリオストロ「ま、オレ様に生殖機能はついてないけどな・・・聞いちゃいねーよコイツ」


そんな旅の日にとある一日である。





そして年月が経ち、イスタルシアに着いた。

ここでのことは割愛。

団に残っているのは全盛期に比べて減ったが多くの人が団長を慕い残ってくれた。

旅の終着点でもあり、そして団長とルリアの別れの日でもあった。

その最期は本人たちのみしか知らないがきっと笑顔で別れたと彼の顔から想像できた。

そして旅の出発点と彼の故郷であるザンクティンゼルで盛大なお祝いが行われた。

豪華な料理とお酒で乾杯し、旅の思い出話が主に盛り上がっているが、ほとんどが団長とルリアのことであり、自分の話など全然していなかった。

皆、笑顔で幸せそうに談笑していた。

うちもこの騎空団に泣き顔は似合わないなーと思っている。

ルリアのチカラによって生まれた未知の能力はほとんど失い、命のリンクも切れたことで自分の一人の体に戻り、ほぼ一般人に戻ったとされる団長は村人に戻ると宣言。

けど身体能力や剣技は己のチカラなので、以前とほとんど変わりないと思うんだけどなー☆

団長の宣言を聞き、最古参である仲間たちは

カタリナはどこか納得のいく顔をし、

ラカムは惜しみ、

イオは困惑交じりに驚き、

オイゲンは酒がはいってたので冗談半分と思い、

ロゼッタは微笑んでいた。

その中にビィはいなかったがきっと知ってても、何も言わず俯いてたんだろうなー。

その最期は団員全員の目に焼き付いており、皆、涙を流していた。

けど団長はそれでも前に進んだ。だから今があり、この宣言をしたんじゃないかなーってうちは思う。

団長引退と同時に団の解散もしようとしたが、

団員たちは今更他所に行っても行く当てがない、

グランサイファーを拠点に活動したいなど様々な意見が出て、結局団の解散はなかった。

では次の団長は誰にするかについては満場一致でカレンに決まった。

カレンは入団してから副団長として頑張っており、その頑張りを皆知ってたので、当然の結果だった。

当の本人はいざ、その気になると弱気になっており、

まだ心の準備が出来ていなかったそうだが時期に落ち着きを取り戻すだろう。






次の日、ご先祖様から呼び出しがあった。

カリオストロ「遅かったじゃねーか」

クラリス「ご、ゴメン」

カリオストロ「・・・、はぁー、とうとうやったなあの団長さん」

空を見上げ、深いため息をしながら言った。

クラリス「うん、すごいよ、団長、本当・・・」

伝説と言われた島に着いた団長は生きる伝説になるんだろうなー。

カリオストロ「・・・薄々、わかっていると思うがあいつのこれからは世界に追われる立場になるな。それこそオレ様のように」







クラリス「うん」








カリオストロ「オレ様はもう満足だ。団長の夢、嬢ちゃんのこと、千年生きて一番生きててよかったと思う」










クラリス「うん」

























カリオストロ「だから、オレ様を始末しろクラリス」


真剣にそして率直にそう言った。

カリオストロ「身勝手なこのタイミングでだが、人には死に際ってのがある。きっと団長と出会ったのはそういう運命だったと思う」

クラリス「・・・」

カリオストロ「長生きして、ようやく腰が下ろせるようになったのは団に入団してからだった。オレ様と同じぐらい濃い連中が集まるこの騎空団はもってこいだったし、なによりも居心地が良かった。そしてだ」

クラリス「・・・」



カリオストロ「そんな団長とお前が付き合えるようになったし、お前はお前で成長できた。」

カリオストロ「お前の破壊のチカラは不完全だったがお前の努力とオレ様の研究成果と技術で『消滅』に昇華した」



カリオストロ「いいか!一度しか言わないから!よく聞け!」








カリオストロ「開祖の錬金術師様からのありがたいお言葉だ!」












カリオストロ「お前はオレ様の次に天才だ!クラリス!!!」

クラリス「!!!」

誰かにうちを認めてほしかった。



褒めてもらいたかった。




こんな形で叶うとは思ってもいなかった。




この不完全な錬金術をご先祖様は褒めてくださった。

涙が途端にあふれ出た。美少女が台無しになってグシャグシャな顔になってしまった。



カリオストロ「あとよ、もし団長に何かあったとき、心配だから復活の錬金術も教えただろ。上手くやれよ」

クラリス「うわぁぁぁーん!!やだよ!ご先祖様始末したくないよー!」



頭の中こんがらがって息もうまく吸うことができない。



もう会えないとわかるとこんなにも苦しいとはおもってなかった。



足元がふらつき座り込んでしまうほど、いつもの調子も出なかった。




団長もこんな感じでルリアと別れたのだったのだろうか。



カリオストロ「あーあ、最後まで面倒かけるぜ」



クラリス「ウゥ・・・」



カリオストロ「ハァー、仕方ねぇな」

そういってご先祖様はうちに近づき、抱きしめに来た。



心臓の音がトクン、トクンと聞こえ、まだ生きていると実感する。




そして温かな肌の感触と衣服がこすれ合い落ち着き始めた。




カリオストロ「これから、ママになろうってんにまだガキじゃないか。しっかりしろよな。幸せになるんだろ団長と。カリオストロ、心配だなー☆」

こんなときでも、ぶりっ子するご先祖様をみて、やっぱカワイイなーなんて思い始めた。



カリオストロ「お前も、オレ様と血が繋がっているからカワイイぜ。美少女錬金術師が保障するよ」



旅をした中でうちに対しての何度目になるか忘れたぐらいしてくる読唇術。



それがきっかけで色んなことを思い出してきた。

初めて会った日のこと

クラリス「えぇー!?ご先祖様!嘘!?女の子になってるー!!!」


カリオストロ「いい度胸してんな、お前ー!!」

勉強をみてもらったこと

カリオストロ「こんなこともわからないなんてクラリスちゃん、錬金術師名乗るの辞めたらどーおーかな☆」


クラリス「ご先祖様が頭良すぎなんだってばー」

一緒に研究したこと

クラリス「経過時間17時間経過・・・ご先祖様ーっ」

カリオストロ「💤」

クラリス「寝ないでよーっ!」

カタリナの料理を食したこと


クラリス「これ意味あったの・・・」ガクッ

カリオストロ「スマン」

チョコを皆で作ったこと


カリオストロ「せっかくだし、オレ様は自分の等身大チョコを錬金術で作るぜ」


クラリス「団長、困るんじゃない?」


カリオストロ「バーカ、それがいいんだろ。ロマンだよ、ロマン」

強い魔物を討伐したときのこと

クラリス「二人は美少女錬金術師!イエェーイ!」

カリオストロ「相手が悪かったな」

星の民と戦ったときのこと


クラリス「うち、もう無理ぃ・・・」


カリオストロ「諦めてんじゃねーよ!バァカ!ここが踏ん張りどころだろうが!!!」

団長から告白されたとき相談に乗ってもらったこと


クラリス「どうしよー!ご先祖様ー!」


カリオストロ「お前は選ばれたんだ。もっと胸を張れ」


クラリス「そ、そうだねー☆」


カリオストロ「そのにやけ顔ヤメロ」


クラリス「えへへぇ」デレェ

皆にカップルとして祝福をしてもらったこと

オメデトー!

バクハツシロー!


クラリス「皆ありがとー!」ノシ

カリオストロ「素直に祝ってやるか」パチパチ

星の島イスタルシアに着いたときのこと

クラリス「(唖然)」


カリオストロ「コイツらの旅についてきて、オレ様正解だったな。千年生きたかいがあったぜ」

些細なことから大事なことまでこのお節介なご先祖様はいつもうちの傍にいてくれた。








カリオストロ「んじゃ、そろそろだな」


密着した体から離れていくご先祖様にうちは感謝の言葉を述べた。




クラリス「今まで、ありがとうー!ご先祖様―!クラリスちゃん、ちょー感謝してるよー☆だから見ててね!うちだけの錬金術―!」




カリオストロ「さぁ、来な、オレ様の『再生』と『創造』とお前の『消滅』どちらが優れているか証明してやろうぜ!」
   ・
  ・
 ・

破壊が起きる瞬間ある地点に到達すると無になる。


更にその瞬間、

無から特異点と呼ばれる無限に時空をねじ曲げる場所を創造し、

破壊の再生を始めると、捻じれが生まれ、結果消滅するようになる。


ただし、これには才能と技術が必要となり、

素人がやると、自らを消滅させる可能性があり、

破壊の核となる部分を手のひらで転がせるぐらい慣れておかないといけない。


つまり、現時点においてはうちしか使うことができない錬金術である。


ご先祖様にもできなかったうちだけの真理である。




勝負はうちの勝ちとなり、

開祖の錬金術師であり、

美少女錬金術師カリオストロは笑顔でこの世から姿を消した。

10年後

娘「ママー!」

クラリス「どしたー?」

娘「あのー、ここわかんないだけどー聞いてもいい?」

クラリス「ちょっと、見せてー。ふふん、これは昔ママもつまづいたところだねー」

娘「ほんとー?元美少女錬金術師のママでも間違えたのー?」

クラリス「元は余計。そうだよー、ママも教えて貰ったんだー」

娘「誰に~?あっ、わかった!パパからだ!」

クラリス「残念でしたー!正解は開祖の錬金術師様からだよー!」

娘「えぇー!?ママ嘘ついてるよ!だって千年も前に死んだおじいちゃんのことじゃん!」

クラリス「嘘じゃないですよー!今日はパパが久しぶりに帰ってくるから聞いてみるといいよ」

娘「カレンさんやラカムおじちゃんも来るの?」

クラリス「そそっ、だから夕食の支度しなきゃね。ゴメンけど留守番しててもらっていいかな?」

娘「いいよー!この三代目美少女錬金術師が留守番引き受けたー☆いってらっしゃいー!」

クラリス「じゃ、すぐ戻るからね。いってきまーす!」







外に出ると、空はどこまでも広がっていて、青空が続いている。






そうして上を見続けていると突然視界が真っ暗になった。








そしてだーれだっ?なんていうもんだから思わず笑ってしまった。








ゆっくりと目を覆いかぶさっている手を自分の両手で握り、正面を向いてこう答えた。













「おかえりなさい、アナタ☆」

おしまい

くぅ疲。
こっからは蛇足です。
ツイッターでフォローしている某アカウントから影響を受け、今回初ssを書きました。
拙いところがあったりしますがグラブル三周年にはクラリスとカリオストロを掘り下げるとの告知もあり、先に書いてしまいました。
昨年のグラブルは色々なことがありましたがこれからも頑張って盛り上げてほしいです。
以上。

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